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特許7324825レンズ駆動装置、カメラ装置、及び電子機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-02
(45)【発行日】2023-08-10
(54)【発明の名称】レンズ駆動装置、カメラ装置、及び電子機器
(51)【国際特許分類】
   G02B 7/02 20210101AFI20230803BHJP
   G03B 5/00 20210101ALI20230803BHJP
   G02B 7/04 20210101ALI20230803BHJP
   G03B 30/00 20210101ALI20230803BHJP
【FI】
G02B7/02 Z
G03B5/00 J
G02B7/04 E
G02B7/04 D
G03B30/00
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021196973
(22)【出願日】2021-12-03
(65)【公開番号】P2022103082
(43)【公開日】2022-07-07
【審査請求日】2021-12-03
(31)【優先権主張番号】202011565752.4
(32)【優先日】2020-12-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】316006783
【氏名又は名称】新思考電機有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】萩原 一嘉
【審査官】越河 勉
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-217575(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109212712(CN,A)
【文献】特開2020-095216(JP,A)
【文献】特開2016-014703(JP,A)
【文献】特開2018-173583(JP,A)
【文献】特開2018-106168(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/02-7/16
G03B 5/00-5/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズ支持体を有する移動体と、
前記移動体をレンズの光軸方向に移動自在に支持するベースと、を有し、
前記ベースは、樹脂で形成され、前記レンズの光軸方向から見て四角板形状のベース本体と、前記ベース本体に埋め込まれた切れ目のない四角形環状の金属部材とを有し、
前記金属部材は、前記四角形環状4つの辺の各辺から外方に向けて突出する突起部を有しており、前記突起部の端面のみが前記ベース本体の側面から露出しており、
前記ベース本体は、前記ベース本体の四隅のそれぞれに前記光軸方向へ立設された立設部を有し、前記立設部の周囲にフレキシブルプリント基板が固定されており、前記フレキシブルプリント基板は外部と電気接続される端子部を有している
レンズ駆動装置。
【請求項2】
前記突起部は、前記四角形環状の金属部材の4つの辺の各辺から外方に向けて真っ直ぐに突出しており、前記ベース本体の側面から露出している前記端面と、前記ベース本体に埋め込まれた状態で前記辺と前記端面とを接続する2つの側面と、を有している請求項1記載のレンズ駆動装置。
【請求項3】
前記端面は、製造時に前記四角形環状の金属部材の4つの辺の各辺がつなぎ部を介して取付け枠に接続されており、前記樹脂によって前記ベース本体に埋め込まれて冷却された後に、前記つなぎ部が切断されることによって形成された切断面である請求項1記載のレンズ駆動装置。
【請求項4】
前記立設部は、ベース本体側の基端部が先端部側よりも幅が広く形成されている請求項記載のレンズ駆動装置。
【請求項5】
前記立設部は、前記レンズの光軸方向と直交する方向で直角方向に折り曲げられている請求項記載のレンズ駆動装置。
【請求項6】
前記金属部材には、前記移動体を移動自在に支持するための案内軸が固定されている請求項1記載のレンズ駆動装置。
【請求項7】
前記四角形環状の金属部材の角部は、前記レンズの光軸方向から見て、前記立設部と重なっている請求項記載のレンズ駆動装置。
【請求項8】
請求項1から7いずれか記載のレンズ駆動装置と、前記レンズ支持体に支持されたレンズと、を有するカメラ装置。
【請求項9】
請求項8記載のカメラ装置を有する電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズ駆動装置、カメラ装置、及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話やスマートフォン等の電子機器には、小型のカメラ装置が搭載されている。この種の小型カメラとして、例えば特許文献1に示すように、オートフォーカス機能を備えたものが知られている。
【0003】
【文献】特開2019-78850号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1のレンズ駆動装置は、レンズ支持体を備えた移動体と、この移動体をレンズの光軸方向に移動自在に支持するベースとを有する。ベースは、樹脂製のベース本体に金属部材を埋め込んで成形されている。
【0005】
しかしながら、ベース成型時においては、樹脂製のベース本体と金属部材とで熱収縮率が異なり、熱変形しやすいという問題点があった。
【0006】
本発明は、上記従来の問題点を解消し、熱変形しにくいベースを有するレンズ駆動装置、カメラ装置、及び電子機器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様はレンズ駆動装置であり、このレンズ駆動装置は、レンズ支持体を有する移動体と、前記移動体をレンズの光軸方向に移動自在に支持するベースと、を有し、前記ベースは、樹脂で形成され、前記レンズの光軸方向から見て四角板形状のベース本体と、前記ベース本体に埋め込まれた環状の金属部材とを有し、前記金属部材は、四角形の各辺に外方に向けて前記ベース本体から露出する突起部が形成されている。
【0008】
好適には、前記ベース本体は、前記ベース本体の四隅のそれぞれに前記移動体方向へ立設された立設部を有する。
【0009】
また、好適には、前記立設部は、ベース本体側の基端部が先端部側よりも幅が広く形成されている。
【0010】
また、好適には、前記立設部は、前記レンズの光軸方向と直交する方向で直角方向に折り曲げられている。
【0011】
また、好適には、前記立設部は、フレキシブルプリント基板が取り付けられている。
【0012】
また、好適には、前記金属部材には、前記移動体を移動自在に支持するための案内軸が固定されている。また、前記金属部材は四角形をなし、この四角形の角部は、前記レンズの光軸方向から見て、前記立設部と重なるようにしてもよい。
【0013】
本発明の他の態様はカメラ装置であり、このカメラ装置は、前記レンズ駆動装置と、前記レンズ支持体に支持されたレンズと、を有する。
【0014】
本発明の他の態様は電子機器であり、この電子機器は、前記カメラ装置を有する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、四角板状の樹脂製のベース本体に埋め込まれた金属部材のベース本体の各辺に外方に向けてベース本体から露出する突起部を形成した。ベース製造時に金属部材は各辺の突起部でベースの外部の部分に支えられた状態で冷却されるので、樹脂製のベース本体と金属部材に熱収縮率に差があっても、ベースの熱変形を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施形態のカメラ装置10を分解して斜め上方から見た場合の分解斜視図である。
図2図1のカメラ装置10を構成する移動体18を分解して斜め上方から見た場合の分解斜視図である。
図3図2の移動体18を斜め下方から見た場合の分解斜視図である。
図4】本発明の実施形態のカメラ装置10に用いる固定体16の一部を、斜め上方から見た場合の分解斜視図である。
図5図4の固定体16に取り付けられるフレキシブルプリント基板78の斜視図である。
図6図2の移動体18を上方から見た場合の平面図である。
図7図7(A)は、図6のVIIA-VIIA線断面図であり、図7(B)は図6のVIIB-VIIB線断面図である。
図8図8(A)は、図7(A)のVIIIA部分の拡大断面図、図8(B)は、図7(A)のVIIIB部分の拡大断面図である。
図9図9(A)は、図7(B)のIXA部分の拡大断面図、図9(B)は、図7(B)のIXB部分の拡大断面図である。
図10】本実施形態の光軸方向案内機構102を上方から見た拡大平面図である。
図11】本実施形態のベースを上方斜めから透視して見た斜視図である。
図12】本実施形態のベースの断面図である。
図13】本実施形態のベース製造時における金属材料を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態は、本発明のレンズ駆動装置、カメラ装置、及び電子機器を例示して示すものであり、本発明を以下の実施形態に限定することを意図するものではない。
【0018】
図1は、本発明の実施形態に係るカメラ装置10を示す。カメラ装置10は、携帯電話やスマートフォン等の電子機器に搭載されるもので、レンズ駆動装置12と、このレンズ駆動装置12に装着されたレンズ14と、を有する。
【0019】
なお、以下の説明においては、便宜上、レンズ14の光軸方向をZ方向、Z方向と直交する一方向をX方向、Z方向とX方向の両方と直交する方向をY方向と呼ぶものとする。また、光軸の被写体側(図1における上方に相当)を上側、その反対側であって図示しない画像センサが配置される側を下側と呼ぶものとする。
【0020】
レンズ駆動装置12は、固定体16と、この固定体16に対して光軸方向に移動自在に支持された移動体18と、を有する。移動体18は固定体16の内部に配置される。
【0021】
移動体18は、図2図3に示すように、レンズ14を支持するためのレンズ支持体20と、このレンズ支持体20の周囲を囲む枠体である第1枠体22とを有する。レンズ支持体20及び第1枠体22は、上方から見た外形が略四角形状となっている。
【0022】
レンズ支持体20には、内側に、Z方向から見て円形のレンズ取付け用孔24が上側から下側を貫通して形成される。このレンズ取付け用孔24にはレンズ14が取り付けられる。
【0023】
第1枠体22は、上方から見た外形がそれぞれ略四角形状をなす第1移動体プレート26、第2移動体プレート28、及び第1カバー30を含む。第1移動体プレート26と第2移動体プレート28は、例えば液晶ポリマー(LCP)、ポリアセタール、ポリアミド、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート等のエンジニアリングプラスチックで形成される。第1カバー30は、例えば金属で形成される。第1移動体プレート26、第2移動体プレート28、及び第1カバー30には、それぞれ光を通過させるための開口32、34、36がそれぞれ上側から下側を貫通するように形成されている。開口32、34、36はそれぞれ略円形である。
【0024】
第1枠体22は、レンズ支持体20を第1方向であるX方向及び第2方向であるY方向の両方に移動自在に支持している。具体的には、レンズ支持体20及び第1枠体22には、案内機構である直交方向案内機構38が設けられ、枠体を構成する所定の部材である第2移動体プレート28に対してレンズ支持体20をX方向及びY方向の両方に移動自在に支持する。この直交方向案内機構38は、Z方向の一方側(下側)に設けられた第1案内機構40と、Z方向の他方側(上側)に設けられた第2案内機構42と、から構成される。
【0025】
第1案内機構40は、第1移動体プレート26の下面から-Z方向に突出して形成された下側案内突起44と、第2移動体プレート28の上面に、この下側案内突起が嵌まり込むように-Z方向に向けて凹んで形成された下側案内溝46と、から構成される。下側案内突起44と下側案内溝46は、第1移動体プレート26及び第2移動体プレート28の4つの角部近傍に、それぞれX方向に沿って延在するように形成されている。
【0026】
下側案内突起44と下側案内溝46は、それぞれX方向に延在しているため、X方向のみに相対移動が可能であり、Y方向への移動が規制される。従って、第1移動体プレート26は、第2移動体プレート28に対して、X方向のみに移動が可能であり、Y方向への移動が規制される。つまり、レンズ支持体20は、第1案内機構40によって、第1移動体プレート26とともに、第2移動体プレート28に対して、X方向に移動できる。
【0027】
さらに、下側案内突起44と下側案内溝46は、この第1移動体プレート26が移動する方向に対して直交する方向であるY方向の一方側と他方側に配置されている。具体的には、下側案内突起44は、Y方向の一方側(-Y側)に設けられる2つの下側案内突起44A、44A、及びY方向の他方側(+Y側)に設けられる2つの下側案内突起44B、44Bを有する。また、下側案内溝46は、Y方向の一方側に設けられる2つの下側案内溝46A、46A、及びY方向の他方側に設けられる2つの下側案内溝46B、46Bを有する。
【0028】
図7(A)、図8(B)に示すように、X方向から見た場合、Y方向の一方側の下側案内溝46A、46Aは、V字形状であり、下側案内溝46A、46Aの幅が溝底に向かって減少する形状であり、溝底に向かって幅狭となるように傾斜している。また、下側案内突起44A、44Aは半円形状である。これにより、下側案内突起44A、44Aの弧状の部分と下側案内溝46A、46Aの直線状の部分とは、互いに2箇所で線接触する。そして、2箇所の線接触する位置と溝底の間の領域において、下側案内突起44A、44Aと下側案内溝46A、46Aとの間に空間が形成されている。下側案内突起44A、44Aの断面形状は方形状であってもよく、その場合、下側案内溝46A、46Aの断面形状はV字形状、U字形状であってもよい。2箇所で線接触することにより、下側案内溝46A、46Aに対する下側案内突起44A、44AのY方向の位置がブレることなく決まる。
【0029】
また、図7(A)、図8(A)に示すように、X方向から見た場合、Y方向の他方側の下側案内突起44B、44Bと下側案内溝46B、46Bは、それぞれ方形状である。すなわち、下側案内溝46B、46Bはその溝底に下側案内突起44B、44Bと下側案内溝46B、46Bとが延在する方向と直交する方向に延在する平面を有し、下側案内突起44B、44Bはこの平面と面接触する平面を有する。これにより、下側案内突起44B、44Bと下側案内溝46B、46Bは、Y方向の他方側において互いに面接触する。これにより、第1移動体プレート26の第2移動体プレート28に対するZ方向の高さを決めることができる。そして、下側案内溝46B、46Bが有する平面の方が下側案内突起44B、44Bよりも幅広い。そのため、下側案内突起44A、44Aと下側案内突起44B、44Bの間の距離と、下側案内溝46A、46Aと下側案内溝46B、46Bの間の距離とが、製造上の誤差で異なっていても、組み立てることができ、スムーズに第1移動体プレート26を移動させることができる。
【0030】
第2案内機構42は、第1移動体プレート26の上面から+Z方向に突出して形成された上側案内突起48と、レンズ支持体20の下面に、この上側案内突起48が嵌まり込むように+Z方向に向けて凹んで形成された上側案内溝50と、から構成される。上側案内突起48と上側案内溝50は、第1移動体プレート26及びレンズ支持体20の4つの角部近傍に、それぞれY方向に沿って延在するように形成されている。
【0031】
上側案内突起48と上側案内溝50は、それぞれY方向に延在しているため、Y方向のみに相対移動可能であり、X方向への移動が規制される。従って、レンズ支持体20は、第1移動体プレート26に対して、Y方向のみに移動が可能であり、X方向への移動が規制される。つまり、レンズ支持体20は、第2案内機構42によって、第1移動体プレート26に対してY方向に移動できる。これにより、レンズ支持体20は、第2移動体プレート28に対して、X方向及びY方向に移動できる。また、第1案内機構40と第2案内機構42は互いに独立した案内機構となっており、X-Y方向に対して同時に駆動したとしてもZ方向周りの回転方向への力が作用せず、レンズ支持体20が回転方向へ振動するのを防止できる。
【0032】
さらに、上側案内突起48と上側案内溝50は、このレンズ支持体20が移動する方向に対して直交する方向であるX方向の一方側と他方側に配置されている。具体的には、上側案内突起48は、X方向の一方側(-X側)に設けられる2つの上側案内突起48A、48A、及びX方向の他方側(+X側)に設けられる2つの上側案内突起48B、48Bを有する。また、上側案内溝50は、X方向の一方側に設けられる2つの上側案内溝50A、50A、及びX方向の他方側に設けられる2つの上側案内溝50B、50Bを有する。
【0033】
図7(B)、図9(A)に示すように、Y方向から見た場合、X方向の一方側の上側案内溝50A、50Aは、V字形状であり、上側案内溝50A、50Aの幅が溝底に向かって減少する形状であり、溝底に向かって幅狭となるように傾斜している。また、上側案内突起48A、48Aは半円形状である。これにより、上側案内突起48A、48Aの弧状の部分と上側案内溝50A、50Aの直線状の部分とは、互いに2箇所で線接触する。そして、2箇所の線接触する位置と溝底の間の領域において、上側案内突起48A、48Aと上側案内溝50A、50Aとの間に空間が形成されている。上側案内突起48A、48Aの断面形状は方形状であってもよく、その場合、上側案内溝50A、50Aの断面形状はV字形状、U字形状であってもよい。2箇所で線接触することにより、上側案内突起48A、48Aに対する上側案内溝50A、50AのX方向の位置がブレることなく決まる。
【0034】
また、図7(B)、図9(B)に示すように、Y方向から見た場合、X方向の他方側の上側案内突起48B、48Bと上側案内溝50B、50Bは、それぞれ方形状である。すなわち、上側案内溝50B、50Bはその溝底に上側案内突起48B、48Bと上側案内溝50B、50Bとが延在する方向と直交する方向に延在する平面を有し、上側案内突起48B、48Bはこの平面と面接触する平面を有する。これにより、上側案内突起48B、48Bと上側案内溝50B、50Bは、X方向の他方側において互いに面接触する。これにより、レンズ支持体20の第1移動体プレート26に対するZ方向の高さを決めることができる。そして、上側案内溝50B、50Bが有する平面の方が上側案内突起48B、48Bよりも幅広い。そのため、上側案内突起48A、48Aと上側案内突起48B、48Bの間の距離と、上側案内溝50A、50Aと上側案内溝50B、50Bの間の距離とが、製造上の誤差で異なっていても、組み立てることができ、スムーズにレンズ支持体20を移動させることができる。
【0035】
レンズ支持体20の外側には、板状の第1磁石52、第2磁石54が固定される。第1磁石52は、Y方向の一方側である下側案内突起44A、44Aと下側案内溝46A、46Aとが線接触している側に、その板面をY方向に向けて配置されている。第2磁石54は、X方向の一方側である上側案内突起48A、48Aと上側案内溝50A、50Aとが線接触している側に、その板面をX方向に向けて配置されている。第1磁石52は、Y方向を向いた一方の板面にS極が設けられ、他方の板面にN極が設けられている。第2磁石54は、X方向を向いた一方の板面にS極が設けられ、他方の板面にN極が設けられている。
【0036】
第2移動体プレート28の下面には、それぞれ磁性体からなる第1磁性部材56と第2磁性部材58が配置される。第1磁性部材56は、Y方向の一方側に、第1磁石52と平行になるようにX方向に沿って配置される。第2磁性部材58は、X方向の一方側に、第2磁石54と平行になるようにY方向に沿って配置される。したがって、第1磁性部材56は、第1磁石52と第2移動体プレート28を挟んでZ方向で対向し、同様に第2磁性部材58は、第2磁石54と第2移動体プレート28を挟んでZ方向で対向する。
【0037】
Y方向の一方側では、第1磁石52と第1磁性部材56とが、一方の下側案内突起44A、下側案内溝46Aの組と他方の下側案内突起44A、下側案内溝46Aの組との間に配置されて、互いに引き合う。そのため、互いに線接触する下側案内突起44A、44Aと下側案内溝46A、46Aは、第1磁石52と第1磁性部材56が他の位置に配置されるのと比べてより強く接触するので、Y方向の位置決めをより正確に行うことができる。
【0038】
X方向の一方側では、第2磁石54と第2磁性部材58とが、一方の上側案内突起48A、上側案内溝50Aの組と他方の上側案内突起48A、上側案内溝50Aの組との間に配置されて、互いに引き合う。そのため、互いに線接触する上側案内溝50A、50Aと上側案内突起48A、48Aは、第2磁石54と第2磁性部材58が他の位置に配置されるのと比べてより強く接触するので、X方向の位置決めをより正確に行うことができる。
【0039】
第1カバー30の四隅には、取付け部60がZ方向下方へ延びるように設けられている。それぞれの取付け部60には、四角形状の取付け孔62が形成されている。また、第2移動体プレート28の四隅には、被取付け部64が側方に突出するように形成されている。取付け孔62は被取付け部64に嵌り、これにより第1カバー30が第2移動体プレート28に固定される。なお、この第1カバー30の下面とレンズ支持体20の上面との間は、図7(A)、図7(B)に示すように、公差等で生じる誤差を含んだ必要最小限の隙間となっている。これにより、衝撃を受けたような場合においても、レンズ支持体20と第1移動体プレート26と第2移動体プレート28が、互いに過度に離れないように規制される。
【0040】
第2移動体プレート28には、第1磁石52が設けられている側とは反対側の+Y側の外面に、板状の第3磁石66がその板面をY方向に向けて固定されている。この第3磁石66は、Z方向の上側と下側に2分割されており、板面にS極とN極が設けられ、その極性が上下で逆になるように配置されている。
【0041】
図1に示すように、固定体16は、ベース80と第2カバー82を有する第2枠体68と、この第2枠体68に取り付けられる第3磁性部材70、第1コイル72、第2コイル74、第3コイル76、及びフレキシブルプリント基板78を含む。ベース80と第2カバー82はそれぞれ樹脂又は非磁性の金属から構成され、Z方向上方から見て四角形状である。ベース80の外側に第2カバー82が嵌め込まれることによって第2枠体68が構成される。この第2枠体68は、移動体18の第1枠体22の周囲を囲む。ベース80及び第2カバー82には、光を通過させる、或いはレンズ14を挿入するための通孔84、86が形成されている。
【0042】
また、図1図4に示すように、ベース80の4つの側面にはそれぞれZ方向の上方側が開放された開口部88が形成されている。また、ベース80の3つの側面を囲むように、上述のフレキシブルプリント基板78が配置される。即ち、フレキシブルプリント基板78は、ベース80のY方向に直交する2つの側面と、X方向に直交する1つの側面(-X側)を囲むようにコの字状に折り曲げられる。
【0043】
フレキシブルプリント基板78の内側には、Y方向に直交する2面に第1コイル72、第3コイル76が固定され、X方向に直交する1面に第2コイル74が固定される。フレキシブルプリント基板78のZ方向下部には、端子部90が設けられ、この端子部90を介して電流供給、信号出力等が行われる。
【0044】
さらに、図5に示すように、フレキシブルプリント基板78の内側にあって、第1コイル72の中側にはY方向位置検知素子92が配置され、第2コイル74の中側にはX方向位置検知素子94が配置され、第3コイル76に隣接した位置にはZ方向位置検知素子96が配置されている。
【0045】
第1コイル72、Y方向位置検知素子92は、開口部88内においてベース80の内側に臨み、第1磁石52に対向するように配置されている。同様に、第2コイル74、X方向位置検知素子94は、開口部88内において、第2磁石54に対向するように配置されている。また、第3コイル76、Z方向位置検知素子96は、開口部88内において、第3磁石66に対向するように配置されている。
【0046】
また、図1に示すように、フレキシブルプリント基板78の、第3コイル76が固定された部分の外側には、磁性体からなる第3磁性部材70が第3コイル76と平行に配置される。第3磁性部材70は、フレキシブルプリント基板78を介して、ベース80の側面に密着して固定される。この第3磁性部材70は、フレキシブルプリント基板78及び第3コイル76を間に挟んで第3磁石66に対向している。
【0047】
第3磁性部材70には、第3磁石66からの磁束が流れ、第3磁石66と第3磁性部材70との間には吸引力が生じる。このため、移動体18には、固定体16に対してY方向の吸引力が作用する。
【0048】
第3磁性部材70には、Z方向に延在する連結部98によってX方向に2分割された2つの分割開口100、100が形成されている。連結部98はX方向に延在していてもよく、その場合、分割開口100、100は、Z方向に2分割される。第3磁性部材70は、磁性を有するステンレススチール、あるいはメッキ処理を施した鉄で形成される。第3磁性部材70に分割開口100、100を形成することにより、第3磁石66との間の吸引力を所望の強さに調節できる。つまり、第3磁石66と第3磁性部材70との吸引力を、第3コイル76と第3磁石66とのZ方向への駆動力に対して相対的に弱めることが可能となる。これにより、Z方向への移動に必要となる駆動力を小さくすることができるとともに、外部から衝撃が加わったときに後述する光軸方向案内機構102に与えるダメージを小さくすることができる。
【0049】
図1に示すように、移動体18は、固定体16に対して光軸方向案内機構102によりZ方向に移動可能に支持される。つまり、光軸方向案内機構102は、第2枠体68に対して第1枠体22をZ軸方向に移動自在に案内する。即ち、これにより、レンズ支持体20は、第1枠体22とともに光軸方向に移動自在に案内される。光軸方向案内機構102は、第3案内機構104と第4案内機構106により構成される。第3案内機構104は、第2枠体68に設けられる+X側案内軸108と、移動体18に設けられ、+X側案内軸108を収容する+X側案内孔110とから構成される。第4案内機構106は、第2枠体68に設けられる-X側案内軸112と、移動体18に設けられる-X側案内溝114とから構成される。
【0050】
+X側案内軸108と-X側案内軸112は、本実施形態においては、Z方向へ延在する円柱の形をとり、例えばセラミック、金属又は樹脂から形成される。+X側案内軸108と-X側案内軸112は、ベース80の、第3コイル76が配置される側面内側の角部近傍に配置される。なお、+X側案内軸108と-X側案内軸112は、X-Y方向断面において円形としたが、一部のみが円形であってもよいし、楕円形であってもよい。四角形等の多角形状であってもよい。
【0051】
ベース80の通孔84の周囲の底面部の、第3コイル76が配置される側面の角部近傍には、円筒状の挿入溝が形成された下側固定部116、116が設けられる。この下側固定部116、116には、+X側案内軸108と-X側案内軸112の下端が挿入固定される。また、上述した第3磁性部材70の上端はX方向両端においてY方向に折り曲げられた上側固定部118、118が形成される。それぞれの上側固定部118には挿入孔120が形成される。この挿入孔120、120に+X側案内軸108、-X側案内軸112の上端が挿入固定される。これにより、+X側案内軸108、-X側案内軸112がベース80に固定される。第3磁性部材70は+X側案内軸108、-X側案内軸112の支持機能を兼ねており、別部品を用いて支持する場合と比較して部品点数を少なくでき、+X側案内軸108、-X側案内軸112を安定して支持できる。
【0052】
図2図6に示すように、+X側案内孔110は第2移動体プレート28のZ方向の上面から下面を貫通する中空の通し孔として形成される。また、-X側案内溝114は、第2移動体プレート28のZ方向の上面から下面を貫通するように延在し、-X方向が外部に向けて開いた溝として形成される。
【0053】
図6図10に示すように、+X側案内孔110のX-Y平面における断面形状は、-Y側は、固定体側である+Y側に向けて開いたV字形状となっており、+Y側は方形である。+Y側の断面形状は半円形状であってもよい。
【0054】
移動体18に取り付けられた第3磁石66と第3磁性部材70との間の吸着力により、移動体18は+Y方向に引き寄せられる。したがって、少なくとも+X側案内孔110の-Y側でV字形状を形成する案内面110A、110Aが、Z方向から見た場合に、+X側案内軸108の外表面に2箇所で線接触する。これにより、移動体18の固定体16に対するX方向及びY方向の位置決めを正確に行うことが可能となる。なお、+X側案内孔110の方形部分は、+X側案内軸108の外表面とはごくわずかな隙間を設けて線接触しないことが望ましいが、線接触してもかまわない。
【0055】
また、-X側案内溝114は、X-Y平面の断面において、Y方向で対向する2つの壁面から構成される。これら2つの壁面には、曲面状にY方向に突出する突出部114A、114Aが形成される。図10に示すように、少なくとも-Y側の突出部114Aの中央が、-X側案内軸112の外表面に接触する。すなわち、-X側案内溝114と-X側案内軸112は、互いに少なくとも1点で点接触し、これにより摩擦抵抗が小さくなっている。なお、+Y側の突出部114Aは、-X側案内軸112の外表面とはごくわずかな隙間を設けて点接触しないことが望ましいが、線接触してもかまわない。このように、移動体18は、+X側案内軸108、-X側案内軸112に磁力によって押圧されているので、+X側案内軸108、-X側案内軸112に対して傾かない。さらに、レンズ14が大きくなると、レンズ14を搭載した移動体18の重量も大きくなる。この場合、従来、この磁力による必要な吸着力も大きくする必要があり、その結果、摩擦力が増えて、レンズの重量の増加分以上に、駆動力を大きくしなければならなかった。しかし、本実施形態において、案内軸構造としているために、この磁力による必要な吸着力を大きくする必要がなく、駆動力も小さくて済む。
【0056】
上記レンズ駆動装置12において、第1磁石52、第1コイル72は第2移動体プレート28に対してレンズ支持体20をY軸方向に移動させる駆動機構を構成している。第1コイル72に通電すると、第1コイル72にはX方向の電流が流れる。第1コイル72に対向する第1磁石52はZ方向の成分を有する磁束を生じさせているから、第1コイル72にはY方向のローレンツ力が作用する。第1コイル72はベース80に固定されているから、第1磁石52に働くその反作用がレンズ支持体20に対する駆動力となる。レンズ支持体20は第2案内機構42に案内されてY方向に移動する。
【0057】
Y方向にレンズ支持体20が移動した後に、第1コイル72への通電を中止する。すると、第1磁石52と第1磁性部材56との間の吸引力、第2磁石54と第2磁性部材58との間の吸引力、下側案内突起44と下側案内溝46との間の摩擦、及び上側案内突起48と上側案内溝50との間の摩擦により、レンズ支持体20は、第1コイル72への通電を中止した際の位置に停止する。
【0058】
また、第2磁石54、第2コイル74は第2移動体プレート28に対してレンズ支持体20を第1移動体プレート26とともにX軸方向に移動させる駆動機構を構成している。第2コイル74に通電すると、第2コイル74にはY方向の電流が流れる。第2コイル74に対向する第2磁石54はZ方向の成分を有する磁束を生じさせているから、第2コイル74にはX方向のローレンツ力が作用する。第2コイル74はベース80に固定されているから、第2磁石54に働くその反作用がレンズ支持体20及び第1移動体プレート26に対する駆動力となる。レンズ支持体20及び第1移動体プレート26は、第1案内機構40に案内されてX方向に移動する。
【0059】
X方向にレンズ支持体20と第1移動体プレート26が移動した後に、第2コイル74への通電を中止する。すると、第1磁石52と第1磁性部材56との間の吸引力、第2磁石54と第2磁性部材58との間の吸引力、下側案内突起44と下側案内溝46との間の摩擦、及び上側案内突起48と上側案内溝50との間の摩擦により、レンズ支持体20は第1移動体プレート26とともに、第2コイル74への通電を中止した際の位置に停止する。
【0060】
第3磁石66、第3コイル76、及び第3磁性部材70は固定体16に対して移動体18を光軸方向に移動させる駆動機構を構成している。第3コイル76に通電すると、第3コイル76にはX方向の電流が流れる。第3コイル76に対向する第3磁石66はY方向の磁束を生じさせているから、第3コイル76にはZ方向のローレンツ力が作用する。第3コイル76はベース80に固定されているから、第3磁石66に働くその反作用が移動体18に対する駆動力となり、移動体18は、光軸方向案内機構102に案内されてZ方向へ移動する。即ち、レンズ支持体20は、光軸方向へ移動する。
【0061】
移動体18がZ方向に移動した後に第3コイル76への通電を中止すると、第3磁石66と第3磁性部材70との間の吸引力、及び+X側案内軸108と+X側案内孔110、-X側案内軸112と-X側案内溝114の摩擦により、移動体18に含まれるレンズ支持体20は第3コイルへの通電を中止した位置に停止する。
【0062】
ここで、カメラ装置10がY方向に衝撃を受けたとする。+X側案内軸108と+X側案内孔110、及び-X側案内軸112と-X側案内溝114は、離れたとしてもそれぞれわずかな距離だけ離れてすぐに元の位置に戻るので、ダメージはごく小さい。下側案内突起44A、44Bと下側案内溝46A、46B、及び上側案内突起48A、48Bと上側案内溝50A、50Bは、それぞれ接触状態を保つので、ダメージはほぼ無い。
【0063】
カメラ装置10がX方向に衝撃を受けたとする。+X側案内軸108と+X側案内孔110、-X側案内軸112と-X側案内溝114、下側案内突起44A、44Bと下側案内溝46A、46B、及び上側案内突起48A、48Bと上側案内溝50A、50Bは、それぞれ接触状態を保つので、ダメージはほぼ無い。
【0064】
カメラ装置10がZ方向に衝撃を受けたとする。+X側案内軸108と+X側案内孔110、及び-X側案内軸112と-X側案内溝114は、それぞれ接触状態を保つので、ダメージはほぼ無い。下側案内突起44A、44Bと下側案内溝46A、46B、及び上側案内突起48A、48Bと上側案内溝50A、50Bは、離れたとしてもそれぞれわずかな距離だけ離れてすぐに元の位置に戻るとともに、接触状態が線接触又は面接触であるので、ダメージはほぼ無い。
【0065】
このように、カメラ装置10がどの方向に衝撃を受けたとしても、本実施形態のレンズ駆動装置12は、ダメージがごく小さいか、ほぼ無い。従って、レンズ支持体20のX、Y、Z方向へのスムーズな移動を確保できる。
【0066】
上記実施形態においては、第1移動体プレート26に下側案内突起44、上側案内突起48を設け、これらに対向する第2移動体プレート28に下側案内溝46、レンズ支持体20に上側案内溝50を形成した例を説明した。しかしながら、突起と溝を入れ替えて、第1移動体プレート26の上下の面に案内溝を形成し、これに対向するように、第2移動体プレート28とレンズ支持体20に案内突起を形成してもよい。また、上側のみ又は下側のみを入れ替えてもよい。
【0067】
また、上記実施形態では、第1コイル72、第2コイル74、第3コイル76、及び第3磁性部材70を固定体16に取り付け、第1磁石52、第2磁石54、第3磁石66を移動体18に取り付けた例を説明したが、第1コイル72、第2コイル74、第3コイル76、及び第3磁性部材70を移動体18に取り付け、第1磁石52、第2磁石54、第3磁石66を固定体16に取り付けてもよい。
【0068】
さらに、ベース80について、図11から図13を用いて詳述する。
【0069】
ベース80は、樹脂で形成され、光軸方向から見て四角板状のベース本体122と、このベース本体122にインサート成形により埋め込まれた金属部材124とを有する。ベース本体122には円形の通孔84が形成されている。また、ベース本体122の四隅には、+Z側に立設された立設部126が形成されている。この立設部126間が前述した開口部88となっている。また、立設部126は、XY平面において、90度に折り曲げられた板状を呈している。この立設部126の周囲に前述したフレキシブルプリント基板78が固定される。
【0070】
また、立設部126は、本体部122側である基端部126A側が先端部126B側よりも幅が広く形成されている。この実施形態においては、基端部126Aの板状の厚さ方向の幅が内側の方向に広くなっているが、X又はY方向の長さ方向の幅を広くするようにしてもよい。
【0071】
金属部材124は、四角枠状の板部材であり、ベース本体122に埋め込まれている。この金属部材124の2つの角部付近には、前述した下側固定部116、116を構成する固定用孔128、128が形成されている。この固定用孔128、128に前述した案内軸108、112の下端が嵌め込まれるようにして固定される。金属部材124の各角部は幅広になっており、光軸方向から見たときに、立設部126と重なっている。金属部材124の各角部の幅広の部分は、立設部126の内側に幅広くなっている部分のみと重なっていても構わない。また、固定用孔128が設けられている角部は、90度に折り曲げられた立設部126の両方の板状部分と重なっていることが望ましい。
【0072】
個々の金属部材124は、図13に示すように、製造時においては、四角枠状の取付け枠130の1つの単位内において、四角枠の各辺でつなぎ部132を介して取付け枠130に接続されている。つなぎ部132は、金属部材124の四角枠の各辺に例えば2つずつ設けられている。つなぎ部132は、一つの辺に1つでもよいが、2以上設けることがベース80の熱変形を少なくする上で好ましい。取付け枠130は、所定の1方向又は直交する2方向に複数の単位が連結して設けられており、隣り合う単位では枠を共用している。
【0073】
金属部材124は、図13に示す状態から2点鎖線で示す部分にベース本体122を構成する樹脂が注入され、冷却後、つなぎ部132が2点鎖線で示す部分で切断される。金属部材124には、切断された結果として4辺それぞれ外側に突出する突起部134が形成される。
【0074】
この突起部134は、図11に示すように、ベース本体122の4つの辺において外側へ露出するように残存することになる。
【0075】
ベース80のインサート成形時には、ベース80は、熱収縮するようになるが、ベース80の4辺には、各辺に熱で変形しにくい取付け枠130につながった2つの突起部134があるので、どの辺においても冷却中に熱で変形しにくい取付け枠130に支えられる。そのため、ベース80の樹脂部分と金属部材124に熱収縮率に差があっても、ベース80の製造時における熱変形を少なくすることができる。
【0076】
また、ベース80の熱変形が少ないと、立設部126の変形が少なく、フレキシブルプリント基板78の取付け精度を高めることができる。さらに本実施形態においては、金属部材124が立設部126と重なるようにしてあるため、さらに立設部126が傾きにくい。また、ベース80の熱変形が少ないと、案内軸108、112の傾きを少なくすることができる。同時に、立設部126に密着して固定されて案内軸108、112を支持する第3磁性部材70の姿勢もより安定するので、案内軸108、112の傾きをより小さくできる。
【0077】
なお、上記実施形態では、カメラ装置10に用いられるレンズ駆動装置12について説明したが、本発明は、他の装置にも適用可能である。
【符号の説明】
【0078】
10 カメラ装置
12 レンズ駆動装置
14 レンズ
16 固定体
18 移動体
20 レンズ支持体
22 第1枠体
24 レンズ取付け用孔
26 第1移動体プレート
28 第2移動体プレート
30 第1カバー
32、34、36 開口
38 直交方向案内機構
40 第1案内機構
42 第2案内機構
44、44A、44B 下側案内突起
46、46A、46B 下側案内溝
48、48A、48B 上側案内突起
50、50A、50B 上側案内溝
52 第1磁石
54 第2磁石
56 第1磁性部材
58 第2磁性部材
60 取付け部
62 取付け孔
64 被取付け部
66 第3磁石
68 第2枠体
70 第3磁性部材
72 第1コイル
74 第2コイル
76 第3コイル
78 フレキシブルプリント基板
80 ベース
82 第2カバー
84、86 通孔
88 開口部
90 端子部
92 Y方向位置検知素子
94 X方向位置検知素子
96 Z方向位置検知素子
98 連結部
100 分割開口
102 光軸方向案内機構
104 第3案内機構
106 第4案内機構
108 +X側案内軸
110 +X側案内孔
110A 案内面
110B Y側面
112 -X側案内軸
114 -X側案内溝
114A 突出部
116 下側固定部
118 上側固定部
120 挿入孔
122 ベース本体
124 金属部材
126 立設部
126A 基端部
126B 先端部
128 固定用孔
130 取付け枠
132 つなぎ部
134 突起部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13