(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-01
(45)【発行日】2023-08-09
(54)【発明の名称】アンビリカルコネクタを通じた軌道内宇宙船の整備
(51)【国際特許分類】
B64G 1/10 20060101AFI20230802BHJP
B64G 1/64 20060101ALI20230802BHJP
B64G 4/00 20060101ALI20230802BHJP
B64G 1/66 20060101ALI20230802BHJP
【FI】
B64G1/10 500
B64G1/64 600
B64G4/00 105
B64G1/66 B
(21)【出願番号】P 2021564897
(86)(22)【出願日】2020-09-22
(86)【国際出願番号】 IB2020058852
(87)【国際公開番号】W WO2021059134
(87)【国際公開日】2021-04-01
【審査請求日】2023-04-03
(32)【優先日】2019-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520428498
【氏名又は名称】アストロスケール イスラエル リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ハルスバンド,アリー
(72)【発明者】
【氏名】シャミール,ラミ
(72)【発明者】
【氏名】ターセ,ネボ
【審査官】諸星 圭祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-172110(JP,A)
【文献】特表2015-516325(JP,A)
【文献】特表2010-520832(JP,A)
【文献】特開2001-233298(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0217876(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0051854(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0228219(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0026571(US,A1)
【文献】米国特許第05582366(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64G 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サービサ宇宙船を有する軌道内宇宙船整備システムであって、
前記サービサ宇宙船は、
サービサボディと、
前記
サービサボディから延在しクライアント軌道内宇宙船に係合するべく動作するキャプチャアームの組と、
前記サービサボディに装着されたサービサアンビリカル第1端部及びサービサアンビリカル端部コネクタを装備したサービサアンビリカル第2端部を有するサービサアンビリカルであって、前記サービサアンビリカル端部コネクタは、前記クライアント軌道内宇宙船のクライアントアンビリカルコネクタとの間に接続を形成するように構成されている、サービサアンビリカルと、
前記サービサボディに結合されたマニピュレータアーム第1端部及び前記サービサアンビリカルに装着し、前記サービサアンビリカルから取り外され、これを操作するように構成されたマニピュレータアーム第2端部を有するマニピュレータアームと、
前記マニピュレータアームを制御するべく動作するプロセッサと、を有し、
前記サービサ宇宙船は、軌道内において動作し、
前記マニピュレータアームは、i)前記サービサアンビリカルに装着し、ii)前記サービサアンビリカル端部コネクタと前記クライアントアンビリカルコネクタとの間において接続を形成するべく前記サービサアンビリカルを操作する、ように構成されている、システム。
【請求項2】
前記
サービサアンビリカル第1端部は、サービサアンビリカル装着ポイントにおいて前記サービサボディに装着され、
前記マニピュレータアーム第1端部は、サービサマニピュレータアーム装着ポイントにおいて前記サービサボディに装着され、
前記サービサアンビリカル装着ポイントは、前記サービサマニピュレータアーム装着ポイントから分離されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記サービサ
アンビリカル端部コネクタは、前記クライアントアンビリカルコネクタの縦軸との間に半径方向に同心な接続を形成する円形端部の唇部を有し、
前記円形端部の唇部は、前記サービサアンビリカル端部コネクタと前記クライアントアンビリカルコネクタとの間における電気接続を囲む、請求項
1に記載のシステム。
【請求項4】
前記サービサ宇宙船が軌道内において動作しているとき、電力は、前記サー
ビサアンビリカルを通じて前記サービサ宇宙船から前記クライアント軌道内宇宙船に転送されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記
サービサ宇宙船は、前記クライアントアンビリカルコネクタに装着するように構成されたサービスパッケージを更に有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記サービスパッケージは、前記
クライアントアンビリカルコネクタを通じて電力を前記クライアント軌道内宇宙船に提供している、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記キャプチャアームの組は、選択可能なインターフェイスリングクロッキング位置において前記クライアント軌道内宇宙船のインターフェイスリングに係合
するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記サービサアンビリカル端部コネクタと前記クライアントアンビリカルコネクタとの間において形成された前記接続は、前記マニピュレータアームが前記サービサアンビリカ
ルから取り外された後に、保護された状態において留まっている、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記サービサアンビリカルは、電力及び電気信号の少なくとも1つを前記クライアント軌道内宇宙船に転送するように構成された電気ケーブルの組を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記サービサアンビリカル端部コネクタは、少なくとも1つのセンサに結合されており、
前記少なくとも1つのセンサは、前記クライアントアンビリカルコネクタとの間に前記接続を形成するために前記サービサアンビリカル端部コネクタを
促進するべくセンサデータを前記プロセッサに提供している、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記少なくとも1つのセンサは、マイクロカメラである、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記サービサアンビリカル端部コネクタは、延長ガイドに更に結合されており、
前記延長ガイドは、クライアントアンビリカルコネクタのz軸との間のサービサアンビリカル端部コネクタのアライメントを促進するべく前記サービサアンビリカル端部コネクタから円錐形状の延長部を形成している、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
サービサ宇宙船を有する軌道内宇宙船整備システムであって
、
前記サービサ宇宙船は、
サービサボディと、
前記サービサボディから延在しクライアント軌道内宇宙船に係合するべく動作する2つ以上のキャプチャアームの組と、
前記サービサボディに装着されたサービサアンビリカル第1端部及びサービサアンビリカル端部コネクタを装備したサービサアンビリカル第2端部を有す
るサービサアンビリカルであって、前記サービサアンビリカル端部コネクタは、前記クライアント軌道内宇宙船のクライアントアンビリカルコネクタとの接続を形成するように構成されている、サービサアンビリカルと、
前記サービサボディに結合されたマニピュレータアーム第1端部及びセンサを装備したマニピュレータアーム第2端部を有し、前記サービサアンビリカルを操作するように構成されたマニピュレータアームと、
補助電源と、
前記マニピュレータアームを制御するべく動作するプロセッサと、を有し、
前記サービサ宇宙船は、宇宙内において動作し、
前記センサは、前記クライアントアンビリカルコネクタとの間に前記接続を形成するために前記サービサアンビリカル端部コネクタを
促進するべくセンサデータを前記プロセッサに提供しており、
前記サービサアンビリカルは、電力及び電気信号の少なくとも1つを前記クライアント軌道内宇宙船に転送するように構成された電気ケーブルの組を有し、
前記補助電源は、前記サービサアンビリカルを通じて電力を前記サービサ宇宙船から前記クライアント軌道内宇宙船に提供しており、
前記マニピュレータアームは、
前記サービサアンビリカルに装着し、前記サービサアンビリカル端部コネクタと前記クライアントアンビリカルコネクタとの間において接続を形成するべく前記サービサアンビリカ
ルを操作
する、ように構成されている、システム。
【請求項14】
軌道内宇宙船を整備する方法であって、
サービサ宇宙船を提供することであって、前記サービサ宇宙船は、
サービサボディと、
前記サービサボディから延在しクライアント軌道内宇宙船に係合するべく動作するキャプチャアームの組と、
前記サービサボディに装着されたサービサアンビリカル第1端部及びサービサアンビリカル端部コネクタを装備したサービサアンビリカル第2端部を有するサービサアンビリカルであって、前記サービサアンビリカル端部コネクタは、前記クライアント軌道内宇宙船のクライアントアンビリカルコネクタとの間に接続を形成するように構成されている、サービサアンビリカルと、
前記サービサボディに結合されたマニピュレータアーム第1端部及び
前記サービサアンビリカルから取り外され、前記サービサアンビリカル
に装着し、これを操作するように構成されたマニピュレータアーム第2端部を有するマニピュレータアームと、
前記マニピュレータアームを制御するべく動作するプロセッサと、
を有することと、
前記キャプチャアームの組を使用して前記サービサ宇宙船と前記クライアント軌道内宇宙船を結合することと、
前記マニピュレータアームを前記サービサアンビリカルに装着することと、
前記サービサアンビリカル第2端部を前記クライアントアンビリカルコネクタに隣接する位置に位置決めするべく前記マニピュレータアームを制御することと、
前記クライアントアンビリカルコネクタ内に前記サービサアンビリカル端部コネクタをプラグ結合することと、を有し、
前記サービサ宇宙船と前記クライアント軌道内宇宙船との間において電気接続が形成されている、方法。
【請求項15】
前記電気接続を通じて前記クライアント軌道内宇宙船に前記サービサ宇宙
船から電力を転送するステップを更に有する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記電気接続を通じて前記クライアント軌道内宇宙船に前記サービサ宇宙船から電気信号を転送するステップを更に有する、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記サービサアンビリカル端部コネクタを前記クライアントアンビリカルコネクタの選択されたクロック位置に回転させるステップを更に有する、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記サービサアンビリカ
ル上において取り付けられたセンサからの信号の組を処理するステップを更に有し、
前記信号の組は、前記クライアントアンビリカルコネクタに隣接する位置への前記サービサアンビリカル第2端部の正確な位置決めを可能にしている、請求項1
4に記載の方法。
【請求項19】
前記キャプチャアームの組は、前記クライアント軌道内宇宙船のインターフェイスリングに係合している、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記
サービサアンビリカル第1端部は、サービサアンビリカル装着ポイントにおいて前記サービサボディに装着され、
前記マニピュレータアーム第1端部は、サービサマニピュレータアーム装着ポイントにおいて前記サービサボディに装着され、
前記サービサアンビリカル装着ポイントは、前記サービサマニピュレータアーム装着ポイントから分離されている、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年9月24日付けで出願され、In-orbit Service to a Spacecraft Through Its External Connectorsという名称を有する米国仮特許出願第62/904,715号の非仮特許出願であり、及びその利益を主張するものであり、この特許文献の開示内容は、引用によってそのすべてが本明細書に包含される。
【0002】
分野
本開示は、一般に、宇宙物体の整備を提供するための使用のシステム及び方法に関し、更に詳しくは、宇宙船のアンビリカルコネクタを通じた宇宙船の軌道内整備を提供するための使用のシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
地上及び打ち上げ動作の全体を通じて、宇宙船に搭載された内部システムとの間の接続は、宇宙船の外側表面上の電気接続インターフェイスを通じて実行されている。例えば、地上におけるサブシステムの試験は、外側保護層によってカバーされた状態において、サブシステムの状態がチェックされうる且つ試験プロトコルが実行されうる外側パネル上の専用のコネクタを通じて実現することができる。別の例は、打ち上げ動作の際に発射装置上にある状態において宇宙船が試験、監視、及び制御され、発射装置からの宇宙船の分離の際に発射装置側のその結合部分から分離される「アンビリカルコネクタ」と呼称されるコネクタである。
【0004】
従来、宇宙船は、打ち上げの後にこれらの外部コネクタを通じて通信されるべく意図されてはおらず、その後のすべての通信は、地上からの電気通信を通じて(例えば、C、X、Ku、S帯域における地上との間の高周波(RF)送信によって)実行されている。例えば、メディア送信用の静止衛星は、発射装置の最後のステージから軌道内に分離されたら、二度と物理的接触状態になるべく意図されてはおらず、アンビリカルコネクタは、軌道内にある際に再度接続されるように設計されてはいない。搭載されたサブシステムとの間のすべての電気インターフェイスは、監視状態変数、ハウスキーピング、ソフトウェアパッケージのアップグレード、及び事故及び障害のトラブルシューティングを含むテレコマンドシステムによって仲介されている。この様な介入は、その特性が制限されており、例えば、宇宙船のその意図されたミッションの実行又は公称動作の実行を妨げるように電気通信システム自体に障害が発生した、誤動作した、又は性能が劣化した際には支援となりえない。同様に、電池セルの障害などの物理的障害は、システムの配線を再プログラミングすることによってのみでは、回復することができず、宇宙船の物理的構築ブロックをアップグレード及び改善することによってのみでも回復することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
軌道内宇宙船の整備は、めったに実行されてはおらず、実行される際にも、これは、通常、費用を所要する且つ専門的である試みである。例えば、ハッブル宇宙望遠鏡の整備は、複雑な且つ1回限りの専門的なハードウェア及び手順を必要とした。必要とされているものは、確実である、相対的に廉価である、且つ宇宙船の様々な組に適用可能である宇宙船を整備するためのシステム及び方法である。本開示は、クライアント宇宙船のアンビリカルコネクタを通じて軌道内宇宙船を整備するためのシステム及び方法を提供することにより、このニーズを解決している。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のシステム及び方法によって可能とされる軌道内宇宙船の整備は、多くの形態を有することができると共に、時折の且つ長期にわたるものであってよい。例えば、電力が整備対象の宇宙船に提供されてもよく、サイバーセキュリティアップグレードを含むソフトウェアアップグレードが提供されてもよく、ソフトウェア保守を含むシステムレベルの保守が実行されてもよい。軌道の間における移動(例えば、待機又は墓場軌道から動作自在の静止軌道への移動)のための相対的に控えめな軌道調節及び姿勢制御を含む軌道の保守が実行されてもよい。軌道内整備は、時折のものであってもよく、これは、特定の相対的に短い持続時間の整備が実行されることを意味しており、或いは、長期間にわたるものであってもよく、これは、整備を実行する宇宙船が長期間にわたって整備対象の宇宙船とのドッキング状態に留まることを意味している。サービサ宇宙船は、時折の方式で又は長期にわたる方式で、サービサ/クライアント宇宙船システムの組合せの推進力及び運動量制御を提供することができる。
【0007】
概要
宇宙船のアンビリカルコネクタを通じた軌道内整備を提供するための軌道内宇宙船整備システムが提供されている。宇宙船整備システムは、サービサ宇宙船とクライアント宇宙船のアンビリカル外部コネクタとの間においてサービサアンビリカルを展開及び接続するコンピュータ制御されたマニピュレータアームを使用しているが、アンビリカルコネクタは、元々、地上に基づいた動作のためにのみ、設計され、従来、使用されており、通常は、手動的に接続され、任意のクライアントドッキング又はキャプチャシステムの一部分を構成してはいない。クライアント宇宙船のアンビリカル外部コネクタは、通常、地球とは反対側を向いており、これにより、地球(即ち、天底)と対向している宇宙船の動作自在のフォワードパネルと干渉することがない相対的に空間を有する後部宇宙船パネル上において配置されている。電気接続は、電力の転送、セキュリティアップグレードなどのソフトウェアアップグレード、クライアントソフトウェアの保守又は補修、などのような目的の組のために使用することができる。一実施形態において、サービサアンビリカルは、クライアント宇宙船から接続切断され、整備が完了した後にサービサ宇宙船上のその元の位置に畳まれている。別の実施形態において、サービサ宇宙船によって提供された着脱自在のサービスパッケージは、クライアント宇宙船に装着されクライアント宇宙船のアンビリカル外部コネクタを通じて電気的に接続されている。
【0008】
一実施形態においては、軌道内宇宙船整備システムが開示されており、システムは、サービサボディと、サービサボディから延在しクライアント軌道内宇宙船と係合するべく動作するキャプチャアームの組と、サービサボディに装着されたサービサアンビリカル第1端部及びサービサアンビリカル端部コネクタを装備したサービサアンビリカル第2端部を有する少なくとも1つのサービサアンビリカルであって、サービサアンビリカル端部コネクタは、クライアント軌道内宇宙船のクライアントアンビリカルコネクタとの間に接続を形成するように構成されている、サービサアンビリカルと、サービサボディに結合されたマニピュレータアーム第1端部、及びサービサアンビリカル第2端部に装着され、これを操作するように構成されたマニピュレータアーム第2端部を有するマニピュレータアームと、マニピュレータアームを制御するべく動作するプロセッサと、を有するサービサ宇宙船を有し、この場合に、マニピュレータアームは、サービサアンビリカル端部コネクタとクライアントアンビリカルコネクタとの間において接続を形成するべくサービサアンビリカル第2端部を操作している。
【0009】
一態様において、接続は、電気接続である。別の態様において、サービサ宇宙船は、補助電源を更に有する。別の態様において、補助電源によって提供された電力は、サービサ宇宙船から電気接続を通じてクライアント軌道内宇宙船に転送されている。別の態様において、サービサは、サービサボディから着脱自在でありクライアント軌道内宇宙船に装着されるように構成されたサービスパッケージを更に有する。別の態様において、サービスパッケージは、接続を通じて電力をクライアント軌道内宇宙船に提供している。別の態様においては、キャプチャアームの組が、選択可能なインターフェイスリングクロッキング位置においてクライアント軌道内宇宙船のインターフェイスリングと係合している。別の態様において、サービサアンビリカル端部コネクタとクライアントアンビリカルコネクタとの間において形成された接続は、マニピュレータアームがサービサアンビリカル端部コネクタから取り外された後に、保護された状態に留まっている。別の態様において、サービサアンビリカルは、電力及び電気信号の少なくとも1つをクライアント軌道内宇宙船に転送するように構成された電気ケーブルの組を有する。別の態様において、サービサアンビリカル端部コネクタは、少なくとも1つのセンサに結合されており、この場合に、少なくとも1つのセンサは、クライアントアンビリカルコネクタとの間に接続を形成するためにサービサアンビリカル端部コネクタを支援するべくセンサデータをプロセッサに提供している。別の態様において、少なくとも1つのセンサは、マイクロカメラである。別の態様において、サービサアンビリカル端部コネクタは、延長ガイドに更に結合されており、この場合に、延長ガイドは、クライアントアンビリカルコネクタのz軸との間におけるサービサアンビリカル端部コネクタのアライメントを促進するべく、サービサアンビリカル端部コネクタから円錐形状の延長部を形成している。
【0010】
別の実施形態において、軌道内宇宙船整備システムが開示されており、システムは、サービサボディと、サービサボディから延在しクライアント軌道内宇宙船と係合するべく動作する2つ以上のキャプチャアームの組と、サービサボディに装着されたサービサアンビリカル第1端部及びサービサアンビリカル端部コネクタを装備したサービサアンビリカル第2端部を有する少なくとも1つのサービサアンビリカルであって、サービサアンビリカル端部コネクタは、クライアント軌道内宇宙船のクライアントアンビリカルコネクタとの間に接続を形成するように構成されている、サービサアンビリカルと、サービサボディに結合されたマニピュレータアーム第1端部及びセンサを装備しサービサアンビリカル第2端部を操作するように構成されたマニピュレータアーム第2端部を有するマニピュレータアームと、補助電源と、マニピュレータアームを制御するべく動作するプロセッサと、を有するサービサ宇宙船を有し、この場合に、センサは、クライアントアンビリカルコネクタとの間に接続を形成するためにサービサアンビリカル端部コネクタを支援するべくセンサデータをプロセッサに提供しており、サービサアンビリカルは、電力及び電気信号をクライアント軌道内宇宙船に転送するように構成された電気ケーブルの組を有し、補助電源は、サービサ宇宙船からサービサアンビリカルを通じてクライアント軌道内宇宙船に電力を提供し、マニピュレータアームは、サービサアンビリカル端部コネクタとクライアントアンビリカルコネクタとの間に接続を形成するべくサービサアンビリカル第2端部を操作している。
【0011】
更に別の実施形態において、軌道内宇宙船を整備する方法が開示されており、方法は、サービサボディと、サービサボディから延在しクライアント軌道内宇宙船に係合するべく動作するキャプチャアームの組と、サービサボディに装着されたサービサアンビリカル第1端部及びサービサアンビリカル端部コネクタを装備したサービサアンビリカル第2端部を有する少なくとも1つのサービサアンビリカルであって、サービサアンビリカル端部コネクタは、クライアント軌道内宇宙船のクライアントアンビリカルコネクタとの間に接続を形成するように構成されている、サービサアンビリカルと、サービサボディと結合されたマニピュレータアーム第1端部及びサービサアンビリカル第2端部を操作するように構成されたマニピュレータアーム第2端部を有するマニピュレータアームと、マニピュレータアームを制御するべく動作するプロセッサと、を有するサービサ宇宙船を提供することと、キャプチャアームの組を使用してサービサ宇宙船とクライアント軌道内宇宙船を結合することと、サービサアンビリカル第2端部をクライアントアンビリカルコネクタに隣接した位置に位置決めするべくマニピュレータアームを制御することと、サービサアンビリカル端部コネクタをクライアントアンビリカルコネクタ内にプラグ結合することと、を有し、この場合に、電気接続が、サービサ宇宙船とクライアント軌道内宇宙船との間において形成されている。
【0012】
一態様において、方法は、電気接続を通じてサービサ宇宙船の補助電源ユニットからクライアント軌道内宇宙船に電力を転送するステップを更に有する。別の態様において、方法は、電気接続を通じてサービサ宇宙船からクライアント軌道内宇宙船に電気信号を転送するステップを更に有する。別の態様において、方法は、サービサアンビリカル端部コネクタをクライアントアンビリカルコネクタの選択されたクロック位置に回転させるステップを更に有する。別の態様において、方法は、サービサアンビリカル第2端部上において取り付けられたセンサからの信号の組を処理するステップを更に有し、信号の組は、クライアントアンビリカルコネクタに隣接した位置へのサービサアンビリカル第2端部の正確な位置決めを可能している。別の態様において、キャプチャアームの組は、クライアント軌道内宇宙船のインターフェイスリングに結合している。別の態様において、キャプチャアームの組は、クライアント軌道内衛星のz軸を中心としてクライアント軌道内衛星を回転させるように構成されており、マニピュレータアームは、3つの自由度を伴って動作している。
【0013】
「少なくとも1つ」、「1つ又は複数」、及び「及び/又は」というフレーズは、その動作が接続的及び離接的の両方であるオープンエンド型の表現である。例えば、「A、B、及びCの少なくとも1つ」、「A、B、又はCの少なくとも1つ」、「A、B、及びCの1つ又は複数」、「A、B、又はCの1つ又は複数」、並びに「A、B、及び/又はC」という表現のそれぞれは、Aのみ、Bのみ、Cのみ、一緒にA及びB、一緒にA及びC、一緒にB及びC、又は一緒にA、B、及びCを意味している。
【0014】
「1つの(a)」又は「1つの(an)」エンティティという用語は、そのエンティティの1つ又は複数を意味している。従って、「1つの(a)」(又は、「1つの(an)」)、「1つ又は複数の」、及び「少なくとも1つの」という用語は、本明細書において相互交換可能に使用されうる。また、「有する(comprising)」、「含む(including)」、及び「有する(having)」という用語は、相互交換可能に使用されうることに留意されたい。
【0015】
本明細書において使用されている「自動的」という用語及びその変形は、プロセス又は動作が実行される際に、重要な人間による入力を伴うことなしに実行される任意のプロセス又は動作を意味している。但し、プロセス又は動作は、入力がプロセス又は動作の実行の前に受け取られた場合には、プロセス又は動作の実行が重要な又は重要ではない人間による入力を使用している場合にも、自動的でありうる。人間による入力は、このような入力がプロセス又は動作が実行されることになる方式に影響を及ぼす場合に、重要であると考えられる。プロセス又は動作の実行に同意する人間による入力は、「重要」であるとはみなされない。
【0016】
本明細書において使用されている「判定する」、「算出する」、及び「演算する」という用語及びこれらの変形は、相互交換可能に使用されており、任意のタイプの方法、プロセス、数学的演算又は技法を含む。
【0017】
「クライアント宇宙船」というフレーズは、クライアント通信衛星を含むクライアント衛星などの整備対象の軌道内において動作している宇宙船を意味している。
【0018】
「サービサ宇宙船」というフレーズは、クライアント宇宙船に対して軌道内整備を実行するべく軌道内において動作している宇宙船を意味している。
【0019】
「アンビリカルコネクタ」及び「クライアントアンビリカルコネクタ」というフレーズは、整備のために軌道内において使用されることを意図的に目的とした「整備コネクタ」とは対照的に、従来はクライアント宇宙船に対する電気接続として地上においてのみ使用されており、軌道内における使用が意図されてはいないクライアント宇宙船のコネクタを意味している。
【0020】
「サービサアンビリカル」というフレーズは、サービサ宇宙船とクライアントアンビリカルコネクタとの間を接続し、同一ではない場合にもクライアントアンビリカルコネクタと接続するべく地上において使用されるアンビリカルに類似しうる、ケーブルなどの電気コネクタを意味している。サービサアンビリカルは、サービサ宇宙船に直接的に接続していてもよく、或いは、電気コード、ハーネス、などを介して接続していてもよい。本明細書において使用されている「手段(means)」という用語には、米国特許法第112条第6段落に従ってその最も広い可能な解釈が付与されるものとする。従って、「手段」という用語を含む請求項は、本明細書において記述されているすべての構造、材料、又は行為、並びに、これらの均等物のすべてをカバーすることになる。更には、構造、材料、又は行為、並びに、これらの均等物は、概要、図面の簡単な説明、詳細な説明、要約、及び請求項自体内において記述されているすべてのものを含むことになる。
【0021】
製造の方法の様々な実施形態又は一部分は、これに加えて又はこの代わりに、例えば、符号の分析などのように、ソフトウェア及び/又はファームウェアにおいて部分的に実装することもできる。このソフトウェア及び/又はファームウェアは、一時的ではないコンピュータ可読ストレージ媒体内又は上において含まれている命令の形態を有することができる。これらの命令は、次いで、本明細書において記述されている動作の実行を可能にするべく1つ又は複数のプロセッサによって読み取られてもよく実行されてもよい。命令は、限定を伴うことなしに、ソースコード、コンパイル済みのコード、解釈済みのコード、実行可能コード、静的コード、動的コード、ファームウェアコード、及びこれらに類似したものなどの任意の適切な形態であってよい。このようなコンピュータ可読媒体は、限定を伴うことなしに、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスクストレージ媒体、光ストレージ媒体、フラッシュメモリなどのような1つ又は複数のコンピュータによって読み取り可能な形態において情報を保存するための任意の有体の一時的ではない媒体を含みうる。
【0022】
以上の内容は、本開示のいくつかの態様の理解を提供するための本開示の簡単な概要である。この概要は、本開示及びその様々な態様、実施形態、及び/又は構成の広範な又はすべてを網羅した概要ではない。これは、本開示の主要な又は必須の要素を識別すること又は本開示の範囲を線引きすることを意図したものではなく、以下に提示される更に詳細な記述に対する導入部として簡単な形態において本開示の選択された概念を提示することを意図したものである。理解されるであろうように、単独で又は組合せにおいて、上述の又は以下に詳述されている特徴の1つ又は複数を利用する本開示のその他の態様、実施形態、及び/又は構成が可能である。また、本開示は、例示用の実施形態の観点において提示されているが、本開示の個々の態様は、別個に特許請求されうることを理解されたい。
【0023】
図面の簡単な説明
本開示については、同一の参照符号が同一の要素を表記している添付図面との関連において以下の詳細な説明によって容易に理解される。図面の要素は、必ずしも、互いの関係において正確な縮尺で描かれてはいない。同一の参照符号は、可能な場合に、図に共通している同一の特徴を表記するべく使用されている。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1A】本開示の軌道内宇宙船整備システムの一実施形態の斜視図表現であり、実施形態は、クライアント宇宙船とドッキングしたサービサ宇宙船を示している。
【
図1B】
図1Aの軌道内宇宙船整備システムの実施形態のクローズアップ斜視図である。
【
図2】本開示の軌道内宇宙船整備システムの別の実施形態の斜視図表現であり、実施形態は、クライアント宇宙船とドッキングしたサービサ宇宙船を示す。
【
図3】軌道内宇宙船整備システムの別の実施形態のブロック図表現である。
【
図4A】
図3の軌道内宇宙船整備システムの実施形態の使用の方法のフロー図の2つ部分のパート1である。
【
図4B】
図3の軌道内宇宙船整備システムの実施形態の使用の方法のフロー図の2つの部分のパート2である。
【
図5】本開示の軌道内宇宙船整備システムの別の実施形態の斜視図表現であり、実施形態は、クライアント宇宙船とドッキングしたサービサ宇宙船を示しており、サービサ宇宙船は、統合されたサービサアンビリカルをそれぞれが有する2つのマニピュレータアームを有する。
【
図6A】本開示の軌道内宇宙船整備システムの別の実施形態のクローズアップ平面図であり、実施形態は、クライアント宇宙船とドッキングしたサービサ宇宙船を示しており(キャプチャアームは、わかりやすさを目的として図示されていない)、マニピュレータアームは、第1マニピュレータアーム状態にあり、サービサアンビリカルは、第1サービサアンビリカル状態にある。
【
図6B】本開示の軌道内宇宙船整備システムの別の実施形態のクローズアップ平面図であり、実施形態は、クライアント宇宙船とドッキングしたサービサ宇宙船を示しており(キャプチャアームは、わかりやすさを目的として図示されていない)、マニピュレータアームは、第2マニピュレータアーム状態にあり、サービサアンビリカルは、第2サービサアンビリカル状態にある。
【
図6C】本開示の軌道内宇宙船整備システムの別の実施形態のクローズアップ平面図であり、実施形態は、クライアント宇宙船とドッキングしたサービサ宇宙船を示しており(キャプチャアームは、わかりやすさを目的として図示されていない)、マニピュレータアームは、第3マニピュレータアーム状態にあり、サービサアンビリカルは、第3サービサアンビリカル状態にある。
【
図6D】本開示の軌道内宇宙船整備システムの別の実施形態のクローズアップ平面図であり、実施形態は、クライアント宇宙船とドッキングしたサービサ宇宙船を示しており(キャプチャアームは、わかりやすさを目的として図示されていない)、マニピュレータアームは、第4マニピュレータアーム状態にあり、サービサアンビリカルは、第4サービサアンビリカル状態にある。
【
図7】プラグ結合、整備、及びプラグ結合解除動作の際のマニピュレータアーム及びサービサアンビリカル端部の動作の使用の方法のフロー図である。
【
図8】サービサ宇宙船のマニピュレータアーム及びサービサ宇宙船のサービサアンビリカルの結合した端部が正確な制御動作の際に接続を形成するべく接近するのに伴うクライアント宇宙船端部コネクタのクローズアップ斜視図である。
【
図9】クライアントアンビリカルコネクタの近傍における正確な制御動作の際のマニピュレータアーム及びサービサアンビリカル端部の動作の使用の方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
詳細な説明
以下、代表的な実施形態を詳細に参照することとする。以下の説明は、実施形態を1つの好適な実施形態に限定することを意図したものではない。逆に、これは、例えば、添付の請求項によって定義されている記述された実施形態の精神及び範囲内に含まれうる代替肢、変更、及び均等物をカバーすることを意図している。
【0026】
一般に、軌道内宇宙船整備システムは、宇宙船の利用可能なアンビリカルコネクタを通じて軌道内整備を提供するべく動作している。ドッキングの後に、宇宙船整備システムは、サービサ宇宙船とクライアント宇宙船のアンビリカルコネクタとの間においてサービサアンビリカルを接続するマニピュレータアームを使用している。アンビリカルコネクタは、従来、システムチェックアウト及び打ち上げ前動作などの地上に基づいた動作にのみ使用されている。サービサアンビリカルによって形成された電気接続は、確立されたら、限定を伴うことなしに、電力の転送、セキュリティアップグレードなどのソフトウェアのアップグレード、改善された侵入防止又はサイバーセキュリティ対策の追加、冗長性テレメトリ、トラッキング及び制御(TT&C)サブシステム、クライアントソフトウェアの保守又は補修を提供するなどによるクライアントに対する冗長性の追加、などを含む任意の数の目的のために使用することができる。一実施形態において、サービサアンビリカルは、クライアント宇宙船から接続解除され整備が完了した後に、サービサ宇宙船上のその元の位置に畳まれている。別の実施形態において、サービサアンビリカルは、整備が完了した後に、クライアント宇宙船に接続された状態において留まっている。別の実施形態において、サービスパッケージは、クライアント宇宙船のアンビリカルコネクタに装着され、整備宇宙船がクライアント宇宙船からドッキング解除された後にクライアント宇宙船と共に留まっている。サービスパッケージは、限定を伴うことなしに、スタンドアロン電源、コマンド及び制御などのための冗長性サブシステム、などを提供することができる。
【0027】
図1~
図9を参照し、開示されている装置、システム、及び使用の方法について説明することとする。
【0028】
図1~
図3及び
図5は、軌道内宇宙船整備システム(「宇宙船整備システム」、「クライアント宇宙船整備システム」、「整備システム」、又は単に「システム」とも呼称される)全体の表現を提供している。
図6及び
図8は、軌道内宇宙船整備システムの一部分の表現を提供している。
図4A及び
図4Bは、軌道内宇宙船整備システム全体のミッションの動作又は使用の方法(「宇宙船整備システムの方法」、「クライアント宇宙船整備システムの方法」、「整備システムの方法」、又は単に「方法」とも呼称される)のシーケンスを提供している。
図7及び
図9は、
図4A及び
図4Bにおいて提供されているものよりも詳細に
図4A及び
図4Bの使用の方法の一部分の動作又は使用の方法のシーケンスを提供している。
【0029】
図1A及び
図1Bを参照すれば、軌道内宇宙船整備システム100の一実施形態の斜視図が描かれている。軌道内宇宙船整備システム100は、サービサ宇宙船110(サービサ110とも呼称される)が、クライアント宇宙船10(クライアント10とも呼称される)と係合した又はドッキングした状態において示されている。
【0030】
「係合」という用語及び「~と係合する」というフレーズは、例えば、~とドッキングすることを含む~と接続される又は~と接続することを意味している。「ドッキング」という用語及び「~とドッキングする」というフレーズは、2つの別個の自由飛行する宇宙物体を結合することを意味しており、通常は、ドッキングコネクタを介して2つの物体をラッチングする又はその他の方法で結合することを含む。「ソフトドッキング」は、宇宙物体の間に剛性の接続を形成していないドッキングであり、「ハードドッキング」は、宇宙物体の間において剛性の接続を形成している。
【0031】
サービサ宇宙船110は、キャプチャアーム130の組を介してクライアント10との間にハードドッキング接続を形成しており、キャプチャアーム130は、インターフェイスリング30と係合している。インターフェイスリング30は、一般に、例えば、ドッキング動作を促進するべく、既知の直径の且つ既知のエッジ形状の標準化された構成を有する。その他の実施形態において、キャプチャアーム130は、クライアントボディ20の任意の利用可能な構造的に安定したコンポーネント又はエリアと係合している。
【0032】
図1A及び
図1Bに示されている構成において、インターフェイスリング30は、クライアントボディ20のクライアントz軸21を中心としてセンタリングされており、係合した又はドッキングしたクライアント10及びサービサ110は、共通z軸21、121を中心としてアライメントされている。換言すれば、サービサのz軸121は、実質的にクライアントのz軸21と同軸状態にあるか又は実質的に共通している。「実質的に同軸状態」及び「実質的に共通」というフレーズは、選択可能な且つ定義された許容範囲又は逸脱を意味している。キャプチャアームの組130を介したクライアント10との間のサービサ110のドッキングは、すべての目的のために引用によってその全体が包含されるHalsband et alに対する米国特許第10,611,504号において記述されているキャプチャアーム130の端部などのキャプチャアーム130の形状又は構成によって促進することができる。
【0033】
共通のサービサz軸121及びクライアントz軸21を示す軌道内宇宙船整備システム100の基準フレームは、基準システムフレーム101として提供されている。z軸は、地球(天底)に向かうように方向付けられている。従って、サービサ110は、クライアント10よりもわずかに高い軌道において動作している。
【0034】
クライアント宇宙船10は、クライアントボディ20と、クライアントボディ20の表面上において配設された又はこれに結合された少なくとも1つのクライアントアンビリカルコネクタ40と、インターフェイスリング30と、を有する。サービサ宇宙船110は、サービサボディ120と、キャプチャアームの組130と、統合された又は組み合わせられたマニピュレータアーム140と、サービサアンビリカル150と、を有する。(
図6A~
図6Dに記述されているものなどのその他の実施形態においては、マニピュレータアーム140及びサービサアンビリカル150は、別個の要素である)。いくつかの実施形態において、クライアント宇宙船10は、複数のクライアントアンビリカルコネクタ40を有し、及び/又は、サービサ宇宙船110は、複数のマニピュレータアーム40を有する。
【0035】
キャプチャアームの組130は、インターフェイスリング30(及び/又はクライアントボディ20のその他の構造的に安定した部分)と係合するべく、及び、宇宙船の剛性の又はハードドッキングしたペアを形成するべく、サービサ110のサービサボディ120から延在している。
図1の構成において、サービサ100は、2つのキャプチャアーム130を有する。キャプチャアームのその他の構成は、例えば、3つ又は4つのキャプチャアーム130を含む(
図2を参照されたい)。
【0036】
簡潔に上述したように、いくつかの実施形態において、キャプチャアームの組130は、クライアントボディ120の1つ又は複数の延長又は突出、クライアントボディ20の1つ又は複数のエッジ、及び当業者には既知のその他の手段、などを介してクライアント10のインターフェイスリング以外と係合している。一実施形態において、サービサ110及びクライアント10は、すべての目的のために引用によってそのすべてが包含されるMaeda et alに対する米国特許出願公開第2018/0229865号に記述されているプレート様のボディを介してドッキングしている。一実施形態において、キャプチャアームの組は、NASA Low Impact Dockingシステム(LIDs)を含む既存の又は進化中の標準化されたドッキングコンポーネント及び/又はHubble Space Telescope Soft Captureメカニズム(SCM)などの既存のコンポーネントから適合されたドッキングコンポーネントと係合している。
【0037】
ドッキングの後に、統合された又は組み合わせられたマニピュレータ140及びサービサアンビリカル150は、アンビリカルコネクタ40と係合するべく又はその内部にプラグ結合するべく操作されている。アンビリカルコネクタ40は、サービサz軸121及びクライアントz軸21のそれぞれと平行であるアンビリカルコネクタz軸41を有する。アンビリカルコネクタ40と係合するべく又はこの内部にプラグ結合するべく試みるために、サービサアンビリカル150は、最低でも、アンビリカルコネクタ40とz軸において実質的にアライメントされていなければならず、アンビリカルコネクタ面のx-y位置のちょうど前において又はこれに隣接した状態においてx-yプレーン内において実質的に位置決めされていなければならない。また、アンビリカルコネクタ40のいくつかの実施形態においては、サービサアンビリカル150の特定の回転向き(いわゆる、クロッキング向き)も必要とされている。アンビリカルコネクタ40の面との関係におけるサービサアンビリカル150の位置決め及び/又は回転アライメントの更なる詳細については、
図8及び
図9との関係において以下に提供されている。
【0038】
接続又は確実なプラグ結合がアンビリカルコネクタ40とサービサアンビリカル150との間において実施されたら、電気通信をサービサアンビリカル150を介してサービサ110とクライアント10との間において実行することができる。
【0039】
図5は、軌道内宇宙船整備システム500の別の実施形態の斜視図表現であり、実施形態は、サービサ宇宙船510が2つのマニピュレータアーム144、144’を有しており、クライアント宇宙船10のいくつかの詳細(例えば、ロケットエンジンノズル)がわかりやすさを目的として除去されているという点を除いて、
図1A及び
図1Bの宇宙船整備システム100に非常に類似している。
【0040】
軌道内宇宙船整備システム500は、サービサ宇宙船510がクライアント宇宙船10と係合した又はこれとドッキングした状態において示されている。クライアント宇宙船10は、クライアントボディ20と、インターフェイスリング30と、クライアントアンビリカルコネクタ40と、を有する。
【0041】
図5に描かれているように、サービサ宇宙船510は、サービサボディ520と、2つのキャプチャアームの組130と、2つのマニピュレータアームの組140、140’と、を有する。キャプチャアームの組130は、クライアント10とサービサ110のハードドッキングを提供するべく、インターフェイスリング30に係合するか又はこれに結合している。2つのマニピュレータアーム140、140’のそれぞれは、統合されたサービサアンビリカルを有する(これは、マニピュレータアーム140及び140’のそれぞれが、サービサアンビリカル150を有することを意味している)。マニピュレータアーム140’は、マニピュレータアーム140から約180度の回転の位置において収容された状態又は収容された構成において描かれている。マニピュレータアーム140は、マニピュレータアーム第1端部143及びマニピュレータアーム第2端部144を有する。マニピュレータアーム第1端部143は、サービス宇宙船510のボディ520に装着又は結合されている。マニピュレータアーム第2端部144は、クライアントアンビリカルコネクタ40との電気接続を許容するべく、サービサアンビリカルの端部を提示するように構成されている(詳細に後述するが、例えば、
図8を参照されたい)。それぞれのマニピュレータアーム140、140’は、サービサボディ520に装着された第1端部と、サービサアンビリカルに装着し、これをクライアントアンビリカルコネクタ40に隣接した位置まで操作するように、且つサービサアンビリカルをクライアントアンビリカルコネクタ40内にプラグ結合するように構成された第2端部と、を有する。それぞれのマニピュレータアーム140、140’は、サービサボディ520上の任意の利用可能な構造的に健全な場所に装着されている。
【0042】
図2は、軌道内宇宙船整備システム200の別の実施形態の斜視図表現を提供している。
図2の宇宙船整備システム200は、
図1の宇宙船整備システム100に類似しており、すべての目的のために引用によって包含されるReitman et alに対する米国特許第10,626,882号から適合されている。
【0043】
図2を参照すれば、クライアント宇宙船10と係合した又はドッキングしたサービサ宇宙船210の斜視図が描かれている。2つの宇宙船は、座標フレーム201を参照して描かれているように、共通z軸が共有されるようにドッキングしている。
【0044】
クライアント宇宙船10は、クライアントボディ20と、ソーラーアレイのペアと、クライアントアンビリカルコネクタ40と、インターフェイスリング30と、を有する。クライアントアンビリカルコネクタ40及びインターフェイスリング30のそれぞれは、サービサ宇宙船210に対向するボディ20の表面上において配設されている。クライアントアンビリカルコネクタ40は、ほぼ、座標フレーム201のy軸から-45度の回転位置において配設されている。限定を伴うことなしに、描かれているクライアントアンビリカルコネクタ40から(z軸との関係において)90、180、及び270度の回転位置、並びに任意の中間角度を含むクライアントアンビリカルコネクタのその他の位置も可能であることに留意されたい。また、クライアント10は、(例えば、
図5に示されているように)複数のアンビリカルコネクタ40を有することもできる。
【0045】
サービサ宇宙船210は、ボディ220と、ソーラーアレイのペアと、4つのキャプチャアームの組230と、それぞれが個々のスラスタ236を有する4つのスラスタアームの組235と、を有する。個々のスラスタ236を有するスラスタアーム235は、その他のものに加えて、サービサ/クライアント宇宙船システムの組合せの推進力及び運動量制御を提供している。
【0046】
図3は、軌道内宇宙船整備システム300の別の実施形態のブロック図表現であり、宇宙船整備システム300は、いくつかのコンポーネント又は要素の追加を伴いつつ、
図1A及び
図1B、
図2、及び
図5の個々の宇宙船整備システム100、200、500に類似している。クライアント宇宙船10は、クライアントボディ20と、インターフェイスリング30と、クライアントアンビリカルコネクタ40と、を有する。
【0047】
サービサ宇宙船310は、ボディ320と、キャプチャアームの組130と、マニピュレータアーム140と、サービサアンビリカル150と、を有する。また、サービサ宇宙船310は、サービサボディ320と、キャプチャアーム130と、マニピュレータアーム140と、サービサアンビリカル150と、プロセッサ360と、補助電源380と、着脱自在のサービスパッケージ370と、を有する。
【0048】
プロセッサ320は、サービサアンビリカル150を介したクライアント宇宙船10の整備を可能にするサービサ宇宙船310のコンポーネントの制御及び管理を提供している。具体的には、プロセッサ320は、電気通信(例えば、電力転送、信号転送、など)がサービサ310とクライアント10との間において提供されうるように、クライアントアンビリカルコネクタ40と係合するべく又はその内部にプラグ結合するべくサービサアンビリカル150を操作する際にマニピュレータアーム140を制御又は操作している。
図4A及び
図4Bは、マニピュレータアーム140及びサービサアンビリカル150のこのような動作及び制御の詳細を提供している。プロセッサ360は、キャプチャアーム130の組を制御している。いくつかの実施形態において、キャプチャアーム130の動作は、サービサ宇宙船の別のプロセッサ(図示されてはいない)により、部分的に又は完全に制御されている。一実施形態において、プロセッサ320は、キャプチャアーム130を制御してはいない。一実施形態において、プロセッサ320は、マニピュレータアーム140、着脱自在のサービスパッケージ370、補助電源380、及び/又はサービサアンビリカル150を制御している。プロセッサ320は、1つ又は複数のコンポーネントの任意の数の制御モードにおいて動作することができる。例えば、プロセッサ320は、クライアントアンビリカルコネクタ40に隣接するように装着されたサービサアンビリカル150を位置決めする第1位置決めモード、及びクライアントアンビリカルコネクタ40との間のサービサアンビリカル150のプラグ結合又はプラグ結合解除操作を実行する第2正確位置決めモードにおいて、マニピュレータアーム140を動作させることができる(更なる詳細については、例えば、
図8~
図9を参照されたい)。
【0049】
また、サービサ宇宙船310は、サービサアンビリカル150がクライアントアンビリカルコネクタ40に接続された又はその内部にプラグ結合された際に、サービサアンビリカル150を介して電力をクライアント10に供給するべく使用されうる補助電源380をも含む。或いは、この代わりに又はこれに加えて、サービサアンビリカル150を通じてクライアントに電力を供給するべく、サービサ宇宙船310の主又は1次電源(図示されてはいない)を使用することもできる。このような主電源及び補助電源380は、プロセッサ360を介して調節された方式によって動作させることができる。例えば、サービサ宇宙船の主電源は、(電気)スラスタ236などのサービサ装置を動作させるべく主電源が使用されていない又はこれから引き出されていない際にのみ、クライアント10に電力を提供してもよく、主電源が使用されている又はこれから引き出されている際には、プロセッサ380は、補助電源380を使用してクライアント10に電力を提供している。また、主電源及び補助電源の1つ又は両方は、プロセッサ320の制御を通じて、クライアントへの電力の供給に加えて、クライアントから電力を取り戻すこともできる。
【0050】
サービサ宇宙船310のドッキング解除の後に、クライアント10に整備を提供するべく、着脱自在のサービスパッケージ370がクライアント宇宙船10に装着又は付着されている。着脱自在のサービスパッケージ370は、電力、冗長性機能(例えば、バックアップコマンド及び制御、バックアップ通信、更なる又は冗長なテレメトリ、追跡及び制御サブシステム)、アップグレード機能(例えば、サイバーセキュリティ又は保護特徴などの改善されたセキュリティ特徴)、及びこれらに類似したものを含む任意の数の機能を提供することができる。着脱自在のサービスパッケージ370は、例えば、誤動作するハードウェア又はソフトウェアモジュール用のトラブルシューティングプロトコルの実行などの、クライアントに固有の機能を可能にする又は実行するように設計することができる。着脱自在のサービスパッケージ370は、サービサ310がクライアント10からドッキング解除された後にも、クライアント10と装着された及び/又はこれと電気的に接続された状態に留まることができる。着脱自在のサービスパッケージ370は、マニピュレータアーム140を介してクライアント10と係合するべく、及び、いくつかの実施形態においては、これに装着するべく、位置決めされている。
【0051】
一実施形態において、着脱自在のサービスパッケージ370は、サービスパッケージ370の第1端部においてサービサに電気的に接続されており、クライアントアンビリカルコネクタ40を通じてサービスパッケージ370の第2端部においてクライアント10に電気的に接続されている。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のサービサアンビリカル150は、サービスパッケージ370の第1端部及びサービスパッケージ370の第2端部の1つ又は両方においてサービスパッケージ370に装着しているか又はこれと接続している。一実施形態において、サービスパッケージ370は、クライアントアンビリカルコネクタ40と直接的に接続している。一実施形態において、サービスパッケージ370は、サービサアンビリカル150の使用又はこれに対する接続を伴うことなしに、クライアントアンビリカルコネクタ40と接続している。
図4A及び
図4Bとの関係において、着脱自在のサービスパッケージ370の動作について更に詳細に説明する。
【0052】
図4A及び
図4Bは、
図3の軌道内宇宙船整備システム300の実施形態の1つの使用の方法のフロー
図400を提供している。但し、使用の方法の開示を改善するべく、
図1、
図2、及び
図4~
図9の任意のものの態様及び特徴が参照されてもよい。例えば、方法400のいくつかのステップの説明において、
図6A~
図6Dにおいて記述されている要素が参照されることになる。全体的に、方法400は、ステップ404において開始し、ステップ460において終了している。本明細書において記述されているステップ、機能、及び動作の任意のものは、連続的に且つ自動的に実行することができる。いくつかの実施形態において、使用の方法400のステップの1つ又は複数は、方法400のステップを含むべく、コンピュータ制御、コンピュータプロセッサの使用、及び/又はなんらかのレベルの自動化を有することができる。実際に、方法400のステップの、すべてではない場合にも、ほとんどは、プロセッサ320により、完全にではない場合にも、原則的に、自動的に実行されている。但し、いくつかの実施形態において、ステップのいくつかのもの又はステップのいくつかのものの一部分は、人間による介入との協働状態において又はこれによってのみ実行されている。例えば、ステップ440において電気接続がサービサ宇宙船310とクライアント宇宙船10との間において確立されたら、人間操作者は、後述するように、クライアント宇宙船10にアップロードされる特定のソフトウェアを制御するように介入することができる。
【0053】
ステップは、増大する数値のシーケンスにおいて概念的に後続されているが、いくつかの実施形態においては、いくつかのステップが省略されてもよく、いくつかのステップが追加されてもよく、ステップは、増大する数値の順序以外において後続することもできる。ユーザーは、ディスプレイ/GUIを使用することにより、記述されているステップの1つ又は複数とやり取りしてもよく或いはこれらを実行してもよい。「ユーザーインターフェイス」又は「UI」というフレーズ及び「グラフィカルユーザーインターフェイス」又は「GUI」というフレーズは、画像又はグラフィクスの支援を伴うユーザーとの間のやり取りを許容するコンピュータに基づいたディスプレイを意味している。
【0054】
ステップ404において開始した後に、方法400は、ステップ408に進んでいる。ステップ408において、サービサ宇宙船310は、クライアント宇宙船10に係合又はドッキングするべく位置決めされている。クライアント宇宙船は、静止地球軌道(GEO)、低地球軌道(LEO)、中間地球軌道(MEO)、惑星間移動軌道、地球-月ラグランジュ点、及び任意の安定した軌道構成を含むいくつかの軌道タイプの任意のもの内に位置しうる。一実施形態において、クライアント宇宙船は、通信衛星などのクライアント衛星である。一実施形態において、クライアント衛星は、GEO又はLEOの1つにおいて動作している。クライアント宇宙船は、安定した構成又は制御されていない構成において動作していてもよい。いずれのクライアント構成においても、ステップ408において、サービサ宇宙船310は、2つの宇宙船の間に相対モーションが存在していない状態においてクライアント宇宙船10に対向し、これにより、2つの宇宙船のドッキングを可能にするように位置決めされている。換言すれば、ステップ408において、サービサ310は、キャプチャアーム130がクライアント10のインターフェイスリング30及びクライアントアンビリカルコネクタ40に対向し、これにより、キャプチャアーム130がクライアント10とドッキングするべく延長されうるように位置決めされている。一実施形態において、クライアント10は、くるくる回っている(制御されていないとも表現される)宇宙船であり、クライアント10との関係におけるサービサ310の位置決めは、すべての目的のために引用によってそのすべてが包含されるELSA-D: An In-orbit End-of-Life Demonstration Mission, Blackerby et al, IAC-18, Sept. 14, 2018に記述されているとおりである。ステップ408の完了の際に、方法400は、ステップ412に進んでいる。
【0055】
ステップ412において、サービサ宇宙船310は、キャプチャアームの組130を使用することにより、クライアント宇宙船10とドッキングしている。キャプチャアーム310は、プロセッサ320によってのみ制御されていてもよく、プロセッサ320以外のコア又はサービサボディプロセッサによってのみ制御されていてもよく、或いは、これらの両方の組合せによってのみ制御されていてもよい。キャプチャアーム130は、クライアント10のインターフェイスリング30に係合することができ、及び/又は、クライアントインターフェイスリング30以外のクライアント10のコンポーネント又は一部分に係合することができる。一実施形態において、キャプチャアームの組30は、クライアント10のボディ20の1つ又は複数の物理的延長部と係合及びドッキングしている。ステップ412の完了の際に、方法400は、ステップ416に進んでいる。
【0056】
ステップ416において、プロセッサ320は、マニピュレータアーム(或いは、
図5のシステム500におけるものなどのマニピュレータアームの組であり、この場合に、サービサ510は、2つのマニピュレータアームを有する)を起動している。起動は、マニピュレータアーム640の適切な動作を保証するべく診断、健全性、及び/又はシステムチェックを伴うことができる(6によって始まる3桁の要素について
図6A~
図6Dを参照されたい)。マニピュレータ640は、サービサ310がまずクライアント10とドッキングした際に、
図6Aに描かれているようなものなどの初期の又は収容された構成を有することができる。ステップ416の完了の際に、方法400は、ステップ420に進んでいる。
【0057】
ステップ420において、サービサアンビリカル650は、マニピュレータアーム640を受け取るように準備されている。更に詳しくは、アンビリカルアーム650は、マニピュレータアーム第2端部644を受け取るように準備されており、マニピュレータアーム第2端部644は、マニピュレータアーム第1端部643とは反対側に位置している。マニピュレータアーム第1端部643は、サービサ610のボディ620に装着されている。サービサアンビリカル650の準備は、サービサ610のボディ620のサービサ空洞671からの取り外しなどのように、クライアント610のボディ620との間の係合からサービサアンビリカル第2端部654を取り外すことを含みうる。また、サービサアンビリカル650の準備は、サービサアンビリカル650の診断、健全性、及び/又はシステムチェックをも含みうる。一実施形態において、サービサアンビリカル650初期の収容された構成は、
図6Aに示されているように、コイル状の構成であってよい。ステップ420の完了の際に、方法400は、ステップ424に進んでいる。
【0058】
ステップ424において、サービサアンビリカル650は、マニピュレータアーム640と接続されている。更に詳しくは、マニピュレータアーム第2端部644は、クライアントアンビリカルコネクタ40に接続しうる又はその内部にプラグ結合しうるサービサアンビリカル第2端部654の外部面を提示するように、サービサアンビリカル第2端部654と接続されている。マニピュレータアーム第2端部644は、回転及び/又は回動の際に、サービサアンビリカル第2端部654の以前は内側に向いていた端部が外側に対向するべく回転するように適合又は構成されている(
図6B及び
図6C内のマニピュレータアーム第2端部644及びサービサアンビリカル第2端部654の相対的な位置決めを比較されたい)。一実施形態において、サービサアンビリカル第2端部654及びサービサアンビリカル第2端部654のやり取り又は係合は、すべての目的のために引用によって包含されるSchadler et alに対するWIPO出願国際公開第2019/068547号において記述されている技法又は要素を使用している。マニピュレータアーム第2端部644及びサービサアンビリカル第2端部654の結合又は接続されたペアの最終的な構成については、
図8との関係において説明する。(
図1B及び
図5に描かれているものなどのいくつかの構成において、マニピュレータアーム及びサービサアンビリカルは、統合されたユニットであり、これにより、ステップ424に対するニーズを未然に防いでいることに留意されたい)。ステップ424の完了の際に、方法400は、ステップ428に進んでいる。
【0059】
ステップ428において、プロセッサ360は、
図6C及び
図6Dに示されているように、装着されたサービサアンビリカル第2端部654と共に、マニピュレータアーム140をクライアントアンビリカルコネクタ40に隣接した又はその近傍の位置まで導いている又は制御している。プロセッサ360は、以上において簡潔に記述されているように、マニピュレータアーム140を制御又は操作する際に制御モードの組において動作することができる。制御モードの組は、制御モードを実行するべく様々なセンサ入力を受け取ることができる。例えば、プロセッサ360は、広視野カメラなどのサービサボディ320上において取り付けられた1つ又は複数のセンサによって提供されるセンサデータの支援により、まず、第1位置決めモードにおいてマニピュレータアーム140を動作させてもよく又は制御してもよい。別の例において、プロセッサ320は、マニピュレータアーム第2端部644において又はその近傍においてなどのように、マニピュレータアーム140上において取り付けられた、及び/又はレーダー又はマイクロカメラなどのようにサービサアンビリカル第2端部654上において又はその近傍において取り付けられた1つ又は複数のセンサの支援により、マニピュレータアームを制御することもできる(
図8を参照されたい)。
【0060】
プロセッサ360は、適応制御、確率制御、ニューラルネットワーク、AIに基づいた又はその他の機械学習制御、などを含む当業者には既知の任意の数の制御法則方式における任意の数の制御モードにおいてマニピュレータアーム140を位置決め及び操作するべく利用可能なセンサを組み合わせることができる。プロセッサ360は、マニピュレータアーム140の制御を支援するべく又は可能にするべくコンピュータビジョンの技法を利用することができる。マニピュレータアームは、動作のすべて又は一部分において、自律的に、半自立的に、又は手動的に動作することができる。(地上に基づいたコマンドエントリを介してプロセッサ360と通信する地上に基づいた操作者によって提供される手動入力)。ステップ428の完了の際に、方法400は、ステップ432に進んでいる。
【0061】
一実施形態において、プロセッサは、マニピュレータアーム140のモーションを制御するべく、マニピュレータアーム140の結合部又は回動部の姿勢及び/又はマニピュレータアーム第2端部644の姿勢を通じてマニピュレータアーム140の運動を監視している。このような一実施形態において、クライアント宇宙船の形状の知識(例えば、ターゲットであるクライアントアンビリカルコネクタ及びマニピュレータアームがアンビリカルコネクタまで操作される際に遭遇しうる任意の障害物の場所)により、装着されたサービサアンビリカルを有するマニピュレータアーム第2端部644は、サービサアンビリカルをアンビリカルコネクタの近くの又はその近傍の位置まで操作してもよく、或いは、さもなければ、サービサアンビリカルをアンビリカルコネクタ内にプラグ結合してもよい。
【0062】
ステップ432において、インターフェイスリング30を中心としたクライアント宇宙船10の回転が利用可能であるかどうか及び利用されるべきであるかどうかに関する問合せが実施されており、このような回転は、キャプチャアームの組130によって実行されている。このような能力は、クライアントアンビリカルコネクタ40とマニピュレータアーム第2端部644(並びに、従って、更には、結合されたサービサアンビリカル第2端部654)との間の選択可能な相対的位置決めを許容しており、これにより、マニピュレータアームの必要とされる自由度(DOF)を低減している。換言すれば、インターフェイスリング30を中心としたクライアント宇宙船10の回転が利用可能である場合には、サービサアンビリカル第2端部654とクライアントアンビリカルコネクタ40との間の接続を可能にするべく必要とされる自由度は、マニピュレータアーム640と、クライアント10とサービサ110の間の接続との間において共有することができる。例えば、サービサ310が、クライアント10がサービサ310との関係において既定の向きにあるような方式でクライアントインターフェイスリング30を通じてクライアント10にドッキングし、サービサ110が、インターフェイスリング30を中心として更に回転することが可能であり、任意の必要とされるクロッキングにおいてこれにクランプしうる場合には、3つの自由度のみが、マニピュレータアーム140のために必要とされ、即ち、サービサアンビリカル第2端部654をプラグ結合軸(
図6Dの41、646、及び656)に沿って移動させるための縦列の又はペア化された宇宙船システムの共通ボディZ軸(
図1Aの121及び21)との関係における半径方向及び軸方向の平行運動と、プラグ結合軸を中心として正しく方向付けするためのサービサアンビリカル第2端部654の回転と、である。(その他のものに加えて、低減されたDOFのマニピュレータアームは、相対的に大きなDOFのマニピュレータアームとの関係において、費用の低減、収容空間要件の低減、電力要件の低減、信頼性の向上、などのような利点を提供しうる)。
【0063】
ステップ432の問合せに対する応答がはいである場合には、方法400は、ステップ433に進み、ここで、クライアント10は、マニピュレータアーム140の必要とされている自由度を低減するように、上述の方式によって回転又はキャプチャされている。ステップ433の完了の際に、方法400は、ステップ434に継続している。ステップ434において、サービサアンビリカル第2端部654をクライアントアンビリカルコネクタ40にプラグ結合するべく、記述されているように、3DOFのマニピュレータアーム140などの低減された自由度のマニピュレータアーム140を使用することができる。クライアントアンビリカルコネクタ40との間のサービサアンビリカル第2端部654のプラグ結合の更なる詳細については、
図7~
図9において提供されている。また、ステップ434においては、6DOFのマニピュレータアームを含む少なくとも3DOFのマニピュレータアーム140を使用することができる。ステップ434の完了の際に、方法400は、ステップ440に進んでいる。
【0064】
ステップ432の問合せに対する応答がいいえである場合に、方法は、ステップ436に進み、ここで、サービサアンビリカル第2端部654をクライアントアンビリカルコネクタ40にプラグ結合するべく、6DOFのマニピュレータアーム140が使用されている。クライアントアンビリカルコネクタ40との間のサービサアンビリカル第2端部654のプラグ結合の更なる詳細については、
図7~
図9において提供されている。ステップ436の完了の際に、方法400は、ステップ440に進んでいる。
【0065】
ステップ440において、サービサ宇宙船310とクライアント宇宙船10との間の接続が確立されている。更に詳しくは、物理的接続及び/又は電気的接続がサービサアンビリカル第2端部654とクライアントアンビリカルコネクタ40との間において実施されている。電気的接続は、任意の数の整備機能がサービサ310によってクライアント10に対して実行されることを許容している。例えば、補助電源380は、プロセッサ320によって制御された状態において、電力をクライアント10に提供することができる。別の例として、例えば、クライアントに対して診断を実行するなどの状態又は保守機能を実行するべく、電気信号を転送することができる。別の例として、冗長性テレメトリ、追跡及び制御(TT & C)サブシステムをクライアント10に提供するなどにより、クライアント10に対するサービサ310を通じたサイバー保護を追加するべく又はこれを改善するべく、及び/又は、クライアント10に冗長性を追加するべく、電気接続を使用することができる。サービサ310とクライアント10との間の電気接続は、いずれか又は両方の方向における通信のために使用されてもよく、例えば、診断又は状態データがクライアント10からサービサ310に転送されてもよく、クライアントデータバックアップがクライアント10からサービサ310へのデータ転送によって実行されてもよく、ソフトウェアアップグレードルーチンがサービサ310からクライアント10に転送されてもよい。ステップ440の完了の際に、方法400は、ステップ444に進んでいる。
【0066】
ステップ444において、サービサ宇宙船310が着脱自在のサービスパッケージ370を有しているかどうかについての問合せが実施されており、着脱自在のサービスパッケージ370は、クライアント宇宙船10に付着又は結合される。ステップ444の問合せに対する回答がはいである場合に、方法400は、ステップ445に進み、ここで、着脱自在のサービスパッケージ370が、マニピュレータアーム140によってサービサ310から取り外され、クライアント10上又は内の選択可能な場所に位置決め及び固定されている。上述のように、着脱自在のサービスパッケージ370は、直接的に又はサービサアンビリカル150を介してクライアント10の1つ又は複数のクライアントアンビリカルコネクタ40と接続するように構成することができる。ステップ445の完了の後に、方法400は、ステップ446に進んでおり、ここで、マニピュレータアーム140がサービスパッケージ370から取り外されている。ステップ446の完了の際に、方法400は、ステップ448に進んでいる。ステップ444の問合せに対する回答がいいえである場合には、方法400は、ステップ448に進んでいる。
【0067】
ステップ448において、サービサアンビリカル第2端部654が、クライアントアンビリカルコネクタ40から取り外されるか又はプラグ結合解除されており、サービサアンビリカル40がサービサ宇宙船310内又は上において収容されている。一般に、クライアントアンビリカルコネクタ40からのサービサアンビリカル第2端部654のプラグ結合解除は、プラグ結合に類似した但しこれとは反対の方式によって進行しており、例えば、サービサアンビリカル第2端部654は、プラグ結合の際に必要とされるものとは反対のプラグ結合z軸41に沿った角度方向において回転しており、サービサアンビリカル第2端部654は、クライアントアンビリカルコネクタ40から離れるように引っ込められている又は引っ張られている。一実施形態において、サービサアンビリカル40は、
図6Aの初期の収容された位置に類似した構成において収容されている。ステップ448の完了の際に、方法400は、ステップ452に進んでいる。
【0068】
ステップ452において、マニピュレータアーム140がサービサ宇宙船310上又は内において収容されている。一実施形態において、マニピュレータアーム140は、
図6Aの初期の収容された位置に類似した構成において収容されている。ステップ452の完了の際に、方法400は、ステップ456に進んでいる。
【0069】
ステップ456において、サービサ宇宙船310は、クライアント宇宙船10からドッキング解除されており、方法400は、ステップ460に進み、ここで方法は終了している。
【0070】
図6A~
図6Dは、軌道内宇宙船整備システム600の別の実施形態の一連のクローズアップ平面図を提供している。実施形態は、サービサボディ620、単一マニピュレータアーム640、及びサービサ空洞671内において収容された単一サービサアンビリカル650を有するサービサ宇宙船610と、クライアントボディ20上において配設された単一アンビリカルコネクタ40を有するクライアント10と、を有する。
図7の方法700との関連において、
図6A~
図6Dの組について更に説明する。
【0071】
マニピュレータ640は、サービサマニピュレータアームアタッチメント622に装着又は固定されたマニピュレータ第1端部643を有し、サービサマニピュレータアームアタッチメント622は、サービサボディ620に装着又は固定されている。マニピュレータアーム640は、2つの回動結合部の組を有する中間部分645と、サービサアンビリカル第2端部654と係合する又はこれに結合するように構成されたマニピュレータ第2端部644と、を更に有する。マニピュレータアーム640の結合部の組は、接続又は装着されたコンポーネントの間の回動又は回転を可能にするべく回動結合部として動作している。例えば、マニピュレータ第1端部643と関連する回動は、サービサマニピュレータアームアタッチメント622を中心としたマニピュレータ第1端部643の回転を可能にしている。当業者には既知である描かれている回動結合部以外の代替の及び/又は更なる結合部を含むマニピュレータアーム640のその他の構成の結合部及びコンポーネントも可能である。
【0072】
マニピュレータアーム640は、6DOFのマニピュレータアームであり、
図6A~
図6Dのそれぞれにおいて、一連の状態又は構成において描かれている。一般に、マニピュレータアーム640は、
図6Bに描かれているように、マニピュレータ第2端部644をサービサアンビリカル第2端部654に装着するべく、サービサアンビリカル第2端部654を
図6Cのアンビリカルコネクタ40に隣接した位置に操作するべく(これは、その他のものに加えて、アンビリカルコネクタ40に隣接したサービサアンビリカル第2端部654の3-d位置決めを必要としている)、
図6Dに描かれているようにアンビリカルコネクタ40のz軸41のプラグ結合z軸とサービサアンビリカル第2端部654をアライメントするべく、及び、アンビリカルコネクタ40を有するサービサアンビリカル第2端部654をプラグ結合するべく、動作している。
【0073】
サービサアンビリカル650は、サービサアンビリカルアタッチメント623に装着又は固定されたサービサアンビリカル第1端部623を有し、サービサアンビリカルアタッチメント623は、サービサボディ620に装着又は固定されている。サービサアンビリカル650は、マニピュレータ第2端部644と係合する又はこれに結合するように構成されたサービサアンビリカル第2端部654を更に有する。サービサアンビリカル650は、
図6A~
図6Dのそれぞれにおいて、一連の状態又は構成において描かれている。
【0074】
図6Aにおいて、サービサアンビリカル650は、第1の(又は、収容された)サービサアンビリカル状態において描かれており、この場合に、サービサアンビリカル650は、コイル状の構成においてサービサ空洞671内においてサービサ610のボディ620の内部に収容されている。マニピュレータアーム640の収容方式と同様に、ボディ620(図示されてはいない)の部分的又は全体的に外部であるものを含むサービサアンビリカル650のその他の収容位置又は構成も可能である。
【0075】
図6Bは、それぞれが個々の第2状態にあるマニピュレータアーム640及びサービサアンビリカル650を描いており、この場合に、マニピュレータ第2端部644は、サービサアンビリカル第2端部654と係合しており、サービサアンビリカル650は、コイル状の状態又はコイル状の構成において留まっている。
【0076】
図6Cは、それぞれが個々の第3状態にあるマニピュレータアーム640及びサービサアンビリカル650を描いており、この場合に、マニピュレータ第2端部644は、サービサアンビリカル第2端部654と係合しており、サービサアンビリカル第2端部654及びマニピュレータ第2端部644の結合又は係合したペアは、クライアント10のアンビリカルコネクタ40に向かって運動している。この第3状態において、サービサアンビリカル第2端部654及びマニピュレータ第2端部644の結合又は係合したペアは、644、654という軸方向の相対z軸を有しており、アンビリカルコネクタ40は、z軸41(プラグ結合軸41とも呼称される)を有する。
【0077】
図6Dは、それぞれが個々の第4状態にあるマニピュレータアーム640及びサービサアンビリカル650を描いており、この場合に、マニピュレータ第2端部644は、サービサアンビリカル第2端部654と係合した状態において留まっており、サービサアンビリカル第2端部654及びマニピュレータ第2端部644の結合又は係合したペアは、クライアント10のアンビリカルコネクタ40とほぼアライメントされている。この第4状態において、サービサアンビリカル第2端部654及びマニピュレータ第2端部644の結合又は係合したペアは、アンビリカルコネクタ40のプラグ結合軸41とほぼ又は実質的にアライメントされた644、654という軸方向の相対z軸を有しており、サービサアンビリカル第2端部654は、アンビリカルコネクタ40内にプラグ結合するべく位置決めされている(
図7~
図8及び関連する説明を参照されたい)。
【0078】
図7は、アンビリカルコネクタとの間においてプラグ結合及びプラグ結合解除するためのマニピュレータアーム及びサービサアンビリカルの動作のフロー図を提供している。本開示のその他の図、具体的には、
図3、
図4A及び
図4B、並びに、
図6A~
図6Dを参照し、
図7の方法700について説明することとする。
【0079】
全体的に、方法700は、ステップ704において開始しており、ステップ740において終了している。本明細書において記述されているステップ、機能、及び動作の任意のものは、連続的に又は自動的に実行することができる。いくつかの実施形態において、使用の方法700のステップの1つ又は複数は、方法700のステップを含むべく、コンピュータ制御、コンピュータプロセッサの使用、及び/又はなんらかのレベルの自動化を有することができる。実際に、方法700のステップの、すべてではない場合にも、ほとんどは、プロセッサ320により、完全ではない場合にも、原則的に、自動的に実行されている。但し、いくつかの実施形態において、ステップのいくつかのもの又はステップのいくつかのものの一部分は、人間による介入との協働状態において又はこれのみにより、実行されている。例えば、電気接続がステップ724においてサービサ宇宙船310とクライアント宇宙船10との間において確立されたら、人間は、クライアント宇宙船10の特定の整備活動を制御するべく介入することができる。ステップは、増大する数値の順序において概念的に後続しているが、いくつかの実施形態においては、いくつかのステップが省略されてもよく、いくつかのステップが追加されてもよく、ステップは、増大する数値順序以外において後続することもできる。方法がユーザーを参照している際には、ユーザーは、1人又は複数人のユーザーであってよい。ユーザーは、ディスプレイ/GUIを使用することにより、記述されているステップの1つ又は複数とやり取りしてもよく又はこれらを実行してもよい。
【0080】
ステップ704において開始した後に、方法700は、ステップ708に進んでいる。ステップ708において、マニピュレータアーム140が起動されており、マニピュレータアーム140を受け取るべく、サービサアンビリカル150が準備されている。ステップ708は、マニピュレータアーム140が、動作のために、引き出され、ターンオンされ、チェックされている方法400のステップ416に非常に類似しており、サービサアンビリカル150が、動作のために、引き出され、同様にチェックされている方法400のステップ420に非常に類似している。
図6Aは、サービサ610のマニピュレータアーム140及びサービサアンビリカル150との関係においてステップ708を描いている。サービサアンビリカル150及びマニピュレータアーム140の1つ又は両方がサービサ310のボディ320のコンパートメント又は空洞内において収容されている場合に、このようなコンパートメントは、サービサアンビリカル150及び/又はマニピュレータアーム140の離脱及び動作を許容するべく開放される。ステップ708の完了の後に、方法700は、ステップ712に進んでいる。
【0081】
ステップ712において、マニピュレータアーム第2端部644は、
図6Bに示されているように、サービサアンビリカル第2端部654に接続されている。ステップ712は、方法400のステップ424に類似している。ステップ712において、マニピュレータアーム第2端部644の電子回路などのマニピュレータアーム140の電子回路は、サービサアンビリカル第2端部654との間に電気的接続を形成することができる。ステップ712の完了の後に、方法700は、ステップ716に進んでいる。
【0082】
ステップ716において、マニピュレータアーム第2端部644は、サービサアンビリカル第2端部654に接続された状態において、
図6Cに示されているように、クライアントアンビリカルコネクタ40に向かって操作されている。ステップ716は、方法400のステップ428に類似している。ステップ716において、サービサアンビリカル150は、展開している又は解けている。一実施形態において、ステップ716において、マニピュレータアーム第2端部644と関連する更なるセンサが起動されてもよく、このような更なるセンサは、マニピュレータアーム第2端部644の正確な制御を可能にしており、これについては、以下の
図8との関係において更に説明する。ステップ716の完了の後に、方法700は、ステップ720に進んでいる。
【0083】
ステップ720において、連結又は結合されたマニピュレータ第2端部644及びサービサアンビリカル第2端部654のz軸が、
図6Dに描かれているように、クライアントアンビリカルコネクタのz軸41と実質的にアライメントされている。換言すれば、共有されているマニピュレータ第2端部644のz軸646及びサービサアンビリカル第2端部654のz軸656は、アンビリカルコネクタ40のプラグ結合軸41と実質的にアライメントされている。ステップ720の完了の後に、方法700は、ステップ724に進んでいる。
【0084】
ステップ724において、サービサアンビリカル第2端部654は、プロセッサ320によるマニピュレータ第2端部644の操作及び制御を介して、プラグ結合軸41に沿ってアンビリカルコネクタ40内にプラグ結合されている。ステップ724は、方法400の代替ステップ436及び434に類似している。アンビリカルコネクタ40のクロッキング要件を充足するためのサービサアンビリカル第2端部654の任意の回転要件を含むステップ724のプラグ結合動作の更なる詳細については、
図8及び
図9との関係において提供されている。ステップ724の完了の後に、方法700は、ステップ728に進んでいる。
【0085】
ステップ728において、クライアント宇宙船10が上述のように整備されている。整備は、補助電源380内に保存されている電気エネルギーの転送によるクライアント10への電力の転送、並びに、例えば、ソフトウェアの転送又は宇宙船データの受領などの電気信号の一方向又は双方向の転送、改善された侵入防止又はサイバーセキュリティ対策の追加、冗長性テレメトリ、追跡及び制御サブシステム、クライアントソフトウェアの保守又は補修の提供などによるクライアントに対する冗長性の追加、などを有することができる。
【0086】
クライアントアンビリカルコネクタ40を介したクライアント宇宙船10の整備の際に、マニピュレータアーム140は、アンビリカルコネクタ40と係合した状態において留まっていてもよく又はそうでなくてもよく、具体的には、システムの実施形態において、サービサアンビリカル第2端部654との係合状態において留まっていてもよく又はそうでなくてもよく、この場合に、サービサアンビリカル第2端部654は、マニピュレータアーム140の連続的な係合のニーズを伴うことなしに、クライアントアンビリカルコネクタ40と係合した又はこの内部にプラグ結合された状態において留まるように構成されている。換言すれば、いくつかの実施形態において、マニピュレータアーム140は、クライアントの整備の際にサービサアンビリカルに装着された状態において留まっている必要はなく、その理由は、サービサアンビリカル第2端部654は、クライアントアンビリカルコネクタ40内にプラグ結合されたら、マニピュレータアーム140との継続する接続(例えば、プラグ結合軸に沿った前方圧力)を必要とすることなしに堅固にプラグ結合された状態において留まるからである。アンビリカルコネクタ40内へのサービサアンビリカルのこのような支援されない連続的なプラグ結合は、その他のものに加えて、プラグ結合の形状(例えば、後述する必要とされるクロッキング及び回転)、プラグ結合の摩擦又は干渉嵌め、などにより、可能とすることができる。マニピュレータアーム140の支援を伴うことなしにアンビリカルコネクタ40内にプラグ結合された状態において留まるサービサアンビリカルの能力は、このような能力が、その他のものに加えて、マニピュレータアームが、クライアントの整備の際に、サービスパッケージをクライアントに装着すること、第2サービサアンビリカルを第2アンビリカルコネクタに装着すること、などのようなその他の機能を実行することを可能にしていることから、有利である。ステップ724の完了の後に、方法700は、ステップ732に進んでいる。
【0087】
ステップ732において、サービサアンビリカル第2端部654は、プラグ結合軸41に沿ってアンビリカルコネクタ40からプラグ結合解除又は接続解除されている。ステップ732は、方法400のステップ448の態様に類似している。アンビリカルコネクタがクロッキング要件を有する一実施形態において、サービサアンビリカル第2端部654は、アンビリカルコネクタ40から離れるように又はこれから外に軸方向において引っ張られる前に、まず、マニピュレータアーム第2端部644によって回転されている。ステップ732の完了の後に、方法700は、ステップ736に進んでいる。
【0088】
ステップ736において、マニピュレータアーム640は、まず、空洞671内にサービサアンビリカル650を収容しており、これは、サービサアンビリカル650の畳み込み又は巻き上げを必要としている。ステップ736は、方法400のステップ448及び452の態様に類似している。一実施形態において、サービサアンビリカル650の収容は、空洞671内又はその近傍において収容されているメカニズムによって促進又は支援されており、このようなメカニズムは、任意選択により、プロセッサ360によって制御されている。例えば、メカニズムは、サービサアンビリカル650の延長又は展開、スプリング又はその他の退却メカニズム、電磁的なもの、などにより、リールイン及びアウトされうるテザーを有することができる。マニピュレータアーム640がサービサアンビリカル650を収容した後に、マニピュレータアーム自体が収容されている。ステップ736の完了の後に、方法400は、ステップ740に進み、方法4500が終了している。
【0089】
図8は、サービサ宇宙船マニピュレータアーム140及びサービサ宇宙船サービサアンビリカル150の結合した端部が、接続を形成するべく端部コネクタ40に接近するのに伴うサービサアンビリカルコネクタ第2端部954及びクライアント宇宙船端部コネクタ40のクローズアップ斜視
図800を描いている。
【0090】
図8には、サービサアンビリカル第2端部954のクライアント宇宙船アンビリカルコネクタ面982に接近している状態のサービサアンビリカル第2端部854と係合又は結合したマニピュレータアーム第2端部844が示されている。座標系801は、これらのコンポーネントのそれぞれごとに、アライメントされたプラグ結合軸zを示している。換言すれば、アンビリカルコネクタのz軸956は、接続されたマニピュレータアーム第2端部844及びサービサアンビリカル第2端部854の共通z軸とアライメントされている。
【0091】
アンビリカルコネクタ第2端部954のアンビリカルコネクタ面982は、クライアント宇宙船のボディ820から延在する状態において、3つのクロッキングディボットの組991、992、及び993を有するように描かれている。クロッキングディボット又はアパーチャ又はボイドの組991、992、993は、対称的な構成において、互いから90度の半径方向オフセットにおいて位置決めされている。また、アンビリカルコネクタ面954は、ピン受け入れディボットのペア997及び998と、矩形ピンポート995と、をも有する。ピン受け入れディボットのペア997は、アンビリカルコネクタ面のx軸982xの反対側端部において配設されている。
【0092】
アンビリカルコネクタ面954の接続のその他の構成も可能であり、
図8に描かれているバージョンは、例示を目的としたものに過ぎない。当業者に既知であるアンビリカルコネクタ面954の任意の市販の接続構成が可能である。例えば、アンビリカルコネクタ面954及び/又はクライアント宇宙船端部コネクタ40は、一般的に、その両方がすべての目的のために引用によってそのすべてが包含されるthe Falcon 9 Lunch Payload User’s Guide, Rev. 1, Space Exploration Technologies, 09-S-0347及び/又はthe Ariane 5 User’s Manual, Issue 5 Revision 1, July 23011, Arianespaceに記述されているように構成することができる。アンビリカルコネクタ面954及び/又はクライアント宇宙船端部コネクタ40のいくつかの実施形態においては、このような接続が地上の動作の際に従来方式で実施された際に、サービサアンビリカルをクライアントアンビリカルコネクタと接続するべく、1つ又は複数のラッチ装置(ラッチレシーバ又はラッチ延長部のいずれか)が従来方式で使用されている。これに加えて又はこの代わりに、当業者に既知のこのようなラッチ装置又はその他の接続メカニズムが、本開示のシステムと関連していてもよく又はそうでなくてもよい。
【0093】
サービサアンビリカル第2端部854のサービサアンビリカル第2端部面882は、アンビリカルコネクタ面982と係合又は接続するべく反対のコネクタの組を有する。具体的には、サービサアンビリカル第2端部面882は、(個々のクロッキングディボット991、992、及び993と係合する)3つの閉鎖延長部の組891、892、及び893、(個々のピン受け入れディボット997及び998と係合する)ピンのペア897及び898、並びに(矩形ピンポート995と係合する)矩形ピンプラグ895を有する。サービサアンビリカル第2端部面882は、マニピュレータアーム第2端部の唇部881内にフィットしている。サービサアンビリカル第2端部面882は、サービサアンビリカル第2端部面のx軸882xと、882yのサービサアンビリカル第2端部面のy軸と、を有し、サービサアンビリカル第2端部面882は、角度γだけ、回転においてサービサアンビリカル第2端部面とオフセットされている。
【0094】
マニピュレータアーム第2端部の唇部881は、サービサアンビリカル第2端部面882の正確な制御又は位置決めを支援するべく、センサ885及び延在ガイドの組886、887を有する。センサ及び延長部のその他の構成も可能である。
【0095】
一実施形態において、センサ885は、可視帯域カメラ、赤外線カメラ、又はその他のカメラなどのカメラであある。センサ885は、プロセッサ386に提供されるセンサデータを検知又は計測している。例えば、センサ885のデータは、例えば、カメラから収集される画像、例えば、レーダー又はlidarから収集される測距データ、例えば、フォースセンサから収集されるフォースデータ、歪ゲージから収集される歪データ、及び物理的位置決めセンサ又は(延長ガイド886、887などの)装置を有することができる。一実施形態において、センサは、Scoutcam(商標)によって製造された及び/又はすべての目的のために引用によってそのすべてが包含されるGovrin et alに対する米国特許第10,420,216号に記述されているものなどのマイクロカメラである。センサ885は、レーダー、ladar、lidar、電磁的なもの、及び当業者に既知のその他のセンサを有するセンサの組であってよい。1つ又は複数のセンサ885は、マニピュレータアーム第2の制御を介して、サービサアンビリカル第2端部面882の制御を支援するべく又はこれを可能にするべく、センサ計測値をプロセッサに提供している。
【0096】
いくつかの実施形態において、更なる又は代替のセンサは、クライアントアンビリカルコネクタに隣接するところまでの、及び/又は、プラグ結合/プラグ結合解除動作のところまでの、マニピュレータアームの操作を支援するべく及び/又はこれを可能にするべくサービサボディ又はサービサコンポーネントの1つ又は複数のものの上に取り付けることができる。例えば、マニピュレータアームの全般的な又は主要な操作を許容するべく、例えば、クライアントアンビリカルコネクタに対向する表面上などのサービサボディの表面上において広視野カメラなどのセンサを取り付けることができる。一実施形態において、マニピュレータアームの操作を支援するべく又はこれを可能にするべく、ランデブカメラなどの1つ又は複数のランデブセンサがセンサとして利用されている。別の例として、サービサアンビリカル第2端部654と係合した又はこれに装着された際などにマニピュレータアームの操作を支援するべく及び/又はこれを可能にするべく、lidarなどのセンサがマニピュレータアーム第2端部844上において位置決めされてもよく又は取り付けられてもよい。
【0097】
延長ガイドの組886、887は、サービサアンビリカル第2端部面882の正確な制御又は位置決めを支援するべく、円錐形状の延長部を定義している。具体的には、延長ガイドの組886、887は、一構成において、クライアント宇宙船のボディ820を取り囲む外周表面に物理的に係合することができる。一構成において、延長ガイドの組886、887は、引き込み可能である。一実施形態において、円錐様のガイドは、サービサアンビリカル第2端部面882の正確な制御を支援するべく、サービサアンビリカル第2端部面882及び/又はマニピュレータアーム第2端部844の端部にフィットしている。一実施形態において、クライアント宇宙船端部コネクタ40内にプラグ結合された際に、サービサアンビリカルコネクタ第2端部954の接続されたインターフェイスを包む又はカバーするべく、サービサアンビリカル第2端部面882及び/又はマニピュレータアーム第2端部844から延在するように、保護カバーが取り付けられている。
【0098】
以上において簡潔に記述したように、いくつかの実施形態において、マニピュレータアーム140は、クライアントの整備の際にサービサアンビリカルに装着された状態において留まることが必要とされてはおらず、その理由は、サービサアンビリカル第2端部面882は、クライアントアンビリカルコネクタ第2端部954内にプラグ結合されたら、マニピュレータアーム140との間の継続した接続を必要とすることなしに堅固にプラグ結合された状態に留まっているからである。アンビリカルコネクタ40内へのサービサアンビリカルの支援されない連続的なプラグ結合は、サービサアンビリカル第2端部854の特徴により、提供することができる。例えば、サービサアンビリカル第2端部854は、2つが一緒にプラグ結合されたら、接続が安定した及び確実なものになるように、クライアントアンビリカルコネクタ第2端部954との間において干渉嵌め又は摩擦嵌めを形成することができる。別の例において、サービサアンビリカル第2端部854は、確実な且つ安定した物理的接続を提供するべく、当業者には既知のスロット又はその他の形状若しくは特徴を有することができる。「確実な且つ安定した接続」とは、振動などの相対的に小さな力の擾乱、揺れなどの力の衝撃、及び、捩れ又は回転の印加の際にも接続された状態において留まる接続を意味している。別の例においては、オス/メスクロッキング接続の組(個々のクロッキングディボット991、992、及び993と係合するサービサアンビリカル第2端部面822の3つの閉鎖延長部891、892、及び893の組)が、安定した且つ確実な接続を提供している。
【0099】
サービサアンビリカル第2端部854とクライアントアンビリカルコネクタ第2端部954との間のプラグ結合(並びに、プラグ結合解除)動作の際には、力が、例えば、キャプチャアームの組、マニピュレータアーム、などのような結合されたサービサ-クライアントシステムの1つ又は複数のコンポーネントに付与されうることに留意されたい。干渉嵌め及びクロッキング嵌めを伴う上述の例においては、このような力は、1つ又は複数のシステムコンポーネントに転送されることになろう。
【0100】
いくつかの実施形態及び/又は動作においては、このような力は、プラグ結合及び/又はプログ結合解除の際に、付与されず、或いは、わずかな力しか付与されていない。例えば、
図7の構成において、延長ガイドの組886、887は、まったく力をシステムに転送しない又は最小限の力しかシステムに転送しないプラグ結合及びプラグ結合解除動作を許容することができる又はこれを可能にすることができる。一実施形態において、延長ガイドの組886、887は、結合されたサービサ-クライアントシステムにシステムに対する力の転送が付与されないように又はこれに対する最小限の力の転送が付与されるように、アンビリカルコネクタ面954の周りの境界線又はその隣接したエリアに対する確実な装着を提供するように構成されている。一実施形態において、延長ガイドの組886、887は、連続的又はほぼ連続的な漏斗形状を形成しているか又はその代わりにこれ自体であり(その形状がクライアントアンビリカルコネクタ第2端部954から離れるように延在するのに伴って直径が広くなっている)、漏斗形状は、結合されたサービサ-クライアントシステムにシステムに対する力の転送が付与されないように又はこれに対する最小限の力の転送が付与されるように、アンビリカルコネクタ面954の周りの境界線又はこれに隣接したエリアと係合している。
【0101】
図8のサービサアンビリカル第2端部854は、マニピュレータアーム第2端部の窓846を通じてマニピュレータアーム第2端部844の内部から外部に配線されるように描かれている。サービサアンビリカルの内部は、サービサアンビリカル内において保持されているワイヤの束856を示すように描かれている。ワイヤの束856内のワイヤの数及びタイプは、その他のものに加えて、クライアントと通信するべく地上動作の際に従来から使用されているアンビリカルコネクタによって実行される機能に応じて決定される。
【0102】
図9は、
図8に詳しく示されているクライアントアンビリカルコネクタの近傍における正確な制御動作の際のマニピュレータアーム及びサービサアンビリカル端部の動作の使用の方法のフロー図である。本開示のその他の図、具体的には、
図3及び
図8を参照し、
図9の方法900について説明することとする。
【0103】
全般的に、方法900は、ステップ904において開始しており、ステップ940において終了している。本明細書において記述されているステップ、機能、及び動作の任意のものは、連続的に且つ自動的に実行することができる。いくつかの実施形態において、使用の方法900のステップの1つ又は複数は、方法900のステップを含むべく、コンピュータ制御、コンピュータプロセッサの使用、及び/又はなんらかのレベルの自動化を有することができる。実際に、方法900のステップの、すべてではない場合にも、ほとんどは、プロセッサ320により、完全ではない場合にも、原則的に、自動的に実行されている。但し、いくつかの実施形態において、ステップのいくつかのもの又はステップのいくつかのものの一部分は、人間による介入と協働状態において、或いは、これのみにより、実行されている。例えば、人間の操作者は、ステップ928においてサービサアンビリカル第2端部の最終的な前進を確認する、ステップ932においてサービサアンビリカル第2端部の最終的な回転を確認する、及び/又は、(例えば、方法700のステップ728などの)サービサとクライアントの間の電気エネルギーの転送において電力を確認する任務を負うことができる。
【0104】
ステップは、増大する数値順序において概念的に後続しているが、いくつかの実施形態においては、いくつかのステップが省略されてもよく、いくつかのステップが追加されてもよく、ステップは、増大する数値順序以外において後続することもできる。ユーザーは、ディスプレイ/GUIを使用することにより、記述されているステップの1つ又は複数とやり取りしてもよく又はこれらを実行してもよい。
【0105】
ステップ904において開始した後に、方法900は、ステップ908に進んでいる。ステップ908において、マニピュレータアーム140は、装着されたサービサアンビリカル150をクライアントアンビリカルコネクタ40に隣接する又はその近傍の位置まで操作している。プロセッサ360は、ステップ908において第1位置決め制御モードにおいて動作することができる。ステップ908は、方法700のステップ716に類似しており、
図6Cにおいて描かれているとおりである。ステップ908の完了の後に、方法900は、ステップ912に継続している。
【0106】
ステップ912において、正確な位置制御システムが、起動され、及び/又は、マニピュレータアームの主要な制御手段となっている。正確な位置制御は、一実施形態においては、プロセッサ360によって操作及び/又は制御されている1つ又は複数のセンサ885及び/又は延長ガイドの組886、887により、可能になっている。一実施形態において、正確な位置制御は、マニピュレータアーム第2端部844が、結合されたサービサアンビリカル第2端部面882と共に、1つ又は複数のセンサ885を動作させた際に散逸される電力を節約するべくアンビリカルコネクタ面982の近傍に位置している際にのみ、起動することができる。ステップ912の完了の後に、方法900は、ステップ912に継続している。
【0107】
ステップ916において、
図8及び
図6Dに描かれているように、サービサアンビリカル第2端部面882のz軸がアンビリカルコネクタのz軸956と実質的にアライメントされている。ステップ916の完了の後に、方法900は、ステップ924に継続している。
【0108】
ステップ924において、延長ガイドの組886、887とクライアント宇宙船のボディ820の取り囲んでいる表面の間において、初期の物理的な接触が実施されている。(延長ガイド886、887の1つ又は両方のものの遠端において取り付けられたフォースセンサを含むいくつかの手段の任意のものによって計測される)このような接触の際には、進む前にシステム動作に対する完全性チェックなどのチェックを実行するべく、サービサアンビリカル第2端部面882の前進を停止させることができる。また、接続を保護するべく、実行するのか/実行しないのかの人間による確認を実行することもできる。ステップ924の完了の後に、方法900は、ステップ928に継続している。
【0109】
ステップ928において、サービサアンビリカル第2端部面882は、アンビリカルコネクタ面982に向かってz軸956に沿って前進している。前進の際に、延長ガイドの組886、887は、クライアントボディ820との物理的接触から接続解除されるように完全に又は部分的に引っ込んでもよく、或いは、サービサアンビリカル第2端部面882の前進を防止又は制限しないように望遠鏡方式又はその他の方式で引っ込んでもよい。ステップ928の完了の後に、方法900は、ステップ932に継続している。
【0110】
ステップ932において、プロセッサ360によって制御されている1つ又は複数のセンサ885の支援により、サービサアンビリカル第2端部面882は、アンビリカルコネクタ面982とアライメントするように回転されている。更に詳しくは、サービサアンビリカル第2端部面882の回転は、3つの閉鎖延長部の組891、892、及び893を個々のクロッキングディボット991、992、及び993とアライメントさせるように、ピンのペア897及び898を個々のピン受け入れディボット997及び998とアライメントさせるように、且つ、矩形ピンプラグ895を矩形ピンポート995とアライメントさせるように、実行されている。このような回転アライメントは、サービサアンビリカル第2端部面の角度γが完全ではない場合にも実質的にゼロになるように、サービサアンビリカル第2端部面882をアンビリカルコネクタ面982とアライメントしている。ステップ932の完了の後に、方法900は、ステップ936に継続している。
【0111】
ステップ936において、サービサアンビリカル第2端部面882は、アンビリカルコネクタ面982との間に接続を形成するべく、z軸956に沿った最終的な前進を経験している。ステップ936の完了の後に、方法900は、ステップ940において終了している。
【0112】
以上、衛星などの宇宙船に対する軌道内整備を提供するシステム及び使用の方法との関係において、本開示の例示用のシステム及び方法について説明した。宇宙望遠鏡、宇宙ステーション、などの整備などの、開示されているシステム及び方法のその他の使用又は用途も可能である。また、不必要に本開示を曖昧にすることを避けるべく、以上の説明は、いくつかの既知の構造及び装置並びにその他の用途及び実施形態を省略している。この省略は、請求項の範囲の限定として解釈されてはならない。本開示の理解を提供するべく、特定の詳細が記述されている。但し、本開示は、本明細書において記述されている特定の詳細を超えて様々な方法によって実施されうることを理解されたい。
【0113】
更には、要素を接続している様々なリンクは、有線又は無線リンク、又はこれらの組合せ、或いは、接続された要素との間においてデータを供給及び/又は通信する能力を有する任意のその他の既知の又は将来開発される1つ又は複数の要素でありうることを理解されたい。また、これらの有線又は無線リンクは、保護されたリンクであることが可能であり、暗号化された情報を通信する能力を有することができる。例えば、リンクとして使用される送信媒体は、同軸ケーブル、銅ワイヤ、及び光ファイバを含む電気信号用の任意の適切な担持体であることが可能であり、高周波及び赤外線データ通信の際に生成されるものなどの音響又は光の波の形態を有することができる。
【0114】
また、方法は、特定のイベントのシーケンスとの関係において記述及び図示されているが、このシーケンスの変更、追加、及び省略は、開示されている実施形態、構成、及び態様の動作に対して実質的に影響を及ぼすことなしに発生しうることを理解されたい。
【0115】
本開示のいくつかの変形及び変更を使用することができる。その他のものを提供することなしに本開示のいくつかの特徴を提供することが可能となろう。
【0116】
本開示は、特定の規格及びプロトコルを参照し、態様、実施形態、及び/又は構成において実装されたコンポーネント及び機能について記述しているが、態様、実施形態、及び/又は構成は、このような規格及びプロトコルに限定されるものではない。本明細書において言及されていないその他の類似の規格及びプロトコルも、存在しており、本開示に含まれるものと見なされたい。更には、本明細書において言及されている規格及びプロトコル並びに本明細書において言及されていないその他の類似の規格及びプロトコルは、同一の機能を基本的に有する更に高速の又は更に有効な均等物によって定期的に取って代わられている。同一の機能を有するこのような代替規格及びプロトコルは、本開示に含まれる均等物として見なされたい。
【0117】
本開示は、様々な態様、実施形態、及び/又は構成において、様々な態様、実施形態、構成実施形態、サブ組合せ、及び/又はこれらのサブセットを含む実質的に本明細書において図示及び記述されているコンポーネント、方法、プロセス、システム、及び/又は装置を含む。当業者は、本開示を理解した後に、開示されている態様、実施形態、及び/又は構成を実施及び使用する方法について理解することになろう。本開示は、例えば、性能を改善するべく、実装形態の容易性を実現するべく、及び/又は、その費用を低減するべく、様々な態様、実施形態、及び/又は構成において、本明細書において図示及び/又は記述されていない品目が存在していない状態において装置及びプロセスを提供すること、或いは、本明細書の様々な態様、実施形態、及び/又は構成において、以前の装置又はプロセスにおいて使用されうるこのような品目が存在しない状態において装置及びプロセスを含むこと、を含む。
【0118】
以上の説明は、例示及び説明を目的として提示されたものである。以上の内容は、本開示を本明細書において開示されている1つ又は複数の形態に限定することを意図したものではない。上述の詳細な説明においては、例えば、本開示の様々な特徴は、本開示を合理化することを目的として、1つ又は複数の態様、実施形態、及び/又は構成において1つにグループ化されている。本開示の態様、実施形態、及び/又は構成の特徴は、上述のもの以外の代替態様、実施形態、及び/又は構成において組み合わせることができる。この開示の方法は、請求項が、それぞれの請求項において明示的に記述されているものよりも多くの特徴を必要としているという意図を反映したものとして解釈されてはならない。むしろ、以下の請求項が反映しているように、本発明の態様は、単一の上述の開示されている態様、実施形態、及び/又は構成のすべての特徴を下回る状態において存在している。従って、以下の請求項は、これにより、それぞれの請求項が本開示の別個の好適な実施形態として自立した状態において、この詳細な説明に包含される。
【0119】
更には、説明は、1つ又は複数の態様、実施形態、及び/又は構成、並びに、特定の変形及び変更の説明を含んでいるが、例えば、本開示を理解した後に当業者が想起しうるその他の変形、組合せ、及び変更も、本開示の範囲に含まれている。それらの代替の、相互交換可能な、及び/又は、等価な構造、機能、範囲、又はステップが本明細書において開示されているかどうかとは無関係に、且つ、任意の特許可能な主題を公的に宣言する意図を伴うことなしに、特許請求されているものに対する代替の、相互交換可能な、及び/又は、等価な構造、機能、範囲、又はステップを含む代替の態様、実施形態、及び/又は構成を許容された程度に含む権限を取得することが意図されている。