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特許7323726情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-31
(45)【発行日】2023-08-08
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0201 20230101AFI20230801BHJP
【FI】
G06Q30/0201
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023001823
(22)【出願日】2023-01-10
【審査請求日】2023-03-31
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】尾又 忠行
【審査官】速水 雄太
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-096793(JP,A)
【文献】特開2017-207854(JP,A)
【文献】特開2021-047551(JP,A)
【文献】特開2020-123031(JP,A)
【文献】特開2019-215862(JP,A)
【文献】JR東日本「駅カルテ」 駅のご利用状況をSuicaビックデータで可視化,[online],日本,2022年03月17日,[令和5年4月24日検索]、インターネット<URL:https://web.archive.org/web/20220317222150/https://www.jreast.co.jp/suica/corporate/suicadata/eki-karte.html>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが使用するユーザ端末の移動を示す移動履歴を取得する移動履歴取得部と、
前記移動履歴において前記ユーザが通行で利用した交通施設である利用交通施設を特定する特定部と、
前記ユーザが決済した決済内容を示す決済履歴であって、前記ユーザが決済した決済日時と前記ユーザが決済した決済金額とを含む前記決済履歴を取得する決済履歴取得部と、
前記決済履歴と、前記決済日時を含む所定の期間に利用された前記利用交通施設を示す情報とを関連付ける関連付け部と、
交通施設の指定を受け付ける受付部と、
前記関連付け部が関連付けた結果として、前記受付部が指定を受け付けた交通施設である指定交通施設に関連付けられている一以上の前記決済履歴それぞれに含まれる前記決済金額の合計額を出力する出力部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記受付部は、期間の指定をさらに受け付け、
前記出力部は、さらに、前記受付部が指定を受け付けた期間である指定期間内の前記決済日時を含む前記一以上の決済履歴それぞれに含まれる前記決済金額の合計額を出力する、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記出力部は、曜日及び前記合計額を算出するために定められた算出期間のうちの少なくともいずれかごとに、前記一以上の決済履歴それぞれに含まれる前記決済金額の合計額を出力する、
請求項又はに記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記決済履歴は、前記ユーザが決済した決済施設を示す情報をさらに含み
前記出力部は、前記受付部が指定を受け付けた交通施設である指定交通施設に関連付けられている一以上の前記決済履歴それぞれに含まれる前記決済施設を示す情報をさらに出力する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記出力部は、前記ユーザの属性、前記ユーザが決済によって購入した商品の種類、前記ユーザが決済によって利用したサービスの種類、及び所定のエリアのうちの少なくともいずれかごとに、前記受付部が指定を受け付けた交通施設である指定交通施設を利用した前記ユーザの数をさらに出力する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
コンピュータが実行する、
ユーザが使用するユーザ端末の移動を示す移動履歴を取得するステップと、
前記移動履歴において前記ユーザが通行で利用した交通施設である利用交通施設を特定するステップと、
前記ユーザが決済した決済内容を示す決済履歴であって、前記ユーザが決済した決済日時と前記ユーザが決済した決済金額とを含む前記決済履歴を取得するステップと、
前記決済履歴と、前記決済日時を含む所定の期間に利用された前記利用交通施設を示す情報とを関連付けるステップと、
交通施設の指定を受け付けるステップと、
関連付けた結果として、指定を受け付けた交通施設である指定交通施設に関連付けられている一以上の前記決済履歴それぞれに含まれる前記決済金額の合計額を出力するステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項7】
コンピュータを、
ユーザが使用するユーザ端末の移動を示す移動履歴を取得する移動履歴取得部、
前記移動履歴において前記ユーザが通行で利用した交通施設である利用交通施設を特定する特定部、
前記ユーザが決済した決済内容を示す決済履歴であって、前記ユーザが決済した決済日時と前記ユーザが決済した決済金額とを含む前記決済履歴を取得する決済履歴取得部、
前記決済履歴と、前記決済日時を含む所定の期間に利用された前記利用交通施設を示す情報とを関連付ける関連付け部
交通施設の指定を受け付ける受付部、及び
前記関連付け部が関連付けた結果として、前記受付部が指定を受け付けた交通施設である指定交通施設に関連付けられている一以上の前記決済履歴それぞれに含まれる前記決済金額の合計額を出力する出力部、
として機能させるためのプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両に搭載された端末装置から取得された位置情報を用いて交通量を推定する技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2022-051432号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
消費者が商品やサービスを入手する消費活動においては、消費活動が行われる場所付近において人が通行する通行量(交通量)が多いほど消費活動の度合い(例えば、累計金額又は金額の統計値等)が高く、消費活動が行われる場所付近の通行量が少ないほど消費活動の度合いが低いように思える。しかしながら、通行量が多い場所であっても、消費活動を目的とせずに通行する人(例えば、通勤を目的として通行する人)の数が多いと、消費活動の度合いが低くなり得る。そのため、通行量から消費活動の度合いを把握することが難しかった。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、消費活動の度合いを把握するための情報を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様にかかる情報処理装置は、ユーザが使用するユーザ端末の移動を示す移動履歴を取得する移動履歴取得部と、前記移動履歴において前記ユーザが通行で利用した交通施設である利用交通施設を特定する特定部と、前記ユーザが決済した決済内容を示す決済履歴であって、前記ユーザが決済した決済日時を含む前記決済履歴を取得する決済履歴取得部と、前記決済履歴と、前記決済日時を含む所定の期間に利用された前記利用交通施設を示す情報とを関連付ける関連付け部と、前記関連付け部が関連付けた結果を出力する出力部と、を有する。
【0007】
前記決済履歴は、前記ユーザが決済した決済金額をさらに含んでもよいし、前記情報処理装置は、交通施設の指定を受け付ける受付部をさらに有してもよいし、前記出力部は、前記受付部が指定を受け付けた交通施設である指定交通施設に関連付けられている一以上の前記決済履歴それぞれに含まれる前記決済金額の合計額を出力してもよい。
【0008】
前記受付部は、期間の指定をさらに受け付けてもよいし、前記出力部は、さらに、前記受付部が指定を受け付けた期間である指定期間を含む前記決済日時の前記一以上の決済履歴それぞれに含まれる前記決済金額の合計額を出力してもよい。
【0009】
前記出力部は、曜日及び前記合計額を算出するために定められた算出期間のうちの少なくともいずれかごとに、前記一以上の決済履歴それぞれに含まれる前記決済金額の合計額を出力してもよい。
【0010】
前記決済履歴は、前記ユーザが決済した決済施設を示す情報をさらに含んでもよいし、前記情報処理装置は、交通施設の指定を受け付ける受付部をさらに有してもよいし、前記出力部は、前記受付部が指定を受け付けた交通施設である指定交通施設に関連付けられている一以上の前記決済履歴それぞれに含まれる前記決済施設を示す情報を出力してもよい。
【0011】
前記情報処理装置は、交通施設の指定を受け付ける受付部をさらに有してもよいし、前記出力部は、前記ユーザの属性、前記ユーザが決済によって購入した商品の種類、前記ユーザが決済によって利用したサービスの種類、及び所定のエリアのうちの少なくともいずれかごとに、前記受付部が指定を受け付けた交通施設である指定交通施設を利用した前記ユーザの数を出力してもよい。
【0012】
本発明の第2の態様にかかる情報処理方法は、コンピュータが実行する、ユーザが使用するユーザ端末の移動を示す移動履歴を取得するステップと、前記移動履歴において前記ユーザが通行で利用した交通施設である利用交通施設を特定するステップと、前記ユーザが決済した決済内容を示す決済履歴であって、前記ユーザが決済した決済日時を含む前記決済履歴を取得するステップと、前記決済履歴と、前記決済日時を含む所定の期間に利用された前記利用交通施設を示す情報とを関連付けるステップと、関連付けた結果を出力するステップと、を有する。
【0013】
本発明の第3の態様にかかるプログラムは、コンピュータを、ユーザが使用するユーザ端末の移動を示す移動履歴を取得する移動履歴取得部、前記移動履歴において前記ユーザが通行で利用した交通施設である利用交通施設を特定する特定部、前記ユーザが決済した決済内容を示す決済履歴であって、前記ユーザが決済した決済日時を含む前記決済履歴を取得する決済履歴取得部、前記決済履歴と、前記決済日時を含む所定の期間に利用された前記利用交通施設を示す情報とを関連付ける関連付け部、及び前記関連付け部が関連付けた結果を出力する出力部、として機能させる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、消費活動の度合いを把握するための情報を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】情報処理システムの概要を説明するための図である。
図2】情報処理装置の機能構成を模式的に示す図である。
図3】関連付け管理データベースの構成の一例を示す図である。
図4】表示画面を模式的に表した図である。
図5】情報処理装置が実行する処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[情報処理システムSの概要]
図1は、情報処理システムSの概要を説明するための図である。情報処理システムSは、所定の交通施設におけるユーザによる消費活動の度合いを把握するための情報を提供する情報提供サービスを提供するために用いられるシステムである。交通施設は、道路、鉄道等である。情報処理システムSは、利用者端末1と、ユーザ端末2と、決済サーバ3と、情報処理装置4とを有する。
【0017】
利用者端末1は、情報提供サービスを利用する情報利用者が使用する端末であり、例えば、スマートフォン、タブレット端末又はパーソナルコンピュータ等である。利用者端末1は、情報を入力するための入力部と、情報を表示するための表示部とを有する。利用者端末1は、情報処理装置4と通信可能である。
【0018】
ユーザ端末2は、ユーザが使用する端末であり、例えば、スマートフォン又はタブレット端末等である。ユーザは、例えば、決済サーバ3を管理する事業者が提供する決済サービスと、情報処理装置4を管理する事業者が提供する通信サービスとを利用する利用者である。ユーザ端末2は、ユーザ端末2の位置を測定するためのGPS(Global Positioning System)受信部を有する。ユーザ端末2は、決済サーバ3及び情報処理装置4と通信可能である。
【0019】
決済サーバ3は、決済を管理するサーバである。決済サーバ3は、決済サービスを利用する決済利用者に関する情報と、決済履歴とを管理する。決済利用者に関する情報は、例えば、決済利用者のID(identifier)、決済利用者の名前、決済利用者の性別、決済利用者の年齢等を含む。決済履歴は、決済利用者が決済した決済内容を示す情報である。決済履歴は、例えば、決済利用者のIDと、決済された決済施設を示す情報(例えば、店舗の名称、店舗のID等)と、決済された決済日時と、決済された決済金額とを含む。決済サーバ3は、ユーザ端末2及び情報処理装置4と通信可能である。
【0020】
情報処理装置4は、情報提供サービスを管理する装置であり、例えば、サーバである。情報処理装置4は、通信サービスを利用する通信利用者に関する情報を管理する。通信利用者に関する情報は、例えば、通信利用者のID、通信利用者の名前、通信利用者の性別、通信利用者の年齢等を含む。情報処理装置4は、利用者端末1、ユーザ端末2及び決済サーバ3と通信可能である。
【0021】
決済サーバ3を管理する事業者と、情報処理装置4を管理する事業者とは、同一の事業者、又は提携関係を有する事業者である。決済サービスと通信サービスとを利用するユーザにおいては、決済利用者のIDと、通信利用者のIDとが共通のIDとして用いられる。
以下において、情報処理システムSが実行する処理を説明する。
【0022】
図1に示すマップMは、あるユーザ(以下、「Aユーザ」という。)の行動を模式的に表した地図である。道路R(R1、R2、R3、R4、R5、R6)は、交通施設である道路を示す。建物B1は、例えば、Aユーザの自宅を示す。建物B2は、例えば、Aユーザが決済した決済施設である店舗を示す。経路Wは、Aユーザの経路を示し、例えば、Aユーザが、建物B1から建物B2に向かい、建物B2において消費活動を行った後に、建物B2から建物B1に戻ったとする。
【0023】
この場合において、まず、情報処理装置4は、Aユーザのユーザ端末2からAユーザの移動履歴を取得する(図1における(1))。移動履歴は、ユーザ端末2の移動を示す履歴、すなわち、Aユーザの移動を示す履歴である。図1に示す例において、移動履歴は、経路Wを示す情報である。移動履歴には、例えば、所定の間隔で測定されたユーザ端末2の位置と、当該位置が測定された時刻とが関連付けられている。
【0024】
情報処理装置4は、取得したAユーザの移動履歴に基づいて、Aユーザの利用交通施設を特定する(図1における(2))。利用交通施設は、Aユーザが通行で利用した交通施設である。図1に示す例において、情報処理装置4は、経路Wに存在する道路R1、R3、R4、R6を、利用交通施設として特定する。
【0025】
続いて、情報処理装置4は、決済サーバ3からAユーザの決済履歴を取得する(図1における(3))。図1に示す例において、決済履歴には、マップMにおける建物B2において行われた消費活動の内容(Aユーザと建物B2の決済施設との間で行われた決済内容)が含まれている。
【0026】
情報処理装置4は、Aユーザの決済履歴と、Aユーザの決済履歴の決済日時を含む所定の期間(例えば、決済日時を基準として前後1時間以内、又は決済日時と同日等)にAユーザが利用した利用交通施設を示す施設情報とを関連付ける(図1における(4))。施設情報は、例えば、交通施設の名称、交通施設のID、交通施設が利用された利用区間(例えば、利用区間の開始地点における位置座標及び利用区間の終了地点における位置座標)、交通施設が利用された期間等を含む。図1に示す例において、情報処理装置4は、建物B2において行われた消費活動の内容と、経路Wに存在する道路R1、R3、R4、R6それぞれとを関連付ける。
【0027】
情報処理装置4は、例えば、ユーザごとに、図1における(1)から(4)までの処理を実行する。そして、情報処理装置4は、関連付けた結果を出力する(図1における(5))。情報処理装置4は、例えば、関連付けた結果を、利用者端末1の表示部に表示させる。
【0028】
このようにすることで、情報処理システムSは、所定の交通施設におけるユーザによる消費活動の度合いを把握するための情報を提供することができる。例えば、情報利用者は、ある交通施設に関連付けられている決済履歴を参照することにより、当該交通施設におけるユーザによる消費活動によって消費された消費金額又は消費された消費回数等を把握することができる。
以下、情報処理装置4の構成について説明する。
【0029】
[情報処理装置4の構成]
図2は、情報処理装置4の機能構成を模式的に示す図である。情報処理装置4は、通信部41と、記憶部42と、制御部43とを備える。図2において、矢印は主なデータの流れを示しており、図2に示していないデータの流れがあってもよい。図2において、各機能ブロックはハードウェア(装置)単位の構成ではなく、機能単位の構成を示している。そのため、図2に示す機能ブロックは単一の装置内に実装されてもよく、あるいは複数の装置内に分かれて実装されてもよい。機能ブロック間のデータの授受は、データバス、ネットワーク、可搬記憶媒体等、任意の手段を介して行われてもよい。
【0030】
通信部41は、ネットワークに接続するための通信インターフェースであり、外部の端末及び外部のサーバからデータを受信するための通信コントローラを有する。
【0031】
記憶部42は、情報処理装置4を実現するコンピュータのBIOS(Basic Input Output System)等を格納するROM(Read Only Memory)や情報処理装置4の作業領域となるRAM(Random Access Memory)、OS(Operating System)やアプリケーションプログラム、当該アプリケーションプログラムの実行時に参照される種々の情報を格納するHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の大容量記憶装置である。
【0032】
記憶部42は、通信利用者に関する情報(例えば、通信利用者のID、通信利用者の名前、通信利用者の性別、通信利用者の年齢等)と、地図情報とを記憶している。また、記憶部42は、決済履歴と交通施設との関連付けを管理する関連付け管理データベースを記憶している。
【0033】
図3は、関連付け管理データベースの構成の一例を示す図である。図3に示す例において、関連付け管理データベースは、施設情報(交通施設名、利用期間等)と、決済履歴(決済日時、決済施設名、決済金額)と、ユーザの属性情報(性別、年齢等)とを関連付けて記憶している。
【0034】
図2に戻り、制御部43は、情報処理装置4のCPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサであり、記憶部42に記憶されたプログラムを実行することによって、移動履歴取得部431、特定部432、決済履歴取得部433、関連付け部434、受付部435、算出部436及び出力部437として機能する。
【0035】
移動履歴取得部431は、ユーザ端末2からユーザ(通信利用者)の移動履歴を取得する。移動履歴取得部431は、例えば、記憶部42に記憶されている通信利用者に関する情報を参照し、複数のユーザ端末2それぞれからユーザの移動履歴を取得する。
【0036】
特定部432は、移動履歴取得部431が取得した移動履歴に基づいて、ユーザが通行で利用した交通施設である利用交通施設を特定する。特定部432は、例えば、地図情報を参照し、移動履歴取得部431が取得した移動履歴によって特定されるユーザの移動経路に存在する交通施設を特定することにより、利用交通施設を特定する。特定部432は、例えば、移動履歴取得部431が取得したユーザの移動履歴ごとに利用交通施設を特定する。
【0037】
決済履歴取得部433は、決済サーバ3からユーザの決済履歴を取得する。決済履歴取得部433は、例えば、複数のユーザそれぞれの決済履歴を取得する。例えば、決済サーバ3は、決済利用者IDに関連付けて決済履歴を管理している。
【0038】
この場合において、まず、決済履歴取得部433は、ユーザの決済履歴の送信の送信要求を決済サーバ3に送信する。送信要求には、記憶部42に記憶されている複数の通信利用者それぞれのIDが含まれる。決済サーバ3は、送信要求に応じて、当該送信要求に含まれる複数の通信利用者それぞれのIDに対応する決済利用者IDに関連付けられている決済履歴を情報処理装置4に送信する。そして、決済履歴取得部433は、決済サーバ3から複数の決済利用者それぞれの決済履歴、すなわち、複数のユーザそれぞれの決済履歴を取得する。
【0039】
関連付け部434は、決済履歴取得部433が取得したユーザの決済履歴と、特定部432が特定した当該ユーザの利用交通施設を示す施設情報とを関連付ける。具体的には、関連付け部434は、ユーザの決済履歴と、当該ユーザの利用交通施設であって当該ユーザの決済履歴に含まれる決済日時を含む所定の期間に利用された利用交通施設を示す施設情報とを関連付ける。
【0040】
例えば、あるユーザが所定の期間に複数の利用交通施設を利用した場合、関連付け部434は、利用交通施設ごとに、ユーザの決済履歴と、当該利用交通施設に対応する施設情報とを関連付ける。ユーザが所定の期間に複数の利用交通施設を利用した場合、関連付け部434は、ユーザの決済履歴と、複数の利用交通施設の一部の利用交通施設に対応する施設情報とを関連付けてもよい。「複数の利用交通施設の一部の利用交通施設」は、例えば、決済履歴に含まれる決済日時の直前に利用された利用交通施設、及び決済履歴に含まれる決済日時の直後に利用された利用交通施設のうちの少なくともいずれかである。
【0041】
また、例えば、ユーザが所定の期間に複数の決済を行った場合、すなわち、ユーザの決済履歴に複数の決済内容それぞれを示す決済データが含まれる場合、関連付け部434は、決済ごとに、決済履歴のうちの当該決済に対応する決済データと、施設情報とを関連付ける。
【0042】
関連付け部434は、決済履歴又は決済データと利用交通施設とを関連付けると、当該決済履歴又は当該決済データと当該利用交通施設に対応する施設情報とを関連付け管理データベースに記憶させる。関連付け部434は、通信利用者に関する情報を参照し、ユーザの属性情報をさらに関連付けて関連付け管理データベースに記憶させてもよい。
【0043】
出力部437は、関連付け部434が関連付けた結果を出力する。出力部437は、例えば、関連付け部434が関連付けた結果に基づく情報を表示した表示画面を利用者端末1の表示部に表示させる。
【0044】
出力部437は、情報利用者が指定した指定条件に応じた情報を出力してもよい。出力部437は、例えば、指定条件として、情報利用者が指定した交通施設に関連付けられている一以上の決済履歴それぞれに含まれる決済金額の合計額を出力する。
【0045】
具体的には、まず、受付部435は、情報利用者から交通施設の指定を受け付ける。算出部436は、関連付け管理データベースにおいて受付部435が指定を受け付けた交通施設である指定交通施設に関連付けられている一以上の決済履歴それぞれに含まれる決済金額の合計額を算出する。そして、出力部437は、算出部436が算出した決済金額の合計額を出力する。このようにすることで、情報処理装置4は、指定交通施設を通行したユーザによる消費活動の度合いを把握させることができる。
【0046】
出力部437は、情報利用者が指定した位置を含む利用区間の交通施設に関連付けられている一以上の決済履歴それぞれに含まれる決済金額の合計額を出力してもよい。具体的には、まず、受付部435は、情報利用者から位置の指定を受け付ける。算出部436は、関連付け管理データベースにおいて受付部435が指定を受け付けた位置である指定位置を含む利用区間の交通施設に関連付けられている一以上の決済履歴それぞれに含まれる決済金額の合計額を算出する。そして、出力部437は、算出部436が算出した決済金額の合計額を出力する。このようにすることで、情報処理装置4は、指定位置を通行したユーザによる消費活動の度合いを把握させることができる。
【0047】
出力部437は、指定条件として、情報利用者がさらに指定した期間内の決済日時を含む一以上の決済履歴それぞれに含まれる決済金額の合計額を出力してもよい。具体的には、まず、受付部435は、期間の指定をさらに受け付ける。そして、出力部437は、さらに、受付部435が指定を受け付けた期間である指定期間内の決済日時を含む一以上の決済履歴それぞれに含まれる決済金額の合計額を出力する。このようにすることで、情報処理装置4は、指定期間におけるユーザによる消費活動の度合いを把握させることができる。
【0048】
出力部437は、曜日及び合計額を算出するために定められた算出期間のうちの少なくともいずれかごとに、一以上の決済履歴それぞれに含まれる決済金額の合計額を出力してもよい。算出期間は、例えば、1時間、1日、1週間等である。
【0049】
例えば、曜日ごとの決済金額の合計額を出力する場合、まず、算出部436は、出力部437は、日ごとに、関連付け管理データベースにおいて指定交通施設に関連付けられている一以上の決済履歴であって、指定期間における当該日以内の決済日時を含む一以上の決済履歴それぞれに含まれる決済金額を合計した日別合計額を算出する。算出部436は、曜日ごとに、当該曜日に対応する一以上の日別合計額の統計値(例えば平均値)を算出する。なお、算出部436は、曜日ごとに、当該曜日に対応する一以上の日別合計額を合計した曜日別合計額を算出してもよい。そして、出力部437は、曜日ごとの統計値又は曜日ごとの曜日別合計額を、決済金額の合計額として出力する。
【0050】
また、例えば、算出期間として1時間ごとの決済金額の合計額を出力する場合、まず、算出部436は、出力部437は、1時間ごとに、関連付け管理データベースにおいて指定交通施設に関連付けられている一以上の決済履歴であって、指定期間における当該時間以内の決済日時を含む一以上の決済履歴それぞれに含まれる決済金額を合計した時間別合計額を算出する。算出部436は、1日の時間帯(例えば、13時から14時までの時間帯等)ごとに、当該時間帯に対応する一以上の時間別合計額の統計値を算出する。なお、算出部436は、1日の時間帯ごとに、当該時間帯に対応する一以上の時間合計額を合計した時間帯別合計額を算出してもよい。そして、出力部437は、1日の時間帯ごとの統計値又は1日の時間帯ごとの時間帯別合計額を、決済金額の合計額として出力する。このようにすることで、情報処理装置4は、曜日ごと又は算出期間ごとのユーザによる消費活動の度合いを把握させることができる。
【0051】
出力部437は、指定条件として、情報利用者がさらに指定した属性(例えば、性別、年代等)に該当する一以上のユーザの決済履歴それぞれに含まれる決済金額の合計額を出力してもよい。具体的には、まず、受付部435は、属性の指定をさらに受け付ける。そして、出力部437は、さらに、受付部435が指定を受け付けた属性である指定属性に該当する一以上のユーザの決済履歴それぞれに含まれる決済金額の合計額を出力する。このようにすることで、情報処理装置4は、指定属性に該当するユーザによる消費活動の度合いを把握させることができる。
【0052】
図4は、表示画面Dを模式的に表した図である。表示画面Dには、第1表示欄F1と、第2表示欄F2とが表示されている。第1表示欄F1には、情報利用者が、期間、曜日、ユーザの属性(性別、年代等)を指定するための指定項目が表示されている。第2表示欄F2には、情報利用者が特定の位置を指定するための地図と、関連付け部434が関連付けた結果を示すグラフGとが表示されている。
【0053】
例えば、情報利用者が、利用者端末1に表示された表示画面Dにおいて、第1表示欄F1の指定項目における条件と、第2表示欄F2の地図における指定位置Pとを指定する操作を行うと、利用者端末1は、表示画面Dにおいて情報利用者が指定した指定内容に応じたグラフGを表示させる。グラフGには、1時間ごとに、指定位置Pを含む利用交通施設に関連付けられている一以上の決済履歴であって、当該時間内の決済日時を含む一以上の決済履歴それぞれに含まれる決済金額の合計額が表示されている。
【0054】
出力部437は、金額以外の情報を出力してもよい。出力部437は、例えば、決済施設を示す情報を出力する。具体的には、出力部437は、指定交通施設(受付部435が指定を受け付けた交通施設)に関連付けられている一以上の決済履歴それぞれに含まれる決済施設を示す情報(例えば決済施設名)を出力する。
【0055】
出力部437は、例えば、指定交通施設に関連付けられている一以上の決済履歴それぞれに含まれる一以上の決済施設の中から、ユーザによる消費活動の度合いが高い順(例えば、決済金額の合計額が高い順、又は決済された回数が多い順)に決済施設を示す情報を出力する。出力部437は、決済施設ごとに、指定交通施設に関連付けられている一以上の決済履歴それぞれに含まれる決済施設の数を出力してもよい。
【0056】
出力部437は、地図上にユーザによる消費活動の度合いを示す情報を表示してもよい。例えば、出力部437は、地図において、決済施設ごとに、当該決済施設におけるユーザの消費活動の度合いを示すマーク(例えば、ユーザの消費活動の度合いが高いほど濃くなり、ユーザの消費活動の度合いが低いほど薄いマーク等)を、当該決済施設が存在する位置に表示させる。出力部437は、地図において、所定の地域ごとに、当該地域におけるユーザの消費活動の度合いを示すマークを、当該地域が存在する範囲に表示させてもよい。このようにすることで、情報処理装置4は、指定交通施設を通行したユーザがどこで消費活動を行ったかを把握させることができる。
【0057】
出力部437は、指定交通施設を利用したユーザの数を出力してもよい。具体的には、出力部437は、ユーザの属性、ユーザが決済によって購入した商品の種類、ユーザが決済によって利用したサービスの種類、及び所定のエリアのうちの少なくともいずれかごとに、指定交通施設を利用したユーザの数を出力する。例えば、ユーザの属性ごとにユーザの数を出力する場合、出力部437は、指定交通施設を利用した男性に該当するユーザの数と、指定交通施設を利用した女性に該当するユーザの数とを出力する。このようにすることで、情報処理装置4は、指定交通施設をどのようなユーザが利用したか、又は指定交通施設を利用したユーザがどのような商品の購入又はサービスの利用を行ったか等を把握させることができる。
【0058】
[情報処理装置4の処理]
続いて、情報処理装置4が実行する処理の流れについて説明する。図5は、情報処理装置4が実行する処理の流れを示すフローチャートである。本フローチャートは、移動履歴取得部431は、ユーザ端末2からユーザの移動履歴を取得したことを契機として開始する(S1)。
【0059】
特定部432は、移動履歴取得部431が取得した移動履歴に基づいて、ユーザが通行で利用した交通施設である利用交通施設を特定する(S2)。決済履歴取得部433は、決済サーバ3からユーザの決済履歴を取得する(S3)。
【0060】
関連付け部434は、ユーザの決済履歴と、当該ユーザの利用交通施設であって当該ユーザの決済履歴に含まれる決済日時を含む所定の期間に利用された利用交通施設を示す情報とを関連付ける(S4)。そして、出力部437は、関連付け部434が関連付けた結果を出力する(S5)。
【0061】
[本実施の形態における効果]
以上説明したとおり、情報処理装置4は、ユーザの決済履歴と、当該ユーザの利用交通施設であって当該ユーザの決済履歴に含まれる決済日時を含む所定の期間に利用された利用交通施設を示す情報とを関連付け、関連付けた結果を出力する。このようにすることで、情報処理装置4は、消費活動の度合いを把握するための情報を提供することができる。
【0062】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0063】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0064】
1 利用者端末
2 ユーザ端末
3 決済サーバ
4 情報処理装置
41 通信部
42 記憶部
43 制御部
431 移動履歴取得部
432 特定部
433 決済履歴取得部
434 関連付け部
435 受付部
436 算出部
437 出力部
S 情報処理システム
【要約】
【課題】消費活動の度合いを把握するための情報を提供する。
【解決手段】情報処理装置4は、ユーザが使用するユーザ端末の移動を示す移動履歴を取得する移動履歴取得部431と、移動履歴においてユーザが通行で利用した交通施設である利用交通施設を特定する特定部432と、ユーザが決済した決済内容を示す決済履歴であって、ユーザが決済した決済日時を含む決済履歴を取得する決済履歴取得部433と、決済履歴と、決済日時を含む所定の期間に利用された利用交通施設を示す情報とを関連付ける関連付け部434と、関連付け部が関連付けた結果を出力する出力部437と、を有する。
【選択図】図2

図1
図2
図3
図4
図5