(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-01
(45)【発行日】2023-08-09
(54)【発明の名称】コンベヤベルトの2つの端部を接続するためのスペーサ付き接合装置
(51)【国際特許分類】
F16G 3/08 20060101AFI20230802BHJP
【FI】
F16G3/08
(21)【出願番号】P 2020543346
(86)(22)【出願日】2019-02-22
(86)【国際出願番号】 FR2019050408
(87)【国際公開番号】W WO2019162630
(87)【国際公開日】2019-08-29
【審査請求日】2022-01-17
(32)【優先日】2018-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】520298581
【氏名又は名称】エフピー ビジネス インベスト
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】タヴェルニエ,バーナード
【審査官】畔津 圭介
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05839571(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0134652(US,A1)
【文献】特表2017-527758(JP,A)
【文献】特開2007-276905(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0205223(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16G 3/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの長手方向コンベヤベルト(16)の2つの端部(12、14)を接続するための接合装置(10)であって、前記接合装置(10)が少なくとも、
-第1の接合プレート(18a)及び第2の接合プレート(18b)であって、前記第1の接合プレート(18a)及び第2の接合プレート(18b)が、前記コンベヤベルト(16)の前記端部の別個の側を各々が被覆し、それにより、前記コンベヤベルト(16)が前記2つの接合プレート(18a、18b)の間に垂直方向に介在するように構成され、前記
2つの接合プレート(18a、18b)が、前記コンベヤベルト(16)の第1の端部(12)を挟むように適合された第1の対のウィング(20)、及び前記コンベヤベルト(16)の第2の端部(14)を挟むように適合された第2の対のウィング(22)、を形成し、前記第1の対のウィング(20)及び前記第2の対のウィング(22)が、接合面(P)のいずれかの側に配列され、前記接合面(P)が、前記第1の接合プレート(18a)及び前記第2の接合プレート(18b)によって形成されたアセンブリの中心を横方向に延在する、第1の接合プレート(18a)及び第2の接合プレート(18b)と、
-前記
2つの接合プレート(18a、18b)を一緒に締結するための
第1の締結装置(24)と、
-取り外し可能なスペーサ(48)と、を備え、前記取り外し可能なスペーサ(48)が、前記第1の接合プレート(18a)と前記第2の接合プレート(18b)との間に垂直方向に介在し
、かつ前記
2つの接合プレート(18a、18b)上に前記スペーサ(48)を締結する連接要素(30)が横断するように配列されたセンタリング穴(50)を区切り、
前記スペーサ(48)が、前記第1の対のウィング(20)の前記ウィング間に介在するように適合されており、それにより、前記スペーサ(48)の前記センタリング穴(50)が、前記第2の対のウィング(22)の間で区切られた空間を解放するように、前記接合面(P)からオフセットされており、前記スペーサ(48)が、ストップ面(60)を有し、前記ストップ面(60)が、前記第2の対のウィング(22)に面して配列され、前記スペーサ(48)が組み立てられた位置にあるときに、前記接合面(P)に沿って少なくとも部分的に延在して、前記接合面(P)に沿って前記コンベヤベルト(16)のエンドストップを形成する、ことを特徴とする接合装置(10)。
【請求項2】
前記スペーサ(48)が、前記第1の対のウィング(20)の前記ウィングの間に完全に配列されるように適合されていることを特徴とする、請求項1に記載の接合装置(10)。
【請求項3】
前記
第1の締結装置(24)が少なくとも、前記第1の接合プレート(18a)上に装着された第1の締結要素(26)、前記第2の接合プレート(18b)上に装着された第2の関連付けられた締結要素(28)、前記第2の締結要素(28)上で前記第1の締結要素(26)を接続する連接要素(30)、を備え、前記第1の締結要素(26)が、センタリング部分(52)を備え、前記センタリング部分(52)が、前記第1の接合プレート(18a)から垂直方向に突出し、前記スペーサ(48)の前記センタリング穴(50)と協働して前記スペーサ(48)を位置決めするように構成されている、ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の接合装置(10)。
【請求項4】
前記スペーサ(48)の前記ストップ面(60)が
、前記スペーサの前記センタリング穴(50)の周りに延在し、かつ前記接合面(P)に全体的に接している
角部分を有する、ことを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の接合装置(10)。
【請求項5】
少なくとも1つの第2の締結装置(24)を備え、前記少なくとも1つの第2の締結装置(24)が、前記第1の締結装置(24)に隣接していることと、前記スペーサ(48)が、少なくとも1つの第1の支承面(62)で区切られ、前記少なくとも1つの第1の支承面(62)が、前記スペーサ(48)が組み立てられた位置にあるときに前記スペーサの前記センタリング穴(50)の周りで前記スペーサ(48)を枢動可能にブロックするように、前記第2の締結装置(24)の少なくとも一部に面して配列されていることと、を特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載の接合装置(10)。
【請求項6】
前記連接要素(30)が、前記第2の締結要素(28)と協働するように適合された頭部(32)と、前記関連付けられた締結装置(24)の前記第1の締結要素(26)と協働するように適合された係留セクション(34)と、を備える、ことを特徴とする、請求項3に記載の接合装置(10)。
【請求項7】
前記第1の接合プレート(18a)及び前記第2の接合プレート(18b)が、同一かつ相補的である、ことを特徴とする、請求項1~6のいずれか1項に記載の接合装置(10)。
【請求項8】
長手方向コンベヤベルト(16)の2つの端部の接合装置(10)のためのスペーサ(48)であって、前記接合装置(10)が少なくとも、
-第1の接合プレート(18a)及び第2の接合プレート(18b)であって、前記第1の接合プレート(18a)及び第2の接合プレート(18b)が、前記コンベヤベルト(16)の前記端部の別個の側を各々が被覆し、それにより、前記コンベヤベルト(16)が前記2つの接合プレート(18a、18b)の間に垂直方向に介在するように構成され、前記
2つの接合プレート(18a、18b)が、前記コンベヤベルト(16)の第1の端部(12)を挟むように適合された第1の対のウィング(20)、及び前記コンベヤベルト(16)の第2の端部(14)を挟むように適合された第2の対のウィング(22)、を形成し、前記第1の対のウィング(20)及び前記第2の対のウィング(22)が、接合面(P)のいずれかの側に配列されている、第1の接合プレート(18a)及び第2の接合プレート(18b)と、
-垂直方向に突出するセンタリング部分(52)を含む第1の締結装置(24)と、前記第1の締結装置(24)に隣接する第2の締結装置(24)と、を備えるタイプのものであり、
前記スペーサ(48)が、前記第1の接合プレート(18a)と前記第2の接合プレート(18b)との間に垂直方向に介在
し、かつ前記スペーサ(48)が少なくとも、
-前記センタリング部分(52)と協働して前記スペーサ(48)を位置決めするように適合されたセンタリング穴(50)、
-第1の支承面(62)であって、前記第1の支承面(62)が、前記センタリング穴(50)の軸に沿って軸面に全体的に延在し、かつ前記第2の締結装置(24)の少なくとも一部を支承して、前記スペーサ(48)の前記センタリング穴(50)の周りで前記スペーサ(48)を枢動可能にブロックするように適合されている、第1の支承面(62)、及び
-前記接合面(P)に沿って前記コンベヤベルト(16)のエンドストップを形成するように適合されたストップ面(60)、を区切る、スペーサ(48)。
【請求項9】
前記ストップ面(60)が
、前記スペーサ(48)の前記センタリング穴(50)
の周りに延在する角部分を有する、ことを特徴とする、請求項8に記載のスペーサ(48)。
【請求項10】
請求項1~7のいずれか1項に記載の接合装置(10)を実装するための方法であって、前記接合装置(10)が、コンベヤベルト(16)を備え、前記コンベヤベルト(16)が、第1の端部(12)及び第2の端部(14)を有し、前記方法が少なくとも、
-接合位置において、前記
2つの接合プレート(18a、18b)によって形成された前記第2の対のウィング(22)の前記2つのウィングの間に前記コンベヤベルト(16)の前記第2の端部(14)を挿入する工程であって、前記コンベヤベルト(16)の前記第2の端部(14)が、前記スペーサ(48)を支承する、挿入する工程、
-前記コンベヤベルト(16)の前記第2の端部(14)を、前記第2の対のウィング(22)の前記2つのウィングに締結する工程、
-前記
2つの接合プレート(18a、18b)によって形成された前記第1の対のウィング(20)の前記ウィングの間から前記スペーサ(48)を取り外すことからなる、前記スペーサ(48)を取り外す工程、
-接合位置において、前記
2つの接合プレート(18a、18b)によって形成された前記第1の対のウィング(20)の前記2つのウィングの間に前記コンベヤベルト(16)の前記第1の端部(12)を挿入する工程、及び
-前記コンベヤベルト(16)の前記第1の端部(12)を、前記第1の対のウィング(20)の前記2つのウィングに締結する工程、を含む、ことを特徴とする、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長手方向コンベヤベルトの2つの端部を接続するための接合装置に関する。
【0002】
簡略化の目的で、コンベヤベルトという用語は、本説明において、慣例より、コンベヤベルトの意味だけでなく、駆動ベルトの意味も有する。
【背景技術】
【0003】
石炭、鉱石、工業用製品、もしくは農業用製品などの種々の材料又は種々の製品を輸送するために使用される、バンドコンベヤとも呼ばれるコンベヤベルトが知られている。
【0004】
これらのコンベヤベルトは、適切な長さと幅の強化エラストマー又は強化合成材料で作製されたベルトからなり、それらの端部を、装着前又は装着後に、リターンローラー及びアイドラーローラーを備える支持及び駆動装置上で一緒に接続する必要がある。多くの場合、これらの装置はまた、コンベヤベルトを正しく緊張させることを目的として、緊張部材を備える。
【0005】
金属シートから切断された略U字型のクリップを備え、クリップが、ナックルで接続された上部プレートと下部プレートとを備える、接合装置が知られている。
【0006】
クリップは、ナックルが突き出るような方法、及び一方のシリーズをもう一方のシリーズのナックルの間に差し込むことができるような方法で、接続するコンベヤベルトの両端部にまたがる2つのシリーズで締結される。
【0007】
連接及びヒンジ付けロッドが、それらによって、2つの端部を接続する一方で、一種のヒンジを形成するような方法で、差し込まれたナックルの内側を通過する。
【0008】
コンベヤベルトの端部にクリップを締結するための締結装置は、アイゼン、リベット、及びねじなどのステム締結手段からなる。
【0009】
コンベヤベルトの片側の端部と反対側の端部とにそれぞれ配置され、かつ接続に関与する端部上に締結された、概して、強化エラストマー又は強化合成材料で作製された接合プレートを用いる接合装置も知られている。かかる接合プレート装置の例は、特許EP-0827575-B1及びEP-1163459-B1に記載されている。
【0010】
これらの装置は、上部プレート及び下部プレートを備え、上部プレート及び下部プレートは、それらの中でコンベヤベルトのそれぞれの端部と係合するように適合された空間を区切る。
【0011】
成形又は射出によって生産され、下部プレートと上部プレートが中央部分によって接続された「H」字型の構造を有する接合装置が知られており、プレートは、単一部品から形成されている。
【0012】
このタイプの「H」字型の構造は、その製造のために、現場で遭遇するコンベヤベルトの厚さと同じ数の金型を必要とし、したがって、非常に少量のシリーズで製造する必要があり、これにより、原価、製造費、保管費、及び流通費が増加する。
【0013】
この問題、つまり、さまざまな厚さのコンベヤベルトに対応する必要のある多数の金型及び成形製品の問題は特に、3つの別個の部分、単一部品を形成する上部左右のウィングを構成する第1の部分、単一部品を形成する下部左右のウィングを構成する第2の部分、及び「H」字型の輪郭の中央バーに対応する中間部分であって、この中間部分がスペーサを形成する、中間部分で接合装置を生産することによって解決された。
【0014】
かかる構成では、2つの下部プレートと上部プレートを分離して製造することが可能になり、各々は、それらが受ける力(圧縮/牽引力)及び関連する応力に適合するように構成されている。
【0015】
コンベヤベルトの端部への下部及び上部プレートの締結は、概して、リベット、スパイク、アイゼン、又はねじ-ナットのタイプの締結装置の手段によって行われる。
【0016】
文献EP-1163459-B1は、上述のタイプの3つの別個の部分で接合装置を記載しており、これは、コンベヤベルトの端部の別個の側を各々が被覆するように構成された第1の接合プレート及び第2の接合プレートを備え、それにより、コンベヤベルトが2つの接合プレートの間に垂直方向に介在する。
【0017】
2つの接合プレートは、コンベヤベルトの第1の端部を挟むように適合された第1の対のウィング、及びコンベヤベルトの第2の端部を挟むように適合された第2の対のウィングを形成し、第1の対のウィング及び第2の対のウィングは、接合面のいずれかの側に配列されている。
【0018】
加えて、接合装置は、プレートを一緒に締結するための装置と、第1の接合プレートと第2の接合プレートとの間に垂直方向に介在してプレートを離して移動させる取り外し可能なスペーサと、を備える。
【0019】
さらに、文献EP-1163459-B1によれば、スペーサは、長手方向に沿って2つの接合プレートによって形成されたアセンブリの中心で、締結装置のうちの一方によって締結される。
【0020】
接合装置によるコンベヤベルトの締結は、例えば、以下に記載される経時的な方法で達成される。
【0021】
接合プレートによって形成された第2の対のウィングの2つのウィングを接合プレートの弾性変形によって離間する一方、コンベヤベルトの第2の端部を第2の対のウィングの2つのウィングの間に挿入する。
【0022】
コンベヤベルトの第2の端部を締結装置によって、接合プレートによって形成された第2の対のウィングの2つのウィングに締結する。
【0023】
スペーサを、接合プレートによって形成された第1の対のウィングのウィングの間から取り外す。
【0024】
最後に、コンベヤベルトの第1の端部を、第1の対のウィングの2つのウィングに締結する前に、接合プレートによって形成された第1の対のウィングの2つのウィングの間に挿入する。
【0025】
コンベヤベルトの第2の端部は、接合装置の中央に向かって長手方向に可能な限り遠くに、つまり、接合装置の中央に配列されたスペーサの最も近くに挿入する必要があることが理解される。
【0026】
この挿入工程は、スペーサを締結する締結装置によって一緒に保持されている第2の対のウィングの2つのウィングを離して移動させる重要な力を同時に必要とし、これにより、操作が困難になる。
【発明の概要】
【0027】
本発明は、特に、この欠点を解決することを目的とし、この目的のために、少なくとも1つの長手方向コンベヤベルトの2つの端部を接続するための接合装置であって、接合装置が少なくとも、
-第1の接合プレート及び第2の接合プレートであって、第1の接合プレート及び第2の接合プレートが、コンベヤベルトの端部の別個の側を各々が被覆し、それにより、上記コンベヤベルトが2つの接合プレートの間に垂直方向に介在するように構成され、上記接合プレートが、コンベヤベルトの第1の端部を挟むように適合された第1の対のウィング、及びコンベヤベルトの第2の端部を挟むように適合された第2の対のウィングを形成し、第1の対のウィング及び第2の対のウィングが、接合面のいずれかの側に配列されている、第1の接合プレート及び第2の接合プレートと、
-上記接合プレートを一緒に締結するための装置と、
-取り外し可能なスペーサと、を備え、取り外し可能なスペーサが、スペーサの組み立てられた位置において、第1の接合プレートと第2の接合プレートとの間に垂直方向に介在して、上記プレートを離して移動させるように構成され、かつ接合プレート上にスペーサを締結する連接要素が横断するように配列されたセンタリング穴を区切り、スペーサが、第1の対のウィングのウィングの間に介在するように適合されており、それにより、スペーサのセンタリング穴が、第2の対のウィングの間で区切られた空間を解放するように、接合面からオフセットされている、ことを特徴とする、接合装置に関する。
【0028】
第2の対のウィングを越えたスペーサの中心から外れた位置は、第2の対のウィングの間にコンベヤベルトの第2の端部を挿入するのに有利である。
【0029】
実際、スペーサのかかる位置は、弾性変形により、第2の対のウィングのウィングの離間配置に有利である。
【0030】
別の特徴によれば、接合面は、第1の接合プレート及び第2の接合プレートによって形成されたアセンブリの中心まで横方向に延在する。
【0031】
かかる特徴により、特に、接合装置によるコンベヤベルトの接合強度を向上させることが可能になる。
【0032】
別の特徴によれば、スペーサは、第1の対のウィングのウィングの間に完全に配列されるように適合されている。
【0033】
この特徴により、スペーサは、第2の対のウィングの間で区切られた空間を完全に解放することができる。
【0034】
別の特徴によれば、締結装置は少なくとも、第1の接合プレート上に装着された第1の締結要素、第2の接合プレート上に装着された第2の関連付けられた締結要素、第2の締結要素上で第1の締結要素を接続する連接要素、を備え、第1の締結要素は、センタリング部分を備え、センタリング部分は、第1の接合プレートから垂直方向に突出し、スペーサのセンタリング穴と協働してスペーサを位置決めするように構成されている。
【0035】
したがって、締結装置は、スペーサのセンタリング、及び2つの接合プレートの締結という二重の機能を果たすことができる。
【0036】
別の特徴によれば、スペーサは、ストップ面を有し、ストップ面は、第2の対のウィングに面して配列され、スペーサが組み立てられた位置にあるときに、接合面に沿って少なくとも部分的に延在して、接合面に沿ってコンベヤベルトのエンドストップを形成する。
【0037】
この特徴により、コンベヤベルトの第2の端部を、第1の接合プレート及び第2の接合プレートによって形成されたアセンブリの中心まで挿入することが可能になる。
【0038】
別の特徴によれば、スペーサのストップ面は、シリンダの角部分の形状を有し、シリンダの角部分の形状は、スペーサのセンタリング穴の周りに延在し、かつ接合面に全体的に接している。
【0039】
この特徴により、わずかな枢動が発生した場合でも、角部分が接合面に接したままになる。
【0040】
別の特徴によれば、接合装置は、少なくとも1つの第2の締結装置を備え、少なくとも1つの第2の締結装置は、第1の締結装置に隣接し、スペーサは、少なくとも1つの第1の支承面で区切られ、少なくとも1つの第1の支承面は、スペーサが組み立てられた位置にあるときにスペーサのセンタリング穴の周りでスペーサを枢動可能にブロックするように、第2の締結装置の少なくとも一部に面して配列されている。
【0041】
別の特徴によれば、連接要素は、第2の締結要素と協働するように適合された頭部と、関連付けられた締結装置の上記第1の締結要素と協働するように適合された係留セクションと、を備える。
【0042】
別の特徴によれば、第1の接合プレート及び第2の接合プレートは、同一かつ相補的である。
【0043】
本発明はまた、長手方向コンベヤベルトの2つの端部の接合装置のためのスペーサであって、接合装置が少なくとも、
-第1の接合プレート及び第2の接合プレートであって、第1の接合プレート及び第2の接合プレートが、コンベヤベルトの端部の別個の側を各々が被覆し、それにより、上記コンベヤベルトが2つの接合プレートの間に垂直方向に介在するように構成され、上記接合プレートが、コンベヤベルトの第1の端部を挟むように適合された第1の対のウィング、及びコンベヤベルトの第2の端部を挟むように適合された第2の対のウィングを形成し、第1の対のウィング及び第2の対のウィングが、接合面のいずれかの側に配列されている、第1の接合プレート及び第2の接合プレートと、
-垂直方向に突出するセンタリング部分を含む第1の締結装置と、第1の締結装置に隣接する第2の締結装置と、を備えるタイプのものであり、
スペーサが、第1の接合プレートと第2の接合プレートとの間に垂直方向に介在して、上記プレートを離して移動させるように適合され、かつスペーサが少なくとも、
-上記センタリング部分と協働してスペーサを位置決めするように適合されたセンタリング穴、
-第1の支承面であって、第1の支承面が、センタリング穴の軸に沿って軸面に全体的に延在し、かつ第2の締結装置の少なくとも一部を支承して、スペーサのセンタリング穴の周りでスペーサを枢動可能にブロックするように適合されている、第1の支承面、及び
-接合面に沿ってコンベヤベルトのエンドストップを形成するように適合されたストップ面、を区切る、スペーサに関する。
【0044】
別の特徴によれば、ストップ面は、シリンダの角部分の形状を有し、シリンダの角部分の形状は、スペーサのセンタリング穴の軸に沿って延在する。
【0045】
最後に、本発明は、請求項1~9のいずれか一項に記載の接合装置を実装するための方法であって、接合装置が、コンベヤベルトを備え、コンベヤベルトが、第1の端部及び第2の端部を有し、方法が少なくとも、
-接合位置において、接合プレートによって形成された第2の対のウィングの2つのウィングの間にコンベヤベルトの第2の端部を挿入する工程であって、コンベヤベルトの第2の端部が、スペーサを支承する、挿入する工程、
-コンベヤベルトの第2の端部を、第2の対のウィングの2つのウィングに締結する工程、
-接合プレートによって形成された第1の対のウィングのウィングの間からスペーサを取り外すことからなる、スペーサを取り外す工程、
-接合位置において、接合プレートによって形成された第1の対のウィングの2つのウィングの間にコンベヤベルトの第1の端部を挿入する工程、及び
-コンベヤベルトの第1の端部を、第1の対のウィングの2つのウィングに締結する工程、を含む、方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0046】
本発明の他の特徴及び利点は、以下の詳細な説明を読むと明らかになり、その理解のために、添付の図面を参照する。
【
図1】コンベヤベルトの2つの端部を接続する、本発明による接合装置を例示する全体斜視図である。
【
図2】組み立てられた位置にある、本発明による接合装置の第1の接合プレート及び2つのスペーサを例示する切り欠き上面図である。
【
図3】
図2の線3-3に沿った横方向断面図であり、第1の接合プレート及び第2の接合プレート、ならびに2つのプレートの間に介在するスペーサを例示している。
【
図4】第1の接合プレート及び第2の接合プレート、ならびに2つのプレートの間に介在するスペーサを例示する分解斜視図である。
【
図5】
図2のスペーサを例示する詳細斜視図である。
【
図6】本発明による接合装置を実装するための方法の工程を例示している。
【
図7】本発明による接合装置を実装するための方法の工程を例示している。
【
図8】本発明による接合装置を実装するための方法の工程を例示している。
【
図9】本発明による接合装置を実装するための方法の工程を例示している。
【
図10】本発明による接合装置を実装するための方法の工程を例示している。
【
図11】本発明による接合装置を実装するための方法の工程を例示している。
【発明を実施するための形態】
【0047】
本説明及び特許請求の範囲では、本説明及び特許請求の範囲を明確にするために、長手方向、垂直方向、及び横方向という用語は、図に示される三面体L、V、Tを参照して、非限定的な方法で採用される。
【0048】
これらの図のすべてにおいて、同一又は類似の参照番号は、同一又は類似の部材又は部材のセットを表す。
【0049】
加えて、用語「上部」、「下部」、「垂直」、及びそれらの派生語は、要素又は構成要素の位置又は向きを指し、この位置又はこの向きは、接合プレートがサービスの構成にあり、水平方向プレートに延在するときに考慮される。
【0050】
図1において、長手方向に延在するコンベヤベルト16の第1の端部12及び第2の端部14を接続するための接合装置10を表す。
【0051】
接合装置10は、
図2に見える第1の下部接合プレート18aと、第2の上部接合プレート18bと、を備える。
【0052】
これらの接合装置18a、18bは、可撓性かつ弾性の材料から、例えば、加硫ゴム製から、又はポリウレタンなどの合成材料から作製され、それらは概して、概してテキスタイルタイプの組み込まれた強化材を含む。
【0053】
接合プレート18a、18bは、
図1に見ることができるように、コンベヤベルト16の端部の別個の側を各々が被覆し、それにより、コンベヤベルト16が2つの接合プレート18a、18bの間に垂直方向に介在するように構成されている。
【0054】
接合プレート18a、18bは、コンベヤベルト16の第1の端部12を挟む第1の対のウィング20と、コンベヤベルト16の第2の端部14を挟む第2の対のウィング22と、を形成する。
【0055】
図3及び
図4に見ることができるように、第1の対のウィング20及び第2の対のウィング22は、接合面Pのいずれかの側に配列され、接合面Pは、接合プレート18a、18bに対して直角、つまり、本明細書に記載される実施例によれば垂直方向及び横方向の面に延在する。
【0056】
接合面Pは、第1の接合プレート18a及び第2の接合プレート18bによって形成されたアセンブリの中心まで横方向に延在する。
【0057】
このようにして、コンベヤベルト16の端部12、14と組み立てられると、接合プレート18a、18bの、第1の対のウィング20によって被覆された第1の端部12の長手方向距離は、第2の対のウィング22によって被覆された第2の端部14の長手方向距離に等しくなる。
【0058】
かかる特徴により、接合装置の強度を向上させることが可能になる。
【0059】
加えて、接合装置10は、第1の対のウィング20をコンベヤベルト16の第1の端部12に締結するために設けられた第1のシリーズの締結装置24と、第2の対のウィング22をコンベヤベルト16の第2の端部14に締結するために設けられた第2のシリーズの締結装置24と、を備える。
【0060】
第1のシリーズ及び第2のシリーズの締結装置24は各々、3つの列の締結装置24を備え、各列は、横方向に位置合わせされ、規則的に離間された複数の締結装置24を備える。明らかに、この例数は異なる場合がある。
【0061】
第1のシリーズの締結装置24は各々、第1の締結要素26と、第2の締結要素28と、コンベヤベルト16を介して第1の締結要素26を第2の締結要素28に接続する垂直方向連接要素30と、を備える。
【0062】
連接要素30は、頭部32から、タップ付き係留セクション34を形成する本体まで垂直方向に延在するねじで構成されている。
【0063】
第1の締結要素26は、第1の接合プレート18aに少なくとも部分的に埋め込まれたソケットの形状を有する。
【0064】
第1の締結要素26は、第1の下部接合プレート18aの下面38を軸方向に支承する環状フランジ36を備える。
【0065】
加えて、第1の締結要素26は、垂直方向のタップ付き穴42を区切り、かつ2つの接合プレート18a、18bの間で第1の接合プレート18aの上面44から垂直方向に突出する管状部分40を備える。この垂直方向の突出部はまた、接合プレートの下面から垂直方向に突出する各管状部分40が加硫ゴムで被覆され、ひいては、関連付けられた接合プレートに埋め込まれるように、接合プレートを形成する加硫材料で被覆されている。
【0066】
タップ付き穴42は、連接要素30の係留セクション34と協働する。
【0067】
第2の締結要素28は、第2の上部接合プレート18bに埋め込まれ、かつ連接要素30の貫通穴と、連接要素30の頭部32を収容するシート46とを区切るワッシャの形状を有する。
【0068】
したがって、第1のシリーズの締結装置24により、第1の対のウィング20をコンベヤベルト16の第1の端部12に挟着することが可能になる。
【0069】
同様に、第2のシリーズの締結装置24は、上述の締結装置24と同一であるが、それらの配列が逆である。
【0070】
実際、
図3を参照すると、第2シリーズの各締結装置24の第1締結要素26は、第2の上部接合プレート18b上に装着され、第2の締結要素28は、第1の下部接合プレート18a上に装着されている。
【0071】
第1の接合プレート18a及び第2の接合プレート18bは同一であり、かつそれらは垂直方向の軸を中心にして半回転分、角度的にオフセットされている。
【0072】
締結装置24の本発明の事実は、これが、接合プレートをコンベヤベルトの片側端部に締結することにより、締結手段24、特に、連接要素30がコンベアベルトの同じ端部に対して同様の向きを有し、オペレーターがこれらの連接要素をこれと同じ端部の上に所定の位置に置くように向きを変更しなくてもよいため、オペレーターによる接合プレートの導入を大幅に単純化すると仮定すると、特に有利である。実際、第1及び第2の締結要素26、28の垂直方向の位置合わせは、連接手段30、特に、頭部32から、タップ付き係留セクション34を形成する本体まで垂直方向に延在するねじの向きを決定する。
【0073】
第1及び第2のシリーズの締結装置24は、締結装置24を含まない接合面Pと実質的に一致する中央ゾーンによって長手方向に一緒に隔置されている、つまり、このゾーンでは接合装置10は、締結装置24を含まないことがさらに留意されよう。これにより、この場所での接合装置10の弾性が向上し、その機械的強度が向上する。実際、接合装置10の中心にある締結装置24の列は、初発性の破損をより少ない程度に抑えるのに有利である場合がある。
【0074】
本発明によれば、接合装置10は、2つの取り外し可能なスペーサ48を備え、取り外し可能なスペーサ48は、各々が第1の接合プレート18aと第2の接合プレート18bとの間に垂直方向に介在して、プレートを離して移動させる。
【0075】
図3に見ることができるように、各スペーサ48は、第1の対のウィング20のウィングの間に介在するように構成され、かつ第2の対のウィング22の間に区切られた空間を解放するように、接合面Pからオフセットされている。
【0076】
「接合面Pからオフセット」という表現は、接合面Pがスペーサ48と交差しないことを意味すると解釈される。
【0077】
換言すれば、各スペーサ48は、2つの接合プレート18a、18bによって形成されたアセンブリの中心に対して長手方向にオフセットされ、各スペーサ48は、第2の対のウィング22の間で区切られた空間から解放される。
【0078】
この目的のために、
図3を参照すると、各スペーサ48は、センタリング穴50を区切り、センタリング穴50は、垂直方向の軸Aに沿って延在し、かつセンタリング部分52を形成する第1の締結要素26から突出する管状部品40と協働してスペーサ48を位置決めするように適合されている。
【0079】
また、各スペーサ48は、上面54及び下面56によって垂直方向に区切られており、上面54及び下面56は、第2の接合プレート18bの下面58及び第1の接合プレート18aの上面44をそれぞれ垂直方向に支承する。
【0080】
図2~
図5によれば、各スペーサ48は、ストップ面60を有し、ストップ面60は、第2の対のウィング22に面して配列されており、かつスペーサが組み立てられた位置にあるときに、接合面Pに沿ってコンベアベルト16の第2の端部14のエンドストップ、つまり、コンベヤベルト16の第2の端部14がこの接合面Pに沿って接触及び当接するストップを形成するように、接合面Pに沿って一部延在する。
【0081】
より具体的には、
図2に見ることができるように、各スペーサ48のストップ面60は、シリンダの角部分の形状を有し、シリンダの角部分の形状は、関連付けられたスペーサ48のセンタリング穴50の軸Aの周りに延在し、かつ接合面Pに全体的に接している。
【0082】
加えて、各スペーサ48は、第1の支承面62及び第2の支承面64を区切り、第1の支承面62及び第2の支承面64は各々、関連付けられたセンタリング穴50の軸Aに沿って軸方向に延在する。
【0083】
図2を参照すると、第1の支承面62及び第2の支承面64は各々、それぞれ第1の締結装置24及び第2の締結装置24の少なくとも一部に面して配列され、これらは、横方向に対向し、かつスペーサが組み立てられた位置にあるときにスペーサ48のセンタリング穴50の周りでスペーサ48を枢動可能にブロックするように、スペーサ48を支承する締結装置24に横方向に隣接している。
【0084】
各スペーサ48の第1の支承面62及び第2の支承面64は、ここでは加硫材料で被覆されている、第1の関連付けられた締結要素26の突出する管状部分40を支承する。
【0085】
各スペーサ48を枢動可能にブロックすることに加えて、支承面62、64は、コンベヤベルト16の端部によって関連付けられたスペーサ48に加えられた長手方向の推力を分散させることを可能にする。
【0086】
非限定的な方法では、スペーサの各支承面62、64は、各スペーサ48を所定の位置に置くのに有利であり、コンベヤベルトの端部がスペーサ48を長手方向に支承するときに弾性変形によって満たされる隙間(図示せず)を区切ることができる。
【0087】
相対的又は代替的な方法では、スペーサ48は、支承面を有し得、支承面はまた、センタリング穴50の軸に沿って軸面に延在し、かつ隣接する締結装置の少なくとも一部を支承して、スペーサ48のセンタリング穴50の周りでスペーサ48を枢動可能にブロックするように適合されており、第1の締結装置に隣接する締結装置は、締結装置の別の列に位置し、必ずしも横方向ではないことが留意されよう。
【0088】
本発明はまた、前述の本発明による接合装置10を実装するための方法に関する。
【0089】
本方法は、
図6に例示されるように、各スペーサ48を所定の位置に置く前工程であって、各スペーサのストップ面60が横方向の接合面Pに接するように、各スペーサ48のセンタリング穴50を、各スペーサ48に関連付けられた締結装置24のセンタリング部分52と協働させることからなる、前工程を含む。
【0090】
スペーサ48を第1の接合プレート18a上の所定の位置に置いた後、
図7に見ることができるように、第2の接合プレート18bを第1の接合プレート18aと整合させ、次いで、スペーサ48に関連付けられた2つの締結装置24の連接要素30を、関連付けられた第1の締結要素26にねじ込んで、スペーサ48上の第1の対のウィング20のウィングを挟む。
【0091】
また、本方法は、接合位置において、
図8に例示される、接合プレート18a、18bによって形成された第2の対のウィング22の2つのウィングの間にコンベヤベルト16の第2の端部14を挿入する工程であって、コンベヤベルト16の第2の端部14が、各スペーサ48を長手方向に支承する、挿入する工程を含む。
【0092】
コンベヤベルト16の第2の端部14の挿入は、弾性変形する第2の対のウィング22のウィングを離して移動させることによって行われる。
【0093】
接合面Pに関して、各スペーサ48のセンタリング穴50と、スペーサ48を締結する連接要素30とのオフセット位置は、第2の対のウィング22のウィングの離間配置に有利であり、ひいては、コンベヤベルト16の第2の端部14を接合面Pまで、つまり、2つの接合プレート18a、18bによって形成されたアセンブリの実質的に中心まで挿入するのに有利である。
【0094】
コンベヤベルト16の第2の端部14を挿入する工程の後に、
図9から見ることができるように、締結装置24の第2のシリーズによって、コンベヤベルト16の第2の端部14を、第2の対のウィング22の2つのウィングに締結する工程が続く。
【0095】
コンベヤベルト16の第2の端部14のすべて又は一部を締結した後、本方法は、
図10に例示されるスペーサ48を取り外す工程を含み、この工程は、2つのスペーサ48を保持する連接要素30を緩めて外すこと、及び接合プレート18a、18bによって形成された第1の対のウィング20のウィング間からスペーサを取り外すこと、からなる。
【0096】
取り外す工程の後に、接合位置において、接合プレート18a、18bによって形成された第1の対のウィング20の2つのウィングの間にコンベヤベルト16の第1の端部12を挿入する工程であって、コンベアベルト16の第1の端部12が接合面Pに到達し得る、挿入する工程が続く。
【0097】
最後に、
図11を参照すると、本方法は、コンベヤベルト16の第1の端部12を、第1の対のウィング20の2つのウィングに締結する工程を含む。
【0098】
本発明は、一実施例として上述されている。当業者は、本発明の異なる代替的な実施形態を、ただし、本発明の範囲を超えることなく、行うことができることが理解される。