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特許7323598核酸のモノクローナルクラスターの生成および配列決定のための方法およびアレイ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-31
(45)【発行日】2023-08-08
(54)【発明の名称】核酸のモノクローナルクラスターの生成および配列決定のための方法およびアレイ
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/09 20060101AFI20230801BHJP
   C12M 1/00 20060101ALI20230801BHJP
   C12Q 1/6876 20180101ALI20230801BHJP
   C12Q 1/6874 20180101ALI20230801BHJP
   C12Q 1/6848 20180101ALI20230801BHJP
【FI】
C12N15/09 200
C12M1/00 A ZNA
C12Q1/6876 Z
C12Q1/6874 Z
C12Q1/6848 Z
【請求項の数】 1
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021213441
(22)【出願日】2021-12-27
(62)【分割の表示】P 2017524429の分割
【原出願日】2015-11-11
(65)【公開番号】P2022050504
(43)【公開日】2022-03-30
【審査請求日】2022-01-25
(31)【優先権主張番号】62/078,346
(32)【優先日】2014-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/096,464
(32)【優先日】2014-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502279294
【氏名又は名称】イルミナ ケンブリッジ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100141601
【弁理士】
【氏名又は名称】貴志 浩充
(72)【発明者】
【氏名】ケヴィン エル ガンダーソン
(72)【発明者】
【氏名】ジンウェイ バイ
(72)【発明者】
【氏名】マシュー ウィリアム ケリンジャー
(72)【発明者】
【氏名】ジョン エム バイアール
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン マーク バウテル
(72)【発明者】
【氏名】ロベルト リガッティ
(72)【発明者】
【氏名】マリア キャンデラリア ロジャート バシガルポ
(72)【発明者】
【氏名】ボヤン ボヤノフ
(72)【発明者】
【氏名】クラウス マイジンガー
【審査官】野村 英雄
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/133905(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0079923(US,A1)
【文献】国際公開第2013/063382(WO,A2)
【文献】国際公開第2008/157640(WO,A2)
【文献】米国特許出願公開第2013/0338042(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 15/00-15/90
C12Q 1/00- 3/00
C12M 1/00- 3/10
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
PubMed
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の:
a)少なくとも一のウェル、前記ウェルの周りの表面および内側ウェル表面を含む基材;
b)前記内側ウェル表面を覆い、および少なくとも一の第一キャプチャープライマー対を含む第一層;および
c)前記第一層およびウェルの周りの表面を覆う第二層、但し、前記第二層が設けられた後、前記第一層中の前記第一キャプチャープライマー対が機能するように存在する、
が含まれ、
前記第一層は、ポリ(N-5-アジドアセトアミジルペンチル)アクリルアミド-コ-アクリルアミド(PAZAM)層を含み、及び前記第二層は、シランフリーアクリルアミド(SFA)を含む、マイクロアレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、核酸配列決定のための方法および組成物に関し、2014年11月11日付け出願
の米国仮出願第62/078346号および2014年12月23日付け出願の米国仮出願第62/096464号に
ついて優先権を主張する。
【0002】
分野
本開示は、分子生物学の分野に、およびより一層具体的には、固形物表面での標的ポリ
ヌクレオチドをキャプチャリングおよび増幅するための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
次世代配列決定(次世代シーケンシングとも言う)は全ゲノム配列決定および全ゲノム
解析を可能にした。次世代配列決定の方法は、第一にユニバーサル(普遍的なとも言う)
増幅領域を備え、そして次に固体表面上のユニバーサルキャプチャープライマーによって
無差別に捕捉されるゲノムフラグメントの普遍的な増幅に依存することが多い。ユニバー
サルキャプチャープライマーは、次世代配列決定法における有用な要素であるポリヌクレ
オチドキャプチャーおよびブリッジ増幅の双方を媒介する(例は、国際公開第WO2011/025
477A1、米国特許出願公開第US2011/0172119A1明細書を参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現在の多くの方法はゲノム全体の配列決定を効果的に支持することができるが、それら
は概して、特定のポリヌクレオチドの標的化される捕捉を可能とせず、そして従って、た
とえば、部分ゲノムの標的化される配列決定を一般に支持しない。しかしながら、たとえ
ば、生物のエキソームまたはトランスクリプトームの特定の画分の標的配列決定を容易に
する方法の必要性が高まっている。この必要性は、部分的にはコストだけでなく、データ
処理の考慮事項によっても左右される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
したがって、部分ゲノムの標的化された次世代配列決定を可能にする新しい方法につい
て必要性が存在する。本開示は、表面での固定化されたキャプチャープライマーを修飾す
るための方法を提供することによってこの必要性に対処する。関連する利点も同様に提供
される。
【0006】
概略
ここには、固定化キャプチャープライマーを修飾するマイクロアレイおよび方法が提供
される。
【0007】
一態様において、ここには、マイクロアレイが提供され、それには:a)少なくとも一
のウェル、ウェルの周りの表面および内側ウェル表面(inner well surface)を含む基材
;b)内側ウェル表面を覆い、および少なくとも一の第一キャプチャープライマー対を含
む第一層;およびc)第一層およびウェルの周りの表面を覆う第二層が含まれる。
【0008】
いくらかの実施態様において、ウェルの直径は約1μm未満である。
【0009】
いくらかの実施態様では、ウェルの直径は約400nmである。
【0010】
いくらかの実施態様では、少なくとも一の第一キャプチャープライマー対は複数の第一
キャプチャープライマー対である。
【0011】
いくらかの実施態様において、少なくとも一の第一キャプチャープライマー対のプライ
マーには、ユニバーサルキャプチャー領域が含まれる。
【0012】
いくらかの実施態様では、少なくとも一の第一キャプチャープライマー対のプライマー
には、シーケンシングプライマー結合部位(sequencing primer binding site、SBS)が
さらに含まれる。
【0013】
いくらかの実施態様では、第二層には、少なくとも一の第二キャプチャープライマー対
が含まれる。
【0014】
いくらかの実施態様では、少なくとも一の第二キャプチャープライマー対は複数の第二
キャプチャープライマー対である。
【0015】
いくらかの実施態様では、少なくとも一の第二キャプチャープライマー対のプライマー
は3’端(-end)にてブロックされる。
【0016】
いくらかの実施態様では、少なくとも一の第二キャプチャープライマー対のプライマー
は3’-リン酸-終端をなす(3’-phosphate-terminated)。
【0017】
いくらかの実施態様では、少なくとも一の第二キャプチャープライマー対の3’-リン酸
の終端化(3’-phosphate terminated)プライマーには、ユニバーサルキャプチャー領域
が含まれる。
【0018】
いくらかの実施態様において、少なくとも一の第二キャプチャープライマー対のプライ
マーは3’端にてブロックされない。
【0019】
いくらかの実施態様では、少なくとも一の第二キャプチャープライマー対のプライマー
はユニバーサルキャプチャー領域を含む。
【0020】
いくらかの実施態様では、複数の第一キャプチャープライマー対の複数のキャプチャー
プライマーはそれぞれ標的(ターゲットとも言う)ポリヌクレオチドに付着される。
【0021】
いくらかの実施態様では、複数の標的ポリヌクレオチドは少なくとも一のウェルにおい
て標的ポリヌクレオチドのモノクローナル集団を形成する。
【0022】
いくらかの実施態様では、少なくとも一のウェルは複数のウェルを含み、およびそこで
は、複数のウェルの二またはそれよりも多く(二以上とも言う)のウェルは標的ポリヌク
レオチドのモノクローナル集団を含む。
【0023】
いくらかの実施態様では、複数のウェルの二以上のウェルは、同じ標的ポリヌクレオチ
ドのモノクローナル集団を含む。
【0024】
いくらかの実施態様では、複数のウェルの二以上のウェルは、二以上の異なる標的ポリ
ヌクレオチドのモノクローナル集団を含む。
【0025】
いくらかの実施態様では、少なくとも一の第一キャプチャープライマー対は複数の第一
キャプチャープライマー対であり、および少なくとも一の第二キャプチャープライマー対
は複数の第二キャプチャープライマー対であり、およびそこでは、複数の第一キャプチャ
ープライマー対および複数の第二キャプチャープライマー対の複数のプライマーは複数の
標的ポリヌクレオチドに付着されている。
【0026】
いくらかの実施態様では、複数の標的ポリヌクレオチドは少なくとも一のウェルにおい
て標的ポリヌクレオチドのモノクローナル集団を形成する。
【0027】
いくらかの実施態様では、少なくとも一のウェルは複数のウェルであり、複数のウェル
の二以上のウェルは標的ポリヌクレオチドのモノクローナル集団を含む。
【0028】
いくらかの実施態様では、複数のウェルの二以上のウェルは同じ標的ポリヌクレオチド
のモノクローナル集団を含む。
【0029】
いくらかの実施態様において、複数のウェルの二以上のウェルは、二以上の異なる標的
ポリヌクレオチドのモノクローナル集団を含む。
【0030】
別の態様では、ここには、a)少なくとも一のウェル、ウェルの周りの表面および内側
ウェル表面を含む基材;およびb)内側ウェル表面を覆い、および少なくとも一の第一キ
ャプチャープライマー対および少なくとも一の第二キャプチャープライマー対を含む層が
含まれるマイクロアレイが提供される。
【0031】
いくらかの実施態様では、ウェルの直径は約1μm以上である、国際出願時のクレーム38
のマイクロアレイがある。
【0032】
いくらかの実施態様において、少なくとも一の第一キャプチャープライマー対は複数の
第一キャプチャープライマー対である。
【0033】
いくらかの実施態様において、少なくとも一の第二キャプチャープライマー対は複数の
第二キャプチャープライマー対である。
【0034】
いくらかの実施態様において、少なくとも一の第一キャプチャープライマー対のプライ
マーはユニバーサルキャプチャー領域を含む。
【0035】
いくらかの実施態様では、少なくとも一の第二キャプチャープライマー対のプライマー
はユニバーサルキャプチャー領域およびSBSを含む。
【0036】
いくらかの実施態様では、少なくとも一の第一キャプチャープライマー対は複数の第一
キャプチャープライマー対であり、および少なくとも一の第二キャプチャープライマー対
は複数の第二キャプチャープライマー対であり、およびそこでは、複数の第一キャプチャ
ープライマー対および複数の第二キャプチャープライマー対の複数のプライマーは複数の
標的ポリヌクレオチドに付着される。
【0037】
いくらかの実施態様では、複数の標的ポリヌクレオチドは少なくとも一のウェルにおい
て標的ポリヌクレオチドのモノクローナル集団を形成する。
【0038】
いくらかの実施態様において、少なくとも一のウェルは複数のウェルであり、およびそ
こでは、複数のウェルの二以上のウェルは標的ポリヌクレオチドのモノクローナル集団を
含む。
【0039】
いくらかの実施態様では、複数のウェルの二以上のウェルの各々は同じ標的ポリヌクレ
オチドのモノクローナル集団を含む。
【0040】
いくらかの実施態様では、複数のウェルの二以上のウェルは二以上の異なる標的ポリヌ
クレオチドのモノクローナル集団を含む。
【0041】
別の態様では、ここには、核酸を増幅するための方法が提供され、それには、a)基材
にて第一層を生成することであり、そこでは、基材は、少なくとも一のウェル、ウェルの
周りの表面および内側ウェル表面を含み、第一層は内側ウェル表面を覆い;b)少なくと
も一の第一キャプチャープライマー対を第一層に堆積すること;c)第一層およびウェル
の周りの表面を覆う第二層を基材にて生成すること;d)複数の標的ポリヌクレオチドが
含まれるサンプルを、少なくとも一の第一キャプチャープライマー対のキャプチャープラ
イマーとハイブリダイズさせるために、標的ポリヌクレオチドにとって十分な条件下で、
基材と接触させること、およびe)ウェルの内側で標的ポリヌクレオチドからアンプリコ
ンのクローナル集団を生成するために、第一の運動排除アッセイ(first kinetic exclus
ion assay)(KEA)(キネティック排除法または結合平衡除外アッセイとも言う)を実行
し、それによって標的ポリヌクレオチドを増幅することが含まれる。
【0042】
いくらかの実施態様では、複数の標的ポリヌクレオチドが含まれるサンプルは、少なく
とも一の第一キャプチャープライマー対のキャプチャープライマーとハイブリダイズさせ
るために、ウェル当たりに単一の標的ポリヌクレオチドに十分な条件下で、基材と接触さ
せられる。
【0043】
いくらかの実施態様では、第一KEAは、少なくとも一のウェルのキャプチャープライマ
ーとハイブリダイズする単一の標的ポリヌクレオチドからのアンプリコンのモノクローナ
ル集団を生成する。
【0044】
いくらかの実施態様では、少なくとも一のウェルは複数のウェルであり、およびアンプ
リコンのモノクローナル集団は複数のウェルの二以上のウェルにおいて単一標的ポリヌク
レオチドから生成される。
【0045】
いくらかの実施態様では、アンプリコンのモノクローナル集団は複数のウェルの二以上
のウェルにおいて同じ単一の標的ポリヌクレオチドから生成される。
【0046】
いくらかの実施態様では、アンプリコンのモノクローナル集団は複数のウェルの二以上
のウェルにおいて二以上の単一標的ポリヌクレオチドから生成される。
【0047】
いくらかの実施態様において、少なくとも一の第一キャプチャープライマー対は複数の
第一キャプチャープライマー対である。
【0048】
いくらかの実施態様では、本方法は第二層において少なくとも一の第二キャプチャープ
ライマー対を堆積することをさらに含む。
【0049】
いくらかの実施態様において、少なくとも一の第二キャプチャープライマー対は複数の
第二キャプチャープライマー対である。
【0050】
いくらかの実施態様では、第一KEAを実行するのに先立ち少なくとも一の第二キャプチ
ャープライマー対を堆積する。
【0051】
いくらかの実施態様において、少なくとも一の第一キャプチャープライマー対のプライ
マーはユニバーサルキャプチャー領域を含む。
【0052】
いくらかの実施態様では、複数の標的ポリヌクレオチドは一以上の相補的なユニバーサ
ルキャプチャー領域によって隣接される。
【0053】
いくらかの実施態様では、少なくとも一の第二キャプチャープライマー対のプライマー
は3’端にてブロックされる。
【0054】
いくらかの実施態様では、3’ブロックプライマーはユニバーサルキャプチャー領域を
含む。
【0055】
いくらかの実施態様では、本方法は、第一KEAを実行して後に少なくとも一の第二キャ
プチャープライマー対のプライマーをデブロック化(脱ブロック化とも言う)することを
さらに含む。
【0056】
いくらかの実施態様において、少なくとも一の第二キャプチャープライマー対のプライ
マーはT4-キナーゼを用いてデブロック化される。
【0057】
いくらかの実施態様では、本方法は、標的ポリヌクレオチドアンプリコンのクローナル
集団(クローン集団とも言う)を増大させるために、ブリッジ増幅または第二KEAを実行
することをさらに含む。
【0058】
いくらかの実施態様では、第一キャプチャープライマー対のプライマーはSBSをさらに
含む。
【0059】
いくらかの実施態様では、複数の標的ポリヌクレオチドは一以上の相補的なSBSによっ
て隣接される。
【0060】
いくらかの実施態様では、少なくとも一の第二キャプチャープライマー対のプライマー
は3’端でアンブロック化(非ブロック化とも言う)される。
【0061】
いくらかの実施態様では、少なくとも一の第二プライマー対のプライマーは、ユニバー
サルキャプチャー領域を含む。
【0062】
いくらかの実施態様において、第一KEAは、少なくとも一のウェルを超えてアンプリコ
ンのクローン集団を増大するために、長期間にわたって実行される。
【0063】
いくらかの実施態様において、少なくとも一の第二キャプチャープライマー対は第一KE
Aを実行して後堆積される。
【0064】
いくらかの実施態様において、少なくとも一の第一キャプチャープライマー対および少
なくとも一の第二キャプチャープライマー対のプライマーはユニバーサルキャプチャー領
域を含む。
【0065】
いくらかの実施態様では、本方法は、少なくとも一のウェルを超えて標的ポリヌクレオ
チドアンプリコンのクローン集団を増大するために、ブリッジ増幅または第二KEAを実行
することをさらに含む。
【0066】
別の態様では、ここには、核酸を増幅するための方法が提供され、それには、以下のこ
とが含まれ、a)基材にて第一層を生成することであり、そこでは、基材は、少なくとも
一のウェル、ウェルの周りの表面および内側ウェル表面が含まれ、そこでは、第一層は内
側ウェル表面を少なくとも部分的に覆い;b)第一層において少なくとも一の第一キャプ
チャープライマー対を堆積することであり、そこでは、第一キャプチャープライマー対は
、Illumina(R)(イルミナ、商標)P5プライマーヌクレオチドシーケンスを含め3’部分を
含む複数の第一キャプチャープライマー、およびIllumina(R)P7プライマーヌクレオチド
シーケンスを含め3’部分を含む複数の第二キャプチャープライマー対が含まれ;c)第一
層およびウェルの周りの表面を覆う第二層を基材にて生成すること;d)第二層において
少なくとも一の第二キャプチャープライマー対を堆積することであり、そこでは、第二キ
ャプチャープライマー対は3’リン酸-終端をなし、およびIllumina(R)P5プライマーヌク
レオチドシーケンスを含め3’部分を含む複数の第一キャプチャープライマーおよびIllum
ina(R)P7プライマーヌクレオチドシーケンスを含め3’部分を含む複数の第二キャプチャ
ープライマーが含まれ;e)複数の標的ポリヌクレオチドが含まれるサンプルを、少なく
とも一の第一キャプチャープライマー対のプライマーとハイブリダイズさせるために、単
一標的ポリヌクレオチドについてウェルあたり十分な条件下に基材と接触させることであ
り、そこでは、標的ポリヌクレオチドは相補的ユニバーサルプライマー領域で各々が相補
的なIllumina(R)P5’プライマーヌクレオチドシーケンスまたは相補的なIllumina(R)P7’
プライマーヌクレオチドシーケンスを含むものによって隣接され;f)少なくとも一のウ
ェルの内側の単一標的ポリヌクレオチドからのアンプリコンのモノクローナル集団を生成
するために、第一KEAを実行することであり、それによって標的ポリヌクレオチドが増幅
され;g)第二プライマー対のプライマーをデブロック化するために、基材をT4キナーゼ
と接触させること、およびh)単一標的ポリヌクレオチドのアンプリコンのモノクローナ
ル集団を、ウェルを超えて増大させるために、ブリッジ増幅または第二KEAを実行するこ
とである。
【0067】
別の態様では、ここには、核酸を増幅するための方法が提供され、それには、以下のこ
とが含まれ、a)基材にて第一層を生成することであり、そこでは、基材は少なくとも一
のウェル、ウェルの周りの表面および内側ウェル表面を含み、そこでは、第一層は内側ウ
ェル表面を少なくとも部分的に覆い;b)第一層において少なくとも一の第一キャプチャ
ープライマー対を堆積することであり、そこでは、第一キャプチャープライマー対は、Il
lumina(R)P5プライマーヌクレオチドシーケンスおよびIllumina(R)SBS3プライマーを含め
3’部分が含まれる複数の少なくとも一の第一キャプチャープライマー、およびIllumina(
R)P7プライマーヌクレオチドシーケンスおよびIllumina(R)SBS8プライマーヌクレオチド
シーケンスを含め3’部分が含まれる複数の少なくとも一の第二キャプチャープライマー
を含み;c)第一層およびウェルの周りの表面を覆う第二層を基板に生成すること;d)第
二層において少なくとも一の第二キャプチャープライマー対を堆積することであり、そこ
では、少なくとも一の第二キャプチャープライマー対には、Illumina(R)P5プライマーヌ
クレオチドシーケンスを含め3’部分を含む複数の第一キャプチャープライマーおよびIll
umina(R)P7ヌクレオチドシーケンスを含め3’部分を含む複数の第二キャプチャープライ
マーが含まれ;e)複数の標的ポリヌクレオチドを含むサンプルを、少なくとも一の第一
のキャプチャープライマー対のプライマーとハイブリダイゼーションさせるために、単一
標的ポリヌクレオチドについてウェルあたり十分な条件下に、基材と接触させることであ
り、そこでは、複数の標的ポリヌクレオチドは、相補的SBSであって各々が相補的Illumin
a(R)SBS3’プライマーヌクレオチドシーケンスまたは相補的Illumina(R)SBS8’プライマ
ーヌクレオチドシーケンスを含むものによって隣接され、およびf)少なくとも一のウェ
ルの内側および外側の単一標的ポリヌクレオチドからアンプリコンのモノクローナル集団
を生成するために、長時間KEAを実行することであり、それによってウェル内の単一の標
的ポリヌクレオチドが増幅され、および少なくとも一のウェルを超えて標的ポリヌクレオ
チドのモノクローナル集団が増大されることである。
【0068】
別の態様では、ここには、核酸を増幅するための方法が提供され、それには、以下のこ
とが含まれ、a)基材にて第一層を生成することであり、そこでは、基材は、少なくとも
一のウェル、ウェルの周りの表面、および内側ウェル表面を含み、そこでは、第一層は内
側ウェル表面を少なくとも部分的に覆い;b)第一層において少なくとも一の第一キャプ
チャープライマー対を堆積することであり、そこでは、第一プライマー対は、Illumina(R
)P5プライマーヌクレオチドシーケンスを含め3’部分を含む複数の第一キャプチャープラ
イマーおよびIllumina(R)P7プライマーヌクレオチドシーケンスを含め3’部分を含む複数
の第二キャプチャープライマーを含み;c)第一層およびウェルの周りの表面を覆う第二
層を基材にて生成すること;d)複数の標的ポリヌクレオチドを含むサンプルを、少なく
とも一の第一キャプチャープライマー対のプライマーとハイブリダイゼーションさせるた
めに、単一標的ポリヌクレオチドについてウェルあたり十分な条件下に、基材と接触させ
ることであり、そこでは、複数のポリヌクレオチドは、相補的ユニバーサルプライマー領
域であって各々が相補的Illumina(R)P5’プライマーヌクレオチドシーケンスまたは相補
的Illumina(R)P7’プライマーヌクレオチドシーケンスを含むものによって隣接され;e)
少なくとも一のウェルの内側で単一標的ポリヌクレオチドからアンプリコンのモノクロー
ナル集団を生成するために、第一KEAを実行することであり、それによって、標的ポリヌ
クレオチドが増幅され;f)第二層において少なくとも一の第二キャプチャープライマー
対を堆積することであり、そこでは、少なくとも一の第二キャプチャープライマー対は、
Illumina(R)P5プライマーヌクレオチドシーケンスを含め3’部分を含む複数の第一キャプ
チャープライマーおよびIllumina(R)P7プライマーヌクレオチドシーケンスを含め3’部分
を含む複数の第二キャプチャープライマーを含み、およびg)単一標的ポリヌクレオチド
のアンプリコンのモノクローナル集団を増大するために、ブリッジ増幅または第二KEAを
実行することである。
【0069】
別の態様では、ここには、核酸を増幅するための方法が提供され、それには、以下のこ
とが含まれ、a)基材にて層を生成することであり、そこでは、基材は、少なくとも一の
ウェル、ウェルの周りの表面および内側ウェル表面を含み、そこでは、ウェルは約1μm以
上の直径を有し、およびそこでは、層は内側ウェル表面を少なくとも部分的に覆い;b)
層において少なくとも一の第一キャプチャープライマー対および少なくとも一の第二キャ
プチャープライマー対を堆積させることであって、そこでは、少なくとも一の第一キャプ
チャープライマー対のプライマー密度は少なくとも第二プライマー対のプライマー密度よ
り高く;c)複数の標的ポリヌクレオチドを含むサンプルを、第二プライマーとハイブリ
ダイゼーションさせるために、単一標的ポリヌクレオチドについてウェルあたり十分な条
件下に接触させること、およびd)ウェルの内側で第二プライマーにハイブリダイズされ
た単一標的ポリヌクレオチドからのアンプリコンのモノクローナル集団を生成するために
、KEAを実行することであり、それによって、単一標的ポリヌクレオチドが増幅されるこ
とである。
【0070】
別の態様では、ここには、固定化キャプチャープライマーを修飾する方法が提供され、
それには、次のことが含まれ、a)複数の固定化されたキャプチャープライマーを含む基
材を、一以上の固定化された鋳型核酸を生成するために、ハイブリダイゼーションに十分
な条件下で、複数の鋳型核酸と接触させることであり、そこでは、複数の固定化されたキ
ャプチャープライマーは、5’末端(-terminal)ユニバーサルキャプチャー領域Yを含む
第一の複数のプライマーおよび3’末端ユニバーサルキャプチャー領域Zを含む第二の複数
のプライマーを含み、およびそこでは、各鋳型核酸は、5’末端および3’末端のユニバー
サルキャプチャー領域YまたはZによって隣接され、および一以上の制限部位および5’末
端ユニバーサルキャプチャー領域および一以上の制限部位の間または3’末端ユニバーサ
ルキャプチャー領域および一以上の制限部位の間の標的特異的キャプチャー領域を含み、
およびb)一以上の鋳型核酸に相補的な一以上の固定化伸長生成物(immobilized extensi
on products)を生成するために、一以上の固定化キャプチャープライマーを伸長するこ
とである。
【0071】
いくらかの実施態様では、各鋳型核酸の標的特異的キャプチャー領域は5’末端ユニバ
ーサルキャプチャー領域および一以上の制限部位の間にある。
【0072】
いくらかの実施態様では、各鋳型核酸は二の制限部位および二の制限部位の間のスペー
サー領域を含む。
【0073】
いくらかの実施態様では、二の制限部位はSapI部位である。
【0074】
いくらかの実施態様において、スペーサー領域は約150塩基を含む。
【0075】
いくらかの実施態様では、基材は複数のパッドを含むパターン化フローセルである。
【0076】
いくらかの実施態様では、各パッドは、3’末端ユニバーサルキャプチャー領域Yを含む
第一の複数の固定化ユニバーサルキャプチャープライマーおよび3’末端ユニバーサルキ
ャプチャー領域Zを含む第二の複数の固定化ユニバーサルキャプチャープライマーを含む
【0077】
いくらかの実施態様では、複数のパッドのパッドごとに単一固定化伸長生成物が生成さ
れる。
【0078】
いくらかの実施態様では、パッドごとに製造された単一固定化伸長生成物は複数のパッ
ドのすべてのパッドにおいて同じ鋳型核酸に相補的である。
【0079】
いくらかの実施態様では、パッドごとに生成される単一固定化伸長生成物は複数のパッ
ドの二以上のパッドにおいて二以上の異なる鋳型核酸に相補的である。
【0080】
いくらかの実施態様では、パッドあたりに生成される単一固定化伸長生成物は、複数の
パッドの少なくとも1%、少なくとも3%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも2
0%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも7
0%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%のパッ
ドの各一において異なる鋳型核酸に相補的である。
【0081】
いくらかの実施態様では、単一固定化伸長生成物は、パッドの1%、5%、10%、20%、
30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、または99%より多くにおいて生成さ
れる。
【0082】
いくらかの実施態様では、単一固定化伸長生成物はパッドの100%、95%、90%、80%
、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、5%、または1%未満において生成される
【0083】
いくらかの実施態様では、本方法は、固定化二重鎖鋳型核酸の一以上のモノクローナル
クラスターを生成するために、一以上の固定化伸長生成物をポリメラーゼ連鎖反応(PCR
)によって増幅することをさらに含む。
【0084】
いくらかの実施態様では、PCRによる増幅には、ブリッジ増幅またはKEAが含まれる。
【0085】
いくらかの実施態様では、本方法は、複数の固定化二重鎖鋳型核酸の一以上の制限部位
を切断してユニバーサルキャプチャー領域および標的特異的キャプチャー領域を含む複数
の固定化二重鎖キメラキャプチャープライマーおよび複数の二重鎖固定化再生ユニバーサ
ルキャプチャープライマー(double-stranded immobilized regenerated universal capt
ure primers)を生成するために、固定化二重鎖鋳型核酸の一以上のモノクローナルクラ
スターを制限酵素と接触させることをさらに含む。
【0086】
いくらかの実施態様では、本方法は、複数の一本鎖固定化キメラキャプチャープライマ
ーおよび一本鎖固定化再生ユニバーサルキャプチャープライマーを生成するために、複数
の固定化二重鎖キメラキャプチャープライマーおよび二重鎖固定化再生ユニバーサルキャ
プチャープライマーを熱変性させることをさらに含む。
【0087】
いくらかの実施態様では、本方法は、複数の一本鎖固定化キメラキャプチャープライマ
ーおよび一本鎖固定化再生ユニバーサルキャプチャープライマーを生成するために、複数
の固定化二本鎖キメラキャプチャープライマーおよび二本鎖固定化再生ユニバーサルキャ
プチャープライマーを、5’-3’二重鎖デオキシリボ核酸(dsDNA)エキソヌクレアーゼと
接触させることをさらに含む。
【0088】
いくらかの実施態様では、基材は複数のパッドを含むパターン化フローセルである。
【0089】
いくらかの実施態様では、各パッドは3’末端ユニバーサルキャプチャー領域Yを含む第
一の複数のキャプチャープライマーおよび3’末端ユニバーサルキャプチャー領域Zを含む
第二の複数のユニバーサルキャプチャープライマーを含む。
【0090】
いくらかの実施態様では、3’末端ユニバーサルキャプチャー領域Yを含むキャプチャー
プライマーの1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%
または99%より多くは、複数のパッドの一以上のパッドにおいて一本鎖固定化キメラキャ
プチャープライマーに変換される。
【0091】
いくらかの実施態様では、3’末端ユニバーサルキャプチャー領域Zを含むキャプチャー
プライマーの1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%
または99%より多くは、複数のパッドの一以上のパッドにおいて一本鎖固定化キメラキャ
プチャープライマーに変換される。
【0092】
いくらかの実施態様では、3’末端ユニバーサルキャプチャー領域Yを含むキャプチャー
プライマーの1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%
または99%よりも多くは、一本鎖固定化キメラキャプチャープライマーに変換され、およ
び3’末端ユニバーサルキャプチャー領域Zを含むキャプチャープライマーの1%、5%、10
%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または99%よりも多くは、
複数のパッドの一以上のパッドにおいて一本鎖固定化キメラキャプチャープライマーに変
換される。
【0093】
別の態様では、ここには、固定化されたキャプチャープライマーを修飾するための方法
が提供され、それには、以下のことが含まれ:a)複数の固定化されたキャプチャープラ
イマーを含む基材を、一以上の固定化された鋳型核酸を生成するために、ハイブリダイゼ
ーションにとって十分な条件下に、複数の鋳型核酸と接触させることであり、そこでは、
複数の固定化されたキャプチャープライマーは、3’末端Illumina(R)P5プライマーヌクレ
オチドシーケンスを含む第一の複数のプライマーおよび3’末端Illumina(R)P7プライマー
ヌクレオチドシーケンスを含む第二の複数のプライマーを含み、およびそこでは、各鋳型
核酸は、3’末端相補的Illumina(R)P5’プライマーヌクレオチドシーケンスおよび5’末
端相補的Illumina(R)P7’プライマーヌクレオチドシーケンスによって隣接され、および
二のSapI制限部位、SapI制限部位の間のスペーサー領域、および3’末端相補的Illumina(
R)P5’プライマーヌクレオチドシーケンスおよびSapI制限部位の間の標的特異的キャプチ
ャー領域を含み;およびb)一以上の鋳型核酸に相補的な一以上の固定化された伸長生成
物を生成するために、一以上の固定化されたキャプチャープライマーを伸長すること。c
)固定化された二重鎖鋳型核酸の一以上のモノクローナルクラスターを生成するために、
ブリッジ増幅またはKEAによって一以上の固定化された伸長生成物を増幅すること;d)固
定化された二重鎖鋳型核酸の一以上のモノクローナルクラスターを、複数の固定化された
二重鎖鋳型核酸において二の制限部位を切断してIllumina(R)P5プライマーヌクレオチド
シーケンスおよび標的特異的キャプチャー領域を含む複数の固定化された二重鎖キメラキ
ャプチャープライマーおよびIllumina(R)P7プライマーヌクレオチドシーケンスを含む複
数の固定化された二重鎖再生ユニバーサルキャプチャープライマーを生成するために、Sa
pIと接触すること、およびe)随意に、複数の固定化された二重鎖キメラキャプチャープ
ライマーおよび固定化された二重鎖再生ユニバーサルキャプチャープライマー(immobili
zed double-stranded regenerated universal capture primers)を、複数の固定化され
た一本鎖キメラキャプチャープライマーおよび複数の固定化された一本鎖再生ユニバーサ
ルキャプチャープライマーを生成するために、5’-3’ dsDNAエキソヌクレアーゼと接触
させることである。
【0094】
別の態様では、ここには、固定化されたキャプチャープライマーを修飾するための方法
が提供され、そこでは、次のことが含まれ:a)複数の固定化されたキャプチャープライ
マーを含む基材を、一以上の固定化された鋳型核酸を生成するために、ハイブリダイゼー
ションにとって十分な条件下に、複数の鋳型核酸と接触させることであり、そこでは、複
数の固定化されたキャプチャープライマーは、3’末端ユニバーサルキャプチャー領域Yを
含む第一の複数のプライマーおよび3’末端ユニバーサルキャプチャー領域Zを含む第二の
複数のプライマーを含み、およびそこでは、各鋳型核酸は、5’末端および3’末端ユニバ
ーサルキャプチャー領域YまたはZによって隣接され、および一以上の制限部位および一以
上の制限部位および3’末端ユニバーサルキャプチャー領域の間の標的特異的キャプチャ
ー領域を含み;b)一以上の鋳型核酸に相補的な一以上の固定化された伸長生成物を生成
するために、一以上の固定化されたキャプチャープライマーを伸長させること;c)固定
化された二重鎖鋳型核酸の一以上のモノクローナルクラスターを生成するために、PCRに
よって一以上の固定化された伸長生成を増幅すること;d)複数の固定化された二重鎖鋳
型核酸において一以上の制限部位を切断してユニバーサルキャプチャー領域Zおよび標的
特異的キャプチャー領域を含む複数の固定化された二重鎖キメラキャプチャープライマー
、およびユニバーサルキャプチャー領域Yを含む複数の固定化された二重鎖再生ユニバー
サルキャプチャープライマーを生成するために、固定化された二重鎖鋳型核酸の一以上の
モノクローナルクラスターを制限酵素と接触させることである。
【0095】
いくらかの実施態様では、一以上の固定化された伸長生成物を増幅することには、ブリ
ッジ増幅またはKEAが含まれる。
【0096】
いくらかの実施態様では、本方法は、複数の一本鎖固定化キメラキャプチャープライマ
ーおよび複数の一本鎖固定化再生ユニバーサルキャプチャープライマーを形成するために
、複数の固定化された二重鎖キメラキャプチャープライマーおよび複数の固定化された二
重鎖再生ユニバーサルキャプチャープライマーを変性することを含む。
【0097】
いくらかの実施態様では、鋳型核酸は標的特異的部分および3’部分の間にSBSをさらに
含む。
【0098】
いくらかの実施態様では、複数の固定化再生ユニバーサルキャプチャープライマーは3
’末端の部分的な制限部位(terminal partial restriction site)を含む。
【0099】
いくらかの実施態様では、本方法は、複数の固定化された再生ユニバーサルキャプチャ
ープライマーから3’末端の部分的な制限部位を除去することをさらに含む。
【0100】
いくらかの実施態様では、複数の固定化された再生ユニバーサルキャプチャープライマ
ーは予め定められる(所定のとも言う)開裂部位を含む。
【0101】
いくらかの実施態様では、所定の開裂部位は、ジオールリンカー、8-オキソグアニン(
8-オキソ-G)、ウラシル塩基、リボヌクレオチド、メチル化ヌクレオチド、またはペプチ
ドを含む。
【0102】
いくらかの実施態様では、部分的な制限部位を除去することは非酵素的な化学的開裂(
non-enzymatic chemical cleavage)を含む。
【0103】
いくらかの実施態様では、非酵素的な化学的開裂には、過ヨウ素酸処理、希土類金属イ
オン処理、アルカリ処理または光化学反応が含まれる。
【0104】
いくらかの実施態様において、3’末端の部分的な制限部位を除去することは酵素的開
裂を含む。
【0105】
いくらかの実施態様では、酵素的開裂には、ウラシル-DNAグリコシラーゼ開裂、エンド
ヌクレアーゼ開裂、リボヌクレアーゼ(RNアーゼ)処理、制限酵素開裂またはプロテアー
ゼ開裂が含まれる。
【0106】
いくらかの実施態様において、3’末端の部分的な制限部位を除去することには、二本
鎖ユニバーサルキャプチャー領域Yを形成するために、逆相補的オリゴヌクレオチドを一
本鎖固定化再生ユニバーサルキャプチャープライマーにハイブリダイゼーションさせるこ
とが含まれる。
【0107】
いくらかの実施態様では、本方法は、二重鎖固定化キメラキャプチャープライマーを形
成するために、逆相補的オリゴヌクレオチドを一本鎖固定化キメラキャプチャープライマ
ーにハイブリダイズさせることがさらに含まれる。
【0108】
いくらかの実施態様では、本方法は、3’末端の部分的な制限部位を除去するために、
基材をヌクレアーゼと接触させることをさらに含む。
【0109】
いくらかの実施態様では、ヌクレアーゼはエキソヌクレアーゼIである。
【0110】
いくらかの実施態様では、固定化された二重鎖キメラキャプチャープライマーの3’末
端標的特異的捕捉領域はトランケーティングされる(truncated、切り詰められるとも言
う)。
【0111】
いくらかの実施態様では、各鋳型核酸は、5’末端ユニバーサルキャプチャー領域Y、3
’末端ユニバーサルキャプチャー領域Z、第一および第二の制限部位を含む中央部分およ
び第一および第二の制限部位の間のスペーサー領域、および中央部分および3’末端ユニ
バーサルキャプチャー領域Zの間の標的特異的キャプチャー領域を含む。
【0112】
いくらかの実施態様では、各鋳型核酸は、標的特異的領域および3’末端ユニバーサル
キャプチャー領域Zの間にSBSをさらに含む。
【0113】
いくらかの実施態様では、本方法は、以下のことをさらに含み:e)複数の標的ポリヌ
クレオチドを含む核酸サンプルを、ハイブリダイゼーションにとって十分な条件下に、少
なくとも一のプライマーと接触させることであり、前記少なくとも一のプライマーには、
アダプターが含まれ;f)複数のアンプリコンを生成するために、前記複数の標的ポリヌ
クレオチドをPCRによって増幅すること;g)第一の複数の固定化アンプリコンを生成する
ために、ハイブリダイゼーションにとって十分な条件下に、複数の固定化されたキメラキ
ャプチャープライマーを前記複数のアンプリコンと直接接触させること;h)前記標的ポ
リヌクレオチドに相補的な複数の固定化された伸長生成物を生成するために、複数の固定
化されたキメラキャプチャープライマーを伸長させること、およびi)第二の複数の固定
化されたアンプリコンを生成するために、前記複数の固定化された伸長生成物をPCRによ
って増幅することであり、そこでは、固定化されたアンプリコンの前記集団は、85%以上
の均一性を含むことである。
【0114】
別の態様では、ここには、固定化されたキャプチャープライマーを修飾するための方法
が提供され、それには、次のことが含まれ:a)基材にて固定化された複数のユニバーサ
ルキャプチャープライマーを、一以上の固定化された鋳型核酸を生成するために、ハイブ
リダイゼーションにとって十分な条件下に、複数の鋳型核酸と接触させることであり、そ
こでは、複数のユニバーサルキャプチャープライマーは、3’末端ユニバーサルキャプチ
ャー領域Yを含む第一の複数のプライマーおよび3’末端ユニバーサルキャプチャー領域Z
を含む第二の複数のプライマーを含み、そこでは、各鋳型核酸は、5’末端ユニバーサル
キャプチャー領域Y、3’末端ユニバーサルキャプチャー領域Z、標的特異的キャプチャー
領域、5’末端ユニバーサルキャプチャー領域Yおよび標的特異的キャプチャー領域の間の
制限部位、および3’末端ユニバーサルキャプチャー領域Zおよび標的特異的キャプチャー
部分の間のSBSを含み;b)一以上の固定化された鋳型核酸に相補的な一以上の固定化され
た伸長生成物を生成するために、一以上のユニバーサルキャプチャープライマーを伸長す
ること;c)固定化された伸長生成物の一以上のモノクローナルアンプリコンを生成する
ために、一以上の固定化された伸長生成物をブリッジ増幅またはKEAによって増幅するこ
と;d)固定化された伸長生成物の一以上のモノクローナルクラスターを、ユニバーサル
キャプチャー領域Zおよび標的特異的キャプチャー領域を含む複数の固定化されたキメラ
キャプチャープライマーおよびユニバーサルキャプチャー領域Yおよび部分的制限部位を
含む複数の固体化された再生ユニバーサルキャプチャープライマーを生成するために、制
限酵素と接触させることである。
【0115】
別の態様では、ここには、固定化されたキャプチャープライマーを修飾するための方法
が提供され、それには、次のことが含まれ:a)基材にて固定された複数のユニバーサル
キャプチャープライマーを、一以上の固定化された鋳型核酸を生成するために、ハイブリ
ダイゼーションにとって十分な条件下に、複数の鋳型核酸と接触させることであり、そこ
では、複数のユニバーサルキャプチャープライマーには、3’末端ユニバーサルキャプチ
ャー領域Yおよび第一の所定の開裂部位を含む第一の複数のプライマーおよび3’末端ユニ
バーサルキャプチャー領域Zを含む第二の複数のプライマーおよび第二の所定の開裂部位
を含む5’部分が含まれ、そこでは、各鋳型核酸には、5’末端ユニバーサルキャプチャー
領域Y、3’末端ユニバーサルキャプチャー領域Z、標的特異的キャプチャー領域、5’末端
ユニバーサルキャプチャー領域Yおよび標的特異的キャプチャー領域の間の制限部位、お
よび3’末端ユニバーサルキャプチャー領域Zおよび標的特異的キャプチャー領域の間のSB
Sが含まれ;b)一以上の鋳型核酸に相補的な一以上の固定化された伸長生成物を生成する
ために、一以上のユニバーサルキャプチャープライマーを伸長させること;c)固定化さ
れた伸長生成物の一以上のモノクローナルアンプリコンを生成するために、一以上の固定
化された伸長産物をブリッジ増幅またはKEAによって増幅すること;d)ユニバーサルキャ
プチャー領域Zおよび標的特異的キャプチャー領域を含む複数の固定化されたキメラキャ
プチャープライマー、およびユニバーサルキャプチャー領域Yおよび部分的制限部位を含
む複数の固定化された再生ユニバーサルキャプチャープライマーを生成するために、固定
化された伸長生成物の一以上のモノクローナルアンプリコンを制限酵素と接触させること
;e)第一の所定の開裂部位での開裂を介して複数の固定された再生ユニバーサルキャプ
チャープライマーから部分的な制限部位を除去することである。
【0116】
いくらかの実施態様では、第一の所定の開裂部位はウラシル塩基を含み、および第二の
所定の開裂部位はジオールリンカーを含む。
【0117】
別の態様では、ここには、固定化されたキャプチャープライマーを修飾するための方法
が提供され、それには、以下のことが含まれ:a)基材にて固定化された複数のユニバー
サルキャプチャープライマーを、一以上の固定化された鋳型核酸を生成するために、ハイ
ブリダイゼーションにとって十分な条件下に、複数の鋳型核酸と接触させることであり、
そこでは、複数のユニバーサルキャプチャープライマーには、3’末端ユニバーサルキャ
プチャー領域Yを含む第一の複数のプライマーおよび3’末端ユニバーサルキャプチャー領
域Zを含む第二の複数のプライマーが含まれ、そこでは、各鋳型核酸は、5’末端ユニバー
サルキャプチャー領域Y、3’末端ユニバーサルキャプチャー領域Z、第一および第二の制
限部位を含む中央部分および第一および第二の制限部位の間のスペーサー領域、ならびに
中央部分および3’末端ユニバーサルキャプチャー領域Zの間の標的特異的領域を含み;b
)一以上の鋳型核酸に相補的な一以上の固定化された伸長生成物を生成するために、複数
のユニバーサルキャプチャープライマーの一以上のユニバーサルキャプチャープライマー
を伸長させること;c)固定化だれた伸長生成物の一以上のモノクローナルアンプリコン
を生成するために、ブリッジ増幅またはKEAによって一以上の固定化された伸長生成物を
増幅すること、およびd)ユニバーサルキャプチャー領域Zおよび標的特異的キャプチャー
領域を含む複数の固定化されたキメラキャプチャープライマー、およびユニバーサルキャ
プチャー領域Yを含む複数の固定化された再生ユニバーサルキャプチャープライマーを生
成するために、固定化された伸長生成物の一以上のモノクローナルアンプリコンを制限酵
素と接触させることである。
【0118】
別の態様では、ここには、固定化されたキャプチャープライマーを修飾するための方法
が提供され、それには、以下のことが含まれ:a)基材にて固定化された複数のユニバー
サルキャプチャープライマーを、一以上の固定化された鋳型核酸を生成するために、ハイ
ブリダイゼーションにとって十分な条件下に、複数の鋳型核酸と接触させることであり、
そこでは、複数のユニバーサルキャプチャープライマーは、3’末端ユニバーサルキャプ
チャー領域Yを含む第一の複数のプライマーおよび3’末端ユニバーサルキャプチャー領域
Zを含む第二の複数のプライマーを含み、そこでは、各鋳型核酸は、5’末端ユニバーサル
キャプチャー領域Y、3’末端ユニバーサルキャプチャー領域Z、標的特異的キャプチャー
領域および5’末端ユニバーサルキャプチャー領域Yおよび標的特異的キャプチャー領域の
間の制限部位を含み;b)一以上の鋳型核酸に相補的な一以上の固定化された伸長生成物
を生成するために、複数のユニバーサルキャプチャープライマーの一以上のユニバーサル
キャプチャープライマーを伸長させること;c)固定化された伸長生成物の一以上のモノ
クローナルアンプリコンを生成するために、一以上の固定化された伸長生成物をブリッジ
増幅またはKEAによって増幅すること;d)ユニバーサルキャプチャー領域Zおよび標的特
異的キャプチャー領域を含む複数の二重鎖固定化キメラキャプチャープライマーおよびユ
ニバーサルキャプチャー領域Yおよび一本鎖部分的制限部位を含む複数の二重鎖固定化再
生ユニバーサルキャプチャープライマーを生成するために、固定化された伸長生成物の一
以上のモノクローナルアンプリコンを制限酵素と接触させること;e)複数の一本鎖固定
化キメラキャプチャープライマーおよび複数の一本鎖固定化再生ユニバーサルキャプチャ
ープライマーを生成するために、複数の二重鎖固定化キメラキャプチャープライマーおよ
び複数の二重鎖固定化再生ユニバーサルキャプチャープライマーを変性させること;f)
二重鎖ユニバーサルキャプチャー領域および二重鎖標的特異的領域を形成するために、複
数の一本鎖固定化キメラキャプチャープライマーおよび複数の一本鎖固定化再生ユニバー
サルキャプチャープライマーに逆相補的なオリゴヌクレオチドをハイブリダイズさせるこ
と;およびg)複数の二重鎖固定化再生ユニバーサルキャプチャープライマーから一本鎖
の部分的な制限部位を除去するために、表面をエキソヌクレアーゼIと接触させることで
ある。
【0119】
別の態様では、ここには、固定化されたキャプチャープライマーを修飾するための方法
が提供され、それには、以下のことが含まれ:a)基材にて固定化された複数のユニバー
サルキャプチャープライマーを、一以上の固定化された鋳型核酸を生成するために、ハイ
ブリダイゼーションにとって十分な条件下に、複数の鋳型核酸と接触させることであり、
そこでは、複数のユニバーサルキャプチャープライマーは、3’末端ユニバーサルキャプ
チャー領域Yを含む第一の複数のプライマー、および3’末端ユニバーサルキャプチャー領
域Zを含む第二の複数のプライマーおよび3’末端領域Xを含む第三の複数のプライマーお
よび所定の開裂部位が含まれる5’部分を含み、そこでは、各鋳型核酸は、5’末端領域X
、3’末端ユニバーサルキャプチャー領域Z、標的特異的なキャプチャー領域、および領域
Xおよび標的特異的キャプチャー領域の間の制限部位を含み;b)一以上の鋳型核酸に相補
的な一以上の固定化された伸長生成物を生成するために、一以上のユニバーサルキャプチ
ャープライマーを伸長させること;c)固定化された伸長生成物の一以上のモノクローナ
ルアンプリコンを生成するために、一以上の固定化された伸長生成物をブリッジ増幅また
はKEAによって増幅すること;d)ユニバーサルキャプチャー領域Zおよび標的特異的キャ
プチャー領域を含む複数の固定化キメラキャプチャープライマーおよび領域Xおよび部分
的制限部位を含む複数の固定化された再生ユニバーサルキャプチャープライマーを生成す
るために、固定化された伸長生成物の一以上のモノクローナルアンプリコンを制限酵素と
接触させること、およびe)領域Xを含む複数の固定化された再生キャプチャープライマー
を、所定の開裂部位での開裂を通して基材から除去することである。
【0120】
別の態様では、ここには、5’末端ユニバーサルキャプチャー領域YまたはZ、制限部位
および3’末端二量体化(-terminal dimerization、末端ダイマー化とも言う)領域DRを
含む第一のオリゴヌクレオチドおよび5’末端ユニバーサルキャプチャー領域YまたはZお
よび3'末端二量化領域DRを含む第二のオリゴヌクレオチドダイマーが提供される。
【0121】
いくらかの実施態様では、第一のオリゴヌクレオチドの3’末端DRおよび第二のオリゴ
ヌクレオチドの3’末端DRは、標的特異的キャプチャー領域を含む。
【0122】
いくらかの実施態様では、第一のオリゴヌクレオチドの3’末端DRおよび第二のオリゴ
ヌクレオチドの3’末端DRはSBSを含む。
【0123】
別の態様では、ここには、固定化されたキャプチャープライマーを修飾するための方法
が提供され、それには、以下のことが含まれ:a)複数の固定化されたキャプチャープラ
イマーを含む基材を、複数の異なる固定化されたシード核酸(immobilized seed nucleic
acids、固定化種子核酸とも言う)を生成するために、ハイブリダイゼーションにとって
十分な条件下に、複数の異なるシード核酸と接触させること;b)複数の異なる固定化さ
れたシード核酸の二以上に相補的な複数の異なる固定化された伸長生成物を生成するため
に、二以上の固定化されたキャプチャープライマーを伸長させること;c)活性化された
キャプチャープライマーを形成するために、複数の異なる固定化伸長生成物の一の固定化
された伸長生成物を活性化すること、およびd)随意に、固定化された修飾キャプチャー
プライマーのモノクローナルクラスターを生成するために、活性化されたキャプチャープ
ライマーを増幅することである。
【0124】
いくらかの実施態様において、固定化された伸長生成物を活性化することには、標的化
された活性化(targeted activation)が含まれる。いくらかの実施態様において、標的
化された活性化には、複数の異なる標識シード核酸を生成するために、複数の異なるシー
ド核酸を、複数の異なるラベルにより標識する初期ステップが含まれる。いくらかの実施
態様において、標的化された活性化は複数の異なる標識化された固定化シード核酸を形成
することをさらに含む。いくらかの実施態様では、標的化された活性化は複数の異なる標
識化された固定化伸長生成物を形成することをさらに含む。いくらかの実施態様において
は、標的化された活性化は、一の固定化された伸長生成物を活性化するために、複数の異
なる標識化された固定化伸長生成物を一以上の標識特異的トリガー分子と接触させること
をさらに含む。
【0125】
いくらかの実施態様では、初期標識化(initial labeling、初期ラベリングとも言う)
ステップは複数の異なるシード核酸のランダム標識化を含む。いくらかの実施態様におい
て、初期標識化ステップは、複数の異なるシード核酸の標的化された標識化を含む。いく
らかの実施態様では、標的化された標識はシーケンス特異的標識である。いくらかの実施
態様において、複数の異なるシード核酸は、50未満、45未満、40未満、35未満、30未満、
25未満、20未満、18未満、16未満、14未満、12未満、10未満、8未満、6未満、4未満また
は2未満の異なるラベルにより標識化される。いくらかの実施態様では、複数の異なるシ
ード核酸は、20、18、16、14、12、10、8、6、4または2の異なるラベルによりで標識化さ
れる。いくらかの実施態様において、複数の異なるシード核酸は、10以上、20以上、30以
上、40以上、50以上、60以上、80以上、90以上、100以上、200以上、250以上、300以上、
400以上、500以上、600以上、700以上、800以上、900以上、または1000以上の異なるラベ
ルにより標識化される。いくらかの実施態様では、異なるラベルは、異なる核酸シーケン
スを有する異なるプライマーである。いくらかの実施態様では、初期標識ステップは複数
の異なるプライマーを複数の異なるシード核酸に連結することを含む。
【0126】
いくらかの実施態様では、トリガー分子はトリガー領域を含む核酸である。いくらかの
実施態様では、トリガー領域は標的特異的キャプチャー領域を含む。いくらかの実施態様
では、トリガー領域はユニバーサルキャプチャー領域を含む。いくらかの実施態様では、
ユニバーサルキャプチャー領域はIllumina(R)P5プライマーヌクレオチドシーケンスまた
はIllumina(R)P7プライマーヌクレオチドシーケンスを含む。いくらかの実施態様では、
トリガー分子は固定化されたキャプチャープライマーである。いくらかの実施態様では、
固定化されたキャプチャープライマーは複数の固定化されたキャプチャープライマーであ
る。いくらかの実施態様において、複数の固定化されたキャプチャープライマーは複数の
異なるキャプチャープライマーである。いくらかの実施態様では、複数の固定化されたキ
ャプチャープライマーは同じ核酸シーケンスを有する複数の同じキャプチャープライマー
である。いくらかの実施態様において、固定化されたキャプチャープライマーは標的特異
的キャプチャー領域を含む。
【0127】
いくらかの実施態様では、複数の異なる固定化伸長生成物の一の固定化された伸長生成
物を活性化することには、確率的活性化(stochastic activation)が含まれる。いくら
かの実施態様では、確率的活性化には、ヘアピン構造を含む複数の異なる固定化されたシ
ード核酸を生成するために、複数の固定化されたキャプチャープライマーを有する基材を
、ヘアピン構造をもつ複数の異なるシード核酸と接触させることを含む。いくらかの実施
態様では、確率的活性化は、ヘアピン構造を含む複数の異なる固定化された伸長生成物を
生成するために、複数の固定化されたキャプチャープライマーの二以上を伸長することを
さらに含む。いくらかの実施態様では、確率的活性化は、ヘアピン構造を含む複数の固定
化された伸長生成物の一を開裂試薬により活性化することをさらに含む。いくらかの実施
態様では、複数の異なるシード核酸の一以上の異なるシード核酸は開裂可能な塩基を含む
【0128】
いくらかの実施態様では、開裂試薬はヌクレアーゼである。いくらかの実施態様では、
ヌクレアーゼはエンドヌクレアーゼである。いくらかの実施態様では、開裂試薬は増幅試
薬混合物中にある。いくらかの実施態様では、開裂試薬は、複数の活性化されたモノクロ
ーナル固定化キャプチャープライマーを増幅するときに存在する。
【0129】
いくらかの実施態様では、複数の異なる固定化された伸長生成物はユニバーサルキャプ
チャー領域を含む。いくらかの実施態様では、複数の異なる固定化された伸長生成物にお
いてヘアピン構造はユニバーサルキャプチャー領域をマスクする。
【0130】
いくらかの実施態様において、複数の異なるシード核酸はトリガー領域を含まない。い
くらかの実施態様では、確率的活性化は、トリガー領域を含むキメラプライマーを用いて
複数の異なるシード核酸のうち一を増幅する初期ステップを含む。いくらかの実施態様で
は、複数の異なるシード核酸のうち一をキメラプライマーにより増幅する初期ステップに
おいて、一以上のシード核酸は、キメラプライマーに対して5倍を超え、10倍を超え、50
倍を超え、100倍を超え、250を超え、500を超え、1000倍を超え、2500を超え、5000を超
え、10000を超え、25000倍を超え、50000倍を超え、または100000を超える過剰量で存在
する。いくらかの実施態様では、トリガー領域は、標的特異的キャプチャー領域を含む。
いくらかの実施態様では、トリガー領域はユニバーサルキャプチャー領域を含む。いくら
かの実施態様では、キメラプライマーはトリガー領域およびSBSを含む。
【0131】
いくらかの実施態様では、確率的活性化は、a)複数の異なるキャプチャープライマー
を有する基材を、複数の異なる固定化されたシード核酸を生成するために、ハイブリダイ
ゼーションにとって十分な条件下に、複数の異なるシード核酸と接触させることを含み、
そこでは、各々の異なるシード核酸は一以上の修飾されたヌクレオチドを含む。いくらか
の実施態様では、確率的活性化には、b)複数の異なる固定化されたシード核酸に相補的
な複数の異なる固定化された伸長生成物を生成するために、二以上の固定化されたキャプ
チャープライマーを伸長させることが含まれ、そこでは、各々の複数の異なる固定化され
た伸長生成物は一以上の修飾されたヌクレオチドを含む。いくらかの実施態様では、確率
的活性化には、c)活性化されたキャプチャープライマーを形成するために、複数の異な
る固定化された伸長生成物の一を活性化することがさらに含まれ、そこでは、活性化され
たキャプチャープライマーは修飾されたヌクレオチドを含まない。いくらかの実施態様で
は、修飾されたヌクレオチドは、イソグアニン(isoG)またはイソシトシン(isoC)を含
む。
【0132】
いくらかの実施態様では、確率的活性化は、複数の固定化されたキャプチャープライマ
ーを有する基材を、結合したブロッキング剤をそれぞれ有する複数の異なる固定化された
シード核酸を生成するために、ハイブリダイゼーションにとって十分な条件下に、結合し
たブロッキング剤をそれぞれ有する複数の異なるシード核酸と接触させること、およびブ
ロッキング剤をデブロッキング剤と接触させることを含む。いくらかの実施態様において
、ブロッキング剤は核酸結合性タンパク質(nucleic acid binding protein)であり、お
よびデブロッキング剤はプロテアーゼである。いくらかの実施態様では、ブロッキング剤
はビーズである。
【0133】
いくらかの実施態様では、固定化修飾キャプチャープライマーのモノクローナルクラス
ターを生成するために、活性化されたキャプチャープライマーを増幅することには、KEA
またはブリッジ増幅が含まれる。
【0134】
いくらかの実施態様では、表面は、複数のウェルを含むパターン化されたフローセルで
ある。いくらかの実施態様において、異なる固定化された伸長生成物は、複数のウェルの
二以上のウェルにおいて形成される。いくらかの実施態様では、活性化されたキャプチャ
ープライマーは複数のウェルの二以上のウェルのそれぞれにおいて形成される。いくらか
の実施態様では、活性化されたキャプチャープライマーは、少なくとも5%、少なくとも1
0%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも3
5%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも6
0%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも8
5%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%の複数のウェルのそれぞ
れのウェルにおいて形成される。いくらかの実施態様では、少なくとも複数のウェルの二
以上のそれぞれのウェルに形成される活性化キャプチャープライマーは、少なくとも5%
、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%
、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%
、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%
、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%のウェルに
おいて異なる活性化されたキャプチャープライマーである。いくらかの実施態様では、固
定化された修飾キャプチャープライマーのモノクローナルクラスターは、複数のウェルの
それぞれの二以上のウェルにおいて形成される。いくらかの実施態様では、固定化された
修飾キャプチャープライマーのモノクローナルクラスターは、少なくとも5%、少なくと
も10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくと
も35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくと
も60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくと
も85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%の複数のウェルの各々
のウェルにおいて形成される。いくらかの実施態様では、複数のウェルの二以上のウェル
のそれぞれにおいて形成される固定化された修飾キャプチャープライマーのモノクローナ
ルクラスターは、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、
少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、
少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、
少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、
または少なくとも99%の少なくともウェルにおいて固定化された修飾キャプチャープライ
マーの異なるモノクローナルクラスターである。
【図面の簡単な説明】
【0135】
図1-1】パターン化された基材上の核酸をパターン化されたクラスターの二重増幅によって増幅する方法の一実施態様を示す概略図である。パターン化(パターン形成とも言う)された基材は、ピッチ1.5μmにおいて複数の400nmのウェルを有する(1)。パターン化された表面は、最初にポリ(N-(5-アジドアセトアミジルペンチル)アクリルアミド-co-アクリルアミド(poly(N-(5-azidoacetamidylpentyl)acrylamide-co-acrylamide、PAZAM)層により覆われ、次いで、そのパターン化された表面は、ウェル間の表面からPAZAM層を除去し、その一方で、Pウェル内のAZAM層を保持するために、研磨され、およびユニバーサルキャプチャープライマー、例は、ユニバーサルIllumina(R)P5またはP7をウェルにおいてPAZAM層にグラフトされる(2)。パターン化された表面はPAZAMまたはシランフリーアクリルアミド(SFA)の第二層により、双方のウェルにおいて、およびウェル間の表面にて覆われる(3)。第二層は、3’ブロックされたユニバーサルキャプチャープライマー、例は、リン酸終端化Illumina(R)P5またはP7によりグラフトされる(4)。パターン化された表面は、ユニバーサルキャプチャー領域、例は、Illumina(R)P5またはP7領域によって隣接される複数の標的ポリヌクレオチドを有するシーケンシングライブラリーと接触され、および第一の運動排除アッセイ(kinetic exclusion assay、結合平衡除外アッセイとも言う)(KEA)は、シーディング(播種とも言う)を初期化し、およびアンプリコンのクローン集団をウェル内の標的ポリヌクレオチドから生成するために行われる(3)。3’ブロック化されたユニバーサルキャプチャープライマーは、例は、リン酸終端化Illumina(R)プライマーP5またはP7をT4-キナーゼにより脱リン酸化することによってデブロック化される(6)。ウェルを越えて標的ポリヌクレオチドアンプリコンのクローナル集団を増大するために、第二KEAまたはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を実行する(7)。
図1-2】図1-1と同様である。
図2-1】パターン化された基材にてキャプチャープライマーを用いたワンステップ増幅によって核酸を増幅する方法の一実施態様を示す概略図である。パターン化された基材は、1.5μmのピッチで複数の400nmウェルを有する(1)。パターン化された表面は、最初にPAZAM層で覆われ;パターン化された表面は次に研磨され、ウェル内のPAZAM層を保持しながら、ウェル間の表面からPAZAM層を除去し、およびユニバーサルキャプチャー領域およびシーケンシングプライマー結合部位(SBS)を有するキメラキャプチャープライマー、例は、Illumina(R)キャプチャープライマーP5-SBS3またはP7-SBS8は、ウェルでのPAZAM層においてグラフトされる(2)。パターン化された表面は、ウェルにおいておよびウェル間の表面での双方において、PAZAMまたはシランフリーアクリルアミド(SFA)の第二層により覆われる(3)。第二層はユニバーサルキャプチャープライマー、例は、Illumina(R)プライマーP5またはP7によりグラフトされる(4)。パターン化された表面は、SBS、例は、Illumina(R)SBS3またはSBS8により隣接される複数の標的ポリヌクレオチドを有するシーケンシングライブラリーと接触され、および標的ポリヌクレオチドからアンプリコンのクローン集団を生成するために、運動排除アッセイ(KEA)が行われる。標的ポリヌクレオチドアンプリコンのクローン集団は、キメラキャプチャープライマーを用いてウェル内で初期に生成される。延長されたKEA反応時間の後、またはブリッジPCRに切り替えることによって、アンプリコンのクローン集団は、ウェルの外側の第二層においてグラフトされたユニバーサルキャプチャープライマーを用い、ウェルを超えて増大される。
図2-2】図2-1と同様である。
図3-1】パターン化基材にて増幅グラフト増幅によって核酸を増幅するための方法の一実施態様を示す概略図である。パターン化された基材はピッチ1.5μmにおいて複数の400nmウェルを有する(1)。パターン化された表面は初期にポリ(N-(5-アジドアセトアミジルペンチル)アクリルアミド-コ-アクリルアミド(PAZAM)層で覆われ、パターン化された表面は研磨され、PAZAM層をウェル間の表面から除去し、一方、ウェル内でPAZAM層を保持し、およびユニバーサルキャプチャープライマー、例は、ユニバーサルIllumina(R)キャプチャープライマーP5またはP7はウェルでのPAZAM層においてグラフトされる(2)。パターン化された表面は、ウェルにおいておよびウェル間の表面での双方において、PAZAMまたはシランフリーアクリルアミド(SFA)の第二層により覆われる(3)。パターン化された表面は、ユニバーサルキャプチャー領域、例は、Illumina(R)P5またはP7領域によって隣接される複数の標的ポリヌクレオチドを有するシーケンシングライブラリーと接触させ、および第一の運動排除アッセイ(KEA)はウェル内で標的ポリヌクレオチドからのアンプリコンのクローナル集団を生成するために実行される。第二層はユニバーサルキャプチャープライマー、例は、Illumina(R)プライマーP5またはP7によりグラフト化される(5)。ウェルの外側の第二層においてユニバーサルキャプチャープライマーを用いて、ウェルを越えて標的ポリヌクレオチドアンプリコンのクローナル集団を増大するために、第二KEAまたはブリッジPCRを実行する(6)。
図3-2】図3-1と同様である。
図4】大きなウェルにおいて混合プライマーを用いてパターン化基材にて核酸を増幅するための方法の一実施態様を示す概略図である。パターン化された基材は1.5μmのピッチにて複数の1.0μmのウェルを有する(1)。パターン化された表面を最初にPAZAM層により覆い、パターン化された表面を研磨し、ウェル内のPAZAM層を保持しつつウェル間の表面からPAZAM層を除去し、およびユニバーサルキャプチャープライマーの混合物、例は、ユニバーサルIllumina(R)キャプチャープライマーP5またはP7、およびユニバーサルキャプチャー領域およびSBSを有するキメラキャプチャープライマー、例は、Illumina(R)キャプチャープライマーP5-SBS3またはP7-SBS8は、ウェルでのPAZAM層においてグラフトされ;キメラキャプチャープライマーはより一層低い密度にてグラフトされ、およびユニバーサルキャプチャープライマーはより一層高い密度でグラフトされる(2)。パターン化された表面は、SBS、例は、Illumina(R)SBS3またはSBS8によって隣接される複数の標的ポリヌクレオチドを有するシーケンシングライブラリーと接触され、およびKEAを実行してウェル内で標的ポリヌクレオチドからアンプリコンのクローナル集団を生成する(3)。
図5】ここに提供される二重層プライマーグラフト法により得られる模範的な結果を示す。上部のパネルは、第一層(PAZAM)によりパターン化フローセルをコーティングし、表面を研磨し、第一のキャプチャープライマー(SBS3-P5)を堆積させ、および第一のキャプチャープライマーをテトラクロロフルオレセイン(TET)オリゴヌクレオチドプローブによりプロービング(探索とも言う)して後に得られる結果を示す。中央のパネルは、パネルAのパターン化フローセルを第二層(SFA)によりさらにコーティングし、第一のキャプチャープライマーをTETオリゴヌクレオチドプローブで再プロービングして後に得られる結果を示す。下部のパネルは、第二の層において第二のキャプチャープライマー(P5/P7)をさらに堆積させ、および第二のキャプチャープライマーをTETオリゴヌクレオチドプローブによりプローブして後に得られる結果を示す。
図6A】鋳型核酸の模範的な構造を例示する概略図を示す。鋳型核酸は、3’端および/または5’端でのユニバーサルキャプチャー領域によって隣接されることができる。ユニバーサルキャプチャー領域は、例は、Illumina(R)ユニバーサルキャプチャープライマーP5またはP7のシーケンスを有することができる。鋳型核酸は、一以上の標的特異的キャプチャー領域(「標的」)および二以上の制限部位を分離する一以上のスペーサー領域を有する二以上の制限部位(例は、図6DのSapI部位)をさらに含みうる。標的特異的キャプチャー領域は、3’末端ユニバーサルキャプチャー領域および第一の制限部位の間(図6A)、5’末端ユニバーサルキャプチャー領域および第二の制限部位の間(図6B)、または3’末端ユニバーサルキャプチャー領域および第一の制限部位ならびに5’末端ユニバーサルキャプチャー領域および第二の制限部位の双方の間(図6C)に存在する。
図6B図6Aと同様である。
図6C図6Aと同様である。
図6D図6Aと同様である。
図7A】固定化されたキャプチャープライマーの修飾のためのここに提供される方法を例示する概略図を示す。図7Aは、ユニバーサルキャプチャー領域を介して固定されたキャプチャープライマーとハイブリダイズする鋳型核酸を例示する。ハイブリダイズされたキャプチャープライマーの伸長は、鋳型核酸に相補的な固定化された伸長生成物の形成をもたらす。伸長生成物の3’端は、相補的な3’端ユニバーサルキャプチャー領域を有する別の固定化されたキャプチャープライマーとハイブリダイズすることができ、それによってブリッジ構造が形成される。KEAの一回以上のラウンドは、固定化された鋳型核酸のモノクローナルクラスターの形成をもたらす。
図7B】は、固定化された鋳型核酸の制限酵素による開裂を例示する。
図7C】は、図7Bにおいて制限酵素開裂からもたらされる固定化されたキメラキャプチャープライマーを例示する。キメラキャプチャープライマーはそれぞれ、ユニバーサルキャプチャー領域および標的特異的キャプチャー領域を有する。制限酵素開裂は、固定化された再生ユニバーサルキャプチャープライマーをさらに産生する。
図7D】は、パターン化フローセルにて、パターン化フローセルの各ウェルがキメラキャプチャープライマーのモノクローナル集団を有するように、キメラキャプチャープライマーの複数のモノクローナル集団を生成することができることを例示しており、それにより、すべてのキメラキャプチャープライマーは、集団において同じ標的特異的キャプチャー領域を有する。パターン化されたフローセルの異なるウェルは、同じ標的特異的キャプチャー領域または異なる標的特異的キャプチャー領域を有するキメラキャプチャープライマーのモノクローナル集団を有することができる。
図8-1】修飾されたキャプチャープライマーを用いる標的ポリヌクレオチドの標的特異的キャプチャーのための模範的な方法を例示する概略図を示す。図8Aは、DNAサンプル、例は、ゲノムDNAサンプルからのシーケンシングライブラリーの調製を例示する。多重PCR反応において、標的ポリヌクレオチドは濃縮(富化とも言う)され、およびアダプターは富化された標的ポリヌクレオチドの一端に加えられる。図8Bは、図8Aの標的ポリヌクレオチドを、ユニバーサルキャプチャー領域および標的特異的キャプチャー領域を含む固定化されたキメラキャプチャープライマーを有する次世代シーケンシング(NGS)フローセルと接触させるステップを例示する。図8Cは、標的ポリヌクレオチドの相補配列およびそれらのアダプター配列を組み込むために標的ポリヌクレオチドにハイブリダイズされるキメラキャプチャープライマーの初期の伸長を例示する。図8Cは伸長されたキャプチャープライマーのその後のブリッジ増幅をさらに例示する。
図8-2】図8-1と同様である。
図9】標的ポリヌクレオチドの標的特異的キャプチャーを実行することを求める際に直面する課題を例示する図である。また、図9AおよびBは、フローセルにて標的ポリヌクレオチドの初期のキャプチャーに関与するNGSプロトコルを例示し、それらの末端ユニバーサルキャプチャー領域を介する。また、図9Cは、標的特異的キャプチャー領域を有する固定されたキャプチャープライマーによるフローセルでの標的ポリヌクレオチドの初期キャプチャーに関与するNGSプロトコルを例示する。
図10】パターン化されたフローセルでのモノクローナルキャプチャーパッドを生成するための、および標的特異的なキャプチャーおよび標的ポリヌクレオチドの伸長およびパターン化されたフローセルの各パッドにおける標的ポリヌクレオチドのモノクローナル集団を生成するための模範的な方法を例示する図である。
図11】固定化されたユニバーサルキャプチャープライマーを修飾するためのここに提供される模範的な方法を例示する図である。
図12A図12AおよびBは、固定化されたユニバーサルキャプチャープライマーを修飾するためにここに提供される模範的な方法を例示する図である。
図12B図12Aと同様である。
図13】固定化されたユニバーサルキャプチャープライマーを修飾するためにここに提供される模範的な方法を例示する図である。
図14】固定化されたユニバーサルキャプチャープライマーを修飾するためにここに提供される模範的な方法を例示する図である。
図15】固定化されたユニバーサルキャプチャープライマーを修飾するためにここに提供される模範的な方法を例示する図である。
図16】部分的な鋳型核酸の模範的な二量体を例示する図を示す。二量体は、第一のオリゴヌクレオチドを有し、それはその5’端に第一のユニバーサルキャプチャー領域(P5)、制限部位(SapI)(配列番号9および10)、およびその3’端に標的特異的キャプチャー領域(CP)を含む。二量体鋳型核酸は、第二のオリゴヌクレオチドを有し、それはその3’端に相補的な標的特異的キャプチャー領域(CP’)、シーケンシングプライマー結合部位(SBS)およびその5’端に第二のユニバーサルキャプチャー領域(P7)を含む。
図17】パターン化されたフローセルでのウェルのモノクローナル占有率が初期シーディング条件(例は、シーディングの単一サイクルの後に占有された部位の%、x軸によって)およびシーディング事象の数(2ないし16の事象のモデル化:菱形:2つの事象;四角:3つの事象;三角:4つの事象;十字:16の事象)に依存してどのように変化しうるかを記載するためにコンピュータシミュレーションの結果を例示するグラフを示す。
図18】可溶性トリガー分子を用いるパターン化されたフローセルでの固定化された伸長生成物の標的化された活性化についてここに提供される模範的な方法を例示する図を示す。異なる固定化された伸長生成物は、A、BおよびCに標識化される。
図19】固定化されたトリガー分子を用いるパターン化されたフローセルでの固定化された伸長生成物の標的化された活性化についてここに提供される模範的な方法を例示する図を示す。異なる固定化された伸長生成物は、A、BおよびCに標識化される。パターン化されたフローセルのパッドには、異なる端部を有する三つの分子がシードされており、および小量のキメラP5/B’プライマーが各パッドにおいて固定化される。分子Bはキメラプライマーの相補的B’端にハイブリダイズすることができ、それは伸長し、およびパッドの増幅を開始することができる。他のパッドは、異なる端部を有するキメラプライマーを有することができる(例は、P5/A’プライマーまたはP5/C’プライマー)。
図20】開裂可能なヘアピンを用いる固定化された伸長生成物の確率的活性化のためにここに提供される模範的な方法を例示する図を示す。
図21】トリガーシーケンスを欠くシード核酸の小画分を増幅するために、トリガーシーケンスを有する小量の可溶性プライマーを用いる固定化された伸長生成物の確率的活性化についてここに提供される方法の模範的結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0136】
次世代シークエンシング(NGS)技術は、表面上に固定化された単一標的ポリヌクレオ
チドの高度に並列なシーケンシング、または標的ヌクレオチドのクローナル集団のシーケ
ンシング(配列決定とも言う)に依存し、それらは単一の標的ポリヌクレオチドから、例
は、ブリッジ増幅によって生成された。標的ポリヌクレオチドのシーケンシングクローナ
ル集団は、単一標的ポリヌクレオチドのシーケンシングよりもずっと高いシグナル対ノイ
ズ比(SNRs)をもたらし、シーケンシング反応の感度および精度を改善し、およびシーケ
ンシング装置において低コストの光学系の使用を可能にする。
【0137】
本開示は、部分的には、NGSのデータ品質および経済性が標的ポリヌクレオチドの固定
化されたクローナル集団のサイズおよび密度を増加させることによってさらに改善され、
それはシーケンシング反応のSNRsをさらに改善するという実現に基づく。
【0138】
NGSにおいて、標的ポリヌクレオチドは、個々の標的ポリヌクレオチドが互いに空間的
に分離され、シーケンシングのその後のサイクルにおいて区別可能であるように、基材、
例は、フローセル(FC)にてキャプチャーされうる。本技術において知られるキャプチャ
ー方法は、事実上普通にランダムであり、および基材にて固定化された標的ポリヌクレオ
チドの最適密度を達成するために、実験条件の正確なコントロールに少なくとも部分的に
依存する。不適当な条件は、個々の標的ポリヌクレオチドが区別可能でないように過密状
態を招く可能性があり、または代わりに、シーケンシング操作ごとに得られた情報を減少
させ、従って高価なシーケンシング試薬を浪費する可能性がある高い欠損率を導くことが
ありうる。
【0139】
近年、パターン化されたフローセルが開発され、それは、多くの商業上入手可能なフロ
ーセルでのクローナル標的ポリヌクレオチド集団よりも大きく、および高密度に配置され
た固定化標的ポリヌクレオチドのクローナル集団の秩序ある増殖を可能にする(例は、US
2013/0096034A1;Illumina(R)HiSeq-X10パターン化フローセル)。たとえば、いくらかの
パターン化されたフローセルは、1.5μmのピッチで400nm直径のナノウェルを有するマイ
クロアレイを特色とする(例は、図1.1参照)。ナノウェルはそれぞれ、ヒドロゲルおよ
びヒドロゲルに埋め込まれたプライマーで満たされる(例は、US2014/0079923A1参照)。
ナノウェルを取り囲む表面はプライマーがなくてもよく、それによって標的ポリヌクレオ
チドのクローナル集団のサイズはナノウェルのサイズ、例は、直径400nmに制限される。
【0140】
原則的に、運動排除アッセイ(KEA)は、パターン化されたフローセルでのウェル当た
りで単一の標的ポリヌクレオチドの増幅、および一以上のウェルにおけるモノクローナル
標的ポリヌクレオチド集団の生成を可能にする(例は、米国特許出願公開第US2013/03380
42A1号参照)。KEAでは、ウェル内の第一のキャプチャーされた標的ポリヌクレオチドの
増幅速度は、標的ポリヌクレオチドの輸送およびキャプチャーのはるかに遅い速度に比べ
てはるかに迅速である。ウェルにおいてキャプチャーされた第一の標的ポリヌクレオチド
は、迅速に増幅され、およびウェル全体を満たすことができ、同じウェルにおいて追加の
標的ポリヌクレオチドのキャプチャーが妨げられる。
【0141】
本開示は、部分的には、ナノウェルのサイズが増大するにつれて、パターン化フローセ
ルのナノウェルにおけるモノクローナル標的ポリヌクレオチド集団の生成に関するKEAの
有効性が低下するという認識に基づく。第一のキャプチャーされた標的ポリヌクレオチド
の増幅および標的ポリヌクレオチドのモノクローナル集団によるウェルの充填は、より小
さいウェルよりも大きなウェルにおいてより一層遅いが、第二の標的ポリヌクレオチドの
キャプチャーは、より小さいウェルよりも大きいウェルにおいてより一層速い。したがっ
て、ナノウェル内で一よりも多くの標的ポリヌクレオチドが捕捉され、および増幅される
可能性は、ナノウェルのサイズとともに増加する。ウェルからのシーケンシングデータ品
質は、標的ポリヌクレオチドのモノクローナル集団にとって最適である。第一の固定化さ
れた標的ポリヌクレオチド以外の標的ポリヌクレオチドのシェアが増加するにつれて、ウ
ェルのデータ品質が低下する。
【0142】
したがって、パターン化されたフローセルの大きなナノウェルにおけるモノクローナル
標的ポリヌクレオチド集団の生成を促進するための新しい方法が必要とされる。
【0143】
本開示は、固定化されたキャプチャープライマーを修飾するための方法およびキットを
提供する。一つの有用な実施態様において、本開示は、パターン化されたフローセルのウ
ェルにおいて標的-ポリヌクレオチドのモノクローナル集団の生成を可能にする。具体的
には、本開示は、サイズが拡大され、および当分野で知られる普通に使用されるNGS法を
用いて産生される標的ポリヌクレオチドのクローン集団よりも高い密度で配置される標的
-ポリヌクレオチドのクローン集団の生成を促進する。本開示の方法は、より一層高いス
ループットで、特に部分ゲノムの標的配列決定に向けられた用途において、高品質のNGS
データの収集を容易にする。この開示の方法により達成されるより一層高いSNRsは、単純
な光学および検出機器の使用を可能にし、アッセイコストが低減される。高いデータ品質
および改善されたサンプルスループット(サンプル処理量とも言う)は、例は、疾患診断
および予後診断における標的特異的NGSのための広範な新しい分野のアプリケーションを
開くことができる。それゆえ、この開示は、例は、希少遺伝子変異の確実な早期検出を容
易にすることによって、たとえば、ガン患者のような、まれな遺伝子変異を含む疾患に罹
患する患者に利益をもたらすことが期待される。初期の疾患の検出は、より一層多くの治
療選択肢および改善された処置結果に変換することができる。
【0144】
本開示は、部分的には、多くのパターン化されたフローセルのウェルがユニバーサルキ
ャプチャープライマーの対をもつという具現化にさらに基づき、それは、相補的なユニバ
ーサルキャプチャー領域を有する核酸のブリッジ増幅を可能にするが、それは関心がある
対象の個々のポリヌクレオチドの標的-特異的キャプチャーを可能にしない。パターン化
されたフローセルの有用な局面は、高いフィーチャー(特色とも言う)密度および既知の
パッド位置によるクラスターレジストレーションの容易さに起因するNGS反応の増大した
スループットであるが、パターン化フローセルの欠点は、モノクローナルパッド(ウェル
)を合成する必要性であり、そこでは、特定のパッドでのDNAのクラスターは単一のDNA分
子からのみ生じる。ポリクローナルパッドは、不可能ではないにしても(低い%PF)、基
本呼び出しを困難にする。
【0145】
本開示は、部分的には、標的ポリヌクレオチドの標的特異的キャプチャーを含むNGSプ
ロトコルがユニバーサルキャプチャー領域を使用する標的ポリヌクレオチドのキャプチャ
ーを含むNGSプロトコルよりも低い品質のシーケンシングデータをもたらすことができる
という具現化にさらに基づく。例は図9を参照。また、図9AおよびBは、ユニバーサルキャ
プチャー領域を介するフローセルでの標的ポリヌクレオチドの初期のキャプチャーを含む
NGSプロトコルを例示する。図9Cは、固定化された標的特異的キャプチャープライマーに
よって標的ポリヌクレオチドの初期キャプチャーを含むNGSプロトコルの態様を例示する
。多くのNGSフローセルでは、固定化されたユニバーサルキャプチャープライマーよりも
、標的特異的キャプチャー領域を有する固定化キャプチャープライマーが非常に少ないた
め(キャプチャーされた標的ポリヌクレオチドの効果的なブリッジ増幅および標的ポリヌ
クレオチドクラスターの分離を可能にする)、また特異的標的ポリヌクレオチドは、例は
、ゲノムDNA断片の集団において、まれであることができるため、標的特異的なシーディ
ング率は、ユニバーサルキャプチャー領域に基づくシーディング率よりもはるかに遅い可
能性がある。したがって、競合する副反応および不規則な増幅事象は、ユニバーサルキャ
プチャーに依存するプロトコルよりも標的特異的捕捉を試みる場合に起こりやすく、それ
は、標的特異的捕捉に続くNGSシーケンシング反応のデータ品質を最終的に低下させるこ
とができる。
【0146】
ここには、興味ある個々のポリヌクレオチドがパターン化されたフローセルの一以上の
ウェルにおいて標的特異的にキャプチャーされうるように、パターン化されたフローセル
の個々のウェルにおいてキャプチャープライマー(例は、ユニバーサル)を修飾する方法
が提供される。ここで提供される方法のいくらかの実施態様では、標的特異的キャプチャ
ー領域を伴うキャプチャープライマーの高密度モノクローナル集団をもつモノクローナル
キャプチャーパッドが生成される。いくらかの実施態様では、モノクローナルキャプチャ
ーパッドは、標的ポリヌクレオチドの標的特異的シーディング率を高め、および競合する
副反応および不規則な増幅事象を抑制することができ、それによってNGSデータ品質が改
善される。ここに提供される方法の例示的な図解は、例として、図10に示される。次いで
、興味ある標的特異的にキャプチャーされたポリヌクレオチドのブリッジ増幅を用いて、
パターン化されたフローセルの一以上のウェルにおいて標的ポリヌクレオチドアンプリコ
ンのモノクローナル集団を形成することができる。ここに提供される方法によれば、標的
特異的キャプチャーシーケンスを含む単一鋳型核酸は、それらのユニバーサルキャプチャ
ー領域を介してパターン化されたフローセルの個々のパッドにて初期にシーディングする
ことができ、そしてその後、単一鋳型核酸の増幅は、同じパッドから追加の鋳型核酸を排
除し、モノクローナルキャプチャーパッドの形成がもたらされる。
【0147】
単数形「a」、「an」および「the」は、内容が明確に指示しない限り、複数の指示対象
を含むことに留意しなければならない。したがって、たとえば、「バイオマーカー」への
言及には、二以上のバイオマーカーの混合物、およびその他同種類のものなどが含まれる
【0148】
「約」という用語は、特に与えられた量に関して、プラスまたはマイナス五パーセント
の偏差を包含することが意味される。
【0149】
ここに使用されるように、「includes(含む)」、「including(含まれ)」、「inclu
des」、「including」、「contains(含有する)」、「containing(含有され)」、およ
びそれらの変形は、非排他的な包含をカバーする意図しており、要素または要素のリスト
を含む、包含する、または含有するプロセス、方法、プロダクト・バイ・プロセス、また
は組成物は、それらの要素のみでなく、明示的に挙げられていないか、そのようなプロセ
ス、方法、プロダクト・バイ・プロセス、または組成物に固有な他の要素を含むことがで
きる。
【0150】
ここに使用されるように、用語「基材」は、固形支持体を意味することが意図される。
本用語は、核酸、ポリペプチドおよび/または他のポリマーを含め、生体高分子の堆積の
ためのウェルのようなものの特色の創作のための固体または半固体の基礎として役立ちう
る任意の物質を含む。本発明での基材は改変され、たとえば、または、当業者によく知ら
れる多種多様な方法によるバイオポリマーの付着に適応するように修飾されうる。基材物
質の模範的なタイプには、ガラス、改質ガラス、官能化ガラス、無機ガラス、マイクロス
フェアが含まれ、不活性および/または磁性粒子、プラスチック、多糖類、ナイロン、ニ
トロセルロース、セラミック、樹脂、シリカ、シリカ系物質、炭素、金属、光ファイバー
または光ファイバー束、上記に例示したもの以外の多種多様なポリマーおよびマルチウェ
ルマイクロタイタープレートなどが含められる。模範的なプラスチックの特定のタイプに
は、アクリル、ポリスチレン、スチレンおよび他の物質のコポリマー、ポリプロピレン、
ポリエチレン、ポリブチレン、ポリウレタンおよびテフロンTM(商標)が含まれる。模範
的なシリカ系物質の特定のタイプには、シリコンおよび様々な形態の修飾シリコンが含ま
れる。
【0151】
当業者であれば、本発明での基材の組成および幾何学的形状は、使用者の意図する用途
および好みに応じて変動しうることを知り、または理解するであろう。したがって、たと
えば、スライド、チップまたはウェーハなどのような平坦基材は、ここに提供される教示
および指針を考慮して、例示のためのマイクロアレイに関して例示されているが、ここに
例示し、またはよく知られる広範な他の基材が本発明の方法および/または組成物におい
て使用されうることは当業者には理解されるであろう。
【0152】
いくらかの実施態様では、固形支持体には、パターン化された表面が含まれる。「パタ
ーン化された表面」は、固形支持体の露出した層においてまたはそこでの異なる領域の配
置を指す。たとえば、一以上の領域は、一以上の増幅プライマーが存在する特色でありう
る。特色は増幅プライマーが存在しない間隙領域(interstitial regions)によって分離
することができる。いくらかの実施態様において、パターンは行および列にある特色のx-
yフォーマットであることができる。いくらかの実施態様では、パターンは特色および/ま
たは間隙領域の繰り返し配置であり得る。いくらかの実施態様では、パターンは特色およ
び/または間隙領域のランダムな配置であってもよい。ここに記載の方法および組成物に
おいて使用することができる模範的なパターン化された表面は、米国特許出願第13/661,5
24号または米国特許出願公開第2012/0316086A1号に記載されており、これらの各々は参照
によりここに組み込まれる。
【0153】
いくらかの実施態様において、固形支持体は表面においてウェルまたは凹部のアレイを
含む。これは、様々な技術、制限されないが、フォトリソグラフィ、スタンピング技術、
成形技術およびマイクロエッチング技術を含めて使用して当分野で概して知られるように
製造することができる。当業者には理解されるであろうように、使用される技術はアレイ
基材の組成および形状に依存する。
【0154】
パターン化された表面の特色(特長とも言う)は、ガラス、シリコン、プラスチックま
たはパターン化され、共有結合したゲル、たとえば、ポリ(N-5-アジドアセトアミジルペ
ンチル)アクリルアミド-コ-アクリルアミド)(PAZAM、たとえば、米国特許出願第61/753
,833号を参照し、それは参照することによってここに組み込まれる)を有する他の適切な
固形支持体でのウェル(例は、マイクロウェルまたはナノウェル)のアレイにおけるウェ
ルであることができる。本プロセスはシーケンシングに使用されるゲルパッドを作り出し
、それは多数のサイクルによりシークエンシングを実行するにあたり安定であることがで
きる。ウェルへのポリマーの共有結合は、種々の用途の間、構造化基材の寿命の期間中、
構造化された特長においてゲルを維持するのに役立つ。しかしながら、多くの実施態様に
おいて、ゲルはウェルに共有結合される必要はない。たとえば、いくらかの条件では、構
造化基材の任意の部分に共有結合していないシランを含まないアクリルアミド(SFA、た
とえば、参照によりここに組み込まれる米国特許出願公開第2011/0059865A1号参照)をゲ
ル物質として使用することができる。
【0155】
特定の実施態様では、構造化された基材は、ウェル(例は、マイクロウェルまたはナノ
ウェル)により固形支持体材料をパターン化し、パターン化された支持体をゲル材料(例
は、PAZAM、SFAまたはそれらの化学的に修飾された変形物、たとえば、SFAのアジド分解
されたバージョン(アジド-SFA)などのようなもの)によりコーティングし、およびたと
えば、化学的または機械的研磨を介してゲルコーティングされた支持体を研磨し、それに
よってゲルをウェルにおいて保持するが、ウェル間に構造化された基材の表面での間隙領
域から実質的にすべてのゲルを除去または不活性化する。プライマー核酸はゲル材料に付
着させることができる。個々の標的核酸がゲル材料に付着したプライマーとの相互作用を
介して個々のウェルをシードするように、標的核酸〔例は、フラグメント化(断片化とも
言う)されたヒトゲノム〕の溶液を研磨された基材と接触させることができるが;しかし
ながら、標的核酸は、ゲル物質の不存在または不活性により、間隙領域を占有しないであ
ろう。間隙領域におけるゲルの不存在または不活性が、増殖する核酸コロニーの外側への
移動を妨げるので、標的核酸の増幅はウェルに限定される。本プロセスは、好都合に製造
可能であり、スケーラブルであり、および慣習的なマイクロまたはナノ製造方法が利用さ
れる。
【0156】
パターン化された基材は、たとえば、スライドまたはチップにエッチングされたウェル
を含むことができる。ウェルのエッチングおよび幾何形状のパターンは、様々な異なる形
状およびサイズを、そのような特長が互いに物理的または機能的に分離可能である限りに
おいて採用されることができる。このような構造的特長を有する特に有用な基材は、たと
えば、マイクロスフェアなどのようなもので、固形支持体粒子のサイズを選択することが
できるパターン化された基材である。これらの特徴を有する模範的なパターン化基材は、
BeadArray technology(ビードアレイ技術)〔Illumina, Inc.(イルミナ社)、San Dieg
o、CA〕に関連して使用されるエッチングされた基材である。さらなる例は、米国特許第6
,770,441号において記載され、それは参照することによってここに組み込まれる。
【0157】
ここに使用されるように、用語「固定化された」とは、核酸に関して使用されるとき、
共有結合または非共有結合(群、複数も可能であることを表す)を介した固形支持体への
直接的または間接的な付着を意味することを意図する。本発明の一定の実施態様では、共
有結合による付着を使用することができるが、必要とされるもののすべては、たとえば、
核酸の増幅および/またはシーケンシングを必要とする適用において、支持体を用いるこ
とが意図される条件下で、支持体に対して静止するか、または付着することである。キャ
プチャープライマーまたは増幅プライマーとして使用されるオリゴヌクレオチドは、3’
端が酵素的伸長に利用可能であり、およびシーケンスの少なくとも一部分が相補的シーケ
ンスにハイブリダイズすることが可能であるように固定化することができる。固定化は、
表面結合オリゴヌクレオチドへのハイブリダイゼーションによって行うことができ、この
場合、固定化オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドは、3’-5’配向でありうる。
あるいは、固定化は、たとえば、上記の共有結合のような塩基対形成ハイブリダイゼーシ
ョン以外の手段によって行うことができる。
【0158】
ここに使用されるように、用語「アレイ」は、相対的な位置に従って互いに区別され得
る部位の集団を指す。アレイの異なる部位にある異なる分子は、アレイにおいて部位の位
置に応じて互いに区別することができる。アレイの個々の部位は、特定のタイプの一以上
の分子を含むことができる。たとえば、部位は、特定のシーケンスを有する単一の標的核
酸分子を含むことができ、または部位は、同じシーケンス(および/またはその相補的な
シーケンス)を有するいくらかの核酸分子を含みうる。アレイの部位は、同じ基材上に位
置する異なる特長であり得る。模範的な特長には、制限されないが、基材におけるウェル
、基材においてまたは基材でのビーズ(または他の粒子)、基材からの突起、基材でのリ
ッジまたは基材においてチャネルが含まれる。アレイの部位は、それぞれ異なる分子を有
する別々の基材であってもよい。別個の基材に付着する異なる分子は、基材が結合する表
面上の基材の位置に従い、または液体またはゲルにおいて基材の位置に従って識別するこ
とができる。別個の基材が表面上に配置される模範的なアレイには、制限されないが、ウ
ェルにおけるビーズを有するものが含まれる。
【0159】
ここに使用されるように、用語「複数」は、二以上の異なるメンバーの集団を意味する
ことが意図される。複数のものは、サイズが小、中、大から非常に大きいものまでに及ぶ
ことができる。小さな複数のサイズは、たとえば、数メンバーから数十メンバーまでに及
ぶことができる。中規模の複数の範囲は、たとえば、数十のメンバーから約100のメンバ
ーまたは何百のメンバーに及ぶ可能性がある。大多数の多様性は、たとえば、数百のメン
バーから約1000のメンバー、何千のメンバー、そして最大で数万に及ぶ可能性がある。非
常に大きな複数のものは、たとえば、数万のメンバーから数十万、百万、何千万、何億も
のメンバーに及ぶ可能性がある。したがって、複数は、サイズにおいてメンバーの数によ
って測定されるように、二から一億をはるかに超えるメンバー、さらには、上記の模範的
な範囲の範囲内およびより一層大きなすべてのサイズの範囲であり得る。マイクロアレイ
内の模範的な数の特長には、1.28cm2内での複数の約500000またはそれよりも多くの別個
の特長が含まれる。模範的な核酸の複数性には、たとえば、約1×105、5×105および1×1
06またはそれらよりも多くの異なる核酸種の集団が含まれる。したがって、用語の定義は
、二より大きいすべての整数値を含むことを意図する。本発明での複数の核酸の上限は、
たとえば、本発明での核酸サンプルにおいてヌクレオチドシーケンスの理論的多様性によ
って設定することができる。
【0160】
ここに使用されるように、用語「核酸」は、任意の状況;たとえば、プローブ、標的ま
たはプライマーにおいて提示される核酸分析物を含め、リボ核酸またはデオキシリボ核酸
またはその類似体を意味することを意図する。本発明での核酸の特定の形態は、生物にお
いて見出されるすべてのタイプの核酸、ならびに化学合成によって生成されるポリヌクレ
オチドなどのような合成核酸を含む。本発明の方法によって生成されるマイクロアレイへ
の取り込みによる分析に適用可能な核酸の特定の例は、ゲノムDNA(gDNA)、発現された
シーケンスタグ(ESTs)、DNAコピーされたメッセンジャーRNA(cDNA)、RNAコピーされ
たメッセンジャーRNA(cRNA)、ミトコンドリアDNAまたはゲノム、RNA、メッセンジャーR
NA(mRNA)および/または他のRNA集団を含む。これらの模範的な核酸の断片および/また
は一部分もまた、ここに使用されるように用語の意味内に含まれる。
【0161】
ここに使用されるように、用語「二重鎖」は、核酸分子に関して使用されるとき、核酸
分子において実質的にすべてのヌクレオチドが相補的なヌクレオチドに水素結合されるこ
とを意味する。部分的に二重鎖の核酸は、相補的なヌクレオチドに水素結合したそのヌク
レオチドの少なくとも10%、25%、50%、60%、70%、80%、90%または95%を有するこ
とができる。
【0162】
ここに使用されるように、用語「一本鎖」は、核酸分子に関して使用されるとき、核酸
分子においてヌクレオチドのいずれも本質的に相補的ヌクレオチドに水素結合しないこと
を意味する。
【0163】
ここに使用されるように、用語「標的ポリヌクレオチド」は、分析または作用の対象で
あるポリヌクレオチドを意味することが意図される。分析または作用は、ポリヌクレオチ
ドを複製、増幅、シーケンシングおよび/または核酸調査(nucleic acid interrogation
)のための他の手順に供することを含む。標的ポリヌクレオチドは、分析されるべき標的
シーケンスへのヌクレオチドシーケンス付加を含むことができる。たとえば、標的ポリヌ
クレオチドは、分析されるべき標的ポリヌクレオチドシーケンスに隣接するプライマー結
合部位として機能するアダプターを含め、一以上のアダプターを含み得る。キャプチャー
オリゴヌクレオチドまたはキャプチャープライマーにハイブリダイズした標的ポリヌクレ
オチドは、キャプチャーオリゴヌクレオチドの5’または3’端を越えて伸びるヌクレオチ
ドを含むことができ、標的ポリヌクレオチドのすべてが伸長し易くならないようにする。
特定の実施態様では、以下でさらに詳細に説明するように、複数の標的ポリヌクレオチド
には、それらの標的ポリヌクレオチドシーケンスにおいて異なる異なる種が含まれるが、
異なる種の二以上に対して同じであるアダプターを有する。特定の標的ポリヌクレオチド
シーケンスに隣接し得る二つのアダプターは同じシーケンスを有することができ、または
二つのアダプターは異なる配列を有することができる。したがって、複数の異なる標的ポ
リヌクレオチドは、標的ポリヌクレオチドシーケンスの各端部に同じアダプターシーケン
スまたは二つの異なるアダプターシーケンスを有することができる。したがって、複数の
標的ポリヌクレオチドにおいての種は、たとえば、シーケンシングによって評価される未
知シーケンスの領域に隣接する既知シーケンスの領域を含むことができる。標的ポリヌク
レオチドが単一端にアダプターを所有する場合、アダプターは標的ポリヌクレオチドの3
’端または5’端のいずれかに位置することができる。標的ポリヌクレオチドは、任意ア
ダプターなしで使用することができ、その場合、プライマー結合シーケンスは標的ポリヌ
クレオチドに見出されるシーケンスから直接得ることができる。
【0164】
ここに使用されるように、用語「キャプチャープライマー」は、分析またはたとえば、
増幅またはシーケンシング反応の、プライマーアニーリングステップにおいて遭遇する条
件下に核酸調査に供されるべき一本鎖ポリヌクレオチド配列に特異的にアニーリングする
ことができるヌクレオチド配列を有するオリゴヌクレオチドを意味することを意図する。
用語「核酸」、「ポリヌクレオチド」および「オリゴヌクレオチド」は、ここでは互換的
に使用される。異なる用語は、特に断りのない限り、サイズ、配列、または他の特性にお
ける特定の違いを示すことを意図するものではない。説明を明確にするために、用語は、
いくらかの核酸種を含む特定の方法または組成物を記載する場合に、核酸の一つの種を別
の核酸と区別するために使用され得る。
【0165】
ここに使用されるように、「標的特異的」という用語は、キャプチャープライマーまた
は他のオリゴヌクレオチドに関して使用されるとき、標的ポリヌクレオチドシーケンスに
特異的なヌクレオチドシーケンスを含む、すなわち、標的ポリヌクレオチドの識別性領域
に選択的にアニーリングすることが可能なヌクレオチドを含むキャプチャープライマーま
たは他のオリゴヌクレオチドを意味することを意図する。標的特異的キャプチャープライ
マーは、オリゴヌクレオチドの単一の種を有することができ、またはそれは異なるシーケ
ンスを伴う二以上の種を含むことができる。したがって、標的特異的キャプチャープライ
マーは、3、4、5、6、7、8、9または10またはそれらよりも多くの異なるシーケンスを含
めて、二以上のシーケンスであり得る。標的特異的キャプチャーオリゴヌクレオチドは、
標的特異的キャプチャープライマーシーケンスおよびユニバーサルキャプチャープライマ
ーシーケンスを含み得る。たとえば、シーケンシングプライマーシーケンスなどのような
他のシーケンスおよびその他同種類のものなども、標的特異的キャプチャープライマーに
含めることができる。
【0166】
比較して、「ユニバーサル」という用語は、キャプチャープライマーまたは他のオリゴ
ヌクレオチドシーケンスに関して使用するとき、複数のキャプチャープライマーの中で共
通のヌクレオチドシーケンスを有するキャプチャープライマーまたは他のオリゴヌクレオ
チドを意味することを意図する。共通のシーケンスは、たとえば、同じアダプターシーケ
ンスに相補的なシーケンスであり得る。ユニバーサルキャプチャープライマーは、異なる
種を必ずしも区別せずに複数の異なるポリヌクレオチドを調べるために適用可能であるが
、標的特異的キャプチャープライマーは異なる種を区別するために適用可能である。
【0167】
ここに使用されるように、用語「アンプリコン」は、核酸に関して使用されるとき、核
酸を複製する生成物を意味し、そこでは、生成物は核酸の少なくとも一部分の核酸シーケ
ンスと同じか、または相補的なヌクレオチドシーケンスをもつ。アンプリコンは、たとえ
ば、ポリメラーゼ伸長、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、ローリングサークル増幅(RCA)
、ライゲーション伸長、またはライゲーション連鎖反応を含め、鋳型として核酸またはそ
のアンプリコンを使用する様々な増幅方法のいずれかによって生成することができる。ア
ンプリコンは、特定のヌクレオチドシーケンス(例は、PCR生成物)の単一コピーまたは
ヌクレオチドシーケンスの複数のコピー(例は、RCAのコンカテマー生成物)を有する核
酸分子であり得る。標的核酸の第一のアンプリコンは相補的コピーであり得る。続くアン
プリコンは、第一のアンプリコンの生成後、標的核酸または第一のアンプリコンから作り
出されるコピーである。続くアンプリコンは、標的核酸と実質的に相補的であるか、また
は標的核酸と実質的に同一であるシーケンスを有することができる。
【0168】
生成されることができる鋳型コピーまたはアンプリコンの数は、増幅反応の適切な修飾
によって、たとえば、増幅反応において様々なプロセシング性のポリメラーゼを使用する
こと、および/または増幅反応が行われる時間の長さを変動させること、ならびに増幅収
率に影響を及ぼす当分野で知られる他の条件の修飾を含め、調整することができる。核酸
鋳型のコピー数は、少なくとも1、10、100、200、500、1000、2000、3000、4000、5000、
6000、7000、8000、9000および10000コピーであり得、および特定のアプリケーションに
依存して変動させることができる。
【0169】
ここに使用されるように、用語「クローナル集団(クローン集団とも言う)」は、特定
のヌクレオチドシーケンスに関して同種である核酸の集団を指す。同種のシーケンスは、
少なくとも10ヌクレオチド長、またはそれよりも長く、たとえば、少なくとも50、100、2
50、500または1000ヌクレオチド長であることができる。クローン集団は、単一の標的核
酸または鋳型核酸から導き出されることができる。クローン集団においての本質的にすべ
ての核酸は、同じヌクレオチドシーケンスを有する。クローン性から離れることなく、少
数の変異(例は、増幅アーチファクトによる)がクローン集団において生じ得ることが理
解されよう。
【0170】
ここに使用されるように、用語「それぞれ」は、アイテムの集合に関して使用されると
き、集合において個々のアイテムを識別することを意図するが、文脈上明白に他の意味を
示さない限り必ずしも集合においてあらゆるアイテムに言及しない。
【0171】
ここに使用されるように、用語「直接」は、基材の表面を覆う層に関して使用されると
き、層が、たとえば、例として、接着剤層などのような重要な中間層なしで基材の表面を
カバーすることを意味することを意図する。表面を直接覆う層は、共有結合または非共有
結合を含め、任意の化学的または物理的相互作用を通してこの表面に付着することができ
る。
【0172】
ここには、基材上に固定化された核酸を増幅するためのマイクロアレイ、方法およびキ
ット、ならびに固定化されたキャプチャープライマーを修飾する方法が提供される。
【0173】
ここに提供される方法は、ウェルまたは特色ごとにウェルまたは特色において第一の層
での第一の対のキャプチャープライマーを使用してパターン化されたフローセルの単一の
標的ポリヌクレオチドの初期キャプチャーおよび固定化を含むことができる。初期の標的
ポリヌクレオチドキャプチャーの後に、単一の標的ポリヌクレオチドの初期増幅を行い、
例は、KEAによって、ウェルまたは特色内に標的ポリヌクレオチドアンプリコンのモノク
ローナル集団を生成することができる。例は、図1-4を参照。その後、標的ポリヌクレオ
チドアンプリコンのモノクローナル集団は、その後のシーケンシング反応における特色ま
たはウェルの輝度、シグナル強度またはSNRを増加させるために、例は、KEAまたはPCRに
よって、ウェルまたは特色の制限を超えて拡大することができる。
【0174】
ウェルまたは特色を超えた標的ポリヌクレオチドアンプリコンのモノクローナル集団の
拡大は、例は、ウェルを取り囲む第二の層または標的ポリヌクレオチドアンプリコンのモ
ノクローナル集団を含む特色において3’-ブロックされたユニバーサルプライマーをグラ
フトすることによって、ここに提供される方法に従い達成することができる。例は、図1.
4および1.5を参照。アンプリコンの拡大は、例は、3’ブロックされたユニバーサルプラ
イマーを脱保護して後に、PCRまたはKEAによって起こすことができる。例は、図1.6およ
び1.7を参照。
【0175】
ここに提供されるいくらかの方法では、標的ポリヌクレオチドをポリヌクレオチドライ
ブラリーのメンバー(例は、SBS3またはSBS8プライマー)として認識するキャプチャープ
ライマーを用いることによって、ウェルまたは特色内の標的ポリヌクレオチドの初期のキ
ャプチャーが起こる。例は、図2.2および2.6を参照。モノクローナル標的ポリヌクレオチ
ドアンプリコンのその後の拡大は、ウェルまたは特色を取り囲む層にグラフトされ、モノ
クローナル標的ポリヌクレオチドアンプリコンの標的ポリヌクレオチドを認識するユニバ
ーサルキャプチャープライマー(例は、P5またはP7プライマー)を用いて起こる。例は、
図2,4および2.6を参照。
【0176】
ここに提供されるいくらかの方法では、ウェルまたは特色内の標的ポリヌクレオチドの
初期のキャプチャーは、ウェルまたは特色内の第一の層に位置するキャプチャープライマ
ーの第一の対を使用して起こり、および次いで標的ポリヌクレオチドアンプリコンのモノ
クローナル集団を生成するためにキャプチャーされた標的ポリヌクレオチドがこのウェル
内で続けられる。例は、図3.1-3.4を参照。引き続いて第二の対のキャプチャープライマ
ーがウェルを取り囲む層においてグラフトされ、および標的ポリヌクレオチドアンプリコ
ンのモノクローナル集団の拡大は、第二の対のキャプチャープライマーを用いてPCRまた
はKEAによって達成される。例は、図3.5および図3.6を参照。
【0177】
ここに提供されるいくらかの方法では、標的ポリヌクレオチドの初期キャプチャー、そ
の増幅および標的ポリヌクレオチドアンプリコンの得られる集団の拡大は、パターン化さ
れたフローセル(例は、>1.0μm直径)の拡大されたウェルまたは特色内で起こり、それ
は、ユニバーサルキャプチャープライマー(例は、P5およびP7プライマー)およびポリヌ
クレオチドライブラリーの標的ポリヌクレオチド(例は、P5-SBS3およびP7-SBS8プライマ
ー)を認識するキャプチャープライマーの混合物を含む。例は、図4を参照。
【0178】
ここに提供される方法は、パターン化されたフローセルにて高密度で標的ポリヌクレオ
チドアンプリコンの拡大されたモノクローナル集団の生成を可能にすることによって標的
特異的NGS反応のスループット、感度およびデータ品質を増加させることができる。ここ
に提供される方法は、シーケンシング反応のスループット、感度およびデータ品質(例は
、シーケンスエラーの低い発生率)を高め、および比較的単純な光学的および経済的な装
置の使用を可能にする。
【0179】
ここに提供されるマイクロアレイは、一以上のウェル、ウェルの内面および/またはウ
ェルを取り囲む表面を覆う一以上の層を有する基材を含む。
【0180】
ここに提供されるいくらかのマイクロアレイは、複数のウェルを有し、各ウェルは固定
化された標的ポリヌクレオチドのモノクローナル集団を有する。例は、図1.5、2.6、3.4
および4.3を参照。複数のウェルの異なるウェルは、同じ標的ポリヌクレオチドまたは異
なる標的ポリヌクレオチドのモノクローナル集団を有することができる。
【0181】
ここに提供されるいくらかのマイクロアレイは、一以上の層および一以上の層のそれぞ
れに一以上キャプチャープライマー対を有する。例は、図1.2、1.4、2.2、2.4、3.2、3.3
および4.2を参照。これらのマイクロアレイは、マイクロアレイのウェルにおいて固定化
された標的ポリヌクレオチドのモノクローナル集団の形成を可能にする。例は、図1.5、2
.6、3.4および4.3を参照。いくらかのマイクロアレイは、固定化された標的ポリヌクレオ
チドの運動排除増幅(KEA)およびウェルの範囲内の固定化された標的ポリヌクレオチド
のモノクローナル集団の形成を容易にするように寸法決めされたウェル(例は、ウェル直
径は<1μm)を有する。例は、図1.5、2.6(中央のパネル)、および3.4を参照。マイクロ
アレイは、第二の増幅ステップにおいて、ウェルの範囲を越えてモノクローナル標的ポリ
ヌクレオチド集団の拡大をさらに可能にすることができる。例は、図1.7、2.6(下部のパ
ネル)および3.6を参照。標的ポリヌクレオチドのモノクローナル集団の形成を可能にす
る他のマイクロアレイは、運動排除に好都合でない拡大ウェル(例は、ウェル径は>1μm
)を有する。例は、図4を参照。いくらかの実施態様では、運動排除に好都合でない拡大
ウェルは、少なくとも二対のキャプチャープライマー(例は、P5/P7キャプチャープライ
マー対)を有する。例は、図4.2を参照。
【0182】
いくらかの実施態様では、排除増幅(ExAmp)とも呼ばれる運動排除増幅(KEA)を使用
して等温増幅を行うことができる。本開示の核酸ライブラリーは、それぞれが部位をシー
ドした個々の標的核酸由来のアンプリコンの実質的クローン集団を含む複数の増幅部位を
生成するために、増幅試薬を反応させるステップを含む方法を用いて作製することができ
る。いくらかの実施態様では、増幅反応は、それぞれの増幅部位の容量を満たすのに十分
な数のアンプリコンが生成されるまで進行する。このようにして既にシードされた部位を
容量に対して充填することは、標的核酸がその部位に着いて増幅するのを阻害し、それに
よりその部位にアンプリコンのクローン集団が生成される。いくらかの実施態様において
、見掛けのクローン性は、増幅部位が容量に満たされなくても、第二の標的核酸がその部
位に到達するのに先立って達成され得る。いくらかの条件下では、第一の標的核酸の増幅
は、部位に輸送される第二の標的核酸からのコピーの生成を効果的にアウトコンピート(
相殺とも言う)するか、または圧倒するのに十分なコピー数が作成される点に進むことが
できる。たとえば、直径が500nmより小さい円形特色でのブリッジ増幅プロセスを使用す
る実施態様では、第一の標的核酸の指数関数的増幅の14サイクル後、同じ部位での第二の
標的核酸からの汚染が、Illuminaシーケンシングプラットフォームでのシーケンシング・
バイ・シンセシスの解析に悪影響を与えるのに不十分な数の汚染性アンプリコンが生成さ
れる。
【0183】
上記の例によって実証されるように、アレイにおいての増幅部位は特定の実施態様では
完全にクローンであり得るが、必ずしもそうである必要はない。むしろ、いくらかの用途
では、個々の増幅部位は、第一の標的核酸由来のアンプリコンを主に占有することができ
、第二の標的核酸由来の低レベルの汚染性アンプリコンを有することもできる。アレイは
、汚染のレベルがアレイのその後の使用に対して容認できない影響を及ぼさない限り、低
レベルの汚染性アンプリコンを有する一以上の増幅部位を有することができる。たとえば
、アレイが検出用途で使用されるとき、許容される汚染レベルは、ノイズに対する信号ま
たは検出技術の分解能に容認できないほど影響を与えないレベルである。したがって、明
らかなクローン性は包括的に、ここに記載の方法によって作成されたアレイの特定の使用
または用途に関連する。特定の適用のための個々の増幅部位での許容され得る模範的な汚
染レベルには、制限されないが、せいぜい0.1%、0.5%、1%、5%、10%または25%の汚
染性アンプリコンが含まれる。アレイは、これらの模範的なレベルの汚染性アンプリコン
を有する一以上の増幅部位を含むことができる。たとえば、アレイにおける増幅部位の5
%、10%、25%、50%、75%、またはさらに100%までは、いくつかの汚染性アンプリコ
ンを有することができる。アレイまたは他の部位の集合において、部位の少なくとも50%
、75%、80%、85%、90%、95%または99%またはそれらよりも多くがクローン性または
明らかにクローン性であり得ることが理解されるであろう。
【0184】
いくらかの実施態様では、運動排除は、プロセスが、別の事象またはプロセスが起こる
のを効果的に排除するのに十分に速い速度で起こるときに発生する可能性がある。アレイ
の部位が溶液からの標的核酸によりランダムにシードされ、および標的核酸のコピーが増
幅プロセスにおいて生じてシードされた部位のそれぞれが容量にまで満たされる核酸アレ
イの作成を例にとる。本開示の運動排除方法によれば、シーディングおよび増幅プロセス
は、増幅率がシーディング率を超える条件下で同時に進行することができる。このように
して、第一の標的核酸によってシードされた部位にてコピーが作成される比較的迅速な速
度は、増幅のための部位をシーディングすることから第二の核酸を効果的に排除する。運
動排除増幅方法は、米国特許出願公開第2013/0338042号の開示に詳細に記載されているよ
うに実行することができ、それは、参照することによってその全体がここに組み込まれる
【0185】
運動排除は、増幅を開始するための比較的遅い速度(例は、標的核酸の第一のコピーを
作成する遅い速度)対標的核酸の後続のコピーを作成するための比較的速い速度を利用す
ることができる(または標的核酸の第一のコピー)。前のパラグラフの例では、運動排除
は、標的核酸のシーディングの比較的遅い速度(例は、比較的遅い拡散または輸送)対核
酸シードのコピーにより部位を満たすために増幅が起こる比較的速い速度により起こる。
別の模範的な実施態様では、運動排除は、部位をシードした標的核酸の第一のコピーの形
成での遅れ(例は、遅れたまたは遅い活性化)対後続のコピーが部位を満たすために作成
される比較的速い速度に起因して起こりうる。この例では、個々の部位は、いくつかの異
なる標的核酸によりシードされてもよい(例は、いくつかの標的核酸が増幅の前に各部位
に存在し得る)。しかし、任意の所与の標的核酸に対する第一のコピー形成は、第一のコ
ピー形成の平均速度が、その後のコピーが生成される速度と比較して比較的遅くなるよう
にランダムに活性化することができる。この場合、個々の部位はいくつかの異なる標的核
酸によりシードされてもよいが、運動排除は、それら標的核酸の一つだけを増幅可能にす
る。より一層具体的には、第一の標的核酸が増幅のために活性化されると、その部位は迅
速にそのコピーで容量まで満たされ、それにより第二の標的核酸のコピーがその部位で作
られるのが妨げられる。
【0186】
増幅試薬は、アンプリコン形成を容易にし、いくつかのケースによってはアンプリコン
形成速度を増加させるさらなる成分を含むことができる。例はリコンビナーゼである。リ
コンビナーゼは、繰り返される侵入/伸長を可能にすることによってアンプリコン形成を
促進することができる。より具体的には、リコンビナーゼは、アンプリコン形成の鋳型と
して標的核酸を用いるポリメラーゼによるポリメラーゼによる標的核酸の侵入およびポリ
メラーゼによるプライマーの伸長を容易にすることができる。このプロセスは、各ラウン
ドの侵入/伸長から生成されたアンプリコンがその後のラウンドにおける鋳型として役立
つ連鎖反応として反復することができる。このプロセスは、変性サイクル(例は、加熱ま
たは化学変性による)が必要とされないので、標準的なPCRよりも迅速に起こることが可
能である。このように、リコンビナーゼ促進増幅は等温的に遂行することができる。増幅
を促進するために、リコンビナーゼ促進増幅試薬においてATP、または他のヌクレオチド
(または場合によってはその非加水分解性アナログ)を含めることが概して望ましい。リ
コンビナーゼおよび一本鎖結合(SSB)タンパク質の混合物は、SSBが増幅をさらに促進し
得るので特に有用である。リコンビナーゼ促進増幅のための模範的な調剤物には、TwistD
x〔Cambridge(ケンブリッジ)、UK(英国)〕によるTwistAmpキットとして商業上販売さ
れているものが含まれる。リコンビナーゼが促進された増幅試薬および反応条件の有用な
構成要素は、米国特許第5,223,414号および米国特許第7,399,590号に記載されており、こ
れらのそれぞれは参照によりここに組み込まれる。
【0187】
アンプリコン形成を容易にし、および場合によってはアンプリコン形成速度を増加させ
るために増幅試薬に含めることができる成分の別の例は、ヘリカーゼである。ヘリカーゼ
は、アンプリコン形成の連鎖反応を可能にすることによってアンプリコン形成を促進する
ことができる。本プロセスは、変性サイクル(例は、加熱または化学変性による)が必要
とされないので、標準的なPCRよりも迅速に行うことができる。このように、ヘリカーゼ
促進増幅は等温的に行うことができる。ヘリカーゼおよび一本鎖結合(SSB)タンパク質
の混合物は、SSBが増幅をさらに促進し得るので、特に有用である。ヘリカーゼ促進増幅
のための模範的な調剤物には、Biohelix(バイオヘリックス)〔Beverly(ベヴァリー)
、MA(米国、マサチューセッツ州)〕からのIsoAmpキットとして商業上販売されているも
のが含まれる。さらに、ヘリカーゼタンパク質を含む有用な製剤の例は、米国特許第7,39
9,590号および米国特許第7,829,284号に記載されており、その各々は参照によりここに組
み込まれる。
【0188】
アンプリコン形成を容易にし、および場合によってはアンプリコン形成速度を増加させ
るために増幅試薬に含めることができる成分のさらに別の例は、オリジン結合(起点結合
とも言う)タンパク質である。
【0189】
一態様では、ここには、マイクロアレイが提供され、それには、a)少なくとも一つの
ウェル、ウェルを取り囲む表面および内側ウェル表面を含む基材;b)内側ウェル表面を
覆い、および少なくとも一つの第一のキャプチャープライマー対を含む第一の層;c)第
一の層およびウェルを取り囲む表面を覆う第二の層が含まれる。
【0190】
いくつかのマイクロアレイでは、ウェルサイズ(例は、直径)は、運動排除増幅(KEA
)およびウェル内の標的特異的ポリヌクレオチドのモノクローナル集団の形成に有利な範
囲で選定される。核酸ライブラリーの運動排除増幅は、例は、米国特許出願公開第2013/0
338042号に記載されており、それを参照によりここに組み込む。たとえば、ウェルのサイ
ズ(例は、直径)は、約30nmおよび約1μmの間、約50nmおよび約800nmの間、約70nmおよ
び約600nmの間、または100nmおよび約400nmの間で変動させることができる。いくらかの
実施態様では、ウェルは約400nmの直径を有する。例は、図1.1を参照。いくらかの実施態
様では、ウェルは約1μm未満の直径を有する。模範的なマイクロアレイには、Illumina(R
)HiSeq-X10パターン化フローセルでのマイクロアレイが含まれる。
【0191】
別の態様では、ここには、マイクロアレイが提供され、それには、a)少なくとも一つ
のウェル、ウェルを取り囲む表面および内側ウェル表面を含む基材であり、ウェルの直径
は約1μm以上であるもの;およびb)内側ウェル表面を覆い、および少なくとも一つの第
一のキャプチャープライマー対および少なくとも一つの第二のキャプチャープライマー対
を含む層が含まれる。
【0192】
ここに提供されるマイクロアレイは、例は、米国特許出願公開第2013/0096034号に記載
されているように生産することができる。
【0193】
いくつかのマイクロアレイでは、ウェルは、約1μmおよび約10μmの間、約1μmおよび
約8μmの間、約1μmおよび約6μmの間、約1μmおよび約4μmの間、または約1μmおよび約
2μmの間の直径を有することができる。いくらかの実施態様では、ウェルは約1.5μmの直
径を有する。例は、図4.1を参照。いくらかの実施態様では、ウェルは約1μmよりも長い
直径を有する。例は、図4.1を参照。
【0194】
基材は、核酸マイクロアレイの製造に有用であることが当分野で知られる任意の材料か
ら作成され得る。たとえば、基材は、ケイ素または他のシリカまたはケイ酸塩、ガラス、
プラスチック、多糖類、ナイロン、ニトロセルロース樹脂、炭素および金属または他の固
形支持体であり得る。模範的な基材物質は、米国特許出願公開第2013/0096034号に提供さ
れ、それを参照によりここに組み込む。
【0195】
マイクロアレイは、二以上のウェル(複数のウェル)を有することができる。複数のウ
ェルのウェルは、同じ距離または異なる距離で離間することができる。ウェルの間隔は、
例は、二つのウェル間の間隙距離または二つのウェル間の間隙距離および一つのウェルの
直径を含む「ピッチ」として表すことができる。例は、図1.1を参照(二つのウェル間の
間隙距離は700nm;ピッチは1.5μmである)。
【0196】
いくらかの実施態様では、マイクロアレイは、約100,000および約5,000,000ウェル/mm2
の間、約250,000および約450,000ウェル/mm2の間、約500,000および約4,000,000ウェル/m
m2の間、約750,000および約3,5,000,000ウェル/mm2の間、約1,250,000および約2,500,000
ウェル/mm2の間、約1,500,000および約2,500,000ウェル/mm2の間、約1,750,000および約2
,250,000ウェル/mm2の間、または約2,000,000および約2,250,000ウェル/mm2の間を有する
ことができる。いくらかの実施態様では、マイクロアレイは約2,100,000ウェル/mm2を有
する〔例は、Illumina(R)HiSeqパターン化フローセル〕。
【0197】
いくらかの実施態様において、マイクロアレイは、約10,000および約1,000,000ウェル/
mm2の間、約50,000および約900,000ウェル/mm2の間、約100,000および約800,000ウェル/m
m2の間、約200,000および約700,000ウェル/mm2の間、約300,000および約600,000ウェル/m
m2の間、または約400,000および約500,000ウェル/mm2の間を有する。いくらかの実施態様
では、マイクロアレイは約450,000ウェル/mm2を有する〔例は、Illumina(R)NextSeqパタ
ーン化フローセル〕。
【0198】
マイクロアレイのウェルは、ローバストな光学的解像度を可能にしながら、ウェル密度
を最適化するように間隔を空けて配置することができる。たとえば、複数のウェルの二つ
のウェルは、約10nmおよび10μmの間、約50nmおよび8μmの間、約100nmおよび約6μmの間
、約200nmおよび約4μmの間、約300nmおよび約2μmの間、約400nmおよび約1μmの間、約5
00nmおよび約900nmの間、または約600nmおよび約800nmの間の間隙距離で離間することが
できる。いくらかの実施態様では、複数のウェルの二以上のウェルは約700nmの距離で離
間される。例は、図1.1を参照。いくらかの実施態様において、複数のウェルの二以上の
ウェルは約1μm未満の距離で離間される。いくらかの実施態様では、複数のウェルの二以
上のウェルは約1μmを超える距離で離間される。
【0199】
複数のウェルの二以上のウェルは、約10nmおよび10μmの間、約50nmおよび8μmの間、
約100nmおよび約6μmの間、約500nmおよび約4μmの間、または約1μmおよび約2μmの間の
ピッチで配置されることができる。いくらかの実施態様では、複数のウェルの二以上のウ
ェルは約1.5μmのピッチで配置される。例は、図1.1を参照。いくらかの実施態様では、
複数のウェルの二以上のウェルが約1μm未満のピッチで配置される。いくらかの実施態様
では、複数のウェルの二以上のウェルは約1μmを超えるピッチで間隔を空けられる。
【0200】
ここに提供するマイクロアレイは一以上の層を含む。たとえば、マイクロアレイは、単
一の層、第一および第二の層、第一、第二および第三の層などを含むことができる。
【0201】
第一の層は、内側ウェル表面および/またはウェルを取り囲む表面を覆うことができる
。いくらかの実施態様では、第一の層はウェルを取り囲む表面を覆わない。第一の層は、
たとえば、ウェルの壁の表面およびウェルの底の表面を含め、ウェルの内面全体を覆うこ
とができる。いくらかの実施態様では、第一の層は内側ウェル表面だけを部分的に覆う。
たとえば、第一の層は、ウェルの底面の表面だけを覆うことができるが、ウェルの壁の表
面は覆わない。第一の層は、複数のウェルのすべてのウェルの内面、または複数のウェル
の何分の一かのウェルだけを覆うことができる。たとえば、第一の層は、複数のウェルの
100%未満、99%未満、95%未満、90%未満、85%未満、80%未満、75%未満、70%未満
、65%未満、60%未満、55%未満、50%未満、45%未満、40%未満、35%未満、30%未満
、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、5%未満、2%未満、または1%未満のウェ
ルの内面を覆うことができる。別の例では、第一の層は、複数のウェルの1%より多く、2
%より多く、5%より多く、10%より多く、15%より多く、20%より多く、25%より多く
、30%より多く、35%より多く、40%より多く、45%より多く、50%より多く、55%より
多く、60%より多く、65%より多く、70%より多く、75%より多く、80%より多く、85%
より多く、90%より多く、95%より多く、または99%より多くの内側表面を覆うことがで
きる。第一の層は、内側ウェル表面を含め、基材表面を直接的または間接的に、例は、一
以上の中間層を介して覆うことができる。一以上の中間層は、たとえば、基材への第一の
層の接着性、例は、内側ウェル表面への接着性を改善するために使用することができる。
【0202】
第二の層は、第一の層および/またはウェルを取り囲む表面を覆うことができる。いく
らかの実施態様では、第二の層は第一の層を部分的にだけ覆う。たとえば、第二の層は、
ウェルの底部でだけ第一の層を覆うことができる。いくらかの実施態様では、第二の層は
第一の層をカバーしない。第二の層は、ウェルを取り囲む表面を完全にか、または部分的
にしか覆うことができない。第二の層は、複数のウェルのすべてのウェルを取り囲む表面
、または複数のウェルの何分の一かのウェルだけを覆うことができる。たとえば、第二の
層は、複数のウェルの100%未満、99%未満、95%未満、90%未満、85%未満、80%未満
、75%未満、70%未満、65%未満、60%未満、55%未満、50%未満、45%未満、40%未満
、35%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、5%未満、2%未満、
または1%未満のウェルを取り囲む表面をカバーすることができる。別の例では、第一の
層は、複数のウェルの1%を超える、2%を超える、5%を超える、10%を超える、15%を
超える、20%を超える、25%を超える、30%を超える、35%を超える、40%を超える、45
%を超える、50%を超える、55%を超える、60%を超える、65%を超える、70%を超える
、75%を超える、80%を超える、85%を超える、90%を超える、95%を超える、または99
%を超えるウェルの周りの表面をカバーすることができる。第二の層は、第一の層および
/またはウェルを囲む表面を直接的または間接的に、例は、一以上の中間層を介して覆う
ことができる。一以上の中間層を、たとえば、第二の層および第一の層の間および/また
は第二の層およびウェルを取り囲む基材の間の接着性を改善するために使用することがで
きる。
【0203】
層は、表面にて堆積させることができ、核酸に対する親和性を有し、およびたとえば、
プライマーなどのような核酸の堆積に有用である当分野で知られる任意の物質を含むこと
ができる。核酸の堆積に有用なポリマーコーティングは、当分野においてよく知られてい
る。核酸の堆積に有用ないくつかのポリマーコーティングは米国特許出願公開第2014/007
9923A1号に記載されており、それは、参照によりここに組み込まれる。模範的なポリマー
コーティングには、ポリ(N-(5-アジドアセトアミジルペンチル)アクリルアミド-co-アク
リルアミド(PAZAM)およびシランフリーアクリルアミド(SFA)が含まれる。
【0204】
いくらかの実施態様では、層はポリマーコーティングを含む。いくらかの実施態様では
、層においてポリマーコーティングはPAZAMを含む。いくらかの実施態様では、第一の層
のポリマーコーティングはPAZAMまたはSFAを含む。いくらかの実施態様では、第二の層の
ポリマーコーティングはPAZAMまたはSFAを含む。
【0205】
層は一以上のキャプチャープライマーを含むことができる。たとえば、層は、単一のキ
ャプチャープライマー、第一および第二のキャプチャープライマー、第一第二および第三
のキャプチャープライマー、などを含むことができる。
【0206】
二以上のキャプチャープライマーは任意の割合でウェルに存在し得る。たとえば、第一
のキャプチャープライマーおよび第二のキャプチャープライマーは、ほぼ等しい量で、ま
たは任意の他の比、例は、モル比で存在し得る。ウェルは、1.1xより大きい、1.2xより大
きい、1.3xより大きい、1.4xより大きい、1.5xより大きい、2.0xより大きい、2.5xより大
きい、3.0xより大きい、5.0xより大きい、10xより大きい、15xより大きい、20xより大き
い、20xより大きい、25xより大きい、30xより大きい、50xより大きい、100xより大きい、
300xより大きい、500xより大きい、または1000xより大きい第一のキャプチャープライマ
ーを第二のキャプチャープライマーを超えて過剰に有することができる。マイクロアレイ
においての異なるウェルは、二以上のキャプチャープライマーの同じ比率または異なる比
率を有することができる。
【0207】
キャプチャープライマーは一以上のキャプチャー領域を含むことができる。キャプチャ
ー領域は、例は、ユニバーサルキャプチャー領域、シーケンシングプライマー結合部位(
SBS)、標的特異的キャプチャー領域、所定の開裂部位、たとえば、制限部位などのよう
なもの、およびリンカー領域、例は、二以上の制限部位を分離するリンカー領域などのよ
うなものを含むことができる。いくつかのキャプチャープライマーには、例は、ユニバー
サルキャプチャー領域およびSBSが含まれうる。他のキャプチャープライマーには、ユニ
バーサルキャプチャー領域および標的特異的キャプチャー領域が含まれることができる。
キャプチャープライマーは、3’端でブロックされ得る(3’ブロック化される)か、また
は3’端でアンブロックされ得る(ブロック化され得ない)(3’ブロック化されない)。
ブロック化された3’-端を有するプライマーは、たとえば、3’-リン酸終端をなすことが
できる。ブロックされた3’端を有するいくつかのプライマーは、デブロッキング(デブ
ロック化とも言う)をされ得る。デブロッキングは酵素反応または化学反応において生じ
得る。酵素反応は、例は、キナーゼまたはホスファターゼによって媒介され得る。たとえ
ば、3’-リン酸-終端化プライマーは、T4キナーゼなどのキナーゼによってデブロックさ
れ得る。
【0208】
ユニバーサルキャプチャー領域には、例は、ユニバーサルIllumina(R)キャプチャープ
ライマーまたはユニバーサルIllumina(R)キャプチャープライマーと特異的にハイブリダ
イズする領域のシーケンスを有する領域が含まれ得る。ユニバーサルIllumina(R)キャプ
チャープライマーには、たとえば、P5
5’-AATGATACGGCGACCACCGA-3’((配列番号1))またはP7
(5’-CAAGCAGAAGACGGCATACGA-3’(配列番号2))またはその断片が含まれる。ユニバ
ーサルIllumina(R)キャプチャープライマーと特異的にハイブリダイズする領域は、例は
、Illumina(R)キャプチャープライマーP5の逆相補シーケンス(「抗P5」:
5’-TCGGTGGTCGCCGTATCATT-3’(配列番号3)またはP7(「抗P7」:
5’-TCGTATGCCGTCTTCTGCTTG-3’(配列番号4))、またはその断片が含まれる。
【0209】
SBSには、例は、Illumina(R)シーケンシングプライマー、またはその断片のシーケンス
を有する領域、またはIllumina(R)シーケンシングプライマーまたはその断片と特異的に
ハイブリダイズする領域が含まれ得る。Illumina(R)シーケンシングプライマーには、例
は、SBS3
(5’-ACACTCTTTCCCTACACGACGCTCTTCCGATCT-3’(配列番号5))またはSBS8
(5’-CGGTCTCGGCATTCCTGCTGAACCGCTCTTCCGATCT-3’(配列番号6))が含まれる。Illu
mina(R)シーケンシングプライマー、またはその断片と特異的にハイブリダイズする領域
には、例は、Illumina(R)シーケンシングプライマーSBS3の逆相補シーケンス(「抗SBS3
」:5’-AGATCGGAAGAGCGTCGTGTAGGGAAAGAGTGT-3’(配列番号7))またはSBS8(「抗SBS8
」:5’-AGATCGGAAGAGCGGTTCAGCAGGAATGCCGAGACCG-3’(配列番号8))、またはその断片
が含まれる。
【0210】
キャプチャープライマーは、領域の任意の組合せ、例は、たとえば、P5-SBS3およびP7-
SBS8、またはそれらの断片などのようなものの組合せを含め、Illumina(R)P5、P7、SBS3
、またはSBS8プライマー領域、またはそれらの断片の任意の組合せを有することができる
【0211】
キャプチャープライマーは所定の(非ランダムな)開裂部位を含むことができる。可能
性のある所定の開裂部位は、例は、米国特許第8,715,966号B2に開示され、それは参照に
よりここに組み込まれる。所定の部位での開裂は、例は、酵素的開裂または非酵素的開裂
として、たとえば、化学的開裂などのようなもので起こり得る。所定の部位、たとえば、
制限部位などのようなものでの酵素的開裂は、例は、制限酵素、たとえば、制限エンドヌ
クレアーゼなどのようなものによって媒介され得る。いくらかの実施態様では、プライマ
ーにおいての所定の開裂部位には、ウラシル塩基が含まれることができる。開裂は、ウラ
シルDNAグリコシラーゼによるウラシル含有プライマーの処理を通して起こすことができ
、プライマーにおいて無塩基部位の形成がされ、次いでエンドヌクレアーゼ、熱またはア
ルカリによる処理によって続き、無塩基部位でのプライマーを開裂することができる。い
くらかの実施態様では、所定の開裂部位には、ジオールリンカーが含まれ、ジオールリン
カーは過ヨウ素酸塩で処理することにより開裂することができる。いくらかの実施態様で
は、所定の開裂部位には、8-オキソ-グアニンが含まれる。
【0212】
所定の開裂部位には、酵素制限部位が含まれることができる。熟練者(当業者とも言う
)に知られる任意の制限酵素または任意の酵素制限部位は、ここに提供される方法または
組成物において使用され得る。たとえば、制限エンドヌクレアーゼは、I型酵素(EC3.1.2
1.3)、II型酵素(EC3.1.21.4)、III型酵素(EC3.1.21.5)、またはIV型酵素(EC3.1.21
.5)であり得る。制限エンドヌクレアーゼは、限られないが、たとえば、Alu I、Ava I、
Bam HI、Bgl II、Eco P15 I、Eco RI、Eco RII、Eco RV、Hae III、Hga I、Hha I、Hind
III、Hinf I、Hpa I、Kpn I、Mbo I、Not I、Pst I、Pvu II、Sac I、Sal I、SapI、Sau
3A、Sca I、Sma I、Spe I、Spe I、Sph I、Sst I、Stu I、Taq I、Xba IまたはXma Iが含
まれる。制限エンドヌクレアーゼは、組換え制限酵素であり得る。組換え制限酵素には、
限られるものではないが、自然または改変DNA結合ドメイン(例は、ジンクフィンガード
メイン、TALエフェクタードメイン)およびヌクレアーゼドメイン(例は、IIS型制限酵素
Fok1の開裂ドメイン)を含め、融合タンパク質が含まれ得る。
【0213】
いくらかの実施態様において、制限酵素認識部位には、SapI部位(「5’-GCTCTTCNvNNN
-3’(配列番号9)」が含まれる。例は、図6Dを参照。
【0214】
制限酵素は、真核生物(例は、植物、昆虫、哺乳動物)および原核生物を含め、それぞ
れの生体分子を発現する任意の生物から導き出されることができる。一定の実施態様にお
いて、生体分子は、真正細菌(例えば、グラム陽性、グラム陰性)、古細菌、酵母、真菌
、藻類から導き出される。原核生物は、制限されることなく、たとえば、Arthrobacter l
uteus(アルスロバクター・ルテウス)、Anabaena variabilis(アナベナ・バリアビリス
)、Bacillus amyloliquefaciens(バチルス・アミロリケファシエンス)、Bacillus glo
bigii(バチルス・グロビジイ)、Escherichia coli(エシェリキア・コリ)RY 13、Esch
erichia coli R245、Haemophilus aegyptius(ヘモフィラス・エジプティウス)、Haemop
hilus haemolyticus(ヘモフィラス・ヘモリティカス)、Haemophilus inflenzae(Haemo
philus influenza、ヘモフィラス・インフルエンザエ)Rd、Haemophilus gallinarum(ヘ
モフィラス・ガリナルム)、Haemophilus parainflenzae(Haemophilus parainfluenza、
ヘモフィラス・パラインフルエンザエ)、Klebsiella pneumonia(Klebsiella pneumonia
e、クレブシエラ・ニューモニアエ)、Moraxella bovis(モラクセラ・ボービス)、Noca
rdia otitidis(ノカルディア・オタイティディス)、Proteus vulgaris(プロテウス・
ブルガリス)、Providencia stuartii(プロビデンシア・スチュアーティイ)、Serratia
marcescens(セラチア・マルセッセンス)、Sphaerotilus natans(スファエロティルス
・ナタンス)、Staphylococcus aureus(黄色ブドウ球菌、スタフィロコッカス・アウレ
ウス)、Streptomyces achromogenes(ストレプトマイセス・アクロモゲネス)、Strepto
myces albus(ストレプトマイセス・アルブス)G、Streptomyces caespitosus(ストレプ
トマイセス・カエスピトースス)、Streptomyces stanford(ストレプトマイセス・スタ
ンフォード)、Streptomyces tubercidicus(ストレプトマイセス・ツバーシディカス)
、Streptomyces phaeochromogenes(ストレプトマイセス・ファエオクロモゲネス)、The
rmophilus aquaticus(サーモフィルス・アクアティカス)、Xanthomonas badrii(キサ
ントモナス・バドリイ)またはXanthamonas malvacearum(キサントモナス・マルバセア
ルム)を含むことができる。
【0215】
制限酵素は野生型または変異型であり得る。制限酵素は組換え生体分子であり得る。
【0216】
いくらかの実施態様では、本方法には、部分的制限部位を含むキャプチャープライマー
をヌクレアーゼと接触させることをさらに含み、そこでは、ヌクレアーゼによって部分的
制限部位が除去される。いくらかの実施態様では、ヌクレアーゼはエキソヌクレアーゼで
ある。いくらかの実施態様では、エキソヌクレアーゼはエキソヌクレアーゼIである。
【0217】
キャプチャープライマーは、キャプチャープライマー対を含むことができる。たとえば
、第一のキャプチャープライマーは、第一のキャプチャープライマー対の第一のキャプチ
ャープライマーおよび第一のキャプチャープライマー対の第二のプライマーを含め、第一
のキャプチャープライマー対であり得る。別の例では、第二のキャプチャープライマーは
、第二のキャプチャープライマー対の第一のキャプチャープライマーおよび第二のキャプ
チャープライマー対の第二のキャプチャープライマーを含め、第二のキャプチャープライ
マー対であり得る。
【0218】
キャプチャープライマー対のキャプチャープライマーは、任意のキャプチャー領域また
はキャプチャー領域の任意の組合せを含むことができる。たとえば、キャプチャープライ
マー対の第一のプライマーは第一のユニバーサルキャプチャー領域を含み、およびキャプ
チャープライマー対の第二のプライマーは第二のユニバーサルキャプチャー領域を含むこ
とができる。キャプチャープライマー対のプライマーはSBSをさらに含むことができる。
たとえば、キャプチャープライマー対の第一のプライマーは第一のユニバーサルキャプチ
ャープライマー領域および第一のSBSを含み得、およびキャプチャープライマー対の第二
のプライマーは、第二のユニバーサルキャプチャー領域および第二のSBSを含み得る。
【0219】
いくらかの実施態様では、キャプチャープライマー対の第一のプライマーには、Illumi
na(R)P5プライマーヌクレオチドシーケンスが含まれ、およびキャプチャープライマー対
の第二のプライマーには、Illumina(R)P7プライマーヌクレオチドシーケンスが含まれる
。例は、図1.2を参照。
【0220】
いくらかの実施態様では、キャプチャープライマー対の第一のプライマーには、Illumi
na(R)P5プライマーヌクレオチドシーケンスおよびIllumina(R)SBS3プライマーヌクレオチ
ドシーケンスが含まれ、およびキャプチャープライマー対の第二のプライマーには、Illu
mina(R)P7プライマーヌクレオチドシーケンスおよびIllumina(R)SBS8プライマーヌクレオ
チドシーケンスが含まれる。例は、図2.2参照。
【0221】
別の例では、第一のキャプチャープライマー対の第一のキャプチャープライマーは第一
のユニバーサルキャプチャー領域を含み、第一のキャプチャープライマー対の第二のキャ
プチャープライマーは第二のユニバーサルキャプチャー領域を含み、第二のキャプチャー
プライマー対の第一のキャプチャープライマーは第一のユニバーサルキャプチャープライ
マー領域および第一のSBSを含み、および第二のキャプチャープライマー対の第二のキャ
プチャープライマーは、第二のユニバーサルキャプチャー領域および第二のSBSを含み得
る。
【0222】
いくらかの実施態様では、第一のキャプチャープライマー対の第一のキャプチャープラ
イマーはIllumina(R)P5プライマーヌクレオチドシーケンスを含み、第一のキャプチャー
プライマー対の第二のキャプチャープライマーはIllumina(R)P7プライマーヌクレオチド
シーケンスを含み、第二のキャプチャープライマー対の第一のキャプチャープライマーは
Illumina(R)P5プライマーヌクレオチドシーケンスおよびIllumina(R)SBS3プライマーヌク
レオチドシーケンスを含み、および第二のキャプチャープライマー対の第二のキャプチャ
ープライマーはIllumina(R)P7プライマーヌクレオチドシーケンスおよびIllumina(R)SBS8
プライマーヌクレオチドシーケンスを含む。例は、図4.2を参照。
【0223】
キャプチャープライマー対は、単一のキャプチャープライマー対または複数のキャプチ
ャープライマー対を含むことができる。たとえば、第一のキャプチャープライマー対は、
複数の第一のキャプチャープライマー対であり得る。いくらかの実施態様において、第一
のキャプチャープライマー対は、少なくとも一つのキャプチャープライマー対である。別
の例では、第二のキャプチャープライマー対は、複数の第二のキャプチャープライマー対
であり得る。いくらかの実施態様において、第二のキャプチャープライマー対は、少なく
とも一つのキャプチャープライマー対である。
【0224】
キャプチャープライマーは単一のキャプチャープライマーまたは複数のキャプチャープ
ライマーを含むことができる。
【0225】
キャプチャープライマー対の第一および第二のキャプチャープライマーはそれぞれ、複
数のキャプチャープライマーであり得る。たとえば、キャプチャープライマー対の第一の
キャプチャープライマーは、複数の第一のキャプチャープライマーであることができる。
別の例では、キャプチャープライマー対の第二のキャプチャープライマーは複数の第二の
キャプチャープライマーであり得る。
【0226】
いくらかの実施態様では、第一のキャプチャープライマー対の第一のキャプチャープラ
イマーは、第一のキャプチャープライマー対の複数の第一のキャプチャープライマーを含
む。いくらかの実施態様では、第一のキャプチャープライマー対の第二のキャプチャープ
ライマーは、第一のキャプチャープライマー対の複数の第二のキャプチャープライマーを
含む。いくらかの実施態様では、第二のキャプチャープライマー対の第一のキャプチャー
プライマーは、第二のキャプチャープライマー対の複数の第一のキャプチャープライマー
を含む。いくらかの実施態様において、第二のキャプチャープライマー対の第二のキャプ
チャープライマーは、第二のキャプチャープライマー対の複数の第二のキャプチャープラ
イマーを含む。
【0227】
いくらかの実施態様では、少なくとも一つの第一のキャプチャープライマー対は複数の
第一のキャプチャープライマー対である。
【0228】
いくらかの実施態様では、第二の層は、少なくとも一つの第二のキャプチャープライマ
ー対を含む。いくらかの実施態様では、少なくとも一つの第二のキャプチャープライマー
対は複数の第二のキャプチャープライマー対である。
【0229】
ここに提供するいくつかのマイクロアレイは、ユニバーサルキャプチャー領域によって
隣接されるDNAシーケンシングライブラリーにおいて標的ポリヌクレオチドをキャプチャ
ーすることができる。これらのマイクロアレイは、第一の層において第一のキャプチャー
プライマーを有することができ、第一の層はユニバーサルキャプチャー領域を有し、およ
びそれらの3’端でアンブロック化される。これらのマイクロアレイのいくつかは、第一
層においてプライマーと同じユニバーサルキャプチャー領域を有し、および3’ブロック
されている第二のキャプチャープライマーと共に第二の層を有する。例は、図1.4を参照
。これらのマイクロアレイのいくつかの他のものは、第二のキャプチャープライマーおよ
び/または第二の層を有しない。例は、図3.2および3.3を参照。
【0230】
いくらかの実施態様では、少なくとも一つの第一のキャプチャープライマー対のプライ
マーは、ユニバーサルキャプチャー領域を含む。いくらかの実施態様では、少なくとも一
つの第一のキャプチャープライマー対の第一のプライマーはIllumina(R)P5プライマーヌ
クレオチドシーケンスを含み、少なくとも一つの第一のキャプチャープライマー対の第二
のプライマーはIllumina(R)P7プライマーヌクレオチドシーケンスを含む。
【0231】
いくらかの実施態様において、第二の層は少なくとも一つの第二のキャプチャープライ
マー対を含む。いくらかの実施態様では、少なくとも一つの第二のキャプチャープライマ
ー対は複数の第二のキャプチャープライマー対である。
【0232】
いくらかの実施態様では、少なくとも一つの第二のキャプチャープライマー対のプライ
マーは3’端でブロックされる。いくらかの実施態様では、少なくとも一つの第二のキャ
プチャープライマー対のプライマーは、3’-リン酸-終端をなす。いくらかの実施態様に
おいて、少なくとも一つの第二のキャプチャープライマー対の3’-リン酸終端化プライマ
ーは、ユニバーサルキャプチャー領域を含む。いくらかの実施態様では、少なくとも一つ
の第二のキャプチャープライマー対の第一のプライマーは、Illumina(R)P5プライマーヌ
クレオチドシーケンスを含み、および少なくとも一つの第二のキャプチャープライマー対
の第二のプライマーは、Illumina(R)P7プライマーヌクレオチドシーケンスを含む。
【0233】
ここに提供されるいくつかのマイクロアレイは、SBS領域に隣接するDNA配列決定ライブ
ラリーにおいて標的ポリヌクレオチドを捕捉することができる。例は、図2.2を参照。こ
れらのマイクロアレイは、SBSと組み合わせてユニバーサルキャプチャー領域を有するそ
れらの第一の層に捕捉プライマーを有することができる。第二の層は、ユニバーサルキャ
プチャー領域を有し、および3’アンブロック化された捕捉プライマーを有することがで
きる。いくらかの実施態様において、DNA配列決定ライブラリーは、P5-SBS3および/また
はP7-SBS8ヌクレオチド配列、またはその断片に隣接する標的ポリヌクレオチドを含み得
る。いくらかの実施態様では、P5-SBS3および/またはP7-SBS8ヌクレオチド配列のフラグ
メントは、全長P5-SBS3および/またはP7-SBS8ヌクレオチド配列よりも短く1、2、3、4、5
、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25また
はそれよりも長いヌクレオチドであることができる。
【0234】
いくらかの実施態様では、少なくとも1つの第1の捕捉プライマー対のプライマーは、SB
Sをさらに含む。いくらかの実施態様において、少なくとも1つの第1の捕捉プライマー対
の第1のプライマーは、Illumina(R)P5プライマーヌクレオチド配列およびI Illumina(R)S
BS3プライマーヌクレオチド配列を含み、および少なくとも1つの第1の捕捉プライマー対
の第2のプライマーは、Illumina(R)P7プライマーヌクレオチド配列およびIllumina(R)SBS
8プライマーヌクレオチド配列を含む。
【0235】
いくらかの実施態様では、少なくとも1つの第2の捕捉プライマー対のプライマーは、3
’端でブロック化されない。いくらかの実施態様において、少なくとも1つの第2の捕捉プ
ライマー対のプライマーは、ユニバーサル捕捉領域を含む。いくらかの実施態様では、少
なくとも1つの第2の捕捉プライマー対の第1のプライマーはIllumina(R)P5プライマーヌク
レオチド配列を含み、および少なくとも1つの第2の捕捉プライマー対の第2のプライマー
はIllumina(R)P7プライマーヌクレオチド配列を含む。
【0236】
ここに提供されるいくつかのマイクロアレイは、複数のウェルを有し、それによって、
複数のウェルの各ウェルは、固定化された標的ポリヌクレオチドのモノクローナル集団を
有する。固定化された標的ポリヌクレオチドは、例は、少なくとも1つの第1の捕捉プライ
マー対の任意の捕捉プライマーまたは少なくとも1つの第2の捕捉プライマー対の任意の捕
捉プライマーを含め、任意の捕捉プライマーに付着させることができる。標的ポリヌクレ
オチドは、ウェル内のいくつかのか、またはすべての捕捉プライマーに付着させることが
できる。マイクロアレイの任意の数のウェルは、1つのウェル、いくつかのウェルまたは
すべてのウェルを含め、標的ポリヌクレオチドのモノクローナル集団を有することができ
る。
【0237】
標的ポリヌクレオチドのいくつかのモノクローナル集団は、単一の標的ポリヌクレオチ
ドのアンプリコンから本質的になることができる。標的ポリヌクレオチドのいくつかのモ
ノクローナル集団は、1以上のさらなるポリヌクレオチドの小さな画分を含み得る。たと
えば、標的ポリヌクレオチドのいくつかのモノクローナル集団は、単一の優勢な標的ポリ
ヌクレオチドのアンプリコン、および他のポリヌクレオチドの30%未満、20%未満、15%
未満、10%未満、5%未満、3%未満、2%未満、または1%未満の小画分を含むことができ
る。
【0238】
標的ポリヌクレオチドは、ウェル内のいくつかのか、またはすべての捕捉プライマーに
結合させることができる。たとえば、標的ポリヌクレオチドは、ウェル内で捕捉プライマ
ーの0.5%より多く(以下、「より多く」を「超」と称する)、1%超、2%超、3%超、5
%超、10%超、15%超、20%超、25%超、30%超、35%超、40%超、45%超、50%超、55
%超、60%超、65%超、70%超、75%超、80%超、85%超、90%超、95%超、98%超、99
%超、99.9%超、99.99%超または100%超に結合することができる。
【0239】
いくつかのマイクロアレイでは、ウェルの1%超、2%超、3%超、5%超、10%超、15%
超、20%超、25%超、30%超、35%超、40%超、45%超、50%超、55%超、60%超、65%
超、70%超、75%超、80超、85%超、90%超、95%超、98%超、または99%超は、固定化
された標的ポリヌクレオチドのモノクローナル集団を有する。
【0240】
異なるウェルは、同じ標的ポリヌクレオチドまたは異なる標的ポリヌクレオチドのモノ
クローナル集団を有することができる。いくつかのマイクロアレイでは、ウェルの1%超
、2%超、3%超、5%超、10%超、15%超、20%超、25%超、30%超、35%超、40%超、4
5%超、50%超、55%超、60%超、65%超、70%超、75%超、80%超、85%超、90%超、9
5%超、98%超、または99%超は、同じ固定化された標的ポリヌクレオチドのモノクロー
ナル集団を有する。いくつかのマイクロアレイでは、ウェルの1%超、2%超、3%超、5%
超、10%超、15%超、20%超、25%超、30%超、35%超、40%超、45%超、50%超、55%
超、60%超、65%超、70%超、75%超、80%超、85%超、90%超、95%超、98%超、99%
超、99.9%超または99.99%超は、異なる固定化標的ポリヌクレオチドのモノクローナル
集団を有する。いくつかのマイクロアレイでは、1より多い、3より多い、30より多い、10
0より多い、300より多い、1000より多い、3,000より多い、10,000より多い、または30,00
0より多いウェルは、異なる固定化標的ポリヌクレオチドのモノクローナル集団を有する
【0241】
いくらかの実施態様では、少なくとも1つの第1の捕捉プライマー対の複数の捕捉プライ
マーが標的ポリヌクレオチドに結合される。いくらかの実施態様では、複数の標的ポリヌ
クレオチドは、少なくとも1つのウェルにおいて標的ポリヌクレオチドのモノクローナル
集団を形成する。いくらかの実施態様では、少なくとも1つのウェルは複数のウェルを含
み、およびそこでは、複数のウェルの2つ以上のウェルは標的ポリヌクレオチドのモノク
ローナル集団を含む。いくらかの実施態様では、複数のウェルの2つ以上のウェルは、同
じ標的ポリヌクレオチドのモノクローナル集団を含む。いくらかの実施態様では、複数の
ウェルの2つ以上のウェルは、2つ以上の異なる標的ポリヌクレオチドのモノクローナル集
団を含む。
【0242】
いくらかの実施態様では、少なくとも1つの第1の捕捉プライマー対は複数の第1の捕捉
プライマー対であり、および少なくとも1つの第2の捕捉プライマー対は複数の第2の捕捉
プライマー対であり、およびそこでは、複数のプライマー第1の捕捉プライマー対の複数
のプライマーおよび複数の第2の捕捉プライマー対は複数の標的ポリヌクレオチドに結合
される。いくらかの実施態様では、複数の標的ポリヌクレオチドは、少なくとも1つのウ
ェルにおいて標的ポリヌクレオチドのモノクローナル集団を形成する。いくらかの実施態
様では、少なくとも1つのウェルは複数のウェルであり、およびそこでは、複数のウェル
の2つ以上のウェルは標的ポリヌクレオチドのモノクローナル集団を含む。いくらかの実
施態様では、複数のウェルの2つ以上のウェルは同じ標的ポリヌクレオチドのモノクロー
ナル集団を含む。いくらかの実施態様では、複数のウェルの2つ以上のウェルは2つ以上の
異なる標的ポリヌクレオチドのモノクローナル集団を含む。
【0243】
ここに提供する核酸を増幅するための方法は、たとえば、マイクロアレイウェルなどの
ような、ウェルにおいて固定された標的ポリヌクレオチドの拡大したモノクローナル集団
の形成を可能にする。いくらかの方法は2段階増幅プロセスを含む。例は、図1-3を参照。
この2段階プロセスでは、第一に標的ポリヌクレオチドをKEAに有利な大きさのウェルに捕
捉し、およびKEAを実行して、ウェルの範囲内に固定化された標的ポリヌクレオチドのモ
ノクローナル集団を生成する。単一の標的ポリヌクレオチドは、ウェル内で捕捉して増幅
することができる。第二のステップでは、標的ポリヌクレオチドのモノクローナル集団は
、例は、ブリッジ増幅または第2のKEAによってウェルの限界を超えて拡大される。
【0244】
別の態様では、ここには、核酸を増幅するための方法が提供され、それには、a)基材
上に第1の層を生成することであり、そこでは、基材は、少なくとも1つのウェル、ウェル
を取り囲む表面および内側ウェル表面を含み、そこでは、第1の層は内側ウェル表面を覆
い;b)第1の層において少なくとも1つの第1の捕捉プライマー対を堆積させること;c)
第1の層およびウェルを取り囲む表面を覆う第2の層を基材上に生成すること;d)複数の
標的ポリヌクレオチドを含む試料を、標的ポリヌクレオチドが少なくとも1つの第1の捕捉
プライマー対の捕捉プライマーとハイブリダイズするのに十分な条件下で、基材と接触さ
せること、およびe)第1のKEAを、ウェル内の標的ポリヌクレオチドからのアンプリコン
のモノクローナル集団を生成するために実行することであり、それによって標的ポリヌク
レオチドが増幅されることが含まれる。そのような方法の模範的な例示は、例えば、図1
に見られる。
【0245】
いくらかの実施態様では、複数の標的ポリヌクレオチドを含む試料を、ウェル当たりの
単一標的ポリヌクレオチドが少なくとも1つの第1の捕捉プライマー対の捕捉プライマーと
ハイブリッド形成するに十分な条件下で基材と接触させる。
【0246】
いくらかの実施態様では、第1のKEAは、少なくとも1つのウェルにおいて捕捉プライマ
ーとハイブリダイズした単一標的ポリヌクレオチドからのアンプリコンのモノクローナル
集団を生成する。いくらかの実施態様では、少なくとも1つのウェルは複数のウェルであ
り、およびアンプリコンのモノクローナル集団は、複数のウェルの2つ以上のウェルにお
いて単一標的ポリヌクレオチドから生成される。複数のウェルの2つ以上のウェルは、例
は、1%超、2%超、3%超、5%超、10%超、15%超、20%超、25%超、30%超、35%超、
40%超、45%超、50%超、55%超、60%超、65%超、70%超、75%超過、80%超過、85%
超、90%超、95%超、98%超、99%超、99.9%超、99.99%超または100%超のマイクロア
レイのウェルを含むことができる。
【0247】
いくらかの実施態様では、アンプリコンのモノクローナル集団は、複数のウェルの2つ
以上のウェルにおいて同じ単一の標的ポリヌクレオチドから生成される。いくらかの実施
態様では、アンプリコンのモノクローナル集団は、複数のウェルの2つ以上のウェルにお
いて2つ以上の単一標的ポリヌクレオチドから生成される。2つ以上の単一標的ポリヌクレ
オチドは、例は、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも3
0、少なくとも100、少なくとも300、少なくとも1,000、少なくとも3,000、少なくとも10,
000、少なくとも30,000、または少なくとも100,000の単一標的ポリヌクレオチドを含むこ
とができる。
【0248】
興味ある標的ポリヌクレオチドを含むことが疑われる任意の試料を使用することができ
る。試料はDNA配列決定ライブラリーを含むことができる。DNA配列決定ライブラリーは、
例は、固形組織試料または液状生検から得ることができる。固形組織試料または液状生検
試料は、例は、病的な対象または健康な対象から得ることができる。病的な対象は、例は
、ガンペイシェント(主として患者)または遺伝病に罹患しているペイシェントを含むこ
とができる。健康な対象は、例は、臨床試験のネガティブコントロール群における対象体
、または疾患状態に罹患する危険性があると疑われる対象体を含み得る。対象またはペイ
シェントには、例は、任意の哺乳動物(例は、サル、アペット、ラット、マウス、ハムス
ター、ネコ、イヌ、ウマ、ウシ、ヒツジ、およびその他同種類のものなど)を含め、ヒト
または動物を含むことができる。
【0249】
いくらかの実施態様では、本方法は、第2の層において少なくとも1つの第2の捕捉プラ
イマー対を堆積することをさらに含む。
【0250】
いくらかの実施態様では、第1のKEAを実行するに先立って少なくとも1つの第2の捕捉プ
ライマー対を堆積する。
【0251】
ここに提供されるいくらかの方法では、第1の層がマイクロアレイのウェルにおいて生
成され、および第1の対のユニバーサル捕捉プライマーが第1の層において堆積される。例
は、図1.1および1.2を参照。第1の層およびウェルを取り囲むマイクロアレイ表面を覆う
第2の層は生成され、および第2の層において第2のユニバーサル捕捉プライマー対が堆積
され、第2のプライマー対は第1の対と同じユニバーサル捕捉領域を有するが、3’ブロッ
クされる。例は、図1.3および1.4を参照。3’-および/または5’-端にて隣接するユニバ
ーサルプライマー領域を有する標的ポリヌクレオチドはウェルにおいて捕捉され、第1の
対のアンブロック化された捕捉プライマーは伸長され、およびKEAの第1のラウンドは標的
ポリヌクレオチドのモノクローナル集団のウェル内での形成をもたらす。例は、図1.5を
参照。ユニバーサル捕捉プライマーの第2の対はデブロック化され、およびKEAまたはブリ
ッジ増幅の第2ラウンドが続き、標的ポリヌクレオチドのモノクローナル集団がウェルの
境界を越えて拡大する。例は、図1.6および1.7を参照。
【0252】
いくらかの実施態様では、少なくとも1つの第1の捕捉プライマー対のプライマーは、ユ
ニバーサル捕捉領域を含む。いくらかの実施態様では、少なくとも1つの第1の捕捉プライ
マー対の第1の捕捉プライマーはIllumina(R)P5プライマーヌクレオチド配列を含み、少な
くとも1つの第1の捕捉プライマー対の第2の捕捉プライマーはIllumina(R)P7プライマーヌ
クレオチド配列を含む。いくらかの実施態様では、複数の標的ポリヌクレオチドは、1つ
以上のユニバーサル捕捉領域によって隣接される。
【0253】
いくらかの実施態様では、少なくとも1つの第2の捕捉プライマー対のプライマーは、3
’端でブロック化される。いくらかの実施態様では、ユニバーサル捕捉領域は、Illumina
(R)P5プライマーヌクレオチド配列またはIllumina(R)P7プライマーヌクレオチド配列を含
む。いくらかの実施態様では、本方法は、第1のKEAを実行して後に、少なくとも1つの第2
の捕捉プライマー対のプライマーをデブロック化することをさらに含む。いくらかの実施
態様において、少なくとも1つの第2の捕捉プライマー対のプライマーは、T4-キナーゼを
用いてデブロック化される。いくらかの実施態様では、本方法は、標的ポリヌクレオチド
アンプリコンのモノクローナル集団を拡大するために、ブリッジ増幅または第2のKEAを実
行することをさらに含む。
【0254】
いくらかの実施態様では、少なくとも1つの第2の捕捉プライマー対のプライマーは、3
’端でアンブロック化される。
【0255】
別の態様では、ここには、核酸を増幅する方法が提供され、それには、a)基材上に第1
の層を生成することであり、そこでは、基材は、少なくとも1つのウェル、ウェルを取り
囲む表面および内側ウェル表面を含み、そこでは、第1の層は内側ウェル表面を少なくと
も部分的に覆い;b)少なくとも1つの第1の捕捉プライマー対を第1の層において堆積させ
ることであり、そこでは、第1の捕捉プライマー対は、Illumina(R)P5プライマーヌクレオ
チド配列を含めて3’部分が含まれる複数の第1の捕捉プライマーおよびIllumina(R)P7プ
ライマーヌクレオチド配列を含めて3’部分を含む複数の第2の捕捉プライマーを含み;c
)第1の層およびウェルを取り囲む表面を覆う第2の層を基材上に生成すること;d)第2の
層において少なくとも1つの第2の捕捉プライマー対を堆積することであり、そこでは、第
2の捕捉プライマー対は3’リン酸終端をなし、およびIllumina(R)P5プライマーヌクレオ
チド配列を含めて3’部分を含む複数の第1の捕捉プライマーおよびIllumina(R)P7プライ
マーヌクレオチド配列を含めて3’部分を含む複数の第2の捕捉プライマーを含み;e)複
数の標的ポリヌクレオチドを含む試料を、ウェルあたりで単一な標的ポリヌクレオチドに
ついて少なくとも1つの第1の捕捉プライマー対のプライマーとハイブリダイズするのに十
分な条件下で、基材と接触させることであり、そこでは、標的ポリヌクレオチドは、ユニ
バーサルプライマー領域であってそれぞれがIllumina(R)P5’プライマーヌクレオチド配
列またはIllumina(R)P7’プライマーヌクレオチド配列を含むものによって隣接され;f)
少なくとも1つのウェル内の単一標的ポリヌクレオチドからのアンプリコンのモノクロー
ナル集団を生成するためい、第1のKEAを実行することであり、それによって、標的ポリヌ
クレオチドが増幅され;g)第2のプライマー対のプライマーをデブロック化するために、
基材をT4キナーゼと接触させること、およびh)単一標的ポリヌクレオチドのアンプリコ
ンのモノクローナル集団がウェルを超えて拡大するために、ブリッジ増幅または第2のKEA
を実行することが含まれる。このような方法の模範的な例示は、たとえば、図1に見出せ
る。
【0256】
別の態様では、ここには、核酸を増幅するための方法が提供され、それには、a)基材
上に第1の層を生成することであり、そこでは、基材は、少なくとも1つのウェル、ウェル
を取り囲む表面および内側ウェル表面を含み、そこでは、第1の層は内側ウェル表面を覆
い;b)少なくとも1つの第1の捕捉プライマー対を第1の層において堆積すること;c)第1
の層およびウェルを取り囲む表面を覆う第2の層を基材上に生成すること;d)複数の標的
ポリヌクレオチドを含む試料を、標的ポリヌクレオチドについて少なくとも1つの第1の捕
捉プライマー対の捕捉プライマーとハイブリダイズするのに十分な条件下で、基材と接触
させること、およびe)ウェル内に標的ポリヌクレオチドからのアンプリコンのモノクロ
ーナル集団を生成するために、第1のKEAを実行することであり、それによって標的ポリヌ
クレオチドが増幅されることが含まれる。
【0257】
いくらかの実施態様では、第1の層はマイクロアレイのウェルにおいて生成され、およ
び第1の対の捕捉プライマーは第1の層において堆積される。例は、図2.1および2.2を参照
。第1の対の捕捉プライマーの捕捉プライマーは、ユニバーサル捕捉領域およびSBSを含み
得る。第2の層は生成され、第1の層およびウェルを囲むマイクロアレイ表面が覆われ、お
よび第2の対の捕捉プライマーは第2の層において堆積される。第2の対の捕捉プライマー
は、アンブロック化され、および第1の対の捕捉プライマーと同じユニバーサル捕捉領域
を含むことができる。例は、図2.3および2.4を参照。隣接するSBS領域を有する標的ポリ
ヌクレオチドはウェルにおいて捕捉され、第1の対の捕捉プライマーは伸長され、およびK
EAの第1のラウンドはウェル内に標的ポリヌクレオチドのモノクローナル集団の形成をも
たらす。例は、図1.6(上部パネルおよび中央パネル)を参照。KEAは継続することができ
、および継続されたKEAは、第2の層において捕捉プライマーの第2の対を用いて、標的ポ
リヌクレオチドのモノクローナル集団を、ウェルを超えて拡大させる。例は、図2.6(下
部パネル)を参照。
【0258】
いくらかの実施態様では、少なくとも1つの第2のプライマー対のプライマーは、ユニバ
ーサル捕捉領域を含む。いくらかの実施態様では、少なくとも1つの第1の捕捉プライマー
対のプライマーはSBSをさらに含む。いくらかの実施態様において、少なくとも1つの第1
のプライマー対の第1のプライマーは、Illumina(R)P5プライマーヌクレオチド配列および
Illumina(R)SBS3プライマーヌクレオチド配列を含み、および少なくとも1つの第1のプラ
イマー対の第2のプライマーは、Illumina(R)P7プライマーヌクレオチド配列およびIllumi
na(R)SBS8プライマーヌクレオチド配列を含む。いくらかの実施態様では、複数の標的ポ
リヌクレオチドは1つ以上のSBSsによって隣接される。
【0259】
いくらかの実施態様において、第1のKEAは、少なくとも1つのウェルを超えてアンプリ
コンのクローン集団を拡大するために長期間実行される。
【0260】
別の態様では、ここには、核酸を増幅するための方法が提供され、それには、a)基材
上に第1の層を生成することであり、そこでは、基材は、少なくとも1つのウェル、ウェル
を取り囲む表面および内側ウェル表面を含み、そこでは、第1の層は内側ウェル表面を少
なくとも部分的に覆い;b)少なくとも1つの第1の捕捉プライマー対を第1の層において堆
積することであり、そこでは、第1の捕捉プライマー対は、Illumina(R)P5プライマーヌク
レオチド配列およびIllumina(R)SBS3プライマーヌクレオチド配列を含めて3’部分を含む
複数の少なくとも1つの第1の捕捉プライマーおよびIllumina(R)P7プライマーヌクレオチ
ド配列およびIllumina(R)SBS8プライマーヌクレオチド配列を含めて3’部分を含む複数の
少なくとも1つの第2の捕捉プライマーが含まれ;c)第2の層を基材上に生成することであ
り、第1の層およびウェルを取り囲む表面が覆われ;d)少なくとも1つの第2の捕捉プライ
マー対を第2の層において堆積することであり、そこでは、少なくとも1つの第2の捕捉プ
ライマー対は、Illumina(R)P5プライマーヌクレオチド配列を含めて3’部分を含む複数の
第1の捕捉プライマー、およびIllumina(R)P7ヌクレオチド配列を含めて3’部分を含む複
数の第2の捕捉プライマーを含み;e)複数の標的ポリヌクレオチドを含む試料を、ウェル
あたり単一な標的ポリヌクレオチドについて少なくとも1つの第1の捕捉プライマー対のプ
ライマーとハイブリダイズするのに十分な条件下で、基材と接触させることであり、そこ
では、複数の標的ポリヌクレオチドは、SBSであってそれぞれがIllumina(R)SBS3’プライ
マーヌクレオチド配列またはIllumina(R)SBS8’ヌクレオチド配列を含むものによって隣
接され、およびf)少なくとも1つのウェルの内外で単一な標的ポリヌクレオチドからのア
ンプリコンのモノクローナル集団を生成するために、長期間KEAを実行することであり、
それによって、ウェル内の単一の標的ポリヌクレオチドが増幅され、および少なくとも1
つのウェルを越えて標的ポリヌクレオチドのモノクローナル集団が拡大されることが含ま
れる。そのような方法の模範的な例示は、たとえば、図2に見られる。
【0261】
ここに提供されるいくらかの方法では、第1の層はマイクロアレイのウェルにおいて生
成され、および第1の対の捕捉プライマーは第1の層において堆積される。例は、図3.1お
よび3.2を参照。第1の対の捕捉プライマーの捕捉プライマーは、ユニバーサル捕捉領域を
含む。第2の層が生成され、ウェルの周囲の第1の層およびマイクロアレイ表面が覆われる
。例は、図3.2を参照。隣接するユニバーサル捕捉領域を有する標的ポリヌクレオチドは
ウェルにおいて捕捉され、第1の対の捕捉プライマーが伸長され、および第1ラウンドのKE
Aはウェル内で標的ポリヌクレオチドのモノクローナル集団の形成をもたらす。例は、図3
.4を参照。捕捉プライマーの第2の対は第2の層において堆積される。第2の対の捕捉プラ
イマーは、アンブロック化され、および第1の対の捕捉プライマーと同じユニバーサル捕
捉領域を含むことができる。例は、図3.5を参照。標的ポリヌクレオチドのモノクローナ
ル集団を、第2の層の捕捉プライマーの第2の対を使用してウェルを越えて拡大するために
、第2のKEAまたはブリッジ増幅が行われる。例は、図3.6を参照。
【0262】
いくらかの実施態様において、少なくとも1つの第2の捕捉プライマー対は、第1のKEAを
実行して後に堆積される。いくらかの実施態様では、少なくとも1つの第1の捕捉プライマ
ー対および少なくとも1つの第2の捕捉プライマー対のプライマーは、ユニバーサル捕捉領
域を含む。いくらかの実施態様では、ユニバーサル捕捉領域は、Illumina(R)P5プライマ
ーヌクレオチド配列またはIllumina(R)P7プライマーヌクレオチド配列を含む。いくらか
の実施態様では、本方法は、ブリッジ増幅または第2のKEAを、少なくとも1つのウェルを
超えて標的ポリヌクレオチドアンプリコンのクローン集団を拡大するために実行すること
をさらに含む。
【0263】
別の態様では、ここには、核酸を増幅するための方法が提供され、それには、a)基材
上に第1の層を作成することであり、そこでは、基材は、少なくとも1つのウェル、ウェル
を取り囲む表面、および内側ウェル表面を含み、そこでは、第1層は内側ウェル表面を少
なくとも部分的に覆い;b)少なくとも1つの第1の捕捉プライマー対を第1の層において堆
積させることであり、そこでは、第1のプライマー対は、Illumina(R)P5プライマーヌクレ
オチド配列を含めて3’部分を含む複数の第1の捕捉プライマー、およびIllumina(R)P7プ
ライマーヌクレオチド配列を含めて3’部分を含む複数の第2の捕捉プライマーを含み;d
)第2の層を基材上に生成することであり、第1の層およびウェルを取り囲む表面が覆われ
;d)複数の標的ポリヌクレオチドを含む試料を、ウェルあたり単一な標的ポリヌクレオ
チドについて少なくとも1つの第1の捕捉プライマー対のプライマーとハイブリッド形成す
るのに十分な条件下で、基材と接触させることであり、そこでは、複数のポリヌクレオチ
ドは、ユニバーサルプライマー領域であってそれぞれがIllumina(R)P5’プライマーヌク
レオチド配列またはIllumina(R)P7’プライマーヌクレオチド配列を含むものによって隣
接され;e)少なくとも1つのウェルの内部で単一標的ポリヌクレオチドからアンプリコン
のモノクローナル集団を生成するために、第1のKEAを実行することであり、それによって
、標的ポリヌクレオチドが増幅され;f)少なくとも1つの第2の捕捉プライマー対を第2の
層において堆積することであり、そこでは、少なくとも1つの第2の捕捉プライマー対は、
Illumina(R)P5プライマーヌクレオチド配列を含めて3’部分を含む複数の第1の捕捉プラ
イマー、およびIllumina(R)P7プライマーヌクレオチド配列を含めて3’部分を含む複数の
第2の捕捉プライマーを含み、およびg)単一な標的ポリヌクレオチドのアンプリコンのモ
ノクローナル集団を拡大するために、ブリッジ増幅または第2のKEAを実行することが含ま
れる。そのような方法の模範的な例示は、たとえば、図3に見られる。
【0264】
ここに提供される方法は、固定化された標的ポリヌクレオチドのモノクローナル集団を
、5%超、10%超、15%超、20%超、25%超、30%超、35%超、40%超、45%超、50%超
、55%超、60%超、65%超、70%超、75%超、80%超、85%超、90%超、95%超、または
100%超だけ拡大することができる。モノクローナル集団のサイズおよび拡大は、例は、
モノクローナル集団の直径に関して、モノクローナル集団内の標的ポリヌクレオチドアン
プリコンの数に関して、または配列決定反応中のモノクローナル集団によって生じる相対
的信号強度に関してのいずれかでも測定することができる。
【0265】
いくらかの実施態様では、ここに提供される方法は、KEAに好都合でない大きさのより
一層大きなウェルにおけるワンステップ増幅プロセスを含む。例は、図4を参照。拡大さ
れたウェルは、DNAシーケンシングライブラリーから標的ポリヌクレオチドを捕捉するた
めの小量(low-abundance)の捕捉プライマーおよび捕捉された標的ポリヌクレオチドを
増幅するための多量(high-abundance)の捕捉プライマーを含むことができ、それによっ
て、より一層大きなウェルの範囲内に固定化された標的ポリヌクレオチドのモノクローナ
ル集団が生成される。
【0266】
別の態様では、ここには、核酸を増幅するための方法が提供され、それには、a)基材
上に層を生成することであり、そこでは、基材は、少なくとも1つのウェル、ウェルを取
り囲む表面および内側ウェル表面を含み、そこでは、層は内側ウェル表面を少なくとも部
分的に覆い;b)少なくとも1つの第1の捕捉プライマー対および少なくとも1つの第2の捕
捉プライマー対を層において堆積させることであり、そこでは、少なくとも1つの第1の捕
捉プライマー対のプライマー密度は少なくとも第2のプライマー対のプライマー密度より
高く;c)複数の標的ポリヌクレオチドを含む試料を、ウェルあたりの単一の標的ポリヌ
クレオチドについて第二のプライマーとハイブリッド形成するのに十分な条件下で接触さ
せること、およびd)ウェル内で第2のプライマーにハイブリダイズされる単一の標的ポリ
ヌクレオチドからアンプリコンのモノクローナル集団を生成するために、KEAを実行する
ことであり、それによって、単一の標的ポリヌクレオチドが増幅されることが含まれる。
そのような方法の模範的な例示は、たとえば、図4に見られる。
【0267】
いくらかの実施態様では、ウェルは約1μmの直径を有する。いくらかの実施態様では、
ウェルは約1μm以上の直径を有する。いくらかの実施態様では、ウェルは約1μm以下の直
径を有する。
【0268】
いくらかの実施態様では、ウェルあたりの単一の標的ポリヌクレオチドについて第2の
プライマーとハイブリッド形成するのに十分な条件は、低濃度の標的ポリヌクレオチドま
たはDNA配列決定ライブラリーを含む。いくらかの実施態様では、ウェルあたりの単一の
標的ポリヌクレオチドについて第2のプライマーとハイブリダイズするのに十分な条件は
、KEAによって第1の捕捉された標的ポリヌクレオチドの迅速な増幅を含む。KEAによって
最初に捕捉された標的ポリヌクレオチドの迅速な増幅は、第2の標的ポリヌクレオチドが
、第1の捕捉された標的ポリヌクレオチドと同じウェルについて捕捉プライマーにハイブ
リダイズするのを妨げることができる。
【0269】
いくらかの実施態様では、複数の標的ポリヌクレオチドは、SBSsであってそれぞれがIl
lumina(R)SBS3’プライマーヌクレオチド配列またはIllumina(R)SBS8’プライマーヌクレ
オチド配列を含むものによって隣接される。
【0270】
いくらかの実施態様において、少なくとも1つの第1の捕捉プライマー対のプライマーは
、ユニバーサル捕捉領域を含む。いくらかの実施態様において、少なくとも1つの第1の捕
捉プライマー対は、Illumina(R)P5プライマーヌクレオチド配列を含む複数の第1の捕捉プ
ライマーおよびIllumina(R)P7プライマーヌクレオチド配列を含む複数の第2の捕捉プライ
マーを含む。
【0271】
いくらかの実施態様では、少なくとも1つの第2の捕捉プライマー対のプライマーは、ユ
ニバーサル捕捉領域およびSBSを含む。いくらかの実施態様において、少なくとも1つの第
2の捕捉プライマー対は、Illumina(R)P5プライマーヌクレオチド配列およびIllumina(R)S
BS3プライマーヌクレオチド配列を含む複数の第1の捕捉プライマーおよびIllumina(R)P7
プライマーヌクレオチド配列およびIllumina(R)SBS8プライマーヌクレオチド配列を含む
第2の複数の捕捉プライマーを含む。
【0272】
別の態様では、ここには、基材上に固定化される捕捉プライマーを修飾するための方法
が提供される。具体的には、ここに提供される方法は、パターン化されたフローセルのウ
ェルにおいてユニバーサル捕捉プライマーを、パターン化フローセルの1つ以上のウェル
にモノクローナル標的ポリヌクレオチド特異的捕捉プライマーを生成するために、および
モノクローナル標的ヌクレオチド特異的捕捉ウェルまたはパッドをパターン化されたフロ
ーセル上に生成するために、修飾することを可能にする。例は、図10を参照。本方法は、
パターン化されたフローセルでの鋳型核酸ライブラリーの排除増幅(exclusion amplific
ation)(KEAによる)を含むことができる。ここに提供されるいくらかの方法の模範的な
例示が、たとえば、図6および7に示される。各鋳型核酸は、1つ以上の標的特異的捕捉領
域を含み得る。例は、図6A-dを参照。パターン化されたフローセル上の鋳型核酸ライブラ
リーの排除増幅は、パターン化されたフローセルの1つ以上のウェルまたはパッドにおけ
る鋳型核酸アンプリコンのモノクローナル集団の形成をもたらす。例は、図7Aを参照。鋳
型核酸アンプリコンのモノクローナル集団のさらなる処理、例は、制限酵素を用いたもの
は、ユニバーサル捕捉領域および標的特異的捕捉領域を含むキメラ捕捉プライマー、およ
び再生されたユニバーサル捕捉プライマーを産生することができる。例は、図7B-Cを参照
。いくらかの実施態様では、複数のモノクローナル標的特異的ウェルまたはパッドは、異
なるウェルまたはパッドが目的の異なる標的ポリヌクレオチドを標的特異的に捕捉するこ
とができるように、パターン化フローセル上に形成される。例は、図7Dを参照。
【0273】
ここに提供される方法は、鋳型核酸を固定化された捕捉プライマーにハイブリダイズさ
せることを含むことができる。例は、図7Aを参照。鋳型核酸は、その3’端および/または
5’端に隣接するユニバーサルキャプチャー領域、標的特異的キャプチャー領域、および1
つ以上の制限部位を含むことができる。例は、図6A-図6Dを参照。鋳型核酸は、鋳型の隣
接するユニバーサル捕捉領域およびプライマーの3’端ユニバーサル捕捉領域のうちの1つ
以上を介して固定された捕捉プライマーとハイブリダイズすることができる。例は、図7A
を参照。
【0274】
いくらかの実施態様では、複数の鋳型核酸は、複数の固定化された捕捉プライマーとハ
イブリッド形成される。複数の鋳型核酸は、複数の同じ鋳型核酸および/または複数の異
なる鋳型核酸を含むことができる。異なる鋳型核酸は、例は、異なる標的特異的捕捉領域
を有することによって、または異なる位置に同じ標的特異的捕捉領域を有することによっ
て、他のものに達することから区別することができる。
【0275】
鋳型核酸を、パターン化されたフローセル上に固定化された捕捉プライマーとハイブリ
ダイズさせるとき、ハイブリダイゼーション条件は、パッドあたり単一の鋳型核酸だけが
パッドにおいて固定化された捕捉プライマーとハイブリダイズするように調節することが
できる。パッド当たり単一の鋳型核酸だけのハイブリダイゼーションは、パターン化され
たフローセルにて1つ以上のパッド上で生じ得る。パターン化されたフローセルの2つ以上
のパッドは、それぞれ、同じ核酸配列(例は、同じ標的特異的捕捉配列)または異なる核
酸配列(例は、異なる標的特異的捕捉配列)を有する単一鋳型核酸とハイブリッド形成さ
れ得る。
【0276】
標的核酸とハイブリダイズした捕捉プライマーは、鋳型核酸に相補的である固定化され
た伸長生成物を形成させるために、伸長させる。パターン化されたフローセルでは、1つ
以上のパッドは、単一の伸長生成物だけを有することができる。パターン化されたフロー
セル上の2つ以上のパッドは、それぞれ、同じ核酸配列または異なる核酸配列を有する単
一の伸長生成物を有することができる。異なる伸長生成物は、例は、異なる標的特異的捕
捉領域を有することによって、または異なる位置に同じ標的特異的捕捉領域を有すること
によって、区別することができる。
【0277】
伸長生成物の3’端は、その相補的3’端ユニバーサル捕捉領域を介して伸長していない
固定化捕捉プライマーとハイブリダイズすることができ、それによって、ブリッジ構造が
形成される。ブリッジ増幅の1回以上のラウンドを、単一の伸長生成物から固定化された
鋳型核酸のモノクローナルクラスターをパッドごとに形成するために行う。パターン化さ
れたフローセル上の異なるパッドは、同じ固定化鋳型核酸または異なる固定化鋳型核酸の
モノクローナルクラスターを有することができる。
【0278】
固定化された鋳型核酸は、固定化されたキメラ捕捉プライマーおよび再生されたユニバ
ーサル捕捉プライマーを生成するために、制限酵素で切断されることができる。例は、図
7B-Cを参照。キメラ捕捉プライマーはそれぞれ、捕捉領域および標的特異的捕捉領域を有
する。パターン化されたフローセル上では、1つ以上のパッドの各々が、同じである複数
のキメラ捕捉プライマーを有する。例は、図7Cを参照。パターン化されたフローセルでの
2つ以上のパッドは、同じキメラ捕捉プライマーまたは異なるキメラ捕捉プライマーであ
る複数存在するキメラ捕捉プライマーを有することができる。例は、図7Dを参照。異なる
キメラ捕捉プライマーは、例は、異なる標的特異的捕捉領域を有することによって区別す
ることができる。再生されたユニバーサル捕捉プライマーは、切断されたユニバーサル捕
捉領域またはヌクレオチド伸長を有する3’終端を有することができる。いくつかのヌク
レオチド伸長には、部分的な制限部位が含まれ得る。
【0279】
別の態様では、本開示は、固定化された捕捉プライマーを修飾するための方法を提供し
、それには、a)複数の固定化された捕捉プライマーを含む基材を、少なくとも1つの鋳型
核酸と、少なくとも1つの固定化された鋳型核酸を生成するために、ハイブリダイゼーシ
ョンに十分な条件下で接触させることであり、そこでは、複数の固定化された捕捉プライ
マーは、3’-ターミナルユニバーサル捕捉領域Yを含む第1の複数のプライマーおよび3’
ターミナルユニバーサル捕捉領域Zを含む第2の複数のプライマーを含み、およびそこでは
、各鋳型核酸は、5’ターミナルおよび3’ターミナルユニバーサル捕捉領域YまたはZによ
って隣接され、および1つ以上の制限部位および5’ターミナルユニバーサル捕捉領域およ
び1つ以上の制限部位の間または3’ターミナルユニバーサル捕捉領域および1つ以上の制
限部位の間の標的特異捕捉領域を含み、およびb)鋳型核酸にハイブリダイズされた少な
くとも1つの固定された捕捉プライマーを、少なくとも1つの鋳型核酸に相補的な少なくと
も1つの固定化された伸長生成物を生成するために伸長することが含まれる。
【0280】
いくらかの実施態様では、鋳型核酸のユニバーサル捕捉領域Yおよび/またはZは、固定
化された捕捉プライマーのユニバーサル捕捉領域において核酸配列と同じ核酸配列を含む
ことができる。
【0281】
いくらかの実施態様において、鋳型核酸のユニバーサル捕捉領域Yおよび/またはZは、
固定化された捕捉プライマーのユニバーサル捕捉領域において核酸配列に相補的な核酸配
列を含み得る。
【0282】
いくらかの実施態様では、鋳型核酸の第1のユニバーサル捕捉領域YまたはZは、第1の固
定化された捕捉プライマーのユニバーサル捕捉領域において核酸配列に相補的な核酸配列
を含むことができ、および鋳型核酸の第2のユニバーサル捕捉領域YまたはZは、第2の固定
化された捕捉プライマーのユニバーサル捕捉領域において核酸配列と同じ核酸配列を含む
ことができる。
【0283】
ユニバーサル捕捉領域YまたはZは、同じ核酸配列または異なる核酸配列を有することが
できる。ユニバーサル捕捉領域Yは、鋳型核酸の3’端または5’端にあり得る。ユニバー
サル捕捉領域Zは、鋳型核酸の3’端または5’端にあり得る。ユニバーサル捕捉領域Yまた
はZは、任意のユニバーサル捕捉領域を含むことができる。
【0284】
いくらかの実施態様では、鋳型核酸は、第1のユニバーサル捕捉領域で、第1の固定化さ
れた捕捉プライマーのユニバーサル捕捉領域の核酸配列を含むその3’端または5’端での
もの、および第2のユニバーサル捕捉領域で、第1のユニバーサル捕捉領域からの対向する
(3’-または5-’)端でのものを含み、それによって、第2のユニバーサル捕捉領域は、
第2の固定化された捕捉プライマーのユニバーサル捕捉領域に相補的な核酸配列を含む。
【0285】
いくらかの実施態様では、鋳型核酸は、第1のユニバーサル捕捉領域Yで、第1の固定化
された捕捉プライマーのユニバーサル捕捉領域Y’のヌクレオチド配列を含むもの、およ
び第2のユニバーサル捕捉領域Z’で、第2の固定化された捕捉プライマーのユニバーサル
捕捉領域Zのヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチド配列を含むその3’端でのものを含
む。
【0286】
いくらかの実施態様では、鋳型核酸は、第1のユニバーサル捕捉領域Zで、第1の固定化
された捕捉プライマーのユニバーサル捕捉領域Z’のヌクレオチド配列を含むその5'端で
のもの、および第2のユニバーサル捕捉領域Y’で、第2の固定捕捉プライマーのユニバー
サル捕捉領域Yのヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチド配列を含むその3'端でのもの
を含む。
【0287】
いくらかの実施態様では、鋳型核酸は、第1のユニバーサル捕捉領域Y’で、第1の固定
化された捕捉プライマーのユニバーサル捕捉領域Yのヌクレオチド配列を含むその5'端で
のもの、および第2のユニバーサル捕捉領域Zで、第2の固定化された捕捉プライマーのユ
ニバーサル捕捉領域Z’のヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチド配列を含むその3’端
でのものを含む。
【0288】
いくらかの実施態様では、鋳型核酸は、第1のユニバーサル捕捉領域Z’で、第1の固定
化された捕捉プライマーのユニバーサル捕捉領域Zのヌクレオチド配列を含むその5’端で
のもの、および第2のユニバーサル捕捉領域Yで、第2の固定化された捕捉プライマーのユ
ニバーサルキャプチャー領域Y’のヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチド配列を含む
その3’端でのものを含む。
【0289】
いくらかの実施態様では、鋳型核酸は、Illumina(R)P7プライマーのヌクレオチド配列
を含むその5’端での第1のユニバーサル捕捉領域、およびIllumina(R)P5プライマーのヌ
クレオチド配列に相補的なヌクレオチド配列を含むその3’端での第2のユニバーサル捕捉
領域を含む。例は、図7Aを参照。
【0290】
いくらかの実施態様では、鋳型核酸は、Illumina(R)P7プライマーのヌクレオチド配列
を含むその3’端での第1のユニバーサル捕捉領域、およびIllumina(R)P5プライマーのヌ
クレオチド配列に相補的なヌクレオチド配列を含むその5’端での第2のユニバーサル捕捉
領域を含む。
【0291】
いくらかの実施態様では、鋳型核酸は、Illumina(R)P5プライマーのヌクレオチド配列
を含むその5’端での第1のユニバーサル捕捉領域、およびIllumina(R)P7プライマーのヌ
クレオチド配列に相補的なヌクレオチド配列を含むその3’端での第2のユニバーサル捕捉
領域を含む。
【0292】
いくらかの実施態様では、鋳型核酸は、Illumina(R)P5プライマーのヌクレオチド配列
を含むその3’端での第1のユニバーサル捕捉領域、およびIllumina(R)P7プライマーのヌ
クレオチド配列に相補的なヌクレオチド配列を含むその5’端での第2のユニバーサル捕捉
領域を含む。
【0293】
鋳型核酸は、1つ以上の標的特異的捕捉領域を有することができる。標的特異的捕捉領
域は、8を超え、10を超え、12を超え、14を超え、16を超え、16を超え、18を超え、20を
超え、22を超え、24を超え、26を超え、28を超え、または30を超える核酸を含む。いくら
かの標的特異的捕捉領域は、10および20の間の核酸の標的特異的捕捉配列を有する。いく
らかの鋳型核酸において、1つ以上の標的特異的捕捉領域は、3’ターミナルユニバーサル
捕捉領域および制限部位の間または5’ターミナルユニバーサル捕捉領域および制限部位
の間に位置することができる。例は、図6AおよびBを参照。
【0294】
鋳型核酸は、2つ以上の標的特異的捕捉領域を有することができる。例は、図6Cを参照
。2つ以上の標的特異的捕捉領域は、同じ標的特異的捕捉領域または異なる標的特異的捕
捉領域であり得る。いくらかの鋳型核酸は、第1および第2の標的特異的捕捉領域を有する
。第1の標的特異的捕捉領域は、3'ターミナルユニバーサル捕捉領域および第1の制限部位
の間に位置することができ、および第2の標的特異的捕捉領域は、5’ターミナルユニバー
サル捕捉領域および第2の制限部位の間に位置することができる。第1および第2の標的特
異的捕捉領域は、同じ標的特異的捕捉領域または異なる標的特異的捕捉領域であり得る。
【0295】
いくらかの実施態様では、少なくとも1つの鋳型核酸は、2つの制限部位および2つの制
限部位の間のスペーサー領域を含む。いくらかの実施態様では、2つの制限部位はSapI制
限部位である。いくらかの実施態様では、スペーサー領域は約150塩基を含む。
【0296】
少なくとも1つの鋳型核酸は複数の鋳型核酸であり得る。複数の鋳型核酸は複数の同じ
鋳型核酸または複数の異なる鋳型核酸であり得る。いくらかの方法では、少なくとも1つ
の鋳型核酸は、2を超え、3を超え、5を超え、8を超え、10を超え、15を超え、20を超え、
30を超え、100を超え、300を超え、1,000を超え、3000を超え、10,000を超え、30,000を
超え、100,000を超え、300,000を超え、または1,000,000を超える異なる鋳型核酸を含む
。異なる鋳型核酸の各々は複数の鋳型核酸であり得、それらは同じである。
【0297】
鋳型核酸は、1つ以上の制限部位を有することができる。いくらかの鋳型核酸は、2つ以
上の制限部位を有する。2つ以上の制限部位は同じ制限部位または異なる制限部位であり
得る。いくつかの鋳型核酸は1つ以上のSapI制限部位を有することができる。いくつかの
鋳型核酸は、5’-GCTCTTC-3’核酸配列または5’-GAAGACG-3’ヌクレオチド配列を含む制
限部位を有する。いくつかの鋳型核酸は、5’-GCTCTTCN/NNN-3’核酸配列または5’-N/NN
NGAAGACG-3’核酸配列を含む制限部位を有する。例は、図6Dを参照。
【0298】
鋳型核酸の2つ以上の制限部位はスペーサー領域によって随意に分けることができる。
スペーサー領域の長さは、2つの固定化された捕捉プライマーへの、その隣接する捕捉領
域を介しての鋳型核酸のハイブリダイゼーションを容易にし、およびブリッジ形成を促進
するために最適化することができる。例は、図6Aおよび7Aを参照。スペーサー領域の長さ
は、3を超え、5を超え、8を超え、10を超え、15を超え、20を超え、25を超え、50を超え
、75を超え、100を超え、125を超え、150を超え、175を超え、200を超え、225を超え、ま
たは250を超える核酸を含む。いくつかの鋳型核酸は、約150核酸のスペーサー領域を有す
る。
【0299】
鋳型核酸は、1つ以上の追加の領域、たとえば、SBSなどのようなものを含むことができ
る。追加の領域は鋳型核酸でのどこにでも位置することができる。たとえば、SBSは、例
として、標的特異的領域および3’ターミナルユニバーサル捕捉領域の間に位置すること
ができる。いくつかの鋳型核酸は2つ以上のSBSを含み得る。
【0300】
いくらかの実施態様では、基材は複数のパッドを含むパターン化されたフローセルであ
る。例は、図7A-Cを参照。いくらかの実施態様では、複数のパッドは、マイクロアレイと
して配置された複数のウェルである。いくらかのパターン化フローセルは、3を超え、10
を超え、30を超え、100を超え、300を超え、1,000を超え、3,000を超え、10,000を超え、
30,000を超え、100,000を超え、300,000を超え、または1000,000を超えるパッドを有する
ことができる。いくらかの実施態様では、複数のパッドの各パッドは、3'末端ユニバーサ
ル捕捉領域Yを含む第1の複数の固定化されたユニバーサル捕捉プライマーおよび3'末端ユ
ニバーサル捕捉領域Zを含む第2の複数の固定化されたユニバーサル捕捉プライマーを含む
。例は、図7A参照。
【0301】
いくらかの実施態様では、パッド当たりの単一の鋳型核酸は、複数のパッドにおいて1
つ以上のパッドでのパッド当たり単一の捕捉プライマーにハイブリダイズする。例は、図
10を参照。複数のパッドの2つ以上のパッドにおいて、2つ以上のパッドの各々における単
一の捕捉プライマーにハイブリダイズする単一の鋳型核酸は、同じ標的特異的捕捉領域ま
たは異なる標的特異的捕捉領域を含む鋳型核酸でありうる。
【0302】
単一の鋳型核酸とハイブリダイズする単一の捕捉プライマーは、鋳型核酸に相補的な単
一の固定化された伸長生成物を形成するために、例は、DNA重合によって伸長させること
ができる。パターン化されたフローセルでは、1つ以上のパッドがそれぞれ固定化された
単一の伸長生成物のみを有することができる。パターン化されたフローセルの2つ以上の
パッドにおいて、単一の固定化伸長生成物は、同じ標的特異的捕捉領域または異なる標的
特異的捕捉領域を含むことができる。
【0303】
いくらかの実施態様では、パッド当たり単一の固定化された伸長生成物は、パターン化
されたフローセルの複数のパッドの1つ以上のパッドにおいて生成される。例は、図10
参照。いくらかの実施態様において、複数のパッドでは、パッド当たりの単一の固定化さ
れた伸長生成物は、同じ鋳型核酸に相補的である。いくらかの実施態様では、複数のパッ
ドにおいて、パッド当たりの単一の固定化された伸長生成物は、2つ以上の異なる鋳型核
酸に相補的である。いくらかの実施態様では、パッドあたりの単一の固定化された伸長生
成物は、複数のパッドの少なくとも1%、少なくとも3%、少なくとも5%、少なくとも10
%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60
%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なく
とも99%のパッドにおいて異なる鋳型核酸に相補的である。いくらかの実施態様では、パ
ッド当たり単一の固定化された伸長生成物は、複数のパッドの1%、5%、10%、20%、30
%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、または99%を超えるパッドにおいて生
成される。いくらかの実施態様では、パッド当たり単一の固定化された伸長生成物は、複
数のパッドの100%、95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、5
%、または1%未満のパッドにおいて生成される。
【0304】
いくらかの実施態様では、本方法は、固定化された二重鎖鋳型核酸の少なくとも1つの
モノクローナルクラスターを生成するために、少なくとも1つの固定化された伸長生成物
をポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって増幅することをさらに含む。固定化された二重
鎖鋳型核酸のモノクローナルクラスターは、複数の固定化された二重鎖鋳型核酸を含む。
たとえば、モノクローナルクラスターは、3を超え、10を超え、30を超え、100を超え、30
0を超え、1,000を超え、3,000を超え、10,000を超え、30,000を超え、100,000を超え、30
0,000を超え、または1,000,000を超える固定化された二重鎖鋳型核酸を含むことができる
【0305】
ここに提供される方法において、PCRによる増幅は、ブリッジ増幅またはKEAを含み得る
。例は、図8Cを参照。
【0306】
図11-15は、標的特異的捕捉領域を含む改変された捕捉プライマーを形成するために、
固定化された二重鎖鋳型核酸のモノクローナルクラスターを変換するための方法の模範的
な実施態様を示す。個々の対の二重鎖鋳型核酸の変換が示される。
【0307】
図11は、単一のSapI制限部位を含む固定化された二重鎖鋳型核酸を処理するために模範
的な方法を例示する。鋳型核酸は、3’端(P7’;Illumina(R)P7プライマー配列に相補的
)および5'端(P5;Illumina(R)P5プライマー配列を含む)でのユニバーサル捕捉領域、
標的特異的捕捉領域(CP)およびシークエンシングプライマー結合部位(SBS)を含む。
図11の固定化された二重鎖鋳型核酸のSapI消化は、ユニバーサル捕捉領域(P7)および標
的特異的捕捉領域(CP)を含む固定化二本鎖キメラ捕捉プライマー、およびユニバーサル
捕捉領域および部分的SapI制限部位(NCTTCTCG)を含む複数の二重鎖固定化再生ユニバー
サル捕捉プライマーの形成をもたらす。二重鎖捕捉プライマーの変性は、一本鎖ライブラ
リーレディ捕捉プライマー(single-stranded library-ready capture primers)の形成
をもたらす。図11のライブラリーレディ捕捉プライマーを用いて、P5ヌクレオチド配列お
よび部分SapI制限部位を有する修飾されたユニバーサル捕捉領域を含む配列決定ライブラ
リーから標的ポリヌクレオチドを配列決定することができる。
【0308】
図12は、固定化されたIllumina(R)P7捕捉プライマーを用いて形成された固定化二重鎖
鋳型核酸を処理するための模範的な方法を例示し、それによって、固定化されたIllumina
(R)P7捕捉プライマーは予め定められた開裂部位(U;8oG)を含む。図12の固定化された
二重鎖鋳型核酸のSapI消化は、ユニバーサル捕捉領域(P7)および標的特異的捕捉領域(
CP)を含む固定化された二重鎖キメラ捕捉プライマー、およびユニバーサル捕捉領域、部
分SapI制限部位(NCTTCTCG)および予め定められた開裂部位を含む複数の二重鎖固定化再
生ユニバーサル捕捉プライマーの形成をもたらす。図12A参照。部分SapI制限部位は、再
生されたユニバーサル捕捉プライマーからその所定の開裂部位でプライマーを切断するこ
とによって除去することができる。図12B参照。二重鎖捕捉プライマーの変性は、一本鎖
ライブラリーレディ捕捉プライマーの形成をもたらす。図12Bのライブラリーレディ捕捉
プライマーを用いて、P5ヌクレオチド配列を有するユニバーサル捕捉領域(および部分的
SapI制限部位なし)を含む配列決定ライブラリーから標的ポリヌクレオチドを配列決定す
ることができる。
【0309】
図13は、2つのSapI制限部位を含む固定化された二重鎖鋳型核酸を処理するための模範
的な方法を例示する。図13の固定化された二重鎖鋳型核酸のSapI消化は、ユニバーサル捕
捉領域(P7)および標的特異的捕捉領域(CP)を含む固定化された二重鎖キメラ捕捉プラ
イマー、および複数の二重鎖固定化再生ユニバーサル捕捉プライマーの形成をもたらす。
二重鎖捕捉プライマーの変性は一本鎖ライブラリーレディ捕捉プライマーの形成をもたら
す。図13の方法では、固定化された二重鎖鋳型核酸のSapI消化により、一本鎖固定化キメ
ラ捕捉プライマーの標的特異的捕捉領域の1つのヌクレオチドが除去される。図12Bのライ
ブラリーレディ捕捉プライマーを用いて、P5ヌクレオチド配列を有するユニバーサル捕捉
領域を含む(および部分的SapI制限部位なし)配列決定ライブラリーから標的ポリヌクレ
オチドを配列決定することができる。
【0310】
図14は、1つのSapI制限部位を含む固定化された二重鎖鋳型核酸を処理するための模範
的な方法を例示する。図14の固定化された二重鎖鋳型核酸のSapI消化は、ユニバーサル捕
捉領域(P7)および標的特異的捕捉領域(CP)を含む固定化された二重鎖キメラ捕捉プラ
イマー、およびユニバーサル捕捉領域(P5)および部分SapI制限部位(NCTTCTCG)を含む
複数の二重鎖固定化再生ユニバーサル捕捉プライマーの形成をもたらす。二重鎖捕捉プラ
イマーの変性は一本鎖捕捉プライマーの形成をもたらす。一本鎖再生ユニバーサル捕捉プ
ライマーから部分SapI制限部位を除去するために、キメラ捕捉プライマーおよび再生ユニ
バーサル捕捉プライマーのユニバーサル捕捉領域を相補的オリゴヌクレオチドとハイブリ
ダイズさせて二重鎖DNAの領域を形成することができ、その一方、再生された捕捉プライ
マーの一本鎖の部分制限部位が開裂される。一本鎖部分制限部位は、エキソヌクレアーゼ
、たとえば、エキソヌクレアーゼIなどのようなもので処理することによって除去するこ
とができる。相補的オリゴヌクレオチドは、例は、変性(例えば、化学的または熱的)に
よって除去して一本鎖ライブラリーレディ捕捉プライマーを形成することができる。図14
のライブラリーレディ捕捉プライマーを用いてP5ヌクレオチド配列を有する(そして部分
SapI制限部位はない)ユニバーサル捕捉領域を含む配列決定ライブラリーからの標的ポリ
ヌクレオチドを配列決定することができる。
【0311】
図15は、1つのSapI制限部位およびユニバーサルキャプチャー領域PXを含む固定化され
た二重鎖鋳型核酸を処理するための模範的な方法を例示する。図15のフローセルは、Illu
mina(R)P5およびP7捕捉プライマーおよびユニバーサル捕捉プライマーPXで、それは所
定の開裂部位(ジオール)を含み、それらを含む3つの固定化されたユニバーサル捕捉プ
ライマーを含む。図15の固定化された二重鎖鋳型核酸は、Illumina(R)P7捕捉プライマ
ーおよびユニバーサル捕捉プライマーPXを含む。図16の固定化された二重鎖鋳型核酸のSa
pI消化は、ユニバーサル捕捉領域(P7)および標的特異的捕捉領域(CP)を含む固定化さ
れた二重鎖キメラ捕捉プライマー、および部分SapI制限部位(NCTTCTCG)を含む複数の二
重鎖固定化ユニバーサル捕捉プライマーPXの形成をもたらす。二重鎖捕捉プライマーの変
性は一本鎖捕捉プライマーの形成をもたらす。部分SapI制限部位(NCTTCTCG)を含む二重
鎖固定化ユニバーサル捕捉プライマーPXは、所定の開裂部位にて切断することによって図
15のフローセルから除去することができる。図15のライブラリーレディ捕捉プライマーは
、ユニバーサル捕捉領域(P7)および標的特異的捕捉領域(CP)およびIllumina(R)P5
捕捉プライマーを含むキメラ捕捉プライマーを含む。図15のライブラリーレディ捕捉プラ
イマーを用いて、P5ヌクレオチド配列を有する(および部分的なSapI制限部位を有さない
)ユニバーサル捕捉領域を含む配列決定ライブラリーから標的ポリヌクレオチドを配列決
定することができる。
【0312】
いくらかの実施態様では、本方法は、固定化された二重鎖鋳型核酸の少なくとも1つの
モノクローナルクラスターを、固定化された二重鎖鋳型核酸において1つ以上の制限部位
を切断してユニバーサル捕捉領域および標的特異的捕捉領域を含む複数の固定化された二
重鎖キメラ捕捉プライマー、および複数の二重鎖固定化再生ユニバーサル捕捉プライマー
を生成するために、少なくとも1つの制限酵素と接触させることをさらに含む。例は、図7
BおよびCを参照。
【0313】
二重鎖鋳型核酸は1つ以上の異なる制限酵素と接触させることができる。いくらかの方
法では、二重鎖鋳型核酸を2、3、4、5またはそれよりも多くの異なる制限酵素と接触させ
る。いくらかの実施態様では、少なくとも1つの制限酵素はSapIを含む。
【0314】
二重鎖キメラ捕捉プライマーおよび再生されたユニバーサル捕捉プライマーにおいて、
一方の鎖は表面に共有結合するが、他方の鎖は表面に共有結合しない。本方法は、表面に
共有結合した一本鎖キメラ捕捉プライマーおよび再生されたユニバーサル捕捉プライマー
から2つの鎖を分離するステップを含むことができる。スタンド(ストランド、鎖)は、
例は、変性、たとえば、熱変性または化学変性のようなものによって、または酵素分解に
よって分離することができる。例は、図11-15を参照。酵素分解には、ヌクレアーゼ消化
物(nuclease digests)が含まれ得る。たとえば、二重鎖プライマーは、5’→3’方向に
おいて二重鎖DNAでのヌクレオチド鎖を特異的に消化する、エキソヌクレアーゼ、たとえ
ば、5’-3’dsDNAエキソヌクレアーゼ(例は、T7エキソヌクレアーゼ)などのようなもの
で処理することができる。例は、図14を参照。表面付着は、二重鎖キメラ捕捉プライマー
および再生ユニバーサル捕捉プライマーにおいて共有結合した鎖の5’端を、5’-3’dsDN
Aエキソヌクレアーゼ消化から保護するが、表面に共有結合していない鎖は消化される。
【0315】
いくらかの実施態様では、本方法は、複数の一本鎖固定化キメラ捕捉プライマーおよび
複数の一本鎖固定化再生ユニバーサル捕捉プライマーを生成するために、複数の固定化さ
れた二重鎖キメラ捕捉プライマーおよび複数の二重鎖固定化再生ユニバーサル捕捉プライ
マーを変性させることをさらに含む。変性は、例は、熱変性または化学変性、またはそれ
らの組合せを含み得る。例は、図10および11を参照。
【0316】
いくらかの実施態様では、本方法は、複数の固定化された二重鎖キメラ捕捉プライマー
および複数の二重鎖固定化再生ユニバーサル捕捉プライマーを、複数の一本鎖固定化キメ
ラ捕捉プライマーおよび複数の一本鎖固定化再生ユニバーサル捕捉プライマーを生成する
ために、5’-3’二重鎖デオキシリボ核酸(dsDNA)エキソヌクレアーゼと接触することを
さらに含む。
【0317】
いくらかの実施態様では、基材は複数のパッドを含むパターン化されたフローセルであ
る。いくらかの実施態様では、複数のパッドはマイクロアレイにおいて配置された複数の
ウェルである。いくらかの実施態様では、複数のパッドの1つ以上のパッドは、3’末端ユ
ニバーサル捕捉領域Yを含む第1の複数の捕捉プライマーおよび3'末端ユニバーサル捕捉領
域Zを含む第2の複数のユニバーサル捕捉プライマーを含む。いくらかの実施態様では、3
’末端ユニバーサル捕捉領域Yを含む捕捉プライマーの1%超、5%超、10%超、20%超、3
0%超、40%超、50%超、60%超、70%超、80%超、90%超、95%超、99%超、99.9%超
、または99.99%超は複数のパッドの1つ以上のパッドにおいて一本鎖固定化キメラ捕捉プ
ライマーに変換される。いくらかの実施態様では、3’末端ユニバーサル捕捉領域Zを含む
捕捉プライマーの1%超、5%超、10%超、20%超、30%超、40%超、50%超、60%超、70
%超、80%超、90%超、95%超99%超、99.9%超、または99.99%超は、複数のパッドの1
つ以上のパッドにおいて一本鎖固定化キメラ捕捉プライマーに変換される。いくらかの実
施態様において、3’末端ユニバーサル捕捉領域Yを含む捕捉プライマーの1%、5%、10%
、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または99%超は、1本鎖固定化
キメラ捕捉プライマーに変換し、および3’末端ユニバーサルキャプチャー領域Zを含む捕
捉プライマーの1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95
%または99%超は、複数のパッドの1つ以上のパッドにおいて一本鎖固定化キメラ捕捉プ
ライマーに変換される。
【0318】
別の態様では、ここには、固定化された捕捉プライマーを修飾するための方法が提供さ
れ、それには、a)複数の固定化された捕捉プライマーを含む基材を、少なくとも1つの固
定化された鋳型核酸を生成するために、ハイブリダイゼーションに十分な条件下で少なく
とも1つの鋳型核酸と接触させることであり、そこでは、複数の固定化された捕捉プライ
マーは、3’末端Illumina(R)P5プライマーヌクレオチド配列を含む第1の複数のプライ
マーおよび3’末端Illumina(R)P7プライマーヌクレオチド配列を含む第2の複数のプラ
イマーを含み、およびそこでは、各鋳型核酸は、Illumina(R)P5プライマーヌクレオチ
ド配列に相補的な3’末端配列およびIllumina(R)P7プライマーヌクレオチド配列に相補
的な5’末端配列に隣接し、および2つのSapI制限部位、SapI制限部位の間のスペーサー領
域、およびIllumina(R)P5’プライマーヌクレオチド配列に相補的な3’末端配列および
SapI制限部位の間の標的特異的捕捉領域を含み;b)少なくとも1つの鋳型核酸に相補的な
少なくとも1つの固定化された伸長生成物を生成するために、少なくとも1つの固定化され
た鋳型核酸にハイブリダイズされた少なくとも1つの固定化された捕捉プライマーを伸長
すること;c)固定化された二重鎖鋳型核酸の少なくとも1つのモノクローナルクラスター
を生成するために、ブリッジ増幅またはKEAによって少なくとも1つの固定化された伸長生
成物を増幅すること;d)固定化された二重鎖鋳型核酸において2つの制限部位を切断し、
Illumina(R)P5プライマーヌクレオチド配列を含む複数の固定化された二重鎖キメラ捕
捉プライマーおよびIllumina(R)P7プライマーヌクレオチド配列を含む複数の固定化さ
れた二重鎖再生ユニバーサル捕捉プライマーを生成するために、固定化された二重鎖鋳型
核酸の少なくとも1つのモノクローナルクラスターをSapIと接触させること、およびe)随
意に、複数の固定化された一本鎖キメラ捕捉プライマーおよび複数の固定化された一本鎖
再生ユニバーサル捕捉プライマーを生成するために、複数の固定化された二本鎖キメラ捕
捉プライマーおよび複数の固定化された二重鎖再生ユニバーサル捕捉プライマーを5’-3
’dsDNA-エキソヌクレアーゼと接触させることが含まれる。この方法の模範的な図解は、
例えば、図7に示される。
【0319】
別の態様では、ここには、固定化された捕捉プライマーを修飾する方法が提供され、そ
れには、a)複数の固定化された捕捉プライマーを含む基材を、少なくとも1つの固定化さ
れた鋳型核酸を生成するために、ハイブリダイゼーションに十分な条件下で少なくとも1
つの鋳型核酸と接触させることであり、そこでは、複数の固定化された捕捉プライマーは
、3’末端ユニバーサル捕捉領域Yを含む第1の複数のプライマーおよび3’末端ユニバーサ
ル捕捉領域Zを含む第2の複数のプライマーを含み、およびそこでは、少なくとも1つの鋳
型核酸は、5’末端および3’末端ユニバーサル捕捉領域YまたはZに隣接し、および1つ以
上の制限部位および1つ以上の制限部位と3’末端ユニバーサル捕捉領域との間の標的特異
的捕捉領域を含み;b)少なくとも1つの鋳型核酸に相補的な少なくとも1つの固定化伸長
生成物を生成するために、少なくとも1つの鋳型核酸にハイブリダイズした少なくとも1つ
の固定化された捕捉プライマーを伸長させること;c)固定化された二重鎖鋳型核酸の少
なくとも1つのモノクローナルクラスターを生成するために、少なくとも1つの固定化され
た伸長生成物をPCRによって増幅すること;d)固定化された二重鎖鋳型核酸の少なくとも
1つのモノクローナルクラスターを、固定化された二重鎖鋳型核酸において1つ以上の制限
部位を切断してユニバーサル捕捉領域Zおよび標的特異的捕捉領域を含む複数の固定化さ
れた二重鎖キメラ捕捉プライマーおよびユニバーサル捕捉領域Yを含む複数の固定化され
た二重鎖再生ユニバーサル捕捉プライマーを生成するために、制限酵素と接触させること
が含まれる。例は、図7Aを参照。
【0320】
いくらかの実施態様において、複数の固定化された再生ユニバーサル捕捉プライマーは
、3’末端部分的制限部位を含む。いくらかの実施態様では、本方法は、複数の固定化さ
れた再生ユニバーサル捕捉プライマーから3’末端部分的制限部位を除去することを含む
。例は、図12-15を参照。
【0321】
いくらかの実施態様では、複数の固定化された(固定化とも言う)再生ユニバーサル捕
捉プライマーは所定の開裂部位(切断部位とも言う)を含む。いくらかの実施態様では、
所定の切断部位は、ジオールリンカー、8-オキソグアニン(8-オキソ-G)ウラシル塩基、
リボヌクレオチド、メチル化ヌクレオチド、またはペプチドを含む。例は、図12AおよびB
を参照。
【0322】
いくらかの実施態様では、部分的制限部位を除去することには、非酵素的化学的切断が
含まれる。いくらかの実施態様では、非酵素的化学的切断には、過ヨウ素酸塩処理、希土
類金属イオン処理、アルカリ処理または光化学反応が含まれる。
【0323】
いくらかの実施態様では、3’末端部分的制限部位を除去することには、酵素的切断が
含まれる。いくらかの実施態様では、酵素的切断には、ウラシル-DNAグリコシラーゼ切断
、エンドヌクレアーゼ切断、リボヌクレアーゼ(RNアーゼ)処理、制限酵素切断またはプ
ロテアーゼ切断が含まれる。例は、図12を参照。
【0324】
いくらかの実施態様では、3’末端部分的(部分とも言う)制限部位を除去することに
は、逆相補的(逆相補とも言う)オリゴヌクレオチドを、二重鎖ユニバーサル捕捉領域Y
を形成するために、一本鎖固定化再生ユニバーサル捕捉プライマーにハイブリダイゼーシ
ョンさせることが含まれる。いくらかの実施態様では、本方法は、逆相補オリゴヌクレオ
チドを、二本鎖固定化キメラ捕捉プライマーを形成するために、一本鎖固定化キメラ捕捉
プライマーにハイブリダイズさせることをさらに含む。いくらかの実施態様では、本方法
は、3’末端部分制限部位を除去するために、基材をヌクレアーゼと接触させることをさ
らに含む。いくらかの実施態様では、ヌクレアーゼはエキソヌクレアーゼである。いくら
かの実施態様では、エキソヌクレアーゼはエキソヌクレアーゼIである。例は、図14を参
照。
【0325】
いくらかの実施態様では、3’末端標的特異的捕捉領域固定化キメラ捕捉プライマーの
は切断される。例は、図13に示す模範的な実施態様を参照。
【0326】
いくらかの実施態様では、少なくとも1つの鋳型核酸は、5’末端ユニバーサル捕捉領域
Y、3’末端ユニバーサル捕捉領域Z、第1および第2の制限部位を含む中央部分および中央
部分と3’末端ユニバーサル捕捉領域Zとの間のスペーサー領域、および標的特異的捕捉領
域とを含む。いくらかの実施態様では、少なくとも1つの鋳型核酸は、標的特異的捕捉領
域と3’末端ユニバーサル捕捉領域Zとの間に位置する。例は、図13を参照。
【0327】
いくらかの実施態様では、本方法には、e)複数の標的ポリヌクレオチドを含む核酸試
料を、ハイブリダイゼーションに十分な条件下で少なくとも1つのプライマーと接触させ
ることであり、前記少なくとも1つのプライマーはアダプターを含み;f)複数のアンプリ
コンを生成するために、前記複数の標的ポリヌクレオチドをPCRにより増幅すること;g)
第1の複数の固定化アンプリコンを生成するために、複数の固定化キメラ捕捉プライマー
を、ハイブリダイゼーションに十分な条件下で前記複数のアンプリコンと直接接触させる
こと;h)前記標的ポリヌクレオチドに相補的な複数の固定化伸長生成物を生成するため
に、複数の固定化キメラ捕捉プライマーを伸長させること、およびi)第2の複数の固定化
アンプリコンを生成するために、前記複数の固定化伸長生成物をPCRによって増幅するこ
とであり、そこでは、固定化アンプリコンの前記集団には、50%以上の均一性が含まれ。
いくらかの実施態様では、固定化アンプリコンの前記集団には、55%以上、60%以上、65
%以上、70%以上、75%以上、80%以上、85%以上、95%以上、98%以上または99%以上
の均一性が含まれる。いくらかの実施態様の均一性には(I some embodiments uniformit
y)、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94または95またはそ
れらよりも多くが含まれる。
【0328】
固定化アンプリコンの均一性(また、クラスター均一性とも呼ばれる)は、例は、米国
特許出願第61/928,368号に記載されているように決定することができ、それは参照するこ
とによってここに組み込まれる。
【0329】
いくらかの実施態様において、アダプターには、ユニバーサル捕捉領域YまたはZが含ま
れる。
【0330】
いくらかの実施態様において、アダプターには、Illumina(R)P5プライマーヌクレオチ
ド配列またはIllumina(R)P7プライマーヌクレオチド配列が含まれる。
【0331】
別の態様では、ここには、固定化捕捉プライマーを修飾するための方法が提供され、そ
れには、a)基材上に固定化された複数のユニバーサル捕捉プライマーを、1以上の固定化
された鋳型核酸を生成するために、ハイブリダイゼーションに十分な条件下で複数の鋳型
核酸と接触させることであり、そこでは、複数のユニバーサル捕捉プライマーは、3’末
端ユニバーサル捕捉領域Yを含む第1の複数のプライマーおよび3’末端ユニバーサル捕捉
領域Zを含む第2の複数のプライマーを含み、そこでは、各鋳型核酸は、5’末端ユニバー
サル捕捉領域Y、3’末端ユニバーサル捕捉領域Z、標的特異的捕捉領域、5’末端ユニバー
サル捕捉領域Yと標的特異的捕捉領域との間の制限部位、および3’末端ユニバーサル捕捉
領域Zと標的特異的捕捉部分との間のSBSを含み;b)1つ以上の固定化された鋳型核酸に相
補的な1つ以上の固定化伸長生成物を生成するために、1つ以上のユニバーサル捕捉プライ
マーを伸長させること;c)固定化伸長生成物の1つ以上のモノクローナルアンプリコンを
生成するために、1つ以上の固定化伸長生成物をブリッジ増幅またはKEAによって増幅する
こと;d)固定化伸長生成物の1つ以上のモノクローナルクラスターを、ユニバーサル捕捉
領域Zおよび標的特異的捕捉領域を含む複数の固定化キメラ捕捉プライマーおよびユニバ
ーサル捕捉領域Yおよび部分的制限部位を含む複数の固定化再生ユニバーサル捕捉プライ
マーを生成するために、制限酵素と接触させることが含まれる。この方法の模範的な図解
は、例えば、図11に示される。
【0332】
別の態様では、ここには、固定化捕捉プライマーを修飾するための方法が提供され、そ
れには、a)基材上に固定された複数のユニバーサル捕捉プライマーを、1つ以上の固定化
鋳型核酸を生成するために、ハイブリダイゼーションに十分な条件下で複数の鋳型核酸と
接触させることであり、そこでは、複数のユニバーサル捕捉プライマーは、3’末端ユニ
バーサル捕捉領域Yおよび第1の所定の切断部位を含む第1の複数のプライマーおよび3’末
端ユニバーサル捕捉領域Zおよび第2の所定の切断部位を含む5’部分を含む第2の複数のプ
ライマーを含み、そこでは、各鋳型核酸は、5’末端ユニバーサル捕捉領域Y、3’末端ユ
ニバーサル捕捉領域Z、標的特異的捕捉領域、5’末端ユニバーサル捕捉領域Yと標的特異
的捕捉領域との間の制限部位、および3’末端ユニバーサル捕捉領域Zと標的特異的捕捉領
域との間のSBSを含み;b)1つ以上の鋳型核酸に相補的な1つ以上の固定化伸長生成物を生
成するために、1つ以上のユニバーサル捕捉プライマーを伸長すること;c)固定化伸長生
成物の1つ以上のモノクローナルアンプリコンを生成するために、1つ以上の固定化伸長生
成物をブリッジ増幅またはKEAによって増幅すること;d)固定化伸長生成物の1つ以上の
モノクローナルアンプリコンを、ユニバーサル捕捉領域Zおよび標的特異的捕捉領域を含
む複数の固定化キメラ捕捉プライマーおよびユニバーサル捕捉領域Yおよび部分制限部位
を含む複数の固定化再生ユニバーサル捕捉プライマーを生成するために、制限酵素と接触
させることe)複数の固定化再生ユニバーサル捕捉プライマーからの部分制限部位を第1の
所定の切断部位で切断することによって除去することが含まれる。例は、図12AおよびBを
参照。いくらかの実施態様では、ユニバーサル捕捉領域YはIllumina(R)P5プライマーヌク
レオチド配列を含み、およびユニバーサル捕捉領域ZはIllumina(R)P7プライマーヌクレオ
チド配列を含む。いくらかの実施態様では、第1の所定の切断部位には、ウラシル塩基が
含まれ、第2の所定の切断部位には、ジオール-リンカーが含まれる。この方法の模範的な
図解は、例えば、図12AおよびBに示される。
【0333】
別の態様では、ここには、固定化捕捉プライマーを修飾するための方法が提供され、そ
れには、a)基材上に固定化された複数のユニバーサル捕捉プライマーを、1つ以上の固定
化鋳型核酸を生成するために、ハイブリダイゼーションに十分な条件下で複数の鋳型核酸
と接触させることであり、そこでは、複数のユニバーサル捕捉プライマーは、3’末端ユ
ニバーサル捕捉領域Yを含む第1の複数のプライマーおよび3’末端ユニバーサル捕捉領域Z
を含む第2の複数のプライマーを含み、そこでは、各鋳型核酸は、5’末端ユニバーサル捕
捉領域Y、3’末端ユニバーサル捕捉領域Z、第1および第2の制限部位を含む中央部分およ
び第1の制限部位と第2の制限部位との間のスペーサー領域、ならびに中央部分と3’末端
ユニバーサル捕捉領域Zとの間の標的特異的領域を含み;b)1以上の鋳型核酸に相補的な1
以上の固定化伸長生成物を生成するために、複数のユニバーサル捕捉プライマーの1以上
のユニバーサル捕捉プライマーを伸長すること;c)固定化伸長生成物の1つ以上のモノク
ローナルアンプリコンを生成するために、ブリッジ増幅またはKEAによって1つ以上の固定
化伸長生成物を増幅すること、およびd)固定化伸長生成物の1つ以上のモノクローナルア
ンプリコンを、ユニバーサル捕捉領域Zおよび標的特異的捕捉領域を含む複数の固定化キ
メラ捕捉プライマーおよびユニバーサル捕捉領域Yを含む複数の固定化再生ユニバーサル
捕捉プライマーを含む複数の固体化再生ユニバーサル捕捉プライマーを生成するために、
制限酵素と接触させることが含まれる。この方法の模範的な図解は、例えば、図13に示さ
れる。
【0334】
別の態様では、ここには、固定化捕捉プライマーを修飾するための方法が提供され、そ
れには、a)基材上に固定化された複数のユニバーサル捕捉プライマーを、1つ以上の固定
化鋳型核酸を生成するために、ハイブリダイゼーションに十分な条件下で複数の鋳型核酸
と接触させることであり、そこでは、複数のユニバーサル捕捉プライマーは、3’末端ユ
ニバーサル捕捉領域Yを含む第1の複数のプライマーおよび3’末端ユニバーサル捕捉領域Z
を含む第2の複数のプライマーを含み、そこでは、各鋳型核酸は、5’末端ユニバーサル捕
捉領域Y、3’末端ユニバーサル捕捉領域Z、標的特異的捕捉領域、および5’末端ユニバー
サル捕捉領域Yと標的特異的捕捉領域との間の制限部位を含み;b)1以上の鋳型核酸に相
補的な1以上の固定化伸長生成物を生成するために、複数のユニバーサル捕捉プライマー
の1以上のユニバーサル捕捉プライマーを伸長すること;c)固定化伸長生成物の1つ以上
のモノクローナルアンプリコンを生成するために、1つ以上の固定化伸長生成物をブリッ
ジ増幅またはKEAによって増幅すること;d)固定化伸長生成物の1つ以上のモノクローナ
ルアンプリコンを、ユニバーサル捕捉領域Zおよび標的特異的捕捉領域を含む複数の二重
鎖固定化キメラ捕捉プライマーおよびユニバーサル捕捉領域Yおよび一本鎖部分制限部位
を含む複数の二重鎖固定化再生ユニバーサル捕捉プライマーを生成するために、制限酵素
と接触させること;e)複数の一本鎖固定化キメラ捕捉プライマーおよび複数の一本鎖固
定化再生ユニバーサル捕獲プライマーを生成するために、複数の二重鎖固定化キメラ捕捉
プライマーおよび複数の二重鎖固定化再生ユニバーサル捕捉プライマーを変性させること
;f)逆相補オリゴヌクレオチドを、二重鎖ユニバーサル捕捉領域および二重鎖標的特異
的領域を形成するために、複数の一本鎖固定化キメラ捕捉プライマーおよび複数の一本鎖
固定化再生ユニバーサル捕捉プライマーにハイブリダイズさせること、およびg)表面を
、複数の二重鎖固定化再生ユニバーサル捕捉プライマーから一本鎖部分制限部位を除去す
るために、エキソヌクレアーゼIにより処理することが含まれる。この方法の模範的な図
解は、例えば、図14に示される。
【0335】
別の態様では、ここには、固定化捕捉プライマーを修飾するための方法が提供され、そ
れには、a)基材上に固定化された複数のユニバーサル捕捉プライマーを、1つ以上の固定
化鋳型核酸を生成するために、ハイブリダイゼーションに十分な条件下で複数の鋳型核酸
と接触させることであり、そこでは、複数のユニバーサルキャプチャープライマーは、3
’末端ユニバーサル捕捉領域Yを含む第1の複数のプライマー、および3’末端ユニバーサ
ル捕捉領域Zを含む第2の複数のプライマーおよび3’末端領域Xを含む第3の複数のプライ
マーおよび所定の切断部位を含む5'部分を含み、そこでは、各鋳型核酸は、5’末端領域X
、3’末端ユニバーサル捕捉領域Z、標的特異的捕捉領域、および領域Xと標的特異的捕捉
領域との間の制限部位を含み;b)1つ以上のユニバーサル捕捉プライマーを、1つ以上の
鋳型核酸に相補的な1つ以上の固定化伸長生成物を生成するために、伸長すること;c)固
定化伸長生成物の1つ以上のモノクローナルアンプリコンを生成するために、1つ以上の固
定化伸長生成物をブリッジ増幅またはKEAによって増幅すること;d)固定化伸長生成物の
1つ以上のモノクローナルアンプリコンを、ユニバーサル捕捉領域Zおよび標的特異的捕捉
領域を含む複数の固定化キメラ捕捉プライマー、および領域Xおよび部分制限部位を含む
複数の固定化再生ユニバーサル捕捉プライマーを生成するために、制限酵素と接触させる
こと、およびe)領域Xを含む複数の固定化再生捕捉プライマーを、予め定められた切断部
位で切断することによって基材から除去することが含まれる。例は、図15を参照。いくら
かの実施態様では、ユニバーサル捕捉領域Yには、Illumina(R)P5プライマーヌクレオチド
配列が含まれ、およびユニバーサル捕捉領域Zには、Illumina(R)P7プライマーヌクレオチ
ド配列が含まれる。いくらかの実施態様では、所定の切断部位はジオール-リンカーを含
む。この方法の模範的な図解は、例えば、図15に示される。
【0336】
そこに提供される鋳型核酸は、当業者に知られる任意の方法によって生成することがで
きる。たとえば、鋳型核酸は、例は、図6A-Cに例示されるように、それらの完全長形態の
オリゴヌクレオチド合成によって産生され得る。
【0337】
別の態様では、ここには、鋳型核酸を生成するための方法が提供され、それには、例は
図16において例示されるように、2つ以上の部分鋳型核酸の生産が含まれる。いくらか
の実施態様において、2つ以上の部分的な鋳型核酸は、部分的な鋳型核酸の二量体を形成
するように互いに部分的にハイブリダイズすることができる部分的な鋳型核酸の対である
。いくらかの実施態様では、本方法は、全長鋳型核酸の二量体を形成するために、部分的
な鋳型核酸の二量体において部分的な鋳型核酸を伸長することを含む。
【0338】
別の態様では、ここには、部分的な鋳型核酸の二量体を形成するために、互いに部分的
にハイブリダイズすることができる部分的鋳型核酸の対が提供される。対における第1の
部分的鋳型核酸は、第2の部分的鋳型核酸の核酸配列の90%未満、80%未満、70%未満、6
0%未満、50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、または10%未満と部分的にハイブ
リダイズすることができる。いくらかの実施態様では、1対での部分的鋳型核酸は、それ
らの3’端で互いに部分的にハイブリダイズすることができる。いくらかの実施態様では
、対での部分的鋳型核酸は、それらの標的特異的捕捉領域において互いにハイブリダイズ
することができる。
【0339】
いくらかの実施態様では、部分的鋳型核酸の二量体は、5’末端ユニバーサル捕捉領域Y
またはZ、制限部位および3’末端二量化領域DRを含む第1の部分鋳型核酸および5’末端ユ
ニバーサル捕捉領域YまたはZおよび3’末端二量化領域DRを含む第2の部分鋳型核酸を含み
、そこでは、第1の部分鋳型核酸の3’末端DRおよび第2の部分鋳型核酸の3’末端DRは互い
にハイブリダイズする。いくらかの実施態様では、第1および第2の部分鋳型核酸の3’末
端DRは、標的特異的捕捉領域を含む。いくらかの実施態様では、第1および第2の部分鋳型
核酸の3’末端DRは、配列決定プライマー結合部位(SBS)を含む。いくらかの実施態様に
おいて、第1および第2の部分鋳型核酸の3’末端DRは、制限部位(例は、SapI制限部位)
を含む。
【0340】
いくらかの実施態様では、部分鋳型核酸の二量体には、第1の部分鋳型核酸で、その5’
端(P5)にて第1のユニバーサル捕捉領域(P5)、制限部位(SapI)、およびその3’端に
て標的特異的捕捉領域(CP)を含むものが含まれる。いくらかの実施態様では、部分鋳型
核酸の二量体は、第2の部分鋳型核酸で、その3’端(CP’)にて相補的な標的特異的捕捉
領域、配列決定プライマー結合部位(SBS)およびその5’端(P7)にて第2のユニバーサ
ル捕捉領域を含むものを有する。例は、図16を参照。
【0341】
KEAは、表面エリア上の、例は、パターン化されたフローセルでのパッド上のモノクロ
ーナル標的核酸クラスター(例は、標的核酸アンプリコン)の生成を、「シード」する単
一の標的核酸の迅速な増幅によって、さらなる標的核酸が表面エリアにおいて、同じエリ
アでシードされることが可能になる前にできるようにすることが可能であり、およびKEA
はポアソン限界を超えるモノクローナル核酸クラスターの密度を達成することができる。
典型的には、KEAにおいて、標的核酸のシーディングの速度は標的核酸の増幅の速度より
もずっと低く、および増幅機構は標的ポリヌクレオチドのシーディング中に典型的に存在
する。この開示は、部分的には、これらの特性が、KEAを、インフローセル試薬について
、または単一分子の表面への送付の速度についての競合する要件のいずれかを有する多数
の共通に使用される配列決定ライブラリー調製方法と適合させることができるという認識
に基づく。
【0342】
この開示は、部分的には、標的核酸の増幅から標的核酸のシーディングを分離すること
によって、または標的核酸増幅から試料調製物および標的核酸のシーディングを分離する
ことによって、上記の問題を回避することができるという認識にさらに基づく。たとえば
、ここに提供される方法の一実施態様では、当技術分野で知られる標的核酸シーディング
方法は、初期には、ポリクローナル標的核酸の表面エリア(例は、パターン化されたフロ
ーセルのパッドまたはウェル)での占有をもたらす標的核酸ローディング密度にて実行さ
れる。選定された標的核酸シーディング条件の下で、少数の表面要素(例は、ユニバーサ
ル捕捉プライマー)が標的核酸(例は、標的ポリヌクレオチドまたは鋳型核酸)にハイブ
リダイズされる。選定された実験条件下では、シーディング事象それ自体を核酸増幅およ
びモノクローナルクラスターの形成のトリガー(引き金とも言う)として効果的に使用す
ることはできない。別の方法ステップでは、殆どの場合、いくらかのシードされた標的核
酸のうちの1つだけが増幅されて標的核酸のモノクローナルクラスターを形成することを
確実にするために増幅速度よりはるかに遅い速度で標的核酸を活性化するのに、例は、パ
ターン化されたフローセルのウェルまたはパッドにおいて、別のトリガーを導入する。
【0343】
この開示は、標的核酸の活性化を標的化プロセスにおいて(例は、図17-19を参照)ま
たは確率過程(確率論的プロセスとも言う)において(例は、図20-21を参照)トリガー
することができるという実現にさらに基づく。標的化されたプロセスでは、標的核酸は、
例は、個々に、および無関係に活性化することができる異なるサブグループを含むことが
できる。確率過程では、異なる標的核酸はランダムに活性化することができ、および活性
化条件は、標的核酸のランダムな活性化が低頻度でしか起こらないように選定することが
できる。
【0344】
標的化された活性化プロセスの一例では、標的核酸の異なるサブグループを区別するた
めに、異なる標的核酸を異なる標識に付着させることができ、そこでは、標的核酸の各メ
ンバーは同じ種類の標識を所有する。標的核酸のラベリング(標識化とも言う)は、例は
、ショットガン標識化(例は、バーコード)によってランダムに実行することができ、ま
たは標識化は標的化することができる(例は、配列特異的標識化)。
【0345】
図18は、標的核酸の標的化された活性化を使用してここに提供される模範的な方法の一
部分を例示する。第1のステップでは、異なる標識A、B、Cを所有する標的核酸の異なるサ
ブグループを、パターン化されたフローセルのパッド(例は、パッド1)にシードした。
標識特異的トリガー分子は、標的核酸の特定のサブグループを活性化するために別のステ
ップにおいて使用される。いくらかの実施態様では、標的核酸特異的標識は標的核酸特異
的核酸配列であることができ、および標識特異的トリガー分子は相補的標的特異的核酸配
列を含む核酸プライマーであることができる。標識特異的トリガー分子は、例は、図18
示すような可溶性核酸プライマーであることができる。いくらかの実施態様では、標識特
異的トリガー分子は、それ自体が表面上に固定化されてもよく、例は、図19に示されるよ
うである。いくらかの実施態様では、標識特異的トリガー分子は、シード化された標的核
酸よりもはるかに低い濃度において表面上に存在する。いくらかの実施態様では、可溶性
または固定化されたトリガー分子は、キメラプライマーであってよく、それは、たとえば
、ユニバーサル捕捉領域および標的特異的捕捉領域を含む(例は、図19においてP5/B’)
【0346】
図20は、標的核酸の確率的活性化を含むここに提供される方法の模範的な実施態様を例
示する。この例では、シード化された標的核酸には、ユニバーサル捕捉領域P5をマスクし
、さらに切断可能な塩基を含むヘアピン構造が含まれる。標的核酸の確率的活性化は、た
とえば、ヘアピン構造のエンドヌクレアーゼ消化物およびユニバーサル捕捉領域のマスカ
ミング(umasking)によって達成することができる。
【0347】
標的核酸の確率論的活性化を含むここに提供される方法の別の実施態様では、標的核酸
は、付着したブロッキング剤により(例は、タンパク質またはビーズ)をシードすること
ができる。シードされた個々の標的核酸の確率的活性化は、デブロッキング剤(例は、プ
ロテアーゼ)のその後の添加を通して達成することができる。
【0348】
標的核酸の確率的活性化を含むここに提供される方法の別の実施態様において、シード
された標的核酸は、天然に発生しないヌクレオチド(例は、イソグアニンまたはイソシト
シン塩基を有する)を含み得る。個々の標的核酸の確率的活性化は、天然に存在しないヌ
クレオチドの代わりに標的核酸アンプリコン中に天然ヌクレオチドを「ミスインコーポレ
ーティングする(誤って取り込む)」ことによってKEAにおいて達成することができる。
天然に発生するヌクレオチドは、典型的には、低効率および低頻度を伴うことでのみ、標
的核酸の天然に存在しないヌクレオチドと対になる。
【0349】
標的核酸の確率的活性化を含む別の例示的な方法では、標的核酸は、例は、配列決定ラ
イブラリーにおいて、最初はトリガー配列を欠く。初期のステップでは、トリガー配列は
、確率的プロセスにおいて、個々の標的核酸に、トリガー配列(例は、P5配列)および標
的核酸に相補的な配列の双方を含むKEAでの低レベルのキメラプライマー(例は、SBS3配
列)を含めることによって付加することができる。次いで、追加されたトリガー配列(例
は、P5)を有する個々の標的核酸は、たとえば、パターン化されたフローセルのウェルに
おいてシードし、および増幅されてモノクローナルクラスターを形成することができる。
例は、図21および例2を参照。
【0350】
別の態様では、ここには、固定化された捕捉プライマーを修飾するための方法ば提供さ
れ、それには、a)複数の固定化された捕捉プライマーを有する基材を、複数の異なる固
定化シード核酸を生成するために、ハイブリダイゼーションに十分な条件下で複数の異な
るシード核酸と接触させること;b)複数の異なる固定化されたシード核酸の2つ以上に相
補的な複数の異なる固定化された伸長生成物を生成するために、複数の固定化された捕捉
プライマーの2つ以上を伸長させること;c)活性化された捕捉プライマーを形成するため
に、複数の異なる固定化伸長生成物の1つの固定化伸長生成物を活性化すること、およびd
)随意に、固定化され修飾された捕捉プライマーのモノクローナルクラスターを生成する
ために、活性化された捕捉プライマーを増幅することが含まれる。
【0351】
いくらかの実施態様では、シード核酸は、例は、DNA配列決定ライブラリーでか、また
はゲノムDNAにおいて標的核酸を含む。いくらかの実施態様では、シード核酸はここに提
供される鋳型核酸を含む。いくらかの実施態様では、標的核酸は1つ以上のキセノ核酸を
含むRNAまたは核酸である。
【0352】
固定化された伸長生成物の活性化は、標的化された活性化であり得、そこでは、固定化
された伸長生成物のすべてが等しく活性化される可能性があるわけではない。活性化は、
固定化された伸長プライマーの他のサブグループより活性化される可能性がより高い固定
化された伸長生成物の所定のサブグループを標的とすることができる。他の実施態様では
、固定化された伸長生成物の活性化は確率的活性化であり、そこでは、いくらかの固定化
された伸長生成物は他の固定化された伸長生成物よりも早く活性化されるが、そこでは、
それは、例は、固定化された伸長生成物の構造的または機能的特色に基づいて、予め定め
ることができず、それは複数の固定化された伸長生成物における固定化された伸長生成物
は、より一層早く活性化され、および後に活性化される。
【0353】
いくらかの実施態様では、複数の異なる固定化伸長産物の1つの固定化伸長産物を活性
化することには、標的化された活性化が含まれる。いくらかの実施態様では、標的化され
た活性化は、複数の異なるシード核酸を、複数の異なる標識種子核酸を生成するために、
複数の異なる標識でラベリングする初期ステップを含む。いくらかの実施態様では、標的
化された活性化は、複数の異なる標識化された固定化シード核酸を形成することをさらに
含む。いくらかの実施態様では、標的化された活性化は、複数の異なる標識化された固定
化伸長生成物を形成することをさらに含む。いくらかの実施態様では、標的化された活性
化は、複数の異なる標識化された固定化伸長生成物を、1つ以上のラベル特異的標的分子
と、1つの固定化された伸長生成物と接触させることを含む。
【0354】
いくらかの実施態様では、初期標識ステップは複数の異なるシード核酸をランダムに標
識することを含む。いくらかの実施態様において、初期標識ステップは複数の異なるシー
ド核酸の標的標識を含む。いくらかの実施態様では、標的標識は配列特異的標識である。
いくらかの実施態様では、複数の異なるシード核酸は、50未満、45未満、40未満、35未満
、30未満、25未満、20未満、18未満、16未満、14未満、12未満、10未満、8未満、6未満、
4未満または2未満の異なる標識で標識される。いくらかの実施態様において、複数の異な
るシード核酸は、20、18、16、14、12、10、8、6、4、または2の異なる標識で標識される
。いくらかの実施態様において、複数の異なるシード核酸は、10以上、20以上、30以上、
40以上、50以上、60以上、80以上、90以上、100以上、150以上、200以上、250以上、300
以上、400以上、500以上、600以上、700以上、800以上、900以上、または1000以上の異な
る標識により標識される。いくらかの実施態様では、異なる標識は異なる核酸配列を有す
る異なるプライマーである。いくらかの実施態様では、初期標識化ステップは複数の異な
る種子核酸を複数の異なるプライマーに連結することを含む。いくらかの実施態様では、
複数のシード核酸の各シード核酸は固有の標識により標識される。いくらかの実施態様で
は、複数のシード核酸の2つ以上の異なるシード核酸は同じ標識(例は、図21;標識とし
てSBS3参照)により標識される。
【0355】
いくらかの実施態様において、トリガー分子はトリガー領域を含む核酸である。いくら
かの実施態様では、トリガー領域は標的特異的捕捉領域を含む。いくらかの実施態様では
、トリガー領域はユニバーサル捕捉領域を含む。いくらかの実施態様では、ユニバーサル
捕捉領域は、Illumina(R)P5プライマーヌクレオチド配列またはIllumina(R)P7プライマー
ヌクレオチド配列を含む。いくらかの実施態様では、トリガー分子は可溶性核酸である。
いくらかの実施態様では、トリガー分子は固定化された捕捉プライマーである。いくらか
の実施態様では、固定化された捕捉プライマーは複数の固定化された捕捉プライマーであ
る。いくらかの実施態様において、複数の固定化された捕捉プライマーは複数の異なる捕
捉プライマーである。いくらかの実施態様において、複数の固定化された捕捉プライマー
は複数の同じ捕捉プライマーである。いくらかの実施態様では、固定化された捕捉プライ
マーは標的特異的捕捉領域を含む。いくらかの実施態様では、固定化された捕捉プライマ
ーはユニバーサル捕捉領域を含む。いくらかの実施態様では、ユニバーサル捕捉領域は、
Illumina(R)P5プライマーヌクレオチド配列またはIllumina(R)P7プライマーヌクレオチド
配列を含む。
【0356】
いくらかの実施態様では、複数の異なる固定化伸長生成物の1つの固定化伸長生成物を
活性化することには、確率的活性化が含まれる。いくらかの実施態様では、確率的活性化
は、複数の固定化捕捉プライマーを有する基材を、ヘアピン構造が含まれる複数の異なる
固定化シード核酸を生成するために、ヘアピン構造を有する複数の異なるシード核酸と接
触させることを含む。例は、図20を参照。いくらかの実施態様では、確率的活性化は、複
数の固定化された捕捉プライマーの2つ以上を、ヘアピン構造を含む複数の異なる固定化
伸長生成物を生成するために伸長させることをさらに含む。いくらかの実施態様では、確
率的活性化は、ヘアピン構造を含む複数の固定化伸長生成物の1つを切断試薬で活性化す
ることをさらに含む。いくらかの実施態様では、切断試薬はヌクレアーゼである。いくら
かの実施態様では、ヌクレアーゼはエンドヌクレアーゼである。いくらかの実施態様では
、エンドヌクレアーゼはニッキングエンドヌクレアーゼ(nicking endonuclease)である
。いくらかの実施態様では、切断試薬は、USERTM(ユーザー商品名)混合物〔New Englan
d Biolabs(ニュー・イングランド・バイオラボ社)、Ipswich(イブスウィッチ)、MA(
マサチューセッツ州)〕またはFpgタンパク質〔例は、E.coli(エシェリキア・コリ)由
来〕を含む。いくらかの実施態様では、複数の異なるシード核酸の1つ以上の異なるシー
ド核酸は切断可能な塩基を含む。いくらかの実施態様において、切断可能な塩基はウラシ
ルまたは8-オキソ-グアニン(8-オキソ-dG)である。
【0357】
いくらかの実施態様では、複数の異なるシード核酸はトリガー領域を含まず、および確
率的活性化はトリガー領域を含むキメラプライマーにより複数の異なるシード核酸の1つ
を増幅する初期ステップを含む。
【0358】
いくらかの実施態様では、複数の異なるシード核酸の1つを増幅する初期ステップにお
いて、複数の異なるシード核酸は、トリガー領域を含むキメラプライマーに対して5倍を
超えて、10倍を超えて、25倍を超えて、50倍を超えて、100倍を超えて、250倍を超えて、
500倍を超えて、1000倍を超えて、2,500倍を超えて、5,000倍を超えて、10,000倍を超え
て、25,000倍を超えて、50,000倍を超えて、または100,000倍を超えて存在する。
【0359】
いくらかの実施態様において、トリガー領域は標的特異的捕捉領域を含む。いくらかの
実施態様では、トリガー領域はユニバーサル捕捉領域を含む。いくらかの実施態様におい
て、キメラプライマーはトリガー領域およびSBSを含む。いくらかの実施態様において、
トリガー領域は、Illumina(R)P5プライマーヌクレオチド配列またはIllumina(R)P7プライ
マーヌクレオチド配列を含み、およびSBSは、Illumina(R)SBS3プライマーヌクレオチド配
列またはIllumina(R)SBS8プライマーヌクレオチド配列を含む。いくらかの実施態様では
、キメラプライマーは、Illumina(R)P5プライマーヌクレオチド配列およびIllumina(R)SB
S3プライマーヌクレオチド配列またはIllumina(R)P7プライマーヌクレオチド配列およびI
llumina(R)SBS8プライマーヌクレオチド配列を含む。
【0360】
いくらかの実施態様では、確率的活性化には、a)複数の異なる固定化された捕捉プラ
イマーを有する基材を、複数の異なる固定化されたシード核酸を生成するために、ハイブ
リダイゼーションに十分な条件下で、複数の異なるシード核酸と接触させることが含まれ
、そこでは、異なるシード核酸の各々は1つ以上の修飾されたヌクレオチドを含む。いく
らかの実施態様では、確率的活性化には、b)2つ以上の固定化された捕捉プライマーを、
複数の異なる固定化されたシード核酸に相補的な複数の異なる固定化された伸長生成物を
生成するために伸長させることが含まれ、そこでは、複数の異なる固定化された伸長生成
物は1つ以上の修飾されたヌクレオチドを含む。いくらかの実施態様では、確率的活性化
には、c)複数の異なる固定化された伸長生成物物の1つを、活性化された捕捉プライマー
を形成するために活性化することをさらに含み、そこでは、活性化された捕捉プライマー
は修飾されたヌクレオチドを含まない。いくらかの実施態様では、修飾ヌクレオチドは、
イソグアニン(isoG)またはイソシトシン(isoC)を含む。理論に縛られることを望むも
のではないが、修飾されたヌクレオチドを用いる確率的活性化プロセスは、自然発生と比
較して、確率的活性化が、核酸合成の間に修飾されたヌクレオチドのずっと低い取り込み
速度の違いに基づく条件下に実行することができる。確率的活性化プロセスは、修飾され
たヌクレオチドの濃度を調整することによってさらに修飾することができる。たとえば、
成長する核酸鎖への修飾されたヌクレオチドの取り込み速度は、合成反応における修飾さ
れたヌクレオチドの濃度を低下させることによって、さらに低減され得る。
【0361】
いくらかの実施態様では、確率的活性化には、複数の固定化された捕捉プライマーを有
する基材を、複数の異なるシード核酸であって各々のシード核酸の一方の端部に結合した
ブロッキング剤を含むものと、複数の異なる固定化されたシード核酸であってブロッキン
グ剤を含むものを生成するために、ハイブリダイゼーションに十分な条件下に接触させる
こと、およびブロッキング剤をデブロッキング剤と接触させることが含まれる。いくらか
の実施態様では、デブロッキング剤はプロテアーゼである(例は、プロテイナーゼK)。
いくらかの実施態様では、デブロッキング剤は洗浄剤またはカオトロピック剤を含む(例
は、DNAまたはタンパク質変性剤)。いくらかの実施態様において、ブロッキング剤は核
酸結合タンパク質である。いくらかの実施態様では、ブロッキング剤はビーズである(例
は、ストレプトアビジンまたは抗DIG被覆ビーズ、またはアガロースまたはポリマービー
ズ)。いくらかの実施態様では、ブロッキング剤は、ウイルス粒子が含まれ、例を挙げる
と、バクテリオファージ、レセプター-コレセプター対、または疎水性分子と疎水性粒子
の組合せを含む。いくらかの実施態様では、ブロッキング剤はビオチン化ヌクレオチドを
含む。いくらかの実施態様において、ブロッキング剤は、ストレプトアビジンを含む。
【0362】
いくらかの実施態様では、固定化された修飾捕捉プライマーのモノクローナルクラスタ
ーを生成するために活性化された捕捉プライマーを増幅することには、KEAまたはブリッ
ジ増幅が含まれる。いくらかの実施態様では、固定化された修飾捕捉プライマーのモノク
ローナルクラスターを生成するために活性化された捕捉プライマーを増幅することには、
ワイルドファイアー(野火とも言う)プロトコル(例は、ワイルドファイアーペアエンド
シーケンシング)またはローリングサークル増幅を用いるDNA合成が含まれる。
【0363】
いくらかの実施態様では、表面は、複数のウェルを含むパターン化されたフローセルで
ある。いくらかの実施態様において、異なる固定化された伸長生成物は、複数のウェルの
2つ以上のウェルにおいて形成される。いくらかの実施態様では、活性化された捕捉プラ
イマーが、複数のウェルの2つ以上のウェルのそれぞれに形成される。いくらかの実施態
様において、活性化された捕捉プライマーは、複数のウェルの少なくとも5%、少なくと
も10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくと
も35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくと
も60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくと
も85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%のウェルのそれぞれに
形成される。いくらかの実施態様では、少なくとも複数のウェルの2つ以上のウェルのそ
れぞれに形成される活性化された捕捉プライマーは、少なくとも5%、少なくとも10%、
少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、
少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、
少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、
少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%のウェルにおいて異なる活性化
されたプライマーである。いくらかの実施態様では、固定化された修飾捕捉プライマーの
モノクローナルクラスターは、複数のウェルの2つ以上のウェルのそれぞれに形成される
。いくらかの実施態様では、固定化された修飾捕捉プライマーのモノクローナルクラスタ
ーは、複数のウェルの少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20
%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45
%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70
%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95
%、または少なくとも99%のウェルのそれぞれにおいて形成される。いくらかの実施態様
では、少なくとも複数のウェルの2つ以上のウェルのそれぞれに形成される固定化された
修飾捕捉プライマーのモノクローナルクラスターは、少なくとも5%、少なくとも10%、
少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、
少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、
少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、
少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%のウェルにおいて固定化された
修飾捕捉プライマーの異なるモノクローナルクラスターである。
【0364】
ここに記載の方法は様々な核酸配列決定技術と組み合わせて使用することができる。特
に適用可能な技術は、核酸が、それらの相対的位置が変化しないようにアレイにおいて固
定された位置に付着され、アレイが繰り返しイメージングされるものである。異なる色チ
ャネルで画像が得られる実施態様、たとえば、あるヌクレオチド塩基タイプを他のものと
区別するために使用される異なる標識と一致するものが特に適用可能である。いくらかの
実施態様では、標的核酸のヌクレオチド配列を決定するためのプロセスは、自動プロセス
であり得る。好ましい実施態様には、シーケンシング-バイ-シンセシス(「SBS」)技術
が含まれる。
【0365】
SBS技術は、鋳型鎖に対するヌクレオチドの反復的付加(iterative addition)による
新生核酸鎖(nascent nucleic acid strand)の酵素的伸長を含むことができる。当技術
分野で知られるSBSの方法では、単一のヌクレオチドモノマーを、各送付においてポリメ
ラーゼの存在下で標的ヌクレオチドに提供することができる。しかし、ここに記載の方法
では、一よりも多くのタイプのヌクレオチドモノマーを、送付においてポリメラーゼの存
在下で標的核酸に提供することができる。
【0366】
SBSは、ターミネーター部分を有するヌクレオチドモノマーまたは任意のターミネータ
ー部分を欠くものを利用することができる。ターミネーターを欠くヌクレオチドモノマー
を利用する方法には、例えば、以下にさらに詳述するように、γ-リン酸標識ヌクレオチ
ドを用いるパイロシーケンシングおよびシークエンシングが含まれる。ターミネーターを
欠くヌクレオチドモノマーを使用する方法では、各サイクルで添加されるヌクレオチドの
数は可変でありえ、および鋳型配列およびヌクレオチド送付のモードに依存し得る。ター
ミネーター部分を有するヌクレオチドモノマーを利用するSBS技術について、ターミネー
ターは、ジデオキシヌクレオチドを用いるサンガー配列決定についての場合と同様に使用
される配列決定条件下で効果的に不可逆的であることができ、またはターミネーターは、
Solexa(ソレクサ社)〔Illumina, Inc.(現在イルミナ社)〕によって開発された配列決
定方法の場合のように、可逆的であることができる。
【0367】
SBS技術は、標識部分を有するヌクレオチドモノマーまたは標識部分を欠くヌクレオチ
ドモノマーを利用することができる。したがって、取り込み事象は、標識の特性、たとえ
ば、標識の蛍光などのようなもの;ヌクレオチドモノマーの特性、たとえば、分子量また
は電荷などのようなもの;ヌクレオチドの取り込みの副産物、たとえば、ピロリン酸の放
出などのようなもの;またはその種の他のものなどに基づいて検出することができる。実
施態様では、2つ以上の異なるヌクレオチドが配列決定試薬中に存在することがあり、異
なるヌクレオチドは互いに区別することができ、またはあるいは、2つ以上の異なる標識
は、使用される検出技術の下で区別ができないようにすることができる。例えば、配列決
定試薬中に存在する異なるヌクレオチドは、異なる標識を有することができ、およびSole
xa(現在Illumina, Inc.)によって開発された配列決定法によって例示されるような適切
な光学系を用いて区別することができる。
【0368】
好ましい実施態様には、パイロシーケンシング技術が含まれる。パイロシーケンシング
は、特定のヌクレオチドが新生鎖に組み込まれるとき、無機ピロリン酸(PPi)の放出を
検出する〔Ronaghi(ロナギ), M.、Karamohamed(カラモハメド), S.、Pettersson(ペ
ッターセン), B.、Uhlen(ウーレン), M.およびNyren(ニュレン), P.(1996)「Real
-time DNA sequencing using detection of pyrophosphate release(ピロリン酸放出の
検出を用いるリアルタイムDNAシーケンシング)」、Analytical Biochemistry(アナリテ
ィカル・バイオケミストリー)242(1)、84-9;Ronaghi, M.(2001)「Pyrosequencing
sheds light on DNA sequencing(パイロシーケンシングはDNAシーケンシングを明らかに
する)」、Genome Res.(ゲノム・リサーチ)11(1)、3-11;Ronaghi, M.、Uhlen, M.お
よびNyren, P.、(1998)「A sequencing method based on real-time pyrophosphate(
リアルタイムピロリン酸に基づくシーケンシング法)」Science(サイエンス)、281(53
75)、363;米国特許第6,210,891号、米国特許第6,258,568号および米国特許第6,274,320
号、これらの開示内容は、参照することによってその全体がここに組み込まれる)。パイ
ロシーケンシングでは、放出されたPPiは、ATPスルフリラーゼによってアデノシン三リン
酸(ATP)に直ちに変換されることによって検出することができ、および生成されたATPの
レベルがルシフェラーゼ産生光子を介して検出される。配列決定される核酸は、アレイに
おいてフィーチャー(特色とも言う)に付着させることができ、およびアレイは、アレイ
の特色にてヌクレオチドの取り込みのために生成される化学発光シグナルを捕捉するよう
に画像(イメージとも言う)化することができる。画像は、アレイを特定のヌクレオチド
タイプ(例は、A、T、CまたはG)により処理された後に得ることができる。各ヌクレオチ
ドタイプの添加後に得られる画像は、アレイにおいて検出される特色に関して異なるであ
ろう。画像においてのこれらの違いは、配列上の特色の異なるシーケンス内容を反映する
。もっとも、各特色の相対的な位置は画像において変化しないままであろう。画像は、こ
こに記載の方法を使用して貯蔵、処理および解析することができる。たとえば、各異なる
ヌクレオチドタイプによるアレイの処理後に得られる画像は、可逆的ターミネーターベー
スの配列決定方法のための異なる検出チャネルから得られる画像についてここに例示され
るのと同じ方法において取り扱うことができる。
【0369】
SBSの別の模範的なタイプでは、サイクルシーケンシングが、たとえば、国際公開(WO
)第04/018497号および米国特許第7,057,026号に記載され、それらの開示が参照すること
によってここに組み込まれるように、切断可能または光退色性染料標識を含む可逆的ター
ミネーターヌクレオチドの段階的添加によって達成される。このアプローチは、Solexa(
現Illumina Inc.)によって商品化されており、およびWO 91/06678およびWO 07/123,744
にも記載されており、これらの各々は参照によってここに組み込まれる。蛍光標識ターミ
ネーターの利用可能性は、そこでは双方で終結が逆転され、および蛍光標識が切断され、
効率的なサイクリック・リバーシブル・ターミネーション(周期的可逆的終結とも言う)
(CRT)配列決定を容易にする。ポリメラーゼはまた、効率的に取り込まれ、およびこれ
らの修飾されたヌクレオチドから伸長するように、同時操作され(co-engineered)得る
【0370】
好ましくは、可逆的ターミネーターに基づく配列決定の実施態様において、標識は、SB
S反応条件下での伸長を実質的に抑制しない。しかし、検出標識は、たとえば、切断また
は分解によって除去可能であり得る。配列された核酸の特色への標識の取り込み後に、画
像を捕捉することができる。特定の実施態様では、各サイクルは、4つの異なるヌクレオ
チドタイプのアレイへの同時送付を含み、および各ヌクレオチドタイプはスペクトル的に
別個の標識を有する。次いで、4つの画像を得ることができ、各々は4つの異なるラベルの
1つに対して選択的な検出チャネルを使用する。あるいはまた、異なるヌクレオチドタイ
プを連続して添加することができ、およびアレイの画像を各添加ステップの間に得ること
ができる。そのような実施態様では、各画像は、特定のタイプのヌクレオチドを取り込ん
だ核酸の特色を示すであろう。各特色の異なるシーケンス内容のために、異なる特色が異
なるイメージに存在し、または存在しない。しかし、各特色の相対的な位置は画像におい
て変化しないままであろう。そのような可逆的ターミネーター-SBS法から得られる画像は
、ここに記載するように貯蔵、処理および解析することができる。画像捕捉ステップの後
、標識は除くことができ、および可逆的ターミネーターはヌクレオチド添加および検出の
その後のサイクルのために除去することができる。標識が特定のサイクルにおいて検出さ
れて後、およびその後のサイクルに先立つ標識の除去は、サイクル間の背景信号およびク
ロストーク(混信とも言う)を減少させる利益を提供することができる。有用な標識およ
び除去方法の例は以下に記載される。
【0371】
特定の実施態様において、ヌクレオチドモノマーのいくらかまたはすべては、可逆的タ
ーミネーターを含み得る。そのような実施態様では、可逆的ターミネーター/切断可能な
フルオル(蛍光とも言う)は、3'エステル結合を介してリボース部分に連結されたフルオ
ルを含むことができる〔Metzker(メッケー)、Genome Res.(ゲノム・リサーチ)15:17
67-1776(2005)、それは参照によりここに組み込まれる)。他のアプローチは、ターミ
ネーターの化学を蛍光標識の切断から分離した〔Ruparel(ルパレル)ら、Proc Natl Aca
d Sci USA(プロシーディングス・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエン
シーズ・オブ・ザ・ユナイテッド・ステーツ・オブ・アメリカ)102:5932-7(2005)、
それはその全体において参照によりここに組み込まれる)。Ruparelらは、伸長をブロッ
クするために小さな3’アリル基を使用するが、パラジウム触媒を用いた短い処理によっ
て容易にデブロックされ得る可逆的ターミネーターの開発を記載する。フルオロフォアは
、長波長UV光への30秒間の曝露によって容易に切断され得る光切断可能なリンカーを介し
て塩基に結合された。したがって、ジスルフィド還元または光切断のいずれかを切断可能
なリンカーとして使用することができる。可逆的終結に対するもう1つのアプローチは、d
NTP上にかさばった色素を配置した後に生じる自然な終結の使用である。dNTP上に荷電し
た嵩高い色素が存在すると、立体障害および/または静電的障害を通して効果的なターミ
ネーターとして作用することができる。1つの取り込み事象の存在は、色素が除かれない
限りさらなる取り込みが妨げられる。色素の切断はフルオルを除去し、効果的に終端を逆
転させる。修飾されたヌクレオチドの例はまた、米国特許第7,427,673号、および米国特
許第7,057,026号に記載されており、それらの開示内容は、参照によりその全体がここに
組み込まれる。
【0372】
ここに説明された方法およびシステムと共に利用することができる追加の模範的なSBS
システムおよび方法は、米国特許出願公開第2007/0166705号、米国特許出願公開第2006/0
188901号、米国特許第7,057,026号、米国特許出願公開第2006/0240439号、米国特許出願
公開第2006/0281109号、PCT公開番号WO05/065814、米国特許出願公開第2005/0100900号、
PCT公開番号WO06/064199号、PCT公開番号WO07/010251号、米国特許出願公開第2012/02703
05号および米国特許出願公開第2013/0260372号に記載されており、これらの開示はその全
体が参照によりここに組み込まれる。
【0373】
いくらかの実施態様は4つ未満の異なる標識を用いて4つの異なるヌクレオチドの検出を
利用することができる。例えば、SBSは、米国特許出願公開第2013/0079232号の組み込ま
れた資料に記載される方法およびシステムを利用して実行することができる。第1の例と
して、一対のヌクレオチドタイプ(ヌクレオチド型とも言う)を同じ波長で検出すること
ができるが、対の一方のメンバーについて他方と比較して強度の差異に基づいて、または
対の一方のメンバーへの変化に基づいて(例えば、化学修飾、光化学改変または物理的改
変を介して)区別することができ、それはペアの他のメンバーについて検出されたシグナ
ルと比較して、見かけ上のシグナルを出現させるかまたは消失させる。第2の例として、4
つの異なるヌクレオチド型の3つを特定の条件下で検出することができるが、第4のヌクレ
オチド型は、それらの条件下で検出可能な標識を欠くか、またはそれらの条件下で最小限
にしか検出されない(例えば、背景蛍光、等のため最小限の検出)。最初の3つのヌクレ
オチド型の核酸への組み込みは、それらのそれぞれのシグナルの存在に基づいて決定する
ことができ、および核酸への第4のヌクレオチド型の取り込みは、任意のシグナルの不存
在または最小限検出に基づいて決定することができる。第3の例として、1つのヌクレオチ
ド型は、2つの異なるチャネルにおいて検出される標識(群)を含むことができるが、そ
の一方で他のヌクレオチド型は、1を超えないチャネルで検出される。前述の3つの模範的
な構成は、互いに排他的ではなく、および様々な組合せで使用することができる。すべて
の3つの例を組み合わせる模範的な実施態様は、第1のチャネルにおいて検出される第1の
ヌクレオチド型(例えば、第1の励起波長によって励起されるときに第1のチャネルにおい
て検出される標識を有するdATP)、第2のチャネルで検出される第2のヌクレオチド型(例
えば、第2の励起波長によって励起されるときに第2のチャネルで検出される標識を有する
dCTP)、第1および第2の双方のチャネルにおいて検出される第3のヌクレオチド型(例え
ば、第1および/または第2の励起波長によって励起されたときに双方のチャネルで検出さ
れる少なくとも1つの標識を有するdTTP)およびいずれのチャネルでも検出されないかま
たは最小限にしか検出されない標識を欠く第4のヌクレオチド型(例えば、標識を有さな
いdGTP)を用いる蛍光ベースのSBS法である。
【0374】
さらに、米国特許出願公開第2013/0079232号の組み込まれた資料に記載されるように、
配列決定データは単一チャネルを用いて得ることができる。そのようないわゆる1色素配
列決定アプローチでは、第1のヌクレオチド型が標識されるが、第1の画像が生成された後
に標識は除去され、および第1の画像が生成された後にだけ第2のヌクレオチド型が標識さ
れる。第3のヌクレオチド型は、第1および第2の画像の両方においてその標識を保持し、
および第4のヌクレオチド型は、両方の画像において標識されないままである。
【0375】
いくらかの実施態様はライゲーション技術による配列決定を利用することができる。そ
のような技術は、オリゴヌクレオチドを組み込むためにDNAリガーゼを利用し、およびそ
のようなオリゴヌクレオチドの取り込みを識別する。オリゴヌクレオチドは、オリゴヌク
レオチドがハイブリダイズする配列において特定のヌクレオチドの同一性と相関する異な
る標識を有することができる。他のSBS法と同様に、標識された配列決定試薬による核酸
フィーチャー(特色とも言う)のアレイを処理した後に画像を得ることができる。各画像
は、特定のタイプの標識が組み込まれた核酸の特色を示すであろう。異なる特色は、各特
色の異なる配列内容のために異なる画像において存在するかまたは存在しないが、特色の
相対位置は画像において変化しないままであろう。ライゲーションに基づく配列決定方法
から得られる画像は、ここに示すように保存、処理および分析することができる。ここに
説明する方法およびシステムと共に利用することができる模範的なSBSシステムおよび方
法は、米国特許第6,969,488号、米国特許第6,172,218号、および米国特許第6,306,597号
に開示されており、それらの開示は、その全体が参照によりここに組み込まれる。
【0376】
いくらかの実施態様は、ナノポア配列決定を利用することができる〔Deamer(デアマー
), D. W. & Akeson(アケソン), M.「Nanopores and nucleic acids: prospects for u
ltrarapid sequencing(ナノポアおよび核酸:超迅速シーケンシングのための展望)」Tr
ends Biotechnol.(トレンド・イン・バイオテクノロジー)18、147-151(2000);Deame
r, D.およびD. Branton(ブラント)「Characterization of nucleic acids by nanopore
analysis(ナノ細孔分析による核酸のキャラクタリゼーション)」、Acc. Chem. Res(
アカウンツ・オブ・ケミカル・リサーチ)35:817-825(2002);Li(リー), J.、M. Ge
rshow(ゲーショウ)、D. Stein(スタイン)、E. Brandin(ブランディン)およびJ. A.
Golovchenko(ゴロフチェンコ)、「DNA molecules and configurations in a solid-st
ate nanopore microscope(固相ナノ細孔顕微鏡におけるDNA分子および構成)」、Nat. M
ater.(ネイチャー・マテリアルズ)2:611-615(2003)、これらの開示はその全体が参
照によりここに組み込まれる)。そのような実施態様では、標的核酸はナノポアを通過す
る。ナノポアは合成細孔または生体膜タンパク質、たとえば、α-ヘモリジンなどのよう
なものであり得る。標的核酸がナノ細孔を通過するとき、細孔の電気伝導度における変動
を測定することによって各塩基対を識別することができる。(米国特許第7,001,792号、S
oni(ソウニ)、G. V. & Meller(メラー)、「A. Progress toward ultrafast DNA sequ
encing using solid-state nanopores(固体状態のナノ細孔を用いた超高速DNA配列決定
に向けた進歩)」、Clin. Chem.(クリニカル・ケミストリー)53、1996-2001(2007)、
Healy(ヒーリー), K.、「Nanopore-based single-molecule DNA analysis(ナノ細孔系
単一分子DNA分析)」Nanomed.(ナノメディシン)、2、459-481(2007);Cockroft(コ
ックロフト), SL、Chu(チュー), J.、Amorin(アモリン), M. & Ghadiri(ガーディ
リ)、「A single-molecule nanopore device detects DNA polymerase activity with s
ingle-nucleotide resolution(単一分子ナノポアデバイスは、単一ヌクレオチド分解能
を用いてDNAポリメラーゼ活性を検出する)」、J. Am. Chem. Soc.(ジャーナル・オブ・
ジ・アメリカン・ケミカル・ソサエティ)130、818-820(2008)、これらの開示内容はそ
の全体が参照によりここに組み込まれる)。ナノポア配列決定から得られるデータは、こ
こに記載されるように貯蔵、処理および分析することができる。特に、データは、ここに
記載される光学画像および他の画像の模範的な処理に従って画像として扱うことができる
【0377】
いくらかの実施態様はDNAポリメラーゼ活性のリアルタイムモニタリングを含む方法を
利用することができる。ヌクレオチドの取り込みは、例えば、米国特許第7,329,492号お
よび米国特許第7,211,414号(それらの各々は、参照によりここに組み込まれる)に記載
されるように、フルオロフォア担持ポリメラーゼおよびγ-リン酸標識ヌクレオチドとの
間の蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)相互作用を通して検出することができ、またはヌク
レオチド組み込みは、例えば、米国特許第7,315,019号(それは参照によりここに組み込
まれる)に記載されるようにゼロモード導波路により、および例えば、米国特許第7,405,
281号および米国特許出願公開第2008/0108082号(それらのそれぞれは参照によりここに
組み込まれる)に記載されるように、蛍光ヌクレオチド類似体および工学的ポリメラーゼ
を用いて検出することができる。イルミネーション(照射とも言う)は、蛍光標識された
ヌクレオチドの取り込みが低いバックグラウンドで観察され得るように、表面結合ポリメ
ラーゼの周囲のゼプトリットスケールの容量に制限され得る〔Levene(レーベン), M. J
.ら、「Zero-mode waveguides for single-molecule analysis at high concentrations
(高濃度での単一分子分析のためのゼロモード導波路)」、Science 299、682-686(2003
);Lundquist(ランドクイス), P. M.ら、「Parallel confocal detection of single
molecules in real time(リアルタイムでの単一分子の平行共焦点検出)」、Opt. Lett.
(オプティクス・レターズ)33、1026-1028(2008);Korlach(コルラ), J.、「Select
ive aluminum passivation for targeted immobilization of single DNA polymerase mo
lecules in zero-mode waveguide nano structures(ゼロモード導波路ナノ構造における
単一DNAポリメラーゼ分子の標的固定化のための選択的アルミニウムパッシベーション」
、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 105、1176-1181(2008)、これらの開示はその全体が参
照によりここに組み込まれる)。そのような方法から得られる画像は、ここで記載するよ
うに貯蔵し、処理し、および分析することができる。
【0378】
いくらかのSBSの実施態様には、ヌクレオチドの伸長生成物への組み込みの際に放出さ
れるプロトンの検出が含まれる。例えば、放出されたプロトンの検出に基づく配列決定は
、Ion Torrent(イオン・トレント)〔Guilford(ギルフォード)、CT(コネチカット州
)、Life Technologies(ライフ・テクノロジー社)の子会社〕から商業上入手可能な電
気的検出器および関連技術または米国特許出願公開第US2009/0026082A1;US2009/0127589
A1;US2010/0137143A1;またはUS2010/0282617A1に記載され、それらの各々は参照により
ここに組み込まれるものに記載される配列決定方法およびシステムを用いることができる
。運動排除を用いる標的核酸を増幅するためのここに記載の方法は、陽子を検出するため
に使用される基材に容易に適用することができる。より一層具体的には、ここに記載の方
法を用い陽子を検出するために使用されるアンプリコンのクローン集団を生成することが
できる。
【0379】
上記のSBS法は、多重の異なる標的核酸が同時に操作されるように多重フォーマットで
有利に遂行することができる。特定の実施態様において、異なる標的核酸は、共通の反応
容器においてまたは特定の基材の表面にて処理することができる。これにより、シーケン
シング試薬の便利な送付、未反応試薬の除去、および組み込み事象の検出が多重様式で可
能になる。表面結合標的核酸を使用する実施態様では、標的核酸はアレイ形式であり得る
。アレイ形式では、標的核酸は、空間的に区別可能な様式で表面に結合することができる
。標的核酸は、直接共有結合、ビーズまたは他の粒子への結合、またはポリメラーゼまた
は表面に結合した他の分子への結合によって結合され得る。アレイは、各部位での標的核
酸の単一コピー(1つの特色とも称される)を含むことができ、または同じ配列を有する
複数のコピーが各部位またはフ特色に存在することが可能である。以下にさらに詳細に記
載するように、増幅方法、たとえば、ブリッジ増幅またはエマルジョンPCRなどのような
ものによって複数のコピーを作製することができる。
【0380】
ここに記載の方法は、様々な密度、例えば、少なくとも約10特色/cm2、100特色/cm2、5
00特色/cm2、1,000特色/cm2、5,000特色/cm2、10,000特色/cm2、50,000特色/cm2、100,00
0特色/cm2、1,000,000特色/cm2、5,000,000特色/cm2、またはそれらよりも高いものを含
め、いずれかで特色を有するアレイを使用することができる。
【0381】
ここに記載の方法の利点は、それらが複数の標的核酸を並行して迅速および効率的に検
出することができることである。したがって、本開示は、上記に例示したような当技術分
野で知られる技術を用いて核酸を調製および検出することができる統合システムを提供す
る。このようにして、本開示の統合システムは、増幅試薬および/または配列決定試薬を
、1つ以上の固定化されたDNAフラグメントに送付することが可能な流体成分を含むことが
でき、システムは、ポンプ、バルブ、リザーバ、流体ラインおよびその他同種類のものな
どの構成要素が含まれる。フローセルは標的核酸の検出のための統合システムにおいて構
成および/または使用することができる。模範的なフローセルは、例えば、米国特許出願
公開第2010/0111768号および米国特許出願第13/273,666号に記載され、これらの各々は参
照によりここに組み込まれる。フローセルに例示されるように、統合システムの1つ以上
の流体構成要素は、増幅方法のために、および検出方法のために使用され得る。一例とし
て、核酸配列決定の実施態様を取ると、統合されるシステムの1つ以上の流体構成要素は
、ここに記載の増幅方法のために、および配列決定方法、例えば、上記に例示するものな
どのようなものにおける配列決定試薬を送るために用いることができる。あるいは、統合
されたシステムは、増幅方法を遂行し、および検出方法を遂行するために別個の流体シス
テムを含むことができる。増幅された核酸を創り出し、およびまた核酸の配列を決定する
ことができる統合された配列決定システムの例には、制限はないが、MiSeqTMプラットフ
ォーム(Illumina, Inc.、San Diego、CA)および米国特許出願第13/273,666号に記載の
デバイスが含まれ、それは参照することによりここに組み込まれる。
【0382】
本開示はさらに、固定化された捕捉プライマーを修飾するためのキットに関する。いく
らかの実施態様では、キットには、a)ここに提供される鋳型核酸、およびb)二つ以上の
ウェルを有するパターン化されたフローセルが含まれ、そこでは、二つ以上のウェルは一
組のユニバーサル捕捉プライマーを有する。いくらかの実施態様では、キットはさらに制
限酵素を含む。いくらかの実施態様では、制限酵素はSapIである。いくらかの実施態様で
は、キットは、固定化された捕捉プライマーの修飾のためにキットの構成要素を使用する
ための指示書をさらに含む。いくらかの実施態様では、キットは、キットを試験する際に
使用するための1つ以上のコントロール分析物(被検体)の混合物、例は、2つ以上のコン
トロール分析物をさらに含む。
【0383】
前述の説明から、ここに記載された本発明に対して様々な用途および条件にそれを採用
するための変形および修正を行うことができることは明らかであろう。そのような実施態
様はまた、添付の請求の範囲の範囲内にある。
【0384】
ここでの変数の任意の定義における要素のリストの列挙は、リストされた要素の任意の
単一の要素または組合せ(またはサブコンビネーション)としてのその変数の定義を含む
。ここでの実施態様の列挙は、その実施態様を任意の単一の実施態様として、または任意
の他の実施態様またはその一部と組み合わせて含む。
【0385】
この説明において言及されるすべての特許および刊行物は、あたかもそれぞれの独立し
た特許および刊行物が具体的および個別に参照により組み入れられると示されているのと
同じ程度に、参照によりここに組み込まれる。
【0386】
以下の例は、制限としてでなく例示として提供される。
【実施例
【0387】
例1:二重層プライマーグラフト
【0388】
この例は、パターン化されたフローセルでの第1および第2の層の堆積および第1の層へ
の第1のプライマーの堆積および第2のフローセルへの第2のプライマーの堆積を含む実験
を記載する。
【0389】
実質的に米国特許出願公開第2014/0079923A1号および第2013/0096034A1号に記載されて
いるように、第1の層(PAZAM)を700nm間隔の400nmのウェルを有するパターン化フローセ
ル上にコーティングした。研磨後第1の捕捉プライマーを第1の層に堆積させ、第1のプラ
イマーは、Illumina(R)P5プライマー配列およびIllumina(R)SBS3プライマー配列を含む。
テトラクロロフルオレセイン標識オリゴヌクレオチド(「TETオリゴハイブリダイゼーシ
ョン」)とのハイブリダイゼーションは、矩形パターンを示し、P5-SBS3プライマーがナ
ノウェルの内部に特異的に堆積されたことが示される。また、図5(上部のパネル)も参
照。
【0390】
第2の層(SFA)を、ナノウェルにおいて第1の層にて、およびウェルを取り囲むフロー
セルの表面にてコーティングした。TET-オリゴハイブリダイゼーションは、矩形のパター
ンを示し、第1の層での第1の捕捉プライマーが第2の層を堆積した後に依然として存在し
、および機能的であることを示した。また、図5(中央のパネル)も参照。
【0391】
Illumina(R)捕捉プライマー対P5およびP7の形態において、第2のプライマーを第2の層
において堆積させた。TET-オリゴハイブリダイゼーションは、第2のプライマーが、ウェ
ルにおいてだけでなく、ウェルを取り囲む表面を含む第2の層にわたって好首尾に堆積す
ることを実証した。
【0392】
この実験は、パターン化されたフローセルを、異なる捕捉プライマーを含む少なくとも
2つの層で被覆することができることを実証する。第1の捕捉プライマーを、パターン化さ
れたフローセルのウェル内の第1の層において堆積させた。第2の捕捉プライマーは、ウェ
ルを取り囲む表面上の第2の層において堆積された。第1および第2のプライマーは、特異
的オリゴヌクレオチドプローブとハイブリダイズした。
例2:標的核酸増幅の確率的活性化
【0393】
この例は、標的核酸の、トリガー配列およびトリガー配列を欠く標的核酸と組み合わせ
た標的核酸特異的配列を含むKEAにおけるキメラプライマーを用いた確率的活性化を含む
実験を記載する。この例では、Illuminaユニバーサル捕捉プライマー配列P5をトリガー配
列として使用し、およびIlluminaSBS3配列を標的核酸特異的配列(P5/SBS3)として使用
した。
【0394】
実験設計を表1に示す。模範的な結果を図21に示す。
【表1】
【0395】
ランダムP5/P7表面フローセルを、SBS3において終結するがレーン1ないし5においてP5
配列を欠く鋳型核酸によりシードした。鋳型核酸はレーン6ないし8にはシードしなかった
。KEAはP5/SBS3キメラプライマーの存在または不存在で実行した。クラスター形成は、KE
AにおいてP5/SBS3キメラプライマーを含むレーンにて観察された(レーン2-4)が、KEAに
おいてP5/SBS3キメラプライマーを含まない(レーン1)または鋳型核酸を含まない(レー
ン6-8)レーンにおいてはそうでなかった。レーン5では、P5/SBS3プライマーの濃度が低
いためにクラスターは観察されなかった。
【0396】
この実験は、鋳型核酸の確率的活性化を含むここに提供される方法を用いてモノクロー
ナルクラスターを生成できることを実証する。
【0397】
本開示は、開示された実施態様を参照して説明したが、当業者は、上で詳述した特定の
例および研究が本開示を例示するに過ぎないことを容易に理解するであろう。本開示の精
神から離れることなく、様々な修正を行うことができることは理解されるべきである。し
たがって、本開示は添付の請求の範囲によって制限されるだけである。
図1-1】
図1-2】
図2-1】
図2-2】
図3-1】
図3-2】
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図7A
図7B
図7C
図7D
図8-1】
図8-2】
図9
図10
図11
図12A
図12B
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
【配列表】
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