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特許7323575情報処理システム、情報処理方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-31
(45)【発行日】2023-08-08
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/02 20230101AFI20230801BHJP
【FI】
G06Q40/02
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021097974
(22)【出願日】2021-06-11
(65)【公開番号】P2022189415
(43)【公開日】2022-12-22
【審査請求日】2021-06-11
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】598049322
【氏名又は名称】株式会社三菱UFJ銀行
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】今田 大祐
(72)【発明者】
【氏名】中田 貴将
【審査官】阿部 潤
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-061095(JP,A)
【文献】都市小屋集のICカード研究会 207 - マイナンバーカードの概要と公的個人認証サービスを活用したオンライン取引の可能性,CardWave,日本,株式会社カード・ウェーブ,2016年06月25日,第29巻,pp.28~37
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本人確認媒体から取得された電子証明書が付された口座関連情報の前記電子証明書の検証要求を生成する検証要求部と、
前記検証要求に対する応答である検証結果情報と前記口座関連情報とが紐付けられた検証済み口座関連情報を生成する情報処理部と、
端末からの代表者変更届フォーム要求に基づき、前記端末へ送信する代表者変更届フォームデータを取得するフォーム処理部と、を含み、
前記口座関連情報は、口座名義を変更するための代表者変更届に対応する代表者変更届情報であり、
前記代表者変更届情報は、前記代表者変更届フォームデータに基づき前記端末に表示された代表者変更届フォームに入力された入力データを含む、情報処理システム。
【請求項2】
前記検証済み口座関連情報は、前記検証結果情報において前記電子証明書が正しいときに生成される、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
さらに、前記検証済み口座関連情報を金融機関のサーバに送信する通信部を含む、請求項1または請求項に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記検証要求部および前記情報処理部は、区分所有建物の管理業務が委託された管理会社のサーバのコンピュータに含まれる、請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記本人確認媒体は、マイナンバーカードである、請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項6】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
本人確認媒体から取得された電子証明書が付された口座関連情報の前記電子証明書の検証要求を生成し、
前記検証要求に対する応答である検証結果情報と前記口座関連情報とが紐付けられた検証済み口座関連情報を生成し、
端末からの代表者変更届フォーム要求に基づき、前記端末へ送信する代表者変更届フォームデータを取得する、ことを含み、
前記口座関連情報は、口座名義を変更するための代表者変更届に対応する代表者変更届情報であり、
前記代表者変更届情報は、前記代表者変更届フォームデータに基づき前記端末に表示された代表者変更届フォームに入力された入力データを含む、情報処理方法。
【請求項7】
前記検証済み口座関連情報は、前記検証結果情報において前記電子証明書が正しいときに生成される、請求項に記載の情報処理方法。
【請求項8】
さらに、前記検証済み口座関連情報を金融機関のサーバに送信する、請求項6または請求項に記載の情報処理方法。
【請求項9】
前記本人確認媒体は、マイナンバーカードである、請求項乃至請求項のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項10】
コンピュータに、
本人確認媒体から取得された電子証明書が付された口座関連情報の前記電子証明書の検証要求を生成し、
前記検証要求に対する応答である検証結果情報と前記口座関連情報とが紐付けられた検証済み口座関連情報を生成し、
端末からの代表者変更届フォーム要求に基づき、前記端末へ送信する代表者変更届フォームデータを取得する、ことを実行させるためのプログラムであって、
前記口座関連情報は、口座名義を変更するための代表者変更届に対応する代表者変更届情報であり、
前記代表者変更届情報は、前記代表者変更届フォームデータに基づき前記端末に表示された代表者変更届フォームに入力された入力データを含む、プログラム
【請求項11】
前記検証済み口座関連情報は、前記検証結果情報において前記電子証明書が正しいときに生成される、請求項10に記載のプログラム。
【請求項12】
さらに、前記検証済み口座関連情報を金融機関のサーバに送信することを前記コンピュータに実行させる、請求項10または請求項11に記載のプログラム。
【請求項13】
前記コンピュータは、区分所有建物の管理業務が委託された管理会社のサーバに含まれる、請求項10乃至請求項12に記載のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項14】
前記本人確認媒体は、マイナンバーカードである、請求項10乃至請求項13のいずれか一項に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本人確認媒体を利用した情報処理システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、分譲マンション(区分所有建物)の管理業務は、分譲マンション所有者(区分所有者)が加入する管理組合によって委託契約が締結された管理会社によって行われている。また、管理業務に係る費用(例えば、管理費または修繕費など)は、各分譲マンション所有者から口座振替などによって管理組合の口座に振り込まれて管理される。すなわち、管理会社が分譲マンションの管理業務を行っていたとしても、その管理業務にかかる費用が積み立てられた口座は、管理会社名義にすることができず、管理組合名義(例えば、管理組合の代表者である理事長名義)としなければならない。
【0003】
ところで、日本では、住民票を持つ全ての国民の1人1人に個人番号、いわゆるマイナンバー(登録商標)が付与されている。そのため、日本では、12桁の番号で構成されるマイナンバーによって個人を識別することができる。また、本人確認にマイナンバーを利用することができるように、マイナンバーが記載されたマイナンバーカード(本人確認媒体)が交付され、マイナンバーカードの普及が進んでいる。マイナンバーカードには、マイナンバー以外にも顔写真が記載され、さらにICチップが搭載されている。ICチップには、電子証明書(署名用電子証明書および利用者電子証明書)が含まれている。例えば、特許文献1には、電子証明書を利用した情報の提供方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-62284号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、管理組合口座は理事長名義としなければならないが、新たな理事長が選任された場合には、管理会社がその新たな理事長の本人確認変更届を金融機関に届け、管理組合の口座名義を変更する必要がある。しかしながら、新たな理事長が不在などの場合には、本人を確認するための書類を揃えることができず、本人確認変更届を作成することができない。したがって、管理組合口座の口座名義を変更することができない場合も少なくなかった。
【0006】
本発明の一実施形態は、上記問題に鑑み、金融機関において口座関連手続き処理が迅速に実行されるための情報処理システムを提供することを目的の一つとする。また、本発明の一実施形態は、金融機関において口座関連手続き処理が迅速に実行されるための情報処理方法を提供することを目的の一つとする。また、本発明の一実施形態は、また、本発明の一実施形態は、金融機関において口座関連手続き処理が迅速に実行されるプログラムを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係る情報処理システムは、本人確認媒体から取得された電子証明書が付された口座関連情報の電子証明書の検証要求を生成する検証要求部と、検証要求に対する応答である検証結果情報と口座関連情報とが紐付けられた検証済み口座関連情報を生成する情報処理部と、を含む。
【0008】
情報処理システムは、さらに、端末からの代表者変更届フォーム要求に基づき、端末へ送信する代表者変更届フォームデータを取得するフォーム処理部を含み、代表者変更届情報は、代表者変更届フォームデータに基づき端末に表示された代表者変更届フォームに入力された入力データを含んでいてもよい。
【0009】
情報処理システムは、さらに、検証済み口座関連情報を金融機関のサーバに送信する通信部を含んでいてもよい。
【0010】
検証要求部および情報処理部は、区分所有建物の管理業務が委託された管理会社のサーバのコンピュータに含まれていてもよい。
【0011】
本発明の一実施形態に係る情報処理方法は、本人確認媒体から取得された電子証明書が付された口座関連情報の電子証明書の検証要求を生成し、検証要求に対する応答である検証結果情報と口座関連情報とが紐付けられた検証済み口座関連情報を生成する。
【0012】
情報処理方法は、さらに、端末からの代表者変更届フォーム要求に基づき、端末へ送信する代表者変更届フォームデータを取得し、代表者変更届情報は、代表者変更届フォームデータに基づき端末に表示された代表者変更届フォームに入力された入力データを含んでいてもよい。
【0013】
情報処理方法は、さらに、検証済み口座関連情報を金融機関のサーバに送信してもよい。
【0014】
本発明の一実施形態に係るプログラムは、コンピュータで実行されるプログラムであって、コンピュータに、本人確認媒体から取得された電子証明書が付された口座関連情報の電子証明書の検証要求を生成させ、検証要求に対する応答である検証結果情報と口座関連情報とが紐付けられた検証済み口座関連情報を生成させる。
【0015】
プログラムは、さらに、端末からの代表者変更届フォーム要求に基づき、端末へ送信する代表者変更届フォームデータを取得させ、代表者変更届情報は、代表者変更届フォームデータに基づき端末に表示された代表者変更届フォームに入力された入力データを含んでいてもよい。
【0016】
プログラムは、さらに、検証済み口座関連情報を金融機関のサーバに送信させてもよい。
【0017】
コンピュータは、区分所有建物の管理業務が委託された管理会社のサーバに含まれていてもよい。
【0018】
検証済み口座関連情報は、検証結果情報において電子証明書が正しいときに生成されてもよい。
【0019】
口座関連情報は、口座名義を変更するための代表者変更届に対応する代表者変更届情報であってもよい。
【0020】
本人確認媒体は、マイナンバーカードであってもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明の一実施形態に係る情報処理システムによれば、金融機関において口座関連手続き処理を迅速に実行することができる。そのため、例えば、区分所有建物の管理会社は、管理組合口座の口座名義を迅速に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施形態に係る処方処理システムの構成を示すブロック図である。
図2】本発明の一実施形態に係る情報処理システムの管理組合端末および管理会社サーバの構成を示すブロック図である。
図3】本発明の一実施形態に係る情報処理システムで実行される管理組合口座の口座名義変更処理を示すフローチャート図である。
図4】本発明の一実施形態に係る情報処理システムで実行される理事長の承認処理を示すシーケンス図である。
図5】本発明の一実施形態に係る情報処理システムで実行される代表者変更届の生成・送信処理を示すシーケンス図である。
図6】本発明の一実施形態に係る情報処理システムの管理組合端末の構成を示すブロック図である。
図7】本発明の一実施形態に係る情報処理システムで実行される代表者変更届の生成・送信処理を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。以下に示す実施形態は本発明の実施形態の一例であって、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるものではない。すなわち、以下に説明する複数の実施形態に公知の技術を適用して変形をして、様々な態様で実施をすることが可能である。
【0024】
本明細書において、各構成に付記される「第1」、「第2」、または「第3」などの文字は、各構成を区別するために用いられる便宜的な標識であり、特段の説明がない限り、それ以上の意味を有さない。
【0025】
本明細書において、「電子証明書」とは、信頼できる第三者(例えば、電子証明書検証者)が本人であることを電子的に証明することができるデータをいう。「電子証明書」は、例えば、ICチップに記録することができる。
【0026】
本明細書において、「本人確認媒体」とは、電子証明書を含むICチップが搭載された媒体をいう。「本人確認媒体」は、例えば、マイナンバーカードであるが、これに限られない。本人確認媒体には、顔写真データが含まれていてもよい。また、本人確認媒体に含まれる電子証明書は、例えば、ICカードリーダによって取得することができる。
【0027】
本明細書において、「管理組合」とは、区分所有建物(例えば、分譲マンションまたは団地など)を区分所有する区分所有者によって構成される団体をいう。なお、本明細書に記載する「管理組合」は、管理組合を運営する「理事会」を含むものとする。
【0028】
本明細書において、「管理会社」とは、管理組合から業務委託され、区分所有建物の業務管理を行う者をいう。「管理会社」としては、例えば、不動産会社などであるが、これに限られない。
【0029】
本明細書において、「電子証明書検証者」とは、電子証明書を検証することが認められた行政機関または民間事業者をいう。「電子証明書検証者」としては、例えば、地方公共団体情報システム機構または電子署名等に係る地方公共団体システム機構の認証業務に関する法律第17条第1項第6号の規定に基づく総務大臣認定事業者をいう。
【0030】
本明細書において、「金融機関」とは、金融取引業務を行うものをいう。「金融機関」としては、例えば、銀行、信用金庫、証券会社、または保険会社などであるが、これらに限られない。
【0031】
本明細書において、「口座」とは、取引処理に用いられる資産の残高を特定することができるものをいう。「口座」としては、例えば、預金口座、貯金口座、信託口座、または証券口座などであるが、これらに限られない。
【0032】
<第1実施形態>
図1図5を参照して、本発明の一実施形態に係る情報処理システム10について説明する。
【0033】
[1.情報処理システム10の構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理システム10の構成を示すブロック図である。
【0034】
情報処理システム10は、複数の区分所有者端末100(100-1、100-2、・・・、100-n)、管理組合端末200、管理会社サーバ300、電子証明書検証者サーバ400、および金融機関サーバ500を含む。区分所有者端末100、管理組合端末200、および管理会社サーバ300は、ネットワークNW1を介して、互いに通信接続することができる。また、管理会社サーバ300は、ネットワークNW2を介して、電子証明書検証者サーバ400と通信接続することができる。また、管理会社サーバ300は、ネットワークNW3を介して、金融機関サーバ500と通信接続することができる。
【0035】
ネットワークNW1、ネットワークNW2、およびネットワークNW3の各々は、有線であってもよく、無線であってもよい。例えば、ネットワークNW1、ネットワークNW2、およびネットワークNW3の各々は、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、またはインターネットなどである。なお、ネットワークNW2およびネットワークNW3の各々は、情報を保護することができる専用線またはVPN(Virtual Private Network)であることが好ましいが、これに限られない。
【0036】
区分所有者端末100は、区分所有者が利用することができる端末である。区分所有者端末100は、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット、またはパーソナルコンピュータなどであるが、これらに限られない。区分所有者端末100の詳細な構成は省略するが、区分所有者端末100は、データまたは情報を送信または受信することができる通信部およびデータまたは情報に基づく画像または映像を表示することができる表示部を含む。
【0037】
管理組合端末200は、管理組合が利用することができる端末である。管理組合端末200は、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット、またはパーソナルコンピュータなどであるが、これらに限られない。管理組合端末200の詳細な構成は後述する。
【0038】
管理会社サーバ300は、管理会社によって管理され、データまたは情報を生成し、または生成されたデータもしくは情報を送信もしくは受信することがサーバである。管理会社サーバ300の詳細な構成は後述する。
【0039】
電子証明書検証者サーバ400は、電子証明書検証者による公的個人認証サービスを提供することができるサーバである。電子証明書検証者サーバ400の詳細な構成は省略するが、電子証明書検証者サーバ400は、電子証明書が付されたデータまたは情報および電子証明書の検証要求を受信し、電子証明書を検証し、電子証明書が正しいものであるかどうかの検証結果情報を生成することできる。なお、検証結果情報は、電子証明書の検証要求に対する応答として送信される。
【0040】
金融機関サーバ500は、金融機関において行われる金融サービスを提供することができるサーバである。金融機関サーバ500の詳細な構成は省略するが、金融機関サーバ500は、検証済み口座関連情報を受信し、口座関連情報に対応する手続き処理を実行することができる。例えば、口座関連情報が、口座名義を変更するための代表者変更届に対応する代表者変更届情報である場合、金融機関サーバ500は、口座名義変更手続き処理を実行することができる。
【0041】
区分所有者端末100、管理組合端末200、管理会社サーバ300、電子証明書検証者サーバ400、および金融機関サーバ500は、いずれもコンピュータを含み、プログラムに基づいて所定の処理を実行することができる。
【0042】
図2を参照して、管理組合端末200および管理会社サーバ300の詳細な構成について説明する。
【0043】
図2は、本発明の一実施形態に係る情報処理システム10の管理組合端末200および管理会社サーバ300の構成を示すブロック図である。
【0044】
管理組合は、管理組合端末200を用いて、区分所有者への文書(例えば、総会開催通知)または金融機関への届出(例えば、代表者変更届)などを作成することができる。換言すると、管理組合端末200は、区分所有者への文書または金融機関への届出などに関するデータまたは情報を生成し、生成されたデータまたは情報を区分所有者端末100または管理会社サーバ300に送信することができる。
【0045】
図2(A)に示すように、管理組合端末200は、制御部210、取得部220、表示部230、入力部240、および通信部250を含む。また、制御部210は、フォーム要求部210aおよび情報処理部210bを含む。
【0046】
制御部210は、例えば、演算手段として中央演算装置(CPU)またはマイクロプロセッサ(MPU)および記憶手段としてランダムアクセスメモリ(RAM)を含む。したがって、制御部210に含まれるフォーム要求部210aおよび情報処理部210bは、プログラムに基づいて所定の処理を実行することができる。
【0047】
取得部220は、本人確認媒体のICチップに含まれる電子証明書を読み出すことができる。換言すると、取得部220は、電子証明書を取得することができる。取得部220は、例えば、ICカードリーダなどである。
【0048】
表示部230は、入力フォームを表示することができる。表示部230は、例えば、液晶またはOLEDなどを用いた表示装置である。
【0049】
入力部240は、データまたは情報を入力することができる。入力部240は、例えば、タッチパネル、キーボード、またはマウスなどのユーザインターフェースである。
【0050】
通信部250は、データまたは情報を送信または受信することができる。通信部250は、例えば、送信器および受信器を含む通信装置である。
【0051】
フォーム要求部210aは、表示部230に表示する入力フォームに対応するフォーム要求を生成することができる。例えば、入力フォームが総会の開催を通知する総会開催通知フォームである場合、フォーム要求部210aは、総会開催通知フォーム要求を生成する。また、入力フォームが管理組合口座の口座名義を変更に伴う代表者変更届フォームである場合、フォーム要求部210aは、代表者変更届フォーム要求を生成する。なお、生成されたフォーム要求は、管理会社サーバ300に送信される。
【0052】
情報処理部210bは、受信したフォームデータに基づき、入力フォームを表示部230に表示することができる。例えば、総会開催通知フォームデータを受信した場合、情報処理部210bは、総会開催通知フォームを表示部230に表示することができる。また、代表者変更届フォームデータを受信した場合、情報処理部210bは、代表者変更届フォームを表示部230に表示することができる。
【0053】
また、情報処理部210bは、入力フォームデータと入力フォームに入力された入力データとを紐付けた情報を生成することができる。また、情報処理部210bは、生成された情報に応じて(例えば、金融機関サーバ500に送信される口座関連情報である場合)、電子証明書を情報に付すことができる。換言すると、生成された情報は、電子証明書を含む場合がある。例えば、情報処理部210bは、総会開催通知フォームデータと入力された決議事項データとを紐付けた総会開催通知情報を生成することができる。また、情報処理部210bは、代表者変更届フォームデータと代表者変更届フォームに入力されたデータとを紐付け、電子証明書を付した代表者変更届情報を生成することができる。なお、代表者変更届情報は口座関連情報の1つであり、金融機関サーバ500において口座関連手続き処理が実行される。
【0054】
管理会社サーバ300は、管理組合端末200からのフォーム要求に基づいて入力フォームデータを提供することができる。また、管理会社サーバ300は、電子証明書が付された口座関連情報を電子証明書検証者サーバ400に送信し、電子証明書の検証処理を行うことができる。また、管理会社サーバ300は、電子証明書が検証された検証済み口座関連情報を金融機関サーバ500に送信し、口座関連手続き処理を行うことができる。
【0055】
図2(B)に示すように、管理会社サーバ300は、制御部310、記憶部320、および通信部330を含む。また、制御部310は、フォーム処理部310a、検証要求部310b、および情報処理部310cを含む。
【0056】
制御部310は、例えば、演算手段として中央演算装置(CPU)またはマイクロプロセッサ(MPU)および記憶手段としてランダムアクセスメモリ(RAM)を含む。したがって、制御部310に含まれるフォーム処理部310a、検証要求部310b、および情報処理部310cは、プログラムに基づいて所定の処理を実行することができる。
【0057】
記憶部320は、フォーム要求に対応した入力フォームデータを格納することができる。例えば、総会開催通知フォームデータおよび代表者変更届フォームデータは、それぞれ、総会開催通知フォーム要求および代表者変更届フォーム要求に対応する。入力フォームデータは、フォーム要求と紐付けられていてもよい。記憶部320は、例えば、ソリッドステートドライブ(SSD)またはハードディスクドライブ(HDD)などのメモリまたはストレージである。
【0058】
通信部330は、データまたは情報を送信または受信することができる。通信部330は、例えば、送信器および受信器を含む通信装置である。
【0059】
フォーム処理部310aは、記憶部320からフォーム要求に対応する入力フォームデータを読み出すことができる。換言すると、フォーム処理部310aは、フォーム要求に基づき、入力フォームデータを取得することができる。なお、取得された入力フォームデータは、管理組合端末200に送信される。
【0060】
検証要求部310bは、電子証明書の検証要求を生成することができる。なお、電子証明書の検証要求は、電子証明書が付された口座関連情報とともに、電子証明書検証者サーバ400に送信される。
【0061】
情報処理部310cは、電子証明書の検証結果情報を判定することができる。また、情報処理部310cは、電子証明書が正しい場合、口座関連情報と検証結果情報とを紐付け、検証済み口座関連情報を生成することができる。例えば、口座関連情報が代表者変更届情報である場合、代表者変更届情報と検証結果情報とを紐付け、検証済み代表者変更届情報を生成することができる。なお、検証済み口座関連情報は、金融機関サーバ500に送信される。
【0062】
[2.管理組合口座の口座名義変更処理]
以下では、金融機関サーバ500で実行される口座関連手続き処理の1つである管理組合口座の口座名義変更処理を例として、情報処理システム10で実行される処理について説明する。
【0063】
図3は、本発明の一実施形態に係る情報処理システム10で実行される管理組合口座の口座名義変更処理を示すフローチャート図である。
【0064】
図3に示すように、管理組合口座の口座名義変更処理は、区分所有者による新たな理事長を承認するための理事長の承認処理(ステップS100)、承認された理事長を代表者として管理組合口座の口座名義を変更するための代表者変更届の生成・送信処理(ステップS200)、および金融機関における口座名義変更手続き処理(ステップS300)を含む。ステップS100およびステップS200は、主に、管理組合端末200および管理会社サーバ300で実行される処理であり、ステップS300は、金融機関サーバ500で実行される処理である。以下では、理事長の承認処理(ステップS100)および代表者変更届の生成・送信処理(ステップS200)について詳細に説明する。
【0065】
[2-1.理事長の承認処理(ステップS100)]
図4は、本発明の一実施形態に係る情報処理システム10で実行される理事長の承認処理(ステップS100)を示すシーケンス図である。
【0066】
理事長の承認処理(ステップS100)は、ステップS110の実行により開始される。
【0067】
ステップS110では、管理組合端末200(フォーム要求部210a)が、総会開催通知に関する総会開催通知フォーム要求を生成する。
【0068】
ステップS115では、生成された総会開催通知フォーム要求が、管理会社サーバ300に送信される。
【0069】
ステップS120では、管理会社サーバ300(フォーム処理部310a)が、記憶部320から総会開催通知フォーム要求に対応する総会開催通知フォームデータを読み出す。
【0070】
ステップS125では、読み出された総会開催通知フォームデータが、管理組合端末200に送信される。
【0071】
ステップS130では、管理組合端末200(情報処理部210b)が、受信した総会開催通知フォームデータに基づき、総会開催通知フォームを表示部230に表示する。管理組合は、表示された総会開催通知フォームに、総会での決議事項(例えば、理事長の選任など)を入力することができる。また、管理組合端末200(情報処理部210b)は、総会開催通知フォームデータと入力された決議事項データとを紐付けた総会開催通知情報を生成する。
【0072】
ステップS135では、生成された総会開催通知情報が、区分所有者端末100に送信される。
【0073】
ステップS140では、区分所有者端末100が、受信した総会開催通知情報を表示部に表示する。区分所有者は、表示された総会開催通知情報を確認し、必要な内容(例えば、理事長の選任を理事会に委任するなど)を入力することができる。また、区分所有者端末100は、入力された内容に対応する区分所得者データを生成する。
【0074】
ステップS145では、生成された区分所得者データが、管理会社サーバ300に送信される。
【0075】
ステップS150では、管理会社サーバ300(情報処理部310c)が、複数の区分所有者端末100からの区分所得者データに基づき、区分所有者情報を生成する。
【0076】
ステップS155では、生成された区分所有者情報を管理組合端末200に送信される。管理組合は、区分所有者情報を確認することにより、区分所有者の意見(決議事項に賛成または反対など)を知ることができる。また、管理組合は、区分所有者情報に基づいて総会を開催し、決議事項(例えば、理事長の選任など)を可決または否決することができる。
【0077】
理事長の承認処理(ステップS100)は、ステップS155の実行により終了する。
【0078】
管理組合は、総会によって新たな理事長が選任された場合、管理組合口座の口座名義を変更する必要がある。この口座名義の変更において、管理組合は、情報処理システム10を利用することができる。
【0079】
[2-2.代表者変更届の生成・送信処理]
図5は、本発明の一実施形態に係る情報処理システム10で実行される代表者変更届の生成・送信処理(ステップS200)を示すシーケンス図である。
【0080】
代表者変更届の生成・送信処理(ステップS200)は、ステップS210の実行により開始される。
【0081】
ステップS210では、管理組合端末200(フォーム要求部210a)が、口座名義の変更に関する代表者変更届に関する代表者変更届フォーム要求を生成する。
【0082】
ステップS215では、生成された代表者変更届フォーム要求が、管理会社サーバ300に送信される。
【0083】
ステップS220では、管理会社サーバ300(フォーム処理部310a)が、記憶部320から代表者変更届フォーム要求に対応する代表者変更届フォームデータを読み出す。換言すると、管理会社サーバ300(フォーム処理部310a)は、代表者変更届フォーム要求に基づき、代表者変更届データを取得する。
【0084】
ステップS225では、読み出された代表者変更届フォームデータが、管理組合端末200に送信される。
【0085】
ステップS230では、管理組合端末200(情報処理部210b)が、受信した代表者変更届フォームデータに基づき、代表者変更届フォームを表示部230に表示する。管理組合は、表示された代表者変更届フォームに、必要な事項(例えば、新たな理事長名)を入力することができる。また、ステップS230では、管理組合端末200(取得部220)が、本人確認媒体から電子証明書を取得する。管理組合端末200(情報処理部210b)は、代表者変更届フォームデータと代表者変更届フォームに入力された入力データとを紐付け、電子証明書を付した代表者変更届情報を生成する。
【0086】
ステップS235では、生成された代表者変更届情報が、管理会社サーバ300に送信される。
【0087】
ステップS240では、管理会社サーバ300(検証要求部310b)が、代表者変更届の電子証明書の検証要求を生成する。
【0088】
ステップS245では、代表変更届情報および生成された電子証明書の検証要求が、電子証明書検証者サーバ400に送信される。
【0089】
ステップS250では、管理会社サーバ300が、代表者変更届情報に付された電子証明書の検証結果情報を受信する。
【0090】
ステップS260では、管理会社サーバ300(情報処理部310c)が、電子証明書の検証結果情報を判定する。管理会社サーバ300(情報処理部310c)は、電子証明書が正しい場合、代表者変更届情報と検証結果情報とを紐付け、検証済み代表者変更届情報を生成する。
【0091】
ステップS265では、生成された検証済み代表者変更届情報が、金融機関サーバ500に送信される。
【0092】
代表者変更届の生成・送信処理(ステップS200)は、ステップS280の実行により終了する。
【0093】
以上、説明したように、本実施形態に係る情報処理システム10は、電子証明書が検証された口座関連情報を金融機関サーバ500に送信することができる。そのため、金融機関において口座関連手続き処理を迅速に実行することができる。したがって、管理組合口座の口座名義を迅速に変更することができるため、管理組合または管理会社の負担が軽減される。
【0094】
<第2実施形態>
図6および図7を参照して、本発明の一実施形態に係る情報処理システム20について説明する。なお、以下では、情報処理システム20の構成が、情報処理システム10の構成と同様であるとき、その説明を省略する場合がある。
【0095】
[1.情報処理システム20の構成]
図6は、本発明の一実施形態に係る情報処理システム20の管理組合端末200Aの構成を示すブロック図である。
【0096】
図6に示すように、管理組合端末200Aは、制御部210A、取得部220A、表示部230、入力部240、通信部250、および撮像部260Aを含む。また、制御部210Aは、フォーム要求部210a、情報処理部210b、および顔判定部210cを含む。
【0097】
取得部220Aは、本人確認媒体のICチップから電子証明書だけでなく、顔写真データを取得することができる。
【0098】
撮像部260Aは、人物の顔を撮影し、顔撮像データを生成することできる。撮像部260Aは、例えば、カメラなどである。
【0099】
顔判定部210cは、顔写真データと顔撮像データとを照合し、本人確認媒体の人物が撮像された人物と一致するかどうかを判定することができる。具体的には、顔判定部210cは、顔撮像データの中から顔を構成する部位である目、鼻、または口などの大きさ、方向、または相対的位置などの特徴点を検出し、顔写真データの特徴点と比較することができる。また、顔判定部210cは、顔の輪郭を特徴点として検出することもできる。顔判定部210cは、特徴点の比較を類似度として算出し、類似度が所定のしきい値を超える場合に、人確認媒体の人物と、撮像された人物とが一致すると判定することができる。
【0100】
[2.代表者変更届の生成・送信処理]
図7は、本発明の一実施形態に係る情報処理システム20で実行される代表者変更届の生成・送信処理を示すシーケンス図である。
【0101】
情報処理システム20では、第1実施形態で説明したステップS230の代わりに、ステップS230AおよびステップS232Aが実行される。
【0102】
ステップS230Aでは、管理組合端末200(情報処理部210b)が、受信した代表者変更届フォームデータに基づき、代表者変更届フォームを表示部230に表示する。管理組合は、表示された代表者変更届フォームに、必要な事項(例えば、新たな理事長名)を入力することができる。
【0103】
ステップS232Aでは、管理組合端末200(取得部220A)が、本人確認媒体から電子証明書および顔写真データを取得する。また、管理組合端末200(撮像部260Aは)、理事長の顔を撮影し、理事長の顔撮像データを生成する。また、管理組合端末200(顔判定部210c)は、顔写真データと顔撮像データとを照合し、顔写真データと顔撮像データとが一致した場合、代表者変更届フォームデータと代表者変更届フォームに入力された入力データとを紐付け、電子証明書を付した代表者変更届情報を生成する。
【0104】
以上、説明したように、本実施形態に係る情報処理システム20では、顔認証を行い、本人確認を行う。そのため、本人確認媒体を用いた厳格な本人確認が可能である。また、本実施形態に係る情報処理システム20は、電子証明書が検証された口座関連情報を金融機関サーバ500に送信することができる。そのため、金融機関において口座関連手続き処理を迅速に実行することができる。したがって、管理組合口座の口座名義を迅速に変更することができるため、管理組合または管理会社の負担が軽減される。
【0105】
各実施形態は、相互に矛盾しない限りにおいて、適宜組み合わせて実施することができる。また、各実施形態を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除、もしくは設計変更を行ったもの、または、工程の追加、省略、もしくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0106】
10:情報処理システム、 20:情報処理システム、 100:区分所有者端末、 200、200A:管理組合端末、 210、210A:制御部、 210a:フォーム要求部、 210b:情報処理部、 210c:顔判定部、 220、220A:取得部、 230:表示部、 240:入力部、 250:通信部、 260A:撮像部、 300:管理会社サーバ、 310:制御部、 310a:フォーム処理部、 310b:検証要求部、 310c:情報処理部、 320:記憶部、 330:通信部、 400:電子証明書検証者サーバ、 500:金融機関サーバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7