(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-02
(45)【発行日】2023-08-10
(54)【発明の名称】ウィック付毛細管挿入縦型ヒートパイプ
(51)【国際特許分類】
F28D 15/04 20060101AFI20230803BHJP
F28D 15/02 20060101ALI20230803BHJP
【FI】
F28D15/04 Z
F28D15/02 101A
(21)【出願番号】P 2022031306
(22)【出願日】2022-02-09
【審査請求日】2022-03-08
【権利譲渡・実施許諾】特許権者において、実施許諾の用意がある。
(73)【特許権者】
【識別番号】503071587
【氏名又は名称】板本 秀一
(72)【発明者】
【氏名】板本 秀一
【審査官】礒部 賢
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0241717(US,A1)
【文献】特開昭58-016187(JP,A)
【文献】特開昭51-039445(JP,A)
【文献】特開平03-170795(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28D 15/00 - 15/06
H05K 7/20
H01L 23/427
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウィックを内側及び外側に取り付けた毛細管を挿入し、
冷媒液面を当該毛細管より上部とした縦型ヒートパイプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は従来の縦型ヒートパイプにウィック付毛細管を挿入し冷媒液面を当該毛細管より上部にすることにより、上部が温熱源の場合に毛細管により冷媒が一定方向に自発的に循環できるようにし、下部が温熱源の場合には従来のヒートパイプとして稼働するヒートパイプである。
【背景技術】
【0002】
従来の縦型ヒートパイプは地中熱を利用した融雪の用途でしか活用されていなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
縦型ヒートパイプは、下部が温熱源の場合は冷媒液の循環が効果的に行えるが、上部が温熱源の場合は冷媒が下降する力が暖められた冷媒が上昇しようとする力により弱められ効率が良くなかった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
従来のヒートパイプにウィックを取り付けた毛細管を挿入し冷媒液
面を当該毛細管より上部にすることにより、上部が温熱源の場合、毛細管現象による冷媒の上昇する力が内部のウィックにより強められ、また、上部の温熱源で気化した冷媒が冷媒液面を圧迫する力を用いて冷媒液が毛細管内を上昇する一定方向の流れを作り出すことにより自発的に熱交換が行えるようにした。また、下部が温熱源の場合は毛細管外壁のウィックによりウィックの表面積が通常のヒートパイプより増加した高効率ヒートパイプとなる。
【発明の効果】
【0005】
本発明により、ヒートパイプの温熱源が上部及び下部のいずれの場合においても効率の良い熱交換が行え、地中熱利用や高層ビル等の熱輸送等に応用できる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本図面は当該ヒートパイプの正面図、側面図、平面図、底面図、及び上記正面図、側面図中のA-A断面図、B-B断面図である。
【要約】
【課題】従来の縦型ヒートパイプは、下部が温熱源の場合は冷媒液の循環が効果的に行えるが、上部が温熱源の場合には効率が悪く、活用されていなかった。
【解決手段】従来の縦型ヒートパイプにウィックを取り付けた毛細管を挿入し
冷媒液面を当該毛細管より上部にすることにより、毛細管現象による冷媒の上昇する力が内部のウィックにより強められ、また、上部の温熱源で気化した冷媒が冷媒液面を圧迫する力を用いて自発的に熱交換が行えるようにした。また、下部が温熱源の場合は毛細管外壁のウィックと壁面のウィックによるヒートパイプとして熱交換を行うことが可能である。
【選択図】
図1