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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-01
(45)【発行日】2023-08-09
(54)【発明の名称】飲用容器及び通気部材
(51)【国際特許分類】
   B65D 47/06 20060101AFI20230802BHJP
   B65D 47/32 20060101ALI20230802BHJP
   B65D 51/24 20060101ALI20230802BHJP
   A47G 19/22 20060101ALI20230802BHJP
【FI】
B65D47/06 120
B65D47/32 210
B65D51/24 300
A47G19/22 D
A47G19/22 M
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2020560990
(86)(22)【出願日】2019-04-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-09-02
(86)【国際出願番号】 AU2019050314
(87)【国際公開番号】W WO2019213693
(87)【国際公開日】2019-11-14
【審査請求日】2022-04-01
(31)【優先権主張番号】2018203169
(32)【優先日】2018-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(73)【特許権者】
【識別番号】519440799
【氏名又は名称】ビーボックス・フォー・キッズ・ディベロップメンツ・プロプリエタリー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】B.BOX FOR KIDS DEVELOPMENTS PTY LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】弁理士法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アマトリー,シルバイン・ジャック
(72)【発明者】
【氏名】チェーンベリ,リサ・シャーロット・エドランド
【審査官】家城 雅美
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開実用新案第20-2014-0001821(KR,U)
【文献】国際公開第2015/039400(WO,A1)
【文献】特開2008-296989(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第03214012(EP,A1)
【文献】米国特許第05906288(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 39/00-55/16
A47G 19/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲用容器であって、
開いた口部と内部空洞とを有する容器と、口部に取り付け可能な着脱式の蓋部と、少なくとも一つの柔軟な通気部材と、通気アクチュエータと、蓋部に設けられたカバー部材とを備え、
蓋部は少なくとも一つの開口部を有し、
少なくとも一つの柔軟な通気部材は、蓋部の少なくとも一つの開口部と密閉係合し、その内部を貫通する空気通路を有し、容器の外側の圧力との関連で容器内の圧力が負圧状態に入ったときに空気を流入させられるようになっており、内部空洞内に含まれる液体が空気通路を通して漏れるのを防ぐようになっており、空気通路内に配置される一つ以上の通気部を備え、
通気アクチュエータは、少なくとも一つの通気部材に動作可能に連結されており、通気部材の状態を通気状態と閉状態との間で変化させられるようになっており、通気部材と一体となっており、カム部と接触すると通気部材を通気状態にするようになっており、
カバー部材は、開位置と閉位置との間で移動可能であり、カバー部材が移動する間、通気部材の状態を変化させるために通気アクチュエータと接触するようになっているカム部を有しており、
通気部材が、対向する柔軟な第1通気部および第2通気部を備え、第1通気部および第2通気部が空気通路内に角度をつけてかつ下方向に延びるように配置されていることを特徴とする飲用容器。
【請求項2】
請求項1に記載の飲用容器であって、通気アクチュエータが少なくとも部分的に、空気通路の通気開口部の位置よりも高い位置まで延びていることを特徴とする飲用容器。
【請求項3】
求項1または2に記載の飲用容器であって、内部を貫通する流体通路を有する柔軟な管状のストロー、飲み口または乳首をさらに備えることを特徴とする飲用容器。
【請求項4】
請求項3に記載の飲用容器であって、柔軟な管状のストロー、飲み口または乳首と通気部材とが、蓋部の少なくとも一つの開口部と密閉係合する弾性体を有する、弾性ストロー通気アセンブリまたは弾性飲み口通気アセンブリまたは弾性乳首通気アセンブリの一部を形成することを特徴とする飲用容器。
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載の飲用容器であって、カバーが閉位置にあるときに、カバーが蓋部に対して柔軟な管状のストローまたは飲み口または乳首を挟むことにより、流体通路を閉じることを特徴とする飲用容器。
【請求項6】
求項1~5のいずれか一項に記載の飲用容器であって、カバー部材が開位置と閉位置の間の中間位置にあるときに、カム部が通気アクチュエータと接触するようになっていることを特徴とする飲用容器。
【請求項7】
請求項に記載の飲用容器であって、通気アクチュエータがくさび部を備え、くさび部は、第1通気部および第2通気部の一方または両方の上面に配置されかつ上面と一体となっており、そこから上方向に突出していることを特徴とする飲用容器。
【請求項8】
請求項に記載の飲用容器であって、くさび部が、通気部材の側壁の一部と一体となっていることを特徴とする飲用容器。
【請求項9】
求項に記載の飲用容器であって、くさび部が第1通気部および/または第2通気部から上方向に延びて、カム部と接触するようになっている自由端を形成していることを特徴とする飲用容器。
【請求項10】
請求項1~のいずれか一項に記載の飲用容器であって、通気アクチュエータが、通気開口部を横断するように延びる支持部によって空気通路内に支持される細長部材を備えることを特徴とする飲用容器。
【請求項11】
請求項10に記載の飲用容器であって、細長部材がその端部に、支持部と接触するための環状フランジを有することを特徴とする飲用容器。
【請求項12】
少なくとも一つの開口部を有する飲用容器とともに使用する通気アセンブリであって、
少なくとも一つの柔軟な通気部材と通気アクチュエータとを備え、
少なくとも一つの柔軟な通気部材が、飲用容器の少なくとも一つの開口部と密閉係合するようになっており、その内部を貫通する空気通路を有しており、飲用容器の外側の圧力との関連で飲用容器内の圧力が負圧状態に入ったときに、空気を流入させられるようになっており、飲用容器内に含まれる液体が空気通路を通って漏れるのを防ぐようになっており、空気通路内に配置された一つ以上の通気部を備えており、
通気アクチュエータが、少なくとも一つの通気部材に動作可能に連結されており、通気部材の状態を通気状態と閉状態との間で変化させられるようになっており、通気部材と一体となっており
通気部材が対向する柔軟な第1通気部および第2通気部を備え、第1通気部および第2通気部が空気通路内に角度をつけてかつ下方向に延びるように配置されていることを特徴とする通気アセンブリ。
【請求項13】
請求項12に記載の通気アセンブリであって、通気アクチュエータが少なくとも部分的に、空気通路の通気開口部の位置よりも高い位置まで延びていることを特徴とする通気アセンブリ。
【請求項14】
請求項12または請求項13に記載の通気アセンブリであって、内部を貫通する流体通路を有する柔軟な管状のストロー、飲み口または乳首をさらに備えることを特徴とする通気アセンブリ。
【請求項15】
請求項12に記載の通気アセンブリであって、通気アクチュエータがくさび部を備え、くさび部は、第1通気部および第2通気部の一方または両方の上面に配置されかつ上面と一体となっており、そこから上方向に突出していることを特徴とする通気アセンブリ。
【請求項16】
請求項15に記載の通気アセンブリであって、くさび部が、通気部材の側壁の一部と一体となっていることを特徴とする通気アセンブリ。
【請求項17】
請求項15または請求項16に記載の通気アセンブリであって、くさび部が第1通気部および/または第2通気部から上方向に延びて、自由端を形成していることを特徴とする通気アセンブリ。
【請求項18】
請求項1214のいずれか一項に記載の通気アセンブリであって、通気アクチュエータが、通気開口部を横断するように延びる支持部によって空気通路内に支持される細長部材を備えることを特徴とする通気アセンブリ。
【請求項19】
請求項18に記載の通気アセンブリであって、細長部材がその端部に、支持部と接触するための環状フランジを有することを特徴とする通気アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲用カップまたは容器に関し、特に子供用であり、一体型ストローの付いた閉じ蓋、液体がこぼれたり漏れたりするのを最小限に抑えるための飲み口または乳首、およびその内部で用いられる通気部材を有する。
【背景技術】
【0002】
シッピーカップは、幼児や幼い子供たちに飲み物を与えるための飲用容器として広く利用されるようになった。シッピーカップは、液体を保持する容器本体と、容器の口を閉じ、キャップを貫通するストローを有する着脱式の蓋部とを有し、子供たちはそのストローを通して液体を飲むことができる。通常、使用しないときには、カバーをキャップに取り付けてストローを覆い、かつ、ストローを挟んだ状態でシッピーカップを保管する。過去には、カバーが閉位置にあるときの液漏れを最小限にするため、シッピーカップを密閉するための様々な機構が展開されてきた。同様に、使用時に利用者がストローを通して自由に液体を取り出せるようにするため、シッピーカップを通気するための様々な機構が展開されてきた。利用者が自由に液体を取り出すためのシンプルな通気機構および、カップが使用されておらず、かつ、カバーが閉じられているときの液こぼれや液漏れを防ぐため、カップ内の気圧を均一にして、思いがけずこぼしたり噴き出したりするのを防ぐように確実に密閉できるシンプルな通気機構が必要とされている。
【発明の概要】
【0003】
一側面として、しかしながら必ずしも最も広い側面ではなく、発明は飲用容器に属し、開いた口部と内部空洞とを有する容器と、口部に取り付け可能な着脱式の蓋部と、柔軟な通気部材と、通気アクチュエータと、蓋部に設けられたカバー部材とを備える。蓋部は少なくとも一つの開口部を有する。柔軟な通気部材は、少なくとも一つの開口部と密閉係合し、その内部を通る空気通路を有する。通気アクチュエータは動作可能に通気部材に連結されており、通気部材の状態を通気状態と閉状態との間で変化させられるようになっている。カバー部材は、開位置と閉位置との間で移動可能であり、カバー部材が移動する間、通気部材の状態を変化させるために通気アクチュエータと接触するようになっているカム部を有している。
【0004】
一実施例として、通気アクチュエータは少なくとも部分的に、空気通路の通気開口部の位置よりも高い位置まで延びている。
【0005】
特定の実施例として、通気アクチュエータがカム部と接触すると、通気アクチュエータは通気部材を通気状態にするようになっている。
【0006】
特定の実施例として通気部材は、容器の外側の圧力との関連で容器内の圧力が負圧状態に入ったときに、空気を流入させられるようになっている。通気部材は、内部空洞内に含まれる液体がそこを通して漏れるのを防ぐようになっている。
【0007】
好適には、本側面の飲用容器は、内部を通る流体通路を有する柔軟な管状のストロー、飲み口または乳首をさらに備える。好ましくは、管状のストロー、飲み口または乳首と通気部材とが、蓋部の少なくとも一つの開口部と密閉係合する弾性体を有する、弾性ストロー通気アセンブリ(または飲み口通気アセンブリまたは乳首通気アセンブリ)の一部を形成する。より好ましくは、カバーが閉位置にあるときに、カバーが蓋部に対して柔軟な管状のストローまたは飲み口または乳首を挟むことにより、流体通路を閉じる。
【0008】
一実施例として、カバー部材が開位置と閉位置の間の中間位置にあるときに、カム部が通気アクチュエータと接触するようになっている。
【0009】
実施例によっては通気部材が、空気通路内に角度をつけてかつ下方向に延びるように配置される、柔軟な対向する第1通気部および第2通気部などの、一つ以上の通気部を空気通路内に備える。そのような実施例に関して、通気アクチュエータはくさび部を備え、くさび部は、第1通気部および第2通気部の一方または両方の上面に配置されかつ上面と一体となっており、そこから上方向に突出している。好ましくは、くさび部が、通気部材の側壁の一部と一体となっている。より好ましくは、くさび部が第1通気部および/または第2通気部から上方向に延びており、カム部と接触するようになっている自由端を形成している。
【0010】
特定の実施例として、通気アクチュエータは蓋部と一体となっている。そのような実施例について、通気アクチュエータは空気通路内に好適に配置されて、橋渡し部によって蓋部に取り付けられている。
【0011】
他の実施例として、通気アクチュエータは少なくとも一つの開口部を横断するように延びる支持部によって空気通路内に支持される細長部材を備える。好ましくは、細長部材がその端部に、支持部と接触するための環状フランジを有する。
【0012】
さらなる側面として、本発明は飲用容器とともに使用する通気アセンブリに属し、柔軟な通気部材と通気アクチュエータとを備える。通気部材が、飲用容器の少なくとも一つの開口部と密閉係合するようになっており、その内部を通る空気通路を有している。通気アクチュエータは通気部材に動作可能に連結されており、そこにかけられる力に応じて通気状態と閉状態との間で通気部材の状態を変化させられるようになっている。
【0013】
一実施例として、その力はカバー部材に配置されたカム部によってかけられ、カバー部材が移動する間に通気アクチュエータと接触するようになっている。
【0014】
特定の実施例として、通気アクチュエータは少なくとも部分的に、空気通路の通気開口部の位置よりも高い位置まで延びている。
【0015】
実施例によっては、通気部材は、飲用容器の外側の圧力との関連で容器内の圧力が負圧状態に入ったときに空気を流入させられるようになっており、飲用容器内に含まれる液体がそこを通して漏れるのを防ぐようになっている。
【0016】
好適には、本側面の通気アセンブリは、内部を通る流体通路を有する柔軟な管状のストロー、飲み口または乳首をさらに備える。
【0017】
好適には、通気部材は、空気通路内に角度をつけてかつ下方向に延びるように配置される、柔軟な対向する第1通気部および第2通気部などの、一つ以上の通気部を空気通路内に備える。好ましくは、通気アクチュエータはくさび部を備え、くさび部は、第1通気部および第2通気部の一方または両方の上面に配置されかつ上面と一体となっており、そこから上方向に突出している。より好ましくは、くさび部は通気部材の側壁の一部と一体となっている。さらに好ましくは、くさび部は第1通気部および/または第2通気部から上方向に延びて、自由端を形成している。
【0018】
他の実施例として、通気部材は蓋部と一体となっている。これに関して、通気アクチュエータは空気通路内に適切に配置されており、橋渡し部によって蓋部に取り付けられている。
【0019】
一実施例として、通気アクチュエータは開口部を横断するように延びる支持部によって空気通路内に支持される細長部材を備える。好適には細長部材がその端部に、支持部と接触するための環状フランジを有する。
【0020】
本発明のさらなる特徴や側面は以下の詳細な説明から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本発明の理解を助けるため、また、当業者が発明を実施することができるようにするため、発明の好ましい実施例について、専ら以下に概説する図面を参照することによって例を通して説明する。
図1A図1Aは弾性ストロー通気口アセンブリの斜視図であり、図2~4の飲用容器で使用するプルタブ、通気部材および通気アクチュエータを示す。
図1B図1B図1Aの通気部材と通気アクチュエータの拡大図である。
図2A図2Aは本発明の飲用容器の一実施例の平面図であり、カバーが閉位置にある状態を示す。
図2B図2B図2Aの飲用容器の断面図であり、カバーが閉位置にある状態を示す。
図2C図2C図2Aの飲用容器の拡大断面図であり、その通気部材が閉状態にあるときを示す。
図3A図3A図2Aの飲用容器の平面図であり、カバーが中間位置にある状態を示す。
図3B図3B図2Aの飲用容器の断面図であり、カバーが中間位置にある状態を示す。
図3C図3C図2Aの飲用容器の拡大断面図であり、その通気部材が通気状態にあるときを示す。
図4A図4A図2Aの飲用容器の平面図であり、カバーが開位置にある状態を示す。
図4B図4B図2Aの飲用容器の断面図であり、カバーが開位置にある状態を示す。
図4C図4C図2Aの飲用容器の拡大断面図であり、その通気部材が閉状態にあるときを示す。
図5A図5Aは本発明の飲用容器で用いる通気部材のさらなる実施例の概略断面図であり、カバーが通気部材に係合しない位置にあり、かつ、通気部材が閉状態にあるときを示す。
図5B図5B図5Aの通気部材の概略断面図であり、カバーが通気部材と係合して通気状態にする位置にあるときを示す。
図6A図6Aは本発明の飲用容器で用いる通気部材のさらなる実施例の概略断面図であり、カバーが通気部材と係合しない位置にあり、かつ、通気部材が閉状態にあるときを示す。
図6B図6B図6Aの通気部材の概略断面図であり、カバーが通気部材と係合して通気状態にする位置にあるときを示す。
図7A図7Aは本発明の飲用容器で用いる通気部材のさらなる実施例の概略断面図であり、カバーが通気部材と係合しない位置にあり、かつ、通気部材が閉状態にあるときを示す。
図7B図7B図7Aの通気部材の概略断面図であり、カバーが通気部材と係合して通気状態にする位置にあるときを示す。
図8A図8Aは本発明の飲用容器で用いる通気部材およびカバーのさらなる実施例の概略断面図であり、カバーが通気部材と係合しない位置にあり、かつ、通気部材が閉状態にあるときを示す。
図8B図8B図8Aの通気部材の概略断面図であり、カバーが通気部材と係合して通気状態にする位置にあるときを示す。
図9A図9Aは本発明の飲用容器で用いる通気部材およびカバーのさらなる実施例の概略断面図であり、カバーが通気部材と係合しない位置にあり、かつ、通気部材が閉状態にあるときを示す。
図9B図9B図9Aの通気部材の概略断面図であり、カバーが通気部材と係合して通気状態にする位置にあるときを示す。
図10A図10Aは本発明の飲用容器で用いる通気部材およびカバーのさらなる実施例の概略断面図であり、カバーが通気部材と係合しない位置にあり、かつ、通気部材が閉状態にあるときを示す。
図10B図10B図10Aの通気部材の概略断面図であり、カバーが通気部材と係合して通気状態にする位置にあるときを示す。
図11A図11Aは本発明の飲用容器のさらなる実施例の正面図であり、カバーが閉状態の通気部材と係合しない位置にあるときを示す。
図11B図11B図11AのA-A線による断面図である。
図11C図11C図11AのB-B線による断面図である。
図11D図11D図11AのC-C線による断面図である。
図12A図12A図11Aの飲用容器の正面図であり、カバーが通気部材と係合して通気状態にする位置にあるときを示す。
図12B図12B図12AのD-D線による断面図である。
図12C図12C図12AのE-E線による断面図である。
図13A図13Aは閉状態にある通気部材の一実施例の断面図である。
図13B図13B図13Aの通気部材の断面図であり、通気アクチュエータにかけられる下方向の力によって通気状態になった通気部材を示す。
図13C図13C図13Aの通気部材の断面図であり、通気アクチュエータにかけられる内側方向の力によって通気状態になった通気部材を示す。
図14A図14Aは閉状態にある通気部材の別の実施例の断面図である。
図14B図14B図14Aの通気部材の断面図であり、通気アクチュエータにかけられる下方向の力によって通気状態になった通気部材を示す。
図15A図15Aは閉状態にある通気部材のさらなる実施例の断面図である。
図15B図15B図15Aの通気部材の断面図であり、通気アクチュエータにかけられる下方向の力によって通気状態になった通気部材を示す。
図15C図15C図15Aの通気部材の断面図であり、通気状態にある通気部材およびその内部を通る空気の流れを示す。
図16A図16Aは、4つの通気弁または通気部を備えるドーム弁形状の通気部材の別の実施例の平面図である。
図16B図16B図16Aに示される通気部材の正面図である。
図16C図16C図16Aに示される通気部材が閉状態にあるときの断面図である。
図16D図16D図16Aに示される通気部材が、通気アクチュエータにかけられる下方向の力によって通気状態になったときの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
必要に応じて、本発明の詳細な実施例を本明細書に開示する。しかしながら、当然理解できることであるが、開示した実施例は本発明の単なる例示に過ぎず、様々かつ別の形態で具体化されてもよい。図面は必ずしも縮尺通りではなく、特徴によっては特定の構成要素を詳細に示すために誇張されたり最小限度に留めたりして示されている。したがって、本明細書に開示された特定の構造及び機能的な詳細は、限定するものとして解釈されず、当業者が本発明を様々に採用できることを教示するための単なる典型的な土台として解釈される。
【0023】
本発明の構成要素は図面において簡潔な外形で示されており、本発明の実施例を理解するのに必要な特定の詳細のみを示しているが、本明細書に照らして当業者にとって明らかな必要以上の詳細を提供するためのものではない。
【0024】
本願において、第一および第二、最上のおよび底部の、上方向のおよび下方向のなどの形容詞は、実際そのような関係や順番などを必ずしも要求したり意味するのではなく、単に一つの構成要素を他の構成要素と区別したり、ひとつの動きを他の動きと区別したりするために用いられている。「備える」や「含む」などの言葉は非排他的な包含を規定することを意図しているので、一連の構成要素を備える方法や装置がそれらの構成要素のみならず、そのような方法やシステムに固有の構成要素を含む、明示的に記載されていない他の構成要素をも含むことができる。加えて図面を参照すると、図全体を通して数字などは部品などを指す。
【0025】
本発明の一実施例の飲用容器10が図2、3および4に示されおり、それぞれ開位置、中間位置、閉位置にある飲用容器10を示す。この飲用容器10は、4つの主要な構成要素からなる。すなわち、液体を保持するためのカップ12の形態の容器、開口部に設けられた内部空洞40、取り外し可能な蓋部14である。蓋部14は、第1及び第2相補的ねじ部分によってカップ12の開口部にねじ係合されている。カバー16は蓋部14に移動可能に取り付けられている。この実施例においては、カバー16は横軸A回りに回転可能なように旋回可能に取り付けられている。図4A図4Cにおいて、カバー16は開位置にあり、弾性のまたは弾性変形可能なストロー通気口アセンブリ18を露出しており、柔軟な管状ストロー20が図示されるように上方に延びるようにしている。細長く柔軟なチューブ22はさらに、柔軟な管状ストロー20に連結される。本明細書で説明していない特定の実施例において、細長くて柔軟なチューブ22はさらに重くした端部を有してもよく、それにより、図示されるようにカップが直立したあるいは通常の位置にあるときだけでなく、転倒位置にあるときでも液体を吸引することができる。他の実施例として、飲み口または乳首をストロー20と取り替えることもできる。そのような実施例として、ストロー通気口アセンブリ18は、弾性のまたは弾性変形可能な飲み口通気口アセンブリであるか、または、弾性のまたは弾性変形可能な乳首通気口アセンブリであってもよいことは当業者であれば理解できるであろう。
【0026】
提供する実施例としてカップ12は好ましくは透明または透き通ったプラスチックからなってもよく、他方で蓋部14およびカバー16は明るい色のプラスチック材料からなってもよい。蓋部14は概して半円形または半球形状のドーム26を有しており、ドーム26は少なくとも一つの開口部を中央の出入り開口部28の形状で有している。平面図において、凹設された溝部30を軸Aに対して概して垂直にした状態で、弾性ストロー通気口アセンブリ18が開口部28の中に挿入される。弾性ストロー通気口アセンブリ18は、開口部28から外方向にまたは横方向に延びている。カバー16は図2~4に示すように軸A周りに回転することができる。カバー16は、ドーム26の輪郭に概して沿う半円形シェルの形状である。カバー16が図2に示す閉位置に回転したとき、柔軟な管状ストロー20は溝30の中に折り畳まれ、かつ、挟まれて閉じられることで、カップ12が傾いたときにストローから液体が漏れるのを防いでいる。
【0027】
図2B、3Bおよび4Bはそれぞれ、飲用容器10の部分拡大断面図を示す。図2Bにおいてカバー16は閉位置にあり、柔軟な管状ストロー20は、蓋部14のドーム26内に形成された溝部30の中に折り畳まれた状態となっている。この位置において、柔軟なストロー20は折り重ねられて、カバー16の内側面に形成されたカムまたは突出部38と、溝部30の上端に隣接する、蓋部14に形成された突条部50との間に挟まれる。閉位置において、ストロー20の内部通路は挟まれて閉じられている。弾性ストロー通気口アセンブリ18には通気部材36が設けられている。通気部材36は円筒形の内側壁部35を有し、内側壁部35はその間に延びる空気通路32を形成している。通気部材36は通気状態または開状態と閉状態との間で動作可能である。空気通路32の外側端は、通気部材36における通気開口部34を形成している。なお、閉状態において飲用容器10内が負圧になっているとき、飲用容器10内に空気が入り得ることは理解されたい。また当然に理解できることであるが、他の実施例として蓋部14は二つ以上の開口部28を備えてもよく、その一つの開口部28にはストロー、飲み口または乳首が挿入されて、通気部材は別の開口部に挿入されてもよい。
【0028】
通気部材36は、対向する柔軟性かつ遮水性の第1・第2通気弁または通気部39a,39bを備え、これらは空気通路32内に配置されている。第1・第2通気部39a,39bはそれぞれ下方に延びており、かつ、通気開口部34から内側角度方向または内方向に通気開口部34の向かい側から延びている。そのためそれらの各端部は表面同士が接触した状態で隣接するかまたは対面するように配置され、それらの間にスリットを形成している。この配置のおかげで、第1・第2通気部39a,39bが閉じた状態でそれらの間を空気や液体が通り抜けるのを阻害したり防いだりすることができ、それらは弾性的に閉じた状態となるように促されたり付勢されたりしている。第1通気部39aにはさらに通気アクチュエータまたは通気部37が設けられている。通気アクチュエータ37は、くさび形状やピン形状の本体部を有し、この本体部は第1通気部39aの上面に配置され、かつ、一体的になっており、通気アクチュエータ37はそこから上方向に延びて自由端37aを形成している。自由端37aは、通気開口部34の高さよりも少なくとも部分的に上側に配置されている。図1~4に示すように、通気アクチュエータは通気部材36の内側壁部35の一部と一体となっている。なお、他の実施例として通気部材36は空気通路32内に配置される単一の通気弁または通気部を備えてもよく、または空気通路32内に配置される2つ以上の通気弁または通気部を備えてもよいことは理解されたい。例えば、通気部材36はクロスカットを備えてもよく、その場合、通気部材36は2つのスリットと4つの通気弁または通気部を備えることとなる。さらに、一つ以上の通気弁または通気部が他の形状を有していてもよいことは当然理解されたい。例えば一つ以上の通気弁または通気部が、図16A~16Dに示す4つの通気弁または通気部39a,39b,39c,39dを備えるドーム形の弁など、一つ以上の曲面部分または円形部分を有してもよい。
【0029】
カバー16が図4A~4Cに示される開位置にあるとき、または図2A~2Cに示す閉位置にあるとき、通気部材36は閉状態にあり、空気通路32と通気開口部34とが大気に開放するように流体連通しない。カバー16が図3A~3Cに示すように中間位置に移動したとき、カバー16の内側面に設けられた突出部またはカム38は、内方向または内側に旋回するように弾性変形する通気アクチュエータ37の自由端37aを覆いかつ接触する。その結果、第1通気部39aが第2通気部39bから離れるように相互におよび相対的に横向きまたは外向きに動く。この配置により通気部材36は通気状態となり、空気が空気通路32を経由してカップ12の内部空洞とその外側との間の移動(逆の場合も同様に)するのを促進する。
【0030】
当業者にとって明らかなように、通気部材36のこの配置により、カバー16が利用者によって最初に開かれたときに、カップ12内の圧力が増大されて流体がストロー20を通して排出されるのを防ぐことができる。上述したように、カバー16を開く間、通気アクチュエータ37によって通気部材36を一時的に閉位置から通気位置に変形させる。その結果、ストロー20の流体通路を閉じたままにしつつ、通気部材36によって飲用容器10の内部空洞と大気との間の圧力を等しくすることができる。この特徴は特に、カバー16が閉じられているときに、満杯の飲用容器10が例えば太陽によって部分的に温められたときなどに有益である。ストロー20を挟まないようにする前に高まった内部圧力を解放することにより、カバー16が開かれたときに、飲用容器10内の流体がストロー20から噴出したり押し出されたりするのを防ぐことができる。
【0031】
空気通路32の内端は、カップ12と蓋部14とによって共に形成する内部空洞40に開口している。当然理解できることであるが、第1・第2通気部39a,39bは前に示唆したように、通常、容器が傾けられて空気通路32の内端が液体に曝された場合に、空気通路32を閉じて密閉する働きをする。したがって、通気部材36によってなるべく漏出をなくしたり減らしたりすることができる。第1通気部39aと第2通気部39bとの間の6水柱インチ(inches of water)を上回る負の圧力差により、第1通気部39aと第2通気部39bの間のスリットをその横方向の旋回可能な動きによって適切に開かせることができる。これにより、使用者によって飲用容器10内の液体がストロー20を通して吸われたときに、空気を内部空洞40内に引き込むことが可能となる。したがって、飲用容器10内の圧力レベルは、使用者がそこから飲むときに大気と等しくされ得る。
【0032】
ストロー20は同様にその内部に形成される対向する弁または部分を備える薄膜(図示せず)を有する。この薄膜は、垂直方向を向いたスリットを形成し、このスリットは使用者の口からかけられる下方向の圧力に応じて開くようになっている。例えば圧力差に応じて開く弁装置など、別の弁装置がストロー20内に含まれてもよいことが考えられる。カバー16が開いた状態かつストロー20が伸びた状態で飲用容器10が転倒した場合、ストロー膜(図示せず)によりストロー20およびチューブ22内の液体がストロー20から滴り落ちるのを防ぐことができる。ストロー膜(図示せず)はストロー20の自由端に隣接して配置されるのが好ましく、内側方向に突出する形状の凸状部を有していることが好ましい。ストロー膜(図示せず)は、使用者が唇または口から圧力をかけてスリットの開口部を開かない限り、スリットの開口部を外向きに開くのを防ぐようになっている。
【0033】
ストロー通気口アセンブリ18は、チューブ22と重り付き端部とを取り外した状態で図1の斜視図に示されている。この図において通気アクチュエータ37の形状が示されている。プルタブ46の形状も示されている。タブ46は利用者がつかみやすいリング形状であることが望ましく、これによって利用者がストロー通気口アセンブリ18を蓋部14から引き抜き、別個に洗浄したり、損傷したときに取り替えたりできる。ストロー通気口アセンブリ18の弾性体はポリマー材料から好適にできており、そのポリマー材料のデュロメーター硬さは、ショア30-70、あるいはおよそショア50であることが好ましい。
【0034】
図1~4に示す実施例として、ストロー通気口アセンブリ18は、ストロー20と通気部材36とを組み合わせて単一の一体型ユニットとしている。その代わりにストロー20と通気部材36とが弾性材料から形成される別個の部品として形成されてもよく、そのそれぞれが蓋部14における2つの別個の出入口に取り付けられてもよい。ただし、一体型タブと組み合わせたストロー通気口アセンブリ18は利用しやすく好ましい。
【0035】
通気部材36の別の実施例として、別の飲用容器だけでなく、上述した実施例の飲用容器10で使用するのに適した通気部材36が図5~15に示されている。この目的のために、以下で述べる通気部材36の各実施例は、通気アクチュエータ37と突出部またはカム38との相互作用を経由して、通気アクチュエータ37を通して閉位置と通気位置または開位置との間で動作可能であることを強調しておく。突出部またはカム38は、関連する飲用容器10の移動可能なカバー14に配置されている。
【0036】
図5を参照して、通気部材36はまた第1・第2通気部39a,39bを含む。第1・第2通気部39a,39bは下方、かつ、その内側壁部35の対向する部分から内側角度方向または内方向に通気開口部34の下側に延びている。そのためそれらの各端部は表面同士が接触した状態で隣接するかまたは対面するように配置されており、それらの間にスリットを形成している。第1通気部39aの上面に一体で配置されているのが通気アクチュエータ37であり、そこに動作可能に連結されている。図5に示されるように、通気アクチュエータ37は第1通気部の上面から上方向に延びて自由端37aを形成している。自由端37aは少なくとも部分的に通気開口部34の位置よりも上に配置されている。しかしながら上述した実施例に反して、通気アクチュエータ37は通気部材36の内側壁部35と一体となっていない。このような構成により、移動可能なカバー16が閉位置から開位置およびその逆方向に移動する際、カバー16が中間位置にあるとき、通気アクチュエータ37の自由端37aは、カバー16の内面に設けられたカム38と接触する。図5Bに示されるように、その移動の間のカム38との接触により、通気アクチュエータ37を弾性変形させて通気部材36aに対して下方向かつ内方向に移動させる。このように、通気アクチュエータ37が実際上、レバーアームとして機能することで、第1通気部39aが第2通気部39bから離れるように相対的に横方向または外側方向に移動し、通気部材36を通気状態にする。
【0037】
図6において、通気アクチュエータ37はもはや通気部材36と一体ではない。むしろ、通気アクチュエータ37は蓋部14と一体であり、柔軟な橋渡し部15を経由してそこに取り付けられている。橋渡し部15は通気開口部34に隣接する蓋部14の外面から、通気開口部34より高い位置に配置された通気アクチュエータ37の第1端部まで延びている。通気アクチュエータ37は細長く、第1および第2自由端37a,37bを形成し、かつ、橋渡し部15によって通気開口部34に対して実質的に垂直な位置に保持されている。図6からわかるように、通気アクチュエータ37は通気部材36によって形成される空気通路32内に配置される。それにより、閉位置にあるときに、第2自由端37bは第1通気部39aの上面に接触・隣接する。上述したように、通気部材36の第1・第2通気部39a,39bは、内側壁部35の対向する部分から下方かつ内側角度方向に通気開口部34の下の位置に延びている。移動可能なカバー16が閉位置から開位置までまたはその逆も同様、旋回移動する際、カバー16が中間位置にあるとき、通気アクチュエータ37の第1自由端37aはカバー16の内面に配置されたカム38によって接触される。図6Bに示されるように、そのカバー16が移動する間にカム38と接触することにより、橋渡し部15を弾性変形させて内方向に旋回させ、通気アクチュエータ37が相対的に下方向に旋回移動できるようにしている。これにより第1通気部39aを第2通気部39bから離れるように相対的に外側方向かつ下向きに移動させ、通気部材36を通気状態にする。
【0038】
図7を参照すると、飲用容器の実施例により浮動性の通気アクチュエータ37を提供する。この通気アクチュエータ37は、蓋部14または通気部材36と一体ではない。むしろ、通気アクチュエータ37は第1および第2自由端37a,37bを有する細長部材を備え、その細長部材は空気通路32の上側部分の中央に配置されている。このため、通気アクチュエータ37の第1自由端37aは通気開口部34の上方に配置され、第2自由端37bは第1・第2通気部39a,39bの上面と、その間にあるスリットまたは継ぎ目にて接触する。通気アクチュエータ37は環状フランジ37cによってこの位置に保持される。環状フランジ37cは、弾性変形可能な一対の支持部品17a,17bの上面に接触する第1端部に配置される。支持部品17a,17bは、通気開口部34に隣接する蓋部14の対向する端部から内方向に延び、間に通気アクチュエータ37が配置される空間を形成している。第1・第2通気部39a,39bは、基本的には上述した実施例のように配置されるため、カバー16が旋回移動する際、カバー16が中間位置にあるとき、通気アクチュエータ37の第1自由端37aは、カバー16の内面から突出するカム38によって接触される。図7Bに示されるように、そのカバー16が移動する間にカム38と接触することにより、通気アクチュエータ37のフランジ37cを支持部品17a,17bに押し付けて下方向に弾性変形させ、通気アクチュエータ37が相対的に下方向に移動できるようにしている。結果として、通気アクチュエータ37の第2自由端37bが第1・第2通気部39a,39bの間に押し込まれまたは押し付けられることにより、通気部材36を通気状態にする。
【0039】
図8A-Bには、飲用容器10のさらなる実施例が示されている。なお、飲用容器10は上述した実施例のものと異なることは明らかである。具体的には、カバー16が旋回点の周りを旋回可能であるわけではなく、実質的に蓋部14の面において、または、実質的に蓋部の面に平行な面において、第1位置から第2位置へと水平方向に移動可能である。通気部材36および通気アクチュエータ37は、図5A-Bに示したものと基本的に同じである。このため、カバー16が第1位置と第2位置の中間位置に水平方向に移動することで、上述したようにカバー16の内面から突出したカム38が通気アクチュエータ37と十分に接触し、通気部材36を通気状態にする。
【0040】
図8A-Bと同様に、図9A-Bは蓋部14に取り付けられたカバー16を含む飲用容器10を示す。カバー16は図9Bの矢印で示されるように、第1位置から第2位置へとそれぞれ水平方向に移動可能である。カバー16は、例えば巻きばねなどの付勢部材21を経由して、上方向に突出する停止部材19に対して動作可能に連結されている。付勢部材21はカバー16を第1位置に付勢する。図8A-Bについて説明したように、カバー16はカバー16の内面から突出したカム38をさらに備える。カム38は、カバー16が第2位置に移動する際に通気アクチュエータ37と接触し、通気部材36を通気状態にする。
【0041】
図10A-Bには、飲用容器10のさらなる実施例が示されている。飲用容器10は上述した実施例のものとは異なる。具体的には、カバー16は蓋部14の端部に対してヒンジ式に連結されており、旋回点23周りに第1位置から第2位置に旋回するように移動可能である。このようにして、旋回点23は通気部材36と通気アクチュエータ37の上に直接的に横たわっている。通気部材36および通気アクチュエータ37は図5,8および9で説明したものと基本的には同じである。カバー16はカム38を備える。カム38はカバー16の基部25から外側方向に延び、かつ、旋回点23に隣接している。このため、図10Bに示されるようにカバー16が第1位置と第2位置の間の中間位置に旋回して移動することで、カム38を通気アクチュエータ37と接触させ、上述したように通気部材36を通気状態にする。
【0042】
図11および12は、飲用容器10のさらなる実施例を示す。飲用容器10は円筒形のカバー16を備える。円筒形のカバー16は、上端壁部51と下端開口部53とを有する。上端壁部51と下端開口部53の間には、蓋部14やカップ12の上側部分を中に受け入れるための空間が形成されている。カバー16は中心軸55を介して蓋部14に回動可能に連結されている。中心軸55は上端壁部51の内面から下方向に延び、蓋部14の上面に配置された、相補的な寸法に形成された中心溝57に動作可能に係合している。また上端壁部51の内面から外側方向に延びているのは、細長い弓状または湾曲したカム部38である。
【0043】
蓋部14はカップ12から取り外し可能であり、さらに蓋部14を通る円筒形の通気開口部34を形成している。通気開口部34内に密閉するように配置されているのは柔軟な通気部材36であり、通気部材36はその内部を通る空気通路32を有する。前の実施例と同様に、通気部材36は第1・第2通気部39a,39bを備える。第1・第2通気部39a,39bは上述したように内側壁部35の対向する部分から、下方かつ内側角度方向に通気開口部34の下の位置に延びている。細長い、くさび形状またはピン形状の本体を有する通気アクチュエータ37は、第1通気部39aの上面に配置され、かつ、その上面と一体になっており、そこから上方向に延びて自由端37aを形成している。上述したように自由端37aは、少なくとも部分的に通気開口部34の上側に配置されている。
【0044】
図11A-Dは閉位置にあるカバー16を示しており、カム38は通気アクチュエータ37の上に横たわっておらず、かつ、接触していない。図12A-Cに示されるように、カバー16が閉位置から開位置に相対回転移動する際、通気アクチュエータ37の自由端37aは、カム38が弧状に移動して上を通過するとき、カム38によって接触される。カム38が上を通過する間にカム38と接触することにより、通気アクチュエータ37を弾性変形させ、かつ、通気部材36に対して下方向かつ内側方向に移動させることができる。これにより通気部材36は、第1通気部39aを第2通気部39bから離れるように相対的に横向きまたは外向きに移動させ、通気部材36を通気状態にする。
【0045】
図13~15は、関連する通気部材36を通気状態にするにために、通気アクチュエータ37の特定の実施例に対して作用することを要する特定の力を示す。
【0046】
図13Aは、図4および図7~11に示すものと基本的に同じもので、閉位置にある通気部材36の一実施例を提供する。図13Bおよび13Cに示すように、通気アクチュエータ37の自由端に作用する下方向の力や内向き横方向の力(矢印で示されている)は、通気部材36を通気状態にするのに十分である。
【0047】
図14Aは、図1~4に示したものと基本的に同じもので、閉位置にある通気部材36の一実施例を提供する。図14Bに示すように、通気アクチュエータ37の自由端に下方向の力を加えることは、その本体を変形させ、通気部材36を通気状態にするのに十分である。
【0048】
図15Aは、通気部材36のさらなる実施例を提供する。この特定の実施例として、通気アクチュエータ37は、空気通路内でかつ内側壁部35間の中央に配置される本体部41を備える。本体部41は上方向に延びてその自由端37aを形成している。自由端37aは通気開口部34の位置の上側に配置される。本体部41から下方向に延びているのは、柔軟な一対の腕部41a,41bであり、これらは第1・第2通気部39a,39bの各上面に配置されており、そこから上方向に突出している。図15Bおよび15Cに示すように、本体部41の自由端37aに下方向の圧力(図15Bで矢印によって示されるように)を加えることにより、腕部41a,41bを変形させ、互いから離れるように横方向に旋回させることができる。これにより、第1・第2通気部39a,39bを互いから離れるように横方向に移動させ、それによって通気部材36を通気状態にして(図15Cの矢印によって示されるように)空気が空気通路を移動できるようにしている。
【0049】
例示的実施例について上述してきたが、これらの実施例によって本発明のすべての可能な形態を説明することを意図するものではない。むしろ、明細書等で用いた用語は、限定するというよりは説明するための用語であり、本発明の主旨および範囲から逸脱することなく様々な変更が可能であることは当然理解できることである。さらに、様々な実施例の特徴を組み合わせて本発明のさらなる実施例を形成してもよい。

図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図11C
図11D
図12A
図12B
図12C
図13A
図13B
図13C
図14A
図14B
図15A
図15B
図15C
図16A
図16B
図16C
図16D