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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-02
(45)【発行日】2023-08-10
(54)【発明の名称】眼鏡用マウント
(51)【国際特許分類】
   G02C 1/08 20060101AFI20230803BHJP
   G02C 5/00 20060101ALI20230803BHJP
   G02C 1/00 20060101ALI20230803BHJP
   G02C 1/06 20060101ALI20230803BHJP
【FI】
G02C1/08
G02C5/00
G02C1/00
G02C1/06
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020569954
(86)(22)【出願日】2019-06-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-10-14
(86)【国際出願番号】 EP2019065292
(87)【国際公開番号】W WO2019238726
(87)【国際公開日】2019-12-19
【審査請求日】2022-04-12
(31)【優先権主張番号】102018000006382
(32)【優先日】2018-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】500064225
【氏名又は名称】サフィーロ・ソシエタ・アツィオナリア・ファブリカ・イタリアナ・ラボラツィオーネ・オッチアリ・エス・ピー・エー
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アルトゥージ,アンペリオ
【審査官】小西 隆
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-504571(JP,A)
【文献】特開平07-140426(JP,A)
【文献】実開昭60-049522(JP,U)
【文献】特許第0007857(JP,C1)
【文献】実開昭58-135507(JP,U)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0130104(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0286011(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02C 1/00-13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズ(3)を保持するための一対のレンズ保持構造体(4)を有するフロントフレーム(2)を備える眼鏡用マウントであって、
前記レンズ保持構造体(4)は鼻支持ゾーンに延在する中央ブリッジ(5)によって互いに接続されており、
前記レンズ保持構造体(4)はそれぞれ、
前記レンズ(3)を保持するための上部保持要素(8)であって、前記中央ブリッジ(5)と関節接合軸(X)を中心に関節接合するように側方アーム(7)に接続されている対応する反対側の側方ほぞ部(6)との間の眉アーチゾーンにおいて少なくとも前記レンズの外形の上側の一部を囲うように設計され、前記中央ブリッジ(5)と前記対応する側方ほぞ部(6)とに一体化した上部保持要素(8)と、
前記レンズ(3)を保持するための下部保持要素(9)であって、前記中央ブリッジ(5)と前記対応する側方ほぞ部(6)との間の前記レンズの外形の底部における残りの部分を囲うように延在し、前記中央ブリッジ(5)で前記フロントフレーム(2)に接続される第1の端部(9a)と前記側方ほぞ部(6)に緊結されるように構成された反対側の第2の端部(9b)とを有する下部保持要素(9)とを備え、
前記マウントは、さらに、前記各側方ほぞ部(6)に受容され、前記関節接合軸の方向に実質的に平行な垂直方向に限られた範囲でスライドするように案内される対応する箱型部分(11)を備え、前記下部保持要素(9)の前記第2の端部(9b)は前記箱型部分(11)に緊結され、
前記垂直方向のスライド方向に対して所定の傾斜を有する傾斜面(13)が前記箱型部分(11)に画定されており、ネジ(16)が前記垂直方向のスライド方向に対して横方向に延在するように前記側方ほぞ部(6)に設けられたねじ穴(15)にねじ込まれることで前記傾斜面(13)に対して作用することにより、前記ネジ(16)を締めたり緩めたりすることで生じる前記ネジ(16)の並進運動を前記箱型部分(11)の前記垂直方向のスライド方向の並進運動に変換し、そうすることで、前記下部保持要素(9)を前記上部保持要素(8)に接近あるいは離間させるように移動させて、前記上部保持要素(8)と前記下部保持要素(9)との間の前記フロントフレーム(2)に前記レンズ(3)を固定したり取りしたりすることができることを特徴とする、
眼鏡用マウント。
【請求項2】
前記下部保持要素(9)の前記第2の端部(9b)は、前記箱型部分(11)の前記垂直方向のスライド方向に対して横方向に前記箱型部分(11)内を延在する座部(12)内に取り外し可能に受容されるように構成されていることを特徴とする、
請求項1に記載の眼鏡用マウント。
【請求項3】
前記下部保持要素(9)は、実質的に剛性のある金属ワイヤ構造を有するように形成されていることを特徴とする、
請求項2に記載の眼鏡用マウント。
【請求項4】
前記金属ワイヤからなる前記下部保持要素(9)は、前記フロントフレーム(2)から構造的に独立しており、前記金属ワイヤの第1の端部および反対の第2の端部(9a、9b)は実質的に直角に折り曲げられており、対応する座部(10)が前記中央ブリッジ(5)に設けられ、前記下部保持要素(9)の第1の端部(9a)が前記座部(10)に取り外し可能に受容され、前記第1および第2の端部(9a、9b)が、それぞれ前記垂直方向に対して横方向の対応する前記座部に係合することを特徴とする、
請求項3に記載の眼鏡用マウント。
【請求項5】
前記箱型部分(11)は、前記側方ほぞ部(6)の貫通空隙部(6a)内でスライド可能に案内されており、前記空隙部は、前記ネジ(16)が係合する前記ねじ穴(15)に連通していることを特徴とする、
請求項1から4のいずれか1項に記載の眼鏡用マウント。
【請求項6】
前記傾斜面(13)は、前記ネジ(16)が係合する前記ねじ穴(15)に面する前記箱型部分(11)の凹部(14)に設けられており、前記ネジはその頭部(16a)と軸方向反対側の端部(16b)に、円錐状の外形部を有し、その母線が、面接触によって前記傾斜面(13)と結合することができることを特徴とする、
請求項1から5のいずれか1項に記載の眼鏡用マウント。
【請求項7】
前記下部保持要素(9)は、前記第1の端部(9a)において前記フロントフレーム(2)とつながった単一の部品として作製することができることを特徴とする、
請求項2または3に記載の眼鏡用マウント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主請求項1の前提部(プリアンブル)に記載された特徴を有する眼鏡用マウントに関する。
【背景技術】
【0002】
本分野において、レンズを保持するリム(「アイピースホルダ」とも称される)を閉結するための従来のシステムは、レンズがリムに確実に安定して保持されることと、アイピースホルダを開いてレンズを取り付けたりはずしたりすることとの両方を意図して構成されており、このシステムは、いわゆる伝統的なねじ式の「管状」構造を含んでいる。実際に、リムは開いた外形形状を有するように設計されており、その開いた状態において、リムの端部には、対応する端部と一体に形成され、それぞれが同軸穴を有する一対の管状形成部が設けられており、その管状形成部の一方には、管状部を互いに緊結することができるネジを係合させてレンズをリムに固定させるためのねじ加工が施されている。ネジを緩めることにより、管状部を相互に分離することができ、リムをある程度開くことができるので、ネジが締められていない間に、レンズをリムから取りはずしたり、リムに取り付けたりすることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この種の解決策には、従来技術で利用可能なその複数のバージョンにおいて、望ましくないネジの緩みの発生を含むいくつかの欠点が以前から存在する。ネジの自己緩みという問題は、実際、「管状部」によってリムを閉結する従来のシステムが直面する主要な問題である。
【0004】
実際のところ、眼鏡は意図しないところで多数の振動にさらされている(たとえば、バッグやケース内で運ばれているとき、使用者が歩いているとき、または使用者が自動車やボートなどで移動しているときなど)。この種の振動による影響は、自己緩み、つまり、ネジの締め付け力と締め付け深さの減少という形で現れやすく、管状部からネジがはずれてしまうという望ましくない状況を引き起こす可能性がある。
【0005】
これに気づかず、適切なタイミングで修正できなかった場合、ネジが緩むことでアイピースホルダが開き、レンズがフロントフレームからはずれ、地面に落ちて壊れてしまい使用できなくなるという危険が生じるなど、自己緩みが重大な損害を引き起こすことになりかねない。
【0006】
「管状部」によってレンズを囲うことで固定するシステムにおいては、一般に、(装着される眼鏡を考慮して)垂直軸に沿ってネジを方向付けしており、ほとんどの場合、前記ネジを下から挿入している。マウントの設計に影響を与えないようにネジの頭部を隠す必要性または状況に伴い、ネジを下から挿入するということが選択されている。
【0007】
ただし、ネジが隠れた位置に挿入されているため、使用者が潜在的な自己緩みの開始に適切なタイミングで気付くことができず、レンズがはずれ落ちた時に初めて問題に気付くという危険がある。
【0008】
第2に、ネジが奥まった見えにくい位置にある結果として、ネジを締めたり緩めたりすることは一般的に非常に容易であるとは言えない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の主な目的は、既知の解決策において確認された欠点を克服するように構造的および機能的に設計され、特に前述の自己緩みの問題をより効果的に防止または制御できる眼鏡用マウントを提供することである。
【0010】
この目的および以下で明らかになるその他の目的は、添付の請求項に従って作成された眼鏡用マウントによって達成される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明のさらなる特徴および利点は、非限定的な例として添付の図面を参照して示される、以下の実施形態の詳細な説明からより明確になるであろう。
図1】本発明の第1実施例に従って作成された眼鏡用マウントの斜視図である。
図2図1のマウントの詳細を示す部分斜視図である。
図2A】前述の図におけるマウントの一部が取りはずされている状態を示す部分斜視図である。
図3図1のマウントの詳細を示す部分斜視図である。
図4図3に対応する図であって、分解された状態を詳細に示す図である。
図5】前述の図におけるマウントの詳細を示す部分拡大斜視図である。
図6】前述の図と同様の詳細を示す部分斜視図であり、動作を概略的に示す図である。
図7】前述の図と同様の詳細を示す部分斜視図であり、動作を概略的に示す図である。
図8】前述の図におけるマウントの詳細を示す拡大斜視図である。
図9図8における詳細を上から見た平面図である。
図10】前述の図のさらなる詳細を示す側面図である。
図11図10の詳細を示す斜視図である。
図12図8および図11に詳細を示す部品が組み立てられた状態を示す部分断面図である。
図13図12に対応する図であって、第1の動作状態に関する一連の位置を示す拡大断面図である。
図14図12に対応する図であって、第1の動作状態に関する一連の位置を示す拡大断面図である。
図15図12に対応する図であって、第1の動作状態に関する一連の位置を示す拡大断面図である。
図16図12に対応する図であって、第2の動作状態に関する別の一連の位置を示す拡大断面図である。
図17図12に対応する図であって、第2の動作状態に関する別の一連の位置を示す拡大断面図である。
図18図12に対応する図であって、第2の動作状態に関する別の一連の位置を示す拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
引用された図を参照すると、参照番号1は、本発明の第1実施例に従って作成された眼鏡用マウントを全体として示し、眼鏡用マウントは、鼻支持ゾーンに延在する中央ブリッジ5によって接続された一対のレンズ保持構造体4を有する、レンズ3を保持するためのフロントフレーム2を備えている。
【0013】
各レンズ保持構造4は、各レンズ3において、レンズをフロントフレームに保持するための外周形状を提供するように設計されている。この例では、マウントは、眉のアーチに沿う形状の好ましくは金属からなる上部弓状部を備えるタイプのいわゆる「ハーフフレーム」によって作成され、上部弓状部は中央ブリッジ5と、それぞれのアーム7をフロントフレームに関節接合するために設けられたそれぞれの側方ほぞ部6とに接続されている。さらに、各上部弓状構造は、ワイヤ、好ましくは金属ワイヤで作られ、ここで説明する例では所定の弾力性を有し、実質的に剛性である下部支持体を取り付けることによって完成する。
【0014】
マウントの一対のレンズ保持構造4は、構造および動作が互いに類似しているため、その一方について以下に詳細に説明する。各レンズ保持構造の同様の設計部品は、鏡映対称を持つが、説明を容易にするために同様の参照番号で示されていることが理解される。各レンズ保持構造4は、中央ブリッジ5とXで示される関節接合軸を中心に関節接合するように側方アーム7に接続されている対応する反対側の側方ほぞ部6との間の眉アーチゾーン(頭に装着された眼鏡を考慮することによって識別可能)において、レンズの外形の少なくとも上側の一部を囲むように設計された、レンズ3を保持するための上部要素8を備えている。したがって、好ましくは金属製である上部要素8によって、上記においてフロント「ハーフフレーム」と称され、例えば溶接によってブリッジ5および対応する側方ほぞ部6と一体となる上部弓状部の構造が提供される。
【0015】
各レンズ保持構造4はまた、レンズ3を支持するための下部要素9を含み、この下部要素9は、ブリッジ5と対応する側方ほぞ部6との間のレンズの外形の底部における残りの部分を囲うように延在しており、下部要素9は、中央ブリッジ5でフロントフレーム2に接続される第1の端部9aと、側方ほぞ部6に緊結されるように構成された反対側の第2の端部9bとを有している。
【0016】
下部要素9は、構造的にフロントフレーム2から独立しており、有利には、所定の弾力性を有するワイヤ、好ましくは実質的に剛性のある金属ワイヤでできており、その末端部分は、図2Aに明確に示されているように、端部9aおよび9bにおいて実質的に直角に折り曲げられている。参照番号10は、ブリッジ5の両側のそれぞれにおいて、対応する上部要素8に対するブリッジの接続ゾーンに設けられたそれぞれの座部を示し、この座部は、例えば、垂直方向に対して横方向に延在する円筒形の空隙部として形成される。垂直方向とは、関節接合軸Xの方向に実質的に平行であることを意味する。
【0017】
各座部10は、図5に示されるように、ブリッジにおいて前記下部要素9をフロントフレームに緊結するように、要素9の端部9aを連結係合で受容するように設計されている。
【0018】
対応するレンズ3の外形の周囲のレンズ保持構造4を閉結するために、下部支持要素9は、以下でより詳細に説明されるように、対応する側方ほぞ部6に接続される。マウント1は、各ほぞ部6で受容され、関節接合軸の方向に実質的に平行である垂直方向に限られた範囲でスライド可能なようにほぞ部の貫通空隙部6a内で案内される、対応する箱形部分11を備えている。
【0019】
箱形部分に座部12が設けられ、この座部は、例えば円筒形の空隙部の形状を有し、箱形部分の垂直スライド方向に対して横方向に延在するように形成され、その座部の中には、下部支持要素9の端部9bの折り曲げられた部分が取りはずし可能に受容される。
【0020】
図11を参照すると、座部12は、好ましくは箱形部分11の一部に設けられ、箱形部分と一体的に形成されたスリーブとして少なくとも部分的に成形されている。箱形部分の主形状から部分的に突出する前記一部は、ほぞ部の貫通空隙部6aに隣接する位置に作成された凹部6bにおいて受容されるように形成されている。参照番号6cは、例えば溶接によって上部要素8の対応する端部を収容および固定するために、ほぞ部6に設けられたもう一つの凹部を示す。
【0021】
座部12において係合することで、端部9bは箱形部分に接続され、前記箱形部分と一緒に垂直スライド方向に移動するよう構成されている。
【0022】
また、箱形部分11には、垂直スライド方向に対して所定の傾斜を有する面13が画定されており、この面は、ネジ16が係合するようにほぞ部に設けられたねじ穴15に面する箱形部分の凹部14に設けられている。
【0023】
より具体的には、座部12を画定する空隙部は凹部14と連通しており、凹部14はさらに、ネジが係合される穴15と連通している。穴は、ほぞ部内を垂直方向に対して横方向に延在し、ほぞ部の外に向かって開いており、そこから適切な工具によってネジ16の頭部16aを回転するように作動させることができる。頭部の軸方向に反対側において、ネジ16の脛部に円錐形の外形形状を有する端部16bが設けられ、その母線が、面接触によって傾斜面13と結合できるように形成されている。
【0024】
ネジ16が面13に対して作用するように結合を調整することにより、前記ネジを回転させることによるネジと雌型ネジとの結合によって得られるネジの並進運動を、箱形部分11の垂直スライド方向の並進運動に変換し、そうすることで、下部支持要素9を上部支持要素8に対して接近あるいは離間させ、上部要素と下部要素との間のフレームにレンズを固定したり取りはずしたりする。レンズの外形の周囲におけるレンズ保持構造を閉結する動作が、図13から15までの一連の図に示されており、この動作は、レンズ保持構造上で確実にレンズを保持するのに適している。
【0025】
図13は、レンズを構造に挿入する場合に適した、レンズ保持構造が最大に開かれた状態を作り出すために、要素8および9がほぞ部において相互に離間されている初期状態を示している。この位置では、円錐形の外形部16bが傾斜面13に係合することなく、ネジ16が穴15に係合されている。
【0026】
ネジ16を回転させてねじ穴15にねじ込むことにより、端部16bの円錐形の外形部が、スライド接触によって傾斜面13と係合し、それにより、図14および図15に明確に示されるように箱形部分11を垂直にスライドさせる。箱形部分11の垂直方向の並進中に、それに伴って移動する下部支持要素9b(図14)が上部要素8の端部に向かって引き寄せられて前記端部に面し、それにより、レンズの外形の周囲のレンズ保持構造が閉結される(図15)。閉結の度合いは、ねじ穴にネジを締める際の強弱によって制御可能である。
【0027】
図15に示すレンズ保持構造の閉状態から、逆向きの動作を実行することでレンズが取りはずされる。この動作は、穴からネジを緩め(図17)、傾斜面13とネジの円錐形の端部との係合を解除することによって行われる。この係合の解除により、下部支持要素9を上部要素8から離れるように自由に動かすことが可能になる。図18の位置において最大開放度に達し、レンズを対応するレンズ保持構造から取りはずすことができる。
【0028】
変形実施形態では、下部支持要素9は、端部9aにおいてフレーム2とつながった単一の部品として作製することができる。したがって、この設計では、レンズ保持構造の周囲形状は、側方ほぞ部に対して、下部要素9の端部9bでのみ連結が解除される。レンズ保持構造を開く動作を容易にするために、この構造においては、下部要素と上部要素とを接続しているブリッジへの接続ゾーンを局所的に高い可撓性を有するように作成することもできる。
【0029】
さらなる変形例では、下部支持要素は、上記のタイプのワイヤ形状(特に円形断面)を有する代わりに、上部要素と同様の断面形状を有するように形成することができる。
【0030】
なお、本発明に係るマウントによれば、ネジの位置(垂直方向に対して横方向に配置され、横方向にアクセス可能)によって、ねじ込み深さを容易に制御することが可能となっており、したがって、潜在的な自己緩みの開始に適切なタイミングで、すなわち、ネジとレンズとがはずれてしまう前に、気付くことができる。さらに、レンズを取り付け/取りはずしする場合でも単にネジの深さを調整する場合でも、アクセスしやすい位置であるため、ネジの操作を容易に行うことができる。
【0031】
さらに、ネジが下からではなく上から挿入される「管状」閉結システムを用いる既知の解決策に対して、新しいシステムは、ネジが横方向に位置しているため、より美しい「整然性」あるいは「線形性」を有している。
【0032】
従来技術における「管状」システムまたは同様の解決策を適用した典型的な場合に対するさらなる利点としては、本発明に係るマウントによって、溶接工程、より正確には、「下部管状部」と対応する弓状または金属製の「リム」との溶接工程を排除することができる。溶接工程を排除することで、製造プロセスが簡素化されるため、コストが削減されるだけでなく、潜在的なマイナーな欠陥の原因も排除することができる。
【0033】
このように、本発明は、先行技術に関して多くの利点を提供しながら、提案された目的を達成することができる。
図1
図2
図2A
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18