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特許7323886PTFEベースのナノ機能複合膜の製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-01
(45)【発行日】2023-08-09
(54)【発明の名称】PTFEベースのナノ機能複合膜の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B32B 27/30 20060101AFI20230802BHJP
   F03D 1/06 20060101ALI20230802BHJP
   F03D 3/06 20060101ALI20230802BHJP
   F03D 80/00 20160101ALI20230802BHJP
【FI】
B32B27/30 D
F03D1/06 Z
F03D3/06 Z
F03D80/00
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2022506749
(86)(22)【出願日】2020-12-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-13
(86)【国際出願番号】 CN2020136609
(87)【国際公開番号】W WO2022011963
(87)【国際公開日】2022-01-20
【審査請求日】2022-02-01
(31)【優先権主張番号】202011220491.2
(32)【優先日】2020-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520414480
【氏名又は名称】中国長江三峡集団有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】522044283
【氏名又は名称】中国三峡新能源(集団)股▲ふん▼有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】522044294
【氏名又は名称】南京浩暉高科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】向 欣
(72)【発明者】
【氏名】劉 建平
(72)【発明者】
【氏名】呉 建華
(72)【発明者】
【氏名】孫 志禹
(72)【発明者】
【氏名】朱 亜偉
(72)【発明者】
【氏名】李 文偉
(72)【発明者】
【氏名】帥 争鋒
(72)【発明者】
【氏名】呉 弘
(72)【発明者】
【氏名】趙 景▲シン▼
(72)【発明者】
【氏名】趙 金泉
(72)【発明者】
【氏名】呉 建平
【審査官】伊藤 寿美
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-119662(JP,A)
【文献】特開2002-275280(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106313812(CN,A)
【文献】特開2011-052683(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0058950(US,A1)
【文献】特開平08-323873(JP,A)
【文献】特開平02-127442(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00-43/00
B29C 48/00-48/96,
55/00-55/30,
61/00-61/10,
71/04
C08J 5/00- 5/02,
5/12- 5/22,
7/00- 7/02,
7/12- 7/18,
9/00- 9/42
F03D 1/00-80/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
単量体融合重合と微量重合による、PTFEベースのナノ機能複合膜の製造ステップ(1)であって、
PTFEを軟化する作用を有するビニルシリコーンオイルでPTFE樹脂を浸潤し、浸潤後のPTFE樹脂を混合し、温度が60~90℃で、速度が20~30m/minで、圧力が5~8MPaである熱予圧、熱押圧により、単量体重合PTFE棒材を製造するという混合、予圧、押圧による、棒材製造1)と、
製造されたPTFE棒材を熱間圧延作用下で融合重合を行い、熱間圧延温度が60~90℃であり、速度が20~30/minであり、PTFE樹脂にドープされ単量体重合作用を有する一部のビニルシリコーンオイルを熱間圧延機で押し出し、ミクロンスケールの孔隙を有するPTFEベースのナノ機能複合膜を製造し、PTFEベースのナノ機能複合膜の厚さが100~120μmであり、膜の色が乳白色を呈し、走査型電子顕微鏡による立体イメージングで、膜の表面形態が経緯方向に均一に分布し、平均大きさが20~40μmで、高さが10~20μmで、間隔が30~50μmのミクロンサイズの微細凹凸表面構造を示すという熱間圧延融合重合による、膜製造2)と、
ミクロンサイズの微細凹凸表面構造を有するPTFEベースのナノ機能複合膜を油除去オーブン内で6~8m/minの速度で微量重合を行い、油除去オーブン内の温度が180~200℃であり、熱間圧延機で押し出されていない、PTFE樹脂にドープされて単量体重合を行う一部のビニルシリコーンオイルを温度作用により重合反応させてPTFE樹脂内に重合して固結させ、同均質のPTFEベースのナノ機能複合膜を製造し、油除去オーブン外に設置されたローラが回転することにより牽引してロール状に巻き取るという微量重合による、同均質膜の製造3)と、
を含む単量体融合重合と微量重合による、PTFEベースのナノ機能複合膜の製造ステップ(1)と、
高温高線圧力微共晶チャンバ内の温度を70~420℃に設定し、PTFEベースのナノ機能複合膜をチャンバ内の無動力ロールホルダに水平に広げ、チャンバ外に設置されたロールが回転することにより、均一な力で牽引して引き、6~8m/minの速度で前方に向かって押し、チャンバ内の高温により膜分子鎖を収縮させかつ共晶を生成させ、微細孔隙がナノスケール及びサブミクロンスケールのサイズになり、PTFE膜の表面線圧力を50~80N/mに制御し、膜幅を縮小し、密度を向上させ、膜が乳白色から透明色でかつ透明度が均一で一致する共結晶となり、ナノスケールの高分子凝集体及び表面の平均サイズが10~20μmであり、高さが5~10μmであり、間隔が10~20μmであるナノスケール及びミクロンスケールのサイズの凹凸幾何学的超微細構造の表面形態を有する高温高線圧力微共晶による、PTFEベースのナノ機能複合膜の製造ステップ(2)と、
PTFEベースのナノ機能複合膜のナノスケール及びミクロンスケールサイズの凹凸幾何学的超微細構造の形態の機能面にPE膜により被覆処理を行った後、前記機能面の反対側の面であるサイジング面に、真空環境下で40℃より低い窒素水素混合媒体雰囲気で、1.5~3m/minの速度で表面活性化処理を行い、前記サイジング面にナノスケールの深さを有する活性化構造層を生成させ、活性化構造層を有する膜の表面に感圧接着テープを直接移動複合し、前記感圧接着テープの接着剤をPTFEベースのナノ機能複合膜の活性化構造層と化学結合作用を発生させ、膜・接着剤複合体を形成するナノスケールの深さ表面活性化による、PTFEベースのナノ機能複合膜の製造ステップ(3)と、
を含むこと、を特徴とするPTFEベースのナノ機能複合膜の製造方法。
【請求項2】
前記感圧接着テープの直接移動複合において、膜・感圧接着テープ複合装置により感圧接着テープをPTFEベースのナノ機能複合膜の活性化構造層を有する機能面に直接移動複合し、前記膜・感圧接着テープ複合装置は、前記PTFEベースのナノ機能複合膜及び感圧接着テープを牽引する作用を果たす管芯エアシャフトと、1セットの膜・感圧接着テープ複合プレスローラと、テープ管芯エアシャフトと、フィルムストリップ管芯回転軸と、4つのフィルムストリップ張力調整用回転ローラとを含み、前記管芯エアシャフト、前記膜・感圧接着テープ複合プレスローラ、前記テープ管芯エアシャフトは、モータにより駆動され、前記膜・感圧接着テープ複合プレスローラは、前記管芯エアシャフトの45°斜め上方に設置され、2つのプレスローラの間の隙間は、PTFEベースのナノ機能複合膜厚さと感圧接着テープ厚さが複合した後の合計厚さに設置され、前記フィルムストリップ管芯回転軸と前記フィルムストリップ張力調整用回転ローラは、モータにより駆動されず、前記フィルムストリップ張力調整用回転ローラは、2つが上、2つが下に位置して∽状を呈して設置されること、を特徴とする請求項に記載のPTFEベースのナノ機能複合膜の製造方法。
【請求項3】
PTFEベースのナノ機能複合膜と感圧接着テープを複合する前に、膜管芯をモータに駆動されないフィルムストリップ管芯回転軸に嵌着し、PTFEベースのナノ機能複合膜ヘッドを、モータにより駆動された管芯エアシャフト上のPVC管芯に引いてテープ紙で貼り付けて固定し、PTFEベースのナノ機能複合膜は、同時にそれぞれフィルムストリップ張力調整用回転ローラの表面に密着し、テープは、モータにより駆動されたテープ管芯エアシャフトに嵌着し、一セグメントのテープを引き出して活性化構造層を有するPTFEベースのナノ機能複合表面に貼り付け、
前記PTFEベースのナノ機能複合膜と感圧接着テープを複合する時に、同じ回転速度のモータを設置して管芯エアシャフト、膜・感圧接着テープ複合プレスローラ及びテープ管芯エアシャフトを駆動し、かつモータを同期に起動し、テープ管芯エアシャフトは、モータにより駆動されて巻き取られたテープを解放し、膜・感圧接着テープ複合プレスローラは、モータにより駆動されてPTFEベースのナノ機能複合膜と感圧接着テープにロール複合を行い、管芯エアシャフトは、モータ駆動による牽引力により、複合後のPTFEベースのナノ機能複合膜・感圧接着テープ複合膜をPVC管芯に巻き取り、それと同時に、それぞれフィルムストリップ張力調整用回転ローラの表面に密着する膜は、一定の張力の作用でしわ現象を形成せずにPTFEベースのナノ機能複合膜と感圧接着テープの全体複合過程を完了すること、を特徴とする請求項に記載のPTFEベースのナノ機能複合膜の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高分子複合材料の技術分野に関し、特にPTFEベースのナノ機能複合膜の製造方法及び応用に関する。
【背景技術】
【0002】
「環境にやさしく調和した」風力発電は、資源的潜在力が大きく、技術が基本的に成熟したクリーンエネルギーであり、エネルギー構造の最適化、温室効果ガスの減少排出、気候変化の対処などの方面に重要な役割を果たしている。中国は、世界の一番目の風力発電設備の容量が2億キロワットを超える国であり、風力発電は、中国がエネルギー転換を推進する核心内容と気候変化に対処する重要な手段となり、生態優先、環境にやさしい発展を実現する重要な方法であり、中国がエネルギー生産及び消費革新を深く推進し、大気汚染の防止を促進する重要な手段である。
【0003】
しかしながら、世界的な範囲内で寒冷気候及び氷雪災害による風車用ブレードの凍結や動作停止イベントは、しばしば起こっている。関連資料によると、特別な天気で、例えば温度がゼロ摂氏度に近く、また凍雨又はみぞれのような高湿度を伴う場合、風車用ブレードがより着氷しやすい。ドイツのエンデックス会社(Nordex)は、ヨーロッパ及び北米地域の気候を調査し、気温が0℃より低い地域がヨーロッパ及び北米の面積の約半分を占め、毎年の冬が一ヶ月程度に達し、ヨーロッパ内陸、イギリスの北海及びその東部地域は、風車用ブレードの着氷問題が深刻である。アルシン山脈地域には明らかな冬着氷が存在し、東ユークリッド地域の冬に着氷現象が存在する。北米西海岸は、カリフォルニア寒流に影響されるため、米国で発電設備が一番多いカリフォルニアやオレゴンなどの地域は、着氷問題が深刻であることをもたらす。米国五大湖地域は、湖風の湿度が大きいため、ファンが冬に明らかに着氷する。
【0004】
中国は、世界一の風力発電設備大国であり、風車用ブレード表面の着氷問題は、同様に非常に顕著である。新疆ウイグル自治区の北部、内モンゴル、河北省北部の山岳地帯、山西省北西部、中国東北部、雲南省、貴州省、四川省、重慶市、湖北省、湖南省、江西省では、冬の間いつも明らかなファンのブレード着氷現象が存在している。寒冷気候地域及び高山林地域に位置する風力発電ユニットは、環境空気の湿度が大きく、冬季の温度が低く、昼夜の温度差が大きいため、毎年11月末から来年の2~3月間、特に南方地域の寒戻りの時期、ブレードの凍結が多発している。みぞれで気温が約0℃であり、降雪が粘稠である場合、風車用ブレード、風速風向計などの外部に露出した部材が大量の湿った雨雪混合物に包まれ、局所的な厚さが10cm以上に達し、気温の低下に伴い、風車用ブレード上の雨雪混合物が着氷し始め、ファンの出力が徐々に低下し、該風速での正常な出力に達することができない。特に、湖南省、湖北省、広東省や広東省、江西省、浙江省、安徽省、雲貴高原などの高度が高い山岳地帯や森林地帯の風車用ブレードの着氷は、着氷時間及び着氷程度の両方の点で、新疆ウイグル自治区の北部、内モンゴル、河北省北部の山岳地帯、山西省北西部、東北部に位置する風車用ブレードに比べて深刻である。
【0005】
風車用ブレードの着氷が最も多い領域は、ブレードの風上側面に集中され、かつブレード先端の着氷堆積がブレードの底部より大きく、着氷累積による不均一な荷重及び異なる厚さの着氷断面により、ブレードの従来の翼型が変化し、さらにユニットの出力電力に悪影響を与える。
【0006】
風車用ブレード着氷の危害は、主に以下の点を有する。静的及び動的不平衡荷重を増大させ、ユニットの振動が大きすぎ、ブレードの固有周波数を変更し、疲労荷重を増加させ、ブレードの曲げモーメントを増加させ、人身安全に危害を与える可能性がある。ブレードの氷結問題を解決することは、風力発電業界の世界範囲内の重要な課題であり、科学技術革新によりこの問題を効果的に解決することは、風力発電効果と安全性の両方を達成するための基本である。
【0007】
中国国外の科学研究機構及び風力発電業界は、風車用ブレード防除氷技術材料に対して常に関連する研究を行っている。中国国外の権威あるデータベース、関連ウェブサイト及び公開文献資料を検索すると、以下を発見した。特許文献1は、風力発電ブレードコーティングを発明し、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ドライアイス、炭素粉末、桐油、ポリビニルメチラール、ポリエーテルイミド、わら粉末、防腐剤、分散剤及びレベリング剤等を原料とし、多孔質超疎水性ポリフッ化ビニリデンフルオロフィルムコーティングを形成することにより、良好な着氷防止効果を達成すると期待されている。特許文献2は、同質二層SiO(二酸化ケイ素)とポリテトラフルオロエチレンが複合されたセルフクリーニング反射防止膜及び製造方法を開示してブレードの防氷に用いられ、該反射防止膜は、緻密な二酸化ケイ素層、多孔質二酸化ケイ素ナノロッド層及びポリテトラフルオロエチレンナノロッドで複合されて構成され、その製造方法は、電子ビーム蒸着方法を採用し、透明又は半透明基板に屈折率が段階的に減少する三層の緻密な二酸化ケイ素、多孔質二酸化ケイ素及びポリテトラフルオロエチレンナノロッド複合薄膜を順に堆積する。特許文献3は、ブレードの凍結防止のためのPFSA/PTFE複合膜を開示し、低沸点の有機アルコール溶剤の水溶液によりフルオロ硫酸物質を溶解し、次に溶液に高沸点有機溶剤及び二酸化ケイ素ゾルを添加し、膜製造用樹脂溶液に製造し、成膜機械は、ベースフィルム-延伸ポリテトラフルオロエチレン微孔性フィルムを牽引して成膜機械の支持ローラで動作し、ベースフィルムは、まず低濃度の樹脂溶液に浸漬し、次に40~100℃で乾燥し、乾燥後のベースフィルムは、高濃度の溶液に浸漬し続け、次に40~100℃で乾燥し、その後に高濃度の溶液に繰り返して浸潤して乾燥し、複合膜が所定の厚さに達するまで停止した後、複合膜をオーブンに入れて120~200℃で乾燥定型し、完全性の複合膜を得ることを含む。特許文献4は、ブレードの氷結防止のための多孔質PTFE膜を含む複合材料を開示し、該多孔質PTFE膜に含まれる中間PTFE膜は、約2ナノメートルから約20ナノメートルまでの孔径を有し、多孔質PTFE膜は、大きい孔径を有する多孔質フッ素含有ポリマー膜の間に挿設され接着される。デンマークのベスタスウィンドシステムズ有限会社による特許文献5は、風力タービンのブレード除氷の方法、風力タービン及びその使用方法を開示し、該方法は、風力タービンが一定の時間停止した後に風力タービンのブレードに除氷を行うために用いられ、ブレードに加速状態を形成しかつその後に減速状態を形成する方法により、形成された氷をブレードから振り落とすが、大型風力発電機にとっては、ブレードの根部の振幅が小さく、この解決手段を実現しにくい。
【0008】
中国の学術、科学研究機構及び風力発電業界も風車用ブレード防除着氷の関連研究を中断せず続けており、公開文献に報告された学術論文が数百件に達し、方法が機械、溶液、コーティング、熱気、マイクロ波、振動、電熱、超音波などの様々な除氷形式を含む。武漢大学の電気工学学院の姚剛らは、超疎水性ナノ複合材料を製造しかつそれの氷結への影響を研究するために、高速撹拌と超音波分散を組み合わせる方法を利用し、カップリング剤で処理されたナノSiO-xを、疎水性性能を有するフッ素化シリコーン樹脂に均一に分散させ、製造された超疎水性ナノ複合塗料は、ブレードの氷結防止に用いられる。中国特許201610675902.4は、風力発電ブレードの着氷防止のためのPTFE及びポリエステルに基づく複合膜の製造方法及び応用を開示し、接着複合剤を用いて積層複合を行い、界面接着剤を印加し、感圧接着剤を用いて光開始感圧接着剤を印加することを含み、ここで、接着複合剤は、3-イソシアネートメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、酢酸ビニル、カルバミン酸エチル、α-リノレン酸、過酸化ベンゾイル、(4)エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレートなどで構成され、光開始感圧接着剤は、ポリ(アクリル酸ブチルエステル-アクリル酸グリシジル-n-ブトキシメチルメタアクリルアミド)共重合体、アクリル酸ブチルエステル、(4)エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート、4、4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ジメチルホルムアミドなどで構成され、PTFEベースのポリエステル複合膜が接着剤を介して風力発電ブレードの表面に直接貼り付けることができない非粘着性の技術的問題を解決し、接着剥離強度を向上させ、様々な型番の風力発電ブレードの氷結防止に用いられる。中国特許201610670830.4は、風力発電ブレードの着氷防止用のナノ変性PTFE及びポリエステル系複合膜の製造方法及び応用を開示し、PTFE変性の膜への積層複合と光架橋接着剤の印加を含み、アンチモンドープ酸化スズナノ結晶、ナノ二酸化チタン、ナノ炭化ケイ素、有機フッ素防水剤、ペンタエリスリトールトリ(3アジリジニル)プロピオネートにより変性剤が構成され、積層複合膜は、3イソシアネートメチル3,5,5トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、酢酸ビニル、カルバミン酸エチル、αリノレン酸、(2)エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、過酸化ベンゾイルで構成され、光架橋接着剤は、ポリアクリル酸ブチル-メタクリル酸グリシジル-n-ブトキシメチルアクリルアミド共重合体、酢酸ビニル、アクリル酸ブチルエステル、アクリル酸エステル誘導体、光開始剤、ジメチルホルムアミドで構成され、変性PTFEとポリエステル系複合膜が接着剤により風車用ブレードの表面に直接貼り付けることができないという問題を解決する。非特許文献1に発表された「風車用ブレード着氷防止技術研究分析」という論文は、熱間プレス複合プロセスの作用で、製造されたナノ変性PTFE膜とポリエステル基織物を高温接着複合することにより、ナノ変性PTFE膜とポリエステル織物複合膜を製造し、風車用ブレードの氷結という世界難題を解決できる新世代の着氷防止の新しい材料及び新しい技術になることが期待される。中国特許201610675902.4は、風力発電ブレード用の着氷防止用のPTFEとポリエステルに基づく複合膜の製造方法及び応用を開示し、接着複合剤を用いて積層複合を行い、界面接着剤を印加し、感圧接着剤を用いて光開始感圧接着剤を印加することを含む。中国特許201610452541.7は、ブレードの氷結防止のための自己粘着性炭素繊維、鋼繊維改質ポリテトラフルオロエチレン材料及びその製造方法を開示し、鋼繊維、炭素繊維を使用してポリテトラフルオロエチレンの引張強度や摩擦性能を向上させ、同時に改良された溶融法を利用してSiO、Al粉末などのような細かい充填剤を高温でポリテトラフルオロエチレン表面に焼結し、ポリテトラフルオロエチレンの表面焼結状態を改善し、接着剤の接着強度を明らかに向上させる。中国特許201310018649.1は、ブレード氷結防止のためのPTFE自己接着軟質フィルムストリップの製造方法を開示し、それは、ポリテトラフルオロエチレン分散樹脂を採用し、一定量の有機シリコーン及び溶媒油を添加し、均一に混合し、50℃のオーブンで12h以上熟成し、熟成後の粉末材料を柱状ブランクに予圧し、押出機に入れて直径の大きさが20~25mmの円形帯状材料を押し出し、かつ温水に置いて保温し、次に大ローラ圧延機により薄膜にプレスし、油除去、横方向延伸、縦方向延伸及び横方向延伸、定型及び分割などの工程により、最終的に性能に優れた密封業界用のポリテトラフルオロエチレンフィルムストリップ製品を取得し、密度範囲が400~1100g/mであり、引張強度が15~25MPaである。中国特許201720057571.8は、ブレードの氷結防止のための光制御断熱膜を開示し、それは、内から外へ順にPET膜、二酸化チタン層、ポリテトラフルオロエチレン膜、ホットメルト接着剤層、PETベースフィルム、耐擦傷層及び赤外線遮断層である。中国特許201610990370.3は、ブレード防氷用の二層紡糸膜及びその製造方法を開示し、前記防氷二層紡糸膜の上層は、二酸化ケイ素コーティングがスプレーされた超疎水性紡糸膜であり、下層は、防氷液が注入された親水性紡糸膜である。長沙理工大学の劉勝先らは、異なる氷結状態での風車用ブレードの動力特性に対するシミュレーション実験分析により、ブレード氷結の状態パラメータを定義し、シミュレーション計算してブレードの氷結状態での特徴値指標を得て、振動検出に基づく風力タービンブレードの着氷状態診断技術を研究した。金風科技は、電熱除氷の技術的解決手段を開発し、ブレードコーティング内に炭素繊維電熱膜又は抵抗線等の加熱素子を予め埋設し、例えば、炭素繊維、発熱抵抗、金属加熱網、導電性加熱膜又は他の加熱素子等であり、過熱保護コンバータ、電源等と電熱防除氷システムを構成し、電気加熱による温度の向上によりブレード表面の氷結を融解し、防除氷効果を達成する。運達風電は、ブレードキャビティ内に電気加熱による熱気を入力して除氷を行う技術を開発し、ブレードキャビティ内に熱気通気管路を配置し、ファンハブ内に加熱装置を増設することにより、熱気又は他の放射源により加熱された熱気が通気管路内を循環し、ブレードハウジングにより熱量をブレードの外表面に伝達することにより、ブレードが一定の温度を有し、熱気の作用でブレードを間接的に加熱し、過冷却水滴の凍結を阻止し、氷防除の目的を達成する。
【0009】
前記のように、中国国内外の風車用ブレードの氷防除の技術的方法は、まとめて複数種があるが、実践により、これらの技術的方法において、基礎研究のみにあるものがあり、試験的な応用を行ったが結氷防除の理想的な効果に達成できない問題が存在するものがあることが分かった。ここで、特に抵抗線、電熱風の電熱防除氷方法は、防除氷効果が明らかではない以外に、各ブレードに重量を200kg増加させ、機械全体のブレードに重量を600kg増加させ、風車用ブレードの重量負荷を増加させ、工場の電気消費率を8~10%以上に向上させ、一枚のブレードが電気加熱故障又は失敗すれば、電気加熱除氷システム全体は、運転を停止する必要があり、そうでなければブレードが氷結による質量の違いによりカウンタウエイトの不均衡、重心のひどいずれを引き起こして故障又は事故を引き起こし、同時に抵抗線電熱防除氷システムに被雷する安全上事故が発生する。
【0010】
風車用ブレードは、湿った空気、雨水、塩水噴霧、氷雪、過冷却水滴に遭うと、凍結現象が発生し、かつ氷結は、着氷を形成しやすく、氷体が硬く、粘着力が強く、除去しにくいなどの特徴を有する。同時に、風力発電所の自然環境では、ブレードは、風や雨に含まれるほこり、氷の結晶、雹、凍雨、雨滴などの粒子によるさまざまな程度の衝撃侵食を受け、運転中、これらの物質のブレード表面に対する摩擦、及び雷電アークの衝撃を受ける。特に、ブレード先端部位は、線速度が相対的に高い(長さが51mのブレードは、運転時のブレード先端の相対的な線速度が280~300km/hに達する)。したがって、風車用ブレードの着氷防止材料は、低い表面固体張力及び高潤滑性能が多重ナノスケール及びミクロンスケールサイズを有する凹凸幾何学的超微細構造形態と互いに結合する超低表面張力及び非粘着性能を有するだけでなく、強い耐摩擦性、耐摩耗靭性及び耐衝撃強度性能を有する必要がある。
【0011】
したがって、PTFEの認められた低い表面固体張力及び高潤滑性能だけによっても、氷結晶の風車用ブレード表面に粘着して着氷を形成することを抵抗できず、このような現象は、特にブレードの前縁部位が最も深刻であり、さらに風車用ブレード表面の結氷を徹底的に防除する理想的な効果及び目的を達成することができない。PTFEに変性処理を行うと、製造された、PTFEベースの膜が所有する低表面張力性能の利点を大幅に低下させ、さらにもともとのブレード凍結防止の非粘着性機能効果を大幅に低下させる。PTFEに変性処理を行わないと、製造されたPTFEに基づく膜は、風車用ブレードの表面に直接強固に接着することを実現することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【文献】特開2003-113254号公報
【文献】国際公開第2006/058233号明細書
【文献】米国特許出願公開第2017/0028361号明細書
【文献】欧州特許出願公開第2767330号明細書
【文献】中国特許出願公開第101821500号明細書
【非特許文献】
【0013】
【文献】「風力エネルギー」2016年09期
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0014】
以上の技術的問題を解決するために、本発明は、PTFEベースのナノ機能複合膜の製造方法を提供し、
PTFEを軟化する作用を有するビニルシリコーンオイルでPTFE樹脂を浸潤し、浸潤後のPTFE樹脂を混合し、温度が60~90℃で、速度が20~30m/minで、圧力が5~8MPaである熱予圧、熱押圧により、単量体重合PTFE棒材を製造するという混合、予圧、押圧による、棒材製造1)と、
製造されたPTFE棒材に熱間圧延作用下で融合重合を行い、熱間圧延温度が60~90℃であり、速度が20~30m/minであり、PTFE樹脂にドープされ単量体重合作用を有する一部のビニルシリコーンオイルを熱間圧延機で押し出し、ミクロンスケールサイズの孔隙を有するPTFEベースのナノ機能複合膜を製造し、PTFEベースのナノ機能複合膜の厚さが100~120umであり、膜の色が乳白色を呈し、走査型電子顕微鏡立体イメージングで、膜の表面形態が経緯方向に均一に分布した、平均大きさが20~40umで、高さが10~20umで、間隔が30~50umのミクロンスケールサイズの微細凹凸表面構造として示すという熱間圧延融合重合による、膜の製造2)と、
ミクロンスケールサイズの微細凹凸表面構造を有するPTFEベースのナノ機能複合膜を油除去オーブン内で6~8m/minの速度で微量重合を行い、油除去オーブン内の温度が180~200℃であり、熱間圧延機で押し出されずPTFE樹脂にドープされて単量体重合を行う一部のビニルシリコーンオイルを温度作用により重合反応させてPTFE樹脂内に重合して固結させ、同均質のPTFEベースのナノ機能複合膜を製造し、油除去オーブン外に設置されたローラが回転することにより牽引して巻き取るという微量重合による、同均質膜の製造3)と、
を含む単量体融合重合と微量重合による、PTFEベースのナノ機能複合膜の製造ステップ(1)と、
高温高線圧力微共晶チャンバ内の温度を70~420℃に設定し、PTFEベースのナノ機能複合膜をチャンバ内の無動力ローラホルダに水平に広げ、チャンバ外に設置されたロールが回転することにより均一な力で牽引して引き、6~8m/minの速度で前方に向かって押し、チャンバ内の高温により膜分子鎖を収縮させかつ共晶を生成させ、微細孔隙がナノスケール及びサブミクロンスケールのサイズになり、PTFE膜表面線圧力を50~80N/mに制御し、膜幅を縮小し、密度を向上させ、膜が乳白色から透明色でかつ透明度が均一で一致する共結晶となり、ナノスケールの高分子凝集体及び表面の平均サイズが10~20umであり、高さが5~10umであり、間隔が10~20umであるナノスケール及びミクロンスケールのサイズの凹凸幾何学的超微細構造の表面形態を有する高温高線圧力微共晶による、PTFEベースのナノ機能複合膜の製造ステップ(2)と、
PTFEベースのナノ機能複合膜のナノスケール及びミクロンスケールのサイズの凹凸幾何学的超微細構造の形態の機能面にPE膜により被覆処理を行った後、接着剤が塗布されたPTFEベースのナノ機能複合膜の片面に対して、真空環境下で40℃より低い窒素水素混合媒体雰囲気で、1.5~3m/minの速度で表面活性化処理を行い、PTFEベースのナノ機能複合膜のサイジング面にナノスケールの深さを有する活性化構造層を生成させ、活性化構造層を有する膜表面に接着剤を塗布し、接着剤の特性基をPTFEベースのナノ機能複合膜の活性化構造層と化学結合作用を発生させ、膜・接着剤複合体を形成するナノスケールの深さ表面活性化による、PTFEベースのナノ機能複合膜の製造ステップ(3)と、
を含む。
【0015】
(発明の効果)
本発明は、PTFEベースの材料の低表面張力性能を十分に利用する上で、単量体融合重合及び微量重合の技術的方法を採用し、膜を多重ナノスケール及びミクロンスケールサイズを有する凹凸幾何学的超微細構造の表面形態に製造し、膜表面に超低表面張力及び非粘着性を有させる。高温高線圧力微共晶の技術的方法を採用して膜構造の強度を強化し、膜に高い耐摩擦性、耐摩耗靭性及び耐衝撃性能を有させる。ナノ深度表面活性化の技術的方法を採用して膜に接着剤と化学結合を発生させ、接着強度及び接着剥離力と接着力の耐久性を向上させる。同時に、PTFEベースの膜の性能特性、応用要件、使用環境に対して、冷間貼り付け機能を有する高靭性冷間接着剤を「カスタマイズ」し、膜・接着剤複合装置により接着剤を、活性化構造を有する膜表面に複合し、冷間貼り付け接着を直接的に行うことができ、膜が風車用ブレードに接着した後、接着剤が常に靭性状態にあり、高い接着強度及び持続的な接着剥離力を有する。
【0016】
本発明のさらに限定された技術的解決手段は、以下のとおりである。
前記PTFEベースのナノ機能複合膜の製造方法において、接着剤の製造及び印加は、以下のとおりである。
0.2kgのPVA-1788、18kgのアクリル酸ブチルエステル、0.5kgのアクリル酸、1.0kgの酢酸ビニル、1.0kgのメチルメタクリレート、1.5kgのシリコーン単量体、0.01kgのTO-7、0.01kgのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、0.05kgの過酸化ベンゾイル、80kgの水を製造タンクに添加し、製造温度が85℃であり、製造時間が5hであり、真空引き及び水除去後、固形分含有量が18.7%のテープ状の感圧接着テープを製造し、離型紙を複合した後にPVC管芯に巻き取り、
膜・接着剤複合装置により接着剤テープをPTFEベースのナノ機能複合膜の活性化構造層を有する膜接着機能面に直接移動複合する。
【0017】
前記PTFEベースのナノ機能複合膜の製造方法において、膜・接着剤複合装置は、膜及びテープを牽引する作用を果たす管芯エアシャフトと、1セットの膜・接着剤複合プレスローラと、テープ管芯エアシャフトと、フィルムストリップ管芯回転軸と、4つのフィルムストリップ張力及び整理回転ローラとを含み、前記管芯エアシャフト、前記接着剤複合プレスローラ、前記テープ管芯エアシャフトは、モータにより駆動され、前記膜・接着剤複合プレスローラは、前記管芯エアシャフトの45°斜め上方に設置され、2つのプレスローラの間の隙間は、膜厚さと接着剤厚さが複合した後の合計厚さに設置され、前記フィルムストリップ管芯回転軸と前記フィルムストリップ張力及び整理回転ローラは、モータにより駆動されず、前記フィルムストリップ張力及び整理回転ローラは、2つが上、2つが下に位置して∽状を呈して設置される。
【0018】
前記PTFEベースのナノ機能複合膜の製造方法において、膜と接着剤を複合する前に、膜管芯をモータに駆動されないフィルムストリップ管芯回転軸に嵌着し、膜ヘッドを、モータにより駆動された管芯エアシャフト上のPVC管芯に引いてテープ紙で貼り付けて固定し、膜は、同時にそれぞれフィルムストリップ張力及び整理回転ローラの表面に密着し、テープは、モータにより駆動されたテープ管芯エアシャフトに嵌着し、一セグメントのテープを引き出して活性化構造層を有する膜表面に貼り付け、
膜と接着剤を複合する時に、同じ回転速度のモータを設置して管芯エアシャフト、膜・接着剤複合プレスローラ及びテープ管芯エアシャフトを駆動し、かつモータを同期に起動し、テープ管芯エアシャフトは、モータにより駆動されて巻き取られたテープを解放し、膜・接着剤複合プレスローラは、モータにより駆動されて膜と接着剤にロール複合を行い、管芯エアシャフトは、モータ駆動による牽引力により、複合後の膜・接着剤複合膜をPVC管芯に巻き取り、それと同時に、それぞれフィルムストリップ張力及び整理回転ローラの表面に密着する膜は、一定の張力の作用でしわ現象を形成せずに膜と接着剤の全体複合過程を完了する。
【0019】
本発明の他の目的は、PTFEベースのナノ機能複合膜の応用を提供し、稼働中風車用ブレードに応用され、高空膜貼り付けを行う場合、まずブレードの先端を地面に垂直にし、かつ風力発電ユニットの塔体と平行にし、ブレードを高空吊りかごの中間に貫通させ、膜貼り付けは、裁断スプライス貼り付け及び巻き付け貼り付けの二種類の方法を採用し、四人で同時に行い、そのうちの一人は、膜を広げて貼り付け基準線に位置合わせすることを担当し、一人は、膜の貼り付け時の平滑度を整理することを担当し、一人は、膜とブレードのベース層との間の空気を排除し、かつ貼り付けスクレーパで接着することを担当し、一人は、勤務サービスと施工の協力を担当する。膜貼り付けフロー及び方法は、同様に未使用の風車用ブレードに適用される。具体的には、
手持ち式研磨機でブレードの表面に平坦度や平滑度処理を行い、同時にベース層面に貼り付けられた一部の老化したコーティングを除去することにより、PTFEベースのナノ機能複合膜の接着要件条件を満たすブレード表面の研磨処理ステップ(1)と、
膜の幅に応じて、ブレード先端の前縁部から、膜を横方向に翼型のアタック角、撓み及び曲率に沿って裁断し、各膜を個別に裁断し、翼型、アタック角、撓み、サイズに合致する膜に裁断した後に貼り付けを行い、
膜を貼り付ける時、膜を後縁SS面から前縁PS面に向かって貼り付け、前縁PS面部位の膜は、後縁SS面部位の膜に重ね継ぐべきであり、二つの膜の横方向の当接は、ずれて同じ位置に設置しない必要があるブレードの先端部位へ裁断スプライス貼り付けの採用1)と、
ブレードの翼型、弦長、撓み、曲率、アタック角度のサイズが巻き付け貼り付けに適する場合、膜をブレードに横方向に巻き付ける方式で貼り付け接着を行い、
膜に巻き付け貼り付けを行う時、まず膜を広げ、表面の離型紙を引き捨て、膜を膜貼り付け治具のニップロールの間に貫通させ、両手で引っ張った後に膜に一定の張力を与え、離型紙を引き捨てながら、膜に巻き付け貼り付けを行い、
ブレード先端部位で貼り付けて接着された最後の膜の縦横方向縁部を巻き付け貼り付け基準線とし、かつ基準線に合わせて膜を徐々に広げて巻き付け貼り付け接着を行いし、開始位置から膜貼り付けブレードで膜の幅全体に応じて、貼り付け面の後方すなわち膜の未展開方向に向かって均一に膜とベース層との間の空気を除去しながら、力を入れて膜をブレードの表面に接着し、膜とブレードとの間の空気を徹底的に除去する必要があり、上層の膜の重ね継ぎが次の層の膜の重ね継ぎ部位の表面を押さえ、すなわち巻き付け貼り付けされた膜が、ブレード部位が接着された後の膜に重ね継がれる必要があり、膜の全ての横方向重ね継ぎすなわち膜と膜との継手がいずれもブレードの後縁SS面に設置される、巻き付け貼り付け2)と、
まず、膜を避雷器の表面から直接被覆して貼り付け、膜全体の貼り付けが終了する前に、避雷器に被覆された膜を一つずつ切断し、避雷器を露出させ、かつ継ぎ目での膜を押し固めて平坦化する、ブレードの避雷器での膜の処理3)と、
当接箇所の接着が厳密であるか否かを注意深くチェックし、重ね継ぎが不厳密である状況を発見すると、しわ、膨らみ、発泡、凹凸で、平坦でない現象が発生しないようにタイムリー押し固めや平坦化処理を行うべきである、膜の重ね継ぎ及び巻き取り処理4)と、
施工中に膜が破断される状況が発生した場合、一枚の全体幅の膜を裁断し、破断位置の全部部位の表面に横方向に巻き付けて貼り付けて接着して貼り付け補修を行う膜破損の補修処理5)と、
を含む膜貼り付けステップ(2)と、
を含む。
【0020】
前記PTFEベースのナノ機能複合膜の応用において、ブレード先端部位に裁断スプライス貼り付けを行う時、膜の横方向重ね継ぎ(二枚の膜の接続部)の幅は、150~200mmであり、貼り付けられた第一枚の膜の縁部を基準線とし、第二枚の膜の重ね継ぎは、第一枚の膜の150~190mmの継手及び縁部に押圧され、膜の縦方向重ね継ぎは、10~40mmである。
【0021】
前記PTFEベースのナノ機能複合膜の応用において、膜に巻き付け貼り付けを行う時、膜の横方向重ね継ぎの幅は、10~40mmである。
【0022】
前記PTFEベースのナノ機能複合膜の応用において、ブレード先端部位裁断スプライス貼り付け及び巻き付け貼り付けを行う時、膜が広げられた後にしわ現象が発生することを回避するように、力を入れて横方向に膜を広げることを禁止し、膜が自然な平滑状態でそのまま貼り付けを行う必要がある。
【0023】
前記PTFEベースのナノ機能複合膜の応用において、ブレード先端部位に裁断スプライス貼り付け及び巻き付け貼り付けを行う時、皺、中が膨らんだか、又は、基準線に位置合わせせず、膜が滑らかでないか又は変形するという状況が発生することを発見する場合、膜の貼り付け品質に悪影響を与えないように、まだ広げていない膜全体を皺、中が膨らんだ位置に徐々に持ち上げ、その後あらためて貼り付ける。
【発明の効果】
【0024】
本発明の有益な効果は、以下のとおりである。
(1)本発明は、単量体融合重合及び微量重合方法を採用し、PTFEが有する低表面張力及び高潤滑性のうえに、PTFEを、多重ナノスケール及びミクロンスケールサイズを有する凹凸幾何学的超微細構造形態のPTFEベースのナノ機能複合膜に製造し、それにより膜は、超低表面張力、疎水性、非粘着性、高耐汚染性、耐吸湿性及び自己洗浄性などの機能特性を有し、氷が膜表面に粘着しにくく、又は粘着が形成されても、粘着力が極めて低く膜表面から自動的に離脱することができ、さらに風車用ブレード表面の氷結を確実に防除できるという効果及び目的を達成する。
【0025】
(2)本発明は、高温高線圧力微共晶によりPTFEベースのナノ機能複合膜を製造し、PTFEが温度及び熱間圧延の引張力の作用下で、膜が裂ける時に、層状剥離が発生して繊維織物状構造を呈して、微細孔隙ナノスケール及びミクロンスケールのサイズの凹凸幾何学的超微細構造形態を有するPTFEベースのナノ機能複合膜の耐摩耗性、耐摩耗靭性、耐衝撃性及び高強度構造表面及び膜の高透明度を向上させる。温度及び圧力の作用下で、圧力の変化により、PTFE膜に印加された線圧力が変化し、温度の流動性作用により、PTFE膜内の高分子に配向配列及び配向が発生し、多重微共晶構造を形成し、多重微共晶分子構造が互いに平行に配列されかつ熱収縮率の差異が異なり、PTFEベースのナノ機能複合膜の孔隙が小さくなり、透明度が向上し、かつ透明度が一致性を有する。PTFEベースのナノ機能複合膜が、超微細構造表面形態を保持すると同時に、膜に高い耐摩擦性、耐摩耗靭性及び耐衝撃性を有させる。
【0026】
(3)本発明は、ナノ深度表面活性化によりPTFEベースのナノ機能複合膜を製造し、PTFE材料がいかなる材料に接着されない、という技術的難題を解決し、PTFEベースのナノ機能複合膜は、媒体雰囲気で、表面にナノ深度を有する活性構造層を生成でき、活性構造層が接着剤の特性基と化学結合作用を生成でき、膜と接着剤との間に非常に強い親和性及び高強度接着性能を生成し、膜・接着剤複合体を形成し、膜/接着剤複合、膜/膜接着複合、膜/接着ベース層接着後の一体化を実現し、同時に接着剤の接着強度、接着剥離力及びその接着力の耐久性を向上させる。
【0027】
(4)本発明における接着剤は、PTFEベースのナノ機能複合膜の性能特性、応用要件、使用環境に対して、専門的に「カスタマイズ」された、冷間接着機能を有する高靭性冷間接着剤であり、PTFE材料自体は、いかなる接着材料も直接接着できないという特性を有し、単量体融合重合及び微量重合により製造された、ナノスケール及びミクロンスケールのサイズの凹凸幾何学的超微細構造形態特徴を有するPTFEベースのナノ機能複合膜は、高温高線圧力微共晶の後、高い耐摩耗強度及び透明度を有するPTFE材料を含み、接着に適切な接着剤を用意することが困難であり、かつ、優れた接着性能を得るのは、さらに困難である。本発明の高靭性冷間接着剤は、冷間接着を直接行うことができ、剥離強度が高く、引張破断伸び率及び耐衝撃強度が大きく、硬度及び引張弾性率が相対的に小さく、耐紫外線老化及び耐老化時間が長く、明らかな塑性変形特性がなく、熱膨張及び冷収縮応力が接着剤の弾性限度未満であるため、接着剤が常に靭性状態にあるなどの特性を有し、高い接着強度及び持続的な接着剥離力を有し、接着後の接着剤が常に靭性状態にある。
【0028】
(5)本発明は、様々な風車用ブレードの冬季氷結防止及び風車用ブレードの塩水噴霧腐食防止に適用可能であるとともに、風車用ブレードの翼型の空気圧性能を改善し、ブレード全体の表面強度を強化し、ブレードが老化、腐食しないように保護し、洋上風力発電、洋上プラットフォームの鋼管杭の海洋汚損や生物付着防止及び腐食防止、高圧送電鉄塔の積雪防止及び凍結防止、橋梁(ケーブルステイ、吊りケーブル)の積雪防止及び凍結防止などの業界分野に直接的に拡張して応用できる新世代の多機能複合膜材料である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】走査型電子顕微鏡SEMでの膜表面のナノスケール及びミクロンスケールのサイズの凹凸幾何学的超微細構造の表面形態である。
図2】膜表面のKRUSSDSA-100接触角テスターでの膜表面の水接触角である。
図3a】走査型電子顕微鏡SEMでの膜表面のナノ深度活性構造層の処理前の膜表面である。
図3b】走査型電子顕微鏡SEMでの膜表面のナノ深度活性構造層の処理後の膜表面である。
図4a】風車用ブレードでの工事応用方法である。
図4b】風車用ブレードでの工事応用方法である。
図4c】風車用ブレードでの工事応用方法である。
図4d】風車用ブレードでの工事応用方法である。
図4e】風車用ブレードでの工事応用方法である。
図4f】風車用ブレードでの工事応用方法である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
[実施例1]
本実施例が提供するPTFEベースのナノ機能複合膜の製造方法は、
PTFEを軟化する作用を有するビニルシリコーンオイルでPTFE樹脂を浸潤し、採用されたPTFE樹脂がポリテトラフルオロエチレン分散樹脂の粒子粉末材料であり、ビニルシリコーンオイルとPTFE樹脂を質量比3:100に応じて混入し、浸潤後のPTFE樹脂を混合し、温度が60℃で、速度が25m/minで、圧力が8MPaである熱予圧、熱押圧により、単量体が重合した、Φ17mmのPTFE棒材を製造し、PTFE棒材が同時に高表面潤滑性を有するという混合、予圧、押圧による、棒材製造1)と、
製造されたPTFE棒材に熱間圧延作用下で融合重合を行い、熱間圧延温度が60℃であり、速度が25m/minであり、PTFE樹脂にドープされ単量体重合作用を有する一部のビニルシリコーンオイルを熱間圧延機で押し出し、ミクロンスケールサイズの孔隙を有するPTFEベースのナノ機能複合膜を製造し、
PTFEベースのナノ機能複合膜の厚さが100umであり、密度が2.1kg/mであり、膜の色が乳白色を呈し、走査型電子顕微鏡立体イメージングで、膜の表面形態が経緯方向に均一に分布した、平均大きさが20~40umで、高さが10~20umで、間隔が30~50umのミクロンスケールサイズの微細凹凸表面構造として示す熱間圧延融合重合による、膜の製造2)と、
ミクロンスケールサイズの微細凹凸表面構造を有するPTFEベースのナノ機能複合膜を油除去オーブン内で6m/minの速度で微量重合を行い、油除去オーブン内の温度が190℃であり、熱間圧延機で押し出されずPTFE樹脂にドープされて単量体重合を行う一部のビニルシリコーンオイルを温度作用により重合反応させてPTFE樹脂内に重合して固結させ、同均質のPTFEベースのナノ機能複合膜を製造し、油除去オーブン外に設置されたローラが回転することにより牽引して巻き取る微量重合による同均質膜の製造3)と、
を含む単量体融合重合と微量重合によるPTFEベースのナノ機能複合膜の製造ステップ(1)と、
高温高線圧力微共晶チャンバ内の温度を380℃に設定し、PTFEベースのナノ機能複合膜をチャンバ内の無動力ローラホルダに水平に広げ、チャンバ外に設置されたロールが回転することにより均一な力で牽引して引き、6m/minの速度で前方に向かって押し、チャンバ内の高温により膜分子鎖を収縮させかつ共晶を生成させ、微細孔隙がナノスケール及びサブミクロンスケールのサイズになり、PTFE膜表面線圧力を60N/mに制御し、膜幅を260mmから200mmに縮小し、膜が乳白色から透明色でかつ透明度が均一で一致する共結晶となり、強い耐摩擦性、耐摩耗靭性及び耐衝撃性能を有すると同時に、PTFEベースのナノ機能複合膜のナノスケールの高分子凝集体及び表面の平均サイズが10~20umであり、高さが5~10umであり、間隔が10~20umであるナノスケール及びミクロンスケールのサイズの凹凸幾何学的超微細構造の表面形態の剛性を強化する高温高線圧力微共晶による、PTFEベースのナノ機能複合膜の製造ステップ(2)と、
PTFEベースのナノ機能複合膜のナノスケール及びミクロンスケールのサイズの凹凸幾何学的超微細表面構造の形態の機能面にPE膜により被覆処理を行った後、接着剤が塗布されたPTFEベースのナノ機能複合膜の片面に対して、真空環境下で40℃より低い窒素水素混合媒体雰囲気で、3m/minの速度で表面活性化処理を行い、PTFEベースのナノ機能複合膜のサイジング面にナノスケールの深さを有する活性化構造層を生成させ、図3に示すとりであり、活性化構造層を有する膜表面に接着剤を塗布し、接着剤の特性基をPTFEベースのナノ機能複合膜の活性化構造層と化学結合作用を発生させ、膜と接着剤との間に非常に強い親和性及び高強度接着性能を生成し、膜・接着剤複合体を形成するナノ深度表面活性化によるPTFEベースのナノ機能複合膜の製造ステップ(3)と、を含み、膜/接着剤、膜/膜、膜/接着ベース層接着後の一体化を実現し、さらに、PTFE材料と接着可能な材料が存在しないという問題を解決する。
【0031】
膜と接着剤を複合する前に、膜管芯をモータに駆動されないフィルムストリップ管芯回転軸に嵌着し、膜ヘッドを、モータにより駆動された管芯エアシャフト上のPVC管芯に引いてテープ紙で貼り付けて固定し、膜は、同時にそれぞれフィルムストリップ張力及び整理回転ローラの表面に密着し、テープは、モータにより駆動されたテープ管芯エアシャフトに嵌着し、一セグメントのテープを引き出して活性化構造層を有する膜表面に貼り付け、膜と接着剤を複合する時に、同じ回転速度のモータを設置して管芯エアシャフト、膜・接着剤複合プレスローラ及びテープ管芯エアシャフトを駆動し、かつモータを同期に起動し、テープ管芯エアシャフトは、モータにより駆動されて巻き取られたテープを解放し、膜・接着剤複合プレスローラは、モータにより駆動されて膜と接着剤にロール複合を行い、管芯エアシャフトは、モータ駆動による牽引力により、複合後の膜・接着剤複合膜をPVC管芯に巻き取り、それと同時に、それぞれフィルムストリップ張力及び整理回転ローラの表面に密着する膜は、一定の張力の作用でしわ現象を形成せずに膜と接着剤の全体複合過程を完了する。
【0032】
上記接着剤の製造及び塗布において、
0.2kgのPVA-1788、18kgのアクリル酸ブチルエステル、0.5kgのアクリル酸、1.0kgの酢酸ビニル、1.0kgのメチルメタクリレート、1.5kgのシリコーン単量体、0.01kgのTO-7、0.01kgのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、0.05kgの過酸化ベンゾイル、80kgの水を製造タンクに添加し、製造温度が85℃であり、製造時間が5hであり、真空引き及び水除去後、固形分含有量が18.7%のテープ状の感圧接着テープを製造し、離型紙を複合した後にPVC管芯に巻き取る。
【0033】
膜・接着剤複合装置により接着剤テープをPTFEベースのナノ機能複合膜の活性化構造層を有する膜接着機能面に直接移動複合する。膜・接着剤複合装置は、膜及びテープを牽引する作用を果たす管芯エアシャフトと、1セットの膜・接着剤複合プレスローラと、テープ管芯エアシャフトと、フィルムストリップ管芯回転軸と、4つのフィルムストリップ張力及び整理回転ローラとを含み、前記管芯エアシャフト、前記接着剤複合プレスローラ、前記テープ管芯エアシャフトは、モータにより駆動され、前記膜・接着剤複合プレスローラは、前記管芯エアシャフトの45°斜め上方に設置され、2つのプレスローラの間の隙間は、膜厚さと接着剤厚さが複合した後の合計厚さに設置され、前記フィルムストリップ管芯回転軸と前記フィルムストリップ張力及び整理回転ローラは、モータにより駆動されず、前記フィルムストリップ張力及び整理回転ローラは、2つが上、2つが下に位置して∽状を呈して設置される。
【0034】
上記方法で製造して得られたPTFE膜の5つの試料に対して各性能試験を行い、結果は以下のとおりである。その一、膜の平均厚さが100umである。その二、膜の平均重量が210g/mである。その三、接着剤の接着剥離力が50Nであり、180°接着剥離強度が1000N/mである。その四、14400hのキセノンランプ老化試験、凍結融解サイクル性能試験(温度-60℃~150℃、湿度5~98%)、オゾン老化試験、紫外線老化試験、人工雰囲気腐食及び海塩溶液浸漬試験により、老化前後の引張強度の平均値が25MPaであり、伸び率の平均値>90%であり、いずれも老化現象が発生しない。その五、GB/T9266-2009「建築外壁塗料コーティングの耐洗浄性の測定」方法により、37回/minの循環往復摩擦40000回を経た後、膜表面にきしみ現象が発生せず、底材が露出した程度の破損現象が観察されておらず、強い耐摩耗性を有する。その六、動的風圧試験プラットフォームを用いて36.9m/sの風速(12級台風)をシミュレーションして動的風圧試験を行って耐雨水洗浄性能を試験し、1000hの強い風速で水を吹いて試験し、膜表面にきしみ現象が発生せず、優れた耐雨食性能を有する。その七、図1に示すように、走査型電子顕微鏡SEMを用いて膜表面の形態を試験し、膜表面の形態が経緯方向に均一に分布した、平均大きさが20~40umで、高さが10~20umで、間隔が30~50umであるミクロンスケールサイズの微細凹凸表面構造として示される。その八、図2に示すように、水接触角テスターを用いて測定された膜表面の水滴接触角が115.89°~125.46°である。その九、表面粗さ計を用いて測定された膜表面の粗さの平均値が0.18umである。
【0035】
したがって、製造して得られたPTFEベースのナノ機能複合膜は、以下の利点を有する。
【0036】
1)PTFEの潤滑性及び低表面張力という一項の性能のみを利用して非粘着性の目的を達成することではなく、PTFEを変性しないことにより、膜をナノスケール及びミクロンスケールのサイズの凹凸幾何学的超微細構造の表面形態に製造し、図1~3に示すように、膜に超低表面固体張力を有させ、疎水性がより高く、非粘着性及び高耐汚染性がより高く、膜表面が同時に自己洗浄機能を有し、これは他の手段とは比べものにならない。
【0037】
2)超高温高圧により製造して得られた膜は、高い耐摩擦性、耐摩耗靭性及び耐衝撃性を有し、さらに砂塵、雹、凍雨、雨食の摩擦や衝撃に抵抗する能力及び雷電アークの衝撃に抵抗する能力の機能特性を有することにより、それは、風車用ブレード先端が300km/hの線速度で摩耗なく長期間使用することができ、同時に不燃焼性特性を有し、雷電アークの衝撃により燃焼を引き起こすことがない。
【0038】
3)貼り付けブレードの元の表面の色を変更することがない。
【0039】
4)膜の厚さが100umであり、重量が210g/mであり、表面粗さが0.18umであり、風車用ブレードの荷重を増加させず、ブレードの翼型の空気圧性能を改善し、ブレードの運転効率を向上させることができる。
【0040】
5)PTFE材料を変性することなく接着剤の特性基と化学結合を行うことができ、接着剤と膜との間に非常に強い親和性及び接着強度を生成させ、接着剤の選択範囲を広げる。
【0041】
6)PTFE材料の優れた耐紫外線及び耐候性を有し、ブレードの保護コートに相当し、ブレードの表面強度を向上させ、全体的な固定作用を果たし、ブレード全体の耐荷能力及び耐腐食能力を向上させ、ブレードの老化、割れ等の安全上の潜在的な危険を除去し、さらに風車用ブレードの耐用年数を延長することができる。
【0042】
[実施例2]
本実施例は、実施例1を使用中風車用ブレードにおける応用であり、図4に示すように、風車用ブレードの翼型の弦長、撓み、曲率の特徴及び工事施工の利便性に応じて、まずブレードの先端を地面に垂直にし、かつ風力発電ユニットの塔体と平行にし、ブレードを高空吊りかごの中間に貫通させ、膜貼り付けは、裁断スプライス貼り付け及び巻き付け貼り付けの二種類の方法を採用し、四人で同時に行い、そのうちの一人は、膜を広げて貼り付け基準線に位置合わせすることを担当し、一人は、膜の貼り付け時の平滑度を整理することを担当し、一人は、膜とブレードのベース層との間の空気を排除し、かつ貼り付けスクレーパで接着することを担当し、一人は、勤務サービスと施工の協力を担当する。膜貼り付けフロー及び方法は、同様に未使用の風車用ブレードに適用される。具体的には、
手持ち式研磨機でブレードの表面に平坦度や平滑度処理を行い、同時にベース層面に貼り付けられた一部の老化したコーティングを除去することにより、PTFEベースのナノ機能複合膜の接着要件条件を満たすブレード表面の研磨処理ステップ(1)と、
図4aに示すように、膜の幅に応じて、ブレード先端の前縁部から、膜を横方向に翼型のアタック角、撓み及び曲率に沿って裁断し、各膜を個別に裁断し、翼型、アタック角、撓み、サイズに合致する膜に裁断した後に貼り付けを行い、
膜を貼り付ける時、膜を後縁SS面(受風面)から前縁PS面(風上側面)に向かって貼り付け、前縁PS面部位の膜は、後縁SS面部位の膜に当接すべきであり、二つの膜の横方向の当接は、15cmずれて同じ位置に設置しない必要があり、膜の横方向の重ね継ぎ幅が20mmであり、貼り付けられた第一枚の膜の縁部を基準線とし、第二枚の膜を第一枚の膜の縁部から10mm離れた位置に重ね継ぎ押圧し、膜の縦方向の重ね継ぎが10mmであり、これによって類推し、膜のブレードでの逆水が形成されることがないという、ブレードの先端部位へ裁断スプライス貼り付けの採用1)と、
図4b、4cに示すように、ブレード先端からブレードの中間に向かって5m離れた位置において、ブレードの翼型、弦長、撓み、曲率、アタック角度のサイズが巻き付け貼り付けに適する場合、膜をブレードに横方向に巻き付ける方式により貼り付け接着を行い、
図4e、4fに示すように、膜に巻き付け貼り付けを行う時、まず膜を長さ200mm広げ、表面の離型紙を引き捨て、膜を膜貼り付け治具のニップロールの間に貫通させ、両手で引っ張った後に膜に一定の張力を与え、離型紙を引きながら膜に巻き付け貼り付けを行い、
ブレード先端部位で貼り付けて接着された最後の膜の縦横方向縁部を巻き付け貼り付け基準線とし、かつ基準線に合わせて膜を徐々に広げて巻き付け貼り付け接着を行い、開始位置から膜貼り付けブレードで膜の幅全体に応じて、貼り付け面の後方すなわち膜の未展開方向に向かって均一に膜とベース層との間の空気を除去しながら、力を入れて膜をブレードの表面に接着し、膜とブレードとの間の空気を徹底的に除去する必要があり、上層の膜の重ね継ぎが次の層の膜の重ね継ぎ部位の表面を押さえ、上下二層の膜の重ね継ぎ幅が10mmであり、すなわち、巻き付け貼り付けされた膜が、ブレード部位が接着された後の膜に重ね継がれている必要があり、膜の全ての横方向重ね継ぎ、すなわち膜と膜との継手がいずれもブレードの後縁SS面に設置される巻き付け貼り付け2)と、
図4dに示すように、まず、膜を避雷器の表面から直接被覆して貼り付け、膜全体の貼り付けが終了する前に、避雷器に被覆された膜を一つずつ切断し、避雷器を露出させ、かつ継ぎ目での膜を押し固めて平坦化するブレードの避雷器での膜の処理3)と、
当接箇所の接着が厳密であるか否かを注意深くチャックし、重ね継ぎが不厳密である状況を発見すると、しわ、膨らみ、発泡、凹凸で平坦でない現象が発生しないようにタイムリー押し固めや平坦化処理を行うべきである膜の重ね継ぎ及び巻き取り処理4)と、
施工中に膜が破断される状況が発生した場合、一枚の全体幅の膜を裁断し、破断位置の全部部位の表面に横方向に巻き付けて貼り付けて接着して貼り付け補修を行う膜破損の補修処理5)と、を含む膜貼り付けステップ(2)と、を含む。
【0043】
上記膜貼り付け過程において、膜が広げられた後にしわ現象が発生することを回避するように、力を入れて横方向に膜を広げることを禁止し、膜が自然な平滑状態でそのまま貼り付けを行う必要がある。皺、中が膨らんだか又は基準線に位置合わせせず膜が滑らかでないか又は変形するという状況が発生することを発見する場合、膜の貼り付け品質に悪影響を与えないように、まだ広げていない膜全体を皺、中が膨らんだ位置に徐々に持ち上げ、その後あらためて貼り付ける。
【0044】
前記のように、本発明により製造されたPTFEベースのナノ機能複合膜は、超微粒子表面構造形態による超低表面張力、耐粘着、耐汚染附着、疎水性、耐吸湿、自己洗浄性機能を有する。超高耐摩耗強度及び耐摩耗靭性、耐摩耗、耐衝撃、耐雨食機能を有する。極めて耐化学腐食性を有し、耐腐食、耐高低温、耐老化、耐薬品性、耐紫外線、耐疲労性を有し、ファンのブレード表面強度を強化し、全体的な固定作用を果たし、ブレード全体の耐荷能力及び耐腐食能力を向上させ、ブレードの老化、割れ等の安全上の潜在的な危険を解消し、ブレードを強化して異物の長期腐食を抵抗し、ブレードを二重保護し、ブレードの耐用年数を延長する。電気絶縁性及び不燃性を有し、15000ボルトの高圧電気に抵抗でき、耐高温特性を有し、雷電アークが膜表面に打たれても痕跡がなく、膜燃焼を引き起こすことがない。極薄の厚さ、超軽量、超低の表面粗さは、翼型の空気圧性能を改善し、風力エネルギーの使用効率を向上させることができる。自己粘性冷間接着機能は、風車用ブレードでの応用に役立つ。
【0045】
様々なタイプ風車用ブレードの冬季氷結防止及び風車用ブレードの塩水噴霧腐食防止に適用可能であるとともに、風車用ブレードの翼型の空気圧性能を改善し、ブレード全体の表面強度を強化し、ブレードが老化腐食されないように保護することができ、洋上風力発電、洋上プラットフォームの鋼管杭の海洋汚損や生物付着防止及び腐食防止、高圧送電鉄塔やケーブルの積雪防止及び凍結防止、橋梁(ケーブルステイ、吊りケーブル)の積雪防止及び凍結防止などの業界分野に直接的に拡張して応用できる。
【0046】
上記実施例のほか、本発明は、さらに他の実施形態を有することができる。同等置換又は等価変換を採用して形成された技術的解決手段は、いずれも本発明の請求項の保護範囲に属する。
【0047】
(付記)
(付記1)
単量体融合重合と微量重合による、PTFEベースのナノ機能複合膜の製造ステップ(1)であって、
PTFEを軟化する作用を有するビニルシリコーンオイルでPTFE樹脂を浸潤し、浸潤後のPTFE樹脂を混合し、温度が60~90℃で、速度が20~30m/minで、圧力が5~8MPaである熱予圧、熱押圧により、単量体重合PTFE棒材を製造するという混合、予圧、押圧による、棒材製造1)と、
製造されたPTFE棒材を熱間圧延作用下で融合重合を行い、熱間圧延温度が60~90℃であり、速度が20~30/minであり、PTFE樹脂にドープされ単量体重合作用を有する一部のビニルシリコーンオイルを熱間圧延機で押し出し、ミクロンスケールの孔隙を有するPTFEベースのナノ機能複合膜を製造し、PTFEベースのナノ機能複合膜の厚さが100~120umであり、膜の色が乳白色を呈し、走査型電子顕微鏡による立体イメージングで、膜の表面形態が経緯方向に均一に分布し、平均大きさが20~40umで、高さが10~20umで、間隔が30~50umのミクロンサイズの微細凹凸表面構造を示すという熱間圧延融合重合による、膜製造2)と、
ミクロンサイズの微細凹凸表面構造を有するPTFEベースのナノ機能複合膜を油除去オーブン内で6~8m/minの速度で微量重合を行い、油除去オーブン内の温度が180~200℃であり、熱間圧延機で押し出されていない、PTFE樹脂にドープされて単量体重合を行う一部のビニルシリコーンオイルを温度作用により重合反応させてPTFE樹脂内に重合して固結させ、同均質のPTFEベースのナノ機能複合膜を製造し、油除去オーブン外に設置されたローラが回転することにより牽引してロール状に巻き取るという微量重合による、同均質膜の製造3)と、
を含む単量体融合重合と微量重合による、PTFEベースのナノ機能複合膜の製造ステップ(1)と、
高温高線圧力微共晶チャンバ内の温度を70~420℃に設定し、PTFEベースのナノ機能複合膜をチャンバ内の無動力ロールホルダに水平に広げ、チャンバ外に設置されたロールが回転することにより、均一な力で牽引して引き、6~8m/minの速度で前方に向かって押し、チャンバ内の高温により膜分子鎖を収縮させかつ共晶を生成させ、微細孔隙がナノスケール及びサブミクロンスケールのサイズになり、PTFE膜の表面線圧力を50~80N/mに制御し、膜幅を縮小し、密度を向上させ、膜が乳白色から透明色でかつ透明度が均一で一致する共結晶となり、ナノスケールの高分子凝集体及び表面の平均サイズが10~20umであり、高さが5~10umであり、間隔が10~20umであるナノスケール及びミクロンスケールのサイズの凹凸幾何学的超微細構造の表面形態を有する高温高線圧力微共晶による、PTFEベースのナノ機能複合膜の製造ステップ(2)と、
PTFEベースのナノ機能複合膜のナノスケール及びミクロンスケールサイズの凹凸幾何学的超微細構造の形態の機能面にPE膜により被覆処理を行った後、接着剤が塗布されたPTFEベースのナノ機能複合膜の片面に対して、真空環境下で40℃より低い窒素水素混合媒体雰囲気で、1.5~3m/minの速度で表面活性化処理を行い、PTFEベースのナノ機能複合膜のサイジング面にナノスケールの深さを有する活性化構造層を生成させ、活性化構造層を有する膜の表面に接着剤を塗布し、接着剤の特性基をPTFEベースのナノ機能複合膜の活性化構造層と化学結合作用を発生させ、膜・接着剤複合体を形成するナノスケールの深さ表面活性化による、PTFEベースのナノ機能複合膜の製造ステップ(3)と、
を含むこと、を特徴とするPTFEベースのナノ機能複合膜の製造方法。
【0048】
(付記2)
上記接着剤の製造及び塗布において、
0.2kgのPVA-1788、18kgのアクリル酸ブチルエステル、0.5kgのアクリル酸、1.0kgの酢酸ビニル、1.0kgのメチルメタクリレート、1.5kgのシリコーン単量体、0.01kgのTO-7、0.01kgのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、0.05kgの過酸化ベンゾイル、80kgの水を製造タンクに添加し、製造温度が85℃であり、製造時間が5hであり、真空引き及び水除去後、固形分含有量が18.7%のテープ状の感圧接着テープを製造し、離型紙を複合した後にPVC管芯に巻き取り、
膜・接着剤複合装置により接着剤テープをPTFEベースのナノ機能複合膜の活性化構造層を有する膜接着機能面に直接移動複合すること、を特徴とする付記1に記載のPTFEベースのナノ機能複合膜の製造方法。
【0049】
(付記3)
膜・接着剤複合装置は、膜及びテープを牽引する作用を果たす管芯エアシャフトと、1セットの膜・接着剤複合プレスローラと、テープ管芯エアシャフトと、フィルムストリップ管芯回転軸と、4つのフィルムストリップ張力及び整理回転ローラとを含み、前記管芯エアシャフト、前記接着剤複合プレスローラ、前記テープ管芯エアシャフトは、モータにより駆動され、前記膜・接着剤複合プレスローラは、前記管芯エアシャフトの45°斜め上方に設置され、2つのプレスローラの間の隙間は、膜厚さと接着剤厚さが複合した後の合計厚さに設置され、前記フィルムストリップ管芯回転軸と前記フィルムストリップ張力及び整理回転ローラは、モータにより駆動されず、前記フィルムストリップ張力及び整理回転ローラは、2つが上、2つが下に位置して∽状を呈して設置されること、を特徴とする付記2に記載のPTFEベースのナノ機能複合膜の製造方法。
【0050】
(付記4)
膜と接着剤を複合する前に、膜管芯をモータに駆動されないフィルムストリップ管芯回転軸に嵌着し、膜ヘッドを、モータにより駆動された管芯膨張空気軸上のPVC管芯に引いてテープ紙で貼り付けて固定し、膜は、同時にそれぞれ膜ベルト張力及び整理回転ローラの表面に密着し、テープは、モータにより駆動されたテープ管芯膨張空気軸に嵌着し、一セグメントのテープを引き出して活性化構造層を有する膜表面に貼り付け、
膜と接着剤を複合する時に、同じ回転速度のモータを設置して管芯膨張空気軸、膜・接着剤複合プレスローラ及びテープ管芯膨張空気軸を駆動し、かつモータを同期に起動し、テープ管芯エアシャフトは、モータにより駆動されて巻き取られたテープを解放し、膜・接着剤複合プレスローラは、モータにより駆動されて膜と接着剤にロール複合を行い、管芯エアシャフトは、モータ駆動による牽引力により、複合後の膜・接着剤複合膜をPVC管芯に巻き取り、それと同時に、それぞれフィルムストリップ張力及び整理回転ローラの表面に密着する膜は、一定の張力の作用でしわ現象を形成せずに膜と接着剤の全体複合過程を完了すること、を特徴とする付記3に記載のPTFEベースのナノ機能複合膜の製造方法。
【0051】
(付記5)
稼働中の風車用ブレードに応用する場合、まずブレードの先端を地面に垂直にし、かつ風力発電ユニットの塔体と平行にし、ブレードを高空吊りかごの中間を貫通させ、膜貼り付けは、裁断スプライス貼り付け及び巻き付け貼り付けの二種類の方法を採用し、四人で同時に行い、そのうちの一人は、膜を広げて貼り付け基準線に位置合わせすることを担当し、一人は、膜の貼り付け時の平滑度を整理することを担当し、一人は、膜とブレードのベース層との間の空気を排除し、かつ貼り付けスクレーパで接着することを担当し、一人は、勤務サービスと施工の協力を担当し、具体的には、
手持ち式研磨機でブレードの表面に平坦度や平滑度処理を行い、同時にベース層面に貼り付けられた一部の老化したコーティングを除去することにより、PTFEベースのナノ機能複合膜の接着要件条件を満たす、ブレード表面の研磨処理ステップ(1)と、
膜貼り付けステップ(2)であって、
膜の幅に応じて、ブレード先端の前縁部から、膜を横方向に翼型のアタック角、撓み及び曲率に沿って裁断し、各膜を個別に裁断し、翼型、アタック角、撓み、サイズに合致する膜に裁断した後に貼り付けを行い、膜を貼り付ける時、膜を後縁SS面から前縁PS面に向かって貼り付け、前縁PS面部位の膜は、後縁SS面部位の膜に当接すべきであり、二つの膜の横方向の当接は、ずれて同じ位置に設置しない必要がある、ブレードの先端部位へ裁断スプライス貼り付けの採用1)と、
ブレードの翼型、弦長、撓み、曲率、アタック角度のサイズが巻き付け貼り付けに適する場合、膜をブレードに横方向に巻き付ける方式で貼り付け接着を行い、膜に巻き付け貼り付けを行う時、まず膜を広げ、表面の離型紙を引き捨て、膜を膜貼り付け治具のニップロールの間に貫通し、両手で引っ張った後に膜に一定の張力を与え、離型紙を引き捨てながら膜に巻き付け貼り付けを行い、ブレード先端部位で貼り付けて接着された最後の膜の縦横方向縁部を巻き付け貼り付け基準線とし、かつ基準線に合わせて膜を徐々に広げて巻き付け貼り付け接着を行いし、開始位置から膜貼り付けブレードで膜の幅全体に応じて、貼り付け面の後方、すなわち、膜の未展開方向に向かって均一に膜とベース層との間の空気を除去しながら、力を入れて膜をブレードの表面に接着し、膜とブレードとの間の空気を徹底的に除去する必要があり、上層の膜の重ね継ぎが次の層の膜の重ね継ぎ部位の表面を押さえ、すなわち巻き付け貼り付けされた膜が、ブレード部位が接着された後の膜に重ね継がれる必要があり、膜の全ての横方向重ね継ぎ、すなわち、膜と膜との継手がいずれもブレードの後縁SS面に設置される、巻き付け貼り付け2)と、
まず、膜を避雷器の表面から直接被覆して貼り付け、膜全体の貼り付けが終了する前に、避雷器に被覆された膜を一つずつ切断し、避雷器を露出させ、かつ継ぎ目での膜を押し固めて平坦化する、ブレードの避雷器での膜の処理3)と、
当接箇所の接着が厳密であるか否かを注意深くチャックし、重ね継ぎが不厳密である状況を発見すると、しわ、膨らみ、発泡、凹凸で平坦でない現象が発生しないようにタイムリー押し固めや平坦化処理を行うべきである、膜の重ね継ぎ及び巻き取り処理4)と、
施工中に膜が破断される状況が発生した場合、一枚の全体幅の膜を裁断し、破断位置の全部部位の表面に横方向に巻き付けて貼り付けて接着して貼り付け補修を行う、膜破損の補修処理5)と、
を含む膜貼り付けステップ(2)と、
を含むこと、を特徴とする付記1~4のいずれか一つに基づいて製造されたPTFEベースのナノ機能複合膜の応用。
【0052】
(付記6)
ブレード先端部位に裁断スプライス貼り付けを行う時、膜の横方向重ね継ぎ(二枚の膜の接続部)の幅は、150~200mmであり、貼り付けられた第一枚の膜の縁部を基準線とし、第二枚の膜の重ね継ぎは、第一枚の膜の150~190mmの継手に、縁部に押圧され、膜の縦方向重ね継ぎは、10~40mmであること、を特徴とする付記5に記載のPTFEベースのナノ機能複合膜の応用。
【0053】
(付記7)
フィルムに巻き付け貼り付けを行う時、膜の横方向重ね継ぎの幅は、10~40mmであること、を特徴とする付記5に記載のPTFEベースのナノ機能複合膜の応用。
【0054】
(付記8)
ブレード先端部位裁断スプライス貼り付け及び巻き付け貼り付けを行う時、膜が広げられた後にしわ現象が発生することを回避するように、力を入れて横方向に膜を広げることを禁止し、膜が自然な平滑状態でそのまま貼り付けを行う必要があること、を特徴とする付記5に記載のPTFEベースのナノ機能複合膜の応用。
【0055】
(付記9)
ブレード先端部位に裁断スプライス貼り付け及び巻き付け貼り付けを行う時、皺、中が膨らんだか、又は、基準線に位置合わせせず膜が滑らかでないか、又は、変形するという状況が発生することを発見する場合、膜の貼り付け品質に悪影響を与えないように、まだ広げていない膜全体を皺、中が膨らんだ位置に徐々に持ち上げ、その後あらためて貼り付けること、を特徴とする付記5に記載のPTFEベースのナノ機能複合膜の応用。
【0056】
(付記10)
風車用ブレード工場又は未使用のブレードに応用する場合、稼働中の風車用ブレードに応用される貼り付け方法を参照して行うことを特徴とする付記1~4のいずれか一つに基づいて製造されたPTFEベースのナノ機能複合膜の応用。
図1
図2
図3a
図3b
図4a
図4b
図4c
図4d
図4e
図4f