(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-02
(45)【発行日】2023-08-10
(54)【発明の名称】ビデオ/写真機器のための、一脚に切り替え可能な三脚
(51)【国際特許分類】
G03B 17/56 20210101AFI20230803BHJP
【FI】
G03B17/56 B
(21)【出願番号】P 2021500033
(86)(22)【出願日】2019-06-20
(86)【国際出願番号】 IB2019055203
(87)【国際公開番号】W WO2020008288
(87)【国際公開日】2020-01-09
【審査請求日】2022-04-12
(31)【優先権主張番号】102018000006851
(32)【優先日】2018-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】595120057
【氏名又は名称】ヴィデンダム メディア ソリューションズ エス・ピー・エー
【氏名又は名称原語表記】VIDENDUM MEDIA SOLUTIONS S.P.A.
【住所又は居所原語表記】Via Valsugana, 100, I-36022 CASSOLA (VI), ITALY
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スペッジオリン,パオロ
(72)【発明者】
【氏名】フラッソン,マルコ
【審査官】森内 正明
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第201489253(CN,U)
【文献】実開昭56-10594(JP,U)
【文献】特開昭55-76289(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16M 11/00 - 11/42
G03B 17/56 - 17/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビデオ/写真機器のための、一脚に切り替え可能な三脚であって、
・ クロスピース(2)に連結される複数の脚部(3)であって、前記脚部の少なくとも1つは、前記脚部の第1の端部(3a)の領域において、前記クロスピースに分離可能に接続された取り外し可能な脚部(30)である複数の脚部(3)と、
・ 柱(5)であって、前記柱の第1の端部(5a)には、ビデオ/写真機器の取り付け要素(6)が設けられ、前記クロスピース(2)内に形成され、前記クロスピースから分離可能な座部(4)の内側に滑動可能に且つ取り外し可能に係合される柱(5)と、
・ 前記柱とは異なる端部要素(10)であって、前記取り付け要素(6)の軸方向反対側において前記柱(5)の第2の端部(5b)と接続される端部要素(10)と、
を備え、
前記端部要素(10)は、前記第1の端部(3a)の領域において、前記端部要素が前記取り外し可能な脚部(30)に取り外し可能に取り付けられるように、第1の接続装置(13)を備え、前記取り外し可能な脚部(30)および前記柱(5)が前記クロスピースから分離されたときに、前記端部要素(10)を介して、前記取り外し可能な脚部(30)と前記柱(5)とが接続されて、一脚(100)が形成され、
前記クロスピース(2)は、前記取り外し可能な脚部(30)の挿入部(31)を受容するように設けられたスリーブ(20)と、前記スリーブ(20)内で前記挿入部(31)の滑動をロックおよびロック解除するように設けられたロック機構(21)と、を備える、
ことを特徴とする、三脚。
【請求項2】
前記端部要素(10)は、前記座部(4)の断面よりも大きい断面を有し、前記柱は、滑動可能に係合されて、前記クロスピース(2)からの前記柱(5)の意図しない落下が防止される、請求項1に記載の三脚。
【請求項3】
前記端部要素(10)は、前記第1の接続装置(13)とは異なる第2の接続装置(15)を備え、前記第2の接続装置(15)は、前記柱(5)の第2の端部(5b)に前記端部要素(10)を取り外し可能に取り付けるために設けられる、請求項1または2に記載の三脚。
【請求項4】
前記第1の接続装置は、前記端部要素上に形成されたねじ部(13)を備え、前記ねじ部(13)は、前記取り外し可能な脚部(30)の第1の端部(3a)上に形成された対応するねじ部(14)に係合可能である、請求項1~3のいずれか1項に記載の三脚。
【請求項5】
前記スリーブ(20)および前記挿入部(31)には、前記挿入部(31)が所定の角度位置で前記スリーブ(20)に受容されるように、位置決め要素(24,37)がそれぞれ設けられる、請求項1に記載の三脚。
【請求項6】
前記位置決め要素は、前記スリーブ(20)および前記挿入部(31)の一方に形成された半径方向に突出する突出部(24)と、前記スリーブおよび前記挿入部の他方に形成され、前記突出部と係合可能な座部(37)と、を備える、請求項5に記載の三脚。
【請求項7】
前記ロック機構(21)は、前記スリーブ(20)上に支持される半径方向に収縮可能なカラー(22)を備え、前記カラー(22)は、前記スリーブ(20)に対する前記挿入部(31)の滑動をロックするように、前記挿入部(31)の周りで締め付け可能である、請求項1、5または6に記載の三脚。
【請求項8】
前記挿入部(31)には、前記ロック機構(21)がロック解除されたときに、前記取り外し可能な脚部(30)が前記クロスピース(2)から急に落下するのを防止する落下防止要素(36)が設けられる、請求項1、5~7のいずれか1項に記載の三脚。
【請求項9】
前記落下防止要素は、前記カラー(22)と前記第1の端部(3a)との間の位置において前記挿入部(31)上に形成された突起部(36)を備え、前記突起部は、前記挿入部(31)を解放するために緩められたときに、前記カラー(22)に当接する、
請求項7を引用する請求項
8に記載の三脚。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主請求項の前提部に記載された特徴を有する、一脚に切り替え可能なタイプの、ビデオ/写真機器のための三脚に関する。
【背景技術】
【0002】
写真機器を支持するための装置を使用することは、写真の技術分野で広く知られており、その中でも特に一般的であり、アマチュアおよびプロフェッショナルのレベルで高く評価されている支持装置は、三脚と一脚である。
【0003】
一般的に、三脚は、入子式に伸縮可能な複数の脚部を備える。これらの脚部は、クロスピースにヒンジで固定される。ビデオ/写真機器が取り付けられる端部には、支柱が滑動可能に係合する。その一方で、一脚は、単一の入子式伸縮脚部を備える。その上端には、ビデオ/写真機器が取り付けられる。三脚は、より安定した位置決め動作を可能にし、一脚は、より軽量で迅速に動作可能である。
【0004】
当該技術分野において、一脚に切り替え可能な既知の三脚がさらにある。この三脚では、1つの脚部が、クロスピースから取り外し可能であり且つクロスピースから取り外される必要がある三脚の柱に直接接続可能であるように設けられる。
【0005】
一般的に、柱は、ビデオ/写真機器とは反対側の端部に取り付けられた端部要素を備える。端部要素は、柱のシャンクよりも大きい断面を有し、移動限界停止部として機能し、柱がクロスピースから滑り落ちるのを防止する。
【0006】
したがって、柱をクロスピースから分離するには、この端部要素を取り除く必要がある。
【0007】
このように、クロスピースから分離された脚部は、柱に取り付けられて、一脚が得られる。
【0008】
しかしながら、上述した先行技術に従って構築された切り替え可能な三脚は、端部要素が柱から分離されたときに、誤って配置される危険性を含むいくつかの欠点を有する。
【0009】
別の欠点として、三脚を再構築する際に、三脚の正しい機能を維持するために、一脚を形成する脚部を、非常に特殊な角度でクロスピースに取り付ける必要があるという事実が挙げられる。
【0010】
別の欠点として、クロスピースから脚部を分離する際に、脚部が誤ってクロスピースから落下する危険性があるということが挙げられる。
【0011】
具体的には、以下の説明および添付の特許請求の範囲において、「三脚」という用語は、複数の脚部が連結されたクロスピースが設けられたスタンドを示すものと理解されたい。ここで、脚部自体の数には特定の制限はなく、3つであってもよく、3つ以外の数であってもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明によって対処される問題は、引用された従来技術を参照して上述した1つまたは複数の欠点を少なくとも部分的に克服するように構造的および機能的に構成された、ビデオ/写真機器のための、一脚に切り替え可能な三脚を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
添付の特許請求の範囲に従って実現された三脚による本発明によって、上述した問題が解決される。
【0014】
したがって、本発明の第1の態様において、本発明は、ビデオ/写真機器のための三脚に関する。該三脚は、
・ クロスピースに連結される複数の脚部であって、脚部の少なくとも1つは、脚部の第1の端部の領域において、クロスピースに取り外し可能に取り付けられる、複数の脚部と、
・ 柱であって、柱の第1の端部には、ビデオ/写真機器の取り付け要素が設けられ、クロスピース内に形成されてクロスピースから分離可能な座部の内側に滑動可能に且つ取り外し可能に係合される、柱と、
・ 柱とは異なる端部要素であって、取り付け要素の軸方向反対側にある柱の第2の端部と接続される端部要素と、
を備える。端部要素は、クロスピースから取り外された脚部の第1の端部に取り外し可能に取り付けられるように、第1の接続装置を備える。
【0015】
このようにして、柱と脚部とを取り外し、柱の反対側において端部要素を脚部に取り付けることで、一脚を形成することができる。
【0016】
この特徴によって、端部要素は、柱と脚部との間の接続部として機能して、端部要素が誤って配置されることを防止することができる。また、このようにして、端部要素と脚部との間に、柱と端部要素との間の接続部とは独立して、ある種の接続を設けることができるので、より安全で効果的な接続のタイプを選択することができる。
【0017】
上述した側面を鑑みて、本発明による三脚は、以下に示す好ましい特徴のうちの少なくとも1つを有してもよい。
【0018】
好ましくは、端部要素は、座部の断面よりも大きい断面を有し、柱が滑動可能に係合される。
【0019】
このようにして、端部要素は、移動限界停止部として機能し、柱がクロスピースから滑り落ちるのを防止する。
【0020】
第1の好ましい実施形態において、端部要素には、移動限界停止部として機能する突出部が設けられる。突出部は、柱をクロスピースから取り外すことができるように、収縮され得る。
【0021】
この場合、端部要素は、有利には、常に柱に取り付けられた状態であってもよく、移動限界停止部として機能する突出部は、半径方向に突出するように弾性的に付勢されるプッシュボタンまたはレバーを備えてもよい。これらは、操作者による手動または別のタイプの制御方法で移動され得る。
【0022】
第2の好ましい実施形態において、端部要素は、適切に取り外された後に柱をクロスピースから取り外すことができるように、柱に取り外し可能に取り付けられる。
【0023】
好ましくは、端部要素は、第1の接続装置とは異なる第2の接続装置を備える。第2の接続装置は、柱の第2の端部に端部要素を取り外し可能に取り付けるために設けられる。
【0024】
特に好ましくは、第1の接続装置および第2の接続装置は、軸方向反対側で柱と脚部とを同時に取り付けるように、端部要素の両側に向けられる。
【0025】
好ましくは、第1の接続装置は、端部要素上に形成されたねじ部を備える。ねじ部は、クロスピースから取り外された脚部の第1の端部上に形成された対応するねじ部に係合するように設けられる。
【0026】
このようにして、取り外し可能な脚部の端部と端部要素との間の接続は、ねじ式であり、特に安全で信頼性が高い。
【0027】
代替的に、取り外し可能な脚部と端部要素との間には、相互連動式接続や偏心した輪郭を有する接続などのその他のタイプの接続が設けられてもよい。
【0028】
好ましくは、クロスピースは、取り外し可能な脚部の挿入部を受容するように設けられたスリーブと、スリーブの内側で挿入部をロックおよびロック解除するように設けられたロック機構と、を備える。
【0029】
好ましくは、挿入部が所定の角度位置でスリーブに受容されるように、スリーブおよび挿入部には、位置決め要素がそれぞれ設けられる。
【0030】
このようにして、例えば脚部の軸に対して全体として垂直な基部を有さないが、脚部がクロスピースに対して開状態に揺動されたとき(例えば三脚の位置決め手順の間)に完全に支持されるように傾斜している脚部の足部を参照して、挿入部すなわち脚部が正しくクロスピース上に再組み立てされてもよい。
【0031】
特に好ましい実施形態において、位置決め要素は、スリーブおよび挿入部の一方に形成された半径方向に突出する突出部と、スリーブおよび挿入部の他方に形成され、突出部と係合可能な座部と、を備える。
【0032】
好ましくは、ロック機構は、スリーブ上に支持される半径方向に収縮可能なカラー(collar)を備える。カラーは、スリーブに対する挿入部の滑動をロックするように、挿入部の周りで締め付けられ得る。
【0033】
好ましい実施形態において、挿入部には、ロック機構がロック解除されたときに、取り外し可能な脚部がクロスピースから急に落下するのを防止する落下防止要素が設けられる
特に好ましくは、落下防止要素は、カラーと脚部の第1の端部との間に配置された挿入部上に形成された突起部を備える。突起部は、挿入部を解放するために緩められたときに、カラーに当接することができる。
【0034】
このようにして、クロスピースから意図せずに外れることによる脚部の地面への落下や損傷またはその他の構成要素や機器への損傷を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
本発明の特徴および利点は、非限定的な一例として添付の図面を参照して記載する好ましい実施形態の詳細な説明からより明らかになるであろう。
【
図1】開状態にある、本発明に従って実現された、ビデオ/写真機器のための三脚の斜視図である。
【
図2】
図1の三脚の一部を拡大して示す軸方向断面図である。
【
図3】脚部および柱がクロスピースから分離された状態にある、
図1の三脚の部分斜視図である。
【
図4】解体された状態にある、
図1の三脚から形成された一脚の図である。
【
図5】組み立てられた状態にある、
図4の一脚の軸方向断面図である。
【
図6】三脚の残りの部分から隔離された状態にある、
図1の三脚の構成要素の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図において、本発明に従って実現された三脚が参照符号1によって全体として示されている。
【0037】
三脚1は、全体として参照符号3によって示される複数の脚部に連結されるクロスピース2を備える。
【0038】
好ましくは、脚部3は、入子式に伸縮可能であり、それぞれの第1の端部3aの領域において、クロスピース2に連結される。足部3bが適切に設けられた反対側の第2の端部は、地面の上で支持されるように意図されている。
【0039】
各脚部3には、入子式伸縮延長部のロック手段3cが設けられる。また、脚部3は、三脚1の地面上の支持面(
図1に示す)を増加させるように脚部3を互いから離れるように移動させる開状態と、脚部3を互いに近づけて移動させる閉状態との間で揺動可能に連結される。
【0040】
脚部3のうちの1つは、その第1の端部3aの領域において、クロスピース2に取り外し可能に取り付けられる。脚部3のうちのいずれかであってよいこの脚部は、以下の説明において「取り外し可能な脚部」として示され、添付の図面において参照符号30によって示されている。
【0041】
クロスピース2の中央部材2aには、貫通開口部4が形成される。貫通開口部4は、三脚1のいわゆる「パノラマ」軸を定義する軸Xを含む実質的に円筒状の断面を有する。
【0042】
三脚1は、柱5をさらに備える。その第1の端部5aには、取り付け要素6が設けられる。取り付け要素は、図示しない従来のビデオ/写真機器またはビデオ/写真機器のための支持ヘッドを取り付けるように配置された、例えばプレートまたはねじ付きピンを備える。
【0043】
柱5は、クロスピース2の開口部4に係合するように受容され、取り付け要素6がクロスピース2の近くで、実質的に当接する収縮位置と、取り付け要素6がクロスピース2から離れるように移動する延長位置との間で、軸Xに沿って滑動可能である(
図1参照)。
【0044】
クロスピース2に対する柱5の軸Xに沿った滑動は、当該技術分野において既知のタイプのロック部材によって、所望の位置にロックされてもよい。
【0045】
取り付け要素6の軸方向反対側にある柱5の第2の端部5bの領域には、端部要素10が設けられる。
【0046】
端部要素10は、全体としてコップ状の形状を有し、柱5の端部5bに当接する基部11と、端部要素10の凹部が柱5の外側に向けられるように、柱5から軸方向に延在する周縁カラー12と、を備える。
【0047】
周縁カラー12の内側には、ねじ部13が形成される。ねじ部13は、取り外し可能な脚部30の第1の端部3aに対して外側に形成された対応するねじ部14と係合するように設けられる。
【0048】
周縁カラー12に形成されたねじ部13は、取り外し可能な脚部30に端部要素10を安全に接続することができる第1の接続装置を構成する。
【0049】
端部要素10は、柱5および座部4よりも大きい断面を有する。これにより、端部要素10は、移動限界停止部として機能して、柱5がクロスピース2から滑り落ちるのを防止する。
【0050】
周縁カラー12の反対側において、端部要素10の基部11から軸方向にシャンク15がさらに延在する。シャンク15は、雄ねじであり、第2の端部5bの領域において柱5に設けられた座部16内に形成された対応するねじ部に接続されるように配置される。
【0051】
ねじ付きシャンク15は、取り外し可能な脚部30の反対側において、柱5に端部要素10を独立して安全に接続することができる第2の接続装置を構成する。
【0052】
このようにして、端部要素10は、柱5に取り外し可能に取り付けられ、取り外した際に、座部4から滑り出すことにより、柱5をクロスピース2から分離することができる。
【0053】
クロスピース2は、取り外し可能な脚部30の挿入部31を受容するように設けられたスリーブ20と、スリーブ20の内側で挿入部31をロックおよびロック解除するように設けられたロック機構21と、をさらに備える。
【0054】
スリーブ20は、取り外し可能な脚部30の揺動を許容するように、クロスピース2の中央部材に連結される。
【0055】
図6において拡大して示す挿入部31は、変化されている断面を含む、全体として円筒状の形状を有し、取り外し可能な脚部30の残りの部分に接続されたその軸方向内側端部の側から、より大きい直径を有する第1の部分32と、わずかに小さい直径を有し、円錐台状の輪郭を有する接合部34を介して第1の部分32に接続された第2の部分33と、さらに小さい直径を有するカラー35と、を備える。
【0056】
有利には、取り外し可能な脚部30の第1の端部3aに向けて直径が徐々に減少する挿入部31の適合によって、スリーブ20の内側において取り外し可能な脚部30の挿入を促進および誘導することができる。
【0057】
取り外し可能な脚部30と端部要素10とを接続するねじ部14は、カラー35の近くで第2の部分33上に形成される。
【0058】
ロック機構21は、スリーブ20上に支持される半径方向に収縮可能なカラー22を備える。カラー22は、スリーブ20の内側で挿入部31の滑動をロックするように、挿入部31の第1の部分32の周りで締め付け可能である。
【0059】
特に、カラー22は、スリーブ20の端部にねじ込まれるように係合するリング23に接続される。これにより、リングをいずれかの方向に回転することで、スリーブ20の内側でカラー22を軸方向に移動することができる。カラー22の外壁、およびカラー22と接触するスリーブ20の内壁は、円錐状の輪郭をそれぞれ有する。これにより、カラー22がスリーブ20の内部に向けて軸方向に移動されたときに、同時に半径方向に収縮するように付勢されて、挿入部31の第1の部分32の周りで圧縮される。
【0060】
挿入部31をロック解除して取り外し可能な脚部30をスリーブ20から取り外すには、リング23を単に反対方向に回転させるだけでよい。
【0061】
有利には、挿入部31、特に第1の部分32と接続部34との間には、円周方向に延在し、第1の部分32の直径よりもわずかに大きい直径を有する突起部36が設けられる。
【0062】
突起部36は、取り外し可能な脚部30のための落下防止要素として機能し、ロック機構21がロック解除された際に、脚部がクロスピース2から意図せずに外れることを防止する。
【0063】
実際、取り外し可能な脚部を所定の位置から解放するためにカラー22が緩められると、挿入部31は、突起部36がカラー22の上縁に当接するまで、スリーブ20の外側に向けて滑動する。これにより、取り外し可能な脚部の落下を防止することができる。
【0064】
脚部30の取り外し動作を完了させるには、カラー22をさらに緩める必要がある。
【0065】
スリーブ20の内側には、半径方向に突出する突出部24がさらに設けられる。突出部24は、例えばカラー35に形成された外側に向けて開口するスロットによって構成された座部37内で係合可能である。
【0066】
突出部24および座部37は、挿入部31が所定の角度位置でスリーブ20に受容されるように、位置決め要素として機能する。
【0067】
実際、異なる角度位置において、突出部24は、カラー35の上縁に当接して、挿入部31がスリーブ20内に完全に挿入されるのを防止する。
【0068】
取り外し可能な脚部30がクロスピース2に取り付けられると、三脚1は、取り外し可能な脚部30を含む脚部3を必要に応じて揺動および延長させることによって、従来の三脚として使用され得る。これにより、柱5に直接取り付けられるか、より適切には、支持ヘッドに取り付けられる機器によって、写真を撮影するため(またはビデオ録画のため)に所望の位置に三脚を配置することができる。
【0069】
さらに、本発明の特徴により、三脚1は、
図4および
図5に示す一脚100に切り替えることができる。
【0070】
一脚100を形成するには、クロスピース2から柱5および取り外し可能な脚部30を分離する必要がある。特に、柱5は、座部16からシャンク15を緩めて端部要素10を取り外した後に、座部4からクロスピース2を取り外すことによってクロスピース2から分離され、取り外し可能な脚部30は、リング23を緩めてスリーブ20から挿入部31を取り外すことによって、クロスピース2から分離される。
【0071】
この時点で、端部要素10は、周縁カラー12に形成されたねじ部13を、挿入部31の第2の部分33の外側に形成された対応するねじ部14にねじ込むことによって、取り外し可能な脚部に接続され、柱5は、座部16のシャンク15をねじ込むことによって、取り外し可能な脚部30の反対側で端部要素10に再び接続されて、一脚100を得ることができる。
【0072】
したがって、一脚100は、端部要素10も備え、これにより、端部要素10が誤って配置されることを防止することができる。
【0073】
三脚状の構成1に戻すには、クロスピース2に取り外し可能な脚部30および柱5が接続された状態を再現した後に、上述した手順を逆に行うだけでよい。
【0074】
したがって、本発明は、引用された従来技術を参照して上述した欠点を克服しながら、取り外し可能な脚部と柱との間に端部要素を介在させることで、得られる一脚が特に安全であるという事実を含む、多くの利点を提供する。
【0075】
言うまでもなく、本願の具体的且つ偶発的な要件を満たす目的で、当業者は、添付の特許請求の範囲の定義から逸脱することなく、上述した発明をさらに修正および変形することができる。