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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-02
(45)【発行日】2023-08-10
(54)【発明の名称】運搬台車
(51)【国際特許分類】
   B62B 3/02 20060101AFI20230803BHJP
   B62B 3/14 20060101ALI20230803BHJP
【FI】
B62B3/02 H
B62B3/14
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020007869
(22)【出願日】2020-01-21
(65)【公開番号】P2020196430
(43)【公開日】2020-12-10
【審査請求日】2022-10-26
(31)【優先権主張番号】P 2019100444
(32)【優先日】2019-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】592003924
【氏名又は名称】三伸機材株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390018739
【氏名又は名称】大興物産株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100134359
【弁理士】
【氏名又は名称】勝俣 智夫
(74)【代理人】
【識別番号】100192773
【弁理士】
【氏名又は名称】土屋 亮
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 洋
(72)【発明者】
【氏名】岡田 知
(72)【発明者】
【氏名】高橋 利征
(72)【発明者】
【氏名】守屋 繁充
【審査官】渡邊 義之
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-192911(JP,A)
【文献】特開2016-168868(JP,A)
【文献】特開2000-177594(JP,A)
【文献】特開2001-10504(JP,A)
【文献】特開2019-31261(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62B 1/00 -5/08
B60B 33/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷物を積載する荷受台と、
前記荷受台の下部に配置され車軸の周りに回転自在とされた車輪部を有する複数のキャスターと、
を備え、
少なくとも前記複数のキャスターの1つは、前記荷受台と車輪部とを連結するとともに前記車輪部を上下方向に昇降可能とするスイング機構を備え、
前記スイング機構は、
一端側に前記車輪部を回転可能に支持するとともに、他端側が前記車軸と平行に配置されたアーム回動軸を介して前記荷受台に連結され、前記アーム回動軸の周りに回動可能とされたアーム部材と、
前記アーム部材を前記荷受台に対して回動させて、前記車輪部を昇降するトグル機構と、
前記トグル機構と前記アーム部材とを連結する自在継手部と、
を備え、
前記トグル機構は、
前記車軸と交差する方向に伸び、互いに平行に配置される第1回動軸と、第2回動軸と、第3回動軸と、
上部に前記第1回動軸が配置されて下部に前記第2回動軸が配置された第1リンク部材と、
上部に前記第2回動軸が配置されて前記第1リンク部材と前記第2回動軸の周りに回動可能に連結されるとともに、下部に前記第3回動軸が配置された第2リンク部材と、
を有し、
前記第1リンク部材は前記第1回動軸を介して前記荷受台側に連結され、前記第2リンク部材は前記自在継手部を介して前記アーム部材に連結されていて、前記第2回動軸から見たときに前記第1回動軸に向かう直線と前記第3回動軸に向かう直線とがなすトグル機構の交差角度θが大きくなった場合に前記車輪部が下降し、前記トグル機構の交差角度θが小さくなった場合に前記車輪部が上昇するように構成され、
前記自在継手部は、
前記第3回動軸と、前記車軸と平行かつ前記第3回動軸と交差する方向に伸びる第4回動軸と、が配置されて、前記第3回動軸と前記第4回動軸とが互いの軸線の周りを相対的に回動可能とされ、前記アーム部材に前記第4回動軸を介して回動可能に連結されている
ことを特徴とする運搬台車。
【請求項2】
請求項1に記載の運搬台車であって、
前記スイング機構は、
前記第1リンク部材に形成され、前記トグル機構の交差角度θを変化させる操作ペダルを備え、
前記操作ペダルを踏み込むことによって、前記トグル機構の交差角度θを大きくすることにより、前記アーム部材を前記アーム回動軸の周りに回動させて前記車輪部を下降させる
ことを特徴とする運搬台車。
【請求項3】
請求項2に記載の運搬台車であって、
前記スイング機構は、
前記第1回動軸、前記第2回動軸、前記第3回動軸が直線上に配置されて、前記トグル機構が死点を構成した場合に、前記車輪部が下降端に位置される
ことを特徴とする運搬台車。
【請求項4】
請求項3に記載の運搬台車であって、
前記スイング機構は、
前記トグル機構が死点を構成した場合に、前記トグル機構の姿勢を保持する姿勢保持部を備えている
ことを特徴とする運搬台車。
【請求項5】
請求項4に記載の運搬台車であって、
前記スイング機構は、
前記第2リンク部材に形成され、前記トグル機構の姿勢を死点から解除する解除ペダルを備え、
前記解除ペダルを踏み込むことによって、前記操作ペダルを踏み込んだ場合とは反対向きに、前記第1リンク部材、前記第2リンク部材を、それぞれ前記第1回動軸、前記第3回動軸の周りに回動させ、前記第2回動軸を前記第1回動軸と前記第3回動軸とを結ぶ直線上から外して、前記トグル機構の姿勢を死点から解除する
ことを特徴とする運搬台車。
【請求項6】
請求項5に記載の運搬台車であって、
前記スイング機構は、
前記トグル機構の姿勢が死点から解除された場合に、
前記アーム部材を引張して、前記アーム部材を前記アーム回動軸の周りに回動させて前記車輪部を上昇させる復元部材を備えている
ことを特徴とする運搬台車。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の運搬台車であって、
前記スイング機構は、
前記第1回動軸、前記第2回動軸、前記第3回動軸、前記第4回動軸、前記アーム回動軸の少なくともいずれか1つを介して配置され、少なくともいずれかの前記回動軸によって連結される部材同士の間に付勢力を作用して、前記荷受台がたわんだ場合の変位を吸収する弾性部材を備えている
ことを特徴とする運搬台車。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の運搬台車であって、
前記荷受台に立設される支柱部材と、
前記荷受台に設けられ、前記支柱部材を挿入して立設させる支柱保持部と、を備え、
前記支柱部材と前記支柱保持部のいずれか一方には前記支柱部材を前記支柱保持部に挿入する際の挿入方向に沿って長穴が形成され、
前記支柱部材と前記支柱保持部の他方には前記長穴の長手方向における第1端と前記長穴の長手方向における前記第1端と反対側に位置される第2端の間を前記長穴と係合して前記長穴に沿って移動する突出部が形成され、
前記支柱部材は、前記突出部が前記第1端に位置されたときに前記支柱保持部から上方に抜き出て前記突出部の廻りに回動して傾動可能とされ、かつ前記突出部が前記第2端に位置されたときに前記支柱保持部の挿入が完了して立設される運搬台車であって、
前記支柱部材が前記支柱保持部に挿入されたときに、前記支柱部材と前記支柱保持部とを前記長穴の長手方向における設定された相対位置で保持する係止部材を備え、
前記支柱部材には第1穴部が形成されるとともに、前記支柱保持部には前記第1穴部と対応する第2穴部が形成されていて、前記第1穴部と前記第2穴部とは前記支柱部材が前記支柱保持部に挿入されたた状態で互いに重なり合って係合部を形成するように構成され、
前記係止部材が前記係合部と係合することにより、前記支柱部材と前記支柱保持部とが前記長穴の長手方向における設定された相対位置で保持される
ことを特徴とする運搬台車。
【請求項9】
請求項8に記載の運搬台車であって、
前記係止部材は、
前記係合部に挿通されるピン部材である
ことを特徴とする運搬台車。
【請求項10】
請求項8に記載の運搬台車であって、
前記係止部材は、
前記第1穴部と前記第2穴部を係止する係止部を備えたプランジャ部材である
ことを特徴とする運搬台車。
【請求項11】
請求項9又は10に記載の運搬台車であって、
前記係止部材は、
前記係合部との係合を維持する係合維持部を備えている
ことを特徴とする運搬台車。
【請求項12】
請求項8~11のいずれか一項に記載の運搬台車であって、
前記第1穴部が前記支柱部材に形成された長穴の下端部により構成され、又は前記第2穴部が前記支柱保持部に形成された長穴の上端部により構成されている
ことを特徴とする運搬台車。
【請求項13】
請求項8~12のいずれか一項に記載の運搬台車であって、
前記支柱部材が傾動されたときに、前記支柱部材の自由端側を支持して前記支柱部材の傾動停止位置を設定する傾動位置設定部を備えている
ことを特徴とする運搬台車。
【請求項14】
請求項13に記載の運搬台車であって、
前記支柱部材は、
前記傾動位置設定部に支持された状態で上側面が前記荷受台の荷受面の上面よりも低い位置に位置されるとともに、下側面が前記荷受台の下面と同一又は前記下面よりも高い位置に位置される
ことを特徴とする運搬台車。
【請求項15】
請求項8~14のいずれか一項に記載の運搬台車であって、
前記荷受台には、
他の運搬台車を上下方向に重ね合わせたときに、上側に配置される運搬台車のキャスターが収容されるキャスター収容部が形成されている
ことを特徴とする運搬台車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、荷物を積載する荷受台と、荷受台の下部に配置された複数のキャスターとを備えた運搬台車に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、建築現場等において、荷物を運搬するために種々の運搬台車が用いられている。
このような運搬台車は、荷受台の下部に配置された複数のキャスターにより、運搬作業を行う。
【0003】
運搬台車としては、例えば、荷受台の前方側、中央部、後方側の下面の左右対称な位置に3対(合計6個)のキャスターが配置されている運搬台車が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第6244577号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
キャスターの数が多いほど、荷物の量が多いときや荷物の重さが大きいときには運搬作業が安定する。しかしながら、キャスターの数が多いと、転がり抵抗が大きくなるため、運搬台車の移動に支障を来すことがある。そこで、状況に応じて、キャスターによる転がり抵抗を調節して、効率的に運搬作業することが可能な運搬台車が望まれている。
【0006】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、効率的に運搬作業することが可能な運搬台車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
請求項1に記載の発明は、荷物を積載する荷受台と、前記荷受台の下部に配置され車軸の周りに回転自在とされた車輪部を有する複数のキャスターと、を備え、少なくとも前記複数のキャスターの1つは、前記荷受台と車輪部とを連結するとともに前記車輪部を上下方向に昇降可能とするスイング機構を備え、前記スイング機構は、一端側に前記車輪部を回転可能に支持するとともに、他端側が前記車軸と平行に配置されたアーム回動軸を介して前記荷受台に連結され、前記アーム回動軸の周りに回動可能とされたアーム部材と、前記アーム部材を前記荷受台に対して回動させて、前記車輪部を昇降するトグル機構と、前記トグル機構と前記アーム部材とを連結する自在継手部と、を備え、前記トグル機構は、前記車軸と交差する方向に伸び、互いに平行に配置される第1回動軸と、第2回動軸と、第3回動軸と、上部に前記第1回動軸が配置されて下部に前記第2回動軸が配置された第1リンク部材と、上部に前記第2回動軸が配置されて前記第1リンク部材と前記第2回動軸の周りに回動可能に連結されるとともに、下部に前記第3回動軸が配置された第2リンク部材と、を有し、前記第1リンク部材は前記第1回動軸を介して前記荷受台側に連結され、前記第2リンク部材は前記自在継手部を介して前記アーム部材に連結されていて、前記第2回動軸から見たときに前記第1回動軸に向かう直線と前記第3回動軸に向かう直線とがなすトグル機構の交差角度θが大きくなった場合に前記車輪部が下降し、前記トグル機構の交差角度θが小さくなった場合に前記車輪部が上昇するように構成され、前記自在継手部は、前記第3回動軸と、前記車軸と平行かつ前記第3回動軸と交差する方向に伸びる第4回動軸と、が配置されて、前記第3回動軸と前記第4回動軸とが互いの軸線の周りを相対的に回動可能とされ、前記アーム部材に前記第4回動軸を介して回動可能に連結されていることを特徴とする。
【0008】
この発明に係る運搬台車によれば、少なくとも複数のキャスターの1つは、荷受台と車輪部とを連結するとともに車輪部を上下方向に昇降可能とするスイング機構を備えていて、スイング機構は、アーム部材と、トグル機構と、自在継手部と、を備えている。
アーム部材は、一端側に車輪部を回転可能に支持するとともに、他端側が車軸と平行に配置されたアーム回動軸を介して荷受台に連結され、アーム回動軸の周りに回動可能とされている。
トグル機構は、車軸と交差する方向に伸び、互いに平行に配置される第1回動軸と、第2回動軸と、第3回動軸と、上部に第1回動軸が配置されて下部に第2回動軸が配置された第1リンク部材と、上部に第2回動軸が配置されて第1リンク部材と第2回動軸の周りに回動可能に連結されるとともに、下部に第3回動軸が配置された第2リンク部材と、を有し、第1リンク部材は第1回動軸を介して荷受台側に連結され、第2リンク部材は自在継手部を介して前記アーム部材に連結されていて、第2回動軸から見たときに第1回動軸に向かう直線と第3回動軸に向かう直線とがなすトグル機構の交差角度(言い換えると、第2回動軸から第1回動軸に向かう直線と第2回動軸から第3回動軸に向かう直線がなす角度(0≦θ≦180°)θが大きくなった場合に車輪部が下降し、トグル機構の交差角度θが小さくなった場合に前記車輪部が上昇するように構成されている。その結果、アーム部材を荷受台に対して回動させて、車輪部を昇降することができる。
自在継手部は、トグル機構とアーム部材とを連結していて、第3回動軸と、車軸と平行かつ第3回動軸と交差する方向に伸びる第4回動軸と、が配置されていて、第3回動軸と第4回動軸とが互いの軸線の周りを相対的に回動可能とされているので、トグル機構を車軸と交差する方向から容易に操作することができる。
その結果、例えば、前後方向に3列配置されたキャスターのうち、中央のキャスターの抵抗が大きくて運搬台車を回転させるのが困難である場合などの状況に応じて、車輪部を上昇させて、キャスターによる転がり抵抗を調節して、効率的に運搬作業をすることができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の運搬台車であって、前記スイング機構は、前記第1リンク部材に形成され、前記トグル機構の交差角度θを変化させる操作ペダルを備え、前記操作ペダルを踏み込むことによって、前記トグル機構の交差角度θを大きくすることにより、前記アーム部材を前記アーム回動軸の周りに回動させて前記車輪部を下降させることを特徴とする。
【0010】
この発明に係る運搬台車によれば、スイング機構が第1リンク部材に形成されトグル機構の交差角度θを変化させる操作ペダルを備えているので、操作ペダルを踏み込んでトグル機構の交差角度θを大きくすることによって、アーム部材をアーム回動軸の周りに回動させて車輪部を下降させることができる。
その結果、操作ペダルを操作によって、容易かつ効率的に車輪部を昇降することができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の運搬台車であって、前記スイング機構は、前記第1回動軸、前記第2回動軸、前記第3回動軸が直線上に配置されて、前記トグル機構が死点を構成した場合に、前記車輪部が下降端に位置されることを特徴とする。
【0012】
この発明に係る運搬台車によれば、第1回動軸、前記第2回動軸、前記第3回動軸が直線上に配置されて、トグル機構が死点を構成した場合に、車輪部が下降端に位置されるので、車輪部を下降端に安定して保持することができる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の運搬台車であって、前記スイング機構は、前記トグル機構が死点を構成した場合に、前記トグル機構の姿勢を保持する姿勢保持部を備えていることを特徴とする。
【0014】
この発明に係る運搬台車によれば、トグル機構の姿勢を保持する姿勢保持部を備えているので、トグル機構が死点を構成した場合に、トグル機構の姿勢を保持して車輪部を下降端に安定して保持することができる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の運搬台車であって、前記スイング機構は、前記第2リンク部材に形成され、前記トグル機構の姿勢を死点から解除する解除ペダルを備え、前記解除ペダルを踏み込むことによって、前記操作ペダルを踏み込んだ場合とは反対向きに、前記第1リンク部材、前記第2リンク部材を、それぞれ前記第1回動軸、前記第3回動軸の周りに回動させ、前記第2回動軸を前記第1回動軸と前記第3回動軸とを結ぶ直線上から外して、前記トグル機構の姿勢を死点から解除することを特徴とする。
【0016】
この発明に係る運搬台車によれば、第2リンク部材に形成された解除ペダルを備えているので、解除ペダルを踏み込むことによって、トグル機構の姿勢が死点から解除される。
その結果、トグル機構の姿勢を死点から容易かつ効率的に解除して車輪部を上昇させることができる。
【0017】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の運搬台車であって、前記スイング機構は、前記トグル機構の姿勢が死点から解除された場合に、前記アーム部材を引張して、前記アーム部材を前記アーム回動軸の周りに回動させて前記車輪部を上昇させる復元部材を備えていることを特徴とする。
【0018】
この発明に係る運搬台車によれば、復元部材を備えているので、トグル機構の姿勢が死点から解除された場合に、アーム部材を引張してアーム部材をアーム回動軸の周りに回動させて、車輪部を効率的に上昇位置に自動的に復元して車輪部を上昇させることができる。
その結果、運搬台車による作業を効率的に行うことができる。
【0019】
請求項7に記載の発明は、請求項1~6のいずれか1項に記載の運搬台車であって、前記スイング機構は、前記第1回動軸、前記第2回動軸、前記第3回動軸、前記第4回動軸、前記アーム回動軸の少なくともいずれか1つを介して配置され、少なくともいずれかの前記回動軸によって連結される部材同士の間に付勢力を作用して、前記荷受台がたわんだ場合の変位を吸収する弾性部材を備えていることを特徴とする。
【0020】
この発明に係る運搬台車によれば、スイング機構が、第1回動軸、第2回動軸、第3回動軸、第4回動軸、アーム回動軸の少なくともいずれか1つを介して配置された弾性部材を備えているので、荷受台に重いものが積載されて、荷受台にたわみが生じている状態であっても、弾性部材がたわみによる変位を吸収することが可能となり、車輪部を容易に昇降させることができる。
ここで、少なくともいずれかの回動軸によって連結されるとは、1カ所でもよいし複数箇所でもよい。
【0021】
請求項8に記載の発明は、請求項1~7のいずれか一項に記載の運搬台車であって、前記荷受台に立設される支柱部材と、前記荷受台に設けられ、前記支柱部材を挿入して立設させる支柱保持部と、を備え、前記支柱部材と前記支柱保持部のいずれか一方には前記支柱部材を前記支柱保持部に挿入する際の挿入方向に沿って長穴が形成され、前記支柱部材と前記支柱保持部の他方には前記長穴の長手方向における第1端と前記長穴の長手方向における前記第1端と反対側に位置される第2端の間を前記長穴と係合して前記長穴に沿って移動する突出部が形成され、前記支柱部材は、前記突出部が前記第1端に位置されたときに前記支柱保持部から上方に抜き出て前記突出部の廻りに回動して傾動可能とされ、かつ前記突出部が前記第2端に位置されたときに前記支柱保持部の挿入が完了して立設される運搬台車であって、前記支柱部材が前記支柱保持部に挿入されたときに、前記支柱部材と前記支柱保持部とを前記長穴の長手方向における設定された相対位置で保持する係止部材を備え、前記支柱部材には第1穴部が形成されるとともに、前記支柱保持部には前記第1穴部と対応する第2穴部が形成されていて、前記第1穴部と前記第2穴部とは前記支柱部材が前記支柱保持部に挿入されたた状態で互いに重なり合って係合部を形成するように構成され、前記係止部材が前記係合部と係合することにより、前記支柱部材と前記支柱保持部とが前記長穴の長手方向における設定された相対位置で保持されることを特徴とする。
【0022】
この発明に係る運搬台車によれば、支柱部材と支柱保持部のいずれか一方に支柱部材を支柱保持部に挿入する際の挿入方向に沿って長穴が形成され、他方に長穴の第1端と第2端の間を長穴と係合して長穴に沿って移動する突出部が形成され、支柱部材が、突出部が第1端に位置されたときに支柱保持部から上方に抜き出て突出部の廻りに回動して傾動可能とされ、かつ突出部が第2端に位置されたときに支柱保持部の挿入が完了して立設されるので、使用するときに支柱部材を立設することにより効率的な運搬作業をすることができ、使用しないときには支柱部材を傾動させて格納することにより、運搬台車を安定して重ね合せて収納スペースを削減することができる。
【0023】
また、この発明に係る運搬台車によれば、支柱部材が支柱保持部に挿入されたときに、長穴の長手方向における設定された相対位置で支柱部材と支柱保持部とを保持する係止部材を備え、支柱部材に第1穴部が形成されるとともに支柱保持部に第1穴部と対応する第2穴部が形成され、第1穴部と第2穴部とが支柱部材が支柱保持部に挿入された状態で互いに重なり合って係合部を形成し、係止部材が係合部と係合して、長穴の長手方向における設定された相対位置で支柱部材と支柱保持部とが保持されるので、例えば、支柱部材を上方に引き上げたとしても、支柱保持部から支柱部材が不用意に抜けるのを防止することができる。
【0024】
また、この発明に係る運搬台車によれば、係止部材を係合部と係合させることで支柱部材が支柱保持部の挿入端で保持されているのを確認することができるので、支柱部材が支柱保持部に対して挿入され切らずに途中位置で中途半端に立設されるのを防止することができる。
その結果、支柱部材によって安定的かつ効率的に運搬作業をすることができる。
【0025】
ここで、第1穴部、第2穴部は、支柱部材、支柱保持部に形成された穴であり、係合部を形成するために支柱部材、支柱保持部に形成された穴であってもよいし、長穴の一部であってもよい。
【0026】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の運搬台車であって、前記係止部材は、前記係合部に挿通されるピン部材であることを特徴とする。
【0027】
この発明に係る運搬台車によれば、係止部材が、係合部に挿通されるピン部材であるので、構造が簡単で、係止部材を容易かつ効率的に係合部に係合させることができる。
【0028】
請求項10に記載の発明は、請求項8に記載の運搬台車であって、前記係止部材は、前記第1穴部と前記第2穴部を係止する係止部を備えたプランジャ部材であることを特徴とする。
【0029】
この発明に係る運搬台車によれば、係止部材が、第1穴部と第2穴部を係止する係止部を備えたプランジャ部材であるので、人手を介することなく係止部を容易かつ効率的に係合部に係合させることができる。
ここで、プランジャ部材とは、バネ等の付勢部材やエア等の駆動源によって係合部が進退する部材である。
【0030】
請求項11に記載の発明は、請求項9又は10に記載の運搬台車であって、前記係止部材は、前記係合部との係合を維持する係合維持部を備えていることを特徴とする。
【0031】
この発明に係る運搬台車によれば、係止部材が、係合部との係合を維持する係合維持部を備えているので、係止部材と係合部との係合が不用意に解除されるのを抑制することができる。
その結果、運搬台車による作業を安定して行うことができる。
【0032】
請求項12に記載の発明は、請求項8~11のいずれか一項に記載の運搬台車であって、前記第1穴部が前記支柱部材に形成された長穴の下端部により構成され、又は前記第2穴部が前記支柱保持部に形成された長穴の上端部により構成されていることを特徴とする。
【0033】
この発明に係る運搬台車によれば、支柱部材に長穴が形成されている場合に第1穴部が支柱部材に形成された長穴の下端部により構成され、又は支柱保持部に長穴が形成されている場合に第2穴部が支柱保持部に形成された長穴の上端部により構成されているので、支柱部材を立設している場合に、長穴の上端部及び下端部によって支柱部材の上下方向の移動が確実に規制される。
また、支柱部材、支柱保持部に対して、第1穴、第2穴を新たに形成する必要がなく、運搬台車のコストを削減することができる。
【0034】
請求項13に記載の発明は、請求項8~12のいずれか一項に記載の運搬台車であって、前記支柱部材が傾動されたときに、前記支柱部材の自由端側を支持して前記支柱部材の傾動停止位置を設定する傾動位置設定部を備えていることを特徴とする。
【0035】
この発明に係る運搬台車によれば、支柱部材が傾動されたときに、支柱部材の自由端側を支持して支柱部材の傾動停止位置を設定する傾動位置設定部を備えているので、傾動された支柱部材を自由端側において支持することで、傾動した支柱部材を設定された姿勢に配置させることができる。
【0036】
請求項14に記載の発明は、請求項13に記載の運搬台車であって、前記支柱部材は、前記傾動位置設定部に支持された状態で上側面が前記荷受台の荷受面の上面よりも低い位置に位置されるとともに、下側面が前記荷受台の下面と同一又は前記下面よりも高い位置に位置されることを特徴とする。
【0037】
この発明に係る運搬台車によれば、支柱部材の自由端側が傾動位置設定部に支持されたときに、支柱部材の上側面が荷受台の荷受面よりも低い位置に位置されるので、荷受台に荷物を積載した場合に、荷物の荷重が支柱部材に付加されて支柱部材が損傷するのを抑制することができる。
また、支柱部材の下側面が荷受台の下面と同一又は下面よりも高い位置に位置されるので、例えば、フォークリフトのフォークを荷受台の下側に差込んで運搬台車を持ち上げても、運搬台車を持ち上げる際の力が倒された支持部材に付加されることがなく支柱部材が損傷するのを抑制することができる。
【0038】
請求項15に記載の発明は、請求項8~14のいずれか一項に記載の運搬台車であって、前記荷受台には、他の運搬台車(例えば、同タイプの運搬台車等)を上下方向に重ね合わせたときに、上側に配置される運搬台車のキャスターが収容されるキャスター収容部が形成されていることを特徴とする。
【0039】
この発明に係る運搬台車によれば、荷受台にキャスター収容部が形成されているので、荷受台の上側に他の運搬台車を安定して重ね合わせて積載することができる。
また、複数の運搬台車を重ね合わせることにより運搬台車を保管するスペースを小さくすることができる。
ここで、キャスター収容部とは、他の運搬台車のキャスターを収容するために荷受台に形成された部位であり、例えば、凹部、ガイド部材、貫通孔等、種々の形態とされてもよい。
また、他の運搬台車とは、同タイプの運搬台車の他、キャスターの前後方向位置、幅、キャスターのサイズ等が同等であればよく、重ね合せて積載することが可能であれば他社メーカーの運搬台車であってもよい。
【発明の効果】
【0040】
この発明に係る運搬台車によれば、効率的に運搬作業することが可能な運搬台車を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】本発明の第1実施形態に係る運搬台車の概略構成を説明する図であり、支柱部材を立設させた状態を示す斜視図である。
図2】第1実施形態に係る運搬台車の概略構成を説明する図であり、支柱部材を傾動させた状態を示す斜視図である。
図3】第1実施形態に係る運搬台車の概略構成を説明する側面から見た図である。
図4】第1実施形態に係る運搬台車の概略構成を説明する正面から見た図である。
図5】第1実施形態に係る運搬台車の概略構成を説明する概略構成図であり、(A)は運搬台車の平面図であり、(B)は(A)において矢視VB-VBで示す側面から見た概念図である。
図6】第1実施形態に係る運搬台車の支柱部材及び支柱保持部の概略構成を説明する図であり、(A)は支柱部材が立設された状態を側面から見た図であり、(B)は(A)において矢視VIB-VIBで示す正面から見た縦断面図である。
図7】第1実施形態に係る差込みピン(係止部材)の概略構成を説明する概念図である。
図8】第1実施形態に係る運搬台車のスイング機構の概略構成を説明する平面図である。
図9】第1実施形態に係る運搬台車のスイング機構の概略構成を説明する側面図である。
図10】第1実施形態に係る運搬台車のスイング機構の概略構成を説明する図であり、車輪部が上昇して地面に接地していない状態を示す図8において矢視X-Xで示す側面から見た縦断面図である。
図11】第1実施形態に係る運搬台車のスイング機構を構成する第4ブラケット(自在継手部)の一例を説明する図であり、(A)は側面から見た図を、(B)は正面から見た図を、(C)は下方から見た図を示している。
図12】第1実施形態に係る運搬台車のスイング機構を構成する第4ブラケット(自在継手部)の一例を説明する斜視図である。
図13】第2実施形態に係る運搬台車のスイング機構の概略構成を説明する図8において矢視XIII-XIIIで示す正面から見た縦断面図である。
図14】第1実施形態に係る運搬台車のスイング機構の概略構成を説明する図であり、車輪部が上昇して地面に接していない状態を示す図8において矢視XIII-XXIIIで示す正面から見た縦断面図である。
図15】第1実施形態に係る運搬台車のスイング機構の概略構成を説明する図であり、車輪部が下降して地面に接地している状態を示す図8において矢視X-Xで示す側面から見た縦断面図である。
図16】第1実施形態に係る運搬台車のスイング機構の概略構成を説明する図であり、車輪部が下降して地面に接地している状態を示す図8において矢視XIII-XIIIで示す正面から見た縦断面図である。
図17】第1実施形態に係る運搬台車のスイング機構の動作を示す図であり、トグル機構が死点を構成している状態を示す正面から見た図である。
図18】第1実施形態に係る運搬台車のスイング機構の動作を示す図であり、トグル機構が解除された状態を示す正面から見た図である。
図19】第1実施形態に係る運搬台車における支柱部材の動作の概略を説明する概念図であり、(A)は支柱部材が水平方向に傾動された状態を、(B)は支柱部材が立設された状態を、(C)は支柱部材を支柱保持部に収容する状態を、(D)は係合部に差込みピン(係止部材)を係合させた状態を示す図である。
図20】第1実施形態に係る運搬台車が重ね合わせて積載した状態の概略を説明する斜視図である。
図21】本発明の第2実施形態に係るスイング機構の概略構成を説明する平面図である。
図22】第2実施形態に係る運搬台車のスイング機構の概略構成を説明する側面図である。
図23】第2実施形態に係る運搬台車のスイング機構の概略構成を説明する図であり、車輪部が上昇して地面に接地していない状態を示す図21において矢視XXIII-XXIIIで示す側面から見た縦断面図である。
図24】第2実施形態に係る運搬台車のスイング機構の概略構成を説明する図であり、車輪部が上昇して地面に接地していない状態を示す荷受台の前方側または後方側から見た正面図である。
図25】第2実施形態に係る運搬台車のスイング機構の概略構成を説明する図であり、車輪部が上昇して地面に接していない状態を示す図21において矢視XXV-XXVで示す正面から見た縦断面図である。
図26】第2実施形態に係る運搬台車のスイング機構の概略構成を説明する図であり、車輪部が下降して地面に接地している状態を示す図21において矢視XXIII-XXIIIで示す側面から見た縦断面図である。
図27】第2実施形態に係る運搬台車のスイング機構の概略構成を説明する図であり、車輪部が下降して地面に接地している状態を示す図21において矢視XXV-XXVで示す正面から見た縦断面図である。
図28】第2実施形態に係る運搬台車のスイング機構の動作を示す図であり、トグル機構が死点を構成している状態を示す正面から見た図である。
図29】第2実施形態に係る運搬台車のスイング機構の動作を示す図であり、トグル機構が解除された状態を示す正面から見た図である。
図30】本発明の第3実施形態に係る運搬台車の概略構成を説明する正面から見た図である。
図31】本発明の第4実施形態に係る運搬台車の概略構成を説明する正面から見た図である。
図32】本発明の第5実施形態に係る運搬台車の支柱部材及び支柱保持部の概略構成を説明する縦断面図である。
図33】本発明の第6実施形態に係る運搬台車の概略構成を説明する平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
<第1実施形態>
以下、図1から図20を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。
図1図2は、本発明の第1実施形態に係る運搬台車の概略構成を説明する図である。図1は、支柱部材を立設させた状態を示す斜視図である。図2は、支柱部材を傾動させた状態を示す斜視図である。図3は、運搬台車の概略構成を説明する側面図である。図4は、運搬台車の概略構成を説明する正面図である。図5は、運搬台車の概略構成を説明する概略構成図であり、図5(A)は運搬台車の平面図であり、図5(B)は図5(A)において矢視VB-VBで示す側面から見た概念図である。図6は、支柱部材及び支柱保持部の概略構成を説明する図であり、図6(A)は支柱部材が立設された状態を側面から見た図であり、図6(B)は図6(A)において矢視VIB-VIBで示す正面から見た縦断面図である。図7は、差込みピン(係止部材)の概略構成を説明する概念図である。
【0043】
図において、符号100は運搬台車を、符号10は荷受台を、符号12は支柱保持部を、符号20は支柱部材を示している。また、符号10Aは荷受面(上面)を、符号10Bは荷受台の下面を、符号10Uはキャスター収容部を、符号13は支柱部材係止ボルト(突出部)を、符号14は支柱係止穴(第2穴)を、符号15は差込みピン(係止部材)を、符号17はキャスターを示している。また、符号22は長穴を、符号22Aは長穴の下端部(第1端、第1穴部)を、符号22Bは上端部(第2端)を示している。また、符号100はスイング機構を示している。
【0044】
運搬台車1は、図1図7に示すように、例えば、荷受台10と、支柱保持部12と、差込みピン(係止部材)15と、キャスター17と、支持部材傾動ストッパ(傾動位置設定部)18と、支柱部材20とを備えている。
【0045】
また、運搬台車1は、図1図7に示すように、例えば、差込みピン(係止部材)15を、支柱保持部12に挿入することにより支柱部材20を立設可能とされるとともに、支柱部材20を支柱保持部12から抜き出すことにより傾動可能とされている。
そして、立設した支柱部材20を手摺りにして、積載した荷物を、キャスター17によって運搬可能とされている。
【0046】
この実施形態において、キャスター17は、図1図3に示すように、例えば、荷受台10の前方側F、中央部、後方側Rの下面10Bの左右対称な位置に3対(合計6個)配置されている。
キャスター17は、例えば、自由輪キャスター171と、固定輪キャスター172とを備えている。
【0047】
自由輪キャスター171(17)は、例えば、車輪部17Aと、車輪支持部17Bと、車軸17Dとを備えている。
そして、車輪支持部17Bは、車輪部17Aを回転可能に支持するとともに、鉛直方向に形成された回転軸(不図示)の廻りに車輪部17Aを回動可能に構成されている。
また、自由輪キャスター171(17)は、荷受台10の前方側F、及び後方側Rに配置されている。
自由輪キャスター171は、周知のものを適用することが可能である。
【0048】
固定輪キャスター172は、例えば、車輪部17Aと、車輪支持部17Cと、車軸17Dとを備えている。
そして、車輪支持部17Cは、車輪部17Aを回転可能に支持するとともに車輪部17Aを一定方向(前進、後退)のみに移動可能に保持する構成されている。
また、固定輪キャスター172(17)は、車輪部17Aを進行方向に向けて荷受台10の中央部に配置されている。
【0049】
また、荷受台10における自由輪キャスター171、固定輪キャスター172の配置は任意に設定することが可能である。
【0050】
この実施形態において、複数のキャスター17のうち少なくとも1つが、荷受台10と車輪部17Aを連結する後述のスイング機構100を備えている。なお、スイング機構100は、複数のキャスター17のうち、固定輪キャスター172(17)が備えていることが好適である。
【0051】
荷受台10は、例えば、厚さ(上下方向寸法)が60mmとされ、前後方向1000mm、幅方向寸法が600mmの平面視して矩形形状に形成されている。
また、荷受台10には、荷物を積載する荷受面(荷受台上面)10Aと下面10Bが形成されている。
【0052】
また、運搬台車1は、図4に示すように、例えば、支柱部材20を倒した場合に、支柱部材20の上側面20Aが荷受面(荷受台上面)10Aよりも低い位置に配置されるとともに、支柱部材20の下側面20Bが荷受台下面10Bよりも高い位置に配置されるように構成されている。
【0053】
具体的には、例えば、アルミニウム合金製の角材(例えば、60mm×60mm)により周囲の枠部材を形成し、枠部材の上には荷受面(上面)10Aをなすアルミニウム合金製板が溶接によって接合され、枠部材の下側には荷受台10の下面10Bをなすアルミニウム合金製板が溶接によって接合された構成とされている。
また、荷受台10の下面10Bは、例えば、枠部材よりも下側に位置される面とされている。
【0054】
また、この実施形態において、荷受台10には、例えば、キャスター収容部10U及びキャスター収容部10Vが形成されている。
キャスター収容部10Uは、例えば、荷受面(上面)10Aをなすアルミニウム合金製板に形成され平面視して四角形に開口する孔が、荷受台10の下面10Bをなすアルミニウム合金製板に到達する深さ(寸法)まで形成された凹部(空間)によって構成されている。
また、キャスター収容部10Uの前後方向長さ及び幅は、キャスター171(17)が前後方向を向いていなくても収容可能に形成されている。
【0055】
キャスター収容部10Vは、この実施形態において、図5(A)、図5(B)に示すように、例えば、荷受面(上面)10Aに開口しキャスター収容部10Uを構成する凹部と、この凹部の内方に配置されたキャスターガイド部材10Gとを備えている。
キャスターガイド部材10Gは、例えば、ガイド部材本体10Cと、ガイド部材本体10Cに形成されキャスター171(17)を収納可能に形成されたガイド凹部10Dとを備えている。
そして、キャスターガイド部材10Gのガイド凹部10Dに、固定輪キャスター172(17)を収容可能とされている。
【0056】
なお、キャスター収容部10U、10Vの構成は任意に設定することが可能であり、キャスター171、172(17)を収容可能な長さ、幅、深さ、キャスターの直径等が適合可能な範囲において、例えば、凹部、ガイド部材付き凹部、貫通孔等のいずれによって構成してもよい。
【0057】
支持部材傾動ストッパ(傾動位置設定部)18は、例えば、金属片により構成されていて、荷受台10の幅方向外方に突出して配置されている。
そして、支持部材傾動ストッパ(傾動位置設定部)18は、傾動された支柱部材20の自由端20F側を支持して、支柱部材20の姿勢、上側面20A及び下側面20Bのたかさを設定するように構成されている。
【0058】
支柱保持部12は、例えば、アルミニウム合金製の角材により構成され内方に挿入穴12Hが形成されていて、挿入穴12Hが上下方向に沿うように、荷受台10の前方側F及び後方側Rの側面に配置されている。
【0059】
また、支柱保持部12には、支柱保持部12に形成される支柱部材20が傾動されて倒される側(荷受台10の前方向中央側)に凹部12Cが形成されていて、支柱部材20が傾動されるのを可能としている。
【0060】
また、支柱保持部12の下部には、図6に示すように、例えば、荷受台10の側面側に位置される角材において対向する壁部の双方に支柱係止穴(第2穴)14が形成されている。
また、支柱保持部12の上部には、例えば、角材において荷受台10の側面側に位置される対向する壁部に挿入穴12Hを跨ぐように支柱部材係止ボルト(突出部)13が配置されている。
【0061】
なお、突出部は支柱部材係止ボルト(突出部)13に限定されることなく、例えば、周知のボルト及びナットや他のピン部材によって構成することができる。
【0062】
支柱部材20は、図6に示すように、例えば、アルミニウム合金製の角材により構成されていて、支柱保持部12の挿入穴12Hに挿入可能とされている。
そして、支柱部材20は、支柱保持部12の挿入穴12Hに挿入されることで、荷受台10に対して立設されるようになっている。
【0063】
また、支柱部材20は、図6に示すように、例えば、角材の荷受台10の側面側に位置される対向壁部の双方に長手方向に沿って長穴22が形成されている。
長穴22は、図6に示すように、支柱部材自由端20F側が上端部(第2穴部)22Bとされ、支柱保持部12側が下端側(第1穴)22Aとされている。
【0064】
そして、支柱部材20は、対向する壁部の間を跨ぐように支柱部材係止ピン13が挿通され、長穴22の下端側(第1穴)22Aと上端部(第2穴部)22Bの間を支柱部材20の挿入穴12Hに沿って長穴22に案内されながら上下方向に移動する構成とされている。
【0065】
そして、支柱部材係止ピン13が下端側(第1端部)22Aと当接した場合に、支柱部材20は、支柱部材係止ピン13を支点として傾動することが可能とされている。
また、支柱部材係止ピン13が上端側(第2端部)22Bと当接した場合に、支柱部材20は支柱保持部12への挿入が完了するように構成されている。
【0066】
また、支柱部材20は支柱保持部12への挿入が完了して立設された状態で、長穴22の下端側(第1端部、第1穴部)22Aと支柱係止穴(第2穴)14とが重なり合って係合部を形成する構成とされている。
【0067】
また、長穴22の下端側(第1端部、第1穴部)22Aと支柱係止穴(第2穴)14とが重なり合って形成された係合部には、差込みピン(係止部材)15が挿入可能とされている。
そして、図6に示すように、係合部に差込みピン(係止部材)15が差込まれることで支柱保持部12と支柱部材20とが係止するようになっている。
【0068】
次に、図7を参照して、差込みピン(係止部材)の概略構成について説明する。
図7は、第1実施形態に係る差込みピン(係止部材)の概略構成を説明する概念図である。図において、符号15は差込みピン(係止部材)を、符号15Aは差込みピン本体を、符号15Bは折曲がり部(係合維持部)を、符号15Cは回動軸を示している。
【0069】
差込みピン(係止部材)15は、図7に示すように、例えば、差込みピン本体15Aと、折曲がり部(係合維持部)15Bと、回動軸15Cとを備えている。
【0070】
差込みピン本体15Aは、一端側に屈曲部が形成された軸部材とされている。
折曲がり部(係合維持部)15Bは、軸部材からなり、回動軸15Cを介して差込みピン本体15Aの他端側に軸支されている。
【0071】
そして、差込みピン(係止部材)15は、図7に示すように、折曲がり部(係合維持部)15Bが、回動軸15C廻りに、矢印で示すように差込みピン本体15Aに対して回動可能とされている。
【0072】
以下、図8図18を参照して、第1実施形態に係るスイング機構について説明する。
図8は、第1実施形態に係る運搬台車のスイング機構の概略構成を説明する平面図であり、図9は、スイング機構の概略構成を説明する側面図である。また、図10は、車輪部が上昇して地面に接地していない状態を示す図8において矢視X-Xで示す側面から見た縦断面図である。
また、図11は、スイング機構を構成する第4ブラケット(自在継手部)の一例を説明する図であり、図11(A)は側面から見た図を、図11(B)は正面から見た図を、図11(C)は下方から見た図を、図12は、斜視図を示している。
また、図13は、スイング機構の概略構成を説明する図8において矢視XIII-XIIIで示す正面から見た縦断面図であり、図14は、車輪部が上昇して地面に接していない状態を示す正面から見た縦断面図である。図15は、輪部が下降して地面に接地している状態を示す図8において矢視X-Xで示す側面から見た縦断面図であり、図16は、図8において矢視XIII-XIIIで示す正面から見た縦断面図である。
また、図17は、トグル機構が死点を構成している状態を、図18は、トグル機構が解除された状態を示す正面から見た図である。
【0073】
図8図18において、符号100はスイング機構を、符号110はトグル機構を、符号111は第1ブラケットを、符号112は第2ブラケット(第1リンク部材)を、符号113は第3ブラケット(第2リンク部材)を、符号114は第4ブラケット(自在継手部)を、符号115は第5ブラケット(アーム部材)を示している。また、符号120は姿勢保持部を、符号121は第1ピン(第1回動軸)を、符号122は第2ピン(第2回動軸)を、符号123は第3ピン(第3回動軸)を、符号124は第4ピン(第4回動軸)を、符号125は第5ピン(アーム回動軸)を示している。また、符号130はバネ(復元部材)を示している。
【0074】
第1実施形態において、複数のキャスター17のうち少なくとも1つが、荷受台10と車輪部17Aを連結するスイング機構100を備えている。複数のキャスター17のうち、前後方向における中央寄りの固定輪キャスター172(17)がスイング機構100を備えることが好ましい。
【0075】
スイング機構100は、図8図18に示すように、第1ブラケット111と、トグル機構110と、第4ブラケット(自在継手部)114と、第4ピン(第4回動軸)124と、第5ブラケット(アーム部材)115と、第5ピン(アーム回動軸)125と、姿勢保持部120と、復元バネ(復元部材)130と、を備えている。
【0076】
第1ブラケット111は、スイング機構100を荷受台10の下面に配置され、スイング機構100を荷受台10に固定している。
【0077】
第5ブラケット(アーム部材)115は、一端側に車軸17Dの周りに回転可能とされた車輪部17Aを支持するとともに、他端側に車軸17Dと平行な第5ピン(アーム回動軸)125が配置され、第5ピン(アーム回動軸)125を介して第1ブラケット111に連結されている。そして、第5ブラケット(アーム部材)115は、第5ピン(アーム回動軸)125の周りに回動可能とされている。
【0078】
トグル機構110は、第2ブラケット(第1リンク部材)112と、第3ブラケット(第3リンク部材)113と、第1ピン(第1回動軸)121と、第2ピン(第2回動軸)122と、第3ピン(第3回動軸)123と、を備えている。
【0079】
第1ピン(第1回動軸)121、第2ピン(第2回動軸)122、第3ピン(第3回動軸)123は、車軸17Dと直交(交差)する方向に伸び、互いに平行に配置されている。
【0080】
第2ブラケット(第1リンク部材)112は、上部に第1ピン(第1回動軸)121が配置され、第1ピン(第1回動軸)121を介して、第1ピン121の周りに回動可能に第1ブラケット111に連結されている。
また、第2ブラケット(第1リンク部材)112は、下部に第2ピン(第2回動軸)122が配置され、第2ピン(第2回動軸)122を介して、互いに第2ピン(第2回動軸)122の周りに回動可能に第3ブラケット(第2リンク部材)113と連結されている。
また、第2ブラケット(第1リンク部材)112には、荷受台10の幅方向外方に向かって延在する操作ペダル112Cが形成されている。
【0081】
第3ブラケット(第2リンク部材)113は、上部に第2ピン(第2回動軸)122が配置されて第2ブラケット(第1リンク部材)112と連結され、下部に第3ピン(第3回動軸)123が配置されて、第3ピン(第3回動軸)123を介して、第3ピン123の周りに回動可能に第4ブラケット(自在継手部)114に連結されている。
【0082】
そして、操作ペダル212Cを踏み込むことによって、第2ブラケット(第1リンク部材)112、第3ブラケット(第3リンク部材)113を、それぞれ第1ピン(第1回動軸)121、第2ピン(第2回動軸)122の周りに回動させて、車輪部17Aを下降させるとともに、トグル機構110の死点を構成する。
【0083】
また、操作ペダル212Cを下側から蹴ることによって、第2ブラケット(第1リンク部材)112、第3ブラケット(第3リンク部材)113を、それぞれ第1ピン(第1回動軸)121、第2ピン(第2回動軸)122の周りに、操作ペダル212Cを踏み込んだ場合とは反対向きに回動させて、トグル機構210の姿勢を死点から解除する構成とされている。
【0084】
第4ブラケット(自在継手部)114は、例えば、平板部114Pから上向きに伸び第3ピン(第3回動軸)123が挿通可能な一対の穴(例えば、角穴)114Hが形成された一対の第1対向壁部114Aと、平板部114Pから下向きに伸び第3ピン123と直交する第4ピン(第4回動軸)124が一対の挿通可能な穴(例えば、上下方向に延在する長穴)114Jが形成された一対の第2対向壁部114Bと、一対の第2対向壁部114Bの間に配置され平板部114Pから順に積層されたゴム(弾性部材)114Eと、金属板114Fとを備えている。
【0085】
第4ブラケット(自在継手部)114は、第3ピン(第3回動軸)123と第4ピン(第4回動軸)124が配置され、互いに直交する第3ピン(第3回動軸)123と、第4ピン(第4回動軸)124とが互いの軸線の周りに相対的に回動可能とされている。
【0086】
そして、第4ブラケット(自在継手部)114は、第3ピン(第3回動軸)123の周りに回動可能とされている。
また、第4ブラケット(自在継手部)114は、第4ピン(第4回動軸)124を介して、第4ピン(第4回動軸)124の周りに回動可能に、第5ピン(アーム回動軸)125に連結されている。
また、第4ピン(第4回動軸)124は、車軸17D、第5ピン(アーム回動軸)125と平行に配置されている。
【0087】
また、第2ブラケット(第1リンク部材)112と第3ブラケット(第3リンク部材)113とが形成するトグル機構の交差角度θ、具体的には、第2ピン(第2回動軸)122から見たときに第1ピン(第1回動軸)121に向かう直線と第3ピン(第3回動軸)131に向かう直線とがなすトグル機構の交差角度θ(言い換えると、第2ピン(第2回動軸)122から第1ピン(第1回動軸)121に向かう直線と第2ピン(第2回動軸)122から第3ピン(第3回動軸)131に向かう直線がなす角度(0≦θ≦180°)θ)変化させることが可能とされ、トグル機構の交差角度θが変化することにより、第1ピン121と第3ピン123の距離が変化する構成とされている。
【0088】
そして、トグル機構の交差角度θが大きくなった場合に、第5ブラケット(アーム部材)115が第5ピン(アーム回動軸)125の周りに回動して、第5ブラケット(アーム部材)115の一端側が下降するとともに車輪部17Aが下降する。
【0089】
また、トグル機構の交差角度θが小さくなった場合に、第5ブラケット(アーム部材)115が第5ピン(アーム回動軸)125の周りに回動して、第5ブラケット(アーム部材)115の一端側が上昇するとともに車輪部17Aが上昇する。
【0090】
また、トグル機構110は、第1ピン(第1回動軸)121と、第2ピン(第2回動軸)122と、第3ピン(第3回動軸)123が直線上に上下方向に配置されることにより、トグル機構110の死点を構成する。
【0091】
姿勢保持部120は、第1ブラケット111の下面111Sと第2ブラケット(第1リンク部材)112の押圧部112Sにより構成され、トグル機構110が死点を構成した場合に、押圧部112Sが下面111Sを押圧、係止してトグル機構110の姿勢を保持するように構成されている。
【0092】
復元バネ(復元部材)130は、例えば、引張コイルバネからなり、第5ブラケット(アーム部材)115の一端側と第1ブラケット111の荷受台側(上部)10とを連結している。そして、第5ブラケット(アーム部材)115の一端側を上方に引張して、第5ピン(アーム回動軸)125の周りに回動させることにより車輪部17Aを上昇させる構成とされている。
【0093】
複数のブラケットは、荷受台10側から車輪部17A側に向けて順に設けられた、第1ブラケット111と、第2ブラケット(第1リンク部材)112と、第3ブラケット(第2リンク部材)113と、第4ブラケット(自在継手部)114と、第5ブラケット(アーム部材)115とを備えている。
【0094】
複数のピンは、第1ピン(第1回動軸)121と、第2ピン(第2回動軸)122と、第3ピン(第3回動軸)123と、第4ピン(第4回動軸)124と、第5ピン(アーム回動軸)125とを備えている。
【0095】
第1ブラケット111は、図8図18に示すように、第2ブラケット(第1リンク部材)112と連結される第1ブラケット連結部111Aと、第5ブラケット115と連結される第2ブラケット連結部111Bと、荷受台10の下面10Bに固定される荷受台固定部111Cとを有する。
【0096】
第1ブラケット連結部111Aは、その内側面111Dが第2ブラケット(第1リンク部材)112の外側面112Aに接するように配置され、車軸17Dと直交する方向(図9に示す矢印の方向)Aに延びる第1ピン121が、第1ブラケット連結部111Aと第2ブラケット112を連結している。第1ピン121を介して連結された第1ブラケット連結部111Aと第2ブラケット112は、第1ピン121を中心として相対的に回動可能である。
【0097】
第2ブラケット(第1リンク部材)112は、その内側面112Bが第3ブラケット(第2リンク部材)113の外側面113Aと対向するように配置され、車軸17Dと直交する方向Aに延びる第2ピン122が、第2ブラケット112と第3ブラケット113を連結している。
【0098】
第2ピン122を介して連結された第2ブラケット112と第3ブラケット(第2リンク部材)113は、第2ピン122を中心として相対的に回動可能である。なお、第2ブラケット112と第3ブラケット113は接していてもよく、接していなくてもよい。
【0099】
第3ブラケット(第2リンク部材)113は、その内側面113Bが第4ブラケット(自在継手部)114の外側面114Aと対向するように配置され、車軸17Dと直交する方向Aに延びる第3ピン123が、第3ブラケット113と第4ブラケット(自在継手部)114を連結している。
第3ピン123を介して連結された第3ブラケット(第2リンク部材)113と第4ブラケット(自在継手部)114は、第3ピン123を中心として相対的に回動可能である。なお、第3ブラケット113と第4ブラケット114は接していてもよく、接していなくてもよい。
【0100】
第4ブラケット(自在継手部)114は、図9図14に示すように、その外側面114Aが第5ブラケット115の内側面115Aと対向するように配置され、車軸17Dと平行に延びる第4ピン(第4回動軸)124が、第4ブラケット114と第5ブラケット115を連結している。
第4ピン(第4回動軸)124を介して連結された第4ブラケット114と第5ブラケット115は、第4ピン(第4回動軸)124を中心として相対的に回動可能である。なお、第4ブラケット114と第5ブラケット115は接していない。
【0101】
第5ブラケット115は、図9図10に示すように、その外側面115Bが第1ブラケット111の第2ブラケット連結部111Bの内側面111Eと対向するように配置され、車軸17Dと平行に延びる第5ピン(アーム回動軸)125が、第5ブラケット115と第2ブラケット連結部111Bを連結している。
【0102】
第5ピン(アーム回動軸)125を介して連結された第5ブラケット(アーム部材)115と第2ブラケット連結部111Bは、第5ピン125を中心として相対的に回動可能である。なお、第5ブラケット115と第2ブラケット連結部111Bは接していてもよく、接していなくてもよい。また、第5ブラケット115は、前記の車輪支持部17B,17Cである。
【0103】
また、第5ピン(アーム回動軸)125は、水平方向に沿って第4ピン(第4回動軸)124を挟んだ車軸17Dの反対側に位置している。
さらに、第5ピン125は、車軸17Dよりも上方に、かつ、第4ピン(第4回動軸)124よりも下方に位置している。
【0104】
第1ピン121、第2ピン122および第3ピン123は、互いに平行に延びている。
図9図10図13図14に示すように、車輪部17Aが上昇して地面から浮いている状態において、前記の方向Aから見た正面視において、第1ピン121、第2ピン122および第3ピン123は、鉛直上下方向に一列に並んで、トグル機構110は死点を構成している。
【0105】
図14に示すように、第2ピン122は、正面から見たときに、第1ピン121および第3ピン123に対して水平方向の一方側Bにずれている。
また、図14に示すように、第1ピン122および第3ピン123は、正面から見たときに、第2ピン122に対して水平方向の他方側Cにずれている。
【0106】
バネ(復元部材)130は、車輪部17Aの上方にて、第1ブラケット111と第5ブラケット115とを上下方向に連結している。
【0107】
このようなスイング機構200では、以下のように車輪部17Aを上下方向に移動させる。
車輪部17Aが上昇して地面から離れた状態(図9図10図13図14)において、第2ブラケット(第1リンク部材)112のペダル112Cを踏み込むと、第2ブラケット(第1リンク部材)112が、第1ピン(第1回動軸)121を中心として、図17の位置から図18の位置に回動する。
この回動に伴って、第2ブラケット112に連結されている第2ピン122が、第1ピン121を中心として他方側Cに移動する。そして、第2ピン122に第3ブラケット(第2リンク部材)113を介して連結されている第3ピン123が下方に移動する。
【0108】
これにより、第3ブラケット(第2リンク部材)113が、みかけ上、第3ピン123を中心として回動して、第2ピン122が他方側Cに移動する。そして、車輪部17Aが下方に下降して地面に接地する。また、第1ピン121、第2ピン122、第3ピン123が鉛直上下方向に並んで、トグル機構110が死点を構成する。
【0109】
また、第2ブラケット(第1リンク部材)112のペダル112Cを蹴り上げる等によって、ペダル112Cを上方に移動させると、第2ブラケット112が、図16図18の位置から図14図17の位置に回動する。
この回動に伴って、第2ブラケット112に連結されている第2ピン122は、第1ピン121を中心として、第1ピン111および第3ピン123に対して一方側Bに移動するとともに、トグル機構110の死点が解除される。
【0110】
そして、第2ピン122に第3ブラケット113を介して連結されている第3ピン123は、復元バネ230によって上方に移動する。
また、第2ピン122が、第1ピン121および第3ピン123に対して水平方向の一方側Bにずれるとともに、車輪部17Aが復元バネ(復元部材)130の付勢力によって上昇して地面から離れる。
【0111】
次に、図19を参照して、支柱部材の動作の概略について説明する。
図19は、支柱部材の動作の概略を説明する概念図であり、図19(A)は支柱部材が水平方向に傾動された状態を、図19(B)は支柱部材が立設された状態を、図19(C)は支柱部材を支柱保持部に収容する状態を、図19(D)は係合部に差込みピン(係止部材)を係合させた状態を示す図である。なお、図19(A)~図19(D)において示す断面は、図7と同様である。
【0112】
(1)まず、図19(A)に示すように、傾動された支柱部材20を矢印で示すように立ち上がらせる。
【0113】
(2)次に、図19(B)に示すように、支柱部材20を挿入穴12Hが形成された方向に配置する。
【0114】
(3)次いで、図19(C)に示すように、支柱部材20を、矢印に沿って挿入穴12Hに挿入する。
【0115】
(4)そして、図19(D)に示すように、支柱部材20を、長穴22の上端部(第2端)22Bが支柱部材係止ボルト(突出部)13に突き当たるまで挿入穴12H内に挿入して、支柱部材係止ボルト13により長穴22の上端部22Bを支持させる。
これにより、支柱部材20は下降端まで挿入され、長穴22の下端部(第1端、第1穴部)22Aと、支柱保持部12の支柱係止穴(第2穴)14が重なり合って係合部を構成する。
【0116】
(5)そして、長穴22の下端部(第1端、第1穴部)22Aと、支柱保持部12の支柱係止穴(第2穴)14が重なり合って形成された係合部に、差込みピン(係止部材)15を挿入して、支柱部材20を支柱保持部12に対して係止する。
【0117】
(6)また、差込みピン(係止部材)15の折曲がり部(係合維持部)15Bを、差込みピン本体15Aに対して折り曲げて、差込みピン(係止部材)15が係合部から抜け落ちないようにする。
【0118】
次に、図20を参照して、キャスター収容部の作用について説明する。
図20は、第1実施形態に係る運搬台車が重ね合わせて積載した状態の概略を説明する斜視図である。
【0119】
運搬台車1は、図20に示すように、支柱部材20を傾動させて倒した状態にすることで、下側に位置される運搬台車10のキャスター収容部10U、及びキャスター収容部10Vに、他の(例えば、同タイプ)の運搬台車1の自由輪キャスター171、及び固定輪キャスター172を収容させることで、複数の運搬台車1を重ね合せて保管することが可能とされている。
【0120】
このとき、運搬台車1の中央部に位置される固定輪キャスター172が、キャスター収容部10Vのガイド凹部10Dによって、前後方向及び幅方向における所定範囲内に収容されるので、運搬台車1を安定して積載することができる。
【0121】
また、キャスター収容部10Uが自由輪キャスター171よりも大きな寸法で形成されているので、固定輪キャスター172をキャスター収容部10Vに収容する際に、自由輪キャスター171が荷受台10等に引っ掛かるのが抑制され、自由輪キャスター171を容易かつ効率的に収容させることができる。
【0122】
このようにして、支柱部材20を倒した状態にした運搬台車1は、上下方向に重ね合せて他の運搬台車1を積載することができる。
その結果、使用していない複数の運搬台車1が発生した場合に、運搬台車1を積載することで、運搬台車1の保管スペースを小さくすることができる。
【0123】
第1実施形態に係る運搬台車1によれば、前後方向における中央寄りのキャスター17が、スイング機構100を備えているので、中央寄りのキャスター17を地面から離間させることにより、容易かつ効率的に運搬台車1を回転させて、荷受台10の向きを変えることができる。
【0124】
また、運搬台車1によれば、スイング機構100が、第1リンク部材に形成された操作ペダル112Cを備えているので、操作ペダル112Cを踏み込んでトグル機構110の交差角度θを大きくすることにより、又は操作ペダル112Cを蹴り上げる等によって操作ペダル112Cを上方に移動させてトグル機構110の交差角度θを小さくすることにより、第5ブラケット(アーム部材)115を第5ピン(アーム回動軸)125の周りに回動させて車輪部17Aを下降又は上昇させることができる。
その結果、ペダル操作によって、容易かつ効率的に車輪部17Aを昇降することができる。
【0125】
また、運搬台車1によれば、第1ピン(第1回動軸)121、第2ピン(第2回動軸)122、第3ピン(第3回動軸)123が直線上に配置されて、トグル機構110が死点を構成した場合に、車輪部17Aが下降端に位置されるので、車輪部17Aを下降端に安定して保持することができる。
【0126】
また、運搬台車1によれば、姿勢保持部120を備えているので、トグル機構110が死点を構成した場合に、第1ブラケット111の下面111Sと第2ブラケット(第1リンク部材)112の押圧部112Sが当接して係止され、トグル機構110の姿勢を保持して車輪部17Aを下降端に安定して保持することができる。
【0127】
また、運搬台車1によれば、復元バネ(復元部材)130を備えているので、トグル機構110の姿勢が死点から解除された場合に、第5ブラケット(アーム部材)115を引張して第5ブラケット(アーム部材)115をアーム回動軸125の周りに回動させて車輪部17Aを効率的に上昇位置に復元するとともに、上昇させた車輪部17Aが自重により下降するのを抑制することができる。その結果、運搬台車1による作業を安定して行うことができる。
【0128】
また、運搬台車1によれば、スイング機構100が、第4ピン(第4回動軸)124が第3ブラケット(第2リンク部材)に対してゴム(弾性部材)114Eを介して配置されているので、荷受台10に重いものが積載されて荷受台10にたわみが生じている状態であっても、たわみによる寸法変化が吸収されて、車輪部17Aを容易に昇降させることができる。
【0129】
また、運搬台車1によれば、支柱部材20が立設可能かつ傾動可能とされ、支柱部材20が支柱保持部12に係止されるように構成されているので、支柱部材20を引っ張り上げても抜けることがなく、例えば、キャスター17が路面の凹部に引っ掛かった場合に、支柱部材20を引っ張り上げて容易かつ効率的にキャスター17を凹部から抜き出させることができる。
また、支柱部材20が不意に支柱保持部12内に下降することがないので、安定して運搬作業を安定して行うことができる。
その結果、支柱部材を手に持って操作する場合に、運搬台車を安定して移動させることができる。
【0130】
また、運搬台車1によれば、差込みピン(係止部材)15を備えているので、簡単な構造により、差込みピン(係止部材)15を容易かつ効率的に係合部に係合させて支柱部材20を支柱保持部12に係止することができる。
【0131】
また、運搬台車1によれば、差込みピン(係止部材)15が、折曲がり部(係合維持部)15Bを備えているので、係合部に差込まれた差込みピン(係止部材)15が抜けて係止状態が解除されるのを抑制することができる。
その結果、運搬台車1による作業を安定的かつ安全に行うことができる。
【0132】
また、運搬台車1によれば、支柱部材20の傾動側停止位置を設定する支持部材傾動ストッパ(傾動位置設定部)18を備えているので、傾動された支柱部材20の自由端20F側を支持して、支柱部材20の上側面20A及び下側面20Bを所定の高さに位置させることができる。
【0133】
また、運搬台車1によれば、支柱部材20の自由端20F側が支持部材傾動ストッパ(傾動位置設定部)18に支持された状態で、支柱部材20の上側面20Aが荷受台10の荷受面10Aよりも下方に位置されるので、荷受台10に荷物を積載した場合に、支柱部材20に荷重が付加されて支柱部材20が損傷するのを抑制することができる。
【0134】
また、運搬台車1によれば、支柱部材20の下側面20Bが荷受台10の下面10Bよりも上方に位置されるので、例えば、フォークリフトのフォークを荷受台10の下方に差込んでも、支柱部材20に持ち上げる荷重が付加されて支柱部材20が損傷するのを抑制することができる。
<第2実施形態>
以下、図21図29を参照して、本発明の第2実施形態に係るスイング機構について説明する。
図21は、第2実施形態に係る運搬台車のスイング機構の概略構成を説明する平面図であり、図22は、スイング機構の概略構成を説明する側面図である。また、図23は、車輪部が上昇して地面に接地していない状態を示す図21において矢視XXIII-XXIIIで示す側面から見た縦断面図であり、図24は、車輪部が上昇して地面に接地していない状態を示す正面図である。また、図25は、車輪部が上昇して地面に接していない状態を示す図21において矢視XXV-XXVで示す正面から見た縦断面図であり、図26は、図21において矢視XXIII-XXIIIで示す側面から見た縦断面図であり、図27は、輪部が下降して地面に接地している状態を示す図21において矢視XXV-XXVで示す正面から見た縦断面図である。
また、図28は、トグル機構が死点を構成している状態を、図29は、トグル機構が解除された状態を示す正面から見た図である。
【0135】
図21図29において、符号200はスイング機構を、符号210はトグル機構を、符号211は第1ブラケットを、符号212は第2ブラケット(第1リンク部材)を、符号213は第3ブラケット(第2リンク部材)を、符号214は自在継手ブロック(自在継手部)を、符号215は第5ブラケット(アーム部材)を示している。また、符号220は姿勢保持部を、符号221は第1ピン(第1回動軸)を、符号222は第2ピン(第2回動軸)を、符号223は第3ピン(第3回動軸)を、符号224は第4ピン(第4回動軸)を、符号225は第5ピン(アーム回動軸)を示している。また、符号230はバネ(復元部材)を示している。
【0136】
第2実施形態において、複数のキャスター17のうち少なくとも1つが、荷受台10と車輪部17Aを連結するスイング機構200を備えている。複数のキャスター17のうち、前後方向における中央寄りの固定輪キャスター172(17)がスイング機構200を備えることが好ましい。
【0137】
スイング機構200は、図21図29に示すように、第1ブラケット211と、トグル機構210と、自在継手ブロック(自在継手部)214と、第4ピン(第4回動軸)224と、第5ブラケット(アーム部材)215と、第5ピン(アーム回動軸)225と、姿勢保持部220と、復元バネ(復元部材)230と、を備えている。
なお、自在継手ブロック(自在継手部)214に代えて、第1実施形態と同様の第4ブラケットを用いてもよい。
【0138】
第1ブラケット211は、スイング機構200を荷受台10の下面に配置され、スイング機構200を荷受台10に固定している。
【0139】
第5ブラケット(アーム部材)215は、一端側に車軸17Dの周りに回転可能とされた車輪部17Aを支持するとともに、他端側に車軸17Dと平行な第5ピン(アーム回動軸)225が配置され、第5ピン(アーム回動軸)225を介して第1ブラケット211に連結されている。そして、第5ブラケット(アーム部材)215は、第5ピン(アーム回動軸)225の周りに回動可能とされている。
【0140】
トグル機構210は、第2ブラケット(第1リンク部材)212と、第3ブラケット(第3リンク部材)213と、第1ピン(第1回動軸)221と、第2ピン(第2回動軸)222と、第3ピン(第3回動軸)223と、を備えている。
【0141】
第1ピン(第1回動軸)221と、第2ピン(第2回動軸)222と、第3ピン(第3回動軸)223は、車軸17Dと直交(交差)する方向に伸び、互いに平行に配置されている。
【0142】
第2ブラケット(第1リンク部材)212は、上部に第1ピン(第1回動軸)221が配置され、第1ピン(第1回動軸)221を介して、第1ピン221の周りに回動可能に第1ブラケット211に連結されている。
【0143】
また、第2ブラケット(第1リンク部材)212は、下部に第2ピン(第2回動軸)222が配置され、第2ピン(第2回動軸)222を介して、互いに第2ピン(第2回動軸)222の周りに回動可能に第3ブラケット(第2リンク部材)213と連結されている。
また、第2ブラケット(第1リンク部材)212には、荷受台10の幅方向外方に向かって延在する操作ペダル212Cが形成されている。
【0144】
第3ブラケット(第2リンク部材)213は、上部に第2ピン(第2回動軸)222が配置されて第2ブラケット(第1リンク部材)212と連結され、下部に第3ピン(第3回動軸)223が配置されて、第3ピン(第3回動軸)223を介して、第3ピン223の周りに回動可能に自在継手ブロック(自在継手部)214に連結されている。
【0145】
また、第3ブラケット(第2リンク部材)213には、荷受台10の幅方向外方に向かって延在する解除ペダル213Cが形成されている。
そして、解除ペダル213Cを踏み込むことによって、第2ブラケット(第1リンク部材)212、第3ブラケット(第3リンク部材)213を、それぞれ第1ピン(第1回動軸)221、第2ピン(第2回動軸)222の周りに、操作ペダル212Cを踏み込んだ場合とは反対向きに回動させ、トグル機構210の姿勢を死点から解除する。
【0146】
自在継手ブロック(自在継手部)214は、例えば、直方体のブロックと、トグル機構210が死点を構成した状態で第2ピン(第2回動軸)222と第3ピン(第3回動軸)223を結ぶ直線に沿って見たときに、このブロックの4つの辺のうち、互いに平行な第1の一対の側面の一方から他方に向かって形成された第1貫通穴と、第1の一対の側面と直交する互いに平行な第2の一対の側面の一方から他方に向かって形成され第1貫通穴と直交する第2貫通穴と、を備えている。
そして、第1貫通穴には第3ピン(第3回動軸)223が挿通可能とされ、第2貫通穴には第3ピン223と直交する第4ピン(第4回動軸)224が挿通可能とされている。なお、第2実施形態では、弾性部材は備えない構成とされている。
【0147】
っそして、自在継手ブロック(自在継手部)214は、第3ピン(第3回動軸)223と第4ピン(第4回動軸)224が配置され、互いに直交する第3ピン(第3回動軸)223と、第4ピン(第4回動軸)224とが互いの軸線の周りに相対的に回動可能とされている。
【0148】
そして、自在継手ブロック(自在継手部)214は、第3ピン(第3回動軸)223の周りに回動可能とされている。
また、自在継手ブロック(自在継手部)214は、第4ピン(第4回動軸)224を介して、第4ピン(第4回動軸)224の周りに回動可能に、第5ピン(アーム回動軸)225に連結されている。
また、第4ピン(第4回動軸)224は、車軸17D、第5ピン(アーム回動軸)225と平行に配置されている。
【0149】
また、第2ブラケット(第1リンク部材)212と第3ブラケット(第3リンク部材)213とが形成するトグル機構の交差角度θ、具体的には、第2ピン(第2回動軸)122から見たときに第1ピン(第1回動軸)121に向かう直線と第3ピン(第3回動軸)131に向かう直線とがなすトグル機構の交差角度θ(言い換えると、第2ピン(第2回動軸)122から第1ピン(第1回動軸)121に向かう直線と第2ピン(第2回動軸)122から第3ピン(第3回動軸)131に向かう直線がなす角度(0≦θ≦180°)θ)を変化させることが可能とされ、トグル機構の交差角度θが変化することにより、第1ピン221と第3ピン223の距離が変化する構成とされている。
【0150】
そして、トグル機構の交差角度θが大きくなった場合に、第5ブラケット(アーム部材)215が第5ピン(アーム回動軸)225の周りに回動して、第5ブラケット(アーム部材)215の一端側が下降するとともに車輪部17Aが下降する。
【0151】
また、トグル機構の交差角度θが小さくなった場合に、第5ブラケット(アーム部材)215が第5ピン(アーム回動軸)225の周りに回動して、第5ブラケット(アーム部材)215の一端側が上昇するとともに車輪部17Aが上昇する。
【0152】
また、トグル機構210は、第1ピン(第1回動軸)221と、第2ピン(第2回動軸)222と、第3ピン(第3回動軸)223が直線上に上下方向に配置されることにより、トグル機構210の死点を構成する。
【0153】
姿勢保持部220は、第1ブラケット211の下面211Sと第2ブラケット(第1リンク部材)212の押圧部212Sにより構成され、トグル機構210が死点を構成した場合に、押圧部212Sが下面211Sを押圧、係止してトグル機構210の姿勢を保持するように構成されている。
【0154】
復元バネ(復元部材)230は、例えば、引張コイルバネからなり、第5ブラケット(アーム部材)215の一端側と第1ブラケット211の荷受台側(上部)10とを連結している。そして、第5ブラケット(アーム部材)215の一端側を上方に引張して、第5ピン(アーム回動軸)225の周りに回動させることにより車輪部17Aを上昇させる構成とされている。
【0155】
複数のブラケットは、荷受台10側から車輪部17A側に向けて順に設けられた、第1ブラケット211と、第2ブラケット(第1リンク部材)212と、第3ブラケット(第2リンク部材)213と、自在継手ブロック(自在継手部)214と、第5ブラケット(アーム部材)215とを備えている。
複数のピンは、第1ピン(第1回動軸)221と、第2ピン(第2回動軸)222と、第3ピン(第3回動軸)223と、第4ピン(第4回動軸)224と、第5ピン(アーム回動軸)225とを備えている。
【0156】
第1ブラケット211は、図23図27に示すように、第2ブラケット(第1リンク部材)212と連結される第1ブラケット連結部211Aと、第5ブラケット215と連結される第2ブラケット連結部211Bと、荷受台10の下面10Bに固定される荷受台固定部211Cとを有する。
【0157】
第1ブラケット連結部211Aは、その内側面211Dが第2ブラケット(第1リンク部材)212の外側面212Aに接するように配置され、車軸17Dと直交する方向(図22に示す矢印の方向)Aに延びる第1ピン221が、第1ブラケット連結部211Aと第2ブラケット212を連結している。第1ピン221を介して連結された第1ブラケット連結部211Aと第2ブラケット212は、第1ピン221を中心として相対的に回動可能である。
【0158】
第2ブラケット(第1リンク部材)212は、その内側面212Bが第3ブラケット(第2リンク部材)213の外側面213Aと対向するように配置され、車軸17Dと直交する方向Aに延びる第2ピン222が、第2ブラケット212と第3ブラケット213を連結している。
【0159】
第2ピン222を介して連結された第2ブラケット212と第3ブラケット(第2リンク部材)213は、第2ピン222を中心として相対的に回動可能である。なお、第2ブラケット212と第3ブラケット213は接していてもよく、接していなくてもよい。
【0160】
第3ブラケット(第2リンク部材)213は、その内側面213Bが自在継手ブロック(自在継手部)214の外側面214Aと対向するように配置され、車軸17Dと直交する方向Aに延びる第3ピン223が、第3ブラケット213と自在継手ブロック(自在継手部)214を連結している。
【0161】
第3ピン223を介して連結された第3ブラケット(第2リンク部材)213と自在継手ブロック(自在継手部)214は、第3ピン223を中心として相対的に回動可能である。なお、第3ブラケット213と自在継手ブロック(自在継手部)214は接していてもよく、接していなくてもよい。
【0162】
自在継手ブロック(自在継手部)214は、図23および図25に示すように、その外側面214Aが第5ブラケット215の内側面215Aと対向するように配置され、車軸17Dと平行に延びる第4ピン(第4回動軸)224が、自在継手ブロック(自在継手部)214と第5ブラケット215を連結している。
第4ピン(第4回動軸)224を介して連結された自在継手ブロック(自在継手部)214と第5ブラケット215は、第4ピン(第4回動軸)224を中心として相対的に回動可能である。なお、自在継手ブロック(自在継手部)214と第5ブラケット215は接していない。
【0163】
第5ブラケット215は、図22および図23に示すように、その外側面215Bが第1ブラケット211の第2ブラケット連結部211Bの内側面211Eと対向するように配置され、車軸17Dと平行に延びる第5ピン(アーム回動軸)225が、第5ブラケット215と第2ブラケット連結部211Bを連結している。
【0164】
第5ピン(アーム回動軸)225を介して連結された第5ブラケット(アーム部材)215と第2ブラケット連結部211Bは、第5ピン225を中心として相対的に回動可能である。なお、第5ブラケット215と第2ブラケット連結部211Bは接していてもよく、接していなくてもよい。また、第5ブラケット215は、前記の車輪支持部17B,17Cである。
【0165】
また、第5ピン(アーム回動軸)225は、水平方向に沿って第4ピン(第4回動軸)224を挟んだ車軸17Dの反対側に位置している。
さらに、第5ピン225は、車軸17Dよりも上方に、かつ、第4ピン(第4回動軸)224よりも下方に位置している。
【0166】
第1ピン221、第2ピン222および第3ピン223は、互いに平行に延びている。
図21図25に示すように、車輪部17Aが上昇して地面から浮いている状態において、前記の方向Aから見た正面視において、第1ピン221、第2ピン222および第3ピン223は、鉛直上下方向に一列に並んで、トグル機構210は死点を構成している。
【0167】
図25に示すように、第2ピン222は、前記の方向Aから見た正面視において、第1ピン221および第3ピン223に対して水平方向の一方側Bにずれている。
また、図25に示すように、第1ピン222および第3ピン223は、正面から見たときに、第2ピン222に対して水平方向の他方側Cにずれている。
【0168】
図25に示すように、第2ブラケット(第1リンク部材)212には、一方側Bに向けて突出するペダル(解除ペダル)212Cが設けられている。また、第3ブラケット213には、一方側Bに向けて突出するペダル(操作ペダル)213Cが設けられている。
図21図25に示すように、車輪部17Aが上昇して地面から浮いている状態において、第2ブラケット212のペダル(解除ペダル)212Cは第3ブラケット(第2リンク部材)213のペダル213Cよりも上方に位置している。
【0169】
バネ(復元部材)230は、車輪部17Aの上方にて、第1ブラケット211と第5ブラケット215とを上下方向に連結している。
【0170】
このようなスイング機構200では、以下のように車輪部17Aを上下方向に移動させる。
車輪部17Aが上昇して地面から離れた状態(図21図25)において、第2ブラケット(第1リンク部材)212のペダル212Cを踏み込むと、図28および図29に示すように、第2ブラケット(第1リンク部材)212が第1ピン(第1回動軸)221を中心として回動する。
【0171】
すなわち、第2ブラケット212が図28の位置から図29の位置に回動する。この回動に伴って、第2ブラケット212に連結されている第2ピン222が、第1ピン221を中心として他方側Cに移動する。そして、第2ピン222に第3ブラケット(第2リンク部材)213を介して連結されている第3ピン223が下方に移動する。
【0172】
これにより、第3ブラケット(第2リンク部材)213が、みかけ上、第3ピン223を中心として回動して、第2ピン222が他方側Cに移動する。そして、車輪部17Aが下方に下降して地面に接地する。また、第1ピン221、第2ピン222、第3ピン223が鉛直上下方向に並んで、トグル機構210が死点を構成する。
【0173】
第3ブラケット(第2リンク部材)213のペダル(解除ペダル)213Cを踏み込むと、図28および図29に示すように、第3ブラケット213が第3ピン(第3回動軸)223を中心として回動する。すなわち、第3ブラケット213が図29の位置から図28の位置に回動する。
【0174】
この回動に伴って、第2ブラケット(第1リンク部材)212に連結されている第2ピン222が、第3ピン223を中心として一方側Bに移動する。すると、トグル機構210の死点が解除される。そして、第2ピン222に第3ブラケット213を介して連結されている第3ピン223は、復元バネ230によって上方に移動する。
これにより、第3ブラケット213が、みかけ上、第3ピン223を中心として回動して、第2ピン222が、第1ピン221および第3ピン223の反対側である一方側Bに移動する。
そして、第2ピン222が、第1ピン221および第3ピン223に対して水平方向の一方側Bにずれて、車輪部17Aが上方に上昇して地面から離れる。
【0175】
第2実施形態に係るスイング機構200によれば、第3ブラケット(第2リンク部材)213に解除ペダル213Cが形成されているので、解除ペダル213Cを踏み込むことにより、トグル機構210の死点を容易に解除することができる。その結果、車輪部17Aを容易に上昇させることができる。
【0176】
<第3実施形態>
以下、図30を参照して、第3実施形態に係る運搬台車について説明する。
図30は、第3実施形態に係る運搬台車の概略構成を説明する正面から見た図である。
図30において、符号3は運搬台車を、符号12は支柱保持部を、符号20は支柱部材を、符号20Aは支柱部材を倒した状態における上側面を、符号20Bは支柱部材を倒した状態における下側面を示している。
【0177】
運搬台車3は、図30に示すように、例えば、荷受台10と、支柱保持部12と、キャスター(不図示)と、支柱部材20とを備えている。
運搬台車3は、例えば、支柱保持部12に形成される支柱部材20を傾動させて倒す側に形成される凹部(図6(A)に示す12C参照)の底部、及び支柱部材係止ボルト(突出部)13が、第1実施形態よりも低い位置に配置されている。
その他は、第1実施形態と同様であるので同じ符号を付して説明を省略する。
【0178】
その結果、支柱部材20を倒した場合に、例えば、支柱部材20の上側面20Aが荷受面(荷受台上面)10Aよりも低く配置されるとともに、支柱部材20の下側面20Bが荷受台下面10Bと面一に配置されるように構成される。
【0179】
<第4実施形態>
以下、図31を参照して、第4実施形態に係る運搬台車について説明する。
図31は、第4実施形態に係る運搬台車の概略構成を説明する正面から見た図である。
図31において、符号4は運搬台車を、符号12は支柱保持部を、符号20は支柱部材を、符号20Aは支柱部材を倒した状態における上側面を、符号20Bは支柱部材を倒した状態における下側面を示している。
【0180】
運搬台車4は、図31に示すように、例えば、荷受台10と、支柱保持部12と、キャスター(不図示)と、支柱部材20とを備えている。
運搬台車4は、例えば、支柱保持部12に形成される支柱部材20を傾動させて倒す側に形成される凹部(図6(A)に示す12C参照)の底部、及び支柱部材係止ボルト(突出部)13が、第1実施形態よりも高い位置に配置されている。
その他は、第1実施形態と同様であるので同じ符号を付して説明を省略する。
【0181】
その結果、支柱部材20を倒した場合に、例えば、支柱部材20の上側面20Aは荷受面(荷受台上面)10Aと面一に配置されるとともに、支柱部材20の下側面20Bは荷受台下面10Bよりも高い位置に配置されるように構成される。
【0182】
<第5実施形態>
以下、図32を参照して、本発明の第5実施形態について説明する。
図32は、本発明の第5実施形態に係る運搬台車の支柱保持部の概略構成を説明する縦断面図である。
図32において、符号5は運搬台車を、符号312は支柱保持部を、符号320は支柱部材を、符号312Hは長穴を、符号312Aは長穴の上端部(第1端)を、符号312Bは長穴の下端部(第2端)を、符号324は支柱被係止穴(第1穴)を、符号313は支柱部材係止ピン(突出部)を、符号314は支柱係止穴(第2穴)を、符号400はプランジャ部材(係止部材)を、符号402は係止ピン(係止部)を示している。
【0183】
運搬台車5は、図32に示すように、例えば、荷受台(不図示)と、支柱保持部312と、プランジャ部材(係止部材)400と、キャスター(不図示)と、支柱部材320とを備えている。
運搬台車5は、第1実施形態における支柱保持部12、支柱部材20に代えて、支柱保持部312、支柱部材320とを備えた構成とされている。
【0184】
支柱保持部312は、上下方向に沿って、荷受台(不図示)の側面側に位置される対向する壁部に長穴312Hが形成されている。
長穴312Hには、上端部(第1端)312Aと、下端部(第2端)312Bが形成されている。
また、支柱保持部312の長穴312Hの上側には、支柱係止穴(第2穴)314が形成されている。
【0185】
支柱部材320は、例えば、荷受台(不図示)の側面側に位置される対向する壁部同士を跨いで、長穴312Hに係合可能な長さに設定され、わずかに外方に突出する支柱部材係止ピン(突出部)313が配置されている。
支柱部材係止ピン(突出部)313は、長穴312H内に挿入されて、長穴312Hと係合可能であれば任意のピン部材を適用することが可能である。
【0186】
そして、支柱部材320は、支柱部材係止ピン313が長穴312Hに係合して、長穴312Hに沿って支柱部材312内の挿入穴を上下方向に移動する構成とされている。
また、支柱部材320には、支柱部材320が立設された状態で、支柱係止穴(第2穴)314と重なり合う位置に支柱被係止穴(第1穴)324が形成されている。
【0187】
プランジャ部材(係止部材)4000は、図32に示すように、例えば、コイルバネ(付勢部材)401と、係止ピン(係止部)402と、コイルバネ(付勢部材)401が格納されるケーシング403とを備えている。
【0188】
係止ピン(係止部)402の基端側は、ケーシング403の内径と対応して大径に形成されケーシング403を摺動可能とされている。
そして、コイルバネ(付勢部材)401の付勢力によって係止ピン(係止部)402が進退する構成とされている。
【0189】
また、係止ピン(係止部)402の先端側は、支柱保持部312に形成された支柱係止穴(第2穴)314に挿入されるとともに、支柱被係止穴(第1穴)324に向かって前進可能とされている。
【0190】
そして、支柱部材320が支柱保持部312に挿入されたときには、支柱部材320に形成された支柱被係止穴(第1穴)324と、支柱保持部312に係止ピン(係止部)402が前進して係合(例えば、挿入)され、支柱部材320を支柱保持部312に係止するようになっている。
その他は、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0191】
第5実施形態に係る運搬台車5によれば、係止部材が、支柱部材320に形成された支柱被係止穴(第1穴)324に係合する係止ピン(係止部)402を備えたプランジャ部材400であるので、支柱部材320が支柱保持部312に挿入された際に、人手を介することなく、容易かつ効率的に支柱保持部312に支柱部材320を係止することができる。
なお、支柱部材320と支柱保持部312との係合は、人手によって解除する構成としてもよい。
【0192】
<第6実施形態>
以下、図33を参照して、本発明の第6実施形態について説明する。
図33は、本発明の第6実施形態に係る運搬台車の概略構成を説明する平面図である。
図33において、符号6は運搬台車を、符号10は荷受台を、符号512は支柱保持部を、符号513は支柱部材係止ボルト(突出部)を、符号520は支柱部材を示している。
【0193】
運搬台車6は、図33に示すように、荷受台10と、支柱保持部512と、キャスター(不図示)と、支柱部材520とを備えている。
運搬台車6は、支柱保持部512が荷受台10の前方側Fの端部及び後方側Rの端部に、幅方向における中央寄りの途中位置に配置されている。
また、荷受台10には、長手方向に沿って、支柱部材520を格納する凹部(不図示)が形成されている。
【0194】
そして、支柱部材520は、支柱保持部512に挿入されて立設されるとともに、支柱保持部512から上方に抜き出すことにより傾動可能とされている。
その他は、第1実施形態、第2実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0195】
なお、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更をすることが可能である。
例えば、上記実施形態においては、スイング機構100、200が、第1ブラケット111、211を備える場合について説明したが、第1ブラケット111、211を備えるかどうか、第1ブラケット111、211を備える場合にどのような形態とするかは任意に設定可能であり、例えば、第1ブラケットを備えない構成としてもよい。
【0196】
また、上記実施形態においては、スイング機構100、200が、姿勢保持部120、220を備える場合について説明したが、姿勢保持部120、220を備えるかどうか、姿勢保持部120、220を備える場合に、どのような形態とするかは任意に設定可能であり、例えば、スイング機構100、200をブラケット以外のブロック等により構成としてもよい。
【0197】
また、上記実施形態においては、スイング機構100、200が、復元バネ(復元部材)130、230を備える場合について説明したが、復元バネ(復元部材)130、230を備えるかどうか、復元バネ(復元部材)130、230を備える場合に、どのような形態とするかは任意に設定可能であり、例えば、復元バネ(復元部材)130、230に代えて、板バネやスプリング等によって復元バネ(復元部材)130、230を構成としてもよい。
【0198】
また、上記実施形態においては、トグル機構110、210が、第2ブラケット(第1リンク部材)112、212と、第3ブラケット(第2リンク部材)113、213を備える場合について説明したが、第1リンク部材、第2リンク部材をブラケット以外のブロック等により構成としてもよい。
【0199】
また、上記実施形態においては、第1回動軸、第2回動軸、第3回動軸、第4回動軸、アーム回動軸が、ピンにより構成される場合について説明したが、第1回動軸、第2回動軸、第3回動軸、第4回動軸、アーム回動軸における各部材同士の連結形態をどうするかは任意に設定することが可能であり、例えば、いずれか一方の部材に形成された軸を対応する部材に形成された穴に挿入してもよいし、いずれか一方の部材に形成された回動用突起を対応する部材に形成された穴に挿入してもよい。
【0200】
また、上記実施形態においては、第2ブラケット(第1リンク部材)112、212に操作ペダル112C,212Cが形成されている場合について説明したが、操作ペダル112C、212Cを備えるかどうか、操作ペダルを備える場合に、操作ペダルの形態をどのようにするかは任意に設定することができる。
【0201】
また、上記第2実施形態においては、第3ブラケット(第2リンク部材)213に解除ペダル213Cが形成されている場合について説明したが、解除ペダル213Cを備えるかどうか、解除ペダルを備える場合に、解除ペダルの形態をどのようにするかは任意に設定することができる。
【0202】
また、第1実施形態においては、スイング機構100が、ゴム(弾性部材)114Eを備えていて、ゴム(弾性部材)114Eが第4ブラケット(自在継手部)に配置されて、第4ピン(第4回動軸)124を介して、第4ブラケット(自在継手部)と第5ブラケット(アーム部材)115の間に付勢力が作用する場合について説明したが、弾性部材を備える構成とするかどうかは任意に設定することが可能であり、弾性部材を備えない構成としてもよい。
また、弾性部材として、ゴムに代えて、他の材質を用いたり、スプリングや板バネからなる弾性部材を備えてもよい。
また、第4ブラケット(自在継手部)114と第5ブラケット(アーム部材)115の間に配置するのに代えて、第1ブラケット111~第5ブラケット115のいずれかを連結する回動軸121、122、123、124、125のいずれかを介して弾性部材を配置してもよいし、複数箇所に弾性部材を配置してもよい。
【0203】
また、第2実施形態においては、スイング機構200が、自在継手ブロック(自在継手部)214により、弾性部材を介することなく第5ブラケット(アーム部材)215を支持している場合について説明したが、自在継手ブロック(自在継手部)214に代えて第1実施形態同様の第4ブラケットを用いて支持する構成としてもよい。また、第1実施形態と同様に、ゴム等の弾性部材を介することにより、第5ブラケット(アーム部材)215の間に付勢力が作用する構成としてもよい。
【0204】
また、上記実施形態においては、支柱部材20の長手方向に沿って長穴22が形成され、支柱保持部12に支柱部材係止ボルト(突出部)13が配置されている場合について説明したが、支柱保持部12の上下方向に沿って長穴が形成され、支柱部材20に支柱部材係止ボルト(突出部)等が配置された構成としてもよい。
【0205】
また、上記実施形態においては、係合部材が、差込みピン(係止部材)15、プランジャ部材30により構成される場合について説明したが、それらに限定されることなく任意に設定することができる。
例えば、係合部材が駆動源により駆動するシリンダー(エアー、油圧駆動等)であってもよい。
【0206】
また、上記実施形態においては、差込みピン(係止部材)15が折曲がり部(係合維持部)15Bを備えている場合について説明したが、係合維持部については任意に設定することが可能であり、折曲がり部(係合維持部)15Bを備えない構成としてもよいし、他の係合維持部を備えていてもよい。
【0207】
また、上記実施形態においては、支柱部材係止ボルト(突出部)13、513が、支柱保持部12、512の対向する壁部を跨いで形成され、又は支柱部材係止ピン(突出部)313が支柱保持部312の対向する壁部の双方に形成された長穴312Hに係合する場合について説明したが、支柱保持部12、512、支柱保持部312の対向する壁部のいずれか一方のみと係合する構成としてもよい。
【0208】
また、上記実施形態においては、支柱部材20の上側面20Aが荷受台10の荷受面10Aと面一又は低い位置に配置され、下側面20Bが荷受台10の下面10Bと面一又は高い位置に配置される場合について説明したが、支柱部材20の上側面20Aと荷受台10の荷受面10A、及び支柱部材20の下側面20Bと荷受台10の下面10Bとの高方向における位置関係は任意に設定することができる。例えば、支柱部材20の上側面20Aが荷受台10の荷受面10Aより高い位置に配置されてもよいし、下側面20Bが荷受台10の下面10Bよりも低い位置に配置されてもよい。
【0209】
また、キャスター収容部の形状、大きさ、構成、配置等については、キャスター収容部10U、キャスター収容部10Vに限定されず任意に設定することが可能であり、キャスター収容部を凹部、ガイド部材を備えた構成、貫通孔としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0210】
本発明に係る運搬台車によれば、安定的かつ効率的に運搬作業することができるので産業上利用可能である。
【符号の説明】
【0211】
θ トグル機構の交差角度
1、3、4、5、6 運搬台車
10 荷受台
10A 荷受面(荷受台上面)
10B 荷受台下面
10U、10V キャスター収容部
12、312、512 支柱保持部
12C 凹部
12H 挿入穴
13、513 支柱部材係止ボルト(突出部)
14 支柱係止穴(第2穴)
15 差込みピン(係止部材)
15A 差込みピン本体
15B 折曲がり部(係合維持部)
17 キャスター
171 自由輪キャスター
172 固定輪キャスター
17A 車輪部(キャスター)
17B、17C 車輪支持部(キャスター)
17D 車軸
18 支持部材傾動ストッパ(傾動位置設定部)
20 支柱部材
20A 支持部上側面(傾動状態)
20B 支持部下側面(傾動状態)
20F 支柱部材自由端
22 長穴
22A 長穴の下端部(第1端、第1穴部)
22B 長穴の上端部(第2端)
30 プランジャ部材(係止部材)
31 コイルバネ(付勢部材)
32 係止ピン(係止部)
100、200 スイング機構
110、210 トグル機構
112、212 第2ブラケット(第1リンク部材)
113、213 第3ブラケット(第2リンク部材)
114 第4ブラケット(自在継手部)
214 自在継手ブロック(自在継手部)
115、215 第5ブラケット(アーム部材)
120、220 姿勢保持部
121、221 第1ピン(第1回動軸)
122、222 第2ピン(第2回動軸)
123、223 第3ピン(第3回動軸)
124、224 第4ピン(第4回動軸)
125、225 第5ピン(アーム回動軸)
130、230 復元バネ(復元部材)
312 支柱保持部
312H 長穴
312A 長穴の上端部(第1端)
312B 長穴の上端部(第2端)
313 支柱部材係止ピン(突出部)
314 支柱係止穴(第2穴)
320 支柱部材
324 支柱被係止穴(第1穴)
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