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特許7323489誘導された生検針の軌道をロボットによりガイダンスするためのシステムと、関連する方法および装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-31
(45)【発行日】2023-08-08
(54)【発明の名称】誘導された生検針の軌道をロボットによりガイダンスするためのシステムと、関連する方法および装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/20 20160101AFI20230801BHJP
   A61B 17/16 20060101ALI20230801BHJP
   A61B 17/17 20060101ALI20230801BHJP
【FI】
A61B34/20
A61B17/16
A61B17/17
【請求項の数】 5
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020079875
(22)【出願日】2020-04-29
(65)【公開番号】P2020182842
(43)【公開日】2020-11-12
【審査請求日】2020-04-29
【審判番号】
【審判請求日】2022-04-21
(31)【優先権主張番号】16/402,496
(32)【優先日】2019-05-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507400686
【氏名又は名称】グローバス メディカル インコーポレイティッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】ヘイデン キャメロン
(72)【発明者】
【氏名】スピロス マンツァヴィノス
(72)【発明者】
【氏名】ニール アール.クロフォード
(72)【発明者】
【氏名】サンジェイ ジョシ
(72)【発明者】
【氏名】ノーバート ジョンソン
【合議体】
【審判長】佐々木 一浩
【審判官】内藤 真徳
【審判官】佐々木 正章
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第5647373(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0319289(US,A1)
【文献】国際公開第2017/203531(WO,A1)
【文献】米国特許第6200274(US,B1)
【文献】特開2007-307399(JP,A)
【文献】特開2018-202156(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 34/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の標的エリア内に生検針を挿入するための外科手術ロボットシステムであって、
コンピュータを含むロボット基部と、
前記ロボット基部に連結されたロボットアームと、
前記ロボットアームに連結され、開口部を含むエンドエフェクタと、
手動で調整可能な深さ停止部を有し、カメラで確認できる第二の複数の追跡マーカーを含み、組織のサンプルを吸引するために前記エンドエフェクタの前記開口部に挿入可能である生検針と、を備え、
前記コンピュータは、前記ロボットアームを制御して前記エンドエフェクタを計画された軌道に沿って自動的に配置し、
前記ロボットアームの位置は、前記エンドエフェクタに配置された第一の複数の追跡マーカーの追跡位置により決定され、
前記ロボットアームは、円錐形の入力点の周りを患者の解剖学的特徴内に旋回するように構成され、前記円錐形の入力点は、単一の入力穴から到達可能な軌道の範囲を表し、
前記開口部は、
計画された軌道に沿って穴をあけるために外科用ドリルが挿入されるように適合され、
前記生検針の遠位端が最大許容深さに達するように、前記深さ停止部が前記開口部の上部入口に接触するまで、前記生検針が自由にスライドできるような大きさである、
外科手術ロボットシステム。
【請求項2】
前記生検針を受けるように構成され、かつ、前記生検針上の前記深さ停止部の位置を決定するように構成されたルーラーをさらに有する、請求項に記載の外科手術ロボットシステム
【請求項3】
前記深さ停止部が、前記生検針が前記エンドエフェクタに連結されると、前記エンドエフェクタの一部分に接触する、請求項に記載の外科手術ロボットシステム
【請求項4】
前記生検針が、前記患者の脳内の組織を吸引するように構成された、請求項1に記載の外科手術ロボットシステム
【請求項5】
前記コンピュータが、前記標的エリアへの前記生検針の軌道を計画するために使用される、請求項1に記載の外科手術ロボットシステム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願>
本出願は、2019年3月22日に出願された米国特許出願第16/361,863号の一部継続出願であり、その全体がすべて参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、医療装置およびシステムに関し、さらに特には、誘導された生検針の軌道をロボットによりガイダンスするためのシステムと、関連する方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
ロボット支援手術のための位置認識システムは、3次元(3D)における特定のオブジェクトの位置を決定し、それを追跡するために使用される。ロボット支援手術では、例えば、外科用器具のような特定のオブジェクトは、器具がロボットまたは医師によって位置決めされ、動かされるとき、高度の精度で追跡される必要がある。
【0004】
位置認識システムは、オブジェクトを登録し、追跡するために能動および/または受動センサまたはマーカーを使用することができる。これらのセンサを使用することで、システムは、一つまたは複数のカメラ、信号、またはセンサなどからの情報、またはそれらに関する情報に基づいて、センサの3次元位置を幾何学的に決定することができる。したがって、これらの手術システムは、位置フィードバックを利用して、患者の手術部位に対するロボットアームおよびツールの動きを正確に誘導することができる。よって、外科手術環境においてニューロナビゲーション登録およびロボット軌道ガイダンスを効率的且つ正確に提供するシステムが必要とされている。
【0005】
従来の神経学的手技で使用される一つの外科手術機器は、生検針である。生検には、疾患の有無、原因、および/または程度を発見するための、組織を抽出が含まれる。従来の手技における生検針の軌道および位置は、位置認識システムを使用した3D空間では追跡されない。よって、外科手術システムを使用して生検を追跡することができるナビゲーション生検針および手技が必要とされている。誘導されたロボットエンドエフェクタと互換性があり、生検針が患者に挿入されるときの生検の挿入深さおよび軌道についてのリアルタイムのフィードバックを提供する問題を克服した、誘導された生検針もまた、必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
このニーズおよびその他のニーズを満たすために、外科手術インプラントをナビゲートするための装置、システム、および方法が提供される。
【0007】
例示的実施形態によると、生検針を患者の標的エリアに挿入するための外科手術ロボットシステムは、コンピュータを含むロボット基部と、ロボット基部に連結されたロボットアームと、ロボットアームに連結されるよう構成されたエンドエフェクタと、生検針とを含み、生検針は、カメラに見えるように構成された追跡マーカーを含み、エンドエフェクタとに連結されるよう構成される。
【0008】
別の例示的実施形態では、患者に生検針を挿入するための外科手術ロボットを使用する方法は、生検針を挿入するための標的エリアを特定することと、外科手術ロボットのコンピュータを使用して標的エリアへの軌道を計画することと、外科手術ドリルを使用して患者の頭蓋骨にドリルすることと、外科手術ドリルで頭蓋骨の硬膜を貫通することと、生検針の挿入深さを設定することと、標的エリアへの外科手術ロボットのエンドエフェクタ内に生検針を挿入することと、生検針を使用して組織のサンプルを吸引することと、患者およびエンドエフェクタから生検針を取り除くことと、外科手術ロボットシステムのカメラが確認できるように構成された、生検針上に配置された追跡マーカーを使用して生検針の位置を監視することと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本開示のさらなる理解を提供するために含まれ、本出願の一部を構成する添付の図面は、本発明の概念の特定の非限定的な実施形態を示す。図面において:
図1A図1Aは、一部の実施形態による、外科施術中の、ロボットシステム、患者、外科医、および他の医療従事者の位置の配置の俯瞰図である。
図1B図1Bは、一部の実施形態による、頭蓋外科施術中の、ロボットシステム、患者、外科医、および他の医療従事者の位置の代替的配置の俯瞰図である。
図2図2は、一部の実施形態による、患者に対して外科手術ロボットおよびカメラを位置付けることを含むロボットシステムを示す。
図3図3は、一部の実施形態による、外科手術ロボットのロボットアームに対する患者の解剖学的特徴の位置および配向を決定するためのコンピュータ実装動作を図示したフローチャート図である。
図4図4は、一部の実施形態による、外科手術ロボットのロボットアームに対する患者の解剖学的特徴の位置および配向を決定するためのデータの処理を図示した図である。
図5A図5Aは、一部の実施形態による、コンピュータ断層撮影(CT)ローカライザ、フレーム基準アレイ(FRA)、および動的基準ベース(DRB)を使用して患者の解剖学的特徴を登録するためのシステムを示す。
図5B図5Bは、一部の実施形態による、コンピュータ断層撮影(CT)ローカライザ、フレーム基準アレイ(FRA)、および動的基準ベース(DRB)を使用して患者の解剖学的特徴を登録するためのシステムを示す。
図5C図5Cは、一部の実施形態による、コンピュータ断層撮影(CT)ローカライザ、フレーム基準アレイ(FRA)、および動的基準ベース(DRB)を使用して患者の解剖学的特徴を登録するためのシステムを示す。
図6A図6Aは、一部の実施形態による、蛍光透視法(フルオロ)撮像を使用して患者の解剖学的特徴を登録するためのシステムを示す。
図6B図6Bは、一部の実施形態による、蛍光透視法(フルオロ)撮像を使用して患者の解剖学的特徴を登録するためのシステムを示す。
図7図7は、一部の実施形態による、術中CT固定具(ICT)およびDRBを使用して患者の解剖学的特徴を登録するためのシステムを図示する。
図8A図8Aは、一部の実施形態による、DRBおよびX線円錐ビーム撮像装置を使用して患者の解剖学的特徴を登録するためのシステムを示す。
図8B図8Bは、一部の実施形態による、DRBおよびX線円錐ビーム撮像装置を使用して患者の解剖学的特徴を登録するためのシステムを示す。
図9図9は、一部の実施形態による、ナビゲーションプローブおよび解剖学的特徴のポイントツーポイントマッピングのための基点を使用して、患者の解剖学的特徴を登録するためのシステムを図示する。
図10図10は、一部の実施形態による、中心点アーク機構の調整範囲の二次元視覚化を図示する。
図11図11は、一部の実施形態による、仮想点回転機構の二次元視覚化を図示する。
図12図12は、一部の実施形態による、外科手術ロボットを用いて誘導された生検針を使用するための例示的ワークフローを図示する。
図13図13は、一部の実施形態による、例示的な、誘導された生検針を図示する。
図14図14は、一部の実施形態による、例示的な、誘導された生検針を図示する。
図15図15は、一部の実施形態による、例示的な、誘導された生検針を図示する。
図16図16は、一部の実施形態による、例示的な、ルーラー付きの誘導された生検針を図示する。
図17図17は、一部の実施形態による、例示的エンドエフェクタ内にある、例示的な、誘導された生検針を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示は、その適用において、本明細書の説明に記載された、または図面に示された構成の詳細およびコンポーネントの配置に限定されないことを理解されたい。本開示の教示は、他の実施形態において使用され、実施され、様々な方法で実施され、または実行されてもよい。また、本明細書で使用される表現および用語は、説明のためのものであり、限定的であると見なされるべきではないことを理解されたい。本明細書中の「含む(including)」「含む(comprising)」または「有す(having)」の使用およびそれらの変形は、その後に列挙されるアイテムおよびその等価物ならびに追加のアイテムを含むことを意味する。別段に特定または限定されていない限り、「装着される(mounted)」、「接続される(connected)」、「支持される(supported)」および「結合される(coupled)」という用語およびそれらの変形は、広範に使用され、直接的および間接的な取り付け、接続、支持および結合の両方を包含する。さらに、「接続される(connected)」および「結合される(coupled)」は、物理的または機械的な接続または結合に限定されない。
【0011】
以下の議論は、当業者が本開示の実施形態を作成し使用することを可能にするために提示される。例解された実施形態に対する様々な変更は、当業者には容易に明らかであり、本明細書の原理は、本開示の実施形態から逸脱することなく他の実施形態およびアプリケーションに適用することができる。したがって、実施形態は、示された実施形態に限定されることを意図するものではなく、本明細書に開示された原理および特徴と一致する最も広い範囲が与えられるべきである。以下の詳細な説明は、図面を参照して読まれるべきであり、異なる図における同様の要素は、同様の参照番号を有する。必ずしも縮尺通りではない図面は、選択された実施形態を示しており、実施形態の範囲を限定するものではない。当業者は、本明細書で提供される例が多くの有用な代替物を有し、実施形態の範囲内に入ることを認識するであろう。
【0012】
一部の他の実施形態によれば、ニューロナビゲーションを登録し、ロボットの軌道をガイダンスするためのシステム、および関連する方法および装置が開示されている。一部の実施形態では、患者の解剖学的特徴と、患者の解剖学的特徴に対して固定された登録固定具と、登録固定具に対して固定された第一の複数の基準マーカーとを有する第一の画像が分析され、第一の複数の基準マーカーのそれぞれの基準マーカーについて、位置が決定される。次に、第一の複数の基準マーカーの決定された位置に基づいて、解剖学的特徴に対する登録固定具の位置と配向が決定される。登録固定具に対して固定された第二の複数の追跡マーカーを含むデータフレームも分析され、第二の複数の追跡マーカーのそれぞれの追跡マーカーについて、位置が決定される。第二の複数の追跡マーカーの決定された位置に基づいて、外科手術ロボットのロボットアームに対する登録固定具の位置と配向が決定される。解剖学的特徴に対する登録固定具の決定された位置および配向、および、ロボットアームに対する決定された登録固定具の位置および配向に基づいて、ロボットアームに対する解剖学的特徴の位置および配向が決定され、ロボットアームに対する解剖学的特徴の決定された位置および配向に基づいてロボットアームが制御されるのを可能にする。
【0013】
このような利点とその他の実施形態には、幅広い種類の様々な登録ハードウェアおよび方法に対応した、ニューロナビゲーションおよびロボット軌道アライメントを一つのシステムに組み合わせる能力が含まれる。例えば、以下に詳細に記載されるように、実施形態は、コンピュータ断層撮影(CT)と蛍光透視法(フルオロ)登録技術の両方に対応することができ、フレームベースおよび/またはフレームレス外科手術配置を利用しうる。さらに、多くの実施形態では、登録固定具の動きによって初回(例えば、術前)登録が損なわれる場合、登録固定具の登録(および延長による解剖学的特徴の登録)が、手術を中断したり、術前画像を再撮影することなく、手術中に再確立されうる。
【0014】
ここで図面を参照すると、図1Aは、一実施形態による外科手術ロボットシステム100を示す。外科手術ロボットシステム100は、例えば、外科手術ロボット102と、一つまたは複数のロボットアーム104と、ベース106と、ディスプレイ110と、ガイドチューブ114を含むエンドエフェクタ112と、一つまたは複数の追跡マーカー118とを含む。ロボットアーム104は、ユーザからの入力、処理装置から受信されたコマンド、またはその他の方法に応答して、ベース106に対する軸に沿って、および/または、軸を中心に可動であってもよい。外科手術ロボットシステム100は、患者210に直接(例えば、患者210の骨に)固定されるように適合された一つまたは複数の追跡マーカー118をも含む患者追跡装置116を含むことができる。以下でより詳細に検討されるように、追跡マーカー118は、患者210の解剖学的特徴に対して固定された定位フレームに固定されるか、またはその一部であってもよい。定位フレームはまた、手術中に、患者210が動かないようにするための固定具に固定されてもよい。
【0015】
代替的実施形態によると、図1Bは、頭蓋外科手技中の、ロボットシステム100、患者210、外科医120、および他の医療従事者の位置の代替的配置の俯瞰図である。頭蓋手技の間、例えば、ロボット102は、患者210の頭部128の後ろに位置付けられうる。ロボット102のロボットアーム104は、手技中、外科手術器具108を保持しうるエンドエフェクタ112を有する。この例では、定位フレーム134は、患者の頭部128に対して固定され、患者210および/または定位フレーム134はまた、患者ベース211に対する患者の頭部128の動きを防止するため、患者ベース211に固定されうる。さらに、患者210、定位フレーム134、および/または患者ベース211は、補助アーム107等によって、ロボット基部106に固定され、手術中のロボット102の構成要素に対する患者210の相対運動を防止する。術中CT装置130、麻酔科ステーション132、洗浄ステーション136、神経調節ステーション138、および/または、手技中にロボット102および/またはその他の装置またはシステムを制御するための一つまたは複数の遠隔ペンダント140といった、様々な装置が、手技を容易にする所望に応じて、患者の頭部128および/または患者のベース211に対して位置付けられてもよい。
【0016】
図1Aおよび/または図1Bの例における外科手術ロボットシステム100は、例えば、カメラスタンド202上に位置決めされた、カメラ200といったセンサを利用することもできる。カメラスタンド202は、カメラ200を所望の位置に移動させ、方向付けし、支持するための任意の適切な構成を有することができる。カメラ200は、カメラ200の視点から見ることができる所定の測定容積内にある、例えば能動的または受動的な追跡マーカー118(図2の患者追跡装置116の一部として示される)を識別することができる、一つまたは複数のカメラ(例えば、二焦点カメラまたはステレオ写真カメラ)などの適切なカメラを含んでもよい。本実施例では、カメラ200は、所定の測定容積をスキャンし、追跡マーカー118から出る光を検出して、追跡マーカー118の三次元での位置を識別し、決定することができる。例えば、追跡マーカー118は、電気信号によって作動する赤外線発光マーカー(例えば、赤外線発光ダイオード(LED))を含むことができ、および/または、受動追跡マーカー118は、例えば、カメラ200上の照明器または他の適切なセンサまたはその他の装置によって発光される、赤外線またはその他の光を反射する再帰反射マーカー(例えば、それらは、入射IR照射を入射光の方向へ反射する)を含むことができる。
【0017】
多くの外科手技では、例えば脳内の標的といった、外科的対象の一つまたは複数の標的は、外部基準フレームに局在化されている。例えば、定位神経外科手術では、患者を局在化しやすくし、および、フレームに取付けられたアークを介してインプラントを挿入しやすくする、外部取付け式定位フレームを使用しうる。ニューロナビゲーションは、術前または術中の撮像に基づいて、脳内にマップや標的といったものを登録するのに使用されうる。この術前または術中の撮像を使用することで、外科手術環境において撮像と実際の解剖学的構造との間でリンクおよび関連付けを行うことができ、これらのリンクおよび関連付けは、手術中にロボット軌道システムによって利用されうる。
【0018】
一部の実施形態によれば、様々なソフトウェアおよびハードウェア要素を組み合わせて、脳内における機器またはインプラントの配置を計画し、登録し、配置し、および検証するのに使用され得るシステムを作成しうる。これらのシステムは、図1Aおよび/または図1Bの外科手術ロボット102といった、外科手術ロボットを一体化することができ、外科手術ナビゲーションシステムおよび計画ソフトウェアを用いて、外科手術ロボットをプログラムおよび制御しうる。さらに、またはあるいは、外科手術ロボット102は、非滅菌作業者などによって、遠隔制御されうる。
【0019】
ロボット102は、患者210の近くに、または隣に位置付けられてもよく、ロボット102は、手術を受ける患者210の領域に応じて、患者210の近くの任意の適切な場所に配置することができることが理解されよう。カメラ200は、外科手術ロボットシステム100から分離され、カメラ200が外科手術領域208に対して視覚的に直接視線を有することを可能にする好適な任意の位置に、患者210の近くまたは横に位置付けられてもよい。示された構成では、外科医120はロボット102の反対側に配置されるが、依然としてエンドエフェクタ112およびディスプレイ110を操作することができる。外科医助手126もエンドエフェクタ112とディスプレイ110の両方にアクセスできるよう、外科医120の反対側に、配置することができる。必要に応じて、外科医120と助手126の位置を逆にしてもよい。麻酔医122および看護師または手術室技師124のための従来からの領域は、ロボット102およびカメラ200の位置によって妨げられないままである場合がある。
【0020】
ロボット102の他のコンポーネントに関して、ディスプレイ110は、外科手術ロボット102に取り付けることができ、他の実施形態では、ディスプレイ110は、外科手術ロボット102から離され、外科手術ロボット102と一緒に手術室内か、または、遠隔地に置かれる。エンドエフェクタ112は、ロボットアーム104に結合され、少なくとも一つのモータによって制御されてもよい。一部の実施形態では、エンドエフェクタ112は、患者210に対して外科手術を行うために使用される外科用器具108を受け入れて配向することができるガイドチューブ114を含むことができる。本明細書で使用される用語「エンドエフェクタ」は、「エンドエフェクチュエータ」および「エフェクチュエータ要素」という用語と交換可能に使用される。概してガイドチューブ114で示されるが、エンドエフェクタ112は、外科手術での使用に適した任意の適切な器具で置き換えることができることが理解されよう。いくつかの実施形態では、エンドエフェクタ112は、外科用器具108の移動を所望の方法で行うための任意の既知の構造を含むことができる。
【0021】
外科手術ロボット102は、エンドエフェクタ112の並進および配向を制御することができる。ロボット102は、例えば、エンドエフェクタ112をx、y、z軸に沿って移動させることができる。エンドエフェクタ112は、(エンドエフェクタ112に関連するオイラーアングル(例えば、ロール、ピッチ、および/またはヨー)の一つまたは複数が選択的に制御できるように)x軸、y軸、およびz軸の一つまたは複数を中心に、選択的に回転するよう構成することができる。いくつかの実施形態では、エンドエフェクタ112の並進および配向の選択的制御は、例えば、回転軸のみを含む6自由度のロボットアームを利用する従来のロボットと比較して、大幅に改善された正確性を有する医療処置の実行を可能にする。例えば、外科手術ロボットシステム100は患者210上で動作するために使用され、ロボットアーム104は患者210の身体の上方に位置付けられ、エンドエフェクタ112は患者210の身体に向かってz軸に対して選択的に角度付けされる。
【0022】
いくつかの実施形態では、外科用器具108の位置を動的に更新して、外科手術ロボット102が手術中に外科用器具108の位置を常に知ることができるようにすることができる。その結果、いくつかの実施形態では、外科手術ロボット102は、(医師が望む場合を除いて)外科用器具108を医師のさらなる助けなしに素早く所望の位置に移動させることができる。さらなるいくつかの実施形態では、外科用器具108が選択されたあらかじめ計画された軌道から逸脱する場合、外科用器具108の経路を修正するように外科手術ロボット102を構成することができる。いくつかの実施形態では、外科手術ロボット102は、エンドエフェクタ112および/または外科用器具108の動きの停止、変更、および/または手動制御を可能にするように構成され得る。したがって、使用中、いくつかの実施形態では、医師または他のユーザは、システム100を操作することができ、エンドエフェクタ112および/または外科用器具108の自律移動を停止、修正、または手動で制御する選択肢を有する。外科手術ロボット102による科用器具108の制御および移動を含む外科手術ロボットシステム100のさらなる詳細は、同時係属中の米国特許出願番号2013/0345718号に見出すことができ、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0023】
下記にさらに詳述されるように、外科手術ロボットシステム100は、ロボットアーム104、エンドエフェクタ112、患者210、および/または外科用器具108の三次元での動きを追跡するように構成される一つまたは複数の追跡マーカーを含むことができる。いくつかの実施形態では、複数の追跡マーカーを、例えばロボット102のベース106上、ロボットアーム104上、および/または、エンドエフェクタ112上等のロボット102の外面に取り付ける(そうでなければ固定する)ことができるが、これに限定されない。一部の実施形態では、例えば、以下の図3の実施形態といった、一つまたは複数の追跡マーカーが、エンドエフェクタ112に取り付けるか、またはエンドエフェクタ112に固定することができる。一つまたは複数の追跡マーカーは、患者210にさらに取り付けてもよい(または別の方法で固定されてもよい)。いくつかの実施形態では、外科医、外科用ツール、またはロボット102の他の部分によって不明瞭になる可能性を低減するために、複数の追跡マーカーを外科手術領域208から離れた患者210上に配置することができる。さらに、一つまたは複数の追跡マーカーを外科用器具108(例えば、スクリュードライバ、拡張器、インプラント挿入器など)にさらに取り付ける(または別の方法で固定する)ことができる。したがって、追跡マーカーは、マークされたオブジェクト(例えば、エンドエフェクタ112、患者210、および外科用器具108)のそれぞれを外科手術ロボットシステム100によって追跡することを可能にする。一部の実施形態では、システム100は、マークされたオブジェクトのそれぞれから収集された追跡情報を使用して、例えばエンドエフェクタ112、外科用器具108(例えば、エンドエフェクタ112のチューブ114内に配置される)の配向と位置および患者210の相対位置計算することができる。外科手術ロボット102および外科用器具108の制御、移動および追跡を含む外科手術ロボットシステム100のさらなる詳細は、米国特許出願第2016/0242849号に見つけることができ、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0024】
一部の実施形態では、手技において標的とされることになる解剖学的構造を特定するために、術前撮像を用いることができる。外科医が所望する場合、計画パッケージは再形成された座標系の画定を可能にすることになる。この再形成座標系は、神経外科手術のための、前交連(AC)および後交連(PC)といった、特定の解剖学的目印に固定された座標軸を有することになる。いくつかの実施形態では、複数の術前試験画像(例えば、CTまたは磁気共鳴(MR)画像)が、解剖学的構造上の所定の任意の点の座標をその他すべての術前試験画像上の対応する点に変換することが可能であるように、同時登録されうる。
【0025】
本明細書で使用されるように、登録は、一つの座標系から別の座標系への座標変換を決定するプロセスである。例えば、術前画像の同時登録では、CTスキャンをMRスキャンに同時登録することは、CTスキャンからMRスキャンの対応する解剖学的位置への解剖学的点の座標を変換可能であることを意味する。少なくとも一つの試験画像座標系を、動的基準ベース(DRB)といった一般的な登録固定具の座標系に登録することは、有利となる場合があり、それによって、手術室の患者の解剖学的点の術中のいかなる動きも、ロボットシステム100によって検知され、外科手術ロボット102の補正移動によって説明されうるように、カメラ200がリアルタイムでカメラ空間における患者の位置の追跡し続けることが可能となりうる。
【0026】
図3は、一部の実施形態による、外科手術ロボットのロボットアームに対する患者の解剖学的特徴の位置および配向を決定するためのコンピュータ実装動作300を図示したフローチャート図である。動作300は、CTスキャンといった第一画像容積を、一回目に術前画像捕捉装置から受信することを含みうる(ブロック302)。第一画像容積は、患者の解剖学的特徴と、患者の解剖学的特徴に対して固定された登録固定具の少なくとも一部分とを含む。登録固定具は、登録固定具に対して固定された第一の複数の基準マーカーを含む。動作300は、さらに、第一の複数の基準マーカーのそれぞれの基準マーカーに対して、第一画像容積に対する基準マーカーの位置を決定することを含む(ブロック304)。動作300は、さらに、第一の複数の基準マーカーの決定された位置に基づいて、解剖学的特徴に対する登録固定具(基準登録アレイまたはFRA)上の追跡マーカーのアレイの位置を決定することを含む(ブロック306)。
【0027】
動作300は、さらに、一回目よりも後の二回目に複数の追跡カメラを備える、術中追跡装置から追跡データフレームを受けることを含みうる(ブロック308)。追跡フレームは、登録固定具(FRA)に対して固定された複数の追跡マーカーと、ロボットに対して固定された複数の追跡マーカーとの位置を含む。動作300は、さらに、登録固定具の追跡マーカーの位置に基づいて、追跡カメラに対する解剖学的特徴の位置および配向を決定することを含む(ブロック310)。動作300は、さらに、ロボット上の複数の追跡マーカーの決定された位置に基づいて、追跡カメラに対する外科手術ロボットのロボットアームの位置および配向を決定することを含む(ブロック312)。
【0028】
動作300は、さらに、追跡カメラに対する解剖学的特徴の決定された位置および配向、および、追跡カメラに対するロボットアームの決定された位置および配向に基づいて、ロボットアームに対する解剖学的特徴の位置および配向を決定することを含む(ブロック314)。動作300は、さらに、ロボットアームに対する解剖学的特徴の決定された位置および配向に基づいて、例えば一つまたは複数の画定された軸に沿って、および/または、その軸を中心に、解剖学的特徴に対するロボットアームの動きを制御することを含む(ブロック316)。
【0029】
図4は、一部の実施形態による、外科手術ロボットのロボットアームに対する患者の解剖学的特徴の位置および配向を決定することを可能にする、複数の座標変換システムのための、データフロー400を図示した図である。この実施では、複数の試験画像空間402からのデータは、複数の試験画像に基づいて、共通試験画像空間404に変換され、組み合わされてもよい。共通試験画像空間404からのデータおよび検証画像空間406からのデータは、検証画像に基づいて、登録画像空間408に変換され、組み合わされうる。登録画像空間408からのデータは、患者基準座標410に変換されてもよく、それは、DRB412の座標に変換される。追跡カメラ414は、DRB412(DRB412’によって表示される)の動作を検出することができ、経時的にDRB412の座標を追跡するプローブトラッカー416の位置を検出しうる。ロボットアームトラッカー418は、ロボット計画システム(RPS)空間420または類似のモデリングシステムからの変換データ、および/または、追跡カメラ414からの変換データに基づいて、ロボットアームの座標を決定する。
【0030】
これらおよびその他の特徴は、様々な方法で使用および組み合わされて、画像空間、すなわち画像容積からの座標を、追跡空間、すなわちリアルタイムで外科手術ロボットが使用する座標に、登録することを達成することが理解されるべきである。以下で詳細に論じるように、これらの特徴は、例えば、CTローカライザ、術前CT、または術中透視撮影装置を使用して登録されたMRIを使用して、定位フレームといった基準ベース登録、取得した任意のスキャンの座標が追跡空間に対して事前校正される、校正スキャナ登録、および/または、追跡されたプローブを使用した表面登録を含みうる。
【0031】
一実施例では、図5A図5Cは、患者の解剖学的特徴を登録するためのシステム500を図示する。この実施例では、定位フレームベース530は、例えば、患者の頭部といった解剖学的特徴528に固定される。図5Aに示すように、定位フレームベース530は、頭蓋骨をクランプするピンを使用した登録、またはその他の方法の前に、患者の頭部528に貼り付けることができる。定位フレームベース530は、患者の頭部528を固定位置に保持するための固定プラットフォームと、CTローカライザ536またはFRA固定具534を交互に保持するための登録および追跡プラットフォームの両方として作用しうる。CTローカライザ536は、複数の基準マーカー532(例えば、N-パターン無線ロッドまたはその他の基準)を含み、それらは、画像処理を使用して自動的に画像空間で検出される。CTローカライザ536をベース530に正確に取り付ける機構により、これらの基準マーカー532は、定位フレームベース530に対して既知の空間にある。CTローカライザ536を使用した患者の3DのCTスキャンは、患者の頭部528およびCTローカライザ536の基準マーカー532の両方を含む画像容積と共に、撮影される。この登録画像は、例えば、手術室内または放射線科のいずれかで、術中に、または術前に、撮影されうる。捕捉された3D画像データセットは、コンピュータメモリに保存される。
【0032】
図5Bに示されるように、登録画像が捕捉された後、CTローカライザ536は定位フレームベース530から削除され、フレーム基準アレイ固定具534は、定位フレームベース530に取り付けられる。定位フレームベース530は、患者の頭部528に固定されたままであるが、外科手術中に患者を固定するために使用され、フレーム基準アレイ固定具534の取付点として役割を果たす。フレーム基準アレイ固定具534は、三つ以上の追跡されたマーカー539の剛直なアレイである、フレーム基準アレイ(FRA)を含み、これは、光学追跡のための主要基準であってもよい。定位フレームベース530に対して固定された、既知の位置および配向でFRAの追跡されたマーカー539を位置づけることにより、患者の頭部528の位置および配向が、リアルタイムで追跡されうる。FRA装置534および定位フレームベース530上の取付点は、FRA装置534が最小限(すなわち、サブミリ)の変動で定位フレームベース530に取り付くように、設計されうる。定位フレームベース530上のこれらの取付け点は、CTローカライザ536によって使用される同一の取付点であってもよく、これは、スキャンが撮影された後に取り除かれる。(例えば、図1Bの補助アーム107といった)補助アーム、または、その他の取付機構はまた、患者をロボット基部に確実に固定して、ロボット基部が患者に対して動くことを可能にしないことを確実にするために使用されうる。
【0033】
図5Cに示すように、動的基準ベース(DRB)540はまた、立体フレームベース530に取り付けられうる。この実施例のDRB540は、三つ以上の追跡されたマーカー542の剛直アレイを含む。この実施例では、DRB540および/またはその他の追跡されたマーカーは、立体フレームベース530、および/または、補助取付けアーム541、ピン、またはその他の取付け機構を使用して患者の頭部528に直接取り付けられうる。立体フレームベース530を明確に局地化するための唯一の方法で取り付けるFRA固定具534とは異なり、DRB540は一般に、妨げられていない外科手術および装置のアクセスを可能にするために必要に応じて取り付けられうる。DRB540およびFRA装置534が一旦取り付けられると、FRAの追跡マーカー539に最初に関連付けられた登録は、任意に変換され、DRB540の追跡マーカー542に関連付けられうる。例えば、FRA装置534の任意の部分が外科手術アクセスを妨げる場合、外科医は、FRA固定具534を取り除き、DRB540のみを使用して誘導することができる。しかしながら、FRA固定具534が外科手術の妨げにならない場合、外科医はDRB540を使用することなく、FRAマーカー539から誘導することを選択でき、または、FRAマーカー539およびDRB540の両方を使用して誘導することができる。この実施例では、FRA装置534および/またはDRB540は、光学マーカーを使用し、CTローカライザ536に類似した、定位フレームベース530に対して既知の位置にある追跡された位置を使用するが、多くのその他の追加および/または代替技術が使用されうることが理解されるべきである。
【0034】
図6Aおよび図6Bは、一部の実施形態による、蛍光透視法(フルオロ)撮像を使用して患者の解剖学的特徴を登録するためのシステム600を示す。この実施形態では、追跡された登録固定具644を使用して撮影した複数の術中蛍光透視法(フルオロ)画像を使用して、画像空間が追跡空間に登録される。患者の解剖学的特徴(例えば、患者の頭部628)は、残りの手技のためにクランピング装置643を静的位置に位置付けし、強直に固定される。剛直に患者を固定するためのクランピング装置643は、所望の通り、メイフィールドクランプといった三ピン固定システム、手術台に取り付けられた立体フレームベース、または別の固定方法であってもよい。クランピング装置643はまた、患者追跡アレイまたはDRB640の支持構造としても機能しうる。DRBは、補助取付アーム641またはその他の手段を使用して、クランピング装置に取り付けられてもよい。
【0035】
患者が位置付けられると、フルオロ固定具644は、フルオロユニットのX線回収画像増強器(図示せず)に取り付けられ、クランピングフィート632を締め付けることによって固定される。フルオロ固定具644は、フルオロ画像捕捉装置によって捕捉された2Dフルオロ画像上で見ることができる基準マーカー(例えば、この例では二つの平面にわたって配置される金属球であり、図示せず)を含み、標準ピンホールカメラモデルを使用して、通常は患者の反対側に約1m離れた、画像増幅器に対してX線源の位置を計算するために使用されうる。フルオロ画像捕捉装置によって捕捉されたフルオロ画像における金属球を検出することによって、ソフトウェアは、フルオロ画像をデワープ(de-warp)する(すなわち、ピンクッションおよびS歪曲を除去する)ことも可能になる。さらに、フルオロ固定具644は、追跡空間においてフルオロ固定具644の配置および配向を決定するための、三つ以上の追跡マーカー646を含む。いくつかの実施形態では、以前に捕捉されたCT画像に基づいて、CT画像容積を通してベクトルを投影して、実際のフルオロ画像に類似して現れる、CT画像内のコントラストレベルに基づいた合成画像(すなわち、デジタル再構成放射線写真(DRR))を生成することができる。DRRが実際のフルオロショットと一致するまで、フルオロビームの理論上の位置を繰り返すことによって、フルオロ画像とDRRの間で二つ以上の点において一致が見出され、この一致に基づいて、患者の頭部628の、X線源および検出器に対する位置が計算される。フルオロ固定具644上の追跡マーカー646は、画像増幅器の位置を追跡し、画像増幅器に対するX線源の位置が2D画像上に投影されたフルオロ固定具644上の金属基準から計算されるため、追跡空間のX線源および検出器の位置が既知であり、システムは画像から追跡の登録を達成できる。
【0036】
図6Aおよび図6Bに示すように、DRB640のアレイマーカー642を追跡しつつ、二つの異なる視点からフルオロ画像捕捉装置によって患者の頭部628の、二つ以上のショットが取られ、それは、取付アーム641、および、フルオロ固定具644上の追跡マーカー646を介して、登録固定具630に固定される。追跡データおよびフルオロデータに基づいて、アルゴリズムは、手技のため、追跡空間に対する頭部628またはその他の解剖学的特徴の位置を演算する。画像-追跡登録を通して、画像容積空間で追跡された任意のツールの位置が計算されうる。
【0037】
例えば、一実施形態では、第一のフルオロ視点から取られた第一のフルオロ画像が、CT画像容積を通して第一の視点から構築される第一のDRRと比較されることができ、第二のフルオロ視点から取られた第二のフルオロ画像が、同一のCT画像容積を通して第二の視点から構築される第二のDRRと比較されうる。比較に基づいて、第一のDRRは、解剖学的特徴の投影図に対して第一のフルオロ画像と実質的に同等であり、第二のDRRは、解剖学的特徴の投影図に対して第二のフルオロ画像と実質的に同等であることが決定されうる。等価性により、実際のフルオロ機械上で送信機から受信機までのX線経路の位置および配向が、CT空間にDRRを生成するときに特定される、送信機から受信機までのX線経路の位置および配向と一致することが確認され、そのため、CT空間への追跡空間の登録が達成される。
【0038】
図7は、一部の実施形態による、術中CT固定具(ICT)およびDRBを使用して患者の解剖学的特徴を登録するためのシステム700を図示する。図7に示すように、一つのアプリケーションでは、複数の追跡マーカー751および放射線不透過性基準参照マーカー732を有する術中CT固定具(ICT)750を使用して、CT空間を追跡空間に登録することができる、基準ベースの画像-追跡登録が利用されうる。3ピンのメイフィールドフレームおよび/または定位フレームといった、クランピング装置730を使用して、解剖学的特徴728(例えば、患者の頭部)を安定化させた後、外科医は、ICT750を解剖学的特徴728、DRB740、またはクランピング装置730に取り付けることになり、それによって、それはDRB740の追跡マーカー742に対して静的位置にあり、それは、取付アーム741またはその他の剛直な方法によって所定の位置に保持されてもよい。解剖学的特徴728の関連する解剖学的構造も捕捉しつつ、ICT750の基準参照マーカー732を包含するCTスキャンが捕捉される。CTスキャンがソフトウェアにロードされると、システムは、CT容積内のICTの基準参照マーカー732の位置を(画像処理を通して)自動識別し、それらは、ICT750の追跡マーカーに対する固定位置にあり、画像-追跡登録を提供する。この登録は、初めはICT750の追跡マーカー751に基づいており、次いで、DRB740の追跡マーカー742に関連付けられるか、または、変換され、その後ICT750は取り除かれてもよい。
【0039】
図8Aは、一部の実施形態による、DRBおよびX線円錐ビーム撮像装置を使用して患者の解剖学的特徴を登録するためのシステム800を示す。X線機またはその他のスキャン装置といった、術中スキャナ852は、追跡マーカー855を有し、その上に登録のために取り付けられた、追跡アレイ854を有してもよい。スキャン装置上の追跡アレイ854の固定された、既知の位置に基づいて、システムは、システムによって取得された任意のスキャンの画像空間に追跡空間を直接マップ(登録)するように校正されてもよい。登録が完了したら、登録は、初めはスキャナのアレイ854の追跡マーカー855(例えば、ガントリーマーカー)に基づいており、DRB840の追跡マーカー842に関連付けられるか、または変換され、それは、取付アーム841を取り付けるか、またはその他の剛直な手段によって、患者の頭部828を保持するクランピング固定具830に取り付けられてもよい。登録が変換された後、スキャナ上のマーカーは使用されなくなり、所望に応じて、取り外されても、作動停止されても、または覆われてもよい。追跡空間をこのようにスキャナによって取得された任意の画像に登録することにより、一部の実施形態では、画像空間における基準またはその他の参照マーカーの必要性を回避することができる。
【0040】
図8Bは、本明細書ではCアームスキャナ853として称されている、ポータブル術中スキャナを使用する代替システム800’を図示する。この例では、Cアームスキャナ853は、手術の他の態様を妨げることなく、Cアームスキャナ853が所定の位置に動かされ、必要に応じて取り除かれるのを可能にする移動可能ベース858に結合されたC型アーム856を含む。アーム856は、術中に患者の頭部828の周りに位置付けられ、アーム856は、患者の頭部828に対して回転、および/または、並進されて、Cアームスキャナ853が患者から取り除かれうる点において、登録を達成するためのX線またはその他のタイプのスキャンを捕捉する。
【0041】
一部の実施形態による、例えば患者の頭部といった、患者の解剖学的特徴の別の登録方法は、解剖学的特徴の表面輪郭マップを使用することであってもよい。表面輪郭マップは、ナビゲーションまたは追跡されたプローブ、またはレーザーポインタ、3Dカメラなどのその他の測定または感知装置を使用して構成されうる。例えば、外科医は、ナビゲーションプローブを用いて頭部の表面上の点をドラッグするか、または連続して接触し、頬骨、眉弓、鼻峯、眉、等といった、固有の突出部にわたる表面を捕捉しうる。次に、システムは結果として得られる表面輪郭をCTおよび/またはMR画像から検出された輪郭と比較し、最も近い一致を提供する輪郭の位置および配向を探す。患者の動きを考慮し、また、すべての輪郭点が同じ解剖学的特徴に対して取られることを確実にするために、各輪郭点は、記録された時点で患者のDRB上の追跡マーカーに関連付けられる。輪郭マップの位置は、追跡されたプローブおよび追跡されたDRBから追跡空間において既知であり、対応する輪郭が画像空間において発見されると、追跡-画像登録が得られる。
【0042】
図9は、一部の実施形態による、ナビゲーションまたは追跡されたプローブおよび解剖学的特徴のポイントツーポイントマッピングのための基点を使用して、患者の解剖学的特徴928(例えば、患者の頭部)を登録するためのシステム900を図示する。ソフトウェアは、CTまたはMR画像で見つけられる一連の解剖学的ランドマーク点を、追跡されたプローブで指すよう、ユーザに指示する。ユーザがソフトウェアで示されるランドマークを指すと、システムはプローブ上およびDRB上の追跡マーカーの追跡された位置で、追跡データのフレームを捕捉する。プローブ上のマーカーの追跡された位置から、プローブの先端の座標が計算され、DRB上のマーカーの位置に関連付けられる。両方の空間において3つ以上の点が見つかったら、追跡-画像の登録が達成される。自然解剖学的ランドマークを指すことの代替として、ステッカー基準または金属基準といった、基準954(すなわち、基準マーカー)が使用されてもよい。外科医は、例えば、CTと併用される場合は金属を含み、MRと併用される場合はビタミンEを含む、撮像において不透明である物質で構築された、基準954を患者に取り付けることになる。撮像(CTまたはMR)は、基準954を配置した後に行われる。外科医またはユーザは、次いで、画像容量の基準の座標を手動で見つけるか、または、ソフトウェアが画像処理で自動的にそれらを見つける。クランピング装置930に接続された取付アーム941またはその他の剛直な手段を通して、患者に追跡マーカー942を有するDRB940を取り付けた後、外科医またはユーザは、プローブ上(図示せず)またはDRB940上の追跡マーカーを同時に記録しながら、追跡されたプローブで基準954に接触することによって、DRB940に対する物理的空間に基準954を配置することもできる。同じ点の座標が画像空間および追跡空間で周知であるため、登録は達成される。
【0043】
本明細書に記載した実施形態についての一つの使用は、軌道を計画し、所望の軌道にロボットを動かすよう制御し、その後、外科医がロボットによって保持されるガイドチューブを通して電極などのインプラントを配置することになる。追加の機能には、リークセルフレームなど既存の定位フレームと共に使用される座標をエクスポートすることを含み、それは、五つの座標:X、Y、Z、環角度および円弧角度を使用する。画像空間に対する計画段階で特定された標的および軌道を使用し、定位フレームベースまたはその他の登録固定具に対する環およびアークの位置および配向を知る、これら五つの座標が確立される。
【0044】
図10に示すように、球体の中心および軌道が標的位置1058を中心に旋回できるよう、定位フレームにより、解剖学的特徴1028の標的位置1058(例えば、患者の頭部)が、治療されるのを可能にする。標的位置1058への軌道は、定位フレーム(例えば、リークセルフレーム)の環およびアーク角度によって調節される。これらの座標は手動で設定されてもよく、またロボットが故障したり、追跡または登録ができない場合には、定位フレームはバックアップとして、または冗長化システムとして使用されてもよい。中心点にオフセットした直線x、y、z(すなわち、標的位置1058)は、フレームの機構を介して調節される。円錐1060は、標的位置1058の周りで中心付けられ、リークセルまたはその他のタイプのフレームの環およびアーク角度を変更することによって達成されうる調整ゾーンを示す。この図は、環およびアーク調節を有する定位フレームが、入力点を頭蓋骨内へ変えながら、角度範囲から固定標的位置に達するのに十分に適していることを図示する。
【0045】
図11は、一部の実施形態による、仮想点回転機構の二次元視覚化を図示する。この実施形態では、ロボットアームは、5軸機械フレームでは容易に達成できないが、本明細書に記載の実施形態を使用すれば達成されうる新しい動きのモードを可能にする、異なるタイプの点回転機能を作り出すことができる。本明細書に記載の登録技術を使用してロボットの軸の調整された制御を通して、このモードによって、ユーザが空間内の任意の固定点を中心にロボットのガイド管を旋回させることができる。例えば、ロボットは、入力点1162を中心に、解剖学的特徴1128(例えば、患者の頭部)内に旋回しうる。この入力点の旋回は、ユーザが、術中に標的位置1164を調節するその能力を制限することなく、より小さなバリ穴を作ることを可能にするため、有利である。円錐1160は、単一の入力穴を介して到達可能な軌道の範囲を表す。さらに、入力点の旋回は、ユーザが、二つの異なる標的位置1164および1166に、同一の小さな入力バリ穴を通って到達するのを可能にするため、有利である。または、ロボットは、頭蓋骨内で標的点(例えば、図10に示す位置1058)を中心に旋回して、図10に図示するように、様々な角度または軌道から標的位置に到達するのを可能にする。こうした内部旋回ロボットは、血管や神経の後ろにある標的に到達するときにそうした重要構造物が横切らないように腫瘍を照射したり、経路を調節したりするときといった、複数のアプローチから、同じ標的位置1058にユーザがアプローチするのを可能にする、定位フレームと同一の利点を有する。標的/旋回点を固定して保持する固定リングおよびアーク関節に依存する定位フレームとは異なり、ロボットは、軸の制御された作動を通して旋回点を調節し、そのため、図10および図11に示すモードの間で必要に応じて旋回点およびスイッチを動的に調整することができる。
【0046】
ロボットまたは環およびアーク固定具を使用した移植片または装置の挿入に続いて、これらおよびその他の実施形態は、術中に撮像を使用してインプラント位置を検証することを可能にしうる。計画軌道に対する器具またはインプラントの配置の正確性は、ユーザに定性的および/または定量的に示されうる。計画位置を配置された位置を比較するための一つの選択肢は、術後検証CT画像を術後の画像のいずれかに融合することである。術前および術後の画像が融合され、計画が上書きされると、術後CT上のインプラントの影を計画と比較して、配置の正確性を評価できる。術後CT上の影のアーチファクトの検出は、画像処理、および、先端および入口におけるミリメートルオフセットおよび経路に沿った角度オフセットにおける数値的に示されたオフセットを通して、自動で実施されうる。この選択肢は、画像間の登録が骨の解剖学的輪郭に基づいて実行されるため、検証画像に存在する任意の基準を必要としない。
【0047】
計画位置を最終配置と比較するための第二の選択肢は、フルオロ固定具を用いて、または用いないで、術中のフルオロを利用するだろう。二つの面外フルオロ画像を撮影し、これらのフルオロ画像は、登録のために上述の通りに、術前CTまたはMRから生成されたDRRに合わせられることになる。上述の登録方法の一部とは異なるが、重要な情報はフルオロ画像の解剖学的構造に対して電極が配置される場所であるため、フルオロ画像が追跡されるのはそれほど重要ではない場合がある。電極の直線またはわずかに湾曲した影が、フルオロ画像上で発見され、このフルオロショットに対応するDRRが発見されたら、フルオロ画像およびDRRの線方向に、またはその方向から外れて配向された面またはシートとしてCT画像容積で複製されうる。すなわち、システムは、所定のショットにおいて、電極がフルオロ画像平面の深さに、またはその外に、どれくらい深く置かれているかを知ることができないが、可能な場所の面またはシートを計算して、3D容積上のこの面またはシートを表すことができる。第二のフルオロビューでは、異なる平面またはシートを決定し、3D画像上に重ね合わせることができる。これらの二つの平面またはシートが3D画像上で交差するところが、電極の検出された経路である。システムは、この検出された経路を3D画像容積上のグラフィックとして表現し、ユーザが、画像容積を再度スライスして、どこからの視点が所望される場合も、この経路および計画された経路を表示することを可能にし、また、電極の計画位置から配置された位置までの偏差を自動計算または手動計算するのを可能にする。フルオロ固定具の追跡は不要であるが、DRR計算の正確性、DRRとフルオロショットの一致を発見するために反復するときの収束率、および、3Dスキャン上に電極を表すシート/面の配置を向上させるため、フルオロ画像をデワープし、X線エミッタの配置を計算するのを助けるために行われてもよい。
【0048】
この、およびその他の実施例では、ナビゲーションの完全性を維持する、すなわち、登録および追跡が手技全体にわたって正確なものであることが望ましい。ナビゲーションの完全性を確立し維持する二つの主要な方法としては、DRB上のマーカーに対する監視マーカーの位置を追跡することと、画像内のランドマークをチェックすることが含まれる。第一の方法では、この位置が、例えばDRNがぶつかられることによって変化する場合、次いで、システムはナビゲーションの完全性の損失の可能性をユーザに警告しうる。第二の方法では、ランドマークチェックが、スクリーンに表示されたスライスに表示された解剖学的形態が、プローブの先端が指すところと一致しない場合、外科医は、ナビゲーションの完全性が失われていることに気づくことになる。いずれの方法でも、CTローカライザおよびフレーム基準アレイ(FRA)の登録方法を使用する場合、外科医は、フレームベースに対して可能な一つのみの方法で取り付けるFRAを再接続して、FRA追跡マーカーおよびCTローカライザ536からの、保存された基準に基づいて、追跡-画像登録を復元する選択肢を有する。次に、この登録が、再配置されたDRB上の追跡マーカーに変換されるか、または、関連付けられうる。所望の場合、登録が完了したら、FRAを取り除くことができる。
【0049】
本発明の概念の様々な実施形態の上記の説明において、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明する目的のみのものであり、本発明の概念を限定するものではないことを理解されたい。他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての用語(技術用語および科学用語を含む)は、本発明の概念が属する当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。一般的に使用される辞書に定義されているもののような用語は、明細書および関連技術の文脈における意味と一致する意味と有すると解釈されるべきであり、本明細書において明確に定義されていない限り、理想的または過度に形式的に解釈されるうべきではないことも理解されよう。
【0050】
ある要素が、別の要素に「接続されている(connected)」、「結合されている(coupled)」「応答している(responsive)」、またはその変形として称される場合、別の要素の直接接続され、結合され、または、応答してもよく、あるいは、介在要素が存在してもよい。対照的に、ある要素が別の要素に「直接接続されている(directly connected)」、「直接結合されている(directly coupled)」、「直接応答している(directly responsive)」、またはその変形として称される場合、介在要素は存在しない。同一番号は、全体を通して同一要素を指す。さらには、本明細書で使用されるように、「結合された(coupled)」、「接続された(connected)」、「応答した(responsive)」、またはその変形は、無線で結合され、接続され、または応答することを含み得る。本明細書で使用されているように、単数形「一つの(a、an)」および「その(the)」は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限りは、複数形も含むものとする。周知の機能または構成は、簡潔さおよび/または明瞭さのために、詳細に説明され得ない。用語「および/または(and/or)」は、関連して列挙した項目の一つまたは複数の組み合わせのいずれかおよびすべてを含む。
【0051】
用語第一、第二、第三等が様々な要素/動作を説明するために本明細書において使用され得るが、これらの要素/動作はこれらの用語に限定されるべきではないことが理解されよう。これらの用語は、ある要素/動作を別の要素/動作から区別するためにのみ使用される。よって、いくつかの実施形態における第一要素/動作は、本発明概念の教示から逸脱することなく、他の実施形態において第二の要素/動作と称されてもよい。同一参照番号または同一参照指定子は、明細書全体を通して、同一または類似の要素を示す。
【0052】
本明細書中で使用される場合、用語「含む(comprise)」、「含む(comprising)」、「含む(comprises)」、「含む(include)」、「含む(including)」、「含む(includes)」、「有する(have)」、「有する(has)」、「有する(having)」またはそれらの変形は、オープンエンドであり、一つまたは複数の述べられた特徴、整数、要素、ステップ、構成要素、機能を含むが、一つまたは複数の他の特徴、整数、要素、ステップ、構成要素、機能またはそれらのグループの存在または追加を排除するものではない。さらに、本明細書で使用されるように、ラテン語の句「例示的なグラシア」に由来する一般的な略語「e.g.」は、前述のアイテムの一般的な例を導入または特定するために使用されてもよく、そのような項目を限定することを意図しない。ラテン語句「id est」に由来する一般的な略語「i.e.」を使用し、より一般的な暗唱から特定の項目を指定することができる。
【0053】
例示的な実施形態は、本明細書において、コンピュータ実装方法、装置(システムおよび/または装置)および/またはコンピュータプログラム製品のブロック図および/またはフローチャート図を参照して説明される。ブロック図および/またはフローチャート図のブロック、およびブロック図および/またはフローチャート図のブロックの組み合わせは、一つまたは複数のコンピュータ回路によって実行されるコンピュータプログラム命令によって実装できることが理解される。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ回路、専用コンピュータ回路、および/または他のプログラム可能データ処理回路のプロセッサ回路に供給され、コンピュータおよび/または他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサを介して実行されるこれらの命令が、トランジスタ、メモリ位置に格納された値、およびブロック図および/またはフローチャートブロックまたはブロックに指定された機能/動作を実現するための回路内の他のハードウェア構成要素を変換し、制御し、故に、ブロック図および/またはフローチャートブロックまたはブロックに指定された機能/動作を実現するための手段(機能)および/または構造を作成することができる。
【0054】
これらのコンピュータプログラム命令はまた、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置に特定のやり方で機能するよう指示する有形のコンピュータ可読媒体に格納することができ、コンピュータ可読媒体に格納されたこれらの命令は、ブロック図および/またはフローチャートブロックまたはブロックで指定された機能/動作を実装する命令を含む製造品を生成することができる。したがって、本発明の概念の実施形態は、「回路」、「モジュール」またはその変形と総称することができる、デジタル信号プロセッサなどのプロセッサ上で動作するハードウェアおよび/またはソフトウェア(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)で実施することができる。
【0055】
また、いくつかの代替実施例では、ブロックに記されている機能/動作が、フローチャートに記載された順序から外れてもよいことにも留意されたい。例えば、連続して示された二つのブロックは、実際には実質的に同時に実行されてもよく、あるいは、関連する機能/動作に応じてブロックが時々逆の順序で実行されてもよい。さらに、フローチャートおよび/またはブロック図の所与のブロックの機能性は、複数のブロックに分離されてもよく、および/またはフローチャートおよび/またはブロック図の二つ以上のブロックの機能性が少なくとも部分的に統合されてもよい。最後に、図示されたブロック間に他のブロックが追加/挿入されてもよく、および/またはブロック/動作が本発明の概念の範囲から逸脱することなく省略されてもよい。さらに、図のいくつかは、通信の主要な方向を示すために通信経路上に矢印を含むが、図示された矢印とは反対の方向に通信が行われてもよいことを理解されたい。
【0056】
図12図17を参照すると、本開示の例示的実施形態は、誘導された生検針を提供し、使用するためのシステムおよび方法を含みうる。図12は、位置認識システムを使用して、誘導された生検を実施するための例示的方法1200を図示する。ステップ1202では、生検針を挿入する標的エリアが特定され、標的エリアへの軌道が、計画ソフトウェアを使用して計画されうる。ステップ1204では、ロボットアーム(ロボットアーム104など)は、標的エリアから既知の距離だけ、計画軌道に沿った位置としうる。ステップ1206では、外科手術ドリルがエンドエフェクタ(エンドエフェクタ112など)に挿入され、軌道に沿って患者の頭蓋骨を貫通して穴をドリル加工するのに使用されうる。ステップ1208では、生検針の挿入深さが設定され、ステップ1210では、生検針がエンドエフェクタを通して挿入され、硬膜を貫通し、所望の標的まで進む。ステップ1212では、ユーザは、生検針を使用して組織のサンプルを吸引する。ステップ1214では、生検針が頭蓋骨から取り外され、ステップ1216では、切創および挿入点が閉じられる。追跡マーカーのため、ユーザは外科手術ロボットを使用して挿入後に生検針の位置を監視する。
【0057】
図13および図14は、本開示の原理と一致する例示的な、誘導された生検針を図示する。生検針1300は、カメラ200などのカメラによって生検針を追跡するために使用できる、二つのインライン追跡スフェア1302を含みうる。遠位端1304が、サンプルを受けるために標的エリアに挿入されうる。近位端1306は、ユーザが針1300を挿入および操作するために使用されうる。
【0058】
別の方法として、図14は、軸外追跡用に使用されうる、二つのディスク1402を介して追跡されうる生検針1400を図示する。どちらの生検針も、エンドエフェクタと併用されると、先端の追跡が可能となる。生検針1400は、わずかに低いプロファイルを可能にしうる。
【0059】
図15は、深さ停止部1502が生検針1300上にある、二つのインライン追跡スフェア1302を有する例示的生検針1300を図示する。深さ停止部は、針1300または針1400の遠位端1304の挿入深さを制御するために使用されうる。深さの設定は、方法1200で説明されるように、ステップ1210で行われうる。深さ停止部1502の位置を設定するために、ルーラーを使用しうる。図16は、本開示の原理と一致するルーラー1600の例示的実施形態を図示する。ルーラー1600は、マーキング1602を含みうる。生検針は、遠位端を標的エリアに対する所望の深さまで揃えたルーラーに配置されうる。深さ停止部1502は、ルーラーの一方の端に接触するように調節されうる。
【0060】
図17は、本開示の例示的実施形態を図示する。ここで、生検針1300、または代替物1400は、ロボットアームの例示的エンドエフェクタ1700に挿入される。前述のように、深さ停止部1502は挿入の深さを制御し、追跡スフェア1302は、針の動的位置を示すために使用される。エンドエフェクタは、生検針の位置および高さを制御しうる。
【0061】
本発明の概念のいくつかの実施形態が前述の明細書に開示されているが、本発明の概念の多くの変更および他の実施形態が、発明の概念に関係することが想定され、前述の説明および関連する図面に提示された教示の利益を享受する。したがって、本発明の概念は、上に開示された特定の実施形態に限定されず、多くの修正および他の実施形態が添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されることが理解される。一実施形態の特徴は、本明細書に記載された異なる実施形態の特徴と組み合わせることができ、または使用することがさらに想定される。さらに、特定の用語が、本明細書および以下の特許請求の範囲で用いられているが、それらは包括的で説明的な意味でのみ使用され、記載された発明概念または以下の特許請求の範囲を限定する目的で使用されるものではない。本明細書に引用された各特許および特許公報の開示全体は、あたかもそのような各特許または特許公報が参照により個々に本明細書に組み込まれているかのように、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。本発明の概念の様々な特徴および/または潜在的な利点は、添付の特許請求の範囲に記載されている。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17