(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-01
(45)【発行日】2023-08-09
(54)【発明の名称】鋳造装置用パッキン
(51)【国際特許分類】
B22D 35/00 20060101AFI20230802BHJP
C09K 3/10 20060101ALI20230802BHJP
【FI】
B22D35/00 J
B22D35/00 C
B22D35/00 L
B22D35/00 Z
C09K3/10 N
C09K3/10 Q
C09K3/10 R
(21)【出願番号】P 2019231948
(22)【出願日】2019-12-23
【審査請求日】2022-09-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000243434
【氏名又は名称】本田金属技術株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067356
【氏名又は名称】下田 容一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100160004
【氏名又は名称】下田 憲雅
(74)【代理人】
【識別番号】100120558
【氏名又は名称】住吉 勝彦
(74)【代理人】
【識別番号】100148909
【氏名又は名称】瀧澤 匡則
(72)【発明者】
【氏名】厚澤 義一
(72)【発明者】
【氏名】手塚 歩
(72)【発明者】
【氏名】本橋 直恭
【審査官】林 建二
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-200732(JP,A)
【文献】特開平08-132197(JP,A)
【文献】実開昭56-141251(JP,U)
【文献】特開2019-093401(JP,A)
【文献】特開2003-025060(JP,A)
【文献】米国特許第5178203(US,A)
【文献】中国特許出願公開第109251042(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22C 5/00-9/30
B22D 18/00-18/08
B22D 19/00-19/16
B22D 33/00-47/02
C09K 3/10-3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶湯を汲み上げる電磁ポンプと、前記溶湯を導く導湯路と、この導湯路の先端に設けられる金型とを備える鋳造装置において、前記導湯路の分割部位に介在するパッキンであって、
このパッキンは、前記溶湯に接する内環部と、この内環部を囲う外環部とからなる複合パッキンであり、
前記内環部は、ガラス長繊維の織布であり、前記外環部は、ファインセラミックスの圧縮綿であることを特徴とする鋳造装置用パッキン。
【請求項2】
請求項1記載の鋳造装置用パッキンであって、
前記内環部は、内周面に離型剤が塗布されていることを特徴とする鋳造装置用パッキン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋳造装置用パッキンに関する。
【背景技術】
【0002】
金型へ溶湯を加圧注湯することにより、鋳造品を得る鋳造装置が、実用に供されている。鋳造装置は、複数の部品で組み立てられるため、不可避的に分割部位が存在する。この分割部位から溶湯が漏れないように、分割部位にパッキンを介在させる(例えば、特許文献1(
図1、
図4、
図5)参照)。
【0003】
特許文献1を次図に基づいて説明する。
図8は従来の鋳造装置の基本構成図であり、この鋳造装置100は、溶湯101を貯留する保持炉102と、上から溶湯101へ差し込むストーク103と、このストーク103から溶湯101を導く導湯路104と、この導湯路104の先端に設けられる金型105と、圧縮ガス供給機構106を備えている。
【0004】
圧縮ガス供給機構106により、保持炉102に圧縮ガスを供給する。すると、保持炉102内の溶湯101の上表面に大気圧より高い圧力Pが加わる。この圧力Pにより、溶湯101がストーク103内を上昇し、導湯路104を通って、金型105へ注湯される。高圧鋳造法であるダイカスト鋳造法に比較して、圧力Pは十分に低圧であるため、鋳造装置100は、低圧鋳造装置と呼ばれる。
【0005】
特許文献1で開示されている導湯路104の構造を、
図9(a)、(b)で説明する。
図9(a)に示すように、導湯路104は、耐火材107と、この耐火材107を囲う外皮材108とを主要素とする。耐火材107と外皮材108とに、パッキン109が挟まれる。
【0006】
図9(b)に示すように、耐火材107と外皮材108との分割部位が、パッキン109でシールされ、ここからの溶湯の漏れが防止される。
パッキン109は、セラミックス繊維と未焼成のバーミキュライトとを主成分とする加熱膨張性シートである(特許文献1、段落0017)。密度は600~700kg/cm
3である(特許文献1、段落0017)。この密度であると、パッキン109は、圧縮した綿の形態を呈すると思われる。
【0007】
図9(c)は、
図9(b)のC部拡大図であり、パッキン109の内周面が溶湯に接しているため、パッキン109を構成するセラミックス繊維111が、剥離して溶湯に混入することが示される。
【0008】
本発明者らは、低圧鋳造法に代わる鋳造法を研究する中で、溶湯を直接電磁ポンプで汲み上げて金型へ注湯する鋳造法を試した。すなわち、
図8のストーク103を電磁ポンプに置き換える。電磁ポンプを採用することで、圧縮ガス供給機構106は不要となるという利点がある。
【0009】
しかし、ストーク103を電磁ポンプに置き換えたところ、次に述べる問題が発生した。
図9(c)で説明したセラミックス繊維111の剥離が、低圧鋳造法よりも、格段に顕著になった。その原因は、詳しくは後に
図3に基づいて説明するが、電磁ポンプにより、溶湯に微小な圧力変動が付与され、この圧力変動により、パッキン109の内周面がアタックされ、セラミックス繊維111の剥離が顕著になったと推定される。剥離が顕著になると、溶湯がセラミックス繊維111で汚れるため、好ましくない。
【0010】
そこで、電磁ポンプを用いた鋳造法において、パッキンの剥離を防止する技術が求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、電磁ポンプを用いた鋳造法において、剥離を防止することができるパッキンを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1に係る発明は、溶湯を汲み上げる電磁ポンプと、前記溶湯を導く導湯路と、この導湯路の先端に設けられる金型とを備える鋳造装置において、前記導湯路の分割部位に介在するパッキンであって、
このパッキンは、前記溶湯に接する内環部と、この内環部を囲う外環部とからなる複合パッキンであり、
前記内環部は、ガラス長繊維の織布であり、前記外環部は、ファインセラミックスの圧縮綿であることを特徴とする。
【0014】
請求項2に係る発明は、請求項1記載の鋳造装置用パッキンであって、
前記内環部は、内周面に離型剤が塗布されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に係る発明では、パッキンは、溶湯に接する内環部と、この内環部を囲う外環部とからなる複合パッキンとし、内環部は、ガラス長繊維の織布とした。
ガラス長繊維の織布は、溶湯に接しても繊維が剥離することはない。剥離しないため、繊維で溶湯が汚れることはない。
よって、本発明により、電磁ポンプを用いた鋳造法において、剥離を防止することができるパッキンが提供される。
【0016】
請求項2に係る発明では、内環部は、内周面に離型剤が塗布されている。
離型剤により、内環部が溶湯から隔離される。内環部が溶湯のアタックを受けにくくなり、パッキンの寿命をさらに延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図6】(a)は圧縮前のパッキンの断面図、(b)は
図5の6b-6b線断面図である。
【
図9】(a)は従来の導湯路の分解図、(b)従来の導湯路の断面図、(c)は
(b)のC部拡大図である。
【実施例】
【0018】
図1に示すように、鋳造装置10は、金型11と、導湯路としての湯分岐ブロック40と、電磁ポンプ20と、この電磁ポンプ20を制御する制御部32と、ヒータ12を備えてアルミニウムの溶湯13を貯留する保持炉14とからなる。
この例では、保持炉14に鋼製フレーム15を載せ、この鋼製フレーム15で電磁ポンプ20が支えられているが、保持炉14への電磁ポンプ20の取付け形態は任意である。
【0019】
なお、保持炉14は、溶解炉、出湯炉、取鍋(とりべ)などのアルミニウムを溶融状態で貯留する容器であればよく、狭義の保持炉に限定されない。
【0020】
電磁ポンプ20の詳細な構造を、
図2に基づいて説明する。
図2に示すように、電磁ポンプ20は、ベースフランジ21と、このベースフランジ21を貫通して上下に伸びている導湯管22と、この導湯管22に収納される鉄心部材23と、導湯管22の下部を囲う下部コイル24と、この下部コイル24を囲いつつベースフランジ21に吊るされる下部ケース25と、導湯管22の上部を囲う上部コイル26と、この上部コイル26を囲いつつベースフランジ21に載っている上部ケース27と、導湯管22から上へ伸びる吐出管28と、この吐出管28を囲う湯面計29と、上部ケース27に繋がっている上部フランジ30とを備えている。
【0021】
下部コイル24に通電すると、フレミングの左手の原理で、溶湯(
図1、符号13)が引き上げられる。
次に、上部コイル26に通電し、下部コイル24を非通電にすると、溶湯が湯面計29まで引き上げられる。湯面計29のレベルが「仮待機レベル」になる。
【0022】
フレミングの左手の法則により、電流を増すと、力が増加する。
上部コイル26の電流をさらに増すと、溶湯は湯面計29を超えて、吐出管28より上へ吐出される。すると、
図1に示す湯分岐ブロック40を通って、金型11に注湯される。
よって、電磁ポンプ20は、保持炉14に貯留した溶湯13を汲み上げて、金型11へ供給する加圧注湯手段である。
【0023】
本発明者らは、加圧注湯手段としての電磁ポンプ20に、電磁作用特有の圧力現象があり、この現象に注目した。この現象を、
図3に基づいて説明する。
【0024】
図3に示すように、導湯管22と鉄心部材23との間の通路を、溶湯13が上向きに流れている。上部コイル26の上端部26aから鉄心部材23へ達する磁場31は上に凸になるように湾曲化する。この湾曲の度合いは、50Hzであれば2倍の100Hzで変動する。
この磁場31の変動(変位)に起因して、溶湯13の圧力(吐出圧力)が、細かい周期(100Hz)で、微小変動する。すなわち、細かな脈動が不可避的に発生する。
【0025】
次に、
図4に基づいて、湯分岐ブロック40の構造を詳しく説明する。
図4に示すように、湯分岐ブロック40は、略三角形又は台形断面のセラミックス41と、このセラミックス41を収納する金属ケース42と、この金属ケース42の上面を塞ぐ金属蓋43とを備えている。
セラミックス41を採用した理由を、次に述べる。
【0026】
【0027】
実施例1:セラミックスの一種であるジルコニアは、熱伝導率λが3W/(m・K)である。
実施例2:セラミックスの一種であるアルミナは、熱伝導率λが30W/(m・K)である。
【0028】
比較例:金属の一種である炭素鋼は、熱伝導率λが43W/(m・K)である。
炭素鋼の熱伝導率λを「1.0」として比較すると、ジルコニアは「0.07」倍、アルミナは「0.7」倍となる。溶湯の温度低下を抑制するには、ジルコニアが好適であることがわかる。よって、セラミックス41は、ジルコニアが推奨される。
【0029】
なお、冷たい瀬戸物に熱湯を掛けると、瀬戸物が割れることは知られている。ジルコニアは瀬戸物と同じセラミックスであるため、熱衝撃に弱いという欠点を有する。アルミナも同様に、熱衝撃に弱いという欠点を有する。
【0030】
図4に示すように、略三角形又は台形断面のセラミックス41は、一つの湯入口44と、下に凸のV字部45と、このV字部45で分岐された第1湯道46と第2湯道47と、を有する。
この実施例では、上部フランジ30と、湯入口44との間に、適当な長さの連結管48を介在させた。この連結管48は省いて、直接的に上部フランジ30に湯入口44を繋ぐことは差し支えない。
【0031】
また、連結管48を、湯分岐ブロック40に一体化してもよい。一体化した場合は、V字部45は、Y字部となる。よって、V字部45はY字部であっても差し支えない。
また、分岐された湯道の本数は、2本(第1湯道46と第2湯道47)に限定されずに、3本以上であってもよい。
【0032】
第1湯道46の出口と第2湯道47の出口において、好ましくは、金属蓋43に、セラミックス製カラー49を嵌める。セラミックス製カラー49で断熱性を高めることができる。
【0033】
連結管48と金属ケース42との間に第1パッキン51を挟んで、分割部位をシールする。
金属ケース42と金属蓋43との間に第2パッキン52を挟んで、分割部位をシールする。
金属蓋43と金型11との間に第3パッキン53を挟んで、分割部位をシールする。
【0034】
溶湯(
図1、符号13)は、湯入口44から流入し、V字部45で分流され、第1湯道46と第2湯道47を通って、金型11に至る。
このときに、V字部45が、船の舳先(へさき)の役割を果たすために、綺麗に分流され、第1湯道46の流れと第2湯道47の流れに差がでない。
金型11で複数(例えば2個)の成形品を得る場合、本発明により、均等な成形品を得ることができる。
【0035】
なお、上記の表1で説明したように、セラミックス41は、熱衝撃に弱い。そこで、以下に述べる対策を講じた。
繰り返し鋳造が実施される間、湯分岐ブロック40が溶湯で満たされるように、待機位置を、湯分岐ブロック40のほぼ上面P1に設定する。湯分岐ブロック40が溶湯で常に加熱されるため、湯分岐ブロック40の温度変化はなく、熱衝撃を受けない。結果、湯分岐ブロック40の寿命を大幅に延ばすことができる。
【0036】
なお、待機位置は、湯分岐ブロック40のほぼ上面のレベルP1であればよく、金属蓋43の下面のレベルP2であってもよい。要は、セラミックス41が溶湯で満たされればよい。
【0037】
ところで、
図3で説明したように、電磁ポンプ20を交流電源で駆動すると、溶湯に微小な圧力変動が加わる。この圧力変動により、溶湯が固まりにくくなる。すると、従来よりも低温であっても、溶湯は金型のキャビティの末端まで到達する。
溶湯の温度が低いほど熱衝撃が小さくなる。セラミックス41が割れる心配がなければ、溶湯の待機位置は、レベルP1やレベルP2に限定されない。
【0038】
そこで、溶湯の待機位置を検討する。
仮に、溶湯の待機位置を、連結管48付近のレベルP3まで下げたとする。この場合、上昇する溶湯は、V字部45で分流されるが、この分流の直前に、小規模ではあるが、V字部45に溶湯が衝突する。この衝突により、規模は小さいが流れに乱れが生じる。小さくても乱れは、無いことが望まれる。
【0039】
そこで、溶湯の待機位置を、V字部45の上位のレベルP4に設定する。これで、衝突は解消される。乱れの無い流れが、V字部45で綺麗に分流される。レベルP4に溶湯を待機させることは、制御部(
図1、符号32)による電流制御で容易に実施される。
【0040】
次に、第1~第3パッキン51、52、53の構造を、
図5、
図6に基づいて説明する。
図5に示すように、第1パッキン51は、溶湯に近い方の内環部55と、この内環部55を外から囲う外環部56とからなる複合パッキンである。好ましくは、内環部55の内周面にセラミックス系離型剤57を塗布する。
【0041】
図6(b)は、
図5の6b-6b線断面図であり、
図6(a)は、
図6(b)の分解図である。
【0042】
図6(a)において、外環部56は、ファインセラミックスの一種であるシリカ(SiO
2)を主成分とする鉱物を溶融し、細い糸にし、この糸を集めて綿にし、この綿にバインダーを添加して4mm程度の厚さTの板状に成形した薄板のドーナッツ板である。
【0043】
シリカ(SiO2)を主成分とするため、耐熱温度が1000℃を超える。綿であるため、クッション性に富む。ファインセラミックスは、アルミナ又はジルコニアであってもよい。すなわち、外環部56は、ファインセラミックスの綿であればよい。
【0044】
内環部55は、ガラス長繊維(10μm外径)の織布である。加工性を高めるために、織布に耐熱ゴムを塗布してもよい。ガラスは、軟化点が約840℃であるアルミナガラスが好適である。
【0045】
セラミックス系離型剤57は、酸化チタンと植物油を主成分とし、これらに鉱油、ポリ(オキシエチレン)=アルキルエーテル、黒鉛を添加してなるアルミ鋳造用金型離型剤である。なお、セラミックス系離型剤57は、鋳造用の離型剤であれば、種類は問わない。
【0046】
連結管48と金属ケース42との間に、第1パッキン51を介在させ、連結管48に金属ケース42を相対的に接近させる。この接近で、外環部56が半分程度の厚さになるように圧縮される。
【0047】
図6(b)に示すように、連結管48と金属ケース42との接続部が、第1パッキン51でシールされた。第2パッキン52及び第3パッキン53は、第1パッキン51と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0048】
図7は内環部55を拡大した模式図である。
撚糸(ねんし、よりいと)62は、ガラス繊維61を撚った糸である。
このような撚糸62を、経糸(たていと)と緯糸(よこいと)にして織った布が、内環部55である。
溶湯13が接触しても、撚糸62は解れ(ほつれ)にくい。その上、撚糸62からガラス長繊維61が剥離しにくい。
【0049】
反面、撚糸62と撚糸62の間に、不可避的に隙間が存在するために、シール性の点では難がある。
【0050】
【0051】
比較例2:仮に、全てがガラス長繊維の織布からなるパッキンを採用した場合、上述したように、耐剥離性は良好(○)であるが、シール性は良くない(×)。そのため、評価は×となる。
【0052】
比較例3:仮に、全てがファインセラミックスの圧縮綿からなるパッキンを採用した場合、
図9(c)で説明したように、シール性は良好(○)であるが、耐剥離性は良くない(×)。そのため、評価は×となる。
【0053】
実施例3:溶湯に接する内環部をガラス長繊維の織布とし、外環部をファインセラミックスの圧縮綿とした場合、耐剥離性は良好(○)であり、シール性も良好(○)であるため、評価は○となる。
【0054】
なお、
図5に示す第1~第3パッキン51~53において、内環部55及び外環部56は必須の構成要素であるが、セラミックス系離型剤57は必須ではない。
しかし、セラミックス系離型剤57は、溶湯の熱を内環部55へ伝えにくくして内環部55の温度を下げる断熱作用と、溶湯が内環部55へアタックすることを緩和するプロテクト作用とを発揮するため、セラミックス系離型剤57を内環部55の内周面に塗布することは望ましいことである。
【0055】
セラミックス系離型剤57は、最も溶湯でアタックされるため、剥離、損耗が著しい。しかし、セラミックス系離型剤57は、露出面に塗布されるため、容易に再塗布が可能である。よって、セラミックス系離型剤57を適宜又は適時再塗布することで、長期間にわたって内環部55及び外環部56が保護される。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明は、電磁ポンプで汲み上げた溶湯を金型に導く導湯路の分割部位に介在するパッキンに好適である。
【符号の説明】
【0057】
10…鋳造装置、11…金型、13…溶湯、20…電磁ポンプ、40…導湯路(湯分岐ブロック)、51~53…パッキン(鋳造装置用パッキン)、55…内環部、56…外環部、57…離型剤(セラミックス系離型剤)、61…ガラス長繊維。