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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-01
(45)【発行日】2023-08-09
(54)【発明の名称】止水構造
(51)【国際特許分類】
   E01D 19/08 20060101AFI20230802BHJP
   E01C 11/02 20060101ALI20230802BHJP
【FI】
E01D19/08
E01C11/02 Z
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2019117837
(22)【出願日】2019-06-25
(65)【公開番号】P2021004469
(43)【公開日】2021-01-14
【審査請求日】2022-05-31
(73)【特許権者】
【識別番号】516339036
【氏名又は名称】テクノワールド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094190
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 清路
(74)【代理人】
【識別番号】100151644
【弁理士】
【氏名又は名称】平岩 康幸
(74)【代理人】
【識別番号】100151127
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 勝雅
(72)【発明者】
【氏名】松田 郁
【審査官】湯本 照基
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-278151(JP,A)
【文献】特開2004-150120(JP,A)
【文献】特開2014-055422(JP,A)
【文献】特開平01-214604(JP,A)
【文献】特開2003-064613(JP,A)
【文献】特開2015-004256(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01D 19/08
E01C 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
橋梁の目地部に設けられ、前記目地部からの漏水を防止する止水構造であって、
前記目地部を間にして対向する橋梁構成体を備え、
前記橋梁構成体のうちの少なくとも一部は、側端部の上面側に鋼製ジョイント部材を有し、
前記鋼製ジョイント部材の先端部の下端部に垂設された垂設鋼板と、
前記目地部に介装された止水用部材と、を備え
前記垂設鋼板には、前記目地部の側に向けて止水材支持鋼板が張設されており、
前記止水材支持鋼板は、前記垂設鋼板の幅方向に間欠的に設けられており、
隣り合う前記止水材支持鋼板の間には、両者を繋ぐようにワイヤー又はロープが設けられていることを特徴とする止水構造。
【請求項2】
前記垂設鋼板には、前記垂設鋼板の幅方向に離間した複数個所を繋ぐようにワイヤー又はロープが設けられている請求項1に記載の止水構造。
【請求項3】
前記垂設鋼板は、前記鋼製ジョイント部材の幅方向に間欠的に設けられており、
隣り合う前記垂設鋼板の間には、両者を繋ぐようにワイヤー又はロープが設けられている請求項1に記載の止水構造。
【請求項4】
対向する一対の前記橋梁構成体のいずれもが、各々の側端部の上面側に前記鋼製ジョイント部材を有し、且つ前記鋼製ジョイント部材の先端部の下端部に垂設された前記垂設鋼板を備える請求項1乃至3のうちのいずれか1項に記載の止水構造。
【請求項5】
前記鋼製ジョイント部材の下面と、前記垂設鋼板の前記目地部と反対側の面との間に補強部材が架け渡されている請求項1乃至4のうちのいずれか1項に記載の止水構造。
【請求項6】
対向する前記垂設鋼板のいずれにも前記止水材支持鋼板が張設されており、前記止水材支持鋼板が前記垂設鋼板の幅方向において対向する位置に配置されており、一方の止水材支持鋼板と他方の止水材支持鋼板とが、前記垂設鋼板の上下方向において異なる位置に配置されている請求項4に記載の止水構造。
【請求項7】
前記橋梁構成体が、前端面に橋桁端面用鋼板が配設されている橋桁である請求項1乃至のうちのいずれか1項に記載の止水構造。
【請求項8】
前記橋梁構成体が、前端面に橋台端面用鋼板が配設されている橋台である請求項1乃至のうちのいずれか1項に記載の止水構造。
【請求項9】
前記止水用部材は、前記目地部の上部に配置された弾性シール材と、前記弾性シール材の下方に配置された止水材とを備える請求項1乃至のうちのいずれか1項に記載の止水構造。
【請求項10】
前記止水材は、半連続気泡型合成ゴム発泡体、独立気泡型合成ゴム発泡体、又は半連続気泡型合成樹脂発泡体である請求項に記載の止水構造。
【請求項11】
前記止水材は、前記目地部に沿って延びる導水路と、前記止水材の上面から前記導水路に貫通する連通路と、を有する請求項又は10に記載の止水構造。
【請求項12】
橋梁の目地部に設けられ、前記目地部からの漏水を防止する止水構造であって、
前記目地部を間にして対向する橋梁構成体を備え、
前記橋梁構成体のうちの少なくとも一部は、側端部の上面側に鋼製ジョイント部材を有し、
前記鋼製ジョイント部材の先端部の下端部に垂設された垂設鋼板と、
前記目地部に介装された止水用部材と、を備え
前記垂設鋼板には、前記垂設鋼板の幅方向に離間した複数個所を繋ぐようにワイヤー又はロープが設けられていることを特徴とする止水構造。
【請求項13】
橋梁の目地部に設けられ、前記目地部からの漏水を防止する止水構造であって、
前記目地部を間にして対向する橋梁構成体を備え、
前記橋梁構成体のうちの少なくとも一部は、側端部の上面側に鋼製ジョイント部材を有し、
前記鋼製ジョイント部材の先端部の下端部に垂設された垂設鋼板と、
前記目地部に介装された止水用部材と、を備え
前記垂設鋼板は、前記鋼製ジョイント部材の幅方向に間欠的に設けられており、
隣り合う前記垂設鋼板の間には、両者を繋ぐようにワイヤー又はロープが設けられていることを特徴とする止水構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、橋梁の目地部の止水構造に関する。更に詳しくは、本発明は、長期に亘って十分な止水性が維持される橋梁の目地部の止水構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、高架橋等の橋台と橋桁との間、及び橋桁間には所定間隔で目地部が設けられている。この目地部は、橋桁等の温度変化などに伴う伸長を吸収するための隙間(遊間)として形成されている。また、目地部には、止水構造を設けることが知られている(例えば、特許文献1参照)。止水構造は、雨水等の水が遊間に浸入するのを抑制し、下方への漏水を防止する機能の他、橋梁上面で発生した騒音が遊間を介して下方に伝わるのを抑制する、及び地震等により変位した橋桁端部同士等が直接衝突するのを抑える、衝突したときの衝撃を緩和し、破損を抑制する、などの機能を有するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-55422号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のような止水構造として、例えば、特許文献1に記載された止水構造が挙げられる。この止水構造では、目地部を挟んで相対する一対の橋桁間等に弾性シール材が配設され、且つ弾性シール材の下方に、上部が開放した樋状に形成されたシート部材が配設され、樋状の空間には止水材が配置されている。この止水材は、止水機能を有するスポンジ状の弾性体であり、目地部に沿って延びる導水路と、止水材の上面から導水路に貫通する連通路とを有する。このように、特許文献1に記載された止水構造では、特定の弾性シール材及びシート部材が配設され、シート部材には特定の構成の止水材が配置されている。そのため、所定期間、十分な止水効果が維持される。
【0005】
一方、橋梁における従来の止水構造としては、図16のように、鋼床版を備える橋桁11が有する鋼製ジョイント部材3と、橋台13(又はコンクリート床版を備える橋桁12)が有する橋台端面用鋼板13a(又は橋桁端面用鋼板12a)との間に弾性シール材51を介装させた止水構造が知られている。
【0006】
また、図17のように、図16と同様の止水構造であって、弾性シール材51に替えて、ゴム部材からなる止水材52を介装させた止水構造も知られている。しかし、図16、17の止水構造では、鋼製ジョイント部材3の端面の面積が小さいため、弾性シール材51、又はゴム部材からなる止水材52が鋼製ジョイント部材3の端面から剥離して脱落し、漏水するという問題がある。
【0007】
更に、鋼製ジョイント部材3を厚くし、弾性シール材51、又はゴム部材からなる止水材52と、鋼製ジョイント部材3の端面との接触面積を大きくすれば、剥離、脱落を抑えることはできる。しかし、鋼製ジョイント部材3の重量が大きくなるとともに、材料費、製造工程における加工費の増大などの問題があるため、接触面積が小さいままの製品が流通しているのが現状である。
【0008】
本発明は、上述のような状況に鑑みてなされたものであり、止水用部材を接合する鋼製ジョイント部材に垂設鋼板を垂設することにより、鋼材と止水用部材との接合面積を大きくすることで、止水用部材の剥離、脱落を防止し、十分な止水性が長期に亘って維持される止水構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は以下のとおりである。
1.橋梁の目地部に設けられ、前記目地部からの漏水を防止する止水構造であって、
前記目地部を間にして対向する橋梁構成体を備え、
前記橋梁構成体のうちの少なくとも一部は、側端部の上面側に鋼製ジョイント部材を有し、
前記鋼製ジョイント部材の先端部の下端部に垂設された垂設鋼板と、
前記目地部に介装された止水用部材と、を備えることを特徴とする止水構造。
2.対向する一対の前記橋梁構成体のいずれもが、各々の側端部の上面側に前記鋼製ジョイント部材を有し、且つ前記鋼製ジョイント部材の先端部の下端部に垂設された前記垂設鋼板を備える前記1.に記載の止水構造。
3.前記鋼製ジョイント部材の下面と、前記垂設鋼板の前記目地部と反対側の面との間に補強部材が架け渡されている前記1.又は2.に記載の止水構造。
4.前記垂設鋼板には、前記目地部の側に向けて止水材支持鋼板が張設されている前記1.乃至3.のうちのいずれか1項に記載の止水構造。
5.前記止水材支持鋼板は、前記垂設鋼板の幅方向の全長さに渡って張設されている前記4.に記載の止水構造。
6.前記止水材支持鋼板は、前記垂設鋼板の幅方向に間欠的に設けられている前記4.に記載の止水構造。
7.対向する前記垂設鋼板のいずれにも前記止水材支持鋼板が張設されており、前記止水材支持鋼板が前記垂設鋼板の幅方向において対向する位置に配置されており、一方の止水材支持鋼板と他方の止水材支持鋼板とが、前記垂設鋼板の上下方向において異なる位置に配置されている前記4.乃至6.のうちのいずれか1項に記載の止水構造。
8.前記橋梁構成体が、前端面に橋桁端面用鋼板が配設されている橋桁である前記1.乃至7.のうちのいずれか1項に記載の止水構造。
9.前記橋梁構成体が、前端面に橋台端面用鋼板が配設されている橋台である前記1.乃至7.のうちのいずれか1項に記載の止水構造。
10.前記止水用部材は、前記目地部の上部に配置された弾性シール材と、前記弾性シール材の下方に配置された止水材とを備える前記1.乃至9.のうちのいずれか1項に記載の止水構造。
11.前記止水材は、半連続気泡型合成ゴム発泡体、独立気泡型合成ゴム発泡体、又は半連続気泡型合成樹脂発泡体である前記10.に記載の止水構造。
12.前記止水材は、前記目地部に沿って延びる導水路と、前記止水材の上面から前記導水路に貫通する連通路と、を有する前記10.又は11.に記載の止水構造。
【発明の効果】
【0010】
本発明の止水構造では、橋梁構成体のうちの少なくとも一部は、側端部の上面側に鋼製ジョイント部材を有し、鋼製ジョイント部材の先端部の下端部に垂設鋼板が垂設されている。そのため、目地部に介装された止水用部材が、鋼製ジョイント部材の先端部及び垂設鋼板により支持され、止水用部材の剥離、脱落が防止され、十分な止水性が長期に亘って維持される。
また、対向する一対の橋梁構成体のいずれもが、各々の側端部の上面側に鋼製ジョイント部材を有し、且つ鋼製ジョイント部材の先端部の下端部に垂設された垂設鋼板を備える場合は、目地部に介装された止水用部材の両側面が、鋼製ジョイント部材の先端部と、その下端部に垂設された垂設鋼板とにより挟持されるため、止水用部材の剥離、脱落がより十分に防止される。
更に、鋼製ジョイント部材の下面と、垂設鋼板の目地部と反対側の面との間に補強部材が架け渡されている場合は、介装される止水用部材に押圧されて垂設鋼板が目地部とは反対側に反ってしまうように変形することが防止される。
また、垂設鋼板に、目地部の側に向けて止水材支持鋼板が張設されている場合は、目地部に介装された止水用部材が、その下端面側から止水材支持鋼板により支持されるため、止水用部材の剥離が十分に防止されるとともに、その脱落が確実に防止される。
更に、止水材支持鋼板が、垂設鋼板の幅方向の全長さに渡って張設されている場合は、目地部に介装された止水用部材が、その幅方向の全長さに渡って止水材支持鋼板により支持され、止水用部材の脱落がより確実に防止される。
また、止水材支持鋼板が、垂設鋼板の幅方向に間欠的に設けられている場合は、止水材支持鋼板を容易に設けることができるとともに、目地部に介装された止水用部材の脱落を十分に防止することができる。
更に、対向する垂設鋼板のいずれにも止水材支持鋼板が張設されており、止水材支持鋼板が垂設鋼板の幅方向において対向する位置に配置されており、一方の止水材支持鋼板と他方の止水材支持鋼板とが、垂設鋼板の上下方向において異なる位置に配置されている場合は、端桁及び橋台、特に橋桁が、夏季等に伸長したとしても、一方の止水材支持鋼板と他方の止水材支持鋼板の各々の先端部の衝突が防止され、止水材支持鋼板のみでなく、垂設鋼板の損傷をも防止することができる。
また、橋梁構成体が、前端面に橋桁端面用鋼板が配設されている橋桁、又は前端面に橋台端面用鋼板が配設されている橋台である場合は、対向する鋼製ジョイント部材の先端部及び垂設鋼板との間に介装された止水用部材の剥離、脱落をより十分に防止することができる。
更に、止水用部材が、目地部の上部に配置された弾性シール材と、弾性シール材の下方に配置された止水材とを備える場合は、それぞれ性質の異なる止水のための部材を上部、下部の2段に配することで、より確実に漏水を防止することができる。
また、止水材が、半連続気泡型合成ゴム発泡体、独立気泡型合成ゴム発泡体、又は半連続気泡型合成樹脂発泡体である場合は、橋桁等の伸縮に容易に追随し、変形への追従性、復元性に優れ、橋桁等の伸縮が繰り返されても、鋼製ジョイント部材の先端部及び垂設鋼板からの剥離も防止される。
更に、止水材が、目地部に沿って延びる導水路と、止水材の上面から導水路に貫通する連通路と、を有する場合は、弾性シール材から漏水が発生したとしても、その漏水が連通路から導水路へと移動し、導水路から止水用部材の外部へと流出し、止水構造の内部に水が滞留することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明について、本発明による典型的な実施形態の非限定的な例を挙げ、言及された複数の図面を参照しつつ以下の詳細な記述にて更に説明するが、同様の参照符号は図面のいくつかの図を通して同様の部品を表す。
図1】側方からみた橋梁の一部を表す模式図である。
図2】目地部を間にして対向する橋梁構成体の各々の端部の模式的な斜視図である。
図3図2において鋼製ジョイント部材の下部に垂設鋼板が垂設されたときの模式的な斜視図である。
図4図3のA部の拡大図であり、垂設鋼板に止水材支持鋼板が張設されていないときの模式図である。
図5図3のA部の拡大図であり、垂設鋼板に止水材支持鋼板が張設されているときの模式図である。
図6】止水材支持鋼板が垂設鋼板の下端部に接合されたL字鋼であるときの模式図である。
図7】垂設鋼板の下端部に、L字鋼からなる連続した止水材支持鋼板が張設されているときの模式的な斜視図である。
図8】垂設鋼板と、その下端部に連続して張設された止水材支持鋼板とを上方からみた平面図である。
図9】垂設鋼板にL字鋼からなる止水材支持鋼板が間欠的に張設された形態を表す模式的な斜視図である。
図10図9の止水材支持鋼板が間欠的に張設された形態を上方からみた平面図である。
図11】対向する鋼製ジョイント部材の下部に垂設された垂設鋼板の下端部に張設された止水材支持鋼板の上下方向の位置が異なっていることを表す模式的な断面図である。
図12】対向する鋼製ジョイント部材の下部に垂設された垂設鋼板の中間部に張設された止水材支持鋼板の上下方向の位置が異なっていることを表す模式的な断面図である。
図13図9の止水材支持鋼板にワイヤー又はロープが配設された形態を表す模式的な斜視図である。
図14図13の止水材支持鋼板にワイヤー又はロープが配設された形態を上方からみた平面図である。
図15】垂設鋼板にワイヤー又はロープが配設された形態を表す模式的な斜視図である。
図16】目地部に弾性シール材を介装させた従来の止水構造を表す模式的な斜視図である。
図17】目地部にゴム部材からなる止水材を介装させた従来の止水構造を表す模式的な斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の止水構造は、橋梁100の目地部2(図1参照)に設けられ、目地部2からの漏水を防止する止水構造であって、目地部2を間にして対向する橋梁構成体1を備え、橋梁構成体1のうちの少なくとも一部は、側端部の上面側に鋼製ジョイント部材3(図1、2等参照)を有し、鋼製ジョイント部材3の先端部の下端部に垂設された垂設鋼板31(図3等参照)と、目地部2に介装された止水用部材5(図4図5図6参照)と、を備える。
【0013】
橋梁100の種類、構造等は特に限定されない。橋梁100の種類としては、例えば、陸上に架けられる高架橋等、及び河川、海等に架けられる、所謂、橋などが挙げられる。橋梁100は、例えば、橋脚4、橋台13等の橋梁の下部構造、及びこれらの下部構造に支持され、主桁、床版等から構成される橋桁などの橋梁の上部構造を構成する橋梁構成体1を備える(例えば、図1参照)。尚、橋梁100の上部構造は、支承部材6により下部構造上に支承されている(図1参照)。
【0014】
橋桁の構成は特に限定されない。また、主桁及び床版の形態も特に限定されないが、例えば、床版として鋼床版を備える橋桁11(図1等参照)、床版としてコンクリート床版を備える橋桁12(図3等参照)などからなる形態とすることができる。更に、主桁と床版とは一体に形成されていてもよく、この場合、主桁及び床版は、プレストレストコンクリート構造として一体に形成することができる。
【0015】
橋梁100における目地部2の大きさ、個数等は特に限定されない。この目地部2は、対向する橋梁構成体1の間に形成されている。また、橋梁構成体1は、目地部2を間にして対向する上述の上部構造により構成されていてもよく、上部構造と下部構造である橋台13の上部構造側の側端面との間に形成されていてもよい。尚、目地部2を間にして対向する橋梁構成体1を構成する鋼板には、止水用部材5が介装される面及びそれ以外の面、即ち、鋼板の全表面に耐候性に優れた塗料などを塗布し、橋梁構成体1の耐久性を向上させることもできる。
【0016】
目地部2は、気温等により長さ方向に伸縮する橋桁間、及び橋桁と橋台との間に設けられており、伸長時に互いの先端が衝突することが目地部2の間隙によって防止される。この目地部2の橋梁100の長さ方向における寸法は、橋桁及び橋台、特に橋桁の伸縮寸法、並びに目地部2を走行する車両等が受ける衝撃を緩和するという観点に基づいて設定される。
【0017】
目地部2の橋梁100の長さ方向における寸法は、橋梁構成体1のうちの少なくとも一部の側端面の上端面に固定用ボルト33により固定される鋼製ジョイント部材3により設定することができる(図1、2等参照)。鋼製ジョイント部材3は、鋼床版を備える橋桁11の側端面の上端面に、鋼床版11aと鋼製ジョイント部材3とを固定するためにスタッド溶接された固定用ボルト33、又は鋼製ジョイント部材3から鋼床版11aを貫通する固定用ボルト33とナットとにより橋梁構成体1に固定される。鋼製ジョイント部材3は、その先端面が波形のフィンガージョイント(図2等参照)、先端面が平坦面のジョイント、及び先端面が波形のフィンガージョイントと先端面が平坦面のジョイントの組み合わせなどとすることができる。
【0018】
目地部2には止水用部材5が介装される。言い換えれば、鋼製ジョイント部材3間、鋼製ジョイント部材3と橋台端面用鋼板13aとの間(図2、4、5、6参照)、又は鋼製ジョイント部材3とコンクリート床版を備える橋桁12が有する橋桁端面用鋼板12aとの間(図3、4、5、6参照)に介装される。この場合、止水用部材5の少なくとも1面側は鋼製ジョイント部材3の先端面に接して介装されることになるが、鋼製ジョイント部材3の先端面の面積はそれほど大きくはないため、止水用部材5が剥離し、脱落することが有り得る。
【0019】
そのため、鋼製ジョイント部材3の先端部の下端部に垂設鋼板31が垂設される。これにより、止水用部材5が、鋼製ジョイント部材3の先端面と、垂設鋼板31の一面とに接することになり、止水用部材5の剥離、脱落が防止、乃至少なくとも抑制される(図4参照)。また、対向する一対の橋梁構成体1のいずれもが、各々の側端部の上面側に鋼製ジョイント部材3を有するときは、いずれの鋼製ジョイント部材3の先端部の下端部にも垂設鋼板31が垂設される。これにより、止水用部材5の剥離、脱落がより確実に防止乃至抑制される。垂設鋼板31の厚さは特に限定されないが、止水用部材5により押圧されて容易に変形することがなく、且つ過度な重量となることを抑えるためには、6~9mm程度とすることができる。更に、垂設鋼板31は、鋼製ジョイント部材3の幅方向の全長さに渡って垂設されていてもよく、間欠的に垂設されていてもよいが、通常、鋼製ジョイント部材3の幅方向の全長さに渡って垂設される。この場合、全長さに渡って連続する鋼板を垂設させてもよいが、施工等が必ずしも容易ではないときは、複数の鋼板を連続して垂設させてもよい。
【0020】
垂設鋼板31は、鋼製ジョイント部材3の製造時に垂設させることができる。一方、既存の橋梁100の床版として鋼床版を備える橋桁11が有する鋼製ジョイント部材3に垂設鋼板31を垂設する場合は、既に配置されている鋼製ジョイント部材3を固定している固定用ボルト33を一旦緩め、鋼製ジョイント部材3を取り外し、その後、垂設鋼板31を溶接等により固定し、次いで、垂設鋼板31が固定された鋼製ジョイント部材3を、再度、固定用ボルト33により鋼床版を備える橋桁11に固定する工程により垂設させることができる。
【0021】
また、止水用部材5が、垂設鋼板31の一面に接することで、垂設鋼板31が止水用部材5により押圧され、目地部2とは反対側に反ってしまうように変形することが有り得る。そこで、このような変形を防止するため、鋼製ジョイント部材3の下面と、垂設鋼板31の目地部2と反対側の面との間に補強部材31aが架け渡されていることが好ましい。この補強部材31aは、平面視が直角三角形の鋼板であってもよく(図3~6等参照)、棚受けのような形状であってもよい。
【0022】
更に、垂設鋼板31には、目地部2の側に向けて止水材支持鋼板31bが張設されていることがより好ましい。このように止水用部材5を、その下面側から支持することで、止水用部材5の剥離がより十分に抑えられ、剥離したとしても脱落は防止され、漏水も抑えられる。止水材支持鋼板31bの張設方法は特に限定されず、例えば、垂設鋼板31の下端部を目地部2の側へ略直角に折り曲げることで張設することができる(図5参照)。
【0023】
また、止水材支持鋼板31bは、垂設鋼板31の目地部2の側にL字金具を接合して張設することもできる(図6等参照)。更に、鋼製ジョイント部材3の先端面の形状、例えば、波形に沿った形状に打ち抜いた鋼板を、垂設鋼板31の目地部2の側の側面又は下端面に接合し、張設することもできる(図8参照)。
【0024】
また、止水材支持鋼板31bは、垂設鋼板31の幅方向の全長さに渡って張設されていてもよい(連続したL字金具が接合され、張設された図7、及び鋼製ジョイント部材3の先端面の波形に沿った形状に打ち抜いた鋼板が接合され、張設された図8参照)。一方、止水材支持鋼板31bは、垂設鋼板31の幅方向に間欠的に張設されていてもよい(L字金具が接合され、張設された図9、10参照)。更に、止水材支持鋼板31bは、通常、垂設鋼板31の上下方向の下端部近傍に張設されるが(図11参照)、所要厚さの止水用部材5を目地部2に介装させることができれば、垂設鋼板31の下端部より上方に張設されていてもよい(図12参照)。
【0025】
更に、目地部2を間にして対向する橋梁構成体1のいずれもが鋼製ジョイント部材3であり、対向する垂設鋼板31のいずれにも止水材支持鋼板31bが張設されており、止水材支持鋼板31bが垂設鋼板31の幅方向において対向する位置に配置されている場合は、一方の止水材支持鋼板31bと他方の止水材支持鋼板31bとが、垂設鋼板31の上下方向において異なる位置に張設されていることが好ましい(図11、12参照)。これにより、気温等により橋桁及び橋台、特に橋桁が伸長したときに、一方の止水材支持鋼板31b及び他方の止水材支持鋼板31bの互いの先端部が衝突し、垂設鋼板31の変形、及び止水材支持鋼板31bの変形、損傷が防止される。
【0026】
また、一方の止水材支持鋼板31bと他方の止水材支持鋼板31bとが、垂設鋼板31の上下方向において異なる位置に張設される場合、互いの先端部の衝突が防止される限り、上下方向における離間距離は小さいことが好ましい。これにより、止水用部材5の止水材支持鋼板31bとの接触部における変形が最小限に抑えられる。
【0027】
尚、橋梁構成体1が、前端面に橋桁端面用鋼板12aが配設されているコンクリート床版を備える橋桁12(図3参照)であるとき、及び橋梁構成体1が、前端面に橋台端面用鋼板13aが配設されている橋台13(図2参照)であるとき、はそれぞれの鋼板の面積は鋼製ジョイント部材3の先端面の面積と比べて相当に大きい。そのため、垂設鋼板31を垂設させなくても、止水用部材5の剥離、脱落を十分に防止することができる。
【0028】
更に、橋桁端面用鋼板12a及び橋台端面用鋼板13aには、止水材支持鋼板31bを張設してもよい。この場合、止水材支持鋼板31bは、橋桁端面用鋼板12a及び橋台端面用鋼板13aの目地部2の側にL字金具を接合して張設することができる。また、止水材支持鋼板31bは、橋桁端面用鋼板12a及び橋台端面用鋼板13aの幅方向の全長さに渡って張設されていてもよく、幅方向に間欠的に張設されていてもよい。更に、橋桁端面用鋼板12a及び橋台端面用鋼板13aに張設された止水材支持鋼板31bが、垂設鋼板31に張設された止水材支持鋼板31bと橋梁構成体1の幅方向において対向する位置に配置されている場合は、一方の止水材支持鋼板31bと他方の止水材支持鋼板31bとが、橋梁構成体1の上下方向において異なる位置に配置されることが好ましい。これにより、止水材支持鋼板31bの互いの先端部の衝突が防止され、垂設鋼板31の変形、及び止水材支持鋼板31bの変形、損傷が防止される。
【0029】
目地部2に介装される止水用部材5の構成は、目地部2からの漏水が防止、乃至少なくとも抑制される限り、特に限定されない。この止水用部材5としては、例えば、目地部2の上部に配置される弾性シール材51と、弾性シール材51の下方に配置される止水材52とを備える止水用部材5が挙げられる(図4、5、6参照)。このように2種類の部材を組み合わせて用いることで、目地部2からの漏水を効率よく防止することができるとともに、止水用部材5の剥離、脱落も抑制される。
【0030】
弾性シール材51は目地部2の全長さに亘って介装されるが、鋼製ジョイント部材3及び橋桁端面、橋台端面の先端面の形状、例えば、波形であるか平坦面であるか等により、目地部2の全長さに亘って一体の弾性シール材51とすることもでき、介装し易いように、適宜、複数個に分割された部材が一体に連続した形態の弾性シール材51とすることもできる。弾性シール材51は目地部2に適度に圧縮させた状態で介装させることができ、必要に応じて鋼製ジョイント部材3の先端面などに接合させ、介装させることもできる。
【0031】
接合させる場合、弾性シール材51が加熱により接合させることができる材質であるときは、鋼製ジョイント部材3の先端面等の接合面を加熱し、接合させ、介装させることができる。一方、加熱により接合させることができない材質であるときは、接着剤等を用いて接合させ、介装させることができる。
【0032】
弾性シール材51の材質は、圧縮し、目地部2に介装させることができる弾性を有する限り、特に限定されない。例えば、ポリブタジエン系、シリコン系、ウレタン系、エチレン/プロピレン共重合ゴム、エチレン/プロピレン/ジエン共重合ゴム及びポリイソプレンゴム等の各種のゴムを用いることができる。これらのゴムを用いる場合、必要に応じて、未架橋品を成形した後、加熱する等の常法によって架橋させて、弾性シール材51の形状に成形することができる。
【0033】
弾性シール材51の下方には、上端面が、弾性シール材51の下端面と接するように止水材52が、目地部2の全長さに亘って介装される。この止水材52も、鋼製ジョイント部材3の先端面と同様の波形、平坦面等となる垂設鋼板31の形状、及び橋桁端面、橋台端面の形状により、目地部2の全長さに亘って一体の止水材52とすることもでき、介装し易いように、適宜、複数個に分割された部材が一体に連続した形態の止水材52とすることもできる。
【0034】
また、止水材52を分割された部材を一体に連続させて介装させる場合は、弾性シール材51と同様の位置で分割させることが好ましい。止水材52は目地部2に適度に圧縮させた状態で介装させることができ、必要に応じて垂設鋼板31等の目地部2の側の面に接合させ、介装させることもできる。
【0035】
止水材52の材質は、圧縮し、目地部2に介装させることができる弾性を有する限り、特に限定されない。例えば、ポリウレタンフォーム等の発泡樹脂であることができる。また、止水材52の材質は、前述の各種のゴム、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂等の合成樹脂、及びオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー等の各種のエラストマーであってもよい。
【0036】
止水材52は、通常、圧縮された状態で配設されている。これにより、橋梁100の目地部2の幅が温度変化等によって変化したときに、目地部2に十分に保持されるとともに、弾性シール材51に密着し、弾性シール材51と止水材52との間に水が浸入することが防止される。尚、弾性シール材51、止水材52ともに、目地部2の想定される最大幅においても、目地部2の所定の位置に圧縮された状態で介装され、脱落等することのないように、圧縮率を設定して設けられる。
【0037】
止水材52が止水機能を有する形態は特に限定されないが、例えば、合成ゴム、合成樹脂等からなる発泡体が挙げられる。発泡体としては、半連続気泡型、独立気泡型、又は小径の気泡を有し、通気性の低い発泡体が好ましい。また、表面に防水被膜を有する発泡体、撥水剤を添加し、含浸させた発泡体、表面に撥水剤を塗布した発泡体、疎水性を有する原料を用いて製造した疎水性を有する発泡体等を用いることもできる。
【0038】
更に、好ましい発泡体としては、半連続気泡型の合成ゴム発泡体、独立気泡型の合成ゴム発泡体、及び半連続気泡型の合成樹脂発泡体が好ましく、半連続気泡型の合成ゴム発泡体、独立気泡型の合成ゴム発泡体がより好ましい。
【0039】
また、止水材52は、目地部2に沿って延びる導水路52aと、止水材52の上面から導水路52aに貫通する連通路52bと、を有する形態とすることができる。導水路52aは、例えば、長さ方向に止水材52を貫通する導水部材を挿通させて形成することができる(図4、5、6参照、これらの図では止水材52の断面が図示されているが、導水路52aは止水材52の長さ方向に貫通している)。
【0040】
止水材52は、発泡体、特に半連続気泡型の発泡体等により形成させることが多いが、目地部2に圧縮されて介装されているため、止水材52に浸み込んだりした水が排水され難いことがある。そこで、必要に応じて、止水材52に導水路52aを設け、排水経路を確保することができる。導水路52aの材質、形状、個数等は特に限定されず、例えば、グラスファイバー、樹脂繊維等を束ねて棒状体とした形態、及び樹脂繊維、金属繊維等を用いて管壁を網状、螺旋状等に形成した透水性を有する管状体からなる形態などとすることができる。
【0041】
導水路52aの個数、配設位置等も特に限定されない。導水路52aは、通常、止水材52の断面方向の略中央部に1個設ければよいが(図4、5、6参照)、浸み込む水の流入速度、水量等によっては複数本、例えば、断面の上下方向の略中央部の左右に略等間隔となるように2本の導水路52aを設けてもよい、また、断面方向の上下、左右において略等間隔となるように4本の導水路52aを設けてもよい。
【0042】
更に、止水材52には、止水材52の上面から導水路52aに貫通して連通する連通路52bを設けることもできる。この連通路52bの形態も特に限定されないが、例えば、導水路52aの延伸方向に、止水材52の上面と導水路52aとが連通されるように形成されたスリットからなる形態(例えば、図3、4、5参照)とすることができ、導水路52aの延伸方向に、止水材52の上面と導水路52aとを連通する複数の貫通孔が設けられた形態等とすることもできる。このように連通路52bを設けることで、弾性シール材51と止水材52との界面に浸み込んだ水を導水路52aに容易に導くことができ、浸み込んだ水をより効率よく排水することができる。
【0043】
また、目地部2の上部に配置される弾性シール材51と、弾性シール材51の下方に配置される止水材52とからなる止水用部材5は、橋梁100が設けられる自然環境、例えば、市街地、山間部、海浜部等、及び寒冷地域であるか温暖地域であるか、又は日照時間などにより劣化のし易さ、し難さが大きく影響を受ける。そのため、そのような自然環境を配慮し、止水用部材5が橋梁構成体1から剥離し、落下することのないように、止水用部材5を取り替えること等を考慮し、良好な止水作用の保持に努めることが好ましい。
【0044】
更に、垂設鋼板31並びに橋桁端面用鋼板12a及び橋台端面用鋼板13aに、目地部2の側に向けて止水材支持鋼板31bが張設されている場合、特に止水材支持鋼板31bが垂設鋼板31等の幅方向に間欠的に設けられている形態では(L字金具が接合され、張設された図9、10参照)、隣り合う止水材支持鋼板31bの間にワイヤー又はロープ32を配設することができる(模式的な斜視図である図13及び図13を上方からみた平面図である図14参照)。また、ワイヤー又はロープ32は、垂設鋼板31に配設することもできる(模式的な斜視図である図15参照)。特に垂設鋼板31が鋼製ジョイント部材3の幅方向に間欠的に垂設されている形態であるときは、ワイヤー又はロープ32を垂設鋼板31に配設することが好ましい。
【0045】
ワイヤーとしては、鉄鋼、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、真鍮及びピアノ線等を用いてなる製品、ロープとしては、化学繊維、天然繊維、金属繊維などからなる素線を撚り合わせた耐久性の高い製品などが挙げられる。尚、ワイヤー又はロープ32を止水材支持鋼板31b及び垂設鋼板31に配設する場合、ワイヤー又はロープ32は止水材支持鋼板31b及び垂設鋼板31に設けられた係合部32aに係合させ、配設させることができる。係合部32aの形態は特に限定されず、例えば、止水材支持鋼板31b及び垂設鋼板31に固定された挿通孔を有する部材等が挙げられ、ワイヤー又はロープ32が挿通孔に挿通され配設される。更に、ワイヤー32は溶接により止水材支持鋼板31b及び垂設鋼板31に配設することもできる。
【0046】
上述のように、止水材支持鋼板31b及び/又は垂設鋼板31等、特に止水材支持鋼板31bに、ワイヤー又はロープ32を配設することにより、止水材支持鋼板31b若しくは垂設鋼板31が部分的に腐食し、橋梁下に落下し、車両、通行人等が被害を受けることが抑えられる。更に、目地部2に介装された止水用部材5の経年劣化及び/又は路面側からの押圧力などにより、止水用部材5が下方へ落下してしまうのを抑えることもできる。尚、ワイヤー又はロープ32は、長さ方向に過度な張力が作用するほどの緊張状態に配設するのではなく、張力が作用しない程度に配設することが好ましい。これにより、橋桁等に何らかの応力が作用し、変位したときなどにワイヤー又はロープ32が破断してしまうことが抑制される。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、高架橋等の各種の橋梁の目地部における止水構造として利用することができる。
【符号の説明】
【0048】
100;橋梁、1;橋梁構成体、11;鋼床版を備える橋桁、11a鋼床版、;12;コンクリート床版を備える橋桁、12a;橋桁端面用鋼板、13;橋台、13a;橋台端面用鋼板、2;目地部、3;鋼製ジョイント部材、31;垂設鋼板、31a;補強部材、31b;止水材支持鋼板、32;ワイヤー又はロープ、32a;係合部、33;固定用ボルト、4;橋脚、5;止水用部材、51;弾性シール材、52;止水材、52a;導水路、52b;連通路、6;支承部材。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
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図17