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特許7324645機械的に分散された推進ドライブトレイン及びアーキテクチャ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-02
(45)【発行日】2023-08-10
(54)【発明の名称】機械的に分散された推進ドライブトレイン及びアーキテクチャ
(51)【国際特許分類】
   B64D 27/20 20060101AFI20230803BHJP
   B64C 21/06 20230101ALI20230803BHJP
   F02K 3/062 20060101ALI20230803BHJP
【FI】
B64D27/20
B64C21/06
F02K3/062
【請求項の数】 13
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019140504
(22)【出願日】2019-07-31
(65)【公開番号】P2020040649
(43)【公開日】2020-03-19
【審査請求日】2022-06-07
(31)【優先権主張番号】16/117,305
(32)【優先日】2018-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500461860
【氏名又は名称】オーロラ フライト サイエンシズ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】パパス, ゲイリー リチャード
(72)【発明者】
【氏名】ティチェナー, ニール
(72)【発明者】
【氏名】ユトゥコ, ブライアン エム.
(72)【発明者】
【氏名】チャーチ, クリント
(72)【発明者】
【氏名】ティエン, チエン ロン
【審査官】伊藤 秀行
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第03284942(EP,A1)
【文献】米国特許第03054577(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0096232(US,A1)
【文献】特開2010-270602(JP,A)
【文献】特表2016-536541(JP,A)
【文献】特表2016-535198(JP,A)
【文献】特開2013-007465(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102008024463(DE,A1)
【文献】欧州特許出願公開第03282117(EP,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0038315(US,A1)
【文献】特開2001-260991(JP,A)
【文献】特開昭52-111199(JP,A)
【文献】特開2008-121684(JP,A)
【文献】特開平11-264346(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0131044(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0281609(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64D 27/20
B64C 21/06
F02K 3/062
B64C 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機(100)で使用される機械的に分散された推進システム(700、800)であって、
機械的な駆動力を生成するためのエンジン(41、108、414)、
前記機械的な駆動力を受け取るために前記エンジン(41、108、414)に動作可能に連結された駆動シャフト(416)、
第1の回転シャフト(1016)と第2の回転シャフト(1016)を有する方向逆転伝達機構(900)であって、前記第1の回転シャフト(1016)が前記機械的な駆動力を受け取るために前記駆動シャフト(416)に動作可能に連結され、前記方向逆転伝達機構(900)が、第1の方向から前記第1の回転シャフト(1016)で受け取った前記機械的な駆動力を、前記第2の回転シャフト(1016)で第2の方向に再方向付けするように構成されている、方向逆転伝達機構(900)、及び
前記機械的な駆動力を推力に変換するために前記第2の回転シャフト(1016)に連結された推進ファン(4、108、800)を備え
前記機械的に分散された推進システム(700、800)が、前記エンジン(41、108、414)が排気を前方へ放出するように構成された逆転配向に構成されており、前記エンジン(41、108、414)が、前記排気を後ろに再方向付けするための後ろ向きエンジン(41、108、414)排気部に連結されており、前記エンジン(41、108、414)が、前記航空機において前記推進ファン(4、108、800)の前方に位置決めされている
機械的に分散された推進システム(700、800)。
【請求項2】
前記方向逆転伝達機構(900)が、第1の角度だけ前記機械的な駆動力の経路の方向を変えるための第1の角度付け駆動アセンブリ(1002)、及び第2の角度だけ前記機械的な駆動力の前記経路の方向を変えるための第2の角度付け駆動アセンブリ(1002)を備える、請求項1に記載の機械的に分散された推進システム(700、800)。
【請求項3】
前記第1の角度と前記第2の角度のそれぞれが等しい、請求項2に記載の機械的に分散された推進システム(700、800)。
【請求項4】
前記第1の角度付け駆動アセンブリ(1002)と前記第2の角度付け駆動アセンブリ(1002)が、線形駆動シャフト(416)アセンブリを介して、互いに機械的に連結されている、請求項2又は3に記載の機械的に分散された推進システム(700、800)。
【請求項5】
前記第1の角度付け駆動アセンブリ(1002)が、第1の回転軸を有する前記第1の回転シャフト(1016)、及び第3の回転軸を有する第3の回転シャフト(1016)を備え、前記第1の回転シャフト(1016)と前記第3の回転シャフト(1016)が、第1の組の傘歯車を介して互いに機械的に連結されており、前記第1の回転軸と前記第3の回転軸が、互いに対して第1の角度で位置決めされている、請求項2から4のいずれか一項に記載の機械的に分散された推進システム(700、800)。
【請求項6】
前記第2の角度付け駆動アセンブリ(1002)が、第2の回転軸を有する前記第2の回転シャフト(1016)、及び第4の回転軸を有する第4の回転シャフト(1016)を備え、前記第2の回転シャフト(1016)と前記第4の回転シャフト(1016)が、第2の組の傘歯車を介して互いに機械的に連結されており、前記第2の回転軸と前記第4の回転軸が、互いに対して第2の角度で位置決めされている、請求項5に記載の機械的に分散された推進システム(700、800)。
【請求項7】
前記第3の回転シャフト(1016)と前記第4の回転シャフト(1016)が、摺動するスプライン継ぎ手(1028)を介して、互いに機械的に連結されている、請求項6に記載の機械的に分散された推進システム(700、800)。
【請求項8】
前記方向逆転伝達機構(900)が、前記方向逆転伝達機構(900)に潤滑剤を供給するための導管マニフォールド(1022)及び複数の流体導管を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の機械的に分散された推進システム(700、800)。
【請求項9】
前記推進ファン(4、108、800)が、前記航空機(100)の胴体(102)にわたり流れている境界層を摂取するために、前記航空機(100)上に位置決めされている、請求項1から8のいずれか一項に記載の機械的に分散された推進システム(700、800)。
【請求項10】
前記推進ファン(4、108、800)が、前記胴体(102)に融合している、請求項9に記載の機械的に分散された推進システム(700、800)。
【請求項11】
前記推進ファン(4、108、800)が、前記胴体(102)によって画定された一組の統合ナセルカウリングディフューザを介して、前記胴体(102)に融合している、請求項9又は10に記載の機械的に分散された推進システム(700、800)。
【請求項12】
前記推進ファン(4、108、800)が、前記胴体(102)の後方胴体(102)サブアセンブリに統合されている、請求項9に記載の機械的に分散された推進システム(700、800)。
【請求項13】
機械的に分散された推進システム(700、800)を有する航空機(100)を動作させる方法であって、
エンジン(41、108、414)を使用して機械的な駆動力を生成すること、
駆動シャフト(416)を介して前記エンジン(41、108、414)から前記機械的な駆動力を受け取ること、
方向逆転伝達機構(900)を介して前記駆動シャフト(416)から前記機械的な駆動力を受け取ることであって、前記方向逆転伝達機構(900)が、第1の回転シャフト(1016)及び第2の回転シャフト(1016)を備え、前記第1の回転シャフト(1016)が前記駆動シャフト(416)に動作可能に連結されている、前記機械的な駆動力を受け取ること、
第1の方向から前記第1の回転シャフト(1016)で受け取った前記機械的な駆動力を、前記第2の回転シャフト(1016)で第2の方向に再方向付けすること、並びに
前記機械的な駆動力を推力に変換するために推進ファン(4、108、800)を回転させることであって、前記推進ファン(4、108、800)が前記第2の回転シャフト(1016)に動作可能に連結されている、推進ファン(4、108、800)を回転させること、を含み、
前記機械的に分散された推進システム(700、800)が、前記エンジン(41、108、414)が排気を前方へ放出するように構成された逆転配向に構成されており、前記エンジン(41、108、414)が、前記排気を後ろに再方向付けするための後ろ向きエンジン(41、108、414)排気部に連結されており、前記エンジン(41、108、414)が、前記航空機において前記推進ファン(4、108、800)の前方に位置決めされている
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
複数の態様が独立請求項で規定され、複数の態様の任意選択的な特徴が従属請求項で規定される。
【0002】
本開示は、効率が高められた航空機の分野に関し、特に、機械的に分散された推進ドライブトレイン及びアーキテクチャを有する航空機に関する。
【背景技術】
【0003】
民間航空機の燃料効率を改善することが、経済的に強く望まれている。しかし、基本的な航空機のプラットフォームは、民間航空機の黎明期以来変わっていない。主たる民間航空機の構成は、胴体と翼の構成であり、高度に最適化され成熟したプラットフォームである。したがって、更なる燃料効率の改善を引き出すことはますます困難になっている。例示として、空力特性を改善するために主翼後退角がわずかに減少したけれども、胴体と主翼を有する航空機のシルエットは、1960年代から今日に至るまでほとんど変わっていない。数十年間、エンジニアたちは、効率と安全性のために、胴体と主翼の構成のサブシステム及び構成要素を評価し最適化してきた。例えば、エンジンの構成は、ターボジェットから、ターボファン、約8.0のバイパス比を有する高バイパス比ターボファン、最大12.0までのより高いバイパス比を提供するギア付きターボファンに進化してきた。この成熟したプラットフォームの利点は、プラットフォームを改善することの難しさという課題を併せ持つ。すなわち、性能の向上は、実現することがより困難になってきている。例えば、エンジン効率の改善は遅く、ターボファンエンジンの理論的限界に到達しつつある。推進力、空気力学、及び構造効率の改善の組み合わせによる、年間約1.5%の航空機効率の改善(座席当たりのkgで測定)は、長い時間を経て成熟するまで継続されることになる。
【0004】
より速い速度で航空会社と顧客に経済的な利益を提供するために、新しい構成が使用されてよい。民間航空機の時代全体を通して、航空機用に様々な再構成が提案されてきたが、そのような再構成は、既存の航空輸送インフラにおいては実行可能でなく、又は開発することが急過ぎた。更に、当業者は、推進システムの進歩だけが主要な変化要因であり続けることはできないと主張している。例えば、現在の設計実務を継続すると、ナセルの抵抗が大きくなり、推進器の重量が増加し、ファンが大きいので主翼の下に設置することが困難になる。
【0005】
以上のことに鑑みて、成熟した航空輸送システムと一貫した、新規な燃料効率に優れた航空機の構成が必要とされている。推進システムと機体との間の高度な統合は、将来の構成によって提供される実質的な節約のうちの1つの要素であってよい。しかし、この統合は、エンジンと機体の製造業者にとって新しい課題を導入する。
【発明の概要】
【0006】
本開示は、航空機の境界層の摂取(ingestion)を可能にする、統合された推進システムを有する、進化し燃料効率に優れた航空機を対象とする。例えば、優れた燃料効率の利益を提供するために、航空機の境界層の摂取を可能とするやり方で推進システムを胴体の中へ統合することによって航空機の燃料効率を改善する、胴体が提供されてよい。別の一実施形態では、航空機の燃料効率を改善し続けるために、新しい機械的に分散された推進ドライブトレイン及びアーキテクチャが提供されてよい。
【0007】
第1の態様によれば、航空機内で使用される機械的に分散された推進システムが、機械的な駆動力を生成するためのエンジン、機械的な駆動力を受け取るためにエンジンに動作可能に連結された駆動シャフト、第1の回転シャフトと第2の回転シャフトを有する方向逆転伝達機構であって、第1の回転シャフトが機械的な駆動力を受け取るために駆動シャフトに動作可能に連結され、方向逆転伝達機構が、第1の方向から第1の回転シャフトで受け取った機械的な駆動力を、第2の回転シャフトで第2の方向に再方向付けするように構成されている、方向逆転伝達機構、及び機械的な駆動力を推力に変換するために第2の回転シャフトに連結された推進ファンを備える。
【0008】
特定の態様では、方向逆転伝達機構が、第1の角度だけ機械的な駆動力の経路の方向を変えるための第1の角度付け駆動アセンブリ、及び第2の角度だけ機械的な駆動力の経路の方向を変えるための第2の角度付け駆動アセンブリを備える。
【0009】
特定の態様では、第1の角度と第2の角度のそれぞれが等しい。
【0010】
特定の態様では、第1の角度と第2の角度のそれぞれが直角である。
【0011】
特定の態様では、第1の角度付け駆動アセンブリと第2の角度付け駆動アセンブリが、線形駆動シャフトアセンブリを介して互いに機械的に連結されている。
【0012】
特定の態様では、第1の角度付け駆動アセンブリが、第1の回転軸を有する第1の回転シャフト、及び第3の回転軸を有する第3の回転シャフトを備え、第1の回転シャフトと第3の回転シャフトが、第1の組の傘歯車を介して互いに機械的に連結されており、第1の回転軸と第3の回転軸は、互いに対して第1の角度で位置決めされている。
【0013】
特定の態様では、第2の角度付け駆動アセンブリが、第2の回転軸を有する第2の回転シャフト、及び第4の回転軸を有する第4の回転シャフトを備え、第2の回転シャフトと第4の回転シャフトが、第2の組の傘歯車を介して互いに機械的に連結されており、第2の回転軸と第4の回転軸は、互いに対して第2の角度で位置決めされている。
【0014】
特定の態様では、第3の回転シャフトと第4の回転シャフトが、互いに機械的に連結されている。
【0015】
特定の態様では、第3の回転シャフトと第4の回転シャフトが、摺動するスプライン継ぎ手を介して、互いに機械的に連結されている。
【0016】
特定の態様では、方向逆転伝達機構が、方向逆転伝達機構に潤滑剤を供給するための導管マニフォールド及び複数の流体導管を含む。
【0017】
特定の態様では、航空機の胴体にわたり流れている境界層を摂取するために、推進ファンが航空機上に位置決めされている。
【0018】
特定の態様では、推進ファンが、胴体に融合している。
【0019】
特定の態様では、推進ファンが、胴体によって画定された一組の統合ナセルカウリングディフューザを介して、胴体に融合している。
【0020】
特定の態様では、推進ファンが、胴体の後方胴体サブアセンブリに統合されている。
【0021】
特定の態様では、胴体が、非円形の断面を有する中央胴体サブアセンブリを含む。
【0022】
特定の態様では、胴体が、西洋梨型の断面を有する中央胴体サブアセンブリを含む。
【0023】
特定の態様では、後方胴体サブアセンブリが、複合材料を使用して製造され得る内部構造に固定された複数の胴体スキンピース(skin piece)を有する半張殻(semi-monocoque)構造として製造される。
【0024】
特定の態様では、機械的に分散された推進システムが、エンジンが排気を後方に放出するように構成された前方配向で構成されている。
【0025】
特定の態様では、機械的に分散された推進システムが、エンジンが排気を前方に放出するように構成された逆転配向で構成されている。
【0026】
特定の態様では、エンジンが、排気を後方に再方向付けするための後ろ向きエンジン排気部に連結されている。
【0027】
特定の態様では、推進ファンが、エンジンから分離してエンジンとは別に位置決めされている。
【0028】
特定の態様では、推進ファンが胴体に統合され、エンジンが、胴体の範囲内で且つ推進ファンの前方に位置決めされている。
【0029】
第2の態様によれば、航空輸送体が、胴体、前記胴体に動作可能に設置された主翼セット、前記胴体の後方端にある尾部であって、複数の飛行操縦翼面を有する尾部、前記胴体の後方端において統合された推進ファンであって、前記胴体の後方端が胴体にわたり流れている境界層を推進ファンに向けるための幾何学的形状で形作られている、推進ファン、機械的な駆動力を生成するための胴体内に位置決めされたエンジン、及びエンジンから機械的な駆動力を受け取り、機械的な駆動力を第1の方向から第2の方向に再方向付けするための方向逆転伝達機構を備える。
【0030】
特定の態様では、第1の方向が、第2の方向とは反対である。
【0031】
特定の態様では、第1の方向が前方端からであり、第2の方向が前方端に向いている。
【0032】
特定の態様では、胴体が、非円形の断面を有する中央胴体サブアセンブリを含む。
【0033】
特定の態様では、胴体が、西洋梨型の断面を有する中央胴体サブアセンブリを含む。
【0034】
第3の態様によれば、機械的に分散された推進システムを有する航空機を動作させる方法が、エンジンを使用して機械的な駆動力を生成すること、駆動シャフトを介してエンジンから機械的な駆動力を受け取ること、方向逆転伝達機構を介して駆動シャフトから機械的な駆動力を受け取ることであって、方向逆転伝達機構が、第1の回転シャフト及び第2の回転シャフトを備え、第1の回転シャフトが駆動シャフトに動作可能に連結されている、機械的な駆動力を受け取ること、第1の方向から第1の回転シャフトで受け取った機械的な駆動力を、第2の回転シャフトで第2の方向に再方向付けすること、並びに機械的な駆動力を推力に変換するために推進ファンを回転させることであって、推進ファンが第2の回転シャフトに動作可能に連結されている、推進ファンを回転させることを含む。
【0035】
本開示のこれらの利点及び他の利点は、以下の明細書と添付の図面を参照することによって、容易に理解され得るであろう。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1a】本開示の一態様による、例示的な航空機の等角図を示す。
図1b】例示的な航空機の上面図を示す。
図1c】例示的な航空機の側面図を示す。
図1d】例示的な航空機の後面図を示す。
図1e図1eから図1gは、それぞれ、例示的な航空機の後方端の上面、側面、及び後面図を示す。
図1f図1eから図1gは、それぞれ、例示的な航空機の後方端の上面、側面、及び後面図を示す。
図1g図1eから図1gは、それぞれ、例示的な航空機の後方端の上面、側面、及び後面図を示す。
図1h】例示的な航空機の尾部セクションと、推進器へのインレット付近の複雑な幾何学的特徴とを示す。
図2図2及び図3は、統合されたエンジンと搭載型のエンジンとの後流及び噴流の比較を示す。
図3図2及び図3は、統合されたエンジンと搭載型のエンジンとの後流及び噴流の比較を示す。
図4a図4aから図4dは、機械的に分散された推進システムアーキテクチャを有する、後部取り付け統合推進システムを有する、後方胴体サブアセンブリを示す。
図4b図4aから図4dは、機械的に分散された推進システムアーキテクチャを有する、後部取り付け統合推進システムを有する、後方胴体サブアセンブリを示す。
図4c図4aから図4dは、機械的に分散された推進システムアーキテクチャを有する、後部取り付け統合推進システムを有する、後方胴体サブアセンブリを示す。
図4d図4aから図4dは、機械的に分散された推進システムアーキテクチャを有する、後部取り付け統合推進システムを有する、後方胴体サブアセンブリを示す。
図5a図5a及び図5bは、例示的な推進ファンモジュールを示す。
図5b図5a及び図5bは、例示的な推進ファンモジュールを示す。
図6a図6aから図6cは、逆転配向にある後部取り付け統合推進システムを示す。
図6b図6aから図6cは、逆転配向にある後方取り付け統合推進システムを示す。
図6c図6aから図6cは、逆転配向にある後方取り付け統合推進システムを示す。
図7a図7aから図7cは、中央駆動シャフトを有する前方配向にある後部取り付け統合推進システムを示す。
図7b図7aから図7cは、中央駆動シャフトを有する前方配向にある後部取り付け統合推進システムを示す。
図7c図7aから図7cは、中央駆動シャフトを有する前方配向にある後部取り付け統合推進システムを示す。
図8a図8aから図8cは、外側駆動シャフトを有する前方配向にある後部取り付け統合推進システムを示す。
図8b図8aから図8cは、外側駆動シャフトを有する前方配向にある後部取り付け統合推進システムを示す。
図8c図8aから図8cは、外側駆動シャフトを有する前方配向にある後部取り付け統合推進システムを示す。
図9】2つの方向逆転伝達機構を有する伝達機構アセンブリを示す。
図10a図10aから図10fは、例示的な方向逆転伝達機構の外観図及び断面図を示す。
図10b図10aから図10fは、例示的な方向逆転伝達機構の外観図及び断面図を示す。
図10c図10aから図10fは、例示的な方向逆転伝達機構の外観図及び断面図を示す。
図10d図10aから図10fは、例示的な方向逆転伝達機構の外観図及び断面図を示す。
図10e図10aから図10fは、例示的な方向逆転伝達機構の外観図及び断面図を示す。
図10f図10aから図10fは、例示的な方向逆転伝達機構の外観図及び断面図を示す。
図11】方向逆転伝達機構において使用されるシャフト密封アセンブリを有する一組の回転シャフトを示す。
図12】単一のエンジンが単一の駆動シャフトを介して複数の推進ファンを駆動するように構成された、例示的な構成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本開示の好適な実施形態が、以下で添付の図面を参照して説明されてよい。以下の記載では、周知の機能及び説明は詳細には記載されない。なぜならばそれらは、不必要な詳細によって本開示を不明確にし得るからである。以下の記載では、「第1の」「第2の」「頂部」「底部」「側部」「前」「後」などといった用語は、利便性のための用語であって、限定する用語と解釈すべきではない。本明細書で使われているあらゆる実施例又は例示を表す文言(「例えば」、「など」、又はそれらと同様なもの)は、単に実施形態をより良く説明することを意図したものであり、実施形態の範囲を限定するものではない。明細書中の如何なる言葉も、実施形態の実施に必須である請求されていない要素を示すものとして解釈されるべきではない。本開示に対して、以下の用語と定義が適用される。
【0038】
「約」及び「近似的に」という用語は、値(又は値の範囲)を修正又は説明するために使用されるときに、その値又は値の範囲に適切に近いことを意味する。したがって、本明細書で説明される実施形態は、挙げられた値及び値の範囲にのみ限定されるのではなく、むしろ適切に働き得る偏差を含むべきである。
【0039】
「航空輸送体」及び「航空機」という用語は、限定するものではないが、滑走路を使用する航空機及び垂直離着陸(VTOL)航空機を含む、飛行可能な機会を指す。
【0040】
「及び/又は」という用語は、「及び/又は」によって接合されるリスト内の項目の任意の1以上を意味する。一実施例として、「x及び/又はy」は、3つの要素の組{(x)、(y)、(x、y)}のうちの任意の要素を意味する。言い換えると、「x及び/又はy」は、「xとyのうちの一方又は両方」を意味する。別の一実施例として、「x、y、及び/又はz」は、7つの要素の組{(x)、(y)、(z)、(x、y)、(x、z)、(y、z)、(x、y、z)}のうちの任意の要素を意味する。言い換えると、「x、y、及び/又はy」は、「x、y、及びzのうちの1以上」を意味する。本明細書で用いる用語「例示」とは、非限定的な例、実例、又は説明の役割を果たすことを意味する。本明細書で使用される際に、「例えば(e.g.)」及び「例えば(for example)」という用語は、1以上の非限定的な実施例、事例、又は例示のリストを強調している。
【0041】
「複合材料」という用語は、付加物質(additive material)及び基質物質(matrix material)を含む材料を指す。例えば、複合材料は、繊維状の付加物質(例えば、繊維ガラス、ガラス繊維(「GF」)、炭素繊維(「CF」)、アラミド/パラアラミド合成繊維、FMLなど)、並びに基質物質(例えば、非限定的に、プラスチック樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、注型用樹脂、ポリマー樹脂、熱可塑性物質、アクリル樹脂、化学樹脂、及び乾燥樹脂を含む、エポキシ、ポリイミド、アルミニウム、チタニウム、及びアルミナ)を備え得る。更に、複合材料は、基質物質内に埋め込まれた特異性繊維を備え得る。一方、ハイブリッド複合材料は、何らかの補材(例えば、2以上の繊維材料)を原繊維/エポキシマトリックスに付加することで実現され得る。
【0042】
とりわけ、機械的に分散された推進システムアーキテクチャを有する後部取り付け統合(すなわち、胴体と融合した)推進システムを介した境界層摂取(BLI)によって、既存のジェット機よりも改善された効率を提供する航空機が開示される。本明細書で開示される航空機は、既存の短距離から中距離までの細い胴体のジェット機(例えば、ボーイング737~800)に匹敵した飛行ミッション性能を有する。この目的のために、航空機は、ボーイング737~800に匹敵するエンジンを使用して動作し、必要に応じて、既存の材料を使用して製造され、環境への影響も大幅に低減するように設計されてよい。すなわち、既存の短距離から中距離までの細い胴体(又は太い胴体)の航空機に比べて、本開示の航空機は、燃料消費量を71%低減させ、騒音を(例えば、デシベル単位の有効知覚騒音レベル(EPNdB)で60)低減させ、低温酸化(LTO)NOxを87%低減させることができる。
【0043】
効率向上は、航空機を個別の部品のアセンブリよりもむしろ単一の統合されたシステムとして考慮し、緊密に統合された設計アプローチを行った結果である。先ず、後部取り付け統合された推進システムを採用することにより、推力要件が低減され、それは、より小さいエンジンを使用することができ且つ重量及び燃料消費を低減させることができることを意味する。
【0044】
次に、後部取り付け統合された推進システムは、機械的に分散された推進システムアーキテクチャを採用してよい。それは、幾つかの利点を提供する。例えば、機械的に分散された推進システムアーキテクチャは、複数のエンジン構成要素の高速スプールをずらして側方への衝撃リスクを低減させることによって、非包含エンジンローター故障(UERF)1:20規制へのより好適な適合性を示し、更に、エンジンの重心を前方(又は場合によっては後方)に移動することによって、より好適な航空機重量及びバランスを実現することができる。更に、機械的に分散された推進システムアーキテクチャにより、エンジンを考慮せずにBLIファン及びインレットを最適化することができると共に、緊密に統合された推進器よる低いファン圧縮比(FPR)と、ファン及びエンジンのシールドによる騒音に関する利点も可能になる。結果として、エンジンのアクセス性が向上し、一方で、ファンナセルの濡れ面積及び重量が低減される。実際、機械的に分散された推進システムアーキテクチャは、既存のエンジンコアアーキテクチャに対する最小の修正を要求する。というのも、修正は駆動ラインに限定されてよいからである。
【0045】
最後に、航空機の胴体の断面積は、非円形であってよい。例えば、胴体は、西洋梨型の胴体、卵型の胴体、又は非円形断面を有する別の胴体であってよい。実際、広い非円形胴体によって生成される増加した揚力は、航空機であれば重量を搬送するためにより小さい主翼が必要とされることを意味し、所与のミッションを飛行するためにより少ない燃料が必要とされることをもたらす。例えば、卵型の胴体が所望である場合、2つのクリップされた円形(又は半円形)セクションの間に実質的に矩形のセクションを配置することができる。航空機は、概して、西洋梨型の航空機として示されることになるが、胴体の断面は、別の非円形状であってよい。
【0046】
図1aから図1hは、本開示の一態様による例示的な航空機100を示している。具体的には、図1aが、航空機100の等角図を示しており、図1bが、航空機100の上面図を示している。図1cは、航空機100の側面図を示し、図1dは、航空機100の後面図を示している。図1eから図1hは、それぞれ、尾部106を有する航空機100の後方端の上面図、側面図、後面図、等角図を示している。本開示の一態様によれば、航空機100は、約70から270フィート、より好適には約90から140フィート、最も好適には約118フィートの翼長を有する、固定翼航空機であってよい。航空機100の長さは、約90から250フィート、より好適には約90から140フィート、最も好適には約115フィートであってよい。しかし、当業者のうちの一人が理解するように、航空機100は、例えば、与えられたミッション(すなわち、飛行目的及び/又は飛行計画)に基づく特定の目的の達成を容易にするように拡大(又は縮小)されてよい。
【0047】
航空機100は、概して、本明細書で有人(例えば、航空機100が、作業人員用の操縦室を含む)として説明されるが、航空機100が無人及び/又は完全に自律した航空機である(すなわち、パイロットの制御を必要としない)ときに、操縦室は省略されてよい。例えば、航空機100は、搭載型の自律した自動操縦装置、又は作業人員、コンピュータオペレータ(例えば、遠隔自動操縦装置)、若しくは基地局によって、無線通信リンクを介して遠隔から制御されてよい。ミッションの必要性(例えば、機動性、範囲、及びペイロード容量)次第で、航空機100の無人変形例は、有人のものに対して(例えば、約40から60%だけ、又は約50%)縮小されてよい。
【0048】
図示されているように、航空機100は、概して、胴体102、2つの主翼110、尾部106、及び飛行に必要な推力を生成するための統合推進システムを備える。説明されることとなるように、統合推進システムは、機械的に分散された推進システムアーキテクチャ設計を採用してよい。その場合、(ダクトファンとして図示されている)一組の統合推進ファン108は、(例えば、一組の統合ナセルカウリングディフューザ116の範囲内で)胴体102の後方端に位置決めされ、エンジン414は、胴体102の範囲内の他の場所に位置決めされる。エンジン414は、駆動ライン又はドライブトレインを介して、推進ファン108に連結されてよい。駆動ライン又はドライブトレインは、前方配向又は逆転配向の何れかで構成されてよい。
【0049】
航空機100は、着陸装置112(例えば、ノーズエンド着陸装置112a及び主たる着陸装置112b)、1以上の燃料タンク、アビオニクスベイ、ペイロードベイ、熱交換器(例えば、ファンによる空冷オイル冷却器)、(例えば、胴体102にわたる境界層から)空気を推進ファン108に供給し、それによって、BLIを促進するための2つ以上の前向きファンインレット114を更に含んでよい。例えば、各推進ファン108は、直径が12から60インチ、より好適には24から48インチ、最も好適には約38インチであってよい。例えば、各推進ファン108は、~1.45FPR(~1.35非BLI等価物)で、10から30のブレード、より好適には15から25のブレード、最も好適には約18から20のブレードを採用してよい。
【0050】
胴体102は、胴体102の長さに沿って縦方向に走る1以上の縦方向の中央構造要素(例えば、張力ウェブ)で区分けされてよい。例えば、胴体102は、概して、前方胴体サブアセンブリ102a、中央胴体サブアセンブリ102b、及び後方胴体サブアセンブリ102cを備えてよい。その場合、前方、中央、及び後方胴体サブアセンブリ102a、102b、102cは、別々に製造され、1以上の縦方向の構造構成要素を介して接合される。場合によって、前方胴体サブアセンブリ102aは、概して、操縦室を備え、一方、中央胴体サブアセンブリ102bは、概して、(例えば、貨物及び/乗客用の)ペイロードセクションを画定する。後方胴体サブアセンブリ102cは、テールセクション(例えば、尾部106)を画定し、とりわけ、推進ファン108又は別の推進デバイスを収容するための、統合ナセルカウリングディフューザ116を含む。後方胴体サブアセンブリ102cは、尾部106に統合されてよく、又は尾部106に連結されてよい。
【0051】
特定の態様において、胴体102の断面は、非円形であってよく、西洋梨型の胴体を採用してよい。その場合、その断面は、胴体102の長さ(例えば、そのノーズからテールまで)だけ走ることができる縦方向の中央構造要素の各側から突出している2つの「バブル」又はローブに似ている。例えば、航空機100の中央胴体サブアセンブリ102bの断面は、概して、胴体102の上部及び底部上のローブ接合部(したがって、「Y接合」の形態)に位置付けられた構造要素(すなわち、中央構造要素)との尖った又は平行な交差の何れかを有する、断面の中心において接合された2つの並んだ円筒形状のローブを画定してよく、実質的に楕円形の外側モールドラインの胴体102断面をもたらす。例えば、各ローブは、半球、卵型などであってよい。
【0052】
統合推進システムのBLIを促進することに加えて、非円形胴体102は、環境性能及び効率の大幅な改善を提供することができる。例えば、従来型のチューブ(すなわち、円形断面)を非円形胴体102で置き替えることは、(1)胴体のキャリーオーバー揚力を高め、それは露出した主翼面積を縮小し軽くし、(2)上昇トリミングモーメントを提供し、それは水平尾翼を縮小し、主翼を更に縮小する、(3)胴体側面の荷重伝達ポイントをより遠くに移動させ、部分的なスパン荷重と重量の低減を実現し、(4)着陸装置に胴体側面へのより短い荷重経路を提供し、より軽い着陸装置支持構造をもたらし、(5)そのより短いテールによるより短い着陸装置の支柱を可能にし、(6)より短い客室/胴体102によるより少ない窓を提供し、したがって、重量を低減させ、(7)床中央支持体(例えば、中央構造要素)を使用することによって床梁重量を低減させ、(8)水平尾翼を軽くするツインフィンの「パイテール」又は「πテール」構成を受け入れ、水平尾翼を軽くし、後方端に向けて推進器の設置用の統合ナセルカウリングディフューザ116を受け入れる。対称な垂直安定板106bが、テールスパー角度に位置合わせされたテール支持構造体408に取り付けられてよい。対称な垂直安定板106bは、図1dで示されているように、わずかなV字状に配置されてよい。
【0053】
図1eから図1gは、後方胴体サブアセンブリ102c及び尾部106の一般的な配置を示している。後方胴体サブアセンブリ102cは、内部構造の周りに固定され且つ固着された2つ又は3つの主たる航空機スキンピース(例えば、パネル)を有する、半張殻構造であってよい。張殻構造は、シャーシが胴体に統合されている構造を指し、一方、半張殻構造は、純正な張殻構造と類似した応力を加えられたシェル構造を指すが、従来の補強材から少なくとも一部の強度を引き出す。尾部106は、概して、1以上の水平安定板106a及び垂直安定板106bを備える。尾部106は、2つの垂直方向ラダー106d及び少なくとも2つのエレベータ106cを有する、余剰な操縦翼面を含んでよい。尾部106は、例えば、胴体に搭載される、十字形の、Tテールの、飛行尾翼、又は、図1aから図1hで示されているように、パイテール(すなわち、πテール)を含む、複数のテール構成のうちの1つとして構成されてよい。図示されている尾部106の3つの空力面(すなわち、2つの対称な垂直安定板106bと水平安定板106a)は、コアが補強されたスキンを有する複合材アセンブリを使用して製造されてよい。尾部106の空力面は、主たるスパーに2箇所、後方スパーに3箇所の構造的に決定的な3ポイントアタッチメントを介して、それらの空力面が、互いに及び胴体102に取り付けられたところの、主たるリフトスパー及びより小さい後方スパーを有する。垂直安定板106bの後方胴体サブアセンブリ102cへの取付けのための例示的な技術は、傾斜した篏合オフセット隔壁を有する胴体の中へ突出したスペード型のスパー延在部、及び2つの胴体の表面交差部分に位置付けられた「ナックル」タイプのマルチラグフィッティング配置である。V形状の水平安定板106aが図示されている一方で、直線的な水平安定板を含む他の形状が考慮される。対称な垂直安定板106bが、テールスパー角度に位置合わせされたテール支持構造体に取り付けられてよい。対称な垂直安定板106bは、図1dで示されているように、わずかなV字状に配置されてよい。
【0054】
航空機100のノーズエンド着陸装置112a及び主たる着陸装置112bのシステムが、タクシング及び着陸中の衝撃を吸収するために、空気及び/又はオイルタイプの着陸装置の支柱を採用してよい。特定の態様では、主たる着陸装置112bの衝撃吸収能力が、トレーリングリンクの強化により強化されてよい。例えば、主たる着陸装置112bは、車軸と摺動ポイントの間に連結され、車軸及び摺動ポイントに対して垂直であり、車軸及び摺動ポイントの前方にある1以上のリンクを有する、トレーリングリンクサスペンションを含んでよい。ノーズエンド着陸装置112aの操縦システムが、航空機100の三重飛行コンピュータ(又は他の制御システム)によって命令される電気機械式アクチュエータを採用してよく、液圧でブーストされたノーズエンド着陸装置112aの操縦ラムを、スプール弁を通して駆動して、必要とされる操縦角度を実現する。操縦角度のフィードバックが、回転ポテンショメータによって生成されてよい。アキュムレータを使用して、低エンジン速度での高帯域幅動作中に、適切な圧力と流量を提供することができる。例えば、ノーズエンド着陸装置112aは、左と右で60から90度(例えば、75度)の角度を操縦することができる。ノーズエンド着陸装置112a及び主たる着陸装置112bは、搭載型の液圧動力を使用して、電気的に制御される液圧作動システムを介して、後退及び延伸することができる。航空機100の制動システムも、電気的に制御され、液圧で作動される。例えば、液圧絞り弁を作動させる電気機械式アクチュエータに対して、三重飛行制御ユニットを介して制御が実現され得る。左右の制動システム圧力センサを介して、三重飛行制御ユニットへのフィードバックが実現されてよい。液圧が、エンジン駆動液圧システムから生成されてよく、シャトル弁の使用を介したブレーキキャリパーに対する直接的なガス緊急圧力供給の使用によって、バックアップ制動システムが実現される。
【0055】
胴体102、主翼110、及び尾部106を含む、航空機100の機体構造は、1以上の金属、金属合金、又は複合材構造物を使用して製造されてよい。複合材構造物は、複合材積層体を含んでよい。例えば、複数の金属、金属合金、又は複合材構造物が組み立てられ、(例えば、アルミニウム、チタニウム、軽量合金などを使用して製造され得る、金属製部品を使用して)共硬化プロセス、共接合プロセス、又は機械的な取り付けを通じて接合されてよい。航空機100(例えば、胴体102)は、航空機グレードの金属合金から製造されてよいが、複雑な幾何学的形状を有する構造体を製造するときに、複合材料は金属と比較して特定の利点を提供する。例えば、BLI特徴に関連して、後方胴体サブアセンブリ102cが、中央胴体サブアセンブリ102bからの境界層を、推進ファン108のファンインレット114に向けるための、複雑な幾何学的形状を採用してよい。図1hは、中央胴体サブアセンブリ102bの上面を統合ナセルカウリングディフューザ116に適合させるための、複雑な幾何学的形状104を提供する、後方胴体サブアセンブリ102cの等角図を示す。したがって、成形される複合材積層板は、ラップされ又は複数が接合された金属構成要素の質量ペナルティー又は荷重集中なしに、複雑な幾何学的形状の輪郭に従うように、連続する構造質量に適合し、連続する構造質量を提供するように形作られてよい。航空機100に関して、一実施例として、後方胴体サブアセンブリ102cは、中央胴体サブアセンブリ102bの上面を(1以上の)統合ナセルカウリングディフューザ116に適合させ、それによって、中央胴体サブアセンブリ102bからの境界層を推進ファン108に結合された前向きファンインレット114に向けるための、複雑な幾何学的形状を提供する。したがって、複合材構造体は、後方胴体サブアセンブリ102c及び任意の他の複雑な幾何学的形状104を有する構造体用に、より適切なものとなっているだろう。生産性及び性能を最大化するために、胴体スキンは、ストリンガなどの胴体102の他の構成要素と共硬化されてよい。
【0056】
航空機100は、概して、ツインエンジン414を有するツイン推進ファン108を有する機械的に分散された推進システムアーキテクチャで説明されることになるが、既製のエンジン(又はそれらの修正版)、単一のエンジンを有するツインファン(その一実施例が、図12で示されている)、ハイブリッド電気変形例、後方BLI推進器を有するポッド型の変形例などを含む、他の推進システムが考慮される。例えば、電気モータを介して統合推進ファン108に動力供給するための例示的なハイブリッド電気システムが、2017年1月11日に出願された、「Hybrid Propulsion Vertical Take-Off and Landing Aircraft.」という名称のFrancesco Gianniniらによる共同所有の、米国特許公開番号2017/0203839によって、より詳細に説明されている。
【0057】
境界層摂取(BLI)推進境界層摂取(BLI)は、推進システムを介して胴体102からの境界層の活性化(re-energization)を通じて、燃料消費量を低減させることによって、航空機の性能を大幅に改善する。当業者によって理解され得るように、境界層という用語は、航空機100の表面に隣接して(例えば、主翼110又は胴体102にわたり)移動する気流の部分を指す。その場合、粘性力が、周囲の非粘性流れを歪める。しかし、BLIを実現することは、特定の課題を有する。というのは、BLIが気流の歪みをエンジンの中へ導入するからである。歪みを軽減するために、既存の民間輸送航空機は、大きな直径のターボファンエンジンによって動力供給される。それは、通常、ターボ機械要素に統合された直接駆動又は並列同軸駆動ファンを有する。
【0058】
非円形胴体102は、より小さい空力面の好循環及びより好適な着陸装置の配置を通じて重量を低減させることに加えて、BLI用の推進ファン108の統合を可能にするための、構造的統合ナセルカウリングディフューザ116を提供する。更に、複合材料を採用することは、最小の質量を有するファンインレット114における複雑な幾何学的形状104の製造を容易にする。例示のために、2つ以上の推進ファン108が、(例えば、パイテールの)垂直安定板106bの間の胴体102の本体流れ場の中へ統合されてよい。航空機100の推進ファン108は、胴体102にわたり流れている境界層の大部分を摂取するように構成されている。推進ファン108は、(例えば、図3で示されているような)従来のポッド型エンジン302とは異なり、胴体102にわたる境界層を摂取して、推進効率を改善し抵抗を低減させることができる。更に、エンジンの反力荷重は、胴体102との接合部に対する尾部106の剛性を最も良く利用して、胴体スキンに荷重を分散させるように設計されている。2つの推進ファン108が図示されているが、当業者のうちの一人は、更なる推進ファン108(又は単一の統合された推進ファン108さえも)が、所与の航空機の推力要求及び(1以上の)推進器のサイズに応じて採用されてよいことを理解するだろう。
【0059】
BLIの利益を示すために、図2及び図3が、それぞれ、統合された推進ファン108と搭載型のエンジンとの後流及び噴流の比較を示している。図2で示されているように、推進ファン108が胴体102の中に統合されたときに、航空機の後流と推進噴流が組み合され、それによって、無駄に捨てられる運動エネルギー全体を低減させ、したがって、推進効率の改善をもたらす。実際、風洞試験は、BLIの直接的な空力的利益を示している。具体的には、統合推進システムを有する航空機100は、約8%の空力的利益を生み出す。それは、複数の風洞エントリ、レイノルズ数、及び飛行条件を通じて確認された。完全に最適化された航空機プラットフォームで使用されるときに、8%の空力的な直接の利益は、重量や必要とされる動力などにおける螺旋状の低減(spiral reduction)を通じて、15%のシステム燃料利益を意味することになる。
【0060】
しかし、推進ファン108を胴体102の後部の中に統合することは、胴体BLIを介した推進効率を改善し、エンジンに対する流れ整列を提供して、最小軽量ナセルを可能にし、エンジンから出るヨーモーメントを大幅に低減させ、垂直尾翼面積及び重量を縮小し、推進器ファンの面が地上から見えないので、騒音シールドを提供し、フィンストレーク(fin strake)がエンジン/テール取付けパイロンとして機能することを可能にし、更なる音響シールドを提供する。その流路の邪魔になる駆動設計は、BLIの有効性を低減させる。したがって、BLIを有する航空機の設計における障害は、中央胴体サブアセンブリ102bから推進ファン108まで且つ推進ファン108の中へ気流を導くことにおける妨害の全てを取り除くことである。もう1つの重要な課題は、エンジンコアが、エンジン/推進ファンの中への気流の歪みから離れるように移動されなければならないことである。実際、それらの高出力のためにより大きなエンジンが所望される場合、重量/バランス問題を緩和させるために、それらのエンジンの密度は前方に位置付けられるべきである。それは、エンジンからの出力シャフト動力を、推進システムの後部(例えば、推進ファン108)へ連結するための、機械的なリンケージを必要とする。
【0061】
したがって、本開示の後部取り付け統合推進システムは、統合されたBLI航空機構成のエンジンコア位置問題及び他の課題に対処するために、機械的に分散された推進システムアーキテクチャを採用することができる。具体的には、機械的に分散された推進システムアーキテクチャでは、エンジン414が、駆動ラインを通じて遠隔に位置付けられた推進ファン108に機械的に連結されてよい。駆動ラインは、速度及び方向変更用の1以上のギアボックスを含んでよい。したがって、遠隔から動力供給される推進ファン108は、エンジンの形状/質量のためのパッケージングを考慮することなく、許容歪みに対して最適化することができる。言い換えると、機械的に分散された推進システムアーキテクチャは、エンジン414が、航空機100の好適な設置エリア内に位置付けられることを可能にする一方で、推進ファン108は、BLIを促進するように位置決めされてよい。好適な設置エリアは、UERF規制、航空機の重量/バランスの考慮事項、気流の歪みなどに応じて、決定することができる。
【0062】
図4aから図4dは、機械的に分散された推進システムアーキテクチャを有する、後部取り付け統合推進システムをより良く示すために胴体スキンが取り除かれた、後方胴体サブアセンブリ102cを示している。図示されているように、後方胴体サブアセンブリ102cは、前方隔壁402、中間隔壁404、後方隔壁406、テール支持構造体408、及びファン支持隔壁424などの1以上の隔壁を介して、後部取り付け統合推進システムの構成要素を支持することができる。ファン支持隔壁424は、テール支持構造体408に統合されてよい。隔壁のそれぞれは、複合材料から製造されてよい。その場合、ファイア区域(すなわち、高熱区域)内に位置決めされた複合材料は、セラミック外側プライの1以上の層を含んでよい。後方胴体サブアセンブリ102cは、後部取り付け統合推進システムによって生成された熱(又は火)によってもたらされ得る、胴体102への損傷を軽減するための1以上のファイアウォールを更に採用してよい。例えば、前方隔壁402は、着脱可能なファイアウォール412を収容するように形作られ得る一方で、中央ファイアウォール410は、(図4bで最も良く示されているように)中間隔壁404と後方隔壁406との間に位置決めされてよい。着脱可能ファイアウォール412と中央ファイアウォール410のそれぞれは、非構造的(すなわち、荷重を支えない)であってよく、例えば、チタニウムやチタニウム合金などから製造されてよい。
【0063】
後部取り付け統合推進システムは、概して、一組の推進ファン108及び一組のエンジン414を備え、エンジン414のそれぞれは、駆動シャフト416及び方向逆転伝達機構422を介して、推進ファン108を駆動する(すなわち、回転させる)ように構成されている。駆動ラインは、速度(例えば、調整可能なギア比を介して)及び/又は方向変化を提供するための、1以上のギアボックス426を更に備えてよい。1以上のギアボックス426は、エンジン414からの出力と方向逆転伝達機構422への入力との間にインラインで提供されてよい。例えば、図6a、図7a、及び図8aで最も良く示されているように、ギアボックス426は、エンジン414の出力部において、しかし、駆動シャフト416の前に位置決めされてよい。
【0064】
例えば、各エンジン414は、ターボシャフトエンジン(とりわけ、ターボシャフト機械駆動力生成器)であってよい。ターボシャフトエンジンは、ジェット推力よりむしろシャフト動力(すなわち、機械的な駆動力)を生成するように最適化された、ガスタービンの一形態である。一実施例では、エンジン414が、3.5MW(5000shp)クラスのターボシャフトであってよいが、サイズは、航空機100用の設計及び性能要件に応じて選択されてよい。図5aで示されているように、ファン支持隔壁424と一組の推進ファン108は、互いに連結されて、推進ファンモジュール500を画定してよい。図5bで示されているように、推進ファンモジュール500は、後方胴体サブアセンブリ102cの中に統合されてよく、一組の方向逆転伝達機構422(及びギアボックス426)を介して、エンジン414に機械的に連結されてよい。
【0065】
一組の方向逆転伝達機構422が、露出しているように図示されているが、それらは、航空機100の空力特性を改善し、それによって、乱流を低減させるための、シールドされたフェアリング内に収容されてよい。一組の推進ファン108は、その流れ場が、胴体102から(例えば、中央胴体サブアセンブリ102bから)境界層のかなりの部分を取り込むように位置決めされてよい。駆動ラインの駆動シャフト416及び他の機械的なリンケージは、例えば、金属材料、複合材料、及び/又は、真鍮、銅合金、アルミニウム、鋼、合金鋼、ステンレス鋼、チタニウム、ケブラー、ホウ素、エポキシ複合材、炭素繊維などの、航空宇宙材料から製造されてよい。
【0066】
各エンジン414は、エンジン414への気流供給を受け取るための前向きエンジンインレット418、及びエンジン414からの排気を放出するための後ろ向きエンジン排気部420を有するように図示されている。図4dで示されているように、後部取り付け統合推進システムは、エンジン414からの排気428が、エンジン414の前方から(例えば、航空機100のノーズに向けて)放出され、次いで、後ろ向きエンジン排気部420を介して、航空機100のテールに向けて後方に再方向付けされ放出される、逆配向にある構成であってよい。前向きエンジンインレット418は、後方胴体サブアセンブリ102cの側面上に位置決めされた特定の形で図示されているが、前向きエンジンインレット418は、とりわけ、後方胴体サブアセンブリ102cの底面を含む、後方胴体サブアセンブリ102c上の何れかの位置に位置決めされてよい。同様に後ろ向きエンジン排気部420は、後方胴体サブアセンブリ102cの底面上に位置決めされた特定の形で図示されているが、後ろ向きエンジン排気部420は、とりわけ、後方胴体サブアセンブリ102cの側面又は最も後方の領域(例えば、後端)を含む、後方胴体サブアセンブリ102c上の何れかの位置に位置決めされてよい。
【0067】
各方向逆転伝達機構422は、U字形状であってよい。それによって、方向逆転伝達機構422の第1の端部は、駆動シャフト416を介して、第1の回転軸を有するエンジン414から機械的な駆動力(例えば、トルク及び回転力)を受け取るように構成され、第1の回転軸に平行な第2の回転軸を有する方向逆転伝達機構422の第2の端部において機械的な駆動力を出力する前に、2つの直角(すなわち、90度)継ぎ手を通じて機械的な駆動力を伝達する。但し、第2の回転軸は、第1の回転軸に対して180度だけ旋回している。
【0068】
本開示の主題から理解され得るように、機械的に分散された推進システムアーキテクチャのもう1つの利点は、後部取り付け統合推進システムの様々な構成要素が、様々な航空機構成に適合するように再配置され得るということである。例えば、必要に応じて、後部取り付け統合推進システムは、エンジン414の重心を後方に(すなわち、後ろに)移動させることによって、好適な航空機の重量及びバランスを提供するために再配置されてよい。
【0069】
図6aは、機体が省略された逆配向にある後部取り付け統合推進システムを示している。一方で、図6b及び図6cは、それぞれ、後方胴体サブアセンブリ102c内に設置された後部取り付け統合推進システムの上面図及び側面図を示している。図示されているように、後部取り付け統合推進システムは、エンジン414からの排気が、前方に放出されてよく、後ろ向きエンジン排気部420を介して航空機100のテールに向けて再方向付けされてよい、逆配向にあるように構成されていてよい。逆配向の利点は、(1以上の)エンジン414の重心が、機体102内で推進ファン108から離れるように前方に移動されるということである。逆配向は、より長い胴体102を有する航空機100で特に有用であり得る。その場合、飛行中にバランスを維持するために、重心が前方に移動することが望ましい。駆動シャフト416は、一組の推進ファン108の間で、後方胴体サブアセンブリ102cの縦方向の中心軸に沿って延在するように示されているが、駆動シャフト416は、その代わりに、一組の推進ファン108(の左及び右)の周りで、後方胴体サブアセンブリ102cの外側横側(すなわち、アウトボード)に沿って経路指定されてよい。
【0070】
図7aから図7cで示されているように、後部取り付け統合推進システムは、エンジン414からの排気が、航空機100のテールに向けて後方(後ろ)に放出され、後ろ向きのエンジン排気部420を介して放出され、排気を再方向付けする必要性を取り除く、前方配向にあるように構成されてよい。そのような配置では、エンジン414の重心が、テールに向けて後ろ/後方に移動する。前方配向は、より短い胴体を有する航空機の場合などの、重心が前方に移動される必要がない場合、又は大きなペイロード(例えば、諜報、監視、及び偵察(ISR))が、航空機100の前に向けて搬送される(例えば、取り付けられる)場合、航空機において有用であろう。言い換えると、エンジン414は、胴体102の前にあるハードウェア位置のバランスを維持するために後ろ/後方に移動される。
【0071】
図7aは、機体が省略された前方配向にある後部取り付け統合推進システム700を示している。一方で、図7b及び図7cは、それぞれ、後方胴体サブアセンブリ102c内に設置された後部取り付け統合推進システムの上面図及び側面図を示している。駆動シャフト416は、一組の推進ファン108の間で、後方胴体サブアセンブリ102cの縦方向の中心軸に沿って延在するように示されているが、図8aから図8cで示されているように、駆動シャフト416は、その代わりに、一組の推進ファン108(の左及び右)の周りで、後方胴体サブアセンブリ102cの外側横側に沿って経路指定されてよい。具体的には、図8aが、後方胴体サブアセンブリ102cの外側横側に沿って位置決めされた駆動シャフト416を有する、機体が省略された前方配向にある後部取り付け統合推進システム800を示している。一方で、図8b及び図8Cは、それぞれ、後方胴体サブアセンブリ102c内に設置された後部取り付け統合推進システム800の上面図及び側面図を示している。
【0072】
図9は、構造隔壁902を介して互いに対して所定の角度(すなわち、∠A)で位置決めされた2つの方向逆転伝達機構422を有する、伝達機構アセンブリ900を示している。理解され得るように、所定の角度は、推進ファン108とエンジン414の位置との間の距離に応じて調整されてよい。動作の際には、エンジン414が、機械的な駆動力を生成し、それが駆動ラインを介して推進ファン108に伝達される。駆動ラインは、実際に、エンジン414からの機械的な駆動力を推進ファン108に伝達し、次いで、推進ファン108が、機械的な駆動力を飛行のために必要な推力(すなわち、航空機100を推進するための、航空機の胴体への抵抗及び慣性に打ち勝つのに十分な空力流れ動力)に変換する。例えば、駆動ラインは、1以上の駆動シャフト、カプラ、及びギアボックス426を含んでよい。ギアボックス426は、速度及び/又は方向の変更を提供する。
【0073】
既存の駆動シャフト設計は、胴体102の内側に取り付けられたエンジンから機械的な駆動力を受け取り、機械的な駆動力を後ろ(前方‐後方)に単にパスして、機体の主たる構造と同じ方向に出す。一方で、本開示の方向逆転伝達機構422は、機械的な駆動力を一方向(例えば、前方から後方)から異なる方向(例えば、後方から前方)に再方向付けすることができる。より具体的には、各方向逆転伝達機構422が、回転シャフト1016を介して、その入力端において駆動シャフト416を介して、1以上の前方に位置付けられたエンジン414から機械的な駆動力を受け取る。次いで、方向逆転伝達機構422は、2つの角度付け駆動アセンブリ1002を介して、この機械的な駆動力をその入力端において前方(後方から前方)に、そして、上側回転シャフト1016を介して、(図5bで最も良く示されているように)推進ファン108の後方非臨界面に向けるように、この機械的な駆動力の方向を変える。下側及び上側回転シャフト1016のそれぞれの外面は、駆動シャフト416又は推進ファン108の中央ハブ(例えば、中央ハブの後面)に位置決めされたスプラインに対応するスプラインを画定するように形作られてよい。一実施例では、入力回転シャフト1016が、5,400rpm(~5,000馬力)で回転して、出力回転シャフト1016が、4,800から5,000ft-lbsのトルクを推進ファン108に出力する。
【0074】
エンジン414を推進ファン108から遠隔に位置決めすることによって、且つ、機械的な駆動力をその後方非臨界面において推進ファン108に供給することによって、前向きファンインレット114への空気の流れは邪魔されない。言い換えると、方向逆転伝達機構422は、第1の角度付け駆動アセンブリ1002を介して、第1の所定の角度(直角として図示されている)だけエンジン414からの機械的な駆動力の経路の方向を変えることによって、動力経路を推進ファン108に向けて上向きにパスする。次いで、方向逆転伝達機構422は、第2の角度付け駆動アセンブリ1002を介して、第2の所定の角度(これもまた直角として図示されている)だけ機械的な駆動力の経路の方向を、推進ファン108の中央ハブの後面に変える。図9で示されている伝達アセンブリ900は、後方胴体サブアセンブリ102cの後方位置において、シャフト動力を2つの独立した方向逆転伝達機構422に供給する、2つのエンジン414用の駆動設計を描いている。特定の態様では、伝達アセンブリ900が、(図9から省略されている)回転駆動シャフト416を環境から保護するためのシャフトカバー904を含んでよい。構造隔壁902は、各方向逆転伝達機構422の下側端部を位置付けるように、且つ、後方胴体サブアセンブリ102cの中への荷重経路を提供するために設けられている。
【0075】
図10aから図10dは、それぞれ、例示的な方向逆転伝達機構422の斜視図、後面図、側面図、及び切り取り側面図を示している。方向逆転伝達機構422は、エンジン414からの駆動シャフト416に位置合わせし、且つ、推進ファン108に位置合わせするために必要な角度における、入力及び出力シャフトの精密な位置決めを可能にする。上側の角度付け駆動アセンブリ1002を出ると、機械的な駆動力は、推進ファン108の入力駆動インターフェース(例えば、中央ハブの後面)に伝達されてよい。
【0076】
図示されているように、方向逆転伝達機構422は、概して、線形駆動シャフトアセンブリ1004によって分離された一組の角度付け駆動アセンブリ1002を備える。角度付け駆動アセンブリ1002は、所定の角度(例えば、図示されているように直角)だけ機械的な駆動力の方向を変えるように働き、一方、線形駆動シャフトアセンブリ1004は、角度付け駆動アセンブリ1002が、距離要件により又はそれらの間の相対的な移動を可能とするために、直接的に連結することができないときに、角度付け駆動アセンブリ1002の間で機械的な駆動力を伝達する。(摺動するスプライン継ぎ手を設けることのみならず)線形駆動アセンブリ1004を方向逆転伝達機構422の中に組み込むことによって、熱変化による寸法変化も対応される。しかし、線形駆動シャフトアセンブリ1004は、角度付け駆動アセンブリ1002の間で必要とされる距離に応じて省略されてよい。
【0077】
角度付け駆動アセンブリ1002のそれぞれは、角度付けハウジング1006及び一組の回転シャフトアセンブリ1012を備える。その場合、角度付けハウジング1006は、一組の回転シャフトアセンブリ1012を互いに対して所定の角度で位置決めするように構成されている。角度付けハウジング1006は、一組の回転シャフトアセンブリ1012の内側構成要素に対するアクセスを提供するための、除去可能視察カバー1008を更に備えてよい。視察カバー1008は、方向逆転伝達機構422の内部構成要素に対する容易なアクセスを可能にする。それによって、保守及び/又は修理費用が低減される。除去可能視察カバー1008は、複数のファスナ(例えば、ボルト)を介して角度付けハウジング1006に固定されてよく、又は角度付けハウジング1006に直接的にねじ込まれてよい。線形駆動シャフトアセンブリ1004は、概して、線形ハウジング1024、及び、特定の態様では、線形ハウジング1024に連結された導管マニフォールド1022を備える。線形ハウジング1024は、第1の角度付け駆動アセンブリ1002の回転シャフトアセンブリ1012を、第2の角度付け駆動アセンブリ1002の回転シャフトアセンブリ1012に連結するように構成されている。例えば、線形ハウジング1024は、摺動するスプライン接合/連結1028を使用して、回転シャフト1016の間で必要とされる位置合わせ及び嵌め合いを提供して、1つの角度付け駆動アセンブリ1002(例えば、下側の角度付け駆動アセンブリ1002)から、もう1つの角度付け駆動アセンブリ1002(例えば、上側角度付け駆動アセンブリ1002)に機械的な駆動力を伝達する。図示されているように、第1の角度付け駆動アセンブリ1002と第2の角度付け駆動アセンブリ1002は、第1の角度付け駆動アセンブリ1002からの回転の出力軸(軸A)が、第2の角度付け駆動アセンブリ1002の回転の入力軸と同じになるように位置合わせされる。
【0078】
図11は、方向逆転伝達機構422において使用されるシャフト密封アセンブリ1018を有する一組の回転シャフトを示している。方向逆転伝達機構422の有利な設計特徴は、角度付けハウジング1006及び線形ハウジング1024上に溶接されたフランジの使用である。それは、最終的な溶接の前に取り付けフランジ1026の回転及び位置合わせを可能にする。この目的のために、回転シャフトアセンブリ1012のシャフトマウント1014は、もう1つのファスナ1010(例えば、ボルト)を介して、取り付けフランジ1026の間に挟持され固定されたフランジ1102を含んでよい。一旦、位置合わせ及び嵌め合いが調整且つ/又は確認されてしまうと、取り付けフランジ1026とフランジ1102が、適所で共に溶接されてよい。角度付けハウジング1006と線形ハウジング1024のそれぞれは、例えば、真鍮、銅合金、アルミニウム、鋼、合金鋼、ステンレス鋼、チタニウム、ケブラー、ホウ素、エポキシ複合材、炭素繊維などの、金属材料及び/又は複合材料から製造されてよい。
【0079】
機械的な駆動力を所定の角度だけ変えるために、回転シャフト1016のそれぞれは、シャフトの部分の一端に精密な傘歯車1106、他端にスプライン1104(例えば、リッジ)を含んでよい。図示されているように、精密な傘歯車1106は、その径方向中心にスプラインボア1108を含んでよい。スプラインボア1108は、スプラインを規定するように形作られた内壁面を有してよい。したがって、このギアセットへの連結及びこのギアセットからの連結が、傘歯車1106及び/又はシャフト構成要素の中へ設計されたスプラインを介して実現される。所望の曲げ角度を実現するために他の角度も考慮されるけれども、90度の曲げを提供するために、各精密な傘歯車1106のピッチ面は、その回転軸に対して45度で角度付けされてよい。とりわけ、図10dを参照すると、線形ハウジング1024の長さは、回転シャフト1016のそれぞれが、同一であってよく、それによって、工具費を低減させ且つ交換部品の管理におけるより大きな柔軟性を提供するようにサイズ決定されてよい。しかし、上側と下側の角度付け駆動アセンブリ1002の間の距離が増加され又は低減される場合、線形ハウジング1024内の回転シャフト1016は、それに対応して長さが調整されてよい。回転シャフト1016は、例えば、金属材料、複合材料、及び/又は、真鍮、銅合金、アルミニウム、鋼、合金鋼、ステンレス鋼、チタニウム、ケブラー、ホウ素、エポキシ複合材、炭素繊維などの、航空機グレードの材料から製造されてよい。
【0080】
高いレベルでは、機械的な駆動力の伝達が、精密な軸受け、及び結合された支持付属品(例えば、潤滑システム、軸受けセット、リテーナ、シールなど)の使用を必要とする。例えば、シャフトシールアセンブリ1018は、相対的な動きを所望の動きに限定すると共に、回転摩擦を低減させ且つ径方向及び軸方向荷重を支持するために、各シャフトマウント1014とそのそれぞれの回転シャフト1016との間に位置決めされてよい。図11で示されているように、シャフトシールアセンブリ1018は、とりわけ、インボード保持デバイス1110、複数のローラーボール軸受け1112、複数の同心リング(例えば、より小さい内側リング1116を伴ったより大きい外側リング1114)、及び同心スペーサハウジング(例えば、より小さい内側ハウジング1120を伴ったより大きい外側ハウジング1118)を含んでよい。ボールハウジング1112のそれぞれは、複数のボールを包含し且つボールを通じて荷重を伝達するための、少なくとも2つのレースを含んでよい。シャフトシールアセンブリ1018は、インボード支持体(例えば、シャフトマウント1014によって画定されたリッジ)とアウトボード保持デバイス1122を介して且つそれらの間で、シャフトマウント1014によって画定された空洞内に固定される。シャフトシールアセンブリ1018は、シャフトマウント1014によって画定された空洞内に潤滑剤を保持するための、1以上の径方向シールを更に備えてよい。特定の態様では、シャフトシールアセンブリ1018の裏側を支持するために、支持ワッシャーが、インボード支持体とシャフトシールアセンブリ1018との間に位置決めされてよい。それによって、シャフトシールアセンブリ1018が、空洞内に嵌め合わされる。シャフトマウント1014は、真鍮、銅合金、アルミニウム、鋼、合金鋼、ステンレス鋼、チタニウムなどの、1以上の金属材料から製造されてよい。
【0081】
航空機100は、エンジン414及び方向逆転伝達機構422を含む、その様々な構成要素内の腐食/さびを洗浄し、冷却し、密封し、且つ軽減するための潤滑システムを採用してよい。この目的のために、方向逆転伝達機構422の外装も、潤滑システムの供給を促進し、流体導管1020を掃気する。例えば、方向逆転伝達機構422は、複数の流体導管1020(例えば、パイプ、ホースなど)、及び、サービスの容易さのために全ての流体導管1020を共通の位置に運ぶ、導管マニフォールド1022を更に備えてよい。流体導管1020は、導管マニフォールド1022において潤滑システムと連結するように構成されてよく、その場合、流体導管1020は、方向逆転伝達機構422の様々な構成要素へ潤滑剤を提供し、それらの構成要素から潤滑剤を戻すために使用される。例えば、(導管マニフォールド1022を介して)潤滑システムから方向逆転伝達機構422の範囲内の指定されたエリアに、そして、(導管マニフォールド1022を介して)潤滑システムに戻すように潤滑剤を運ぶように、流体導管1020のネットワークは、方向逆転伝達機構422上に位置決めされてよい。特定の態様では、種々のタイプの潤滑剤が、例えば、所望の温度や粘度などに基づいて、方向逆転伝達機構422の種々の領域に運ばれてよい。取り付けポイントの間での流体導管1020の望ましくない振動を防止するために、流体導管1020の長さに沿ってブッシング1030が設けられてよい。
【0082】
方向逆転伝達機構422は、概して、2つの90度の角度付け駆動アセンブリ1002を有するU字形状として説明されたが、他の構成及び角度も考慮される。例えば、図10e及び図10fで示されているように、回転軸の方向は逆転される必要はないが、むしろ、横にオフセットされる場合、上側の角度付け駆動アセンブリ1002は、S字形状の伝達機構を提供するために、軸Aの周りで下側の角度付け駆動アセンブリ1002に対して回転されてよい。更に、図10fで示されているように、駆動アセンブリ1002は、90度で角度付けされる必要はない。方向逆転伝達機構422の利点は、角度付け駆動アセンブリ1002が、それらの構成要素に対する変更を必要とせずに、軸Aの周りで互いに対して回転されてよいということである。
【0083】
前述の実施例は、1つのエンジン414が1つの推進ファン108を駆動する構成を示しているが、機械的に分散された推進システムアーキテクチャは、その代わりに、単一のエンジン414を使用して、複数の推進ファン108を駆動してよい。図12は、単一のエンジン414が、単一の駆動シャフト416を介して複数の推進ファン108を駆動するように構成された例示的な配置1200を示している。図示されているように、単一の駆動シャフト416は、ギアボックスを介して2つのファン駆動シャフト1202と機械的に連結されている。分かり易くするために、様々なハウジング及びフェアリングが、図面から省略されて、ギアの配置をより良く示している。例えば、ギアボックスは、単一の駆動シャフト416から2つのファン駆動シャフト1202のそれぞれに機械的な駆動力を伝達するための、複数の傘歯車を採用してよい。この目的のために、エンジン414からの単一の駆動シャフト416と2つのファン駆動シャフト1202のそれぞれは、傘歯車を含んでよい。その場合、単一の駆動シャフト416の傘歯車1204は、2つのファン駆動シャフト1202の傘歯車1206のそれぞれを駆動するようにサイズ決定され且つ形作られる。示されているように、ファン駆動シャフト1202のそれぞれは、その反対側の端部に第2の傘歯車1208を更に含む。第2の傘歯車1208は、推進ファン108のそれぞれに位置決めされた対応する傘歯車を駆動するようサイズ決定され且つ形作られる。図12で示されているように、2つの推進ファン108は、逆回転する機構を採用してよい。例えば、1つの推進ファン108は、時計回りで回転するが、1つ又は2つの隣接する推進ファン108は、反時計回りで回転してよい。
【0084】
上記で引用された特許及び特許文献は、全体として参照により本願に援用される。部品、特徴などの特定の配置を参照しながら、様々な実施形態が説明されてきたが、これらは、全ての可能な配置又は特徴を網羅することを意図するものではなく、実際、多くの他の実施形態、修正例、及び変形例が、当業者に究明可能であろう。ゆえに、本開示は、具体的に上述したものとは別様にも実践されうると、理解すべきである。
【0085】
本開示は、以下の条項で説明される主題を含む。
1.
航空機(100)で使用される機械的に分散された推進システム(700、800)であって、
機械的な駆動力を生成するためのエンジン(41、108、414)、
前記機械的な駆動力を受け取るために前記エンジン(41、108、414)に動作可能に連結された駆動シャフト(416)、
第1の回転シャフト(1016)と第2の回転シャフト(1016)を有する方向逆転伝達機構(900)であって、前記第1の回転シャフト(1016)が前記機械的な駆動力を受け取るために前記駆動シャフト(416)に動作可能に連結され、前記方向逆転伝達機構(900)が、第1の方向から前記第1の回転シャフト(1016)で受け取った前記機械的な駆動力を、前記第2の回転シャフト(1016)で第2の方向に再方向付けするように構成されている、方向逆転伝達機構(900)、及び
前記機械的な駆動力を推力に変換するために前記第2の回転シャフト(1016)に連結された推進ファン(4、108、800)を備える、機械的に分散された推進システム(700、800)。
2.
前記方向逆転伝達機構(900)が、第1の角度だけ前記機械的な駆動力の経路の方向を変えるための第1の角度付け駆動アセンブリ(1002)、及び第2の角度だけ前記機械的な駆動力の前記経路の方向を変えるための第2の角度付け駆動アセンブリ(1002)を備える、条項1に記載の機械的に分散された推進システム(700、800)。
3.
前記第1の角度と前記第2の角度のそれぞれが等しい、条項2に記載の機械的に分散された推進システム(700、800)。
4.
前記第1の角度付け駆動アセンブリ(1002)と前記第2の角度付け駆動アセンブリ(1002)が、線形駆動シャフト(416)アセンブリを介して、互いに機械的に連結されている、条項2又は3に記載の機械的に分散された推進システム(700、800)。
5.
前記第1の角度付け駆動アセンブリ(1002)が、第1の回転軸を有する前記第1の回転シャフト(1016)、及び第3の回転軸を有する第3の回転シャフト(1016)を備え、前記第1の回転シャフト(1016)と前記第3の回転シャフト(1016)が、第1の組の傘歯車を介して互いに機械的に連結されており、前記第1の回転軸と前記第3の回転軸が、互いに対して第1の角度で位置決めされている、条項2から4のいずれか一項に記載の機械的に分散された推進システム(700、800)。
6.
前記第2の角度付け駆動アセンブリ(1002)が、第2の回転軸を有する前記第2の回転シャフト(1016)、及び第4の回転軸を有する第4の回転シャフト(1016)を備え、前記第2の回転シャフト(1016)と前記第4の回転シャフト(1016)が、第2の組の傘歯車を介して互いに機械的に連結されており、前記第2の回転軸と前記第4の回転軸が、互いに対して第2の角度で位置決めされている、条項5に記載の機械的に分散された推進システム(700、800)。
7.
前記第3の回転シャフト(1016)と前記第4の回転シャフト(1016)が、摺動するスプライン継ぎ手(1028)を介して、互いに機械的に連結されている、条項6に記載の機械的に分散された推進システム(700、800)。
8.
前記方向逆転伝達機構(900)が、前記方向逆転伝達機構(900)に潤滑剤を供給するための導管マニフォールド(1022)及び複数の流体導管を含む、条項1から7のいずれか一項に記載の機械的に分散された推進システム(700、800)。
9.
前記推進ファン(4、108、800)が、前記航空機(100)の胴体(102)にわたり流れ(110)ている境界層を摂取するために、前記航空機(100)上に位置決めされている、条項1から8のいずれか一項に記載の機械的に分散された推進システム(700、800)。
10.
前記推進ファン(4、108、800)が、前記胴体(102)に融合している、条項9に記載の機械的に分散された推進システム(700、800)。
11.
前記推進ファン(4、108、800)が、前記胴体(102)によって画定された一組の統合ナセルカウリングディフューザを介して、前記胴体(102)に融合している、条項9又は10に記載の機械的に分散された推進システム(700、800)。
12.
前記推進ファン(4、108、800)が、前記胴体(102)の後方胴体(102)サブアセンブリに統合されている、条項9に記載の機械的に分散された推進システム(700、800)。
13.
前記胴体(102)が、西洋梨型の断面を有する中央胴体(102)サブアセンブリを含む、条項9に記載の機械的に分散された推進システム(700、800)。
14.
前記後方胴体(102)サブアセンブリが、内部構造に固定された複数の胴体スキンピースを有する半張殻構造として製造されている、条項12に記載の機械的に分散された推進システム(700、800)。
15.
前記機械的に分散された推進システム(700、800)が、前記エンジン(41、108、414)が排気を後ろへ放出するように構成された、前方配向にあるように構成されている、条項1から14のいずれか一項に記載の機械的に分散された推進システム(700、800)。
16.
前記機械的に分散された推進システム(700、800)が、前記エンジン(41、108、414)が排気を前方へ放出するように構成された、逆転配向にあるように構成されており、前記エンジン(41、108、414)が、前記排気を後ろに再方向付けするための後ろ向きエンジン(41、108、414)排気部に連結されている、条項1から15のいずれか一項に記載の機械的に分散された推進システム(700、800)。
17.
胴体(102)、
前記胴体(102)に動作可能に設置された主翼(110)セット、
前記胴体(102)の後方端にある尾部(106)であって、複数の飛行操縦翼面を有する尾部(106)、
前記胴体(102)の前記後方端において統合された推進ファン(4、108、800)であって、前記胴体(102)の前記後方端が、前記胴体(102)にわたり流れ(110)ている境界層を前記推進ファン(4、108、800)に向けるための幾何学的形状で形作られている、推進ファン(4、108、800)、
機械的な駆動力を生成するための前記胴体(102)内に位置決めされたエンジン(41、108、414)、及び
前記エンジン(41、108、414)から前記機械的な駆動力を受け取り、前記機械的な駆動力を第1の方向から第2の方向に再方向付けするための方向逆転伝達機構(900)を備える、航空輸送体。
18.
前記第1の方向が前記前方端からであり、前記第2の方向が前記前方端に向いている、条項17に記載の航空輸送体。
19.
前記胴体(102)が、西洋梨型の断面を有する中央胴体(102)サブアセンブリを含む、条項17又は18に記載の航空輸送体。
20.
機械的に分散された推進システム(700、800)を有する航空機(100)を動作させる方法であって、
エンジン(41、108、414)を使用して機械的な駆動力を生成すること、
駆動シャフト(416)を介して前記エンジン(41、108、414)から前記機械的な駆動力を受け取ること、
方向逆転伝達機構(900)を介して前記駆動シャフト(416)から前記機械的な駆動力を受け取ることであって、前記方向逆転伝達機構(900)が、第1の回転シャフト(1016)及び第2の回転シャフト(1016)を備え、前記第1の回転シャフト(1016)が前記駆動シャフト(416)に動作可能に連結されている、前記機械的な駆動力を受け取ること、
第1の方向から前記第1の回転シャフト(1016)で受け取った前記機械的な駆動力を、前記第2の回転シャフト(1016)で第2の方向に再方向付けすること、並びに
前記機械的な駆動力を推力に変換するために推進ファン(4、108、800)を回転させることであって、前記推進ファン(4、108、800)が前記第2の回転シャフト(1016)に動作可能に連結されている、推進ファン(4、108、800)を回転させることを含む、方法。
図1a
図1b
図1c
図1d
図1e
図1f
図1g
図1h
図2
図3
図4a
図4b
図4c
図4d
図5a
図5b
図6a
図6b
図6c
図7a
図7b
図7c
図8a
図8b
図8c
図9
図10a
図10b
図10c
図10d
図10e
図10f
図11
図12