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特許7324629カットテープ貼着装置及びカットテープ付きシート原反の製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-02
(45)【発行日】2023-08-10
(54)【発明の名称】カットテープ貼着装置及びカットテープ付きシート原反の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B65B 61/18 20060101AFI20230803BHJP
   B65D 65/10 20060101ALI20230803BHJP
   B65D 75/66 20060101ALI20230803BHJP
【FI】
B65B61/18
B65D65/10 A
B65D75/66
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019128657
(22)【出願日】2019-07-10
(65)【公開番号】P2021014276
(43)【公開日】2021-02-12
【審査請求日】2022-05-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000241186
【氏名又は名称】朋和産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114421
【弁理士】
【氏名又は名称】薬丸 誠一
(72)【発明者】
【氏名】神谷 知毅
【審査官】宮崎 基樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-221062(JP,A)
【文献】特開平06-191522(JP,A)
【文献】特開2007-261689(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 61/18
B65D 65/10
B65D 75/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺なシート原反にカットテープをシート原反の長手方向に沿って波形に貼着するためのカットテープ貼着装置であって、
シート原反を搬送するシート原反搬送部と、
カットテープを供給するカットテープ供給部と、
シート原反の搬送経路上に配置される転写ローラであって、シート原反の搬送に同期して回転することで、カットテープを回転軸方向と交差する方向から周面に巻き取っていくとともに、巻き取ったカットテープをシート原反に転写して貼着していく転写ローラと、
カットテープの供給経路上に配置されるカットテープ経路制御部であって、カットテープを保持するとともに、シート原反の搬送に同期して転写ローラの回転軸方向において往復動することで、転写ローラの周面上に波形のカットテープの形状を形成するカットテープ経路制御部とを備え、
カットテープ経路制御部は、カットテープの波形の振幅よりも大きい振幅で往復動することで、カットテープ保持点及び転写ローラのカットテープ巻取開始点間のカットテープに、張力の向きを周期的に変化させつつ、張力を付加し続ける
カットテープ貼着装置。
【請求項2】
長尺なシート原反にカットテープをシート原反の長手方向に沿って波形に貼着するためのカットテープ貼着装置であって、
シート原反を搬送するシート原反搬送部と、
カットテープを供給するカットテープ供給部と、
シート原反の搬送経路上に配置される圧着ローラであって、シート原反の搬送に同期して回転することで、カットテープをシート原反に貼着していく圧着ローラと、
カットテープの供給経路上に配置されるカットテープ経路制御部であって、カットテープを保持するとともに、シート原反の搬送に同期して圧着ローラの回転軸方向において往復動することで、シート原反に波形のカットテープの形状を形成するカットテープ経路制御部とを備え、
カットテープ経路制御部は、カットテープの波形の振幅よりも大きい振幅で往復動することで、カットテープ保持点及び圧着ローラのカットテープ圧着点間のカットテープに、張力の向きを周期的に変化させつつ、張力を付加し続ける
カットテープ貼着装置。
【請求項3】
カットテープ経路制御部は、カットテープの波形の振幅よりも大きい振幅で往復動することで、両点間のカットテープに、張力の向きを周期的に変化させつつ、張力を付加し続け、カットテープの波形となって湾曲する部分の外縁に張力を集中させる
請求項1又は請求項2に記載のカットテープ貼着装置。
【請求項4】
長尺なシート原反にカットテープがシート原反の長手方向に沿って波形に貼着されるカットテープ付きシート原反の製造方法であって、
シート原反を搬送し、
カットテープを供給し、
カットテープの供給経路上に配置したカットテープ経路制御部をシート原反の搬送に同期してシート原反の幅方向において往復動させることで、波形のカットテープの形状を形成するに際し、
カットテープ経路制御部でカットテープを保持するとともに、カットテープ経路制御部をカットテープの波形の振幅よりも大きい振幅で往復動させることで、カットテープに、張力の向きを周期的に変化させつつ、張力を付加し続ける
カットテープ付きシート原反の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装材や包装袋の資材であるシート原反に開封用のカットテープを波形に貼着するためのカットテープ貼着装置及びカットテープ付きシート原反の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
正面形状が三角形状(主として正三角形状)で、所定の厚みを有する立体形状に仕上げられた三角おにぎり等の米飯加工食品等の食品を包装するための食品用包装材は、幅方向の中央部に長手方向の一端から他端にかけてカットテープを有し、カットテープによって一対の外シート片に分断される外シートと、シート状食品を挟んで外シートに重ね合わせられ、内側部同士の重ね合わせ部を有する一対の内シート片で構成される内シートとを備え、シート状食品を囲むように外シートと内シートとが接合される形態が一般的である。
【0003】
かかる食品用包装材は、食品を挟んで長手方向に二つ折りにし、両側の余分なシート片を中心側に折って三角形状にし、折った部分をポイントシールしたり、ラベルを貼付する工程を経て、食品を包装するものである。
【0004】
開封に際しては、食品包装体の頂部に設けられた摘み部を摘んでカットテープを縦回りに引き回し、外シートを長手方向に開裂した後、分断された一対の包装体片をそれぞれ側方へ引っ張ることにより、食品をシート状食品と一体化させた状態で取り出し、食品を食する。
【0005】
ここで、外シートの開裂手段として、波形のカットテープを用いることにより、カットテープによる開裂開口を幅広に形成して、外シートとシート状食品との接触面積を少なくし、分断された一対の包装体片を円滑に食品から引き抜き、取り除くことができるようにした食品用包装材が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2009-1324号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、カットテープは、プラスチックシートを細くカットしたものであり、ある程度の柔軟性や延伸性を有するものの、所定幅を有するため、波形にすると、内縁と外縁の線長差によって内縁に皺が入りやすい。
【0008】
そこで、本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、カットテープを波形に貼着するにあたり、カットテープの湾曲により平面性が損なわれて皺が入ったりするのを防止し、カットテープをきれいに貼着することができるカットテープ貼着装置及びカットテープ付きシート原反の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るカットテープ貼着装置は、
長尺なシート原反にカットテープをシート原反の長手方向に沿って波形に貼着するためのカットテープ貼着装置であって、
シート原反を搬送するシート原反搬送部と、
カットテープを供給するカットテープ供給部と、
シート原反の搬送経路上に配置される転写ローラであって、シート原反の搬送に同期して回転することで、カットテープを回転軸方向と交差する方向から周面に巻き取っていくとともに、巻き取ったカットテープをシート原反に転写して貼着していく転写ローラと、
カットテープの供給経路上に配置されるカットテープ経路制御部であって、カットテープを保持するとともに、シート原反の搬送に同期して転写ローラの回転軸方向において往復動することで、転写ローラの周面上に波形のカットテープの形状を形成するカットテープ経路制御部とを備え、
カットテープ経路制御部は、カットテープの波形の振幅よりも大きい振幅で往復動することで、カットテープ保持点及び転写ローラのカットテープ巻取開始点間のカットテープに、張力の向きを周期的に変化させつつ、張力を付加し続ける
カットテープ貼着装置である。
【0010】
また、別の本発明に係るカットテープ貼着装置は、
長尺なシート原反にカットテープをシート原反の長手方向に沿って波形に貼着するためのカットテープ貼着装置であって、
シート原反を搬送するシート原反搬送部と、
カットテープを供給するカットテープ供給部と、
シート原反の搬送経路上に配置される圧着ローラであって、シート原反の搬送に同期して回転することで、カットテープをシート原反に貼着していく圧着ローラと、
カットテープの供給経路上に配置されるカットテープ経路制御部であって、カットテープを保持するとともに、シート原反の搬送に同期して圧着ローラの回転軸方向において往復動することで、シート原反に波形のカットテープの形状を形成するカットテープ経路制御部とを備え、
カットテープ経路制御部は、カットテープの波形の振幅よりも大きい振幅で往復動することで、カットテープ保持点及び圧着ローラのカットテープ圧着点間のカットテープに、張力の向きを周期的に変化させつつ、張力を付加し続ける
カットテープ貼着装置である。
【0011】
また、本発明に係るカットテープ付きシート原反の製造方法は、
長尺なシート原反にカットテープがシート原反の長手方向に沿って波形に貼着されるカットテープ付きシート原反の製造方法であって、
シート原反を搬送し、
カットテープを供給し、
カットテープの供給経路上に配置したカットテープ経路制御部をシート原反の搬送に同期してシート原反の幅方向において往復動させることで、波形のカットテープの形状を形成するに際し、
カットテープ経路制御部でカットテープを保持するとともに、カットテープ経路制御部をカットテープの波形の振幅よりも大きい振幅で往復動させることで、カットテープに、張力の向きを周期的に変化させつつ、張力を付加し続ける
カットテープ付きシート原反の製造方法である。
【発明の効果】
【0012】
以上の如く、本発明に係るカットテープ貼着装置及びカットテープ付きシート原反の製造方法によれば、カットテープを波形に貼着するにあたり、カットテープの湾曲により平面性が損なわれて皺が入ったりするのを防止し、カットテープをきれいに貼着することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、第一実施形態に係るカットテープ貼着装置により製造された外シートを用いて製造される食品用包装材の分解斜視図である。
図2図2は、同食品用包装材の外面図である。
図3図3は、同食品用包装材の内面図である。
図4図4は、同食品用包装材の製造過程において複数の食品用包装材が個別に分離される前の繋がった状態の原反の一部の正面図である。
図5図5は、同カットテープ貼着装置の概要図である。
図6図6は、同カットテープ貼着装置の概要図である。
図7図7(a)ないし(c)は、同カットテープ貼着装置によるカットテープ貼着方法の説明図である。
図8図8(a)は、同食品用包装材により包装された食品包装体の正面図であり、図8(b)は、同食品包装体の背面図である。
図9図9(a)ないし(c)は、同食品包装体を開封する過程の説明図である。
図10図10(a)は、第二実施形態に係るカットテープ貼着装置によるカットテープの配置形態を示す説明図であり、図10(b)は、第三実施形態に係るカットテープ貼着装置によるカットテープの配置形態を示す説明図であり、図10(c)は、第四実施形態に係るカットテープ貼着装置によるカットテープの配置形態を示す説明図であり、図10(d)は、第五実施形態に係るカットテープ貼着装置によるカットテープの配置形態を示す説明図である。
図11図11(a)は、第六実施形態に係るカットテープ貼着装置によるカットテープの配置形態を示す説明図であり、図11(b)は、第七実施形態に係るカットテープ貼着装置によるカットテープの配置形態を示す説明図であり、図11(c)は、同じく第七実施形態に係るカットテープ貼着装置によるカットテープの配置形態を示す説明図であり、図11(d)は、他の実施形態に係るカットテープの配置形態を示す説明図である。
図12図12は、第二実施形態に係るカットテープ貼着装置の概要図である。
図13図13は、第三実施形態に係るカットテープ貼着装置の概要図である。
図14図14は、第四実施形態に係るカットテープ貼着装置の概要図である。
図15図15は、第五実施形態に係るカットテープ貼着装置の概要図である。
図16図16は、第六実施形態に係るカットテープ貼着装置の概要図である。
図17図17は、第七実施形態に係るカットテープ貼着装置の概要図である。
図18図18は、同じく第七実施形態に係るカットテープ貼着装置の概要図である。
図19図19は、第八実施形態に係るカットテープ貼着装置の概要図である。
図20図20は、同カットテープ貼着装置の概要図である。
図21図21(a)は、第六実施形態に係るカットテープ貼着装置により製造されたカットテープ付きシートからなる食品用包装材の一例の外面図であり、図21(b)は、同食品用包装材により包装された食品包装体の斜視図である。
図22図22(a)は、同じく第六実施形態に係るカットテープ貼着装置により製造されたカットテープ付きシートからなる食品用包装材の他例の外面図であり、図22(b)は、第三実施形態に係るカットテープ貼着装置により製造されたカットテープ付きシートからなる食品用包装材の一例の外面図であり、図22(c)は、図22(a)又は図22(b)の食品用包装材により包装された食品包装体の斜視図である。
図23図23は、第一実施形態ないし第七実施形態に係るカットテープ貼着装置の他の実施形態に係るカットテープ貼着装置の概要図である。
図24図24は、第八実施形態に係るカットテープ貼着装置の他の実施形態に係るカットテープ貼着装置の概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<第一実施形態>
以下、本発明の第一実施形態に係るカットテープ貼着装置について、このカットテープ貼着装置により製造された外シートを用いて製造される、三角おにぎりの包装に用いられる食品用包装材及びこの食品用包装材により包装された食品包装体についての説明とともに、図面を参酌しつつ説明する。
【0015】
図1ないし図3に示す如く、食品用包装材1は、互いに直交する方向の一方が他方よりも長い形状を有する一対のシート(外シート2、内シート3)が、三角おにぎりに巻く海苔等のシート状食品4を挟んで重ね合わせられ、シート状食品4を囲むようにして、長手方向の一端10a側及び他端10b側の端部接合部11,11と両側部の側部接合部12,12により四方が封止された本体10を備える。なお、以下では、上記一方(図2及び図3では、上下方向)を「長手方向」といい、上記他方(図2及び図3では、左右方向)を「幅方向」という。
【0016】
外シート2は、ポリエチレンやポリプロピレン等の熱溶着性を有するプラスチックシートからなり、長手方向に二つ折りにした状態で食品を包み込める大きさの長方形状(矩形状)を有する。
【0017】
外シート2の一端10aには、幅方向に所定間隔を有して離間する一対の切込線20,20が形成される。切込線20は、全切線、半切線(ハーフカット)、ミシン目等によって形成される。切込線20の形成によって開封起点としての摘み部21が形成される。摘み部21から外シート2の他端10bにかけて、外シート2の内面には、帯状のカットテープ22が設けられる。摘み部21を引き下ろすことにより、カットテープ22が所定の幅で外シート2を破断し、外シート2が幅方向(左右)に分離(分割)可能となる。本実施形態においては、カットテープ22は、外シート2の幅方向の中央部に配置される。
【0018】
カットテープ22は、一対設けられる。一対のカットテープ22,22は、外シート2の一端10aから他端10bにかけて、二つの波が形成されるよう、長手方向(本実施形態においては、外シート2の幅方向の中心線)に対して蛇行した形で、外シート2に全長に亘って貼着される。一対のカットテープ22,22は、長手方向に対して線対称に設けられ、これにより、外シート2の一端10aから他端10bにかけて、二箇所で交差して第一交点22a及び第二交点22bが設けられる。また、一端10aと第一交点22aとの間に、第一幅広部22cが形成され、第一交点22aと第二交点22bとの間に、第二幅広部22dが形成される。本実施形態においては、カットテープ22,22は、外シート2の一端10aから他端10bにかけて、小さい波と大きい波の二つの波が形成されるように外シート2に貼着され、これにより、第一幅広部22cよりも第二幅広部22dの方が、幅が広く、長手方向における長さが長くなっている。
【0019】
カットテープ22は、外シート2を破断することができる強度を有する。カットテープ22は、二軸延伸ポリエステルないしポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等の熱溶着性を有するプラスチックシートを細くカットしたものである。本実施形態においては、カットテープ22は、外シート2の厚さ(10μm以上、あるいは20μm以上であって、30μm以下、あるいは40μm)と同じ程度の厚さを有する。また、カットテープ22は、1.5mm以上、あるいは2mm以上であって、4mm以下、あるいは3mm以下の幅を有する。
【0020】
内シート3は、外シート2と同様、ポリエチレンやポリプロピレン等の熱溶着性を有するプラスチックシートからなり、長手方向に二つ折りにした状態で食品を包み込める大きさの長方形状(矩形状)を有する。内シート3は、長手方向に沿って内側部同士が重ね合わせられた一対の内シート片(第一内シート片30及び第二内シート片31)を備え、内シート片30,31の内側部30a,31a同士が重ね合わせられた状態の大きさが外シート2と同じ大きさである。本実施形態においては、内シート片30,31の内側部30a,31a同士の重ね合わせ部32は、内シート3の幅方向の中央部に配置され、カットテープ22,22と配置が重なる。
【0021】
端部接合部11は、内シート片30,31の重ね合わせ部32を除き、外シート2及び内シート3の一端10a及び他端10bに沿って外シート2及び内シート3をヒートシールすることにより形成される。側部接合部12は、外シート2及び内シート3の側縁に沿って外シート2及び内シート3をヒートシールすることにより形成される。このようにして構成された本体10の内部がシート状食品4の収容部となる。なお、本実施形態においては、端部接合部11は、それぞれが一端10a及び他端10bに沿って延び、互いに外シート2及び内シート3の長手方向に所定間隔を有して平行する複数の線状(複数条)の接合部で構成される。また、側部接合部12には、幅方向に通気可能なように連通部12aが長手方向に適宜間隔で設けられ、側部接合部12は、連通部12aによって複数に分割された形態となる。
【0022】
食品用包装材1(本体10)の四隅の角部には、切欠部13が形成される。切欠部13は、食品用包装材1を用いて食品を包装する際の、両側の余分なシート片の一部を切欠部13により無くすことにより、両側の余分なシート片を中心側に折って三角形状にするにあたり、シート片の重なりを少なくするためのものである。
【0023】
切欠部13と食品用包装材1の側縁とが交わる部分から食品用包装材1の側縁の所定範囲にかけては、食品用包装材1の側縁に沿って鋸歯状の易破断部14が形成される。すなわち、食品用包装材1の一端10a側の両側部には、切欠部13と隣接して易破断部14が形成される。易破断部14は、各カットテープ22に対応して設けられ、易破断部14から幅方向に食品用包装材1を破断しやすくするためのものである。
【0024】
ところで、図4に示す如く、この種の食品用包装材1は、量産性の観点から、外シート原反及び内シート原反を包装材製造装置に供給し、搬送しながら、搬送過程で種々の工程(カットテープ22,22の貼着工程、内シート片原反の重ね合わせ工程、外シート原反及び内シート原反の重ね合わせ工程、接合部11,12の形成工程等)が加えられて、連続的に製造される。そこで、カットテープ22,22も、外シート原反に応じて連続した長尺なものが用いられ、外シート原反の搬送に伴い、外シート原反の幅方向の中心線を中心として、左右交互に蛇行しつつ波形に貼着される。より詳しくは、一対のカットテープ22,22は、互いに交差しながら小さい波と大きい波を1ピッチとして繰り返すようにして、外シート原反の幅方向の中心線に沿って貼着される。そして、切断予定線CLに沿って食品用包装材1,1間を幅方向に切断することで、複数の食品用包装材1,…が個別に分離され、これに伴い、カットテープ22,22も切断予定線に沿って切断される。
【0025】
図5及び図6は、外シート原反2Aに一対のカットテープ22,22を貼着するためのカットテープ貼着装置の概要図である。カットテープ貼着装置は、連続した長尺な外シート原反2Aを搬送するシート原反搬送部(図示しない)と、一対のカットテープ22,22を供給可能とするカットテープ供給部100と、外シート原反2Aの搬送経路上に配置され、一対のカットテープ22,22を回転軸方向と交差する方向から周面に巻き取っていくとともに、巻き取った一対のカットテープ22,22を外シート原反2Aに転写して貼着していく転写ローラ110と、一対のカットテープ22,22の供給経路上に配置され、それぞれカットテープ22を保持するとともに、転写ローラ110の回転軸方向において往復動することで、転写ローラ110の周面上に波形でかつ互いに交差する一対のカットテープ22,22の形状を形成する一対のカットテープ経路制御部120,120とを備える。
【0026】
シート原反搬送部は、外シート原反2Aがロール状に巻回された外シート原反ロール(図示しない)を回転可能に保持し、外シート原反2Aを繰り出し供給し、所定の搬送経路上で外シート原反2Aを搬送し、最終的には一対のカットテープ22,22が貼着された状態の外シート原反2Aをロール状に巻き取り、外シート原反2Aの完成品とする。
【0027】
カットテープ供給部100は、それぞれカットテープ22がロール状に巻回された二つのカットテープロール22Aをそれぞれ回転可能に保持し、一方のカットテープロール22Aから連続した長尺なカットテープ22を繰り出し供給するとともに、他方のカットテープロール22Aからも連続した長尺なカットテープ22を繰り出し供給することで、一対のカットテープ22,22を繰り出し供給する。カットテープ供給部100から供給された一対のカットテープ22,22は、転写ローラ110に巻き取られた後、方向転換されて外シート原反2Aに貼着されるため、転写ローラ110近傍における外シート原反2Aの搬送経路と一対のカットテープ22,22の供給経路とは逆向きとなっている。
【0028】
転写ローラ110は、外シート原反2Aの搬送方向と直交する方向に配置される回転軸111を有し、外シート原反2Aの搬送に同期して回転軸111回りに回転する駆動ローラである。転写ローラ110は、外シート原反2Aの搬送経路の反対側に配置されたローラ112とでローラ対を構成する。カットテープ22は、外シート原反2Aとの接触面が粘着性ないし接着性を有しており(本実施形態においては、カットテープ22の一面に感圧接着剤が塗布されるが、感圧接着剤ではなく、普通の粘着剤や接着剤、あるいは感熱接着剤が塗布されるものであってもよいし、粘着剤や接着剤を塗布するのではなく、自己粘着性や自己接着性を有する材質のカットテープを使用してもよい。)、転写ローラ110の周面には、カットテープ22の粘着性ないし接着性を有する面の反対面が当接する。そして、一対のカットテープ22,22は、転写ローラ110の回転によって外シート原反2Aの内面に重ね合わせられ、転写ローラ110及びローラ112間を通過するときの圧着力により、外シート原反2Aに貼着され、一体化される。
【0029】
転写ローラ110は、一対のカットテープ22,22を波形でかつ互いに交差する形状に整えるための役割を担うため、その周面はできるだけ平面に近い方がよい。したがって、転写ローラ110は、できるだけ曲率が小さい(できるだけ直径が大きい)ほうがよい。
【0030】
各カットテープ経路制御部120は、転写ローラ110の回転軸111と平行に配置されたガイドバー121をスライドするガイド体(本実施形態においては、両端に鍔部を有するガイドローラ122)で構成される。一対のカットテープ経路制御部120,120は、一方のカットテープ22に対応した第一カットテープ経路制御部120Aと、他方のカットテープ22に対応した第二カットテープ経路制御部120Bとからなる。
【0031】
図7に示す如く、第一カットテープ経路制御部120Aは、外シート原反2Aの搬送(転写ローラ110の回転)に同期して幅方向左右に往復動することで、一方のカットテープ22の波形を形成する。第二カットテープ経路制御部120Bも、外シート原反2Aの搬送(転写ローラ110の回転)に同期して幅方向左右に往復動することで、他方のカットテープ22の波形を形成する。
【0032】
より詳しくは、第一カットテープ経路制御部120Aは、一方のカットテープ22の供給経路の(幅方向の)中心線CLAを中心として幅方向左右に往復動することで、一方のカットテープ22の波形を形成する。第二カットテープ経路制御部120Bも、他方のカットテープ22の供給経路の(幅方向の)中心線CLBを中心として幅方向左右に往復動することで、他方のカットテープ22の波形を形成する。なお、カットテープ22の供給経路の中心とは、カットテープ経路制御部120よりも上流側のカットテープ22の供給経路のうち、カットテープ22が実質的に幅方向へ移動することがない直近の箇所における中心をいう。一方のカットテープ22の供給経路と他方のカットテープ22の供給経路とは、間に一対のカットテープ22,22の中心線CL(一対のカットテープ22,22の交点を通る線、外シート原反2の幅方向の中心線でもある。)を挟んで並列している。
【0033】
さらに詳しくは、第一カットテープ経路制御部120Aは、一方のカットテープ22の供給経路の中心線CLAを中心として、他方のカットテープ22の供給経路の中心線CLBが位置する側で大きい振幅となり、それとは反対側で小さい振幅となる。第二カットテープ経路制御部120Bも、他方のカットテープ22の供給経路の中心線CLBを中心として、一方のカットテープ22の供給経路の中心線CLAが位置する側で大きい振幅となり、それとは反対側で小さい振幅となる。
【0034】
しかも、一対のカットテープ経路制御部120、120は、一対のカットテープ22,22の中心線CLを跨いで幅方向左右に往復動することで、一対のカットテープ22,22の交差を形成する。さらに、一対のカットテープ経路制御部120,120は、逆位相でかつ大きい振幅と小さい振幅を交互に繰り返すように往復動することで、最大幅が異なる第一幅広部22cと第二幅広部22dとを交互に繰り返す一対のカットテープ22,22の形状を形成する。なお、各カットテープ経路制御部120は、一般的なあるいは公知の往復動機構により往復動する。
【0035】
第一カットテープ経路制御部120Aは、一対のカットテープ22,22の供給経路上で、第二カットテープ経路制御部120Bよりも下流側、すなわち、第二カットテープ経路制御部120Bよりも転写ローラ110(のカットテープ巻取開始点P2)に近い側に配置される。第二カットテープ経路供給部120Bは、一対のカットテープ22,22の供給経路上で、第一カットテープ経路制御部120Aよりも上流側、すなわち、第一カットテープ経路制御部120Aよりも転写ローラ110(のカットテープ巻取開始点P2)から離れる側に配置される。これにより、一対のカットテープ経路制御部120,120は、ぶつかることなく左右に行き来(往復動)することができる。なお、かかる構成により、第二カットテープ経路制御部120Bは、第一カットテープ経路制御部120Aよりも大きなストロークで往復動することとなる。
【0036】
一対のカットテープ経路制御部120,120は、転写ローラ110に巻き取られるカットテープ22の延長線上(接線上)に位置するため、各カットテープ経路制御部120のストロークは、対応するカットテープ22の幅よりも大きくなる。各カットテープ経路制御部120のストロークは、カットテープ22の波形の形状に応じて適宜変更可能であるが、各カットテープ22の最大幅(すなわち、第一幅広部22cの最大幅/2+第二幅広部22dの最大幅/2)が、10mm以上、あるいは15mm以上、あるいは17mm以上であって、30mm以下、あるいは25mm以下、あるいは23mm以下の範囲となるように、設定される。
【0037】
各カットテープ経路制御部120は、転写ローラ110の回転作用と相俟って、カットテープ保持点P1と転写ローラ110のカットテープ巻取開始点P2(図中、カットテープ22の網掛け部分は転写ローラ110に巻き取られた部分を表す。)間のカットテープ22に張力Tを付加する手段でもある。したがって、各カットテープ経路制御部120は、往復動に伴い、張力Tの向き(転写ローラ110の回転方向、すなわち外シート原反2Aの搬送方向に対する角度)を周期的に変化させつつ、常時カットテープ22に張力Tを付加し続ける。
【0038】
食品用包装材1は、以上の構成からなり、三角おにぎり5を挟んで長手方向に食品用包装材1を二つ折りにし、図8(a)に示す如く、両側の余分なシート片を中心側に折って三角形状にし、折った部分をポイントシールし、さらに、同図(b)に示す如く、背面にラベル6を貼付して、三角おにぎり5を包装し、食品包装体7とする。
【0039】
三角おにぎり5を食する際には、図9(a)及び(b)に示す如く、食品包装体7の摘み部21を摘んでカットテープ22,22を縦回りに引き回し、外シート2を長手方向に開裂する。この際、カットテープ22,22は、互いに間隔を有するので、幅広の開裂開口を形成することができる。これにより、外シート2を分断後、外シート2とシート状食品4との接触面積が少なくなる。そして、同図(c)に示す如く、分断された一対の包装体片をそれぞれ側方へ引っ張ることにより、三角おにぎり5をシート状食品4と一体化させた状態で取り出すことができる。
【0040】
以上、本実施形態に係るカットテープ貼着装置(カットテープ付きシート原反の製造装置)及びカットテープ付きシート原反の製造方法によれば、各カットテープ22を保持する各カットテープ経路制御部120が、カットテープ保持点P1及び転写ローラ110のカットテープ巻取開始点P2間のカットテープ22,22に張力を付加しつつ、往復動し、転写ローラ110が、そのカットテープ22,22を周面に巻き取っていくとともに、巻き取ったカットテープ22,22をシート原反2Aに転写して貼着していくため、カットテープ22が波形となって湾曲することにより平面性が損なわれるのを転写ローラ110が矯正しつつカットテープ22,22をシート原反2Aにきれいに貼着することができる。
【0041】
また、本実施形態に係るカットテープ貼着装置及びカットテープ付きシート原反の製造方法によれば、各カットテープ経路制御部120が、対応するカットテープ22の供給経路の中心線を中心として幅方向左右に往復動することで、図7に示す如く、それぞれカットテープ22は、カットテープ経路制御部120の箇所で凸となるように屈曲し、それぞれカットテープ22に常時張力Tが付加されるため、カットテープ22が緩み、波形の形状が崩れるのを好適に防止することができる。また、これにより、各カットテープ経路制御部120の往復動を高速化することができ、ひいては、外シート原反2Aの搬送速度を高速化することができるため、生産性を向上することが可能となる。
【0042】
しかも、本実施形態に係るカットテープ貼着装置及びカットテープ付きシート原反の製造方法によれば、各カットテープ経路制御部120が、対応するカットテープ22の波形の振幅よりも大きい振幅で往復動することで、それぞれカットテープ22は、張力Tの向きが周期的に変化しつつ、張力Tが付加し続けられるため、カットテープ22の波形の外縁に張力Tが集中しやすくなり、長尺な外シート原反2Aにおいてカットテープ22,22の波形の外縁をきれいに仕上げることができる。カットテープ22,22の波形の外縁がきれいに仕上げられていないと、カットテープ22,22を引っ張って外シート2を開裂して包装を開封する際に、外シート2を適切に開裂することができないおそれがあるが、本実施形態に係るカットテープ貼着装置及びカットテープ付きシート原反の製造方法によれば、このような懸念はなくなる。
【0043】
また、本実施形態に係るカットテープ貼着装置及びカットテープ付きシート原反の製造方法によれば、各カットテープ経路制御部120の振幅が、上述のとおり、対応するカットテープ22の供給経路の中心線を中心として、右側と左側とで大きさが異なることで、それぞれカットテープ22の屈曲した形状は、左右対称に近い形となる。このことは、カットテープ22に付加される張力Tが、カットテープ経路制御部120が往復動のストローク左端に位置するときと、ストローク右端に位置するときとで、均等化され、ひいては、カットテープ22に付加される張力Tの左右のバランスが全体的に良くなることを意味する。これにより、長尺な外シート原反2Aにおいてカットテープ22の波形の外縁をより一層きれいに仕上げることが可能となる。
【0044】
<第二実施形態>
図10(a)及び図12に示す如く、第二実施形態に係るカットテープ貼着装置は、第一実施形態に係るカットテープ貼着装置のように、一対のカットテープ経路制御部120,120が大きい振幅と小さい振幅を交互に繰り返すように往復動することで、最大幅が異なる第一幅広部50と第二幅広部51とを外シート原反2Aの長手方向に交互に形成するのではなく、振幅を同じにすることで、同じ大きさの幅広部を連続して形成するものである。
【0045】
その他の構成は、第一実施形態に係るカットテープ貼着装置と同じである。これにより、第二実施形態に係るカットテープ貼着装置によっても、第一実施形態に係るカットテープ貼着装置による効果と同じ効果を得ることができる。
【0046】
<第三実施形態>
図10(b)及び図13に示す如く、第三実施形態に係るカットテープ貼着装置は、第一実施形態に係るカットテープ貼着装置のように、一対のカットテープ22,22を交差させるのではなく、一対のカットテープ22,22を離間させるものである。このとき、一対のカットテープ22,22は、逆位相となるようにしてもよいし、同位相となるようにしてもよいし、位相をずらすようにしてもよい。
【0047】
その他の構成は、第一実施形態に係るカットテープ貼着装置と同じである。これにより、第三実施形態に係るカットテープ貼着装置によっても、第一実施形態に係るカットテープ貼着装置による効果と同じ効果を得ることができる。
【0048】
<第四実施形態>
図10(c)及び図14に示す如く、第四実施形態に係るカットテープ貼着装置は、第一実施形態に係るカットテープ貼着装置のように、一対のカットテープ22,22を波形にするのではなく、一方のカットテープ22のみを波形とし、他方のカットテープ22を外シート原反2Aの長手方向に沿った直線状とするものである。これは、第一実施形態に係るカットテープ貼着装置において、一方のカットテープ経路制御部120を往復動させず、所定位置に固定しておくことで実施することができる。
【0049】
その他の構成は、第一実施形態に係るカットテープ貼着装置と同じである。これにより、第四実施形態に係るカットテープ貼着装置によっても、第一実施形態に係るカットテープ貼着装置による効果と同じ効果を得ることができる。
【0050】
<第五実施形態>
図10(d)及び図15に示す如く、第五実施形態に係るカットテープ貼着装置は、第一実施形態に係るカットテープ貼着装置のように、一対のカットテープ22,22を交差させるのはなく、一対のカットテープ22,22を接するように配置するものである。このとき、それぞれカットテープ22は、上述した又は後述するカットテープ22の各形態やその他の種々の形態を採用することができる。
【0051】
その他の構成は、第一実施形態に係るカットテープ貼着装置と同じである。これにより、第五実施形態に係るカットテープ貼着装置によっても、第一実施形態に係るカットテープ貼着装置による効果と同じ効果を得ることができる。
【0052】
<第六実施形態>
図11(a)及び図16に示す如く、第六実施形態に係るカットテープ貼着装置は、第一実施形態に係るカットテープ貼着装置のように、一対のカットテープ22,22を貼着するのではなく、一本のカットテープ22のみを波形に貼着するものである。食品包装体の開封時、幅広の開裂開口を形成すること以外、曲線状の縁を有する開裂開口を形成することが有効な食品用包装材や食品用包装袋に適している。
【0053】
図21(a)は、第六実施形態に係るカットテープ貼着装置により製造されたカットテープ付きシート原反の一例を一単位に切断したものであり、図の上下方向がシート原反の長手方向(搬送方向)である。このシート2は、シート原反の状態で、第一実施形態で説明した食品用包装材1の外シート原反として用いられるほか、シート2単独でたとえば突き上げ包装用の食品用包装材として用いられる。シート2の一端から他端にかけて波形のカットテープ22が貼着され、シート2の一端には、一対の切込線20,20によって摘み部21が形成される。カットテープ22の中心線CLを挟んで幅方向の一方側(図では左側)には、最大幅部22fが形成され、他方側(図では右側)にも、最大幅部22gが形成される。これら一方側の最大幅部22f及び他方側の最大幅部22gは、摘み部21の幅よりも大きいため、図21(b)に示す食品包装体7を開封する際、第一実施形態と同様、幅広の開裂開口を形成することができ、一本のカットテープ22であっても、良好な開封性を得ることができる。なお、図21(a)の左右一対の矢印は開裂開口の方向性を表す。
【0054】
図22(a)は、同じく第六実施形態に係るカットテープ貼着装置により製造されたカットテープ付きシート原反の他例を一単位に切断したものであり、図の上下方向がシート原反の長手方向(搬送方向)である。このシート2は、シート原反の状態で、ピロー包装用の食品用包装材として用いられる。図22(c)に示す如く、ピロー包装体からなる食品包装体7は、シート2の端縁部同士が接合されて背貼り部70を有する筒状であり、一端部側の開口縁部及び他端部側の開口縁部がそれぞれ接合部71により封止されて構成される。一方の接合部71には、ノッチ72が形成され、ここから食品包装体7を開封して曲線状の縁を有する開裂開口を形成することができる。
【0055】
なお、図22(b)は、第三実施形態に係るカットテープ貼着装置により製造されたカットテープ付きシート原反の一例を一単位に切断したものであり、図の上下方向がシート原反の長手方向(搬送方向)である。図22(c)に示す食品包装体7の表側と裏側とで配置が重なるようにカットテープ22を一対設けることで、食品包装体7の表側と裏側とで開裂開封の形状を揃えることができる。
【0056】
その他の構成は、第一実施形態に係るカットテープ貼着装置と同じである。これにより、第六実施形態に係るカットテープ貼着装置によっても、第一実施形態に係るカットテープ貼着装置による効果と同じ効果を得ることができる。
【0057】
<第七実施形態>
図11(b)及び図17図11(c)及び図18に示す如く、第七実施形態に係るカットテープ貼着装置は、第一実施形態に係るカットテープ貼着装置のように、曲線のみで構成される波形にするのではなく、一部に直線部22eを有する波形にするものである。これは、直線部22eを形成する間、カットテープ経路制御部120を往復動させず、停止させることで実施することができる。なお、図11(b)は、第二幅広部22dに直線部22eが設けられる例であり、図11(c)は、第一幅広部22cに直線部22eが設けられる例である。
【0058】
その他の構成は、第一実施形態に係るカットテープ貼着装置と同じである。これにより、第七実施形態に係るカットテープ貼着装置によっても、第一実施形態に係るカットテープ貼着装置による効果と同じ効果を得ることができる。
【0059】
<第八実施形態>
図19及び図20に示す如く、第八実施形態に係るカットテープ貼着装置は、連続した長尺な外シート原反2Aを搬送するシート原反搬送部(図示しない)と、一対のカットテープ22,22を供給可能とするカットテープ供給部100と、外シート原反2Aの搬送経路上に配置され、一対のカットテープ22,22を外シート原反2Aに貼着していく圧着ローラ115と、一対のカットテープ22,22の供給経路上に配置され、それぞれカットテープ22を保持するとともに、圧着ローラ115の回転軸方向において往復動することで、外シート原反2Aに波形でかつ互いに交差する一対のカットテープ22,22の形状を形成する一対のカットテープ経路制御部120,120とを備える。第八実施形態に係るカットテープ貼着装置は、第一実施形態ないし第七実施形態に係るカットテープ貼着装置の代替となるものである。
【0060】
その他の構成は、第一実施形態に係るカットテープ貼着装置と同じである。これにより、第八実施形態に係るカットテープ貼着装置によっても、第一実施形態に係るカットテープ貼着装置による効果と同じ効果を得ることができる。
【0061】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0062】
たとえば、カットテープ22の波形の長さや幅は、適宜選択し得る事項である。したがって、図11(d)のように、波形の幅を大きくし、開封時の開裂開口をさらに幅広に形成して開封性の向上を図ることはもちろん可能である。しかし、波形の幅が大きくなると、カットテープ22の内縁と外縁の線長差が大きくなり、カットテープ22の平面性がより損なわれやすくなるため、カットテープ22の内縁に皺が入りやすくなり、仕上がりに影響を及ぼしかねない。そこで、カットテープ22は、1.5mm以上4mm以下の幅のものを使用し、カットテープ22の波形の幅は、30mm以下にすることが好ましい。
【0063】
また、上記実施形態においては、カットテープ経路制御部120は、転写ローラ110の回転軸111方向又は圧着ローラ115の回転軸116方向、言い換えれば、カットテープ22の供給経路と直交する方向に往復動するものであった。しかし、転写ローラ110の回転軸111方向又は圧着ローラ115の回転軸116方向とカットテープ経路制御部120の往復動の方向とにある程度の角度が付いても、カットテープ22の波形を形成することができるので、カットテープ経路制御部120は、必ずしも転写ローラ110の回転軸111方向又は圧着ローラ115の回転軸116方向と平行に往復動するものに限られない。
【0064】
また、上記実施形態においては、一対のカットテープ経路制御部120,120は、転写ローラ110又は圧着ローラ115からの距離を異ならせて配置するものであった。しかし、図23及ぶ図24に示す如く、一対のカットテープ経路制御部120,120を転写ローラ110(のカットテープ巻取開始点P2)又は圧着ローラ115(のカットテープ圧着点)から同じ距離の位置に配置するようにしてもよい。この場合、両者の往復動ストローク長は同じとなる。
【0065】
また、上記実施形態においては、転写ローラ110及び圧着ローラ115は、駆動ローラであった。しかし、転写ローラ110及び圧着ローラ115は、自らは駆動しない従動ローラであってもよい。
【0066】
また、「三角形状」、「長方形状」、「矩形状」、「中央部」、「端部」、「側部」、「均等」、「一致」、「平行」、「垂直」といった形状、部位又は状態を特定する用語は、本発明において、そのもののほか、それに近いないし類するという意味の「略」の概念も含むものである。
【0067】
また、上記実施形態においては、食品は三角おにぎり(米飯加工食品)であり、シート状食品は海苔であった。しかし、食品は、食品用包装材で包装できる形であれば、三角以外の形状のおにぎり、寿司、サンドイッチ等であってもよく、食品の種類及び形状は限定されない。シート状食品も、食品用包装材の平面状の収容部に収容できる形であれば、シート状の昆布、畳鰯等であってもよく、シート状食品の種類及び形状は限定されない。
【0068】
また、上記実施形態においては、食品用包装材として、長手方向の一端から他端にかけて波形でかつ互いに交差する一対のカットテープ22,22を有し、カットテープ22,22によって一対の外シート片に分断される外シート2と、シート状食品4を挟んで外シート2に重ね合わせられ、内側部同士30a,31aの重ね合わせ部32を有する一対の内シート片30,31で構成される内シート3とを備え、シート状食品4を囲むように外シート2と内シート3とが接合され、食品を挟んで長手方向に二つ折りにすること及び両側の余分なシート片を中心側に折ることによって、食品を三角形状に包装する食品用包装材を例に説明した。しかし、本発明に係るカットテープ貼着装置及びカットテープ付きシート原反の製造方法は、これに限定されるものではない。本発明に係るカットテープ貼着装置及びカットテープ付きシート原反の製造方法は、たとえば、一端側よりも他端側が幅広となる形状を有する一対のシートが重ね合わせられ、一端側の頂部接合部と両側縁の側部接合部により三方が封止されて他端側が開口部となる袋本体と、頂部接合部から突出する各シートの突出片で構成されるヘッダ部とを備え、一方のシートは、内面に、ヘッダ部の所定部位又は袋本体における頂部接合部側の所定部位から開口部側に向かってカットテープを備える食品用包装袋、すなわち、側面形状が三角形状(主として直角三角形状)で、所定の厚みないし幅を有する立体形状に仕上げられたサンドイッチ等の食品を包装するための食品用包装袋を製造するのに使用することができる。
【0069】
また、本発明に係るカットテープ貼着装置及びカットテープ付きシート原反の製造方法は、ピロー包装、三方袋や合掌袋等の平袋、ガゼット袋(底ガゼット袋やサイドガゼット袋等)といった一般的な食品用包装材や食品用包装袋を製造するのに使用することができることはもちろん、食品用以外の用途の包装材や包装袋を製造するのに使用することもできる。
【0070】
また、包装材や包装袋に用いられるシートは、プラスチックシートからなるものに限定されない。たとえば、紙又は紙質シート等、その他の材質のシートであってもよい。また、単一の材質のシートではなく、複数の材質のシートを積層した積層シートであってもよい。また、シートは、たとえば、二枚のシートを端部同士を接合して一枚のシートにしたものや、三枚のシートを順次端部同士を接合して一枚のシートにしたもののように、複数枚のシートを用いて一枚のシートに形成したものであってもよい。また、この場合、各シートの材質は異なるものであってもよい。たとえば、一部のシートには、プラスチックシートではなく、紙又は紙質シートを用いるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0071】
1…食品用包装材、10…本体、10a…一端、10b…他端、11…端部接合部、12…側部接合部、12a…連通部、13…切欠部、14…易破断部、2…外シート、2A…外シート原反、20…切込線、21…摘み部、22…カットテープ、22A…カットテープロール、22a…第一交点(第一幅広部22cの終端、第二幅広部22dの始端)、22b…第二交点(第二幅広部22dの終端)、22c…第一幅広部、22d…第二幅広部、22e…直線部、22f…一方側の最大幅部、22g…他方側の最大幅部、3…内シート、30…第一内シート片、30a…内側部、31…第二内シート片、31a…内側部、32…重ね合わせ部、4…シート状食品、5…三角おにぎり、6…ラベル、7…食品包装体、70…背貼り部、71…接合部、72…ノッチ、100…カットテープ供給部、110…転写ローラ、111…回転軸、112…ローラ、115…圧着ローラ、116…回転軸、117…ローラ、120…カットテープ経路制御部、120A…第一カットテープ経路制御部、120B…第二カットテープ経路制御部、121…ガイドバー、122…ガイドローラ、CL…切断予定線、CL…中心線、CLA…第一カットテープ経路制御部120Aに係るカットテープ供給経路の中心線、CLB…第二カットテープ経路制御部120Bに係るカットテープ供給経路の中心線、P1…カットテープ保持点、P2…カットテープ巻取開始点、T…張力
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
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図18
図19
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図24