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特許7324554ゲームのライブ配信サーバ及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-02
(45)【発行日】2023-08-10
(54)【発明の名称】ゲームのライブ配信サーバ及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/86 20140101AFI20230803BHJP
   A63F 13/35 20140101ALI20230803BHJP
   A63F 13/58 20140101ALI20230803BHJP
   A63F 13/69 20140101ALI20230803BHJP
   A63F 13/87 20140101ALI20230803BHJP
【FI】
A63F13/86
A63F13/35
A63F13/58
A63F13/69
A63F13/87
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2023091415
(22)【出願日】2023-06-02
【審査請求日】2023-06-02
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518260552
【氏名又は名称】株式会社ミラティブ
(74)【代理人】
【識別番号】110001106
【氏名又は名称】弁理士法人キュリーズ
(72)【発明者】
【氏名】杉原 健太郎
【審査官】鈴木 崇雅
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-141627(JP,A)
【文献】特開2018-171283(JP,A)
【文献】特開2023-076039(JP,A)
【文献】特開2022-169224(JP,A)
【文献】特開2023-076444(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-98
H04N 21/00-858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配信者と視聴者とを含む複数のユーザにゲームのライブ配信サービスを提供するゲームのライブ配信サーバであって、
前記配信者のゲームプレイ画面を前記視聴者に配信する配信部と、
各ユーザの前記ゲームの習得度を示す指標値を保存する指標値保存部と、
前記視聴者が応援機能により前記配信者に応援行為をした際に、前記視聴者の前記指標値に応じて前記ゲーム内で有利な状態を生じる特典を前記配信者に付与する特典付与部と、
を備えるゲームのライブ配信サーバ。
【請求項2】
前記指標値は前記ゲームにおいて獲得したスコアの最高値であり、
前記特典付与部は、前記ゲーム内における前記最高値が閾値以上である場合に、前記特典を前記配信者に付与する請求項1に記載のゲームのライブ配信サーバ。
【請求項3】
前記閾値は前記ゲーム内で前記配信者により獲得されたハイスコアまたは前記ゲームに対して予め設定されている基準スコアである請求項2に記載のゲームのライブ配信サーバ。
【請求項4】
前記指標値は前記ゲームにおいて獲得したスコアの最高値であり、
前記特典付与部は、付与する前記特典を、前記最高値が大きくなるに伴いより有利な状況を生じる前記特典に変化させる請求項1に記載のゲームのライブ配信サーバ。
【請求項5】
前記指標値は、前記ゲームのライブ配信サーバにより提供されるゲームであって配信中の前記ゲームと異なる他のゲームにおいて獲得したスコアの最高値であり、
前記特典付与部は、前記他のゲーム内における前記最高値が閾値以上である場合に、前記特典を前記配信者に付与する、
請求項1に記載のゲームのライブ配信サーバ。
【請求項6】
前記閾値は前記ゲーム内で前記配信者により獲得されたハイスコアまたは前記ゲームに対して予め設定されている基準スコアである請求項5に記載のゲームのライブ配信サーバ。
【請求項7】
前記指標値は、前記ゲームのライブ配信サーバにより提供されるゲームであって配信中の前記ゲームと異なる他のゲームにおいて獲得したスコアの最高値であり、
前記特典付与部は、付与する前記特典を、前記最高値が大きくなるに伴いより有利な状況を生じる前記特典に変化させる請求項1に記載のゲームのライブ配信サーバ。
【請求項8】
前記応援行為は、前記視聴者により行われる前記配信者へのギフトコンテンツの贈与である、請求項1に記載のゲームのライブ配信サーバ。
【請求項9】
前記ギフトコンテンツの種類により前記特典が変化する請求項8に記載のゲームのライブ配信サーバ。
【請求項10】
前記ギフトコンテンツの個数により前記特典が変化する請求項8に記載のゲームのライブ配信サーバ。
【請求項11】
前記応援行為は、前記配信者がプレイしている前記ゲームへの前記配信者による協力参加である、請求項1に記載のゲームのライブ配信サーバ。
【請求項12】
前記応援行為は、前記配信者がプレイしている前記ゲームに対して、前記視聴者が前記ゲーム内で育成しているキャラクターを出現させるキャラクター出現である、請求項1に記載のゲームのライブ配信サーバ。
【請求項13】
前記応援行為は、前記視聴者により行われる前記ゲーム毎の前記配信者への高評価付与である、請求項1に記載のゲームのライブ配信サーバ。
【請求項14】
前記応援行為は、前記視聴者により前記配信者毎に行われる高評価付与である、請求項1に記載のゲームのライブ配信サーバ。
【請求項15】
前記応援行為は、前記視聴者が所持する前記ゲーム内において使用可能なアイテムの、前記配信者への譲渡である、請求項1に記載のゲームのライブ配信サーバ。
【請求項16】
前記特典は、前記ゲームにおいて獲得するスコアの上昇機会を増加するスコア増進効果である、請求項1乃至15の何れか1項に記載のゲームのライブ配信サーバ。
【請求項17】
前記特典は、前記ゲーム内のステージをクリアする際に前記ステージのプレイ成績に対して得られるランキングを増加するランキング増進効果である、請求項1乃至15の何れか1項に記載のゲームのライブ配信サーバ。
【請求項18】
前記特典は、前記ゲームにおけるゲームフィールドの有利な形態への変化である、請求項1乃至15の何れか1項に記載のゲームのライブ配信サーバ。
【請求項19】
前記特典は、前記ゲームにおいて前記配信者が操作するプレイヤーのステータスを増進するステータス増進効果である、請求項1乃至15の何れか1項に記載のゲームのライブ配信サーバ。
【請求項20】
前記特典は、前記ゲームにおいて使用可能なアイテムおよび前記アイテムと同一の外観を有し前記ゲームのライブ配信時に表示される前記配信者のアバターに使用可能な装備品である、請求項1乃至15の何れか1項に記載のゲームのライブ配信サーバ。
【請求項21】
配信者と視聴者とを含む複数のユーザにゲームのライブ配信サービスを提供するゲームのライブ配信用のプログラムであって、
前記配信者のゲームプレイ画面を前記視聴者に配信する配信工程と、
各ユーザの前記ゲームの習得度を示す指標値を保存する指標値保存工程と、
前記視聴者が応援機能により前記配信者に応援行為をした際に、前記視聴者の前記指標値に応じて前記ゲーム内で有利な状態を生じる特典を前記配信者に付与する特典付与工程と、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームのライブ配信サーバ及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォン等の各種デバイスの高性能化、高機能化、およびインターネットによる通信の高速化に伴い、各種の動画配信サービスが普及している。特に、配信者がゲームをプレイする様子をリアルタイムで多数の視聴者の端末に配信する、ゲームのライブ配信サービスが行われるようになっている(特許文献1参照)。
【0003】
こうしたゲームのライブ配信を行う種々の配信システムでは、ゲームの配信者と視聴者との間でコミュニケーションを可能とすべく、種々のコミュニケーション機能が実装されている。
【0004】
例えば、ゲームのライブ配信システムでは、チャット機能が実装されていて、配信者と視聴者とが文字によりコミュニケーションを行うことが可能になっている。また、こうしたチャット機能と共に、音声通話機能も実装され、通話によるコミュニケーションを行うことができるゲームのライブ配信システムも広く普及している。
【0005】
さらに、近年、視聴者から配信者に対して、ゲームのライブ配信システム内で使用することで特定の機能を発揮することができるギフトを贈ることが可能になっている。このようなギフトを贈ることにより、視聴者が好みの配信者を応援したり、コミュニケーションを図る際のきっかけにしたりすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2019-071960号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、ゲームのライブ配信システムにおいて、ゲームを行う楽しさと、視聴をする楽しさとが異なるものであるため、ユーザがゲームをプレイする者と視聴を行う者とで固定的になってしまい、双方を楽しむということが行われない傾向があった。すなわち、面白いゲームであればユーザはゲームのプレイに専念してしまい他のユーザのプレイを視聴しなくなる傾向がある一方、視聴を楽しむユーザは自身がゲームをプレイしなくなる傾向があるため、プレイヤーとしての体験と視聴者としての体験を両方経験することで当該ゲームへの理解や楽しみが増すといった、ユーザ体験の相乗効果が生じにくいという問題点があった。
【0008】
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、ゲームのライブ配信を視聴する視聴者に対して当該ゲームを自身でもプレイする動機付けを与えることで、ユーザ体験の相乗効果を促進することができるゲームのライブ配信サーバおよびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、配信者と視聴者とを含む複数のユーザにゲームのライブ配信サービスを提供するゲームのライブ配信サーバであって、前記配信者のゲームプレイ画面を前記視聴者に配信する配信部と、各ユーザの前記ゲームの習得度を示す指標値を保存する指標値保存部と、前記視聴者が応援機能により前記配信者に応援行為をした際に、前記視聴者の前記指標値に応じて前記ゲーム内で有利な状態を生じる特典を前記配信者に付与する特典付与部と、を備えるゲームのライブ配信サーバであることを特徴とする。
【0010】
上記ゲームのライブ配信サーバにおいて、前記指標値は前記ゲームにおいて獲得したスコアの最高値であり、前記特典付与部は、前記ゲーム内における前記最高値が閾値以上である場合に、前記特典を前記配信者に付与することが好ましい。
【0011】
また、上記ゲームのライブ配信サーバにおいて、前記閾値は前記ゲーム内で配信者により獲得されたハイスコアまたは前記ゲームに対して予め設定されている基準スコアであることが好ましい。
【0012】
また、上記ゲームのライブ配信サーバにおいて、前記指標値は前記ゲームにおいて獲得したスコアの最高値であり、前記特典付与部は、付与する前記特典を、前記最高値が大きくなるに伴いより有利な状況を生じる前記特典に変化させることが好ましい。
【0013】
また、上記ゲームのライブ配信サーバにおいて、前記指標値は、前記ゲームのライブ配信サーバにより提供されるゲームであって配信中の前記ゲームと異なる他のゲームにおいて獲得したスコアの最高値であり、前記特典付与部は、前記他のゲーム内における前記最高値が閾値以上である場合に、前記特典を前記配信者に付与することが好ましい。
【0014】
また、上記ゲームのライブ配信サーバにおいて、前記閾値は前記ゲーム内で配信者により獲得されたハイスコアまたは前記ゲームに対して予め設定されている基準スコアであることが好ましい。
【0015】
また、上記ゲームのライブ配信サーバにおいて、前記指標値は、前記ゲームのライブ配信サーバにより提供されるゲームであって配信中の前記ゲームと異なる他のゲームにおいて獲得したスコアの最高値であり、前記特典付与部は、付与する前記特典を、前記最高値が大きくなるに伴いより有利な状況を生じる前記特典に変化させることが好ましい。
【0016】
また、上記ゲームのライブ配信サーバにおいて、前記応援行為は、前記視聴者により行われる前記配信者へのギフトコンテンツの贈与であることが好ましい。
【0017】
また、上記ゲームのライブ配信サーバにおいて、前記ギフトコンテンツの種類により前記特典が変化することが好ましい。
【0018】
また、上記ゲームのライブ配信サーバにおいて、前記ギフトコンテンツの個数により前記特典が変化することが好ましい。
【0019】
また、上記ゲームのライブ配信サーバにおいて、前記応援行為は、前記配信者がプレイしている前記ゲームへの協力参加であることが好ましい。
【0020】
また、上記ゲームのライブ配信サーバにおいて、前記応援行為は、前記配信者がプレイしている前記ゲームに対して、前記視聴者が前記ゲーム内で育成しているキャラクターを出現させるキャラクター出現であることが好ましい。
【0021】
また、上記ゲームのライブ配信サーバにおいて、前記応援行為は、前記視聴者により行われる前記ゲーム毎の前記配信者への高評価付与であることが好ましい。
【0022】
また、上記ゲームのライブ配信サーバにおいて、前記応援行為は、前記視聴者により前記配信者毎に行われる高評価付与であることが好ましい。
【0023】
また、上記ゲームのライブ配信サーバにおいて、前記応援行為は、前記視聴者が所持する前記ゲーム内において使用可能なアイテムの、前記配信者への譲渡であることが好ましい。
【0024】
また、上記ゲームのライブ配信サーバにおいて、前記特典は、前記ゲームにおいて獲得するスコアの上昇機会を増加するスコア増進効果であることが好ましい。
【0025】
また、上記ゲームのライブ配信サーバにおいて、前記特典は、前記ゲーム内のステージをクリアする際に前記ステージのプレイ成績に対して得られるランキングを増加するランキング増進効果であることが好ましい。
【0026】
また、上記ゲームのライブ配信サーバにおいて、前記特典は、前記ゲームにおけるゲームフィールドの有利な形態への変化であることが好ましい。
【0027】
また、上記ゲームのライブ配信サーバにおいて、前記特典は、前記ゲームにおいて前記配信者が操作するプレイヤーのステータスを増進するステータス増進効果であることが好ましい。
【0028】
また、上記ゲームのライブ配信サーバにおいて、前記特典は、前記ゲームにおいて使用可能なアイテムおよび前記アイテムと同一の外観を有し前記ゲームのライブ配信時に表示される前記配信者のアバターに使用可能な装備品であることが好ましい。
【0029】
また、本発明は、配信者と視聴者とを含む複数のユーザにゲームのライブ配信サービスを提供するゲームのライブ配信用のプログラムであって、前記配信者のゲームプレイ画面を前記視聴者に配信する配信工程と、各ユーザの前記ゲームの習得度を示す指標値を保存する指標値保存工程と、前記視聴者が応援機能により前記配信者に応援行為をした際に、前記視聴者の前記指標値に応じてゲーム内で有利な状態を生じる特典を視聴者に付与する特典付与工程と、をコンピュータに実行させるためのプログラムであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0030】
上述した構成からなる本発明によれば、ゲーム動画の視聴者自身がゲームをプレイして高いスコアを得ることにより配信者をさらに応援することができるため、視聴者が自身でもゲームをプレイする動機付けを与えることができ、視聴者自身もゲームをプレイすることによって当該ゲームのプレイヤーとしての楽しさにも触れることができ、ゲームへの理解や愛着が増し、更に視聴も面白くなるという、ユーザ体験の相乗効果を促進することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の実施形態に係るゲームのライブ配信サーバが適用されるゲームのライブ配信システムを示す模式図である。
図2】本発明の実施形態に係るゲームのライブ配信サーバの構成ブロック図である。
図3】本発明の実施形態に係るゲームのライブ配信サーバの機能ブロック図である。
図4】本発明の実施形態に係るゲームのライブ配信サーバの記憶手段に記憶されている指標値データベースの一例を示す模式図である。
図5】本発明の実施形態に係るゲームのライブ配信サーバと通信を行う視聴者端末に表示される画面の具体例を示す模式図である。
図6】本発明の実施形態に係るゲームのライブ配信サーバによる処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るゲームのライブ配信サーバが適用されるゲームのライブ配信システムについて説明する。
【0033】
図1は、本発明の実施形態に係るゲームのライブ配信サーバ2が適用されるゲームのライブ配信システム1を示す模式図である。図1に示すように、本実施形態に係るゲームのライブ配信システム1は、ゲームのライブ配信サーバ2(以下、単に「サーバ2」ともいう)と、サーバ2にネットワークNを介して接続された配信者端末3と、複数の視聴者端末4(4A、4B、…、4N)を備えて構成されている。
【0034】
ゲームのライブ配信システム1は、本実施形態においては配信者となるユーザが配信するゲームのプレイ動画を、視聴者となる1人以上のユーザにリアルタイムで提供することを可能にするシステムである。
【0035】
具体的には、ゲームのライブ配信システム1では、サーバ2は1つ以上のゲームを提供し、各ユーザは自身が所有する端末(配信者端末3や視聴者端末4)からサーバ2にアクセスすることにより、端末からゲームの操作情報をサーバ2に送信し、サーバ2は当該操作情報に基づきゲーム内の各種の情報処理を行い当該情報処理の結果をユーザの端末に送信し、ユーザの端末は当該情報処理の結果に基づきプレイ動画を表示する。すなわち、ユーザの端末は、ゲームの操作情報の生成と送信、およびプレイ動画の受信と描画のみを行い、その他のゲームに関する情報処理は全てサーバ2により行われる。
【0036】
また、当該ゲームをプレイするユーザが自身のプレイ動画をライブ配信することを希望した場合には、サーバ2は、当該プレイ動画を、配信を希望する視聴者の視聴者端末4に提供する。
【0037】
配信者端末3および視聴者端末4は、通信機能、音声通話機能、録音録画機能、操作機能及び表示機能等を備える端末であり、例えばスマートフォン、タブレット型端末およびPC等、インストールされたプログラムを介してサーバ2にアクセスすることにより、各種のゲームをプレイすることができると共に、当該プレイ動画を配信または視聴することができる端末である。また、配信者端末3および視聴者端末4は、チャット機能や通話機能を備えている。配信者端末3と視聴者端末4は基本的に同一の端末であり、配信を行いたいユーザが端末を介してゲームのライブ配信の開始操作を行うことにより当該端末が配信者端末3として機能する一方、配信されている動画を視聴したいユーザが端末を介して視聴開始操作を行うことにより当該端末が視聴者端末4として機能する。
【0038】
図2は、本発明の実施形態に係るゲームのライブ配信サーバ2の構成ブロック図である。図2に示すように、サーバ2は、サーバ2の全体を制御する制御部21と、記憶手段25と、通信部26とを備えている。
【0039】
制御部21は、制御部21全体を制御するCPU22と、CPU22上で動作する制御プログラム等を格納したROM23と、各種データを一時的に格納するためのRAM24とを備えて構成されている。
【0040】
図3は、本発明の実施形態に係るゲームのライブ配信サーバ2の機能ブロック図である。図3に示すように、制御部21は、CPU22がROM23に格納されているプログラムをRAM24に展開して実行することにより、ゲーム提供部221、配信部222、指標値保存部223、指標値比較部224、ギフト管理部225、高評価管理部226および特典付与部227として機能する。
【0041】
ゲーム提供部221は、記憶手段25に保存されている1つ以上のゲームデータに基づき、配信者端末3と視聴者端末4にゲームを提供する。上述したように配信者端末3と視聴者端末4はゲームの操作情報の生成、送信およびプレイ動画の描画のみを行い、その他のゲームに関する情報処理は全てゲーム提供部221により行われる。すなわち、ゲーム提供部221は、配信者端末3と視聴者端末4から送信される操作情報に基づきゲーム内の各種の情報処理を行い、当該情報処理の結果を配信者端末3と視聴者端末4に送信する。そして、配信者端末3と視聴者端末4は、受信したゲーム提供部221による情報処理の結果に基づいてプレイ動画を表示する。
【0042】
また、ゲーム提供部221が提供するゲームのうち、少なくとも一部においては、配信者により行われているゲームに対して視聴者が協力参加することが可能になっている。具体的には、配信者がプレイするゲームに視聴者が参加リクエストを行い、当該参加リクエストを配信者が承認することにより、複数人で同時にゲームをプレイすることが可能になっている。また、視聴者による参加リクエストと配信者による承認を条件とすることなく、視聴者が任意で配信者のゲームに参加可能になっていてもよい。
【0043】
また、ゲーム提供部221が提供するゲームのうち、少なくとも一部においては、一のユーザがゲーム内で育成しているキャラクターを、他のユーザがプレイしているゲーム中に出現させる、キャラクター出現が可能になっている。このキャラクター出現は、例えば視聴者が配信者に対して配信者がプレイするゲーム内に視聴者のキャラクターの出現リクエストを行い、配信者が当該リクエストを承諾することにより行われる。または、キャラクター出現は、配信者が視聴者にキャラクター出現を要求し、視聴者がこの要求に応じてキャラクターを提供することで行われてもよい。さらに、キャラクター出現は、視聴者が配信者による承諾を必要とせずに任意に行うことが可能な態様でもよい。そして、配信者によりプレイされているゲーム内に出現した視聴者のキャラクターは、例えばゲーム提供部221による自動操作により、視聴者による操作を要せずに動作可能になっている。
【0044】
ゲーム提供部221が提供するゲームでは、種々の条件(例えば、敵を倒す、試合に勝つ、ミニゲームをクリアする等)を達成する度に、スコアを獲得可能になっている。
【0045】
配信部222は、配信者端末3からゲームのライブ配信を開始する旨の情報を受信すると、サーバ2にアクセスする配信者端末3のうち当該ゲームのプレイ動画の視聴を希望するものに対して、プレイ動画を配信する。このプレイ動画の配信に際して、配信部222は、動画データをそのまま配信する他、動画に所定の加工を加えて配信してもよい。
【0046】
指標値保存部223は、各ユーザのゲームの習得度を示す指標値を、ゲームタイトルおよび当該プレイヤーのユーザIDに関連付けて、指標値データベースDB(図4参照)として記憶手段25に保存する。本実施形態においては、指標値は、視聴者や配信者を含む複数のユーザのそれぞれがゲームにおいて獲得したスコアの最高値(ハイスコア)であり、このハイスコアが、指標値保存部223によりユーザIDおよびゲームタイトルに関連付けられて指標値データベースDBとして記憶手段25に保存される。記憶手段25に記憶されているハイスコアは更新可能であり、プレイヤーがゲーム内でハイスコアを更新すると、指標値保存部223はハイスコアを最新のものにアップデートする。なお、本発明においては、指標値はハイスコアに限らず、指標値としてゲームの総プレイ時間、プレイ回数、ゲーム内に複数設けられているステージをクリアした回数、いかに早くステージをクリアしたかを示す最短タイム、ゴルフのようにスコアが小さい方が優位なゲームにおいては最少スコア等、ゲームの習得度の目安になるものであれば他の値であってもよい。また、本発明においては、指標値は同じサーバ2により提供されるゲームであって、配信中のゲームと異なる他のゲームにおいて獲得したハイスコアや総プレイ時間、プレイ回数等であってもよい。
【0047】
図4は、本発明の実施形態に係るゲームのライブ配信サーバ2の記憶手段25に記憶されている指標値データベースDBの一例を示す模式図である。指標値データベースDBには、プレイヤーであるユーザを特定するユーザID、ユーザがハイスコアを出したゲームを特定するゲームタイトル、および各ユーザの当該ゲーム内のハイスコアが保持されていて、指標値保存部223は、これらの情報を更新可能に管理する。図4に示す例では、ユーザID「001」のユーザは、ゲームタイトル「テニス」において「1350」のハイスコアを出しているという情報が保持されている。また、ユーザID「002」のユーザは、ゲームタイトル「テニス」において「1610」のハイスコアを出していると共に、ゲームタイトル「パズル」において「2110」のハイスコアを出し、さらにゲームタイトル「シューティング」において「3220」のハイスコアを出しているという情報が保存されている。
【0048】
指標値比較部224は、配信者によるゲームのプレイ動画を視聴する視聴者の、当該ゲームにおける指標値を所定の閾値と比較する。当該閾値はゲーム毎に異なる種々のものが設定されてよく、例えば各ゲーム内で配信者により獲得されたハイスコアや、ゲームに対して予め設定されている基準スコアであってもよい。閾値が配信者により獲得されたハイスコアである場合には、指標値比較部224は、指標値データベースDBに保持された当該ゲームについての、配信者と視聴者のハイスコアを抽出して比較する。また、閾値が基準スコアである場合には、指標値比較部224は、視聴者の当該ゲームにおけるハイスコアを抽出して、基準スコアと比較する。指標値比較部224による視聴者のハイスコアと閾値との比較の結果は、後述する特典付与部227による特典付与に用いられる。
【0049】
ギフト管理部225は、視聴者から配信者に贈与されるギフトコンテンツを、複数のギフトコンテンツを保持するギフトデータベース(不図示)として記憶手段25に保存して管理する。ギフトコンテンツは、例えばゲームのライブ配信サーバ2と通信を行う配信者端末3および視聴者端末4に表示されるアバターa(図5参照)に使用可能な装飾品や、ゲーム内で使用可能なアイテムである。ギフトコンテンツの購入は、ユーザが保有するポイントを対価として行うことができる。このポイントは、例えば視聴者が有償で購入することが可能であると共に、視聴者自身がプレイするゲームのライブ配信システム1内のゲーム内で行われるイベントで所定の条件を満たすことにより付与される。そして、ギフト管理部225は、視聴者から受信する、配信者にギフトコンテンツを贈与したい旨を示す贈与希望に応じてギフトデータベースDBからギフトコンテンツを抽出し、配信者に提供する。
【0050】
高評価管理部226は、視聴者端末4を介して視聴者により行われる、配信者への高評価の付与状況を管理する。具体的には、本実施形態においては、高評価管理部226は、配信者のユーザIDと、ゲームタイトルと、高評価を行った視聴者のユーザIDとを関連付けて高評価データベース(不図示)として記憶手段25に保存して管理する。すなわち、高評価管理部226は、視聴者により行われるゲーム毎の配信者への高評価付与状況を管理する。なお、1人の視聴者が複数の高評価を行うことが可能である場合には、高評価管理部226は、高評価を行った視聴者のユーザIDに、さらに当該視聴者が行った高評価の数を関連付けて保存する。なお、本発明においてはこれに限らず、例えばユーザは特定のゲームに限定されず、サーバ2に登録されているユーザ毎に高評価の付与が可能であり、高評価管理部226は、ユーザIDと、当該ユーザに付与された高評価の数と、当該ユーザに高評価を行った他のユーザのユーザIDとを関連付けて高評価データベースに保存して管理する態様であってもよい。この場合、視聴者による配信者に対する高評価の付与は、ゲーム毎ではなく、配信者毎に行われることになる。
【0051】
特典付与部227は、視聴者が配信者により配信中のゲーム内で配信者に対して応援行為をした際に、視聴者の指標値が所定の条件を満たす場合、ゲーム内で有利な状態を生じる特典を視聴者に付与する。本実施形態においては、指標値データベースDBに保存されている当該視聴者の当該ゲームにおけるハイスコアが閾値以上であると、配信者に対してゲームに関する特典を付与する。
【0052】
上述したように、ハイスコア等の指標値に対する閾値は、ゲーム毎に異なる種々のものが設定されてもよく、この閾値は、各ゲーム内で配信者により獲得されたハイスコアや、各ゲームに対して予め設定されている基準スコア等であってもよい。
【0053】
応援行為とは、視聴者により行われる配信者へのギフトコンテンツの贈与、視聴者が所持するゲーム内において使用可能なアイテムの配信者への譲渡、配信者がプレイしているゲームへの協力参加、配信者がプレイしているゲームに対して視聴者が当該ゲーム内で育成しているキャラクターを出現させるキャラクター出現、視聴者により行われる配信者へのゲーム毎または配信者毎の高評価付与等、ゲーム毎に設定されている応援行為を可能とする種々の応援機能を介して行われる、配信者の有利になる1つ以上の行為である。ギフトコンテンツの贈与は、上述したようにギフト管理部225による管理下で行われる。視聴者が所持するゲーム内において使用可能なアイテムの配信者への譲渡は、ゲーム提供部221による管理下で行われる。協力参加機能は、ゲーム提供部221が有する機能であり、少なくとも一部のゲームに設けられている、配信者のプレイを支援するために視聴者が当該ゲームにプレイヤーとして参加すること、または当該ゲームに対して視聴者が当該ゲーム内で育成しているキャラクターを当該視聴者による操作を要さずに自動操作により参加させることを可能にする機能である。高評価付与は、上述した高評価管理部226を介して行われる。
【0054】
特典とは、本実施形態においてはゲームにおけるスコアの上昇機会を増加するスコア増進効果である。上述したように、ゲームでは、ユーザは敵を倒す等の所定の条件を達成する度にスコアを獲得可能になっているが、スコア増進効果とは、当該所定の条件を達成した際に付与されるスコアが、スコア増進効果が付与されていない場合と比較して、増加するような効果である。このようなスコア増進効果としては、所定の条件を達成した際に付与されるスコア自体を増加させる他、スコア獲得の機会になるイベントの発生頻度の増加等が挙げられる。
【0055】
なお、本発明においては、特典はスコア増進効果に限定されず、例えばゲーム内に複数設けられたステージをクリアする度に当該ステージのプレイ実績(ステージ内で獲得した総ポイント数や、ステージ内で倒した敵の数、ステージをいかに短時間でクリアできるか等)に対して得られるランキングを増加しやすくするランキング増進効果であってもよい。また、特典は、ゲームにおけるゲームフィールドにおいてスコアを獲得しやすいようにする有利な態様への変化であってもよい。
【0056】
さらに、特典は、ゲームにおいて配信者が操作するプレイヤーのステータス(プレイヤーの体力、攻撃力、守備力等)を増進するステータス増進効果であってもよい。また、このステータス増進効果は、永続的であってもよく、あるいは一時的であってもよい。また、特典は、ゲームにおいて使用可能なアイテムと、このアイテムと同一の外観を有しゲームのライブ配信時に表示される配信者のアバターに使用可能な装備品の2つを同時に付与する態様であってもよい。
【0057】
なお、応援行為がギフトコンテンツの贈与である場合には、贈与されるギフトコンテンツの種類や個数に応じて特典の内容が変化する(例えば、スコア増進効果の程度が変化する、特典の種類が変化する等)態様であってもよい。これにより、視聴者による応援行為を促進する事が可能になる。
【0058】
図2に戻り、サーバ2は、制御部21に加えて、記憶手段25と、通信部26とを備えている。
【0059】
記憶手段25は、磁気ハードディスクや半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成されている。記憶手段25は、サーバ2が機能するために必要になる、各種のゲームに関するデータや、指標値データベースDB等の各種のデータベースを記憶する。
【0060】
通信部26は、ネットワークインターフェースであり、ネットワークNを介して配信者端末3および視聴者端末4と通信する。通信部26は、配信者端末3や視聴者端末4から受信した各種データを制御部21に渡すと共に、制御部21が生成したデータを配信者端末3や視聴者端末4に送信する。
【0061】
次に、上述した構成を備えるゲームのライブ配信システム1によるライブ配信の様子について説明する。図5は、本発明の実施形態に係るゲームのライブ配信サーバ2と通信を行う視聴者端末4に表示される画面の具体例を示す模式図である。図5に示すように、ゲームのライブ配信時、視聴者端末4には、動画ウィンドウVと、チャットウィンドウCと、チャット入力ウィンドウIと、アバターウィンドウAと、ギフトアイコンGと、各種操作メニューを呼び出すメニューボタンMとが表示される。
【0062】
動画ウィンドウVは、配信部222から配信される、配信者によるゲームのプレイ動画が表示されるウィンドウである。
【0063】
動画ウィンドウVには、本実施形態においてはテニスゲームのプレイ動画が表示されていて、配信者であるプレイヤーP1の他、配信者がプレイしているゲームに協力参加している配信者である協力参加プレイヤーP2が表示されている。
【0064】
また、動画ウィンドウV中には、当該プレイ動画を配信する配信者に対する高評価を付与する高評価ボタンLが表示される。視聴者は高評価ボタンLをタップすることにより、視聴者端末4からサーバ2に当該配信者への高評価情報が送信され、高評価管理部226が当該ゲームにおける配信者への高評価の総数を計測し、当該総数が配信者端末3および視聴者端末4の動画ウィンドウV中に、高評価総数Sとして表示される。図5に示す例では、高評価総数Sは「117」となっていて、これは視聴者から当該ゲームを配信する配信者に対する高評価が117回あったことを示している。高評価は、本実施形態においては各視聴者が1回ずつ行うことができることを想定しているが、本発明においてはこれに限らず、各視聴者が複数回、あるいは無制限に高評価を行うことができる態様であってもよい。また、本実施形態においては高評価は無償で行うことができることを想定しているが、本発明においてはこれに限らず、各視聴者が保有するポイントのうち一定のポイント(例えば5ポイント)を対価として行うことができる態様であってもよい。高評価総数Sは更新可能になっていて、高評価がされる度に更新されていく。
【0065】
チャットウィンドウCは、文字や絵文字によるチャットが表示されるウィンドウであり、発言者である視聴者の名前(「あおい」、「ひなた」)と、各発言者による発言(「はじめまして!」や「チャンスだぞ!」)が表示される。
【0066】
チャット入力ウィンドウIは、チャットウィンドウCに表示される発言を入力するためのウィンドウである。発言を希望する視聴者が、このチャット入力ウィンドウI内に視聴者端末4の文字入力機能を用いて文字や絵文字を入力して当該文字データをサーバ2に送信することにより、視聴者端末4のチャットウィンドウCに当該文字が表示される。このチャットの内容は、配信者端末3にも表示されるようになっている。
【0067】
アバターウィンドウAは、配信者または視聴者にそれぞれ対応するアバターaが表示されるウィンドウである。アバターaは各ユーザが任意にデザインすることができると共に、各種の装飾品を装備することが可能になっている。
【0068】
ギフトアイコンGは、視聴者が配信者にギフトコンテンツの贈与を行う際に選択されるアイコンであり、当該アイコンを選択することにより、視聴者端末4に、ギフトデータベースに基づき贈与可能なギフトコンテンツの一覧が表示される。そして、視聴者が保有するポイントを対価として、ギフトコンテンツの一覧の中から贈与したいギフトコンテンツを選択すると、視聴者端末4からサーバ2に贈与希望が送信され、サーバ2のギフト管理部225がこれを受信し贈与希望に応じてギフトデータベースDBから所定のギフトコンテンツを抽出し、配信者に提供する。
【0069】
次に、上述した構成及び機能を有するサーバ2の動作についてフローチャートを用いて説明する。図6は、本発明の実施形態に係るゲームのライブ配信サーバ2による処理を示すフローチャートである。
【0070】
図6に示すように、まず、ゲーム提供部221によりユーザにゲームが提供され(ステップS1)、当該ゲームにおいて各ユーザが獲得したハイスコアが指標値保存部223により指標値データベースDBとして記憶手段25に保存される(ステップS2)。
【0071】
次に、ゲームをプレイしているユーザが自身のプレイ動画の配信を希望すると、配信部222が、視聴を希望する視聴者の視聴者端末4に対して、配信者のプレイ動画の配信を開始する(ステップS3)。配信された動画データは、図5に示すように視聴者端末4の動画ウィンドウVに表示される。
【0072】
そして、プレイ動画の配信中に視聴者による何れかの応援行為があった場合(ステップS4:YES)、指標値比較部224は、配信者によるゲームのプレイ動画を視聴する視聴者の、当該ゲームにおけるハイスコアを抽出して、所定の閾値と比較する(ステップS5)。
【0073】
上述したように、応援行為は視聴者により行われる配信者へのギフトコンテンツの贈与、配信者がプレイしているゲームへの協力参加、視聴者により行われる配信者への高評価付与等の行為である。また、視聴者のハイスコアは、指標値データベースDBに保存されていて、指標値比較部224はその指標値データベースDBを用いてハイスコアの比較を行う。また、所定の閾値は、上述したように本実施形態においては各ゲーム内で配信者により獲得されたハイスコアや、ゲームに対して予め設定されている基準スコアである。
【0074】
指標値比較部224によるハイスコアの比較の結果、視聴者の当該ゲームにおけるハイスコアが閾値以上であると(ステップS6:YES)、特典付与部227は、配信者に対して当該ゲームに関する特典を付与し(ステップS7)、特典付与に関する処理が終了する。
【0075】
また、ステップS4において応援行為が無い場合(ステップS4:NO)、特典付与を行わずに特典付与に関する処理が終了し、プレイ動画の配信が継続される。
【0076】
また、ステップS6において視聴者の当該ゲームにおけるハイスコアが閾値以上でない場合も(ステップS6:NO)、特典付与を行わずに特典付与に関する処理が終了し、プレイ動画の配信が継続される。
【0077】
上述した本実施形態に係るゲームのライブ配信サーバ2によれば、ゲーム動画の視聴者自身が当該ゲームや他のゲームをプレイして高いスコアを得る等、ゲームの習得度を高めた状態で配信者に対して応援行為をすることで、配信者に特典を付与することができ、配信者をさらに応援することができるため、視聴者が自身でもゲームをプレイする動機付けを与えることができる。そして、視聴者自身もゲームをプレイすることによって当該ゲームのプレイヤーとしての楽しさにも触れることができ、ゲームへの理解や愛着が増し、更に視聴も面白くなるという、ユーザ体験の相乗効果を促進することが可能になる。
【0078】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、種々の変形を採用することができる。
【0079】
例えば、上述した実施形態においては配信者端末3および視聴者端末4は、ゲームの操作情報の生成、送信およびプレイ動画の描画のみを行い、その他のゲームに関する情報処理は全てサーバ2により行われていたが、本発明においてはこれに限らず、配信者端末3および視聴者端末4が、ゲームの操作情報の生成、送信およびプレイ動画の描画以外の、上述した実施形態においてサーバ2が担っていた情報処理の少なくとも一部を行ってもよい。
【0080】
また、上述した実施形態においては、特典付与部227は指標値データベースDBに保存されている視聴者の指標値(配信中のゲームまたは他のゲームにおける視聴者のハイスコア等)が閾値(各ゲーム内で配信者により獲得されたハイスコアや、ゲームに対して予め設定されている基準スコア等)以上であるとき、配信者に対して所定の特典を付与していた。しかし、本発明においてはこれに限らず、特典付与部227は、当該指標値が大きくなるに伴いより有利な状況を生じる特典に変化させて付与する態様であってもよい。この場合、特典付与部227は、指標値に対して閾値を設けることなく、特典の付与を行う。これによっても、視聴者に対して自身でもゲームをプレイする動機付けを与えることができ、ユーザ体験の相乗効果を促進することが可能になる。
【符号の説明】
【0081】
1:ゲームのライブ配信システム
2:ゲームのライブ配信サーバ
3:配信者端末
4:視聴者端末
21:制御部
22:CPU
23:ROM
24:RAM
25:記憶手段
26:通信部
221:ゲーム提供部
222:配信部
223:指標値保存部
224:指標値比較部
225:ギフト管理部
226:高評価管理部
227:特典付与部
A:アバターウィンドウ
a:アバター
C:チャットウィンドウ
DB:指標値データベース
G:ギフトアイコン
I:チャット入力ウィンドウ
M:メニューボタン
P1:プレイヤー
P2:協力参加プレイヤー
L:高評価ボタン
S:高評価総数
V:動画ウィンドウ
【要約】
【課題】視聴者が自身でもゲームをプレイする動機付けを与えることができ、視聴者自身もゲームをプレイすることによってユーザ体験の相乗効果を促進することが可能になるゲームのライブ配信サーバを提供する。
【解決手段】配信者と視聴者とを含む複数のユーザにゲームのライブ配信サービスを提供するゲームのライブ配信サーバ2であって、配信者のゲームプレイ画面を視聴者に配信する配信部222と、各ユーザのゲームの習得度を示す指標値を保存する指標値保存部223と、視聴者が応援機能により配信者に応援行為をした際に、視聴者の指標値に応じてゲーム内で有利な状態を生じる特典を配信者に付与する特典付与部227と、を備えるゲームのライブ配信サーバ2。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6