(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-02
(45)【発行日】2023-08-10
(54)【発明の名称】半導体回路、データ伝送システム及び半導体回路の動作方法
(51)【国際特許分類】
H04L 7/00 20060101AFI20230803BHJP
H03K 5/00 20060101ALI20230803BHJP
G06F 1/12 20060101ALI20230803BHJP
【FI】
H04L7/00 870
H03K5/00 U
H04L7/00 410
G06F1/12
(21)【出願番号】P 2018238289
(22)【出願日】2018-12-20
【審査請求日】2021-12-13
(31)【優先権主張番号】P 2018082533
(32)【優先日】2018-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】502161508
【氏名又は名称】シナプティクス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100205350
【氏名又は名称】狩野 芳正
(74)【代理人】
【識別番号】100117617
【氏名又は名称】中尾 圭策
(72)【発明者】
【氏名】瀬納 剛史
【審査官】谷岡 佳彦
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0019863(US,A1)
【文献】特開2017-112427(JP,A)
【文献】特開平05-127872(JP,A)
【文献】特表2007-528167(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 7/00
H03K 5/00
G06F 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが複数の信号のうちの少なくとも一の信号の遷移に応じて検出信号を出力するように構成された複数の信号遷移検出器と、
前記検出信号の論理和に応じた再生クロック信号を出力するように構成されたダイナミックOR回路
とを備え
、
前記複数の信号遷移検出器のそれぞれが、
前記少なくとも一の信号に応じて生成された互いに相補の第1入力信号及び第2入力信号を受け取り、前記第1入力信号と前記第2入力信号とのいずれかを前記検出信号として出力するように構成されたセレクタと、
前記再生クロック信号、前記第1入力信号及び前記第2入力信号に応じて前記セレクタの状態を設定する状態設定回路
とを備える
半導体回路。
【請求項2】
更に、
第1ワイヤに接続される入力と第2ワイヤに接続される入力とを備える第1差動レシーバと、
前記第2ワイヤに接続される入力と第3ワイヤに接続される入力とを備える第2差動レシーバと、
前記第3ワイヤに接続される入力と前記第1ワイヤに接続される入力とを備える第3差動レシーバ
とを備え、
前記複数の信号遷移検出器が、第1信号遷移検出器、第2信号遷移検出器及び第3信号遷移検出器を備えており、
前記第1差動レシーバは、前記第1信号遷移検出器に前記第1入力信号及び前記第2入力信号を供給し、
前記第2差動レシーバは、前記第2信号遷移検出器に前記第1入力信号及び前記第2入力信号を供給し、
前記第3差動レシーバは、前記第3信号遷移検出器に前記第1入力信号及び前記第2入力信号を供給する
請求項
1に記載の半導体回路。
【請求項3】
前記第1ワイヤ、前記第2ワイヤ及び前記第3ワイヤで伝送されるデータ信号が、MIPI C-PHY規格に従って生成される
請求項
2に記載の半導体回路。
【請求項4】
前記複数の信号遷移検出器のそれぞれの前記セレクタは、
前記第1入力信号を受け取る第1入力ノードと前記検出信号を出力する出力ノードとの間に接続された第1トランスミッションゲートと、
前記第2入力信号を受け取る第2入力ノードと前記出力ノードとの間に接続された第2トランスミッションゲートと、
前記第1トランスミッションゲートと前記第2トランスミッションゲートとを制御するラッチ
とを備える
請求項
3に記載の半導体回路。
【請求項5】
前記ラッチは、前記第1トランスミッションゲートをオンし、前記第2トランスミッションゲートをオフする第1状態と、前記第1トランスミッションゲートをオフし、前記第2トランスミッションゲートをオンする第2状態とを有する
請求項
4に記載の半導体回路。
【請求項6】
前記状態設定回路は、前記再生クロック信号によってイネーブルされたときに、前記第1入力信号及び前記第2入力信号に応じて前記ラッチを前記第1状態又は前記第2状態に設定するように構成された
請求項
5に記載の半導体回路。
【請求項7】
前記ラッチは、互いに相補の論理値を保持する第1ノード及び第2ノードを備えており、
前記状態設定回路は、
前記第1ノードと所定電位を有するノードとの間に直列に接続された第1MOSトランジスタ及び第2MOSトランジスタと、
前記第2ノードと前記所定電位を有するノードとの間に直列に接続された第3MOSトランジスタ及び第4MOSトランジスタ
とを備え、
前記第1MOSトランジスタ及び前記第3MOSトランジスタのゲートに前記再生クロック信号が供給され、
前記第2MOSトランジスタのゲートに前記第1入力信号が供給され、
前記第4MOSトランジスタのゲートに前記第2入力信号が供給される
請求項
4に記載の半導体回路。
【請求項8】
前記第1MOSトランジスタ、前記第2MOSトランジスタ、前記第3MOSトランジスタ及び前記第4MOSトランジスタが、NMOSトランジスタであり、
前記所定電位が接地電位である
請求項
7に記載の半導体回路。
【請求項9】
前記複数の信号遷移検出器のそれぞれが、更に、
前記第1トランスミッションゲートと
前記第1入力ノードとの間に接続された第1遅延素子と、
前記第2トランスミッションゲートと
前記第2入力ノードとの間に接続された第2遅延素子
とを備えている
請求項
4に記載の半導体回路。
【請求項10】
前記第1遅延素子が、直列に接続された複数の第1インバータを含み、
前記第2遅延素子が、直列に接続された複数の第2インバータを含み、
前記複数の第1インバータと前記複数の第2インバータの数が同一である
請求項
9に記載の半導体回路。
【請求項11】
前記第1遅延素子が、一のインバータからなり、
前記第2遅延素子が、一のインバータからなる
請求項
9に記載の半導体回路。
【請求項12】
前記ダイナミックOR回路が、ダイナミックノードと所定電位を有するノードの間に並列に接続された複数のMOSトランジスタを備えており、
前記複数のMOSトランジスタのゲートには、前記複数の信号遷移検出器から前記検出信号がそれぞれに供給される
請求項1
に記載の半導体回路。
【請求項13】
前記ダイナミックOR回路が、ダイナミックノードと所定電位を有するノードの間に並列に接続された第5MOSトランジスタ、第6MOSトランジスタ及び第7MOSトランジスタを備えており、
前記第5MOSトランジスタのゲートに前記第1信号遷移検出器から前記検出信号が供給され、
前記第6MOSトランジスタのゲートに前記第2信号遷移検出器から前記検出信号が供給され、
前記第7MOSトランジスタのゲートに前記第3信号遷移検出器から前記検出信号が供給される
請求項
2に記載の半導体回路。
【請求項14】
前記第5MOSトランジスタ、前記第6MOSトランジスタ及び前記第7MOSトランジスタが、NMOSトランジスタであり、
前記所定電位が接地電位である
請求項
13に記載の半導体回路。
【請求項15】
前記ダイナミックOR回路が、更に、
前記ダイナミックノードに接続された入力を有する第3インバータと、
前記第3インバータの出力に接続された入力と前記ダイナミックノードに接続された出力とを有する第4インバータ
とを備え、
前記再生クロック信号が、前記第3インバータから出力される
請求項
14に記載の半導体回路。
【請求項16】
更に、前記再生クロック信号に応じて前記ダイナミックノードをプリチャージするプリチャージ回路を備えている
請求項
15に記載の半導体回路。
【請求項17】
前記プリチャージ回路は、前記再生クロック信号がアサートされた後、設定された遅延時間の経過後にプリチャージ信号をアサートし、前記再生クロック信号がディアサートされると即時に前記プリチャージ信号をディアサートするように構成された第1遅延回路と、
前記プリチャージ信号のアサートに応じて前記ダイナミックノードをプリチャージする第8MOSトランジスタを備えている
請求項
16に記載の半導体回路。
【請求項18】
更に、前記複数の信号遷移検出器からそれぞれに出力される前記検出信号のうちの少なくとも一の信号、又は、前記複数の信号遷移検出器からそれぞれに出力される前記検出信号に基づいて生成される派生信号に基づいて前記第1遅延回路の前記遅延時間を設定する自動設定回路部を備える
請求項
17に記載の半導体回路。
【請求項19】
前記自動設定回路部は、前記少なくとも一の信号、又は、前記派生信号に基づいてリングオシレータイネーブル信号を生成するリングオシレータイネーブル信号生成回路部と、
前記リングオシレータイネーブル信号に応じて発振出力信号を出力するように構成されたリングオシレータと、
前記発振出力信号のパルスをカウントするマスクカウンタ
とを備え、
前記第1遅延回路が、複数の第1単位遅延素子を備え、
前記リングオシレータが、
前記第1単位遅延素子のレプリカとして構成された複数の第2単位遅延素子を備える第2遅延回路と、
前記第2遅延回路の出力を入力にフィードバックするフィードバックパス
とを備え、
前記第1遅延回路の前記遅延時間が、前記マスクカウンタのカウント値に応じて設定される
請求項
18に記載の半導体回路。
【請求項20】
前記第1遅延回路が、リングオシレータとして動作可能に構成され、
前記自動設定回路部は、前記少なくとも一の信号、又は、前記派生信号に基づいてリングオシレータイネーブル信号を生成するリングオシレータイネーブル信号生成回路部と、
マスクカウンタ
とを備え、
前記第1遅延回路は、前記リングオシレータとして動作するとき、前記リングオシレータイネーブル信号に応じて発振出力信号を出力するように構成され、
前記マスクカウンタは、前記発振出力信号のパルスをカウントし、
前記第1遅延回路の前記遅延時間が、前記マスクカウンタのカウント値に応じて設定される
請求項
18に記載の半導体回路。
【請求項21】
前記リングオシレータイネーブル信号生成回路部が、前記リングオシレータイネーブル信号にUIの複数倍のパルス幅のパルスが現れるように前記リングオシレータイネーブル信号を生成する
請求項
19又は
20に記載の半導体回路。
【請求項22】
それぞれが複数の信号のうちの少なくとも一の信号の遷移に応じて検出信号を出力するように構成された複数の信号遷移検出器と、
前記検出信号の論理和に応じた出力信号を出力するように構成されたダイナミックOR回路
とを備え、
前記複数の信号遷移検出器のそれぞれが、
前記少なくとも一の信号に応じて生成された互いに相補の第1入力信号及び第2入力信号を受け取り、前記第1入力信号と前記第2入力信号とのいずれかを前記検出信号として出力するように構成されたセレクタと、
前記出力信号、前記第1入力信号及び前記第2入力信号に応じて前記セレクタの状態を設定する状態設定回路
とを備える
半導体回路。
【請求項23】
第1ワイヤ、第2ワイヤ及び第3ワイヤのそれぞれにデータ信号を出力するトランスミッタ回路と、
レシーバ回路
とを備え、
前記レシーバ回路が、
前記第1ワイヤ、前記第2ワイヤ及び前記第3ワイヤの異なる組み合わせの2本のワイヤに接続される入力を備える第1差動レシーバ、第2差動レシーバ及び第3差動レシーバと、
それぞれ前記第1差動レシーバ、前記第2差動レシーバ及び前記第3差動レシーバから互いに相補の第1入力信号及び第2入力信号を受け取る第1信号遷移検出器、第2信号遷移検出器及び第3信号遷移検出器と、
前記第1信号遷移検出器、前記第2信号遷移検出器及び前記第3信号遷移検出器から出力される検出信号の論理和に応じた再生クロック信号を出力するように構成されたダイナミックOR回路
とを備え
、
前記第1信号遷移検出器、前記第2信号遷移検出器及び前記第3信号遷移検出器のそれぞれが、
前記第1差動レシーバ、前記第2差動レシーバ及び前記第3差動レシーバのうちの対応する差動レシーバから前記第1入力信号及び前記第2入力信号を受け取り、前記第1入力信号と前記第2入力信号とのいずれかを前記検出信号として出力するように構成されたセレクタと、
前記再生クロック信号、前記第1入力信号及び前記第2入力信号に応じて前記セレクタの状態を設定する状態設定回路
とを備える
データ伝送システム。
【請求項24】
前記レシーバ回路が、更に、
前記第1差動レシーバ、前記第2差動レシーバ及び前記第3差動レシーバからそれぞれ出力される前記第1入力信号を前記再生クロック信号に同期してそれぞれにラッチする第1データラッチ、第2データラッチ及び第3データラッチを備える
請求項
23に記載のデータ伝送システム。
【請求項25】
前記トランスミッタ回路が、前記第1ワイヤ、前記第2ワイヤ及び前記第3ワイヤで伝送される前記データ信号をMIPI C-PHY規格に従って生成する
請求項24
に記載のデータ伝送システム。
【請求項26】
複数の信号遷移検出器のそれぞれから、複数の信号のうちの少なくとも一の信号の遷移に応じて検出信号を出力することと、
ダイナミックOR回路により、前記検出信号の論理和に応じた再生クロック信号を出力すること
とを含
み、
前記検出信号を出力することは、
前記複数の信号のうちの少なくとも一の信号の遷移に応じて互いに相補の第1入力信号及び第2入力信号を前記複数の信号遷移検出器にそれぞれに供給することと、
前記複数の信号遷移検出器のそれぞれにおいて、前記第1入力信号と前記第2入力信号とのうちからセレクタによって前記検出信号を選択することと、
前記複数の信号遷移検出器のそれぞれにおいて、前記再生クロック信号、前記第1入力信号及び前記第2入力信号に応じて前記セレクタの状態を設定すること
とを含む
半導体回路の動作方法。
【請求項27】
前記複数の信号遷移検出器が、第1信号遷移検出器、第2信号遷移検出器及び第3信号遷移検出器を備えており、
前記第1信号遷移検出器に供給される前記第1入力信号及び前記第2入力信号が、第1ワイヤに接続される入力と第2ワイヤに接続される入力とを備える第1差動レシーバにより生成され、
前記第2信号遷移検出器に供給される前記第1入力信号及び前記第2入力信号が、前記第2ワイヤに接続される入力と第3ワイヤに接続される入力とを備える第2差動レシーバにより生成され、
前記第3信号遷移検出器に供給される前記第1入力信号及び前記第2入力信号が、前記第3ワイヤに接続される入力と前記第1ワイヤに接続される入力とを備える第3差動レシーバにより生成される
請求項
26に記載の半導体回路の動作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体回路、データ伝送システム及び半導体回路の動作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体回路には、複数の信号の状態遷移を検出する検出回路が集積化されることがある。このような検出回路は、一例としては、クロック情報が埋め込まれたデータ信号からクロック信号を再生するクロックリカバリに用いることができる。
【0003】
複数の信号の状態遷移を検出する検出回路は、高速に動作するように設計される。例えば、データ伝送システムにおけるクロックリカバリに用いられた場合、検出回路の高速動作は、データ伝送システムの伝送レートの高速化に寄与する。
【発明の概要】
【0004】
一実施形態では、半導体回路が、それぞれが複数の信号のうちの少なくとも一の信号の遷移に応じて検出信号を出力するように構成された複数の信号遷移検出器と、前記検出信号の論理和に応じた再生クロック信号を出力するように構成されたダイナミックOR回路とを備えている。
【0005】
一実施形態では、データ伝送システムが、第1ワイヤ、第2ワイヤ及び第3ワイヤのそれぞれにデータ信号を出力するトランスミッタ回路と、レシーバ回路とを備えている。前記レシーバ回路が、前記第1ワイヤ、前記第2ワイヤ及び前記第3ワイヤの異なる組み合わせの2本のワイヤに接続される入力を備える第1差動レシーバ、第2差動レシーバ及び第3差動レシーバと、それぞれ前記第1差動レシーバ、前記第2差動レシーバ及び前記第3差動レシーバから互いに相補の第1入力信号及び第2入力信号を受け取る第1信号遷移検出器、第2信号遷移検出器及び第3信号遷移検出器と、前記第1信号遷移検出器、前記第2信号遷移検出器及び前記第3信号遷移検出器から出力される検出信号の論理和に応じた再生クロック信号を出力するように構成されたダイナミックOR回路とを備えている。
【0006】
一実施形態では、半導体回路の動作方法が、複数の信号遷移検出器のそれぞれから、複数の信号のうちの少なくとも一の信号の遷移に応じて検出信号を出力することと、ダイナミックOR回路により、前記検出信号の論理和に応じた再生クロック信号を出力することとを含んでいる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】一実施形態におけるデータ伝送システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】一実施形態におけるレシーバ回路の構成を示すブロック図である。
【
図3】一実施形態におけるクロックリカバリ回路の構成を示す回路図である。
【
図4】一実施形態における
図3に示すクロックリカバリ回路の動作を示すタイミングチャートである。
【
図5】一実施形態におけるクロックリカバリ回路の構成を示す回路図である。
【
図6】一実施形態におけるクロックリカバリ回路の構成を示す回路図である。
【
図7】一実施形態におけるクロックリカバリ回路の構成を示す回路図である。
【
図8】一実施形態におけるクロックパルス伸張回路の構成を示す回路図である。
【
図9】一実施形態における、
図8に示すクロックパルス伸張回路の動作を示すタイミングチャートである。
【
図10A】一実施形態におけるクロックリカバリ回路の構成を示す回路図である。
【
図10B】一実施形態におけるクロックリカバリ回路の構成を示す回路図である。
【
図10C】一実施形態におけるクロックリカバリ回路の構成を示す回路図である。
【
図11】一実施形態における、MIPI C-PHY規格によるデータ伝送の一例を示すタイミングチャートである。
【
図12】一実施形態における自動設定回路部の構成を示す回路図である。
【
図13】一実施形態における自動設定回路部の構成を示す回路図である。
【
図14】一実施形態における半導体回路の構成を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照しながら、実施形態を説明する。
【0009】
一実施形態では、
図1に示すように、データ伝送システム100が、トランスミッタ回路1とレシーバ回路2とを備えている。一実施形態では、データ伝送システム100が、MIPI C-PHY規格に準拠して動作するが、これに限定されない。なお、本明細書でいう「一実施形態」とは、1つ以上の実施形態を意味しており、実施形態が1つに限定されることを意味していない。一実施形態では、トランスミッタ回路1は、レーン3を介してレシーバ回路2に接続されている。一実施形態では、トランスミッタ回路1とレシーバ回路2とが別々の半導体チップに集積化されてもよい。
【0010】
一実施形態では、レーン3は、データ信号をそれぞれ伝送する3本のワイヤA、B、Cを含んでいる。一実施形態では、これらのデータ信号が、MIPI C-PHY規格に従って生成される。この場合、ワイヤA、B、Cのそれぞれは、3つの電位を取ることが許容されている。以下では、これらの3つの電位を、それぞれ、“H”、“M”、“L”と記載する。データ伝送が行われる場合、各UI(unit interval)において、ワイヤA、B、Cのうちの1つが“H”レベルに設定され、他の1つが“M”レベルに設定され、残りの1つが“L”レベルに設定される。したがって、ワイヤA、B、Cの電位の組み合わせの総数は6である。各UIに伝送されるシンボルは、ワイヤA、B、Cの電位の組み合わせで表現される。以下において、ワイヤA、B、Cの電位を、それぞれ、VA、VB、VCと記載することがある。或るシンボルを送信した後に次のシンボルを送信する場合、ワイヤA、B、Cの電位VA、VB、VCは、該或るシンボルの送信時における電位VA、VB、VCとの組み合わせとは異なる組み合わせに遷移する。
【0011】
一実施形態では、ワイヤA、B、Cで伝送されるデータ信号にクロック情報が組み込まれる。クロック情報は、該データ信号の状態遷移のタイミング、即ち、ワイヤA、B、Cの電位VA、VB、VCが遷移するタイミングとして該データ信号に組み込まれる。後述するように、一実施形態では、レシーバ回路2において、ワイヤA、B、Cで伝送されるデータ信号に基づくクロックリカバリが行われ、データ信号の受信に用いられる再生クロック信号が生成される。
【0012】
一実施形態では、
図2に示すように、レシーバ回路2は、差動レシーバ11
1~11
3と、ホールド遅延回路12
1~12
3と、データラッチ13
1~13
3と、クロックリカバリ回路14とを備える半導体回路として構成されている。
【0013】
一実施形態では、差動レシーバ111~113は、それぞれ、ワイヤA、Bの電位差VA-VB、ワイヤB、Cの電位差VB-VC及びワイヤC、Aの電位差VC-VAに対応するシングルエンド信号T_A-B、T_B-C、T_C-Aを生成する。一実施形態では、差動レシーバ111は、ワイヤAが接続される非反転入力とワイヤBが接続される反転入力とを有しており、電位差VA-VBに対応する論理値を有するシングルエンド信号T_A-Bを出力する。同様に、差動レシーバ112は、ワイヤBが接続される非反転入力とワイヤCが接続される反転入力とを有しており、電位差VB-VCに対応する論理値を有するシングルエンド信号T_B-Cを出力する。差動レシーバ113は、ワイヤCが接続される非反転入力とワイヤAが接続される反転入力とを有しており、電位差VC-VAに対応する論理値を有するシングルエンド信号T_C-Aを出力する。一実施形態では、シングルエンド信号T_A-Bは、ワイヤAの電位VAがワイヤBの電位VBより高い場合に論理値“1”を取り、低い場合に論理値“0”を取る。シングルエンド信号T_B-C、T_C-Aについても同様である。
【0014】
一実施形態では、ホールド遅延回路121~123は、それぞれ、差動レシーバ111~113から受け取ったシングルエンド信号T_A-B、T_B-C、T_C-Aを所定の遅延時間Delay_Hだけ遅延する。一実施形態では、ホールド遅延回路121~123は、それぞれ、データラッチ131~133のホールド時間を確保できるように遅延をシングルエンド信号T_A-B、T_B-C、T_C-Aに与えるように構成されている。
【0015】
一実施形態では、データラッチ131~133は、それぞれ、ホールド遅延回路121~123によって遅延されたシングルエンド信号T_A-B、T_B-C、T_C-Aをクロックリカバリ回路14から供給される再生クロック信号RCLKに同期してラッチし、ラッチした論理値を有するラッチデータ信号Data(A-B)、Data(B-C)、Data(C-A)を出力する。
【0016】
一実施形態では、クロックリカバリ回路14は、ワイヤA、B、Cを伝送されるデータ信号に埋め込まれるクロック情報に基づくクロック再生を行って再生クロック信号RCLKを生成し、生成された再生クロック信号RCLKをデータラッチ131~133に供給する。
【0017】
一実施形態では、
図3に示すように、クロックリカバリ回路14が、シングルエンド信号T_A-B、T_B-C、T_C-Aと相補シングルエンド信号B_A-B、B_B-C、B_C-Aとを差動レシーバ11
1~11
3から受け取るように構成されている。一実施形態では、相補シングルエンド信号B_A-B、B_B-C、B_C-Aは、それぞれ、シングルエンド信号T_A-B、T_B-C、T_C-Aと相補の論理値を有している。なお、相補シングルエンド信号B_A-B、B_B-C、B_C-Aは、
図2には図示されていない。
【0018】
一実施形態では、クロックリカバリ回路14は、信号遷移検出器211~213と、ダイナミックOR回路22と、プリチャージ回路23とを備えている。
【0019】
一実施形態では、信号遷移検出器211は、シングルエンド信号T_A-Bと相補シングルエンド信号B_A-Bとを受け取り、シングルエンド信号T_A-Bと相補シングルエンド信号B_A-Bの遷移を検出して検出信号ST_A-Bを生成するように構成されている。一実施形態では、信号遷移検出器211は、2つの入力ノードNINT、NINBと、出力ノードNOUTと、トランスミッションゲートTG1、TG2と、インバータIV1、IV2と、NMOSトランジスタMN1~MN4とを備えている。
【0020】
一実施形態では、入力ノードNINTは、差動レシーバ111の第1出力に接続されており、差動レシーバ111からシングルエンド信号T_A-Bを受け取る。同様に、一実施形態では、入力ノードNINBは、差動レシーバ111の第2出力に接続されており、差動レシーバ111から相補シングルエンド信号B_A-Bを受け取る。一実施形態では、出力ノードNOUTは、信号遷移検出器211で生成された検出信号ST_A-BをダイナミックOR回路22に出力する。
【0021】
一実施形態では、トランスミッションゲートTG1は、入力ノードNINTと出力ノードNOUTの間に接続されており、入力ノードNINTと出力ノードNOUTとを電気的に接続し、又は、切り離すように構成されている。同様に、一実施形態では、トランスミッションゲートTG2は、入力ノードNINBと出力ノードNOUTの間に接続されており、入力ノードNINBと出力ノードNOUTとを電気的に接続し、又は、切り離すように構成されている。
【0022】
一実施形態では、インバータIV1、IV2は、クロスカップルされており(cross-coupled)、2状態ラッチ(binary latch)25を構成している。一実施形態では、インバータIV1は、その入力がノードNLBに接続され、出力がノードNLTに接続されている。同様に、一実施形態では、インバータIV2は、その入力がノードNLTに接続され、出力がノードNLBに接続されている。一実施形態では、ノードNLB、NLTは、2状態ラッチ25の状態の保持に用いられるノードであり、互いに相補の論理値を保持している。
【0023】
一実施形態では、トランスミッションゲートTG1、TG2と2状態ラッチ25とは、全体としては、2状態ラッチ25に保持される状態に応じてシングルエンド信号T_A-Bと相補シングルエンド信号B_A-Bのいずれかを出力するセレクタとして動作する。一実施形態では、2状態ラッチ25の状態には、トランスミッションゲートTG1をオンし、トランスミッションゲートTG2をオフする第1状態と、トランスミッションゲートTG1をオフし、トランスミッションゲートTG2をオンする第2状態とがある。一実施形態では、2状態ラッチ25の状態により、トランスミッションゲートTG1、TG2が制御される。
【0024】
一実施形態では、NMOSトランジスタMN1、MN2は、ノードNLBと、回路接地、即ち、接地電位を有するノードの間に直列に接続されている。一実施形態では、NMOSトランジスタMN1のゲートは、クロックリカバリ回路14の出力端子26に接続されており、再生クロック信号RCLKが供給される。NMOSトランジスタMN2のゲートは、入力ノードNINBに接続されており、相補シングルエンド信号B_A-Bが供給される。一実施形態では、NMOSトランジスタMN1、MN2は、再生クロック信号RCLKと相補シングルエンド信号B_A-Bとの両方がHighレベルに設定されるとノードNLBを回路接地に接続してLowレベルにプルダウンする。なお、NMOSトランジスタMN1、MN2の位置は、交換可能である。
【0025】
一実施形態では、NMOSトランジスタMN3、MN4は、ノードNLBと回路接地の間に直列に接続されている。NMOSトランジスタMN3のゲートは、クロックリカバリ回路14の出力端子26に接続されており、再生クロック信号RCLKが供給される。一実施形態では、NMOSトランジスタMN4のゲートは、入力ノードNINTに接続されており、シングルエンド信号T_A-Bが供給される。NMOSトランジスタMN3、MN4は、再生クロック信号RCLKとシングルエンド信号T_A-Bとの両方がHighレベルに設定されるとノードNLTを回路接地に接続してLowレベルにプルダウンする。なお、NMOSトランジスタMN3、MN4の位置は、交換可能である。
【0026】
一実施形態では、NMOSトランジスタMN1~MN4は、再生クロック信号RCLKによってイネーブルされたときに、本実施形態では再生クロック信号RCLKがアサートされてHighレベルに設定されたときに、シングルエンド信号T_A-B及び相補シングルエンド信号B_A-Bに応じて2状態ラッチ25の状態を設定する状態設定回路として動作する。
【0027】
一実施形態では、信号遷移検出器212、213は、入力ノードNINT、NINBに入力される信号及び出力する信号が異なる以外、信号遷移検出器211と同様に構成され、同様に動作する。一実施形態では、信号遷移検出器212は、入力ノードNINTにおいて差動レシーバ112からシングルエンド信号T_B-Cを受け取り、入力ノードNINBにおいて差動レシーバ112から相補シングルエンド信号B_B-Cを受け取る。一実施形態では、信号遷移検出器212は、シングルエンド信号T_B-Cと相補シングルエンド信号B_B-Cの遷移を検出して出力ノードNOUTから検出信号ST_B-Cを出力するように構成されている。一実施形態では、信号遷移検出器213は、入力ノードNINTにおいて差動レシーバ113からシングルエンド信号T_C-Aを受け取り、入力ノードNINBにおいて差動レシーバ113から相補シングルエンド信号B_C-Aを受け取る。一実施形態では、信号遷移検出器213は、シングルエンド信号T_C-Aと相補シングルエンド信号B_C-Aの遷移を検出して出力ノードNOUTから検出信号ST_C-Aを出力するように構成されている。
【0028】
一実施形態では、ダイナミックOR回路22は、信号遷移検出器211、212、213からそれぞれ受け取った検出信号ST_A-B、ST_B-C、ST_C-Aの論理和の信号を出力端子26に出力するダイナミック回路として構成されている。一実施形態では、ダイナミックOR回路22から出力される信号が、上述の再生クロック信号RCLKとして用いられる。ダイナミックOR回路22を用いることで、信号遷移検出器211、212、213に入力されるシングルエンド信号T_A-B、T_B-C、T_C-Aのいずれかが遷移したときに速やかに再生クロック信号RCLKをアサートすることができる。これは、クロックリカバリ回路14の高速動作に寄与する。一実施形態では、再生クロック信号RCLKがハイアクティブの信号として生成される。一実施形態では、再生クロック信号RCLKは、アサートされるとHighレベルに設定され、ディアサートされるとLowレベルに設定される。
【0029】
一実施形態では、ダイナミックOR回路22は、NMOSトランジスタMN5、MN6、MN7と、インバータIV3とを備えている。一実施形態では、NMOSトランジスタMN5、MN6、MN7は、ダイナミックノードDと、所定電位を有するノード、本実施形態では回路接地の間に並列に接続されている。一実施形態では、検出信号ST_A-B、ST_B-C及びST_C-Aは、NMOSトランジスタMN5、MN6、MN7のゲートにそれぞれに供給される。一実施形態では、インバータIV3は、ダイナミックノードDの論理値と相補の論理値を有する信号を、再生クロック信号RCLKとして出力する。
【0030】
一実施形態では、プリチャージ回路23は、ダイナミックOR回路22のダイナミックノードDをプリチャージするように構成されている。一実施形態では、プリチャージ回路23は、可変遅延回路24とPMOSトランジスタMP1とを備えている。
【0031】
一実施形態では、可変遅延回路24は、再生クロック信号RCLKの信号レベルに応じてPMOSトランジスタMP1にプリチャージ信号S
PCを供給するように構成されている。詳細には、可変遅延回路24は下記のように動作する。一実施形態では、可変遅延回路24は、再生クロック信号RCLKがアサートされた後、所定の遅延時間Mask_delayが経過するとプリチャージ信号S
PCをアサートする。一実施形態では、加えて、可変遅延回路24は、再生クロック信号RCLKがHighレベルからLowレベルに遷移するとリセットされ、プリチャージ信号S
PCを即時にディアサートするように構成されている。
図3において可変遅延回路24を表す回路記号に付された小円は、リセット機能を表している。一実施形態では、プリチャージ信号S
PCは、ローアクティブの信号であり、プリチャージ信号S
PCは、アサートされるとLowレベルに設定され、ディアサートされるとHighレベルに設定される。
【0032】
一実施形態では、可変遅延回路24は、それに設定される遅延時間Mask_delayが可変であるように構成される。一実施形態では、可変遅延回路24が、遅延時間Mask_delayを指定するレジスタを含んでいてもよい。
【0033】
一実施形態では、PMOSトランジスタMP1は、ダイナミックノードDに接続されたソースと、電源電位VDDを有するノードに接続されたドレインと、プリチャージ信号SPCを受け取るゲートを有している。一実施形態では、PMOSトランジスタMP1は、プリチャージ信号SPCに応じてダイナミックノードDを電源電位VDDにプリチャージする。一実施形態では、プリチャージ信号SPCがアサートされると、即ち、プリチャージ信号SPCがLowレベルに設定されると、PMOSトランジスタMP1がターンオンしてダイナミックノードDが電源電位VDDにプリチャージされる。
【0034】
一実施形態では、
図3に示すクロックリカバリ回路14は、各UIにおいて、ワイヤA、Bの電位差V
A-V
B、ワイヤB、Cの電位差V
B-V
C及びワイヤC、Aの電位差V
C-V
Aのゼロクロス時刻(zero crossing time)のうち、最先のものに同期して再生クロック信号RCLKをアサートするように構成されている。一実施形態では、電位差V
A-V
B、V
B-V
C、V
C-V
Aのゼロクロス時刻に同期してシングルエンド信号T_A-B、T_B-C、T_C-Aが反転され、各UIにおいてシングルエンド信号T_A-B、T_B-C、T_C-Aが反転される時刻のうち最先のものに同期して再生クロック信号RCLKがアサートされる。一実施形態では、再生クロック信号RCLKは、アサートされた後、所定時間が経過するとディアサートされ、これにより、再生クロック信号RCLKにクロックパルスが現れる。
【0035】
一実施形態では、
図4に示すように、UIの開始時にワイヤA、B、Cの状態が、伝送すべきシンボルに応じて遷移する。一実施形態では、ワイヤA、Bの電位差V
A-V
Bのゼロクロス時刻が最先である場合、即ち、シングルエンド信号T_A-Bが反転されるタイミングが最先である場合、再生クロック信号RCLKは、シングルエンド信号T_A-Bが反転されるタイミングに同期してアサートされる。
【0036】
一実施形態では、初期状態において、ワイヤA、B、Cが、それぞれ電位“L”、“M”、“H”に設定される。この状態では、シングルエンド信号T_A-B、T_B-C、T_C-Aは、それぞれ、Lowレベル、Lowレベル、Highレベルであり、相補シングルエンド信号B_A-B、B_B-C、B_C-Aは、それぞれ、Highレベル、Highレベル、Lowレベルである。初期状態では、ダイナミックノードDがHighレベルにプリチャージされており、再生クロック信号RCLKはLowレベルである。
【0037】
一実施形態では、該初期状態において、信号遷移検出器211、212、213が、検出信号ST_A-B、ST_B-C、ST_C-AとしてLowレベルを出力する状態に設定される。一実施形態では、信号遷移検出器211、212の2状態ラッチ25が、シングルエンド信号T_A-B、T_B-Cを選択して出力する状態、即ち、ノードNLTがHighレベルであり、ノードNLBがLowレベルである状態に設定される。一実施形態では、信号遷移検出器213の2状態ラッチ25が、相補シングルエンド信号B_C-Aを選択して出力する状態、即ち、ノードNLTがLowレベルであり、ノードNLBがHighレベルである状態に設定される。
【0038】
一実施形態では、その後、ワイヤA、B、Cが、それぞれ、電位“H”、“L”、“M”に遷移すると、ワイヤA、Bの電位差V
A-V
B、及び、ワイヤC、Aの電位差V
C-V
Aにゼロクロスが発生する。
図4に示す実施形態において、電位差V
A-V
Bのゼロクロス時刻t
1は電位差V
C-V
Aのゼロクロス時刻t
2よりも先であり、電位差V
A-V
Bのゼロクロス時刻t
1に同期して再生クロック信号RCLKのクロックパルスが生成される。
【0039】
一実施形態では、時刻t1において、シングルエンド信号T_A-BがHighレベルに遷移し、相補シングルエンド信号B_A-BがLowレベルに遷移する。一実施形態では、時刻t1では信号遷移検出器211がシングルエンド信号T_A-B、T_B-Cを出力する状態に設定され、よって、検出信号ST_A-BもHighレベルに遷移する。
【0040】
一実施形態では、検出信号ST_A-BがHighレベルに遷移すると、ダイナミックOR回路22のNMOSトランジスタMN5がオンし、ダイナミックノードDがLowレベルにプルダウンされる。一実施形態では、ダイナミックノードDのプルダウンに応じて再生クロック信号RCLKがインバータIV3によってHighレベルにプルアップされ、再生クロック信号RCLKがアサートされる。
【0041】
一実施形態では、可変遅延回路24は、再生クロック信号RCLKがアサートされてから遅延時間Mask_delayが経過すると、プリチャージ信号SPCをアサートする。一実施形態では、プリチャージ信号SPCがアサートされると、PMOSトランジスタMP1は、ダイナミックノードDを電源電位VDDにプリチャージする。
【0042】
一実施形態では、ダイナミックノードDが電源電位VDDにプリチャージされると、インバータIV3の動作により、再生クロック信号RCLKがLowレベルにプルダウンされ、再生クロック信号RCLKがディアサートされる。
【0043】
以上に説明されているように、一実施形態では、再生クロック信号RCLKが、シングルエンド信号T_A-Bが反転されるタイミングに同期してアサートされ、その後、一定時間の経過後にディアサートされる。このような動作によれば、シングルエンド信号T_A-Bが反転されるタイミングに同期したクロックパルスを再生クロック信号RCLKにおいて生成することができる。
【0044】
一実施形態では、並行して、信号遷移検出器211、212、213は、検出信号ST_A-B、ST_B-C、ST_C-AとしてLowレベルを出力するような状態に設定される。
【0045】
一実施形態では、信号遷移検出器211は、再生クロック信号RCLKがHighレベルにプルアップされている間に、相補シングルエンド信号B_A-Bを検出信号ST_A-Bとして出力する状態に移行する。一実施形態では、シングルエンド信号T_A-BがHighレベル、相補シングルエンド信号B_A-BがLowレベルである状態で再生クロック信号RCLKがアサートされると、NMOSトランジスタMN3及びMN4がオンされてノードNLTが回路接地に接続され、ノードNLTがLowレベルにプルダウンされる。一実施形態では、ノードNLTがLowレベルにプルダウンされると、インバータIV2の動作により、ノードNLTがHighレベルにプルアップされる。これにより、一実施形態では、2状態ラッチ25は、Lowレベルである相補シングルエンド信号B_A-Bを検出信号ST_A-Bに選択する状態に設定される。このような実施形態では、結果として、信号遷移検出器211は、検出信号ST_A-BとしてLowレベルを出力する状態に移行する。
【0046】
一実施形態では、信号遷移検出器212は、既にLowレベルであるシングルエンド信号T_B-Cを検出信号ST_B-Cとして出力する状態に設定されており、ワイヤA、B、Cの状態が遷移してもシングルエンド信号T_B-Cの状態は変化しない。よって、このような実施形態では、信号遷移検出器212の状態はそのままに維持される。
【0047】
一実施形態では、信号遷移検出器213については、時刻t2においてシングルエンド信号T_C-AがLowレベルにプルダウンされ、相補シングルエンド信号B_C-AがHighレベルにプルアップされる。一実施形態では、時刻t2において、相補シングルエンド信号B_C-Aが検出信号ST_C-Aとして選択されているので、信号遷移検出器213から出力される検出信号ST_C-Aが、Highレベルにプルアップされる。
【0048】
一実施形態では、その後、再生クロック信号RCLKがアサートされると、信号遷移検出器213は、Lowレベルであるシングルエンド信号T_C-Aを検出信号ST_C-Aとして出力する状態に移行する。一実施形態では、シングルエンド信号T_C-AがLowレベル、相補シングルエンド信号B_C-AがHighレベルである状態で再生クロック信号RCLKがアサートされると、NMOSトランジスタMN1及びMN2がオンされてノードNLBが回路接地に接続され、ノードNLBがLowレベルにプルダウンされる。一実施形態では、ノードNLBがLowレベルにプルダウンされると、インバータIV1の動作により、ノードNLTがHighレベルにプルアップされ、これにより、2状態ラッチ25は、Lowレベルであるシングルエンド信号T_C-Aを検出信号ST_C-Aに選択する状態に設定される。このような実施形態では、結果として、信号遷移検出器213は、検出信号ST_C-AとしてLowレベルを出力する状態に移行する。
【0049】
一実施形態では、信号遷移検出器21
1、21
2、21
3から出力される検出信号ST_A-B、ST_B-C、ST_C-AがLowレベルになるように信号遷移検出器21
1、21
2、21
3の状態を移行させる動作は、ダイナミックノードDがHighレベルにプリチャージされる前に完了される。ダイナミックノードDがLowレベルに設定されている間に検出信号ST_B-C、ST_C-Aが一時的にHighレベルに設定されても、再生クロック信号RCLKの波形は影響を受けない。
図4に示す動作では、ダイナミックノードDがLowレベルに設定されている間に検出信号ST_C-Aが一時的にHighレベルに設定されるが、これは、再生クロック信号RCLKの波形に影響を及ぼさない。
【0050】
以上には、特定のワイヤA、B、Cの電位VA、VB、VCの組み合わせについてクロックリカバリ回路14の動作が説明されているが、ワイヤA、B、Cの電位VA、VB、VCの組み合わせが異なる場合も、同様の動作により、再生クロック信号RCLKを生成することができる。
【0051】
図3に示すクロックリカバリ回路14の利点の一つは、ワイヤA、B、Cの状態が遷移した後、再生クロック信号RCLKにおいてクロックパルスが生成されるまでの動作が高速であることである。
図3に示すクロックリカバリ回路14は、再生クロック信号RCLKの生成のクリティカルパス、即ち、信号遷移検出器21
1、21
2、21
3の入力から出力端子26までのパスに存在する素子の数が少ない。加えて、再生クロック信号RCLKのHighレベルへのプルアップに応じて信号遷移検出器21
1、21
2、21
3がLowレベルを出力する状態に遷移するので、遅延時間Mask_delayを短く設定しても安定に動作する。クロックリカバリ回路14のこれらの特性は、高速動作に寄与し得る。また、素子の数が少ないことは、クロックリカバリ回路14の面積の縮小及び消費電力の低減にも有益である。更に、遅延時間Mask_delayが短く設定可能であることは、クロックリカバリ回路14の設計を容易にする。
【0052】
他の利点は、動作安定性に優れていることである。
図3に示すクロックリカバリ回路14は、信号遷移検出器21
1、21
2、21
3が再生クロック信号RCLKのフィードバックにより必ず安定した状態に設定されるように構成されている。
図3に示すクロックリカバリ回路14の優れた動作安定性は、プロセスポータビリティの向上に寄与する。
【0053】
図5に示す一実施形態では、信号遷移検出器21
1、21
2、21
3が、直列接続インバータIV5、IV6を備えている。一実施形態では、信号遷移検出器21
1、21
2、21
3のそれぞれにおいて、直列接続インバータIV5は、入力ノードN
INTとトランスミッションゲートTG1の間に接続され、直列接続インバータIV6は、入力ノードN
INBとトランスミッションゲートTG2の間に接続されている。一実施形態では、直列接続インバータIV5の数と直列接続インバータIV6の数は同一であり、いずれも2である。ただし、直列接続インバータIV5、IV6の数は、2に限定されず、正の偶数であればよい。
【0054】
一実施形態では、直列接続インバータIV5、IV6は、信号遷移検出器211、212、213に入力されるシングルエンド信号及び相補シングルエンド信号が遷移したときに、再生クロック信号RCLKのアサートに応じて信号遷移検出器211、212、213の2状態ラッチ25の状態を遷移させた後で、シングルエンド信号及び相補シングルエンド信号の遷移をトランスミッションゲートTG1、TG2に伝達するようにするための遅延素子として動作する。このような動作は、反転される時刻が最先ではないシングルエンド信号が入力される信号遷移検出器21から出力される検出信号が一時的にHighレベルに遷移することを防ぐことができる。
【0055】
例えば、
図3に示す実施形態の構成では、
図4から理解されるように、シングルエンド信号T_C-Aは、シングルエンド信号T_A-Bの反転よりも後に反転するが、検出信号ST_C-Aは一時的にHighレベルになり得る。一方、
図5に示す実施形態の構成では、直列接続インバータIV5、IV6が設けられることにより、信号遷移検出器21
3においてLowレベルに遷移するシングルエンド信号T_C-Aを検出信号ST_C-Aとして選択する状態に2状態ラッチ25を設定した後で、シングルエンド信号T_C-A、相補シングルエンド信号B_C-Aの遷移がトランスミッションゲートTG1、TG2に伝達される。結果として、直列接続インバータIV5、IV6を設けることにより、検出信号ST_C-Aが一時的にHighレベルに設定されることを防ぐことができる。
【0056】
図6に示す一実施形態では、信号遷移検出器21
1、21
2、21
3が、インバータIV7、IV8を備えている。一実施形態では、インバータIV7、IV8は、
図5の直列接続インバータIV5、IV6と同様に、反転される時刻が最先ではないシングルエンド信号が入力される信号遷移検出器21から出力される検出信号が一時的にHighレベルに遷移することを防ぐ遅延素子として動作する。
【0057】
一実施形態では、論理の整合性を保つために、入力ノードNINT、NINBとトランスミッションゲートTG1、TG2との接続が変更されている。一実施形態では、入力ノードNINBが、インバータIV7を介してトランスミッションゲートTG1に接続され、入力ノードNINTが、インバータIV8を介してトランスミッションゲートTG2に接続されている。
【0058】
図6に示す構成は、
図5に示す構成と同様の利点を提供し得るが、入力ノードN
INT、N
INBとトランスミッションゲートTG1、TG2の間に接続されるインバータの数が、
図5に示す構成よりも低減されている。
【0059】
更に他の実施形態では、1よりも多い奇数個のインバータIV7が入力ノードNINBとトランスミッションゲートTG1の間に接続され、1よりも多い奇数個のインバータIV8が入力ノードNINTとトランスミッションゲートTG2の間に接続されてもよい。この場合も、インバータIV7、IV8の数は同一である。
【0060】
図7に示す実施形態では、ダイナミックOR回路22が、更に、インバータIV4を備えている。クロックリカバリ回路14の他の構成は、
図3に示す構成と同様である。
【0061】
一実施形態では、インバータIV4は、ダイナミックノードDが、NMOSトランジスタMN5~MN7とプリチャージ回路23のいずれによっても駆動されない期間において、ダイナミックノードDの電位が変動することを抑制する。
図3に示す構成では、ダイナミックノードDが駆動されない期間において、ダイナミックノードDの電位がNMOSトランジスタMN5~MN7及びPMOSトランジスタMP1のリーク電流により変動し得る。一方、
図7に示す構成では、インバータIV4が設けられることにより、ダイナミックノードDの電位の変動が抑制される。
【0062】
一実施形態では、ダイナミックノードDのディスチャージを妨げないために、インバータIV4は、ダイナミックノードDをHighレベル、即ち、電源電位VDDにプルアップする駆動能力が、NMOSトランジスタMN5~MN7のそれぞれがダイナミックノードDをLowレベルにプルダウンする駆動能力よりも十分小さくなるように構成される。一実施形態では、加えて、ダイナミックノードDのプリチャージを妨げないために、インバータIV4は、ダイナミックノードDをLowレベル、即ち、接地電位にプルダウンする駆動能力が、PMOSトランジスタMP1がダイナミックノードDをHighレベルにプルアップする駆動能力よりも十分小さくなるように構成される。
【0063】
上述された実施形態のクロックリカバリ回路14は、可変遅延回路24の遅延時間Mask_delayを短く設定することで、高速動作を実現できる。一方、再生クロック信号RCLKのクロックパルスのパルス幅が過剰に短く設定されていると、再生クロック信号RCLKを受け取って動作する後段回路の仕様に適合しないことがあり得る。
【0064】
このような問題に対応するために、一実施形態では、
図8に示すように、再生クロック信号RCLKを出力する出力端子26に、クロックパルス伸張回路30が接続されてもよい。
【0065】
一実施形態では、クロックパルス伸張回路30は、Dフリップフロップ31と、遅延回路32と、インバータ33と、NANDゲート34、35、36とを備えている。一実施形態では、Dフリップフロップ31は、クロック端子がクロックリカバリ回路14の出力端子26に接続され、データ入力Dが自身の反転データ出力/Qに接続されている。このような接続によれば、
図9に示すように、再生クロック信号RCLKを分周した信号である分周クロック信号RCLK_DIVが、Dフリップフロップ31のデータ出力Qから出力される。
【0066】
図8に戻り、一実施形態では、遅延回路32は、Dフリップフロップ31のデータ出力Qから分周クロック信号RCLK_DIVを受け取り、分周クロック信号RCLK_DIVを遅延した出力信号を出力する。
【0067】
一実施形態では、NANDゲート34は、第1入力がDフリップフロップ31の相補データ出力Qに接続され、第2入力がインバータ33を介して遅延回路32の出力に接続されている。一実施形態では、NANDゲート35は、第1入力がDフリップフロップ31の反転データ出力/Qに接続され、第2入力が遅延回路32の出力に接続されている。一実施形態では、NANDゲート36は、第1入力がNANDゲート34の出力に接続され、第2入力がNANDゲート35の出力に接続されている。一実施形態では、NANDゲート36からクロック信号RCLK_CWが出力される。
【0068】
このような構成のクロックパルス伸張回路30は、
図9に示すように、再生クロック信号RCLKに含まれるクロックパルスに同期し、且つ、パルス幅がDelay_CWであるようなクロックパルスを有するクロック信号RCLK_CWを生成することができる。一実施形態では、クロック信号RCLK_CWのパルス幅は、遅延回路32の遅延時間Delay_CWを適切に設定することにより、所望のパルス幅に調節可能である。
【0069】
図10Aに示す一実施形態では、クロックリカバリ回路部14が、プリチャージ回路23の可変遅延回路24の遅延時間Mask_delayを自動的に設定する自動設定回路部50を備えている。一実施形態では、自動設定回路部50は、可変遅延回路24の遅延時間Mask_delayを調節する設定値MaskSETを自動的に生成するように構成される。一実施形態では、自動設定回路部50は、遅延時間Mask_delayがUI/2又はそれに近い時間になるように設定値MaskSETを自動的に生成する。これにより、再生クロック信号RCLKがアサートされるタイミングを適正に制御し、データラッチ13
1~13
3がシングルエンド信号T_A-B、T_B-C、T_C-Aをラッチするタイミングをアイパターンの中央に近づけることができる。これは、データ伝送の信頼性を向上するために有効である。遅延時間Mask_delayがUI/2又はそれに近い時間になるように設定値MaskSETを自動的に生成することは、データ伝送システム100のデータ伝送レートに関わらず適正に設定値MaskSETを設定可能である点でも有用である。
【0070】
一実施形態では、自動設定回路部50は、データ伝送システム100におけるデータ伝送の開始時に伝送されるトレーニングパターンを用いて適切な設定値MaskSETを生成する。このような実施形態では、自動設定回路部50が、トレーニングパターンがレシーバ回路2に入力されたときに信号遷移検出器21
1、21
2、21
3から出力される検出信号ST_A-B、ST_B-C、ST_C-Aの少なくとも一に応じてUIの所定数倍の周期を有する信号を生成し、生成した該信号に基づいて適正な設定値MaskSETを生成するように構成されてもよい。
図10Aでは、自動設定回路部50が検出信号ST_C-Aに応じて設定値MaskSETを生成する構成が図示されている。
【0071】
図10Bに示すように、一実施形態では、自動設定回路部50が、ダイナミックノードDに生成される信号、即ち、インバータIV3に入力される信号に基づいて適正な設定値MaskSETを生成するように構成されてもよい。
図10Cに示すように、一実施形態では、自動設定回路部50が、クロックリカバリ回路部14から出力される再生クロック信号RCLK、即ち、インバータIV3から出力される信号に基づいて適正な設定値MaskSETを生成してもよい。ダイナミックノードDに生成される信号及び再生クロック信号RCLKは、いずれも、検出信号ST_A-B、ST_B-C、ST_C-Aに基づいて生成される信号であるので、
図10B、
図10Cに示す構成は、
図10Aに示す構成のバリエーションということができる。
【0072】
図10A~
図10Cに示すクロックリカバリ回路部14のいずれかが、MIPI C-PHY規格に準拠して動作するデータ伝送システム100のレシーバ回路2に用いられる場合、一実施形態では、自動設定回路部50が、トランスミッタ回路1からレシーバ回路2に送信されるトレーニングパターンを用いて設定値MaskSETを生成してもよい。MIPI C-PHY規格によるデータ伝送では、
図11に示すように、データ伝送システム100がHS(high speed)モードに設定されたときに、プリアンブル(preamble)期間においてトランスミッタ回路1が、レシーバ回路2に、データ“3”を連続して送信することがある。一実施形態では、プリアンブル期間に連続して送信されるデータ“3”をトレーニングパターンとして用いてもよい。データ“3”は、常に、検出信号ST_A-B、ST_B-C、ST_C-Aのうちの一つしか変動させないデータであるから、連続して送信されるデータ“3”に応じて生成される検出信号ST_A-B、ST_B-C、ST_C-A、及び、これらに基づいて生成される派生信号(ダイナミックノードDに生成される信号及び再生クロック信号RCLKを含む)は、UIの整数倍の周期を有する周期信号である。一実施形態では、自動設定回路部50は、プリアンブル期間において、検出信号ST_A-B、ST_B-C、ST_C-A、又は、これらに基づいて生成される派生信号のいずれかに基づいて、UIに応じた設定値MaskSETを生成する。上記のように、一実施形態では、設定値MaskSETは、可変遅延回路24の遅延時間Mask_delayが、UI/2又はそれに近い時間になるように生成される。
【0073】
一実施形態では、
図12に示すように、可変遅延回路24が、十分に多い数の単位遅延素子24aを備えており、可変遅延回路24が、自動設定回路部50から受け取った設定値MaskSETに指定された数の単位遅延素子24aを用いて再生クロック信号RCLKを遅延するように構成される。一実施形態では、設定値MaskSETがmであるとき、可変遅延回路24は、m個の単位遅延素子24aを用いて再生クロック信号RCLKを遅延する。この場合、可変遅延回路24の遅延時間Mask_delayは、m×T
Dに設定されることになる。ここで、T
Dは、単位遅延素子24aの遅延時間である。
【0074】
一実施形態では、自動設定回路部50が、リングオシレータ(ROSC)イネーブル信号生成回路部51と、リングオシレータ52と、マスクカウンタ53と、設定調整回路部54と、セレクタ55とを備えている。
【0075】
一実施形態では、ROSCイネーブル信号生成回路部51は、検出信号ST_A-B、ST_B-C、ST_C-A、ダイナミックノードDに生成される信号、再生クロック信号RCLKのうちのいずれかの信号、
図12の実施形態では検出信号ST_C-Aを受け取り、受け取った信号に応じてROSCイネーブル信号61を生成する。一実施形態では、ROSCイネーブル信号61は、ROSCイネーブル信号生成回路部51が受け取った信号のアサートに同期して生成されるパルスを含んでいる。
【0076】
一実施形態では、ROSCイネーブル信号生成回路部51は、それが受け取った信号に対して分周動作(frequency dividing)を行うことでROSCイネーブル信号61を生成するように構成される。このような実施形態では、ROSCイネーブル信号生成回路部51の分周比fDが、ROSCイネーブル信号61に現れるパルスのパルス幅がUIの複数倍、即ち、UIのN倍になるように設定される。ここで、Nは、2以上の所望の整数である。パルス幅とは、一実施形態では、ROSCイネーブル信号61がアサートされている期間の長さをいう。
【0077】
データ“3”が連続してレシーバ回路2に送信される場合における検出信号ST_A-B、ST_B-C、ST_C-Aの周期は、いずれも、3×UIである。ROSCイネーブル信号生成回路部51が検出信号ST_A-B、ST_B-C、ST_C-Aのいずれかを受け取る一実施形態では、ROSCイネーブル信号61のパルス幅が、3×(fD/2)×UIである。このような実施形態では、分周比fDが、3×(fD/2)×UIがUIのN倍になるように、即ち、fD=2N/3が成り立つように設定される。一実施形態では、ROSCイネーブル信号61の所望のパルス幅が、12UIであり、この場合、ROSCイネーブル信号生成回路部51の分周比fDが8に設定されてもよい。
【0078】
一方、データ“3”が連続してレシーバ回路2に送信される場合におけるダイナミックノードDに生成される信号及び再生クロック信号RCLKの周期は、UIである。ROSCイネーブル信号生成回路部51がダイナミックノードDに生成される信号及び再生クロック信号RCLKのいずれかを受け取る一実施形態では、ROSCイネーブル信号61のパルス幅が、(fD/2)×UIである。このような実施形態では、分周比fDは、fD/2がNに一致するように設定される。
【0079】
一実施形態では、ROSCイネーブル信号生成回路部51は、HSモード開始信号HS_startを受け取り、HSモード開始信号HS_startがアサートされている間、分周動作を行うように構成される。一実施形態では、HSモード開始信号HS_startは、レシーバ回路2がデータ伝送システム100のHSモードへの移行を検知した後の所定の期間、アサートされる信号である。一実施形態では、ROSCイネーブル信号生成回路部51は、HSモード開始信号HS_startのネゲートに応じて分周動作をクリアするように構成される。
【0080】
一実施形態では、リングオシレータ52は、ROSCイネーブル信号61に応じて発振動作を行って発振出力信号62を出力するように構成される。一実施形態では、リングオシレータ52は、ROSCイネーブル信号61がアサートされている間、発振動作を行う。一実施形態では、リングオシレータ52は、ROSCイネーブル信号61がディアサートされているとき発振動作を行わない。
【0081】
一実施形態では、リングオシレータ52は、可変遅延回路56と、フィードバックパス57とを備えている。一実施形態では、可変遅延回路56は、ROSCイネーブル信号61を受け取る第1入力と、フィードバックパス57を介して可変遅延回路56自身の出力に接続された第2入力とを有している。一実施形態では、可変遅延回路56は、ROSCイネーブル信号61がアサートされている間、フィードバックパス57から第2入力に入力される信号を遅延して発振出力信号62を出力する。一実施形態では、フィードバックパス57は、可変遅延回路56から出力される発振出力信号62を反転して可変遅延回路56の第2入力にフィードバックし、リングオシレータ52の発振動作を実現する。
【0082】
一実施形態では、可変遅延回路56は、可変遅延回路24と同一構成を有するレプリカ(replica)として構成される。一実施形態では、可変遅延回路56は、複数個の単位遅延素子56aを備えている。一実施形態では、単位遅延素子56aは、その遅延時間が可変遅延回路24の単位遅延素子24aと同一であるように構成される。一実施形態では、単位遅延素子56aは、単位遅延素子24aと同一の構成を有するレプリカとして構成される。可変遅延回路56は、それに含まれる単位遅延素子56aのうち発振動作に用いられる単位遅延素子56aの個数Mを設定値MaskSET_iniに応じて調節可能であるように構成される。一実施形態では、リングオシレータ52が発振動作を行うとき、設定値MaskSET_iniに指定された個数Mの単位遅延素子56aが可変遅延回路56において直列に接続される。
【0083】
一実施形態では、マスクカウンタ53は、リングオシレータ52から出力される発振出力信号62に応じてカウント動作を行う。一実施形態では、マスクカウンタ53は、リングオシレータ52から出力される発振出力信号62に現れるパルスの数をカウントするように構成される。一実施形態では、マスクカウンタ53は、HSモード開始信号HS_startを受け取り、HSモード開始信号HS_startのネゲートに応じてカウント値がゼロにリセットされるように構成される。
【0084】
一実施形態では、設定調整回路部54は、マスクカウンタ53のカウント値に応じて、設定値MaskSET1を生成する。一実施形態では、設定調整回路部54は、設定値MaskSET1を、マスクカウンタ53のカウント値そのままの値に設定する。一実施形態では、設定調整回路部54は、設定値MaskSET1を、マスクカウンタ53のカウント値に対して所定の演算を行って得られた値、例えば微調整のための演算を行って得られた値に設定する。
【0085】
一実施形態では、セレクタ55は、設定値MaskSETを、設定調整回路部54から受け取った設定値MaskSET1とレジスタ58から受け取った設定値Mask_Regとから選択する。一実施形態では、セレクタ55は、マスクモード選択信号Mask_modeが例えば“0”である場合、設定値MaskSET1を設定値MaskSETに選択し、例えば“1”である場合、設定値Mask_Regを設定値MaskSETに選択する。このような実施形態では、マスクモード選択信号Mask_modeによってセレクタ55に設定値MaskSET1を選択させることで、設定値MaskSETをトレーニングパターンから得られた設定値MaskSET1に自動的に設定することができる。また、レジスタ58に所望の設定値Mask_Regを設定してセレクタ55に設定値Mask_Regを選択させることで、設定値MaskSETを、該所望の設定値Mask_Regに設定することもできる。
【0086】
一実施形態では、
図12に示す自動設定回路部50が、下記のように動作する。HSモード開始信号HS_startがネゲートされている初期状態では、一実施形態では、マスクカウンタ53のカウント値がゼロにリセットされる。自動設定回路部50によって設定値MaskSETを自動的に設定する場合、一実施形態では、セレクタ55が設定調整回路部54によって生成される設定値MaskSET1を選択するようにマスクモード選択信号Mask_modeが設定される。この場合、設定調整回路部54によって生成された設定値MaskSET1が、最終的に、可変遅延回路24に供給される設定値MaskSETに設定される。一実施形態では、加えて、設定値MaskSET_iniにより、リングオシレータ52における発振動作に用いられる単位遅延素子56aの個数Mが、所望の数に設定される。
【0087】
一実施形態では、データ伝送システム100がHSモードに移行すると、HSモード開始信号HS_startがアサートされ、更に、プリアンブル(preamble)期間においてトランスミッタ回路1からレシーバ回路2にデータ“3”が連続して送信される。一実施形態では、該連続して送信されるデータ“3”が、トレーニングパターンとして用いられる。データ“3”が連続して送信される場合、検出信号ST_A-B、ST_B-C、ST_C-A、ダイナミックノードDに生成される信号、再生クロック信号RCLKは、いずれも、UIの整数倍の周期を有する周期信号である。一実施形態では、これらの信号のいずれかが、ROSCイネーブル信号生成回路部51に入力される。
【0088】
一実施形態では、ROSCイネーブル信号生成回路部51に入力される信号がアサートされると、ROSCイネーブル信号生成回路部51は、N×UIのパルス幅を有するパルスが現れるようにROSCイネーブル信号61を出力し、ROSCイネーブル信号61が、N×UIの期間、アサートされる。一実施形態では、リングオシレータ52は、ROSCイネーブル信号61がアサートされている間、発振動作して発振出力信号62を出力する。
【0089】
一実施形態では、マスクカウンタ53は、リングオシレータ52の発振出力信号62に現れるパルスの数をカウントする。ROSCイネーブル信号61のパルス幅がN×UIであり、可変遅延回路56の単位遅延素子56aの遅延時間、即ち、単位遅延素子24aの遅延時間がT
Dである場合、一実施形態では、ROSCイネーブル信号61のアサートが完了した時点でのマスクカウンタ53のカウント数Kは、近似的に、下記式(1)で表すことができる。
【数1】
式(1)から、マスクカウンタ53のカウント数Kは、UI/2の情報を含んでいることが理解される。一実施形態では、設定調整回路部54は、マスクカウンタ53のカウント数Kに基づき、設定値MaskSET1、即ち、可変遅延回路24に設定される設定値MaskSETを、可変遅延回路24の遅延時間Mask_delayがUI/2又はUI/2に近い値になるように決定する。
【0090】
一実施形態では、ROSCイネーブル信号生成回路部51がROSCイネーブル信号61においてN×UIのパルス幅のパルスを出力する場合、設定値MaskSET_iniに指定される個数Mが、Nと同一に設定される。例えば、ROSCイネーブル信号生成回路部51が検出信号ST_A-B、ST_B-C、ST_C-Aのいずれかを受け取り、分周比f
Dが8である場合、Nは12である。この場合、一実施形態では、設定値MaskSET_iniによって指定される個数Mが、12に設定される。設定値MaskSET_iniに指定される個数Mが、Nと同一である場合、近似的に下記式(2)が成立する。
【数2】
【0091】
このような実施形態では、マスクカウンタ53のカウント数Kを、そのまま、設定値MaskSET1、即ち、設定値MaskSETに設定してもよい。このような動作によれば、設定調整回路部54の構成を簡便にしながら、可変遅延回路24の遅延時間Mask_delayをUI/2又はUI/2に近い値に設定することができる。一実施形態では、MがNと同一である場合に、設定調整回路部54が、マスクカウンタ53のカウント数Kを微調整することで設定値MaskSET1、即ち、設定値MaskSETを生成してもよい。このような動作では、簡便な処理により、可変遅延回路24の遅延時間Mask_delayをUI/2とは異なるがUI/2に近い値に設定することができる。一実施形態では、データ伝送システム100の状態に応じて遅延時間Mask_delayがUI/2から微小にずらされ、これによりデータエラーを低減する。
【0092】
図12に示す自動設定回路部50の利点の一つは、検出信号ST_A-B、ST_B-C、ST_C-Aのジッタによる影響を抑制できることである。これは、自動設定回路部50が、ROSCイネーブル信号61をUIの複数倍のパルス幅を有するように生成し、平均化されたUIに基づいて設定値MaskSETを生成するように構成されていることによる。
図12に示す自動設定回路部50の他の利点の一つは、PVT(process-voltage-temperature)バラツキを抑制できることである。これは、自動設定回路部50が、実際の動作環境における単位遅延素子56aの動作特性を反映して設定値MaskSETを生成するように構成されていることによる。
【0093】
図13に示す実施形態では、可変遅延回路24が、リングオシレータとしても動作可能に構成され、リングオシレータ52が自動設定回路部50から除去されている。一実施形態では、可変遅延回路24が、通常動作モードとリングオシレータモード(ROSCモード)の2つの動作モードを有している。一実施形態では、ROSCモードは、可変遅延回路24に設定すべき設定値MaskSETを自動設定回路部50によって生成するときに可変遅延回路24に設定されるモードである。
【0094】
一実施形態では、通常動作モードに設定されたとき、可変遅延回路24は、設定値MaskSETに指定された数の単位遅延素子24aを用いて再生クロック信号RCLKを遅延して遅延出力信号Mask_OUTを生成する。一実施形態では、生成された遅延出力信号Mask_OUTは、PMOSトランジスタMP1のゲートに供給され、PMOSトランジスタMP1の制御に用いられる。
【0095】
一実施形態では、ROSCモードに設定されたとき、可変遅延回路24は、発振動作を行って発振出力信号OSC_OUTを出力するリングオシレータとして動作する。この発振動作は、一実施形態では、可変遅延回路24において設定値MaskSETに指定された個数Mの単位遅延素子24aを直列に接続し、更に、直列に接続された単位遅延素子24aの出力を図示しないフィードバックパスを介して入力にフィードバックすることによって実現される。一実施形態では、ROSCモードに設定されたとき、可変遅延回路24は、ROSCイネーブル信号61がアサートされている間、発振動作を行う。一実施形態では、可変遅延回路24は、ROSCイネーブル信号61がディアサートされているとき発振動作を行わない。
【0096】
一実施形態では、可変遅延回路24は、固定の遅延時間を有する図示しないバイパス経路を備えている。一実施形態では、ROSCモードに設定されたとき、可変遅延回路24は、再生クロック信号RCLKを当該バイパス経路によって遅延して遅延出力信号Mask_OUTを生成する。可変遅延回路24がROSCモードに設定されるときには、一実施形態では、トレーニングパターン、例えば、連続して送信されるデータ“3”がレシーバ回路2に送信される。よって、バイパス経路の遅延時間、即ち、ROSCモードにおいて可変遅延回路24が再生クロック信号RCLKに与える遅延時間Mask_delayは、クロックリカバリ回路部14が動作可能である範囲で適当に設定してよい。
【0097】
一実施形態では、
図13に示す自動設定回路部50が、下記のように動作する。HSモード開始信号HS_startがネゲートされている初期状態では、一実施形態では、マスクカウンタ53のカウント値がゼロにリセットされる。一実施形態では、加えて、可変遅延回路24に供給される設定値MaskSETが、可変遅延回路24がリングオシレータとして動作するときに用いる単位遅延素子24aの、所望の個数Mを指定するように設定される。一実施形態では、これは、セレクタ55が設定値Mask_Regを選択するようにマスクモード選択信号Mask_modeを設定し、設定値Mask_RegをMに設定することで実現してもよい。これにより、可変遅延回路24は、リングオシレータとして発振動作を行うときにM個の単位遅延素子24aを用いる状態に設定される。
【0098】
リングオシレータ52を用いる代わりに可変遅延回路24をリングオシレータとして動作させる点を除けば、
図13に示す自動設定回路部50においても、
図12に示す自動設定回路部50と同様の動作によって設定値MaskSET1が生成される。一実施形態では、ROSCイネーブル信号生成回路部51に入力される信号がアサートされると、ROSCイネーブル信号生成回路部51は、N×UIのパルス幅を有するパルスが現れるようにROSCイネーブル信号61を出力し、ROSCイネーブル信号61が、N×UIの期間、アサートされる。一実施形態では、可変遅延回路24は、ROSCイネーブル信号61がアサートされている間、発振動作して発振出力信号OSC_OUTを出力する。
【0099】
一実施形態では、マスクカウンタ53は、発振出力信号OSC_OUTに現れるパルスの数をカウントする。一実施形態では、設定調整回路部54は、マスクカウンタ53のカウント数Kに基づき、設定値MaskSET1を、可変遅延回路24の遅延時間Mask_delayがUI/2又はUI/2に近い値になるように生成する。
【0100】
一実施形態では、設定値MaskSET1が生成された後、セレクタ55が設定値MaskSET1を選択するようにマスクモード選択信号Mask_modeが設定される。一実施形態では、設定調整回路部54によって生成された設定値MaskSET1が設定値MaskSETとして選択され、可変遅延回路24に設定される。一実施形態では、通常動作モードでは、可変遅延回路24は、このようにして設定された設定値MaskSETに基づいて動作する。
【0101】
図13に示す構成は、可変遅延回路24とは別にリングオシレータ52を設ける必要が無いという利点がある。
【0102】
図14に示す一実施形態では、半導体回路40が、ワイヤA、B、Cを伝送される信号の状態の遷移を検出するように構成されている。一実施形態では、半導体回路40は、概ね、
図3に示すクロックリカバリ回路14と同様に構成されている。ただし、
図14に示す実施形態では、半導体回路40が、ワイヤA、B、Cに接続された差動信号生成回路41
1、41
2、41
3を備えている。
【0103】
一実施形態では、差動信号生成回路411は、バッファ421とインバータ431とを備えており、ワイヤAから受け取った信号に対応するシングルエンド信号T_A及び相補シングルエンド信号B_Aを生成する。一実施形態では、シングルエンド信号T_A及び相補シングルエンド信号B_Aは、互いに相補である。一実施形態では、同様に、差動信号生成回路412は、バッファ422とインバータ432とを備えており、ワイヤBから受け取った信号に対応するシングルエンド信号T_B及び相補シングルエンド信号B_Bを生成する。一実施形態では、シングルエンド信号T_B及び相補シングルエンド信号B_Bは、互いに相補である。また、一実施形態では、差動信号生成回路413は、バッファ423とインバータ433とを備えており、ワイヤCから受け取った信号に対応するシングルエンド信号T_C及び相補シングルエンド信号B_Cを生成する。シングルエンド信号T_C及び相補シングルエンド信号B_Cは、互いに相補である。
【0104】
一実施形態では、
図14に示す半導体回路40は、信号遷移検出器21
1にシングルエンド信号T_A及び相補シングルエンド信号B_Aが入力され、信号遷移検出器21
2にシングルエンド信号T_B及び相補シングルエンド信号B_Bが入力され、信号遷移検出器21
3にシングルエンド信号T_C及び相補シングルエンド信号B_Cが入力されることを除けば、
図3に示すクロックリカバリ回路14と同様に動作する。一実施形態では、ワイヤA、B、Cを伝送される信号の遷移が、概ね、可変遅延回路24に設定される遅延時間Mask_delayの長さの期間において連続して発生した場合、半導体回路40は、その最先の遷移に同期して出力端子26から出力される出力信号S
OUTをアサートする。
【0105】
以上には、本開示の様々な実施形態が具体的に記載されているが、本開示に記載された技術は、様々な変更と共に実施され得る。
【0106】
例えば、信号遷移検出器211、212、213のNMOSトランジスタMN1~MN4及びダイナミックOR回路22のNMOSトランジスタMN5~MN7の代わりにPMOSトランジスタが用いられ、プリチャージ回路23のPMOSトランジスタMP1の代わりにNMOSトランジスタが用いられてもよい。この場合、一実施形態では、NMOSトランジスタMN1、MN2に対応するPMOSトランジスタは、電源電位VDDを有するノードとノードNLBとの間に直列に接続され、NMOSトランジスタMN3、MN4に対応するPMOSトランジスタが、電源電位VDDを有するノードとノードNLTとの間に直列に接続される。一実施形態では、加えて、NMOSトランジスタMN5~MN7に対応するPMOSトランジスタは、電源電位VDDを有するノードとダイナミックノードDの間に直列に接続される。一実施形態では、更に、PMOSトランジスタMP1に対応するNMOSトランジスタは、回路接地とダイナミックノードDの間に接続される。このような実施形態では、再生クロック信号RCLKを反転するインバータを設けてもよい。
【0107】
ただし、
図3、
図5~
図7、
図14に示すように、NMOSトランジスタMN1~MN7及びPMOSトランジスタMP1が用いられる構成は、高速動作に適している。
【0108】
また、上述された様々な実施形態は、技術的に矛盾が無い限り組み合わせて実施されてもよい。
【符号の説明】
【0109】
100 :データ伝送システム
1 :トランスミッタ回路
2 :レシーバ回路
3 :レーン
111~113:差動レシーバ
121~123:ホールド遅延回路
131~133:データラッチ
14 :クロックリカバリ回路
211~213:信号遷移検出器
22 :ダイナミックOR回路
23 :プリチャージ回路
24 :可変遅延回路
24a :単位遅延素子
25 :2状態ラッチ
26 :出力端子
30 :クロックパルス伸張回路
31 :Dフリップフロップ
32 :遅延回路
33 :インバータ
34~36:NANDゲート
40 :半導体回路
411~413:差動信号生成回路
421~423:バッファ
431~433:インバータ
50 :自動設定回路部
51 :ROSCイネーブル信号生成回路部
52 :リングオシレータ
53 :マスクカウンタ
54 :設定調整回路部
55 :セレクタ
56 :可変遅延回路
56a :単位遅延素子
57 :フィードバックパス
58 :レジスタ
61 :ROSCイネーブル信号
62 :発振出力信号
A、B、C:ワイヤ
D :ダイナミックノード
IV1~IV4:インバータ
IV5、IV6:直列接続インバータ
IV7、IV8:インバータ
MN1~MN7:NMOSトランジスタ
MP1 :PMOSトランジスタ
TG1、TG2:トランスミッションゲート