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特許7324260スケジューリングシステム、スケジューリングプログラム及びスケジューリング方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-01
(45)【発行日】2023-08-09
(54)【発明の名称】スケジューリングシステム、スケジューリングプログラム及びスケジューリング方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/0631 20230101AFI20230802BHJP
【FI】
G06Q10/0631
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021180765
(22)【出願日】2021-11-05
(65)【公開番号】P2023069121
(43)【公開日】2023-05-18
【審査請求日】2021-11-09
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和3年1月20日に電気通信回線を通じて発表した(掲載アドレス:https://hospi.ai)。
(73)【特許権者】
【識別番号】501472537
【氏名又は名称】シーライヴ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142217
【弁理士】
【氏名又は名称】小笠原 宜紀
(74)【代理人】
【識別番号】100119367
【弁理士】
【氏名又は名称】松島 理
(72)【発明者】
【氏名】久保田 浩嗣
【審査官】小山 和俊
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-099569(JP,A)
【文献】特開2016-091244(JP,A)
【文献】特開平08-044799(JP,A)
【文献】特開平05-081288(JP,A)
【文献】特開2019-106081(JP,A)
【文献】特開2020-030663(JP,A)
【文献】早坂 清志,選択リストとスクロールバーで入力や表示を楽にする,アスキー ドットPC,日本,株式会社アスキー,2006年06月01日, 第9巻 第6号 ,第106-109頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のリソースを複数のタスクに割り当てて、所定期間のスケジュールを作成するスケジューリングシステムであって、
前記リソースの各々を特定するためのデータであるリソース固有データ及び前記リソースが有する1種類又は複数種類の属性に係るデータであるリソース属性データを関連付けて記憶する第一記憶部と、前記リソース属性データに含まれるリソースの属性の種類を設定するリソース属性設定部とを有する第一記憶処理部と、
前記タスクに係るデータであるタスクデータを記憶する第二記憶部と、前記タスクデータに含まれるタスクの種類を設定するタスク設定部とを有する第二記憶処理部と、
前記スケジュールを作成する際の制約に係るデータである制約データを記憶する第三記憶部と、前記リソース固有データ、前記リソース属性データ及び前記タスクデータの少なくともいずれか一に基づいて設けられた選択肢から選択的に指示された制約を満たすよう前記制約データを設定する制約データ設定部とを有する第三記憶処理部と、
前記リソース固有データ、前記リソース属性データ、前記タスクデータ及び前記制約データに基づいてスケジュールを作成するスケジュール作成部と、
を備え
前記制約データ設定部が、
前記リソース固有データに基づいて、前記リソースの選択肢であるリソース選択肢と、前記リソース選択肢から選択されたリソースとを文字の態様で表示するリソース選択肢表示部と、
前記リソース属性データに基づいて、前記リソースの属性の選択肢であるリソース属性選択肢と、前記リソース属性選択肢から選択された属性とを文字の態様で表示するリソース属性選択肢表示部と、
前記タスクデータに基づいて、前記タスクの選択肢であるタスク選択肢と、前記タスク選択肢から選択されたタスクとを文字の態様で表示するタスク選択肢表示部と、
前記リソース選択肢表示部、前記リソース属性選択肢表示部及び前記タスク選択肢表示部の少なくともいずれか一によって表示される文字である第一表示文字の、前又は後或いは前後に文字である第二表示文字を表示して、前記制約を前記第一表示文字及び前記第二表示文字からなる文章の態様で表示する文章化文字表示部と、
を有するスケジューリングシステム。
【請求項2】
請求項に記載のスケジューリングシステムであって、
前記制約データ設定部が、
前記リソース選択肢から選択されたリソース及び前記リソース属性選択肢から選択された属性を有するリソースの少なくともいずれか一を、前記タスク選択肢から選択されたタスクに割り当てるよう、又は、前記タスク選択肢から選択されたタスクに割り当てないよう前記制約データを設定する第一制約設定手段と、
前記リソース選択肢から選択されたリソース及び前記リソース属性選択肢から選択された属性を有するリソースの少なくともいずれか一を、所望の回数、前記タスク選択肢から選択されたタスクに割り当てるよう前記制約データを設定する第二制約設定手段と、
前記リソース選択肢から選択されたリソース及び前記リソース属性選択肢から選択された属性を有するリソースの少なくともいずれか一を、所望の期間連続で、前記タスク選択肢から選択されたタスクに割り当てるよう前記制約データを設定する第三制約設定手段と、
前記リソース選択肢及び前記リソース属性選択肢の少なくとも一方から選択された2以上のリソースを、同時に割り当てないよう前記制約データを設定する第四制約設定手段と、
前記リソース選択肢から選択されたリソース及び前記リソース属性選択肢から選択された属性を有するリソースの少なくともいずれか一が、前記タスク選択肢から選択された種類の複数のタスクに、所望の順序で割り当てるよう前記制約データを設定する第五制約設定手段と、
前記タスク選択肢から選択されたタスクに割り当てられたリソースを、所望の期間連続で、該タスクに割り当てないよう前記制約データを設定する第六制約設定手段と、
前記リソース選択肢及び前記リソース属性選択肢の少なくとも一方から選択された2以上のリソースのうち、所望の数のリソースを同時に割り当てるよう前記制約データを設定する第七制約設定手段と、
前記タスク選択肢から選択された種類の第一のタスクの後に、前記タスク選択肢から選択された種類の第二のタスクを割り当てるよう、又は、前記タスク選択肢から選択された種類の第二のタスクを割り当てないよう前記制約データを設定する第八制約設定手段と
有するスケジューリングシステム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のスケジューリングシステムであって、
前記制約データ設定部が
日、時間、曜日又は期間を設定するタイム設定部と、
前記設定された日、時間、曜日又は期間を文字の態様で表示するタイム表示部と、
を有し、
前記文章化文字表示部が、前記タイム表示部によって表示される文字である第三表示文字を表示して、前記制約を、前記第三表示文字を含めた文章の態様で表示するスケジューリングシステム。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一に記載のスケジューリングシステムであって、
前記制約データ設定部が、
前記制約データを複数設定し、
前記複数の制約データに優先度を設定する優先度設定部と、
前記設定された優先度を文字の態様で表示する優先度表示部と、
を有し、
前記文章化文字表示部が、前記優先度表示部によって表示される文字である第四表示文字を表示して、前記制約を、前記第四表示文字を含めた文章の態様で表示し、
前記スケジュール作成部が、前記優先度にも基づいてスケジュールを作成するスケジューリングシステム。
【請求項5】
請求項に記載のスケジューリングシステムであって、
前記スケジュール作成部が、
複数のスケジュールを作成し、
前記複数のスケジュールの各々が満たした制約及び該制約の優先度に基づいて、前記複数のスケジュールに順位を付ける順位付部を有するスケジューリングシステム。
【請求項6】
請求項1~請求項のいずれか一に記載のスケジューリングシステムであって、さらに、
前記スケジュール作成部が作成したスケジュールをユーザーの指示に基づいて修正するスケジュール修正部と、
前記スケジュール作成部が作成したスケジュールと、前記スケジュール修正部にて修正された後のスケジュールとから、ユーザーが所望するスケジュールを学習し、該学習によって得られた知識及び経験をデータ化してなる第一学習モデルを作成する第一学習部と、
を備え、
前記スケジュール作成部が、前記第一学習モデルにも基づいてスケジュールを作成するスケジューリングシステム。
【請求項7】
請求項に記載のスケジューリングシステムであって、さらに、
前記スケジュール作成部が作成した複数のスケジュールのうち、ユーザーが選択した一のスケジュールを記憶する第四記憶処理部と、
前記スケジュール作成部が作成した複数のスケジュールと、前記ユーザーが選択した一のスケジュールとから、ユーザーが所望するスケジュールを学習し、該学習によって得られた知識及び経験をデータ化してなる第二学習モデルを作成する第二学習部と、
を備え、
順位付部が、前記第二学習モデルにも基づいてスケジュールに順位を付けるスケジューリングシステム。
【請求項8】
複数のリソースを複数のタスクに割り当てて、所定期間のスケジュールを作成するスケジューリングシステムであって、
前記リソースの各々を特定するためのデータであるリソース固有データ及び前記リソースが有する1種類又は複数種類の属性に係るデータであるリソース属性データを関連付けて記憶する第一記憶部と、前記リソース属性データに含まれるリソースの属性の種類を設定するリソース属性設定部とを有する第一記憶処理部と、
前記タスクに係るデータであるタスクデータを記憶する第二記憶部と、前記タスクデータに含まれるタスクの種類を設定するタスク設定部とを有する第二記憶処理部と、
前記スケジュールを作成する際の制約に係るデータである制約データを記憶する第三記憶部と、前記リソース固有データ、前記リソース属性データ及び前記タスクデータの少なくともいずれか一に基づいて設けられた選択肢から選択的に指示された制約を満たすよう前記制約データを設定する制約データ設定部とを有する第三記憶処理部と、
前記リソース固有データ、前記リソース属性データ、前記タスクデータ及び前記制約データに基づいて複数のスケジュールを作成するスケジュール作成部と、
前記スケジュール作成部が作成した複数のスケジュールのうち、ユーザーが選択した一のスケジュールを記憶する第四記憶処理部と、
前記スケジュール作成部が作成した複数のスケジュールと、前記ユーザーが選択した一のスケジュールとから、ユーザーが所望するスケジュールを学習し、該学習によって得られた知識及び経験をデータ化してなる第二学習モデルを作成する第二学習部と、
を備え、
前記制約データ設定部が、
前記制約データを複数設定し、
前記複数の制約データに優先度を設定する優先度設定部を有し、
前記スケジュール作成部が、
前記優先度にも基づいてスケジュールを作成し、
前記複数のスケジュールの各々が満たした制約、該制約の優先度及び前記第二学習モデルに基づいて、前記複数のスケジュールに順位を付ける順位付部を有するスケジューリングシステム。
【請求項9】
請求項1~請求項8のいずれか一に記載のスケジューリングシステムであって、
前記スケジュール作成部が、
前記リソース固有データ、前記リソース属性データ、前記タスクデータ及び前記制約データから計算用データを作成する前駆処理部と、
前記計算用データを用いて計算を行い、スケジュールデータを作成する計算処理部と、
前記スケジュールデータから、スケジュールを表示するための処理を行うスケジュール表示処理部と、
を有するスケジューリングシステム。
【請求項10】
複数のリソースを複数のタスクに割り当てて、所定期間のスケジュールを作成するスケジューリングプログラムであって、
前記リソースの各々を特定するためのデータであるリソース固有データ及び前記リソースが有する1種類又は複数種類の属性に係るデータであるリソース属性データを関連付けて記憶する第一記憶機能と、前記リソース属性データに含まれるリソースの属性の種類を設定するリソース属性設定機能とを有する第一記憶処理機能と、
前記タスクに係るデータであるタスクデータを記憶する第二記憶機能と、前記タスクデータに含まれるタスクの種類を設定するタスク設定機能とを有する第二記憶処理機能と、
前記スケジュールを作成する際の制約に係るデータである制約データを記憶する第三記憶機能と、前記リソース固有データ、前記リソース属性データ及び前記タスクデータの少なくともいずれか一に基づいて設けられた選択肢から選択的に指示された制約を満たすよう前記制約データを設定する制約データ設定機能とを有する第三記憶処理機能と、
前記リソース固有データ、前記リソース属性データ、前記タスクデータ及び前記制約データに基づいてスケジュールを作成するスケジュール作成機能と、
をコンピュータに実現させ
前記制約データ設定機能が、
前記リソース固有データに基づいて、前記リソースの選択肢であるリソース選択肢と、前記リソース選択肢から選択されたリソースとを文字の態様で表示するリソース選択肢表示機能と、
前記リソース属性データに基づいて、前記リソースの属性の選択肢であるリソース属性選択肢と、前記リソース属性選択肢から選択された属性とを文字の態様で表示するリソース属性選択肢表示機能と、
前記タスクデータに基づいて、前記タスクの選択肢であるタスク選択肢と、前記タスク選択肢から選択されたタスクとを文字の態様で表示するタスク選択肢表示機能と、
前記リソース選択肢表示機能、前記リソース属性選択肢表示機能及び前記タスク選択肢表示機能の少なくともいずれか一によって表示される文字である第一表示文字の、前又は後或いは前後に文字である第二表示文字を表示して、前記制約を前記第一表示文字及び前記第二表示文字からなる文章の態様で表示する文章化文字表示機能と、
を有するスケジューリングプログラム。
【請求項11】
スケジューリングシステムを用いて、複数のリソースを複数のタスクに割り当てて、所定期間のスケジュールを作成するスケジューリング方法であって、
前記スケジューリングシステムの第一記憶部が、前記リソースの各々を特定するためのデータであるリソース固有データ及び前記リソースが有する1種類又は複数種類の属性に係るデータであるリソース属性データを関連付けて記憶する第一記憶工程と、前記スケジューリングシステムのリソース属性設定部が、前記リソース属性データに含まれるリソースの属性の種類を設定するリソース属性設定工程とを有する第一記憶処理工程と、
前記スケジューリングシステムの第二記憶部が、前記タスクに係るデータであるタスクデータを記憶する第二記憶工程と、前記スケジューリングシステムのタスク設定部が、前記タスクデータに含まれるタスクの種類を設定するタスク設定工程とを有する第二記憶処理工程と、
前記スケジューリングシステムの第三記憶部が、前記スケジュールを作成する際の制約に係るデータである制約データを記憶する第三記憶工程と、前記スケジューリングシステムの制約データ設定部が、前記リソース固有データ、前記リソース属性データ及び前記タスクデータの少なくともいずれか一に基づいて設けられた選択肢から選択的に指示された制約を満たすよう前記制約データを設定する制約データ設定工程とを有する第三記憶処理工程と、
前記スケジューリングシステムのスケジュール作成部が、前記リソース固有データ、前記リソース属性データ、前記タスクデータ及び前記制約データに基づいてスケジュールを作成するスケジュール作成工程と、
を含み、
前記制約データ設定工程が、
前記リソース固有データに基づいて、前記リソースの選択肢であるリソース選択肢と、前記リソース選択肢から選択されたリソースとを文字の態様で表示するリソース選択肢表示工程と、
前記リソース属性データに基づいて、前記リソースの属性の選択肢であるリソース属性選択肢と、前記リソース属性選択肢から選択された属性とを文字の態様で表示するリソース属性選択肢表示工程と、
前記タスクデータに基づいて、前記タスクの選択肢であるタスク選択肢と、前記タスク選択肢から選択されたタスクとを文字の態様で表示するタスク選択肢表示工程と、
前記リソース選択肢表示工程、前記リソース属性選択肢表示工程及び前記タスク選択肢表示工程の少なくともいずれか一によって表示される文字である第一表示文字の、前又は後或いは前後に文字である第二表示文字を表示して、前記制約を前記第一表示文字及び前記第二表示文字からなる文章の態様で表示する文章化文字表示工程と、
を有するスケジューリング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のリソースを複数のタスクに割り当てて、所定期間のスケジュールを作成するスケジューリングシステム、スケジューリングプログラム及びスケジューリング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、企業等の管理者にとって、スケジュールの作成は負担が大きいものであった。例えば、労働者のシフト(スケジュールの一態様である。)を作成する場合には、従業者の希望を募った上で、なるべく希望に添った形になるよう考えてシフトを割り振る必要がある。また、労働者の属性、すなわち、役職・保有資格・熟練度等によってシフトを割り振る際の制約がある場合は、数学的には膨大な組み合わせ計算が必要となり、人間が手作業で行う際の障壁となっていた。具体的には、特定の労働者でなければ割り振ることができないシフトがあったり、同じ時間帯に特定の組合せでシフトを割り振らなければならなかったり、特定の2種類のシフトを連続して割り振らないようにしなければなかったり等、シフトを作成する上での制約が増えると、シフトの作成がより困難となる。
【0003】
このような状況に鑑みて、例えば、特許文献1では、スケジュールを決定する際に満たす必要がある条件である必須条件と、スケジュールを決定する際に満たすことが好ましい条件である希望条件とを設定することで、必須条件を満たしつつ、希望条件を満たす度合いが高くなるようなシフトの最適解を探索するシフト決定装置の技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-101551号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1で開示されるスケジューリングシステムの技術は、スケジュールを作成する上での制約(必須条件、希望条件)の設定に、数学的な知識やプログラミングの知識が必要であるため、これらの専門的な知識を有しないユーザーは、プログラマー等の有識者に設定を依頼するほかなかった。
【0006】
また、前述のように作成されたスケジューリングシステムは、制約の設定を容易に変更できず、特定のスケジューリングにのみ使用できる画一的なスケジューリングシステムとなる。このため、例えば、ユーザーが同じであっても、異なる種類のスケジュール(例えば、異なる業務や異なる店舗のスケジュール等)は、該スケジューリングシステムで作成することができない(汎用性が低い)という問題があった。また、スケジュールを作成する上での制約が変わると、スケジューリングシステムは、制約の設定を変更しなければ使用することができないという問題があった。このような場合の設定の変更にも当然、専門的な知識が必要であるため、有識者に設定を依頼するしかない。
【0007】
このような状況であるため、従来のスケジューリングシステムを使用するためには、専門的な知識が必須であり、専門的な知識を有しないユーザーは、高いコストをかけてスケジューリングシステムを使用するか、スケジューリングシステムの使用を諦めるしかなかった。
【0008】
本発明は、従来のこのような事情に鑑みてなされたものである。本発明の目的の一は、数学的な知識やプログラミングの知識を有しないユーザーであっても容易に使用することができ、汎用的なスケジューリングシステム、スケジューリングプログラム及びスケジューリング方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0009】
本発明の第1の側面に係るスケジューリングシステムは、複数のリソースを複数のタスクに割り当てて、所定期間のスケジュールを作成するスケジューリングシステムであって、前記リソースの各々を特定するためのデータであるリソース固有データ及び前記リソースが有する1種類又は複数種類の属性に係るデータであるリソース属性データを関連付けて記憶する第一記憶部と、前記リソース属性データに含まれるリソースの属性の種類を設定するリソース属性データ部とを有する第一記憶処理部と、前記タスクに係るデータであるタスクデータを記憶する第二記憶部と、前記タスクデータに含まれるタスクの種類を設定するタスク設定部とを有する第二記憶処理部と、前記スケジュールを作成する際の制約に係るデータである制約データを記憶する第三記憶部と、前記リソース固有データ、前記リソース属性データ及び前記タスクデータの少なくともいずれか一に基づいて設けられた選択肢から選択的に指示された制約を満たすよう前記制約データを設定する制約データ設定部とを有する第三記憶処理部と、前記リソース固有データ、前記リソース属性データ、前記タスクデータ及び前記制約データに基づいてスケジュールを作成するスケジュール作成部とを備えることができる。
【0010】
本発明の第2の側面に係るスケジューリングシステムは、前記制約データ設定部が、前記リソース固有データに基づいて、前記リソースの選択肢であるリソース選択肢を表示するリソース選択肢表示部と、前記リソース属性データに基づいて、前記リソースの属性の選択肢であるリソース属性選択肢を表示するリソース属性選択肢表示部と、前記タスクデータに基づいて、前記タスクの選択肢であるタスク選択肢を表示するタスク選択肢表示部とを有することができる。
【0011】
本発明の第3の側面に係るスケジューリングシステムは、前記制約データ設定部が、前記リソース選択肢から選択されたリソース及び前記リソース属性選択肢から選択された属性を有するリソースの少なくともいずれか一を、前記タスク選択肢から選択されたタスクに割り当てるよう、又は、前記タスク選択肢から選択されたタスクに割り当てないよう前記制約データを設定する第一制約設定手段と、前記リソース選択肢から選択されたリソース及び前記リソース属性選択肢から選択された属性を有するリソースの少なくともいずれか一を、所望の回数、前記タスク選択肢から選択されたタスクに割り当てるよう前記制約データを設定する第二制約設定手段と、前記リソース選択肢から選択されたリソース及び前記リソース属性選択肢から選択された属性を有するリソースの少なくともいずれか一を、所望の期間連続で、前記タスク選択肢から選択されたタスクに割り当てるよう前記制約データを設定する第三制約設定手段と、前記リソース選択肢及び前記リソース属性選択肢の少なくとも一方から選択された2以上のリソースを、同時に割り当てないよう前記制約データを設定する第四制約設定手段と、前記リソース選択肢から選択されたリソース及び前記リソース属性選択肢から選択された属性を有するリソースの少なくともいずれか一を、前記タスク選択肢から選択された種類の複数のタスクに、所望の順序で割り当てるよう前記制約データを設定する第五制約設定手段と、前記タスク選択肢から選択されたタスクに割り当てられたリソースを、所望の期間連続で、該タスクに割り当てないよう前記制約データを設定する第六制約設定手段と、前記リソース選択肢及び前記リソース属性選択肢の少なくとも一方から選択された2以上のリソースのうち、所望の数のリソースを同時に割り当てるよう前記制約データを設定する第七制約設定手段と、前記タスク選択肢から選択された種類の第一のタスクの後に、前記タスク選択肢から選択された種類の第二のタスクを割り当てるよう、又は、前記タスク選択肢から選択された種類の第二のタスクを割り当てないよう前記制約データを設定する第八制約設定手段との少なくともいずれか一を有することができる。
【0012】
本発明の第4の側面に係るスケジューリングシステムは、前記制約データ設定部が、日、時間、曜日又は期間を設定するタイム設定部を有し、前記第一制約設定手段~第八制約設定手段が、前記タイム設定部にて設定された日、時間、曜日又は期間内で制約を満たすよう制約データを設定できる。
【0013】
本発明の第5の側面に係るスケジューリングシステムは、前記制約データ設定部が、前記制約データを複数設定し、前記複数の制約データに優先度を設定する優先度設定部を有し、前記スケジュール作成部が、前記優先度にも基づいてスケジュールを作成することができる。
【0014】
前記構成によれば、スケジュールを作成する上での制約を選択的に指示することができるので、数学的な知識やプログラミングの知識を有しないユーザーであっても、スケジュールを作成する上での制約を容易に設定、変更することができる。また、前記構成によれば、様々な制約を指示することができるため、汎用性が高く、様々なスケジュールを作成することができる。これにより、数学的な知識やプログラミングの知識を有しないユーザーであっても容易に使用することができ、汎用的なスケジューリングシステムを提供できる。
【0015】
本発明の第6の側面に係るスケジューリングシステムは、前記スケジュール作成部が、複数のスケジュールを作成し、前記複数のスケジュールの各々が満たした制約及び該制約の優先度に基づいて、前記複数のスケジュールに順位を付ける順位付部を有することができる。
【0016】
本発明の第7の側面に係るスケジューリングシステムは、さらに、前記スケジュール作成部が作成したスケジュールをユーザーの指示に基づいて修正するスケジュール修正部と、前記スケジュール作成部が作成したスケジュールと、前記スケジュール修正部にて修正された後のスケジュールとから、ユーザーが所望するスケジュールを学習し、該学習によって得られた知識及び経験をデータ化してなる第一学習モデルを作成する第一学習部とを備え、前記スケジュール作成部が、前記第一学習モデルにも基づいてスケジュールを作成することができる。
【0017】
本発明の第8の側面に係るスケジューリングシステムは、さらに、前記スケジュール作成部が作成した複数のスケジュールのうち、ユーザーが選択した一のスケジュールの順位を最上位に設定し直す第四記憶処理部と、前記スケジュール作成部が作成した複数のスケジュールと、前記ユーザーが選択した一のスケジュールとから、ユーザーが所望するスケジュールを学習し、該学習によって得られた知識及び経験をデータ化してなる第二学習モデルを作成する第二学習部とを備え、順位付部が、前記第二学習モデルにも基づいてスケジュールに順位を付けることができる。
【0018】
前記構成によれば、シフトの作成によって得られた知識及び経験をデータ化し、該データを次回以降のシフトの作成の際に利用することができるので、シフトを作成する度にシフト作成の精度を高めることができる。
【0019】
本発明の第9の側面に係るスケジューリングシステムは、前記スケジュール作成部が、前記リソース固有データ、前記リソース属性データ、前記タスクデータ及び前記制約データから計算用データを作成する前駆処理部と、前記計算用データを用いて計算を行い、スケジュールデータを作成する計算処理部と、前記スケジュールデータから、スケジュールを表示するための処理を行うスケジュール表示処理部とを有することができる。
【0020】
本発明の第10の側面に係るスケジューリングプログラムは、複数のリソースを複数のタスクに割り当てて、所定期間のスケジュールを作成するスケジューリングプログラムであって、前記リソースの各々を特定するためのデータであるリソース固有データ及び前記リソースが有する1種類又は複数種類の属性に係るデータであるリソース属性データを関連付けて記憶する第一記憶機能と、前記リソース属性データに含まれるリソースの属性の種類を設定するリソース属性設定機能とを有する第一記憶処理機能と、前記タスクに係るデータであるタスクデータを記憶する第二記憶機能と、前記タスクデータに含まれるタスクの種類を設定するタスク設定機能とを有する第二記憶処理機能と、前記スケジュールを作成する際の制約に係るデータである制約データを記憶する第三記憶機能と、前記リソース固有データ、前記リソース属性データ及び前記タスクデータの少なくともいずれか一に基づいて設けられた選択肢から選択的に指示された制約を満たすよう前記制約データを設定する制約データ設定機能とを有する第三記憶処理機能と、前記リソース固有データ、前記リソース属性データ、前記タスクデータ及び前記制約データに基づいてスケジュールを作成するスケジュール作成機能とをコンピュータに実現させることができる。
【0021】
前記構成によれば、スケジュールを作成する上での制約を選択的に指示することができるので、数学的な知識やプログラミングの知識を有しないユーザーであっても、スケジュールを作成する上での制約を容易に設定、変更することができる。また、前記構成によれば、様々な制約を指示することができるため、汎用性が高く、様々なスケジュールを作成することができる。これにより、数学的な知識やプログラミングの知識を有しないユーザーであっても容易に使用することができ、汎用的なスケジューリングプログラムを提供できる。
【0022】
本発明の第11の側面に係るスケジューリング方法は、複数のリソースを複数のタスクに割り当てて、所定期間のスケジュールを作成するスケジューリング方法であって、前記リソースの各々を特定するためのデータであるリソース固有データ及び前記リソースが有する1種類又は複数種類の属性に係るデータであるリソース属性データを関連付けて記憶する第一記憶工程と、前記リソース属性データに含まれるリソースの属性の種類を設定するリソース属性設定工程とを有する第一記憶処理工程と、前記タスクに係るデータであるタスクデータを記憶する第二記憶工程と、前記タスクデータに含まれるタスクの種類を設定するタスク設定工程とを有する第二記憶処理工程と、前記スケジュールを作成する際の制約に係るデータである制約データを記憶する第三記憶工程と、前記リソース固有データ、前記リソース属性データ及び前記タスクデータの少なくともいずれか一に基づいて設けられた選択肢から選択的に指示された制約を満たすよう前記制約データを設定する制約データ設定工程とを有する第三記憶処理工程と、前記リソース固有データ、前記リソース属性データ、前記タスクデータ及び前記制約データに基づいてスケジュールを作成するスケジュール作成工程とを含むことができる。
【0023】
前記構成によれば、スケジュールを作成する上での制約を選択的に指示することができるので、数学的な知識やプログラミングの知識を有しないユーザーであっても、スケジュールを作成する上での制約を容易に設定、変更することができる。また、前記構成によれば、様々な制約を指示することができるため、汎用性が高く、様々なスケジュールを作成することができる。これにより、数学的な知識やプログラミングの知識を有しないユーザーであっても容易に使用することができ、汎用的なスケジューリング方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の一実施の形態に係るスケジューリングシステムの構成を説明するシステム構成図である。
図2】サーバーの構成を説明するシステム構成図である。
図3】リソースデータリストの模式図である。
図4】リソース追加画面の模式図である。
図5】リソース編集画面の模式図である。
図6】リソース属性追加画面の模式図である。
図7】リソース属性編集画面の模式図である。
図8】タスクデータリストの模式図である。
図9】タスク追加画面の模式図である。
図10】タスク編集画面の模式図である。
図11】制約データリストの模式図である。
図12】テンプレートの模式図である。
図13】テンプレートの模式図である。
図14】テンプレートの模式図である。
図15】テンプレートの模式図である。
図16】テンプレートの模式図である。
図17】テンプレートの模式図である。
図18】テンプレートの模式図である。
図19】テンプレートの模式図である。
図20】テンプレートの模式図である。
図21】テンプレートの模式図である。
図22】テンプレートの模式図である。
図23】テンプレートの模式図である。
図24】テンプレートの模式図である。
図25】リソース選択画面の模式図である。
図26】タスク選択肢の模式図である。
図27】タイム選択画面の模式図である。
図28】第一優先度指示ボタンの模式図である。
図29】本発明の一実施の形態に係るスケジューリングシステムを用いたスケジューリング方法を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するためのスケジューリングシステム、スケジューリングプログラム及びスケジューリング方法を例示するものであって、本発明はスケジューリングシステム、スケジューリングプログラム及びスケジューリング方法を以下のものに特定しない。また、本明細書は特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。特に実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。
[スケジューリングシステム1]
【0026】
本発明の一実施形態に係るスケジューリングシステム1をシフト管理に適用した場合について図1図29に基づいて説明する。
【0027】
スケジューリングシステム1は、所望の期間のシフトを作成するシステムであり、図1に示すように、複数の労働者WO(特許請求の範囲における「リソース」及び「ユーザー」の一例に対応する。)が使用する第一端末11と、管理者AD(特許請求の範囲における「ユーザー」の一例に対応する。)が使用する第二端末12と、サーバー13とからなる。
〔第一端末11及び第二端末12〕
【0028】
図1に示すように、第一端末11は労働者WOが使用する端末であり、第二端末12は管理者ADが使用する端末である。これらの端末は、例えば、パソコンや、タブレット、スマートフォンが該当する。また、第一端末11及び第二端末12は特定の端末を指すものではなく、労働者WOが複数の端末を使用する場合はそれら全てが第一端末11に該当し、管理者ADが複数の端末を使用する場合はそれら全てが第二端末12に該当する。
〔サーバー13〕
【0029】
サーバー13は、図1に示すように、通信ネットワークを介して、第一端末11及び第二端末12と通信可能に接続されるコンピュータであって、第一端末11を介して送信される労働者WOの指示及び第二端末12を介して送信される管理者ADの指示に基づいてシフトを作成する。サーバー13は、図2に示すように、第一記憶処理機能を有する第一記憶処理部131と、第二記憶処理機能を有する第二記憶処理部132と、第三記憶処理機能を有する第三記憶処理部133と、スケジュール作成機能を有するスケジュール作成部134と、スケジュール修正機能を有するスケジュール修正部135と、学習機能を有する学習部136とを備えている(詳細は後述する。)。
【0030】
なお、1つのサーバーであるサーバー13が、前述の各部材を、必ずしも全て備える必要はなく、他のサーバー(サーバーに準ずる部材も含む。)と分担して備えるようにしてもよい。
〈第一記憶処理部131〉
【0031】
第一記憶処理部131は、第一記憶部1311及びリソースデータ設定部1312を有する部材であって、第一記憶処理機能を有する。
《第一記憶部1311》
【0032】
第一記憶部1311は、第一記憶処理機能の1つである第一記憶機能を有する部材であり、第一記憶機能は、労働者WOのデータを記憶する機能である。
【0033】
具体的に、第一記憶機能は、労働者WOのデータである、労働者WOの各々を特定するためのデータであるリソース固有データと、労働者WOが有する1種類又は複数種類の属性に係るデータであるリソース属性データとを関連付けて記憶する機能であって、リソース固有データは、労働者WOの名前のデータであり、リソース属性データは、例えば、「役職」、「生年」、「資格」、「性別」及び「初心者か否か」のデータである。また、第一記憶部1311に記憶されるリソース固有データ及びリソース属性データは、リソースデータ設定部1312によって、ウェブサイト上で閲覧、設定できる(詳細は後述する。)。
【0034】
なお、第一記憶部1311の態様は、前述のものに限定されない。例えば、リソース固有データは、労働者WOの名前のデータに限定されず、例えば、識別番号や、スケジューリングシステム1を利用する上でのアカウント名であってもよい。
《リソースデータ設定部1312》
【0035】
リソースデータ設定部1312は、第一記憶処理機能の1つであるリソースデータ設定機能を有する部材であり、リソースデータ設定機能は、リソース固有データ及びリソース属性データの設定に係る機能である。
【0036】
具体的に、リソースデータ設定部1312は、ユーザーがリソース固有データ及びリソース属性データをウェブサイト上で閲覧、設定できるよう処理を行い、設定されたリソース固有データ及びリソース属性データを第一記憶部1311に記憶させる。例えば、リソースデータ設定部1312は、リソース固有データ及びリソース属性データを、ウェブサイト上に、図3に示すような表の態様(以下、「リソースデータリスト」という。)で表示する。ここでは、1つの行に1つの労働者WOのデータが表示され(なお、1行目には管理者ADの情報が表示される)、一列目にはリソース固有データが表示され、二列目以降にはリソース属性データが表示される。これにより、ユーザーは、記憶された労働者WOのデータの一覧(リソースデータリスト)を確認することができる。
【0037】
また、リソース追加ボタンB01を押下すると、図4に示すようなリソース追加画面S01が表示され、該リソース追加画面S01を操作することで、1人分の労働者WOのデータを格納するための記憶領域が第一記憶部1311に確保され、該記憶領域内にリソース固有データが記憶される(リソース属性データは記憶されていない)。これにより、リソースデータリストには、追加された労働者WOのデータを表示するための行が1行追加され、該行の一列目にリソース固有データが表示される(リソース属性データは記憶されていないため二列目以降は空白である。)。
【0038】
また、労働者WOのデータ毎(1行毎)に用意されているリソース編集ボタンB02を押下すると、図5に示すようなリソース編集画面S02が表示され、該リソース編集画面S02を操作することで、対応した労働者WOのデータの編集又は削除することができ、リソースデータリストに反映される。
【0039】
また、リソース属性追加ボタンB03を押下すると、図6に示すようなリソース属性追加画面S03が表示され、該リソース属性追加画面S03を操作することで、リソースの属性の種類が1つ追加される。これにより、リソースデータリストには、追加されたリソースの属性の種類を表示するための列が1列追加される。さらにまた、リソース属性追加画面S03では、図6に示すように、リソースの属性の設定方式を「チェックボックス方式」、「数字入力方式」、「セレクト方式」、「テキスト入力方式」から選択して設定することができるので、リソース属性を容易に設定することができる。なお、リソース属性追加ボタンB03及びリソース属性追加画面S03は、特許請求の範囲における「リソース属性設定部」の一例に対応し、これらを用いた前述の機能は、特許請求の範囲における「リソース属性設定機能」の一例に対応する。
【0040】
また、リソースの属性毎(1列毎)に用意されているリソース属性編集ボタンB04を押下すると、図7に示すようなリソース属性編集画面S04が表示され、該リソース属性編集画面S04を操作することで、ソースの属性の編集又は削除することができ、リソースデータリストに反映される。このとき、リソースの属性の設定方式を編集することもできる。なお、リソース属性編集ボタンB04及びリソース属性編集画面S04は、特許請求の範囲における「リソース属性設定部」の一例に対応し、これらを用いた前述の機能は、特許請求の範囲における「リソース属性設定機能」の一例に対応する。
【0041】
このように、ユーザーは、ウェブサイトを介した操作により、リソース固有データ及びリソース属性データを容易に記憶させることができる。また、リソースの属性の種類を設定することができるので、様々なスケジューリングに対応でき、汎用性が高い。
【0042】
なお、前述のリソースデータ設定部1312のリソースデータ設定機能は、必ずしも、ウェブサイト上で実現させる必要はなく、例えば、第一端末11又は第二端末12にインストールされたアプリケーション上で実現させるよう構成してもよい(以降、ウェブサイト上で実現されるものとして説明する機能は、同様に、アプリケーション上で実現させるよう構成してもよい)。また、リソース固有データ及びリソース属性データは、管理者ADが第二端末12を操作して記憶させるようにしてもよいし、労働者WOが第一端末11を操作して記憶させるようにしてもよい。さらにまた、管理者ADが第二端末12を操作してリソース固有データを記憶させ、労働者WOが第一端末11を操作して自身のソース属性データを記憶させるようにしてもよい。リソース固有データ及びリソース属性データは、スケジューリングシステム1にシフトを作成させる前に、記憶させておけばよく、その方法は特に限定されない。
〈第二記憶処理部132〉
【0043】
第二記憶処理部132は、第二記憶部1321及びタスクデータ設定部1322を有する部材であって、第二記憶処理機能を有する。
《第二記憶部1321》
【0044】
第二記憶部1321は、第二記憶処理機能の1つである第二記憶機能を有する部材であり、第二記憶機能は、タスクデータを記憶する機能である。
【0045】
タスクデータは、シフトの種類に係るデータであって、例えば、「休日」、「有休」、「早番」、「日勤」、「遅番」、「夜勤」、「明勤」等に分けて設定することができ、さらに詳細なデータとして、例えば、「シフトの説明」、「シフトの時間(終日、開始時刻、終了時刻)」及び「シフト希望の制約」をシフト毎に設定できる。また、タスクデータは、タスクデータ設定部1322によって、ウェブサイト上で閲覧、設定できる(詳細は後述する。)。
《タスクデータ設定部1322》
【0046】
タスクデータ設定部1322は、第二記憶処理機能の1つであるタスクデータ設定機能を有する部材であり、タスクデータ設定機能は、タスクデータの設定に係る機能である。
【0047】
具体的に、タスクデータ設定部1322は、ユーザーがタスクデータをウェブサイト上で閲覧、設定できるよう処理を行い、設定されたタスクデータを第二記憶部1321に記憶させる。例えば、タスクデータ設定部1322は、タスクデータを、ウェブサイト上に、図8に示すような表の態様(以下、「タスクデータリスト」という。)で表示する。ここでは、1つの行に1つのタスクデータが表示され、図中左から順に、「シフト名」、「シフトの説明」、「シフトの時間」及び「シフト希望の制約」のデータが表示される。これにより、ユーザーは、記憶されたタスクデータの一覧(タスクデータリスト)を確認することができる。
【0048】
また、タスク追加ボタンB05を押下すると、図9に示すようなタスク追加画面S05が表示され、該タスク追加画面S05を操作することで、1つのタスクデータを格納するための記憶領域が第二記憶部1321に確保され、該記憶領域内にタスクデータが記憶される。これにより、タスクデータリストには、追加されたタスクデータを表示するための行が1行追加される。なお、タスク追加ボタンB05及びタスク追加画面S05は、特許請求の範囲における「タスク設定部」の一例に対応し、これらを用いた前述の機能は、特許請求の範囲における「タスク設定機能」の一例に対応する。
【0049】
また、タスクデータ毎(1行毎)に用意されているタスク編集ボタンB06を押下すると、図10に示すようなタスク編集画面S06が表示され、該タスク編集画面S06を操作することで、対応したタスクデータの編集又は削除することができ、タスクデータリストに反映される。なお、タスク編集ボタンB06及びタスク編集画面S06は、特許請求の範囲における「タスク設定部」の一例に対応し、これらを用いた前述の機能は、特許請求の範囲における「タスク設定機能」の一例に対応する。
【0050】
このように、ユーザーは、ウェブサイトを介した操作により、タスクデータを容易に記憶させることができる。
【0051】
なお、タスクデータは、管理者ADが第二端末12を操作して記憶させるようにしてもよいし、労働者WOが第一端末11を操作して記憶させるようにしてもよい。タスクデータは、スケジューリングシステム1にシフトを作成させる前に、記憶させておけばよく、その方法は特に限定されない。
〈第三記憶処理部133〉
【0052】
第三記憶処理部133は、第三記憶部1331及び制約データ設定部1332を有する部材であって、第三記憶処理機能を有する。
《第三記憶部1331》
【0053】
第三記憶部1331は、第三記憶処理機能の1つである第三記憶機能を有する部材であり、第三記憶機能は、制約データを記憶する機能である。また、制約データは、シフトを作成する際の制約に係るデータであって、制約データ設定部1332によって、ウェブサイト上で閲覧、設定できる(詳細は後述する。)。
《制約データ設定部1332》
【0054】
制約データ設定部1332は、シフトを作成する際の一又は複数の制約に係るデータである制約データを記憶するための処理を行う部材である。
【0055】
具体的に、制約データ設定部1332は、ユーザーが制約データを文章(特許請求の範囲における「第一表示文字」、「第二表示文字」、「第三表示文字」、「第四表示文字」の組合せによって構成される。)の態様で、ウェブサイト上で閲覧、設定できるよう処理を行い、設定された制約データを数理モデルに変換して第三記憶部1331に記憶させる。例えば、制約データ設定部1332は、制約データを、ウェブサイト上に、図11に示すような文章の態様(以下、「制約データリスト」という。)で表示する(特許請求の範囲における「文章化文字表示部」の機能の一例に対応する。)
【0056】
また、制約データ設定部1332は、リソース選択肢表示部1332a、リソース属性選択肢表示部1332b、タスク選択肢表示部1332c、文章化文字表示部、タイム設定部1332d及び優先度設定部1332eを有しており、ユーザーは、これらの部材によって表示される選択肢を利用したテンプレートT01~T13(図12図24)を用いて制約データを設定することができる。
【0057】
これにより、数学的な知識やプログラミングの知識を有しないユーザーであっても容易に制約データを設定することができ、設定後の制約データを容易に理解することができる。また、様々な制約を指示することができるので、スケジューリングシステム1は、シフト管理に限らず、様々なスケジューリングが可能であり、汎用的な使用が可能である。
【0058】
以下で、リソース選択肢表示部1332a、リソース属性選択肢表示部1332b、タスク選択肢表示部1332c、タイム設定部1332d、優先度設定部1332e及びテンプレートT01~T13について説明する。
(リソース選択肢表示部1332a)
【0059】
リソース選択肢表示部1332aは、テンプレートT01~T06、T08、T09~T13を用いて制約データを設定する際に、第一記憶部1311に記憶されたリソース固有データに基づいて、リソースの選択肢であるリソース選択肢(特許請求の範囲における「第一表示文字」の一例に対応する。)を表示する(特許請求の範囲における「リソース選択肢表示機能」及び「リソース選択肢表示工程」の一例に対応する。)部材である。
【0060】
具体的に、リソース選択肢表示部1332aは、図12図15図17図19図21図24に示すようなリソース選択ボタンB07を押下することで、図25に示すように表示されるリソース選択画面S07にリソース選択肢を表示する。
【0061】
また、リソース選択肢表示部1332aは、図16に示すテンプレートT05には、リソース選択ボタンB07及びリソース選択画面S07を介さずに、直接、リソース選択肢を表示する。
【0062】
これにより、ユーザーは、制約データの設定に際し、リソースを選択的に指定できる。なお、リソース選択画面S07には、リソース属性選択肢表示部1332bによって、リソース属性選択肢も併せて表示され、複数のリソース及びリソース属性データを同時に選択することができる。
(リソース属性選択肢表示部1332b)
【0063】
リソース属性選択肢表示部1332bは、テンプレートT01~T04、T06、T08、T09~T13を用いて制約データを設定する際に、第一記憶部1311に記憶されたリソース属性データに基づいて、リソースの属性の選択肢であるリソース属性選択肢(特許請求の範囲における「第一表示文字」の一例に対応する。)を表示する(特許請求の範囲における「リソース属性選択肢表示機能」及び「リソース属性選択肢表示工程」の一例に対応する。)部材である。
【0064】
具体的に、リソース属性選択肢表示部1332bは、図12図15図17図19図21図24に示すようなリソース選択ボタンB07を押下することで、図25に示すよう表示されるリソース選択画面S07にリソース属性選択肢を表示する。
【0065】
これにより、ユーザーは、制約データの設定に際し、リソースの属性を選択的に指定できる。
(タスク選択肢表示部1332c)
【0066】
タスク選択肢表示部1332cは、テンプレートT01~T13を用いて制約データを設定する際に、第二記憶処理部に記憶されたタスクデータに基づいて、タスクの選択肢であるタスク選択肢(特許請求の範囲における「第一表示文字」の一例に対応する。)を表示する(特許請求の範囲における「タスク選択肢表示機能」及び「タスク選択肢表示工程」の一例に対応する。)部材である。
【0067】
具体的に、タスク選択肢表示部1332cは、例えば、図26に示すように、テンプレート上にタスク選択肢を表示する。
【0068】
これにより、ユーザーは、制約データの設定に際し、リソースを選択的に指定できる。
(タイム設定部1332d)
【0069】
タイム設定部1332dは、テンプレートT01~T03、T05、T07、T08、T11~T13を用いて制約データを設定する際に、制約の時間的範囲(日、時間、曜日又期間等)を設定する部材である。言い換えると、テンプレートT01~T03、T05、T07、T08、T11~T13を用いて設定される制約データは、タイム設定部1332dにて設定された時間的範囲内で制約を満たすよう設定される。
【0070】
具体的に、タイム設定部1332dは、図12図16図19図22図24に示すようなタイム設定ボタンBO8を押下することで、図27に示すように表示されるタイム選択画面SO8にタイム指示ボタンBO9(制約の時間的範囲を指示するためのボタンであり、態様は特に限定されない。特許請求の範囲における「第三表示文字」の一例に対応する。)を表示する(特許請求の範囲における「タイム表示部」の機能の一例に対応する。)
【0071】
また、タイム設定部1332dは、図13に示すテンプレートT02、図14に示すテンプレートT03及び図18に示すテンプレートT07には、タイム設定ボタンBO8及びタイム選択画面SO8を介さずに、直接、タイム指示ボタンBO9を表示する(特許請求の範囲における「タイム表示部」の機能の一例に対応する。)
(優先度設定部1332e)
【0072】
優先度設定部1332eは、テンプレートT01、T04、T05、T09、T11、T12を用いて制約データを設定する際に、制約データの優先度(スケジュール作成部134は、優先度が高い制約から優先的に満たすようシフトを作成する。詳細は後述する。)を設定する部材である。
【0073】
具体的に、図12図16図20に示すような第一優先度指示ボタンB10を表示する。第一優先度指示ボタンB10(特許請求の範囲における「第四表示文字」の一例に対応する。)は、例えば、図28に示すように、「割り当てない(優先度が高い)」、「割り当てる(優先度が高い)」、「できれば割り当てない(優先度が低い)」、「できれば割り当てる(優先度が低い)」の中から選択的に優先度を指示することができる(特許請求の範囲における「優先度表示部」の機能の一例である。)
【0074】
また、図15図22図23に示すような第二優先度指示ボタンB11を表示する。第二優先度指示ボタンB11は、数値的に優先度を指示することができる(特許請求の範囲における「優先度表示部」の機能の一例である。)。本実施例においては、1~10の範囲で優先度を指示することができ、数値が大きいほど優先度が高い。
(テンプレートT01)
【0075】
テンプレートT01(特許請求の範囲における「第一制約設定手段」の一例に対応する。)は、図12に示すように、リソース選択肢表示部1332a、リソース属性選択肢表示部1332b、タスク選択肢表示部1332c、タイム設定部1332d及び優先度設定部1332eを有するテンプレートである。テンプレートT01を用いることで、所望の労働者EM又は所望の属性を有する労働者EMを、所望の日、時間、曜日又は期間に、所望の種類のシフトに割り当てるよう、又は、割り当てないよう制約データを設定することができる。
(テンプレートT02及びテンプレートT03)
【0076】
テンプレートT02(特許請求の範囲における「第二制約設定手段」の一例に対応する。)及びテンプレートT03(特許請求の範囲における「第二制約設定手段」の一例に対応する。)は、図13及び図14に示すように、リソース選択肢表示部1332a、リソース属性選択肢表示部1332b、タスク選択肢表示部1332c及びタイム設定部1332dを有するテンプレートである。テンプレートT02及びテンプレートT03を用いることで、所望の労働者EM又は所望の属性を有する労働者EMを、所望の日、時間、曜日又は期間に、所望の回数、所望の種類のシフトに割り当てるよう制約データを設定することができる。
(テンプレートT04)
【0077】
テンプレートT04(特許請求の範囲における「第三制約設定手段」の一例に対応する。)は、図15に示すように、リソース選択肢表示部1332a、リソース属性選択肢表示部1332b及びタスク選択肢表示部1332cを有するテンプレートである。テンプレートT04を用いることで、所望の労働者EM又は所望の属性を有する労働者EMを、所望の種類のシフトに、所望の回数連続で割り当てるよう制約データを設定することができる。
(テンプレートT05)
【0078】
テンプレートT05(特許請求の範囲における「第四制約設定手段」の一例に対応する。)は、図16に示すように、リソース選択肢表示部1332a、リソース属性選択肢表示部1332b、タスク選択肢表示部1332c、タイム設定部1332d及び優先度設定部1332eを有するテンプレートである。テンプレートT05を用いることで、所望の種類のシフトに割り当てられる所望の労働者EMである第一の労働者EMと、所望の種類のシフトに割り当てられる所望の労働者EMである第二の労働者EMとを、所望の日、時間、曜日又は期間に同時に、割り当てるよう、又は、割り当てないよう制約データを設定することができる。
(テンプレートT06)
【0079】
テンプレートT06(特許請求の範囲における「第五制約設定手段」の一例に対応する。)は、図17に示すように、リソース選択肢表示部1332a、リソース属性選択肢表示部1332b及びタスク選択肢表示部1332cを有するテンプレートである。テンプレートT06を用いることで、所望の労働者EM又は所望の属性を有する労働者EMを、所望の複数種類のシフトに、所望の順番で割り当てるよう制約データを設定することができる。
(テンプレートT07)
【0080】
テンプレートT07(特許請求の範囲における「第六制約設定手段」の一例に対応する。)は、図18に示すように、タスク選択肢表示部1332c及びタイム設定部1332dを有するテンプレートである。テンプレートT07を用いることで、所望の種類のシフトに割り当てられた労働者EMが、同じ種類のシフトに、所望の日、時間、曜日又は期間、割り当てないよう制約データを設定することができる。
(テンプレートT08)
【0081】
テンプレートT08(特許請求の範囲における「第七制約設定手段」の一例に対応する。)は、図19に示すように、リソース選択肢表示部1332a、リソース属性選択肢表示部1332b、タスク選択肢表示部1332c及びタイム設定部1332dを有するテンプレートである。テンプレートT08を用いることで、所望の日、時間、曜日又は期間の、所望の種類のシフトに、複数の所望の労働者EM又は所望の属性を有する複数の労働者EMを割り当てるよう制約データを設定することができる。
(テンプレートT09)
【0082】
テンプレートT09(特許請求の範囲における「第八制約設定手段」の一例に対応する。)は、図20に示すように、タスク選択肢表示部1332c及び優先度設定部1332eを有するテンプレートである。テンプレートT09を用いることで、所望の種類のシフトである第一のシフトと所望の種類のシフトである第二のシフトとを連続で割り当てるよう、又は、割り当てないよう制約データを設定することができる。
(テンプレートT10)
【0083】
テンプレートT10(特許請求の範囲における「第二制約設定手段」の一例に対応する。)は、図21に示すように、リソース選択肢表示部1332a、リソース属性選択肢表示部1332b及びタスク選択肢表示部1332cを有するテンプレートである。テンプレートT10を用いることで、所望の労働者EM又は所望の属性を有する労働者EMを、所望の種類のシフトである第二のシフトに割り当てられた回数を基準に設定された回数、所望の種類のシフトである第一のシフトに割り当てるよう制約データを設定することができる。
(テンプレートT11)
【0084】
テンプレートT11(特許請求の範囲における「第二制約設定手段」の一例に対応する。)は、図22に示すように、リソース選択肢表示部1332a、リソース属性選択肢表示部1332b、タスク選択肢表示部1332c、タイム設定部1332d及び優先度設定部1332eを有するテンプレートである。テンプレートT11を用いることで、複数の所望の労働者EM又は所望の属性を有する複数の労働者EMに、所望の種類のシフトを、均等に割り当てるよう制約データを設定することができる。
(テンプレートT12)
【0085】
テンプレートT12(特許請求の範囲における「第七制約設定手段」の一例に対応する。)は、図23に示すように、リソース選択肢表示部1332a、リソース属性選択肢表示部1332b、タスク選択肢表示部1332c、タイム設定部1332d及び優先度設定部1332eを有するテンプレートである。テンプレートT12を用いることで、所望の日、時間、曜日又は期間の所望の種類のシフトに、複数の所望の労働者EM又は所望の属性を有する複数の労働者EMの中から所望の人数の労働者EMを割り当てるよう制約データを設定することができる。
(テンプレートT13)
【0086】
テンプレートT13(特許請求の範囲における「第二制約設定手段」の一例に対応する。)は、図24に示すように、リソース選択肢表示部1332a、リソース属性選択肢表示部1332b、タスク選択肢表示部1332c及びタイム設定部1332dを有するテンプレートである。テンプレートT13を用いることで、所望の労働者EM又は所望の属性を有する労働者EMを、所望の日、時間、曜日又は期間を基準に設定された回数、所望の種類のシフトに割り当てるよう制約データを設定することができる。
【0087】
なお、制約データ設定部1332は前述の態様に限定されない。例えば、テンプレートは、前述のテンプレートT01~T13に限定されず、適宜、変更可能である。また、制約データの設定は、テンプレートを用いた方法に限定されず、例えば、労働者WOが第一端末11を介してシフトの希望を指示すると、該指示に基づいて自動的に制約データが設定されるようにしてもよい。また、制約データは、管理者ADが第二端末12を操作して記憶させるようにしてもよいし、労働者WOが第一端末11を操作して記憶させるようにしてもよい。制約データは、スケジューリングシステム1にシフトを作成させる前に、記憶させておけばよく、その方法は特に限定されない。
〈スケジュール作成部134〉
【0088】
スケジュール作成部134は、リソース固有データ、リソース属性データ、タスクデータ、及び制約データに基づいてシフトを作成する部材であって、前駆処理部1341、計算処理部1342及びスケジュール表示処理部1343を有する。
《前駆処理部1341》
【0089】
前駆処理部1341は、リソース固有データ、リソース属性データ、タスクデータ及び制約データに基づいて、計算処理部1342がシフトを作成するための計算処理に用いる計算用データを作成する部材である。計算用データは、例えば、「最適なシフトを作成する」というスケジューリングシステム1の目的を、関数的に表現してなる目的関数と、制約データを数式で表現してなる制約式とを、計算処理部1342が処理できるようプログラムコードに書き換えたものである。
【0090】
また、前駆処理部1341は、後述する学習部136が第一学習モデルを作成している場合には、第一学習モデルにも基づいて計算用データを作成することができる。この場合、第一学習モデルは、例えば、制約データの1つとして処理される。
《計算処理部1342》
【0091】
計算処理部1342は、前駆処理部1341が作成した計算用データを用いて計算処理を行い、シフトに係るデータであるシフトデータ(特許請求の範囲における「スケジュールデータ」の一例に対応する。)を複数作成する部材である。例えば、Google OR-Tools(Google LLC)というソフトウェアに前駆処理部1341が作成したプログラムコードを実行させることで、複数のシフトデータを作成することができる。
【0092】
また、計算処理部1342は、複数のシフトデータの各々が満たした制約及び該制約の優先度に基づいて複数のシフトデータに順位を付ける(特許請求の範囲における「順位付部」の一例に対応する。)。具体的には、優先度の高い制約から順に、より多くの制約を満たして作成されたシフトデータは、最適なシフトデータとして最も高い順位が付される。さらにまた、計算処理部1342は、後述する学習部136が第二学習モデルを作成している場合には、第二学習モデルにも基づいて複数のシフトデータに順位を付けることができる。
《スケジュール表示処理部1343》
【0093】
スケジュール表示処理部1344は、ユーザーが作成されたシフトをウェブサイト上で確認できるよう、計算処理部1342が作成したシフトデータからシフト画像を作成する部材である。作成されたシフト画像は、全てのユーザーが確認することができる。
【0094】
スケジュール表示処理部1344は、(1)計算処理部1342にて、最も高い順位が付されたシフトデータを用いてシフト画像を作成し、ユーザーが最適なシフトのみを閲覧できるようにする機能と、(2)順位が高い数個のシフトデータを用いてシフト画像を作成し、ユーザーが、これらの中から最も好みのシフトを選んで利用できるようにする機能とを有する。これらの機能は、切り替え可能であり、ユーザーが好みの機能を選択することができる。
【0095】
また、(2)の機能を用いた場合、ユーザーが選択した一のスケジュールを記憶する(特許請求の範囲における「第四記憶処理部」の一例に対応する。)。該記憶を学習部136で利用するためである(詳細は後述する。)。
【0096】
なお、スケジュール表示処理部1344の態様は特に限定されず、少なくとも1つのシフトデータからシフト画像を作成できればよい。また、シフト画像の態様も特に限定されない。
〈スケジュール修正部135〉
【0097】
スケジュール修正部135は、スケジュール作成部134が作成したシフトをユーザーの指示に基づいて修正する部材である。
【0098】
スケジュールの修正は、ウェブサイト上で、(1)管理者ADが第二端末12を操作して所望の修正を指示する方法と、(2)労働者WOが第一端末11を操作して他の労働者WOにシフトの交換を依頼する方法とがある。いずれの方法を用いた場合も、スケジュール表示処理部1343が実施した修正を反映してシフト画像を作成し直す。作成されたシフト画像は、全てのユーザーが確認することができる。
【0099】
なお、スケジュール表示処理部1344の態様は前述のものに限定されない。
〈学習部136〉
【0100】
学習部136(特許請求の範囲における「第一学習部」、「第二学習部」の一例に対応する。)は、シフトの作成によって得られた知識及び経験をデータ化する部材であって、スケジューリングシステム1は該データを次回以降のシフトの作成の際に利用する。これにより、シフトを作成する度にシフト作成の精度を高めることができる。
【0101】
学習部136は、シフトの作成によって得られた知識及び経験をデータ化する方法として、2つの方法を備えている。1つ目は、スケジュール作成部134が作成したシフトと、スケジュール修正部135にて修正された後のシフトとから、ユーザーが所望するスケジュールを学習し、該学習によって得られた知識及び経験をデータ化してなる第一学習モデルを作成する方法である。これにより、前駆処理部1341は、第一学習モデルにも基づいて計算用データを作成することができ、次回以降シフトを作成する際に、より高い精度でユーザーが所望するシフトを作成することができる。
【0102】
2つ目は、スケジュール表示処理部1343の(2)の機能を用いた場合に、計算処理部1342が最も高い順位を付けたシフトと、ユーザーが選択した一のスケジュールとから、ユーザーが所望するスケジュールを学習し、該学習によって得られた知識及び経験をデータ化してなる第二学習モデルを作成する方法である。これにより、計算処理部1342は、第二学習モデルにも基づいて複数のシフトデータに順位を付けることがで、次回以降シフトを作成する際に、より高い精度でユーザーが所望するシフトに高い順位を付すことができる。
[スケジューリングシステム1を用いたスケジューリング方法]
【0103】
本発明の一実施形態に係るスケジューリングシステム1を用いたスケジューリング方法について、図29のフローチャートに基づいて説明する。
【0104】
スケジューリングシステム1を用いたスケジューリング方法は、大別して、第一記憶処理工程ST01、第二記憶処理工程ST02、第三記憶処理工程ST03及びスケジュール作成工程ST04の4つの工程からなる。これらの工程は、ユーザーがウェブサイト上で所定の操作を行うことで実行できる。以下で各工程について説明する。
【0105】
第一記憶処理工程ST01は、労働者WOのデータを設定し、スケジューリングシステム1に記憶させる工程であり、リソース属性データに含まれるリソースの属性の種類を設定するリソース属性設定工程ST01-1と、リソース固有データとリソース属性データとを関連付けて記憶する第一記憶工程ST01-2とを有する。なお、第一記憶処理工程ST01を実行するためのウェブサイト上での操作は、〈第一記憶処理部131〉、《第一記憶部1311》及び《リソースデータ設定部1312》に記載の通りである。
【0106】
第二記憶処理工程ST02は、タスクデータを設定し、スケジューリングシステム1に記憶させる工程であり、タスクの種類を設定するタスク設定工程ST20-1と、タスクデータを記憶する第二記憶工程ST02-2とを有する。なお、第二記憶処理工程ST02を実行するためのウェブサイト上での操作は、〈第二記憶処理部132〉、《第二記憶部1321》及び《タスクデータ設定部1322》に記載の通りである。
【0107】
第三記憶処理工程ST03は、制約データを設定し、スケジューリングシステム1に記憶させる工程であり、制約データを設定する制約データ設定工程ST03-1と、制約データを記憶する第三記憶工程ST03-2とを有する。なお、第三記憶処理工程ST03を実行するためのウェブサイト上での操作は、〈第三記憶処理部133〉、《第三記憶部1331》及び《制約データ設定部1332》に記載の通りである。
【0108】
スケジュール作成工程ST04は、第一記憶処理工程ST01、第二記憶処理工程ST02及び第三記憶処理工程ST03にて設定されたリソース固有データ、リソース属性データ、タスクデータ及び制約データに基づいてスケジューリングシステム1がスケジュールを作成する工程である。詳細は、〈スケジュール作成部134〉、《前駆処理部1341》、《計算処理部1342》及び《スケジュール表示処理部1343》に記載の通りである。
【0109】
なお、スケジューリングシステム1を用いたスケジューリング方法は前述の態様に限定されない。リソース固有データ、リソース属性データ、タスクデータ及び制約データが設定されていれば、スケジュール作成工程ST04は実施可能であるため、第一記憶処理工程ST01、第二記憶処理工程ST02及び第三記憶処理工程ST03の実施の順番は適宜変更可能であるし、それぞれ複数回実施してもよい。さらにいえば、予め、リソース固有データ、リソース属性データ、タスクデータ及び制約データが設定されている状態であれば、第一記憶処理工程ST01、第二記憶処理工程ST02及び第三記憶処理工程ST03の実施は省略することも可能である。
[その他の実施形態]
【0110】
以上、本発明の一実施形態に係るスケジューリングシステム1をシフト管理に適用した場合について説明したが、スケジューリングシステム1は、様々なスケジューリングが可能である。
【0111】
例えば、病院における病床管理(ベッドコントロール)に適用することが可能であり、この場合、ベッドがリソースに該当し、入院患者がタスクに該当する。
【0112】
また、生産工場の設備管理にも適用することが可能であり、この場合、設備がリソースに該当し、生産物がタスクに該当する。
[本発明の効果]
【0113】
以上説明したように、本発明の一実施形態に係るスケジューリングシステム、スケジューリングプログラム及びスケジューリング方法は、スケジュールを作成する上での制約を選択的に、文章の態様で指示することができるので、数学的な知識やプログラミングの知識を有しないユーザーであっても容易使用することができる。また、制約や労働者の属性、タスク等について、ユーザー毎の状況を反映できる態様であるためで、汎用性が高いスケジューリングシステム、スケジューリングプログラム及びスケジューリング方法である。
【符号の説明】
【0114】
1…スケジューリングシステム
11…第一端末
12…第二端末
13…サーバー
131…第一記憶処理部
1311…第一記憶部
1312…リソースデータ設定部
132…第二記憶処理部
1321…第二記憶部
1322…タスクデータ設定部
133…第三記憶処理部
1331…第三記憶部
1332…制約データ設定部
1332a…リソース選択肢表示部;1332b…リソース属性選択肢表示部;1332c…タスク選択肢表示部;1332d…タイム設定部;1332e…優先度設定部
134…スケジュール作成部
1341…前駆処理部
1342…計算処理部
1343…スケジュール表示処理部
135…スケジュール修正部
136…学習部
EM…労働者
AD…管理者
B01…リソース追加ボタン
B02…リソース編集ボタン
B03…リソース属性追加ボタン
B04…リソース属性編集ボタン
B05…タスク追加ボタン
B06…タスク編集ボタン
B07…リソース選択ボタン
BO8…タイム設定ボタン
BO9…タイム指示ボタン
B10…第一優先度指示ボタン
B11…第二優先度指示ボタン
S01…リソース追加画面
S02…リソース編集画面
S03…リソース属性追加画面
S04…リソース属性編集画面
S05…タスク追加画面
S06…タスク編集画面
S07…リソース選択画面
SO8…タイム選択画面
T01~T13…テンプレート
図1
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