(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-02
(45)【発行日】2023-08-10
(54)【発明の名称】農業機械の作業面積の計算方法及び農業機械の作業面積の計算システム
(51)【国際特許分類】
G01C 15/00 20060101AFI20230803BHJP
【FI】
G01C15/00 104C
G01C15/00 102C
(21)【出願番号】P 2021206902
(22)【出願日】2021-12-21
【審査請求日】2021-12-21
(31)【優先権主張番号】202110128125.2
(32)【優先日】2021-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521294313
【氏名又は名称】豊疆智能(深▲セン▼)有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】孟 貴平
(72)【発明者】
【氏名】王 高棟
(72)【発明者】
【氏名】孫 ▲べい▼
(72)【発明者】
【氏名】丁 継
(72)【発明者】
【氏名】呉 迪
【審査官】山▲崎▼ 和子
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第107036572(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第111915631(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第107766808(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 15/00-15/14
G01B 21/00-21/32
A01C 7/00-9/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
農業機械の
作業面積の計算方法であって、
(A)
作業面積を計算すべき期間内に、農業機械の座標データ及び対応する時間データを取得するステップと、
(B)前記農業機械の座標データ及び時間データをフィルタリングし、前記農業機械の正常作業状態に属しない座標データ及び時間データを除去するステップと、
(C)フィルタリング後の前記農業機械の座標データ及び時間データに対してクラスタリング分割を行い、
複数のクラスタリングデータブロックを取得し、前記クラスタリングデータブロックにおいて、対応するデータの密度が低く且つ時間が不規則であれば、前記クラスタリングデータブロックは非作業状態でのデータと判断され、これにより、前記農業機械の正常作業状態と非作業状態でのデータを区別し、前記農業機械の作業状態での座標データ及び時間データを残すステップと、
(D)農業機械の作業状態での座標データ及び時間データに基づいて対応する多角形を形成し、複数の多角形の面積に基づいて前記農業機械の
作業面積を得るステップとを含む、ことを特徴とする農業機械の
作業面積の計算方法。
【請求項2】
前記ステップ(B)は、
(B.1)重複した前記農業機械の座標データ及び時間データを除去するステップと、
(B.2)前記農業機械の座標データ及び時間データをフィルタリングし、異常データを除去するステップとを含む、請求項1に記載の
作業面積の計算方法。
【請求項3】
前記ステップ(B.1)は、
(b.1)前記農業機械の座標データを時間順に並べ替えるステップと、
(b.2)前記農業機械の座標データ及び時間順に対して重複を排除するステップとを含む、請求項2に記載の
作業面積の計算方法。
【請求項4】
前記ステップ(B.2)では、
作業面積を計算すべき作業エリアの座標範囲を予め設定し、前記座標範囲を超える座標データ及び時間データを除去する、請求項3に記載の
作業面積の計算方法。
【請求項5】
前記ステップ(B.2)では、予め設定された前記座標範囲のうち、経度データの範囲は[-90,90]、緯度データの範囲は[-
90,
90]である、請求項4に記載の
作業面積の計算方法。
【請求項6】
前記ステップ(B.2)では、isolation forestアルゴリズムを用いて前記農業機械の座標データに対して異常検出を行い、前記農業機械の座標データのうち、予め設定された前記座標範囲を超えるデータを除去する、請求項
4又は5に記載の
作業面積の計算方法。
【請求項7】
前記ステップ(C)では、T-DBSCANアルゴリズムを用いてフィルタリング後の前記農業機械の座標データ及び時間データに対してクラスタリング分割を行い、複数のクラスタリングデータブロックを得る、請求項1に記載の
作業面積の計算方法。
【請求項8】
アルゴリズムのコアパラメータの時間閾値τ、密度半径r、密度閾値εに対して、Hyperopt方法を呼び出して自動的に調整する、請求項7に記載の
作業面積の計算方法。
【請求項9】
前記ステップ(C)では、データの密度及び時間の規則性に基づいて前記農業機械の正常作業状態と非作業状態でのデータを区別し、データ密度が低く且つ時間が不規則なデータは、農業機械の非作業状態でのデータである、請求項8に記載の
作業面積の計算方法。
【請求項10】
前記ステップ(D)は、
(D.1)Graham Scanを用いて各々の作業クラスタリングデータブロックの座標データ及び時間データに対して境界検索を行い、対応する境界多角形を見付けるステップと、
(D.2)Buffer Unionアルゴリズムを用いて各多角形を重合し、重複面積部分を除去し、最終的に重複しない複数の多角形を生成するステップと、
(D.3)各多角形の頂点の経緯度座標に対して投影換算を行い、最小二乗法を用いて投影のepsgを検索し、最適な投影系を見付け、2次元座標に変換するステップと、
(D.4)多角形の2次元座標に基づいて、多角形面積計算式
を用いて各多角形の面積を計算し、加算して最終的な
作業面積を得るステップとを含む、請求項1に記載の
作業面積の計算方法。
【請求項11】
農業機械の
作業面積の計算システムであって、
作業面積を計算すべき期間内に、農業機械の座標データ及び対応する時間データを取得するデータ取得モジュールと、
前記データ取得モジュールに通信可能に接続され、前記農業機械の座標データ及び時間データをフィルタリングし、前記農業機械の正常作業状態に属しないデータを除去するデータフィルタリングモジュールと、
前記データフィルタリングモジュールに通信可能に接続され、フィルタリング後のデータに対してクラスタリング分割を行って、
複数のクラスタリングデータブロックを取得し、前記農業機械の正常作業状態での作業クラスタリングデータブロックを得るクラスタリング分割モジュールと、 前記クラスタリング分割モジュールに通信可能に接続され、前記クラスタリング分割モジュールによって生成された前記作業クラスタリングデータブロックに基づいて対応する多角形を生成する多角形生成モジュールと、
前記多角形生成モジュールに通信可能に接続され、前記多角形生成モジュールによって生成された多角形の面積に基づいて前記農業機械の最終的な
作業面積を得る面積計算モジュールとを含
み、
前記クラスタリング分割モジュールは、判断ユニットを含み、前記判断ユニットは、データの密度及び規則性に基づいて前記クラスタリングデータブロックの種類を判断して区分し、データ密度が低く且つ時間が不規則なクラスタリングデータブロックを非作業クラスタリングデータブロックと判断することを特徴とする農業機械の
作業面積の計算システム。
【請求項12】
前記農業機械の座標データは、経度データ及び緯度データとして実施される、請求項11に記載の農業機械の
作業面積の計算システム。
【請求項13】
前記データフィルタリングモジュールは、重複データ除去ユニット及び異常データ除去ユニットを含み
前記重複データ除去ユニットは、前記データ取得モジュールに通信可能に接続され、前記農業機械の経度データと緯度データを重複排除し、前記異常データ除去ユニットは、重複排除後の前記農業機械の座標データ及び時間データをフィルタリングし、異常データを除去する、請求項12に記載の農業機械の
作業面積の計算システム。
【請求項14】
前記重複データ除去ユニットは、前記農業機械の座標データを時間順に並べ替え、異なる時点で同じ経度データと緯度データが生じた場合、1つの時点及び対応する経度データと緯度データのみを残す、請求項13に記載の農業機械の
作業面積の計算システム。
【請求項15】
前記異常データ除去ユニットは、
作業面積を計算すべき作業エリアの座標範囲を予め設定し、前記農業機械の座標データが前記座標範囲を超える場合、前記異常データ除去ユニットは、前記座標範囲を超える経度データと緯度データが異常データであることを判断し、異常データを除去する、請求項14に記載の農業機械の
作業面積の計算システム。
【請求項16】
前記異常データ除去ユニットにより予め設定された経度データの範囲は[-90,90]、緯度データの範囲は[-
90,
90]である、請求項15に記載の農業機械の
作業面積の計算システム。
【請求項17】
前記異常データ除去ユニットは、isolation forestアルゴリズムを用いて前記農業機械の経度データと緯度データに対して異常検出を行い、前記農業機械の経度データと緯度データのうち、予め設定された前記座標範囲を超えるデータを除去する、請求項16に記載の農業機械の
作業面積の計算システム。
【請求項18】
前記クラスタリング分割モジュールは、クラスタリング分割ユニットと、判断ユニットと、実行ユニットとを含み、
前記クラスタリング分割ユニットは、前記データフィルタリングモジュールに通信可能に接続され、前記判断ユニットは、前記クラスタリング分割ユニットに通信可能に接続され、前記実行ユニットは、前記判断ユニットに通信可能に接続され、前記クラスタリング分割ユニットは、フィルタリング後の前記農業機械の座標データ及び時間データに対してクラスタリング分割を行い、複数のクラスタリングデータブロックを得、前記判断ユニットは、前記クラスタリングデータブロックの種類を判断し、非作業クラスタリングデータブロックを区別し、前記実行ユニットは、前記非作業クラスタリングデータブロックを除去し、前記作業クラスタリングデータブロックを得る、請求項11に記載の農業機械の
作業面積の計算システム。
【請求項19】
前記クラスタリング分割ユニットは、T-DBSCANアルゴリズムを用いてフィルタリング後の前記農業機械の座標データ及び時間データに対してクラスタリング分割を行う、請求項18に記載の農業機械の
作業面積の計算システム。
【請求項20】
アルゴリズムのコアパラメータの時間閾値τ、密度半径r、密度閾値εに対して、Hyperopt方法を呼び出して自動的に調整する、請求項19に記載の農業機械の
作業面積の計算システム。
【請求項21】
前記多角形生成モジュールは、多角形生成ユニットと重複チェックユニットとを含み、
前記重複チェックユニットは、前記多角形生成ユニットに通信可能に接続され、前記多角形生成ユニットは、前記クラスタリング分割モジュールの前記実行ユニットに通信可能に接続され、前記多角形生成ユニットは、各々の前記作業クラスタリングデータブロックの座標データ及び時間データに基づいて前記作業クラスタリングデータブロックに対応する境界多角形を得、前記重複チェックユニットは、前記多角形生成ユニットによって生成された境界多角形を重合し、重複面積部分を除去し、最終的に重複しない複数の多角形を生成する、請求項18に記載の農業機械の
作業面積の計算システム。
【請求項22】
前記多角形生成ユニットは、Graham Scanを用いて各々の前記作業クラスタリングデータブロックの座標データ及び時間データに対して境界検索を行い、対応する境界多角形を見付ける、請求項
21に記載の農業機械の
作業面積の計算システム。
【請求項23】
前記重複チェックユニットは、Buffer Unionアルゴリズムを用いて各境界多角形を重合し、重複面積部分を除去し、最終的に重複しない複数の多角形を生成する、請求項
22に記載の農業機械の
作業面積の計算システム。
【請求項24】
前記面積計算モジュールは、変換ユニットと計算ユニットとを含み、
前記変換ユニットは、前記重複チェックユニットに通信可能に接続され、前記計算ユニットは、前記変換ユニットに通信可能に接続され、前記変換ユニットは、各多角形の頂点の経緯度座標に対して投影換算を行い、最小二乗法を用いて投影のepsgを検索し、最適な投影系を見付け、2次元座標に変換し、前記計算ユニットは、多角形の2次元座標に基づいて、多角形面積計算式
を用いて各多角形の面積を計算し、加算して最終的な
作業面積を得る、請求項
21に記載の農業機械の
作業面積の計算システム。
【請求項25】
前記面積計算モジュール及び前記データ取得モジュールに通信可能に接続され、前記農業機械の座標データ、時間データ及び対応する
作業面積を記憶する記憶モジュールをさらに含む、請求項
24に記載の農業機械の
作業面積の計算システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は農業分野に関し、特に農業機械の作業面積の計算方法及び農業機械の作業面積の計算システムに関する。
【背景技術】
【0002】
農業の継続的な発展、自動化の向上につれて、農業機械の耕地面積の正確な計算がますます重要になっている。政府の補助金の支給、農業機械の操作員の費用精算や国家農業データ統計などは、農業機械の作業面積と密接に関係している。現在は主に手動測定方法とセンサーを利用する自動測定方法で農業機械の作業面積を計算しているが、この2つの方法は実際の操作過程で多くの問題がある
【0003】
具体的には、手動測定方法は、巻き尺測定及び手動打点測定を含む。巻き尺測定とは、作業者が巻き尺を用いて作業エリアを回して測定し、作業エリアの長さと幅の寸法を取得し、次に作業エリアの畝数を取得することである。この方法は手間がかかるだけでなく、規則的な小型作業エリアの測定にしか適用できない。不規則的な畑を測定すると、計算が煩雑で、大きい誤差がある。手動打点測定とは、作業者が畝メーターを持って打点し、作業エリアの端点のGPSデータを利用して作業エリアの面積を計算し、多様な形状と大面積の作業エリアを測定することに適している。しかし、この測定方法は手動で打点し、作業者の作業量が増加し、測定速度が遅い。
【0004】
また、自動測定方法は、マイレージメーター測定及び測位ナビゲーション測定を含む。マイレージメーター測定とは、農業機械にマイレージメーターを配置し、マイレージメーターを利用して農業機械の走行マイレージを取得し、農業機械の作業幅を乗じて、農業機械の作業面積を測定できることである。この方法は人工作業を必要とせず、計算速度が速く、測定正確性が低い。農業機械は、走行中に重複作業及び不作業があり、マイレージメーター自体に大きい誤差がある。そのため、マイレージメーターを利用して農業機械の走行マイレージを取得して計算された農業機械作業面積と実際の農業機械作業面積とは大きい差異がある。測位ナビゲーション測定とは、農業機械に測位ナビゲーションシステム、たとえばGPS及び北斗などのシステムを配置して農業機械の走行マイレージを計算し、農業機械の作業を乗じて農業機械の作業面積を測定できることである。しかし、この方法及びマイレージメーター測定方法は同じ問題があり、作業状態、重複作業状態及び非作業状態での走行マイレージを区別できないため、測位ナビゲーションを利用して測定して計算された作業面積は実際の畝数よりも大きくなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、農業機械の作業面積の計算方法及び農業機械の作業面積の計算システムを提供することを1つの目的とし、前記作業面積の計算方法を用いると、農業機械の作業面積を正確に計算でき、アルゴリズムがシンプルで、誤差が小さく、適用範囲が広い。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、農業機械の作業面積の計算方法及び農業機械の作業面積の計算システムを提供することを別の目的とし、前記作業面積の計算方法を用いると、前記農業機械の正常作業状態、重複作業状態及び非作業状態を区別でき、前記農業機械の作業状態でのデータのみを計算し、前記作業面積の計算方法で計算された作業面積と実際の作業面積との差異をさらに減少させる。
【0007】
本発明は、農業機械の作業面積の計算方法及び農業機械の作業面積の計算システムを提供することを別の目的とし、前記作業面積の計算方法では、前記農業機械の座標データ及び対応する時間データに基づいて前記農業機械の状態を自動的に区別し、例えば、前記農業機械の座標データは、経度座標及び緯度座標を含むとして実施されるが、これに限られない。
【0008】
本発明は、農業機械の作業面積の計算方法及び農業機械の作業面積の計算システムを提供することを別の目的とし、前記作業面積の計算方法では、前記農業機械の座標データをフィルタリングし、異なる時点で、前記農業機械の座標データが重複して生じた場合、1つの時点対応する座標データのみを残す。このように、前記農業機械の重複作業状態での作業面積を計算することを回避でき、前記作業面積の計算方法で計算された作業面積と実際の作業面積との差異を減少させることに有利である。
【0009】
本発明は、農業機械の作業面積の計算方法及び農業機械の作業面積の計算システムを提供することを別の目的とし、前記作業面積の計算方法では、前記農業機械の座標データのうち、作業エリアを超える座標データを除去し、農業機械の座標データをフィルタリングし、異常データを前記農業機械の作業面積の計算に用いることを回避し、前記作業面積の計算方法の正確性を向上させることに有利である。
【0010】
本発明は、農業機械の作業面積の計算方法及び農業機械の作業面積の計算システムを提供することを別の目的とし、前記作業面積の計算方法では、フィルタリング後の前記農業機械の座標データ及び時間データに対してクラスタリング分割を行い、分割されたデータのうち、密度が低く且つ時間が不規則なデータは非作業データとして区分され、非作業データを除去し、作業面積を計算するためのデータがすべて作業データであることを保証し、計算正確性をさらに保証する。
【0011】
本発明は、農業機械の作業面積の計算方法及び農業機械の作業面積の計算システムを提供することを別の目的とし、前記作業面積の計算方法では、クラスタリング分割後の作業データに基づいて複数の作業エリアの多角形を生成し、この後に、これらの多角形の面積に基づいて前記農業機械の作業面積を計算する。
【0012】
本発明は、農業機械の作業面積の計算方法及び農業機械の作業面積の計算システムを提供することを別の目的とし、前記作業面積の計算方法では、生成されたすべての多角形を重合し、重複した多角形を抽出し、重複しない複数の多角形を取得し、前記農業機械の同じ作業エリアの面積が複数回計算されることを回避する。
【0013】
本発明は、農業機械の作業面積の計算方法及び農業機械の作業面積の計算システムを提供することを別の目的とし、前記作業面積の計算方法では、投影換算によって前記農業機械の経度データ及び次元データを2次元座標に変換し、2次元座標に基づいて前記農業機械の最終的な作業面積の大きさを計算する。
【0014】
本発明は、農業機械の作業面積の計算方法及び農業機械の作業面積の計算システムを提供することを別の目的とし、前記作業面積測定方法は、異なる種類の耕地の測定に適用でき、計算結果が正確であり、前記農業機械の操作員の費用精算、国家政策補助金の計算及び国家農業データの統計などに有利である。
【0015】
本発明の1つの態様によれば、本発明は、農業機械の作業面積の計算方法を提供し、前記作業面積の計算方法は、
(A)作業面積を計算すべき期間内に、農業機械の座標データ及び対応する時間データを取得するステップと、
(B)前記農業機械の座標データ及び時間データをフィルタリングし、前記農業機械の正常作業状態に属しない座標データ及び時間データを除去するステップと、
(C)フィルタリング後の前記農業機械の座標データ及び時間データに対してクラスタリング分割を行い、複数のクラスタリングデータブロックを取得し、前記クラスタリングデータブロックにおいて、対応するデータの密度が低く且つ時間が不規則であれば、前記クラスタリングデータブロックは非作業状態でのデータと判断され、これにより、前記農業機械の正常作業状態と非作業状態でのデータを区別し、前記農業機械の作業状態での座標データ及び時間データを残すステップと、
(D)農業機械の作業状態での座標データ及び時間データに基づいて対応する多角形を形成し、複数の多角形の面積に基づいて前記農業機械の作業面積を得るステップとを含む。
【0016】
本発明の1つの実施例によれば、前記ステップ(B)は、
(B.1)重複した前記農業機械の座標データ及び時間データを除去するステップと、
(B.2)前記農業機械の座標データ及び時間データをフィルタリングし、異常データを除去するステップとを含む。
【0017】
本発明の1つの実施例によれば、前記ステップ(B.1)は、
(b.1)前記農業機械の座標データを時間順に並べ替えるステップと、
(b.2)前記農業機械の座標データ及び時間順に対して重複を排除するステップとを含む。
【0018】
本発明の1つの実施例によれば、前記ステップ(B.2)では、作業面積を計算すべき作業エリアの座標範囲を予め設定し、前記座標範囲を超える座標データ及び時間データを除去する。
【0019】
本発明の1つの実施例によれば、前記ステップ(B.2)では、予め設定された前記前記座標範囲のうち、経度データの範囲は[-90,90]、緯度データの範囲は[-90,90]である。
【0020】
本発明の1つの実施例によれば、前記ステップ(B.2)では、isolation forestアルゴリズムを用いて前記農業機械の座標データに対して異常検出を行い、前記農業機械の座標データのうち、予め設定された前記座標範囲を超えるデータを除去する。
【0021】
本発明の1つの実施例によれば、前記ステップ(C)では、T-DBSCANアルゴリズムを用いてフィルタリング後の前記農業機械の座標データ及び時間データに対してクラスタリング分割を行い、複数のクラスタリングデータブロックを得る。
【0022】
本発明の1つの実施例によれば、上記方法では、アルゴリズムのコアパラメータの時間閾値τ、密度半径r、密度閾値εに対して、Hyperopt方法を呼び出して自動的に調整する。
【0023】
本発明の1つの実施例によれば、前記ステップ(C)では、データの密度及び時間の規則性に基づいて前記農業機械の正常作業状態と非作業状態でのデータを区別し、データ密度が低く且つ時間が不規則なデータは、農業機械の非作業状態でのデータである。
【0024】
本発明の1つの実施例によれば、前記ステップ(D)は、
(D.1)Graham Scanを用いて各々の前記作業クラスタリングデータブロックの座標データ及び時間データに対して境界検索を行い、対応する境界多角形を見付けるステップと、
(D.2)Buffer Unionアルゴリズムを用いて各多角形を重合し、重複面積部分を除去し、最終的に重複しない複数の多角形を生成するステップと、
(D.3)各多角形の頂点の経緯度座標に対して投影換算を行い、最小二乗法を用いて投影のepsgを検索し、最適な投影系を見付け、2次元座標に変換するステップと、
(D.4)多角形の2次元座標に基づいて、多角形面積計算式
を用いて各多角形の面積を計算し、加算して最終的な
作業面積を得るステップとを含む。
【0025】
本発明の1つの態様によれば、本発明は、
作業面積を計算すべき期間内に、農業機械の座標データ及び対応する時間データを取得するデータ取得モジュールと、
前記データ取得モジュールに通信可能に接続され、前記農業機械の座標データ及び時間データをフィルタリングし、前記農業機械の正常作業状態に属しないデータを除去するデータフィルタリングモジュールと、
前記データフィルタリングモジュールに通信可能に接続され、フィルタリング後のデータに対してクラスタリング分割を行い、複数のクラスタリングデータブロックを取得し、前記農業機械の正常作業状態での作業クラスタリングデータブロックを得るクラスタリング分割モジュールと、
前記クラスタリング分割モジュールに通信可能に接続され、前記クラスタリング分割モジュールによって生成された前記作業クラスタリングデータブロックに基づいて対応する多角形を生成する多角形生成モジュールと、
前記多角形生成モジュールに通信可能に接続され、前記多角形生成モジュールによって生成された多角形の面積に基づいて前記農業機械の最終的な作業面積を得る面積計算モジュールとを含み、
前記クラスタリング分割モジュールは、判断ユニットを含み、前記判断ユニットは、データの密度及び規則性に基づいて前記クラスタリングデータブロックの種類を判断して区分し、データ密度が低く且つ時間が不規則なクラスタリングデータブロックを非作業クラスタリングデータブロックと判断する農業機械の作業面積の計算システムを提供する。
【0026】
本発明の1つの実施例によれば、前記農業機械の座標データは、進度データ及び緯度データとして実施される。
【0027】
本発明の1つの実施例によれば、前記データフィルタリングモジュールは、重複データ除去ユニットと異常データ除去ユニットとを含み、前記重複データ除去ユニットは、前記データ取得モジュールに通信可能に接続され、前記農業機械の経度データと緯度データを重複排除し、前記異常データ除去ユニットは、重複排除後の前記農業機械の座標データ及び時間データをフィルタリングし、異常データを除去する。
【0028】
本発明の1つの実施例によれば、前記重複データ除去ユニットは、前記農業機械の座標データを時間順に並べ替え、異なる時点で同じ経度データと緯度データが生じた場合、1つの時点及び対応する経度データと緯度データのみを残す。
【0029】
本発明の1つの実施例によれば、前記異常データ除去ユニットは、作業面積を計算すべき作業エリアの座標範囲を予め設定し、前記農業機械の座標データが前記座標範囲を超える場合、前記異常データ除去ユニットは、前記座標範囲を超える経度データと緯度データが異常データであることを判断し、異常データを除去する。
【0030】
本発明の1つの実施例によれば、前記異常データ除去ユニットにより予め設定された経度データの範囲は[-90,90]、緯度データの範囲は[-90,90]である。
【0031】
本発明の1つの実施例によれば、前記異常データ除去ユニットisolation forestアルゴリズムを用いて前記農業機械の経度データと緯度データに対して異常検出を行い、前記農業機械の経度データと緯度データのうち、予め設定された前記座標範囲を超えるデータを除去する。
【0032】
本発明の1つの実施例によれば、前記クラスタリング分割モジュールは、クラスタリング分割ユニットと、判断ユニットと、実行ユニットとを含み、前記クラスタリング分割ユニットは、前記データフィルタリングモジュールに通信可能に接続され、前記判断ユニットは、前記クラスタリング分割ユニットに通信可能に接続され、前記実行ユニットは、前記判断ユニットに通信可能に接続され、前記クラスタリング分割ユニットは、フィルタリング後の前記農業機械の座標データ及び時間データに対してクラスタリング分割を行い、複数のクラスタリングデータブロックを得、前記判断ユニットは、前記クラスタリングデータブロックの種類を判断し、非作業クラスタリングデータブロックを区別し、前記実行ユニットは、前記非作業クラスタリングデータブロックを除去し、前記作業クラスタリングデータブロックを得る。
【0033】
本発明の1つの実施例によれば、前記クラスタリング分割ユニットは、T-DBSCANアルゴリズムを用いてフィルタリング後の前記農業機械の座標データ及び時間データに対してクラスタリング分割を行う。
【0034】
本発明の1つの実施例によれば、アルゴリズムのコアパラメータの時間閾値τ、密度半径r、密度閾値εに対して、Hyperopt方法を呼び出して自動的に調整する。
【0035】
本発明の1つの実施例によれば、前記判断ユニットデータの密度及び規則性に基づいて、前記クラスタリングデータブロックの種類を判断して区分し、データ密度が低く且つ時間が不規則なクラスタリングデータブロックは、非作業クラスタリングデータブロックと判断される。
【0036】
本発明の1つの実施例によれば、前記多角形生成モジュールは、多角形生成ユニットと重複チェックユニットとを含み、前記重複チェックユニットは、前記多角形生成ユニットに通信可能に接続され、前記多角形生成ユニットは、前記クラスタリング分割モジュールの前記実行ユニットに通信可能に接続され、前記多角形生成ユニットは、各々の前記作業クラスタリングデータブロックの座標データ及び時間データに基づいて、前記作業クラスタリングデータブロックに対応する境界多角形を得、前記重複チェックユニットは、前記多角形生成ユニットによって生成された境界多角形を重合し、重複面積部分を除去し、最終的に重複しない複数の多角形を生成する。
【0037】
本発明の1つの実施例によれば、前記多角形生成ユニットは、Graham Scanを用いて各々の前記作業クラスタリングデータブロックの座標データ及び時間データに対して境界検索を行い、対応する境界多角形を見付ける。
【0038】
本発明の1つの実施例によれば、前記重複チェックユニットは、Buffer Unionアルゴリズムを用いて各境界多角形を重合し、重複面積部分を除去し、最終的に重複しない複数の多角形を生成する。
【0039】
本発明の1つの実施例によれば、前記面積計算モジュールは、変換ユニットと計算ユニットとを含み、前記変換ユニットは、前記重複チェックユニットに通信可能に接続され、前記計算ユニットは、前記変換ユニットに通信可能に接続され、前記変換ユニットは、各多角形の頂点の経緯度座標に対して投影換算を行い、最小二乗法を用いて投影のepsgを検索し、最適な投影系を見付け、2次元座標に変換し、前記計算ユニット多角形の2次元座標に基づいて、多角形面積計算式
を用いて、各多角形の面積を計算し、加算して最終的な
作業面積を得る。
【0040】
本発明の1つの実施例によれば、前記農業機械の作業面積の計算システムは、前記面積計算モジュール及び前記データ取得モジュールに通信可能に接続され、前記農業機械の座標データ、時間データ及び対応する作業面積を記憶する記憶モジュールをさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1】本発明の1つの好適な実施例による農業機械の
作業面積の計算方法のフローチャート模式図である。
【
図2】本発明の上記好適な実施例による農業機械の
作業面積の計算方法の一部のステップの模式図である。
【
図3】本発明の上記好適な実施例による農業機械の
作業面積の計算方法の一部のステップの模式図である。
【
図4】本発明の上記好適な実施例による農業機械の
作業面積の計算方法の一部のステップの模式図である。
【
図5】本発明の1つの好適な実施例による農業機械の
作業面積の計算システムの構造ブロック図模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下の説明は本発明を開示することにより、当業者が本発明を実現することができる。以下の説明における好ましい実施例は例に過ぎず、当業者は他の明らかな変形を想到することができる。以下の説明において定義された本発明の基本的な原理は他の実施形態、変形解決手段、改良解決手段、同等解決手段及び本発明の要旨と範囲から逸脱しない他の技術的解決手段に適用することができる。
【0043】
当業者であれば理解されるように、本発明の開示において、用語の「縦方向」、「横方向」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」「内」、「外」などにより指示された方位又は位置関係は図面に示された方位又は位置関係に基づくものであり、本発明を説明し説明を簡略化するためのものに過ぎず、指定された装置又は素子が特定の方位を有し、特定の方位で構成され操作されることを指示するか又は暗示するものではなく、したがって上記用語は本発明を限定するものと理解されるべきではない。
【0044】
理解されるように、用語の「1つ」は「少なくとも1つ」又は「1つ又は複数」と理解されるべきであり、即ち、1つの実施例において、1つの素子の数は1つであってもよく、他の実施例において、該素子の数は複数であってもよく、用語の「1つ」は数に対する制限と理解されない。
【0045】
明細書の
図1~
図4を参照すると、本発明の1つの好適な実施例による農業機械の
作業面積の計算方法は、次の説明で解釈され、前記農業機械の
作業面積の計算方法を用いると、前記農業機械の
作業面積を正確に計算できる。また、前記農業機械の
作業面積の計算システム100は、異なる種類の耕地の面積を計算するに適しており、計算結果が正確であり、前記農業機械の操作員の費用精算、国家政策補助金の計算及び国家農業データの統計などに有利である。
【0046】
前記農業機械の作業面積の計算方法では、作業面積を計算すべき期間内に、前記農業機械の座標データ及び対応する時間データを取得するステップ(A)が提供される。好適には、前記農業機械の座標データは、経度データと緯度データとして実施される。任意選択的には、前記農業機械の座標データは、2次元座標データとして実施されてもよい。以下の説明では、前記農業機械の座標データが経度データと緯度データとして実施されることを例として、本発明の前記作業面積の計算方法について説明する。
【0047】
前記ステップ(A)の後、前記農業機械の座標データ及び時間データをフィルタリングし、前記農業機械の正常作業状態に属しない座標データ及び時間データを除去するステップ(B)をさらに含む。
【0048】
具体的には、
図2を参照すると、前記ステップ(B)は、重複した前記農業機械の座標データ及び時間データを除去し、すなわち、前記農業機械の重複作業状態でのデータを除去するステップ(B.1)を含む。具体的には、
図3を参照すると、前記ステップ(B.1)は、
(b.1)前記農業機械の座標データを時間順に並べ替えるステップと、
(b.2)前記農業機械の座標データに対して重複を排除するステップとを含む。具体的には、異なる時点で同じ経度データと緯度データが生じた場合、1つの時点及び対応する経度データと緯度データのみを残す。好適には、前記農業機械の経度データと緯度データとが重複する場合、時点が最も早い1つのデータを残す。任意選択的には、任意の時点に対応する経度データと緯度データを残す。このようなアルゴリズムによって、前記農業機械の重複作業状態での
作業面積を計算することを回避でき、さらに、前記
作業面積の計算方法を利用して計算された
作業面積と実際の
作業面積との差異を減少させることに有利である。
【0049】
前記ステップ(B)は、前記農業機械の座標データ及び時間データをフィルタリングし、異常データを除去するステップ(B.2)をさらに含む。本発明のこの特定の実施例では、作業面積を計算すべき作業エリアの座標範囲を予め設定し、前記座標範囲の経度データと緯度データを超えると、異常データと判断でき、農業機械の正常作業状態に属しないデータを、前記農業機械の作業面積を計算する計算の基礎としない。さらに、異常の座標データ及び対応する時間データを除去し、異常データを前記農業機械の作業面積の計算に使用することを回避し、前記作業面積の計算方法の正確性を向上させることに有利である。
【0050】
好適には、予め設定された前記座標範囲のうち、経度データの範囲は[-90,90]、緯度データの範囲は[-90,90]である。好適には、isolation forestアルゴリズムを用いて前記農業機械の経度データと緯度データに対して異常検出を行い、前記農業機械の経度データと緯度データのうち、予め設定された前記座標範囲を超えるデータを除去する。予め設定された前記座標範囲の特定の実施形態、及び異常データ検出の特定のアルゴリズムは一例に過ぎず、本発明の前記農業機械の作業面積の計算方法の内容と範囲の制限とはならないことを当業者であれば理解するであろう。
【0051】
なお、本発明の1つの特定の実施例では、ステップ(B.1)は、ステップ(B.2)の後に実行される。本発明の別の特定の実施例では、ステップ(B.1)は、ステップ(B.2)の前に実行される。ステップ(B.1)とステップ(B.2)の具体的な順序は、本発明の前記農業機械の作業面積の計算方法の内容と範囲の制限とはならない。
【0052】
前記農業機械の作業面積の計算方法は、フィルタリング後の前記農業機械の座標データ及び時間データに対してクラスタリング分割を行い、前記農業機械の正常作業状態と非作業状態でのデータを区別し、前記農業機械の正常作業状態での座標データを残すステップ(C)をさらに含む。
【0053】
具体的には、前記ステップ(C)では、T-DBSCANアルゴリズムを用いてフィルタリング後の前記農業機械の座標データ及び時間データに対してクラスタリング分割を行い、複数のクラスタリングデータブロックを得る。本発明の1つの特定の実施例では、アルゴリズムのコアパラメータの時間閾値τ、密度半径r、密度閾値εに対して、Hyperopt方法を呼び出して自動的に調整し、クラスタリング後に、同類のデータ関連を最大にし、同類ではないデータ関連を最小とすることを保証する。
【0054】
さらに、ステップ(C)では、前記クラスタリングデータブロックのうちの非作業クラスタリングデータブロックを除去し、作業データブロックのみを残す。具体的には、分割後に取得された各クラスタリングデータブロックは、時間的及び空間的類似性を保証する。前記クラスタリングデータブロックでは、対応するデータ密度が低く且つ時間が不規則であれば、前記クラスタリングデータブロックは、前記非作業クラスタリングデータブロックと判断され、前記非作業クラスタリングデータブロックが除去された後に残された前記クラスタリングデータブロックは、前記作業クラスタリングデータブロックである。このように、作業面積を計算するためのデータがすべて作業データであることを保証し、さらに計算の精度を保証することができる。
【0055】
前記農業機械の作業面積の計算方法では、前記ステップ(C)の後、各々の前記作業クラスタリングデータブロックに基づいて、対応する多角形を形成し、その後に複数の多角形の面積に基づいて前記農業機械の作業面積を得るステップ(D)をさらに含む。
【0056】
具体的には、
図4を参照すると、前記ステップ(D)は、Graham Scanを用いて各々の前記作業クラスタリングデータブロックの座標データ及び時間データに対して境界検索を行い、対応する境界多角形を見付けるステップ(D.1)を含む。
【0057】
前記ステップ(D.1)の後、Buffer Unionアルゴリズムを用いて各多角形を重合し、重複面積部分を除去し、最終的に重複しない複数の多角形を生成するステップ(D.2)を含む。
【0058】
前記ステップ(D.2)の後、各多角形の頂点の経緯度座標に対して投影換算を行い、最小二乗法を用いて投影のepsgを検索し、最適な投影系を見付け、2次元座標に変換するステップ(D.3)を含む。前記ステップ(D.3)の後、多角形の2次元座標に基づいて、多角形面積計算式
を用いて、各多角形の面積を計算し、加算して最終的な
作業面積を得るステップ(D.4)をさらに含む。多角形の面積を計算する特定の実施形態は単なる例であり、本発明の前記農業機械の
作業面積の計算方法の内容及び範囲に対する制限とはならないことを当業者であれば理解するであろう。
【0059】
なお、本発明の前記農業機械の作業面積の計算方法を利用して計算された作業面積と前記農業機械の実際の作業面積との差異が小さい。また、研究開発では、アルゴリズムの有効性を検証するために、トラクターに畝メーターを配置し、それぞれ98畝、560畝及び2200畝の畑で作業し、ランダムに歩くように上記の畑をいっぱい走り、作業部分の畑をランダムに重複する。各畑を走って10組のデータを得、本発明の前記農業機械の作業面積の計算方法を用いて、トラクターの作業面積を計算する。計算結果によると、本発明の前記作業面積の計算方法を用いることで、各畑の10組のデータに対して誤差平均値及び分散を計算し、それぞれ99.7%/0.03、99.5/0.06、99.8/0.01である。従って、本発明の前記農業機械の作業面積の計算方法を用いると、精度と安定性がより高く、農業機械が正確に畝を計算する要求を満たす。
【0060】
図5を参照すると、本発明の別の態様によれば、本発明は、前記農業機械の
作業面積を正確に計算できる、農業機械の
作業面積の計算システム100を提供する。
【0061】
具体的には、前記農業機械の作業面積の計算システム100は、データ取得モジュール10と、データフィルタリングモジュール20と、クラスタリング分割モジュール30と、多角形生成モジュール40と、面積計算モジュール50とを含む。前記データ取得モジュール10は、前記農業機械の座標データ及び時間データを取得でき、前記データフィルタリングモジュール20は、前記データ取得モジュール10に通信可能に接続され、前記データフィルタリングモジュール20は、前記農業機械の座標データ及び時間データをフィルタリングし、前記農業機械の正常作業状態に属しないデータを除去する。前記クラスタリング分割モジュール30は、前記データフィルタリングモジュール20に通信可能に接続され、フィルタリング後のデータに対してクラスタリング分割を行い、前記農業機械の正常作業状態での作業クラスタリングデータブロックを得る。前記多角形生成モジュール40は、前記クラスタリング分割モジュール30に通信可能に接続され、前記クラスタリング分割モジュール30によって生成された前記作業クラスタリングデータブロックに基づいて対応する多角形を生成する。前記面積計算モジュール50は、前記多角形生成モジュール40に通信可能に接続され、前記多角形生成モジュール40によって生成された多角形の面積に基づいて、前記農業機械の最終的な作業面積を得る。
【0062】
本発明の1つの特定の実施例では、前記データ取得モジュール10は、前記農業機械の中央制御コンピュータに通信可能に接続されることによって、作業面積を計算すべき期間内に、前記農業機械の座標データ及び対応する時間データを取得する。例えば、前記データ取得モジュール10は、前記農業機械の中央制御コンピュータに有線接続または無線接続されることによって、前記農業機械の座標データ及び対応する時間データを取得する。本発明の1つの特定の実施例では、前記データ取得モジュール10は、ユーザーが手動で入力するまたは手動で選択することで、前記農業機械の座標データ及び対応する時間データを入力または選択することを可能にする。前記データ取得モジュール10が前記農業機械の座標データ及び時間データを取得する特定の実施形態は単なる例に過ぎず、本発明の前記農業機械の作業面積の計算方法の内容と範囲に対する制限とはならないことを当業者であれば理解するであろう。
【0063】
好適には、前記農業機械の座標データは、経度データと緯度データとして実施される。任意選択的には、前記農業機械の座標データは、2次元座標データとして実施されてもよい。以下の説明では、前記農業機械の座標データが経度データと緯度データとして実施されることを例として、本発明の前記作業面積の計算方法について説明する。
【0064】
本発明の前記農業機械の作業面積の計算システムのこの特定の実施例では、前記データフィルタリングモジュール20は、重複データ除去ユニット21と異常データ除去ユニット22とを含み、前記重複データ除去ユニット21は、前記データ取得モジュール10に通信可能に接続され、前記農業機械の座標データ及び時間データを取得する。
【0065】
前記重複データ除去ユニット21は、前記農業機械の座標データを時間順に並べ替え、前記農業機械の経度データと緯度データを重複排除し、すなわち、異なる時点で同じ経度データと緯度データが生じた場合、1つの時点及び対応する経度データと緯度データのみを残す。好適には、前記重複データ除去ユニット21は、前記農業機械の経度データと緯度データが重複すると判断した場合、時点が最も早い1つのデータを残し、他の重複データを除去する。任意選択的には、前記重複データ除去ユニット21は、前記農業機械の経度データと緯度データが重複すると判断した場合、任意の時点に対応する経度データと緯度データを残し、他の重複データを除去する。
【0066】
さらに、前記異常データ除去ユニット22は、前記重複データ除去ユニット21に通信可能に接続され、前記異常データ除去ユニット22は、重複排除後の前記農業機械の座標データ及び時間データをフィルタリングし、異常データを除去する。具体的には、前記異常データ除去ユニット22は、作業面積を計算すべき作業エリアの座標範囲を予め設定し、前記農業機械の座標データが前記座標範囲を超える場合、前記異常データ除去ユニット22は、前記座標範囲を超える経度データと緯度データが異常データであることを判断し、これらの異常データを除去し、前記農業機械の作業面積を計算する計算基礎としない。
【0067】
好適には、前記異常データ除去ユニット22によって予め設定された経度データの範囲は[-90,90]、緯度データの範囲は[-90,90]である。好適には、前記異常データ除去ユニット22は、isolation forestアルゴリズムを用いて前記農業機械の経度データと緯度データに対して異常検出を行い、前記農業機械の経度データと緯度データのうち、予め設定された前記座標範囲を超えるデータを除去する。予め設定された前記座標範囲の特定の実施形態、及び異常データの検出の特定のアルゴリズムは、単なる例であり、本発明の前記農業機械の作業面積の計算システム100の内容と範囲に対する制限とはならないことを当業者であれば理解するであろう。
【0068】
本発明の1つの特定の実施例では、前記異常データ除去ユニット22は前記データ取得モジュール10に通信可能に接続され、前記農業機械の座標データ及び時間データを取得し、前記農業機械の座標データ及び時間データをフィルタリングし、異常データを除去する。前記重複データ除去ユニット21は、異常データが除去された前記農業機械の座標データ及び時間データに対して重複排除処理を行う。
【0069】
前記クラスタリング分割モジュール30は、クラスタリング分割ユニット31と、判断ユニット32と、実行ユニット33とを含み、前記クラスタリング分割ユニット31は、前記データフィルタリングモジュール20に通信可能に接続され、フィルタリング後の前記農業機械の座標データ及び時間データに対してクラスタリング分割を行い、複数のクラスタリングデータブロックを得る。前記判断ユニット32は、前記クラスタリング分割ユニット31に通信可能に接続され、前記クラスタリングデータブロックの種類を判断し、前記作業クラスタリングデータブロックと非作業クラスタリングデータブロックとを区別する。前記作業クラスタリングデータブロックは、前記農業機械の正常作業状態での作業データに対応し、前記非作業クラスタリングデータブロックは前記農業機械の非作業状態での作業データに対応する。さらに、前記実行ユニット33は、前記判断ユニット32に通信可能に接続され、前記非作業クラスタリングデータブロックを除去し、前記作業クラスタリングデータブロックを得る。
【0070】
本発明の1つの特定の実施例では、前記クラスタリング分割ユニット31は、T-DBSCANアルゴリズムを用いてフィルタリング後の前記農業機械の座標データ及び時間データに対してクラスタリング分割を行い、複数のクラスタリングデータブロックを得る。好適には、アルゴリズムのコアパラメータの時間閾値τ、密度半径r、密度閾値εに対して、Hyperopt方法を呼び出して自動的に調整し、クラスタリング後に、同類のデータ関連を最大にし、同類ではないデータ関連を最小とすることを保証する。
【0071】
本発明の1つの特定の実施例では、前記判断ユニット32は、データの密度及び規則性に基づいて、前記クラスタリングデータブロックの種類を判断して区分する。具体的には、データ密度が低く且つ時間が不規則なクラスタリングデータブロックは、非作業クラスタリングデータブロックと判断され、データ密度が高く、且つ時間が規則な前記クラスタリングデータブロックは、作業クラスタリングデータブロックと判断される。
【0072】
前記多角形生成モジュール40は、前記実行ユニット33に通信可能に接続され、前記多角形生成モジュール40は、多角形生成ユニット41と、前記クラスタリング分割モジュール30の前記実行ユニット33に通信可能に接続される前記多角形生成ユニット41に通信可能に接続される重複チェックユニット42とを含む。
【0073】
前記多角形生成ユニット41は、各々の前記作業クラスタリングデータブロックの座標データ及び時間データに基づいて、前記作業クラスタリングデータブロックに対応する境界多角形を得る。好適には、前記多角形生成ユニット41は、Graham Scanを用いて各々の前記作業クラスタリングデータブロックの座標データ及び時間データに対して境界検索を行い、対応する境界多角形を見付ける。
【0074】
前記重複チェックユニット42は、前記多角形生成ユニット41によって生成された境界多角形を重合し、重複面積部分を除去し、最終的に重複しない複数の多角形を生成する。好適には、前記重複チェックユニット42は、Buffer Unionアルゴリズムを用いて各境界多角形を重合し、重複面積部分を除去し、最終的に重複しない複数の多角形を生成する。
【0075】
前記面積計算モジュール50は、前記多角形生成モジュール40の前記重複チェックユニット42に通信可能に接続され、各多角形の面積を計算し、すべての多角形の面積を加算して前記農業機械の最終的な作業面積を得る。
【0076】
具体的には、本発明のこの特定の実施例では、前記面積計算モジュール50は、前記多角形生成ユニット40の前記重複チェックユニット42に通信可能に接続される変換ユニット51と、前記変換ユニット51に通信可能に接続される計算ユニット52とを含む。
【0077】
具体的には、前記変換ユニット51は、各多角形の頂点の経緯度座標に対して投影換算を行い、最小二乗法を用いて投影のepsgを検索し、最適な投影系を見付け、2次元座標に変換する。前記計算ユニット52は、多角形の2次元座標に基づいて、多角形面積計算式
を用いて各多角形の面積を計算し、加算して最終的な
作業面積を得る。
【0078】
本発明の1つの特定の実施例では、前記作業面積の計算システム100は、前記面積計算モジュール50及び前記データ取得モジュール10に通信可能に接続される記憶モジュール60をさらに含み、前記記憶モジュール60は、前記農業機械の座標データ、時間データ及び対応する作業面積を記憶することで、この後に、ユーザーが直接確認して呼び出しやすくなる。
【0079】
上記実施例は単なる例であり、異なる実施例の特徴を互いに組み合わせ、本発明で開示された内容に基づいて容易に想到できるが図面では明確に指摘されていない実施形態を得ることができることが当業者であれば理解できる。
【0080】
上記の説明及び図面に示される本発明の実施形態は、単なる例であり、本発明を限定するものではないことは、当業者であれば理解できる。本発明の目的は完全かつ効果的に実現されている。本発明の機能および構造原理は、実施形態において示され、説明されており、本発明の実施形態は、上記原理から逸脱することなく、任意の変形または変形があり得る。