(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-31
(45)【発行日】2023-08-08
(54)【発明の名称】情報処理システム、コンピュータプログラム、及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/0631 20230101AFI20230801BHJP
【FI】
G06Q10/0631
(21)【出願番号】P 2023007501
(22)【出願日】2023-01-20
【審査請求日】2023-01-20
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】507009009
【氏名又は名称】株式会社博報堂DYホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】牛尾 貴志
(72)【発明者】
【氏名】安永 遼真
(72)【発明者】
【氏名】山岡 浩一郎
(72)【発明者】
【氏名】道本 龍
【審査官】阿部 潤
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-046472(JP,A)
【文献】特開2023-002983(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
営業活動に関する計画を提案するための情報処理システムであって、
一以上の営業活動を含む営業計画であって、前記一以上の営業活動のそれぞれの種類及び実行日時を指定する営業計画を作成するように構成される作成部と、
前記営業計画に含まれる前記一以上の営業活動のそれぞれに関して、対応する営業活動の実行を営業員が承諾する可能性に関する推定値である承諾推定値を
、承諾予測モデルに基づいて算出するように構成される算出部と、
前記承諾推定値に基づき、前記営業計画を前記営業員に提案するか否かを判断するように構成される判断部と、
前記判断部が提案すると判断した場合に、前記営業計画を前記営業員に提案するための情報を出力するように構成される提案部と、
を備え
、前記承諾予測モデルは、少なくとも一つの営業活動の種類及び実行日時の入力に基づいて、前記営業員が前記少なくとも一つの営業活動を承諾する可能性に関する推定値を出力する予測モデルであって、過去に提案された営業計画に含まれる各営業活動の承諾及び拒否に関する履歴に基づき構築される予測モデルである情報処理システム。
【請求項2】
前記作成部は、前記営業計画として第一の営業計画を作成し、更には、前記第一の営業計画とは異なる第二の営業計画を作成し、
前記算出部は、前記第一の営業計画に含まれる前記一以上の営業活動のそれぞれに関して、対応する営業活動の実行を前記営業員が承諾する可能性に関する推定値を前記承諾推定値として算出し、
前記判断部は、前記第一の営業計画に関する前記承諾推定値に基づいて、前記第一の営業計画を前記営業員に提案するか否かを判断し、
前記提案部は、前記判断部が提案すると判断した場合に、前記第一の営業計画を提案するための情報を出力し、前記判断部が提案しないと判断した場合には、前記第二の営業計画を前記営業員に提案するための情報を出力する請求項1記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記算出部は、前記第一の営業計画に関する前記承諾推定値を、第一の承諾推定値として算出し、更には、前記第二の営業計画に含まれる一以上の営業活動のそれぞれに関して、対応する営業活動の実行を前記営業員が承諾する可能性に関する推定値を第二の承諾推定値として算出し、
前記提案部は、前記判断部が提案しないと判断した場合には、前記第二の承諾推定値に基づいて、前記第二の営業計画を前記営業員に提案するか否かを判断し、提案すると判断した場合に、前記第二の営業計画を前記営業員に提案するための情報を出力する請求項2記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記算出部は更に、前記営業員が前記営業計画を変更する可能性に関する推定値である変更推定値を、複数の変更パターンに関して算出し、
前記判断部は、前記承諾推定値及び前記変更推定値に基づいて、前記営業計画を前記営業員に提案するか否かを判断する請求項1記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記判断部は、前記変更推定値に基づき、前記営業員による前記営業計画の変更負荷に関する推定値を算出し、前記承諾推定値及び前記営業計画の変更負荷に関する推定値に基づき、前記営業計画を前記営業員に提案するか否かを判断する請求項4記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記作成部は、前記営業計画として第一の営業計画を作成し、更には、前記第一の営業計画とは異なる第二の営業計画を作成し、
前記算出部は、
前記第一の営業計画に含まれる前記一以上の営業活動のそれぞれに関して、対応する営業活動の実行を前記営業員が承諾する可能性に関する推定値である前記承諾推定値を第一の承諾推定値として算出し、更には、前記第一の営業計画を前記営業員が変更する可能性に関する推定値である前記変更推定値を第一の変更推定値として、前記複数の変更パターンに関して算出し、
前記第二の営業計画に含まれる一以上の営業活動のそれぞれに関して、対応する営業活動の実行を前記営業員が承諾する可能性に関する推定値である第二の承諾推定値を算出し、更には、前記第二の営業計画を前記営業員が変更する可能性に関する推定値である第二の変更推定値を、前記複数の変更パターンに関して算出し、
前記判断部は、前記第一の承諾推定値及び前記第一の変更推定値に基づいて、前記第一の営業計画を前記営業員に提案するか否かを判断し、
前記提案部は、前記判断部が提案しないと判断した場合、前記第二の承諾推定値及び前記第二の変更推定値に基づき、前記第二の営業計画を前記営業員に提案するかを判断し、提案すると判断した場合には、前記第二の営業計画を前記営業員に提案するように構成される請求項4記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記提案部は、前記第二の変更推定値に基づき、前記営業員による前記第二の営業計画の変更負荷に関する推定値を算出し、前記第二の承諾推定値及び前記第二の営業計画の変更負荷に関する推定値に基づき、前記第二の営業計画を前記営業員に提案するか否かを判断する請求項6記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記算出部は、変更予測モデルに基づいて前記変更推定値を算出するように構成され、
前記変更予測モデルは、前記営業計画に含まれる少なくとも一つの営業活動の種類及び実行日時の入力に基づき、前記営業員が前記営業計画を変更する可能性に関する推定値を、前記複数の変更パターンに関して出力する予測モデル
であって、過去に提案された営業計画に対する変更履歴に基づき構築
される予測モデルである請求項4又は請求項5記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記承諾予測モデルを、過去に提案された営業計画に含まれる各営業活動の承諾及び拒否に関する履歴に基づき構築するように構成される
承諾予測モデル構築部
を更に備
える請求項1~請求項7のいずれか一項記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記変更予測モデルを、過去に提案された営業計画に対する変更履歴に基づき構築するように構成される変更予測モデル構築部
を更に備える請求項8記載の情報処理システム。
【請求項11】
請求項1~請求項7のいずれか一項記載の情報処理システムにおける前記作成部、前記算出部、前記判断部、及び前記提案部としての機能を、コンピュータに実現させるためのコンピュータプログラム。
【請求項12】
コンピュータにより実行される情報処理方法であって、
一以上の営業活動を含む営業計画であって、前記一以上の営業活動のそれぞれの種類及び実行日時を指定する営業計画を作成することと、
前記営業計画に含まれる前記一以上の営業活動のそれぞれに関して、対応する営業活動の実行を営業員が承諾する可能性に関する推定値である承諾推定値を
、承諾予測モデルに基づいて算出することと、
前記承諾推定値に基づき、前記営業計画を前記営業員に提案するか否かを判断することと、
提案すると判断した場合に、前記営業計画を前記営業員に提案するための情報を出力することと、
を含
み、前記承諾予測モデルは、少なくとも一つの営業活動の種類及び実行日時の入力に基づいて、前記営業員が前記少なくとも一つの営業活動を承諾する可能性に関する推定値を出力する予測モデルであって、過去に提案された営業計画に含まれる各営業活動の承諾及び拒否に関する履歴に基づき構築される予測モデルである情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理システム及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
営業活動を支援するための技術が従来研究されている。例えば、営業成果と、その成果に関連する営業活動の履歴とを、実績データとして蓄積し、蓄積データに基づいて、高い成果が得られる可能性のある営業活動を組み込んだ営業計画を提案する技術が既に知られている。
【0003】
出願人は、複数の場所を巡回する巡回活動に関して、巡回活動による成果を向上可能な計画作成システム及び方法に関する技術を既に開示している(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
システムが提案する計画は、様々な理由で、営業員により変更されたり、拒否されたりする。システムは、計画がその通りに実行されることを前提に、成果を予測して、営業員に提案する計画を選択するが、営業員による計画変更は、成果に好ましくない影響を与える可能性がある。
【0006】
すなわち、高い成果が見込まれる営業活動に関する計画をシステムが営業員に提案しても、計画に含まれる各営業活動の承諾率が低い場合、実際の成果にはつながらない可能性がある。
【0007】
そこで、本開示の一側面によれば、計画に基づく営業活動が営業員に拒否される可能性を加味して、営業員に適切な営業活動に関する計画を提案可能な技術を提供できることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一側面によれば、情報処理システムが提供される。情報処理システムは、営業活動に関する計画を提案するためのシステムである。情報処理システムは、作成部と、算出部と、判断部と、提案部とを備える。
【0009】
作成部は、一以上の営業活動を含む営業計画であって、一以上の営業活動のそれぞれの種類及び実行日時を指定する営業計画を作成するように構成される。算出部は、営業計画に含まれる一以上の営業活動のそれぞれに関して、対応する営業活動の実行を営業員が承諾する可能性に関する推定値である承諾推定値を算出するように構成される。
【0010】
判断部は、承諾推定値に基づき、営業計画を営業員に提案するか否かを判断するように構成される。提案部は、判断部が提案すると判断した場合に、営業計画を営業員に提案するための情報を出力するように構成される。
【0011】
この情報処理システムによれば、営業員に許容度の低い営業計画を提案せずに済む。従って、計画に基づく営業活動が営業員に拒否される可能性を加味して、営業員に適切な営業計画を提案することができる。
【0012】
本開示の一側面によれば、作成部は、上記営業計画として第一の営業計画を作成し、更には、第一の営業計画とは異なる第二の営業計画を作成するように構成され得る。算出部は、第一の営業計画に含まれる一以上の営業活動のそれぞれに関して、対応する営業活動の実行を営業員が承諾する可能性に関する推定値を上記承諾推定値として算出し得る。
【0013】
判断部は、第一の営業計画に関する承諾推定値に基づき、第一の営業計画を営業員に提案するか否かを判断し得る。提案部は、判断部が提案すると判断した場合に、第一の営業計画を提案するための情報を出力し得る。提案部は、判断部が提案しないと判断した場合には、第二の営業計画を営業員に提案するための情報を出力するように構成され得る。
【0014】
この情報処理システムによれば、第一の営業計画に基づく営業活動が営業員に拒否される可能性が高いとき、第二の営業計画として別の営業計画を提案することができる。従って、営業員に受け入れられやすい計画を提案することができる。
【0015】
本開示の一側面によれば、算出部は、第一の営業計画に関する承諾推定値を、第一の承諾推定値として算出し、更には、第二の営業計画に含まれる一以上の営業活動のそれぞれに関して、対応する営業活動の実行を営業員が承諾する可能性に関する推定値を第二の承諾推定値として算出するように構成され得る。
【0016】
提案部は、判断部が提案しないと判断した場合には、第二の承諾推定値に基づいて、第二の営業計画を営業員に提案するか否かを判断し、提案すると判断した場合に、第二の営業計画を営業員に提案するための情報を出力するように構成され得る。
【0017】
本開示の一側面によれば、算出部は更に、営業員が営業計画を変更する可能性に関する推定値である変更推定値を、複数の変更パターンに関して算出するように構成され得る。判断部は、承諾推定値及び変更推定値に基づいて、営業計画を営業員に提案するか否かを判断するように構成され得る。
【0018】
営業計画の変更には、複数の種類がある。その中には、営業員によって負荷の高い種類の変更も存在する。したがって、変更可能性を加味することによれば、営業員に対する計画提案を、より適切に行うことができる。
【0019】
本開示の一側面によれば、判断部は、変更推定値に基づき、営業員による営業計画の変更負荷に関する推定値を算出し、承諾推定値及び営業計画の変更負荷に関する推定値に基づき、営業計画を営業員に提案するか否かを判断するように構成され得る。
【0020】
この情報処理システムによれば、変更負荷を加味するため、営業員に対する計画提案を、より適切に行うことができる。
【0021】
本開示の一側面によれば、作成部が、上記営業計画として第一の営業計画を作成し、更には、第一の営業計画とは異なる第二の営業計画を作成する情報処理システムにおいて、算出部が、次のように構成され得る。
【0022】
すなわち、算出部は、第一の営業計画に含まれる一以上の営業活動のそれぞれに関して、対応する営業活動の実行を営業員が承諾する可能性に関する推定値である第一の承諾推定値を算出し、更には、第一の営業計画を営業員が変更する可能性に関する推定値である第一の変更推定値を、複数の変更パターンに関して算出するように構成され得る。
【0023】
算出部は、第二の営業計画に含まれる一以上の営業活動のそれぞれに関して、対応する営業活動の実行を営業員が承諾する可能性に関する推定値である第二の承諾推定値を算出し、更には、第二の営業計画を営業員が変更する可能性に関する推定値である第二の変更推定値を、複数の変更パターンに関して算出するように構成され得る。
【0024】
判断部は、第一の承諾推定値及び第一の変更推定値に基づいて、第一の営業計画を営業員に提案するか否かを判断するように構成され得る。
提案部は、判断部が提案しないと判断した場合、第二の承諾推定値及び第二の変更推定値に基づき、第二の営業計画を営業員に提案するかを判断し、提案すると判断した場合には、第二の営業計画を営業員に提案するように構成され得る。
【0025】
本開示の一側面によれば、提案部は、第二の変更推定値に基づき、営業員による第二の営業計画の変更負荷に関する推定値を算出し、第二の承諾推定値及び第二の営業計画の変更負荷に関する推定値に基づき、第二の営業計画を営業員に提案するか否かを判断するように構成され得る。
【0026】
本開示の一側面によれば、情報処理システムは、変更可能性に関する予測モデルを、過去に提案された営業計画に対する変更履歴に基づき構築するように構成されるモデル構築部を備え得る。予測モデルは、営業計画に含まれる少なくとも一つの営業活動の種類及び実行日時の入力に基づき、営業員が営業計画を変更する可能性に関する推定値を、複数の変更パターンに関して出力する予測モデルであり得る。算出部は、予測モデルに基づいて変更推定値を算出するように構成され得る。
【0027】
変更履歴に基づいて予測モデルを構築して、変更推定値を算出することによれば、高精度に変更可能性を推定することができる。従って、営業計画を営業員に提案するか否かをより適切に判断することができる。
【0028】
本開示の一側面によれば、情報処理システムは、承諾可能性に関する予測モデルを、過去に提案された営業計画に含まれる各営業活動の承諾及び拒否に関する履歴に基づき構築するように構成されるモデル構築部を備え得る。予測モデルは、少なくとも一つの営業活動の種類及び実行日時の入力に基づいて、営業員が少なくとも一つの営業活動を承諾する可能性に関する推定値を出力する予測モデルであり得る。算出部は、予測モデルに基づいて承諾推定値を算出するように構成され得る。
【0029】
承諾及び拒否に関する履歴に基づいて予測モデルを構築して、承諾推定値を算出することによれば、高精度に承諾可能性を推定することができる。従って、営業計画を営業員に提案するか否かをより適切に判断することができる。
【0030】
本開示の一側面によれば、上述した情報処理システムとしての機能をコンピュータに実現させるためのコンピュータプログラムが提供されてもよい。本開示の一側面によれば、上述の情報処理システムにおける作成部、算出部、判断部、及び提案部としての機能を、コンピュータに実現させるためのコンピュータプログラムが提供されてもよい。
【0031】
本開示の一側面によれば、情報処理方法が提供されてもよい。情報処理方法は、一以上の営業活動を含む営業計画であって、一以上の営業活動のそれぞれの種類及び実行日時を指定する営業計画を作成することを含み得る。
【0032】
情報処理方法は、営業計画に含まれる一以上の営業活動のそれぞれに関して、対応する営業活動の実行を営業員が承諾する可能性に関する推定値である承諾推定値を算出することを含み得る。情報処理方法は、承諾推定値に基づき、営業計画を営業員に提案するか否かを判断することを含み得る。情報処理方法は、提案すると判断した場合に、営業計画を営業員に提案するための情報を出力することを含み得る。情報処理方法は、コンピュータにより実行され得る。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】情報処理システムと営業員との間の情報授受に関する説明図である。
【
図2】情報処理システムの構成を表すブロック図である。
【
図4】情報処理システムのプロセッサが実行する計画提案処理を表すフローチャートである。
【
図5】プロセッサが実行するデータ読込処理を表すフローチャートである。
【
図6】プロセッサが実行するモデル構築処理を表すフローチャートである。
【
図7】プロセッサが実行する計画評価処理を表すフローチャートである。
【
図8】プロセッサが実行する計画承諾率算出処理を表すフローチャートである。
【
図10】プロセッサが実行する編集コスト算出処理を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下に本開示の例示的実施形態を、図面を参照しながら説明する。
図1に示す本実施形態の情報処理システム1は、営業員に、営業計画としての営業活動の実行計画を提案することにより、営業員による営業活動を支援するためのシステムである。
【0035】
営業活動の例には、営業員が所属する企業の商品及び/又はサービスの販売に貢献するための活動が含まれ、具体的には、商品及び/又はサービスに関する商談が含まれる。営業計画の例には、既存顧客及び見込み顧客を含む複数の顧客に対する営業活動の実行計画が含まれる。
【0036】
情報処理システム1は、複数の営業員のそれぞれの属性を説明する営業員情報を取得するとともに、各営業員の活動履歴を取得する。活動履歴は、営業計画の編集履歴や営業活動の成果を表す情報を含む。
【0037】
情報処理システム1は、予測される成果に基づき作成した複数の営業計画の中から、営業員情報及び活動履歴に基づいて、営業員に適切な営業計画を選び出して提案するように構成される。
【0038】
具体的には、情報処理システム1は、営業員が営業計画における少なくとも一部の営業活動の実行を拒否する可能性を考慮し、複数の営業計画の中から、営業員が受け入れやすい営業計画を営業員に向けて提案するように構成される。
【0039】
本実施形態によれば、営業員は、自己が所持する情報端末30を通じて、情報処理システム1に、営業員情報や活動履歴を提供し、情報処理システム1から、営業計画を受け取ることができる。
【0040】
情報処理システム1は、
図2に示すように、プロセッサ11、メモリ12、ストレージ13、及び通信インタフェース19を備える。プロセッサ11は、ストレージ13に記録されたコンピュータプログラムに従う処理を実行するように構成される。
【0041】
メモリ12は、RAMを含み、プロセッサ11による処理実行時に、作業領域として使用される。通信インタフェース19は、広域ネットワークを介して情報端末30と通信可能に構成される。ストレージ13は、例えばハードディスクドライブ(HHD)又はソリッドステートドライブ(SSD)により構成される。
【0042】
ストレージ13には、適切な営業計画を探索するために必要なデータが格納される。例えばストレージ13は、営業員毎に、対応する営業員の識別子である営業員ID、対応する営業員の年齢、性別、営業経験年数、及び商談種類別の営業割合を説明する営業員情報を記憶する。
【0043】
商談には、訪問による商談やウェブ会議を通じた商談などの複数種類の商談が含まれる。商談種類別の営業割合は、営業員が行った過去の商談における各種類の商談の割合を表す。この他、ストレージ13は、商談先に対応する顧客の住所及び営業時間の情報を記憶する。
【0044】
ストレージ13は更に、複数の営業員に提案した営業計画を説明する計画データを記憶する。
図3に示す計画データは、営業員毎に、営業員IDに関連付けて、対応する営業員の活動データを有する。
【0045】
各営業員の活動データは、過去に提案された営業計画毎に、対応する営業計画に含まれる一以上の営業活動に関する営業活動毎のレコードを備える。各営業活動のレコードは、対応する営業活動の種類に関する識別値、営業活動の実行日時、情報処理システム1からの提案の有無、編集履歴、及び、成果を説明する情報を含む。ここでいう営業活動の種類は、営業活動の相手、内容、及び場所に基づいて定義され得る。
【0046】
編集履歴は、「保持」「削除」「置換」「挿入」のいずれかの値をとる。「保持」は、レコードが説明する営業活動に対して営業員による計画変更が行われていないことを示す。編集履歴が「保持」である営業活動であって実行日時の経過した営業活動は、営業員が情報処理システム1から提案された当該営業活動の実行を承諾し、実行したことを意味する。
【0047】
「削除」は、レコードが説明する営業活動が営業計画から削除されたことを示す。すなわち、編集履歴が「削除」である営業活動に関しては、営業員が情報処理システム1から提案された当該営業活動の実行を拒否したことを意味する。
【0048】
「置換」は、レコードが説明する営業活動が、情報処理システム1が提案した同一時間帯の営業活動から置換されたものであることを示す。「挿入」は、レコードが説明する営業活動が、情報処理システム1が提案した営業活動ではなく、営業員により新たに追加された営業活動であることを意味する。但し、「挿入」は「置換」を含まない。
【0049】
活動データの各レコードに記述される成果は、「有」「無」のいずれかの値をとる。「有」は、対応する営業活動に対する成果が得られたことを意味し、例えば営業活動の目的が当該営業活動によって所定基準以上達成できたことを意味する。一例によれば、「有」は、対応する営業活動によって顧客との売買契約が成立したことを意味する(成約)。
【0050】
「無」は、対応する営業活動に対する成果が得られなかったことを意味し、例えば営業活動の目的が当該営業活動によって所定基準以上達成できなかったことを意味する。一例によれば、「無」は、対応する営業活動によっては顧客との売買契約が成立しなかったことを意味する(不成約)。
【0051】
続いて、情報端末30から営業計画の提供指示が入力されると、情報処理システム1のプロセッサ11が実行する計画提案処理の詳細を、
図4を用いて説明する。
【0052】
計画提案処理を開始すると、プロセッサ11は、営業計画を提案する対象の営業員を識別する(S110)。以下では、営業計画を提案する対象の営業員のことを対象営業員という。プロセッサ11は、対象営業員の営業員IDの情報を情報端末30から取得して、対象営業員を識別することができる。
【0053】
その後、プロセッサ11は、対象営業員の営業員IDの情報に基づいて、対象営業員の活動データを読み込むステップを含むデータ読込処理を実行する(S120)。データ読込処理(S120)の一例は、
図5に示される。
【0054】
図5に例示されるデータ読込処理によれば、プロセッサ11は、対象営業員のシステム利用度が基準値を超えているか否かを判断する(S121)。システム利用度は、情報処理システム1が提供する営業計画の提案サービスの利用度を意味する。
【0055】
例えば、プロセッサ11は、計画データに格納された対象営業員の活動データの量に基づいて、システム利用度を判別することができる。一例によれば、システム利用度は、対象営業員の活動データの量に比例した値であり得る。
【0056】
プロセッサ11は、システム利用度が基準値を超えていると判断すると(S121でYes)、対象営業員個人の活動データをストレージ13から読み出し(S122)、読み出した活動データを参照データに設定する(S123)。参照データは、S130以降の処理で参照する活動データに対応する。その後、データ読込処理を終了する。
【0057】
プロセッサ11は、システム利用度が基準値以下であると判断すると(S121でNo)、対象営業員個人の活動データを含む、関連する複数の営業員の活動データを読み出す(S126)。
【0058】
ここでいう関連する複数の営業員は、ストレージ13に活動データが記憶される営業員の全員であってもよいし、全員ではなく、対象営業員を含む対象営業員に類似する営業員の一群であってもよい。
【0059】
プロセッサ11は更に、関連する複数の営業員の営業員情報をストレージ13から読み出す(S127)。営業員情報は、上述した通り、対応する営業員の属性を表す。
その後、プロセッサ11は、読み出した上記関連する複数の営業員の活動データを参照データに設定する(S128)。以下では、参照データが示す営業活動の実行主体に対応する営業員のことを参照営業員という。その後、プロセッサ11は、データ読込処理を終了する。
【0060】
データ読込処理(S120)を終了すると、プロセッサ11は、モデル構築処理を実行する(S130)。
図6に示すモデル構築処理において、プロセッサ11は、参照データを教師データとして用いて、営業計画に含まれる各営業活動の実行を対象営業員が承諾する可能性に関する予測モデルである承諾予測モデルを構築する(S131)。更に、プロセッサ11は、参照データを教師データとして用いて、対象営業員が営業計画を編集する可能性に関する予測モデルである編集予測モデルを構築する(S135)。その後、プロセッサ11は、モデル構築処理を終了する。
【0061】
本実施形態によれば、承諾予測モデルは、ニューラルネットワークを用いた機械学習により構築される。プロセッサ11は、例えばニューラルネットワークのパラメータを、参照データから作成した教師データを用いて学習することにより、承諾予測モデルを構築する。編集予測モデルもニューラルネットワークを用いた機械学習により構築される。
【0062】
ここで、承諾予測モデル及び編集予測モデルの例を説明する。一例によれば、承諾予測モデルは、リカレントニューラルネットワーク(RNN:Recurrent Neural Network)を用いた予測モデルであり得て、状態ベクトルhtを、次のように定義して構築される。
【0063】
【0064】
関数sigmoid()は、シグモイド関数を意味する。承諾予測モデルに対する入力はベクトル系列xseq=(x1,x2,…,xt,…xT)であり、xtは、時点tにおける営業活動の特徴ベクトル(以下「活動特徴ベクトル」という)である。
【0065】
時点tの営業活動は、T個の営業活動を時系列に並べたときのt番目の営業活動を意味する。Tは、営業員の承諾行為の時間依存性を考慮して設計者により定められる。例えば、Tは、2,3程度の小さな数値であり得る。あるいは、Tは、一日当たりの営業活動数を基準に定められ得る。
【0066】
承諾の有無は、0,1の二値で表される。すなわち、yappr={0,1}である。確率papprは、時点t=Tの営業活動に対する営業員の承諾確率pt=Tである。承諾確率papprは、時点t=T及びそれより時間的に前の(T-1)個の離散的な時点を含む合計T個の時点の営業活動に基づいて算出される。
【0067】
承諾予測モデルのパラメータθ=(Wxh,Whh,Why,bxh,bhh,bhy)は、参照データから作成される教師データ(xseq,yappr)を用いて学習される。教師データにおける値yapprは、対応する営業活動のレコードが示す編集履歴から判別される。編集履歴が「保持」であるとき、対応する営業活動は、「承諾」されたことを意味し、編集履歴が「保持」以外であるとき、対応する営業活動は、「承諾」されていないことを意味する。
【0068】
参照データに含まれる実行済の営業活動に関するレコードの一群に基づくn=1からn=NまでのN個の教師データを用いたモデル学習によれば、パラメータθは、例えば、次の目的関数を最小化するように学習される。
【0069】
【0070】
パラメータθは、交差エントロピー誤差に基づいて最適化される。ここで、インデックスn付きのyappr,papprは、N個の教師データのうち、第nの教師データに基づく値であることを意味する。
【0071】
一般化すると、承諾予測モデルは、学習されたモデルパラメータθ=θ1と、ベクトル系列xseqとを要素に含む関数F(xseq,θ1)に基づいて、式pappr=F(xseq,θ1)で表される。
【0072】
ベクトル系列xseqの構成要素である活動特徴ベクトルxtは、時点tの営業活動に関する特徴ベクトル成分である活動説明成分と、営業活動を行う営業員に関する特徴ベクトル成分である主体説明成分と、を含む。
【0073】
活動特徴ベクトルxtは、活動説明成分として、時点tの営業活動の種類に関する識別値と、営業活動の実行日時、具体的には営業活動が行われる曜日及び時間帯と、を要素に含む。活動特徴ベクトルxtは更に、活動説明成分として、商談参加者、商談目的、及び商談場所への移動手段のうちの一つ以上を表す一つ以上の値を、要素に含み得る。
【0074】
活動特徴ベクトルxtは更に、主体説明成分として、営業活動を行う営業員の営業員ID、年齢、性別、営業経験年数、及び商談種類別の営業割合のうちの一つ以上を表す一つ以上の値を、要素に含む。
【0075】
承諾予測モデルが、対象営業員の活動データのみを含む参照データに基づいて構築されるとき、活動特徴ベクトルxtに主体説明成分は不要である。
【0076】
承諾予測モデルが、対象営業員以外の活動データを含む参照データに基づいて構築されるとき、承諾予測モデルは、実際に営業活動を行った営業員の属性を説明する主体説明成分を含む活動特徴ベクトルxtを教師データとして用いて学習される。承諾予測モデルの構築後、対象営業員の属性を説明する主体説明成分を含む活動特徴ベクトルxtを用いたベクトル系列xseqに基づいて、対象営業員の承諾確率papprが算出される。
【0077】
一例によれば、編集予測モデルもまた、リカレントニューラルネットワーク(RNN)に基づき、状態ベクトルhtを、次のように定義して構築される。
【0078】
【0079】
ここで、softmax()は、ソフトマックス関数を意味する。編集予測モデルにおける確率ptは、複数の要素を含むベクトルである。ソフトマックス関数は、確率ptの要素成分の合計が1となるように確率ptを変換する関数である。
【0080】
編集予測モデルに対する入力は、承諾予測モデルと同様に、ベクトル系列xseq=(x1,x2,…,xt,…,xT)である。本実施形態では、編集予測モデルの構築に関連して、「保持」「削除」「置換」「挿入」「非挿入」の合計5つの編集種別が定義される。これらの編集種別は、営業活動に対する編集行為の種類を表す。
【0081】
編集種別「保持」は、対応する営業活動に対する計画変更が営業員によってなされないことを意味する。すなわち、「保持」は、対応する営業活動に対する営業員の編集行為がないことを意味する。
【0082】
編集種別「削除」は、対応する営業活動を削除し、かつ、当該対応する営業活動と同じ時間帯に新たな営業活動を追加しない編集行為を意味する。編集種別「置換」は、対応する営業活動を削除し、かつ、当該営業活動と同じ時間帯に新たな営業活動を追加する編集行為を意味する。
【0083】
編集種別「挿入」は、対応する営業活動の次に、新たな営業活動を追加する編集行為を意味する。「非挿入」は、対応する営業活動の次に、新たな営業活動を追加する編集行為が行われないことを意味する。
【0084】
活動データに記述される編集履歴は、上述の通り「保持」「削除」「置換」「挿入」のいずれかの値を示す。編集履歴が「保持」「削除」「置換」「挿入」であるレコードの営業活動は、それぞれ順に、編集種別が「保持」「削除」「置換」「挿入」である営業活動に対応する。
【0085】
編集種別「保持」は、パラメータy11={0,1}により0,1で二値表現される。同様に、編集種別「削除」は、パラメータy12={0,1}により二値表現される。編集種別「置換」は、パラメータy13={0,1}により二値表現される。
【0086】
編集種別「保持」「削除」「置換」のいずれかの営業活動の間の時間帯は、編集種別「挿入」を表すパラメータy21={0,1}及びパラメータy21とは反対の値を示す編集種別「非挿入」を表すパラメータy22=1-y21により二値表現される。
【0087】
本実施形態によれば、編集種別の集合として、ycom1=(y11,y12,y13)及びycom2=(y21,y22)が定義される。
【0088】
編集予測モデルは、確率pcomとしてycom1=(y11,y12,y13)に対応する編集確率pcom1=(p11,p12,p13)を予測する第一の編集予測モデルを含む。編集予測モデルは更に、確率pcomとしてycom2=(y21,y22)に対応する編集確率pcom2=(p21,p22)を予測する第二の編集予測モデルを含む。
【0089】
第一の編集予測モデルは、参照データに含まれる実行済の営業活動に関するレコードの一群に基づく教師データ(xseq,ycom1)の一群に基づいて、学習される。第二の編集予測モデルは、参照データに含まれる実行済の営業活動に関するレコードの一群に基づく教師データ(xseq,ycom2)の一群に基づいて、学習される。教師データの値ycom1,ycom2は、対応する営業活動のレコードが示す編集履歴から判別される。教師データは、例えば「保持」「削除」「置換」の編集履歴を有するレコードから作成され得る。
【0090】
編集確率pcom1の要素p11は、時点t=Tの営業活動に対する編集行為として「保持」が行われる確率を表し、要素p12は、「削除」が行われる確率を表し、要素p13は、「置換」が行われる確率を表す。
【0091】
編集確率pcom2の要素p21は、時点t=Tの営業活動と、次の営業活動との間の時間帯に新たな営業活動が挿入される確率を表し、要素p22は、挿入されない確率(1-p21)を表す。
【0092】
一般化すると、第一の編集予測モデルは、学習されたモデルパラメータθ=θ21と、ベクトル系列xseqとを要素に含む関数G(xseq,θ21)に基づいて、式pcom1=G(xseq,θ21)で表される。第二の編集予測モデルは、学習されたモデルパラメータθ=θ22と、ベクトル系列xseqとを要素に含む関数G(xseq,θ22)に基づいて、式pcom2=G(xseq,θ22)で表される。
【0093】
モデル構築処理(S130)を終了すると、プロセッサ11は、予測される成果に基づいて複数の営業計画を作成する(S140)。営業計画のそれぞれは、一つ以上の営業活動を含み、各営業活動の種類及び実行日時を指定する。
【0094】
成果予測のために、プロセッサ11は、参照データを教師データとして用いて、成果の予測モデルを構築することができる。この予測モデルに対して、採り得る営業計画を入力することにより、採り得る営業計画のそれぞれの成果を予測し、予測される成果が高い順から所定個の営業計画を、上記複数の営業計画として作成することができる。成果が高いことは、例えば、営業活動の成功数、又は、成約数が多いことに対応し得る。
【0095】
その後、プロセッサ11は、k=1に設定し(S150)、S140で作成された複数の営業計画のうち、予測される成果が第k位の営業計画を、評価対象の営業計画として選択する(S160)。ここでは、第1位の営業計画が、複数の営業計画の中で、最も予測される成果が高い営業計画である。
【0096】
続くS170において、プロセッサ11は、
図7に示す計画評価処理を実行する。計画評価処理を開始すると、プロセッサ11は、S171において、
図8に示す計画承諾率算出処理を実行する。
【0097】
計画承諾率算出処理において、プロセッサ11は、評価対象の営業計画に含まれる営業活動の一つを選択し(S310)、選択した営業活動に関する活動特徴ベクトルxt=Tを含むベクトル系列xseqを、承諾予測モデルへの入力として生成する(S320)。
【0098】
ベクトル系列xseqには、選択した営業活動より時間的に前に実行されるT-1個の営業活動に関する活動特徴ベクトルxtが含まれる。その中には、評価対象の営業計画より時間的に前に提案された営業計画である前計画の営業活動に関する活動特徴ベクトルxtが、含まれ得る。
【0099】
前計画は、既に営業員により実行済の計画であってもよいし、実行前の計画であってもよい。このために対象営業員に提案済の営業計画については、実行前の営業計画についても計画データに記録しておくことができる。
【0100】
続くS330において、プロセッサ11は、S320で生成したベクトル系列xseqを、S131で生成した承諾予測モデルに入力して、選択した営業活動の承諾確率papprを算出する。
【0101】
続くS340において、プロセッサ11は、評価対象内の営業計画に含まれるすべての営業活動について承諾確率papprを算出したか否かを判断する。ここで否定判断すると(S340でNo)、プロセッサ11は、S310において、承諾確率papprを算出していない営業活動を選択して、選択した営業活動についての承諾確率papprを算出する(S310~S330)。
【0102】
このようにして、プロセッサ11は、
図9に示すように営業計画に含まれる営業活動のそれぞれに関して、ベクトル系列x
seqを生成し、これを承諾予測モデルに入力して、営業活動の承諾確率p
apprを算出する。
図9によれば、営業活動A1,A2,…,Amに関して、対応するベクトル系列x
seqの承諾予測モデルへの入力に基づき、承諾確率p
apprが算出される。
【0103】
プロセッサ11は、S340において肯定判断すると、続くS350において、計画承諾率Papprを、営業計画に含まれる営業活動別の承諾確率papprの総和Σpapprに基づいて算出する。
【0104】
計画承諾率Papprは、営業計画に対する承諾の程度を数値化したものに対応する。計画承諾率Papprは、営業活動別の承諾確率papprの総和Σpapprであり得る(Pappr=Σpappr)。例えば、S140で作成される複数の営業計画のそれぞれにおける営業活動数が一律に同じ数である場合、計画承諾率Papprは、総和Σpapprで計算され得る。あるいは、計画承諾率Papprは、総和Σpapprを営業計画に含まれる営業活動数で割った値、すなわち、営業活動別の承諾確率papprの平均であってもよい。
【0105】
プロセッサ11は、S350で計画承諾率P
apprを算出すると、計画承諾率算出処理を終了する。プロセッサ11は、S171(
図7参照)において計画承諾率算出処理を終了すると、続くS173において、参照データに基づき、計画編集度を算出する。
【0106】
具体的には、プロセッサ11は、参照データにおいて「保持」「削除」「置換」「挿入」のいずれかの編集履歴を有するレコードの数M1を判別する。プロセッサ11は更に、参照データにおいて「保持」以外の「削除」「置換」「挿入」のいずれかの編集履歴を有するレコードの数M2を判別する。プロセッサ11は、計画編集度として、M2/M1を算出する。すなわち、計画編集度は、参照データに示される営業活動の一群のうち、編集された営業活動の割合に対応する。
【0107】
続くS175において、プロセッサ11は、計画編集度が基準値より大きいか否かを判断する。プロセッサ11は、計画編集度が基準値を超えていると判断すると(S175でYes)、
図10に示す編集コスト算出処理(S177)を実行した後、S179の処理を実行する。一方、計画編集度が基準値以下であると判断すると(S175でNo)、プロセッサ11は、編集コスト算出処理(S177)を実行せずに、S179の処理を実行する。
【0108】
図10に示す編集コスト算出処理において、プロセッサ11は、評価対象の営業計画に含まれる営業活動の一つを選択し(S410)、選択した営業活動に関する活動特徴ベクトルx
t=Tを含むベクトル系列x
seqを、S320での処理と同様に、編集予測モデルへの入力として生成する(S420)。
【0109】
続くS430において、プロセッサ11は、S420で生成したベクトル系列xseqを、S135で生成した第一の編集予測モデル及び第二の編集予測モデルに入力して、選択した営業活動に関連する編集確率pcom1,pcom2を算出する。
【0110】
続くS440において、プロセッサ11は、評価対象内の営業計画に含まれるすべての営業活動に関して編集確率pcom1,pcom2を算出したか否かを判断する。ここで否定判断すると(S440でNo)、プロセッサ11は、S410において、編集確率pcom1,pcom2を算出していない営業活動を選択して、選択した営業活動についての編集確率pcom1,pcom2を算出する(S410~S430)。
【0111】
このようにして、プロセッサ11は、
図11に示すように営業計画に含まれる営業活動のそれぞれに関して、ベクトル系列x
seqを生成し、これを編集予測モデルに入力して、編集確率p
com1,p
com2を算出する。
【0112】
続くS450において、プロセッサ11は、「保持」「削除」「置換」に関する第一の編集系列Es1=(Es1[1],Es1[2],…,Es1[m],…,Es1[M])及び、「挿入」「非挿入」に関する第二の編集系列Es2=(Es2[1],Es2[2],…,Es2[m],…,Es2[M])を予測する。
【0113】
ここで、Mは、評価対象の営業計画に含まれる営業活動数である。Es1[m]は、編集種別「保持」「削除」「置換」のうち、営業計画に含まれる第mの営業活動に対して行われると予測される編集種別を表す。Es2[m]は、編集種別「挿入」「非挿入」のうち、営業計画に含まれる第mの営業活動と、次の営業活動との間の時間帯に対して行われると予測される編集種別を表す。
【0114】
第mの営業活動に対して編集確率pcom1=(p11,p12,p13)が算出されているとき、第mの営業活動が編集されずに保持される確率である「保持」確率p11、第mの営業活動が削除される確率である「削除」確率p12、第mの営業活動が置換される確率である「置換」確率p13のうち、最も高い確率を示す編集種別の値が、Es1[m]に設定される。
【0115】
第mの営業活動に対して編集確率pcom2=(p21,p22)が算出されているとき、第mの営業活動と次の営業活動との間に編集により新たな営業活動が挿入される確率である「挿入」確率p21、そうではない「非挿入」確率p22のうち、高い確率を示す編集種別の値が、Es2[m]に設定される。
【0116】
続くS460において、プロセッサ11は、第一の編集系列Es1及び、第二の編集系列Es2に基づいて、評価対象の営業計画に対する編集コストである計画編集コストCEを算出する。その後、編集コスト算出処理を終了する。
【0117】
計画編集コストCEは、対象営業員による評価対象の営業計画の編集負荷を数値化したものである。S460では、第mの営業活動に対する編集コストC[m]を、所定の関数H(Es1[m],Es2[m])によって算出し、営業計画における営業活動別の編集コストC[m]の総和ΣC[m]を、計画編集コストCEとして算出することができる。
【0118】
一例によれば、計画編集コストCEの算出にあたって、「保持」「削除」「置換」「挿入」「非挿入」の編集種別のそれぞれに、編集負荷に応じたスコアを定義することができる。例えば、編集負荷の高さに応じて、「保持」に対しては0点、「削除」に対しては1点、「置換」に対しては2点、「非挿入」に対しては0点、「挿入」に対しては5点を定義することができる。
【0119】
編集コストC[m]は、Es1[m]に対応する編集種別のスコア、及び、Es2[m]に対応する編集種別のスコアの合計であり得る。計画編集コストCEは、このように算出されるm=1~Mについての編集コストC[m]の合計であり得る。
【0120】
編集コスト算出処理(S177)の終了後、プロセッサ11は、S171で算出された計画承諾率Pappr及び計画編集コストCEに基づき、計画許容度Zを算出する(S179)。その後、プロセッサ11は、計画評価処理を終了する。
【0121】
計画許容度Zは、対象営業員による営業計画の許容度を表す。計画許容度Zは、あらかじめ用意された関数R(Pappr,CE)に従って算出され得る(Z=R(Pappr,CE))。計画許容度Zは、計画承諾率Papprが高いほど、及び、計画編集コストCEが低いほど、高い値として算出され得る。
【0122】
例えば、計画許容度Zは、計画承諾率Papprに比例し、計画編集コストCEに反比例する値として算出され得る。例えば、計画許容度Zは、(Pappr/CE)に比例する値として算出され得る。
【0123】
S175において否定判断した場合に実行されるS179の処理では、プロセッサ11は、計画編集コストCEを固定値に設定し、計画許容度Zを算出することができる。例えば、プロセッサ11は、計画編集コストCEを値1に設定して、計画許容度Zを,Papprに比例する値として算出することができる。
【0124】
計画評価処理(S170)を終了すると、プロセッサ11は、計画許容度Zが所定値を超えているか否かを判断する(S180)。計画許容度Zが所定値を超えていると判断すると(S180でYes)、プロセッサ11は、第k位の営業計画を、対象営業員に提案する営業計画に決定し(S190)、当該営業計画を説明する情報を含む計画提案データを、対象営業員に向けて出力する(S230)。
【0125】
S230において、プロセッサ11は、計画提案データを、対象営業員の情報端末30に送信することができる。S230において、プロセッサ11は更に、提案する営業計画に基づく各営業活動のレコードを、計画データに登録することができる。登録されるレコードに対応する営業活動は、登録時点では未実行であるため、対応するレコードにおいて成果の情報は空である。同じく、編集履歴の情報は、対応するレコードにおいて空であり得る。あるいは、編集履歴は、「保持」の仮情報を有していてもよい。
【0126】
情報端末30は、情報処理システム1から受信した計画提案データに基づいて、情報処理システム1から提案された営業計画を対象営業員に表示することができる。対象営業員は、営業計画に対する編集操作を、情報端末30を通じて行うことができる。この編集履歴は、上述した活動履歴の一部として、情報処理システム1に送信され、計画データ内で管理される。計画データ内の編集履歴は、対象営業員の編集操作に応じて更新される。
【0127】
プロセッサ11は、S180において、計画許容度Zが所定値以下であると判断すると(S180でNo)、S140で作成された複数の営業計画のうち、S160で評価対象として選択されていない営業計画があるか否かを判断する(S200)。
【0128】
ここで、評価対象として選択されていない営業計画があると判断すると(S200でYes)、プロセッサ11は、値kを値1加算する(S210)。
【0129】
その後、プロセッサ11は、加算後の値kに基づいて、第k位の営業計画を評価対象として新たに選択し(S160)、S170以降の処理を実行する。このようにして、プロセッサ11は、予測される成果が高い営業計画から順に評価対象に選択し、対応する営業計画の計画許容度Zが所定値を超える場合には、対応する営業計画を対象営業員に向けて提案する(S230)。
【0130】
一方、複数の営業計画の中に、計画許容度Zが所定値を超える営業計画が存在しない場合(S200でNo)、プロセッサ11は、複数の営業計画において特定の営業計画を提案する営業計画に決定し(S220)、対応する営業計画の計画提案データを出力する(S230)。
【0131】
特定の営業計画は、複数の営業計画のうち、計画許容度が最大の営業計画であり得る。あるいは、複数の営業計画のうち、予測される成果が最大の営業計画であり得る。
【0132】
以上に説明した本実施形態の情報処理システム1によれば、プロセッサ11は、予測される成果を指標に、営業員に提案する営業計画の候補として、複数の営業計画を作成する(S140)。そして、予測される成果の高い順に、営業計画の計画許容度Zを算出し、計画許容度Zが所定値を超える営業計画に限って、営業員に当該営業計画を提案する。
【0133】
具体的には、プロセッサ11は、評価対象の営業計画に関して、営業計画に含まれる営業活動毎に、対応する営業活動の実行を営業員が承諾する可能性に関する推定値として、承諾確率papprを算出する(S330)。
【0134】
プロセッサ11は、この営業活動別の承諾確率papprをまとめて、営業計画に対する承諾の程度である計画承諾率Papprを算出し(S350)、この計画承諾率Papprを用いて算出した計画許容度Zに基づき、営業計画を営業員に提案するか否かを判断する(S180)。プロセッサ11は、提案すると判断した場合に(S180でYes)、営業計画を営業員に提案するための計画提案データを出力する(S230)。
【0135】
従って、本実施形態の情報処理システム1によれば、営業員に許容度の低い営業計画を提案せずに済み、計画に基づく営業活動が営業員に拒否される可能性を加味して、営業員に適切な営業計画を提案することができる。
【0136】
特に本実施形態では、異なる複数の営業計画を作成し(S140)、複数の営業計画の中で、許容度が所定値を超える営業計画であって、予測される成果が最大の営業計画を、営業員に提案する営業計画に選択する(S190)。
【0137】
プロセッサ11は、第一の営業計画について計画承諾率Pappr及び計画許容度Zを算出し(S170)、計画許容度Zが所定値以下であれば(S180でNo)、予想される成果が次点の第二の営業計画について計画承諾率Pappr及び計画許容度Zを算出する動作(S170)を繰返し実行し、計画許容度Zが所定値を超える営業計画が見つかり次第、当該営業計画を営業員に提案する営業計画に決定する(S190)。
【0138】
従って、本実施形態の情報処理システム1によれば、予測される成果が高い営業計画の中で、営業員に受け入れられやすい営業計画を営業員に提案することができる。
【0139】
更に言えば、本実施形態では、営業員が営業計画を変更する可能性に関する推定値として、変更パターン毎の編集確率pcom1,pcom2が算出される(S430)。編集確率pcom1,pcom2から導出した計画編集コストCEを加味した計画許容度Zに基づいて、営業計画を営業員に提案するか否かが判断される。計画編集コストCEは、営業計画の変更負荷に関する推定値に対応する。
【0140】
このように、本実施形態の情報処理システム1では、計画の変更可能性、及び、それに基づいて予測される変更負荷を加味して、営業計画を提案するか否かが判断される。従って、情報処理システム1は、営業員に適切な営業計画の提案を、より高精度に行うことができる。
【0141】
更に言えば、プロセッサ11は、計画の変更可能性に関する予測モデルである編集予測モデルを、過去に提案された営業計画に対する変更履歴に基づき構築する(S135)。変更履歴に基づいて編集予測モデルを構築して、編集確率pcom1,pcom2を算出することによれば、高精度に計画の変更可能性を推定することができる。
【0142】
更に言えば、プロセッサ11は、承諾予測モデルを、過去に提案された営業計画に含まれる各営業活動の承諾及び拒否に関する履歴に基づき構築する。承諾及び拒否に関する履歴に基づいて承諾予測モデルを構築して、承諾確率papprを算出することによれば、高精度に営業計画内の各営業活動の承諾可能性を推定することができる。
【0143】
[その他の実施形態]
本開示は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。例えば、上記実施形態では、計画承諾率Pappr及び計画編集コストCEに基づく計画許容度Zを指標に、営業員に提案する営業計画を選択した。しかしながら、計画承諾率Pappr及び計画編集コストCEの一方のみを指標に、営業員に提案する営業計画を選択するように、情報処理システム1は構成されてもよい。
【0144】
承諾予測モデル及び編集予測モデルは、ニューラルネットワーク以外の機械学習技術を用いて構築されてもよい。例えば、承諾予測モデル及び編集予測モデルは、ロジスティック回帰、確率モデル、又は決定木を用いて構築されてもよい。
【0145】
上記実施形態における1つの構成要素が有する機能は、複数の構成要素に分散して設けられてもよい。複数の構成要素が有する機能は、1つの構成要素に統合されてもよい。上記実施形態の構成の一部は、省略されてもよい。上記実施形態の構成の少なくとも一部は、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換されてもよい。特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
【0146】
[本明細書が開示する技術思想]
本明細書には、次の技術思想が開示されていると理解することができる。
[項目1]
営業活動に関する計画を提案するための情報処理システムであって、
一以上の営業活動を含む営業計画であって、前記一以上の営業活動のそれぞれの種類及び実行日時を指定する営業計画を作成するように構成される作成部と、
前記営業計画に含まれる前記一以上の営業活動のそれぞれに関して、対応する営業活動の実行を営業員が承諾する可能性に関する推定値である承諾推定値を算出するように構成される算出部と、
前記承諾推定値に基づき、前記営業計画を前記営業員に提案するか否かを判断するように構成される判断部と、
前記判断部が提案すると判断した場合に、前記営業計画を前記営業員に提案するための情報を出力するように構成される提案部と、
を備える情報処理システム。
[項目2]
前記作成部は、前記営業計画として第一の営業計画を作成し、更には、前記第一の営業計画とは異なる第二の営業計画を作成し、
前記算出部は、前記第一の営業計画に含まれる前記一以上の営業活動のそれぞれに関して、対応する営業活動の実行を前記営業員が承諾する可能性に関する推定値を前記承諾推定値として算出し、
前記判断部は、前記第一の営業計画に関する前記承諾推定値に基づいて、前記第一の営業計画を前記営業員に提案するか否かを判断し、
前記提案部は、前記判断部が提案すると判断した場合に、前記第一の営業計画を提案するための情報を出力し、前記判断部が提案しないと判断した場合には、前記第二の営業計画を前記営業員に提案するための情報を出力する項目1記載の情報処理システム。
[項目3]
前記算出部は、前記第一の営業計画に関する前記承諾推定値を、第一の承諾推定値として算出し、更には、前記第二の営業計画に含まれる一以上の営業活動のそれぞれに関して、対応する営業活動の実行を前記営業員が承諾する可能性に関する推定値を第二の承諾推定値として算出し、
前記提案部は、前記判断部が提案しないと判断した場合には、前記第二の承諾推定値に基づいて、前記第二の営業計画を前記営業員に提案するか否かを判断し、提案すると判断した場合に、前記第二の営業計画を前記営業員に提案するための情報を出力する項目2記載の情報処理システム。
[項目4]
前記算出部は更に、前記営業員が前記営業計画を変更する可能性に関する推定値である変更推定値を、複数の変更パターンに関して算出し、
前記判断部は、前記承諾推定値及び前記変更推定値に基づいて、前記営業計画を前記営業員に提案するか否かを判断する項目1記載の情報処理システム。
[項目5]
前記判断部は、前記変更推定値に基づき、前記営業員による前記営業計画の変更負荷に関する推定値を算出し、前記承諾推定値及び前記営業計画の変更負荷に関する推定値に基づき、前記営業計画を前記営業員に提案するか否かを判断する項目4記載の情報処理システム。
[項目6]
前記作成部は、前記営業計画として第一の営業計画を作成し、更には、前記第一の営業計画とは異なる第二の営業計画を作成し、
前記算出部は、
前記第一の営業計画に含まれる前記一以上の営業活動のそれぞれに関して、対応する営業活動の実行を前記営業員が承諾する可能性に関する推定値である前記承諾推定値を第一の承諾推定値として算出し、更には、前記第一の営業計画を前記営業員が変更する可能性に関する推定値である前記変更推定値を第一の変更推定値として、前記複数の変更パターンに関して算出し、
前記第二の営業計画に含まれる一以上の営業活動のそれぞれに関して、対応する営業活動の実行を前記営業員が承諾する可能性に関する推定値である第二の承諾推定値を算出し、更には、前記第二の営業計画を前記営業員が変更する可能性に関する推定値である第二の変更推定値を、前記複数の変更パターンに関して算出し、
前記判断部は、前記第一の承諾推定値及び前記第一の変更推定値に基づいて、前記第一の営業計画を前記営業員に提案するか否かを判断し、
前記提案部は、前記判断部が提案しないと判断した場合、前記第二の承諾推定値及び前記第二の変更推定値に基づき、前記第二の営業計画を前記営業員に提案するかを判断し、提案すると判断した場合には、前記第二の営業計画を前記営業員に提案するように構成される項目4又は項目5記載の情報処理システム。
[項目7]
前記提案部は、前記第二の変更推定値に基づき、前記営業員による前記第二の営業計画の変更負荷に関する推定値を算出し、前記第二の承諾推定値及び前記第二の営業計画の変更負荷に関する推定値に基づき、前記第二の営業計画を前記営業員に提案するか否かを判断する項目6記載の情報処理システム。
[項目8]
前記営業計画に含まれる少なくとも一つの営業活動の種類及び実行日時の入力に基づき、前記営業員が前記営業計画を変更する可能性に関する推定値を、前記複数の変更パターンに関して出力する予測モデルを、過去に提案された営業計画に対する変更履歴に基づき構築するように構成されるモデル構築部
を更に備え、
前記算出部は、前記予測モデルに基づいて前記変更推定値を算出する項目4又は項目5記載の情報処理システム。
[項目9]
少なくとも一つの営業活動の種類及び実行日時の入力に基づいて、前記営業員が前記少なくとも一つの営業活動を承諾する可能性に関する推定値を出力する予測モデルを、過去に提案された営業計画に含まれる各営業活動の承諾及び拒否に関する履歴に基づき構築するように構成されるモデル構築部
を更に備え、
前記算出部は、前記予測モデルに基づいて前記承諾推定値を算出する項目1~項目7のいずれか一項記載の情報処理システム。
[項目10]
項目1~項目7のいずれか一項記載の情報処理システムにおける前記作成部、前記算出部、前記判断部、及び前記提案部としての機能を、コンピュータに実現させるためのコンピュータプログラム。
[項目11]
コンピュータにより実行される情報処理方法であって、
一以上の営業活動を含む営業計画であって、前記一以上の営業活動のそれぞれの種類及び実行日時を指定する営業計画を作成することと、
前記営業計画に含まれる前記一以上の営業活動のそれぞれに関して、対応する営業活動の実行を営業員が承諾する可能性に関する推定値である承諾推定値を算出することと、
前記承諾推定値に基づき、前記営業計画を前記営業員に提案するか否かを判断することと、
提案すると判断した場合に、前記営業計画を前記営業員に提案するための情報を出力することと、
を含む情報処理方法。
【符号の説明】
【0147】
1…情報処理システム、11…プロセッサ、12…メモリ、13…ストレージ、19…通信インタフェース、30…情報端末。
【要約】
【課題】営業員に適切な営業計画を提案する。
【解決手段】本開示の一側面によれば、営業計画が作成される(S140)。営業計画は、一以上の営業活動を含み、一以上の営業活動のそれぞれの種類及び実行日時を指定する。営業計画に含まれる一以上の営業活動のそれぞれに関して、対応する営業活動の実行を営業員が承諾する可能性に関する推定値が算出される(S170)。この推定値に基づき、営業計画を営業員に提案するか否かが判断される(S180)。提案すると判断された場合に、営業計画を営業員に提案するための情報が出力される(S230)。
【選択図】
図4