(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-02
(45)【発行日】2023-08-10
(54)【発明の名称】ビーム失敗修復を指示する方法、デバイス及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
H04W 16/28 20090101AFI20230803BHJP
H04W 72/1273 20230101ALI20230803BHJP
H04W 80/02 20090101ALI20230803BHJP
【FI】
H04W16/28
H04W72/1273
H04W80/02
(21)【出願番号】P 2021500844
(86)(22)【出願日】2018-07-13
(86)【国際出願番号】 CN2018095643
(87)【国際公開番号】W WO2020010615
(87)【国際公開日】2020-01-16
【審査請求日】2021-06-14
(73)【特許権者】
【識別番号】516227559
【氏名又は名称】オッポ広東移動通信有限公司
【氏名又は名称原語表記】GUANGDONG OPPO MOBILE TELECOMMUNICATIONS CORP., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 18 Haibin Road,Wusha, Chang’an,Dongguan, Guangdong 523860 China
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100152205
【氏名又は名称】吉田 昌司
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【氏名又は名称】出口 智也
(72)【発明者】
【氏名】イヨウ、シン
(72)【発明者】
【氏名】シー、コン
【審査官】石原 由晴
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/130523(WO,A1)
【文献】InterDigital Inc.,Corrections on BFR for SCell[online],3GPP TSG-RAN WG2 Meeting #102 R2-1806822,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_102/Docs/R2-1806822.zip>,2018年05月11日
【文献】Mediatek Inc.,Draft CR for beam failure recovery procedure[online],3GPP TSG-RAN WG2 Meeting AH-1801 R2-1800660,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_AHs/2018_01_NR/Docs/R2-1800660.zip>,2018年01月12日
【文献】Huawei, HiSilicon,RAN2 aspects of DL beam management[online],3GPP TSG-RAN WG2#99bis R2-1710562,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_99bis/Docs/R2-1710562.zip>,2017年09月29日
【文献】Samsung,MAC Impacts: Beam Failure Recovery for SCell[online],3GPP TSG-RAN2 101bis R2-1804303,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_101bis/Docs/R2-1804303.zip>,2018年04月05日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビーム失敗修復を指示する方法であって、
ビーム失敗修復BFRのトリガー条件を満たしている場合、端末デバイスがメディアアクセス制御MAC制御要素CEを送信することを含み、前記MAC CEが、ビームBeamに対応するBeamインデックスIndexを指示し、
前記
ビーム失敗修復を指示する方法は、さらに、
前記端末デバイスがフィードバックメッセージを受信することを含み、前記フィードバックメッセージが、ネットワークデバイスにより前記MAC CEが示すBeam Indexに対応するBeamに基づいて送信され、
前記方法は、さらに、
前記端末デバイスが前記フィードバックメッセージに基づいて、BFRが成功するかどうかを判断することを含み、
前記端末デバイスが前記フィードバックメッセージに基づいて、BFRが成功するかどうかを判断することは、
前記端末デバイスがネットワークデバイスにより送信された下りスケジューリング情報を受信した場合、BFRが成功すると判定すること
と、
前記端末デバイスがネットワークデバイスにより送信された下りスケジューリング情報を受信しなかった場合、BFRが失敗すると判定することと、を含み、
前記端末デバイスが前記MAC CEを送信する前に、前記方法は、さらに、
前記端末デバイスが閾値条件を満たしている下りBeamを判断することと、
前記閾値条件を満たしている下りBeamを、前記MAC CEが指示するBeam Indexに対応するBeamとすることとを含む
ことを特徴とするビーム失敗修復を指示する方法。
【請求項2】
前記端末デバイスが前記MAC CEを送信するために使用するリソースは、動的スケジューリングに基づいて、又は、半静的リソースを使用して構成される
ことを特徴とする
請求項1に記載のビーム失敗修復を指示する方法。
【請求項3】
第1の送信ユニットを備える端末デバイスであって、
前記第1の送信ユニットは、ビーム失敗修復BFRのトリガー条件を満たしている場合、メディアアクセス制御MAC制御要素CEを送信するように構成され、前記MAC CEが、ビームBeamに対応するBeamインデックスIndexを指示し、
前記端末デバイスがさらに第1の受信ユニットを含み、
前記第1の受信ユニットは、フィードバックメッセージを受信するように構成され、前記フィードバックメッセージが、ネットワークデバイスにより前記MAC CEが示すBeam Indexに対応するBeamに基づいて送信され、
前記端末デバイスがさらに判断ユニットを含み、
前記判断ユニットは、前記フィードバックメッセージに基づいて、BFRが成功するかどうかを判断するように構成され、
前記判断ユニットは、前記第1の受信ユニットがネットワークデバイスにより送信された下りスケジューリング情報を受信した場合、BFRが成功すると判定し、
前記第1の受信ユニットがネットワークデバイスにより送信された下りスケジューリング情報を受信しなかった場合、BFRが失敗すると判定し、
前記判断ユニットは、さらに、閾値条件を満たしている下りBeamを判断し、
前記閾値条件を満たしている下りBeamを、前記MAC CEが指示するBeam Indexに対応するBeamとするように構成される
ことを特徴とする端末デバイス。
【請求項4】
前記第1の送信ユニットが前記MAC CEを送信するために使用されるリソースは、動的スケジューリングに基づいて、又は、半静的リソースを使用して構成される
ことを特徴とする
請求項3に記載の端末デバイス。
【請求項5】
プロセッサによって実行されると、
請求項1~2のいずれか1項に記載のビーム失敗修復を指示する方法を実現する実行可能プログラムを記憶した
ことを特徴とする記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信技術分野に関し、特に、ビーム失敗修復を指示する方法、デバイス及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
5G(5th Generation)の新規ラジオ( New Radio、NR )システムでは、ビーム失敗修復(Beam Failure Recovery、BFR )を含むビーム( Beam )管理メカニズムが導入される。しかしながら、従来技術においてBFRプロセスは、遅延が長くなり、Beamの迅速な修復を実現することはできない。
【発明の概要】
【0003】
本発明の実施例は、上記のような技術的課題を解決するために、Beamの迅速な修復を可能にするBFR指示方法を提供する。
【0004】
第1の態様として、本発明の実施例は、BFR指示方法を提供し、BFRのトリガー条件を満たしている場合、端末デバイスがメディアアクセス制御(Media Access Control、MAC)制御要素(Control Element、CE)を送信することを含み、前記MAC CEが、ネットワークデバイスがフィードバックメッセージを送信するためのBeamに対応するBeamインデックスIndexを指示するために使用される。
【0005】
第2の態様として、本発明の実施例は、BFR指示方法を提供し、ネットワークデバイスが端末デバイスにより送信されたMAC CEを受信することと、
前記ネットワークデバイスが前記MAC CEが示すBeam Indexに対応するBeamに基づいて、前記端末デバイスにフィードバックメッセージを送信することとを含み、
前記フィードバックメッセージは、前記端末デバイスがBFRが成功するかどうかを判断するために使用される。
【0006】
第3の態様として、本発明の実施例は、プロセッサと、前記プロセッサ上で実行可能なコンピュータプログラムを記憶するメモリとを備える端末デバイスを提供し、
前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行することにより、前記端末デバイスで実行されるビーム失敗修復を指示する方法のステップを実行するように構成される。
【0007】
第4の態様として、本発明の実施例は、プロセッサと、前記プロセッサ上で実行可能なコンピュータプログラムを記憶するメモリとを備えるネットワークデバイスを提供し、
前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行することにより、前記ネットワークデバイスで実行されるビーム失敗修復を指示する方法のステップを実行するように構成される。
【0008】
第5の態様として、本発明の実施例は、プロセッサで実行されることにより、上記端末デバイスで実行されるビーム失敗修復を指示する方法を実現する実行可能なプログラムを記録した記録媒体を提供する。
【0009】
第6の態様として、本発明の実施例は、プロセッサで実行されることにより、上記ネットワークデバイスで実行されるビーム失敗修復を指示する方法を実現する実行可能なプログラムを記録した記録媒体を提供する。
【0010】
本発明の実施例において、BFRトリガー条件が満たされると、端末デバイスはMAC CEを送信し、ネットワークデバイスは前記MAC CEが示すBeam Indexに対応するBeamに基づいて前記端末デバイスにフィードバックメッセージを送信し、前記フィードバックメッセージは、前記端末デバイスがBFRの成功するかどうかを判定するために使用される。このように、端末デバイスを介してネットワークデバイスに利用可能なBeamを指示し、ネットワークデバイスが指示されたBeamに基づいて送信されたフィードバックメッセージに基づいてBFR成功するかどうかを判断し、ネットワークデバイスがBeamの利用可否を判断することなく、端末デバイスから指示された利用可能なBeamを直接用いてBFR成功するかどうかを判断するためのフィードバックメッセージを送信することにより、BFRの処理フローを節約し、BFR処理の遅延を低減し、Beamの迅速な修復を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施例における端末デバイスに応用されるBFR指示方法の選択可能な処理のフローチャート一である。
【
図2】本発明の実施例における端末デバイスに応用されるBFR指示方法の選択可能な処理のフローチャート二である。
【
図3】本発明の実施例におけるネットワークデバイスに応用されるBFR指示方法の選択可能な処理のフローチャート一である。
【
図4】本発明の実施例における端末デバイスの構成図である。
【
図5】本発明の実施例におけるネットワークデバイスの構成図である。
【
図6】本発明の実施例におけるネットワークデバイスに応用されるBFR指示方法の選択可能な処理のフローチャートである。
【
図7】本発明の実施例における電子デバイスの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施例の特徴及び技術内容をより詳細に理解するために、本発明の実施例の実装を、添付図面を参照して以下に詳細に説明するが、添付図面は、説明のためのものであり、本発明の実施例を限定するものではない。
【0013】
本発明の実施例について詳細に説明する前に、従来技術においてBFRの処理のフローチャートについて簡単に説明する。
【0014】
従来技術において、端末デバイスは、ランダムアクセス方式でネットワークデバイスにどの下りBeamを利用してランダムアクセス応答( Random Access Response、RAR )を送信するかを知らせて、下りBeamを復元することができる。NRシステムにおけるランダムアクセスプリアンブル( random access preamble )は、perシングルスライドバンド( Single Slide Band、SSB )によって構成され、端末デバイスは、まず、参照信号受信電力( Reference Signal Receiving Power、RSRP )と比較して閾値条件を満たすSSBを選択するか、またはSSBと関連性のあるチャネル状態情報参照信号( Channel State Information-Reference Signal、CSI-RS )を選択し、このSSB上の対応するpreambleと物理ランダムアクセスチャネル( Physical Random Access Channel、PRACH )リソースを使用してメッセージ1 ( Msg1 )を送信し、ネットワークデバイスがpreambleを受信した後にどのSSBを使用してRARをフィードバックするかを知ると理解されてもよい。
【0015】
従来技術において、BFRに基づくランダムアクセス手順は、以下のいくつかの方式を含む。
【0016】
1、競合に基づくランダムアクセス( Contention Based Random Access、CFRA )BFR:無線リソース制御( Radio Resource Control、RRC )は、BFRのためのSSBに関連付けられたCFRAリソースを構成し、閾値を満たすSSBがある。
【0017】
2、非競合に基づくランダムアクセス( Contention-Free Based Random Access、CBRA ) BFR fallback from CFRA BFRは、2つの場合を含む
第1は、RRCが、BFRのためのSSBに関連付けられたCFRAリソースを構成するが、閾値を満たすSSBがない。
【0018】
第2は、Beam failure recovery Timerがタイムアウトし、UEはCBRA BFRしか使えない
3、CBRA BFR:RRCは、Beam Failure Recovery Configを構成しない。
【0019】
MACエンティティに対し、物理層がビーム失敗インスタンスを報告する( beam failure instance )度に、端末デバイスは、カウンタBFI _ COUNTERに1を加算し、ビーム失敗検出タイマー( beam Failure Detection Timer )を再開し、beam Failure Detection Timer動作期間にBFI_COUNTERが最大値に達した場合、beam failureと見なし、ランダムアクセスプロセスを開始する。CFRA BFRについて、ネットワークデバイスはBFR Config IEを構成し、端末デバイスは、このIEにおけるパラメータを使用してランダムアクセスを行う。CBRA BFRについて、BFR Config IEが構成されている場合、このIEに構成されたpower Ramping Step、preamble Received Target Power、preamble Trans Maxを使用してランダムアクセスが行われ、そうでない場合は通常のRACHプロセスを使用し、このランダムアクセスプロセスが成功した場合はこのBFRプロセスが成功したとみなす。
【0020】
本出願人は、BFRプロセスを実施する際に、ランダムアクセスプロセスに基づいて完了したBFRは、ネットワークデバイスがBFR Configを構成しているか否かを判断する必要があり、ネットワークデバイスがBFR Configを構成していない場合、Beamをフィルタリングし、フィルタリング結果に基づいて、ネットワークデバイスがどのBeamを用いてBFRを行っているかを通知するために、一般的なランダムアクセスを行い、ネットワークデバイスがBFR Configを構成した場合、IEに構成されたパラメータを用いてランダムアクセスを行い、ネットワークデバイスに、BFRがどのBeamを利用して行われたかを通知し、ネットワークデバイスがBFR Configを構成しているか否かに関わらず、ランダムアクセスのプロセスに要する時間遅延は比較的長い。
【0021】
本発明の実施例による端末デバイスに応用されるBFR指示方法の選択可能なフローチャート1は、
図1に示すように、以下のステップを含む。
【0022】
ステップS101において、端末デバイスがMAC CEを送信し、前記MAC CEが、ネットワークデバイスがフィードバックメッセージを送信するためのBeamに対応するBeam Indexを指示する。
【0023】
いくつかの実施例において、物理層が端末デバイスにビーム失敗インスタンス( Beam Failure Instance )を報告し、端末デバイスがBFRトリガ条件が満足されたと判定した場合に、BFRのためのMAC CEをネットワークデバイスに送信する。
【0024】
ここで、端末デバイスがMAC CEを送信する前に、MAC CEを送信できるか否かを判断する必要があり、具体的な実施において、MAC CEは、利用可能なリソースがあるか否かを判断することによって送信されてもよく、使用可能なリソースがあると判断した場合、端末デバイスはMAC CEを送信する。ここで、端末デバイスがMAC CEを送信するために使用するリソースは、スケジューリングに基づいて、または半静的に構成しており、前記Beam Indexは、SSB IndexまたはCSI-RS Indexによって示され得る。
【0025】
端末デバイスが送信するMAC CEは、ネットワークデバイスがフィードバックメッセージを送信するBeamに対応するBeam Indexを示すため、端末デバイスは、閾値条件を満たす下りBeamを予め判断しておく必要があり、前記MAC CEが示すフィードバックメッセージを送信するBeamは、閾値条件を満たす下りBeamである。ここで、閾値条件を満たす下りBeamは、候補ビームリスト( Candidate Beam RS list )においてCSI-RSの参照信号受信電力CSI-RSRPが参照信号受信電力閾値以上のビーム、あるいはCandidate Beam RS listにおいてシングルスライドバンドの同期信号受信電力SS-RSRPが参照信号受信電力閾値以上のビームである。
【0026】
本発明の実施例による端末デバイスに応用されるBFR指示方法の選択可能な処理フロー2は、上述した選択可能な処理フロー1と類似し、
図2に示すように、ステップS101の後に、更に、以下のステップS102を含む点が異なる
ステップS102において、端末デバイスがフィードバックメッセージを受信する。
【0027】
いくつかの実施例において、前記フィードバックメッセージが、ネットワークデバイスにより前記MAC CEが示すBeam Indexに対応するBeamに基づいて送信される。
【0028】
ステップS103において、端末デバイスがフィードバックメッセージに基づいてBFRが成功するかどうかを判断する。
【0029】
いくつかの実施例において、前記フィードバックメッセージが下りスケジューリング情報であり、端末デバイスは、ネットワークデバイスにより送信された下りスケジューリング情報を受信した場合、BFRが成功すると判定し、端末デバイスは、ネットワークデバイスにより送信された下りスケジューリング情報を受信しなかった場合、BFRが失敗すると判定する。
【0030】
具体的に、端末デバイスが前記MAC CEを送信した後、タイマを開始し、前記タイマの動作期間に、前記ネットワークデバイスにより送信された下りスケジューリング情報を受信した場合、BFRが成功すると判定し、前記タイマの動作期間に、前記ネットワークデバイスにより送信された下りスケジューリング情報を受信しなかった場合、BFRが失敗すると判定する。
【0031】
本発明の実施例では、下りスケジューリング情報は、セル-無線ネットワーク一時識別子( Cell-Radio Network Tempory Identity、C-RNTI )でスクランブルされた物理下り制御チャネル( Physical Downlink Control Channel、PDCCH )に基づいて送信されてもよく、もちろん、下りスケジューリング情報は、他の方式でスクランブルされたPDCCHに基づいて送信されてもよい。
【0032】
ステップS104で、端末デバイスは、BFRが失敗したと判断した後、MAC CEを再送信するか、又は、BFRが失敗したと判断した後、ランダムアクセスフローに入り、BFRを行う。
【0033】
本発明の実施例において、端末デバイスは、BFR失敗を判断した後、使用可能なリソースがあるか否かを判断することによって、MAC CEを再送信してBFRを行うことができ、または、ランダムアクセスプロセスによってBFRを行うことができる。MAC CE再送でBFRが行われたと判断した場合、端末デバイスはMAC CEを再送する。ランダムアクセスプロセスでBFRを行うと判断した場合、端末デバイスがランダムアクセスプロセスに移行する。
【0034】
本発明の実施例が提供するネットワークデバイスに応用されるBFR指示方法の選択可能な処理フローチャート1は、
図3に示すように、以下のステップを含む。
【0035】
ステップS201において、ネットワークデバイスが端末デバイスにより送信されたMAC CEを受信する。
【0036】
ここで、前記MAC CEが、ネットワークデバイスがフィードバックメッセージを送信するためのBeamに対応するBeam Indexを指示する。
【0037】
ステップS202において、ネットワークデバイスが前記MAC CEが示すBeam Indexに対応するBeamに基づいて、端末デバイスにフィードバックメッセージを送信する。
【0038】
ここで、フィードバックメッセージは、端末デバイスがBFRが成功するかどうかを判断するために使用され、フィードバックメッセージが下りスケジューリング又はPDCCHであり、前記PDCCHがC-RNTIでスクランブルされたPDCCHであってもよい。
【0039】
本発明の実施例は、上記のBFR指示方法に基づいて端末デバイスをさらに提供し、端末デバイスの構成図は、
図4に示すように、端末デバイス400は、第1の送信ユニット401を備える。
【0040】
第1の送信ユニット401は、ビーム失敗修復BFRのトリガー条件を満たしている場合、MAC CEを送信するように構成され、前記MAC CEが、ネットワークデバイスがフィードバックメッセージを送信するためのBeamに対応するBeam Indexを指示する。
【0041】
いくつかの実施例において、端末デバイス400は、さらに、第1の受信ユニット402を含み、第1の受信ユニット402は、フィードバックメッセージを受信するように構成され、前記フィードバックメッセージが、ネットワークデバイスにより前記MAC CEが示すBeam Indexに対応するBeamに基づいて送信される。
【0042】
いくつかの実施例において、端末デバイス400は、さらに、判断ユニット403を備え、判断ユニット403は、前記フィードバックメッセージに基づいて、BFRが成功するかどうかを判断するように構成される。
【0043】
いくつかの実施例において、判断ユニット403は、前記第1の送信ユニットが前記MAC CEを送信した後、タイマを開始し、前記タイマの動作期間に、前記ネットワークデバイスにより送信された下りスケジューリング情報を受信した場合、BFRが成功すると判定し、前記タイマの動作期間に、前記ネットワークデバイスにより送信された下りスケジューリング情報を受信しなかった場合、BFRが失敗すると判定するように構成される。
【0044】
いくつかの実施例において、判断ユニット403は、第1の受信ユニット402がネットワークデバイスにより送信された下りスケジューリング情報を受信した場合、BFRが成功すると判定し、前記第1の受信ユニット402がネットワークデバイスにより送信された下りスケジューリング情報を受信しなかった場合、BFRが失敗すると判定するように構成される。
【0045】
いくつかの実施例において、第1の送信ユニット401は、さらに、前記判断ユニットがBFRが失敗すると判定した後、MAC CEを再送するように構成され、前記MAC CEが、ネットワークデバイスがフィードバックメッセージを送信するためのBeamに対応するBeam Indexを指示する。
【0046】
いくつかの実施例において、判断ユニット403は、さらに、閾値条件を満たす下りBeamを判断し、閾値条件を満たしている下りBeamを、前記MAC CEが指示するBeam Indexに対応するBeamとするように構成される。
【0047】
いくつかの実施例において、第1の送信ユニット401がMAC CEを送信するために使用されるリソースは、動的スケジューリングに基づいて、又は、半静的リソースを使用して構成される。
【0048】
いくつかの実施例において、前記第1の送信ユニット401は、さらに、前記MAC CEを送信する前に、MAC CE送信が可能であるかどうかを判断するように構成される。
【0049】
具体的な実施において、MAC CEは、利用可能なリソースがあるか否かを判断することによって送信されてもよく、前記第1の送信ユニット401は、使用可能なリソースがあると判断した場合、MAC CEを送信する。
【0050】
BFR指示方法に基づいて、本発明の実施例は、
図5に示されるように、ネットワークデバイスをさらに提供し、ネットワークデバイスの構成図は、
図5に示すように、ネットワークデバイス500は、第2の受信ユニット501及び第2の送信ユニット502を備える。
【0051】
第2の受信ユニット501は、端末デバイスにより送信されたMAC CEを受信するように構成され、
第2の送信ユニット502は、前記MAC CEが示すBeam Indexに対応するBeamに基づいて、前記端末デバイスにフィードバックメッセージを送信するように構成され、前記フィードバックメッセージは、前記端末デバイスがBFRが成功するかどうかを判断するために使用される。
【0052】
本発明の実施例は、
図6に示すように、ネットワークシステムに適用されるBFR指示方法の選択可能な処理フローチャート提供し、以下のステップを含む。
【0053】
ステップS601において、端末デバイスがネットワークデバイスにMAC CEを送信する。
【0054】
ここで、前記MAC CEが、ネットワークデバイスがフィードバックメッセージを送信するためのBeamに対応するBeam Indexを指示する。
【0055】
ステップS602において、ネットワークデバイスがMAC CEが示すBeam Indexに対応するBeamに基づいて、端末デバイスにフィードバックメッセージを送信する。
【0056】
ステップS603において、端末デバイスがフィードバックメッセージに基づいてBFRが成功するかどうかを判断する。
【0057】
いくつかの実施例において、端末デバイスは、ネットワークデバイスにより送信された下りスケジューリング情報を受信した場合、BFRが成功すると判定し、端末デバイスは、ネットワークデバイスにより送信された下りスケジューリング情報を受信しなかった場合、BFRが失敗すると判定する。
【0058】
具体的に、端末デバイスが前記MAC CEを送信した後、タイマを開始し、前記タイマの動作期間に、前記ネットワークデバイスにより送信された下りスケジューリング情報を受信した場合、BFRが成功すると判定し、前記タイマの動作期間に、前記ネットワークデバイスにより送信された下りスケジューリング情報を受信しなかった場合、BFRが失敗すると判定する。
【0059】
本発明の実施例では、下りスケジューリング情報は、C-RNTIでスクランブルされたPDCCHに基づいて送信されてもよく、もちろん、下りスケジューリング情報は、他の方式でスクランブルされたPDCCHに基づいて送信されてもよい。
【0060】
図7は、本発明の実施例に係る電子デバイス(ネットワークデバイス又はユーザ機器)のハードウェア構成を示す図であり、電子デバイス700は、少なくとも1つのプロセッサ701と、メモリ702と、少なくとも1つのネットワークインタフェース704とを含む。電子デバイス700の様々なコンポーネントは、バスシステム705によって共に結合される。バスシステム705は、これらのコンポーネント間の接続通信を可能にするために使用されることが理解されよう。バスシステム705は、データバスの他に、電源バス、制御バス、ステータス信号バスを有する。ただし、説明を分かりやすくするために、
図7では、各種のバスをバスシステム705と表記している。
【0061】
メモリ702は、揮発性メモリ又は不揮発性メモリであってよく、揮発性及び不揮発性メモリの両方を含んでよいことが理解される。不揮発性メモリは、ROM、プログラマブルリードオンリーメモリ( PROM、Programmable Read-Only Memory )、消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ( EPROM、Erasable Programmable Read-Only Memory )、電気的消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ( EEPROM、Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory )、磁気ランダムアクセスメモリ( FRAM、ferromagnetic random access memory )、フラッシュメモリ( Flash Memory )、磁気表面メモリ、光ディスク、またはリードオンリーディスク( CD-ROM、Compact Disc Read-Only Memory )であってもよい。磁気表面メモリは、磁気ディスクメモリまたは磁気テープメモリであり得る。揮発性メモリは、外部キャッシュとして使用されるランダムアクセスメモリ( RAM、Random Access Memory )であってよい。限定ではなく例として、RAMは、スタティックランダムアクセスメモリ( SRAM、Static Random Access Memory )、シンクロナススタティックランダムアクセスメモリ( SSRAM、Synchronous Static Random Access Memory )、ダイナミックランダムアクセスメモリ( DRAM、Dynamic Random Access Memory )、シンクロナスダイナミックランダムアクセスメモリ( SDRAM、Synchronous Dynamic Random Access Memory )、ダブルデータレートシンクロナスダイナミックランダムアクセスメモリ( DDRSDRAM、Double Data Rate Synchronous Dynamic Random Access Memory )、拡張シンクロナスダイナミックランダムアクセスメモリ( ESDRAM、Enhanced Synchronous Dynamic Random Access
Memory )、シンクロナス接続ダイナミックランダムアクセスメモリ( SLDRAM、SyncLink Dynamic Random Access Memory )、ダイレクトメモリバスランダムアクセスメモリ( DRRAM、Direct Rambus Random Access Memory )など、多くの形態で利用可能である。本発明の実施例に記載されるメモリ702は、これら及び任意の他の適切なタイプのメモリを含むことが意図されるが、これらに限定されない。
【0062】
本発明の実施例におけるメモリ702は、電子デバイス700の動作をサポートするための様々なタイプのデータを記憶するために使用される。例えば、電子デバイス700上で動作する任意のコンピュータプログラム、例えば、アプリケーション7022が挙げられる。本発明の実施例の方法を実施するプログラムは、アプリケーション7022に含めることができる。
【0063】
上述した本発明の実施例に開示された方法は、プロセッサ701に適用されてもよく、又はプロセッサ701によって実装されてもよい。プロセッサ701は、信号の処理能力を有する集積回路チップであり得る。実装の過程で、方法のステップは、プロセッサ701内のハードウェアの集積論理回路またはソフトウェア形態の命令によって実行され得る。上記のプロセッサ701は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ( DSP、Digital Signal Processor )、又は他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲート若しくはトランジスタロジック、個別ハードウェア構成要素等であり得る。プロセッサ701は、本発明の実施例に開示された方法、ステップ、及び論理ブロック図を実施又は実行することができる。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサ、または任意の従来のプロセッサなどであり得る。本発明の実施例に関連して開示された方法のステップは、ハードウェアデコーダプロセッサ実行として直接実装され得るか、または、デコーダプロセッサ内のハードウェアおよびソフトウェアモジュールの組み合わせで実行され得る。ソフトウェアモジュールは、メモリ702内の情報をプロセッサ701が読み出し、前述の方法のステップをそのハードウェアとともに実行する記憶媒体内に配置されてもよい。
【0064】
例示的な実施例では、電子デバイス700は、前述の方法を実行するための1つ以上のアプリケーション特定用途向け集積回路( ASIC、Application Specific Integrated Circuit )、DSP、プログラマブル論理デバイス( PLD、Programmable Logic Device )、複合プログラマブル論理デバイス( CPLD、Complex Programmable Logic Device )、FPGA、汎用プロセッサ、コントローラ、MCU、MPU、又は他の電子素子によって実装されてもよい。
【0065】
本発明は、本発明の実施例による方法、装置(システム)、およびコンピュータプログラム製品のフローチャートおよび/またはブロック図を参照して説明される。フローチャート及び/又はブロック図の各フロー及び/又はブロック、並びにフローチャート及び/又はブロック図におけるフロー及び/又はブロックの組み合わせは、コンピュータプログラム命令によって実装され得ることが理解される。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、組み込みプロセッサ、又は他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサに提供されて、機械を生成し、コンピュータ又は他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサによって実行される命令が、フローチャートの1つのフロー若しくは複数のフロー及び/又はブロック図の1つのブロック若しくは複数のブロックにおいて指定される機能を実装するための手段を生成するようにしてもよい。
【0066】
これらのコンピュータプログラム命令は、また、コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理装置に特定の方法で機能するように指示することができるコンピュータ可読メモリに記憶されてもよく、その結果、コンピュータ可読メモリに記憶された命令は、フローチャートの1つ又は複数のフロー及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックにおいて指定された機能を実装する命令手段を含む製品を生成する。
【0067】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理装置にロードされて、コンピュータ又は他のプログラム可能な装置上で一連の動作ステップを実行させて、コンピュータ実装プロセスを生成し、それにより、コンピュータ又は他のプログラム可能な装置上で実行される命令が、フローチャートの1つのフロー若しくは複数のフロー及び/又はブロック図の1つのブロック若しくは複数のブロックにおいて指定される機能を実装するためのステップを提供するようにしてもよい。
【0068】
以上の説明は、本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の精神と原理内で行われるあらゆる修正、均等物及び改良などは、本発明の範囲内に含まれるべきである。