(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-02
(45)【発行日】2023-08-10
(54)【発明の名称】支柱接続構造
(51)【国際特許分類】
F16B 12/44 20060101AFI20230803BHJP
A47B 13/02 20060101ALI20230803BHJP
A47B 91/00 20060101ALI20230803BHJP
F16B 12/52 20060101ALI20230803BHJP
F16B 37/04 20060101ALI20230803BHJP
【FI】
F16B12/44 D
A47B13/02
A47B91/00 Z
F16B12/52 A
F16B37/04 J
(21)【出願番号】P 2019133515
(22)【出願日】2019-07-19
【審査請求日】2022-07-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000152228
【氏名又は名称】株式会社内田洋行
(73)【特許権者】
【識別番号】593114810
【氏名又は名称】株式会社サンテック
(74)【代理人】
【識別番号】100107113
【氏名又は名称】大木 健一
(72)【発明者】
【氏名】本間 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】丸山 高央
(72)【発明者】
【氏名】薗部 雄三
(72)【発明者】
【氏名】菊地 紀行
【審査官】鵜飼 博人
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-245537(JP,A)
【文献】特開2018-128111(JP,A)
【文献】実開昭52-044002(JP,U)
【文献】特開2003-105905(JP,A)
【文献】特開2003-172331(JP,A)
【文献】特開2006-329306(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 12/00-
F16B 7/00- 7/22
F16B 5/02
F16B 5/10
A47B 13/02
A47B 91/00
F16B 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支柱にテーブルの基部や天板受け
である部材をボルトで固定するための支柱接続構造であって、
テーブルの基部や天板受けなどの前記部材を固定するためのボルト螺着用の穴を有する板状の部材固定体と、
端部近傍に前記部材固定体が取り付けられている板状部材を折り曲げて構成した棒状又はパイプ状の第1支柱部材と、
前記第1支柱部材が内挿されるパイプ状の第2支柱部材とを備え、
前記第1支柱部材と前記第2支柱部材は前記支柱を構成し、それらの長さは略同じであり、
前記第1支柱部材の端部近傍に前記部材固定体の断面に対応する形状の開口が設けられ、当該開口に前記部材固定体が嵌入された前記第1支柱部材が前記第2支柱部材に内挿され、前記部材固定体のボルト螺着の穴が前記第2支柱部材の端面に現れており、
前記第1支柱部材が前記第2支柱部材に内挿された状態で、前記部材固定体の嵌入方向の前端及び後端が前記第2支柱部材の内面に接する形状に加工されていることを特徴とする支柱接続構造。
【請求項2】
前記第1支柱部材の端部には位置決め用の突起が設けられていることを特徴とする請求項1記載の支柱接続構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、単支柱型のテーブルなどに用いられる支柱接続構造に関し、特に、支柱にテーブルの基部や天板受けなどの部材をボルトで固定するための支柱接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
単支柱型のテーブルの脚構造は、テーブルの基部とテーブルの天板(天板受け)を、パイプ状の単一の支柱を介して連結したものである。その連結の構造に関連する先行技術として以下に示すものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実開昭54-156059号公報 溶接によらず、パイプ材を他の部材に簡単かつ強固に固着できる連結具であり、中心にネジ孔(4)を有する固着具(3)と、ネジ孔(4)と螺合する締付ボルト(6)よりなる。固着具(3)の直径はパイプの内径よりも幾分大きく成形されている。締付ボルト(6)をネジ孔(4)に螺合した状態で固着具(3)をパイプ(2)内に圧入して固定する。
【文献】実開昭57-058115号公報 板材をパイプ材の端部にT字形に結合するための楔装置であり、パイプ材の中空内部に差し込まれる二つの板状の脚と、パイプ材の中空内部で両脚を押してパイプ材の内壁面に押し付ける突っ張り材を有する。
【文献】実公昭56-032103号公報 脚の中央部に嵌着されたねじ孔を構成するボス部材と、このねじ孔に下端部を螺合することで垂直に立設される上下長短部にねじ部を有する心棒と、上端部にテーブル受けを有し、心棒の外周側全体を被嵌する筒状支柱と、その上端部に心棒が貫通するように設けられた小径段部とを備えるテーブルを開示する。組立時は、脚の中央に心棒を螺合して立設し、心棒の外周側に筒状支柱を被嵌し、心棒の上端をナットで止めて支柱を心棒から抜け止めし、その後、テーブルを固定する。
【文献】実公昭57-059698号公報支柱部材3における脚部材2の取り付け位置には、位置決め用突起11,12が設けられている。位置決め用突起11,12は、支柱部材3の下端開口部3aの内面が嵌合して位置決めされる。
【文献】特許第5642434号公報 固定体20をパイプ1の内部に進入させ、プレス機5によりパイプ1の長さ方向にプレスすることで、フランジ部23の外縁部がパイプ1の端面1aに食い込んで、パイプの端面1aの内縁部の一部が、傾斜した面23bに沿ってネック部22方向に塑性変形され、ネック部22側に塑性変形した部分2が、フランジ23の下面23bに沿ってネック部22の最も細い上端22aにほぼ接する位置まで到達する。フランジ部23の外周23cとそれに接するパイプ1の端面1aの食い込み部分との強い摩擦、フランジ部23の下面23bと塑性変形部分2との摩擦により、パイプ1に対する固定体20の回転が十分な強さで規制される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
経済性の点からテーブルの脚構造は容易に製造できることが好ましく、また、その製造品質は高いものでなければならない。
【0005】
特許文献1記載の連結構造は、簡単に組み立てることができる点で優れているが、固着具(3)は、パイプ(2)内で摩擦で止まっているだけである。固定が不確実で、大きな負荷、例えば強くネジを締めたときに耐えられないおそれがある。また、回転方向のズレを防止できない。
【0006】
特許文献2記載の連結構造は、パイプ材の中空内部で両脚を押してパイプ材の内壁面に押し付けるものであり、摩擦で止まっているだけである。固定が不確実で、大きな負荷、例えば強くネジを締めたときに耐えられないおそれがある。また、回転方向のズレを防止できない。
【0007】
特許文献3記載の連結構造は、芯棒をネジ止めしているので連結が確実であるものの、芯棒を軸とする回転を止める機構が設けられておらず、脚に対してテーブル面板が回転するおそれがある。特許文献3のようにテーブル面板が円形であれば回転しても支障ないが、正方形あるいは長方形のテーブル面板を使用する脚構造には適用できない。
【0008】
特許文献4記載の連結構造は、位置決め突起が支柱部材の下端開口部の内面が嵌合することで位置決めされる。支柱部材の断面が正方形あるいは長方形であれば適用できるが、断面が円形のパイプには適用できない。
【0009】
特許文献5記載の連結構造は、プレス加工が必須になり工程が複雑になるとともに、固定体を、プレスに耐える強度をもたせつつ高い精度で切削加工しなければならず、コストの点で問題がある。
【0010】
テーブルは、パイプ状の支柱の一端に基部を取り付け、他端にテーブルの天板(天板受け)を取り付けることで製造する。取り付けの際には部材同士をボルトで固定するが、そのために雌ねじを支柱に設ける必要がある。従来はこれを溶接で取り付けていた。このため製造工数が増えるという問題があった。
【0011】
正方形又は長方形の天板の場合、支柱と天板の位置関係がずれる(支柱に対して天板が回転する)と、テーブル同士を並べたときに隙間が生じたり、互いに干渉するなどの問題が生じる場合がある。これを避けるには、基部に支柱を組み付け、さらに天板を組み付けた後において、基部と天板の間で発生する角度のズレを最小限に押さえる必要がある。
【0012】
この発明は上記課題を解決するためになされたもので、組立方法を簡素化でき、組立工数を削減でき、しかも、角度のズレを最小限に押さえて組立品質を向上することのできるテーブルの脚構造、及び、その製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この発明は、支柱にテーブルの基部1や天板受け3である部材をボルトで固定するための支柱接続構造であって、
テーブルの基部や天板受けなどの前記部材を固定するためのボルト螺着用の穴61を有する板状の部材固定体6a,6bと、
端部近傍に前記部材固定体が取り付けられている板状部材を折り曲げて構成した棒状又はパイプ状の第1支柱部材21と、
前記第1支柱部材が内挿されるパイプ状の第2支柱部材22とを備え、
前記第1支柱部材と前記第2支柱部材は前記支柱を構成し、それらの長さは略同じであり、
前記第1支柱部材の端部近傍に前記部材固定体の断面に対応する形状の開口21q、21rが設けられ、当該開口に前記部材固定体が嵌入された前記第1支柱部材が前記第2支柱部材に内挿され、前記部材固定体のボルト螺着の穴が前記第2支柱部材の端面に現れており、
前記第1支柱部材が前記第2支柱部材に内挿された状態で、前記部材固定体の嵌入方向の前端A及び後端Bが前記第2支柱部材の内面に接する形状に加工されていることを特徴とするものである。
【0014】
前記第1支柱部材の端部には位置決め用の突起21a、21bが設けられていてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本願発明によれば、部材を組み付けるためのボルト螺着用の穴を溶接を用いずに設けることができ、製造工数を削減することができる。
また、突起により正確な位置決めを行えるので、天板の向きの誤差を抑制でき、組立精度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】発明の実施の形態に係る支柱接続構造を適用したテーブル(天板受けのみ表示、天板の表示は省略。以下同じ)の全体斜視図である。
【
図2】発明の実施の形態に係る支柱接続構造を適用したテーブルの分解斜視図である。
【
図3】
図2において、内側支柱パイプを、その端部に取り付けられている厚板板金が露出する程度に上部に引き出した状態の分解斜視図である。
【
図4】
図3における内側支柱パイプの上部拡大図である(厚板板金を内側支柱パイプの開口から引き出した状態を示す)。
【
図6】
図6(a)は、
図5から天板受けを除いた図である。
図6(b)は、発明の実施の形態に係る支柱接続構造の平面図である(ボルトは除いている)。
【
図7】発明の実施の形態に係る支柱接続構造を適用したテーブルの十字ベースと支柱の下部の接続の説明図(拡大部)である。
【
図8】
図8(a)は外側支柱パイプの全体斜視図である。
図8(b)は内側支柱パイプの全体斜視図である。
図8(c)は内側支柱パイプの上部拡大正面図である。
図8(d)は内側支柱パイプの上部拡大背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
発明の実施の形態について、図面を参照して説明を加える。
【0018】
図1は、発明の実施の形態に係る支柱接続構造を適用したテーブル(天板受けのみ表示、天板の表示は省略。以下同じ)の全体斜視図である。
図5は、
図1の天板受け部分の拡大図である。
図6(a)は、
図5から天板受けを除いた図である。
図6(b)は、発明の実施の形態に係る支柱接続構造の平面図である(ボルトは除いている)。
【0019】
図2は、発明の実施の形態に係る支柱接続構造を適用したテーブルの分解斜視図である。
図3は、
図2において、内側支柱パイプ21を、その端部に取り付けられている厚板板金が露出する程度に上部に引き出した状態の分解斜視図である。
【0020】
本件テーブルは、放射状に配置される4本の脚からなる十字ベース1と、その中心部に垂直に取り付けられる支柱2と、支柱2の上端に取り付けられる天板受け3とを備える。図に示すように、天板受け3は、ボルト41とバネ座金42により上方から支柱2に取り付けられる。図示は省略しているが、天板受け3の上には所定の形状(正方形、長方形、円形等)の天板が取り付けられる。支柱2は、板金(板状部材)を折り曲げて構成した棒状又はパイプ状の内側支柱パイプ(第1支柱部材)21と、内側支柱パイプ21が内挿されるパイプ状の外側支柱パイプ(第2支柱部材)22とからなる。内側支柱パイプ21は、外側支柱パイプ22とほぼ同じ長さである。天板受け3の中央にはボルト用穴3aが設けられ、これを中心として対称に位置決め・回転止め用突起21aを受ける穴3bが2つ設けられている。穴3b、3bの間隔は内側支柱パイプ21の幅に相当する。天板受け3の四隅に設けられる穴は天板取付用のネジ穴である。十字ベース1は、ボルト51とバネ座金52により下方から支柱2に取り付けられる。
【0021】
図4は、
図3における内側支柱パイプ21の上部拡大図である。
図4は、厚板板金6aを内側支柱パイプ21のスロット穴(開口)21q、21rから引き出した状態を示す。図示しないが、支柱の下部も
図4と同様の構造になっている。
【0022】
厚板板金6aの略中央にはボルト用のネジ穴61が設けられている。スロット穴21q、21rは、厚板板金6aの断面に対応する形状(長方形)の開口である。厚板板金6aは、
図4の矢印方向へ嵌入される。厚板板金6aの嵌入方向の後端はスロット穴21q、21rよりも幅広くなっていて、その部分(係止部62)が内側支柱パイプ21の表面に突き当たり厚板板金6aを所定の嵌入位置で止めている。
【0023】
この状態で内側支柱パイプ21を外側支柱パイプ22に内挿すると、
図6に示すように厚板板金6aのネジ穴61が外側支柱パイプ22の端面に現れるので、ボルト41により天板受け3を内側支柱パイプ21に固定することができる。内側支柱パイプ21と外側支柱パイプ22は溶接されていないので天板受け3が外側支柱パイプ22に直接固定されることはないが、外側支柱パイプ22が天板受け3及び図示しない天板の重さ(鉛直方向の力)の全部又は一部を受けるようにもできる(例えば外側支柱パイプ22を内側支柱パイプ21と同じ長さあるいは少し長くする)。これに代えて内側支柱パイプ21が全ての重さを受けるようにしてもよい。
図6(b)に示すように、厚板板金6aの嵌入方向の前端A及び後端Bは、外側支柱パイプ22の内面に接している。同図の例では外側支柱パイプ22の内面の形状に対応して、前端A及び後端Bは円弧状になっている。厚板板金6aの形状にそのように加工されているので、厚板板金6aは外側支柱パイプ22内でガタつくことがなく、ネジ穴61は所定の位置(外側支柱パイプ22の中心)に維持される。
【0024】
天板受け3のボルト用穴(貫通孔)3aにボルト41を挿入し、厚板板金6aのネジ穴61に螺着することで、天板受け3は支柱に固定される。天板受け3の2つの穴3bには、内側支柱パイプ21の上端に設けられた2つの突起21aが嵌まり込む。これにより天板受け3は内側支柱パイプ21にしっかりと固定され、回転することがない。なお、穴3bは突起21aが嵌まり込めばよく、貫通孔である必要はない。凹部であってもよい。内側支柱パイプ21の突起21aはその端から突き出ている。内側支柱パイプ21の断面は略ロの字形であるが、その対向する2辺にそれぞれ突起21aが設けられている。
【0025】
十字ベース1と支柱2の連結の詳細について
図7を参照して説明を加える。
図7は、発明の実施の形態に係る支柱接続構造を適用したテーブルの十字ベース1と支柱2の下部の接続の説明図(拡大部)である。
【0026】
支柱取付部11は、平面の上に短い円筒が突き出したような形状をしている。円筒部分が外側支柱パイプ22の内側に嵌まり込む。支柱取付部11の中心にはボルト51用のネジ穴(貫通孔)11aが設けられ、円周上の対向する2箇所に内側支柱パイプ21の下端に設けられた2つの突起21bが嵌まり込む切り欠き部(凹部)11bが設けられている。支柱取付部11の円筒部分の外周には複数(例えば12個)の小突起11cが設けられている。小突起11cは外側支柱パイプ22の内面に接し、これを保持するように機能する。支柱取付部11の突き出し部分(円筒)の高さに対応して、内側支柱パイプ21は外側支柱パイプ22よりも少し短くなっている(支柱2の下端側では突起21bが少し引っ込んでいる)。2つの切り欠き部11bには、内側支柱パイプ21の下端に設けられた2つの突起21bが嵌まり込む。これにより内側支柱パイプ21の位置決めが行われ、回転することがない。
【0027】
支柱2の下端の構造は上端と同様であり厚板板金6bが内側支柱パイプ21の下端近傍に取り付けられている。下端の突起21bは上端の突起21aと同様のものである。
図7に示すように厚板板金6bのネジ穴61が外側支柱パイプ22の端面に現れるので、ボルト51により十字ベース1を内側支柱パイプ21に固定することができる(外側支柱パイプ22が鉛直方向の重さ(力)の一部を受けるようにもできる点は支柱2の上端の場合と同様)。厚板板金6bの嵌入方向の前端及び後端が外側支柱パイプ22の内面に接している点も同様である。厚板板金6bの形状にそのように加工されているので、厚板板金6bは外側支柱パイプ22内でガタつくことがなく、ネジ穴61は所定の位置に維持される。
【0028】
図8(a)は外側支柱パイプの全体斜視図である。
図8(b)は内側支柱パイプの全体斜視図である。
図8(c)は内側支柱パイプの上部拡大正面図である。
図8(d)は内側支柱パイプの上部拡大背面図である。
【0029】
図8(a)及び(b)からわかるように、内側支柱パイプ21と外側支柱パイプ22の長さは略同じである。内側支柱パイプ21の端部近傍には厚板板金6a、6bがそれぞれ取り付けられている。端からの厚板板金6a、6bの取り付け距離は、ボルト41,51の長さに応じて定められる。外側支柱パイプ22は例えばスチールパイプであり、鉛直方向の圧縮力に耐えることができる。
【0030】
図8(c)及び(d)からわかるように、内側支柱パイプ21の同じ位置(高さ)にスロット穴21q、21rが設けられる。その大きさは厚板板金6a、6bの断面とほぼ同じであり、ガタなく厚板板金6a、6bを嵌入できるようになっている。
【0031】
図1のテーブルの脚構造は基部として十字ベースを使用していたが、これに代えて角ベースを使用することもできる。角ベースを使用するとき、その接続構造は上部の天板受け3の場合と同様である。角ベースの略中央にボルト用穴(ネジ穴)が設けられ、これを中心として対称に2つの穴が設けられる。2つの穴には、内側支柱パイプ21の下端に設けられた2つの突起21bが嵌まり込む。これにより角ベース5は内側支柱パイプ21にしっかりと固定され、回転することがない。
【0032】
発明の実施の形態では、十字ベース1及び天板受け3を取り付けるためのボルト用のネジ穴を、厚板板金6a、6bを内側支柱パイプ21の端部に嵌入し、それを外側支柱パイプ22に内挿することで支柱2に設けることができる。その大きさはの断面とほぼ同じであり、ガタなく厚板板金6a、6bを嵌入できるようになっている。このため溶接による厚板板金の固定は不要である。溶接が不要になることにより、工数を削減できる。
【0033】
発明の実施の形態によれば、部材を組み付けるための雌ねじを溶接を用いずに設けることができ、製造工数を削減することができる。
【0034】
また、突起21a、21bにより正確な位置決めを行えるので、天板の向きの誤差を抑制でき、組立精度が向上する。
【0035】
本支柱接続構造は、テーブルの支柱以外にも適用可能である。例えば、会議机の支柱や梁に適用することもできる。内側支柱パイプ21(第1支柱部材)はパイプ状の部材であるが、内側支柱パイプ21に板金を折り曲げて作った棒状の部材を用いるようにしてもよい。パイプは管のことであり、断面について見ればその周囲全体にわたり板材のような部材で覆われているものが一般的であるが、その一部が開放されているものもパイプ状に含めることができる。厚板板金(部材固定体)6a,6bのネジ穴は一つであったが、複数(例えば3つ)設けるようにしてもよい。ネジ穴の数を増やすことにより接続強度を高め、より重い部材を結合・保持することができるようになる。締結力を増すとともに、大きな支柱を使用する構造系にも展開できる。厚板板金(部材固定体)を内側支柱パイプ21の一方の端にのみ設けるようにしてもよい。ただし、この場合は外側支柱パイプ22を固定するために内側支柱パイプ21に溶接等で固定することが望ましい。突起21a、21bの数、及び、位置は一例である。例えば、突起の数を1つにしたり、平面図の長方形の各辺に設けて合計4つにしてもよい。位置も各辺の中央ではなく偏らせたり、角(長方形の頂点)に設けるようにしてもよい。
【0036】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0037】
1 十字ベース(脚の基部)
11 支柱受け
11a ボルト用貫通孔(取付穴)
11b 位置決め・回転止め用突起21bを受ける切り欠き部・凹部
11c 外側支柱パイプ22の内面に接し、これを保持する小突起
2 支柱
21 内側支柱パイプ(第1支柱部材)
21a 天板受け3用の位置決め・回転止め用突起
21b 支柱受け11用の位置決め・回転止め用突起
21q 厚板板金6a,6bを受け入れるスロット穴(開口)
21r 厚板板金6a,6bを受け入れるスロット穴(開口)
22 外側支柱パイプ(第2支柱部材)
3 天板受け
3a 通しボルト用穴(貫通孔)
3b 位置決め・回転止め用突起21aを受ける穴(凹部)
41 ボルト
42 ばね座金
51 ボルト
52 ばね座金
6a、6b 厚板板金(部材固定体)
61 ボルト用のネジ穴(ボルト螺着用の穴)
62 係止部
A 厚板板金(部材固定体)の前端
B 厚板板金(部材固定体)の後端