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特許7324799表示プログラム、表示方法および端末装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-02
(45)【発行日】2023-08-10
(54)【発明の名称】表示プログラム、表示方法および端末装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/04842 20220101AFI20230803BHJP
【FI】
G06F3/04842
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021078770
(22)【出願日】2021-05-06
(62)【分割の表示】P 2018029173の分割
【原出願日】2018-02-21
(65)【公開番号】P2021120885
(43)【公開日】2021-08-19
【審査請求日】2021-06-04
(73)【特許権者】
【識別番号】319013263
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 智絵
(72)【発明者】
【氏名】山中 祥太
(72)【発明者】
【氏名】水野 加寿代
【審査官】塩屋 雅弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-091507(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0027631(KR,A)
【文献】特開2014-082737(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F3/01
3/048-3/04895
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報表示領域に表示されたコンテンツのうち、当該情報表示領域におけるユーザの属性に応じた大きさの可視領域に表示された前記コンテンツを可視情報として抽出する抽出手順と、
前記抽出手順によって抽出された前記可視情報が所定の初期化条件を満たすか否かを判定する判定手順と、
前記抽出手順によって抽出された前記可視情報の次回表示における表示形態を変更する変更手順と、
をコンピュータに実行させ、
前記変更手順は、
前記判定手順によって前記可視情報が前記初期化条件を満たすと判定された場合、当該可視情報における前記表示形態を初期状態にすること
を特徴とする表示プログラム。
【請求項2】
前記コンテンツは、
前記情報表示領域において複数の項目が一覧表示される情報であり、
前記抽出手順は、
前記情報表示領域に表示された前記複数の項目のうち、前記可視領域に表示された前記項目を前記可視情報として抽出すること
を特徴とする請求項1に記載の表示プログラム。
【請求項3】
前記変更手順は、
前記可視領域に表示された頻度に応じて前記表示形態を異ならせること
を特徴とする請求項1または2に記載の表示プログラム。
【請求項4】
前記コンテンツは、
文章を含んだテキスト情報であり、
前記抽出手順は、
前記情報表示領域に表示された前記文章のうち、前記可視領域に表示された一部の前記文章を前記可視情報として抽出し、
前記変更手順は、
前記一部の文章の前記表示形態を変更すること
を特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載の表示プログラム。
【請求項5】
前記判定手順は、
前記可視情報の前記次回表示までの期間が所定の閾値を超えた場合、前記初期化条件を満たすと判定すること
を特徴とする請求項に記載の表示プログラム。
【請求項6】
前記判定手順は、
前記可視情報における前記コンテンツの状態が更新された場合、前記初期化条件を満たすと判定すること
を特徴とする請求項1~5のいずれか1つに記載の表示プログラム。
【請求項7】
前記変更手順は、
前記可視情報の前記次回表示における背景の前記表示形態を変更すること
を特徴とする請求項1~のいずれか1つに記載の表示プログラム。
【請求項8】
コンピュータが実行する表示方法であって、
情報表示領域に表示されたコンテンツのうち、当該情報表示領域におけるユーザの属性に応じた大きさの可視領域に表示された前記コンテンツを可視情報として抽出する抽出工程と、
前記抽出工程によって抽出された前記可視情報が所定の初期化条件を満たすか否かを判定する判定工程と、
前記抽出工程によって抽出された前記可視情報の次回表示における表示形態を変更する変更工程と、
を含み、
前記変更工程は、
前記判定工程によって前記可視情報が前記初期化条件を満たすと判定された場合、当該可視情報における前記表示形態を初期状態にすること
を特徴とする表示方法。
【請求項9】
情報表示領域に表示されたコンテンツのうち、当該情報表示領域におけるユーザの属性に応じた大きさの可視領域に表示された前記コンテンツを可視情報として抽出する抽出部と、
前記抽出部によって抽出された前記可視情報が所定の初期化条件を満たすか否かを判定する判定部と、
前記抽出部によって抽出された前記可視情報の次回表示における表示形態を変更する変更部と、
を備え、
前記変更部は、
前記判定部によって前記可視情報が前記初期化条件を満たすと判定された場合、当該可視情報における前記表示形態を初期状態にすること
を特徴とする端末装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示プログラム、表示方法および端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、端末装置では、例えば、ショッピングサイト等のサーバ装置から取得した検索結果を項目一覧で画面に表示することが知られている。また、端末装置の画面のうち、ユーザが見たと推定される領域(以下、可視領域と記載する)に項目が表示された場合に、表示回数としてカウントする技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-160034号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術は、単に可視領域に入った情報を表示回数としてカウントするものであるため、ユーザにとっては、画面に表示された情報を過去に見たことがあるか否かを容易に判断できるものではなかった。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、画面に表示された情報を過去に見たことがあるか否かのユーザ判断を容易化させる表示プログラム、表示方法および端末装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る表示プログラムは、抽出手順と、変更手順とを備える。前記抽出手順は、情報表示領域に表示されたコンテンツのうち、当該情報表示領域におけるユーザの可視領域に表示された前記コンテンツを可視情報として抽出する。前記変更手順は、前記抽出手順によって抽出された前記可視情報の次回表示における表示形態を変更する。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、画面に表示された情報を過去に見たことがあるか否かのユーザ判断を容易化させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る表示処理の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る端末装置の構成例を示す図である。
図3図3は、可視情報の説明図である。
図4図4は、抽出部の処理内容を示す図である。
図5図5は、変更部の処理内容を示す図である。
図6図6は、変更部の処理内容を示す図である。
図7図7は、実施形態に係る端末装置が実行する処理の手順を示すフローチャートである。
図8図8は、実施形態に係る端末装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る表示プログラム、表示方法および端末装置を実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る表示プログラム、表示方法および端末装置が限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
まず、図1を用いて、実施形態に係る表示プログラムにより実現される表示処理の一例について説明する。図1は、実施形態に係る表示処理の一例を示す図である。図1では、実施形態に係る端末装置1の動作を例にして実施形態に係る表示処理を説明する。また、図1には、実施形態に係る端末装置1を含む表示システムSの構成を示している。
【0011】
図1に示すように、実施形態に係る表示システムSは、端末装置1と、サーバ装置100とを備える。端末装置1とサーバ装置100とは、例えば、インターネット等の所定の通信ネットワークによって接続される。
【0012】
サーバ装置100は、端末装置1に対して各種コンテンツを提供する。例えば、サーバ装置100は、端末装置1にインストールされた各種アプリ(例えば、ポータルアプリ、ニュースアプリ、オークションサイト、天気予報アプリ、ショッピングアプリ、ファイナンス(株価)アプリ、路線検索アプリ、地図提供アプリ、旅行アプリ、飲食店紹介アプリ、ブログ閲覧アプリ等)に表示する情報を端末装置1に配信する装置である。
【0013】
あるいは、サーバ装置100は、ポータルサイト、ニュースサイト、オークションサイト、天気予報サイト、ショッピングサイト、ファイナンス(株価)サイト、路線検索サイト、地図提供サイト、旅行サイト、飲食店紹介サイト、ウェブブログなどに関連する各種情報がタイル状に配置されたウェブページを端末装置1に配信する装置である。また、サーバ装置100は、アプリのデータそのものを配信するサーバであってもよいし、ポータルサイト等のウェブページを配信するサーバであってもよい。
【0014】
サーバ装置100が送信するコンテンツは、サーバ装置100が端末装置1に送信する制御情報に基づいて端末装置1に表示される。制御情報とは、例えば、端末装置1にインストールされたアプリを制御するプログラムであってもよいし、コンテンツに埋め込まれたプログラムであってもよい。例えば、制御情報は、JavaScript(登録商標)等のスクリプト言語で記載されたプログラムであってもよい。
【0015】
また、制御情報は、スクリプト言語以外のコンピュータ言語で記載された情報であってもよい。例えば、制御情報は、CSS3(Cascading Style Sheets 3)等のスタイルシート言語で記載された情報であってもよい。
【0016】
また、制御情報は、Java(登録商標)、Swift、C言語、C++等のプログラミング言語で記載され、コンパイル等されたプログラムであってもよい。コンテンツ配信サーバ等のサーバから配信されるアプリケーションソフトそのものを制御情報とみなすことも可能である。このとき、コンテンツの情報は、制御情報に含まれていてもよい。
【0017】
なお、最終的に端末装置1がプログラムを実行できるのであれば、制御情報は、コンパイルされたプログラムでなくてもよい。その他、制御情報は、インタプリタ言語(例えば、スクリプト言語)、機械言語、あるいは中間言語の形式で提供されるデータ(プログラム)であってもよい。
【0018】
なお、サーバ装置100は、1台のサーバ装置100によって上記したすべてのコンテンツを配信してもよく、複数のサーバ装置100それぞれが対応するコンテンツを配信してもよい。なお、図1では、ショッピングサイトを提供するショッピングサーバをサーバ装置100の一例として示す。
【0019】
端末装置1は、例えば、スマートデバイス(スマートフォン、あるいはタブレット)、携帯電話、パーソナルコンピュータ等のユーザによって操作される端末である。端末装置1は、ネットワーク接続機能を備え、ネットワークを介してサーバ装置100と情報の送受信を行う。
【0020】
また、端末装置1の画面50は、タッチパネル式の画面であるとともに、例えば、上記したサーバ装置100から取得したコンテンツ等の情報を表示可能な情報表示画面である。なお、以下では、画面50を情報表示画面50(情報表示領域の一例)と記載する。なお、図1では、情報表示領域である情報表示画面50は、端末装置1の画面全体である場合を示したが、例えば、情報表示領域である情報表示画面50は、端末装置1の画面の一部の領域であってもよい。
【0021】
また、端末装置1の情報表示画面50は、タッチパネル式の画面に限定されるものではなく、例えばPC(personal computer)等の画面のように、マウス等のポインティングデバイスによる操作を受け付けて情報が表示される画面であってもよい。
【0022】
図1に示す情報表示画面50には、ユーザが指定したクエリに基づく商品の項目Aが一覧表示された検索結果を示している。また、図1に示すように、情報表示画面50(左図)には、可視領域200が含まれる。
【0023】
可視領域200とは、例えば、ユーザが情報表示画面50を見た場合に、かかる情報表示画面50に表示された情報を見たと推定される領域である。換言すれば、可視領域200は、表示された情報をユーザが認識可能な領域であり、情報表示画面50のうち、可視領域200以外の領域は、ユーザが認識できない、つまり、ユーザが見たとは推定されない領域である。
【0024】
ここで、例えば、ユーザは、クエリ「ファッション」の検索結果を閲覧した後、クエリ「シャツ」の検索結果を閲覧したとする。そして、両者の検索結果には、「Bシャツ」および「Cシャツ」の項目が共通して含まれていたとする。
【0025】
かかる場合、ユーザにとっては、クエリ「シャツ」の検索結果の中に含まれる「Bシャツ」および「Cシャツ」が、以前に検索したクエリ「ファッション」の検索結果に含まれていたか否かを判断することは容易ではない。
【0026】
特に、項目一覧では、表示される項目数を増やすために、項目1つあたりの情報を極力抑えることが一般的であるため、上記の判断はより難しくなる。このため、ユーザは過去に見たことがあるか否かを判断するために、検索結果における「Bシャツ」の項目Aを選択し、詳細情報を閲覧する場合が多く、ユーザが煩わしく感じるおそれがある。
【0027】
そこで、実施形態に係る表示プログラムでは、ユーザが過去に見たと推定されるコンテンツについては、表示形態を変更することとした。
【0028】
具体的には、実施形態に係る端末装置1は、まず、ユーザによって指定されたクエリ「ファッション」をサーバ装置100へ送信し(ステップS1)、サーバ装置100から「ファッション」の検索結果を受信する(ステップS2)。
【0029】
つづいて、実施形態に係る端末装置1は、受信した検索結果を情報表示画面50に表示するとともに、検索結果のうち、可視領域200に表示された項目Aの情報を可視情報41として抽出し(ステップS3)、記憶しておく。図1に示す例では、「Aスカート」、「Bシャツ」、「Cシャツ」および「Dパンツ」の項目Aを可視情報41として抽出する。
【0030】
なお、例えば、ユーザが情報表示画面50の検索結果をスクロール操作することで、「Aスカート」、「Bシャツ」、「Cシャツ」および「Dパンツ」以外の他の項目Aが可視領域200に表示された場合には、かかる他の項目Aも可視情報41として記憶するが、かかる点については、図4で後述する。
【0031】
つづいて、実施形態に係る端末装置1は、ユーザによって指定されたクエリ「シャツ」をサーバ装置100へ送信し(ステップS4)、サーバ装置100から「シャツ」の検索結果を受信する(ステップS5)。
【0032】
そして、実施形態に係る端末装置1は、可視情報41に含まれる項目Aが、「シャツ」の検索結果の中に含まれる場合、かかる項目Aの表示形態を変更し(ステップS6)、情報表示画面50に表示する。
【0033】
図1に示す例では、可視情報41に含まれる「Bシャツ」および「Cシャツ」の項目Aが、「シャツ」の検索結果の中に含まれるため、「Bシャツ」および「Cシャツ」の項目Aを網掛けで表示する。
【0034】
これにより、ユーザは、表示された検索結果のうち、「Bシャツ」および「Cシャツ」は、過去に見たことがあり、「Eシャツ」および「Fシャツ」は、過去に見たことがないことが一目で判断できる。
【0035】
すなわち、実施形態に係る表示プログラムによれば、情報表示画面50に表示された情報を過去に見たことがあるか否かのユーザ判断を容易化させることができる。このため、ユーザが詳細情報を閲覧するための操作を行わなくてよいため、ユーザの煩わしさを低減することができる。
【0036】
なお、図1では、情報表示画面50に表示されるコンテンツとして、複数の項目Aが一覧表示される情報(すなわち、ショッピングサイトが提供する検索結果)を一例として挙げたが、これに限定されるものではない。例えば、かかるコンテンツは、ニュースサイトが提供する情報のように、文章を含んだ情報であってもよいが、かかる点については図6で後述する。
【0037】
また、図1では、可視領域200は、情報表示画面50の一部の領域としたが、例えば、情報表示画面50の領域全体を可視領域200としてもよい。また、図1では、可視領域200は、情報表示画面50の中央領域に配置されたが、中央領域に限定されず、情報表示画面50の上端寄りあるいは下端寄りの領域であってもよい。
【0038】
また、可視領域200の領域面積は、予め定められた大きさでなくともよく、例えば、ユーザの属性(年齢や性別、端末装置1の使用歴等)に応じた大きさが任意に設定されてよい。
【0039】
次に、図2を用いて、実施形態に係る端末装置1の構成について説明する。図2は、実施形態に係る端末装置1の構成例を示す図である。
【0040】
図2に示すように、端末装置1は、通信部2と、制御部3と、記憶部4とを備える。
【0041】
通信部2は、たとえば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。通信部2は、通信ネットワークと有線または無線で接続され、通信ネットワークを介して、サーバ装置100との間で情報の送受信を行う。
【0042】
記憶部4は、たとえば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。図2に示すように、記憶部4は、可視情報41を記憶する。
【0043】
可視情報41は、後述の抽出部32によって抽出されて、記憶される情報である。ここで、図3を用いて、可視情報41について説明する。
【0044】
図3は、可視情報41の説明図である。図3に示すように、可視情報41には、「表示日時」、「サーバ」、「項目名」、「コンテンツデータ」といった内容が含まれる。
【0045】
「表示日時」は、情報表示画面50にコンテンツが表示された日時であり、換言すれば、抽出部32によって可視情報41として抽出された日時でもある。「サーバ」は、サーバ装置100の種別であり、サーバ装置100が提供したコンテンツの種別である。「項目名」は、可視情報41として抽出されたコンテンツを識別する識別情報である。「コンテンツデータ」は、可視情報41として抽出されたコンテンツの内容に関する情報である。例えば、ショッピングに関する可視情報41では、商品の価格や、タイトル、説明文(詳細文ともいう)等が含まれる。
【0046】
制御部3は、コントローラ(controller)であり、たとえば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、端末装置1内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部3は、たとえば、コントローラであり、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0047】
制御部3は、受付部31と、抽出部32と、判定部33と、変更部34とを備える。
【0048】
受付部31は、サーバ装置100への取得要求となる所定の指定クエリを受け付ける。例えば、受付部31は、サーバ装置100がショッピングサーバの場合、商品を検索する検索ワード等を含む検索クエリを指定クエリとして受け付ける。
【0049】
制御部3は、受付部31によって受け付けられた指定クエリを含む取得要求をサーバ装置100へ送信し、かかる指定クエリに応じたコンテンツをサーバ装置100から取得する。そして、制御部3は、サーバ装置100から取得したコンテンツを情報表示画面50に表示する。
【0050】
抽出部32は、情報表示画面50に表示されたコンテンツのうち、情報表示画面50におけるユーザの可視領域200に表示されたコンテンツを可視情報41として抽出する。抽出部32は、抽出した可視情報41を記憶部4に記憶する。ここで、図4を用いて、抽出部32の処理内容について説明する。
【0051】
図4は、抽出部32の処理内容を示す図である。図4では、サーバ装置100から取得したコンテンツが、情報表示画面50において複数の項目A1~A9として一覧表示された場合を示している。また、図4の上段では、複数の項目A1~A9のうち、項目A1~A5(項目A5は一部)が情報表示画面50に表示されていることとする。また、項目A1~A9を特に区別しない場合、項目Aと記載する。
【0052】
図4の上段に示すように、抽出部32は、情報表示画面50に表示された複数の項目A1~A5のうち、可視領域200に表示された項目A1~A4を可視情報41として抽出する。
【0053】
具体的には、図4の上段に示す情報表示画面50の状態においては、可視領域200に含まれる「AAA」の項目A1、「BBB」の項目A2、「CCC」の項目A3および「DDD」の項目A4を可視情報41として抽出する。換言すれば、図4の上段に示す状態においては、可視領域200に含まれていない「EEE」の項目A5を可視情報41として抽出しない。
【0054】
ここで、図4の下段に示すように、ユーザがスライド操作して、一覧表示されたコンテンツをスクロール移動させたとする。図4の下段では、スクロール移動後の情報表示画面50を示しており、かかる情報表示画面50には、項目A4~A9が表示されていることとする。
【0055】
かかる場合、抽出部32は、ユーザのスライド操作によって可視領域200に表示されることとなった項目A5~A9を可視情報41として抽出する。これにより、図4に示す可視情報41には、項目A1~A9が含まれることとなる。
【0056】
つまり、抽出部32は、情報表示画面50にコンテンツが表示された際に、ユーザによってかかるコンテンツが移動した場合、移動後に表示されるコンテンツが可視領域200に含まれる場合、可視情報41として抽出する。
【0057】
換言すれば、抽出部32は、コンテンツが表示された際に、情報表示画面50に入りきらないコンテンツがユーザの操作によって表示された場合に、可視情報41として抽出する。これにより、多くのコンテンツを可視情報41として抽出できる。
【0058】
なお、図4の下段において、一部の領域が可視領域200に含まれる「EEE」の項目A5および「III」の項目A9を可視情報41として抽出したが、これに限定されるものではなく、すべての領域が可視領域200に含まれる項目A6~A8のみを抽出することとしてもよい。
【0059】
あるいは、可視領域200に含まれる一部の領域が所定の面積以上のものに限って可視情報41として抽出してもよい。あるいは、一部の領域が可視領域200に含まれ、かつ、領域全体が情報表示画面50に表示された項目A(図4の下段では項目A5および項目A9)を可視情報41として抽出してもよい。
【0060】
また、抽出部32は、移動後の状態において可視領域200に含まれる項目Aのみを抽出する場合に限らず、例えば、移動途中に可視領域200に含まれた項目Aを可視情報41として抽出してもよい。また、移動途中に可視領域200に含まれた項目Aの可視領域200に表示されている時間がユーザに認識可能な時間であったか否かによって可視情報41として抽出するか否かを判定してもよい。
【0061】
つまり、高速スクロールによりユーザが認識できなかったと推定される項目Aについては、移動途中に可視領域200に含まれたとしても可視情報41として抽出しない。これにより、ユーザが確実に見たコンテンツのみを可視情報41として抽出することができる。
【0062】
図2に戻って判定部33について説明する。判定部33は、後述する変更部34によって可視情報41の表示形態を変更するか否かの判定を行う。例えば、判定部33は、可視情報41が所定の初期化条件を満たすか否かを判定し、判定結果を変更部34へ通知する。
【0063】
例えば、可視情報41の次回表示までの期間を初期条件とすることができる。具体的には、判定部33は、可視情報41の次回表示までの期間が所定の閾値(例えば、30分)を超えた場合、初期化条件を満たすと判定する。より具体的には、判定部33は、可視情報41が抽出された時刻(図3に示す「表示日時」)から所定時間を経過した場合に、初期化条件を満たすと判定する。
【0064】
また、例えば、可視情報41におけるコンテンツの状態が更新された場合、初期化条件を満たすと判定してもよい。より具体的には、判定部33は、可視情報41の「コンテンツデータ」(図3参照)が更新された場合に、初期化条件を満たすと判定する。「コンテンツデータ」の更新の一例として、例えば、商品の価格変更や在庫変更等がある。つまり、過去に見た情報に新たな情報が付加された場合に、初期化条件を満たすと判定する。
【0065】
変更部34は、抽出部32によって抽出された可視情報41の次回表示における表示形態を変更する。次回表示とは、例えば、抽出部32によって抽出された際の指定クエリとは異なる指定クエリによるコンテンツが表示される場合を指す。換言すれば、次回表示とは、ユーザが新たなコンテンツを情報表示画面50に表示する場合を指す。
【0066】
ここで、図5および図6を用いて、変更部34の処理内容について説明する。図5および図6は、変更部34の処理内容を示す図である。図5では、情報表示画面50に複数の項目Aが一覧表示された場合における変更部34の処理内容を示す。図6では、ニュースが表示された場合における変更部34の処理内容を示す。
【0067】
まず、図5を用いて、変更部34の処理内容を説明する。図5では、「DDD」、「EEE」、「FFF」、「GGG」および「HHH」の項目Aが上記した次回表示として表示されていることとする。また、これらの項目Aのうち、「FFF」の項目Aが可視情報41であることとする。
【0068】
図5に示すように、変更部34は、可視情報41の次回表示における背景の表示形態を変更する。具体的には、変更部34は、可視情報41である「FFF」の項目Aの背景全体を網掛けの表示形態に変更して表示する。一方で、変更部34は、可視情報41ではない、「DDD」、「EEE」、「GGG」および「HHH」の項目Aについては、網掛けしない表示形態、つまり、初期状態の表示形態として表示する。
【0069】
これにより、ユーザは、「FFF」の項目Aを過去に見たことがあると容易に判断することができる。換言すれば、ユーザは過去に見たことがない新たな項目Aを容易に見つけることができる。
【0070】
なお、変更部34は、可視情報41である「FFF」の項目Aの背景を網掛け等のパターン背景の表示形態に変更したが、表示形態はパターン背景に限定されるものではなく、例えば、可視情報41の背景色を変更してもよい。
【0071】
また、変更部34は、背景の表示形態に限らず、文字の表示形態を変更してもよい。例えば、変更部34は、文字の表示色や文字の透過度、文字サイズ等を変更してもよい。つまり、表示形態は、ユーザが可視情報41か否かを判別できる表示形態であればよい。これにより、過去に見たことがない新たな項目Aを際立たせることができるため、ユーザの視線を新しい項目Aへ誘導させることができる。
【0072】
また、変更部34は、上記した表示形態に限定されず、例えば、表示色の変更(黒から赤に変更等)や、下線を付す等の表示形態に変更することとしてもよい。つまり、見えにくい表示形態に変更しなくとも、初期状態の表示形態と異なればよい。
【0073】
また、変更部34は、可視領域200に表示された頻度に応じて表示形態を異ならせてもよい。例えば、変更部34は、一定期間内に可視領域200に表示された回数が多いほど、網掛けを濃くする。これにより、ユーザは、可視情報41を過去に頻繁に見たことがあるか否かを容易に判断できる。
【0074】
そして、変更部34は、上記した判定部33によって初期化条件を満たすと判定された場合、可視情報41の表示形態を初期状態にする。例えば、変更部34は、可視情報41を網掛けの表示形態に変更していた場合、かかる網掛けを削除することで、初期状態に戻す。
【0075】
これにより、例えば、ユーザが可視情報41をしばらくの期間見ていない場合や、可視情報41のコンテンツの状態が更新された場合等に、かかる可視情報41が見逃されることを防ぐことができる。
【0076】
次に、図6を用いて、変更部34の処理内容についてさらに説明する。図6では、情報表示画面50には、ニュースサイトを提供するサーバ装置100から取得したコンテンツであるニュースNsが表示されていることとする。
【0077】
図6に示すように、例えば、ニュースNsには、「○○投手、完全試合を達成!」のようなタイトルNs1や、「○月○日、対××戦にて・・・残り試合を考えると・・・」のような詳細文Ns3等の文章を含んだテキスト情報や、ニュースNsに関する代表画像Ns2の情報が含まれる。
【0078】
図6に示す例では、抽出部32は、可視領域200に含まれるタイトルNs1、代表画像Ns2および一部の詳細文Ns3を可視情報41として抽出する。つまり、抽出部32は、可視領域200に表示された一部の文章を可視情報41として抽出する。
【0079】
より具体的には、抽出部32は、タイトルNs1の全文章と、詳細文Ns3の一部の文章「○月○日、対××戦にて・・・締めくくりました。今回の」を可視情報41として抽出する。
【0080】
そして、変更部34は、例えば、ユーザがニュースNsを閉じて、再度開いた場合に、可視情報41である上記の文章に網掛けすることで表示形態を変更する。具体的には、変更部34は、詳細文Ns3の一部の文章「○月○日、対××戦にて・・・締めくくりました。今回の」に網掛けする。
【0081】
これにより、ユーザは、ニュースNs等の文章をどこまで読んだかを容易に把握することができる。
【0082】
なお、変更部34は、可視情報41に含まれる文章のうち、タイトルNs1のような文章の見出し(あるいは要約)については、網掛け等の表示形態の変更をしないことが好ましい。これにより、ユーザがどのようなニュースNsであるかを容易に判断することができる。
【0083】
次に、図7を用いて、実施形態に係る端末装置1が実行する処理の手順について説明する。図7は、実施形態に係る端末装置1が実行する処理の手順を示すフローチャートである。
【0084】
図7に示すように、まず、抽出部32は、情報表示画面50に表示されたコンテンツのうち、情報表示画面50におけるユーザの可視領域200に表示されたコンテンツを可視情報41として抽出する(ステップS101)。
【0085】
つづいて、受付部31は、抽出した可視情報41の指定を受け付ける(ステップS102)。具体的には、受付部31は、ユーザから可視情報41を含むコンテンツを指定する指定クエリを受け付ける。
【0086】
つづいて、判定部33は、指定クエリによって指定された可視情報41が所定の初期化条件を満たすか否かを判定する(ステップS103)。変更部34は、判定部33によって初期化条件を満たさないと判定された場合(ステップS103,No)、可視情報41の表示形態を変更して表示し(ステップS104)、処理を終了する。
【0087】
一方、変更部34は、判定部33によって初期化条件を満たすと判定された場合(ステップS103,Yes)、可視情報41の表示形態を初期状態に戻して表示し(ステップS105)、処理を終了する。
【0088】
また、上述してきた実施形態にかかる端末装置1は、例えば図8に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図8は、実施形態に係る端末装置1の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0089】
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0090】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを、ネットワークNを介して他の機器へ送信する。
【0091】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを、入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0092】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0093】
例えば、コンピュータ1000が実施形態にかかる端末装置1として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部3の機能を実現する。また、HDD1400には、記憶部4内のデータが格納される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを、記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から、ネットワークNを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0094】
上述してきたように、実施形態に係る表示プログラムは、抽出手順と、変更手順とを端末装置1に実行させる。抽出手順は、情報表示画面50に表示されたコンテンツのうち、情報表示画面50におけるユーザの可視領域200に表示されたコンテンツを可視情報41として抽出する。変更手順は、抽出手順によって抽出された可視情報41の次回表示における表示形態を変更する。
【0095】
これにより、情報表示画面50に表示される情報を過去に見たことがあるか否かのユーザ判断を容易化させることができる。
【0096】
また、上述した実施形態に係る表示プログラムにおいて、コンテンツは、情報表示画面50において複数の項目Aが一覧表示される情報である。抽出手順は、情報表示画面50に表示された複数の項目Aのうち、可視領域200に表示された項目Aを可視情報41として抽出する。
【0097】
これにより、例えば、ショッピングサイト等の検索結果等において、どの商品を過去に見たことがあるかのユーザ判断を容易化させることができる。
【0098】
また、上述した実施形態に係る表示プログラムにおいて、変更手順は、可視領域200に表示された頻度に応じて表示形態を異ならせる。
【0099】
これにより、可視情報41を過去に頻繁に見たことがあるか否かのユーザ判断を容易化させることができる。
【0100】
また、上述した実施形態に係る表示プログラムにおいて、コンテンツは、文章を含んだテキスト情報である。抽出手順は、情報表示画面50に表示された文章のうち、可視領域200に表示された一部の文章を可視情報41として抽出する。変更手順は、一部の文章の表示形態を変更する。
【0101】
これにより、ニュースNs等の詳細文Ns3をどこまで読んだかのユーザ判断を容易化させることができる。
【0102】
また、上述した実施形態に係る表示プログラムは、判定手順をさらに備える。判定手順は、抽出手順によって抽出された可視情報41が所定の初期化条件を満たすと判定された場合、かかる可視情報41における表示形態を初期化状態にする。
【0103】
これにより、可視情報41が見逃されることを防ぐことができる。
【0104】
また、上述した実施形態に係る表示プログラムにおいて、判定手順は、可視情報41の次回表示までの期間が所定の閾値を超えた場合、初期化条件を満たすと判定する。
【0105】
これにより、ユーザが可視情報41をしばらくの期間見ていない場合等に、可視情報41を再び閲覧させることができる。
【0106】
また、上述した実施形態に係る表示プログラムにおいて、判定手順は、可視情報41におけるコンテンツの状態が更新された場合、初期化条件を満たすと判定する。
【0107】
これにより、コンテンツが更新された場合、更新された情報をユーザが見逃すことを防止できる。
【0108】
また、上述した実施形態に係る表示プログラムにおいて、変更手順は、可視情報41の次回表示における背景の表示形態を変更する。
【0109】
これにより、次回表示における可視情報41をユーザに見分けやすくすることができる。
【0110】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0111】
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0112】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0113】
また、上述してきた実施形態に記載した各処理は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0114】
また、上記してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、抽出部32は、抽出手段や抽出回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0115】
1 端末装置
2 通信部
3 制御部
4 記憶部
31 受付部
32 抽出部
33 判定部
34 変更部
41 可視情報
50 情報表示画面
100 サーバ装置
200 可視領域
A 項目
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8