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特許7323645金属性および3次元(3D)物体用の無線周波数識別(RFID)タグ並びに、その製造および使用方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-31
(45)【発行日】2023-08-08
(54)【発明の名称】金属性および3次元(3D)物体用の無線周波数識別(RFID)タグ並びに、その製造および使用方法
(51)【国際特許分類】
   G06K 19/077 20060101AFI20230801BHJP
   H01Q 19/02 20060101ALI20230801BHJP
   H01Q 1/38 20060101ALI20230801BHJP
【FI】
G06K19/077 292
H01Q19/02
H01Q1/38
G06K19/077 296
G06K19/077 216
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021570837
(86)(22)【出願日】2020-05-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-08
(86)【国際出願番号】 US2020034864
(87)【国際公開番号】W WO2020243260
(87)【国際公開日】2020-12-03
【審査請求日】2022-01-13
(31)【優先権主張番号】62/854,126
(32)【優先日】2019-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/954,482
(32)【優先日】2019-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518000176
【氏名又は名称】エイヴェリー デニソン リテール インフォメーション サービシズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】AVERY DENNISON RETAIL INFORMATION SERVICES LLC
【住所又は居所原語表記】8080 Norton Parkway, Mentor, Ohio 44060 Uni-ted States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100101683
【弁理士】
【氏名又は名称】奥田 誠司
(74)【代理人】
【識別番号】100155000
【弁理士】
【氏名又は名称】喜多 修市
(74)【代理人】
【識別番号】100139930
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 亮司
(74)【代理人】
【識別番号】100188813
【弁理士】
【氏名又は名称】川喜田 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100202142
【弁理士】
【氏名又は名称】北 倫子
(72)【発明者】
【氏名】フォースター,イアン
【審査官】後藤 彰
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2006/059366(WO,A1)
【文献】国際公開第2007/122870(WO,A1)
【文献】特開2002-321725(JP,A)
【文献】国際公開第2016/190008(WO,A1)
【文献】米国特許第07551141(US,B1)
【文献】国際公開第2007/109891(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 19/077
H01Q 19/02
H01Q 1/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
非平面の表面上にアンテナを形成するステップと、
前記非平面の表面上に反応性RFIDストラップを配置するステップと、
前記アンテナに前記反応性RFIDストラップを結合してアンテナ応答を誘導するステップとを含
前記反応性RFIDストラップが、前記アンテナを形成する前に前記非平面の表面上に配置される、
非平面の表面上に無線周波数識別(RFID)タグを製造する方法。
【請求項2】
前記反応性RFIDストラップが、電場を介して前記アンテナに結合される、請求項1に記載の非平面の表面上にRFIDタグを製造する方法。
【請求項3】
前記反応性RFIDストラップが、磁場を介して前記アンテナに結合される、請求項1に記載の非平面の表面上にRFIDタグを製造する方法。
【請求項4】
前記反応性RFIDストラップが、電場および磁場の両方を介して前記アンテナに結合される、請求項1に記載の非平面の表面上にRFIDタグを製造する方法。
【請求項5】
前記反応性RFIDストラップが、アンテナに物理的に結合される、請求項1~のいずれか一項に記載の非平面の表面上にRFIDタグを製造する方法。
【請求項6】
前記アンテナが前記非平面の表面上に噴霧される、請求項1~のいずれか一項に記載の非平面の表面上にRFIDタグを製造する方法。
【請求項7】
前記アンテナが前記非平面の表面上に印刷される、請求項1~のいずれか一項に記載の非平面の表面上にRFIDタグを製造する方法。
【請求項8】
前記アンテナが導電性インクから形成される、請求項1~のいずれか一項に記載の非平面の表面上にRFIDタグを製造する方法。
【請求項9】
非平面物体に適合された無線周波数識別(RFID)タグを製造する方法であって、
非平面物体の表面をスキャンするステップと、
前記スキャンの結果に基づいて、選択された位置で前記表面に適したアンテナの設計を選択するステップと、
反応性RFIDストラップの設計を選択するステップと、
前記表面に前記反応性RFIDストラップを取り付けるための位置を選択するステップと、
前記表面上で、前記アンテナと前記反応性RFIDストラップを結合して前記RFIDタグを形成し遠方界アンテナ応答を誘導するステップと
を含む方法。
【請求項10】
前記アンテナが、前記非平面物体の表面上に前記反応性RFIDストラップを配置する前に、前記非平面物体の表面上に形成される、請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記反応性RFIDストラップが、前記アンテナを形成する前に前記非平面物体の表面上に配置される、請求項に記載の方法。
【請求項12】
形成されたRFIDタグの無線周波数(RF)性能を測定するステップをさらに含む、請求項9~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記RF性能を最適化するために前記アンテナの設計を適合させるステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記反応性RFIDストラップが、電場および磁場の少なくとも1つを介してアンテナに結合される、請求項9~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記アンテナが、前記非平面物体の表面に噴霧または印刷される、請求項9~14のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年5月29日に出願された米国仮実用特許出願番号62/854,126および2019年12月28日に出願された米国仮実用特許出願番号62/954,482の優先権および利益を主張し、これらのそれぞれは、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、一般に、(1)3次元(3D)物体またはパッケージ上で作成され得る無線周波数識別(RFID)タグの製造、および(2)金属性物体と相互作用し、その中に電流を誘導する反応性無線周波数識別(RFID)ストラップの製造に関する。より具体的には、3D物体の場合、RFIDタグは、物体上に導電性材料を生成し、その形状および位置を補正し、また導電性材料を反応性RFIDストラップに結合してRFIDタグを形成することによって、3D物体の表面またはその1次若しくは2次パッケージング上に形成することができ、その後、遠方界RFIDアンテナ応答を誘導することができる。金属性物体の場合、反応性RFIDストラップをプラスチッククリップに固定して、金属性物体に比較的容易に取り付けることができ、金属性物体のサイズおよび形状が適切である場合、反応性RFIDストラップは遠方界RFIDアンテナ応答を誘導することができる。
【背景技術】
【0003】
一般的に言えば、無線周波数識別は、電磁エネルギーを使用して(RFID「タグ」またはトランスポンダと知られている)応答装置を活性化してそれ自体を識別し、場合によっては、タグに格納された追加の情報および/またはデータを提供する。通常、RFIDタグは、一般に「チップ」と呼ばれる半導体装置を含み、その上にメモリおよび動作回路が形成されてアンテナに接続されている。通常、RFIDタグは、インタロゲータとも呼ばれるリーダから受信した無線周波数の質問信号(interrogation signal)に応答してチップメモリに格納された情報を提供する、トランスポンダとして機能する。パッシブ型RFID装置の場合、質問信号のエネルギーは、RFIDタグ装置を動作するのに必要なエネルギーも提供する。
【0004】
上述のように、RFIDタグは、一般に、RFIDチップを何らかの形のアンテナに接続することによって形成される。アンテナの種類は非常に多様であり、その構成方法も多様である。RFIDタグを製造する1つの特に有利な方法は、アンテナに結合できる2つ以上の導体に接続されたRFIDチップを備えた小型装置であるストラップを使用することである。導体とアンテナとの結合は、導電性接続、電界接続、磁気接続、または結合方法の組み合わせを用いて達成することができる。
【0005】
RFIDタグは、ユーザが後で識別および/または追跡したい物品に組み込まれるか、または取り付けられ得る。場合によっては、タグが、クリップ、接着剤、テープ、または他の手段で物品の外側に取り付けられ得る場合があり、RFIDタグが包装に含まれるか、物品の容器内にあるか、衣服に縫い付けられるなどして、物品内に挿入され得る場合がある。さらに、RFIDタグは、通常、チェックデジットが付いた数バイトの単純なシリアル番号である、固有の識別番号で製造される。この識別番号は、通常、製造時にRFIDタグに組み込まれる。ユーザは、このシリアル番号/識別番号を変更することができず、製造業者は、各RFIDタグのシリアル番号が一回のみ使用されることを保証し、したがって固有である。このような読み取り専用RFIDタグは、通常、識別および/または追跡される物品に恒久的に取り付けられ、一度取り付けられると、タグのシリアル番号はコンピュータデータベースのホスト物品に関連付けられる。
【0006】
多くの小売物品や他の物品は、何らかの形で金属性である場合がある。通常、これらの金属性の小売物品は、そのアイテムを追跡するために、それらにRFIDタグまたはストラップを取り付ける必要がある。しかしながら、これらのRFIDタグまたはスクラップは取り外し可能であり、および/または限られた距離でのみ活性化される必要がある場合がある。したがって、金属性物品に取り外し可能に固定することができる反応性RFIDストラップを製造する必要性が、当技術分野で長い間存在してきた。また、金属性物体に電流が流れるように誘導する反応性RFIDストラップに対する必要性も、当技術分野で長い間存在してきた。一実施形態において、本発明は、金属性物体に容易に取り付けるためにプラスチッククリップに固定することができる反応性RFIDストラップを示す。金属性物体のサイズおよび形状が適切である場合、反応性RFIDストラップは遠方界RFIDアンテナ応答を誘導することができる。
【0007】
さらに、多くの小売製品、その他の物品、およびそれらの関連パッケージングは、従来のRFIDタグを受け入れるのに理想的ではない非平面の表面を有する。例えば、ボトルの場合、前記ボトルの曲面部分とは対照的に、ボトルとRFIDタグとの間のより確実な付着を達成するために、ボトルの底部または上部の平らな部分にRFIDタグアンテナを形成する必要がある場合がある。したがって、ボトルの任意の部分、または任意の他の非平面の表面上にアンテナを形成する方法の必要性も長い間存在しており、これは、表面に合わせるのに十分に柔軟な反応性RFIDストラップと共に使用される際に、高性能RFIDタグが作成される形状に適合される。より具体的に、本発明は、物体の非平面上に導体を蒸着する方法を開示し、ここで、アンテナの形状は、最適に機能するように適合され得、したがって、製造業者はRFIDタグの形成および/または配置においてより大きな柔軟性を提供する。
【発明の概要】
【0008】
開示されている発明のいくつかの態様の基本的な理解を提供するために、簡略化した要約を以下に提示する。この要約は、広範な概要ではなく、カギとなる/重要な要素を識別したり、その範囲を記述したりするものではない。その唯一の目的は、後に提示されるより詳細な説明の前置きとして、簡略化した形で一部概念を提示することである。
【0009】
金属性物体および3次元(3D)物体に対するRFIDタグが本明細書に記載されている。金属性物体の場合、一部の実施形態において、前記タグは、そのどちらもプラスチッククリップ構成要素に固定されるRFIDチップまたはストラップと導体構成要素とを含む、反応性RFIDストラップ構成要素を含む。その後、反応性RFIDストラップ構成要素は、金属性物品または物体に取り付けられる。金属性物品のサイズおよび形状が適切である場合、反応性RFIDストラップ構成要素は遠方界アンテナ応答を誘導することができ、ここで結合は、電場、磁場、またはその両方間で可能であり、反応性RFIDストラップ構成要素の構造およびその金属性物品への近接性に関連する。
【0010】
反応性RFIDストラップ構成要素のクリップ構成要素は、複数の形態で提供され得る。一部の実施形態において、クリップ構成要素のタブは、フレーム部の外縁と整列する縁を含み得る。他の実施形態において、クリップ構成要素のタブは、すべての縁または側面上でフレーム部によって囲むか、または取り囲むことができる。それにもかかわらず、以下でより詳細に説明するように、可能なタイプのクリップ構成要素のこれらの2つの例は、異なる機械的特性を提供する。例えば、前記で提示した第1の例は、金属性物品の縁に対してよりフィットしやすく、より配置しやすいが、第2の例ほど堅牢ではない。一方、可能なクリップスタイルの第2の例は、金属性物体に取り付けるのが難しい場合があるが、第1の例よりも堅牢であり、使用寿命がより長くなる可能性がある。
【0011】
反応性RFIDストラップ構成要素は、複数の方法でクリップ構成要素に固定することができる。一部の実施形態において、導体構成要素は、RFIDチップを直列に備えた導電性ループに形成され、主に磁場によって結合することができる。他の実施形態において、導電性構成要素は、主に電場によって金属性物品に結合するフレーム上の略U字形の導体であり得る。さらに他の実施形態において、導電性構成要素は、フレーム上に取り付けられ、クリップ構成要素のタブを囲むか、またはそれを取り囲む導電性ループであり得る。
【0012】
また、金属性物体用の反応性RFIDストラップ構成要素を製造する方法が開示されている。一般に、前記方法は、適切な基板の表面上にアンテナを形成するステップを含む。基板は、任意の適切な材料で形成することができる。例示的な材料として、プラスチックを含むが、これに限定されない。その後、RFIDチップまたはストラップが取り付けられ、クリップ構成要素が切断される。クリップ構成要素は、一連のタブによってウェブに保持されるか、または剥離ライナー上に配置され、接着剤によって取り付けられ得る。その後、クリップ構成要素は、例えば、ロール、キャニスタ、または袋に配置することによって、使用するためにフォーマットされる。また、クリップ構成要素は、面歪み(surface deflection)、接着固定点、または金属性物品のパッケージまたは物体の既存の孔若しくは開口部に係合するように設計されたタブを追加することによって、クリップ構成要素を金属性物品に固定するために変形し、クリップ構成要素と金属性製品とのより確実な接続を形成することができる。
【0013】
一部の実施形態において、RFIDタグは、3D物体の表面上、またはその1次若しくは2次パッケージング上に形成される。一部の実施形態において、RFIDタグは、前記物体上に導電性材料を生成し、その形状および位置を補償し、また導電性材料を反応性RFIDストラップに結合して、RFIDタグを形成することによって形成され、その後、遠方界RFIDアンテナ応答を誘導することができる。RFIDタグ装置は、非平面物体に特に適しており、最適に機能させるためにRFIDタグを形成する必要があり、アンテナの形状をパッケージングの幾何学的形状に合わせて適合しなければならないパッケージングに対して、より多くの選択肢を提供する。
【0014】
一部の実施形態において、反応性RFIDストラップ構成要素は、そのどちらもプラスチッククリップ構成要素に固定されているRFIDチップまたはストラップと導体構成要素とを含む。その後、反応性RFIDストラップ構成要素は、3D物体に取り付られる。3D物体のサイズおよび形状が適切な場合、反応性RFIDストラップ構成要素は遠方界アンテナ応答を誘導することができ、ここで結合は、電場、磁場、またはその両方の間で可能であり、反応性RFIDストラップ構成要素の構造およびその3D物品への近接性に関連する。
【0015】
反応性RFIDストラップ構成要素のクリップ構成要素は、複数の形態で提供され得る。例えば、クリップ構成要素のタブは、フレーム部の外縁と整列する縁を含み得る。あるいは、クリップ構成要素のタブは、すべての縁または側面上でフレーム部によって囲むか、または取り囲むことができる。それにもかかわらず、以下でより詳細に説明するように、可能なタイプのクリップ構成要素のこれらの2つの例は、異なる機械的特性を提供する。例えば、前記で提示した第1の例は、3D物体の縁に対してよりフィットしやすく、より配置しやすいが、第2の例ほど堅牢ではない。一方、可能なクリップスタイルの第2の例は、3D物体に取り付けるのが難しい場合があるが、第1の例よりも堅牢であり、使用寿命がより長くなる可能性がある。
【0016】
さらに、反応性RFIDストラップ構成要素は、複数の方法でクリップ構成要素に固定することができる。例えば、導体構成要素は、RFIDチップを直列に備えた導電性ループに形成され、主に磁場によって結合することができる。あるいは、導電性構成要素は、主に電場によって金属性物品に結合するフレーム上の略U字形の導体であり得る。さらなる代替実施形態において、導電性構成要素は、フレーム上に取り付けられ、クリップ構成要素のタブを囲むか、または取り囲む導電性ループであり得る。
【0017】
また、反応性RFIDストラップ構成要素を製造する方法が開示されている。一般に、前記方法は、プラスチックなどの適切な材料の表面上にアンテナを形成するステップを含む。その後、RFIDチップまたはストラップが取り付けられ、クリップ構成要素が切断される。クリップ構成要素は、一連のタブによってウェブに保持されるか、または剥離ライナーに配置され、接着剤によって取り付けられ得る。その後、クリップ構成要素は、ロール、キャニスタ、または袋に入れるなどして、使用するためにフォーマットされる。また、クリップ構成要素は、面歪み、接着固定点、または3D物品のパッケージまたは物体の既存の孔若しくは開口部に係合するように設計されたタブを追加することによって、クリップ構成要素を金属性物品に固定するために変形し、クリップ構成要素と3D物体とのより確実な接続を形成することができる。
【0018】
他の実施形態において、前記方法は、非平面物体の表面上にアンテナを形成するステップと、前記アンテナ近くの非平面物体の表面上に反応性RFIDストラップを配置してRFIDタグを形成するステップとを含む。反応性RFIDストラップは、遠方界アンテナ応答が誘導されるようにアンテナに結合され、ここで結合は、電場、磁場、またはその両方の間で可能である。
【0019】
他の実施形態において、反応性RFIDストラップは、アンテナが非平面物体の表面上に形成される前に配置され得る。アンテナは、導電性液体から製造することができ、インクジェット噴霧または印刷によって非平面物体の表面に噴霧または印刷することができる。あるいは、アンテナは金属箔から製造することができ、非平面物体の表面上に配置することができる。さらに、RFIDアンテナが形成された位置で非平面物体の表面領域が非常に複雑である(例えば、輪郭がある)場合、前記方法は、RFIDアンテナと反応性RFIDタグとの物理的接続を追加するステップをさらに含み得る。
【0020】
一部の実施形態において、非平面物体に適合したRFIDタグを製造する方法が開示されている。前記方法は、好ましくは、非平面物体の表面をスキャンした後、非平面物体の表面上の選択された位置でRFIDアンテナの適切な設計を選択するステップを含む。次に、反応性RFIDストラップの適切な設計は、非平面物体に対して反応性RFIDストラップを配置するための適切な位置と共に選択され得、その後、RFIDタグを平面物体の表面に形成することができる。より具体的には、RFIDアンテナは、反応性RFIDストラップが表面上に配置される前または後に、非平面物体の表面上に形成され得る。さらに、RFIDタグの適切な性能を保証し、設計を最適化するために、無線周波数(RF)性能が測定され得る。反応性RFIDストラップは、遠方界アンテナ応答が誘導されるようにアンテナに結合され、ここで結合は、電場、磁場、またはその両方の間で可能である。
【0021】
さらに他の実施形態において、非平面物体に適合したRFIDタグを製造する方法は、まず、非平面物体の表面上にセパレータを蒸着するステップを含む。その後、アンテナがセパレータ上に形成され、反応性RFIDストラップは、反応性RFIDストラップがアンテナと結合してRFIDタグを形成するようにセパレータ上に配置される。反応性RFIDストラップは、遠方界アンテナ応答が誘導されるようにアンテナに結合され、ここで結合は、電場、磁場、またはその両方の間で可能である。セパレータは、厚さを測定することができ、セパレータ厚さは、RFIDタグの安定性を保証するように適合される。セパレータは、アンテナがセパレータ上に形成されるように傾斜部をさらに含み、傾斜部に下がって非平面物体の表面と接触し得る。あるいは、まず、ベース導体を非平面物体の表面上に配置し、セパレータをベース導体の上部に蒸着または配置し得る。
【0022】
前述および関連する目的を達成するために、開示されている発明の特定の例示的な態様が、以下の説明および添付の図面に関連して本明細書に記載されている。これらの態様は、本明細書に開示された原理を採用することができる様々な方法のほんの一部を示すが、このような態様およびそれらの均等物のすべてを含むよう意図されている。その他の利点および新規な特徴は、図面と共に考慮される際、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】開示された構成による、金属性物体に近接して結合された反応性RFIDストラップ構成要素の上部斜視図である。
図2A】開示された構成による本発明のクリップ構成要素の1つの可能な実施形態の正面斜視図である。
図2B】開示された構成による本発明のクリップ構成要素の代替実施形態の正面斜視図である。
図3A】開示された構成による、金属性物体に近接してタブ構成要素上に導電性ループを形成する導体構成要素を備えた一実施形態の正面斜視図である。
図3B】開示された構成による、金属性物体に近接してタブ構成要素上にU字形の導体を形成する導体構成要素の代替実施形態の正面斜視図である。
図3C】開示された構成による、フレーム上に取り付けられ、金属性物体に近接してタブ構成要素を取り囲む導電性ループを形成する導体構成要素の代替実施形態の正面斜視図である。
図4】開示された構成による、本発明の反応性RFIDストラップ構成要素を製造する基本的なプロセスのフローチャートである。
図5A】開示された構成による、面歪みによって変形される前の反応性RFIDストラップ構成要素の正面斜視図である。
図5B】開示された構成による、面歪みによって変形される前の図5Aの反応性RFIDストラップ構成要素の側面斜視図である。
図5C】開示された構成による、面歪みによって変形された後の反応性RFIDストラップ構成要素の正面斜視図である。
図5D】開示された構成による、面歪みによって変形された後の図5Cの反応性RFIDストラップ構成要素の側面斜視図である。
図6A】開示された構成による、さらなる接着固定点によって変形された反応性RFIDストラップ構成要素の一実施形態の正面斜視図である。
図6B】開示された構成による、さらなる接着固定点によって変形された反応性RFIDストラップ構成要素の代替実施形態の正面斜視図である。
図7A】開示された構成による、タブによって変形され、金属性物体の既存の開口部に係合するように設計された反応性RFIDストラップ構成要素の正面斜視図である。
図7B】開示された構成による、タブによって変形され、金属性物体の既存の開口部に係合するように設計された反応性RFIDストラップ構成要素の側面斜視図である。
図7C】開示された構成による、タブによって変形され、金属性物体に形成された開口部に係合する反応性RFIDストラップ構成要素の正面斜視図である。
図8】開示された構成による、金属性袋に固定された反応性RFIDストラップ構成要素の上部斜視図である。
図9】開示された構成による遠方界応答のグラフである。
図10】開示された構成による、金属性箱に固定された反応性RFIDストラップ構成要素の上部斜視図である。
図11】開示された構成による遠方界応答のグラフである。
図12】開示された構成による、RFIDタグを形成するために共に結合された反応性RFIDストラップおよびアンテナの分解図である。
図13】開示された構成による、非平面物体上で使用するように適合されたRFIDタグの1つの可能な実施形態の分解図である。
図14】開示された構成による、非平面物体の表面上にRFIDタグを組み立てるための基本的なプロセスのフローチャートである。
図15】開示された構成による、非平面物体の表面をスキャンし、非平面物体の表面上にRFIDタグを組み立てるための基本的なプロセスのフローチャートである。
図16】開示された構成による、非平面物体の表面上にRFIDタグを製造するための基本的なプロセスのフローチャートである。
図17】開示された構成による、非平面物体の表面上にセパレータをまずに蒸着するステップをさらに含む、非平面物体の表面上にRFIDタグを製造する代替実施形態のフローチャートである。
図18】開示された構成による、本発明のセパレータに沿うようにRFIDタグのアンテナを適合させるフローチャートである。
図19】開示された構成による、セパレータを適合させた後、セパレータに沿うようにRFIDタグのアンテナを適合させるフローチャートである。
図20A】開示された構成による、傾斜部を含むようにセパレータを適合させた後、セパレータに沿うようにRFIDタグのアンテナを適合させるフローチャートである。
図20B】開示された構成による、セパレータより前に非平面物体の表面上にベース導体をまずに蒸着することを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
ここで、本発明は、図面を参照して説明され、同様の参照番号は、全体を通して同様の要素を指すために使用される。以下の説明では、説明の目的として、その完全なる理解をもたらすために、多くの特定の詳細が説明される。しかしながら、これらの特定の詳細がなくても本発明を実施できることは明らかである。他の場合では、周知の構造および装置は、それらの説明を容易にするためにブロック図の形で示される。
【0025】
I.RFIDタグ
A.金属性物品または物体
一実施形態において、反応性RFIDストラップ構成要素は、プラスチックまたは他の適切な材料で形成されたクリップ構成要素などのクリップ構成要素に固定される、RFIDチップまたはストラップと導体構成要素とを含む。その後、反応性RFIDストラップ構成要素が金属性物品または物体に取り付けられる。金属性物品のサイズおよび形状が適切である場合、反応性RFIDストラップ構成要素は、遠方界アンテナ応答を誘導することができ、ここで結合は、電場、磁場、またはその両方の間で可能であり、反応性RFIDストラップ構成要素およびその金属性物品への近接性に関連する。
【0026】
一部の実施形態において、RFIDチップおよび導体構成要素は、複数の方法でクリップ構成要素に固定することができる。例えば、導体構成要素は、RFIDチップを直列に備えた導電性ループに形成され、主に磁場によって結合することができる。あるいは、導体構成要素は、主に電場によって金属性物品に結合するフレーム上の略U字形の導体であり得る。他の実施形態において、導体構成要素は、フレーム上に取り付けられ、クリップ構成要素のタブを取り囲む導電性ループであり得る。クリップ構成要素の様々な代替実施形態は、面歪み、接着固定点、または金属性物品またはパッケージの既存の開口部若しくは複数の開口部に係合するように設計されたタブを追加することによって、金属性物品にクリップ構成要素を固定するために変形され、より確実な取り付けを提供することができる。さらに、3次元(3D)または非平面物体上にアンテナと反応性RFIDストラップとを含むRFIDタグを製造する様々な方法も開示される。
【0027】
最初に図面を参照すると、図1は、金属性物品108または他の導電性物体に近接して結合された反応性RFIDストラップ構成要素100の上部斜視図を示している。通常、反応性RFIDストラップ構成要素100は、金属性物品108にアンテナ応答を誘導する反応性ストラップであり、プラスチッククリップに統合されるが、当技術分野で知られているような任意の反応性物体であり得る。さらに、反応性RFIDストラップ構成要素100は、本発明の全体的な概念に影響を与えることなく、当技術分野で知られているような任意の適切なサイズ、形状、および/または構成であり得る。当業者は、様々な図に示された反応性RFIDストラップ構成要素100の形状、サイズ、および構成が例示のみを目的としており、反応性RFIDストラップ構成要素100の多くの他の形状およびサイズが本開示の範囲内にあることを理解するであろう。反応性RFIDストラップ構成要素100の寸法(すなわち、長さ、幅、および高さ)は、優れた性能のための重要な設計パラメータであるが、反応性RFIDストラップ構成要素100は、使用時の最適な性能を保証し、ユーザの要求または好みを満たす任意の形状、サイズ、または構成であり得る。
【0028】
通常、反応性RFIDストラップ構成要素100は、クリップ構成要素106に固定された、RFIDチップまたはストラップ102と導体構成要素104とから構成される。次に、反応性RFIDストラップ構成要素100が金属性物品108または当技術分野で知られているような他の適切な導電性物体に取り付けられる。金属性物品108のサイズおよび形状が十分である場合、反応性RFIDストラップ構成要素100は、遠方界アンテナ応答を誘導することができる。例えば、結合は、電場(E)、磁場(H)を介して、または一般に、電場(E)および磁場(H)の両方を介して可能であり、反応性RFIDストラップ構成要素100の構造およびその金属性物品108に対する近接性に関連する。したがって、電場(E)および磁場(H)における金属性物品108への反応性RFIDストラップ構成要素100の結合は、幾何学的形状に多少依存する。
【0029】
反応性RFIDストラップ構成要素100は、ユーザの要求および/または必要に応じて変更することができるように、多目的であり得る。例えば、反応性RFIDストラップ構成要素100は、ロールツーロールプロセス、または当技術分野で知られているような他の適切な分配プロセスで使用できるよう、比較的平坦に製造することができる。また、反応性RFIDストラップ構成要素100は、金属性物品108の縁に対して摺動するように設計されており、一定距離のみ伝達する停止部(stop)を組み込むことができる。さらに、それらの様々な可能な代替実施形態における本発明の反応性RFIDストラップ構成要素100は、反応性RFIDストラップ構成要素100を金属性物品108に着脱しやすくする剥離ライナーを備えた接着剤を含むことができる。ストラップ構成要素100のプロファイル、または金属性物品108の上に突き出る材料の量は、ユーザの要求および/または必要に応じて変えることができる。全体として、反応性RFIDストラップ構成要素100は、非常に堅牢であるかまたは強く、金属性物品108に容易に適用できるように製造される。
【0030】
図2A図2Bに示すように、RFIDチップ102および導体構成要素104の双方は、クリップ構成要素106に固定され得る。より具体的に、図2Aは、クリップ構成要素106の1つの可能な実施形態の正面斜視図を示し、図2Bは、クリップ構成要素の代替実施形態の正面斜視図を示している。通常、クリップ構成要素106はプラスチッククリップであるが、当技術分野で知られているような任意の適切な材料で作ることもできる。さらに、クリップ構成要素106は、本発明の全体的な概念に影響を与えることなく、当技術分野で知られているような任意の適切なサイズ、形状、および/または構成であり得る。当業者は、図2A図2Bに示されるクリップ構成要素106の形状、サイズおよび構成が例示のみを目的としており、クリップ構成要素106の多くの他の形状およびサイズが本開示の範囲内にあることを理解するであろう。クリップ構成要素106の寸法(すなわち、長さ、幅、および高さ)は、優れた性能のための重要な設計パラメータであるが、クリップ構成要素106は、使用時に最適な性能を保証する任意の形状またはサイズであり得る。さらに、通常、クリップ構成要素106は、示しているように2つの基本的な形態で活用することができるが、当技術分野で知られているような他の適切な形態でも活用することができる。
【0031】
図2Aに示すように、クリップ構成要素106は、タブ構成要素200とフレーム構成要素202とを含む。タブ構成要素200は、フレーム構成要素202の外縁部206と整列する縁部204を含む。図2Bに示すように、クリップ構成要素106は、すべての縁上でフレーム構成要素202によって囲まれたタブ構成要素200を含む。したがって、2つの異なる形態のクリップ構成要素106は、異なる機械的特性を含む。例えば、製造プロセスの終わりに、タブ構成要素200を歪めさせることができ、整列した縁部204および206上に容易に押しつけることができるので、図2Aのクリップ構成要素106が金属性物品108にさらにフィットしやすくなる。しかしながら、図2Aのクリップ構成要素106の形態は、図2Bに示すものよりも堅牢ではない。逆に、図2Bのクリップ構成要素106の形態は、図2Aに示すクリップ構成要素の形態と比較して、金属性物品または物体108への取り付けがより困難であり、図2Bのクリップ構成要素の形態は、図2Aに開示しているクリップ構成要素の形態よりも強く、通常、より長い使用寿命を有するであろう。
【0032】
図3A図3Cに示すように、RFIDチップ102および導体構成要素104の双方は、クリップ構成要素106に固定される。RFIDチップ102および導体構成要素104は、ユーザの要求および/または必要に応じて複数の方法で、例えば、接着剤でクリップ構成要素106に固定することができる。また、導体構成要素104は、本発明の全体的な概念に影響を与えることなく、当技術分野で知られているような任意の適切なサイズ、形状、および/または構成であり得る。当業者は、図3A図3Cに示す導体構成要素104の形状、サイズ、および構成が例示のみを目的としており、導体構成要素104の多くの他の形状およびサイズが本開示の範囲内にあることを理解するであろう。導体構成要素104の寸法(すなわち、長さ、幅、および高さ)は、優れた性能の重要な設計パラメータであるが、導体構成要素104は、使用時の最適な性能を保証し、ユーザの要求を満たす任意の形状またはサイズであり得る。
【0033】
さらに、通常、導体構成要素104は、例えば、図3A図3Cに示すような多数の異なる方法でクリップ構成要素106にフィットすることができる。しかしながら、導体構成要素104はまた、当技術分野で知られているような任意の他の適切な方法でクリップ構成要素106にフィットすることができる。図3Aに示すように、導体構成要素104は、RFIDチップ102を直列に備えた導電性ループに配置することができ、したがって、主に磁場(H)で結合し、タブ構成要素200上に配置される。あるいは、図3Bに示すように、導体構成要素104は、主に電場(E)結合によって金属性物品108に結合するフレーム構成要素202上に略U字形の導体として形成することができる。図3Cに示すさらなる代替実施形態において、導体構成要素104は、RFIDチップ102を直列に備えた導電性ループに配置することができ、タブ構成要素200を取り囲むようにフレーム構成要素202上に取り付けることができる。
【0034】
図4は、金属性物品108に使用するための反応性RFIDストラップ構成要素100を製造する基本的な方法のフローチャートを示す。400において、前記方法は、プラスチック、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの適切な材料の表面上にアンテナを形成するステップを含む。理想としては、前記材料は、クリップ構成要素として自立するのに十分な厚さであるがロールツーロール処理されるのに十分な薄さ、例えば、0.5mmの厚さ、または当技術分野で知られている任意の他の適切な厚さである。あるいは、ロールツーロールプロセスが使用されない場合、厚いカード若しくは波形材料、または当技術分野で知られている任意の他の適切な材料を使用することができる。具体的に、アンテナは、パターン印刷接着剤、ホイルラミネート、パターン周りの切断、およびマトリックスストリッピングを介して形成され得る。
【0035】
次に、402において、RFIDチップまたはストラップがアンテナに取り付けられ、404において、クリップ構成要素は、ユーザが重要な構造要素の周りを切断するように、ダイ切断される。クリップ構成要素は、一連のタブによってウェブに保持されるか、または剥離ライナー上に配置され、接着剤によって取り付けられる。その後、406において、クリップ構成要素は、ロール、キャニスタ、または袋にクリップ構成要素を配置するなど、使用するためにフォーマットされ得る。例えば、408で、クリップ構成要素をロールにフォーマットすることができ、その後、ロールはプリンタに使用されて製品に分配される。410において、クリップ構成要素は単一のユニットに切断され、手動で組み立てるために袋に落とされる(drop)。412において、クリップ構成要素は、アプリケータガンと共に使用するためにチューブまたはキャニスタに積層される。
【0036】
図5A図5Bに示すように、反応性RFIDストラップ構成要素100は、歪み500を生成するために熱および/または圧力を加えるツールによって変形され得る。あるいは、歪み500を生成する当技術分野で知られている他の適切なツール、例えばパンチが使用され得る。より具体的には、図5A図5Bは、歪み500を生成するために、熱および/または圧力ツール、または代替ツールによって成形される前の反応性RFIDストラップ構成要素100の正面図および側面図を示す。
【0037】
逆に、図5B図5Cは、歪み生成プロセスの後、すなわち、内部に歪み500を形成するために、熱および/または圧力、または他の手段を利用するツールによって成形された後の反応性RFIDストラップ構成要素100の正面図及び側面図を示す。歪み500は、反応性RFIDストラップ構成要素100の表面上の3D隆起バンプ構造502または下降バンプ構造504のいずれかであり得る。歪み500は、クリップ構成要素106を導体構成要素104に確実な方法で取り付けるために表面バンプまたはキャッチを含む。
【0038】
図6A図6Bに示すように、反応性RFIDストラップ構成要素100は、クリップ構成要素106をさらによく固定するために、さらなるグリップ600または接着固定点602をさらに含むことができる。より具体的には、図6Aは、さらなるグリップ600および接着固定点602によって変形された反応性RFIDストラップ構成要素100の一実施形態の正面斜視図を示し、図6Bは、さらなる接着グリップ600および接着固定点602によって変形された反応性RFIDストラップ構成要素100の代替実施形態の正面斜視図を示す。さらなるグリップ600および/または接着固定点602は、印刷または当技術分野で知られているような任意の他の適切な分配形態によって追加され得る。前記グリップ600および接着固定点602は、通常、反応性RFIDストラップ構成要素100の表面に追加されるが、当技術分野で知られているような任意の他の適切な領域にも追加され得る。
【0039】
さらに、図7A図7Cに示すように、反応性RFIDストラップ構成要素100は、その表面上に形成された複数のタブ700をさらに含み得る。図7Aに示すように、特定のユーザの要求および/または必要に応じて、任意の数のタブ700を使用することができる。具体的に、タブ700は、反応性RFIDストラップ構成要素100から押し出される非戻りフラップであり得る(図7B参照)。図7Cに示すように、タブ700は、金属性物品108と係合する。通常、タブ700は、金属性物品108、または当技術分野で知られているような金属性物品108の任意の他の適切な領域内に配置された孔または開口部702に係合する。通常、孔または開口部702は、金属性物品または物体108の既存の開口部であり、ディスプレイレールまたはフックに前記物品108を吊るすために使用される。
【0040】
図8に示すように、反応性RFIDストラップ構成要素100は、遠方界アンテナ応答を誘導するために金属袋800に固定され得、ここで結合は、電場、磁場、またはその両方の間で可能である。さらに、図9は、開示されれいる構成による遠方界応答のグラフを示し、これは、FCC帯域にわたって約-11dBmの感度を示す。
【0041】
図10に示すように、反応性RFIDストラップ構成要素100はまた、遠方界アンテナ応答を誘導するために金属性箱902に固定され得、ここで結合は、電場、磁場、またはその両方の間で可能である。さらに、図11は、開示されている構成による遠方界応答のグラフを示し、これは、FCC帯域にわたって約-10dBmの感度を示す。
【0042】
B.3次元(3D)物体
図12図14は、非平面物体1050の表面1052上に配置されたRFIDタグ1000及びその製造方法を示している。RFIDタグ1000は、アンテナ1002と反応性RFIDストラップ1004とを含む。反応性RFIDストラップ1004は、RFIDチップ1006をさらに含む。アンテナ1002および反応性RFIDストラップ1004双方は、本発明の全体的な概念に影響を与えることなく、当技術分野で知られているような任意の適切なサイズ、形状、および/または構成であり得る。当業者は、様々な図に示されているアンテナ1002および反応性RFIDストラップ1004の双方の形状、サイズ、および構成が例示のみを目的としており、アンテナ1002および反応性RFIDストラップ1004双方の多くの他の形状およびサイズは、本開示の範囲内にあることが理解されるであろう。アンテナ1002および反応性RFIDストラップ1004の双方の寸法(すなわち、長さ、幅、および高さ)は、優れた性能のための重要な設計パラメータであるが、アンテナ1002および反応性RFIDストラップ1004の双方は、使用時の最適な性能を保証し、ユーザの要求および/または好みを満たす任意の形状、サイズ、または構成であり得る。
【0043】
通常、RFIDタグ1000は遠方界アンテナ応答を誘導することができる。例えば、反応性RFIDストラップ1004へのアンテナ1002の結合は、電場(E)、磁場(H)を介して、または一般に、電場(E)および磁場(H)の両方を介して可能であり、RFIDタグ1000の構造に関連する。したがって、電場(E)および磁場(H)における反応性RFIDストラップ1004へのアンテナ1002の結合は、幾何学的形状に多少依存する。アンテナ1002は導電性であり、典型的には、機械的にまたはレーザによって切断された金属箔、印刷された導電性インク、または気相蒸着された材料などの様々な導電性材料から形成されるが、これらに限定されない。さらに、RFIDタグ100は、反応性RFIDストラップ1004の近傍にアンテナ1002を配置することによって形成される。
【0044】
一般に、非平面物体1050は、箱、袋、ボトル、不規則な形状の製品、または少なくとも1つの非平面を有する任意の他の3次元物体であり得る。RFIDタグ1000は、必要に応じて製品自体の表面上に、またはその1次若しくは2次パッケージング上に形成され得、それらのいずれも非平面物体1050として機能し得ることが理解されるであろう。
【0045】
図14は、非平面物体1050の表面1052上にRFIDタグ1000を製造する方法1400を示している。この方法は、RFIDタグ1000を受け入れるための非平面物体1050が選択されるステップ1402から始まる。RFIDタグ1000の構成は、まずステップ1410で非平面物体1050の表面1052上にアンテナ1002を形成する。次に、ステップ1412で、反応性RFIDストラップ1004は、非平面物体1050の表面1052上に配置される。その後、反応性RFIDストラップ1004は、ステップ1414で機能するRFIDタグ1000として遠方界アンテナ応答を誘導するために、アンテナ1002に結合される。
【0046】
あるいは、また、図14に示すように、前記方法1400は、RFIDタグ1000を受け入れるための非平面物体1050が選択されるステップ1402から始まり得る。ステップ1404で、RFIDタグ1000の構成は、まず、アンテナ1002を形成する前に非平面物体1050の表面1052上に反応性RFIDストラップ1004を形成および配置し得る。その後、ステップ1406で、アンテナ1002は、非平面物体1050の表面1052上に形成され、反応性RFIDストラップ1004は、ステップ1408で機能するRFIDタグ1000として遠方界アンテナ応答を誘導するために、アンテナ1002に結合される。より具体的に、反応性RFIDストラップ1004へのアンテナ1002の結合は、電場(E)、磁場(H)を介して、または電場(E)および磁場(H)の両方を介して可能である。さらに、反応性RFIDストラップ1004は、必要に応じて、アンテナ1002に物理的に結合され得る。
【0047】
アンテナ1002を形成するために導電性インクを噴霧または印刷することによって、非平面物体1050上にアンテナ1002を蒸着させることができる。最適に機能するようにアンテナの形状が適合された非平面物体上に導体を蒸着するために噴霧または印刷から選択できる機能により、RFIDタグが形成され得る非平面物体1050上の位置と比較してより大きな設計の柔軟性および選択肢を、製造業者または他のユーザに提供する。例えば、ボトルの場合、ボトルの底部または上部の平坦な表面上にRFIDタグアンテナを形成しようとするのが一般的である。しかしながら、図14に示している方法1400を用いることによって、ユーザは、ボトル表面の任意の部分上にアンテナ1002を形成し、これをボトルの形状または輪郭に適合させて表面1052に沿うのに十分な柔軟性の反応性RFIDストラップ1004と共に高性能RFIDタグ1000を作成し得る。また、アンテナ1002が形成される非常に複雑な3次元表面領域に取り付けるのに、反応性RFIDストラップ1004に十分な柔軟性がない場合、反応性RFIDストラップ1004は、比較的平坦な領域、およびアンテナ1002と反応性RFIDストラップ1004と間に物理的接続を作成するように噴霧されたアンテナ1002上に配置され、最終的なRFIDタグ1000を形成し得る。
【0048】
図15および図16は、物体の形状および/または構成に基づいて、非平面物体1050の表面1052に適合されたRFIDタグ1000を製造する方法1500を示している。より具体的には、非平面物体1050および/または生産ライン上でのその配置にばらつきがあり得るため、前記方法1500は、カメラシステムおよびレーザグリッドなどを利用して、アンテナが形成される非平面物体1050を正確にスキャンして、アンテナが正しく作成されることを保証する。図14に示す従来の方法1400と同様に、反応性RFIDストラップ1004は、アンテナ1002の作成前または後に、非平面物体1050の表面1052上に配置されて、高性能RFIDタグ1000を形成し得る。
【0049】
より具体的に、前記方法1500は、ステップ1502で、まず、カメラシステムが表面1052をスキャンする際に、非平面物体1050の3次元位置および形状を決定する。ステップ1504で、非平面物体1050の表面1052に沿った選択された位置に適したアンテナ1002の設計が選択され、表面の形状および位置を補償する。反応性RFIDストラップ1004の設計、および反応性RFIDストラップ1004を非平面物体1050の表面1052に取り付ける位置は、ステップ1506で選択される。その後、ステップ1508およびステップ1510で、アンテナ1002は、非平面物体1050の表面1052上に噴霧または作成され、反応性RFIDストラップ1004に結合されて、非平面物体1050の表面1052上にRFIDタグ1000を形成して遠方界アンテナ応答を生成する。ステップ1512で、RF性能の測定は、インラインまたはオフラインで行われる。ステップ1512でRF性能が許容されると、前記方法は、ステップ1514で設計が成功して終了する。一方、前記性能が許容できなければ、前記製造方法はステップ1504に戻り、アンテナ設計は性能を最適化するように適合される。
【0050】
あるいは、反応性RFIDストラップ1004は、アンテナ1002の作成前に非平面物体1050の表面1052上に配置され得る。また、アンテナ1002は、非平面物体1050の表面1052上に印刷され得るか、他の方法で配置され得る。反応性RFIDストラップ1004へのアンテナ1002の結合は、電場(E)、磁場(H)を介して、または電場(E)および磁場(H)の両方を介して可能である。さらに、反応性RFIDストラップ1004は、必要に応じてアンテナ1002に物理的に結合され得る。
【0051】
図17図20Bは、非平面物体1050に適合されたRFIDタグ1000を製造する方法1700を示している。前記方法1700は、2つ以上の層を含むRFIDタグ1000を作成するように適合され、これは、金属および液状物体が標準のRFIDタグの性能を大幅に低下させる可能性があるので有利である。このように、発泡プラスチックまたは高誘電率を有する同様の材料、例えば、二酸化チタンやチタン酸バリウムのようなセラミック誘電体粉末を含む可撓性プラスチックなどの分離材料上に形成されたアンテナを利用するRFIDタグの設計が使用され得る。図17は、「表面に鈍感な」RFIDタグ1000を形成するために、最初にセパレータ1020、次にアンテナ1002、そして反応性RFIDストラップ1004を蒸着することによって、RFIDタグ1000が非平面物体1050上に形成される方法1700を示している。
【0052】
より具体的に、非平面物体1050に適合されたRFIDタグ1000を製造する方法は、RFIDタグ1000を受け入れるための非平面物体1050が選択されるステップ1702で始まる。ステップ1706で、RFIDタグ1000の構成は、セパレータ1020が、例えば、まず、噴霧によって非平面物体1050上に蒸着される。次に、ステップ1712で、アンテナ1002がセパレータ1020上に形成される。前述のように、アンテナ1002は、セパレータ1020の上部に噴霧され得る、印刷され得る、または他の方法で配置され得る。ステップ1714で、反応性RFIDストラップ1004がセパレータ1020に取り付けられ、アンテナ1002に結合されて、ステップ1716で遠方界アンテナ応答を有するRFIDタグ1000を作成する。あるいは、反応性RFIDストラップ1004は、RFIDアンテナ1002の作成前にセパレータ1020上に配置され得る。反応性RFIDストラップ1004へのアンテナ1002の結合は、電場(E)、磁場(H)を介して、または電場(E)および磁場(H)の両方を介して可能である。さらに、反応性RFIDストラップ1004は、必要に応じてRFIDアンテナ1002に物理的に結合され得る。
【0053】
図18は、アンテナの形状および反応性RFIDストラップの位置が、セパレータ1020の厚さ寸法1022に適合される方法1700の代替バージョンを示している。より具体的には、ステップ1706で、セパレータ1020が非平面物体1050の表面上に蒸着された後、ステップ1708でセパレータ1020の厚さ1022が測定される。ステップ1712で、アンテナ1002は、セパレータ1020の上部に噴霧され得る、印刷され得る、または他の方法で配置され得る。ステップ1714で、反応性RFIDストラップ1004がセパレータ1020に取り付けられ、アンテナ1002に結合されて、前述のようにステップ1716で遠方界アンテナ応答を有するRFIDタグ1000を作成する。セパレータ1020は、RFIDタグ1000に必要な領域よりも大きい非平面物体1050の領域に適用される必要がないことが理解されるであろう。例えば、セパレータ1020は、RFIDタグ1000の真下にのみ作成され得る。したがって、名前入れまたはマーク付けなどの他の望ましい特性を不明瞭にしないように、非平面物体1050の表面1052をより少なく遮断し得る。
【0054】
図19は、前記方法1700のさらなる代替バージョンを示しており、ここで、セパレータ1020に最初に適用された材料の精度は、安定したRFIDタグ1000の形成を可能にするのに不十分である。この特定の実施形態において、セパレータ材料1020の厚さ1022は、RFIDタグ1000の安定性を保証するように適合され、必要なまたは所望の厚さに圧延され得る。さらに、セパレータ材料1020が熱によって硬化され得る場合、ローラは、セパレータ材料を圧延および硬化するために適切に加熱され得る。より具体的には、ステップ1706で、セパレータ材料1020が非平面物体1050の表面上に蒸着された後、ステップ1708で、セパレータ材料1020の所望の厚さ1022が、例えば、熱間圧延によって達成され得る。また、セパレータ材料1020は、このステップで、必要に応じてまたは他の方法で望まれる場合に硬化され得る。次に、ステップ1712で、アンテナ1002は、セパレータ材料1020の上部に噴霧され得る、印刷され得る、または他の方法で配置され得る。その後、(図17に示されるように)ステップ1714で、反応性RFIDストラップ1004がセパレータ材料1020に取り付けられ、アンテナ1002に結合されて、前述のように遠方界アンテナ応答を有するRFIDタグ1000を作成する。
【0055】
図20Aは、アンテナ構造の少なくとも一部がアンテナ構造の別の部分に対して歪められた、方法1700の代替バージョンを示している。歪められたアンテナ構造を作成する機能は、印刷によって尖った角の周りに導体をうまく作成することが難しいので、特に好ましい。より具体的に、セパレータ材料1020は、傾斜部1024をさらに含むことができ、傾斜部1024が非平面物体1050の表面1052に接触するように下向きに傾斜するようにまたは先細になるように噴霧され得るか、または他の方法で適用され得る。傾斜部1024を備えたセパレータ材料1020が、ステップ1706で蒸着されると、図20Aに最もよく示すように、ステップ1712で、アンテナ1002は傾斜部1024に沿って下がって、非平面物体1050の表面1052に近接接触することを含み、セパレータ材料1020上に印刷または噴霧される。その後、反応性RFIDストラップ1004がセパレータ材料1020に取り付けられ、アンテナ1002に結合されて、前述のようにステップ1716で遠方界アンテナ応答を有するRFIDタグ1000を作成し得る。この方法は、非平面物体1050が金属性表面1052を有する「オンメタル」タイプのRFIDタグを形成するのに特に有効である。
【0056】
図20Bは、アンテナ構造の少なくとも一部がアンテナ構造の他の部分に対して歪められ、RFIDタグが上部導体および下部導体両方を含む、方法1700のさらに別の代替バージョンを示している。より具体的に、前記方法1700は、ステップ1704で、まずベース導体1026を非平面物体1050の表面1052に適用するステップをさらに含む。次に、ステップ1706で、傾斜部1024がベース導体1026に対して下向きに傾斜するように、セパレータ材料1020をベース導体1026の上部に噴霧するか、他の方法で蒸着する。傾斜部1024を備えたセパレータ材料1020がステップ1706で蒸着されると、ステップ1712で、アンテナ1002および反応性RFIDストラップ1004は、セパレータ材料1020上に印刷または噴霧されて、傾斜部1024に沿って下がってベース導体1026に近接接触して、遠方界アンテナ応答を有するRFIDタグ1000を作成する。これは、ベース導体1026が、非平面物体1050から放射アンテナとして機能する上部導体(すなわち、アンテナ1002)を分離するRFIDタグ構造を可能にし、非平面物体1050が水などの高損失液体を含む適用において特に効果的である。
【0057】
上記に記載のものは、請求対象の例を含む。もちろん、請求対象を説明するために構成要素または方法論のすべての可能な組み合わせを説明することは不可能であるが、当業者は、請求対象の多くのさらなる組み合わせおよび置き換えが可能であることを認識し得る。したがって、請求対象は、添付の特許請求の範囲の精神および範囲に属するすべての変更、変形、および修正を含むことを意図している。さらに、用語「含む」が詳細な説明または特許請求の範囲で使用される限り、そのような用語は、「含む」という用語が特許請求の範囲で転換語として使用されるときに解釈されるような用語「含む」と同様の方法で含まれることを意図している。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20A
図20B