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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-02
(45)【発行日】2023-08-10
(54)【発明の名称】コンクリート製品及びその連結金具
(51)【国際特許分類】
   E02D 29/02 20060101AFI20230803BHJP
   E04B 1/21 20060101ALI20230803BHJP
   E04B 1/04 20060101ALI20230803BHJP
   E04B 1/61 20060101ALI20230803BHJP
   E04B 2/02 20060101ALI20230803BHJP
   E04B 2/12 20060101ALI20230803BHJP
   E04C 1/39 20060101ALI20230803BHJP
【FI】
E02D29/02 305
E02D29/02 302
E04B1/21 Z
E04B1/04 C
E04B1/61 502D
E04B2/02 130
E04B2/12
E04C1/39 104
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020062364
(22)【出願日】2020-03-31
(65)【公開番号】P2021161670
(43)【公開日】2021-10-11
【審査請求日】2022-09-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000186898
【氏名又は名称】昭和コンクリート工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096116
【弁理士】
【氏名又は名称】松原 等
(72)【発明者】
【氏名】勝野 源基
(72)【発明者】
【氏名】坂井 悟
【審査官】荒井 良子
(56)【参考文献】
【文献】実開昭52-158513(JP,U)
【文献】特開2013-181297(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 29/02
E04B 1/21
E04B 1/04
E04B 1/61
E04B 2/02
E04B 2/12
E04C 1/39
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボルト差込穴(4)が形成された矩形状の接合板部(3)と、接合板部(3)の第1対辺から曲がって接合板部(3)の背方向へ延出する二つのアンカー板部(5,5)とからなる、一枚の鋼板よりなる本体プレート(2)と、
接合板部(3)を補強するための、帯状鋼板がW形に湾曲した二枚の補強プレート(6,6)とを含み、
二枚の補強プレート(6,6)は、W形の湾曲部が2つある側どうしを合わせることにより帯長方向中央部にボルト挿通穴(7)が形成され且つ帯長方向両端部に離間部(8,8)が形成された状態で、帯幅方向が接合板部(3)の背方向となり且つ帯長方向が接合板部(3)の第2対辺方向となり且つボルト挿通穴(7)がボルト差込穴(4)に合致するように接合板部(3)の背面に当てられ、該背面にそれぞれ溶接部(9)により固定されていることを特徴とするコンクリート製品の連結金具。
【請求項2】
二枚の補強プレート(6,6)の帯長方向両端縁と二つのアンカー板部(5,5)との間に、コンクリート流入用隙間(10,10)が設けられている請求項1記載のコンクリート製品の連結金具。
【請求項3】
溶接部(9)は、二枚の補強プレート(6,6)の帯長方向両端付近を固定する点状溶接部である請求項1又は2記載のコンクリート製品の連結金具。
【請求項4】
ボルト差込穴(4)とボルト挿通穴(7)は、正面視で長円形である請求項1、2又は3記載のコンクリート製品の連結金具。
【請求項5】
二つのアンカー板部(5,5)の延出中間部に、前記鋼板の一部が曲がってなる中間部リブ(11)が設けられている請求項1~4のいずれか一項に記載のコンクリート製品の連結金具。
【請求項6】
二つのアンカー板部(5,5)の延出端部に、前記鋼板の一部が曲がってなる端部リブ(12)が設けられている請求項1~5のいずれか一項に記載のコンクリート製品の連結金具。
【請求項7】
二つのアンカー板部(5,5)に、貫通穴(13)が設けられている請求項1~6のいずれか一項に記載のコンクリート製品の連結金具。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の連結金具が取り付けられたコンクリート製品であって、接合板部(3)の正面がコンクリート製品(20)の接合端面(24)に現れ、二つのアンカー板部(5,5)がコンクリート製品(20)に埋設され、二枚の補強プレート(6,6)の離間部(8,8)にコンクリートが入り込んでいることを特徴とするコンクリート製品。
【請求項9】
コンクリート製品(20)は縦壁部(22)と底版部(21)とを含む擁壁用ブロックであり、接合端面(24)は縦壁部(22)の側端面であり、アンカー板部(5,5)の板幅方向が縦壁部(22)の前後方向となるように配置されている請求項8記載のコンクリート製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、擁壁用ブロック等のコンクリート製品及びその連結金具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
擁壁用ブロック等のコンクリート製品の連結金具として、連結ボルトを通す本体部と、本体部に結合されてコンクリートに埋め込まれることで連結金具の抜けを防止するアンカー部とを含む連結金具が広く用いられている。
【0003】
特許文献1には、鋳鉄製の金具本体の両端部に接合面を設け、接合面にアンカー筋を溶接してなる継手金具が開示されている。アンカー筋がコンクリートに埋め込まれることで、継手金具の抜けを防止する。
【0004】
特許文献2には、鋼製の帯板材によるヨーク部と、ヨーク部の両端に溶接した異形鉄筋によるアンカー部とからなる接続部材が開示されている。ヨーク部は、2枚のプレート部を、空所を囲むようにプレス加工して、一体化し、長円状の空所を接続ボルトの差し込み口(ルーズホール)としたものである。該一体化により接続部材の断面係数が向上し、ルーズホールにより部材同士の位置ずれを吸収できるとされている。
【0005】
これら特許文献1,2のように、本体部にアンカー部(異形鉄筋)を溶接したものは、本体部とアンカー部とが分離しないように、アンカー部の両脇を線状に溶接する必要があるため溶接作業に非常に手間がかかり、コストが高くなるという問題がある。
【0006】
特許文献3には、基部及び両袖片を有するコ字状で、基部にボルト孔が穿たれ、両袖片に凹凸部が形成されかつアンカー棒の挿通穴が穿たれてなる接続用金物が開示されている。凹凸部と、挿通されたアンカー棒が、金具の抜けを防止する。
【0007】
特許文献4には、フランジ部と、フランジ部の縁からアール部を介して起立した補強リブ部と、補強リブ部から延出した二本のアーム部とが、鋳造又は曲げ加工により一体形成されてなる接合金具が記載されている。
【0008】
これら特許文献3,4のように、本体部とアンカー部とが一体形成されたものは、溶接の手間がかからず、コストが低くなるという利点がある。しかし、これらの本体部は、耐力性能が不足する可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特開2005-320807号公報
【文献】特開2013-181297号公報
【文献】実開平5-38042号公報
【文献】特開平10-280526号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、本発明の目的は、製造時の溶接作業を減らし、コストを削減できるとともに、耐力性能に優れたコンクリート製品の連結金具を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
[1]連結金具
ボルト差込穴が形成された矩形状の接合板部と、接合板部の第1対辺から曲がって接合板部の背方向へ延出する二つのアンカー板部とからなる、一枚の鋼板よりなる本体プレートと、
接合板部を補強するための、帯状鋼板がW形に湾曲した二枚の補強プレートとを含み、
二枚の補強プレートは、W形の湾曲部が2つある側どうしを合わせることにより帯長方向中央部にボルト挿通穴が形成され且つ帯長方向両端部に離間部が形成された状態で、帯幅方向が接合板部の背方向となり且つ帯長方向が接合板部の第2対辺方向となり且つボルト挿通穴がボルト差込穴に合致するように接合板部の背面に当てられ、該背面にそれぞれ溶接部により固定されていることを特徴とするコンクリート製品の連結金具。
【0012】
<作用>
接合板部とアンカー板部が一枚の鋼板製なので、溶接作業が減り、コストが削減される。
接合板部の剛性が、二枚の補強プレートにより補強されて高まり、耐力性能に優れる。特に、二枚の補強プレートはW形の湾曲部が2つある側どうしを合わせた形にするので、接合板部の全域が四隅まで補強される。また、補強プレートの帯幅方向が接合板部の背方向となっているので、コンクリート製品から引き抜かれる力に対して強くなる。
また、補強プレートはW形に湾曲しているので、コンクリートとの付着面積が広がって付着力が大きくなる。特に、二枚の補強プレートはW形の湾曲部が2つある側どうしを合わせた形にするので、帯長方向両端部の離間部にコンクリートが入り込んで付着面積が広がる点が特徴である。
【0013】
ここで、二枚の補強プレートの帯長方向両端縁と二つのアンカー板部との間に、コンクリート流入用隙間が設けられていることが好ましい。
【0014】
溶接部の形状としては、特に限定されず、点状、線状等を例示できるが、二枚の補強プレートの帯長方向両端付近を固定する点状溶接部が好ましい。
【0015】
ボルト差込穴とボルト挿通穴の正面視形状としては、特に限定されず、円形、長円形等を例示できるが、長円形が好ましい。
【0016】
二つのアンカー板部の延出中間部に、前記鋼板の一部が曲がってなる中間部リブが設けられていることが好ましい。
【0017】
二つのアンカー板部の延出端部に、前記鋼板の一部が曲がってなる端部リブが設けられていることが好ましい。
【0018】
二つのアンカー板部の延出中間部に、貫通穴が設けられていることが好ましい。
【0019】
[2]コンクリート製品
上記[1]に記載の連結金具が取り付けられたコンクリート製品であって、接合板部の正面がコンクリート製品の接合端面に現れ、二つのアンカー板部がコンクリート製品に埋設され、二枚の補強プレートの離間部にコンクリートが入り込んでいることを特徴とするコンクリート製品。
【0020】
ここで、コンクリート製品は縦壁部と底版部とを含む擁壁用ブロックであり、接合端面は縦壁部の側端面であり、アンカー板部の板幅方向が縦壁部の前後方向となるように配置されている態様を例示できる。縦壁部にはその前後方向にせん断力がかかりやすいため、アンカー板部の板幅方向が縦壁部の前後方向であれば、断面係数が大きくなる向きであり、連結金具の剛性が高くなる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、製造時の溶接作業を減らし、コストを削減できるとともに、耐力性能に優れたコンクリート製品の連結金具を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は実施例の連結金具を示し、(a)は正面側から見た斜視図、(b)は背面側から見た斜視図である。
図2図2は同連結金具を示し、(a)は側面図、(b)は背面図である。
図3図3は同連結金具が取り付けられた擁壁用ブロックの連結状態を示す斜視図である。
図4図4は同ブロックの部分側面図である。
図5図5は同ブロックの背面を示し、(a)は連結時の部分背面図、(b)は連結後の部分背面図である。
図6図6図5のVI-VI断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
1.連結金具
矩形状の接合板部には、第1対辺が二つの短辺であり第2対辺が二つの長辺である長方形状の態様と、第1対辺が二つの長辺であり第2対辺が二つの短辺である長方形状の態様と、四辺同一長の正方形状の態様とが含まれる。
アンカー板部には、その鋼板からなる形状部位(中間部リブ、端部リブ等)が形成されていてもよいが、該鋼板以外の鋼材からなる部材は溶接されていないことが好ましい。
【0024】
2.コンクリート製品
コンクリート製品としては、特に限定されないが、擁壁用ブロック、暗渠用ブロック、側溝用ブロック、コンクリートセグメント等を例示できる。
【実施例
【0025】
本発明の実施例について図面を参照して説明する。なお、実施例の各部の構造、材料、形状及び寸法は例示であり、発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変更できる。
【0026】
[連結金具]
本実施例の連結金具1は、図1及び図2に示すように、ボルト差込穴4が形成された矩形状の接合板部3と、接合板部3の第1対辺から曲がって接合板部3の背方向へ延出する二つのアンカー板部5,5とからなる、一枚の鋼板よりなる本体プレート2と、接合板部3を補強するための、帯状鋼板がW形に湾曲した二枚の補強プレート6,6とを含む。
【0027】
本体プレート2の鋼板は厚さ3~6mmである。接合板部3は、第1対辺が短辺40~60mm、第2対辺が長辺70~90mmの長方形をなしている。各アンカー板部5は、接合板部3に対して直角に曲げられ、第1対辺の長さ以下の幅(例えば30~50mm)で、接合板部3の背方向へ130~180mm延出して、帯状をなしている。
【0028】
各補強プレート6の帯状鋼板は、厚さ3~6mm、帯幅20~50mm(好ましくは30~40mm)で、帯長はW形に湾曲した後のW形の一端から他端までが接合板部3の第2対辺よりもやや短い。
【0029】
二枚の補強プレート6,6は、W形の湾曲部が2つある側どうしを合わせることにより帯長方向中央部にボルト挿通穴7が形成され且つ帯長方向両端部に離間部8,8が形成された状態で、帯幅方向が接合板部3の背方向となり且つ帯長方向が接合板部3の第2対辺方向となり且つボルト挿通穴7がボルト差込穴4に合致するように接合板部3の背面に当てられ、該背面にそれぞれ溶接部9により固定されている。ボルト差込穴4とボルト挿通穴7は、正面視で長円形である。離間部8,8は、V状に端ほど広がるものである。溶接部9は、二枚の補強プレート6,6の帯長方向両端付近を固定する点状溶接部である。
【0030】
二枚の補強プレート6,6の帯長方向両端縁と二つのアンカー板部5,5との間に、隙間幅1~5mmのコンクリート流入用隙間10,10が設けられている。二枚の補強プレート6,6の帯長方向両端縁と二つのアンカー板部5,5とは、溶接されていない。
【0031】
二つのアンカー板部5,5の延出中間部に、その一側縁から突出した前記鋼板の一部が曲がってなる中間部リブ11,11が設けられている。各中間部リブ11は、各アンカー板部5の外側方へ曲がり、各アンカー板部5の延出方向に延びている。
【0032】
二つのアンカー板部5,5の延出端部に、その端縁から突出した前記鋼板の一部が曲がってなる端部リブ12,12が設けられている。各端部リブ12は、各アンカー板部5の外側方へ曲がり、各アンカー板部5の幅方向に延びている。
【0033】
二つのアンカー板部5,5の延出中間部に、1つ又は複数の貫通穴13が設けられている。
【0034】
[コンクリート製品(擁壁用ブロック)]
図3図6に示すように、本実施例の連結金具1が取り付けられたコンクリート製品は、接合板部3の正面がコンクリート製品の接合端面に現れ、二つのアンカー板部5,5がコンクリート製品に埋設され、二枚の補強プレート6,6の離間部8,8にコンクリートが入り込んでいることを特徴とする。
【0035】
ここで、コンクリート製品は、底版部21と縦壁部22とを含むL型の擁壁用ブロック20であり、縦壁部22の背面に膨出して一体形成された取付部23にガードレール30のポスト31が取り付けられるようになっている。隣り合う二つの擁壁用ブロック20は、接合端面24である縦壁部22の側端面を突き合わせて連結されるので、縦壁部22の側縁付近の上部と下部とに連結金具1が取り付けられ、隣り合う連結金具1,1がボルト15とナット16により結合され、隣り合うブロック20が連結される。
【0036】
連結金具1は、前述のとおり接合板部3の正面が接合端面24に現れ、二つのアンカー板部5,5が上下に並んで縦壁部22の横方向に延び、従ってアンカー板部5,5の板幅方向が縦壁部22の前後方向となるように配置されて、縦壁部22に埋設されている。中間部リブ11,11と端部リブ12,12もコンクリートに埋設され、貫通穴13にはコンクリートが入り込んでいる。
【0037】
また、二枚の補強プレート6,6も縦壁部22に埋設され、離間部8,8にもコンクリートが入り込んでいるが、ボルト挿通穴7にはコンクリートが入り込んでいない。ボルト差込穴4にもコンクリートが入り込んでいない。
【0038】
そして、二つのアンカー板部5,5の対向する両内面に層状に被ったコンクリートと、補強プレート6,6の端面とで囲まれた、ボルト連結用の凹空所25が形成されている。
【0039】
以上のように、擁壁用ブロック20に連結金具1を取り付けるには、コンクリート型枠(図示略)の所定箇所に連結金具1をセットするとともに、凹空所25となるべき箇所にコッター26(箱抜き用治具、図5(a)参照)をセットし、コンクリート型枠にコンクリートを流し込む。離間部8,8には、コッター26側からは該コッター26が蓋になってコンクリートが少しずつしか流入せず充填不足になる可能性があるが、コンクリート流入用隙間10,10からコンクリートが流入して確実に充填される(図6)。コンクリートが硬化した後、コッター26を抜き取ると、凹空所25が現れる。
【0040】
次に、隣り合う擁壁用ブロック20を連結するには、突き合わせた両連結金具1のボルト差込穴4及びボルト挿通穴7に、一方の凹空所25からボルト15を通し、他方の凹空所25からナット16を螺合して、補強プレート6,6の端面に締め付ける。このとき、ボルト差込穴4及びボルト挿通穴7が長円形なので、突き合わせた連結金具1どうしの位置ずれがあってもそれを吸収し、ボルト15を通すことができる。締め付け後に、凹空所25をモルタル等の充填材27で埋めることが好ましい(図5(b))。
【0041】
<作用効果>
(ア)接合板部3とアンカー板部5,5が一枚の鋼板製なので、溶接作業が減り、コストが削減される。
(イ)接合板部3の剛性が、二枚の補強プレート6,6により補強されて高まり、耐力性能に優れる。特に、二枚の補強プレート6,6はW形の湾曲部が2つある側どうしを合わせた形にするので、接合板部3の全域が四隅まで補強される。また、補強プレート6の帯幅方向が接合板部3の背方向となっているので、コンクリート製品から引き抜かれる力に対して強くなる(図5(b))。
(ウ)また、補強プレート6,6はW形に湾曲しているので、コンクリートとの付着面積が広がって付着力が大きくなる。特に、二枚の補強プレート6,6はW形の湾曲部が2つある側どうしを合わせた形にするので、帯長方向両端部の離間部8,8にもコンクリートが入り込んで付着面積が広がる点が特徴である(図6)。
【0042】
(エ)コンクリート流入用隙間から、帯長方向両端部の離間部にコンクリートが入り込みやすく確実に充填される。
(オ)溶接部は、二枚の補強プレートの帯長方向両端付近を固定する点状溶接部であるから、溶接作業が減り、コストが削減される。
(カ)ボルト差込穴とボルト挿通穴が長円形であることから、ボルトに対してルーズホールであり、前記のとおり連結金具どうしの位置ずれを吸収できる。
【0043】
(キ)中間部リブ11,11により、ガードレール30に衝突荷重がかかったとき等に縦壁部22に前後方向に生じるせん断力に対して、連結金具1が強くなる(図4)。
(ク)端部リブ12,12により、連結金具1がコンクリート製品(縦壁部22)から引き抜かれる力に対して強くなる(図5(b))。
(ケ)貫通穴13,13にコンクリートが入ることにより、コンクリートの付着力が大きくなる。
【0044】
なお、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変更して具体化することができる。
【符号の説明】
【0045】
1 連結金具
2 本体プレート
3 接合板部
4 ボルト差込穴
5 アンカー板部
6 補強プレート
7 ボルト挿通穴
8 離間部
9 溶接部
10 コンクリート流入用隙間
11 中間部リブ
12 端部リブ
13 貫通穴
15 ボルト
16 ナット
20 擁壁用ブロック
21 底版部
22 縦壁部
23 取付部
24 接合端面
25 凹空所
26 コッター
27 充填材
30 ガードレール
31 ポスト
図1
図2
図3
図4
図5
図6