(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-01
(45)【発行日】2023-08-09
(54)【発明の名称】半導体メモリ素子及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H10B 12/00 20230101AFI20230802BHJP
H10B 63/00 20230101ALI20230802BHJP
H10B 63/10 20230101ALI20230802BHJP
【FI】
H10B12/00 681A
H10B12/00 671B
H10B63/00
H10B63/10
(21)【出願番号】P 2018137333
(22)【出願日】2018-07-23
【審査請求日】2021-05-25
(31)【優先権主張番号】10-2017-0101835
(32)【優先日】2017-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】金 熙 中
(72)【発明者】
【氏名】趙 ▲みん▼ 熙
(72)【発明者】
【氏名】金 奉 秀
(72)【発明者】
【氏名】金 俊 秀
(72)【発明者】
【氏名】山田 悟
(72)【発明者】
【氏名】李 元 錫
(72)【発明者】
【氏名】黄 有 商
【審査官】小山 満
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0001186(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0003753(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0035022(US,A1)
【文献】特開2011-192800(JP,A)
【文献】特開2015-079865(JP,A)
【文献】国際公開第99/000838(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0101450(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0087035(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0172488(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10B 12/00
H10B 63/00
H10B 63/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
素子分離膜によって定義される活性領域を含む基板と、
前記基板上部のトレンチ内に埋め込まれ、前記活性領域と交差するゲートライン構造体と、を含み、
前記ゲートライン構造体は、前記トレンチ内に順に形成されたゲート絶縁層及びゲート電極を含み、
前記トレンチは、前記素子分離膜上の第1トレンチ部分及び前記活性領域上の第2トレンチ部分を含み、
前記ゲート絶縁層は、前記第1トレンチ部分内で前記ゲート電極の上面を覆わず、前記第2トレンチ部分内で前記ゲート電極の上面を覆う、半導体メモリ素子。
【請求項2】
前記第2トレンチ部分の各々は、第1幅を有するトレンチ上部及び前記第1幅より大きい第2幅を有するトレンチ下部を含む、請求項1に記載の半導体メモリ素子。
【請求項3】
前記第2トレンチ部分内で、前記ゲート電極は、前記トレンチ下部内に提供され、前記ゲート絶縁層は、前記ゲート電極を囲む、請求項2に記載の半導体メモリ素子。
【請求項4】
前記ゲート絶縁層は、前記トレンチ上部を満たす、請求項3に記載の半導体メモリ素子。
【請求項5】
前記ゲートライン構造体は、前記第1トレンチ部分内で前記ゲート電極の上面を覆うキャッピング絶縁パターンをさらに含む、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の半導体メモリ素子。
【請求項6】
前記第1トレンチ部分内で、前記キャッピング絶縁パターンは、前記ゲート絶縁層の内側壁と前記ゲート電極の上面によって定義される領域を満たす、請求項5に記載の半導体メモリ素子。
【請求項7】
平面視で、前記ゲートライン構造体の延在方向に隣接する前記キャッピング絶縁パターンは前記活性領域を介して互いに離隔される、請求項5又は6に記載の半導体メモリ素子。
【請求項8】
前記ゲートライン構造体の上面に沿って前記キャッピング絶縁パターンと前記ゲート絶縁層とが交互に配置される、請求項5乃至7のいずれか一項に記載の半導体メモリ素子。
【請求項9】
前記キャッピング絶縁パターンは、幅が広い第1キャッピング絶縁パターンと幅が狭い第2キャッピング絶縁パターンとを含み、
前記ゲートライン構造体の延在方向に沿って前記第1キャッピング絶縁パターンと前記第2キャッピング絶縁パターンとが交互に配置される、請求項5乃至8のいずれか一項に記載の半導体メモリ素子。
【請求項10】
前記ゲート電極は、前記キャッピング絶縁パターンの間で前記基板の上面方向に突出される、請求項5乃至9のいずれか一項に記載の半導体メモリ素子。
【請求項11】
前記ゲート絶縁層の外側壁を覆うスペーサーをさらに含み、
前記第1トレンチ部分内で、前記スペーサーは、前記ゲート絶縁層を介して前記ゲート電極と水平方向に離隔され、
前記第2トレンチ部分内で、前記スペーサーの下面は、前記ゲート電極の上面から垂直方向に離隔される、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の半導体メモリ素子。
【請求項12】
前記ゲート電極は、前記第1トレンチ部分内の第1電極部分及び前記第2トレンチ部分内の第2電極部分を含み、
前記第2電極部分の上面は、前記第1電極部分の上面より高いレベルに配置される、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の半導体メモリ素子。
【請求項13】
前記第2電極部分の上面は丸い表面を有する、請求項12に記載の半導体メモリ素子。
【請求項14】
前記第2電極部分の幅は、前記第1電極部分の幅より大きい、請求項12又は13に記載の半導体メモリ素子。
【請求項15】
前記第2電極部分は、前記第1電極部分の上面から前記基板の上面方向に突出される突出部を含む、請求項12乃至14のいずれか一項に記載の半導体メモリ素子。
【請求項16】
前記突出部は、ドーピングされたシリコンを含む、請求項15に記載の半導体メモリ素子。
【請求項17】
前記ゲート電極は、下部ゲート電極及び上部ゲート電極を含み、
前記下部ゲート電極は、下部金属電極層及び下部バリアー電極層を含み、
前記上部ゲート電極は、上部金属電極層及び前記上部金属電極層の少なくとも一部を囲む仕事関数調節層を含む、請求項1に記載の半導体メモリ素子。
【請求項18】
前記第2トレンチ部分内で、前記仕事関数調節層は、前記上部金属電極層の上面を覆う、請求項17に記載の半導体メモリ素子。
【請求項19】
前記仕事関数調節層は、前記下部金属電極層と前記上部金属電極層との間に延在される、請求項17又は18に記載の半導体メモリ素子。
【請求項20】
前記ゲート電極は、金属電極層及び前記金属電極層の側壁上の仕事関数調節層を含み、
前記仕事関数調節層は、前記第2トレンチ部分内に延長される請求項1に記載の半導体メモリ素子。
【請求項21】
前記ゲート電極は、金属電極層及び前記金属電極層と前記ゲート絶縁層との間のバリアー電極層を含み、
前記第2トレンチ部分内で、前記バリアー電極層は、前記金属電極層の上面を覆う、請求項1に記載の半導体メモリ素子。
【請求項22】
素子分離膜によって定義される活性領域を含む基板と、
前記基板上部のトレンチ内に埋め込まれ、前記活性領域と交差するゲートライン構造体と、を含み、
前記ゲートライン構造体は、前記トレンチ内に順に形成されたゲート絶縁層及びゲート電極を含み、
前記ゲート電極は、前記素子分離膜上の第1電極部分及び前記活性領域上の第2電極部分を含み、
前記第2電極部分の幅は、前記第1電極部分の幅より大き
く、
前記第2電極部分の上面は丸い表面を有する、半導体メモリ素子。
【請求項23】
前記第2電極部分の下面は、前記第1電極部分の下面より高い、請求項22に記載の半導体メモリ素子。
【請求項24】
前記第1電極部分の上面は、前記第2電極部分の上面より低い、請求項22又は23に記載の半導体メモリ素子。
【請求項25】
前記活性領域の上部に不純物領域をさらに含み、
前記不純物領域の下面は、前記第1電極部分の上面と前記第2電極部分の上面との間に配置される、請求項24に記載の半導体メモリ素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体メモリ素子及びその製造方法に係る。
【背景技術】
【0002】
小型化、多機能化、及び/又は低い製造単価等の特性によって半導体素子は電子産業で重要な要素として脚光を浴びている。しかし、電子産業が高度に発展することに応じて、半導体素子の高集積化傾向が深化されている。半導体素子の高集積化のために、半導体素子のパターンの線幅が段々減少されている。しかし、最近、パターンの微細化は新しい露光技術及び/又は高い費用の露光技術等を要求するので、半導体素子の高集積化が段々難しくなっている。したがって、最近、新しい集積化技術に対する多くの研究が進行されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許第7,902,597号公報
【文献】米国特許第7,923,331号公報
【文献】米国特許第7,947,553号公報
【文献】米国特許第8,053,315号公報
【文献】米国特許第9,136,135号公報
【文献】米国特許第9,391,206号公報
【文献】米国特許第9,530,883号公報
【文献】米国特許第9,570,404号公報
【文献】米国特許出願公開第2016/0284640号明細書
【文献】米国特許出願公開第2016/0372586号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は集積度を増加させながらも、電気的特性を確保することができる半導体メモリ素子及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を達成するための本発明に係る半導体メモリ素子は、素子分離膜によって定義される活性領域を含む基板と、前記基板上部のトレンチ内に埋め込まれ、前記活性領域と交差するゲートライン構造体と、を含み、前記ゲートライン構造体は前記トレンチ内に順に形成されたゲート絶縁層及びゲート電極を含み、前記トレンチは前記素子分離膜上の第1トレンチ部分及び前記活性領域上の第2トレンチ部分を含み、前記第2トレンチ部分内で、前記ゲート絶縁層は前記ゲート電極の上面を覆うことができる。
【0006】
前記課題を達成するための本発明に係る半導体メモリ素子は、素子分離膜によって定義される活性領域を含む基板と、前記基板上部のトレンチ内に埋め込まれ、前記活性領域と交差するゲートライン構造体と、を含み、前記ゲートライン構造体は前記トレンチ内に順に形成されたゲート絶縁層及びゲート電極を含み、前記ゲート電極は前記素子分離膜上の第1電極部分及び前記活性領域上の第2電極部分を含み、前記第2電極部分の幅は前記第1電極部分の幅より大きい。
【0007】
前記課題を達成するための本発明に係る半導体メモリ素子の製造方法は、基板に活性領域を定義する素子分離膜を形成することと、前記活性領域と交差し、第1方向に延在されるトレンチを形成することと、前記トレンチは前記素子分離膜を露出する第1トレンチ部分及び前記活性領域を露出する第2トレンチ部分を含み、前記トレンチ内にゲート絶縁層及びゲート電極層を順に形成した後、前記ゲート電極層の一部を除去することと、を含み、前記第2トレンチ部分の各々は第1幅を有するトレンチ上部及び前記第1幅より大きい第2幅を有するトレンチ下部を含み、前記ゲート絶縁層は前記トレンチ上部を満たして前記トレンチ下部内にゲート領域を定義し、前記ゲート電極層は前記第1トレンチ部分を通じて前記ゲート領域内に形成されることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の実施形態によれば、半導体素子の集積度を増加させながらも、電気的特性を確保することができる。また、半導体素子の製造工程を単純化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態に係る半導体メモリ素子の平面図である。
【
図2】
図1のA-A’線及びB-B’線に沿う断面図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る半導体メモリ素子の製造方法を説明するための図面であって、
図1のA-A’線及びB-B’線に沿う断面図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る半導体メモリ素子の製造方法を説明するための図面であって、
図1のA-A’線及びB-B’線に沿う断面図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る半導体メモリ素子の製造方法を説明するための図面であって、
図1のA-A’線及びB-B’線に沿う断面図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る半導体メモリ素子の製造方法を説明するための図面であって、
図1のA-A’線及びB-B’線に沿う断面図である。
【
図7】本発明の実施形態に係る半導体メモリ素子の製造方法を説明するための図面であって、
図1のA-A’線及びB-B’線に沿う断面図である。
【
図8】本発明の実施形態に係る半導体メモリ素子の製造方法を説明するための図面であって、
図1のA-A’線及びB-B’線に沿う断面図である。
【
図9】本発明の実施形態に係る半導体メモリ素子の製造方法を説明するための図面であって、
図1のA-A’線及びB-B’線に沿う断面図である。
【
図10】本発明の実施形態に係る半導体メモリ素子の製造方法を説明するための図面であって、
図1のA-A’線及びB-B’線に沿う断面図である。
【
図11】本発明の実施形態に係る半導体メモリ素子の製造方法を説明するための図面であって、
図1のA-A’線及びB-B’線に沿う断面図である。
【
図12】本発明の実施形態に係る半導体メモリ素子を説明するための断面図である。
【
図13】本発明の実施形態に係る半導体メモリ素子及びその製造方法を説明するための断面図である。
【
図14】本発明の実施形態に係る半導体メモリ素子及びその製造方法を説明するための断面図である。
【
図15】本発明の実施形態に係る半導体メモリ素子及びその製造方法を説明するための断面図である。
【
図16】本発明の実施形態に係る半導体メモリ素子及びその製造方法を説明するための断面図である。
【
図17】本発明の実施形態に係る半導体メモリ素子及びその製造方法を説明するための断面図である。
【
図18】本発明の実施形態に係る半導体メモリ素子及びその製造方法を説明するための断面図である。
【
図19】本発明の実施形態に係る半導体メモリ素子及びその製造方法を説明するための断面図である。
【
図20】本発明の実施形態に係る半導体メモリ素子及びその製造方法を説明するための断面図である。
【
図21】本発明の実施形態に係る半導体メモリ素子及びその製造方法を説明するための断面図である。
【
図22】本発明の実施形態に係る半導体メモリ素子及びその製造方法を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は本発明の実施形態に係る半導体メモリ素子の平面図である。
図2は
図1のA-A’線及びB-B’線に沿う断面図である。
【0011】
図1及び
図2を参照して、素子分離膜110によって定義される活性領域ARを含む基板100が提供される。一例として、基板100はシリコン基板である。素子分離膜110はシリコン酸化物を含む。活性領域ARは水平方向に分離されたバー(bars)の形状を有し、第1方向(以下、D1方向)及び第2方向(以下、D2方向)の全てに対して非垂直である(non-perpendicular)第3方向(以下、D3方向)に延在される。D1方向及びD2方向は互いに交差され、基板100の上面に平行である方向である。
【0012】
基板100上部のトレンチTR内に埋め込まれ、活性領域ARと交差するゲートライン構造体が提供される。複数のトレンチTRはD2方向に互いに離隔されて配置される。一例として、1つの活性領域ARが一対のトレンチTRと交差する。各トレンチTRはD1方向に延在され、素子分離膜110及び活性領域ARを交互に通る。以下、1つのトレンチTRを基準に説明する。
【0013】
一例として、トレンチTRは素子分離膜110上の第1トレンチ部分T1”及び活性領域AR上の第2トレンチ部分T2”を含む。第1トレンチ部分T1”と第2トレンチ部分T2”はD1方向に交互に配置される。第1トレンチ部分T1”のD3方向への幅W2は第2トレンチ部分T2”の幅W3より大きい。一例として、第1トレンチ部分T1”の幅W2は第2トレンチ部分T2”の幅W3より約10%乃至90%さらに大きい。幅W2、W3はトレンチ部分T1”、T2”の上部の幅を指す。
【0014】
第1トレンチ部分T1”は
図1に図示されたようにD1方向への幅が大きい第1領域R1とD1方向への幅が小さい第2領域R2を含む。一例として、第1領域R1のD1方向への幅は第2領域R2の幅の約2倍乃至約10倍である。第1領域R1と第2領域R2はD1方向に沿って交互に配置される。隣接する第1領域R1と第2領域R2との間には第2トレンチ部分T2”が配置される。即ち、D1方向に沿って第1領域R1、第2トレンチ部分T2”、第2領域R2、及び第2トレンチ部分T2”の順序に繰り返して配置される。
【0015】
第1トレンチ部分T1”の下面の高さは第2トレンチ部分T2”の下面の高さより低い。一例として、第1トレンチ部分T1”の下面は第2トレンチ部分T2”の下面より約150Å乃至約550Å低い。各第2トレンチ部分T2”は相対的に狭い幅を有するトレンチ上部UT、及びトレンチ上部UTから延長され、トレンチ上部UTより広い幅を有するトレンチ下部BTを含む。一例として、第2トレンチ部分T2”はトレンチ上部UTから延長され、トレンチ上部UTに比べて水平及び/又は垂直方向に拡張された拡張領域EN2を含む。拡張領域EN2は垂直方向への幅が水平方向への幅より大きい楕円形状に図示されたが、これに限定されずに多様な変形が可能である。
【0016】
トレンチTR内にゲート絶縁層120が提供される。第1トレンチ部分T1”内で、ゲート絶縁層120は第1トレンチ部分T1”の側壁及び下面に沿ってコンフォーマルに提供される。第2トレンチ部分T2”内で、ゲート絶縁層120はトレンチ上部UTを満たしてトレンチ下部BT内に空いた空間であるゲート領域GRを定義する。ゲート領域GRはその上部がゲート絶縁層120によって閉ざされており、水平方向に隣接する第1トレンチ部分T1”と連結される。ゲート絶縁層120はシリコン酸化膜、シリコン窒化膜、又はシリコン酸窒化膜の中で少なくとも1つを含む。一例として、ゲート絶縁層120はシリコン酸化膜である。
【0017】
ゲート絶縁層120上にゲート電極GEが提供される。ゲート電極GEはバリアー電極層131及び金属電極層136を含む。バリアー電極層131はTaN、TiN、又はWNのような導電性金属窒化物を含む。金属電極層136はW、Ti、又はTaのような金属層である。ゲート電極GEは第1トレンチ部分T1”内の第1電極部分GE1及び第2トレンチ部分T2”内の第2電極部分GE2を含む。
【0018】
第1電極部分GE1は第1トレンチ部分T1”の下部に提供され、第1トレンチ部分T1”の上部を占有するキャッピング絶縁パターン141によってその上面が覆われる。第2電極部分GE2は第2トレンチ部分T2”のゲート領域GRを満たす。第2電極部分GE2の上面はトレンチ上部UTを満たすゲート絶縁層120によって覆われる。ゲート領域GRの丸い表面によって、第2電極部分GE2の上面も丸い形状を有する。これとは異なり、第1電極部分GE1の上面は実質的に平たくてよい。
【0019】
第1電極部分GE1の上部で、バリアー電極層131は金属電極層136を露出する。キャッピング絶縁パターン141は露出された金属電極層136の上面と連結される。これとは異なり、第2電極部分GE2の上部で、金属電極層136はバリアー電極層131によって覆われてよい。即ち、金属電極層136の上面はバリアー電極層131を介してゲート絶縁層120と離隔される。一例として、第2電極部分GE2で、バリアー電極層131はリング(ring)形状の断面を有し、第1電極部分GE1で、バリアー電極層131はU字形状の断面を有する。
【0020】
第2電極部分GE2の上部は第1電極部分GE1の上面から基板100の上面方向に突出された突出部PPを含む。即ち、第2電極部分GE2の上面は第1電極部分GE1の上面より高さhだけ高い。一例として、高さhはゲート絶縁層120の厚さより大きい。一例として、高さhは約100Å乃至約500Åである。
【0021】
第2電極部分GE2のD3方向への幅d2は第1電極部分GE1の幅d1より大きい。一例として、第2電極部分GE2の幅d2は第1電極部分GE1の幅d1の約1.1倍乃至3倍である。第1電極部分GE1の下面は第2電極部分GE2の下面より低い。
【0022】
トレンチTRの側壁とゲート絶縁層120との間にスペーサー115が提供される。第1トレンチ部分T1”内で、スペーサー115は第1電極部分GE1の側壁に沿って提供される。即ち、第1トレンチ部分T1”内で、スペーサー115は第1電極部分GE1と水平方向に離隔される。第2トレンチ部分T2”内で、スペーサー115の下面は第2電極部分GE2の下面と垂直方向に離隔される。スペーサー115はトレンチ上部UTの側壁に提供され、トレンチ下部BTに延長されなくともよい。一例として、スペーサー115はシリコン酸化膜、シリコン酸窒化膜、及びシリコン窒化膜の中で少なくとも1つを含む。
【0023】
キャッピング絶縁パターン141は素子分離膜110上に提供され、活性領域AR上に提供されなくともよい。第2トレンチ部分T2”のトレンチ上部UTはゲート絶縁層120によって占有され、キャッピング絶縁パターン141が提供されなくともよい。キャッピング絶縁パターン141は第1領域R1上の第1キャッピング絶縁パターン141a及び第2領域R2上の第2キャッピング絶縁パターン141bを含む。第1キャッピング絶縁パターン141aのD1方向への幅は第2キャッピング絶縁パターン141bの幅より大きい。キャッピング絶縁パターン141はシリコン窒化物又はシリコン酸窒化物を含む。
【0024】
活性領域ARに第1不純物領域171及び第2不純物領域172が提供される。第1不純物領域171と第2不純物領域172はトレンチTRを介して離隔される。一例として、各活性領域ARの両端部に第1不純物領域171が提供され、一対の第1不純物領域171の間に第2不純物領域172が提供される。一例として、不純物領域171、172は基板100と異なる導電型の不純物を含む領域である。
【0025】
前記ゲートライン構造体上にビットラインBL及び情報格納部DSが形成される。説明の簡易化のために
図1にはビットラインBL及び情報格納部DSの一部のみを図示した。ビットラインBLはD2方向に延在され、第1コンタクト161を通じて複数の第2不純物領域172と連結される。情報格納部DSは第2コンタクト163を通じて第1不純物領域171と連結される。ビットラインBL、第1及び第2コンタクト161、163の各々は金属、導電性金属窒化膜、及び半導体物質の中で少なくとも1つを含む。
【0026】
一例として、本発明のメモリ素子がDRAMである場合、情報格納部DSは下部電極、誘電膜、及び上部電極を含むキャパシターである。これとは異なり、情報格納部DSは相変化層、可変抵抗層、又は磁気トンネル接合層を含むことができる。情報格納部DSを覆う層間絶縁層195が提供される。一例として、層間絶縁層195はシリコン酸化物を含む。
【0027】
本発明の実施形態によれば、第1電極部分GE1と第2電極部分GE2との形状、高さ、及び幅等を異なるように構成することができる。第2電極部分GE2は活性領域ARに電圧を印加するためのアクセスワードライン(access word-line)として機能する。これとは異なり、第1電極部分GE1は、素子分離膜110内に埋め込まれた領域にて、活性領域ARに電圧を直接印加するための構成ではないパッシングワードライン(passing word-line)として機能することができる。
【0028】
素子の集積度が増加されることによって、ゲート電極の幅も、また減少するが、トランジスタの特性確保のためにゲート絶縁層の最小厚さの確保が必要である。また、ゲート電極の幅の減少は抵抗の増加をもたらすので、電極サイズ減少が容易ではない。本発明の実施形態によれば、活性領域ARに電圧を印加するための第2電極部分GE2の幅を素子分離膜110内に埋め込まれた第1電極部分GE1の幅より大きく形成することによって、素子集積度の確保と同時にトランジスタの電気的特性の確保が可能である。また、ゲート電極の間の活性領域AR、より詳細には第1及び第2不純物領域171、172の幅も増加されてこれを通じて流れる電流が増加される。
【0029】
第1電極部分GE1が第1不純物領域171と相対的に近い場合、素子の漏洩電流が増加される。本発明の実施形態によれば、第1電極部分GE1の上面を第2電極部分GE2の上面より下げることによって漏洩電流を減少させて素子の電気的特性が改善されることができる。
【0030】
図3乃至
図11は本発明の実施形態に係る半導体メモリ素子の製造方法を説明するための図面であって、
図1のA-A’線及びB-B’線に沿う断面図である。
【0031】
図1及び
図3を参照すれば、基板100内に素子分離膜110が形成されて活性領域ARが定義される。一例として、素子分離膜110はシリコン酸化物で形成される。基板100の上部にエッチング工程を遂行して活性領域ARと交差してD1方向に延在される予備トレンチPTRを形成する。各予備トレンチPTRはエッチング工程が遂行される位置に応じて異なる深さに形成されることができる。一例として、予備トレンチPTRは素子分離膜110を露出する第1トレンチ部分T1及び活性領域ARを露出する第2トレンチ部分T2を含む。第1トレンチ部分T1は第2トレンチ部分T2に比べて基板100内に深く形成される。第1トレンチ部分T1のD3方向への第1幅W1は第2トレンチ部分T2の幅W3と同一であるが、これとは異なり第2トレンチ部分T2の幅W3よりさらに大きくてもよい。エッチング工程は乾式エッチング工程を含む。
【0032】
図1及び
図4を参照して、第1トレンチ部分T1を定義する素子分離膜110に対する選択的エッチング工程が遂行されて、拡張された第1トレンチ部分T1’が形成される。一例として、選択的エッチング工程は素子分離膜110をエッチングする間に活性領域ARのエッチングを最小化することができるエッチングレシピで遂行されることができる。D3方向への幅を比べると、第1トレンチ部分T1’は第1幅W1より大きい第2幅W2を有する。第1トレンチ部分T1’の深さも増加される。反面、第2トレンチ部分T2の幅W3は増加されないか、或いは相対的に低い比率で増加される。
【0033】
図1及び
図5を参照して、予備トレンチPTRの内側壁上にスペーサー115が形成される。スペーサー115は予備トレンチPTRを覆うようにスペーサー膜を形成した後、異方性エッチング工程を遂行して形成される。一例として、スペーサー115はシリコン酸化膜、シリコン酸窒化膜、及びシリコン窒化膜の中で少なくとも1つを含む。
【0034】
スペーサー115によって露出された素子分離膜110がエッチングされて第1トレンチ部分T1’の深さが増加される(以下、第1トレンチ部分T1”)。素子分離膜110のエッチングはスペーサー115の形成と同時に及び/又は連続的に遂行される。
【0035】
図1及び
図6を参照して、スペーサー115によって露出された第2トレンチ部分T2の下面、即ち活性領域ARをエッチングして第1拡張領域EN1が形成される。以下、第2トレンチ部分T2’は第1拡張領域EN1を含むことと記述される。第1拡張領域EN1の形成はスペーサー115によって露出された活性領域ARに等方性エッチング工程を遂行することを含む。一例として、第1拡張領域EN1の形成は燐酸又はフッ酸を含むエッチング液を利用するエッチング工程を含む。第1拡張領域EN1の断面は図示されたように円型であるが、これに限定されない。第1拡張領域EN1が形成される間に、第1トレンチ部分T1”によって露出された素子分離膜110はエッチングされないか、或いは相対的に低い比率でエッチングされる。
【0036】
図1及び
図7を参照して、第1拡張領域EN1が拡張されて第2拡張領域EN2が形成される。第2拡張領域EN2は第1拡張領域EN1が垂直方向に延長された形状である。一例として、第2拡張領域EN2の断面は縦方向幅が横方向幅より大きい楕円形状を有するが、これに限定されない。第2拡張領域EN2は活性領域ARに対する追加的な異方性エッチング工程によって形成される。一例として、異方性エッチング工程は乾式エッチング工程である。以下、第2トレンチ部分T2”は第2拡張領域EN2を含むことと記述される。また、トレンチTRは第1トレンチ部分T1”及び第2トレンチ部分T2”を含むことと記述される。
図7を参照して説明された工程と
図6を参照して説明された工程の順序は互いに交換されてもよい。即ち、異方性エッチング工程が先ず遂行され、等方性エッチング工程が後に遂行されることができる。
【0037】
図1及び
図8を参照して、トレンチTRが形成された結果物上にゲート絶縁層120が形成される。第1トレンチ部分T1”内で、ゲート絶縁層120はスペーサー115の側壁及び素子分離膜110の上面に沿って実質的にコンフォーマルに延在される。一例として、第1トレンチ部分T1”内でゲート絶縁層120はU字形状を有する。
【0038】
第2トレンチ部分T2”は第1幅を有するトレンチ上部及び第1幅より大きい第2幅を有するトレンチ下部(即ち、第2拡張領域EN2)を有する。ゲート絶縁層120はトレンチ上部を満たしてトレンチ下部、即ち第2拡張領域EN2内に空いた空間であるゲート領域GRを定義する。ゲート領域GRはその上部がゲート絶縁層120によって閉ざされており、水平方向に隣接する第1トレンチ部分T1”と連結される。ゲート絶縁層120はシリコン酸化膜、シリコン窒化膜、又はシリコン酸窒化膜の中で少なくとも1つを含む。一例として、ゲート絶縁層120はシリコン酸化膜である。ゲート絶縁層120は化学気相成長又は原子層成長工程によって形成される。
【0039】
図1及び
図9を参照して、トレンチTR内にゲート電極層が形成される。一例として、ゲート電極層はゲート絶縁層120上に順に形成されるバリアー電極層131及び金属電極層136を含む。バリアー電極層131はTaN、TiN、又はWNのような導電性金属窒化物を含む。金属電極層136はW、Ti、又はTaのような金属層である。ゲート電極層は化学的気相成長(Chemical Vapor Deposition:CVD)、物理的気相成長(Physical Vapor Deposition:PVD)、又は原子層成長(Atomic Layer Deposition:ALD)の中で少なくとも1つで形成される。
ゲート電極層131、136は第1トレンチ部分T1”を通じてゲート領域GR内に形成される。即ち、ゲート電極層131、136は水平方向に隣接する第1トレンチ部分T1”を通じてゲート領域GRを満たす。
【0040】
図1及び
図10を参照して、ゲート電極層131、136の一部がエッチングされる。一例として、第1トレンチ部分T1”内のゲート電極層131、136が除去されてリセス領域RSが形成され、その結果、ゲート電極GEが形成される。リセス領域RSの形成はゲート電極層131、136のエッチバック工程を含む。エッチング工程の間に、第2トレンチ部分T2”、より詳細にはゲート領域GR内のゲート電極層131、136の上部はゲート絶縁層120によってカバーされてエッチングされずに少なくとも一部が残留する。バリアー電極層131と金属電極層136は同時にエッチングされるか、或いは順次的に互いに異なるエッチング物質でエッチングされる。
【0041】
このようなゲート電極層131、136の局部的エッチングによって、ゲート電極GEの各々はその上面に突出部PPが形成される。各ゲート電極GEは第1トレンチ部分T1”内の第1電極部分GE1及び第2トレンチ部分T2”内の第2電極部分GE2を含む。第2電極部分GE2の上面は第1電極部分GE1の上面より高さhだけ高い。一例として、高さhは約100Å乃至約500Åである。
【0042】
図1及び
図11を参照して、リセス領域RSを満たすキャッピング絶縁パターン141が形成される。キャッピング絶縁パターン141は第2トレンチ部分T2”内には形成されずに、第1トレンチ部分T1”内に形成される。即ち、平面視で、キャッピング絶縁パターン141は活性領域AR上に形成されずに、素子分離膜110上に局部的に形成される。
【0043】
図1に図示されたように、キャッピング絶縁パターン141は活性領域ARの間の距離が相対的に遠い第1領域R1に形成される第1キャッピング絶縁パターン141a及び相対的に近い第2領域R2に形成される第2キャッピング絶縁パターン141bを含む。第1キャッピング絶縁パターン141aのD1方向への幅は第2キャッピング絶縁パターン141bの幅より大きい。
【0044】
キャッピング絶縁パターン141はシリコン窒化物又はシリコン酸窒化物を含む。一例として、キャッピング絶縁パターン141の形成は化学気相成長工程を含む。以後、平坦化工程が遂行されて活性領域ARの上面が露出される。
図3乃至
図11に応じて、基板100の上部にゲートライン構造体が形成される。一例として、ゲートライン構造体はワードラインを含む。
【0045】
図1及び
図2を再び参照して、活性領域ARに第1不純物領域171及び第2不純物領域172が形成される。一例として、各活性領域ARの両端部に第1不純物領域171が形成され、一対の第1不純物領域171の間に第2不純物領域172が形成される。一例として、不純物領域171、172は基板100と異なる導電型の不純物イオンを基板100の上部にイオン注入して形成される。不純物領域171、172の下面は第2電極部分GE2の上面より低く、第1電極部分GE1の上面より高く形成される。不純物領域171、172は本段階で形成されることに制限されず、
図3乃至
図11のいずれの段階でも形成されることができる。
【0046】
ゲートライン構造体が形成された結果物上にビットラインBL及び情報格納部DSが形成される。ビットラインBLはD2方向に延在され、第1コンタクト161を通じて複数の第2不純物領域172と連結される。情報格納部DSは第2コンタクト163を通じて第1不純物領域171と連結される。ビットラインBL、第1及び第2コンタクト161、163の各々は金属、導電性金属窒化膜、及び半導体物質の中で少なくとも1つを含む。
【0047】
一例として、情報格納部DSは下部電極、誘電膜、及び上部電極を含むキャパシターである。以後、情報格納部DSを覆う層間絶縁層195が形成される。一例として、層間絶縁層195はシリコン酸化物を含む。
【0048】
本発明の実施形態によれば、トレンチTRの間の距離を確保しながらも、ゲート電極GEの幅を拡張する。ゲート電極の幅を拡張する場合、ゲート電極の間の活性領域の厚さが減少され、したがって工程の途中に活性領域が一方向に曲がる問題が発生してしまい得る。本発明の実施形態によれば、
図7に図示されたように、第2拡張領域EN2によってトレンチTRの間の距離を確保しながらも、ゲート電極の幅を拡張することができる。
【0049】
本発明の実施形態によれば、追加的なフォトリソグラフィー工程無しで突出部PPの形成が可能である。即ち、
図10を参照して説明したように、エッチング工程の間に、ゲート領域GR内のゲート電極層131、136の上部はゲート絶縁層120によって保護され、第1トレンチ部分T1”内のゲート電極層131、136の上部が除去される。したがって、素子の電気的特性を確保しながらも、工程を単純化することができる。
【0050】
図12は本発明の実施形態に係る半導体メモリ素子を説明するための断面図である。説明を簡易化するために重複される構成に対する説明は省略される。
【0051】
本実施形態に係る半導体メモリ素子は
図3乃至
図11を参照して説明された工程の中で
図7の工程を省略して形成されることができる。即ち、本実施形態に係る半導体メモリ素子の形成工程は第1拡張領域EN1に対する異方性エッチング工程無しで遂行されることができる。その結果、第1拡張領域EN1内に形成される第2電極部分GE2の断面形状は実質的に円型に近くなる。
【0052】
図13乃至
図16は本発明の実施形態に係る半導体メモリ素子及びその製造方法を説明するための断面図である。説明を簡易化するために重複される構成に対する説明は省略される。
【0053】
図1及び
図13を参照して、
図10を参照して説明された結果物上にエッチング工程が遂行される。その結果、
図10を参照して説明された突出部PPが除去される。リセス領域RSは拡張されて第1トレンチ部分T1”内の第1リセス領域RS1及びゲート領域GR内の第2リセス領域RS2を含む。第1リセス領域RS1の下面と第2リセス領域RS2下面は実質的に同一な高さであるが、これに限定されず、ゲート領域GRの空間的制約によって第2リセス領域RS2の下面が第1リセス領域RS1の下面よりさらに高く形成されることができる。本エッチング工程は
図10のエッチング工程と分離されたエッチング工程であるが、これとは異なり
図10のエッチング工程の一部又は連続工程であってもよい。一例として、
図10のエッチング工程の持続時間を延ばすか、或いはエッチング工程に伴う洗浄工程を強化して第2リセス領域RS2が形成されることができる。
【0054】
図1及び
図14を参照して、第1及び第2リセス領域RS1、RS2を満たす半導体層138が形成される。半導体層138はドーピングされたポリシリコンを含む。一例として、半導体層138はインサイチュ(in-situ)にn型不純物でドーピングされることができる。半導体層138は化学気相成長によって形成される。
【0055】
図1及び
図15を参照して、第1リセス領域RS1内の半導体層138が除去され、第2リセス領域RS2内の半導体層138は残留して半導体パターン139が形成される。第1リセス領域RS1内の半導体層138の除去はエッチバック工程を含む。第2リセス領域RS2内の半導体層138はその上のゲート絶縁層120によって保護されて除去されずに残留する。半導体パターン139はゲート領域GR内で金属電極層136の上面と接する。半導体パターン139はバリアー電極層131及び金属電極層136と共に第2電極部分GE2を構成する。これとは異なり、第1電極部分GE1は半導体パターン139を含まずに、バリアー電極層131及び金属電極層136を含むことができる。
【0056】
図1及び
図16を参照して、第1リセス領域RS1を満たすキャッピング絶縁パターン141が形成される。その後、第1及び第2不純物領域171、172が形成される。
【0057】
図17乃至
図19は本発明の実施形態に係る半導体メモリ素子及びその製造方法を説明するための断面図である。
【0058】
図1及び
図17を参照して、
図13を参照して説明された結果物上に仕事関数調節層151及び上部金属電極層152が形成される。仕事関数調節層151と上部金属電極層152との組合せはバリアー電極層131及び金属電極層136(以下、下部金属電極層)の組合せより低い仕事関数を有する物質で形成される。一例として、仕事関数調節層151は仕事関数調節物質を含む。仕事関数調節物質はランタン(La)、ストロンチウム(Sr)、アンチモン(Sb)、イットリウム(Y)、アルミニウム(Al)、ハフニウム(Hf)、及びイリジウム(Ir)の中で少なくとも1つを含む。
【0059】
仕事関数調節層151の形成は複数の層の蒸着及び熱処理工程を含む。一例として、リセス領域RS内にランタン酸化膜及びチタニウム窒化膜を順に蒸着した後、約500℃乃至約1000℃でアニーリング工程を遂行する。ランタン酸化膜及びチタニウム窒化膜の間の界面は維持されるが、これとは異なり、ランタン酸化膜とチタニウム窒化膜の物質が相互拡散によって2つの層の間の界面が存在しなくともよい。上部金属電極層152は類似にW、Ti、又はTaの中で少なくとも1つを含む。一例として、上部金属電極層152は下部金属電極層136と同一な物質で形成される。
【0060】
図1及び
図18を参照して、仕事関数調節層151及び上部金属電極層152の上部が除去される。仕事関数調節層151及び上部金属電極層152の上部の除去はエッチバック工程を含む。仕事関数調節層151及び上部金属電極層152は第1リセス領域RS1内で除去され、第2リセス領域RS2内の仕事関数調節層151及び上部金属電極層152はゲート絶縁層120によってカバーされて除去されない。仕事関数調節層151及び上部金属電極層152は第1リセス領域RS1内で完全に除去されるが、これとは異なり、それらの一部が第1リセス領域RS1内に残留することもあり得る。
【0061】
第1リセス領域RS1内で仕事関数調節層151は上部金属電極層152を露出する。一例として、第1リセス領域RS1内で仕事関数調節層151はU字形状の断面を有する。これとは異なり、第2リセス領域RS2内で、仕事関数調節層151は上部金属電極層152の上面を覆う。一例として、第2リセス領域RS2内で仕事関数調節層151はリング形状の断面を有する。仕事関数調節層151は上部金属電極層152と下部金属電極層136との間に延在される。
【0062】
本工程によって、バリアー電極層131、下部金属電極層136、仕事関数調節層151、及び上部金属電極層152を含むゲート電極GEが形成される。バリアー電極層131及び下部金属電極層136の組合せは相対的に高い仕事関数を有する電極部分であり、仕事関数調節層151及び上部金属電極層152の組合せは相対的に低い仕事関数を有する電極部分である。
【0063】
図1及び
図19を参照して、第1リセス領域RS1を満たすキャッピング絶縁パターン141が形成される。その後、第1及び第2不純物領域171、172が形成される。
【0064】
図20乃至
図22は本発明の実施形態に係る半導体メモリ素子及びその製造方法を説明するための断面図である。
【0065】
図1及び
図20を参照して、
図10を参照して説明された結果物上に金属酸化膜176が形成される。金属酸化膜176は仕事関数調節物質を含む。仕事関数調節物質はランタン(La)、ストロンチウム(Sr)、アンチモン(Sb)、イットリウム(Y)、アルミニウム(Al)、ハフニウム(Hf)、及びイリジウム(Ir)の中で少なくとも1つを含む。金属酸化膜176はリセス領域RSの少なくとも一部を満たし、バリアー電極層131及び金属電極層136と接する。
【0066】
図1及び
図21を参照して、熱処理工程が遂行されて、金属酸化膜176内の仕事関数調節物質がバリアー電極層131内に拡散される。一例として、熱処理工程温度は約500℃乃至約1000℃である。一例として、金属酸化膜176がランタン酸化膜である場合、熱処理工程によって金属酸化膜176内のランタンがバリアー電極層131の上部に拡散される。拡散されたランタンと結合されたバリアー電極層131の一部は仕事関数調節層153になる。一例として、バリアー電極層131がチタニウム窒化膜である場合、仕事関数調節層153はチタニウム-ランタン窒化膜である。
【0067】
仕事関数調節層153はバリアー電極層131の上部に限定されて形成される。即ち、仕事関数調節物質はバリアー電極層131へ容易に拡散される反面、金属電極層136へは拡散されないか、或いは相対的に低い比率で拡散される。仕事関数調節物質は水平方向に拡散されてゲート領域GR内のバリアー電極層131の上部にも仕事関数調節層153が形成される。仕事関数調節層153の深さ、即ち仕事関数調節層153とバリアー電極層131との境界は熱処理工程の温度及び/又は時間を調節して決定される。
【0068】
図1及び
図22を参照して、熱処理工程の後に金属酸化膜176は除去される。以後、リセス領域RSを満たすキャッピング絶縁パターン141が形成される。
【0069】
以上、添付された図面を参照して本発明の実施形態を説明したが、本発明はその技術的思想や必須的な特徴を変形せずに、他の具体的な形態に実施されることもあり得る。したがって、以上で記述した実施形態はすべての面で例示的なものであり、限定的なものではない。
【符号の説明】
【0070】
100 基板
110 素子分離膜
115 スペーサー
120 ゲート絶縁層
131 バリアー電極層
136 金属電極層
141 キャッピング絶縁パターン
161 第1コンタクト
163 第2コンタクト
171 第1不純物領域
172 第2不純物領域
195 層間絶縁層
AR 活性領域
BL ビットライン
DS 情報格納部
GE ゲート電極
TR トレンチ