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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-01
(45)【発行日】2023-08-09
(54)【発明の名称】踏面清掃装置
(51)【国際特許分類】
   B61F 19/02 20060101AFI20230802BHJP
   E01H 8/10 20060101ALI20230802BHJP
【FI】
B61F19/02
E01H8/10
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019226703
(22)【出願日】2019-12-16
(65)【公開番号】P2021094971
(43)【公開日】2021-06-24
【審査請求日】2022-10-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000000929
【氏名又は名称】KYB株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390021577
【氏名又は名称】東海旅客鉄道株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高下 拓哉
(72)【発明者】
【氏名】大塚 智広
(72)【発明者】
【氏名】関谷 昌志
【審査官】金田 直之
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-172461(JP,A)
【文献】特開2018-24391(JP,A)
【文献】特開2002-331933(JP,A)
【文献】特開2016-147592(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107600036(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B61F 19/00-19/02
E01H 8/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車輪の踏面に押し当てられる研摩子と、前記研摩子が着脱自在に取り付けられる研摩子受けと、を備える踏面清掃装置であって、
前記研摩子は、
前記踏面に摺接する研摩部と、
前記研摩部に結合され前記研摩子受けに取り付けられる取付具と、を有し、
前記研摩子受けは、
前記研摩子の前記取付具を支持する本体部と、
前記本体部から突出して前記取付具に設けられた開口部に挿入される中空の突出筒部と、
前記突出筒部に設けられ、開状態のときに前記研摩子受けから前記研摩子が取り外されることを禁止するロック状態とし、閉状態のときに前記研摩子受けから前記研摩子が取り外されることを許容するロック解除状態とする開閉部材と、
前記突出筒部に取り付けられ前記開閉部材の閉方向への動作を規制する規制部材と、
前記突出筒部に設けられ前記規制部材が取り付けられる取付部と、を有し、
前記取付具には、前記開口部を有し前記開状態の前記開閉部材が係合するストッパ部が設けられ、
前記開閉部材は、
前記突出筒部に設けられた一対の開口部から突出し、前記取付具の前記ストッパ部に係合可能な一対の係合部と、
前記開閉部材が開かれるように、前記一対の係合部を互いに離隔させる方向に付勢する付勢部材と、有し、
前記突出筒部の前記取付部は、前記開閉部材が前記開状態のときには、前記規制部材の取り付けが可能となり、前記開閉部材が前記閉状態のときには、前記開閉部材によって前記規制部材の取り付けが妨げられるように設けられ、
前記開閉部材が、前記付勢部材の付勢力により前記一対の係合部が前記突出筒部の前記開口部から突出した前記開状態のときには、前記一対の係合部が前記取付具の前記ストッパ部に係合することにより、前記突出筒部が前記取付具の前記開口部から抜け出ることが禁止される前記ロック状態となり、
前記開閉部材が、前記付勢部材の付勢力に抗して前記一対の係合部が前記突出筒部の前記開口部に入り込んだ前記閉状態のときには、前記突出筒部が前記取付具の前記開口部から抜け出ることが許容される前記ロック解除状態となることを特徴とする踏面清掃装置。
【請求項2】
請求項1に記載の踏面清掃装置であって、
前記付勢部材は、螺旋状のコイル部と、前記コイル部の両端部から延在する一対の腕部と、を有するねじりコイルばねであり、
前記一対の係合部は、前記一対の腕部に取り付けられ、
前記規制部材は、前記コイル部の外周に当接することにより、前記開閉部材の閉方向への動作を規制することを特徴とする踏面清掃装置。
【請求項3】
請求項2に記載の踏面清掃装置であって、
前記規制部材は、頭部と、前記頭部から一方向に延在する一対の脚部と、を有し、
前記取付部は、前記一対の脚部が挿通される挿通孔であり、
前記規制部材は、前記突出筒部の前記挿通孔に挿通された前記一対の脚部の先端部が折り曲げられた状態で、前記挿通孔に取り付けられることを特徴とする踏面清掃装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、踏面清掃装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、軌道上を走行する鉄道車両では、走行中に車輪の踏面にゴミ、砂利などが付着する。これらのゴミなどが車輪の踏面と軌道との間に介在すると、軌道や車輪が損傷したり、異音が発生するおそれがある。特許文献1には、鉄道車両の車輪の踏面に研摩子を押し当てて、踏面に付着しているゴミなどを除去する踏面清掃装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-172461号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような踏面清掃装置では、研摩子の脱落を防止することが要望されている。
【0005】
本発明は、研摩子の脱落を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、車輪の踏面に押し当てられる研摩子と、研摩子が着脱自在に取り付けられる研摩子受けと、を備える踏面清掃装置であって、研摩子は、踏面に摺接する研摩部と、研摩部に結合され研摩子受けに取り付けられる取付具と、を有し、研摩子受けは、研摩子の取付具を支持する本体部と、本体部から突出して取付具に設けられた開口部に挿入される中空の突出筒部と、突出筒部に設けられ、開状態のときに研摩子受けから研摩子が取り外されることを禁止するロック状態とし、閉状態のときに研摩子受けから研摩子が取り外されることを許容するロック解除状態とする開閉部材と、突出筒部に取り付けられ開閉部材の閉方向への動作を規制する規制部材と、突出筒部に設けられ規制部材が取り付けられる取付部と、を有し、取付具には、開口部を有し開状態の開閉部材が係合するストッパ部が設けられ、開閉部材は、突出筒部に設けられた一対の開口部から突出し、取付具のストッパ部に係合可能な一対の係合部と、開閉部材が開かれるように、一対の係合部を互いに離隔させる方向に付勢する付勢部材と、有し、突出筒部の取付部は、開閉部材が開状態のときには、規制部材の取り付けが可能となり、開閉部材が閉状態のときには、開閉部材によって規制部材の取り付けが妨げられるように設けられ、開閉部材が、付勢部材の付勢力により一対の係合部が突出筒部の開口部から突出した開状態のときには、一対の係合部が取付具のストッパ部に係合することにより、突出筒部が取付具の開口部から抜け出ることが禁止されるロック状態となり、開閉部材が、付勢部材の付勢力に抗して一対の係合部が突出筒部の開口部に入り込んだ閉状態のときには、突出筒部が取付具の開口部から抜け出ることが許容されるロック解除状態となることを特徴とする。
【0007】
この発明では、規制部材が突出筒部に取り付けられた状態では、開閉部材の閉方向への動作が規制部材により規制される。これにより、開閉部材の開状態が維持されるので、開閉部材の係合部が取付具のストッパ部に係合することにより、突出筒部が取付具の開口部から抜け出ることが防止される。
【0008】
本発明は、付勢部材が、螺旋状のコイル部と、コイル部の両端部から延在する一対の腕部と、を有するねじりコイルばねであり、一対の係合部が、一対の腕部に取り付けられ、規制部材が、コイル部の外周に当接することにより、開閉部材の閉方向への動作を規制することを特徴とする。
【0009】
この発明では、ねじりコイルばねのコイル部の外周に規制部材が当接することにより、開閉部材の閉方向への動作が規制され、開閉部材の開状態が維持されるので、突出筒部が取付具の開口部から抜け出ることが防止される。
【0010】
本発明は、規制部材が、頭部と、頭部から一方向に延在する一対の脚部と、を有し、取付部が、一対の脚部が挿通される挿通孔であり、規制部材が、突出筒部の挿通孔に挿通された一対の脚部の先端部が折り曲げられた状態で、挿通孔に取り付けられることを特徴とする。
【0011】
この発明では、規制部材が、一対の脚部の先端部が折り曲げられた状態で突出筒部に取り付けられるので、研摩子が研摩子受けに適切に取り付けられていることを容易に確認することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、研摩子の脱落を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態に係る踏面清掃装置を備える鉄道車両の模式図である。
図2】踏面清掃装置の断面図である。
図3】踏面清掃装置の拡大断面図であり、研摩子及び研摩子受けを拡大して示す。
図4図3のIV方向から見た研摩子及び研摩子受けの平面図である。
図5】研摩子及び研摩子受けの斜視図であり、研摩子が研摩子受けに取り付けられていない状態を示す。
図6】研摩子及び研摩子受けの斜視図であり、研摩子が研摩子受けに取り付けられている状態を示す。
図7図4のVII-VII線に沿う断面図である。
図8】閉状態の開閉部材を示す図である。
図9】開状態の開閉部材を示す図である。
図10A】突出筒部がストッパ部の開口部に挿入される様子を示す図であり、ストッパ部の開口部に前側傾斜面が接触している状態を示す。
図10B】突出筒部がストッパ部の開口部に挿入される様子を示す図であり、ストッパ部の開口部に後側傾斜面が接触している状態を示す。
図11】突出筒部に対する割りピンの取り付けが、開閉部材によって妨げられる様子を示す図である。
図12】本実施形態の変形例1に係る踏面清掃装置の拡大断面図である。
図13】本実施形態の変形例3に係る踏面清掃装置の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、踏面清掃装置100について説明する。図1は、踏面清掃装置100を備える鉄道車両(車両)90の模式図である。図1に示すように、踏面清掃装置100は、シリンダ10に設けられたブラケット36を介して鉄道車両90の台車91などに取り付けられる。踏面清掃装置100は、研摩子30を車輪92の踏面92aに摺接させて、踏面92aに付着した錆、ゴミ、砂利などを取り除いて清掃する。踏面清掃装置100は、例えば、その中心軸が、鉄道車両90の車輪92が接する軌道93に対して略平行となるように設置される。
【0015】
図2は、踏面清掃装置100の断面図である。図2に示すように、踏面清掃装置100は、鉄道車両90の台車91(図1参照)に取り付けられる中空のシリンダ10と、シリンダ10内に摺動自在に挿入され、シリンダ10内に導かれる流体圧により移動可能な中空のロッド19と、ロッド19の先端に設けられる研摩子受け40と、研摩子受け40に着脱自在に取り付けられる研摩子30と、を備える。本明細書では、シリンダ10に対してロッド19が相対的に移動する方向、すなわちシリンダ10及びロッド19の中心軸Oに沿う方向を軸方向と記す。
【0016】
シリンダ10には、空気の出入口となる給排口13と、車輪92の踏面92aの清掃作業時に給排口13を通じて加圧された空気が供給される圧力室14と、研摩子30が踏面92aから離れる方向、すなわち、ロッド19をシリンダ10内に引き込む方向(踏面清掃装置100を収縮させる方向)にロッド19を付勢する復帰用スプリング18と、が設けられる。
【0017】
加圧された空気が圧力室14に導かれると、ロッド19が復帰用スプリング18の付勢力に抗して軸方向一方(図示右方向)に移動し、研摩子30が車輪の踏面92aに押し当てられる。研摩子30が回転する車輪の踏面92aに摺接することにより、踏面92aに付着している錆、ゴミ、砂利等が除去される。なお、空気圧に代えて、油圧等の流体圧により、踏面清掃装置100を作動させるようにしてもよい。
【0018】
清掃作業が終了すると、シリンダ10の給排口13が外部に連通し、圧力室14の空気が給排口13を通じて外部へと排出される。圧力室14の空気が外部へ排出されると、復帰用スプリング18の付勢力によってロッド19が軸方向他方(図示左方向)に移動し、研摩子30が車輪の踏面92aから離れる。
【0019】
研摩子30は、車輪92の踏面92aに摺接する研摩部31と、研摩子受け40に取り付けられる取付具32と、を有する。取付具32は、研摩部31に結合されている。研摩部31の材料には、合成樹脂に金属粉末や黒鉛を混合して加熱整形した材料、並びに、鉄粉、銅、黒鉛、金属酸化物などの混合物を加圧整形して焼結した材料、鋳鉄等を採用することができる。なお、研摩子30の取付具32及び研摩子受け40は、金属製であり、研摩部31とは異なる材料からなる。
【0020】
図3は、踏面清掃装置100の拡大断面図であり、研摩子30及び研摩子受け40を拡大して示す。図4は、図3のIV方向から見た研摩子30及び研摩子受け40の平面図である。なお、図4では、割りピン190(図6参照)の図示を省略している。図3及び図4に示すように、研摩子受け40は、研摩子30の取付具32を支持する矩形平板状の本体部45と、本体部45の一側面である幅広面45aから突出する一対の連結板41a,41bと、上記幅広面45aと直交する本体部45の一側面である幅狭面45bから突出する突出筒部170と、を有する。本実施形態では、一対の連結板41a,41b、本体部45及び突出筒部170が一体的に形成されているが、各部を別体として形成し、互いに溶接によって結合するようにしてもよい。
【0021】
図3に示すように、一対の連結板41a,41b間には、ロッド19の先端部20が配置される。ロッド19の先端部20には一対の孔29が形成される。孔29にはボルト21が挿通され、ナット28がボルト21に螺合される。つまり、ボルト21及びナット28により、ロッド19の先端部20が一対の連結板41a,41bに締結される。なお、ロッド19の孔29の内周とボルト21の外周との間には、環状の防振ゴム22が介装される。防振ゴム22の一端と連結板41aとの間には、段付き部材23及び皿バネ25が介装され、防振ゴム22の他端と連結板41bとの間には、段付き部材24及び皿バネ26が介装される。
【0022】
図5及び図6は、研摩子30及び研摩子受け40の斜視図である。図5は研摩子30が研摩子受け40に取り付けられていない状態を示し、図6は研摩子30が研摩子受け40に取り付けられている状態を示す。図5及び図6に示すように、研摩子30の取付具32は、研摩部31が結合される基部130と、基部130に結合され研摩子受け40が連結される連結金具131と、を有する。
【0023】
連結金具131は、研摩部31の長手方向に沿って延在する帯板状の帯板部132と、帯板部132の長手方向両端部から基部130に向かって90度屈曲し、基部130に結合される結合端部133と、帯板部132の長手方向中央部に設けられるストッパ部134と、を有する。
【0024】
連結金具131は、研摩子受け40の本体部45が挿入される開口部136を有する。帯板部132は、開口部136に本体部45が挿入された状態において、本体部45の幅広面45aに対向するように設けられる。ストッパ部134は、開口部136に本体部45が挿入された状態において、本体部45の幅狭面45bに対向するように設けられる。一対の結合端部133は、開口部136に本体部45が挿入された状態において、本体部45の長手方向両端面に対向するように設けられる。
【0025】
ストッパ部134は、研摩子受け40の突出筒部170が挿入される開口部135を有する。本実施形態では、ストッパ部134は、帯板部132の長手方向中央部において、所定の間隔を空けて設けられる一対の板状部材を有する。この一対の板状部材は、帯板部132から基部130に向かって延在し、基部130に結合される。このように、本実施形態では、所定の間隔を空けて一対の板状部材を配置することにより、開口部135が形成される。なお、開口部135は、このような形状に限定されない。開口部135に代えて、矩形平板状のストッパ部134に矩形状の開口部を形成するようにしてもよい。
【0026】
図6に示すように、研摩子30が研摩子受け40に取り付けられている状態では、研摩子30の取付具32は、研摩子受け40の本体部45によって支持される。以下、説明の便宜上、図示するように、研摩子30及び研摩子受け40の前後、左右及び上下方向を定義する。
【0027】
研摩子30が研摩子受け40に取り付けられた状態では、研摩子30の上下方向の移動は、取付具32の結合端部133が本体部45の長手方向両端面(上端面及び下端面)に当接することによって規制される。研摩子30の左方向への移動は、取付具32の帯板部132が本体部45の幅広面(右端面)45aに当接することによって規制される。研摩子30の右方向への移動は、取付具32の基部130が本体部45における上記幅広面45aとは反対側の幅広面(左端面)45cに当接することによって規制される。研摩子30の後方への移動は、取付具32のストッパ部134が本体部45の幅狭面(前端面)45bに当接することによって規制される。なお、研摩子30の前方への移動は、取付具32のストッパ部134が後述する連結機構160の開閉部材180に当接することによって規制される。このように、研摩子30は、研摩子受け40によって上下左右方向及び前後方向の移動が規制された状態で支持され、研摩子受け40からの脱落が防止される。
【0028】
上述のとおり、研摩子30の上下左右方向及び後方への移動は、取付具32が本体部45に当接することにより規制される。一方、研摩子30の前方への移動は、取付具32が連結機構160の開閉部材180に当接することにより規制される。以下、連結機構160について詳しく説明する。連結機構160は、研摩子30と研摩子受け40とを着脱自在に連結する。連結機構160は、取付具32に設けられた開口部135に挿入される中空の突出筒部170と、突出筒部170の中空部171(図7参照)に設けられる開閉部材180と、突出筒部170に取り付けられる割りピン190と、を備える。
【0029】
図7は、図4のVII-VII線に沿う断面図である。図7に示すように、突出筒部170は、前端が開口する中空の矩形筒状に形成される。突出筒部170は、互いに対向する上下一対の側板173と、互いに対向する左右一対の側板178と、を有する。一対の側板173には、それぞれ矩形状の開口部174が形成される。開口部174は、突出筒部170の中空部171と突出筒部170の外側とを連通する。
【0030】
図8は閉状態の開閉部材180を示す図であり、図9は開状態の開閉部材180を示す図である。図8及び図9に示すように、開閉部材180は、割りピン190が取り付けられていない状態では、後述する一対の係合部182が近接した閉状態(図8参照)と、一対の係合部182が離隔した開状態(図9参照)との間で開閉動作可能に構成されている。
【0031】
開閉部材180は、開状態(図9参照)のときに研摩子受け40から研摩子30が取り外されることを禁止するロック状態とし、閉状態(図8参照)のときに研摩子受け40から研摩子30が取り外されることを許容するロック解除状態とする。取付具32に設けられるストッパ部134は、開状態の開閉部材180が係合する部位である。ロック状態では、開状態の開閉部材180がストッパ部134の前面134aに係合することにより、研摩子受け40に対し、研摩子30が後方に向かって移動することが規制される。
【0032】
開閉部材180は、研摩子30における取付具32のストッパ部134の前面134aに係合可能な上下一対の係合部182と、開閉部材180が開かれるように、一対の係合部182を互いに離隔させる方向(上下方向)に付勢する付勢部材としてのねじりコイルばね181と、を有する。ねじりコイルばね181は、線材が螺旋状に巻回されてなるコイル部181aと、コイル部181aの両端部から直線状に延在する一対の腕部181bと、を有する。
【0033】
一対の係合部182は、ねじりコイルばね181の一対の腕部181bの先端部に取り付けられる。一対の係合部182は、上下対称形状となるように形成され、突出筒部170の基端部に設けられた一対の開口部174から突出し、取付具32のストッパ部134に係合可能である。ねじりコイルばね181は、一対の腕部181bがコイル部181aから後方に延在するように配置される。つまり、ねじりコイルばね181は、コイル部181aが前側に位置し、一対の腕部181bの先端部が後側に位置するように配置される。
【0034】
係合部182には、腕部181bの先端部が挿着される穴182aと、ねじりコイルばね181の腕部181bに係合する係合溝182bと、が形成される。係合溝182bの底部にはその断面が凸状をした凸状底部182cが形成され、この凸状底部182cがねじりコイルばね181の腕部181bに当接する。このため、後述する割りピン190が突出筒部170に取り付けられていない状態において、一対の係合部182が開口部174に押し込まれると、ねじりコイルばね181が係合溝182bに係合する腕部181bによって上下方向に収縮する(図8参照)。
【0035】
開閉部材180の開状態と閉状態についてさらに詳しく説明する。図8に示すように、開閉部材180は、ねじりコイルばね181の付勢力に抗して、一対の係合部182に対して外側から挟むように外力Fを作用させると、一対の係合部182が互いに近接するように移動する。つまり、開閉部材180は、一対の係合部182に外力Fが作用している場合、ねじりコイルばね181の付勢力に抗して一対の係合部182が突出筒部170の開口部174に入り込んだ閉状態となる。
【0036】
一対の係合部182に対して上記外力Fが作用しなくなると、図9に示すように、ねじりコイルばね181の付勢力により一対の係合部182が互いに離隔するように移動する。つまり、開閉部材180は、一対の係合部182に外力Fが作用していない場合、ねじりコイルばね181の付勢力により一対の係合部182が突出筒部170の開口部174から突出した開状態となる。
【0037】
係合部182は、突出筒部170がストッパ部134の開口部135に挿入される際に開口部135に接触する前側傾斜面182d及び後側傾斜面182eと、突出筒部170が開口部135に挿入され、開閉部材180が開状態となったときに、ストッパ部134の前面134aに対向する規制面182fと、を有する。
【0038】
図4及び図9に示すように、係合部182は、その基端側に鍔部182gが形成される。鍔部182gの左右幅は、開口部174の左右幅よりも大きい。このため、係合部182が、ねじりコイルばね181によって付勢されたときに、鍔部182gが突出筒部170の内側面に当接する。これにより、係合部182が開口部174から外側に抜け出てしまうことが防止される。本実施形態では、開閉部材180の開状態とは、一対の係合部182の鍔部182gが突出筒部170の内側面に当接した状態、すなわち開閉部材180の開き角度が最大となった状態のことを指す。
【0039】
一方、開閉部材180の閉状態とは、図8に示すように、開閉部材180の上下幅Y2(すなわち、上側の係合部182における最上部と下側の係合部182における最下部との間の上下方向の距離)が、ストッパ部134の開口部135の上下幅Y0よりも小さい状態のことを指す。
【0040】
次に、突出筒部170に取り付けられる割りピン190について詳しく説明する。図5図7に示すように、割りピン190は、円環状の頭部191と、頭部191から一方向に延在する一対の脚部192と、を有する。突出筒部170の先端部には、割りピン190の一対の脚部192が挿通される挿通孔175(図5図7参照)が形成される。本実施形態では、一対の側板173のそれぞれに挿通孔175が形成される。一対の挿通孔175は互いに対向するように設けられ、割りピン190が一対の挿通孔175に挿通された状態では、割りピン190は上下方向に延在する。
【0041】
割りピン190は、一対の挿通孔175に挿通され、一対の脚部192の先端同士が離隔するように、一対の脚部192の先端部がそれぞれ折り曲げられる。つまり、割りピン190は、突出筒部170の挿通孔175に挿通された一対の脚部192の先端部が折り曲げられた状態で、挿通孔175に取り付けられる。このように、突出筒部170に設けられる挿通孔175は、割りピン190が取り付けられる取付部として機能する。
【0042】
本実施形態に係る割りピン190は、開閉部材180が閉方向へ動作することを規制し、開閉部材180を開状態に維持するために設けられる。本実施形態に係る開閉部材180は、図8に示すように、一対の係合部182に対して外側から挟むように外力Fを加え、係合部182を開口部174に押し込むと、一対の係合部182同士が近接するとともにコイル部181aが前方へ移動する構成となっている。換言すれば、開閉部材180が閉状態のときには、開状態のときに比べてコイル部181aが前方に位置する。つまり、コイル部181aが前方へ移動することを規制することにより、開閉部材180が閉方向へ動作することを規制することができる。
【0043】
本実施形態では、図7に示すように、割りピン190が、開閉部材180のコイル部181aの近傍であって、コイル部181aの前方に配置される。コイル部181aが前方(すなわち突出筒部170の突出方向)に移動すると、コイル部181aが割りピン190に当接し、コイル部181aがそれ以上前方へ移動することが規制される。その結果、開閉部材180が閉方向へ動作することが規制される。つまり、割りピン190は、コイル部181aの外周に当接することにより、開閉部材180の閉方向への動作を規制する規制部材である。
【0044】
また、本実施形態では、図8及び図9に示すように、突出筒部170の挿通孔175は、開閉部材180が開状態のときには、割りピン190の取り付けが可能となり、開閉部材180が閉状態のときには、開閉部材180によって割りピン190の取り付けが妨げられるように設けられる。開閉部材180は、開状態(図9参照)のときの全長X1に比べて、閉状態(図8参照)のときの全長X2の方が大きくなる。本実施形態では、一対の挿通孔175の中心同士を結ぶ仮想的な直線L0上に、閉状態の開閉部材180のコイル部181aが配置され、かつ、開状態の開閉部材180のコイル部181aが配置されないように、一対の挿通孔175の位置が設定される。
【0045】
次に、研摩子受け40に研摩子30を取り付ける手順について説明する。まず、図5に示すように、研摩子30の取付具32に設けられた開口部136と、研摩子受け40の本体部45の幅狭面45bと、が対向するように研摩子30の位置決めを行う。次に、研摩子30を研摩子受け40に向けて後方に移動させる。研摩子30の取付具32の基部130を研摩子受け40の本体部45に接触させ、研摩子30をさらに後方にスライド移動させる。研摩子30を後方にスライド移動させると、突出筒部170がストッパ部134の開口部135に挿入される。
【0046】
突出筒部170がストッパ部134の開口部135に挿入されると、図10Aに示すように、ストッパ部134の開口部135に係合部182の前側傾斜面182dが接触し、開閉部材180が閉じられる。さらに、突出筒部170がストッパ部134の開口部135に挿入されると、図10Bに示すように、ストッパ部134の開口部135に係合部182の後側傾斜面182eが接触し、開閉部材180がさらに閉じられる。このように、係合部182に前側傾斜面182d及び後側傾斜面182eが設けられているため、開閉部材180はスムーズに閉方向に動作する。
【0047】
研摩子30を後方にスライド移動させていくと、図9に示すように、ストッパ部134の後面134bが、研摩子受け40の幅狭面45bに当接し、研摩子30がそれ以上後方に向かって移動することが規制される。本体部45の幅狭面45bがストッパ部134の後面134bに当接するまで突出筒部170が開口部135に挿入されると、係合部182と開口部135とが係合しなくなる。つまり、開口部135による一対の係合部182の拘束が解除される。その結果、ねじりコイルばね181の付勢力により一対の係合部182が離隔するように動作する。一対の係合部182の離隔動作は、鍔部182gが突出筒部170の側板173の内面に当接することにより規制される。これにより、開閉部材180は開状態となり、突出筒部170への割りピン190の取り付けが可能となる。
【0048】
本実施形態では、例えば、図10Bに示すように、開閉部材180がストッパ部134の開口部135によって閉じられた状態、または、図11に示すように、係合部182が開口部174に引っ掛かるなどして開閉部材180が開ききっていない状態では、突出筒部170の一対の挿通孔175の一方に割りピン190を挿通させると、コイル部181aに割りピン190の先端部が接触する。このため、これらの状態では、割りピン190を一対の挿通孔175に挿通させることができず、突出筒部170に割りピン190を取り付けることができない。したがって、開閉部材180が開状態ではない状態(図10B及び図11参照)のまま踏面清掃装置100が使用されることを防止することができる。
【0049】
図6及び図7に示すように、突出筒部170の挿通孔175に割りピン190を挿通し、割りピン190の脚部192の先端部を折り曲げることにより、割りピン190の抜けが防止されるとともに、研摩子受け40に対する研摩子30の取り付けが完了する。このように、本実施形態では、割りピン190が、一対の脚部192の先端部が折り曲げられた状態で突出筒部170に取り付けられるので、研摩子受け40に対する研摩子30の取り付け作業が完了したこと、及び、研摩子30が研摩子受け40に適切に取り付けられていることを容易に確認することができる。
【0050】
研摩子受け40に対する研摩子30の取り付けが完了すると、開閉部材180の閉方向への動作が割りピン190により規制されるので、一対の係合部182に対し両側から外力Fが作用したとしても開閉部材180の開状態が維持される。開閉部材180が開状態のときには、一対の係合部182が取付具32のストッパ部134に係合することにより、突出筒部170が取付具32の開口部135から抜け出ることが禁止されるロック状態となる。
【0051】
本実施形態では、ねじりコイルばね181のコイル部181aの外周に割りピン190が当接することにより、開閉部材180の閉方向への動作が規制される。これにより、開閉部材180の開状態が維持されるので、突出筒部170が取付具32の開口部135から抜け出ることが防止される。このため、研摩子30の脱落を防止することができる。
【0052】
研摩子受け40から研摩子30を取り外す手順について説明する。まず、折り曲げられている割りピン190の脚部192を直線状に戻し、割りピン190を突出筒部170から取り外す。次に、図8に示すように、一対の係合部182を両側から挟むように外力Fを作用させて開閉部材180を閉状態にする。開閉部材180が閉状態のときには、突出筒部170が取付具32の開口部135から抜け出ることが許容されるロック解除状態となる。この状態で、研摩子30を後方に移動させることにより、突出筒部170を開口部135から抜き出す。これにより、研摩子受け40からの研摩子30の取り外しが完了する。
【0053】
上述した実施形態によれば、次の作用効果を奏する。
【0054】
本実施形態では、割りピン(規制部材)190が突出筒部170に取り付けられた状態では、開閉部材180の閉方向への動作が割りピン190により規制される。これにより、開閉部材180の開状態が維持されるので、開閉部材180の係合部182が取付具32のストッパ部134に係合することにより、突出筒部170が取付具32の開口部135から抜け出ることが防止される。このため、研摩子30の脱落を防止することができる。
【0055】
また、突出筒部170の挿通孔175は、開閉部材180が開状態のときには、割りピン190の取り付けが可能となり、開閉部材180が閉状態のときには、開閉部材180によって割りピン190の取り付けが妨げられるように設けられる。これにより、開閉部材180が開状態ではない状態(図10B及び図11参照)のまま踏面清掃装置100が使用されることを防止することができる。
【0056】
次のような変形例も本発明の範囲内であり、変形例に示す構成と上述の実施形態で説明した構成を組み合わせたり、以下の異なる変形例で説明する構成同士を組み合わせたりすることも可能である。
【0057】
<変形例1>
上記実施形態では、突出筒部170の上下一対の側板173に設けられた挿通孔175に割りピン190が挿通される例について説明したが、本発明はこれに限定されない。図12に示すように、割りピン190が挿通される挿通孔275は、突出筒部170の左右一対の側板178に設けてもよい。この場合、割りピン190は、左右方向に延在するように配置される。ここで、割りピン190が、突出筒部170から研摩部31側に大きく突出していると、研摩部31が摩耗したときに、割りピン190が車輪92に接触するおそれがある。したがって、割りピン190の研摩部31側の端部が、基部130と研摩部31との結合面239よりも突出筒部170側(すなわち研摩部31側とは反対側)に位置するように、割りピン190の大きさ及び割りピン190の配置を設定する。
【0058】
<変形例2>
上記実施形態では、開閉部材180のコイル部181aの外周に当接することにより、開閉部材180の閉方向への動作を規制する規制部材として、割りピン190を採用する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。矩形帯板状の板材をU字状に曲げ加工してなる割り板を規制部材として採用してもよい。割り板は、割りピン190と同様、頭部と、頭部から一方に延在する一対の脚部と、を有する。この場合、突出筒部170には、円形の挿通孔175に代えて、U字状の割り板が挿通される矩形状の挿通孔が形成される。U字状の割り板は、上記割りピン190と同様、突出筒部170の取付部である矩形状の挿通孔に挿通され、一対の脚部の先端部が折り曲げられた状態で、挿通孔に取り付けられる。
【0059】
<変形例3>
上記実施形態では、割りピン190が、ねじりコイルばね181のコイル部181aの外周に当接することにより、開閉部材180の閉方向への動作を規制する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。規制部材は、開閉部材180の閉方向への動作を規制することができる形状であればよい。
【0060】
例えば、図13に示すように、ゴム等の弾性部材からなる円柱状の規制部材390によって、開閉部材180の閉方向への動作を規制してもよい。本変形例では、突出筒部170の側板178に規制部材390が取り付けられる挿通孔375が形成される。挿通孔375に挿通された規制部材390は、開状態の開閉部材180の一対の係合部182間に配置される。したがって、本変形例に係る規制部材390は、一対の係合部182に当接することにより、開閉部材180の閉方向への動作を規制する。なお、開状態の開閉部材180の一対の腕部181b間に規制部材390を配置し、一対の腕部181bが規制部材390に当接することにより、開閉部材180の閉方向への動作を規制するようにしてもよい。
【0061】
また、本変形例に係る規制部材390が取り付けられる挿通孔375は、上記実施形態と同様、開閉部材180が開状態のときには、規制部材390の取り付けが可能となり、開閉部材180が閉状態のときには、開閉部材180によって規制部材390の取り付けが妨げられるように設けられる。具体的には、本変形例では、開閉部材180が閉状態のとき、あるいは開ききっていない状態では、挿通孔375の一部が開閉部材180の係合部182の一部によって覆われる構成となっている。
【0062】
なお、挿通孔375は、開閉部材180を突出筒部170内に組み付ける際に、突出筒部170内の開閉部材180の位置や開き角度を調整するための治具や手指を挿入する開口部として利用することもできる。
【0063】
<変形例4>
上記実施形態では、開閉部材180が、一対の係合部182を互いに離隔させるように付勢する付勢部材としてねじりコイルばね181を採用する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。一対の係合部182を付勢する付勢部材としては、円筒形のコイルばね、板ばね、あるいはゴムなどの種々の弾性部材を採用することができる。
【0064】
以上のように構成された本発明の実施形態の構成、作用、および効果をまとめて説明する。
【0065】
踏面清掃装置100は、車輪92の踏面92aに押し当てられる研摩子30と、研摩子30が着脱自在に取り付けられる研摩子受け40と、を備える踏面清掃装置であって、研摩子30は、踏面92aに摺接する研摩部31と、研摩部31に結合され研摩子受け40に取り付けられる取付具32と、を有し、研摩子受け40は、研摩子30の取付具32を支持する本体部45と、本体部45から突出して取付具32に設けられた開口部135に挿入される中空の突出筒部170と、突出筒部170に設けられ、開状態のときに研摩子受け40から研摩子30が取り外されることを禁止するロック状態とし、閉状態のときに研摩子受け40から研摩子30が取り外されることを許容するロック解除状態とする開閉部材180と、突出筒部170に取り付けられ開閉部材180の閉方向への動作を規制する規制部材(割りピン190、規制部材390)と、突出筒部170に設けられ規制部材(割りピン190、規制部材390)が取り付けられる取付部(挿通孔175,275,375)と、を有し、取付具32には、開口部135を有し開状態の開閉部材180が係合するストッパ部134が設けられ、開閉部材180は、突出筒部170に設けられた一対の開口部174から突出し、取付具32のストッパ部134に係合可能な一対の係合部182と、開閉部材180が開かれるように、一対の係合部182を互いに離隔させる方向に付勢する付勢部材(ねじりコイルばね181)と、有し、突出筒部170の取付部(挿通孔175,275,375)は、開閉部材180が開状態のときには、規制部材(割りピン190、規制部材390)の取り付けが可能となり、開閉部材180が閉状態のときには、開閉部材180によって規制部材(割りピン190、規制部材390)の取り付けが妨げられるように設けられ、開閉部材180が、付勢部材(ねじりコイルばね181)の付勢力により一対の係合部182が突出筒部170の開口部174から突出した開状態のときには、一対の係合部182が取付具32のストッパ部134に係合することにより、突出筒部170が取付具32の開口部135から抜け出ることが禁止されるロック状態となり、開閉部材180が、付勢部材(ねじりコイルばね181)の付勢力に抗して一対の係合部182が突出筒部170の開口部174に入り込んだ閉状態のときには、突出筒部170が取付具32の開口部135から抜け出ることが許容されるロック解除状態となることを特徴とする。
【0066】
この構成では、規制部材(割りピン190、規制部材390)が突出筒部170に取り付けられた状態では、開閉部材180の閉方向への動作が規制部材(割りピン190、規制部材390)により規制される。これにより、開閉部材180の開状態が維持されるので、開閉部材180の係合部182が取付具32のストッパ部134に係合することにより、突出筒部170が取付具32の開口部135から抜け出ることが防止される。
【0067】
踏面清掃装置100は、付勢部材が、螺旋状のコイル部181aと、コイル部181aの両端部から延在する一対の腕部181bと、を有するねじりコイルばね181であり、一対の係合部182が、一対の腕部181bに取り付けられ、規制部材(割りピン190、規制部材390)が、コイル部181aの外周に当接することにより、開閉部材180の閉方向への動作を規制することを特徴とする。
【0068】
この構成では、ねじりコイルばね181のコイル部181aの外周に規制部材(割りピン190、規制部材390)が当接することにより、開閉部材180の閉方向への動作が規制され、開閉部材180の開状態が維持されるので、突出筒部170が取付具32の開口部135から抜け出ることが防止される。
【0069】
踏面清掃装置100は、規制部材(割りピン190、規制部材390)が、頭部191と、頭部191から一方向に延在する一対の脚部192と、を有し、取付部が、一対の脚部192が挿通される挿通孔175,275であり、規制部材(割りピン190、規制部材390)が、突出筒部170の挿通孔175,275に挿通された一対の脚部192の先端部が折り曲げられた状態で、挿通孔175,275に取り付けられることを特徴とする。
【0070】
この構成では、規制部材(割りピン190、規制部材390)が、一対の脚部192の先端部が折り曲げられた状態で突出筒部170に取り付けられるので、研摩子30が研摩子受け40に適切に取り付けられていることを容易に確認することができる。
【0071】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【符号の説明】
【0072】
30・・・研摩子、31・・・研摩部、32・・・取付具、40・・・研摩子受け、45・・・本体部、92・・・車輪、92a・・・踏面、100・・・踏面清掃装置、134・・・ストッパ部、135・・・開口部(ストッパ部の開口部)、170・・・突出筒部、174・・・開口部(突出筒部170の開口部)、175,275,375・・・挿通孔(取付部)、180・・・開閉部材、181・・・ねじりコイルばね(付勢部材)、181a・・・コイル部、181b・・・腕部、182・・・係合部、190・・・割りピン(規制部材)、191・・・頭部、192・・・脚部、390・・・規制部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11
図12
図13