(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-01
(45)【発行日】2023-08-09
(54)【発明の名称】捕集可用領域が拡張された反応副産物捕集装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/205 20060101AFI20230802BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20230802BHJP
C23C 16/44 20060101ALI20230802BHJP
【FI】
H01L21/205
H01L21/31 B
C23C16/44 E
(21)【出願番号】P 2022092924
(22)【出願日】2022-06-08
【審査請求日】2022-06-08
(31)【優先権主張番号】10-2022-0038885
(32)【優先日】2022-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】518460200
【氏名又は名称】ミラエボ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【氏名又は名称】泉 通博
(72)【発明者】
【氏名】チョウ,チェホ
(72)【発明者】
【氏名】イ,ヨンジュ
(72)【発明者】
【氏名】イ,ジョンミン
(72)【発明者】
【氏名】ハン,ジウン
【審査官】加藤 芳健
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-27309(JP,A)
【文献】特開2021-34709(JP,A)
【文献】特開2019-121798(JP,A)
【文献】特表2009-535194(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1024504(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/205
H01L 21/31
C23C 16/44
B01D 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体製造工程における蒸着工程後に排出されるガスをハウジングの内部に収容してヒータで加熱しながら、内部捕集塔を用いて、ガス中に含まれている反応副産物を捕集してガスのみ排出するように構成された反応副産物捕集装置であって、
前記内部捕集塔は、ガスの主な流れを中央部へ誘導して下降させながら捕集反応する上段捕集部、流入したガスを収容して反応副産物を捕集するように内側領域が逆台形の空間部で形成された中段捕集部、側面を介して流入するガスから反応副産物を多段捕集しながら、既に捕集された反応副産物がハウジングのガス排出口へ流出するのを防止する下段捕集部、及び前記中段捕集部の内側及び外側領域で捕集された多孔性粉末状の反応副産物を閉じ込めて外部流出を防止する捕集カバーから分離構成して、反応副産物を高さに応じて多段捕集するように構成し、
前記中段捕集部は、使用周期の経過による捕集量の変化に応じて、ガスの主な流れが、使用周期の初期には、周りを構成する面状の十字形垂直プレートの内側領域に下降して外側領域へ流れるように誘導され、捕集量が内側領域に積もった使用周期の後半には、面状の十字形垂直プレートの内側領域上部から外側領域へ流れた後に下降するように誘導されて追加の捕集反応が行われるように構成されたことを特徴とする、捕集可用領域が拡張された反応副産物捕集装置。
【請求項2】
前記上段捕集部は、ヒータからハウジングの内部外郭方向に分配されて下降するガスを、中心部の主ガスホールと、その周辺に円形配列された相対的に小さい補助ガスホールとを介して、下方に一定間隔離隔している中段捕集部へ誘導しながら、二重十字形プレートが設置された上面と、四角プレートが設置された下面でガス中の反応副産物を捕集するように構成されたことを特徴とする、請求項1に記載の捕集可用領域が拡張された反応副産物捕集装置。
【請求項3】
前記中段捕集部は、上段捕集部と一定間隔離隔している下部に結合される面状の十字形垂直プレートが複数個一定間隔で離間して配列されて周りをなすように構成し、
前記面状の十字形垂直プレートを構成する個別垂直プレートは、内側方向に向かう垂直プレートが上部側から下部側に行くほど面積が広くなる台形に形成して中段捕集部の内側領域の上部空間が下部空間よりも広い捕集空間を提供するように構成したことを特徴とする、請求項1に記載の捕集可用領域が拡張された反応副産物捕集装置。
【請求項4】
前記中段捕集部の周りに沿って設置され、外側には長さ方向のガススリットが一つ以上形成され、内側にはガス開口が形成された渦流プレートをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の捕集可用領域が拡張された反応副産物捕集装置。
【請求項5】
前記渦流プレートは、外側が高く傾斜した形態で設置されたことを特徴とする、請求項4に記載の捕集可用領域が拡張された反応副産物捕集装置。
【請求項6】
前記捕集カバーは、面上に多数のガスホールが配列された筒体構造で構成され、前記中段捕集部の下部から一定間隔離隔して周りに沿って下段捕集部の上部に垂直方向に設置されたことを特徴とする、請求項1に記載の捕集可用領域が拡張された反応副産物捕集装置。
【請求項7】
前記捕集カバーは、傾斜した形態を持つ渦流プレートが上部を覆うように設置されたことを特徴とする、請求項6に記載の捕集可用領域が拡張された反応副産物捕集装置。
【請求項8】
前記下段捕集部は、前記中段捕集部の下部に結合され、表面に複数のガスホールが設けられた外郭捕集プレート部、内側捕集プレート部から多重構成され、中段捕集部の内側領域と外側領域で捕集反応を経たガスが直接下降して、ハウジングの下板に形成されたガス排出口に流入するのを遮断し、外郭から内側へガスを誘導しながら捕集反応が最終的に行われるようにした後、ハウジングの下板の中央部から上方に突出したガス排出口の上部を介して流入して下降するように構成されたことを特徴とする、請求項1に記載の捕集可用領域が拡張された反応副産物捕集装置。
【請求項9】
前記外郭捕集プレート部は、下部が開放された構造で構成され、上面捕集プレートと各側面捕集プレートは、多数のガスホールが形成され、各側面捕集プレートは、上部の一定区域が、ガスホールを有しない閉塞部から構成されてガスの流れを遮断することにより、中段捕集部から上面捕集プレートを介して落下した反応副産物が側方向に流出するのを防止するように構成したことを特徴とする、請求項8に記載の捕集可用領域が拡張された反応副産物捕集装置。
【請求項10】
前記内側捕集プレート部は、下部が開放された構造で構成され、上面捕集プレートは閉塞構造で構成され、前記外郭捕集プレートの上面捕集プレートとは離隔材によって一定間隔で離隔するように設置され、各側面捕集プレートは、多数のガスホールが形成されたことを特徴とする、請求項8に記載の捕集可用領域が拡張された反応副産物捕集装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、捕集可用領域が拡張された反応副産物捕集装置に係り、さらに詳しくは、半導体製造工程中にプロセスチャンバから排出されたガス中の反応副産物を内部捕集装置の内外部から高効率で捕集することができる構造と、捕集された多孔性粉末(Porous Powder)状反応副産物の外部流出を防止することができる構造を備えた捕集装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、半導体製造工程は、前工程(Fabrication工程)と後工程(Assembly工程)に大別され、前工程とは、各種プロセスチャンバ(Chamber)内でウエハ(Wafer)上に薄膜を蒸着し、蒸着された薄膜を選択的にエッチングする工程を繰り返し行って特定のパターンを加工することにより、いわゆる半導体チップ(Chip)を製造する工程をいい、後工程とは、前記前工程で製造されたチップを個別に分離した後、リードフレームと結合して完成品に組み立てる工程をいう。
【0003】
このとき、前記ウエハ上に薄膜を蒸着するか、或いはウエハ上に蒸着された薄膜をエッチングする工程は、プロセスチャンバ内に、ガス注入システムを介して薄膜蒸着のための前駆体ガスなどの必要とする工程ガスとエッチングのためのガスを注入することにより、高温で行われる。このとき、プロセスチャンバの内部には、蒸着に使用されなかった各種の反応副産物、未反応発火性ガス、腐食性異物、及び有毒成分を含有した有害ガスなどが多量に発生し、排気ガスとして排出される。
【0004】
このため、半導体製造装備には、プロセスチャンバから排出された排気ガス中に含まれている粒子状反応副産物を反応副産物捕集装置で捕集し、前記プロセスチャンバを真空状態に作る真空ポンプの排気ラインに位置したスクラバー(Scrubber)で再び未反応ガスを最終浄化させた後、大気中に放出する。
【0005】
一方、前記反応副産物捕集装置は、使用周期の間に内部捕集塔で反応副産物を捕集すると、主にハウジングと内部捕集塔の捕集プレートの外側との間に反応副産物が付着するか或いは積もって捕集効率が急激に低下するという現象が発生する。
【0006】
このように捕集装置の反応副産物捕集効率が低下すると、円滑な半導体製造工程を行うために、反応副産物捕集装置を新しいものに交換するか、或いは反応副産物捕集装置の内部捕集塔とハウジングの内部を洗浄して再生された捕集装置で交換する。
【0007】
しかし、上述したように捕集装置の捕集効率が低下する場合でも、内部捕集塔の内側には、追加の捕集が可能な領域が存在するが、このような捕集可能領域が十分に活用されずに捕集装置が交換されることにより、使用周期が短くなり、半導体製造コストが高くなるおそれがあるという欠点がある。
【0008】
上述した問題点を解決した従来技術として、本出願人の先登録特許である韓国特許登録第10-2036273号(半導体工程副産物捕集装置)が開示されている。
【0009】
上記の技術は、等辺台形形状を有し、相互結合の際に外部へ露出された部位にのみ複数の垂直方向ガス通過孔が穿設された複数の横及び縦方向の垂直板を格子状に組み立てて、四面が傾斜したピラミッド形状を有するが、相互結合のための底部の一部にのみ残しておいた連結片によって相互90度方向に交差する格子状を維持し、中央上部には貫通した形状の排気ガス通過空間部が形成された構成を有し、前記第2上部水平ブラケットと下部水平ブラケットとの間に設置された状態で前記第2上部水平ブラケットを通過して流入する排気ガスは、排気ガス通過空間部を介して通過させ、残りの排気ガスは、等辺台形形状を有する複数の横及び縦方向の垂直板に沿って流下し、一部の副産物を粉末状に捕集する副産物捕集塔を備えている。このような構成を備えることにより、捕集塔の外側領域だけでなく、内側領域を介しても反応副産物を捕集することができるという目的を達成することができた。
【0010】
しかし、前記本出願人の従来技術は、捕集塔の内側領域空間の上部と下部の幅が同じ構造を持っており、反応副産物の捕集が進行しながら上部が先に詰まってしまう傾向があるため、内側領域の下部を十分に活用することができないという欠点がある。つまり、横及び縦方向の垂直板の内側切開部形状が垂直な形状を持っており、上部空間部の幅と下部空間部の幅とが同じ形状を持っているため、全体的に内側領域が四角筒体状の空間構造を持っているが、このような構成である場合、上部から流入するガスが上部で先に捕集反応しながら内側領域が益々狭くなるため、下部へ移動するガスの量が少なくなり得るという構造的欠点を持つ。
【0011】
また、等辺台形形状を有するように横及び縦方向の垂直板が格子結合されて形成された、表面に形成された複数の垂直方向ガス通過孔による捕集塔の外側とハウジングとの間の空間における渦流発生効果が少なくて捕集効率があまり大きくなく、むしろ複数の垂直方向ガス通過孔のために捕集装置の内側空間へ下降するガスの流れが遅滞し、上記の下部空間へ流入する前に上部で反応副産物が先に捕集されて下部空間における捕集効率がもっと低下するおそれがあるという構造的欠点を持つ。
【0012】
また、上述した本出願人の反応副産物捕集装置は、複数の垂直方向ガス通過孔のために横及び縦方向の垂直板の表面における反応副産物捕集領域が減少して、全体的に捕集装置の外側領域での反応副産物捕集量が少なくなり得るという構造的欠点を持っている。
【0013】
また、上述した本出願人の反応副産物捕集装置は、捕集塔によって使用周期の間に捕集された反応副産物を貯蔵する適宜貯蔵構造がないため、蒸着工程の発展により急激に増加するガス量で、速くなるガスの流れに応じて多孔性粉末(Porous Powder)の形成が増加し、粉末(powder)が飛散しながらハウジングのガス排出口を介して反応副産物が流出するおそれがあるという構造的問題点がある。つまり、捕集された粉末状の粒子状反応副産物が排気ラインを介して外部へ流出する現象が発生すると、スクラバーの故障を誘発するおそれがあるという問題点がある。
【0014】
また、上述した本出願人の反応副産物捕集装置は、副産物捕集塔及び下部水平ブラケットを通過するか、或いはハウジングの内部空間を介して側面方向から流入し、粉末状に変化した副産物がガス捕集排出口側へ直接流入することは遮断し、排気ガスのみガス捕集排出口側へ誘導するウィンドウ構造が開示されているが、このような単一構造からなるウィンドウ構造のみではガス中に含まれている粒子状粉末状態の反応副産物がハウジングのガス排出口を介して外部排気ラインへ流出することを遮断する効果が十分ではないおそれもあるとい構造的問題がある。
【0015】
したがって、捕集装置の使用可能な捕集領域を十分に活用することができる技術を介して捕集装置の使用周期を延長することができる技術が求められる実情であるが、このような技術が未だ提供されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【文献】韓国登録特許第10-2036273号(2019年10月18日登録)公報
【文献】韓国登録特許第10-0862684号(2008年10月2日登録)公報
【文献】韓国登録特許第10-1447629号(2014年9月29日登録)公報
【文献】韓国登録特許第10-1806480号(2017年12月1日登録)公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明は、かかる問題点を解決するためのもので、その目的は、半導体製造工程中にプロセスチャンバから排出されたガス中の反応副産物を捕集する内部捕集装置を、面状の垂直プレートの複数個が周方向に沿って一定間隔離隔するように配列して、使用周期の前後半に捕集量に応じてガス流れが変更されて誘導されながら、内側領域と外側領域で均一に捕集するように捕集可用領域を拡張するが、内側領域構造が下部は狭く上部は広く逆台形状に捕集空間構造を形成して反応副産物捕集の際に上部詰まり現象を防止して捕集可用空間を増大させ、多段からなる内部捕集装置のうち、中段捕集部の内側及び外側領域から捕集された粉末状反応副産物を閉じ込める捕集カバーを形成することにより、外部へ流出するのを防止することができるようにした捕集装置を提供することにある。
【0018】
本発明の他の目的は、流入するガスの流れが面状の十字形垂直プレートに沿って誘導されながら負荷なく速やかに下方向に流れるようにして、使用周期の初期には、面状の十字形垂直プレートの内側面で捕集反応が起こった後、内側領域空間に積もるようにし、使用周期の後半には、ガス流れが面状の十字形垂直プレートの内側領域上部から外側領域へ流れた後、外側面に沿って下降しながら追加の捕集反応が起こるようにすることにより、捕集可用領域を拡大して捕集反応が起こるようにした捕集装置を提供することにある。
【0019】
本発明の別の目的は、多段からなる内部捕集塔の中段捕集部の外側下部周りに沿って設置された渦流プレートを備えて、使用周期の間に下降するガスの流速を減少させながら渦流を発生させて捕集反応時間を増加させながら塊状反応副産物の形成を誘導し、このときに生成された反応副産物を積もるようにするか、或いはその下部に設置された捕集カバーに落下して積もるようにすることにより、外部流出を防止した捕集装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記目的を達成し且つ従来の欠点を除去するための課題を行う本発明は、半導体製造工程における蒸着工程後に排出されるガスをハウジングの内部に収容してヒータで加熱しながら、内部捕集塔を用いて、ガス中に含まれている反応副産物を捕集してガスのみ排出するように構成された反応副産物捕集装置であって、
前記内部捕集塔は、ガスの主な流れを中央部へ誘導して下降させながら捕集反応する上段捕集部、流入したガスを収容して反応副産物を捕集するように内側領域が逆台形の空間部で形成された中段捕集部、側面を介して流入するガスから反応副産物を多段捕集しながら、既に捕集された反応副産物がハウジングのガス排出口へ流出するのを防止する下段捕集部、及び前記中段捕集部の内側及び外側領域で捕集された多孔性粉末状の反応副産物を閉じ込めて外部流出を防止する捕集カバーから分離構成して、反応副産物を高さに応じて多段捕集するように構成するが、
前記中段捕集部は、使用周期の経過による捕集量の変化に応じて、ガスの主な流れが、使用周期の初期には、周りを構成する面状の十字形垂直プレートの内側領域に下降して外側領域へ流れるように誘導され、捕集量が内側領域に積もった使用周期の後半には、面状の十字形垂直プレートの内側領域上部から外側領域へ流れた後に下降するように誘導されて追加の捕集反応が行われるように構成されたことを特徴とする、捕集可用領域が拡張された反応副産物捕集装置を提供することにより達成される。
【0021】
好適な実施形態として、前記上段捕集部は、ヒータからハウジングの内部外郭方向に分配されて下降するガスを、中心部の主ガスホールと、その周辺に円形配列された相対的に小さい補助ガスホールとを介して、下方に一定間隔離隔している中段捕集部へ誘導しながら、二重十字形プレートが設置された上面と、四角プレートが設置された下面でガス中の反応副産物を捕集するように構成されたことを特徴とする。
【0022】
好適な実施形態として、前記中段捕集部は、上段捕集部と一定間隔離隔している下部に結合される面状の十字形垂直プレートが複数個一定間隔で離間して配列されて周りを構成し、
前記面状の十字形垂直プレートを構成する個別垂直プレートは、内側方向に向かう垂直プレートが上部側から下部側に行くほど面積が広くなる台形に形成して、中段捕集部の内側領域の上部空間が下部空間よりも広い捕集空間を提供するように構成したことを特徴とする。
【0023】
好適な実施形態として、前記中段捕集部の周りに沿って設置され、外側には長さ方向のガススリットが一つ以上形成され、内側にはガス開口が形成された渦流プレートをさらに含むことを特徴とする。
【0024】
好適な実施形態として、前記渦流プレートは、外側が高く傾斜した形態で設置されたことを特徴とする。
【0025】
好適な実施形態として、前記捕集カバーは、面上に多数のガスホールが配列された筒体構造で構成され、前記中段捕集部の下部から一定間隔離隔して周りに沿って下段捕集部の上部に垂直方向に設置されたことを特徴とする。
【0026】
好適な実施形態として、前記捕集カバーは、傾斜した形態を持つ渦流プレートが上部を覆うように設置されたことを特徴とする。
【0027】
好適な実施形態として、前記下段捕集部は、前記中段捕集部の下部に結合され、表面に複数のガスホールが設けられた外郭捕集プレート部、及び内側捕集プレート部から多重構成され、中段捕集部の内側領域と外側領域で捕集反応を経たガスが直接下降して、ハウジングの下板に形成されたガス排出口に流入するのを遮断し、外郭から内側へガスを誘導しながら捕集反応が最終的に行われるようにした後、ハウジングの下板の中央部から上方に突出したガス排出口の上部を介して流入して下降するように構成されたことを特徴とする。
【0028】
好適な実施形態として、前記外郭捕集プレート部は、下部が開放された構造で構成され、上面捕集プレートと各側面捕集プレートは、多数のガスホールが形成されるが、各側面捕集プレートは、上部の一定区域が、ガスホールを有しない閉塞部から構成されてガスの流れを遮断することにより、中段捕集部から上面捕集プレートを介して落下した反応副産物が側方向に流出するのを防止するように構成したことを特徴とする。
【0029】
好適な実施形態として、前記内側捕集プレート部は、下部が開放された構造で構成されるが、上面捕集プレートは閉塞構造で構成され、前記外郭捕集プレートの上面捕集プレートとは離隔材によって一定間隔で離隔するように設置され、各側面捕集プレートは、多数のガスホールが形成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0030】
上述した特徴を持つ本発明に係る捕集可用領域が拡張された反応副産物捕集装置は、半導体製造工程中にプロセスチャンバから排出されたガス中の反応副産物を捕集する内部捕集装置を面状の垂直プレートの複数個が周方向に沿って一定間隔離隔するように配列して、使用周期の前後半に捕集量に応じてガス流れが変更されて誘導されながら、内側領域と外側領域で均一に捕集するように捕集可用領域が拡張されるという効果がある。
【0031】
また、本発明は、上部捕集部、中段捕集部及び下段捕集部から多段構成して多段で捕集反応が起こるようにするが、中段捕集部の構造を面状の十字形垂直プレートの複数個が周方向に沿って一定間隔で四角配列されるように構成して、流入するガスの流れが面状の十字形垂直プレートの面上に沿って負荷なしに速く下部方向に流れて捕集反応が上部から下部領域にわたって均一に起こるようにすることにより、使用周期の初期には、面状の十字形垂直プレートの内側領域で捕集反応が均一に起こって内側領域の空間全体を活用して積もることになり、使用周期の後半には、ガスが面状の十字形垂直プレートの外側面に沿って下降しながら追加捕集反応が起こって捕集可用領域が拡大するという効果を持つ。
【0032】
また、本発明は、内部捕集装置の内側領域構造が下部は狭く上部は広く逆台形状に捕集空間構造を形成して、反応副産物の捕集時に上部詰まり現象を防止して捕集可用空間を増大させるという効果がある。
【0033】
また、本発明は、反応副産物捕集装置の内部捕集塔を構成する中段捕集部の内側領域と外側領域から捕集された反応副産物が捕集カバーに積もって貯蔵され、残りのガスが、多段からなる下段捕集部を介して再度捕集反応を起こりながら通過してガス排出口へ排出されるように構成されることにより、多重で反応副産物の流出を防止したという効果がある。
【0034】
また、本発明は、多段からなる内部捕集塔の中段捕集部の外側下部周りに沿って設置された渦流プレートを備えて、使用周期の間に下降するガスの流速を減らしながら渦流を発生させて捕集反応時間を増加させながら、塊状反応副産物の形成を誘導し、このときに生成された反応副産物を積もるようにするか、或いはその下部に設置された捕集カバーに落下して積もるようにすることにより、外部流出を防止するという効果がある。
【0035】
上述したように、本発明は、様々な効果を持つ有用な発明であって、産業上その利用が大きく期待される発明である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】本発明の一実施形態による反応副産物捕集装置の内部構成を示す断面図である。
【
図2】本発明の一実施形態による内部捕集塔を示す斜視図である。
【
図3】本発明の一実施形態による内部捕集塔の一部分解斜視図である。
【
図4】本発明の一実施形態による内部捕集塔の組み立てられた全体構造を示す正面図である。
【
図5】本発明の一実施形態による内部捕集塔の平面図である。
【
図6】本発明の一実施形態による中段捕集部の斜視図である。
【
図7】本発明の一実施形態による中段捕集部の底面図である。
【
図8】本発明の一実施形態による下段捕集部の斜視図である。
【
図9】本発明の一実施形態による下段捕集部の底面図である。
【
図10】本発明の一実施形態による捕集装置の内部における使用周期の初期のガス流れを示す例示図である。
【
図11】本発明の一実施形態による捕集装置の内部における使用周期の初期の捕集傾向を示す例示図である。
【
図12】本発明の一実施形態による捕集装置の内部における使用周期の後半のガス流れを示す例示図である。
【
図13】本発明の一実施形態による捕集装置の内部における使用周期の後半の捕集傾向を示す例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明の実施形態の構成とその作用を、添付図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明を説明するにあたり、関連する公知の機能或いは構成についての具体的な説明が本発明の要旨を不要に不明確にするおそれがあると判断された場合、その詳細な説明は省略する。
【0038】
図1は本発明の一実施形態による反応副産物捕集装置の内部構成を示す断面図、
図2は本発明の一実施形態による内部捕集塔を示す斜視図、
図3は本発明の一実施形態による内部捕集塔の一部分解斜視図、
図4は本発明の一実施形態による内部捕集塔の組み立てられた全体構造を示す正面図、
図5は本発明の一実施形態による内部捕集塔の平面図、
図6は本発明の一実施形態による中段捕集部の斜視図、
図7は本発明の一実施形態による中段捕集部の底面図、
図8は本発明の一実施形態による下段捕集部の斜視図、
図9は本発明の一実施形態による下段捕集部の底面図である。
【0039】
図示の如く、本発明による捕集可用領域が拡張された反応副産物捕集装置は、半導体製造工程中にプロセスチャンバ(図示せず)で蒸着工程を行った後に排出されたガス中の粒子状反応副産物を捕集して除去した後、残りのガスのみ捕集装置の後段排気ラインへ排出する装置である。
【0040】
反応副産物捕集装置の構成は、半導体製造工程における蒸着工程の後に排出されるガスを収容して排出するように形成されたハウジング1と;ハウジングの内部に収容されたガスを加熱するヒータ2と;ガスの主な流れを中央部へ誘導して下降させながら捕集反応する上段捕集部31、流入したガスを収容して反応副産物を捕集するように内側領域が逆台形の空間構造で形成された中段捕集部32、側面を介して流入するガスから反応副産物を多段捕集しながら、捕集された反応副産物の流出を防止する下段捕集部33、及び前記中段捕集部の内側及び外側領域で捕集された多孔性粉末状の反応副産物を閉じ込めて外部流出を防止する捕集カバー34で分離構成し、ハウジングの内部に流入したガスから反応副産物を高さに応じて多段捕集し、流出を防止する内部捕集塔3と;を含んで構成される。
【0041】
前記蒸着工程は、一実施形態として、NANDフラッシュ製造のために、プロセスチャンバの内部に工程ガスを投入する蒸着工程であり得る。しかし、本発明は、NANDフラッシュ製造のための蒸着工程にのみ限定される捕集装置ではなく、多様な半導体製造工程でプロセスチャンバへ供給した後に排出された多様なガス中の反応副産物を捕集する工程に応用できるのはもとよりである。
【0042】
以下、上記の各構成についてより詳細に説明する。
【0043】
ハウジング1は、半導体製造工程中にプロセスチャンバから排出されるガスを上部から流入させて収容し、下部へ排出するように垂直形に構成されるが、具体的には、流入したガスを収容するハウジング本体11と、上方向に突出したガス流入口12aが形成された上板12と、上部と下部の両方向に突出したガス排出口13aを有する下板13と、を含んで構成される。
【0044】
また、ハウジングは、必要に応じて、図示されている一実施形態のように、下板の下部に移動のために支持脚と走行ローラをさらに含むことができる。
【0045】
前記ハウジング本体11の形状は、本発明の一実施形態では内部捕集塔の形状に応じて四角筒形状を基準に説明するが、このような形状にのみ限定されるのではなく、円筒形、多角筒形のように必要とする形状に構成されてもよい。
【0046】
ハウジング本体11は、内壁ごとに水平方向に設置された複数個の壁面プレート10aが垂直方向に一定間隔で配列される。壁面プレート10aは、ハウジング1の内部を通過するガスに渦流を発生させ、ハウジングの内部空間に留まる時間を増加させながら反応副産物を捕集する。
【0047】
前記壁面プレート10aの断面形状は、一実施形態によって、水平形状を持つ平プレート形状にする。しかし、このような形状の他にも、内部側に向かった端部が上部または下部に折り曲げられて傾斜面を持つように形成するか、或いはラウンドされるように形成することができる。このような形状を持つ壁面プレートは、下降するガスの流れに負荷として作用するが、これにより負荷が発生せず、隣り合って流れるガスとの相対的な方向及び速度の差による渦流が発生して、ハウジングの内部空間に留まる時間を増加させながら捕集反応時間を増やして反応副産物を捕集する。
【0048】
前記ガス排出口13aは、下板13の上方に突出し、下板に積もった反応副産物又は下段捕集部を経たガスがガス排出口の内側に直接流入せず、上昇後に排出されるようにすることにより、捕集された反応副産物がガスに混ぜられて一緒に流出するのを防止する。
【0049】
ヒータ2は、前記ハウジング本体11の上部側である上板12の下面に設置され、ガス流入口12aを介して流入したガスを加熱させてハウジングの上端部に捕集不可能な温度帯を一部形成することにより、使用初期にハウジングの上端部及びガス流入口12aが、副産物が積もって詰まる状況を防止し、ハウジング本体11の内部空間に加熱されたガスを均一に配分して捕集反応が円滑に起こるようにする手段であって、上側にディフューザ2aが放射状に形成されることで、加熱されたガスが均一に分配されるように構成できる。
【0050】
また、ヒータ2に電源を供給し、ハウジングの内部温度に応じて全供給源を制御するためのヒータ電源供給部21がハウジングの上板12に設置される。
【0051】
内部捕集塔3は、高さに応じて上段捕集部31、中段捕集部32、下段捕集部33、及び中段捕集部の内側及び外側領域で捕集された多孔性粉末状の反応副産物を閉じ込めて外部流出を防止する捕集カバー34に捕集領域が分離された構造で構成され、ハウジングの内部に流入したガスを多段捕集するように構成される。
【0052】
特に、中段捕集塔3の中段捕集部32は、使用周期の経過に伴う捕集量の変化に応じてガスの主な流れが、使用周期の初期には周りを構成する面状の十字形垂直プレート321の内側領域である逆台形の空間部に下降しながら反応副産物を捕集して捕集カバー34の外側領域へ流れるように誘導され、使用周期の後半には、反応副産物が積もった内側領域の上部から面状の十字形垂直プレート321の外側領域へ流れた後、下降するように誘導されて追加捕集反応が行われるように構成されることにより、捕集可用領域を拡張させて全体的な捕集効率が極大化されるように構成される。
【0053】
また、捕集カバー34が備えられることにより、多孔性粉末(Porous
Powder)状の反応副産物がガス流れに乗って移動することを遮断しながらもガスを通過させる一種のフィルターの役割を果たすことにより、ガス排出口を介して排出されることを一次に遮断する。
【0054】
二次遮断役割は、捕集カバー34を経由したガスをフィルタリングしながら最終的に反応副産物を捕集する下段捕集部33が果たすが、前記捕集カバー34で大量の反応副産物を閉じ込めているため、より精密なフィルタリング作用が可能となる。
【0055】
以下、内部捕集塔3の各構成を詳細に説明する。
【0056】
上段捕集部31は、ヒータからハウジングの内部外郭方向に分配されて下降するガスを、中心部の主ガスホール311と、その周辺に円形配列された相対的に小さい補助ガスホール312を介して下部に一定間隔離隔した中段捕集部32へ誘導しながら、上面と下面、そして上面と下面に嵌合方式又は溶接などの締結方法で設置された捕集用プレートでガス中の反応副産物を捕集する。
【0057】
具体的には、前記上段捕集部31は、四角形の平板で構成されてハウジング本体の上端部の内壁よりもやや小さく形成することにより、内部空間を最大限に塞いで、上部に位置したヒータ2からハウジングの内部空間の外郭へ分配されて下降するガスが直接下部へ下降せず、中央部の主ガスホール311へ誘導されて主な流れを持つようにし、一部のガスは、主ガスホール311の周辺に多重に円形配列された相対的に小さい複数個の補助ガスホール312へ誘導されて補助流れを持つように分配しながら、捕集反応が行われるように構成される。
【0058】
前記上段捕集部31の上面には、多重に円形配列された複数の補助ガスホール312を横切って垂直に突出して設置された二重十字形プレート313が放射配列され、ガス流れを誘導しながら渦流を発生させて捕集効率を高めるように形成され、前記上段捕集部の下面には、補助ガスホール312を横切って垂直に下方に突出して設置された四角プレート314が放射配列され、主ガスホール311と補助ガスホール312を介して下降した排気ガスの均一な下降を誘導しながら捕集作用が起こるように構成される。
【0059】
また、二重十字形プレート313は、放射状に配列された長尺材である四角形プレートと交差するように形成された2つの小さい四角プレートが一定の間隔をおいて交差するように形成され、外郭から主ガスホール側へガス流れを均一かつ安定的に誘導する役割と、渦流を発生させて捕集反応時間を増やす役割を同時に行う。
【0060】
また、上段捕集部31は、下部側に必要とする一定長さの離隔材315と支持部316が備えられ、前記中段捕集部32と一定高さに離隔して設置される。一実施形態として、前記支持部316は、少なくとも4つの離隔材が固定されるように中段捕集部32の上端形状に沿って一定幅の帯状プレートに形成されて多数のホールが備えられ、両側が螺合または溶接によって固定されるように構成できる。
【0061】
中段捕集部32は、上段捕集部31から中央部に流入したガスを収容して外側へ排出しながら、ガス中に含まれた粒子状反応副産物を内側領域と外側領域で均一に捕集するように構成するが、特に内側領域における上下部間の捕集空間の活用度を高めるために、内側領域を逆台形の空間構造で形成した。
【0062】
このために、中段捕集部32は、上段捕集部と一定間隔離隔した下部に結合される面状の十字形垂直プレート321が複数個一定間隔で離間して配列されて四角周りをなすように構成する。
【0063】
面状の十字形垂直プレート321は、2つの個別垂直プレート321aを交差して嵌め込むか或いは溶接する方式で十字形平断面を構成すればよい。
【0064】
このとき、前記面状の十字形垂直プレート321を構成する個別垂直プレート321aの形状は、周方向に沿って位置する垂直プレートは平プレート形状を持つように形成し、これと交差する内側方向を向かうように位置する垂直プレートは上部側から下部側に行くほど面積が広くなる台形に形成して内側領域の上部空間が下部空間よりも広い捕集空間を提供するように構成した。
【0065】
また、個別垂直プレート321aは、対向する向こう側の個別垂直プレート321aと下面とが下段プレート321bで繋がって一体に連結された構造で構成することもできる。
【0066】
上述したように形成された面状の十字形垂直プレート321は、上部の空間と下部の空間とが同一である場合よりも上部内側空間が広いため、ガスが流入するときに上部領域で先に捕集が起こって詰まらず、下部の空間から上部の空間まで全体を効率よく用いて使用周期の前半部に持続的な捕集可能となる。
【0067】
また、前記面状の十字形垂直プレート321は、台形形状を有する個別プレートを、ガス負荷なしに移動することができるようにガスホールなどを有しない面状にのみ構成した。このように面状にのみ構成すると、従来技術に開示されているように多数の同一又は異なる大きさを有するガスホールが形成された垂直捕集プレートとは異なり、流入するガスの流れが面状に沿って負荷なしに速く下方へ流れるという利点がある。このような面状の台形構造を持つ垂直プレートは、下方に速く流入したガスにより、さらに多くの捕集が起こることにより、上部が、流入初期に捕集反応が起こりながら詰まらなくなり、上部から下部まで全体垂直プレートを介して持続的な捕集反応が起こる。
【0068】
一方、前記中段捕集部32は、これを構成する面状の十字形垂直プレート321がなす下部周りに沿って外方へ突出した渦流プレート322が設置される。このような渦流プレート322は、下降するガスの流速を減少させて渦流を発生させることにより、捕集反応時間を増加させながら塊状の反応副産物を誘導するために構成される。
【0069】
渦流プレート322は、中段捕集部32の周りに沿って一つに構成することもでき、複数個を連設することもできるが、本発明の一実施形態では、中段捕集部32の一実施形態による形状に沿って全体的に4つのピースで四角形状を持つように形成した。もちろん、このような形状が本発明の渦流プレート形状を限定するものではなく、多様な形状、そして一つ以上から構成すれば十分である。
【0070】
渦流プレート322は、外側面には長さ方向のガススリット322aが複数形成されることが好ましい。
【0071】
また、ガススリット322aが形成された外側面とは異なり、内側面には開口面積の大きいガス開口322bが形成されるように構成する。このように外側方向にはガススリット322aを一つ以上形成し、内側方向にはガス開口322bを形成すると、ガスの流れがガス開口322b側へ多く流れ、ガススリット322a側へは少なく流れながら、ガスが外側へ流れず、渦流プレート322の内側へ流れるようにして渦流プレート322の活用度を高める。
【0072】
また、このような構造により渦流プレート322の面上に生成されて積もった反応副産物がガスの流れに乗ってガス開口322b側へ落下する可能性が高くなり、その下部に位置した捕集カバー34側へさらによく落下する効果もあるため、反応副産物が流出するのを防止することができる。
【0073】
特に、渦流プレート322は、外側が高く傾斜した形態を持つように設置され、捕集装置の使用周期の後半にガスの主な流れが中段捕集部32の外側領域を介して下降しながら、渦流プレート322に出会って渦流が発生し、ガス流れ方向も傾斜角に沿って内側方向に誘導されて流れながら、ガスの反応時間が増加して塊状に反応副産物の捕集を誘導する。
【0074】
また、傾斜した構造を持つ渦流プレート322は、捕集された反応副産物が自然に内側に累積して積もり、ガスに乗って外部へ流出することも防止することができる。
【0075】
また、傾斜した構造を持つ渦流プレート322は、捕集された反応副産物が、その下部に位置する捕集カバー34側へさらによく落下するように誘導することにより、反応副産物の流出を防止する。
【0076】
前記渦流プレート322は、十字形垂直プレート321の面に溝を形成して嵌め込むか或いは溶接して設置することができる。
【0077】
捕集カバー34は、面上に多数のガスホール341が配列された筒体構造で構成され、前記中段捕集部32の下部から一定間隔離隔して周りに沿って下段捕集部33の上部に垂直方向に設置される。
【0078】
前記捕集カバー34は、上下が開いた筒体構造で構成されるが、筒体形状は、本発明の一実施形態のように中段捕集部の形状に従って四角筒体状に構成することもでき、さまざまな周りに沿った形状を有する筒体で構成することもできる。また、筒体は、一つのボディからなる筒体で構成するか、或いは周りの形状による各面をそれぞれ構成して組み立てることもできる。
【0079】
前記ガスホール341の形状は、本発明の一実施形態では六角溝であるが、本発明では、このような形状にのみ限定されるのではなく、正円、楕円、三角溝、スリット溝または様々な多角形溝から構成してもよい。
【0080】
また、捕集カバー34は、十分な反応副産物を閉じ込めて貯蔵空間を確保するために、一定間隔遠く離隔している箇所に沿って設置され、捕集された反応副産物が使用周期全体にわたって十分に積もりながら流出しない程度の容積を持つように高さを形成しなければならない。
【0081】
一実施形態として、捕集カバーの高さは、中段捕集部32の中間高さよりも小さい程度に形成すると、中段捕集部に流入するガスの流れを妨害しないうえ、捕集装置の使用周期全体にわたって十分に積もりながらも流出しない程度の容積を持つことができる。
【0082】
また、離隔した距離は、下部に位置する下段捕集部33の上部に設置できる程度にのみ離隔すればよい。
【0083】
一実施形態として、本発明は、捕集カバー34が下段捕集部とほぼ同じ幅を持つように形成された。この程度の幅を持つように離隔して設置されると、上段捕集部31、中段捕集部32、及びハウジング本体内壁の壁面プレート10aなどで捕集された反応副産物がガスに乗って流れながら落下しても、下段捕集部33に流入するガスの流れ上、できるだけ捕集カバーの内側空間に落ちる可能性が高いために十分である。
【0084】
しかし、このような設置例が本発明の捕集カバー34の設置形状又は大きさを限定するものではなく、捕集装置の使用周期全体にわたって発生する反応副産物の量に応じて変更できるのはもとよりである。
【0085】
上述した構造の設置された捕集カバー34は、中段捕集部の面状の十字形垂直プレート321の内側及び外側領域、そして渦流プレート322から捕集された多孔性粉末(PorousPowder)状の反応副産物を閉じ込めることにより、外部へ流出するのを防止する役割を果たす。また、捕集カバー34も、面上を介してガス中の反応副産物を捕集することができるのはもとよりである。
【0086】
また、捕集カバー34は、面上に形成されたガスホール341を介して、ガスが自然に排出される役割も果たす。ただし、反応副産物は、捕集カバー34に閉じ込められた状態で内側空間に積もると、ガスの流れが捕集カバー34に閉じ込められながらガスの反応性が増加し、塊状を持つため、ガスホール341が表面に形成された捕集カバーも、遮断壁の役割を十分に果たす。よって、捕集カバーがない時のように、ガスの流れに乗って反応副産物が外部へ容易に流出しなくなる。
【0087】
捕集カバー34に積もる反応副産物は、捕集カバー34の下部と接するように位置した下段捕集部の外郭捕集プレート部331の上面に積もり、一部はガスホールを介してその下部内側捕集プレート部332の上面にまで積もることができる。この時、前記外郭捕集プレート部331の側面は上部の一定区域が、ガスホールを有しない閉塞構造であり、下部内側捕集プレート部332の上面は閉塞構造で構成されることにより、一部のガス流れは外郭捕集プレート部331と下部内側捕集プレート部332間の非閉塞空間部に沿って流れる流路構造が形成される。
【0088】
一方、捕集カバー34の上部には、前記中段捕集部32の周りに沿って設置された渦流プレート322が上部を覆うように位置することができる。この時、渦流プレート322が捕集カバー34よりもっと突出するように形成することが、下降するガスの流れに渦流を発生させる上で好ましい。このように捕集カバー34の上部に渦流プレート322が位置すると、渦流プレート322の下部へ落下した反応副産物を閉じ込めることができ、これと同様に、捕集カバー34に積もった反応副産物が上部開口を介して外部へ流出するのを防止することができる。
【0089】
上述したように構成された中段捕集部32と捕集カバー34は、使用周期の初期には、ガスの主な流れが周りを構成する面状の十字形垂直プレート321の内側領域下部に収容されて流れた後、外側領域方向へ排出される傾向を持つため、面状の十字形垂直プレート321の内側領域でガス中の反応副産物が捕集されて逆台形の空間構造を持つ内側領域空間部の上下部全体に均一に積もり、同時に捕集カバー34の内部と下段捕集部33の上部領域に積もる。
【0090】
以後、中段捕集部32の内側領域空間部に反応副産物が積もって捕集空間が減少した使用周期の後半には、流入するガスが下降して排気され難いため、ガスの主な流れが、複数個が一定間隔を持つように設置されて周りを構成する面状の十字形垂直プレート321同士の間の空間を介して外側領域へ誘導されて面状の十字形垂直プレート321の外側領域で反応副産物が捕集されるように構成される。つまり、反応副産物の捕集量が増加すると、面状の十字形垂直プレート321の上部側から間の空間を介して外側領域へ流れた後、下降しながら面状の十字形垂直プレート321の外側領域で追加の捕集反応が起こる。
【0091】
この時、下降するガス中の一部は、面状の十字形垂直プレート321がなす下部周りに沿って外側方向に突出するように設置された渦流プレート322によって渦流が発生しながら内側にガイドされて塊状に反応副産物が捕集され、一部は下部に位置する捕集カバー23の内部と下段捕集部33の上部領域に持続的に積もる。
【0092】
上述した使用周期の前半と使用周期の後半の主な流れが変更されることにより、捕集時の使用周期の初期には、逆台形の空間構造を持つ内側領域空間部の上下部全体に均一に積もり、使用周期の後半には、外側領域の下部に下降しながらより多くの捕集量を持つ。
【0093】
また、複数個で周りを構成する面状の十字形垂直プレート321の外側領域下部に周りに沿って設置された、捕集カバー34と多数のホールを有する渦流プレート322によって使用周期の後半には下部に下降するガスの流速を減少させながら渦流を発生させて捕集反応時間を増加させ、捕集されて積もることにより、反応副産物が落下してガス排出口へ流出するのも防止することができる。
【0094】
下段捕集部33は、前記中段捕集部32の下部に結合され、表面に複数のガスホールが形成された外郭捕集プレート部331、内側捕集プレート部332から多重構成され、中段捕集部32の内側領域と外側領域で捕集反応を経たガスが直接下降して、ハウジングの下板に形成されたガス排出口13aへ流入するのを遮断し、外郭から内側へとガスを誘導しながら捕集反応が最終的に行われて反応副産物の流出を防止するようにした後、ハウジングの下板の中央部から上方に突出したガス排出口13aの上部に流入して下降するようにガスの流れを誘導するように構成される。
【0095】
また、下段捕集部33は、ハウジングの下板に設置され、外郭プレート331と締結される支持部材333によって下板と一定間隔離隔した状態で設置されながら上部に位置した中段捕集部32の全体荷重を支持するように構成され、ガスの流入が円滑に行われるようにする。
【0096】
前記外郭捕集プレート部331及び内側捕集プレート部332から多重構成された下段捕集部33は、内側捕集プレート部332が外郭捕集プレート部331よりもさらにハウジングの下板に近接するように形成して、流入したガスが順次流入する形状を持つように構成される。
【0097】
次に、一実施形態によって、より具体的に下段捕集部33を説明する。
【0098】
外郭捕集プレート部331は、下部が開放された四角筒構造(円筒形又は多角筒形可能)で構成され、上面捕集プレートと各側面捕集プレートは、複数のガスホール331aが形成できる。
【0099】
また、前記各側面捕集プレートは、上部の一定区域が、ガスホール331aを有しない閉塞部331bで構成されてガスの流れを遮断することにより、中段捕集部から上面捕集プレートを介して落下した反応副産物が外方向に流出するのを防止するように構成される。
【0100】
内側捕集プレート部332は、下部が開いた四角筒構造(円筒形または多角筒形可能)で構成されるが、上面捕集プレートは閉塞構造で構成され、前記外郭捕集プレート部331の上面捕集プレートとは離隔材332aによって一定間隔離隔するように構成され、各側面捕集プレートは、多数のガスホール332bが形成される。
【0101】
上述したように構成された本発明による内部捕集塔3は、ハウジングの内部に流入するガスの主な流れを内部捕集塔3の上段捕集部31で中央部に集め、下部にある中段捕集部32に送ると、内側領域が逆台形の空間構造を持つ内側領域空間部に形成された中段捕集部32では、ガスの主な流れが四角周りを構成する面状の十字形垂直プレート321の内側領域に沿って下方に速く下降しながら面状の十字形垂直プレート321で捕集反応を行って反応副産物を形成しながら、下部に位置した捕集カバー34の内部と下段捕集部33の上部領域を介して外側領域へ排出される主なガス流れを持つ。
【0102】
このような使用周期の初期のガス流れのため、反応副産物は、逆台形の空間構造を持つ内側領域空間部の上下部全体に均一に積もり、同時に捕集カバー34の内部と下段捕集部33の上部領域に積もる。
【0103】
また、捕集カバー34は、内部に積もった反応副産物が流出するのを持続的にフィルタリングする役割を果たす。
【0104】
以後、逆台形の空間構造を持つ中段捕集部32の内側領域で捕集されて積もる反応副産物により捕集空間が減少した使用周期の後半には、面状の十字形垂直プレートの上部から外側領域へガス流れが誘導されて下部に下降しながら反応副産物がさらに捕集される。
【0105】
また、下降するガスのうち、一部は面状の十字形垂直プレート321がなす下部周りに沿って外方に突出するように設置された渦流プレート322によって渦流が発生しながら内側にガイドされて塊状に反応捕集物が捕集され、一部は下部に位置する捕集カバー34の内部と下段捕集部の上部領域に持続的に積もる。
【0106】
使用周期の後半も、捕集カバー34は、内部に積もった反応副産物が流出するのを持続的にフィルタリングする役割を果たす。
【0107】
また、使用周期の間に中段捕集部32の外側を介して下降するガスは、下部から下段捕集部33の外郭捕集プレート部331及び内側捕集プレート部332を介して反応副産物の流出を防止しながら、最終的にガス中に含まれている反応副産物を捕集し、しかる後に、ハウジングの下板の中央部から上方に突出したガス排出口13aの上部を介して流入した後に下降して排出される。
【0108】
図10は本発明の一実施形態による捕集装置の内部における使用周期の初期のガス流れを示す例示図であり、
図11は本発明の一実施形態による捕集装置の内部における使用周期の初期の捕集傾向を示す例示図である。以下の図面で説明される図面番号は、前述した説明を参照すればよい。
【0109】
以下、図示の如く、使用周期の初期のガス流れ及び反応副産物捕集傾向を説明する。
【0110】
ハウジング1を構成する上板12に形成されたガス流入口12aを介して流入したガスが、ヒータ2によって加熱されながら、上部に位置したディフューザ2aによって放射状にハウジング本体11の外郭に分配されて流れた後、下降する。
【0111】
以後、ガスの主な流れは、内部捕集塔3の上段捕集部31によって外郭から中央部へと主ガスホール311に誘導されて下降しながら、上面と下面、そして上面に設置された二重十字形プレート313及び四角プレート314で捕集反応が起こる。
【0112】
主ガスホール311に下降したガスの主な流れは、中段捕集部32の内部である逆台形の空間構造を持つ内側領域に流入して下部へ流れた後、捕集カバー34が設置された外側領域へ排出される流れを有する。
【0113】
このとき、面状の十字形垂直プレート321は、ガス中の反応副産物を凝集させて捕集することにより、内側領域と捕集カバー34の内部と下段捕集部33の上部領域に持続的に積もる。
【0114】
特に、面状の十字形垂直プレート321を構成する各垂直プレートは、台形構造を持つため、捕集反応の際に内側領域の上部詰まりなしに全体空間に反応副産物が累積されて積もる。
【0115】
その後、下部から捕集カバー34を介して外側領域へ排出されたガスは、多段からなる下段捕集部33を介して、その内側に位置したハウジングの下板の中央部から上方に突出したガス排出口13aの上部を介して流入した後、下降して排出される。
【0116】
図12は本発明の一実施形態による捕集装置の内部における使用周期の後半のガス流れを示す例示図であり、
図13は本発明の一実施形態による捕集装置の内部における使用周期の後半の捕集傾向を示す例示図である。
【0117】
次に、図示の如く、使用周期の後半のガス流れ及び反応副産物捕集傾向を説明する。
【0118】
ハウジング1を構成する上板12に形成されたガス流入口12aを介して流入したガスが、ヒータ2によって加熱されながら、上部に位置したディフューザ2aによって放射状にハウジング本体11の外郭に分配されて流れた後、下降する。
【0119】
以後、ガスの主な流れは、内部捕集塔3の上段捕集部31によって外郭から中央部へと主ガスホール311に誘導されて下降しながら上面と下面、そして上面に設置された二重十字形プレート313及び四角プレート314で捕集反応が起こる。
【0120】
主ガスホール311に下降したガスの主な流れは、面状の十字形垂直プレートの内側領域で捕集されて積もる反応副産物により捕集空間が減少してそれ以上下降せず、面状の十字形垂直プレートの上部から外側領域へガス流れが誘導されて下部に下降しながら、まだ捕集反応に多く使用されていない面状の十字形垂直プレートの外側領域で反応副産物が追加的に捕集される。
【0121】
特に、面状の十字形垂直プレート321を構成する各垂直プレートは、台形構造を持つため、捕集反応の際に使用周期の後半に外側領域の下部における捕集反応が盛んに起こり、捕集カバー34の内部と下段捕集部33の上部領域に持続的に積もる。
【0122】
また、捕集カバー34の上部に設置された前記面状の十字形垂直プレート321の外側領域の下部に周りに沿って設置された渦流プレート322によって下部に下降するガスの流速を減少させながら渦流を発生させて捕集反応時間を増加させ、捕集されて積もることにより反応副産物が落下してガス排出口へ流出するのも防止する。
【0123】
その後、下段捕集部33を介して、その内側に位置したハウジングの下板の中央部から上方に突出したガス排出口13aの上部へ流入した後、下降して排出される。
【0124】
本発明は、上述した特定の好適な実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲で請求する本発明の要旨を逸脱することなく、当該発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、誰でも様々な変形実施が可能であるのはもとより、それらの変更も請求の範囲記載の範囲内にある。
【符号の説明】
【0125】
1 ハウジング
2 ヒータ
2a ディフユーザ
3 内部捕集塔
10a 壁面プレート
11 ハウジング本体
12 上板
12a ガス流入口
13 下板
13a ガス排出口
21 電源供給部
31 上段捕集部
32 中段捕集部
33 下段捕集部
34 捕集カバー
311 主ガスホール
312 補助ガスホール
313 二重十字形プレート
314 四角プレート
315 離隔材
316 支持部
321 十字形垂直プレート
321a 個別垂直プレート
321b 下段プレート
324 渦流プレート
322a ガススリット
322b ガス開口
331 外郭捕集プレート部
331a ガスホール
331b 閉塞部
332 内側捕集プレート
332a 離隔材
332b ガスホール
333 支持部材
341 ガスホール
【要約】 (修正有)
【課題】捕集可用領域が拡張された反応副産物捕集装置を提供する。
【解決手段】反応副産物捕集装置は、半導体製造工程における蒸着工程後に排出されるガスをハウジング1の内部に収容してヒータ2で加熱しながら、内部捕集塔3を用いて、ガス中に含まれている反応副産物を捕集してガスのみ排出する。内部捕集塔は、ガスの主な流れを中央部へ誘導して下降させながら捕集反応する上段捕集部31、流入したガスを収容して反応副産物を捕集するように内側領域が逆台形の空間部で形成された中段捕集部32、側面を介して流入するガスから反応副産物を多段捕集しながら、既に捕集された反応副産物がハウジングのガス排出口へ流出するのを防止する下段捕集部33及び中段捕集部の内側及び外側領域から捕集された多孔性粉末状の反応副産物を閉じ込めて外部流出を防止する捕集カバー34から分離構成して、反応副産物を高さに応じて多段捕集する。
【選択図】
図1