(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-01
(45)【発行日】2023-08-09
(54)【発明の名称】マルチスポットレーザプローブのマルチコアファイバ
(51)【国際特許分類】
A61F 9/008 20060101AFI20230802BHJP
【FI】
A61F9/008 150
A61F9/008 151
(21)【出願番号】P 2020531780
(86)(22)【出願日】2018-12-12
(86)【国際出願番号】 IB2018059979
(87)【国際公開番号】W WO2019116285
(87)【国際公開日】2019-06-20
【審査請求日】2021-11-19
(32)【優先日】2017-12-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-01-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-02-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】319008904
【氏名又は名称】アルコン インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】チェンコアン テャオ
(72)【発明者】
【氏名】アリレザ ミルセパッシ
(72)【発明者】
【氏名】ロナルド ティー.スミス
(72)【発明者】
【氏名】マーク ハリソン ファーリー
(72)【発明者】
【氏名】ディーン リチャードソン
【審査官】細川 翔多
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-513454(JP,A)
【文献】国際公開第2010/143402(WO,A1)
【文献】特開昭61-257638(JP,A)
【文献】特開2017-170171(JP,A)
【文献】特表2013-509273(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0265602(US,A1)
【文献】特表2003-518395(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 9/008
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによって把持するための形状及びサイズにされたプローブ本体、
目に挿入するように構成されたカニューレを含むプローブチップ、
前記カニューレにおいて、その遠位端部分に配置された屈折率分布型(GRIN)レンズ、
少なくとも部分的に前記カニューレを通して延在するマルチコア光ファイバケーブル(MCF)
を含むマルチスポットレーザプローブであって、前記MCFは、
複数のコアと、
溶融シリカから形成されたクラッドであって、前記複数のコアを取り囲み、前記複数のコアの1つ又は複数の屈折率は、前記クラッドの屈折率よりも大きい、クラッドと、
前記クラッド
の外周を取り囲む被覆と、
前記GRINレンズとの界面に配置された遠位端と
を含み
、前記GRINレンズは、前記MCFの前記遠位端から
のレーザ光を
変換して、標的面上にレーザビームのマルチスポットパターンを作り出すように構成される、マルチスポットレーザプローブ。
【請求項2】
前記複数のコアは、レーザシステムの回折光学素子(DOE)からの2×2マルチスポットパターンに合致するように構成された2×2アレイを形成する、請求項1に記載のマルチスポットレーザプローブ。
【請求項3】
前記MCFの前記遠位端は、前記界面において正圧で前記GRINレンズに当接する、請求項2に記載のマルチスポットレーザプローブ。
【請求項4】
前記MCFの前記遠位端は、エアギャップによって前記GRINレンズから分離される、請求項2に記載のマルチスポットレーザプローブ。
【請求項5】
前記被覆の一部は、前記MCFの前記遠位端の長さから除外されている、請求項1に記載のマルチスポットレーザプローブ。
【請求項6】
前記MCFから除去された前記被覆の前記一部の前記長さは、前記MCFの前記遠位端から近位側に延在する
0.5mm~5.0mmの範囲内である、請求項5に記載のマルチスポットレーザプローブ。
【請求項7】
前記クラッドを取り囲む第2のクラッドをさらに含み、前記第2のクラッドは、ポリマーを含み、前記被覆は、前記第2のクラッドを取り囲み、前記被覆は、ポリマーを含む、請求項1に記載のマルチスポットレーザプローブ。
【請求項8】
クラッド及び前記クラッド
の外周を取り囲む被覆によって取り囲まれる複数のコアを含むマルチコア光ファイバケーブル(MCF)であって、前記複数のコアの1つ又は複数の屈折率は、前記クラッドの屈折率よりも大きい、マルチコア光ファイバケーブル(MCF)と、
前記MCFの遠位端に結合されたプローブチップを含むプローブと、
前記プローブチップの遠位端に配置されたレンズと
を含むマルチスポットレーザプローブであって、
前記レンズは、前記MCFの前記遠位端から
のレーザ光を
変換して、標的面上にレーザビームのマルチスポットパターンを作り出すように構成され、及び
前記MCFの前記遠位端は、前記レンズとの界面で終端する、マルチスポットレーザプローブ。
【請求項9】
前記被覆は、ポリイミド被覆を含み、
前記複数のコアは、ゲルマニウム添加シリカを含み、及び
前記クラッドは、溶融シリカを含む、請求項8に記載のマルチスポットレーザプローブ。
【請求項10】
前記被覆の一部は、前記MCFの前記遠位端の長さから除外されている、請求項8に記載のマルチスポットレーザプローブ。
【請求項11】
前記複数のコアは、レーザシステムの回折光学素子(DOE)からの2×2マルチスポットパターンに合致するように構成される2×2アレイを形成する、請求項8に記載のマルチスポットレーザプローブ。
【請求項12】
前記プローブチップは、目に挿入するように構成されたカニューレを含み、前記MCFの前記遠位端及び前記レンズは、前記カニューレ内に配置される、請求項8に記載のマルチスポットレーザプローブ。
【請求項13】
前記レンズは、屈折率分布型(GRIN)レンズを含み、前記MCFの前記遠位端は、正圧で前記GRINレンズに当接する、請求項8に記載のマルチスポットレーザプローブ。
【請求項14】
前記レンズは、屈折率分布型(GRIN)レンズを含み、前記MCFの前記遠位端は、ギャップによって前記GRINレンズから分離される、請求項8に記載のマルチスポットレーザプローブ。
【請求項15】
前記クラッドを取り囲む第2のクラッドをさらに含み、前記第2のクラッドは、ポリマーを含み、前記被覆は、前記第2のクラッドを取り囲み、前記被覆は、ポリマーを含む、請求項8に記載のマルチスポットレーザプローブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、マルチスポットレーザプローブに関し、より詳細には、マルチコア光ファイバケーブルを有する手術用プローブを介してマルチスポットレーザ光線を送達するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多岐にわたる医療処置において、レーザ光は、処置を支援するため及び患者の生体構造を治療するために使用される。例えば、レーザ光凝固術において、レーザプローブは、網膜のレーザ熱傷スポットで血管を焼灼するために使用される。特定のタイプのレーザプローブは、複数のスポットを同時に焼き、これは、より速く且つより効率的な光凝固術をもたらすことができる。これらのマルチスポットレーザプローブの幾つかは、レーザスポットパターンを示す複数のレーザビームに単一のレーザビームを分割し、対応するファイバパターンを示す光ファイバのアレイにこれらのビームを送達する。一般的に、ファイバは、ファイバパターンがレーザスポットパターンに合致するように厳密に実装されるべきである。また、レーザスポットパターンは、ファイバパターンに正確にアライメントされるべきである。
【0003】
レーザ熱傷スポットで血管を焼灼することに加えて、レーザは、視覚を提供する網膜に存在する桿体視細胞及び錐体視細胞の一部に損傷も与え、視力に影響を与える可能性がある。視覚は、網膜の中心の黄斑部で最も鋭いため、外科医は、レーザ熱傷スポットが網膜の周辺部で生じるようにレーザプローブを配置する。このようにして、一部の周辺視野が中心視野を維持するために犠牲にされることがある。処置中、光凝固術が行われる網膜エリアが照明されるように、外科医は、焼かない照準ビームを用いてプローブを駆動する。低出力赤色レーザダイオードが利用できることにより、照準ビームは、一般に、低出力赤色レーザ光である。外科医は、所望の網膜スポットを照明するようにレーザプローブを配置すると、足踏ペダル又は他の手段を用いてレーザを作動させて、照明されたエリアの光凝固術を行う。ある網膜スポットを焼き終えると、外科医は、照準光を用いて新しいスポットを照明するためにプローブを再配置し、レーザを作動させ、プローブを再配置し、網膜に所望の数の焼かれたレーザスポットが分布されるまでこれを繰り返す。
【0004】
糖尿病性網膜症の場合、汎網膜光凝固術(PRP)処置が行われる場合があり、PRPの必要とされるレーザ光凝固術の数は、一般的に大きい。例えば、1,000~1,500のスポットが通常焼かれる。従って、レーザプローブが、同時に複数のスポットを焼くことが可能なマルチスポットプローブであれば、光凝固術処置がより速くなる(レーザ源出力が十分であると仮定する)ことを容易に理解することができる。その結果、マルチスポット/マルチファイバレーザプローブが開発されており、参照により本明細書にその全体が援用される米国特許第8,951,244号明細書及び第8,561,280号明細書に記載されている。
【0005】
硝子体網膜処置も、目の内部及び網膜組織上に向けられた照明光から恩恵を受ける。硝子体網膜の外科医は、多くの場合、レーザ照準ビーム及びレーザ治療ビームを送達するためのレーザプローブを使用すると共に、患者の生体構造を見るために照明光線を網膜表面上に向けるための追加の器具も使用する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
ある実施形態によれば、本開示は、ユーザによって把持するための形状及びサイズにされたプローブ本体と、目に挿入するように構成されたカニューレを含むプローブチップと、カニューレにおいて、その遠位端部分に配置された屈折率分布型(GRIN)レンズと、少なくとも部分的にカニューレを通して延在するマルチコア光ファイバケーブル(MCF)とを含むマルチスポットレーザプローブに向けられる。MCFは、ゲルマニウム添加シリカから形成された複数のコアと、溶融シリカから形成されたクラッドと、クラッドを取り囲む被覆と、GRINレンズとの界面に配置された遠位端とを含み得る。クラッドは、複数のコアを取り囲み得る。複数のコアの1つ又は複数の屈折率は、クラッドの屈折率よりも大きいことができる。被覆の一部は、MCFの遠位端の長さから除外され得、及びGRINレンズは、MCFの遠位端からレーザ光を平行移動させて、標的面上にレーザビームのマルチスポットパターンを作り出すように構成され得る。
【0007】
別の実施形態は、クラッド及びクラッドを取り囲む被覆によって取り囲まれる複数のコアを含むMCFと、プローブとを含むマルチスポットレーザプローブに向けられる。プローブは、MCFの遠位端に結合されたプローブチップを含み得る。マルチスポットレーザプローブは、プローブチップの遠位端に配置されたレンズも含み得る。レンズは、MCFの遠位端からレーザ光を平行移動させて、標的面上にレーザビームのマルチスポットパターンを作り出すように構成され得る。MCFの遠位端は、レンズとの界面で終端し得る。複数のコアの1つ又は複数の屈折率は、クラッドの屈折率よりも大きいことができる。
【0008】
さらなる実施形態は、マルチスポットレーザビームパターンを付与する方法に向けられる。本方法は、レーザ源によってレーザ光線を生成することと、レーザ光線をコリメートさせることと、レーザ光線のマルチスポットレーザパターンを作り出すように構成された回折光学素子(DOE)にコリメートされたレーザ光線を向けることと、レーザ光線のマルチスポットパターンをMCFの近位端の界面内に集束させることとを含み得る。レーザ光線のマルチスポットレーザパターンの各レーザ光線は、MCFの複数のコアの1つに伝送され得る。レーザ光線は、MCFのコアに沿って伝搬され得る。複数のコアは、クラッドによって取り囲まれ得、及びクラッドは、被覆によって取り囲まれ得る。複数のコアのそれぞれの屈折率は、クラッドの屈折率よりも大きいことができ、及び被覆の一部は、MCFの遠位端の長さから除外され得る。本方法は、レーザ光線のマルチスポットパターンをMCFの遠位端に伝送すること、及び手術用プローブの遠位先端のレンズを通るようにレーザ光線のマルチスポットパターンを指向させることも含み得る。
【0009】
本開示の様々な実施形態は、以下の特徴の1つ又は複数を含み得る。複数のコアは、レーザシステムの回折光学素子(DOE)からの2×2マルチスポットパターンに合致するように構成され得る2×2アレイを形成し得る。MCFの遠位端は、界面において正圧でGRINレンズに当接し得る。MCFの遠位端は、エアギャップによってGRINレンズから分離され得る。被覆の一部の長さは、MCFから除去され得、その長さは、MCFの遠位端から近位側に延在する0.5mm~5.0mmの範囲内であり得る。MCFから除去される被覆の一部の長さは、MCFの遠位端から近位側に延在する1.0mm~3.0mmの範囲内であり得る。
【0010】
本開示の様々な実施形態は、以下の特徴の1つ又は複数も含み得る。被覆の一部は、MCFの遠位端の長さから除外され得る。MCFの遠位端の長さから除外される被覆の長さは、1.0mm~3.0mmの範囲内であり得る。複数のコアは、レーザシステムの回折光学素子(DOE)からの2×2マルチスポットパターンに合致するように構成される2×2アレイを形成し得る。レンズは、GRINレンズを含み得、及びMCFの遠位端は、正圧でGRINレンズに当接し得る。レンズは、GRINレンズを含み得、及びMCFの遠位端は、ギャップによってGRINレンズから分離され得る。プローブチップは、目に挿入するように構成されたカニューレを含み得る。MCFの遠位端及びレンズは、カニューレ内に配置され得る。MCFにおける被覆の一部は、除外され得、それによりマルチスポットレーザプローブの出力処理特性が向上する。レンズは、プローブチップの遠位端に配置され得、GRINレンズを含み得る。MCFの遠位端は、正圧でGRINレンズに当接し得る。MCFの遠位端は、エアギャップによってGRINレンズから分離され得る。被覆は、ポリイミド被覆を含み得る。複数のコアは、ゲルマニウム添加シリカを含み得る。クラッドは、溶融シリカを含み得る。
【0011】
本技術、その特徴及びその利点のより詳細な理解のために、添付の図面と併せて以下の説明が参照される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本発明の特定の実施形態による、手術標的に送達するためのレーザ光線のマルチスポットパターンを生成するための例示的システムを示す。
【
図2】
図2は、本発明の特定の実施形態による例示的マルチスポットレーザプローブを示す。
【
図3】
図3は、本発明の特定の実施形態による、非照明マルチスポットレーザプローブと共に使用する例示的マルチコア光ファイバケーブル(MCF)の端部を示す。
【
図4】
図4は、本発明の特定の実施形態による、非照明マルチスポットレーザプローブと共に使用する例示的マルチコア光ファイバケーブル(MCF)の端部を示す。
【
図5】
図5は、本発明の特定の実施形態による、照明マルチスポットレーザプローブと共に使用する例示的MCFの端部を示す。
【
図6】
図6は、本発明の特定の実施形態による、例示的マルチスポットレーザプローブチップの遠位端部分の部分断面詳細図である。
【
図7A-B】
図7A-Bは、マルチコアファイバケーブルレーザプローブの様々な利点及び恩恵を強調するために、MCFレーザプローブの態様と比較して、本発明の特定の実施形態によるマルチスポット/マルチファイバレーザプローブの様々な態様を示す。
【
図7C-D】
図7C-Dは、マルチコアファイバケーブルレーザプローブの様々な利点及び恩恵を強調するために、MCFレーザプローブの態様と比較して、本発明の特定の実施形態によるマルチスポット/マルチファイバレーザプローブの様々な態様を示す。
【
図7E1-F2】
図7E1-F2は、マルチコアファイバケーブルレーザプローブの様々な利点及び恩恵を強調するために、MCFレーザプローブの態様と比較して、本発明の特定の実施形態によるマルチスポット/マルチファイバレーザプローブの様々な態様を示す。
【
図8】
図8は、本発明の特定の実施形態による、手術用レーザシステムによって行われる例示的動作を示す。
【
図9】
図9は、本発明の特定の実施形態による、レーザ光線のマルチスポットパターンを生じさせるように動作可能な例示的マルチスポットレーザプローブの遠位端部分を示す。
【
図10】
図10は、本発明の特定の実施形態による、凸状端部を有するレンズがMCFの遠位端と保護窓との間に配置される別の例示的マルチスポットレーザプローブの遠位端部分を示す。
【
図11】
図11は、本発明の特定の実施形態による、レンズとアライメントされたMCFの露出端部を示す例示的マルチスポットレーザプローブの露出端部の側面図である。
【
図12】
図12は、MCFとカニューレの内壁との間に形成された環状ギャップの結果としてレンズとミスアライメントされたMCFの露出端部を示す。
【
図13】
図13は、本発明の特定の実施形態による、MCFの露出端部においてMCFの内側クラッドの周りに形成された環状ギャップ内に配置されたリングを示す。
【
図14】
図14は、本発明の特定の実施形態による、カウンタボアを備えた別の例示的マルチスポットレーザプローブのカニューレを示す。
【
図15】
図15は、本発明の特定の実施形態による、MCFの露出端部のアライメントがカニューレの減少内径によって提供される例示的マルチスポットレーザプローブを示す。
【
図16】
図16は、本発明の特定の実施形態による、アセンブリ中のMCFの遠位端に対する損傷の潜在的リスクを示す。
【
図17】
図17は、本発明の特定の実施形態による、MCFの遠位端及びレンズのアライメントを維持するための例示的マルチスポットレーザプローブのカニューレのくびれ部分の形成を示す。
【
図18】
図18は、本発明の特定の実施形態による、MCFの遠位端及びレンズのアライメントを維持するための例示的マルチスポットレーザプローブのカニューレのくびれ部分の形成を示す。
【
図19】
図19は、本発明の特定の実施形態による、マルチスポットレーザプローブを製造するための例示的動作を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の説明では、開示の主題の理解を促すために例として詳細を記載する。しかし、開示の実装形態は、例示的なものであり、全ての可能な実装形態を網羅するものではないことが当業者に明らかとなるはずである。従って、記載した例への言及は、本開示の範囲を限定することを意図されないことが理解されるものとする。本開示に関連する当業者が通常想到するように、記載したデバイス、器具、方法及び本開示の原理のさらなる適用例に対するあらゆる改変形態及びさらなる変更形態が完全に企図される。具体的には、ある実装形態に関して記載される特徴、コンポーネント及び/又はステップは、本開示の他の実装形態に関して記載される特徴、コンポーネント及び/又はステップと組み合わされ得ることが完全に企図される。
【0014】
本開示は、照明及び非照明マルチコアレーザプローブ並びにそれらに関連するシステム及び方法を記載する。
図1は、特定の実施形態による、レーザ光線のマルチスポットパターンを作り出すための例示的システム100を示す。
【0015】
システム100は、眼科処置中に使用され得るレーザビームを生成するための1つ又は複数のレーザ源を備えた手術用レーザシステム102を含む。例えば、眼科手術用レーザシステム102は、第1の波長(例えば、約532ナノメートル(nm))を有する手術治療ビームと、第2の波長(例えば、約635nm)を有するレーザ照準ビームとを交互に生成することができる。外科医又は手術スタッフなどのユーザは、レーザ照準ビームの照射及び患者の生体構造を治療する(例えば、光凝固術を行う)ための治療ビームの発射を交互に行うように、手術用レーザシステム102を(例えば、足踏スイッチ、声による指示などにより)制御することができる。ある場合には、手術用レーザシステム102は、ポートを備え得、レーザビームは、手術用レーザシステム102のポートを通して照射され得る。手術用レーザシステム102は、レーザ源のレーザ光線からレーザ光線のマルチスポットパターンを作り出すための光学素子(不図示)を含むレーザシステムポートアダプタを備え得る。
【0016】
システム100は、マルチコア光ファイバケーブル(MCF)110を介してポートから手術用プローブ108に多重化光線を送達することができる。プローブ108は、患者の目125の網膜120に送達されるレーザ光線のマルチスポットパターンを生じさせることができる。プローブ108は、MCF110の収納及び保護を行うプローブ本体112及びプローブチップ140を備える。プローブチップ140の遠位端部分145は、MCF110の遠位端から網膜120上に多重化光線を平行移動させるレンズ(不図示、以下により詳細に記載する)も含む。
【0017】
レーザ光線のマルチスポットパターンを作り出すため及び照明光線を用いてレーザ光線のマルチスポットパターンを多重化するために様々なシステム及び方法が用いられ得る。場合により、ポートアダプタは、マルチスポットパターンを作り出し、且つ/又は光線を多重化するように動作可能な光学素子を含み得る。幾つかの実装形態では、手術用レーザシステム102は、雌形チムニーポート(不図示)も備え得、ポートアダプタは、雌形チムニーポートの雄形カップリングとして機能するフェルールを備え得る。フェルールは、手術用レーザシステム102からのレーザ光が入ることを可能にする開口と、レーザ源から受け取ったレーザ光をコリメートさせるための1つ又は複数の光学素子とを備え得る。幾つかの例では、フェルールの光学素子は、光学素子が、回折光学素子(DOE)に隣接する選択された距離をおいて、フェルールの開口で受け取ったレーザ光をコリメートさせるように選択された長さ及びピッチを有する屈折率分布型(GRIN)レンズであり得る。他の例では、光学素子は、幾つかの他のタイプのレンズ(例えば、球面レンズ、非球面レンズ、両凸ガラスレンズなど)の1つであり得る。DOEは、レーザ光線のマルチスポットレーザパターンの各レーザ光線が、MCF内に含まれる複数のコアのうちの選択されたコアの全長に沿って手術用プローブの遠位端に伝搬するように、MCFの近位端の界面にレーザ光線のマルチスポットパターンを集束させることができる。
【0018】
動作中、手術用レーザシステム102のレーザ源は、レーザ光線を生成する。手術用レーザシステム102のコリメータ系は、レーザ光をコリメートさせ、これは、レーザ光線のマルチスポットレーザパターンを作り出すように構成された回折光学素子に向けられる。次に、マルチスポットレーザパターンは、レーザ光線のマルチスポットレーザパターンの各レーザ光線が、MCF110内に含まれる複数のコアのうちの選択されたコアの全長に沿って伝搬されるように、MCFの近位端の界面上にマルチスポットパターンを集束させるために、手術用レーザシステム102の集光レンズ及び集束系に向けられる。レーザ光線のマルチスポットパターンは、MCF110により、MCF110の遠位端に配置されるプローブ108に伝送される。レーザ光線のマルチスポットパターンは、MCF110を出て、プローブ108の遠位端部分145でレンズを通して伝送される。プローブ108を出たレーザ光線のマルチスポットパターンは、目125の網膜120上に投影させることができる。
【0019】
図2は、
図1のプローブチップ140の実施形態をより詳細に示す。上記の通り、プローブ108は、ユーザによって把持するための形状及びサイズにされたプローブ本体112を備える。プローブ本体112から延在するのは、プローブチップ140であり、これは、スリーブ251及びカニューレ250を含む。図示のように、カニューレ250は、スリーブ251の遠位端によって部分的に収納され、且つスリーブ251の遠位端を越えて延在する。図示した例では、プローブチップ140は、直線部分216(例えば、スリーブ251及びカニューレ250の直線部)と、曲線部分218(例えば、カニューレ250の曲線部)とを含む。他の実装形態では、プローブチップ140は、他の形状を有し得る。例えば、ある場合には、プローブチップ140は、全体的に直線状であり得るか、2つ以上の曲線部分を含み得るか、全体的に曲線状であり得るか、又は任意の所望の様式で成形され得る。
【0020】
プローブチップ140は、例えば、ステンレス鋼、チタン、ニチノール及び白金を含む1つ又は複数の材料から形成され得る。幾つかの例では、プローブチップ140の第1の部分(例えば、直線部分216)は、第1の材料を含み得、プローブチップ140の第2の部分(例えば、曲線部分218)は、第2の材料を含み得る。ある場合には、第1の材料は、第2の材料と異なり得る。例えば、ある場合には、第1の材料は、ステンレス鋼(例えば、管状ステンレス鋼)を含み得、第2の材料は、ニチノール(例えば、管状ニチノール)を含み得る。プローブチップ140の遠位端部分145は、外科的処置を行うために目に挿入することができる。
【0021】
図3及び
図4は、例示的MCF300(例えば、MCF110に類似する)の遠位端を異なる角度から示す。MCF300は、溶融シリカから形成され得るクラッド304内に配置された複数のコア302を備える。上述の手術用レーザシステム102などのレーザ光源によって提供されるレーザ光は、複数のビームに分割され得る。各ビームは、MCF300のコア302の1つに向けられる。従って、各コア302は、MCF300の長さに沿って光線の1つを伝導する。幾つかの実装形態では、コア302に沿って進むレーザ光が、コア302内に包含され、コア302からクラッド304内に漏れ出ることを防止するように、コア302は、例えば、ゲルマニウム添加シリカから構築され得、クラッド304は、溶融シリカから構築され得る。例えば、コア302の1つ又は複数の屈折率は、クラッド304の屈折率よりも大きいことができる。
【0022】
図示した例では、4つのコア302が示されるが、本開示の範囲は、それに限定されない。より正確に言えば、他の実装形態において、MCF300は、より少ない数のコア302を備え得、他の実装形態は、5つ以上のコア302を備え得る。幾つかの実装形態では、MCF300は、2つ、4つ又はそれよりも多い内部コア302を備え得、幾つかの例では、コア302は、手術用レーザシステム102などの手術用レーザシステムに配置され得る回折光学素子によって生成される2×2マルチスポットパターンに合致する2×2アレイを形成し得る。被覆306は、クラッド304の上に形成される。ある場合には、被覆306は、ポリイミド被覆であり得る。他の場合、被覆306は、アクリレートなどの他の材料から形成され得る。幾つかの実装形態では、被覆306の屈折率は、クラッド304の屈折率よりも大きいか、小さいか、又はクラッド304の屈折率と同じであり得る。
【0023】
特定の実施形態では、各コア302の直径は、約75+/-2μmであり得、クラッド304の外径は、約295+/-5ミクロン(μm)であり得、被覆506の外径は、約325+/-5μmであり得る。特定の実施形態では、2つの隣接するコア302の中心は、互いから約126+/-5μm離れ得、互いに対角線上にある2つのコア302の中心間の距離は、約178+/-5μmであり得る。
【0024】
図3及び
図4の例では、MCF300は、非照明MCFである。すなわち、各コア302は、光(例えば、レーザ光)を伝導するように適応されるが、クラッド304自体は、治療部位で一般照明に使用される光を伝導するために利用されない。
【0025】
図5は、MCF500として示される照明MCFの一例を示す。MCF500は、溶融シリカから形成され得る内側クラッド504内に配置された複数のコア502を備える。コア502は、上記のコア302に類似して動作する。図示した例では、4つのコア502が示されるが、本開示の範囲は、それに限定されない。より正確に言えば、他の実装形態において、MCF500は、より少ない数のコア502を備え得、他の実装形態は、5つ以上のコア502を備え得る。幾つかの実装形態では、MCF500は、2つ、4つ又はそれよりも多い内部コア502を備え得、幾つかの例では、コア502は、手術用レーザシステム102などの手術用レーザシステムに配置され得る回折光学素子によって生成される2×2マルチスポットパターンに合致する2×2アレイを形成し得る。外側クラッド506は、内側クラッド504の上に形成される。MCF500は、外側クラッド506の上に形成された被覆508も備える。被覆508は、ジャケットを意味し得る。ある場合には、外側クラッド504及び被覆508は、ポリマー材料から形成され得る。
【0026】
照明MCFは、治療用の標的レーザ光に対して、一般照明用の光が、治療部位で一般照明を提供するためにMCFのクラッドを通して伝送されるものである。従って、治療用のレーザ光に対して、一般照明を治療部位で提供するために、内側クラッド504は、それに沿って光を伝送するために利用され得る。照明MCF500では、外側クラッド506の屈折率は、内側クラッド504の屈折率よりも小さいことができる。硬質シリカクラッドであり得る外側クラッド506は、高温で安定しない場合があるポリマー材料から形成され得る。従って、外側クラッド506の一部は、下記で説明するように、MCF500が含まれるプローブの出力処理能力を向上させるために、レンズとの界面付近でMCF500から剥ぎ取られ得るか又は別の方法で除去され得る(例えば、約0.5~5mm)。特定の実施形態では、被覆508は、MCF500の遠位端から測定して約50ミリメートル(mm)の長さ分だけ除去される。この長さは、カニューレ(例えば、カニューレ250)の長さに相当し得る。被覆508が装着された状態では、MCF500は、カニューレの内径よりも大きい外径を有し得るため、MCF500がカニューレ内に収まることを可能にするために被覆508が除去され得る。
【0027】
特定の実施形態では、各コア502の直径は、約75+/-2μmであり得、内側クラッド504の外径は、295+/-5μmであり得、外側クラッド506の外径は、325+/-5μmであり得、及び被覆508の外径は、425+/-30μmであり得る。特定の実施形態では、2つの隣接するコア502の中心は、互いから約126+/-5μm離れ得、互いに対角線上にある2つのコア502の中心間の距離は、約178+/-5μmであり得る。
【0028】
図6は、
図2に示すプローブチップ140の遠位端部分145の部分断面詳細図である。なお、プローブチップ140の遠位端部分145は、カニューレ250の遠位端部分でもあり得る。上記の通り、カニューレ250を含むプローブチップ140は、例えば、ステンレス鋼、チタン、ニチノール又は白金などの1つ又は複数の材料から形成され得る。照明MCF(例えば、上記のMCF500)又は非照明MCF(上記のMCF300)であり得るMCF600は、プローブチップ140のカニューレ250を通して延在し、それぞれ
図3及び
図5のコア302及び502に類似して動作し得る複数のコア602を備える。上記で説明した通り、MCF600は、例えば所望の数のレーザビームを提供するためにより少ないコア又は追加のコアを備え得るが、図示した例では、MCF600は、4つのコア602を備える。説明目的でMCF600を非照明MCFとして記載する。しかし、本開示の範囲は、照明MCFも含む。
【0029】
MCF600の遠位端部分604は、プローブチップ140の遠位端部分145に配置され、以下により詳細に説明される。遠位端部分604は、レンズ608との界面606で終端する。界面606は、レンズ608を通して、MCF600の遠位端から多重化マルチスポットレーザパターンのジオメトリを標的面(例えば、治療部位の組織)上に平行移動させるように構成され得る。
【0030】
MCF600の外側クラッド610の一部は、MCF600の遠位端616において除去され(例えば、剥ぎ取りにより)、それによってクラッド612が露出される。その結果、界面606において、MCF600のクラッド612が露出される。ある場合には、熱問題(例えば、MCF600及びレンズ608の界面における温度上昇)を軽減するか又はなくすことによりレーザプローブの性能を向上させるために、外側クラッド610は、MCF600の遠位端616から測定した長さL分だけ除去又は除外され得る。例えば、MCF600とレンズ608との間の界面606における外側クラッド610の除去は、プローブ108の出力処理特性を向上させる。すなわち、外側クラッド610の除去により、プローブ108を通過するレーザ光の出力レベルは、界面606において外側クラッド610がMCF600から除去されない場合にプローブ108を通過可能なレーザ光の出力レベルよりも大きくなり得る。その結果、外側クラッド610が説明したように除去された状態では、プローブ108(特に界面606における)のより高い熱負荷が可能である。
【0031】
ある場合には、長さLは、0.5mm~5.0mmの範囲内であり得る。ある場合には、長さLは、1.0mm~3.0mmの範囲内及びその中の何れの長さでもあり得る。具体的には、ある場合には、長さLは、1.0mm、1.5mm、2.0mm、2.5mm又は3.0mmであり得る。さらに、長さLは、これらの値の間の何れの長さでもあり得る。界面606において、MCF600の遠位端面618は、レンズ608の近位端面614に当接し得る。他の場合、MCF600の遠位端面618は、レンズ608の近位面614からオフセットされ得る。
【0032】
特定の実装形態では、MCF600の遠位端616に形成された遠位端面618は、正圧でレンズ608の近位端面614に当接し得る。他の実装形態では、MCF600の遠位端面618は、エアギャップによってレンズ608の近位端面614から分離され得る。さらに他の実装形態では、MCF600とレンズ608との間の界面606において、1つ又は複数の光学的に透過性の素子又は材料が置かれ得る。幾つかの実装形態では、レンズ608は、GRINレンズ、球面レンズ又は非球面レンズであり得る。さらに他の実装形態では、レンズ608は、光学的に透明な材料から形成されたレンズ群であり得る。
【0033】
レンズ608は、明らかに透明なガラス又はセラミックから形成された1つ又は複数のレンズを含み得る。例えば、レンズ608の1つ又は複数のレンズを形成するために使用される材料は、溶融シリカ、ホウケイ酸塩又はサファイアを含み得る。幾つかの実装形態では、レンズ608は、MCF600の遠位端616から1つ又は複数のレーザビームを受け取り、受け取ったレーザビームをプローブチップ140の遠位先端620に中継するように動作可能な単一素子円柱GRINロッドレンズを含み得る。ある場合には、プローブチップ140の遠位先端620は、レンズ608の遠位端にも対応し得る。他の場合、保護窓がレンズ608の遠位端とプローブチップ140の遠位先端620との間に配置され得る。さらに他の実装形態では、窓は、プローブチップ140の遠位先端620から延在し得る。
【0034】
非照明タイプであることに関連してMCF600を説明したが、本開示の範囲は、それに限定されない。より正確に言えば、本明細書に記載する概念は、照明MCFに対して等しく適用可能である。従って、MCF600は、
図5のMCF500に類似した照明MCFであり得る。
【0035】
図7A~D、E1~E2及びF1~F2は、本明細書に開示するようなMCFレーザプローブの様々な利点及び恩恵を強調するために、マルチスポット/マルチファイバレーザプローブの実施形態をMCFレーザプローブと比較する。
図7A~7Bは、マルチスポット/マルチファイバレーザプローブ(不図示)において使用され得る複数のファイバ710を示し、各ファイバ710は、単一のレーザビームを伝導するために使用される。より詳細には、
図7Aは、マルチルーメンチューブ760(例えば、マイクロスペーサ)内に収納されたファイバ710の正面図を示す。図示のように、マルチルーメンチューブ760は、4つのトンネル形状通路又は孔716を含み、4つのトンネル形状通路又は孔716のそれぞれがファイバ710を収納する。接着剤715を使用して、各ファイバ710を対応する孔716に接着させる。
図7Bは、カニューレ750から延在するファイバ710の側面図を示す。なお、
図7Aのマルチルーメンチューブは、
図7Bには示されない。
【0036】
一般事項として、マルチスポット/マルチファイバレーザプローブの製造中、複数の個々のファイバ710を正確に制御することは難しい。マルチスポット/マルチファイバレーザプローブの設計は、必要とされる高い結合効率で複数のレーザビームを受け取るために、フェルールの内径(ID)における複数の個々のファイバ710の正確なアライメントを必要とし得る。例えば、ポリイミドチューブを使用して、複数の個々のファイバ710が扱われ、各ファイバ710は、個々に剥ぎ取られ、これは、多大な時間を要し得る。剥ぎ取り後、複数のファイバ710がマルチルーメンチューブ760の対応する孔に挿入され、これは、難しく且つ時間がかかり得る。さらに、ファイバ710は、個々に劈開され、ポリイミドチューブ及びマルチルーメンチューブ760に引き戻され、ストッパによって面一にされ、且つ接着剤時にUVによって1つに接着される。次いで、アセンブリは、高温で接着安定性を向上させるために二次熱硬化を受ける。マルチスポット/マルチファイバ設計に関連するこの製造プロセスは、複雑であり且つ時間がかかる。また、個々のファイバと、マルチルーメンチューブ760における対応する孔又はハウジング716との間で使用される接着剤715は、熱損傷を受けやすい場合があり、プローブの故障を誘発し得る。
【0037】
図7A及び7Bに対して、
図7C及び7Dは、
図4~6に示したMCF300、500及び600に類似するMCF720を示す。より詳細には、
図7Cは、MCF720の正面図を示し、MCF720は、被覆724によって覆われるクラッド704に埋め込まれた複数のコア702を含む。
図7Dは、カニューレ752から延在するMCF720の側面図を示す。図示のように、マルチスポット/マルチファイバレーザプローブの複数のファイバ710に対して、MCF720は、それぞれがレーザビームを伝送する複数のコア702を有する単一ファイバである。
【0038】
MCF720などのMCFを組み込んだレーザプローブは、コア702がクラッド704内に埋め込まれ、単一の光ファイバ内に包含されるため、コア702間で接着剤の使用を必要としない。その結果、MCFを含むレーザプローブは、かなり向上した出力処理能力を有し得る。また、MCFレーザプローブのアセンブリは、単一のファイバのみが製造中にアライメントされ、且つ処理される必要があるため、比較的単純である。その結果、アセンブリ中に複数の個々のファイバを扱うためにポリイミドチューブ及びマルチルーメンチューブを使用する必要がなく、単一のMCF720を剥ぎ取ることは、マルチスポット/マルチファイバプローブの複数の個々のファイバ710を剥ぎ取ることよりもかかる時間がかなり少ない。
【0039】
さらに、レーザプローブにおけるMCFの利用は、伝搬されるビームの方向を厳密に制御することを可能にし得る。より詳細には、MCFの使用は、レーザプローブによって伝搬されるビームが厳密に制御され、カニューレの内面に向かないことを確実にし得る。マルチスポット/マルチファイバレーザプローブの複数のファイバに関連するレーザビームパターンと、MCFのコアに関連するレーザビームパターンとの間の比較を
図7E1~E2及び
図7F1~F2に示す。
【0040】
図7E1は、マルチルーメンチューブ760内の複数のファイバ710を含むファイバアセンブリの遠位端のファイバパターンを示す。
図7E2は、
図7E1のファイバパターンに対応したレーザビームスポット772を含むレーザビームパターン770を示す。図示のように、ファイバ710の幾つか(例えば、右上コア及び右下コア)は、マルチルーメンチューブ760の通路716内で中心に位置せず、これは、
図7E2に示すように、これらのファイバ710が、外側に歪み得るビームを伝搬する結果となる。場合により、ファイバ710の幾つかは、ファイバ710の外径と、マルチルーメンチューブ760の通路716の内径との間のゆるい許容誤差により、対応する通路716内で中心に位置せず、代わりにファイバ710がカニューレ(不図示)の内面に向くことが生じ得る。その結果、ファイバ710によって伝搬されるビームも、直線の方向に患者の目に向けられる代わりにカニューレの内面に向く。これは、ビームがレーザプローブのレンズ(例えば、レンズ608)を通らず、カニューレの内面に吸収されることを生じさせ、これは、カニューレの過熱を生じさせ得る。加えて、対応する通路716内で中心に位置しないファイバ710は、対応する4つのビームスポット間で望ましくない均一性をもたらす。
【0041】
図7E1~E2に対して、
図7F1~F2は、それぞれMCFに関連するファイバパターン及びビームパターンを示す。
図7F1は、直線の方向に向き、外側に歪んでいないMCFのコア702を示す。これは、コア702が共にクラッド内に厳密に埋め込まれているためである。その結果、コア702は、
図7F2のビームパターン782に示されるビームスポット782を伝搬することができ、ビームスポット782も、MCFが中に収納されるカニューレ(不図示)の内面に向けられるのではなく、直線の方向に向けられる。そのため、MCFの使用は、レーザプローブのレーザビームパターンの制御(例えば、4つのビームスポット間の望ましい均一性)を向上させ、ビームがカニューレの内面に向いた結果カニューレが過熱することを防止することによって出力処理を高める。
【0042】
従って、開示するMCFレーザプローブ設計は、複雑であり且つ費用のかかる製造要件をなくすことによって製造を単純化し、接着破壊又は複数のファイバの遠位端の接着中のマルチファイバプローブの遠位ファイバアセンブリへの汚染物の混入をなくすことによって出力処理を向上させ、正確にアライメントされたMCFを使用し、複数ファイバアセンブリにおける複数の入力レーザビームと個々のファイバをアライメントさせることに関連する難しさを回避することによって結合効率を高め、レーザビームパターンの制御を向上させる(これは、出力処理もさらに向上させる)ことができる。これら及び他の利点は、本開示を鑑みて当業者に明らかとなるであろう。
【0043】
図8は、本発明の特定の実施形態による、マルチスポットレーザビームパターンを付与する方法におけるステップを示す例示的フローチャート800を示す。特定の実施形態では、動作800は、
図1のMCFレーザプローブ108などのMCFレーザプローブに結合された、
図1の手術用レーザシステム102などのシステムによって行われる。
【0044】
ブロック802では、システムは、レーザ源によってレーザ光線を生成する。上記の通り、レーザ源は、手術用レーザシステム102の一部であり得るか、又は手術用レーザシステム102に結合され得る。
【0045】
ブロック804では、システムがレーザ光線をコリメートさせる。コリメートされたレーザ光線とは、平行光線を有するレーザ光線を意味する。
【0046】
ブロック806では、システムは、レーザ光線のマルチスポットレーザパターンを作り出すように構成された回折光学素子(DOE)にコリメートされたレーザ光線を向ける。DOEは、当業者が認識するように、レーザ光線を成形及び分割するために使用される。
【0047】
ブロック808では、システムは、レーザ光線のマルチスポットパターンを集光レンズに向ける。
【0048】
ブロック810では、レーザ光線のマルチスポットレーザパターンの各レーザ光線がMCFの複数のコアの1つに伝送され、それに沿って伝搬されるように、システムは、レーザ光線のマルチスポットパターンをMCFの近位端の界面内に集束させ、複数のコアは、クラッドによって取り囲まれ、クラッドは、被覆によって取り囲まれ、複数のコアのそれぞれの屈折率は、クラッドの屈折率よりも大きく、被覆の一部は、MCFの遠位端の長さから除外される。
【0049】
例えば、レーザ光線のマルチスポットレーザパターンの各レーザ光線がMCFの複数のコア(例えば、コア302、502、602など)の1つに伝送され、それに沿って伝搬されるように、手術用レーザシステム102は、レーザ光線のマルチスポットパターンをMCF(例えば、MCF110、MCF300、MCF500、MCF600など)の近位端の界面内に集束させ、複数のコアは、クラッド(例えば、クラッド304、504、506、612など)によって取り囲まれ、クラッドは、被覆(例えば、306、508など)によって取り囲まれ、複数のコアのそれぞれの屈折率は、クラッドの屈折率よりも大きく、被覆の一部は、MCFの遠位端の長さ(例えば、
図6において長さLとして示される)から除外される。
【0050】
ブロック812では、システムは、レーザ光線のマルチスポットパターンをMCFの遠位端に伝送する。例えば、システムは、レーザ光線のマルチスポットパターンをMCFの遠位端(例えば、遠位端616)に伝送する。
【0051】
ブロック814では、システムは、手術用プローブ(例えば、プローブ108)の遠位先端(例えば、遠位先端620)のレンズ(例えば、レンズ608)を通るようにレーザ光線のマルチスポットパターンを指向させる。
【0052】
図9は、レーザ光線のマルチスポットパターンを生じさせるように動作可能な別の例示的プローブ901の遠位端部分を示す。図示した例示的プローブ901は、上記のMCF500に類似し得る照明MCF900を備える。その結果、プローブ901は、手術野を照明するための一般照明及び治療部位(例えば、網膜)を治療するための複数のレーザビームの両方を照射するように動作可能である。プローブ901は、多くの点でプローブ108に類似し得る。図示のように、プローブ901は、カニューレ902を備える。カニューレ902は、内部通路942を画定する内面936を含む。MCF900は、カニューレ902の少なくとも一部を通して、レンズ908との第1の界面906に至るまで延在する。MCF900は、レンズ908に当接し得るか、又はギャップ(例えば、空気で満たされたギャップ)がMCF900の遠位端916とレンズ908の近位端914との間に配置され得る。ある場合には、MCF900の遠位端916は、正圧でレンズ908の近位端914に当接し得る。ある場合には、レンズ908は、溶融シリカ、ホウケイ酸塩又はサファイアから形成され得る。ある場合には、レンズ908は、球面レンズであり得る。レンズ908は、MCF900の遠位端から1つ又は複数のレーザビームを受け取り、受け取ったレーザビームをプローブ901の遠位先端920に中継するように動作可能な単一素子円柱GRINロッドレンズなどのGRINレンズであり得る。
【0053】
プローブ901は、レンズ908との第2の界面922から延在する保護窓918も備える。
図9に示すように、保護窓918は、レンズ908に当接する。他の実装形態では、ギャップ(例えば、空気で満たされたギャップ)が保護窓918とレンズ908との間に存在し得る。図示した例では、保護窓918は、カニューレ902の遠位端924を越えて遠位側に延在し、保護窓918の遠位端926は、プローブ901の遠位先端920を画定する。他の実装形態では、保護窓918の遠位端926は、カニューレ902の遠位端924及び保護窓918の遠位端926が実質的に面一となるように、カニューレ902の遠位端924の遠位端とアライメントされ得る。カニューレ902の遠位端924の端部表面及び保護窓918の遠位端926の端部表面の相対位置は、製造許容誤差により僅かに異なり得ることを当業者は認識する。
【0054】
保護窓918は、光学的に安定した高温耐熱材料から形成され得る。ある場合には、保護窓918は、サファイア又はクオーツから形成され得る。ある場合には、保護窓918は、
図9に示すように、平坦な近位端表面を有し得る。他の場合、保護窓918は、凸状近位端表面928を有し得る。そのようなレンズの一例を
図10に示す。
【0055】
図10では、レンズ1008が凸状近位端及び遠位端を有する。レンズ1008は、長手方向に細長いが、他の例では、レンズ1008は、代わりに球面又はボールレンズであり得る。幾つかの実装形態では、
図9に示すレンズ908などの平坦な近位端及び/又は平坦な遠位端を有するレンズは、
図10に示される保護窓に類似した凸状近位端を有する保護窓1018と組み合わせて使用され得る。さらに他の実装形態では、プローブは、
図9に示す保護窓918などの平坦な近位端を有する保護窓と組み合わせて、凸状近位端及び/又は凸状遠位端を含むレンズ(例えば、球面レンズ)又は
図9に示すレンズなどのレンズを備え得る。
【0056】
図9を再び参照すると、MCF900は、
図5に示す外側クラッド506に類似し得る外側クラッド930を備える。外側クラッド930は、MCF900の遠位端916から測定され、且つ近位側に延在する長さL分だけ内側クラッド932から除去され(例えば、剥ぎ取られ)、それにより下層の内側クラッド932が露出される。
【0057】
ある場合には、長さLは、0.5mm~5.0mmの範囲内であり得る。ある場合には、長さLは、1.0mm~3.0mmの範囲内及びその中の何れの長さでもあり得る。具体的には、ある場合には、長さLは、1.0mm、1.5mm、2.0mm、2.5mm又は3.0mmであり得る。さらに、長さLは、これらの値の間の何れの長さでもあり得る。上記で説明したように、外側クラッドの一部の除去は、プローブ中を伝送されるレーザエネルギーの出力レベルを上げることができるように、プローブの熱処理特性を向上させることができる。内側クラッド932の中を通して延在するコア933の一部が示されている。
【0058】
しかし、外側クラッド930の一部が除去された状態では、内側クラッド932とカニューレ902の内面936との間に環状ギャップ934が存在する。環状ギャップ934は、MCF900とレンズ908との間のミスアライメント(すなわち、MCF900がレンズ908から偏心し得る)のリスクを導入する。
図11は、MCF900の露出端部938がレンズ908とアライメントされた、プローブ901の露出端部938の側面図である。MCF900の露出端部938は、外側クラッド930が除去されたMCF900の部分である。
【0059】
しかし、
図12は、環状ギャップ934の結果としてレンズ908とミスアライメントされたMCF900の露出端部938を示す。
図12に示すように、MCF900の露出端部938は、レンズ908と同心ではない。MCF900の露出端部938がレンズ908とミスアライメントされた状態では、その結果生じるレーザスポット及び照明ビームパターンは、もはやカニューレ902と同心ではない。MCF900とレンズ908との間のこのミスアライメントは、一般照明目的で伝搬され、内側クラッド932を通過してカニューレ902の内壁936に当たる光の一部も生じさせ得る。これは、プローブ901の照明効率を低下させ、望ましくない照明パターンを生じさせる。
【0060】
特定の実施形態では、MCF900とレンズ908との間のアライメントを維持するために、カニューレの内部通路及びレンズに対するMCF900の同心性を維持するための熱的に安定した材料から形成されたリングが環状ギャップ934に配置され得る。特定の実施形態では、材料は、例えば、ポリイミド、金属、ステンレス鋼、ニッケル、銀、銅、黄銅などを含み得る。ポリイミド及び金属は、リングが作られ得る可能な材料であるが、他の材料も使用され得る。MCF900とレンズ908との間のアライメントを維持するために使用されるリングの一例を
図13に示す。
【0061】
図13は、MCF900の露出端部938において内側クラッド932の周りに形成された環状ギャップ934内に配置されたリング940を示す。リング940は、例えば、MCF900の露出端部938の側方移動を制限することにより、MCF900及びレンズ908の同心性を維持する。ある場合には、リング940の内径は、MCF900の露出端部938の外径に一致する。ある場合には、リング940の外径は、内部通路942の内径に一致する。リング940は、露出端部938の全長Lに及び得るか、又は全長Lよりも短いことができる。
【0062】
図14は、MCF900及びレンズ900のアライメントを維持するための別の例示的実装形態を示す。
図14に示す例では、カニューレ1402は、MCF900の外径により近く適合する第1の内径1444を有する内部通路942を備える。カニューレ1402は、第1の内径1444よりも大きい第2の内径1448を有するカウンタボア946も備える。カウンタボア946は、レンズ908及び保護窓918(含まれる場合)をカニューレ1402内に収容するために設けられる(MCF900の横断面サイズと比較してより大きいこれらのコンポーネントの横断面サイズのため)。従って、露出端部938に沿って、カウンタボア946と比較して小さい断面サイズを有する通路942は、通路942の内径1444がカウンタボア946の内径1448のサイズである場合よりも良好に、レンズ908に対するMCF900の露出端部938のアライメントを維持することができる。その結果、MCF900とレンズ908との間のアライメントが向上する。ある場合には、カウンタボア946は、カニューレ1402の遠位端から近位側に延在する。
【0063】
図15は、MCF900の露出端部938のアライメントがカニューレ1502の減少内径1550によって提供される一例を示す。減少直径1550は、圧着の結果であり得るカニューレ1502のくびれ部分1552によって提供される。減少内径1550は、MCF900の露出端部938の外径に一致させ得る。減少内径1550は、レンズ908に対する露出端部938のアライメントを維持し、それにより一般照明性能の向上及びカニューレ1502の縦軸に対するレーザスポットパターンのアライメントが達成される。
【0064】
図16は、
図15に示す設計に関するマルチスポットレーザプローブのアセンブリ中にMCF900に対して損傷が生じる潜在的リスクを示す。カニューレ1602に加えられる圧着によって生じるようなカニューレ1602のくびれ部分1652が、MCF900をくびれ部分1652内に導入する前に形成される場合、くびれ部分1652を通る遠位端1654の挿入が試みられる際、MCF900の遠位端1654に対する(特に遠位端1654のエッジ1656に対する)損傷のリスクがある。アセンブリ中のくびれ部分1652に対する遠位端1654のミスアライメントは、MCF900の遠位端1654を欠けさせ、且つ損傷し得る力を生じさせることがある。遠位端1654に対して(特にそのエッジ1656に対して)加えられる小さい荷重でさえ、不十分な一般照明、不正確な若しくは変形したレーザスポットパターン又はその両方であれ、性能の低下をもたらす損傷(遠位端1654及びエッジ1656の欠けなど)を生じさせ得る。このような損傷は、その結果得られるレーザプローブを使用不能な状態にし得る。その結果、くびれ部分は、
図17及び18に示すように、MCFをカニューレ内に導入した後にカニューレに形成され得る。
【0065】
図17及び18は、第1の界面906でレンズ908に当接するMCF800の遠位端1654を示す。しかし、上記で説明した通り、MCF800の遠位端1654とレンズ908との間にギャップが配置され得る。幾つかの実装形態では、レンズ908及び窓918の一方又は両方がMCF900のアセンブリの前にカニューレ1702内に設置され得る。幾つかの実装形態では、MCF900がレンズ908及び窓918の一方又は両方の前に設置され得る。
【0066】
MCF900がカニューレ1702内で所望の位置に位置付けられた状態で、くびれ部分1752が圧着などによりカニューレ1702に形成され得る。くびれ部分1752は、MCF900の露出端部938をレンズ908と同心に維持する。その結果、MCF900の遠位端1654がくびれ部分1752によって損傷を受けるリスクが排除される。
【0067】
ある場合には、くびれ部分1752は、MCF900の露出端部938を完全に取り囲む減少環である。その結果、くびれ部分1752は、露出端部938の外径に適合する内部通路942の減少直径1858を画定する。ある場合には、くびれ部分1752の減少直径1858は、露出端部938の外径と同じであるか、又は露出端部938の外径よりも僅かに大きい。一例として、くびれ部分1752におけるカニューレ1702の内面と露出端部938の外面との間に5μmの環状ギャップが形成され得る。幾つかの実施形態では、露出端部938は、1つ又は複数の場所でくびれ部分1752の内面に接触し得る。
【0068】
特定の実施形態では、くびれ部分1752は、カニューレ1702の周囲周りの1つ又は複数の場所で直径方向に対向した突起を形成し得、それによりレンズ908に対してMCF900の露出端部938を中心に置く。例えば、ある場合には、くびれ部分1752は、互いに90°オフセットした2組の直径方向に対向した突起を含み得る。特定の他の実装形態では、MCF900の露出端部938を中心に置くために、3つ以上の直径方向に対向しない突起がカニューレに形成され得る。ある場合には、突起は、カニューレ1702の普通の周囲に沿って形成され得る。他の実装形態では、突起の1つ又は複数は、他の突起の1つ又は複数から長手方向にオフセットされ得る。
【0069】
さらに、MCF900は、照明MCFとして記載されているが、幾つかの実装形態では、MCF900は、非照明MCFであり得、本開示の範囲内にとどまり得る。
【0070】
図19は、本発明の特定の実施形態による、マルチスポットレーザプローブを製造する方法におけるステップを示す例示的フローチャート1900を示す。
【0071】
ブロック1902では、目に挿入するように構成されたカニューレを含むプローブチップが提供される。例えば、技師又はマシンは、
図18に示すようなカニューレ1702を有するプローブチップ901を提供し得る。
【0072】
ブロック1904では、レンズがカニューレ内に挿入される。例えば、レンズ908がカニューレ1702内に挿入される。
【0073】
ブロック1906では、MCFがレンズの近位のカニューレ内に挿入される。例えば、MCF900がレンズ908の近位のカニューレ1702内に挿入され、MCF900は、複数のコア933を含む。図示のように、MCF900は、MCF900の露出端部938に示されるクラッド932を含む。
【0074】
ブロック1908では、くびれ部分がカニューレに形成され、くびれ部分は、MCFの露出部分がカニューレ内で中心に位置することを維持する減少断面サイズを形成する。例えば、くびれ部分1752がカニューレ1702に形成される。
【0075】
本明細書に記載する図面の幾つかは、保護窓を有するプローブを示すが、保護窓が省かれ得ることが理解される。さらに、レンズ及び/又は保護窓の端部が平坦以外の形状であり得ることは、本開示の範囲内である。例えば、レンズ及び保護窓の遠位端及び近位端の1つ又は複数は、本明細書に記載するように凸形状を有し得る。
【0076】
上記に開示した主題は、限定的なものではなく、例示的なものと見なされるべきものであり、添付の特許請求の範囲は、本開示の真の趣旨及び範囲に入るそうした全ての変更形態、改良形態及び他の実施形態を包含することを意図する。従って、法によって許される最大限の程度まで、本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲及びそれらの均等物の最も広い許容可能な解釈によって決定されるべきものであり、上述の詳細な説明によって制限又は限定されるものではない。