(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-01
(45)【発行日】2023-08-09
(54)【発明の名称】情報処理装置、プログラム、及び、方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/0631 20230101AFI20230802BHJP
A61B 5/00 20060101ALI20230802BHJP
G05B 19/418 20060101ALN20230802BHJP
【FI】
G06Q10/0631
A61B5/00 G
G05B19/418 Z
(21)【出願番号】P 2019197911
(22)【出願日】2019-10-30
【審査請求日】2022-04-14
(73)【特許権者】
【識別番号】521110943
【氏名又は名称】株式会社Agama-X
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】得地 賢吾
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 雅弘
(72)【発明者】
【氏名】苅谷 花子
【審査官】阿部 潤
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-123169(JP,A)
【文献】特開平08-317984(JP,A)
【文献】特開2002-187694(JP,A)
【文献】特開2017-158841(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
A61B 5/00
G05B 19/418
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを有し、
前記プロセッサは、
活動の実施依頼を受けた人の生体情報であって前記活動の実施依頼を受けたときに前記人から発生した生体情報を取得し、
前記生体情報に基づいて、前記人が前記活動の実施を受け入れることができるか否かを推定
し、
前記生体情報から把握される、前記活動に対する前記人の反応を示す反応情報を記憶装置に記憶させ、
前記反応情報は、前記活動と同じ又は類似の活動を実施する人を決定するときの判断材料として用いられる、
情報処理装置。
【請求項2】
プロセッサを有し、
前記プロセッサは、
活動の実施依頼を受けた人の生体情報であって前記活動の実施依頼を受けたときに前記人から発生した生体情報を取得し、
前記生体情報に基づいて、前記人が前記活動の実施を受け入れることができるか否かを推定し、
前記活動の実施依頼を受ける前に前記人から発生した生体情報が示す前記人の状態が、予め定められた状態の範囲内に含まれない場合、前記人から発生した生体情報が示す前記人の状態が、前記範囲内に含まれるのを待ってから、生体情報に基づいて、前記人が前記活動の実施を受け入れることができるか否かを推定する、
情報処理装置。
【請求項3】
プロセッサを有し、
前記プロセッサは、
活動の実施依頼を受けた人の生体情報であって前記活動の実施依頼を受けたときに前記人から発生した生体情報を取得し、
前記生体情報に基づいて、前記人が前記活動の実施を受け入れることができるか否かを推定し、
前記生体情報が、前記活動の実施を拒否する反応を示した場合、依頼対象の前記活動の量を前記生体情報が示す反応のレベルに応じた量減らして、前記量を減らした後の活動を前記人に割り当てる、又は、依頼対象の前記活動の難易度を前記生体情報が示す反応のレベルに応じた度合い下げて、前記難易度を下げた後の活動を前記人に割り当てる、
情報処理装置。
【請求項4】
コンピュータに、
活動の実施依頼を受けた人の生体情報であって前記活動の実施依頼を受けたときに前記人から発生した生体情報を取得させ、
前記生体情報に基づいて、前記人が前記活動の実施を受け入れることができるか否かを推定させ
、
前記生体情報から把握される、前記活動に対する前記人の反応を示す反応情報を記憶装置に記憶させ、
前記反応情報は、前記活動と同じ又は類似の活動を実施する人を決定するときの判断材料として用いられる、
プログラム。
【請求項5】
コンピュータに、
活動の実施依頼を受けた人の生体情報であって前記活動の実施依頼を受けたときに前記人から発生した生体情報を取得させ、
前記生体情報に基づいて、前記人が前記活動の実施を受け入れることができるか否かを推定させ、
前記活動の実施依頼を受ける前に前記人から発生した生体情報が示す前記人の状態が、予め定められた状態の範囲内に含まれない場合、前記人から発生した生体情報が示す前記人の状態が、前記範囲内に含まれるのを待ってから、生体情報に基づいて、前記人が前記活動の実施を受け入れることができるか否かを推定させる、
プログラム。
【請求項6】
コンピュータに、
活動の実施依頼を受けた人の生体情報であって前記活動の実施依頼を受けたときに前記人から発生した生体情報を取得させ、
前記生体情報に基づいて、前記人が前記活動の実施を受け入れることができるか否かを推定させ、
前記生体情報が、前記活動の実施を拒否する反応を示した場合、依頼対象の前記活動の量を前記生体情報が示す反応のレベルに応じた量減らさせて、前記量を減らさせた後の活動を前記人に割り当てさせる、又は、依頼対象の前記活動の難易度を前記生体情報が示す反応のレベルに応じた度合い下げさせて、前記難易度を下げさせた後の活動を前記人に割り当てさせる、
プログラム。
【請求項7】
コンピュータが、
活動の実施依頼を受けた人の生体情報であって前記活動の実施依頼を受けたときに前記人から発生した生体情報を取得し、
前記生体情報に基づいて、前記人が前記活動の実施を受け入れることができるか否かを推定し、
前記生体情報から把握される、前記活動に対する前記人の反応を示す反応情報を記憶装置に記憶し、
前記反応情報は、前記活動と同じ又は類似の活動を実施する人を決定するときの判断材料として用いられる、
方法。
【請求項8】
コンピュータが、
活動の実施依頼を受けた人の生体情報であって前記活動の実施依頼を受けたときに前記人から発生した生体情報を取得し、
前記生体情報に基づいて、前記人が前記活動の実施を受け入れることができるか否かを推定し、
前記活動の実施依頼を受ける前に前記人から発生した生体情報が示す前記人の状態が、予め定められた状態の範囲内に含まれない場合、前記人から発生した生体情報が示す前記人の状態が、前記範囲内に含まれるのを待ってから、生体情報に基づいて、前記人が前記活動の実施を受け入れることができるか否かを推定する、
方法。
【請求項9】
コンピュータが、
活動の実施依頼を受けた人の生体情報であって前記活動の実施依頼を受けたときに前記人から発生した生体情報を取得し、
前記生体情報に基づいて、前記人が前記活動の実施を受け入れることができるか否かを推定し、
前記生体情報が、前記活動の実施を拒否する反応を示した場合、依頼対象の前記活動の量を前記生体情報が示す反応のレベルに応じた量減らして、前記量を減らした後の活動を前記人に割り当てる、又は、依頼対象の前記活動の難易度を前記生体情報が示す反応のレベルに応じた度合い下げて、前記難易度を下げた後の活動を前記人に割り当てる、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、プログラム、及び、方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、人の健康診断情報を蓄積しているクラウド部と、作業者の体調データを検出するセンサと、センサから取得した体調データとクラウド部から取得した健康診断情報とに基づいて、作業者の体調を推定し、その推定結果に基づいて生産計画を調整する制御部と、を有する生産管理システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、活動の実施依頼を受けた人が当該実施を受け入れることができるか否かを推定することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る発明は、プロセッサを有し、前記プロセッサは、活動の実施依頼を受けた人の生体情報であって前記活動の実施依頼を受けたときに前記人から発生した生体情報を取得し、前記生体情報に基づいて、前記人が前記活動の実施を受け入れることができるか否かを推定し、前記生体情報から把握される、前記活動に対する前記人の反応を示す反応情報を記憶装置に記憶させ、前記反応情報は、前記活動と同じ又は類似の活動を実施する人を決定するときの判断材料として用いられる、情報処理装置である。
【0006】
請求項2に係る発明は、プロセッサを有し、前記プロセッサは、活動の実施依頼を受けた人の生体情報であって前記活動の実施依頼を受けたときに前記人から発生した生体情報を取得し、前記生体情報に基づいて、前記人が前記活動の実施を受け入れることができるか否かを推定し、前記活動の実施依頼を受ける前に前記人から発生した生体情報が示す前記人の状態が、予め定められた状態の範囲内に含まれない場合、前記人から発生した生体情報が示す前記人の状態が、前記範囲内に含まれるのを待ってから、生体情報に基づいて、前記人が前記活動の実施を受け入れることができるか否かを推定する、情報処理装置である。
【0007】
請求項3に係る発明は、プロセッサを有し、前記プロセッサは、活動の実施依頼を受けた人の生体情報であって前記活動の実施依頼を受けたときに前記人から発生した生体情報を取得し、前記生体情報に基づいて、前記人が前記活動の実施を受け入れることができるか否かを推定し、前記生体情報が、前記活動の実施を拒否する反応を示した場合、依頼対象の前記活動の量を前記生体情報が示す反応のレベルに応じた量減らして、前記量を減らした後の活動を前記人に割り当てる、又は、依頼対象の前記活動の難易度を前記生体情報が示す反応のレベルに応じた度合い下げて、前記難易度を下げた後の活動を前記人に割り当てる、情報処理装置である。
【0008】
請求項4に係る発明は、コンピュータに、活動の実施依頼を受けた人の生体情報であって前記活動の実施依頼を受けたときに前記人から発生した生体情報を取得させ、前記生体情報に基づいて、前記人が前記活動の実施を受け入れることができるか否かを推定させ、前記生体情報から把握される、前記活動に対する前記人の反応を示す反応情報を記憶装置に記憶させ、前記反応情報は、前記活動と同じ又は類似の活動を実施する人を決定するときの判断材料として用いられる、プログラムである。
【0009】
請求項5に係る発明は、コンピュータに、活動の実施依頼を受けた人の生体情報であって前記活動の実施依頼を受けたときに前記人から発生した生体情報を取得させ、前記生体情報に基づいて、前記人が前記活動の実施を受け入れることができるか否かを推定させ、 前記活動の実施依頼を受ける前に前記人から発生した生体情報が示す前記人の状態が、予め定められた状態の範囲内に含まれない場合、前記人から発生した生体情報が示す前記人の状態が、前記範囲内に含まれるのを待ってから、生体情報に基づいて、前記人が前記活動の実施を受け入れることができるか否かを推定させる、プログラムである。
【0010】
請求項6に係る発明は、コンピュータに、活動の実施依頼を受けた人の生体情報であって前記活動の実施依頼を受けたときに前記人から発生した生体情報を取得させ、前記生体情報に基づいて、前記人が前記活動の実施を受け入れることができるか否かを推定させ、前記生体情報が、前記活動の実施を拒否する反応を示した場合、依頼対象の前記活動の量を前記生体情報が示す反応のレベルに応じた量減らさせて、前記量を減らさせた後の活動を前記人に割り当てさせる、又は、依頼対象の前記活動の難易度を前記生体情報が示す反応のレベルに応じた度合い下げさせて、前記難易度を下げさせた後の活動を前記人に割り当てさせる、プログラムである。
【0011】
請求項7に係る発明は、コンピュータが、活動の実施依頼を受けた人の生体情報であって前記活動の実施依頼を受けたときに前記人から発生した生体情報を取得し、前記生体情報に基づいて、前記人が前記活動の実施を受け入れることができるか否かを推定し、前記生体情報から把握される、前記活動に対する前記人の反応を示す反応情報を記憶装置に記憶し、前記反応情報は、前記活動と同じ又は類似の活動を実施する人を決定するときの判断材料として用いられる、方法である。
【0012】
請求項8に係る発明は、コンピュータが、活動の実施依頼を受けた人の生体情報であって前記活動の実施依頼を受けたときに前記人から発生した生体情報を取得し、前記生体情報に基づいて、前記人が前記活動の実施を受け入れることができるか否かを推定し、前記活動の実施依頼を受ける前に前記人から発生した生体情報が示す前記人の状態が、予め定められた状態の範囲内に含まれない場合、前記人から発生した生体情報が示す前記人の状態が、前記範囲内に含まれるのを待ってから、生体情報に基づいて、前記人が前記活動の実施を受け入れることができるか否かを推定する、方法である。
【0013】
請求項9に係る発明は、コンピュータが、活動の実施依頼を受けた人の生体情報であって前記活動の実施依頼を受けたときに前記人から発生した生体情報を取得し、前記生体情報に基づいて、前記人が前記活動の実施を受け入れることができるか否かを推定し、前記生体情報が、前記活動の実施を拒否する反応を示した場合、依頼対象の前記活動の量を前記生体情報が示す反応のレベルに応じた量減らして、前記量を減らした後の活動を前記人に割り当てる、又は、依頼対象の前記活動の難易度を前記生体情報が示す反応のレベルに応じた度合い下げて、前記難易度を下げた後の活動を前記人に割り当てる、方法である。
【発明の効果】
【0022】
請求項1から9に係る発明によれば、活動の実施依頼を受けた人が当該実施を受け入れることができるか否かを推定することができる。
【0027】
請求項1,4,7に係る発明によれば、活動が割り当てられる人を決定するために、反応情報を用いることができる。
【0028】
請求項2,5,8に係る発明によれば、予め定められた状態を有するユーザの反応を得ることができる。
【0029】
請求項3,6,9に係る発明によれば、人の反応のレベルに応じた量又は難易度を有する活動を、当該人に割り当てることができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】本実施形態に係る情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】本実施形態に係る情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】本実施形態に係る情報処理装置による処理を示すフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1を参照して、本実施形態に係る情報処理システムについて説明する。
図1には、本実施形態に係る情報処理システムの構成の一例が示されている。
【0039】
本実施形態に係る情報処理システムは、情報処理装置10と、1又は複数の端末装置と、1又は複数の生体情報測定装置とを含む。
図1に示す例では、情報処理システムは、端末装置12A,12B,12C,12Dと生体情報測定装置14A,14Bとを含むが、これは一例に過ぎない。以下では、端末装置12A,12B,12C,12Dを区別する必要がない場合には、端末装置12A,12B,12C,12Dを「端末装置12」と称することとする。また、生体情報測定装置14A,14Bを区別する必要がない場合には、生体情報測定装置14A,14Bを「生体情報測定装置14」と称することとする。なお、
図1に示されている各装置の数は一例に過ぎず、各装置の数が、
図1に示されている各装置の数に限定されるものではない。また、情報処理システムは、
図1に示されている装置以外の他の装置(例えばサーバ等の外部装置)を含んでもよい。
【0040】
情報処理装置10、端末装置12及び生体情報測定装置14は、他の装置等と通信するように構成されている。その通信は、ケーブルを利用する有線通信であってもよいし、無線通信であってもよい。つまり、各装置は、他の装置等とケーブルによって物理的に接続されて、情報を互いに送受信してもよいし、無線通信によって互いに情報を送受信してもよい。無線通信として、例えば、近距離無線通信やWi-Fi(登録商標)等が用いられる。これら以外の規格の無線通信が用いられてもよい。近距離無線通信は、例えば、Bluetooth(登録商標)やRFID(Radio Frequency Identifier)やNFC等である。各装置は、LAN(Local Area Network)やインターネット等の通信経路を介して他の装置や他のセンサ等と通信してもよい。
【0041】
情報処理装置10は、例えば、パーソナルコンピュータ(以下、「PC」と称する)、タブレットPC、スマートフォン、携帯電話、又は、その他の装置である。情報処理装置10は、ユーザが携帯することが可能な端末装置(例えば、タブレットPCやスマートフォンや携帯電話等)であってもよいし、テーブル等に設置されて使用される装置であってもよい。情報処理装置10は、通信機能とマイクとスピーカとを有するスマートスピーカであってもよい。情報処理装置10は、屋内(例えば、部屋の床、天井、テーブル等)に設置されてもよいし、屋外に設置されてもよい。また、情報処理装置10は、移動可能な装置(例えば自走式の装置)でもよいし、サーバであってもよい。
【0042】
端末装置12は、例えば、PC、タブレットPC、スマートフォン、携帯電話、又は、その他の装置である。情報処理装置10は、ユーザが携帯することが可能な端末装置(例えば、タブレットPCやスマートフォンや携帯電話等)であってもよいし、テーブル等に設置されて使用される装置であってもよい。
【0043】
生体情報測定装置14は、センサや電極等を有し、ユーザの生体情報を測定するように構成されている。各生体情報測定装置14は、異なる種類の生体情報を測定してもよい。もちろん、すべての生体情報測定装置14の中の一部又は全部は、同じ種類の生体情報を測定するように構成されてもよい。また、各生体情報測定装置14は、1つの種類の生体情報を測定するように構成されてもよいし、複数の種類の生体情報を測定するように構成されてもよい。
【0044】
生体情報測定装置14は、自装置で測定した生体情報を情報処理装置10に送信してもよいし、端末装置12に送信してもよい。生体情報測定装置14は、生体情報を測定する度に生体情報を情報処理装置10や端末装置12に送信してもよいし、生体情報を記憶し、予め定められた時間間隔毎に生体情報を情報処理装置10や端末装置12に送信してもよいし、ユーザが指定したタイミングで生体情報を情報処理装置10や端末装置12に送信してもよい。また、生体情報測定装置14は、他の生体情報測定装置14が測定した生体情報を当該他の生体情報測定装置14から受信し、自装置が測定した生体情報と当該他の生体情報測定装置14が測定した生体情報とを情報処理装置10や端末装置12に送信してもよい。
【0045】
生体情報測定装置14は、自装置又は他の生体情報測定装置14が測定した生体情報を分析し、その分析結果を示す情報を情報処理装置10や端末装置12に送信してもよい。例えば、生体情報測定装置14はプロセッサを含み、当該プロセッサが生体情報を分析してもよい。もちろん、その分析は情報処理装置10や端末装置12によって行われてもよい。
【0046】
生体情報測定装置14は、バッテリを含み、当該バッテリから供給される電力によって駆動してもよいし、情報処理装置10や端末装置12から電力の供給を受けて駆動してもよい。
【0047】
生体情報測定装置14は、生体情報測定装置14全体がユーザに装着されて生体情報を測定するウェアラブル装置であってもよい。例えば、生体情報測定装置14は、ユーザの頭部に装着される装置であってもよいし、ユーザの耳に装着されるヒアラブル装置であってもよいし、ユーザの腕や手や手首や指等に装着される装置(例えば腕時計型の装置等)であってもよいし、ユーザの首に掛けられる装置であってもよいし、ユーザの胴体や足等に装着される装置であってもよい。
【0048】
生体情報は、生体であるユーザから発する様々な生理学的情報や解剖学的情報である。生体情報の概念の範疇には、例えば、脳の活動を示す情報(例えば、脳波、脳の血流量、脳磁場信号等)、脈拍数を示す情報、筋電波形等の筋電情報、唾液に関する情報、脈波を示す情報、血圧を示す情報、脈拍を示す情報、心拍数を示す情報、心電波形を示す情報、眼球運動を示す情報、体温を示す情報、発汗量を示す情報、視線を示す情報、音声情報、及び、ユーザの動きを示す情報等が含まれる。また、バイオマーカによって特定される情報が、生体情報として用いられてもよい。これら生体情報の一例に過ぎず、他の生理学的情報や解剖学的情報が生体情報として用いられてもよい。生体情報測定装置14は、これらの生体情報の中の1つの生体情報を測定してもよいし、複数の生体情報を測定してもよい。
【0049】
情報処理装置10は、生体情報測定装置14から生体情報を受け付けて、生体情報の分析、生体情報の記憶、生体情報の出力、生体情報の分析結果を示す情報の記憶、及び、生体情報の分析結果を示す情報の出力等を行う。生体情報を出力することは、例えば、生体情報を表示することや、生体情報を音声情報として出力することや、生体情報を他の装置に送信すること等である。生体情報の分析結果を示す情報を出力することは、例えば、分析結果を示す情報を表示することや、分析結果を音声情報として出力することや、分析結果を示す情報を他の装置に送信すること等である。
【0050】
生体情報の分析、生体情報の記憶、生体情報の出力、生体情報の分析結果を示す情報の記憶、及び、生体情報の分析結果を示す情報の出力等は、端末装置12によって行われてもよい。もちろん、生体情報の分析は生体情報測定装置14によって行われてもよい。
【0051】
情報処理装置10は、1又は複数の生体情報測定装置14を含んでもよい。つまり、1又は複数の生体情報測定装置14は、情報処理装置10に組み込まれて、1つの装置が構成されてもよい。1又は複数の生体情報測定装置14を含む情報処理装置10全体が、ユーザに装着されて生体情報を測定してもよい。つまり、情報処理装置10はウェアラブル装置であってもよい。例えば、情報処理装置10は、ユーザの頭部に装着される装置であってもよいし、ユーザの耳に装着されるヒアラブル装置であってもよいし、ユーザの腕や手や手首や指等に装着される装置(例えば腕時計型の装置)であってもよいし、ユーザの首に掛けられる装置であってもよいし、ユーザの胴体や足等に装着される装置であってもよい。
【0052】
同様に、端末装置12は、1又は複数の生体情報測定装置14を含んでもよい。1又は複数の生体情報測定装置14を含む情報処理装置10全体が、ユーザに装着されて生体情報を測定してもよい。つまり、端末装置12はウェアラブル装置であってもよい。例えば、端末装置12は、ユーザの頭部に装着される装置であってもよいし、ユーザの耳に装着されるヒアラブル装置であってもよいし、ユーザの腕や手や手首や指等に装着される装置(例えば腕時計型の装置)であってもよいし、ユーザの首に掛けられる装置であってもよいし、ユーザの胴体や足等に装着される装置であってもよい。
【0053】
本実施形態では一例として、情報処理装置10と生体情報測定装置14は別々の装置であり、端末装置12と生体情報測定装置14も別々の装置であるものとする。例えば、情報処理装置10はスマートスピーカであり、端末装置12はスマートフォンやタブレットPC等の可搬型の端末装置であり、生体情報測定装置14は、ユーザに装着されるウェアラブル装置である。もちろん、これらの構成は一例に過ぎず、別の構成が採用されてもよい。
【0054】
本実施形態では、活動の実施を依頼する依頼者が、活動の実施を、活動の実施が依頼される被依頼者に依頼した場合、その依頼を受けた当該被依頼者の生体情報が生体情報測定装置14によって測定される。情報処理装置10は、その測定された生体情報に基づいて、当該被依頼者が活動の実施を受け入れることができるか否かを推定する。活動は、例えば、肉体的な動きを伴う作業や、頭脳を使うこと等である。活動の概念の範疇には、仕事や遊び等が含まれる。肉体的な動きを伴う何らかの作業や、頭脳を使うことであれば、活動の概念の範疇に含まれてもよい。
【0055】
以下、
図2を参照して、情報処理装置10の構成について詳しく説明する。
図2には、情報処理装置10のハードウェアの構成が示されている。
【0056】
情報処理装置10は、例えば、通信装置16と、UI18と、記憶装置20と、プロセッサ22とを含む。情報処理装置10は、これら以外の構成を含んでもよい。
【0057】
通信装置16は通信インターフェースであり、他の装置にデータを送信する機能、及び、他の装置から送信されてきたデータを受信する機能を有する。通信装置16は、無線通信機能を有してもよいし、有線通信機能を有してもよい。通信装置16は、例えば近距離無線通信を利用することで他の装置と通信してもよいし、LANやインターネット等の通信経路を介して他の装置と通信してもよい。
【0058】
UI18はユーザインターフェースであり、表示装置と操作装置とを含む。表示装置は、液晶ディスプレイやELディスプレイ等である。操作装置は、キーボードや入力キーや操作パネル等である。UI18は、表示装置と操作装置とを兼ね備えたタッチパネル等のUIであってもよい。また、マイクがUI18に含まれてもよいし、音を発するスピーカがUI18に含まれてもよい。
【0059】
記憶装置20は、各種のデータを記憶する1又は複数の記憶領域を構成する装置である。記憶装置20は、例えば、ハードディスクドライブ、各種のメモリ(例えばRAMやDRAMやROM等)、その他の記憶装置(例えば光ディスク等)、又は、それらの組み合わせである。1又は複数の記憶装置20が情報処理装置10に含まれている。
【0060】
記憶装置20には、生体反応管理情報と、履歴管理情報と、スケジュール管理情報とが記憶されている。
【0061】
生体反応管理情報は、ユーザから測定された生体情報に基づいて、当該ユーザの生体反応を推測するための情報である。例えば、予め定められた基準生体情報と、当該基準生体情報を発生させたユーザが有すると推測される生体反応を示す生体反応情報とが、予め紐付けられて生体反応管理情報に登録されている。ユーザ毎に、基準生体情報と生体反応情報とが紐付けられて生体反応管理情報に登録されてもよい。
【0062】
生体反応は、例えば、ユーザの感情が反映された反応である。例えば、楽しいという感情や、リラックスしているという感情や、わくわくするという感情や、やりたいという感情や、ストレスを有していないという感動等が、ポジティブな生体反応、つまり、好意的な生体反応である。つまらないという感情や、イライラするという感情や、逃げたいという感情や、不得意という感情や、やりたくないという感情や、ストレスを有するという感情等は、ネガティブな生体反応、つまり、拒否を表す生体反応である。
【0063】
基準生体情報は、例えば、統計的な処理によって定められ、当該基準生体情報に紐付けられている生体反応を有するユーザから一般的に発生すると想定される生体情報である。
【0064】
履歴管理情報は、活動の実施依頼を受けた被依頼者であるユーザの生体反応を管理するための情報である。例えば、ユーザ毎に、活動の実施依頼を受けた被依頼者であるユーザを識別するためのユーザ識別情報と、当該ユーザが当該活動の実施依頼を受けた日時を示す日時情報と、当該活動に関する活動情報と、当該活動の実施依頼を受けた当該ユーザの生体反応を示す生体反応情報とが紐付けられて、履歴管理情報に登録される。
【0065】
ユーザ識別情報は、例えば、ユーザの氏名やユーザIDやユーザアカウント等である。
【0066】
活動情報は、活動がどのような内容の活動であるのかを示す情報であり、その内容を示す情報を含む。また、活動情報は、当該活動が実施される場所を示す情報、当該活動が実施される日時を示す情報、当該活動を共同して行う他の共同実施者を識別するための情報、及び、当該活動を依頼した依頼者を識別するための情報等を含んでもよい。
【0067】
例えば、ユーザが活動の実施依頼を受ける度に、当該ユーザの生体情報が測定され、測定された生体情報に基づいて生体反応が推測され、その推測された生体反応を示す生体反応情報が、履歴管理情報に登録される。
【0068】
スケジュール管理情報は、被依頼者であるユーザに割り当てられている活動の予定や、誰にも割り当てられていない活動の予定や、実施済みの活動を管理するための情報である。例えば、これから実施される予定の活動に関する活動情報と、当該活動を実施する予定のユーザを識別するためのユーザ識別情報とが紐付けられて、スケジュール管理情報に登録される。活動を実施する予定のユーザは、当該活動の実施が割り当てられたユーザである。また、活動が実施された場合、既に実施された活動に関する活動情報と、当該活動を実施したユーザを識別するためのユーザ識別情報と、当該活動を実施しているときの当該ユーザの生体反応を示す生体反応情報とが紐付けられて、スケジュール管理情報に登録されてもよい。なお、活動を実施しているときのユーザの生体情報が測定されない場合、活動を実施しているときのユーザの生体反応を示す生体反応情報は、スケジュール管理情報に登録されない。また、実施中の活動に関する情報が、スケジュール管理情報に登録されてもよい。各活動の進捗状況を示す情報が、各活動に紐付けられてスケジュール管理情報に登録されてもよい。
【0069】
なお、生体反応管理情報、履歴管理情報、及び、スケジュール管理情報の少なくとも1つの情報は、記憶装置20に記憶されずに、他の装置(例えばサーバ等)に記憶されてもよい。
【0070】
プロセッサ22は、活動の実施依頼を受けた被依頼者の生体情報であって当該活動の実施依頼を受けたときの当該被依頼者から発生した生体情報を取得し、当該生体情報に基づいて、当該被依頼者が当該活動の実施を受け入れることができるか否かを推定するように構成されている。プロセッサ22は、生体情報測定装置14から生体情報を取得してもよいし、生体情報測定装置14から生体情報を取得した端末装置12から生体情報を取得してもよい。プロセッサ22は、1種類の生体情報に基づいて、被依頼者が活動の実施を受け入れることができるか否かを推定してもよいし、複数種類の生体情報に基づいて、被依頼者が活動の実施を受け入れることができるか否かを推定してもよい。
【0071】
プロセッサ22は、活動の実施依頼を受けたときの被依頼者の生体反応に関する履歴を管理してもよい。例えば、プロセッサ22は、活動の実施依頼を受けたときの被依頼者の生体反応を示す生体反応情報を履歴管理情報に登録してもよい。
【0072】
プロセッサ22は、活動の実施をユーザに割り当ててもよい。例えば、プロセッサ22は、実施される予定の活動の内容を示す活動情報と、当該活動を実施する予定のユーザのユーザ識別情報とを紐付けてスケジュール管理情報に登録してもよい。
【0073】
また、プロセッサ22は、情報処理装置10の各部の動作を制御するように構成されている。プロセッサ22は、メモリを含んでもよい。
【0074】
例えば、脳の活動を測定する生体情報測定装置14と情報処理装置10とによって、ブレイン・マシン・インターフェースが構築されてもよい。ブレイン・マシン・インターフェースの方式は、侵襲式であってもよいし、非侵襲式であってもよい。この場合、プロセッサ22は、ユーザの脳の活動(例えば脳波等)に基づいて当該ユーザの生体反応を推測する。プロセッサ22は、生体反応を推測するために、脳波から特徴的な成分を抽出し、その抽出された成分に基づいて生体反応を推測してもよい。脳波から特徴的な成分を抽出するために、高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)や、ウェーブレット変換(WT:Wavelet Transform)、TFD(Time Frequency Distribution)、EM(Eigenvector Methods)、自己回帰モデル(ARM:Auto Regressive Method)等が用いられてもよい。また、特徴の抽出によって得られた特徴ベクトルを用いて、脳波と生体反応とを結び付ける方法として、例えば、独立成分分析(ICA:Independent Component Analysis)、k平均法、サポートベクターマシン(SVM:Support Vector Machine)、畳み込みニューラルネットワーク等が用いられてもよい。
【0075】
端末装置12は、例えば、通信装置、UI、記憶装置及びプロセッサを有する。プロセッサは、例えば、通信装置を用いてデータを他の装置に送信したり、通信装置を用いてデータを他の装置から受信したり、画像をUIの表示部に表示させたり、UIを介して入力されたデータを受け付けたり、データを記憶装置に記憶させたりする。
【0076】
以下、
図3を参照して、情報処理装置10による処理について詳しく説明する。
図3には、情報処理装置10による処理の一例を示すフローチャートが示されている。
【0077】
ここでは一例として、依頼者であるユーザX1が、被依頼者であるユーザA1に対して活動を依頼するものとする。また、端末装置12Aが、被依頼者であるユーザA1によって使用され、端末装置12Cが、依頼者であるユーザX1によって使用され、生体情報測定装置14AによってユーザA1の生体情報が測定されるものとする。
【0078】
まず、活動の実施依頼を受ける前の、被依頼者であるユーザA1の生体情報が、生体情報測定装置14によって測定される(S01)。なお、この測定は、活動の実施依頼を受ける前のユーザA1の生体反応を把握するために行われるものであり、必ずしもこの測定が行われなくてもよい。
【0079】
次に、活動の実施依頼がユーザA1に通知される(S02)。
【0080】
ここで、活動の実施依頼を、被依頼者であるユーザに通知する方法について説明する。
【0081】
例えば、依頼者であるユーザX1は、自身の端末装置12Cを用いて、活動の実施を、被依頼者であるユーザA1に依頼する。
【0082】
ユーザX1が、自身の端末装置12Cを用いて、依頼対象の活動の内容と、被依頼者であるユーザA1とを指定し、依頼の通知を指示すると、端末装置12Cは、活動の実施依頼を示す情報を情報処理装置10に送信する。活動の実施依頼を示す情報は、例えば、依頼者であるユーザX1のユーザ識別情報と、依頼対象の活動に関する活動情報と、被依頼者であるユーザA1のユーザ識別情報とを含む。活動の実施依頼を示す情報に含まれる活動情報には、活動の内容を示す情報のみが含まれてもよいし、活動の内容を示す情報以外にも、当該活動が実施される予定の日時を示す情報や、当該活動を共同して行う予定の他の共同実施者を識別するための情報や、当該活動を依頼した依頼者を識別するための情報等が含まれてもよい。例えば、ユーザX1が、活動の実施依頼を示す情報に含まれる情報を指定してもよい。
【0083】
情報処理装置10のプロセッサ22は、活動の実施依頼を示す情報を端末装置12Cから受信すると、ユーザA1に対して活動の実施依頼を通知する。なお、プロセッサ22は、活動の実施依頼を示す情報を参照することで、依頼者であるユーザX1と、被依頼者であるユーザA1と、依頼対象の活動の内容とを認識する。また、後述するように、プロセッサ22は、活動の実施依頼を示す情報を履歴情報として履歴管理情報に登録する。
【0084】
例えば、プロセッサ22は、活動の実施依頼を示す情報をユーザA1の端末装置12Aに送信する。端末装置12Aのアドレス情報は、情報処理装置10の記憶装置20に予め記憶されていてもよいし、依頼時にユーザX1によって指定されて、活動の実施依頼を示す情報に含まれてもよい。活動の実施依頼を示す情報を受信した端末装置12Aのプロセッサは、当該情報を、端末装置12AのUIの表示部に表示させる。これにより、活動の実施依頼がユーザA1に通知される。例えば、活動情報に含まれている、活動の内容を示す情報が、表示され、ユーザA1は、依頼対象の活動の内容を認識することができる。また、活動情報に、活動の内容を示す情報以外の情報(例えば、当該活動が実施される日時を示す情報等)が含まれている場合、活動の内容を示す情報以外の情報も表示されてもよい。これにより、ユーザA1は、依頼対象の活動が実施される日時や場所等を認識することができる。
【0085】
別の例として、プロセッサ22は、スピーカから音声を発することで活動の実施依頼をユーザA1に通知してもよいし、画像をUI18の表示部に表示させることで活動の実施依頼をユーザA1に通知してもよい。
【0086】
ユーザX1は、端末装置12を用いずに、活動の実施をユーザA1に依頼してもよい。例えば、ユーザX1が、音声によって活動の実施依頼をユーザA1に通知すると、スピーカによって当該音声が測定され、プロセッサ22は、当該活動の実施依頼を表す音声データを受け付ける。プロセッサ22は、当該音声データを解析することで、依頼者であるユーザX1と、被依頼者であるユーザA1と、依頼対象の活動の内容とを認識する。例えば、ユーザX1が、口頭で、依頼対象の活動の内容や、当該活動が実施される日時等を、ユーザA1に通知することが考えられる。プロセッサ22は、カメラによってユーザX1とユーザA1とが撮影することで生成された画像データを解析することで、依頼者であるユーザX1と被依頼者であるユーザA1とを認識してもよい。
【0087】
次に、活動の実施依頼を受けたユーザA1の生体情報が生体情報測定装置14Aによって測定される(S03)。測定された生体情報は、例えば、生体情報測定装置14Aから情報処理装置10に送信されてもよいし、生体情報測定装置14AからユーザA1の端末装置12Aに送信され、端末装置12Aから情報処理装置10に送信されてもよい。
【0088】
例えば、ユーザA1の生体情報が、ユーザA1が活動の依頼を受ける前から生体情報測定装置14Aによって継続的に測定されている場合、プロセッサ22は、依頼を受けた時点から予め定められた期間内にユーザA1から測定された生体情報を、生体情報測定装置14Aから受信する。
【0089】
別の例として、ユーザA1の生体情報が、ユーザA1が活動の依頼を受ける前から生体情報測定装置14Aによって継続的に測定されて情報処理装置10に送信されている場合、プロセッサ22は、後述するステップS04にて、依頼を受けた時点から予め定められた期間内にユーザA1から測定された生体情報に基づいて、ユーザA1の生体反応を推測してもよい。
【0090】
別の例として、ユーザA1の生体情報が、ユーザA1が活動の依頼を受ける前から生体情報測定装置14Aによって測定されていない場合、活動の実施依頼を示す情報を受けたプロセッサ22は、生体情報の測定を生体情報測定装置14Aに指示してもよい。別の例として、活動の実施依頼を示す情報を受信した端末装置12Aのプロセッサは、生体情報の測定を生体情報測定装置14Aに指示してもよい。その指示を受けた生体情報測定装置14Aは、ユーザA1の生体情報を測定し、当該生体情報を情報処理装置10に送信する。
【0091】
なお、依頼者又は被依頼者が、被依頼者の生体情報の測定を情報処理装置10に指示してもよい。その指示は、UI18を用いてなされてもよいし、依頼者又は被依頼者の端末装置12を用いてなされてもよい。その指示を受けたプロセッサ22は、被依頼者の生体情報を測定する生体情報測定装置14に生体情報の測定を指示する。その指示を受けた生体情報測定装置14は、被依頼者の生体情報を測定し、端末装置12を介して、又は、端末装置12を介さずに、当該生体情報を情報処理装置10に送信する。
【0092】
情報処理装置10のプロセッサ22は、ユーザA1から測定された生体情報を受け付けると、測定された生体情報に基づいて、ユーザA1の生体反応を推測する(S04)。
【0093】
例えば、プロセッサ22は、ユーザA1から測定された生体情報と、上述した生体反応管理情報に登録されている各基準生体情報とを比較し、ユーザA1から測定された生体情報との差異が許容範囲内に含まれる基準生体情報を検索する。プロセッサ22は、その検索された基準生体情報に紐付けられている生体反応を特定する。許容範囲は、予め定められている。許容範囲は、管理者等によって変更されてもよい。
【0094】
ユーザA1から測定された生体情報との差異が許容範囲内に含まれる複数の基準生体情報が検索された場合、プロセッサ22は、当該複数の基準生体情報の中で、ユーザA1から測定された生体情報との差異が最小となる基準生体情報を特定する。プロセッサ22は、その特定された基準生体情報に紐付けられている生体反応を特定する。
【0095】
基準生体情報は、生体情報の特徴的な成分を示す情報であってもよい。この場合、プロセッサ22は、ユーザA1から測定された生体情報から特徴的な成分を抽出し、その抽出された成分との差異が許容範囲内に含まれる基準生体情報を検索してもよい。
【0096】
例えば、生体電位情報として脳波が用いられる場合、プロセッサ22は、測定された脳波から特徴的な成分を抽出し、当該成分を解析することで、当該脳波が表す生体反応を推測してもよい。
【0097】
推測された生体反応がポジティブな生体反応である場合(S05,Yes)、プロセッサ22は、依頼対象の活動をユーザA1に割り当てる(S06)。例えば、プロセッサ22は、依頼対象の活動の内容を示す活動情報と、当該活動が依頼されたユーザA1のユーザ識別情報とを紐付けてスケジュール管理情報に登録する。また、プロセッサ22は、依頼対象の活動をユーザA1に割り当てたことを示す情報や、ユーザA1の生体反応を示す情報等を、ユーザX1の端末装置12Cに送信してもよい。これらの情報は、端末装置12CのUIの表示部に表示されてもよい。
【0098】
推測された生体反応がポジティブな生体反応ではない場合(S05,No)、再度、ユーザA1の生体情報が測定される(S07)。プロセッサ22は、再度測定された生体情報に基づいて、ユーザA1の生体反応を推測する。
【0099】
推測された生体反応がポジティブな生体反応である場合(S08,Yes)、処理はステップS06に移行する。
【0100】
推測された生体反応がポジティブな生体反応ではない場合(S08,No)、プロセッサ22は、別のユーザに依頼対象の活動を割り当てることを促す通知を、依頼者であるユーザX1に送る(S09)。例えば、プロセッサ22は、別のユーザに活動を割り当てることを推奨する旨を示す情報を、ユーザX1の端末装置12Cに送信する。別のユーザに割り当てることを推奨する旨を示す情報は、端末装置12CのUIの表示部に表示されてもよい。なお、端末装置12Cのアドレス情報は、情報処理装置10の記憶装置20に予め記憶されていてもよいし、活動の実施依頼を示す情報に含まれていてもよい。
【0101】
プロセッサ22は、各情報を履歴管理情報に登録する(S10)。例えば、プロセッサ22は、被依頼者であるユーザA1のユーザ識別情報、依頼者であるユーザX1のユーザ識別情報、依頼対象の活動に関する活動情報、及び、依頼を受けたユーザA1の生体反応を示す生体反応情報を、履歴管理情報に登録する。登録される活動情報は、例えば、ユーザX1が、ユーザA1に送った活動情報の全部又は一部である。
【0102】
なお、ステップS06の処理は行われなくてもよい。つまり、プロセッサ22は、依頼対象の活動を被依頼者に割り当てなくてもよい。この場合、プロセッサ22は、ユーザA1の生体反応がポジティブな生体反応であることを示す情報を、ユーザX1の端末装置12Cに送信してもよい。例えば、その情報は、端末装置12CのUIの表示部に表示され、ユーザX1は、自身で、依頼対象の活動をユーザA1に割り当ててもよい。または、ユーザX1は、ユーザA1の生体反応を参考にして、依頼対象の活動をユーザA1に割り当てなくてもよい。このように、依頼者は、活動の依頼を受けた被依頼者の生体反応を参考にして、活動を被依頼者に割り当てるか否かを判断することができる。
【0103】
以下、具体例を挙げて、本実施形態に係る情報処理システムについて詳しく説明する。
【0104】
図4を参照して、生体反応管理情報について詳しく説明する。
図4には、生体反応管理情報の一例である生体反応管理テーブルの一例が示されている。生体反応管理テーブルのデータは、記憶装置20に記憶されている。なお、生体反応管理テーブルのデータは、記憶装置20に記憶されずに、サーバ等の他の装置に記憶されてもよい。
【0105】
生体反応管理テーブルにおいては、IDと、基準脳波と、生体反応を示す生体反応情報とが、予め紐付けられている。IDは、生体反応管理テーブルに登録されている情報を管理するための情報である。基準脳波は、基準生体情報の一例である。基準脳波は、例えば統計的な処理によって定められ、当該基準脳波に紐付けられている生体反応を有するユーザから発生すると想定される脳波である。ここでは、生体情報の一例として脳波が用いられているが、脳波以外の生体情報が用いられてもよい。
【0106】
図4に示す例では、生体反応の一例として、楽しいという感情、リラックスしているという感情、逃げたいという感情、及び、つまらないという感情が、生体反応管理テーブルに登録されている。楽しいという感情、及び、リラックスしているという感情は、ポジティブな生体反応の一例である。逃げたいという感情、及び、つまらないという感情は、ネガティブな生体反応の一例である。
【0107】
また、生体反応のレベルが、生体反応管理テーブルに登録されてもよい。例えば、ポジティブに分類される感情であっても、その程度によってポジティブのレベルが異なる。例えば、楽しいという感情は、凄くポジティブな生体反応であり、リラックスしているという感情は、少しポジティブな生体反応であると推測される。つまり、楽しいという感情は、リラックスしているという感情よりも、ポジティブの程度が高く、ポジティブのレベルが高い感情であると推測される。
【0108】
同様に、ネガティブに分類される感情であっても、その程度によってネガティブのレベルが異なる。例えば、逃げたいという感情は、凄くネガティブな生体反応であり、つまらないという感情は、少しネガティブな生体反応であると推測される。つまり、逃げたいという感情は、つまらないという感情よりも、ネガティブの程度が高く、ネガティブのレベルが高い感情であると推測される。
【0109】
ポジティブのレベルやネガティブのレベルは、数値等によって表現されてよい。
【0110】
上記の推測は一例に過ぎず、感情の定義の仕方等によっては、上記の例とは異なる分類やレベルが定められてもよい。
【0111】
具体例を挙げて説明すると、ID「1」に紐付けられている基準脳波は、楽しいという凄くポジティブな生体反応を表す脳波である。ID「3」に紐付けられている基準脳波は、逃げたいという凄くネガティブな生体反応を表す脳波である。
【0112】
例えば、ID「1」に紐付けられている基準脳波との差異が許容範囲内に含まれる脳波が、ユーザから測定された場合、プロセッサ22は、当該基準脳波に紐付けられている「楽しい」という生体反応を特定し、当該ユーザは、楽しいという感情を有していると推測する。
【0113】
また、プロセッサ22は、ユーザから測定された脳波と基準脳波との間の類似度を算出し、その類似度が閾値以上であるか否かを判断してもよい。閾値は、許容範囲に対応する値である。両波形の間の類似度が閾値以上である場合、プロセッサ22は、両波形は類似していると判断し、ユーザから測定された脳波と基準脳波との差異が許容範囲内に含まれると判断する。例えば、ID「1」に紐付けられている基準脳波との間の類似度が閾値以上となる脳波がユーザから測定された場合、プロセッサ22は、「楽しい」という生体反応を特定する。
【0114】
ユーザ毎に、基準生体情報と生体反応情報とが紐付けられて生体反応管理テーブルに登録されてもよい。例えば、ユーザから測定された生体情報が、当該ユーザの基準生体情報として生体反応管理テーブルに登録される。また、当該生体情報が測定されたときの当該ユーザの生体反応を示す生体反応情報が、当該基準生体情報に紐付けられて生体反応管理テーブルに登録される。例えば、登録作業を行う者が、生体情報が測定されたときにユーザが有していた感情を当該ユーザから聞き出し、その感情を示す情報を生体反応情報として、基準生体情報である当該生体情報に紐付けて生体反応管理テーブルに登録する。
【0115】
図4に示す例では、脳波に基づいて生体反応が推測されるが、もちろん、別の生体情報に基づいて生体反応が推測されてもよい。例えば、プロセッサ22は、複数種類の生体情報に基づいて、ユーザの生体反応を推測してもよい。例えば、ユーザの唾液に含まれる唾液アミラーゼ活性を分析することで、当該ユーザが感じているストレスの程度が測定されてもよい。また、その他のストレスマーカを用いて、ユーザが感じているストレスの程度が測定されてもよい。プロセッサ22は、ユーザが感じているストレスの程度に基づいて、当該ユーザがポジティブ又はネガティブな反応を示しているかを推測してもよいし、ポジティブやネガティブのレベルを推測してもよい。
【0116】
以下、
図5を参照して、履歴管理情報について詳しく説明する。
図5には、履歴管理情報の一例である履歴管理テーブルの一例が示されている。履歴管理テーブルのデータは、記憶装置20に記憶されている。なお、履歴管理テーブルのデータは、記憶装置20に記憶されずに、サーバ等の他の装置に記憶されてもよい。
【0117】
履歴管理テーブルにおいては、IDと、ユーザ識別情報と、日時情報と、活動情報と、生体反応情報とが紐付けられている。IDは、履歴管理テーブルに登録されている情報を管理するための情報である。ユーザ識別情報は、活動の依頼を受けた被依頼者であるユーザのユーザ識別情報である。日時情報は、被依頼者が活動の依頼を受けた日時を示す情報である。活動情報は、依頼対象の活動の内容を示す情報である。生体反応情報は、活動の依頼を受けた被依頼者であるユーザから測定された生態情報に基づいて推測された生体反応を示す情報である。
【0118】
活動情報は、例えば、活動の内容(例えば仕事の内容等)、当該活動が実施される場所、活動の実施予定日時、当該活動を共同して行う他の共同実施者、及び、当該活動を依頼した依頼者、等を示す情報である。例えば、依頼者が、活動の依頼時に、自身の端末装置12を用いてこれらの情報を指定する。別の例として、活動情報は予め定められて、スケジュール管理情報に登録されていてもよい。
【0119】
依頼者が依頼の通知を指示すると、活動情報が依頼者の端末装置12から情報処理装置10に送信され、プロセッサ22は、当該活動情報を履歴管理テーブルに登録する。
【0120】
例えば、依頼者であるユーザX1が、内容B1の活動をユーザA1に依頼した場合、プロセッサ22は、その活動に関する活動情報を、ID「1」の活動情報として履歴管理テーブルに登録する。
【0121】
また、プロセッサ22は、活動情報を被依頼者の端末装置12に送信する。端末装置12のUIの表示部には、活動情報が表示される。これにより、活動の依頼が被依頼者に通知される。そして、プロセッサ22は、被依頼者から測定された生体情報に基づいて生体反応を推測し、当該生体反応を示す生体反応情報を上記の活動情報に紐付けて履歴管理テーブルに登録する。
【0122】
例えば、ID「1」の活動情報が、情報処理装置10からユーザA1の端末装置12Aに送信され、端末装置12AのUIの表示部に表示される。プロセッサ22は、ユーザA1の生体情報に基づいて生体反応を推測し、当該生体反応を示す生体反応情報を、ID「1」の生体反応情報として履歴管理テーブルに登録する。また、プロセッサ22は、その生体情報が測定された日時を示す日時情報を、ID「1」の日時情報として履歴管理テーブルに登録する。
【0123】
ID「1」には、被依頼者であるユーザA1のユーザ識別情報と、ユーザA1が依頼を受けた日時を示す日時情報と、ユーザX1がユーザA1に依頼した活動の内容を示す活動情報と、その活動の依頼を受けてユーザA1が示した生体反応を示す生体反応情報とが紐付けられている。
【0124】
なお、ID「1」に紐付けられている活動情報が示す活動B1は、場所C1にて、共同実施者A3と共に実施される予定の活動である。
【0125】
ユーザA1は、この活動に対して、少しポジティブな反応を示している。その反応を示す情報が、情報処理装置10からユーザX1の端末装置12Cに送信されて端末装置12Cにて表示されてもよい。また、プロセッサ22は、ID「1」に紐付けられている活動情報が示す活動を、ユーザA1に割り当ててもよい。
【0126】
以下、
図6を参照して、スケジュール管理情報について詳しく説明する。
図6には、スケジュール管理情報の一例であるスケジュール管理テーブルの一例が示されている。スケジュール管理テーブルのデータは、記憶装置20に記憶されている。なお、スケジュール管理テーブルのデータは、記憶装置20に記憶されずに、サーバ等の他の装置に記憶されてもよい。
【0127】
スケジュール管理テーブルには、被依頼者であるユーザに割り当てられている活動の予定や、誰にも割り当てられていない活動の予定や、実施済みの活動等が登録されている。
【0128】
スケジュール管理テーブルにおいては、例えば、IDと、活動の内容を示す活動情報と、被依頼者であるユーザのユーザ識別情報と、進捗状況情報と、生体反応情報とが紐付けられている。
【0129】
進捗状況情報は、当該進捗状況情報に紐付けられている活動情報が示す活動の進捗の状況を示す情報である。例えば、活動が実施済みである場合、実施済みであることがスケジュール管理テーブルに登録される。活動が実施中である場合、実施中であることがスケジュール管理テーブルに登録される。活動が実施されておらず実施予定である場合、実施予定であることがスケジュール管理テーブルに登録される。
【0130】
生体反応情報は、当該生体反応情報に紐付けられている活動情報が示す活動を被依頼者が実施しているときに、当該被依頼者から測定された生体情報に基づいて推測された生体反応を示す情報である。
【0131】
例えば、ID「1」に紐付けられている活動は、ユーザA1に割り当てられ、ユーザA1よって実施された活動である。当該活動を実施しているときのユーザA1の生体反応が、スケジュール管理テーブルに登録されている。
【0132】
ID「1」に紐付けられている活動は、ユーザA2に割り当てられ、ユーザA2によって実施されている最中の活動である。当該活動を実施しているときのユーザA2の生体反応が、スケジュール管理テーブルに登録されている。
【0133】
ID「3」に紐付けられている活動は、ユーザA3に割り当てられ、ユーザA3によって実施されていない活動である。
【0134】
ID「4」に紐付けられている活動は、誰にも割り当てられていない活動である。
【0135】
例えば、ID「4」に紐付けられた活動が、新たな被依頼者に割り当てられた場合、当該被依頼者のユーザ識別情報が、ID「4」に紐付けられる。
【0136】
なお、情報処理装置10にてスケジュールが管理されずに、サーバ等の他の装置によってスケジュールが管理されてもよい。
【0137】
なお、カレンダーを表すデータにスケジュールが記述され、スケジュール管理テーブルの代わりに、そのカレンダーが用いられてもよい。
【0138】
以下、各実施例について説明する。
【0139】
(実施例1)
実施例1では、被依頼者(例えばユーザA1)から測定された生体情報が、依頼対象の活動の実施を拒否する反応を示している場合、プロセッサ22は、当該被依頼者以外の別のユーザに当該活動を割り当てる。依頼対象の活動を拒否する反応は、ネガティブな生体反応に属する生体反応である。
【0140】
別のユーザは、例えば、情報処理装置10に予め登録されているユーザ、又は、スケジュール管理テーブルに予め登録されているユーザである。
【0141】
また、別のユーザは、過去において、依頼対象の活動と同じ活動、又は、依頼対象の活動に類似する活動に対して、好意的な反応を示す生体情報を発生させたユーザであってもよい。好意的な反応とは、ポジティブな生体反応に属する生体反応である。
【0142】
依頼対象の活動と同じ活動とは、例えば、依頼対象の活動の内容と同じ内容を有し、実施場所が同じ活動である。依頼対象の活動と同じ活動の共同作業者及び依頼者は、依頼対象の活動と異なっていてもよい。
【0143】
依頼対象の活動に類似する活動とは、例えば、依頼対象の活動の内容と類似する内容を有する活動である。また、依頼対象の活動に類似する活動とは、依頼対象の活動の内容と同じ内容を有し、実施場所が異なる活動であってもよい。例えば、活動毎に、活動に類似する活動が予め定められており、活動に類似する活動を示す情報が、記憶装置20に記憶されている。
【0144】
プロセッサ22は、スケジュール管理テーブルにおいて、依頼対象の活動と同じ又は類似する活動を過去に実施し、その実施中にポジティブな生体反応を示したユーザを検索する。
【0145】
プロセッサ22は、検索されたユーザに依頼対象の活動を割り当てる。プロセッサ22は、検索されたユーザに、活動の実施依頼を示す情報を通知し、当該活動が割り当てられることを当該ユーザが了承した場合に、当該ユーザに当該活動を割り当ててもよい。例えば、プロセッサ22は、検索されたユーザの端末装置12に、活動の実施依頼を示す情報を送信する。当該端末装置12のUIの表示部には、活動の実施依頼を示す情報に含まれている活動情報が表示される。検索されたユーザが、当該端末装置12を用いて、当該活動が割り当てることを了承した場合、了承を示す情報が、当該端末装置12から情報処理装置10に送信される。プロセッサ22は、了承を示す情報を受けると、依頼対象の活動を、検索されたユーザに割り当てる。
【0146】
また、検索されたユーザに依頼対象の活動を割り当てることに関して、依頼者(例えばユーザX1)の了承が得られた場合、プロセッサ22は、検索されたユーザに依頼対象の活動を割り当ててもよい。例えば、プロセッサ22は、依頼者(例えばユーザX1)の端末装置12に、被依頼者がネガティブな生体反応を示したことを示す情報、及び、検索されたユーザに依頼対象の活動を割り当てることを示す情報を送信してもよい。依頼者の端末装置12のUIの表示部には、これらの情報が表示される。依頼者が、依頼者の端末装置12を用いて、検索されたユーザに依頼対象の活動を割り当てることを了承した場合、了承を示す情報が、依頼者の端末装置12から情報処理装置10に送信される。プロセッサ22は、了承を示す情報を受けると、依頼対象の活動を、検索されたユーザに割り当てる。
【0147】
また、複数のユーザが検索された場合、プロセッサ22は、当該複数のユーザの中で最もポジティブな生体反応を示したユーザ、又は、当該複数のユーザの中でポジティブのレベルが最も低いユーザに、依頼対象の活動を割り当ててもよい。ポジティブな生体反応を示した複数のユーザが検索された場合、プロセッサ22は、当該複数のユーザの中で活動の経験が最も多いユーザ、又は、当該複数のユーザの中で活動の経験が最も少ないユーザに、依頼対象の活動を割り当ててもよい。また、検索された複数のユーザを示す情報が、依頼者に通知され、依頼者が、当該複数のユーザの中から、依頼対象の活動が割り当てられるユーザを指定してもよい。
【0148】
(実施例2)
実施例2では、複数の被依頼者が活動の実施依頼を受けた場合、プロセッサ22は、当該複数の被依頼者の中で、当該活動の実施に対してより好意的な反応を示す生体情報を発生させた被依頼者に、当該活動を割り当てる。
【0149】
例えば、活動を実施するユーザの数に制限がある場合、プロセッサ22は、他のユーザと比べてポジティブな生体反応を示すユーザに活動を割り当てる。例えば、プロセッサ22は、活動を実施するユーザの上限数に達するまで、ポジティブのレベルが高いユーザから順に活動を割り当てる。
【0150】
具体例を挙げて説明する。例えば、ある活動を実施するユーザの数が1人であるものとする。つまり、1人のユーザが活動を実施するものとする。
【0151】
例えば、依頼者であるユーザX1が、被依頼者であるユーザA1,A2に活動の実施を依頼したものとする。ユーザX1は、当該活動を実施するユーザの数(ここでは1人)を指定する。活動の実施依頼を示す情報には、ユーザX1によって指定されたユーザの数(ここでは1人)を示す情報が含まれる。活動の実施依頼を示す情報は、例えば、ユーザX1の端末装置12Cから情報処理装置10に送信され、情報処理装置10から、ユーザA1の端末装置12AとユーザA2の端末装置12Bとに送信される。これにより、ユーザA1,A2は、活動の実施依頼を受けたことを認識することができる。また、プロセッサ22は、依頼対象の活動を実施するユーザの数は1人であることを認識する。
【0152】
ユーザA1の生体情報が生体情報測定装置14Aによって測定され、ユーザA2の生体情報が生体情報測定装置14Bによって測定され、それぞれの生体情報が情報処理装置10に送信される。なお、1つの生体情報測定装置14によって、ユーザA1,A2のそれぞれの生体情報が測定されてもよい。
【0153】
プロセッサ22は、ユーザA1から測定された生体情報に基づいて、活動の実施依頼を受けたときのユーザA1の生体反応を推測し、ユーザA2から測定された生体情報に基づいて、活動の実施依頼を受けたときのユーザA2の生体反応を推測する。
【0154】
プロセッサ22は、ユーザA1,A2の中で、依頼対象の活動の実施に対して最もポジティブな生体反応を示すユーザに、当該活動を割り当てる。例えば、ユーザA1の生体反応が、凄くポジティブな生体反応であり、ユーザA2の生体反応が、少しネガティブな生体反応である場合、プロセッサ22は、ユーザA1に活動を割り当てる。
【0155】
ユーザA1,A2のそれぞれの生体反応を示す情報が、依頼者であるユーザX1に通知されてもよい。ユーザX1が、活動をユーザA1に割り当てることを了承した場合に、プロセッサ22は、ユーザA1に活動を割り当ててもよい。プロセッサ22がユーザA1に活動を割り当てずに、通知を受けたユーザX1が、活動をユーザA1に割り当ててもよい。
【0156】
ユーザA1の生体反応とユーザA2の生体反応とが同じである場合、再度、ユーザA1,A2のそれぞれの生体情報が測定されて、ユーザA1,A2のそれぞれの生体反応が推測されてもよい。プロセッサ22は、ポジティブのレベルがより高いユーザに活動を割り当てる。ユーザA1,A2のそれぞれの生体反応の間に差が生じるまで、生体情報の測定及び生体反応の推測が繰り返されてもよい。
【0157】
(実施例3)
実施例3では、1人の被依頼者が、実施の時間帯が重なる複数の活動の実施依頼を受けた場合、プロセッサ22は、当該複数の活動の中で、実施依頼を受けたときに最も好意的な反応を示す生体情報を当該被依頼者から発生させた活動を、当該被依頼者に割り当てる。
【0158】
実施の時間帯が重なる複数の活動の実施は、同一の依頼者によって依頼されてもよいし、複数の依頼者によって依頼されてもよい。例えば、同一の依頼者が、実施の時間帯が重なる複数の活動の実施を被依頼者に依頼してもよい。また、複数の依頼者のそれぞれが、1又は複数の活動の実施を被依頼者に依頼した場合において、依頼された複数の活動の実施の時間帯が重なっていてもよい。
【0159】
複数の活動の実施の時間帯が重なるとは、当該複数の活動の実施の時間帯が部分的に重なること、又は、当該複数の活動の実施の時間帯が完全に一致することである。時間帯は、日や週や月や年を含む概念であってもよい。
【0160】
例えば、活動の実施依頼を示す情報に含まれる活動情報には、活動の実施予定日時を示す日時情報として、実施予定の時間帯を示す日時情報が含まれる。実施予定の時間帯は、依頼者が指定してもよいし、スケジュール管理テーブルに予め登録されていてもよい。プロセッサ22は、依頼対象の各活動の活動情報に含まれている日時情報を参照することで、各活動の実施予定の時間帯を認識する。
【0161】
例えば、被依頼者が、活動W1の実施依頼と活動W2の実施依頼とを受けたものとする。活動W1の実施の時間帯と活動W2の実施の時間帯とが重なっている場合において、活動W1に対する当該被依頼者の生体反応がポジティブな生体反応であり、活動W2に対する当該被依頼者の生体反応がネガティブな生体反応である場合、プロセッサ22は、活動W1を当該被依頼者に割り当てる。
【0162】
プロセッサ22は、活動W1,W2のそれぞれに対する被依頼者の生体反応を示す情報を依頼者に通知してもよい。依頼者が、活動W1を被依頼者に割り当てることを了承した場合、プロセッサ22は、活動W1を被依頼者に割り当ててもよい。また、被依頼者が、活動W1を被依頼者自身に割り当てることを了承した場合、プロセッサ22は、活動W1を被依頼者に割り当ててもよい。
【0163】
また、既に活動がユーザに割り当てられている状態で、実施の時間帯が当該活動の実施の時間帯と重なる別の活動の実施が、当該ユーザに依頼された場合、プロセッサ22は、活動の割り当てを更新してもよい。例えば、後から依頼された当該別の活動に対する当該ユーザの生体反応が、既に当該ユーザに割り当てられている活動に対する当該ユーザの生体反応よりも、よりポジティブな生体反応である場合、プロセッサ22は、活動の割り当てを更新する。具体的には、プロセッサ22は、当該ユーザに既に割り当てられている活動の割り当てを当該ユーザから外して、後から依頼された当該別の活動を当該ユーザに割り当てる。この場合も、被依頼者又は依頼者の了承が得られた場合に、プロセッサ22は、活動の割り当てを更新してもよい。なお、割り当てを外された活動は、別のユーザに割り当てられる。
【0164】
なお、複数の依頼者のそれぞれが、複数の被依頼者に対して、1又は複数の活動の実施を依頼してもよい。この場合、プロセッサ22は、被依頼者毎に、複数の活動の実施の時間帯が重ならず、かつ、よりポジティブな生体反応が得られた活動を、被依頼者に割り当てる。
【0165】
(実施例4)
履歴管理テーブルやスケジュール管理テーブルに登録された、活動に対する生体反応を示す情報は、例えば、当該活動と同じ活動、又は、当該活動に類似する活動を実施するユーザを決定するときの判断材料として用いられてもよい。
【0166】
例えば、依頼者は、履歴管理テーブルや、履歴管理テーブルやスケジュール管理テーブルを参照したり、各テーブルから抽出された生体反応を示す情報を参照したりすることで、活動の実施の依頼先である被依頼者を決定してもよい。
【0167】
(実施例5)
活動の実施依頼を受ける前に被依頼者から測定された生体情報が示す当該被依頼者の状態が、予め定められた状態の範囲内に含まれない場合がある。この場合、プロセッサ22は、当該被依頼者から測定された生体情報が示す当該被依頼者の状態が、当該範囲内に含まれるのを待ってから、生体情報に基づいて、当該被依頼者が依頼対象の活動の実施を受け入れることができるか否かを推定してもよい。
【0168】
予め定められた状態の範囲内とは、例えば、人の平常状態の範囲内である。例えば、凄くポジティブな生体反応を示しているユーザの状態や、凄くネガティブな生体反応を示しているユーザの状態は、平常状態の範囲内に含まれない。例えば、凄くポジティブな生体反応よりもポジティブのレベルが低い状態(例えば少しポジティブな生体反応を示しているユーザの状態)や、凄くネガティブな生体反応よりもポジティブのレベルが高い状態(例えば少しネガティブな生体反応を示しているユーザの状態)が、平常状態の範囲内に含まれる。また、脈拍や血圧が、ある一定の範囲内に含まれている状態が、平常状態の範囲内であってもよい。
【0169】
例えば、各ユーザの生体情報が、生体情報測定装置14によって継続的に測定されて情報処理装置10に送信される。プロセッサ22は、各ユーザの生体反応を継続的に認識する。プロセッサ22は、活動の実施依頼を示す情報を依頼者から受けると、被依頼者の生体反応に基づいて、当該被依頼者の状態が平常状態の範囲内に含まれているか否かを判断する。当該被依頼者の状態が平常状態内に含まれていない場合、プロセッサ22は、当該被依頼者の状態が平常状態内に含まれるのを待ってから、活動の実施依頼を当該被依頼者に通知する。例えば、当該被依頼者の状態が平常状態内の状態になった後に、プロセッサ22は、活動の実施依頼を当該被依頼者に通知する。プロセッサ22は、活動の実施依頼の情報を受けたときに、当該被依頼者の状態が平常状態内に含まれている場合、活動の実施依頼を当該被依頼者に通知する。
【0170】
また、被依頼者の状態が平常状態の範囲内に含まれていない場合、プロセッサ22は、依頼者の端末装置12に警告情報を送信してもよい。その警告情報は、例えば、端末装置12のUIの表示部に表示される。これにより、依頼者は、被依頼者の状態が平常状態の範囲内に含まれていないことを認識することができる。
【0171】
被依頼者の状態が平常状態の範囲内に含まれていない場合において、被依頼者に活動の実施依頼を通知し、その活動の実施依頼を受けた当該被依頼者の生態情報を測定して生体反応を推測した場合、当該被依頼者が活動の実施依頼を受ける前の当該被依頼者の状態の影響によって、推測された生体反応は、活動の実施依頼を受けたときの当該被依頼者の本来の生体反応を正確に表していない可能性がある。例えば、活動の実施依頼を受ける前の被依頼者の生体反応が凄くポジティブな生体反応である場合、活動に対する当該被依頼者の本来の生体反応は、少しネガティブな生体反応であっても、測定される生体反応は、活動の実施依頼を受ける前の生体反応の影響を受けて、少しポジティブな生体反応となることもあると考えられる。被依頼者の状態が平常状態の範囲内に含まれるのを待ってから、生体反応を推測することで、活動の実施依頼に対する被依頼者の本来の生体反応を推測することができる。
【0172】
(実施例6)
実施例6では、プロセッサ22は、被依頼者から測定された生体情報が示す生体反応のレベルに応じて、依頼対象の活動の量を調整して、当該活動を当該被依頼者に割り当ててもよい。
【0173】
例えば、活動の実施依頼を受けた被依頼者の生体反応が、ネガティブの生体反応に属する場合、プロセッサ22は、当該活動の量を減らして当該活動を被依頼者に割り当てる。減らす量は、生体反応のレベルに応じた量である。例えば、プロセッサ22は、ネガティブのレベルが高いほど、より多くの量を減らす。
【0174】
また、プロセッサ22は、当該活動の量を減らした後に測定された生体情報に基づいて被依頼者の生体反応を推測してもよい。その生体反応が、ポジティブの生体反応に属する場合、プロセッサ22は、量を減らした後の活動を被依頼者に割り当ててもよい。つまり、プロセッサ22は、被依頼者の生体反応がポジティブな生体反応になるまで活動の量を減らして、当該活動を被依頼者に割り当ててもよい。
【0175】
また、プロセッサ22は、活動の量を減らすことを依頼者に通知してもよい。依頼者が、活動の量を減らすことを了承した場合、プロセッサ22は、量を減らした後の活動を被依頼者に割り当ててもよい。
【0176】
別の例として、プロセッサ22は、被依頼者から測定された生体情報が示す生体反応のレベルに応じて、依頼対象の活動の難易度を調整して、当該活動を当該被依頼者に割り当ててもよい。活動の難易度は、活動の質であるともいえる。
【0177】
例えば、活動の実施依頼を受けた被依頼者の生体反応が、ネガティブの生体反応に属する場合、プロセッサ22は、当該活動の難易度を減らして当該活動を被依頼者に割り当てる。つまり、プロセッサ22は、生体反応のレベルに応じた難易度を有する活動を被依頼者に割り当てる。減らす難易度は、生体反応のレベルに応じた度合いである。例えば、プロセッサ22は、ネガティブのレベルが高いほど、より難易度の低い活動を被依頼者に割り当てる。難易度を減らすことは、難易度を下げることである。
【0178】
また、プロセッサ22は、難易度を下げた後に測定された生体情報に基づいて被依頼者の生体反応を推測してもよい。その生体反応が、ポジティブの生体反応に属する場合、プロセッサ22は、難易度を下げた活動を被依頼者に割り当ててもよい。つまり、プロセッサ22は、被依頼者の生体反応がポジティブな生体反応になるまで活動の難易度を下げて、活動を被依頼者に割り当ててもよい。
【0179】
また、プロセッサ22は、難易度を下げることを依頼者に通知してもよい。依頼者が、難易度を下げることを了承した場合、プロセッサ22は、難易度を下げた活動を被依頼者に割り当ててもよい。
【0180】
プロセッサ22は、被依頼者から測定された生体情報が示す生体反応のレベルに応じて、依頼対象の活動の量又は難易度を調整してもよいし、量及び難易度の両方を調整してもよい。
【0181】
プロセッサ22は、依頼対象の活動が実施される時間帯を調整してもよい。例えば、プロセッサ22は、依頼対象の活動が実施される時間帯を変えつつ、被依頼者から測定された生体情報に基づいて生体反応を推測する。つまり、プロセッサ22は、時間帯毎の生体反応を推測する。例えば、プロセッサ22は、依頼対象の活動が実施される時間帯を、ポジティブな生体反応が得られた時間帯に変更する。プロセッサ22は、時間帯を変更することを依頼者に通知してもよい。依頼者が、時間帯を変更することを了承した場合、プロセッサ22は、実施される時間帯を変更した後の活動を被依頼者に割り当てる。
【0182】
なお、活動の量が減らされた場合、プロセッサ22又は依頼者は、減った分の活動を、別の被依頼者に割り当ててもよい。
【0183】
(実施例7)
実施例7では、被依頼者が依頼対象の活動を実施している最中にも当該被依頼者の生態情報が測定される。その生体情報が、当該活動の実施を拒否する反応を示した場合、プロセッサ22は、当該活動の実施を依頼した依頼者に警告を通知する。
【0184】
例えば、
図6に示す例においては、ID「2」の活動がユーザA2によって実施されている最中であるが、ユーザA2の生体反応は、つまらないというネガティブな生体反応である。この場合、プロセッサ22は、依頼者であるユーザX2の端末装置12に警告情報を送信する。警告情報は、例えば、被依頼者であるユーザA2がネガティブな生体反応を示していることを示す情報である。ユーザX2の端末装置12のUIの表示部には、警告情報が表示される。これにより、ユーザX2は、被依頼者であるユーザA2が、当該ユーザA2に割り当てられた活動に対してネガティブな印象を有していることを認識することができる。依頼者であるユーザX2は、警告情報を参考にして、ID「2」の活動を別のユーザに依頼してもよいし、ユーザA2に割り当てられている活動の量を調整してもよい。
【0185】
また、被依頼者が活動を実施している最中に当該活動の実施を拒否する生体反応を示した場合、プロセッサ22は、当該活動の量を減らしてもよい。上述した例を用いて説明すると、プロセッサ22は、ID「1」の活動の量を減らしてユーザA2に割り当てる。実施例6と同様に、プロセッサ22は、生体反応のレベルに応じて活動の量を減らしてもよい。
【0186】
また、被依頼者が活動を実施している最中に当該活動の実施を拒否する生体反応を示した場合、プロセッサ22は、当該活動の難易度を減らしてもよい。上述した例を用いて説明すると、プロセッサ22は、ID「1」の活動の難易度を下げてユーザA2に割り当てる。実施例6と同様に、プロセッサ22は、生体反応のレベルに応じて活動の難易度を下げてもよい。
【0187】
また、被依頼者が活動を実施している最中に当該活動の実施を拒否する生体反応を示した場合、プロセッサ22は、当該活動の量又は難易度を減らしてもよいし、量及び難易度の両方を減らしてもよい。
【0188】
また、被依頼者が活動を実施している最中に当該活動の実施を拒否する生体反応を示した場合、プロセッサ22は、当該活動を別のユーザに割り当ててもよい。プロセッサ22は、元々依頼されていた被依頼者に当該活動を割り当てた状態で、更に別のユーザに当該活動を割り当ててもよい。つまり、プロセッサ22は、当該活動を実施するユーザの数を増やしてもよい。別の例として、プロセッサ22は、元々依頼されていた被依頼者に対する当該活動の割り当てを外し、別のユーザに新たに当該活動を割り当ててもよい。更に別の例として、プロセッサ22は、元々依頼されていた被依頼者に当該活動を割り当てた状態で、当該活動の量を減らし、それでも当該被依頼者が拒否する生体反応を示した場合、当該活動を別のユーザに割り当ててもよい。別のユーザの意義は、実施例1に係る別のユーザの意義と同じである。
【0189】
(実施例8)
実施例8では、活動が実施される場所が定められている場合において、活動の実施依頼を受けた被依頼者の生体反応が、当該活動と同じ活動、又は、当該活動に類似する活動に対する、当該被依頼者の過去の生体反応と異なる場合、プロセッサ22は、依頼対象の活動が実施される場所が当該人の生体反応を異ならせる要因であることを、当該活動の実施を依頼した依頼者に通知する。また、プロセッサ22は、被依頼者の生体反応が過去の生体反応とは異なることを依頼者に通知する。
【0190】
過去の生体反応は、例えば、被依頼者が過去に依頼対象の活動と同じ又は類似する活動の依頼を受けたときに、当該被依頼者の生体情報から推測された生体反応であり、その生体反応を示す情報は、履歴管理テーブルに登録されている。別の例として、過去の生体反応は、被依頼者が過去に依頼対象の活動と同じ又は類似する活動を実施している最中に測定された生体情報から推測された生体反応であってもよい。
【0191】
例えば、過去の生体反応がポジティブな生体反応であり、依頼対象の活動に対する生体反応がネガティブな生体反応である場合、プロセッサ22は、依頼対象の活動が実施される場所が被依頼者の生体反応を異ならせる要因であることを、依頼者に通知する。また、プロセッサ22は、過去の生体反応がポジティブな生体反応であり、依頼対象の活動に対する生体反応がネガティブな生体反応であることを、依頼者に通知する。
【0192】
具体例を挙げて説明する。例えば、依頼者であるユーザX1が、被依頼者であるユーザA1に対して活動の実施を依頼したものとする。また、ユーザA1は、依頼対象の活動と同じ又は類似する活動を過去に実施したことがあるものとする。この場合において、依頼対象の活動の実施依頼を受けたユーザA1の生体反応が、ネガティブな生体反応であり、過去の生体反応がポジティブな生体反応である場合、プロセッサ22は、依頼対象の活動が実施される場所がユーザA1の生体反応を異ならせた要因であることを、ユーザX1に通知する。また、プロセッサ22は、ユーザA1の過去の生体反応がポジティブな生体反応であり、依頼対象の活動に対するユーザAの生体反応がネガティブな生体反応であることを、ユーザX1に通知する。また、プロセッサ22は、過去に活動が実施された場所をユーザX1に通知してもよい。過去に実施された活動に関する活動情報は、履歴管理テーブルに登録されているため、プロセッサ22は、履歴管理テーブルから、過去に活動が実施された場所を示す情報を取得し、その情報をユーザX1の端末装置12に送信する。
【0193】
活動の実施依頼を受けた被依頼者の生体反応が、当該活動の実施を拒否する生体反応である場合、プロセッサ22は、好意的な生体反応が得られた場所の候補を依頼者に案内してもよい。
【0194】
例えば、活動の実施依頼を受けたユーザA1がネガティブな生体反応を示し、当該活動が実施される場所が、場所C1であるものとする。また、依頼対象の活動と同じ又は類似する活動が、過去に場所C2にてユーザA1によって実施され、過去の生体反応がポジティブな生体反応であったものとする。この場合、プロセッサ22は、依頼対象の活動が実施される場所を場所C1から場所C2に変更して当該活動を再度依頼することを依頼者に通知する。例えば、プロセッサ22は、推奨場所として場所C2を示す情報を依頼者の端末装置12に送信する。これにより、依頼者は、ユーザA1がポジティブな生体反応を示す場所を認識することができる。
【0195】
(実施例9)
実施例9では、依頼対象の活動が複数のユーザによって実施されることが予定されており、依頼対象の活動に関する活動情報には、共同実施者を識別するためのユーザ識別情報が含まれている。その活動情報が、被依頼者の端末装置12に送信され、被依頼者の端末装置12のUIの表示部に表示される。これにより、被依頼者は、依頼対象の活動を共同で実施する他の被依頼者(つまり共同実施者)を認識することができる。
【0196】
被依頼者が共同実施者を認識することができる場合において、当該被依頼者の生体反応が、依頼対象の活動の実施を拒否する生体反応(例えばネガティブな生体反応)である場合、プロセッサ22は、当該被依頼者のユーザ識別情報と、当該被依頼者以外の共同実施者のユーザ識別情報とを、依頼者に通知する。また、プロセッサ22は、当該被依頼者の生体反応が、依頼対象の活動の実施を拒否する生体反応であることを、依頼者に通知する。これにより、依頼者は、被依頼者の生体反応が拒否を示している要因が、被依頼者以外の共同実施者であることを推測することができる。
【0197】
なお、被依頼者の生体反応がポジティブな生体反応である場合に、プロセッサ22は、被依頼者の生体反応がポジティブな生体反応であることを依頼者に通知してもよい。
【0198】
例えば、依頼者は、情報処理装置10からの通知に基づき、誰と誰との相性が良いのか、又は、悪いのかを把握してもよい。
【0199】
(実施例10)
依頼対象の活動が実施される期間の後に、当該活動の実施依頼を受けた被依頼者の生体反応を変動させると予測される出来事が予定されている場合、プロセッサ22は、当該出来事に関する情報を当該被依頼者に提示することと、当該活動の実施を当該被依頼者に依頼することとを、一緒に行うことを依頼者に促す通知を、依頼者に送ってもよい。
【0200】
プロセッサ22は、依頼対象の活動に関する活動情報に含まれている、当該活動が実施される日時を示す情報に基づいて、当該活動が実施される期間を認識する。次に、プロセッサ22は、スケジュール管理テーブルを参照することで、当該活動が実施される期間の後に予定されている出来事であって、当該活動の実施依頼を受けた被依頼者の生体反応を変動させると予測される出来事が、予定されているか否かを確認する。被依頼者の生体反応を変動させると予測される出来事は、例えば、被依頼者の生体反応をポジティブな生体反応にさせると予測される出来事や、被依頼者の生体反応をネガティブな生体反応にさせると予測される出来事等である。そのような出来事は、予め定義されている。例えば、長期の休暇や、給料日や、ボーナス支給日等は、被依頼者の生体反応をポジティブな生体反応にさせると予測される出来事であり、多くの活動の予定は、被依頼者の生体反応をネガティブな生体反応にさせると予測される出来事である。
【0201】
通知を受けた依頼者は、依頼者の端末装置12を用いて、被依頼者の生体反応を変動させる出来事に関する情報を、活動の実施依頼を示す情報に含めることを指示する。その指示を示す情報は、端末装置12から情報処理装置10に送信される。プロセッサ22は、その指示を受けると、被依頼者の生体反応を変動させる出来事に関する情報を、活動の実施依頼を示す情報に含めて、活動の実施依頼を示す情報を、依頼者の端末装置12に送信する。依頼者の端末装置12のUIの表示部には、活動の依頼を示す情報と共に、当該出来事に関する情報が表示される。このときに測定された生体情報から推測される生体反応は、依頼対象の活動に対する生体反応と当該出来事に対する生体反応とが混ざり合った生体反応であると推測される。依頼者は、この生体反応を参考にして、活動を被依頼者に割り当てるか否かを判断してもよい。
【0202】
(その他の実施例)
依頼者に応じて、活動に対する依頼者の生体反応が変わることがある。活動の実施依頼を受けた被依頼者の生体反応が、当該活動と同じ又は類似の活動に対する、当該被依頼者の過去の生体反応と異なる場合、プロセッサ22は、依頼者が当該被依頼者の生体反応を異ならせる要因であることを、依頼者に通知してもよい。依頼者は、その通知を参考にして、活動を被依頼者に依頼するか否かを判断してもよい。
【0203】
プロセッサ22は、依頼対象の活動の内容を段階的に被依頼者に通知してもよい。例えば、プロセッサ22は、最初に、依頼対象の活動の名称を示す情報を被依頼者の端末装置12に送信し、依頼対象の活動の名称を示す情報を当該端末装置12のUIの表示部に表示させる。プロセッサ22は、そのときの被依頼者の生体情報を取得して生体反応を推測する。その生体反応が、ポジティブな生体反応であるのか、ネガティブな生体反応であるのかが不明である場合、プロセッサ22は、次に、依頼対象の活動のより詳細な内容を示す情報を被依頼者の端末装置12に送信し、より詳細な内容を示す情報を端末装置12のUIの表示部に表示させる。そのときの生体反応が、ポジティブな生体反応又はネガティブな生体反応である場合、プロセッサ22は、その生体反応を示す情報を、依頼者の端末装置12に送信する。また、そのときの生体反応が、ポジティブな生体反応である場合、プロセッサ22は、活動を被依頼者に割り当ててもよい。
【0204】
本実施形態に係る情報処理システムは、例えば、従業員の労務管理に用いられてもよい。例えば、仕事が割り当てられたときの従業員のストレスの程度や、割り当てられた仕事を行っている最中の従業員のストレスの程度が測定され、その測定結果が、労務管理にフィードバックされてもよい。また、割り当てられた仕事が終わった後の従業員のストレスの程度が測定され、その測定結果が、労務管理にフィードバックされてもよい。例えば、測定結果に基づいて、随時、仕事のスケジュールが調整されてもよい。
【0205】
また、本実施形態に係る情報処理システムは、自己の行動を管理するために用いられてもよい。例えば、ユーザの操作によって、当該ユーザがこれから実行しようとする活動の内容を示す情報が、UI18の表示部に表示され、その表示された情報を見た当該ユーザの生体情報が、生体情報測定装置14によって測定される。その測定された生体情報に基づいて、当該ユーザの生体反応が推測され、その推測された生体反応を示す情報が、UI18の表示部に表示される。これにより、ユーザは、ユーザ自身がこれから実行しようとする行動に対するユーザ自身の生体反応を認識することができる。例えば、従業員が、自己のストレスの程度を把握するために、本実施形態に係る情報処理システムが用いられてもよい。例えば、従業員が、作業する前に、その作業に対する従業員自身の生体反応を確認してもよい。
【0206】
上記各実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU: Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU: Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。また上記各実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【符号の説明】
【0207】
10 情報処理装置、12A,12B,12C,12D 端末装置、14A,14B 生体情報測定装置、20 記憶装置、22 プロセッサ。