(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-02
(45)【発行日】2023-08-10
(54)【発明の名称】X線線量管理システム及びX線線量管理方法
(51)【国際特許分類】
A61B 6/10 20060101AFI20230803BHJP
A61B 6/14 20060101ALI20230803BHJP
G01T 1/00 20060101ALI20230803BHJP
【FI】
A61B6/10 303
A61B6/14 300
G01T1/00 B
(21)【出願番号】P 2019207602
(22)【出願日】2019-11-18
【審査請求日】2022-08-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000141598
【氏名又は名称】株式会社吉田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】原田 康雄
(72)【発明者】
【氏名】細田 健一
(72)【発明者】
【氏名】高橋 信生
(72)【発明者】
【氏名】稲垣 大吾
【審査官】蔵田 真彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-195811(JP,A)
【文献】特開2015-112391(JP,A)
【文献】特開2004-147907(JP,A)
【文献】特開2005-305137(JP,A)
【文献】国際公開第2016/208229(WO,A1)
【文献】特開2012-217572(JP,A)
【文献】国際公開第2019/208679(WO,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0004781(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00-6/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
口内法X線撮影装置と、X線撮像素子と、情報読取装置と、情報端末と、を備えるX線線量管理システムであって、
前記口内法X線撮影装置は、
口内法によるX線撮影をするための撮影条件を設定するための撮影条件設定部と、
撮影日時の識別情報、線量情報および前記撮影条件を含む出力情報を作成する出力情報作成部と、
前記出力情報を無線通信により外部装置へ送信する情報通信部と、を有し、
前記X線撮像素子は、
前記X線撮影によるX線画像情報を取得するX線画像情報取得部と、
前記口内法X線撮影装置から前記出力情報を受信する無線タグと、を有し、
前記情報読取装置は、
前記無線タグに記録されている前記出力情報を読み取る出力情報読取部と、
読み取った出力情報を前記情報端末へ送信する情報通信部と、を有し、
前記情報端末は、
X線撮影の対象の患者に関する患者情報を記憶した内部記憶部または外部データベースから前記患者情報を呼び出す患者情報呼出部と、
前記出力情報を受信する通信部と、
受信した出力情報と前記患者情報呼出部により呼び出された患者情報とを関連付けて前記内部記憶部または外部データベースに記録する出力情報処理部と、を有する、ことを特徴とするX線線量管理システム。
【請求項2】
前記X線撮像素子は、イメージングプレートであり、
前記情報読取装置は、前記イメージングプレートに記録されたX線画像情報を読み取るX線画像情報読取部を有し、
前記情報通信部は、読み取ったX線画像情報を前記情報端末へ送信する
ことを特徴とする請求項1に記載のX線線量管理システム。
【請求項3】
前記X線撮像素子は、CCDセンサまたはCMOSセンサであり、
前記X線撮像素子は、前記X線画像情報を前記情報端末へ送信するX線画像情報通信部を有し、
前記情報端末は、前記X線画像情報を取得するためのX線画像情報取得部を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載のX線線量管理システム。
【請求項4】
前記情報読取装置および前記情報端末の少なくともいずれか一方は、前記出力情報と前記X線画像情報とを関連付ける画像情報処理部を有する
ことを特徴とする請求項2に記載のX線線量管理システム。
【請求項5】
前記情報端末は、前記出力情報と前記X線画像情報とを関連付ける画像情報処理部を有する
ことを特徴とする請求項3に記載のX線線量管理システム。
【請求項6】
前記無線タグは、RFIDである
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のX線線量管理システム。
【請求項7】
前記口内法X線撮影装置は、
前記X線撮像素子が無線タグを有しているか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって無線タグを有していないと判定された場合、前記出力情報を無線通信により前記情報端末へ送信する出力情報通信部と、を有する、
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のX線線量管理システム。
【請求項8】
口内法X線撮影装置と、X線撮像素子と、情報端末と、を備えるX線線量管理システムであって、
前記口内法X線撮影装置は、
口内法によるX線撮影をするための撮影条件を設定するための撮影条件設定部と、
撮影日時の識別情報、線量情報および前記撮影条件を含む出力情報を作成する出力情報作成部と、
前記出力情報を無線通信により外部装置へ送信する出力情報通信部と、を有し、
前記X線撮像素子は、
前記X線撮影によるX線画像情報を取得するX線画像情報取得部を有し、
前記情報端末は、
X線撮影の対象の患者に関する患者情報を記憶した内部記憶部または外部データベースから前記患者情報を呼び出す患者情報呼出部と、
前記出力情報を受信する通信部と、
受信した出力情報と前記患者情報呼出部により呼び出された患者情報とを関連付けて前記内部記憶部または外部データベースに記録する出力情報処理部と、を有する、ことを特徴とするX線線量管理システム。
【請求項9】
前記口内法X線撮影装置は、X線撮影の撮影日時の識別情報を、イメージングプレートに設けられた無線タグへ送信する識別情報通信部を有し、
前記X線線量管理システムは、情報読取装置を備え、
前記情報読取装置は、
前記イメージングプレートに記録されているX線画像情報を読み取るX線画像情報読取部と、
前記無線タグに記録されている前記撮影日時の識別情報を読み取る識別情報読取部と、
読み取った撮影日時の識別情報および読み取ったX線画像情報を前記情報端末へ送信する情報通信部と、を有し、
前記情報端末は、前記情報読取装置から受信した撮影日時の識別情報と、前記出力情報に含まれる撮影日時の識別情報とを照合し、前記情報読取装置から受信した識別情報で識別されるX線画像情報を前記出力情報に関連付ける画像情報処理部を備えることを特徴とする請求項8に記載のX線線量管理システム。
【請求項10】
前記口内法X線撮影装置は、X線撮影の撮影日時の識別情報を、イメージングプレートに設けられた無線タグへ送信する識別情報通信部を有し、
前記X線線量管理システムは、情報読取装置を備え、
前記情報読取装置は、
前記イメージングプレートに記録されているX線画像情報を読み取るX線画像情報読取部と、
前記無線タグに記録されている前記撮影日時の識別情報を読み取る識別情報読取部と、
前記口内法X線撮影装置から前記出力情報を受信する情報受信部と、
前記無線タグから読み取った撮影日時の識別情報と、前記出力情報に含まれる撮影日時の識別情報とを照合し、前記無線タグから読み取った識別情報で識別されるX線画像情報を前記出力情報に関連付ける画像情報処理部と、
読み取ったX線画像情報および関連付けた出力情報を前記情報端末へ送信する情報通信部と、
を有することを特徴とする請求項8に記載のX線線量管理システム。
【請求項11】
前記X線撮像素子はCCDセンサまたはCMOSセンサであり、
前記X線撮像素子は、前記X線画像情報を前記情報端末へ送信するX線画像情報通信部を有し、
前記情報端末は、
前記X線画像情報を取得するためのX線画像情報取得部と、
前記通信部で受信した出力情報に含まれる撮影日時の識別情報に基づいて、当該出力情報と前記X線画像情報取得部で取得したX線画像情報とを関連付ける画像情報処理部と、を備える、ことを特徴とする請求項8に記載のX線線量管理システム。
【請求項12】
前記出力情報は、撮影部位に関する撮影部位情報を含み、
前記情報端末は、前記撮影部位情報に基づいて、撮影画像を所定位置に配置して表示する
ことを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか一項に記載のX線線量管理システム。
【請求項13】
口内法X線撮影装置と、X線撮像素子と、情報読取装置と、情報端末と、を備えるX線線量管理システムにおけるX線線量管理方法であって、
前記口内法X線撮影装置が、
口内法によるX線撮影をするための撮影条件の設定を受け付けるステップと、
撮影日時の識別情報、線量情報および前記撮影条件を含む出力情報を作成するステップと、
前記出力情報を無線通信により外部装置へ送信するステップと、
前記X線撮像素子に設けられた無線タグが、
前記口内法X線撮影装置から前記出力情報を受信するステップと、
前記情報読取装置が、
前記無線タグに記録されている前記出力情報を読み取るステップと、
読み取った出力情報を前記情報端末へ送信するステップと、
前記情報端末が、
X線撮影の対象の患者に関する患者情報を記憶した内部記憶部または外部データベースから前記患者情報を呼び出すステップと、
前記出力情報を受信するステップと、
受信した出力情報と呼び出された患者情報とを関連付けて前記内部記憶部または外部データベースに記録するステップと、
を有することを特徴とするX線線量管理方法。
【請求項14】
口内法X線撮影装置と、X線撮像素子と、情報端末と、を備えるX線線量管理システムにおけるX線線量管理方法であって、
前記口内法X線撮影装置が、
口内法によるX線撮影をするための撮影条件の設定を受け付けるステップと、
撮影日時の識別情報、線量情報および前記撮影条件を含む出力情報を作成するステップと、
前記出力情報を無線通信により外部装置へ送信するステップと、
前記X線撮像素子が、
前記X線撮影によるX線画像情報を取得するステップと、
前記情報端末が、
X線撮影の対象の患者に関する患者情報を記憶した内部記憶部または外部データベースから前記患者情報を呼び出すステップと、
前記出力情報を受信するステップと、
受信した出力情報と呼び出された患者情報とを関連付けて前記内部記憶部または外部データベースに記録するステップと、を有することを特徴とするX線線量管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、X線線量管理システム及びX線線量管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、歯科用のX線パノラマ撮影装置が知られている(特許文献1参照)。従来のデジタルパノラマ撮影やCT撮影では、各撮影時に、情報端末で患者情報を呼び出し、その情報端末上で撮影条件等を決定した上で、患者を導入して撮影を行っている。そのため、X線画像情報、患者情報と撮影条件を関連付けることが容易であり、線量管理も容易に行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、X線撮像素子を患者の口腔内に配置する口内法X線撮影においては、撮影条件を口内法X線撮影装置側で設定し、X線撮像素子によってX線画像情報を取得する撮影を行っている。その撮影後、口内法X線撮影装置とは別の情報端末で、X線撮像素子に記録されているX線画像情報を取得する。このX線画像情報は、撮影条件等を含むものではない。そのため、X線画像情報、患者情報および撮影条件等の関連付けがなされることはない。必要であれば、歯科医師等が自ら患者情報に撮影条件等を入力する必要があった。
【0005】
本発明は、前記した事情に鑑みてなされたものであり、口内法X線撮影での患者毎の被ばく線量を管理するX線線量管理システム及びX線線量管理方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明に係るX線線量管理システムは、口内法X線撮影装置と、X線撮像素子と、情報読取装置と、情報端末と、を備えるX線線量管理システムであって、前記口内法X線撮影装置は、口内法によるX線撮影をするための撮影条件を設定するための撮影条件設定部と、撮影日時の識別情報、線量情報および前記撮影条件を含む出力情報を作成する出力情報作成部と、前記出力情報を無線通信により外部装置へ送信する情報通信部と、を有し、前記X線撮像素子は、前記X線撮影によるX線画像情報を取得するX線画像情報取得部と、前記口内法X線撮影装置から前記出力情報を受信する無線タグと、を有し、前記情報読取装置は、前記無線タグに記録されている前記出力情報を読み取る出力情報読取部と、読み取った出力情報を前記情報端末へ送信する情報通信部と、を有し、前記情報端末は、X線撮影の対象の患者に関する患者情報を記憶した内部記憶部または外部データベースから前記患者情報を呼び出す患者情報呼出部と、前記出力情報を受信する通信部と、受信した出力情報と前記患者情報呼出部により呼び出された患者情報とを関連付けて前記内部記憶部または外部データベースに記録する出力情報処理部と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、口内法X線撮影での患者毎の被ばく線量を管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の第1実施形態に係るX線線量管理システムの構成を模式的に示すブロック図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係るX線線量管理システムにおける処理の流れを模式的に示すシーケンス図である。
【
図3A】本発明の第1実施形態に係るX線線量管理システムにおける情報の流れを模式的に示すブロック図である。
【
図3B】本発明の第2実施形態に係るX線線量管理システムにおける情報の流れを模式的に示すブロック図である。
【
図3C】本発明の第3実施形態に係るX線線量管理システムにおける情報の流れを模式的に示すブロック図である。
【
図4】本発明の第2実施形態に係るX線線量管理システムの構成を模式的に示すブロック図である。
【
図5】本発明の第2実施形態に係るX線線量管理システムにおける処理の流れを模式的に示すシーケンス図である。
【
図6】本発明の第3実施形態に係るX線線量管理システムの構成を模式的に示すブロック図である。
【
図7】本発明の第3実施形態に係るX線線量管理システムにおける処理の流れを模式的に示すシーケンス図である。
【
図8】本発明の第4実施形態に係るX線線量管理システムの構成を模式的に示すブロック図である。
【
図9】本発明の第4実施形態に係るX線線量管理システムにおける処理の流れを模式的に示すシーケンス図である。
【
図10A】本発明の第5実施形態に係るX線線量管理システムにおける情報の流れを模式的に示すブロック図である。
【
図10B】本発明の第6実施形態に係るX線線量管理システムにおける情報の流れを模式的に示すブロック図である。
【
図10C】本発明の第7実施形態に係るX線線量管理システムにおける情報の流れを模式的に示すブロック図である。
【
図10D】本発明の第8実施形態に係るX線線量管理システムにおける情報の流れを模式的に示すブロック図である。
【
図11】本発明の第5実施形態に係るX線線量管理システムの構成を模式的に示すブロック図である。
【
図12】本発明の第5実施形態に係るX線線量管理システムにおける処理の流れを模式的に示すシーケンス図である。
【
図13】本発明の第6実施形態に係るX線線量管理システムの構成を模式的に示すブロック図である。
【
図14】本発明の第6実施形態に係るX線線量管理システムにおける処理の流れを模式的に示すシーケンス図である。
【
図15】本発明の第7実施形態に係るX線線量管理システムの構成を模式的に示すブロック図である。
【
図16】本発明の第7実施形態に係るX線線量管理システムにおける処理の流れを模式的に示すシーケンス図である。
【
図17】本発明の第8実施形態に係るX線線量管理システムの構成を模式的に示すブロック図である。
【
図18】本発明の第8実施形態に係るX線線量管理システムにおける処理の流れを模式的に示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施形態)
[X線線量管理システムの構成]
図1に示すように、X線線量管理システム1は、口内法X線撮影装置10(以下、デンタルレントゲン10ともいう)と、X線撮像素子50と、情報読取装置70と、情報端末30と、を備えている。
口内法X線撮影装置10は、X線管11と、制御部としての撮影条件設定部12と、出力情報作成部13と、情報通信部14と、を有している。X線管11は、X線撮影に使用される一般的な構成部材である。撮影条件設定部12は、口内法によるX線撮影をするための撮影条件の設定を受け付ける。撮影条件には、例えば出力電圧(kV)、出力電流(mA)、撮影時間(sec)等を含む。
【0010】
出力情報作成部13は、撮影日時の識別情報、線量情報および撮影条件を含む出力情報を作成する。出力情報作成部13は、所定の必要事項を表形式など所定の様式で記入した出力情報を作成する。ここで、撮影日時は、例えば撮影日の時分秒を含む。また、線量情報は、歯科の治療時に撮影されるデンタルX線の放射線の量(シーベルト)を含んでいる。なお、標準型フィルム10枚で撮影する方法(10枚法)や14枚で撮影する方法(14枚法)等が知られており、例えば10枚法の場合、デンタルX線10枚の放射線の量を線量情報としてもよい。この出力情報には、さらに撮影部位に関する撮影部位情報を含めてもよい。撮影部位情報は、例えば10枚法等の標準的な撮影法において、予め指定されている位置の情報を用いることができる。
情報通信部14は、出力情報を無線通信により外部装置である無線タグ60へ送信する。この情報通信部14は、出力情報を無線タグ60へ書き込む。
【0011】
無線タグ60は、非接触タグ、例えば、RFID(Radio Frequency Identification)を利用したRFタグやマイクロチップ等である。以下では、無線タグ60は、一例としてRFIDを利用したタグであるものとして説明する。この場合、情報通信部14は、RFIDリーダライタを備える。
【0012】
X線撮像素子50としては、一般的な口内法X線撮影装置でX線撮影に使用されるX線撮像素子全般を用いることができる。X線撮像素子50は、例えばX線フィルム、イメージングプレート(以下、IPと表記する)、CCD(Charge Coupled Device)センサ、CMOS(Complementary MOS)センサ等である。
【0013】
X線撮像素子50は、X線画像情報取得部52と、無線タグ60と、を有している。X線画像情報取得部52は、X線撮影によるX線画像情報を取得する部材である。無線タグ60は、X線撮像素子50においてX線撮影の邪魔にならない裏面等の所定位置に貼着されており、口内法X線撮影装置10から出力情報を受信する。
【0014】
情報読取装置70は、無線タグ60から出力情報を読み取る装置である。情報読取装置70は、出力情報読取部72と、情報通信部74と、を有している。出力情報読取部72は、無線タグ60に記録されている出力情報を読み取る(リードする)ものである。出力情報読取部72は、無線タグ60がRFIDを利用したタグである場合、RFIDリーダライタを備える。情報通信部74は、出力情報読取部72で読み取った出力情報を情報端末30へ送信するものである。情報通信部74と情報端末30との間の通信は、有線でも無線でもよい
【0015】
情報端末30は、患者情報記憶部(内部記憶部)31と、患者情報呼出部32と、通信部33と、出力情報処理部34と、を有している。この情報端末30は、例えばパーソナルコンピュータ(PC)、タブレット型PC、スマートフォンで構成することができる。
【0016】
患者情報記憶部(内部記憶部)31は、患者情報を記憶するものであり、例えば一般的なメモリ等で構成される。患者情報は、X線撮影の対象の患者に関する情報全般であり、例えば患者を識別する個人情報、治療情報、線量情報等を含んでいる。線量情報は、例えば1年間の累積線量の情報を含んでいる。
【0017】
なお、患者情報は、内部記憶部の代わりに情報端末30の外部にある外部データベース40に記憶するようにしてもよい。外部データベース40は、レセプトコンピュータや、歯科医院内のPC等のネットワーク装置に構築されたものでもよいし、クラウド等のネットワーク装置に構築されたものでもよい。
【0018】
患者情報呼出部32は、患者情報を記憶した患者情報記憶部31または外部データベース40から患者情報を手動または自動的に呼び出すものである。手動で呼び出す場合、例えばオペレータが情報端末30を操作することで、患者情報呼出部32は、X線撮影の対象の患者に関する患者情報を読み出して情報端末30の画面表示部に表示させる。また、オペレータが意識して呼び出さなくても、予め定められた事象が発生したことをトリガとして、患者情報を記憶した外部データベース40から患者情報を自動で呼び出して表示させることもできる。例えば、該当患者の診療予約時間などの所定の時間になったことをトリガにしてもよい。また、受付時などに該当患者の診察券から情報を読み込む操作などの所定の操作が行われたことをトリガにしてもよい。また、口内法X線撮影装置10に患者の顔を撮影するカメラを設け、このカメラで患者の顔を撮影して撮影画像の顔認識により患者が特定されたことをトリガにしてもよい。以下では、一例として、患者情報呼出部32は、オペレータが情報端末30を操作することで、情報端末30の画面表示部に表示させるものとして説明する。
【0019】
通信部33は、情報通信網と通信するといった情報端末30の一般的な通信機能である。通信部33は、無線通信または有線により、情報読取装置70から出力情報を受信する。出力情報処理部34は、受信した出力情報と患者情報呼出部32により呼び出された患者情報とを関連付けて患者情報記憶部31または外部データベース40に記録するものである。
【0020】
情報端末30は、当該情報端末30においてX線画像情報を読み出して情報端末30の画面表示部に表示させる制御や、X線画像情報を記録する制御を行うために画像情報処理部35を備えてもよい。出力情報が、前記したように撮影部位に関する撮影部位情報を含んでいる場合、画像情報処理部35は、撮影部位情報に基づいて、撮影画像を所定位置に配置して表示する。出力情報が、撮影部位情報を含んでいない場合、情報端末30は、撮影画像の画像処理によって撮影部位を推定し、推定された撮影部位に基づいて、撮影画像を所定の位置に配置してもよい。
【0021】
X線線量管理システム1は、X線撮像素子50が例えばIPであれば、X線画像読取装置80を備える。X線画像読取装置80は、X線画像情報読取部81と、情報通信部82と、を備えている。X線画像情報読取部81は、IPからX線画像情報を読み取る(スキャンする)ものである。情報通信部82は、IPから読み取ったX線画像情報を、外部の装置に送信するものである。情報通信部82は、X線画像情報を例えば情報端末30に送信する。このX線画像読取装置80は、いわゆるIPスキャナで構成することができる。
【0022】
[X線線量管理システムの動作]
次に、X線線量管理システム1の動作について
図2を参照(適宜
図1参照)して説明する。口内法X線撮影装置10は、撮影条件設定部12によって、撮影条件の設定を受け付ける(ステップS1)。そして、患者の口腔内にX線撮像素子50が挿入された状態で、口内法X線撮影装置10は、撮影を行う(ステップS2)。これにより、X線撮像素子50は、X線画像情報を取得する(ステップS3)。そして、患者の口腔内からX線撮像素子50が取り出される。
【0023】
そして、口内法X線撮影装置10は、撮影日時の識別情報、線量情報および撮影条件を含む出力情報を作成する(ステップS5)。そして、口内法X線撮影装置10は、出力情報を、情報通信部14からX線撮像素子50に設けられた無線タグ60へ送信する(ステップS7)。無線タグ60は、口内法X線撮影装置10から出力情報を受信する(ステップS9)。
【0024】
一方、オペレータが情報端末30を操作し、情報端末30には、X線撮影の対象の患者に関する患者情報を記憶した患者情報記憶部31または外部データベース40から患者情報が呼び出される(ステップS11)。また、オペレータが無線タグ60付きのX線撮像素子50を情報読取装置70に近づける。情報読取装置70は、無線タグ60に記録されている出力情報を読み取る(ステップS13)。そして、情報読取装置70は、読み取った出力情報を情報端末30へ送信する(ステップS15)。情報端末30は、情報読取装置70から出力情報を受信する(ステップS17)。そして、情報端末30は、受信した出力情報と患者情報呼出部32により呼び出された患者情報とを関連付けて患者情報記憶部31または外部データベース40に記録する(ステップS19)。
【0025】
上記した出力情報は、
図3Aの左側に示すように、デンタルレントゲン(口内法X線撮影装置)10→無線タグ60→情報読取装置70→情報端末30の順に伝送される。一方、画像情報については、X線撮像素子50が例えばIPであれば、
図3Aの右側に示すように、デンタルレントゲン(口内法X線撮影装置)10→X線撮像素子50→X線画像読取装置80→情報端末30の順に伝送される。すなわち、
図2に示すように、X線画像読取装置80が、X線撮像素子50に記録されているX線画像情報を読み取る(ステップS21)。そして、X線画像読取装置80は、読み取ったX線画像情報を情報端末30へ送信する(ステップS22)。これにより、情報端末30は、X線画像情報を受信する(ステップS23)。なお、上記した処理の流れは、一例であって、処理の順序は適宜変更可能である。例えばステップS11の処理を最初に行っても構わない。
【0026】
X線線量管理システム1によれば、口内法X線撮影装置10上で撮影条件等を決定して撮影を行って作成した出力情報を、無線タグ60および情報読取装置70を介して情報端末30に伝送することができる。そのため、口内法X線撮影時に情報端末30にて呼び出した患者情報を出力情報すなわち線量情報や撮影条件等と関連付けることで、患者毎の被ばく線量を管理することができる。
【0027】
(第2実施形態)
次に、X線撮像素子50がIPであり、かつ、情報読取装置70がIPスキャナの機能を有している実施形態について説明する。なお、以下の実施形態の説明では、第1実施形態と同じ構成には同じ符号を付して説明を適宜省略し、異なる機能や異なる構成について説明する。
【0028】
[X線線量管理システムの構成]
図4に示すように、X線線量管理システム1Bは、口内法X線撮影装置10と、X線撮像素子としてのIP50Bと、情報読取装置70Bと、情報端末30Bと、を備えている。
【0029】
IP50Bは、X線画像情報取得部52Bと、無線タグ60と、を有している。X線画像情報取得部52Bは、IPの基材上に塗布された画像記録用の蛍光体層からなり、X線撮影によるX線画像情報を取得する。無線タグ60は、IPの基材において蛍光体層が配置された側とは反対側に当たる裏面に貼着されている。
【0030】
情報読取装置70Bは、出力情報読取部72と、情報通信部74Bと、X線画像情報読取部76を有している。X線画像情報読取部76は、IP50Bに記録されたX線画像情報を読み取るものである。情報通信部74Bは、読み取ったX線画像情報を情報端末30Bへ送信する。X線画像情報読取部76および情報通信部74Bは、いわゆるIPスキャナで構成することができる。つまり、情報読取装置70Bは、公知のIPスキャナの所定箇所に、例えばRFIDリーダライタからなる出力情報読取部72を配設して構成することができる。
【0031】
情報端末30Bは、患者情報記憶部(内部記憶部)31と、患者情報呼出部32と、通信部33Bと、出力情報処理部34と、画像情報処理部35と、を有している。通信部33Bは、情報読取装置70Bから出力情報を受信すると共に、X線画像情報も受信する。
【0032】
画像情報処理部35は、出力情報とX線画像情報とを関連付ける。画像情報処理部35は、出力情報とX線画像情報とを関連付けて患者情報記憶部31または外部データベース40に記録する。これにより、線量情報や撮影条件を含む出力情報と、X線画像情報と、患者情報とを関連付けることができる。
【0033】
変形例として、情報読取装置70Bが、出力情報とX線画像情報とを関連付ける画像情報処理部35を備えることとしてもよい。また、情報読取装置70Bおよび情報端末30Bの少なくともいずれか一方に、出力情報とX線画像情報とを関連付ける画像情報処理部35を有することとしてもよい。
【0034】
[X線線量管理システムの動作]
次に、X線線量管理システム1Bの動作について
図5を参照(適宜
図4参照)して説明する。なお、以下の説明では、第1実施形態と同じ処理には同じ符号を付して説明を適宜省略し、異なる機能や異なる処理について説明する。
【0035】
口内法X線撮影装置10は、撮影条件の設定を受け付けて(ステップS1)、撮影を行う(ステップS2)。IP50Bは、X線画像情報を取得する(ステップS3B)。そして、口内法X線撮影装置10は、出力情報を作成して(ステップS5)、出力情報をIP50Bに設けられた無線タグ60へ送信する(ステップS7B)。IP50Bに設けられた無線タグ60は、出力情報を受信する(ステップS9B)。
【0036】
また、オペレータが無線タグ60付きのIP50Bを情報読取装置70Bに挿入する。情報読取装置70Bは、無線タグ60に記録されている出力情報を読み取る(ステップS13)。また、情報読取装置70Bは、IP50Bに記録されているX線画像情報を読み取る(ステップS21B)。そして、情報読取装置70Bは、読み取った出力情報を情報端末30Bへ送信し(ステップS15)、読み取ったX線画像情報を情報端末30Bへ送信する(ステップS22)。これにより、情報端末30Bは、情報読取装置70Bから出力情報を受信し(ステップS17)、X線画像情報を受信する(ステップS23)。そして、情報端末30Bは、画像情報処理部35によって、受信した出力情報と、受信したX線画像情報とを関連付ける(ステップS24)。また、情報端末30Bは、受信した出力情報と、ステップS11で呼び出された患者情報とを関連付けて患者情報記憶部31または外部データベース40に記録する(ステップS19)。
【0037】
変形例として、情報読取装置70Bが、画像情報処理部35を備えている場合、読み取った出力情報と、読み取ったX線画像情報とを関連付け(ステップS31)、その後に、ステップS15およびステップS22にて、出力情報とX線画像情報とを情報端末30Bに送信してもよい。なお、ステップS13とステップS21Bの実行順序は逆順でも同時でもよい。また、ステップS15とステップS22や、ステップS17とステップS23の実行順序は、逆順でも同時でもよい。
【0038】
上記した出力情報は、
図3Bの左側に示すように、デンタルレントゲン(口内法X線撮影装置)10→無線タグ60→情報読取装置70B→情報端末30Bの順に伝送される。これにより、X線線量管理システム1Bは、第1実施形態と同様に、患者毎の被ばく線量を管理することができる。なお、画像情報については、
図3Bの右側に示すように、デンタルレントゲン(口内法X線撮影装置)10→IP50B→情報読取装置70B→情報端末30Bの順に伝送される。
【0039】
(第3実施形態)
次に、X線撮像素子50がCCDセンサである実施形態について説明する。なお、以下の実施形態の説明では、第1実施形態と同じ構成には同じ符号を付して説明を適宜省略し、異なる機能や異なる構成について説明する。
【0040】
[X線線量管理システムの構成]
図6に示すように、X線線量管理システム1Cは、口内法X線撮影装置10と、X線撮像素子としてのCCDセンサ50Cと、情報読取装置70と、情報端末30Cと、を備えている。
【0041】
CCDセンサ50Cは、X線画像情報取得部52Cと、X線画像情報通信部54と、無線タグ60と、を有する。X線画像情報取得部52Cは、CCDセンサの筐体の外表面を形成する受光面と、受光面の下に配置されたシンチレータ(蛍光体層)と、シンチレータからの光を導光する光ファイバ束と、光ファイバ束からの光を電気信号に変換するCCD素子とを備え、X線撮影によるX線画像情報を取得する。無線タグ60は、CCDセンサの筐体において受光面以外の面(裏面や側面)に貼着されている。X線画像情報通信部54は、X線画像情報を情報端末30Cへ送信するものである。X線画像情報通信部54は、例えばCCD素子からの電気信号を情報端末30Cへ伝送する通信ケーブルで構成される。なお、X線画像情報を情報端末30Cへ送信する通信は有線でも無線でも構わない。
【0042】
情報端末30Cは、患者情報記憶部(内部記憶部)31と、患者情報呼出部32と、通信部33と、出力情報処理部34と、画像情報処理部35と、X線画像情報取得部36と、を有している。X線画像情報取得部36は、CCDセンサ50Cから、X線画像情報を取得するものである。CCDセンサ50CのX線画像情報通信部54が通信ケーブルで構成されている場合、X線画像情報取得部36も通信ケーブルで構成される。なお、X線画像情報を受信する通信は有線でも無線でも構わない。X線線量管理システム1Cの変形例として、X線撮像素子として、CCDセンサ50Cの代わりに、CCDセンサとは製造プロセスと信号の読み出し方法が異なるCMOSセンサを用いてもよい。
【0043】
[X線線量管理システムの動作]
次に、X線線量管理システム1Cの動作について
図7を参照(適宜
図6参照)して説明する。なお、以下の説明では、第1実施形態と同じ処理には同じ符号を付して説明を適宜省略し、異なる機能や異なる処理について説明する。
【0044】
口内法X線撮影装置10は、撮影条件の設定を受け付けて(ステップS1)、撮影を行う(ステップS2)。CCDセンサ50Cは、X線画像情報を取得し(ステップS3C)、X線画像情報を情報端末30Cに送信する(ステップS41)。情報端末30Cは、CCDセンサ50CからX線画像情報を受信する(ステップS42)。そして、口内法X線撮影装置10は、出力情報を作成して(ステップS5)、出力情報をCCDセンサ50Cに設けられた無線タグ60へ送信する(ステップS7C)。CCDセンサ50Cに設けられた無線タグ60は、出力情報を受信する(ステップS9C)。
【0045】
また、オペレータが無線タグ60付きのCCDセンサ50Cを情報読取装置70に近づける。情報読取装置70は、無線タグ60に記録されている出力情報を読み取り(ステップS13)、読み取った出力情報を情報端末30Cへ送信する(ステップS15)。これにより、情報端末30Cは、情報読取装置70から出力情報を受信する(ステップS17)。そして、情報端末30Cは、画像情報処理部35によって、ステップS17で受信した出力情報と、ステップS42で受信したX線画像情報とを関連付ける(ステップS43)。また、情報端末30Cは、受信した出力情報と、ステップS11で呼び出された患者情報とを関連付けて記録する(ステップS19)。なお、ステップS17とステップS42の実行順序は逆順でもよい。
【0046】
上記した出力情報は、
図3Cの左側に示すように、デンタルレントゲン(口内法X線撮影装置)10→無線タグ60→情報読取装置70→情報端末30Cの順に伝送される。これにより、X線線量管理システム1Cは、第1実施形態と同様に、患者毎の被ばく線量を管理することができる。なお、画像情報については、
図3Cの右側に示すように、デンタルレントゲン(口内法X線撮影装置)10→CCDセンサ50C→情報端末30Cの順に伝送される。
【0047】
(第4実施形態)
次に、X線撮像素子50に無線タグ60がない場合にも対処する実施形態について説明する。なお、以下の実施形態の説明では、第1実施形態と同じ構成には同じ符号を付して説明を適宜省略し、異なる機能や異なる構成について説明する。
【0048】
[X線線量管理システムの構成]
図8に示すように、X線線量管理システム1Dは、口内法X線撮影装置10Dと、X線撮像素子50と、情報読取装置70と、情報端末30Dと、を備えている。口内法X線撮影装置10Dは、X線管11と、制御部としての撮影条件設定部12と、出力情報作成部13と、情報通信部14と、判定部16と、出力情報通信部15と、を有している。
【0049】
判定部16は、X線撮像素子50が無線タグ60を有しているか否かを判定するものである。無線タグ60の有無の検出手段は、例えば、センサやカメラである。センサは、例えば赤外線、超音波、可視光等を用いて物体の所在を検知するものを用いることができる。センサは、非接触で物体の有無を検出する光電センサでも構わない。出力情報通信部15は、判定部16によって無線タグ60を有していないと判定された場合、無線通信により出力情報を情報端末30Dへ送信する。無線通信規格には、例えばWi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)等の無線LAN(Local Area Network)を含む。なお、X線撮像素子50が無線タグ60を有している場合、情報通信部14が、第1実施形態と同じ動作をする。
【0050】
情報端末30Dは、患者情報記憶部(内部記憶部)31と、患者情報呼出部32と、通信部33Dと、出力情報処理部34と、画像情報処理部35と、を有している。
通信部33Dは、口内法X線撮影装置10Dの出力情報通信部15から、無線通信により出力情報を受信する。
【0051】
[X線線量管理システムの動作]
次に、X線線量管理システム1Dの動作について
図9を参照(適宜
図8参照)して説明する。
図9のシーケンス図は、ステップS6およびステップS8の処理を除いて、
図2のシーケンス図と同様である。口内法X線撮影装置10Dは、出力情報を外部装置へ送信する前に、判定部16によって、X線撮像素子50が無線タグ60を有しているか否かを判定する(ステップS6)。無線タグ60を有している場合(ステップS6:Yes)、出力情報を無線タグ60へ送信する(ステップS7)。一方、ステップS6において、X線撮像素子50が無線タグ60を有していない場合(ステップS6:No)、出力情報通信部15は、無線通信により、出力情報を情報端末30Dへ送信する(ステップS8)。以降のX線線量管理システム1Dの処理は、第1実施形態のX線線量管理システム1と同じなので説明を省略する。
【0052】
第4実施形態に係るX線線量管理システム1Dは、出力情報を、無線タグ60を介して情報端末30Dに伝送するモードと、出力情報を情報端末30Dへ直接伝送するモードと、を有するものとして説明したが、出力情報を無線タグ60介して情報端末30Dに伝送するモードは必須ではない。口内法X線撮影装置10から出力情報を情報端末30へ直接伝送する実施形態として、
図10~
図18を参照して、以下の第5、第6、第7および第8実施形態に係るX線線量管理システム1E、1F、1G、1Hについて説明する。
図10A、
図10B、
図10Cおよび
図10Dは、第5、第6、第7および第8実施形態に係るX線線量管理システム1E、1F、1G、1Hの概略および情報の流れを模式的に示している。各実施形態について順次、詳細に説明する。
【0053】
(第5実施形態)
[X線線量管理システムの構成]
図11に示すように、X線線量管理システム1Eは、口内法X線撮影装置10Eと、X線撮像素子50Eと、情報端末30Eと、を備えている。なお、以下の実施形態の説明では、第1実施形態と同じ構成には同じ符号を付して説明を適宜省略し、異なる機能や異なる構成について説明する。口内法X線撮影装置10Eは、X線管11と、制御部としての撮影条件設定部12と、出力情報作成部13と、出力情報通信部15と、を有している。出力情報通信部15は、出力情報を無線通信により外部装置である情報端末30Eへ送信する。
【0054】
X線撮像素子50Eは、X線画像情報取得部52を有している。情報端末30Eは、患者情報記憶部(内部記憶部)31と、患者情報呼出部32と、通信部33Eと、出力情報処理部34と、を有している。通信部33Eは、口内法X線撮影装置10Eの出力情報通信部15から、無線通信により出力情報を受信する。
【0055】
[X線線量管理システムの動作]
次に、X線線量管理システム1Eの動作について
図12を参照(適宜
図11参照)して説明する。なお、以下の説明では、第1実施形態と同じ処理には同じ符号を付して説明を適宜省略し、異なる機能や異なる処理について説明する。
【0056】
口内法X線撮影装置10Eは、撮影条件の設定を受け付けて(ステップS1)、撮影を行う(ステップS2)。X線撮像素子50Eは、X線画像情報を取得する(ステップS3B)。そして、口内法X線撮影装置10Eは、撮影日時の識別情報、線量情報および撮影条件を含む出力情報を作成する(ステップS5)。そして、口内法X線撮影装置10Eは、出力情報を外部装置である情報端末30Eへ無線通信により送信する(ステップS51)。情報端末30Eは、口内法X線撮影装置10Eから無線通信により出力情報を受信する(ステップS52)。
【0057】
一方、オペレータが情報端末30Eを操作し、情報端末30Eには、X線撮影の対象の患者に関する患者情報を記憶した患者情報記憶部31または外部データベース40から患者情報が呼び出される(ステップS11)。そして、情報端末30Eは、ステップS52で受信した出力情報と、ステップS11で呼び出された患者情報とを関連付けて患者情報記憶部31または外部データベース40に記録する(ステップS19)。これにより、X線線量管理システム1Eは,第1実施形態と同様に、患者毎の被ばく線量を管理することができる。
【0058】
また、X線撮像素子50Eが例えばIPであれば、X線画像読取装置80が、IP(X線撮像素子50E)に記録されているX線画像情報を読み取る(ステップS53)。そして、X線画像読取装置80は、読み取ったX線画像情報を情報端末30Eへ送信する(ステップS54)。これにより、情報端末30Eは、X線画像情報を受信する(ステップS55)。また、ステップS11で患者情報が呼び出されている状態でオペレータが情報端末30Eを操作し、ステップS52で受信した出力情報と、ステップS55で受信したX線画像情報とを、手動で関連付けることができる(ステップS56)。
【0059】
(第6実施形態)
次に、X線撮像素子50に設けた無線タグ60に対して、撮影日時を識別するための識別情報を記録して利用する実施形態について説明する。
[X線線量管理システムの構成]
図13に示すように、X線線量管理システム1Fは、口内法X線撮影装置10Fと、X線撮像素子としてのIP50Fと、情報読取装置70Fと、情報端末30Fと、を備えている。なお、以下の実施形態の説明では、第1実施形態と同じ構成には同じ符号を付して説明を適宜省略し、異なる機能や異なる構成について説明する。
【0060】
口内法X線撮影装置10Fは、X線管11と、制御部としての撮影条件設定部12と、出力情報作成部13と、出力情報通信部15と、識別情報通信部17と、を有している。識別情報通信部17は、X線撮影の撮影日時の識別情報を、IP50Fに設けられた無線タグ60へ送信するものである。無線タグ60がRFIDを利用したタグである場合、この識別情報通信部17は、RFIDリーダライタを備える。ここで、撮影日時の識別情報は、X線撮影画像の識別やその撮影条件等の出力情報を特定するための情報である。この識別情報は、例えば撮影日の時分秒で表される。識別情報の変形例として、撮影日ごとに撮影回数や撮影枚数をカウントしたカウント値でもよい。
【0061】
情報読取装置70Fは、X線画像情報読取部76と、識別情報読取部78と、情報通信部74と、を有している。X線画像情報読取部76は、IP50Fに記録されているX線画像情報を読み取るものである。識別情報読取部78は、無線タグ60に記録されている撮影日時の識別情報を読み取るものである。識別情報読取部78は、無線タグ60がRFIDを利用したタグである場合、RFIDリーダライタを備える。情報通信部74は、読み取った撮影日時の識別情報および読み取ったX線画像情報を情報端末30Fへ送信する。X線画像情報読取部76および情報通信部74は、いわゆるIPスキャナで構成することができる。つまり、情報読取装置70Fは、公知のIPスキャナの所定箇所に、例えばRFIDリーダライタからなる識別情報読取部78を配設して構成することができる。
【0062】
情報端末30Fは、患者情報記憶部(内部記憶部)31と、患者情報呼出部32と、通信部33Fと、出力情報処理部34と、画像情報処理部35と、を有している。通信部33Fは、口内法X線撮影装置10Fから出力情報を受信すると共に、情報読取装置70FからX線画像情報と撮影日時の識別情報を受信する。画像情報処理部35は、情報読取装置70Fから受信した撮影日時の識別情報と、出力情報に含まれる撮影日時の識別情報とを照合し、情報読取装置70Fから受信した識別情報で識別されるX線画像情報を出力情報に関連付ける。
【0063】
[X線線量管理システムの動作]
次に、X線線量管理システム1Fの動作について
図14を参照(適宜
図13参照)して説明する。なお、以下の説明では、第5実施形態と同じ処理には同じ符号を付して説明を省略し、異なる機能や異なる処理について説明する。
【0064】
口内法X線撮影装置10Fは、識別情報通信部17によって、撮影日時の識別情報を無線タグに送信する(ステップS61)。IP50Fに設けられた無線タグ60は、識別情報を受信する(ステップS62)。そして、情報読取装置70Fは、識別情報読取部78によって、無線タグ60に記録されている撮影日時の識別情報(撮影日時分秒)を読み取る(ステップS63)。また、情報読取装置70Fは、X線画像情報読取部76によって、IP50Fに記録されているX線画像情報を読み取る(ステップS64)。
【0065】
そして、情報読取装置70Fは、情報通信部74によって、読み取ったX線画像情報および読み取った撮影日時の識別情報を情報端末30Fへ送信する(ステップS65)。情報端末30Fは、通信部33Fによって、情報読取装置70Fから、X線画像情報と識別情報を受信する(ステップS66)。そして、情報端末30Fは、画像情報処理部35によって、撮影日時の識別情報に基づいて、ステップS52で受信した出力情報と、ステップS66で受信したX線画像情報とを自動で関連付ける(ステップS67)。また、情報端末30Fは、ステップS52で受信した出力情報と、ステップS11で呼び出された患者情報とを関連付けて記録することができる(ステップS19)。
【0066】
通常、X線撮像素子に記録されたX線画像情報は、X線撮像素子単独では、いつ撮影されたものであるのか知ることができない。しかし、X線線量管理システム1Fは、IP50Fに設けた無線タグ60に対して、撮影日時を識別するための識別情報を記録して利用するので、ステップS67において、照合の結果、受信したX線画像情報と出力情報とを自動で関連付けることができる。
【0067】
(第7実施形態)
X線画像情報と出力情報との関連づけを、情報端末側ではなく情報読取装置側で行う実施形態について説明する。
[X線線量管理システムの構成]
図15に示すように、X線線量管理システム1Gは、口内法X線撮影装置10Gと、X線撮像素子としてのIP50Fと、情報読取装置70Gと、情報端末30Gと、を備えている。なお、以下の実施形態の説明では、第6実施形態と同じ構成には同じ符号を付して説明を適宜省略し、異なる機能や異なる構成について説明する。
【0068】
図15に示すように、口内法X線撮影装置10Gは、X線管11と、制御部としての撮影条件設定部12と、出力情報作成部13と、出力情報通信部15Gと、識別情報通信部17と、を有している。出力情報通信部15Gは、出力情報を無線通信により外部装置である情報読取装置70Gへ送信するものである。この出力情報通信部15Gは、前記した無線通信により、情報読取装置70Gへ出力情報を送信する。
【0069】
情報読取装置70Gは、X線画像情報読取部76と、識別情報読取部78と、情報受信部73と、画像情報処理部35と、情報通信部74と、を有している。情報受信部73は、口内法X線撮影装置10Gから無線通信により出力情報を受信する。画像情報処理部35は、第6実施形態の情報端末30Fが備えていた構成と同じものである。すなわち、画像情報処理部35は、無線タグ60から読み取った撮影日時の識別情報と、出力情報に含まれる撮影日時の識別情報とを照合し、無線タグ60から読み取った識別情報で識別されるX線画像情報を出力情報に関連付ける。情報通信部74は、読み取ったX線画像情報および関連付けた出力情報を情報端末30Gへ送信する。
【0070】
[X線線量管理システムの動作]
次に、X線線量管理システム1Gの動作について
図16を参照(適宜
図15参照)して説明する。なお、以下の説明では、第6実施形態と同じ処理には同じ符号を付して説明を省略し、異なる機能や異なる処理について説明する。
【0071】
ステップS51において、口内法X線撮影装置10Gは、出力情報を外部装置である情報読取装置70Gへ無線通信により送信する。情報読取装置70Gは、情報受信部73によって、口内法X線撮影装置10Gから出力情報を受信する(ステップS71)。そして、情報読取装置70Gは、画像情報処理部35によって、撮影日時の識別情報に基づいて、ステップS71で受信した出力情報と、ステップS64で読み取ったX線画像情報とを自動で関連付ける(ステップS72)。
【0072】
そして、情報読取装置70Gの情報通信部74は、読み取ったX線画像情報および受信した出力情報を情報端末30Gへ送信する(ステップS73)。情報端末30Gは、通信部33Gによって、情報読取装置70Gから、X線画像情報と出力情報を受信する(ステップS74)。これにより、情報端末30Gは、ステップS74で受信した出力情報と、ステップS11で呼び出された患者情報とを関連付けて記録することができる(ステップS19)。
【0073】
(第8実施形態)
次に、X線撮像素子としてCCDセンサを使用し、かつ、無線タグを利用しない実施形態について説明する。
[X線線量管理システムの構成]
図17に示すように、X線線量管理システム1Hは、口内法X線撮影装置10Eと、X線撮像素子としてのCCDセンサ50Hと、情報端末30Hと、を備えている。なお、以下の実施形態の説明では、第3、第5および第6実施形態と同じ構成には同じ符号を付して説明を適宜省略し、異なる機能や異なる構成について説明する。
【0074】
CCDセンサ50Hは、X線画像情報取得部52Cと、X線画像情報通信部54と、を有し、無線タグ60が無い点が第3実施形態に係るCCDセンサ50Cと相違している。情報端末30Hは、患者情報記憶部(内部記憶部)31と、患者情報呼出部32と、通信部33Hと、出力情報処理部34と、X線画像情報取得部36と、画像情報処理部35と、を有している。X線画像情報取得部36は、CCDセンサ50Hから、X線画像情報を取得する。画像情報処理部35は、通信部33Hで受信した出力情報に含まれる撮影日時の識別情報に基づいて、当該出力情報と、X線画像情報取得部36で取得したX線画像情報とを関連付ける。
【0075】
[X線線量管理システムの動作]
次に、X線線量管理システム1Hの動作について
図18を参照(適宜
図17参照)して説明する。なお、以下の説明では、第6実施形態と同じ処理には同じ符号を付して説明を省略し、異なる機能や異なる処理について説明する。
【0076】
X線撮像素子であるCCDセンサ50Hは、ステップS3Bにおいて、X線撮影によるX線画像情報を取得すると、取得したX線画像情報を情報端末30Hへ送信する(ステップS81)。情報端末30Hは、X線画像情報取得部36によって、CCDセンサ50Hから、X線画像情報を受信する(ステップS82)。そして、情報端末30Hは、画像情報処理部35によって、撮影日時の識別情報に基づいて、ステップS52で受信した出力情報と、ステップS82で受信したX線画像情報とを自動で関連付ける(ステップS83)。また、情報端末30Hは、ステップS52で受信した出力情報と、ステップS11で呼び出された患者情報とを関連付けて記録することができる(ステップS19)。なお、X線線量管理システム1Hは、X線撮像素子として、CCDセンサ50Hの代わりにCMOSセンサを用いても構わない。
【符号の説明】
【0077】
1,1B,1C,1D,1E,1F,1G,1H X線線量管理システム
10,10D,10E,10F,10G デンタルレントゲン(口内法X線撮影装置)
11 X線管
12 撮影条件設定部
13 出力情報作成部
14 情報通信部
15,15G 出力情報通信部
16 判定部
17 識別情報通信部
30 情報端末(外部装置)
30B,30C,30D,30E,30F,30G,30H 情報端末(外部装置)
31 患者情報記憶部(内部記憶部)
32 患者情報呼出部
33,33B,33D,33E,33F,33G,33H 通信部
34 出力情報処理部
35 画像情報処理部
36 X線画像情報取得部
40 外部データベース
50,50E X線撮像素子
50B,50F イメージングプレート(IP)
50C,50H CCDセンサ
52,52B,52C X線画像情報取得部
54 X線画像情報通信部
60 無線タグ(外部装置)
70,70B,70F,70G 情報読取装置(外部装置)
72 出力情報読取部
73 情報受信部
74,74B 情報通信部
76 X線画像情報読取部
78 識別情報読取部
80 X線画像読取装置
81 X線画像情報読取部
82 情報通信部