(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-01
(45)【発行日】2023-08-09
(54)【発明の名称】出荷日特定装置、出荷日特定方法、および、出荷日特定プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/087 20230101AFI20230802BHJP
G06Q 10/0834 20230101ALI20230802BHJP
【FI】
G06Q10/087
G06Q10/0834
(21)【出願番号】P 2020042367
(22)【出願日】2020-03-11
【審査請求日】2022-07-19
(73)【特許権者】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】飯塚 直輔
(72)【発明者】
【氏名】佐古 修康
(72)【発明者】
【氏名】花井 亮太
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【審査官】山崎 誠也
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-151985(JP,A)
【文献】特開2013-206383(JP,A)
【文献】特開2019-133582(JP,A)
【文献】特開2018-124906(JP,A)
【文献】特開2020-017012(JP,A)
【文献】特開2018-097570(JP,A)
【文献】特開2003-132132(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部と制御部とを備えた出荷日特定装置であって、
前記記憶部は、
商品の出荷倉庫、輸送区分、および、温度条件を設定した商品マスタを記憶する商品記憶手段と、
配送業者と運行日とを紐付けた、前記出荷倉庫における物流カレンダを設定したカレンダマスタを記憶するカレンダ記憶手段と、
を備え、
前記制御部は、
受注時刻を含む、得意先からの前記商品の受注の受注データを取得する受注取得手段と、
前記商品マスタおよび前記受注データに基づいて、前記得意先からの前記受注に対する前記配送業者を特定する配送業者特定手段と、
前記受注データおよび前記カレンダマスタに基づいて、前記配送業者特定手段により特定された前記配送業者による前記出荷倉庫からの前記商品の出荷日を特定する出荷日特定手段と、
を備えたことを特徴とする出荷日特定装置。
【請求項2】
前記記憶部は、
前記得意先および/または納入先により指定された前記配送業者を設定した配送業者マスタを記憶する配送業者記憶手段、
を更に備え、
前記配送業者特定手段は、
前記商品マスタ、前記受注データおよび前記配送業者マスタに基づいて、前記得意先からの前記受注に対する前記配送業者を特定することを特徴とする請求項1に記載の出荷日特定装置。
【請求項3】
前記配送業者特定手段は、
前記商品マスタおよび前記受注データに基づいて、前記得意先からの前記受注に係る前記商品の配送条件が設定されている場合、前記配送条件を満たす特殊配送便で配送可能な前記配送業者を特定することを特徴とする請求項1に記載の出荷日特定装置。
【請求項4】
前記配送業者特定手段は、
前記商品マスタおよび前記受注データに基づいて、前記得意先からの前記受注に係る前記商品の保存温度が設定されている場合、前記保存温度で配送可能な前記配送業者を特定することを特徴とする請求項3に記載の出荷日特定装置。
【請求項5】
前記配送業者特定手段は、
前記商品マスタおよび前記受注データに基づいて、前記得意先からの前記受注に係る前記商品に対する所定作業が設定されている場合、前記所定作業可能な前記配送業者を特定することを特徴とする請求項3に記載の出荷日特定装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記受注データに基づいて、出荷基準日を設定する出荷基準設定手段、
を更に備え、
前記出荷日特定手段は、
前記出荷基準日、前記受注データおよび前記カレンダマスタに基づいて、前記配送業者特定手段により特定された前記配送業者による前記出荷倉庫からの前記商品の前記出荷日を特定することを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の出荷日特定装置。
【請求項7】
前記出荷基準設定手段は、
前記受注データに基づいて、前記受注時刻が所定時刻前の場合、所定日を前記出荷基準日として設定し、前記受注時刻が前記所定時刻以後の場合、前記所定日より後の日を前記出荷基準日として設定することを特徴とする請求項6に記載の出荷日特定装置。
【請求項8】
前記出荷日特定手段は、
前記受注データおよび前記カレンダマスタに基づいて、前記出荷基準日以後の営業日において、前記配送業者特定手段により特定された前記配送業者による前記出荷倉庫から前記商品の出荷が可能な日を前記出荷日として特定することを特徴とする請求項6または7に記載の出荷日特定装置。
【請求項9】
前記配送業者特定手段は、
前記商品が機器ではない場合、前記商品マスタおよび前記受注データに基づいて、前記得意先からの前記受注に対する前記配送業者を特定することを特徴とする請求項1に記載の出荷日特定装置。
【請求項10】
記憶部と制御部とを備えた出荷日特定装置に実行させるための出荷日特定方法であって、
前記記憶部は、
商品の出荷倉庫、輸送区分、および、温度条件を設定した商品マスタを記憶する商品記憶手段と、
配送業者と運行日とを紐付けた、前記出荷倉庫における物流カレンダを設定したカレンダマスタを記憶するカレンダ記憶手段と、
を備え、
前記制御部で実行させる、
受注時刻を含む、得意先からの前記商品の受注の受注データを取得する受注取得ステップと、
前記商品マスタおよび前記受注データに基づいて、前記得意先からの前記受注に対する前記配送業者を特定する配送業者特定ステップと、
前記受注データおよび前記カレンダマスタに基づいて、前記配送業者特定ステップにて特定された前記配送業者による前記出荷倉庫からの前記商品の出荷日を特定する出荷日特定ステップと、
を含むことを特徴とする出荷日特定方法。
【請求項11】
記憶部と制御部とを備えた出荷日特定装置に実行させるための出荷日特定プログラムであって、
前記記憶部は、
商品の出荷倉庫、輸送区分、および、温度条件を設定した商品マスタを記憶する商品記憶手段と、
配送業者と運行日とを紐付けた、前記出荷倉庫における物流カレンダを設定したカレンダマスタを記憶するカレンダ記憶手段と、
を備え、
前記制御部において、
受注時刻を含む、得意先からの前記商品の受注の受注データを取得する受注取得ステップと、
前記商品マスタおよび前記受注データに基づいて、前記得意先からの前記受注に対する前記配送業者を特定する配送業者特定ステップと、
前記受注データおよび前記カレンダマスタに基づいて、前記配送業者特定ステップにて特定された前記配送業者による前記出荷倉庫からの前記商品の出荷日を特定する出荷日特定ステップと、
を実行させるための出荷日特定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、出荷日特定装置、出荷日特定方法、および、出荷日特定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、得意先からの受注のタイミングに対して、予め設定されている定期出荷スケジュールを加味した最短納期を得意先に回答する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1記載の発明においては、商品によって利用する配送便が異なることがあるため、誤った配送便を選択してしまうと出荷ができないケースが発生するだけでなく、配送ミスとなり返品等のペナルティが発生する場合があるという課題があった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、得意先からの受注に対して、各種マスタの設定内容に応じて配送業者を自動で特定し、当該配送業者に応じた出荷日を自動算出することができる出荷日特定装置、出荷日特定方法、および、出荷日特定プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る出荷日特定装置は、記憶部と制御部とを備えた出荷日特定装置であって、前記記憶部は、商品の出荷倉庫、輸送区分、および、温度条件を設定した商品マスタを記憶する商品記憶手段と、配送業者と運行日とを紐付けた、前記出荷倉庫における物流カレンダを設定したカレンダマスタを記憶するカレンダ記憶手段と、を備え、前記制御部は、受注時刻を含む、得意先からの前記商品の受注の受注データを取得する受注取得手段と、前記商品マスタおよび前記受注データに基づいて、前記得意先からの前記受注に対する前記配送業者を特定する配送業者特定手段と、前記受注データおよび前記カレンダマスタに基づいて、前記配送業者特定手段により特定された前記配送業者による前記出荷倉庫からの前記商品の出荷日を特定する出荷日特定手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る出荷日特定装置において、前記記憶部は、前記得意先および/または納入先により指定された前記配送業者を設定した配送業者マスタを記憶する配送業者記憶手段、を更に備え、前記配送業者特定手段は、前記商品マスタ、前記受注データおよび前記配送業者マスタに基づいて、前記得意先からの前記受注に対する前記配送業者を特定することを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る出荷日特定装置において、前記配送業者特定手段は、前記商品マスタおよび前記受注データに基づいて、前記得意先からの前記受注に係る前記商品の配送条件が設定されている場合、前記配送条件を満たす特殊配送便で配送可能な前記配送業者を特定することを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る出荷日特定装置において、前記配送業者特定手段は、前記商品マスタおよび前記受注データに基づいて、前記得意先からの前記受注に係る前記商品の保存温度が設定されている場合、前記保存温度で配送可能な前記配送業者を特定することを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る出荷日特定装置において、前記配送業者特定手段は、前記商品マスタおよび前記受注データに基づいて、前記得意先からの前記受注に係る前記商品に対する所定作業が設定されている場合、前記所定作業可能な前記配送業者を特定することを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る出荷日特定装置において、前記制御部は、前記受注データに基づいて、出荷基準日を設定する出荷基準設定手段、を更に備え、前記出荷日特定手段は、前記出荷基準日、前記受注データおよび前記カレンダマスタに基づいて、前記配送業者特定手段により特定された前記配送業者による前記出荷倉庫からの前記商品の前記出荷日を特定することを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る出荷日特定装置において、前記出荷基準設定手段は、前記受注データに基づいて、前記受注時刻が所定時刻前の場合、所定日を前記出荷基準日として設定し、前記受注時刻が前記所定時刻以後の場合、前記所定日より後の日を前記出荷基準日として設定することを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る出荷日特定装置において、前記出荷日特定手段は、前記受注データおよび前記カレンダマスタに基づいて、前記出荷基準日以後の営業日において、前記配送業者特定手段により特定された前記配送業者による前記出荷倉庫から前記商品の出荷が可能な日を前記出荷日として特定することを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る出荷日特定装置において、前記配送業者特定手段は、前記商品が機器ではない場合、前記商品マスタおよび前記受注データに基づいて、前記得意先からの前記受注に対する前記配送業者を特定することを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る出荷日特定方法は、記憶部と制御部とを備えた出荷日特定装置に実行させるための出荷日特定方法であって、前記記憶部は、商品の出荷倉庫、輸送区分、および、温度条件を設定した商品マスタを記憶する商品記憶手段と、配送業者と運行日とを紐付けた、前記出荷倉庫における物流カレンダを設定したカレンダマスタを記憶するカレンダ記憶手段と、を備え、前記制御部で実行させる、受注時刻を含む、得意先からの前記商品の受注の受注データを取得する受注取得ステップと、前記商品マスタおよび前記受注データに基づいて、前記得意先からの前記受注に対する前記配送業者を特定する配送業者特定ステップと、前記受注データおよび前記カレンダマスタに基づいて、前記配送業者特定ステップにて特定された前記配送業者による前記出荷倉庫からの前記商品の出荷日を特定する出荷日特定ステップと、を含むことを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係る出荷日特定プログラムは、記憶部と制御部とを備えた出荷日特定装置に実行させるための出荷日特定プログラムであって、前記記憶部は、商品の出荷倉庫、輸送区分、および、温度条件を設定した商品マスタを記憶する商品記憶手段と、配送業者と運行日とを紐付けた、前記出荷倉庫における物流カレンダを設定したカレンダマスタを記憶するカレンダ記憶手段と、を備え、前記制御部において、受注時刻を含む、得意先からの前記商品の受注の受注データを取得する受注取得ステップと、前記商品マスタおよび前記受注データに基づいて、前記得意先からの前記受注に対する前記配送業者を特定する配送業者特定ステップと、前記受注データおよび前記カレンダマスタに基づいて、前記配送業者特定ステップにて特定された前記配送業者による前記出荷倉庫からの前記商品の出荷日を特定する出荷日特定ステップと、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、配送便算出・出荷日算出を自動で行うことで、作業負荷軽減だけではなく誤出荷を防止することができるという効果を奏する。また、本発明によれば、受注の入力時や連携による取込時に出荷日を自動算出でき、得意先に対して納期回答の伝票を自動送信できるため、得意先にとってはEDI(Electronic Data Interchange)よりも、注文した後に納期回答をタイムリーに把握することが可能となるだけでなく、受注の連携から納期回答の連携まで全て自動で処理することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、本実施形態における出荷日特定装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、本実施形態における温度条件の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、本実施形態における温度条件の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、本実施形態における出荷基準マスタの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、本実施形態におけるカレンダマスタの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、本実施形態における出荷日特定装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、本実施形態における出荷日特定処理の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0020】
[1.概要]
まず、本発明の概要を説明する。
【0021】
従来、商品配送においては、商品によって利用する配送便が異なる場合、誤った配送便を選択してしまうと出荷できなかったり、配送ミスとなり返品等のペナルティが発生したりする場合があった。例えば、従来は、医薬品等の保存に温度条件がある冷凍品や凍結品の場合、適切な温度の配送便である必要があり、家具等の場合、搬入や組立作業ができる専用便である必要があるため、誤った配送便を選択してしまうと出荷できないことがあった。また、従来、出荷する商品によっては、冷凍便等の特定の配送便が業務上きまっているものか、出荷先によって特定の配送業者のみ許可している等の商習慣があるものかを、都度、ヒトが判断して選択する必要があったため、判断ミス、非効率なシステム運用、または、誤選択による商品の品質劣化に伴う返品・クレームのリスクが発生していた。
【0022】
そこで、本実施形態においては、商品、得意先および/または納入先等の各種マスタの設定内容に応じて配送業者を自動で算出し、算出された配送便に応じて出荷日および納期を自動で算出する仕組みを提供している。
【0023】
[2.構成]
本実施形態に係る出荷日特定装置100の構成の一例について、
図1から
図3を参照して説明する。
図1は、本実施形態における出荷日特定装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0024】
図1に示すように、出荷日特定装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、出荷日特定装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0025】
出荷日特定装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。出荷日特定装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0026】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、出荷日特定装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、出荷日特定装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0027】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。記憶部106は、商品マスタ106aと、配送業者マスタ106bと、出荷基準マスタ106cと、カレンダマスタ106dとを備えている。
【0028】
商品マスタ106aは、商品の出荷倉庫、輸送区分、および、温度条件を設定したマスタである。ここで、商品マスタ106aは、商品毎に出荷倉庫(例えば、物流センタ(自社倉庫)、委託倉庫または外部倉庫等)が設定され、商品毎に輸送区分(例えば、薬品、器具品、家具または雑貨等)が設定され、商品毎に保管・輸送時の温度条件(例えば、室温、保冷、冷凍または凍結等)が設定され、商品毎に温度条件の設定温度(例えば、下限温度および/または上限温度等)が設定されていてもよい。また、商品マスタ106aは、商品名、商品コードおよび/または商品分類等の商品識別子が設定されていてもよい。
【0029】
ここで、
図2および
図3を参照して、本実施形態における温度条件の一例について説明する。
図2および
図3は、本実施形態における温度条件の一例を示す図である。
【0030】
図2に示すように、本実施形態における商品マスタ106aにおいては、3つの温度条件(保冷・室温、冷凍および凍結)に対してそれぞれの設定温度(保存温度)が設定されていてもよい。また、
図3に示すように、本実施形態における商品マスタ106aにおいては、2つの温度条件(室温および保冷)に対してそれぞれの設定温度(保存温度)が設定されていてもよい。
【0031】
図1に戻り、配送業者マスタ106bは、得意先および/または納入先により指定された配送業者を設定したマスタである。ここで、配送業者マスタ106bは、(得意先による指定が有る場合)得意先毎に配送業者が設定され、(納入先による指定が有る場合)納入先毎に配送業者を設定されてもよい。また、配送業者マスタ106bは、特殊配送便、通常便、保冷便、凍結便、専用便、委託便および/または外部直送便等として設定された配送業者が設定されていてもよい。
【0032】
出荷基準マスタ106cは、出荷基準日の切替時間を設定したマスタである。
【0033】
ここで、
図4を参照して、本実施形態における出荷基準マスタ106cの一例について説明する。
図4は、本実施形態における出荷基準マスタ106cの一例を示す図である。
【0034】
図4に示すように、本実施形態における出荷基準マスタ106cにおいては、受注時刻が、その日の15時より前の場合、翌営業日が出荷基準日となるように設定され、その日の15時以降の場合、翌翌営業日が出荷基準日となるように設定されていてもよい。
【0035】
図1に戻り、カレンダマスタ106dは、カレンダを設定したマスタである。ここで、カレンダマスタ106dは、配送業者と運行日とを紐付けた、出荷倉庫における物流カレンダを設定したマスタであってもよい。また、カレンダマスタ106dは、一般カレンダ、本社カレンダおよび/または工場カレンダ等が設定されていてもよい。また、カレンダマスタ106dは、カレンダ区分が設定されていてもよい。
【0036】
ここで、
図5を参照して、本実施形態におけるカレンダマスタ106dの一例について説明する。
図5は、本実施形態におけるカレンダマスタ106dの一例を示す図である。
【0037】
図5に示すように、本実施形態におけるカレンダマスタ106dは、カレンダ名およびカレンダ区分(カレンダコード)が設定されていてもよい。
【0038】
図1に戻り、入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(タッチパネルを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114またはプリンタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0039】
制御部102は、出荷日特定装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、機能概念的に、受注取得部102aと、配送業者特定部102bと、出荷基準設定部102cと出荷日特定部102dとを備えている。
【0040】
受注取得部102aは、受注データを取得する。ここで、受注取得部102aは、受注時刻を含む、得意先からの商品の受注の受注データを取得してもよい。ここで、受注データは、受注識別子(例えば、受注コード等)、受注数量、受注額、得意先識別子(例えば、得意先コード等)、納入先識別子(例えば、納入先コード等)および/または商品識別子(例えば、商品コードおよび/または商品分類等)を含んでいてもよい。
【0041】
配送業者特定部102bは、配送業者を特定する。ここで、配送業者特定部102bは、商品マスタ106aおよび受注データに基づいて、得意先からの受注に対する配送業者を特定してもよい。また、配送業者特定部102bは、商品マスタ106a、受注データおよび配送業者マスタ106bに基づいて、得意先からの受注に対する配送業者を特定してもよい。また、配送業者特定部102bは、商品マスタ106aおよび受注データに基づいて、得意先からの受注に係る商品の配送条件が設定されている場合、配送条件を満たす特殊配送便で配送可能な配送業者を特定してもよい。また、配送業者特定部102bは、商品マスタ106aおよび受注データに基づいて、得意先からの受注に係る商品の保存温度が設定されている場合、保存温度で配送可能な配送業者を特定してもよい。また、配送業者特定部102bは、商品マスタ106aおよび受注データに基づいて、得意先からの受注に係る商品に対する所定作業が設定されている場合、所定作業可能な配送業者(専用便業者)を特定してもよい。また、配送業者特定部102bは、商品が機器ではない場合、商品マスタ106aおよび受注データに基づいて、得意先からの受注に対する配送業者を特定してもよい。
【0042】
出荷基準設定部102cは、出荷基準日を設定する。ここで、出荷基準設定部102cは、受注データに基づいて、出荷基準日を設定してもよい。また、出荷基準設定部102cは、受注データに基づいて、受注時刻が所定時刻前の場合、所定日を出荷基準日として設定し、受注時刻が所定時刻以後の場合、所定日より後の日を出荷基準日として設定してもよい。また、出荷基準設定部102cは、出荷基準マスタ106cおよび受注データに基づいて、出荷基準日を設定してもよい。
【0043】
出荷日特定部102dは、商品の出荷日を特定する。ここで、出荷日特定部102dは、受注データおよびカレンダマスタ106dに基づいて、配送業者特定部102bにより特定された配送業者による出荷倉庫からの商品の出荷日を特定してもよい。また、出荷日特定部102dは、出荷基準日、受注データおよびカレンダマスタ106dに基づいて、配送業者特定部102bにより特定された配送業者による出荷倉庫からの商品の出荷日を特定してもよい。また、出荷日特定部102dは、受注データおよびカレンダマスタ106dに基づいて、出荷基準日以後の営業日において、配送業者特定部102bにより特定された配送業者による出荷倉庫から商品の出荷が可能な日を出荷日として特定してもよい。
【0044】
[3.具体例]
本実施形態の具体例について、
図6および
図7を参照して説明する。
【0045】
[出荷日特定処理]
ここで、
図6を参照して、本実施形態における出荷日特定処理の一例について説明する。
図6は、本実施形態における出荷日特定装置100の処理の一例を示すフローチャートである。
【0046】
図6に示すように、受注取得部102aは、ユーザにより入力装置112を介した入力に基づいて、受注数量、得意先コード、納入先コード、商品コード、商品分類および受注時刻を含む、得意先からの商品の受注の受注データを取得する(ステップSA-1)。
【0047】
そして、配送業者特定部102bは、受注データに基づいて、商品が機器であるか否かを判定する(ステップSA-2)。ここで、本実施形態においては、商品マスタ106aに基づいて、商品の商品コードまたは商品分類が機器を示す設定になっているか否かを判定してもよい。
【0048】
そして、配送業者特定部102bは、商品が機器であると判定した場合(ステップSA-2:Yes)、処理を終了する。このように、本実施形態においては、商品が機器の場合、都度配送業便と出荷日とを営業部門が選択するため、配送業者・出荷日の自動算出対象外としている。
【0049】
一方、配送業者特定部102bは、商品が機器ではないと判定した場合(ステップSA-2:No)、処理をステップSA-3に移行させる。
【0050】
そして、配送業者特定部102bは、商品マスタ106a、受注データおよび配送業者マスタ106bに基づいて、商品の配送条件(得意先または納入先による指定、保存温度での配送、および/または、所定作業可能)を満たす配送業者を特定する(ステップSA-3)。ここで、本実施形態においては、商品マスタ106aに設定された温度条件の保存温度に設定された温度にしたがって、配送条件を判別してもよい。
【0051】
そして、出荷基準設定部102cは、出荷基準マスタ106cおよび受注データに基づいて、受注時刻が受注日の所定時刻前の場合、所定日(例えば、当日または翌営業日等)を出荷基準日として設定し、受注時刻が受注日の所定時刻以後の場合、所定日の翌営業日を出荷基準日として設定する(ステップSA-4)。
【0052】
そして、出荷日特定部102dは、受注データおよびカレンダマスタ106dに基づいて、出荷基準日以後の営業日において、配送業者特定部102bにより特定された配送業者による出荷倉庫から商品の出荷が可能な日を出荷日として特定し(ステップSA-5)、処理を終了する。
【0053】
ここで、
図7を参照して、本実施形態における出荷日特定処理の具体例について説明する。
図7は、本実施形態における出荷日特定処理の一例を示す図である。
【0054】
図7に示すように、本実施形態においては、処理日(例えば、受注日等)の翌営業日が出荷基準日となる場合に、「休」は物流カレンダの出荷倉庫の休日を示しており、「凍結便」は配送業者が凍結便の出荷可能となっている日を示しており、「出荷日」は商品が凍結便の場合に、本出荷日特定処理により算出される出荷日を示している。
【0055】
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0056】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0057】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0058】
また、出荷日特定装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0059】
例えば、出荷日特定装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて出荷日特定装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0060】
また、このコンピュータプログラムは、出荷日特定装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0061】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0062】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、本実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0063】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0064】
また、出荷日特定装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、出荷日特定装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0065】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明は、業種を問わず、商品配送を行う幅広い業界において有用である。
【符号の説明】
【0067】
100 出荷日特定装置
102 制御部
102a 受注取得部
102b 配送業者特定部
102c 出荷基準設定部
102d 出荷日特定部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 商品マスタ
106b 配送業者マスタ
106c 出荷基準マスタ
106d カレンダマスタ
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク