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特許7323686最適化特性を備えたゴルフクラブヘッド及び関連方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-31
(45)【発行日】2023-08-08
(54)【発明の名称】最適化特性を備えたゴルフクラブヘッド及び関連方法
(51)【国際特許分類】
   A63B 53/04 20150101AFI20230801BHJP
   A63B 102/32 20150101ALN20230801BHJP
【FI】
A63B53/04 A
A63B102:32
【請求項の数】 20
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022124740
(22)【出願日】2022-08-04
(62)【分割の表示】P 2021110195の分割
【原出願日】2014-03-14
(65)【公開番号】P2022160573
(43)【公開日】2022-10-19
【審査請求日】2022-09-02
(31)【優先権主張番号】13/804,859
(32)【優先日】2013-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】13/804,917
(32)【優先日】2013-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】13/826,111
(32)【優先日】2013-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591086452
【氏名又は名称】カーステン マニュファクチュアリング コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブラドリー ディ. シュバイゲルト
(72)【発明者】
【氏名】ライアン エム. ストック
【審査官】槙 俊秋
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-130935(JP,A)
【文献】特開2005-278800(JP,A)
【文献】特開平11-347157(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0088269(US,A1)
【文献】米国特許第6991558(US,B2)
【文献】米国特許第8647216(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 53/00-53/14
A63B 60/00-60/64
A63B 102/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフクラブヘッドであって、
ヘッド前部、ヘッド後部、ヘッドヒール部、ヘッドトウ部、ヘッドソール部、ヘッド上部、及びゴルフクラブシャフトを受け入れるための内径部を有し、前記内径部がホーゼル軸を有するホーゼル構造体を含むヘッド本体と、
前記ヘッド前部にあるフェース部であって、打撃フェース中心点打撃フェース縁部、及び前記打撃フェース縁部によって制限されるフェース高さであって、前記打撃フェース中心点が前記フェース高さの中点に位置する前記フェース高さを有するフェース部と、
ヘッド重心と、
前記ヘッド本体の前記ヘッドソール部と前記ヘッド後部の付近に配置される錘構造体であって、錘中心を有する前記錘構造体と、
第1の性能特性または第2の性能特性の少なくとも一方と、
第3の性能特性と、を備え、
前記ゴルフクラブヘッドが地面に対してアドレス位置にあるとき、ヘッド垂直軸は、前記ヘッド重心を通って延びると共に前記地面に垂直であり、ヘッド水平軸は、前記ヘッド重心を通って延びると共に前記ヘッド垂直軸に直交し、
前記ゴルフクラブヘッドのロフト面は、前記打撃フェース中心点に接し、
前記ゴルフクラブヘッドの前面は、前記打撃フェース中心点を通って前記ホーゼル軸と平行に延びると共に前記地面に対して垂直であり
ヘッド奥行き面は、前記打撃フェース中心点を通って前記ヘッド水平軸と平行かつ前記ロフト面に垂直に延び、
重心さの軸(CG高さの軸)は、前記ヘッド重心を通って延びると共に、第1交点で前記ヘッド奥行き面と垂直に交差し、
前記ヘッド重心のヘッドCG高さは、前記CG高さの軸に沿って、前記ヘッド重心と前記第1交点の間で測定され、
前記ヘッド重心のヘッドCG深さは、前記前面と前記地面の交差部に位置する第2交点と、前記ヘッド垂直軸と前記地面の交差部に位置する第3交点の間で、前記地面に平行かつ前記前面に垂直に測定され、
前記ヘッドCG深さは、約25mm~約102mmであり、
前記フェース高さは、前記ロフト面と平行に測定して約33mm~約71mmであり、
前記第1の性能特性は、前記ヘッドCG高さを約5.08mm以下で有し、
前記第2の性能特性は、(a)76.2mmから前記フェース高さを引き、記ヘッドCG深さで割ることによって定められるCG性能比を0.56以下で有し、
前記第3の性能特性は、(a)ヘッド容量の大きさを、(b)前記ヘッドCG深さを前記ヘッドCG高さの絶対値で割った比に加えることにより定められ、
前記第3の性能特性は、425立方センチメートル以上である、ゴルフクラブヘッド。
【請求項2】
錘中心垂直距離の軸は、前記錘中心と前記地面の間に延びると共に、前記ゴルフクラブヘッドが前記アドレス位置にあるときは前記地面に垂直であり、
ヘッドCG垂直距離は、前記ヘッド垂直軸に沿って、前記ヘッド重心と前記地面の間で測定され、
錘中心垂直距離は、前記錘中心垂直距離の軸に沿って、前記ヘッド重心と前記地面の間で測定され、
前記錘中心の錘中心深さは、前記前面と前記地面の間の交差部にある前記第2交点と、前記錘中心垂直距離の軸と前記地面の交差部にある第4交点の間で、前記地面と平行に測定される、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項3】
前記錘中心深さを前記ヘッドCG深さで割ることによって定められる深さ比が2.54未満であり、
前記錘中心垂直距離を前記ヘッドCG垂直距離で割ることによって定められる垂直距離比が0.44よりも大きい求項2に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項4】
前記ヘッドCG垂直距離は、約28.5mm未満である、求項3記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項5】
前記錘中心垂直距離は、約12.5mm未満である、請求項3または請求項4記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項6】
前記錘中心深さは、約99.7mmよりも大きい、請求項から請求項のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項7】
前記ヘッドCG深さは、約30mm~約102mmである、請求項から請求項のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項8】
前記ヘッドCG深さは、約35mm~約102mmである、請求項から請求項のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項9】
前記ヘッドCG深さは、約42mm~約102mmである、請求項から請求項のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項10】
前記ヘッドCG深さは、約44mm~約102mmである、請求項から請求項のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項11】
前記ヘッド重心は、前記ヘッド奥行き面と前記ヘッドソール部との間に配置される、求項1から請求項10のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項12】
時計盤は、12時線、3時線、4時線、5時線、8時線及び9時線を少なくとも含み、
前記ゴルフクラブヘッドが前記地面に対して前記アドレス位置にあるとき、前記ゴルフクラブヘッドを下から見ると、前記12時線は、前記打撃フェース中心点に位置合わせされると共に、前記ロフト面と前記地面の間の前部交線に直交し、
前記時計盤は、前記ヘッド前部の前端と前記ヘッド後部の後端の間の中点において、前記12時線に沿って中央に配置され、
前記3時線は、前記ヘッドヒール部に向かって延び、
前記9時線は、前記ヘッドトウ部に向かって延び、
前記錘構造体の縁部は、前記4時線と前記9時線の間に少なくとも部分的に制限され、
前記錘構造体の重心は、前記5時線と前記8時線の間に配置されている、請求項1から請求項11のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項13】
前記ヘッド本体はドライバー型本体で構成され、
前記ゴルフクラブヘッドの前記ヘッド容量は、約420立方センチメートル~約470立方センチメートルであり、
前記ゴルフクラブヘッドのヘッド重量は、約185グラム~約225グラムである、請求項1から請求項12のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項14】
前記錘構造体は、約2グラム~約50グラムの錘質量及び約1立方センチメートル~約30立方センチメートルの錘体積を有する、請求項1から請求項1のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項15】
前記ゴルフクラブヘッドは、前記第1の性能特性と前記第2の性能特性を備える、請求項1から請求項1のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項16】
前記ゴルフクラブヘッドは、前記第1の性能特性を備える、請求項1から請求項1のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項17】
前記ゴルフクラブヘッドは、前記第2の性能特性を備える、請求項1から請求項14のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項18】
前記ヘッドCG高さは、約0mm~約3.81mmである、請求項1から請求項17のいずれか一項に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項19】
前記ヘッドCG高さは、約0mm~約4.45mmである、請求項1から請求項17のいずれか一項に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項20】
前記フェース部の面積は、約23.6平方センチメートル~45.2平方センチメートルである、請求項1から請求項19のいずれか一項に記載のゴルフクラブヘッド
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2013年3月14日に米国特許商標庁において出願された米国特許出願第13/804,859号;
2013年3月14日に米国特許商標庁において出願された米国特許出願第13/804,917号;
2013年3月14日に米国特許商標庁において出願された米国特許出願第13/826,111号の利点を主張する国際特許出願である。
ここに本明細書の一部を構成するものとして、上記開示を援用する。
【0002】
本開示は、全体としてスポーツ用品に関し、より具体的には、最適化特性を備えたゴルフクラブヘッド及び関連方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ゴルフクラブヘッドは、多くの場合、種々の特徴を備えており、ゴルフクラブヘッドの1つ以上の性能特性を向上させるように、これらの特徴を設計または設定することが可能である。しかしながら、このような種々の特徴は本質的に作用し合っていることが多いため、ある特徴を調整または設定すると、別の特徴が本質的に変わる恐れがあり、不利となる場合が多い。ある例として、インパクト領域をより大きくするためにゴルフクラブの打撃フェースを広げると、ゴルフクラブの重心位置が不利に変化する可能性があり、種々の特徴間の相互作用を把握して各特徴をバランスよく設定または設計していない場合、結果として意図しない性能が生じる恐れがある。
【0004】
上記を踏まえて、ゴルフクラブの特徴に関してさらなる進展を図り、互いに関してこれらの特徴のバランスを取ることにより、ゴルフクラブの性能を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本開示は、添付図面と併せて、各実施形態の例に関する以下の詳細な説明を読むことによってさらに理解され得る。図示を簡単かつ明瞭にするため、各図面は、構成の一般的な様態を示しており、周知の特徴及び技法に関する説明及び詳細は、本開示が必要以上に分かりにくくならないようにするために省略される場合がある。さらに、図面の各要素は、必ずしも縮尺に合わせて描かれたものではない。例えば、図面の各要素の一部については、本開示の実施形態を理解しやすくするため、他の要素に比べて寸法が誇張されている場合がある。
異なる図面の同一の参照番号は、同一の要素を表す。本明細書及び特許請求の範囲において、「第1の」、「第2の」、「第3の」、「第4の」などの用語は、適宜、同様の要素間で区別するために使用されるものであり、必ずしも特定の順序または時系列的順序を説明するために使用されるものではない。そのように使用される用語は、適当な状況下で入れ替え可能であるため、本明細書で説明された実施形態は、例えば、ここに説明または図示されたものと異なる順序でも実施可能であることを理解すべきである。さらに、「含む」及び「有する」並びにこれらのあらゆる変形は、非排他的包含を含むことを意図しているため、列挙された要素を含むプロセス、方法、システム、物品、機器または装置は、必ずしもこれらの要素に限定されるわけではなく、明示的に列挙されていないか、またはこのようなプロセス、方法、システム、物品、機器もしくは装置に本来備わっている他の要素が含まれていてもよい。
本明細書及び特許請求の範囲において、「左」、「右」、「前」、「後」、「上」、「下」、「上部」、「下部」などの用語は、適宜、説明のために使用されるものであり、必ずしも永続的な相対位置を説明するためのものではない。そのように使用される用語は、適当な状況下で入れ替え可能であるため、本明細書で説明された装置、方法及び/または製造品の実施形態は、例えば、本明細書に説明または図示されたものと異なる方向でも実施可能であることを理解すべきである。
「連結する」「連結される」「連結」「連結している」などの用語は、幅広く解釈されるべきであり、2つ以上の要素を機械的に、または別の方法で結合することを指す。連結は(機械的でも別の方法でも)、例えば、永続的もしくは半永続的、または瞬間のみといった任意の期間にわたってよい。
「連結される」などの用語の近くに「着脱可能に」、「着脱可能な」などの用語がない場合でも、当該連結などが着脱可能か否かを意味するものではない。
本明細書に定められるように、2つ以上の要素は、これらが同じ材料片で構成されている場合は「一体型」である。本明細書に定められるように、2つ以上の要素は、それぞれが異なる材料片で構成されている場合は「非一体型」である。
図1】本開示に係るゴルフクラブヘッドの正面図を示している。
図2図1の線II-IIに沿ったゴルフクラブヘッドの側断面図を示している。
図3図1~2のゴルフクラブヘッドの下面図を示している。
図4】本開示に係るゴルフクラブヘッドを提供、形成及び/または製造するのに利用可能な方法のフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
一例では、ゴルフクラブヘッドは、ヘッド内部及びホーゼル構造体を含むヘッド本体を備えることができる。ヘッド内部は、ヘッド前部、ヘッド後部、ヘッドヒール部、ヘッドトウ部、ヘッド上部及びヘッドソール部によって境界付けることができる。ホーゼル構造体は、ゴルフクラブシャフトを受け入れるための内径部を有することができ、この構造体では、上記内径部はホーゼル軸を有することができる。ゴルフクラブヘッドは、ヘッド重心、ヘッド重心を通ってヘッドヒール部からヘッドトウ部まで延び、ゴルフクラブヘッドが地面に対してアドレス位置にあるときは地面と平行なヘッド水平軸、ホーゼル軸周りのホーゼル慣性モーメント、及びヘッド水平軸周りの水平慣性モーメントも有することができる。水平慣性モーメントは、ホーゼル慣性モーメントの39%以上とすることができる。
【0007】
一例では、ゴルフクラブヘッドは、ヘッド内部及びホーゼル構造体を含むヘッド本体を備えることができる。ヘッド内部は、ヘッド前部、ヘッド後部、ヘッドヒール部、ヘッドトウ部、ヘッド上部及びヘッドソール部によって境界付けることができる。ホーゼル構造体は、ゴルフクラブシャフトを受け入れるための内径部を有することができ、この構造体では、上記内径部はホーゼル軸を有することができる。ゴルフクラブヘッドは、ヘッド重心、ヘッド重心を通ってヘッド上部からヘッドソール部まで延びるヘッド垂直軸であって、ゴルフクラブヘッドが地面に対してアドレス位置にあるときは地面に垂直なヘッド垂直軸、ホーゼル軸周りのホーゼル慣性モーメント、及びヘッド垂直軸周りの垂直慣性モーメントも有することができる。水平慣性モーメントは、ホーゼル慣性モーメントの59%以上とすることができる。
【0008】
一実施態様では、ゴルフクラブヘッドの提供方法は、ヘッド内部及びホーゼル構造体を含むヘッド本体を提供することを含むことができる。ヘッド内部は、ヘッド前部、ヘッド後部、ヘッドヒール部、ヘッドトウ部、ヘッド上部及びヘッドソール部によって境界付けることができる。ホーゼル構造体は、ゴルフクラブシャフトを受け入れるための内径部を有することができ、この構造体では、上記内径部はホーゼル軸を有することができる。この方法は、ゴルフクラブのシャフトをホーゼル構造体に連結することも含むことができる。ヘッド水平軸は、ゴルフクラブヘッドのヘッド重心を通ってヘッドヒール部からヘッドトウ部まで延びると共に、ゴルフクラブヘッドが地面に対してアドレス位置にあるときは地面と平行になることができる。ヘッド垂直軸は、ヘッド重心を通ってヘッド上部からヘッドソール部まで延びると共に、ゴルフクラブヘッドが地面に対してアドレス位置にあるときは地面に垂直となることができる。加えて、ヘッド本体を提供することは、(a)ヘッド水平軸周りの水平慣性モーメントがホーゼル軸周りのホーゼル慣性モーメントの39%以上になるように設定すること、または(b)ヘッド垂直軸周りの垂直慣性モーメントがホーゼル軸周りのホーゼル慣性モーメントの59%以上になるように設定することの少なくとも一方を含むことができる。
【0009】
一例では、ゴルフクラブヘッドは、ヘッド前部、ヘッド後部、ヘッドヒール部、ヘッドトウ部、ヘッドソール部、ヘッド上部及びホーゼル構造体を含むヘッド本体を備えることができる。上記ホーゼル構造体は、ゴルフクラブのシャフトを受け入れるための内径部を有し、この構造体では、上記内径部はホーゼル軸を有することができる。ゴルフクラブヘッドは、ヘッド前部にあり、打撃フェース中心点を有する打撃フェース、立方センチメートル(cubic centimeter:cc)で測定されたヘッド容量であって、その大きさが420よりも大きいヘッド容量、ヘッド重心及び最適化特性も備えることができる。ゴルフクラブヘッドが地面に対してアドレス位置にあるとき、ヘッド垂直軸は、ヘッド重心を通って延びると共に地面に垂直であり、ヘッド水平軸は、ヘッド重心を通って延びると共にヘッド垂直軸に直交している。ゴルフクラブヘッドのロフト面は、打撃フェース中心点に接することができる。ゴルフクラブヘッドの前面は、打撃フェース中心点を通ってホーゼル軸と平行に延びることができる。ヘッド奥行き面は、打撃フェース中心点を通ってヘッド水平軸と平行かつロフト面に垂直に延びることができる。重心(Center of Gravity:CG)高さの軸は、ヘッド重心を通って延びると共に、第1交点でヘッド奥行き面に垂直に交差することができる。ヘッド重心のヘッドCG高さは、CG高さの軸に沿って、ヘッド重心と第1交点の間で測定することができる。ヘッド重心のヘッドCG深さは、(a)前面と地面の交差部に位置する第2交点と、(b)ヘッド垂直軸と地面の交差部に位置する第3交点の間で、地面と平行かつ前面に垂直に測定することができる。最適化特性は、(a)ヘッド容量の大きさを、(b)ヘッドCG深さをヘッドのCG高さの絶対値で割った比に加えることによって定めることができる。この最適化特性は、425以上とすることができる。
【0010】
一例では、ゴルフクラブヘッドは、ヘッド前部、ヘッド後部、ヘッドヒール部、ヘッドトウ部、ヘッドソール部、ヘッド上部及びホーゼル構造体を含むヘッド本体を備えることができる。上記ホーゼル構造体は、ゴルフクラブのシャフトを受け入れるための内径部を有し、この構造体では、上記内径部はホーゼル軸を有することができる。ゴルフクラブヘッドは、ヘッド前部にあり、打撃フェース中心点を有する打撃フェース、及びヘッド重心も備えることができる。ゴルフクラブヘッドが地面に対してアドレス位置にあるとき、ヘッド垂直軸は、ヘッド重心を通って延びると共に地面に垂直であり、ヘッド水平軸は、ヘッド重心を通って延びると共にヘッド垂直軸に直交している。ゴルフクラブヘッドのロフト面は、打撃フェース中心点に接することができる。ゴルフクラブヘッドの前面は、打撃フェース中心点を通ってホーゼル軸と平行に延びることができる。ヘッド奥行き面は、打撃フェース中心点を通ってヘッド水平軸と平行かつロフト面に垂直に延びることができる。CG高さの軸は、ヘッド重心を通って延びることができ、第1交点でヘッド奥行き面に垂直に交差することができる。ヘッド重心のヘッドCG高さは、CG高さの軸に沿って、ヘッド重心と第1交点の間で測定することができる。ヘッド重心のヘッドCG深さは、(a)前面と地面の交差部に位置する第2交点と、(b)ヘッド垂直軸と地面の交差部に位置する第3交点の間で、地面と平行かつ前面に垂直に測定することができる。ヘッドCG高さの絶対値は、2.54mm以下とすることができる。ヘッドCG深さは、40.64mm以上とすることができる。
【0011】
一実施態様では、ゴルフクラブヘッドの提供方法は、ヘッド前部、ヘッド後部、ヘッドヒール部、ヘッドトウ部、ヘッドソール部、ヘッド上部及びホーゼル構造体を含むヘッド本体を提供することを含むことができる。上記ホーゼル構造体は、ゴルフクラブのシャフトを受け入れるための内径部を有し、この内径部はホーゼル軸を有する。上記方法は、打撃フェースをヘッド前部に連結すること、及びゴルフクラブヘッドの最適化特性を設定することも含むことができる。打撃フェースは、打撃フェース中心点を有する。ゴルフクラブヘッドのヘッド容量は、立方センチメートル(cc)で測定することができ、その大きさを420よりも大きくすることができる。ゴルフクラブヘッドが地面に対してアドレス位置にあるとき、ヘッド垂直軸は、ヘッド重心を通って延びると共に地面に垂直となることができる。ヘッド水平軸は、ヘッド重心を通って延びると共にヘッド垂直軸に直交することができる。ゴルフクラブヘッドのロフト面は、打撃フェース中心点に接することができる。ゴルフクラブヘッドの前面は、打撃フェース中心点を通ってホーゼル軸と平行に延びることができる。ヘッド奥行き面は、打撃フェース中心点を通ってヘッド水平軸と平行かつロフト面に垂直に延びることができる。CG高さの軸は、ヘッド重心を通って延びることができ、第1交点でヘッド奥行き面に垂直に交差することができる。ヘッド重心のヘッドCG高さは、CG高さの軸に沿って、ヘッド重心と第1交点の間で測定することができる。ヘッド重心のヘッドCG深さは、(a)前面と地面の交差部に位置する第2交点と、(b)ヘッド垂直軸と地面の交差部に位置する第3交点の間で、地面と平行かつ前面に垂直に測定することができる。最適化特性は、(a)ヘッド容量の大きさを、(b)ヘッドCG深さをヘッドのCG高さの絶対値で割った比に加えることによって設定することができ、ここでは上記最適化特性を425以上とすることができる。
【0012】
一例では、ゴルフクラブヘッドは、ヘッド本体、フェース部及びヘッド重心、並びに第1の性能特性または第2の性能特性のうちの少なくとも1つを備えることができる。ヘッド本体は、ヘッド前部、ヘッド後部、ヘッドヒール部、ヘッドトウ部、ヘッドソール部、ヘッド上部、及びホーゼル構造体を含むことができる。このホーゼル構造体は、ゴルフクラブのシャフトを受け入れるための内径部を有し、この内径部はホーゼル軸を有する。フェース部は、ヘッド前部に存在することができ、打撃フェース中心点、打撃フェース縁部、及び打撃フェース縁部によって制限されるフェース高さを有することができる。ゴルフクラブヘッドが地面に対してアドレス位置にあるとき、ヘッド垂直軸は、ヘッド重心を通って延びると共に地面に垂直であり、ヘッド水平軸は、ヘッド重心を通って延びると共にヘッド垂直軸に直交している。ゴルフクラブヘッドのロフト面は、打撃フェース中心点に接することができる。ゴルフクラブヘッドの前面は、打撃フェース中心点を通ってホーゼル軸と平行に延びることができる。ヘッド奥行き面は、打撃フェース中心点を通ってヘッド水平軸と平行かつロフト面に垂直に延びることができる。CG高さの軸は、ヘッド重心を通って延びることができ、第1交点でヘッド奥行き面に垂直に交差することができる。ヘッド重心のヘッドCG高さは、CG高さの軸に沿って、ヘッド重心と第1交点の間で測定することができる。ヘッド重心のヘッドCG深さは、(a)前面と地面の交差部に位置する第2交点と、(b)ヘッド垂直軸と地面の交差部に位置する第3交点の間で、地面と平行かつ前面に垂直に測定することができる。フェース高さは、ロフト面と平行に測定して、約33mm~約71mmとすることができる。第1の性能特性は、約5.08mm以下のヘッドCG高さを有することができる。第2の性能特性は、(a)76.2mmからフェース高さを引き、(b)ヘッドCG深さで割ることによって定められるCG性能比を0.56以下で有することができる。
【0013】
一例では、ゴルフクラブヘッドは、ヘッド本体、フェース部及びヘッド重心を備えることができる。ヘッド本体は、ヘッド前部、ヘッド後部、ヘッドヒール部、ヘッドトウ部、ヘッドソール部、ヘッド上部、及びホーゼル構造体を含むことができる。このホーゼル構造体は、ゴルフクラブのシャフトを受け入れるための内径部を有し、この内径部はホーゼル軸を有する。フェース部は、ヘッド前部に連結することができ、打撃フェース中心点、打撃フェース縁部及びフェース高さを有する打撃フェースを備えることができる。ゴルフクラブヘッドが地面に対してアドレス位置にあるとき、ヘッド垂直軸は、ヘッド重心を通って延びると共に地面に垂直であり、ヘッド水平軸は、ヘッド重心を通って延びると共にヘッド垂直軸に直交している。ゴルフクラブヘッドのロフト面は、打撃フェース中心点に接することができる。ゴルフクラブヘッドの前面は、打撃フェース中心点を通ってホーゼル軸と平行に延びることができる。ヘッド奥行き面は、打撃フェース中心点を通ってヘッド水平軸と平行かつロフト面に垂直に延びることができる。CG高さの軸は、ヘッド重心を通って延びることができ、第1交点でヘッド奥行き面に垂直に交差することができる。ヘッド重心のヘッドCG高さは、CG高さの軸に沿って、ヘッド重心と第1交点の間で測定することができる。ヘッド重心のヘッドCG深さは、(a)前面と地面の交差部に位置する第2交点と、(b)ヘッド垂直軸と地面の交差部に位置する第3交点の間で、地面と平行かつ前面に垂直に測定することができる。フェース高さは、打撃フェース縁部によって定められており、ロフト面と平行に測定して約33mm~約71mmとすることができる。(a)76.2mmからフェース高さを引いたものと(b)ヘッドCG深さのCG性能比は、0.56以下である。ヘッド本体は、ドライバー型本体で構成することができる。ゴルフクラブヘッドのヘッド容量は、約420cc~約470ccとすることができる。ゴルフクラブヘッドのヘッド重量は、約185グラム~約225グラムとすることができる。ヘッドCG高さは、約0mm~約3.18mmとすることができる。ヘッドCG深さは、約25mm~約102mmとすることができる。ヘッド本体は、ヘッド本体のソール部及び後部の付近に配置された錘構造体を備えることができる。
【0014】
一実施態様では、ゴルフクラブヘッドの提供方法は、ヘッド前部、ヘッド後部、ヘッドヒール部、ヘッドトウ部、ヘッドソール部、ヘッド上部、及びホーゼル構造体を含むヘッド本体を提供することを含むことができる。このホーゼル構造体は、ゴルフクラブのシャフトを受け入れるための内径部を有し、この内径部はホーゼル軸を有する。上記方法は、フェース部をヘッド前部に連結することも含むことができ、このフェース部は、打撃フェース中心点、打撃フェース縁部、及び打撃フェース縁部によって制限されるフェース高さを有する打撃フェースを備える。この方法は、ゴルフクラブヘッドの第1の性能特性またはゴルフクラブヘッドの第2の性能特性の少なくとも一方を設定することをさらに含む。ゴルフクラブヘッドが地面に対してアドレス位置にあるとき、ヘッド垂直軸は、ゴルフクラブヘッドのヘッド重心を通って延びると共に地面に垂直であり、ヘッド水平軸は、ヘッド重心を通って延びると共にヘッド垂直軸に直交している。ゴルフクラブヘッドのロフト面は、打撃フェース中心点に接することができる。ゴルフクラブヘッドの前面は、打撃フェース中心点を通ってホーゼル軸と平行に延びることができる。ヘッド奥行き面は、打撃フェース中心点を通ってヘッド水平軸と平行かつロフト面に垂直に延びることができる。CG高さの軸は、ヘッド重心を通って延びることができ、第1交点でヘッド奥行き面に垂直に交差することができる。ヘッド重心のヘッドCG高さは、CG高さの軸に沿って、ヘッド重心と第1交点の間で測定することができる。ヘッド重心のヘッドCG深さは、(a)前面と地面の交差部に位置する第2交点と、(b)ヘッド垂直軸と地面の交差部に位置する第3交点の間で、地面と平行かつ前面に垂直に測定することができる。フェース高さは、ロフト面と平行に測定して、約33mm~約71mmとすることができる。第1の性能特性は、約5.08mm以下のヘッドCG高さを有することができる。第2の性能特性は、(a)76.2mmからフェース高さを引き、(b)ヘッドCG深さで割ることによって定められるCG性能比を0.56以下で有することができる。
【0015】
その他の例及び実施形態も、本明細書でさらに開示される。こうした例及び実施形態は、図面、特許請求の範囲及び/または本説明に見られ得る。
【0016】
図面に目を向けると、図1は、ゴルフクラブヘッド1000の正面図を示しており、このゴルフクラブヘッドは、ヘッド本体1100及びフェース部1200を備える。フェース部1200は、打撃フェース1210を含む。図2は、図1の線II-IIに沿ったゴルフクラブヘッド1000の側断面図を示している。図3は、ゴルフクラブヘッド1000のゴルフクラブヘッド1000の下面図を示している。図1~3は、地面1010に対してアドレス位置にあるゴルフクラブヘッド1000を表している。これらの図において、ゴルフクラブヘッド1000の正面図(図1)に関しては、ホーゼル軸1710は、地面1010との角度が60度であり、ゴルフクラブヘッド1000の側面図(図2)に関しては、ホーゼル軸1710は、地面1010と実質的に垂直である。
【0017】
本実施形態では、ヘッド本体1100及びフェース部1200は、例えば、溶接法によって接合された異なる材料片で構成されている。しかしながら、他の例では、フェース部1200は、ヘッド前部1110、ヘッド上部1120、ヘッドソール部1130、ヘッドヒール部1140、ヘッドトウ部1150及び/またはヘッド後部2160などのヘッド本体1100の1つ以上の各部と共に単一の材料片で構成されてよい。ゴルフクラブヘッド1000のヘッド前方面1160は、打撃フェース1210、フェース部1200及びヘッド前部1110の少なくとも一部を含む。一部の実施形態では、ヘッド前方面1160は、ヘッドソール部1130の少なくとも一部も含むことができる。同一または異なる実施形態では、ヘッド前部1110は、打撃フェース1210及び/またはフェース部1200を含むことができる。
【0018】
フェース部1200は、打撃フェース中心点1211、打撃フェース縁部1212及びフェース高さ1213を有する打撃フェース1210を含む。打撃フェース中心点1211は、本例の打撃フェース縁部1212の幾何学中心に配置され、かつフェース高さ1213の中点に配置されている。同一または他の例では、打撃フェース中心点1211は、設計されたインパクト領域1250に対して中心に配置することができるが、このインパクト領域は、打撃フェース1210の溝1259の範囲によって画定することができる。別のアプローチとして、打撃フェース中心点1211は、全米ゴルフ協会(United States Golf Association:USGA)などのゴルフ管理団体の規定に従って配置することができる。例えば、打撃フェース中心点1211は、USGAによるゴルフクラブヘッドの可撓性を測定するための手順(「Flexibility Procedure」)(USGA-TPX3004, Rev. 1.0.0, 2008年5月1日)(http://www.usga.org/equipment/testing/protocols/Procedure-For-Measuring-The-Flexibility-Of-A-Golf-Club-Head/で入手可能)のセクション6.1に従って決めることができる。
【0019】
ゴルフクラブヘッド1000は、ロフト面2270(図2)を備えており、この面は、打撃フェース1210の打撃フェース中心点1211に少なくとも接している。フェース高さ1213は、打撃フェース縁部1212の打撃フェース上端1215と打撃フェース下端1216の間でロフト面2270と平行に測定することができ、本例または他の例では約33ミリメートル(mm)~約71mmとすることができる。
【0020】
打撃フェース縁部1212は、フェース高さ1213を画定する打撃フェース上端1215及び打撃フェース下端1216を含むが、フェース部1200の全体を境界付ける必要はない。例えば、図1から理解できるように、打撃フェース1210は、打撃フェース縁部1212によって境界付けられるが、フェース部1200の一部にすぎない。一部の例では、打撃フェース1210は、ロール半径及び/またはバルジ半径を有することができる。打撃フェース縁部1212は、フェース部1200の輪郭が打撃フェース1210のロール半径及び/またはバルジ半径から離れる箇所である遷移境界に沿って画定することができる。例えば、図2は、ゴルフクラブヘッド1000の上部遷移境界の一部を拡大表示したものを含んでおり、打撃フェース1210に沿って延びる垂直ロール半径2170を強調すると共に、ヘッド前方面1160が垂直ロール半径2170から離れる箇所である上部遷移境界において、打撃フェース上端1215がどのように位置しているかを示している。図2は、ゴルフクラブヘッド1000の下部遷移境界の一部を拡大表示したものも含んでおり、打撃フェース1210に沿って垂直に延びる垂直ロール半径2170を強調すると共に、ヘッド前方面1160が垂直ロール半径2170から離れる箇所である下部遷移境界において、打撃フェース下端1216がどのように位置しているかを示している。
【0021】
同一または他の実施形態では、打撃フェース縁部1212は、打撃フェースを含む打撃板の端部に対して画定することができる。例えば、フェース部1200は打撃板1220を含んでおり、この場合、打撃フェース1210は、打撃板1220の外観面を形成し、打撃板1220は、打撃板端部1221に沿ってヘッド前部1110に接合されている。本例では、打撃板端部1221は、打撃フェース縁部1212の少なくとも一部を画定する。このように画定される部分には、打撃フェース縁部1212の上部及び下部が含まれており、これらの各部には打撃フェース上端1215及び打撃フェース下端1216がそれぞれ位置して、フェース高さ1213を画定する。上記以外にも他の例が可能であり、その場合には、打撃板の打撃板端部が、打撃フェースの打撃フェース縁部の大部分または全てを画定することができる。
【0022】
図2に示すように、ゴルフクラブヘッド1000は、ヘッド重心(CG)2500、ヘッド奥行き面2310及びCG高さの軸2320も備える。図中、ヘッド奥行き面2310は、打撃フェース中心点1211を通って延びると共にロフト面2270に直交しており、CG高さの軸2320は、ヘッド重心2500を通って延びると共に交点2801でヘッド奥行き面2310に垂直に交差している。
【0023】
ヘッド重心2500は、CG高さ2520及びCG深さ2510を有するが、これらにより、ゴルフクラブヘッド1000に対してヘッド重心2500が位置付けられる。本例では、CG高さ2520は、CG高さの軸2320に沿ってヘッド重心2500と交点2801の間で測定することができる。CG深さ2510は、図2から理解できるように、地面1010と平行に、かつ交点2802と交点2803の間で測定することができる。本例では、交点2802は、地面1010と前面2280の交差部によって定められるが、ここで、前面2280は、打撃フェース中心点1211を通って延びると共にホーゼル軸1710と平行であり、さらに、ゴルフクラブヘッド1000がアドレス位置にあるときは地面1010に垂直である。加えて、交点2803は、地面1010とヘッド垂直軸1610の交差部によって定められるが、ここで、ヘッド垂直軸1610は、ヘッド重心2500を通って延びると共に、ゴルフクラブヘッド1000がアドレス位置にあるときは地面1010に垂直である。ヘッド重心2500は、地面1010に対して位置付けることも可能であり、この場合、ヘッド重心2500のヘッドCG垂直距離2530は、ヘッド垂直軸1610に沿って錘中心2750と地面1010の間で測定することができる。
【0024】
ゴルフクラブヘッド1000のヘッド本体1100は、ホーゼル構造体1217(図1)、及びホーゼル構造体の内径部1217の中心に沿って延びるホーゼル軸1710も含む。本例では、ゴルフクラブヘッド1000のホーゼル連結機構は、ホーゼル構造体1217及びシャフトスリーブ1411を備えており、この機構では、ゴルフシャフト1410の端部にシャフトスリーブ1411を連結することができる。シャフトスリーブ1411は、複数の構成でホーゼル構造体1217と連結することができる。それにより、ホーゼル軸1710に対して複数の角度で、ゴルフシャフト1410をホーゼル構造体1217に固定することが可能となる。ただし、他の例も可能であり、その場合、シャフト1410は、ホーゼル構造体1217に調整不可能に固定することができる。
【0025】
本開示に係るゴルフクラブヘッドは、その性能を最適化し、またはバランスさせる1つ以上の最適化特性を呈するように構成することができる。例えば、本設計によって最適化を求めるゴルフクラブヘッドのある特性は、フェース高さ及び/またはフェースサイズの特性である。ゴルフクラブヘッドのフェース高さ及び/またはフェースサイズを最大化すると、いくつかの利点を得ることができる。こうした利点としては、打撃フェースにおける対象物とのインパクト領域が拡大されて、より許容性のあるクラブヘッドが得られることなどがあり、このようなクラブヘッドを用いると、打撃フェース中心点から外れて打撃されたゴルフショットに対しても良好な結果が得られる。加えて、打撃フェースの高さをより高くし、かつ/またはそのサイズをより大きくすると、ゴルフボールとのインパクト時に、ゴルフボールにエネルギーをより適切に移動させることができる。従って、ゴルフクラブヘッドの特性時間または「スプリング効果」が増して、より長い距離のゴルフショットが実現し得る。一部の例では、ゴルフ管理団体によって決められた特性時間の制限値(USGAによって団体自体の「Flexibility Procedure」で決められた特性時間の制限値239マイクロ秒(μs)など)を達成するために、打撃フェースの高さまたはサイズを増加させてよい。
【0026】
ただし、フェース高さ及び/またはフェースサイズを見境なく増加させると、他の領域の性能(打撃フェースとのインパクト時のゴルフボールの打ち出し角、ボールスピン及び/またはボールスピードに関してなど)に悪影響を及ぼす可能性がある。例えば、フェース高さ及び/またはフェースサイズを増加させると、重心が前方に移動するためにゴルフクラブヘッドの重心と打撃フェース中心点の間のCG深さが浅くなる可能性がある。それにより、ゴルフクラブヘッドのダイナミックロフトが減少するため、ゴルフボールの打ち出し角が低下する。別の例では、フェース高さ及び/またはフェースサイズを増加させると、重心とヘッド奥行き面の間のCG高さが上昇してゴルフクラブヘッドのソールから離れるように重心が持ち上がる可能性がある。それにより、打撃フェースとゴルフボールの間のギア効果が抑制されるため、そのゴルフクラブヘッドではインパクト時に生じるゴルフボールのバックスピン量が減少しにくくなり、従って、このバックスピンの影響を受けてボールの飛ぶ距離が短くなる。
【0027】
上記を考慮すると、ゴルフクラブヘッドのフェース高さまたはフェースサイズは、重心位置に対してバランスを取る必要がある。ゴルフクラブヘッド1000に関しては、打撃フェース1210を拡大して、フェースサイズ及び/またはフェース高さ1213を増加させたことにより、インパクト領域をより大きくし、かつゴルフボール2900にエネルギーをより多く移動させるようにしている。特に、ゴルフクラブヘッド1000は、インパクト領域をより大きくし、かつゴルフボール2900とのインパクト時にエネルギーをより多く移動させるために、フェース高さ1213を約33mm~約71mmとすることができるように構成可能である。一部の例では、打撃フェース1210の面積(増加させたフェース面積を含む)は、約23.6平方センチメートル(cm)~約45.2cmとすることができる。
【0028】
上記のようにフェースサイズ及び/またはフェース高さ1213を増加させたにもかかわらず、ゴルフクラブヘッド1000は、依然として、CG高さ2520がヘッド上部1120に向かって上昇し、かつ/またはヘッド奥行き面2310から離れすぎるのを制限している。例えば、ゴルフクラブヘッド1000は、以下の関係1を満たす第1の最適化特性を備える。
|CG高さ2520|≦5.08mm [関係1]
【0029】
CG高さ2520を約0mmから関係1の制限値5.08mmまでとすることができる例も可能である。他の例では、CG高さ2520は、最大で約4.45mm、3.81mmまたは3.18mmまでとすることもできる。一部の実施態様では、第1の最適化特性は、良好な性能を得るために、打撃フェース1210とゴルフボール2900の間のギア効果を介してゴルフボール2900のバックスピンを減少させることができる。図2では、ヘッド重心2500は、奥行き面2310の下にあり、CG高さ2520が奥行き面2310とヘッドソール部1130の間で延びるように示されている。しかしながら、上記の関係1を依然として満たしつつ、CG高さ2520が奥行き面2310とヘッド上部1120の間に延びるように、ヘッド重心2500が上記の奥行き面2310の上に存在することができる実施形態も可能である。
【0030】
加えて、さらに上述のようにフェースサイズ及び/またはフェース高さ1213を増加させることを考慮して、ゴルフクラブヘッド1000は、重心2500が打撃フェース1212に向かって移動するのを依然として制限し、それによってCG深さ2510が過度に浅くならないようにしている。例えば、ゴルフクラブヘッド1000は、以下の関係2を満たす第2の最適化特性を備える。
【0031】
そのため、フェース高さ1213とCG深さ2510の関係は、関係2に従って、第2の最適化特性が0.56以下を維持するようにバランスが取られており、それによってCG深さ2510が打撃フェース1210に向かって浅くなり得る量を制限している。CG深さ2510を約25mm~約102mmとすることができる例も可能である。同一または他の例では、CG深さ2510は、少なくとも約39mmとすることができる。一部の実施態様では、第2の最適化特性により、インパクト時のゴルフクラブヘッド1000のダイナミックロフトまたはゴルフボール2900の打ち出し角の少なくとも一方を向上または最適化させることができる。
【0032】
一部の例では、ゴルフクラブヘッド1000は、上述した第1または第2の最適化特性の一方のみを備えるように構成されてよい。例えば、ゴルフクラブヘッド1000は、第1の最適化特性を備えるが、第2の最適化特性を備えないようにしてよく、従って、関係2を満たさずに関係1を満たしている。別の例として、ゴルフクラブヘッド1000は、第2の最適化特性を備えるが、第1の最適化特性を備えないようにしてよく、従って、関係1を満たさずに関係2を満たしている。加えて、ゴルフクラブヘッド1000が関係1及び関係2の両方を満たし、従って、第1及び第2の最適化特性を備える実施形態も可能である。
【0033】
ゴルフクラブヘッド1000は、そのヘッド容量(head volume:HV)2600に関する第3の最適化特性を備えることもできる。本例では、ゴルフクラブヘッド1000のヘッド本体1000は、420立方センチメートル(cc)以上のヘッド容量を有するドライバー型本体で構成されているため、ヘッド容量の大きさは420以上である。例えば、ヘッド本体1000は、420ccのヘッド容量を有することができるため、ヘッド容量の大きさは420である。別の例として、ゴルフクラブヘッド1000は、460ccのヘッド容量を有することができるため、ヘッド容量の大きさは460である。ゴルフクラブヘッド1000は、一部の実施態様では、約470ccまでのヘッド容量を有することができ、かつ/または約185グラム~約225グラムの全ヘッド重量を有することができる。一部の具体的な例では、全ヘッド重量を約202グラムとすることができ、かつ/または、ヘッド容量を約460ccとすることができる。
【0034】
第3の最適化特性は、ヘッド容量2600と重心2500の位置の関係を制御することが可能であり、以下の関係3を満たすように定めることができる。
【0035】
一部の事例では、ヘッド容量2600を増加させて、例えば、ゴルフクラブヘッド1000の慣性モーメント(moment of inertia:MOI)を調整することができる。ただし、ヘッド容量を無制限に増加させると、ゴルフクラブヘッドの他の特性に関して好ましくない影響が生じる可能性がある。例えば、ヘッド容量2600を増加させると、ヘッド前部1110に向かって、ヘッド上部1120に向かって、他の望ましくない方向に向かって、かつ/または所望の重心位置もしくは1つ以上の方向から離れるように、ヘッド重心2500を移動させる可能性があり、それによってゴルフクラブヘッド1000の性能が阻害される。こうした望ましくない重心位置の変化により、ゴルフクラブヘッドの1つ以上の特性(打ち出し速度、打ち出し角、ギア効果、バックスピン及び/またはショット距離など)に悪影響を与える可能性がある。そのため、ヘッド容量2600とヘッド重心2500の位置との関係をバランスさせるのに用いられる第3の最適化特性を設定することにより、ゴルフクラブヘッド1000にとって望ましく、かつバランスの取れた属性が得られる。例えば、ゴルフクラブヘッド1000の重量分布は、ゴルフクラブヘッド1000が第3の最適化特性を発揮できるようにするため、関係3を満たすように構成することが可能であり、それによってヘッド容量2600を増加させて、慣性モーメントをより大きくし、かつ打撃フェース1210とゴルフボール2900のゴルフインパクト時にゴルフボール2900により多くのエネルギーを移動させることができる。同一または他の実施態様では、ゴルフクラブヘッド1000の重量分布により、ヘッド容量2600を増加させたためにCG深さ2510がヘッド前部1110に向かって浅くなるのを制限するように構成することが可能であり、従って、ゴルフインパクト時に打撃フェース1210のダイナミックロフトまたはゴルフボール2900の打ち出し角の少なくとも一方が向上する。加えて、ゴルフクラブヘッド1000の重量分布は、ヘッド容量2600を増加させた結果としてCG高さ2520がヘッド上部1120に向かって上昇するのを制限するように構成することが可能であり、それにより、ゴルフインパクト時に打撃フェース1210とゴルフボール2900の間のギア効果によってゴルフボール2900のバックスピンを減少させる。
【0036】
上記を考慮して、関係3に従って第3の最適化特性を達成するために、CG深さ2510は、40.64mm以上となるように構成することができる。同一または他の実施形態では、CG高さ2520の絶対値は、2.54mm以下とすることができる。なお、一部の実施形態では、ヘッド重心2500をヘッド奥行き面2310の上または下とすることができることを考慮して、CG高さ2520は、絶対値として特徴付けられている。第3の最適化特性は、少なくとも425の下限を有するが、他の下限に対して第3の最適化特性を定めることができる他の実施形態も可能である。例えば、一部の実施態様では、第3の最適化特性は、少なくとも435または445の下限を含むことができる。ヘッド重心2500の位置は、関係3を満たすために、かつ/または第3の最適化特性を達成するために、ゴルフクラブヘッド1000の他の特徴に関して設計または設定することもできる。例えば、ヘッド重心2500の位置は、CG深さ2510がヘッド奥行き長2312の約25%~約80%を有するように構成することができる。なお、上記においてヘッド奥行き長2312は、打撃フェース中心点1211からヘッド後部2160の外面と奥行き面2310の交点までの寸法となる。別の例として、ヘッド重心2500の位置は、CG高さ2520がCG高さの軸長2322の約0%~約13%を有するように構成することができる。なお、上記においてCG高さの軸長2322は、ヘッド上部1120の外面とCG高さの軸2320の交点から、ヘッドソール部1130の外面とCG高さの軸2320の交点までの寸法となる。
【0037】
ゴルフクラブヘッド1000は、ホーゼルMOI1711(図1)と水平MOI1811(図1)のバランスに関する第4の最適化特性も備えることができる。ホーゼルMOI1711は、ホーゼル軸1710周りで定められる。水平MOI1811は、ヘッド水平軸1810周りで定められる。この軸は、ヘッド重心2500を通ってヘッドヒール部1140からヘッドトウ部1150まで延びると共に、ゴルフクラブヘッド1000が地面1010に対してアドレス位置にあるときは地面1010と平行である。
【0038】
一部の例では、水平MOI1811を増加させることにより、打撃フェース1210が中心から外れてヘッド上部1120またはヘッドソール部1130に寄ってゴルフボール2600に当たる時に、ヘッド水平軸1810周りのゴルフクラブヘッド1000の回転を制限することができる。それにより、上記のような上または下の打ち損ないに対してゴルフクラブヘッド1000の許容性が向上する。例えば、水平MOI1811を増加させるために、ヘッド前部1110及び/またはヘッド後部2160の付近に錘を追加または再配置してよい。同一または他の例では、ヘッド前部1110及び/またはヘッド後部2160に向かってゴルフクラブヘッド1000を延長することができる。
【0039】
ただし、水平MOI1811を増加させるためのこうした調整または変更は、これらが他のゴルフクラブヘッドの特性に影響を及ぼし始める前に、ある程度まで行うことができる。例えば、水平MOI1811を増加させるために制限なく調整を行うと、適切にバランスが取れていない場合、ホーゼルMOI1711が過度に増加する可能性がある。それにより、ゴルフクラブヘッド1000をホーゼル軸1710周りに回転させるための抵抗が増加するため、ある人にとっては、ゴルフボール2600とのインパクト時にゴルフクラブヘッド1000を適切に位置決めするために(または「スクエアにする」ために)、ゴルフスイング中にゴルフクラブを「回転させる」のが難しくなる。ホーゼルMOI1711を増加させることにより、ゴルフボール2600と打撃フェース1210の間のギア効果を制限または抑制することもできる。さもなければ、このギア効果により、中心から外れたインパクトにおいてゴルフボール2600のスピンが多少矯正されることになる。
【0040】
ホーゼルMOI1711を減少させるために、ホーゼル軸1710と、ゴルフクラブヘッド1000に対する追加的または選択的な任意の質量との間の距離を制限するようにゴルフクラブヘッド1000を設計することができる。ホーゼルMOI1711を減少させるための上記アプローチは、適切にバランスが取れていない場合、水平MOI1811を増加させるための上記アプローチの一部と矛盾する可能性がある。そのため、ゴルフクラブヘッド1000に錘を追加または再分配して水平MOI1811を増加させる際には、ホーゼルMOI1711の増加を維持または制限することに関してバランスを取る必要がある。
【0041】
上記の観点から、ゴルフクラブヘッド1000の第4の最適化特性は、水平MOI1811とホーゼルMOI1711の関係を制御して、以下の関係4を満たすようにする。
(水平MOI1811)≧39%(ホーゼルMOI1711) [関係4]
【0042】
ゴルフクラブヘッド1000に対し、その第4の最適化特性が関係4の要件を上回ることができるように構成できる例が可能である。ある例として、一部の実施態様では、ゴルフクラブヘッド1000の第4の最適化特性は、水平MOI1811が、ホーゼルMOI1711の40%以上、ホーゼルMOI1711の45%以上、またはホーゼルMOI1711の50%以上となるように構成することができる。本例では、水平MOI1811は、約3740グラム平方センチメートル(g・cm)であるが、これを約2800g・cm~約4300g・cmの範囲とすることができる例も可能である。ホーゼルMOI1711は、本例では約9370g・cmであるが、同一または他の例では約7000g・cm~約11,000g・cmの範囲とすることもできる。
【0043】
ゴルフクラブヘッド1000は、ホーゼルMOI1711と垂直MOI1611(図1)のバランスに関する第5の最適化特性も備えることができる。垂直MOI1611は、ヘッド垂直軸1610周りで定められる。この軸は、ヘッド重心2500を通ってヘッド上部1120からヘッドソール部1130まで延びると共に、ゴルフクラブヘッド1000がアドレス位置にあるときは地面1010に垂直である。垂直MOI1611は、本例では約5300g・cmであるが、同一または他の例では約4700g・cm~約6000g・cmの範囲とすることもできる。
【0044】
一部の例では、垂直MOI1611を増加させることにより、打撃フェース1210が中心から外れてヘッドヒール部1140に寄って(またはヘッドトウ部1150に寄って)ゴルフボール2600と当たる時に、ヘッド垂直軸1610周りのゴルフクラブヘッド1000の回転を制限することができる。それにより、上記のようなヒール側またはトウ側の打ち損ないに対してゴルフクラブヘッド1000の許容性が向上する。例えば、垂直MOI1611を増加させるために、ヘッドヒール部1140及び/またはヘッドトウ部1150の付近に錘を追加または再配置することができる。同一または他の例では、ヘッドヒール部1140及び/またはヘッドトウ部1150に向かってゴルフクラブヘッドを延長することができる。
【0045】
ただし、垂直MOI1611を増加させるためのこうした調整または変更は、これらが他のゴルフクラブヘッドの特性に影響を及ぼし始める前に、ある程度まで行うことができる。例えば、垂直MOI1611を増加させるために制限なく調整を行うと、適切にバランスが取れていない場合、ホーゼルMOI1711が過度に増加する可能性があるが、それにより、上記のようにゴルフクラブヘッド1000をホーゼル軸1710周りに回転させるための抵抗が増加する。加えて、ホーゼルMOI1711を減少させるための一部のアプローチは、適切にバランスが取れていない場合、垂直MOI1611を増加させるための上記アプローチの一部と矛盾する可能性がある。そのため、ゴルフクラブヘッド1000に錘を追加または再分配して垂直MOI1611を増加させる際には、ホーゼルMOI1711の増加を維持または制限することに関してバランスを取る必要がある。
【0046】
上記の観点から、ゴルフクラブヘッド1000の第5の最適化特性は、垂直MOI1611とホーゼルMOI1711の関係を制御して、以下の関係5を満たすようにする。
(垂直MOI1611)≧59%(ホーゼルMOI1711) [関係5]
【0047】
ゴルフクラブヘッド1000に対し、その第5の最適化特性が関係5の要件を上回ることができるように構成できる例が可能である。ある例として、一部の実施態様では、ゴルフクラブヘッド1000の第5の最適化特性は、垂直MOI1611が、ホーゼルMOI1711の60%以上、ホーゼルMOI1711の65%以上、またはホーゼルMOI1711の70%以上となるように構成することができる。一部の例では、ゴルフクラブヘッド1000は、その第4の最適化特性が関係4を満たすと共に、その第5の最適化特性も関係5を満たすように構成することができる。
【0048】
一部の実施態様では、ゴルフクラブヘッド1000の質量分布、またはゴルフクラブヘッド1000の種々の要素間の関係を調整することにより、上述した第1、第2、第3、第4及び/または第5の最適化特性を発揮するようにゴルフクラブヘッド1000を構成することができる。このような目的のために、図2~3から理解できるように、ゴルフクラブヘッド1000は、ヘッドソール部1130及びヘッド後部2160の付近に配置された錘構造体2700を備えることができる。一部の構成では、関係1、関係2、関係3、関係4及び/または関係5によって課された制約を満たすように、錘構造体2700を設計及び/または配置することが可能であり、それにより、打撃フェース1210のフェース高さもしくはフェースサイズ、ゴルフクラブヘッド1000のヘッド容量2600、重心2500の位置及び/または種々の慣性モーメントのバランスを取る。
【0049】
図3から理解できるように、時計盤3500に対して錘構造体2700を配置することが可能であるが、この時計盤は、打撃フェース1210に関して位置合わせすることができる。例えば、時計盤3500は、12時線3512を含むが、この線は、本実施形態の打撃フェース中心点1211に位置合わせされている。12時線3512は、前部交線3271に直交しているが、この交線は、ロフト面2270(図2~3)と地面1010(図1~2)の交差部によって定められる。時計盤3500は、前部1110の前端と後部2160の後端の間の中点において、12時線3512に沿って中央に配置されている。同一または他の例では、ゴルフクラブヘッド1000の幾何学中心に近接するように時計盤中心点3515を位置決めすることができる。時計盤3500は、ヘッドヒール部1140に向かって延びる3時線3503及びヘッドトウ部1150に向かって延びる9時線3509も含む。
【0050】
錘構造体2700の錘縁部2705は、本実施形態では、時計盤3500の4時線3504と8時線3508の間に少なくとも部分的に制限されてヘッド後部2160付近に配置されており、それと共に5時線3505と7時線3507の間に錘中心2750が配置されている。本時計盤などの例では、錘縁部2705は、4時線3504と8時線3508の間に完全に制限されている。本例では、錘縁部2705は、ゴルフクラブヘッド1000の外面で定められているが、他の例も可能であり、その場合、錘縁部は、ゴルフクラブヘッド1000の内側に延びてよい(または、ゴルフクラブヘッド1000内部で定められてよい)。一部の例では、より広い領域について錘2700の位置を設定することができる。例えば、上記例では、錘構造体2700の錘縁部2705は、時計盤3500の4時線3504と9時線3509の間に少なくとも部分的に制限されてヘッド後部2160付近に配置することが可能であり、それと共に5時線3505と8時線3508の間に錘中心2750を配置することができる。
【0051】
同一または他の実施形態では、ヒール部1140に向かって錘構造体2700を延長または移動させることかできる。例えば、9時線3509に向かってではなく4時線3504に向かって、錘縁部2705及び/または錘中心2750を移動させることができる。錘構造体2700をヘッドヒール部1140付近に偏らせると、ホーゼル軸1710と錘構造体2700の間の距離が制限されることにより、ホーゼル軸1710周りのホーゼルMOI1711を減少させることができる。それにより、スイング中にゴルフクラブヘッド1000をホーゼル軸1710周りにより回転しやすくすることができる。
【0052】
一部の例では、錘構造体2700は、約2グラム~約50グラムの質量及び/または約1cc~約30ccの体積を有することができる。本例では、錘構造体2700は、ヘッドソール部1130の外部輪郭から突出しているため、少なくとも部分的には外部にあり、それによってヘッド重心2500をより大きく調整することができる。
【0053】
錘構造体2700は、同一または他の例では、着脱式錘2790を備えることができる。この場合、着脱式錘2790は、約0.5グラム~約30グラムの質量を有することができ、関係1、関係2、関係3、関係4及び/または関係5を満たすのに必要であれば、この錘を1つ以上の他の類似の錘と置き換えることにより、ヘッド重心2500の位置を調整することができる。同一または他の例では、錘中心2750は、錘構造体2700の重心、着脱式錘2790の重心、錘構造体2700の幾何学中心及び/または着脱式錘2790の幾何学中心のうちの少なくとも1つを有する。
【0054】
錘中心2750は、地面1010及び錘中心垂直距離の軸2340に対して配置することができ、この軸は、錘中心2750と地面1010の間に延びている。錘中心垂直距離の軸2340は、ゴルフクラブヘッド1000が地面に対してアドレス位置にあるときは地面1010に垂直である。従って、錘中心2750の錘中心垂直距離2730は、錘中心垂直距離の軸2340に沿って錘中心2750と地面1010の間で測定することができる。加えて、錘中心2750の錘中心深さ2710は、交点2802と交点2804の間で地面1010と平行に測定することができる。本例では、交点2804は、ゴルフクラブヘッド1000がアドレス位置にあるときに、地面1010と錘中心垂直距離の軸2340の間の交差部によって定められる。同一または他の実施形態では、ヘッド重心2500を錘中心2750から隔てる錘距離2751(図2)が約25mm~約102mmとなることができるように、錘中心2750を配置することができる。
【0055】
フェース部1200の厚みを薄化させることができる実施形態も可能であるが、必要に応じて、1つ以上の補強構造体を用いて打撃フェース1210の背面及び/またはフェース部1200とヘッド前部1110の接合部においてフェース部1200を補強してよい。関係1、関係2、関係3、関係4及び/または関係5を満たすのに望ましいのであれば、他の質量再分配機構を利用することもできる。
【0056】
一部の実施態様では、ヘッド重心2500と錘中心2750の関係または比は、関係1、関係2、関係3、関係4及び/または関係5の1つ以上を満たすことができるように構成可能である。例えば、ヘッドCG垂直距離2530に対する錘中心垂直距離2730の比によって定められる垂直距離比を0.44よりも大きくして、ヘッド重心2500がヘッドソール部1130により近い状態を維持する効果を得ることができる。別の例では、ヘッドCG深さ2510に対する錘中心深さ2710の比によって定められる深さ比を2.54未満として、CG深さ2510がヘッド前部1110に向かって過度に浅くならないようにすることができる。ヘッドCG垂直距離2530を約28.5mm未満とすることができる一部の実施態様も可能であり、その場合、錘中心垂直距離2730を約12.5mm未満とすることができ、かつ/または錘中心深さ2710を約99.7mmよりも大きくすることができる。
【0057】
図4は、本開示に係るゴルフクラブヘッドを提供、形成及び/または製造するのに利用可能な方法4000のフローチャートを示す図である。一部の例では、ゴルフクラブヘッドは、上記で提示されたゴルフクラブヘッド1000(図1~3)と同様とすることができる。
【0058】
方法4000は、ヘッド前部を含むゴルフクラブヘッドのヘッド本体を提供するブロック4100を含む。一部の例では、ヘッド本体は、ヘッド本体1100(図1~3)と同様とすることができ、ヘッド前部は、ヘッド前部1110(図1~3)と同様とすることができる。
【0059】
方法4000のブロック4200は、フェース部をヘッド前部に連結することを含み、このヘッド前部は、フェースサイズを増加させた打撃フェースを含む。一部の例では、フェース部は、フェース部1200(図1~2)と同様とすることができるが、これは、増加させたフェースサイズ(フェース部に関して上述した)を有する打撃フェース1210を含む。例えば、打撃フェースのフェースサイズを増加させると、一部の例では、そのフェース高さを約71mmまでにすることが可能となり得る。
【0060】
方法4000は、第1の最適化特性を備えるようにゴルフクラブヘッドを構成するブロック4300を含むことができ、その場合、ゴルフクラブヘッドの重心とゴルフクラブヘッドの奥行き面の間のCG高さは、約0mm~約5.08mm(または0.200インチ)とすることができる。一部の例では、第1の最適化特性は、重心に対してゴルフクラブヘッドのフェース高さまたはフェースサイズのバランスを取る関係1に関して上述したものと同様とすることができる。一部の例では、CG高さは、CG高さ2520(図2)と同様としてよく、重心は、ヘッド重心2500(図2)と同様としてよく、ヘッド奥行き面は、ヘッド奥行き面2310(図2)と同様とすることができる。
【0061】
方法4000が、第2の最適化特性を備えるようにゴルフクラブヘッドを構成するブロック4400を含むことができる実施態様も可能であり、その場合、(a)76.2mm(または約3.0インチ)からフェース高さを引いたものと、(b)打撃フェース中心点と重心の間のCG深さとの比は、0.56未満である。一部の例では、第2の最適化特性は、重心深さに対してゴルフクラブヘッドのフェース高さまたはフェースサイズのバランスを取る関係2に関して上述したものと同様とすることができる。例えば、フェース高さは、フェース高さ1213と同様とすることができ、CG深さは、CG深さ2510と同様とすることができる。
【0062】
一部の例では、方法4000は、第3の最適化特性を備えるようにゴルフクラブヘッドを構成するブロック4500を含むことができ、その場合、ヘッド容量の大きさにCG深さとCG高さの比を加えたものは425以上となる。一部の実施態様では、第3の最適化特性は、重心位置に対してヘッド容量のバランスを取る関係3に関して上述したものと同様とすることができる。例えば、ヘッド容量の大きさは、ヘッド容量2600の大きさ(図2)と同様とすることができ、CG深さは、CG深さ2510と同様とすることができ、CG高さは、CG高さ2520と同様とすることができる。
【0063】
方法4000は、第4の最適化特性を備えるようにゴルフクラブヘッドを構成する一部の実施形態において方法4600を含むことができ、その場合、ゴルフクラブヘッドの水平慣性モーメントは、そのホーゼル慣性モーメントの39%以上である。一部の実施態様では、第4の最適化特性は、ホーゼルMOI1711(図1)に対して水平MOI1811のバランスを取る関係4に関して上述したものと同様とすることができる。同一または他の例では、水平慣性モーメントの大きさは、水平MOI1811に関して上述したものと同様とすることができる。加えて、ホーゼル慣性モーメントの大きさは、ホーゼルMOI1711に関して上述したものと同様とすることができる。水平慣性モーメント及び/またはホーゼル慣性モーメントが他の特徴に対して(ゴルフクラブヘッドの垂直慣性モーメントに対してなど)バランスを取ることができる例も可能である。
【0064】
方法4000のブロック4700は、第5の最適化特性を備えるようにゴルフクラブヘッドを構成する一部の実施態様において実施することができ、その場合、ゴルフクラブヘッドの垂直慣性モーメントは、そのホーゼル慣性モーメントの59%以上である。一部の実施態様では、第5の最適化特性は、ホーゼルMOI1711(図1)に対して垂直MOI1611のバランスを取る関係5に関して上述したものと同様とすることができる。同一または他の例では、垂直慣性モーメントの大きさは、垂直MOI1611に関して上述したものと同様とすることができる。加えて、ホーゼル慣性モーメントの大きさは、ホーゼルMOI1711に関して上述したものと同様とすることができる。垂直慣性モーメント及び/またはホーゼル慣性モーメントが他の特徴に対して(ブロック4500の水平慣性モーメントに対してなど)バランスを取ることができる例も可能である。
【0065】
本例では、方法4000は、ゴルフクラブヘッドの重心を調整するために、質量再配置機構を提供するブロック4800も含む。一部の例では、ゴルフクラブヘッドが方法4000のブロック4300、ブロック4400、ブロック4500、ブロック4600及び/またはブロック4700に関する各要件を達成できるように、質量再配置機構を構成することができる。質量再配置機構は、錘構造体2700(図2~3)などの錘構造体を備えることができ、これにより、所望の場合には、ゴルフクラブヘッドのソール部及び/または後部の付近に重心位置を調整することができる。同一または他の実施形態では、質量再配置機構は、ゴルフクラブヘッドのフェース部の厚みを薄化させることが可能であるが、このとき、必要に応じて、打撃フェースの背面及び/またはゴルフクラブヘッドのフェース部とヘッド本体の接合部などにおいて、1つ以上の補強構造体を用いてゴルフクラブヘッドのフェース部を補強してよい。
【0066】
一部の例では、方法4000の異なるブロックの1つ以上を1つのブロックに統合し、もしくは同時に行うことができ、かつ/または、こうした各ブロックの順序を変更することができる。例えば、一部の実施形態(フェース部及びヘッド本体の少なくとも一部が単一の材料片で構成されている場合など)では、ブロック4100とブロック4200を組み合わせてよい。同一または他の例では、ブロック4800は、ブロック4100、ブロック4300、ブロック4400、ブロック4500、ブロック4600及び/またはブロック4700の1つ以上と組み合わされてよく、ブロック4800の質量再配置機構を用いるなどして、ゴルフクラブヘッドの重心、フェース高さ、フェースサイズ、ヘッド容量及び/または1つ以上の慣性モーメントを調整することにより、同時に実現されてよい。同一または他の例では、方法4000の各ブロックの一部をいくつかのサブブロックに細分化することができる。例えば、ブロック4100は、ゴルフクラブヘッドのヘッド本体の異なる部分を提供するいくつかのサブブロックに細分化することができる。方法4000がさらなるブロックまたは異なるブロックを含むことができる例も可能である。ある例として、方法4000は、ゴルフクラブシャフトをブロック4100のヘッド本体に提供または連結する別のブロックを含んでよい。加えて、上述した各ブロックの一部のみを方法4100が含むことができる例であってもよい。例えば、ブロック4300、ブロック4400、ブロック4500、ブロック4600及び/またはブロック4700の1つ以上を一部の実施態様で任意としてよく、かつ/または、ブロック4300、ブロック4400、ブロック4500、ブロック4600及び/またはブロック4700の要件を達成するのに必要でなければ、ブロック4800を省略してよい。本開示の範囲から逸脱することなく、方法4000に対して他の変形例を実施することができる。
【0067】
本明細書では、特定の実施形態を参照して、最適化特性を備えたゴルフクラブヘッド及び関連方法について説明してきたが、本開示の概念または範囲を逸脱せずに、各種の変更をなすことが可能である。例えば、ドライバー型のゴルフクラブに関連して上記の例を説明することが可能であるが、本明細書で説明された装置、方法及び製造品は、他の型のゴルフクラブ(フェアウェイウッド型のゴルフクラブ、ハイブリッド型のゴルフクラブ、アイアン型のゴルフクラブ、ウェッジ型のゴルフクラブまたはパター型のゴルフクラブなど)に適用可能であってもよい。あるいは、本明細書で説明された装置、方法及び製造品は、他の種類のスポーツ用品(ホッケースティック、テニスラケット、釣り竿、スキーストックなど)に適用可能であってもよい。
【0068】
こうした変更及び他のものの別の例は、上記の説明で与えられてきた。様々な特徴の1つ以上の特徴を有する種々の実施形態の他の置き換えも同様に企図されている。従って、本明細書、本特許請求の範囲及び本明細書の図面は、本開示の範囲の例示となることを意図したものであり、限定することを意図するものではない。本出願の範囲は、添付された特許請求の範囲によって要求される範囲にのみ限定されるべきであることが意図される。
【0069】
本明細書で述べた最適化特性を備えたゴルフクラブヘッド及び関連方法は、様々な実施形態で実施されてよく、これらの実施形態のあるものに関する前述の議論は、必ずしも全ての可能な実施形態の完全な記述を表すものではない。むしろ、図面についての詳細な説明及び図面自体は、少なくとも1つの好ましい実施形態を開示しており、代替実施形態を開示している場合もある。
【0070】
いずれかの特定の請求項において特許請求される全ての要素は、その特定の請求項において特許請求される実施形態にとって必須である。結果として、1つ以上の特許請求される要素の置換は、訂正ではなく再構成となる。加えて、特定の実施形態に関して、利益、他の利点及び問題の解決策について説明してきた。しかしながら、利益、利点、問題の解決策、及びいずれかの利益、利点、もしくは解決策を生じさせること、またはより明白にさせることができるいずれか1つもしくは複数の要素を、請求項のいずれかもしくは全てにとっての極めて重要な、必要な、もしくは必須の特徴もしくは要素と解釈することは、そのような利益、利点、解決策、または要素が、そのような請求項において明示的に述べられない限りはすべきでない。
【0071】
ゴルフのルールは時々変化することがあるので(例えば、全米ゴルフ協会(USGA)、英国ゴルフ協会(Royal and Ancient Golf Club of St. Andrews:R&A)などのゴルフ標準化組織及び/またはゴルフ管理団体により、新しい規定が採用される場合があり、または旧いルールが廃止もしくは変更される場合がある)、本明細書で説明された装置、方法及び製造品に関するゴルフ用具は、任意の特定の時点においては、ゴルフのルールに適合している場合もあり、または適合していない場合もある。従って、本明細書で説明された装置、方法及び製造品に関するゴルフ用具は、適合または不適合のゴルフ用具として広告され、売りに出され、かつ/または販売される場合がある。本明細書で説明された装置、方法及び製造品は、この点に関して限定されない。
【0072】
さらに、本明細書で開示された実施形態及び限定は、その実施形態及び/または限定が、(1)請求項において明示的に特許請求されておらず、(2)均等論の下で請求項中の明示的な要素及び/または限定の均等物であり、または潜在的な均等物である場合、公有の原則(doctrine of dedication)の下で公共用として提供されることはない。
以下に、本実施例の特徴を列挙する。
(特徴1)
ゴルフクラブヘッドであって、
ヘッド前部、ヘッド後部、ヘッドヒール部、ヘッドトウ部、ヘッドソール部、ヘッド上部、及びゴルフクラブシャフトを受け入れるための内径部を有し、前記内径部がホーゼル軸を有するホーゼル構造体を含むヘッド本体と、
前記ヘッド前部にあるフェース部であって、打撃フェース中心点及び打撃フェース縁部を有する打撃フェース並びに前記打撃フェース縁部によって制限されるフェース高さを有するフェース部と、
ヘッド重心と、
第1の性能特性または第2の性能特性の少なくとも一方と、を備え、
前記ゴルフクラブヘッドが地面に対してアドレス位置にあるとき、ヘッド垂直軸は、前記ヘッド重心を通って延びると共に前記地面に垂直であり、ヘッド水平軸は、前記ヘッド重心を通って延びると共に前記ヘッド垂直軸に直交し、
前記ゴルフクラブヘッドのロフト面は、前記打撃フェース中心点に接し、
前記ゴルフクラブヘッドの前面は、前記打撃フェース中心点を通って前記ホーゼル軸と平行に延び、
ヘッド奥行き面は、前記打撃フェース中心点を通って前記ヘッド水平軸と平行かつ前記ロフト面に垂直に延び、
重心(CG)高さの軸は、前記ヘッド重心を通って延びると共に、第1交点で前記ヘッド奥行き面と垂直に交差し、
前記ヘッド重心のヘッドCG高さは、前記CG高さの軸に沿って、前記ヘッド重心と前記第1交点の間で測定され、
前記ヘッド重心のヘッドCG深さは、前記前面と前記地面の交差部に位置する第2交点と、前記ヘッド垂直軸と前記地面の交差部に位置する第3交点の間で、前記地面に平行かつ前記前面に垂直に測定され、
前記フェース高さは、前記ロフト面と平行に測定して約33mm~約71mmであり、
前記第1の性能特性は、前記ヘッドCG高さを約5.08mm以下で有し、
前記第2の性能特性は、(a)76.2mmから前記フェース高さを引き、(b)前記ヘッドCG深さで割ることによって定められるCG性能比を0.56以下で有する、ゴルフクラブヘッド。
(特徴2)
前記ゴルフクラブヘッドが前記第1の性能特性を備える、特徴1に記載のゴルフクラブヘッド。
(特徴3)
前記ゴルフクラブヘッドが前記第2の性能特性を備える、特徴1または特徴2に記載のゴルフクラブヘッド。
(特徴4)
前記打撃フェースの面積が約23.6cm2~約45.2cm2である、特徴1から特徴3のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッド。
(特徴5)
前記ヘッド本体は、前記ヘッド本体の前記ソール部及び前記後部の付近に配置された錘構造体を備え、
前記錘構造体は、
前記フェース高さによって定められる前記打撃フェースのフェースサイズを増加させて、インパクト領域をより大きくし、かつ前記打撃フェースとゴルフボールの間のゴルフインパクト時に前記ゴルフボールにより多くのエネルギーを移動させ、
前記増加させたフェースサイズによって前記ヘッドCG深さが前記ヘッド前部に向かって浅くなるのを制限し、それにより、前記ゴルフインパクト時に前記打撃フェースのダイナミックロフトまたは前記ゴルフボールの打ち出し角の少なくとも一方を向上させ、
前記増加させたフェースサイズによって前記ヘッドCG高さが前記ヘッド上部に向かって上昇するのを制限し、それにより、前記ゴルフインパクト時に前記打撃フェースと前記ゴルフボールの間のギア効果によって前記ゴルフボールのバックスピンを減少させる、特徴1から特徴4のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッド。
(特徴6)
前記ヘッド本体は、前記ヘッドソール部及び前記ヘッド後部の付近に配置された錘構造体を備え、
前記錘構造体は、前記ヘッドソール部の外部輪郭から少なくとも部分的に突出しており、
前記錘構造体は、約2グラム~約50グラムの錘質量及び約1立方センチメートル~約30立方センチメートルの錘体積を有する、特徴1から特徴4のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッド。
(特徴7)
前記ヘッド本体は、前記ヘッド本体の前記ソール部及び前記後部の付近に配置された錘構造体を備え、
前記ヘッド重心と前記錘構造体の錘中心の間の錘距離は、約25mm~約102mmである、特徴1から特徴4のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッド。
(特徴8)
前記ヘッド本体は、錘中心を有し、前記ヘッドソール部及び前記ヘッド後部の付近に配置された錘構造体を備え、
錘中心垂直距離の軸は、前記錘中心と前記地面の間に延びると共に、前記ゴルフクラブヘッドが前記アドレス位置にあるときは前記地面に垂直であり、
ヘッドCG垂直距離は、前記ヘッド垂直軸に沿って、前記ヘッド重心と前記地面の間で測定され、
錘中心垂直距離は、前記錘中心垂直距離の軸に沿って、前記ヘッド重心と前記地面の間で測定され、
前記錘中心垂直距離を前記ヘッドCG垂直距離で割ることによって定められる垂直距離比が0.44よりも大きい、特徴1から特徴4のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッド。
(特徴9)
前記ヘッド本体は、錘中心を有し、前記ヘッドソール部及び前記ヘッド後部の付近に配置された錘構造体を備え、
錘中心垂直距離の軸は、前記錘中心と前記地面の間に延びると共に、前記ゴルフクラブヘッドが前記アドレス位置にあるときは前記地面に垂直であり、
前記錘中心の錘中心深さは、前記前面と前記地面の間の交差部にある前記第2交点と、前記錘中心垂直距離の軸と前記地面の交差部にある第4交点の間で、前記地面と平行に測定され、
前記錘中心深さを前記ヘッドCG深さで割ることによって定められる深さ比が2.54未満である、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッド。
(特徴10)
前記フェース部は打撃板を含み、前記打撃板は、前記打撃板の打撃板端部に沿って前記ヘッド前部に接合されており、
前記打撃板端部は、前記打撃フェースの前記打撃フェース縁部の少なくとも一部を画定し、
前記打撃フェース縁部は、打撃フェース上端及び打撃フェース下端を含み、
前記フェース高さは、前記打撃フェース下端から前記打撃フェース上端まで測定される、特徴1から特徴9のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッド。
(特徴11)
前記打撃フェースを含むヘッド前方面をさらに備え、
前記打撃フェースは、前記打撃フェースに沿って延びると共に前記打撃フェース中心点を横断する垂直ロール半径を含み、
前記打撃フェース縁部は、前記ヘッド前方面の輪郭が前記垂直ロール半径から離れる箇所である上部遷移境界にある打撃フェース上端、及び前記フェース部の輪郭が前記垂直ロール半径から離れる箇所である下部遷移境界にある打撃フェース下端を含み、
前記フェース高さは、前記打撃フェース下端から前記打撃フェース上端まで測定される、
特徴1から特徴9のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッド。
(特徴12)
前記ヘッドCG深さが約25mm~約102mmである、特徴1から特徴11のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッド。
(特徴13)
前記ヘッドCG高さが約0mm~約5.08mmである、特徴1から特徴12のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッド。
(特徴14)
前記ヘッド本体はドライバー型本体で構成され、
前記ヘッドCG高さは、約0mm~約5.08mmであり、
前記ヘッドCG深さは、約25mm~約102mmであり、
前記ゴルフクラブヘッドのヘッド容量は、約420立方センチメートル~約470立方センチメートルであり、
前記ゴルフクラブヘッドのヘッド重量は、約185グラム~約225グラムである、特徴1から特徴11のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッド。
(特徴15)
前記ヘッドCG高さが約0mm~約4.45mmである、特徴1から特徴11のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッド。
(特徴16)
前記ヘッドCG高さが約0mm~約3.81mmである、特徴1から特徴11のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッド。
(特徴17)
ゴルフクラブヘッドであって、
ヘッド前部、ヘッド後部、ヘッドヒール部、ヘッドトウ部、ヘッドソール部、ヘッド上部、及びゴルフクラブシャフトを受け入れるための内径部を有し、前記内径部がホーゼル軸を有するホーゼル構造体を含むヘッド本体と、
前記ヘッド前部に連結され、打撃フェース中心点、打撃フェース縁部及びフェース高さを有する打撃フェースを含むフェース部と、
ヘッド重心と、を備え、
前記ゴルフクラブヘッドが地面に対してアドレス位置にあるとき、ヘッド垂直軸は、前記ヘッド重心を通って延びると共に前記地面に垂直であり、ヘッド水平軸は、前記ヘッド重心を通って延びると共に前記ヘッド垂直軸に直交し、
前記ゴルフクラブヘッドのロフト面は、前記打撃フェース中心点に接し、
前記ゴルフクラブヘッドの前面は前記打撃フェース中心点を通って前記ホーゼル軸と平行に延び、
ヘッド奥行き面は、前記打撃フェース中心点を通って前記ヘッド水平軸と平行かつ前記ロフト面に垂直に延び、
重心(CG)高さの軸は、前記ヘッド重心を通って延びると共に、第1交点で前記ヘッド奥行き面と垂直に交差し、
前記ヘッド重心のヘッドCG高さは、前記CG高さの軸に沿って、前記ヘッド重心と前記第1交点の間で測定され、
前記ヘッド重心のヘッドCG深さは、前記前面と前記地面の交差部に位置する第2交点と、前記ヘッド垂直軸と前記地面の交差部に位置する第3交点の間で、前記地面に平行かつ前記前面に垂直に測定され、
前記フェース高さは、前記打撃フェース縁部によって定められ、前記ロフト面と平行に測定して約33mm~約71mmであり、
(a)76.2mmから前記フェース高さを引いたものと(b)前記ヘッドCG深さのCG性能比が0.56以下であり、
前記ヘッド本体はドライバー型本体で構成され、
前記ゴルフクラブヘッドのヘッド容量は、約420立方センチメートル~約470立方センチメートルであり、
前記ゴルフクラブヘッドのヘッド重量は、約185グラム~約225グラムであり、
前記ヘッドCG高さは、約0mm~約3.18mmであり、
前記ヘッドCG深さは、約25mm~約102mmであり、
前記ヘッド本体は、前記ヘッド本体の前記ソール部及び前記後部の付近に配置された錘構造体を備える、ゴルフクラブヘッド。
(特徴18)
前記錘構造体は、
前記フェース高さによって定められる前記打撃フェースのフェースサイズを増加させて、インパクト領域をより大きくし、かつ前記打撃フェースとゴルフボールの間のゴルフインパクト時に前記ゴルフボールにより多くのエネルギーを移動させ、
前記増加させたフェースサイズによって前記ヘッドCG深さが前記打撃フェースに向かって浅くなるのを制限し、それにより、前記ゴルフインパクト時に前記打撃フェースのダイナミックロフトまたは前記ゴルフボールの打ち出し角の少なくとも一方を向上させ、
前記増加させたフェースサイズによって前記ヘッドCG高さが前記ヘッド上部に向かって上昇するのを制限し、それにより、前記ゴルフインパクト時に前記打撃フェースと前記ゴルフボールの間のギア効果によって前記ゴルフボールのバックスピンを減少させる、特徴17に記載のゴルフクラブヘッド。
(特徴19)
前記ヘッド重心と前記錘構造体の錘中心の間の錘距離が約25mm~約102mmである、特徴17または特徴18に記載のゴルフクラブヘッド。
(特徴20)
ゴルフクラブヘッドの提供方法であって、
ヘッド前部、ヘッド後部、ヘッドヒール部、ヘッドトウ部、ヘッドソール部、ヘッド上部、及びゴルフクラブシャフトを受け入れるための内径部を有し、前記内径部がホーゼル軸を有するホーゼル構造体を含むヘッド本体を提供すること、
前記ヘッド前部に、打撃フェース中心点、打撃フェース縁部及び前記打撃フェース縁部によって制限されるフェース高さを有する打撃フェースを含むフェース部を連結すること、並びに前記ゴルフクラブヘッドの第1の性能特性または前記ゴルフクラブヘッドの第2の性能特性の少なくとも一方を設定すること、を含み、
前記ゴルフクラブヘッドが地面に対してアドレス位置にあるとき、ヘッド垂直軸は、前記ゴルフクラブヘッドのヘッド重心を通って延びると共に前記地面に垂直であり、ヘッド水平軸は、前記ヘッド重心を通って延びると共に前記ヘッド垂直軸に直交し、
前記ゴルフクラブヘッドのロフト面は、前記打撃フェース中心点に接し、
前記ゴルフクラブヘッドの前面は前記打撃フェース中心点を通って前記ホーゼル軸と平行に延び、
ヘッド奥行き面は、前記打撃フェース中心点を通って前記ヘッド水平軸と平行かつ前記ロフト面に垂直に延び、
重心(CG)高さの軸は、前記ヘッド重心を通って延びると共に、第1交点で前記ヘッド奥行き面と垂直に交差し、
前記ゴルフクラブヘッドのヘッドCG高さは、前記CG高さの軸に沿って、前記ヘッド重心と前記第1交点の間で測定され、
前記ヘッド重心のヘッドCG深さは、前記前面と前記地面の交差部に位置する第2交点と前記ヘッド垂直軸と前記地面の交差部に位置する第3交点の間で、前記地面に平行かつ前記前面に垂直に測定され、
前記フェース高さは、前記ロフト面と平行に測定して約33mm~約71mmであり、
前記第1の性能特性は、前記ヘッドCG高さを約5.08mm以下で有し、
前記第2の性能特性は、(a)76.2mmから前記フェース高さを引いて(b)前記ヘッドCG深さで割ることによって定められるCG性能比を0.56以下で有する、方法。
(特徴21)
前記ゴルフクラブヘッドが前記第1の性能特性を備える、特徴20に記載の方法。
(特徴22)
前記ゴルフクラブヘッドが前記第2の性能特性を備える、特徴20または特徴21に記載の方法。
図1
図2
図3
図4