(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-01
(45)【発行日】2023-08-09
(54)【発明の名称】粒子センサから対気速度を導出するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
G01P 5/00 20060101AFI20230802BHJP
G01N 15/02 20060101ALI20230802BHJP
G01P 5/20 20060101ALI20230802BHJP
【FI】
G01P5/00 J
G01N15/02 A
G01P5/20 E
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019076756
(22)【出願日】2019-04-15
【審査請求日】2022-04-13
(32)【優先日】2018-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500575824
【氏名又は名称】ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】Honeywell International Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100119781
【氏名又は名称】中村 彰吾
(72)【発明者】
【氏名】リー・アール・ヴィエンケ
(72)【発明者】
【氏名】マシュー・ヴィーボルト
(72)【発明者】
【氏名】シャオ・チュー・ファン
【審査官】岡田 卓弥
(56)【参考文献】
【文献】特表昭62-502059(JP,A)
【文献】特開昭58-150867(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0305872(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01P 5/00- 5/26
G01N15/00-15/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
車両に搭載された粒子センサアセンブリであって、
光ビームを外部検査空気領域の中へ伝送するように構成された少なくとも1つの光源と、
少なくとも1つの受信チャネルを提供するように構成された一組の受信光学系であって、前記
外部検査空気領域内の少なくとも1つの粒子から、前記伝送された光ビームの散乱部分を収集するように構成された、一組の受信光学系と、
前記少なくとも1つの受信チャネルと通信しており、かつ前記伝送された光ビームの前記収集した散乱部分を受信するように構成された光学検出器であって、前記光学検出器が、前記散乱部分から、時間の関数として信号強度を測定するように動作し、前記信号強度が、粒子サイズを示し、信号継続時間が、前記
外部検査空気領域を通る前記少なくとも1つの粒子の運動を示す、光学検出器と、
前記光学検出器と通信しているプロセッサであって、
前記信号継続時間に基づいて、前記
外部検査空気領域を通る前記少なくとも1つの粒子の走行時間を判定
し、
前記信号強度に基づいて、前記少なくとも1つの粒子のサイズを判定し、
前記走行時間
、前記少なくとも1つの粒子の前記サイズ、及び前記光ビームのサイズを含むパラメータに基づいて、
前記車両の推定対気速度を計算するように動作する、プロセッサと、を備える、粒子センサアセンブリを備える、システム。
【請求項2】
前記車両は航空機である、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
方法であって、
車両に搭載された粒子センサアセンブリを提供することであって、前記粒子センサアセンブリが、少なくとも1つの光源と、少なくとも1つの受信チャネルを提供するように構成された一組の受信光学系と、前記少なくとも1つの受信チャネルと通信している光学検出器と、を含む、提供することと、
光ビームを前記少なくとも1つの光源から外部検査空気領域の中へ伝送することと、
前記受信光学系において、前記
外部検査空気領域内の少なくとも1つの粒子から、前記伝送された光ビームの散乱部分を収集することと、
前記光学検出器において、前記少なくとも1つの受信チャネルから、前記伝送された光ビームの前記収集された散乱部分を受信することと、
前記散乱部分から、時間の関数として、信号強度を測定することであって、前記信号強度が、粒子サイズを示し、信号継続時間が、前記
外部検査空気領域を通る前記少なくとも1つの粒子の運動を示す、測定することと、
前記信号継続時間に基づいて、前記
外部検査空気領域を通る前記少なくとも1つの粒子の走行時間を判定することと、
前記信号強度に基づいて、前記少なくとも1つの粒子のサイズを判定することと、
前記走行時間、前記少なくとも1つの粒子の前記サイズ、及び前記光ビームのサイズを含むパラメータに基づいて、
前記車両の推定対気速度を計算することと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
流体中の微粒子を光学的に検出することは、典型的に、粒子(または多数の粒子)を照明する光源、及び粒子から散乱光を受信する一連の集光光学系を利用する。受信光の特性(例えば、強度、位相、分極、波長、その他)を分析して、粒子の特性(例えば、サイズ、形状、タイプ、その他)を導出する。
【0002】
例えば、粒子センサは、光散乱法を使用して、空気中の粒子等の、所与の環境における濃度範囲内の粒子を検出し、計数する、レーザベースのセンサである。いくつかの粒子センサにおいて、粒子が光ビームを通過するときに、光源は、不明瞭になり、これが光検出器に記録される。次いで、この光を分析し、微粒子のサイズ及び量を提供する電気信号に変換する。
【0003】
対気速度を測定するために、様々な大気データシステムが航空機等の車両で使用される。これらの大気データシステムは、一般に、これらの車両の安全かつ効果的な動作に必要とされる大気データを提供するが、対気速度を測定して共通モード故障の回避を通して信頼性及び安全性を向上させるために使用することができる他のシステムに対する必要性が存在する。
【発明の概要】
【0004】
システムは、粒子センサアセンブリを備え、この粒子センサアセンブリは、光ビームを外部検査空気領域の中へ伝送するように構成された少なくとも1つの光源と、少なくとも1つの受信チャネルを提供するように構成された一組の受信光学系であって、検査空気領域内の少なくとも1つの粒子から、伝送された光ビームの散乱部分を収集するように構成された、一組の受信光学系と、少なくとも1つの受信チャネルと通信しており、かつ伝送された光ビームの収集した散乱部分を受信するように構成された光学検出器と、を含む。光学検出器は、散乱部分から、時間の関数として信号強度を測定するように動作し、信号強度は、粒子サイズを示し、信号継続時間は、検査空気領域を通る少なくとも1つの粒子の運動を示す。プロセッサは、光学検出器と通信しており、かつ信号継続時間に基づいて、検査空気領域を通る少なくとも1つの粒子の走行時間を判定するように、並びに走行時間及び光ビームのサイズを含むパラメータに基づいて、対気速度を計算するように動作する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本発明の特徴は、図面を参照して以下の説明から当業者に明らかになるであろう。図面は、典型的な実施形態のみを示し、したがって、範囲を限定するものとみなされるべきではないことを理解した上で、本発明は、添付図面の使用を通して、更なる具体性及び詳細と共に説明する。
【0006】
【
図1】1つの実施形態による、粒子センサから対気速度を導出するためのシステムのブロック図である。
【
図2】検出器信号強度に関する粒子運動の方向を示し、影付きの領域が粒子の経路に沿った光源の強度を表す、
図1のシステムの動作のグラフィカル表現である。
【
図3】大気データコンピュータによって生成された実際の対気速度データを、粒子センサから生成された推定対気速度データと比較し、粒子フィルタリングを行って推定対気速度データのエラーを修正した、試験ケースの結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下の詳細な説明において、実施形態は、当業者が本発明を実施することを可能にするために、十分に詳細に説明される。本発明の範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用することができることを理解されたい。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味で解釈されるべきではない。
【0008】
粒子センサから対気速度を導出するためのシステム及び方法を本明細書で開示する。粒子センサは、一般に、光ビームを外部検査空気領域に伝送するように構成されたレーザ伝送機等の光源と、空気領域の粒子から、伝送された光ビームの散乱部分を収集するように構成された一組の受信光学系と、光ビームの収集した散乱部分を受信するように構成された光学検出器と、を含む。光学検出器は、散乱部分から、時間の関数として信号強度を測定する。信号強度は、粒子サイズを示し、信号継続時間は、空気領域を通る粒子の飛行時間を示す。
【0009】
粒子センサ内の受信光の特性は、粒子センサに連結されたプロセッサを使用して、対気速度を含む、周囲環境条件に関する情報を推定するために使用される。プロセッサは、信号継続時間に基づいて、空気領域を通る粒子の走行時間を判定するように、信号強度に基づいて、粒子のサイズを判定するように、並びに走行時間、粒子のサイズ、及び光ビームのサイズに基づいて、推定対気速度を計算するように動作する。
【0010】
本方法は、粒子センサの光ビームを横断する粒子走行時間から対気速度を抽出するソフトウェアプロセスによって実施することができる。対気速度の推定値は、粒子ごとに個々に計算され、次いで、多数の粒子にわたって平均して、より正確な回答を得ることができる。
【0011】
いくつかの実現形態において、光学検出器のファームウェアから粒子ごとのデータが使用され、このファームウェアでは、各粒子の走行時間が記録される。これは、各粒子の走行時間及びサイズから、真対気速度(TAS)、及び/又は指示対気速度(IAS)、及び/又は較正対気速度(CAS)の導出を可能にする。より多くの粒子が測定されるほど、真対気速度の推定値の精度が高められる。
【0012】
本手法は、航空機等の車両に配置されているような既存の大気データシステムに関して、対気速度の推定値を、異なる故障モードを有するバックアップの大気データシステムとして使用することができるという点で有益であり、これは、冗長性の層を既存の大気データシステムに加える。例えば、推定対気速度は、共通モード故障の回避を通してシステムの信頼性及び安全性を向上させるために、既存の大気データシステムを補足、強化、又は示唆することができる。
【0013】
その上、本方法によって、既存の大気データシステムのより一層のロバスト性及び精度を提供することができる。例えば、本方法は、ユーザに対する追加コストをゼロにするために、粒子が利用可能であるときに、既存の大気データシステムの対気速度出力の検証/検査を可能にする。
【0014】
加えて、高い粒子数を有する多くの環境はまた、潜在的着氷環境でもあり、この環境では、従来の大気データプローブに失敗する。これらの環境において粒子センサから導出された対気速度は、既存の大気データシステムにおけるナビゲーションソリューションにおいて示唆するために使用することができ、このソリューションをより正確に、かつロバストにする。
【0015】
以下、図面を参照して、様々な実施形態の更なる詳細を説明する。
【0016】
図1は、1つの実施形態による、対気速度を導出するためのシステム100を例示する。システム100は、一般に、粒子センサアセンブリ110と、粒子センサアセンブリ110と動作的に通信するプロセッサユニット130とを含む。粒子センサアセンブリ110及びプロセッサ130は、航空機等の車両に配置することができる。
【0017】
粒子センサアセンブリ110は、光ビーム114を外部検査空気領域116の中へ伝送するように構成された、レーザ伝送機112等の少なくとも1つの光源を備える。粒子センサアセンブリ110内の一組の受信光学系118は、少なくとも1つの受信チャネルを提供するように構成される。受信光学系118は、検査空気領域116内の少なくとも1つの粒子122から、伝送された光ビーム114の散乱部分120を収集するように構成される。1つの実施形態において、レーザ伝送機112及び受信光学系118は、光学トランシーバに実装することができる。
【0018】
粒子センサアセンブリ110の光学検出器124は、受信チャネルと通信し、また、収集した散乱部分120を受信するように構成される。光学検出器124は、散乱部分120から、時間の関数として信号強度を測定するように動作する。信号強度は、粒子122のサイズを示し、信号継続時間は、検査空気領域116を通る粒子122の飛行時間を示す。
【0019】
プロセッサユニット130は、光学検出器124から入力データを受信するように構成される。プロセッサユニット130は、信号継続時間に基づいて、検査空気領域116を通る粒子122の走行時間を判定し(ブロック132)、信号強度に基づいて、粒子122のサイズを判定し(ブロック134)、走行時間、粒子122のサイズ、及び光ビーム114のサイズに基づいて、推定対気速度を計算する(ブロック136)ように動作する。次いで、推定対気速度データが、更なる車両データ処理で使用するために、プロセッサユニット130から、車両コンピュータ等の他のシステムに出力される。例えば、車両が航空機であるときに、プロセッサユニット130は、更なるデータ処理のために、推定対気速度を、航空機に搭載されたアビオニクス装置に送信する。
【0020】
図2は、検出器の信号強度及び光源の強度に関する粒子122の粒子運動の方向を示す、システム100の動作のグラフィカル表現である。影付きの領域210は、粒子122の経路に沿った光源の強度を表し、光源の強度の増加は、陰影付きの領域210の暗さを増加させることによって表される。
【0021】
粒子信号から対気速度を判定するために、得られた情報の主な部分は、粒子の走行時間であり、これは、時間の関数として、検出器の信号の継続時間から計算される。粒子サイズは、強度から得られる。粒子サイズはまた、対気速度計算の一部としても使用することができるが、走行時間情報の修正値であり、これは、粒子がより大きくなるにつれて重要になる。1つの実現形態において、粒子走行時間は、検出器の信号の半値全幅(FWHM)である。
【0022】
本方法の1つの実現形態において、収集した粒子データは、粒子のサイズ(マイクロメートル)及び粒子走行時間(秒)の両方を含む。1つのバージョンにおいて、本アルゴリズムは、粒子走行時間(tt)を秒で取り、次いで、既知のサイズの光ビーム幅(w)を使用して、以下の式に従って、推定真対気速度を計算する。
対気速度=w/(tt) (1)
別のバージョンにおいて、アルゴリズムは、追加的に、以下の式に従って、粒子(d)の直径を考慮する。
対気速度=(w+d)/(tt) (2)
更なるバージョンにおいて、アルゴリズムは、以下の式に従って、光ビーム(L)及び粒子(P)の形状関数の畳み込みを使用して、予想検出器時間トレース関数(D)を導出し、
D=(L×P) (3)
また、検出器時間トレース関数から、予想走行時間を計算する。これは、様々な粒子サイズ及び対気速度の組み合わせについて二次元のルックアップテーブルを構築するために行うことができ、走行時間及び粒子サイズは、予想対気速度をルックアップするための入力として使用される。
【0023】
次いで、粒子ごとの対気速度を、いくつかの時間枠(例えば、1~30秒)にわたって平均して、平均推定値を生成することができる。これは、推定対気速度の精度を増加させるのに役立つが、応答時間を犠牲にする。正確な平均化ウインドウは、これらの2つの要因のバランスさせることが必要である。
【0024】
図3は、大気データコンピュータによって生成された実際の対気速度データを、粒子センサから生成された推定対気速度データと比較し、粒子フィルタリングを行って推定対気速度データのエラーを修正した、試験ケースの結果を示すグラフである。
図3のグラフは、飛行エンベロープにわたる所与の時間枠に関する真対気速度(TAS)のプロットを示し、未処理の粒子データ(所与の秒内の全ての粒子の中央値)、粒子データの30秒ローリング平均、及び大気データコンピュータからの基準データを含む。粒子から導出した対気速度は、上記の式(2)を使用して計算した。
【0025】
本システムで使用されるプロセッサは、当業者に知られているように、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、又は任意の適切なこれらの組み合わせを使用して実装することができる。これらは、特別に設計された特定用途向け集積回路(ASIC)又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)によって補足すること、それらに取り込むことができる。コンピュータ又はプロセッサはまた、本方法及びシステムで使用される様々なプロセスタスク、計算、及び制御機能を実行するためのソフトウェアプログラム、ファームウェア、又は他のコンピュータ可読命令を有する機能も含むことができる。
【0026】
本方法は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されるプログラムモジュール又はコンポーネント等のコンピュータ実行可能命令によって実施することができる。一般に、プログラムモジュールは、特定のタスクを行う、又は特定の抽象データタイプを実装する、ルーチン、プログラム、オブジェクト、データコンポーネント、データ構造、アルゴリズム、及び同類のものを含む。
【0027】
様々なプロセスタスク、計算、及び本明細書で説明される方法の動作で使用される他のデータの生成を実行するための命令は、ソフトウェア、ファームウェア、又は他のコンピュータ可読命令又はプロセッサ可読命令に実装することができる。様々なプロセスタスクは、空間走査及び配向、レーザの動作、光検出器の制御及び動作、並びにシステムの配向及び状態の認識を制御することを含むことができる。これらの命令は、典型的には、コンピュータ可読命令又はデータ構造の記憶に使用されるコンピュータ可読媒体を含む、任意の適切なコンピュータプログラム製品に記憶される。このようなコンピュータ可読媒体は、汎用の又は特殊なコンピュータ又はプロセッサ、又は任意のプログラマブル論理デバイスによってアクセスすることができる、任意の利用可能な媒体とすることができる。
【0028】
適切なプロセッサ可読媒体としては、磁気又は光学媒体等の記憶媒体又はメモリ媒体を挙げることができる。例えば、記憶媒体又はメモリ媒体は、従来のハードディスク、コンパクトディスク、若しくは他の光学記憶ディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、電気的消去可能プログラマブルROM(EEPROM)、フラッシュメモリ、及び同類のもの等の揮発性若しくは不揮発性媒体、又はコンピュータ実行可能命令若しくはデータ構造の形態で所望のプログラムコードを担持又は記憶するために使用することができる任意の他の媒体、を挙げることができる。
【0029】
実施形態の例
実施例1は、システムを含み、このシステムは、粒子センサアセンブリであって、光ビームを外部検査空気領域の中へ伝送するように構成された少なくとも1つの光源と、少なくとも1つの受信チャネルを提供するように構成された一組の受信光学系であって、検査空気領域内の少なくとも1つの粒子から、伝送された光ビームの散乱部分を収集するように構成された、一組の受信光学系と、少なくとも1つの受信チャネルと通信し、また、伝送された光ビームの収集した散乱部分を受信するように構成された光学検出器であって、光学検出器が、散乱部分から、時間の関数として信号強度を測定するように動作し、信号強度が、粒子サイズを示し、信号継続時間が、検査空気領域を通る少なくとも1つの粒子の運動を示す、光学検出器と、を備える、粒子センサアセンブリを備える。プロセッサは、光学検出器と通信し、プロセッサは、信号継続時間に基づいて、検査空気領域を通る少なくとも1つの粒子の走行時間を判定するように、並びに走行時間及び光ビームのサイズを含むパラメータに基づいて、対気速度を計算するように動作する。
【0030】
実施例2は、少なくとも1つの光源が、レーザ伝送機を備える、実施例1に記載のシステムを含む。
【0031】
実施例3は、レーザ伝送機及び受信光学系が、光学トランシーバに実装される、実施例2に記載のシステムを含む。
【0032】
実施例4は、プロセッサが、信号強度に基づいて、少なくとも1つの粒子のサイズを判定するように、並びに走行時間、少なくとも1つの粒子のサイズ及び光ビームのサイズを含むパラメータに基づいて、対気速度を計算するように更に動作する、実施例1~3のいずれかに記載のシステムを含む。
【0033】
実施例5は、光学検出器が、検査空気領域内の各粒子の走行時間を記録するように構成された粒子ごとの検出器を備え、各粒子の走行時間及びサイズから、真対気速度(TAS)、及び/又は指示対気速度(IAS)、及び/又は較正対気速度(CAS)の導出を可能にする、実施例1~4のいずれかに記載のシステムを含む。
【0034】
実施例6は、粒子センサアセンブリ及びプロセッサが、車両に配置される、実施例1~5のいずれかに記載のシステムを含む。
【0035】
実施例7は、車両が、航空機である、実施例6に記載のシステムを含み。
【0036】
実施例8は、プロセッサが、対気速度を、航空機に搭載されたアビオニクス装置に送信するように更に動作する、実施例7に記載のシステムを含む。
【0037】
実施例9は、方法を含み、この方法は、車両に搭載された粒子センサアセンブリを提供することであって、粒子センサアセンブリが、少なくとも1つの光源と、少なくとも1つの受信チャネルを提供するように構成された一組の受信光学系と、少なくとも1つの受信チャネルと通信する光学検出器と、を含む、提供することと、光ビームを少なくとも1つの光源から外部検査空気領域の中へ伝送することと、受信光学系において、検査空気領域内の少なくとも1つの粒子から、伝送された光ビームの散乱部分を収集することと、光学検出器において、少なくとも1つの受信チャネルから、伝送された光ビームの収集された散乱部分を受信することと、散乱部分から、時間の関数として、信号強度を測定することであって、信号強度が、粒子サイズを示し、信号継続時間が、検査空気領域を通る少なくとも1つの粒子の運動を示す、測定することと、信号継続時間に基づいて、検査空気領域を通る少なくとも1つの粒子の走行時間を判定することと、走行時間及び光ビームのサイズを含むパラメータに基づいて、対気速度を計算することと、を含む。
【0038】
実施例10は、少なくとも1つの光源が、レーザ伝送機を備える、実施例9に記載の方法を含む。
【0039】
実施例11は、レーザ伝送機及び受信光学系が、光学トランシーバに実装される、実施例10に記載の方法を含む。
【0040】
実施例12は、信号強度に基づいて、少なくとも1つの粒子のサイズを判定することを更に含み、対気速度は、走行時間、少なくとも1つの粒子のサイズ、及び光ビームのサイズを含むパラメータに基づいて計算される、実施例9~11のいずれかに記載の方法を含む。
【0041】
実施例13は、光学検出器が、検査空気領域内の各粒子の走行時間を記録するように構成された粒子ごとの検出器を備え、各粒子の走行時間及びサイズから、真対気速度(TAS)、及び/又は指示対気速度(IAS)、及び/又は較正対気速度(CAS)の導出を可能にする、実施例9~12のいずれかに記載の方法を含む。
【0042】
実施例14は、車両が、航空機である、実施例9~13のいずれかに記載の方法を含む。
【0043】
実施例15は、対気速度を、航空機に搭載されたアビオニクス装置に送信することを更に含む、実施例14に記載の方法を含む。
【0044】
実施例16は、粒子ごとの推定対気速度を、時間枠にわたって平均して、平均推定対気速度を生成する、実施例9~15のいずれかに記載の方法を含む。
【0045】
本発明は、その本質的な特徴を逸脱することなく、他の特定の形態で具現化することができる。説明される実施形態は、全ての点において例示的なものに過ぎず、限定的なものではないとみなされる。したがって、本発明の範囲は、以上の説明によってではなく、添付の特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲と同等の意味及び範囲の範囲内に入る全ての変更は、それらの範囲の範囲内に包含されるものとする。