(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-02
(45)【発行日】2023-08-10
(54)【発明の名称】掃除ロボット及び掃除方法
(51)【国際特許分類】
A47L 11/24 20060101AFI20230803BHJP
A47L 9/28 20060101ALI20230803BHJP
【FI】
A47L11/24
A47L9/28 E
A47L9/28 L
(21)【出願番号】P 2021536287
(86)(22)【出願日】2019-12-10
(86)【国際出願番号】 CN2019124279
(87)【国際公開番号】W WO2020125492
(87)【国際公開日】2020-06-25
【審査請求日】2021-08-03
(31)【優先権主張番号】201811572154.2
(32)【優先日】2018-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201910250295.0
(32)【優先日】2019-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519066739
【氏名又は名称】ポジテック パワー ツールズ(スーチョウ)カンパニー,リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100221729
【氏名又は名称】中尾 圭介
(72)【発明者】
【氏名】ヂャン、シソン
(72)【発明者】
【氏名】ウ、ホンビン
(72)【発明者】
【氏名】シェ、ミンヂィアン
(72)【発明者】
【氏名】シュ、ヂィアンキィアン
(72)【発明者】
【氏名】ヂォン、ホンフェン
(72)【発明者】
【氏名】リ、ジ
【審査官】沖田 孝裕
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第108968812(CN,A)
【文献】国際公開第2004/028324(WO,A1)
【文献】特開2018-029054(JP,A)
【文献】特開2017-038926(JP,A)
【文献】特開2006-087918(JP,A)
【文献】特開2016-036725(JP,A)
【文献】特開2014-113488(JP,A)
【文献】中国実用新案第207755219(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 11/24
A47L 9/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業領域で走行して作業する掃除ロボットであって、
本体と、
前記本体を支持し、前記掃除ロボットを作業表面で走行させる走行機構と、
前記掃除ロボットに走行及び作業のための駆動力を提供するパワーモジュールと、
前記本体上に取り付けられ、前記作業表面に対して所定の床拭き作業を実行するための床拭きモジュールであって、払拭部品を装着可能な床拭きモジュールと、
前記掃除ロボットの自動走行及び自動作業を実現するために、前記パワーモジュールに電気的に接続されてそれを制御する制御モジュールと、を備える前記掃除ロボットにおいて、
前記掃除ロボットは、領域タイプを検出するための検出モジュールをさらに備え、前記掃除ロボットが次の領域に移行する前に、前記検出モジュールは、次の領域の領域タイプを検出することで前記領域タイプが現在の領域と同じであるか否かを判断し、前記領域タイプが異なると判断した場合に、前記制御モジュールは、払拭部品を交換する必要がある旨をユーザに送信するか、又は払拭部品を交換するように前記掃除ロボットを制御することを特徴とする掃除ロボット。
【請求項2】
前記領域タイプは前記作業領域の領域の実際機能に応じて分類されたことを特徴とする請求項1に記載の掃除ロボット。
【請求項3】
前記の払拭部品を交換する必要がある旨は、リモート情報及び/又は掃除ロボットのローカル情報であることを特徴とする請求項1に記載の掃除ロボット。
【請求項4】
前記床拭きモジュールは、前記払拭部品を取外し可能に取り付けるための床拭き板を備えることを特徴とする請求項1に記載の掃除ロボット。
【請求項5】
前記領域タイプが異なると判断した場合に、前記制御モジュールは、ベースステーションに回帰して前記払拭部品を交換するように前記掃除ロボットを制御することを特徴とする請求項1に記載の掃除ロボット。
【請求項6】
前記掃除ロボットは、前記作業表面に対する前記床拭きモジュールの高さ位置を、前記制御モジュールの制御で調整する持ち上げ機構をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の掃除ロボット。
【請求項7】
前記掃除ロボットがベースステーションに回帰して前記払拭部品を交換する場合に、前記持ち上げ機構は、前記床拭きモジュールを前記作業表面に対して第1位置から第2位置まで持ち上げることを特徴とする請求項6に記載の掃除ロボット。
【請求項8】
前記本体の上部には、下向きの突出装置が設けられ、前記突出装置は、前記床拭きモジュールと相対的に運動して前記床拭きモジュールと接触することによって、前記床拭きモジュールと前記本体とを分離させることを特徴とする請求項6に記載の掃除ロボット。
【請求項9】
前記床拭きモジュールは、前記本体上に取外し可能に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の掃除ロボット。
【請求項10】
前記領域タイプの分類方式は、ユーザカスタマイズ及び/又はプリセットであることを特徴とする請求項1に記載の掃除ロボット。
【請求項11】
前記検出モジュールは、視覚センサ、レーダーセンサ又は光学センサの少なくとも一つを備え、前記検出モジュールで検出された結果により領域タイプを判断することを特徴とする請求項1に記載の掃除ロボット。
【請求項12】
前記掃除ロボットは、前記掃除ロボットの作業領域マップを形成するためのナビゲーション機構をさらに備え、前記検出モジュールは、前記作業領域マップに基づいて次の領域の領域タイプを検出することを特徴とする請求項1に記載の掃除ロボット。
【請求項13】
前記ナビゲーション機構は、前記掃除ロボットがベースステーションに回帰して払拭部品を交換する場合に、前記作業領域マップにおいて現在の位置をマークし、前記掃除ロボットは、払拭部品の交換を完成した後に、マークされた位置に回帰して作業することを特徴とする請求項12に記載の掃除ロボット。
【請求項14】
前記床拭きモジュールは、布巾センサをさらに備え、領域タイプが同じであると判断した場合に、前記布巾センサは、前記払拭部品の清潔度を検出し、前記清潔度がプリセット閾値より低い場合に、前記制御モジュールは、払拭部品を交換するように前記掃除ロボットを制御することを特徴とする請求項1に記載の掃除ロボット。
【請求項15】
前記布巾センサは、前記本体の下方に取り付けられることを特徴とする請求項14に記載の掃除ロボット。
【請求項16】
前記払拭部品の清潔度が前記プリセット閾値以上である場合に、前記制御モジュールは、直接に次の領域に移って作業するように前記掃除ロボットを制御することを特徴とする請求項14に記載の掃除ロボット。
【請求項17】
前記掃除ロボットは、前記掃除ロボットがベースステーションに回帰して払拭部品を交換する場合に、払拭部品交換信号を前記ベースステーションに送信するか、前記掃除ロボットがベースステーションに回帰充電する場合に、回帰充電信号を前記ベースステーションに送信する信号送信モジュールをさらに備えることを特徴とする請求項1~16のいずれか一項に記載の掃除ロボット。
【請求項18】
前記掃除ロボットは、前記掃除ロボットの走行及び作業にエネルギーを提供するためのエネルギーモジュールをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の掃除ロボット。
【請求項19】
前記エネルギーモジュールは、選択的に前記掃除ロボット又は手持ち式掃除機に給電するために用いられることを特徴とする請求項18に記載の掃除ロボット。
【請求項20】
前記掃除ロボットは、家庭用及び/又は室内サービスロボットであることを特徴とする請求項1に記載の掃除ロボット。
【請求項21】
掃除ロボットの掃除方法であって、本体と、前記本体を支持して前記掃除ロボットを走行させる走行機構と、前記掃除ロボットに走行及び作業のための駆動力を提供するパワーモジュールと、前記本体上に取り付けられ、所定の床拭き作業を実行するための床拭きモジュールであって、払拭部品を装着可能な床拭きモジュールと、前記掃除ロボットの自動走行及び自動作業を実現するために、前記パワーモジュールに電気的に接続されてそれを制御する制御モジュールと、
領域タイプを検出するための検出モジュールと、を備える前記掃除ロボットの掃除方法において、
前記掃除ロボットが次の領域に移行する前に、
前記検出モジュールは、次の領域の領域タイプを検出することで前記領域タイプが現在の領域のタイプと同じであるか否かを判断し、
前記タイプが異なると判断した場合に、払拭部品を交換する必要がある旨をユーザに送信するか、又は払拭部品を交換することを特徴とする掃除ロボットの掃除方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、掃除ロボットに関し、さらに掃除ロボット及び掃除方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザのニーズの多様化に応じて、掃除ロボットの種類が多くなり、掃除ロボットは、掃除ロボットの一種であり、掃除ロボットは、床に対して払拭処理を実行し、床の清潔度を向上させることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の掃除ロボットは、一般的には、布巾で床拭き作業を実行し、ユーザの部屋を掃除する場合に、例えば、キッチン、リビングルーム、トイレ及び寝室等の部屋の複数の領域に対して同じ布巾で掃除処理を実行し、この場合に、異なる領域での汚れが相互に汚染し、掃除効果が低下する。
【0004】
したがって、ユーザは、自分でロボットを管理し、ロボットが床拭きを一定時間実行した後に、布巾を取り外して洗濯するか、綺麗な布巾を交換する必要がある。ユーザにとって、このような人為作業はロボットの自動化操作体験を損なう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
従来技術の欠陥を克服するために、本発明が解決しようとする課題は、領域を分けて掃除作業を実行可能な掃除ロボットを提供することである。
本発明は、従来の技術課題を解決するために、次の技術手段を採用する。作業領域で走行して作業する掃除ロボットであって、本体と、本体を支持して掃除ロボットを作業表面で走行させる走行機構と、掃除ロボットに走行及び作業のための駆動力を提供するパワーモジュールと、本体上に取り付けられ、作業表面に対して所定の床拭き作業を実行するための床拭きモジュールであって、払拭部品を装着可能な床拭きモジュールと、掃除ロボットの自動走行及び自動作業を実現するために、パワーモジュールに電気的に接続されてそれを制御する制御モジュールと、を備える掃除ロボット。掃除ロボットは、領域タイプを検出するための検出モジュールをさらに備え、床拭きモジュールが現在の領域の床拭き作業を完成すると、検出モジュールは、次の領域の領域タイプを検出することで領域タイプが現在の領域と同じであるか否かを判断し、領域タイプが異なると判断した場合に、制御モジュールは、払拭部品を交換する必要がある旨をユーザに送信するか、又は払拭部品を交換するように掃除ロボットを制御する。
【0006】
好ましくは、払拭部品を交換する必要がある旨は、リモート情報及び/又は掃除ロボットのローカル情報である。
好ましくは、床拭きモジュールは、前記払拭部品を取外し可能に取り付けるための床拭き板を備える。
好ましくは、領域タイプが異なると判断した場合に、制御モジュールは、ベースステーションに回帰して床拭きモジュールを交換するように掃除ロボットを制御する。
好ましくは、掃除ロボットは、前記作業表面に対する前記床拭きモジュールの高さ位置を、前記制御モジュールの制御で調整する持ち上げ機構をさらに備えてもよい。
【0007】
好ましくは、前記掃除ロボットがベースステーションに回帰して前記床拭きモジュールを交換する場合に、前記持ち上げ機構は、前記床拭きモジュールを作業表面に対して第1位置から第2位置まで持ち上げる。
好ましくは、前記本体の上部には、下向きの突出装置が設けられ、前記突出装置は、前記床拭きモジュールと相対的に運動して前記床拭きモジュールと接触することによって、前記床拭きモジュールと前記本体とを分離させる。
好ましくは、前記床拭きモジュールは、前記本体上に取外し可能に取り付けられる。
好ましくは、領域タイプの分類方式は、ユーザカスタマイズ及び/又はプリセットであってもよい。
【0008】
好ましくは、前記検出モジュールは、視覚センサ、レーダーセンサ又は光学センサの少なくとも一つを含むがそれに制限されず、前記検出モジュールで検出された結果により領域タイプを判断する。
好ましくは、掃除ロボットは、掃除ロボットの作業領域マップを形成するためのナビゲーション機構をさらに備え、検出モジュールは、作業領域マップに基づいて次の領域の領域タイプを検出してもよい。
好ましくは、当該ナビゲーション機構は、掃除ロボットがベースステーションに回帰して払拭部品を交換する場合に、作業領域マップにおいて現在の位置をマークし、掃除ロボットは、払拭部品の交換を完成した後に、マークされた位置に回帰して作業する。
【0009】
好ましくは、床拭きモジュールは、布巾センサをさらに備え、領域タイプが同じであると判断した場合に、布巾センサは、払拭部品の清潔度を検出し、清潔度がプリセット閾値より低い場合に、制御モジュールは、払拭部品を交換するように掃除ロボットを制御してもよい。
好ましくは、布巾センサは、本体の下方に取り付けられてもよい。
好ましくは、払拭部品の清潔度がプリセット閾値以上である場合に、制御モジュールは、直接に次の領域に移って作業するように掃除ロボットを制御する。
好ましくは、掃除ロボットは、前記掃除ロボットがベースステーションに回帰して払拭部品を交換する場合に、払拭部品交換信号を前記ベースステーションに送信するか、前記掃除ロボットがベースステーションに回帰充電する場合に、回帰充電信号を前記ベースステーションに送信する信号送信モジュールをさらに備えてもよい。
好ましくは、掃除ロボットは、掃除ロボットの走行及び作業にエネルギーを提供するために用いられてもよいエネルギーモジュールを備えてもよい。
好ましくは、掃除ロボットは、家庭用及び/又は室内サービスロボットである。
【0010】
本発明の実施例は、本体と、本体を支持して掃除ロボットを走行させる走行機構と、掃除ロボットに走行及び作業のための駆動力を提供するパワーモジュールと、本体上に取り付けられ、所定の床拭き作業を実行するための床拭きモジュールであって、払拭部品を装着可能な床拭きモジュールと、掃除ロボットの自動走行及び自動作業を実現するために、パワーモジュールに電気的に接続されてそれを制御する制御モジュールと、を備える掃除ロボットの掃除方法であって、現在の領域の床拭き作業が完成されると、次の領域の領域タイプを検出することで領域タイプが現在の領域のタイプと同じであるか否かを判断し、タイプが異なると判断した場合に、払拭部品を交換する必要がある旨をユーザに送信するか、又は払拭部品を交換する掃除ロボットの掃除方法をさらに提供する。
【0011】
それに対応して、手持ち式掃除機の適時性及び連続性を保証するために、本発明の実施例は、掃除ロボット、手持ち式掃除機及び少なくとも一つのエネルギーモジュールを備える自動充電システムであって、エネルギーモジュールが、掃除ロボット又は手持ち式掃除機に選択的に給電するために用いられる自動充電システムをさらに提供する。
好ましくは、エネルギーモジュールは、掃除ロボットを介して外部電気エネルギーをエネルギーモジュール中に蓄積してもよい。
好ましくは、エネルギーモジュールは、電池パックであってもよい。
好ましくは、掃除ロボットは、本体を備え、前記本体上には、前記エネルギーモジュールを収容可能な電池接続口が設けられ、前記エネルギーモジュールが前記電池接続口に取外し可能に組み込まれる。
【0012】
好ましくは、掃除ロボットには、第1差込口が設けらえ、前記手持ち式掃除機には、第2差込口が設けられ、前記エネルギーモジュールには、第3差込口が設けられ、前記第1差込口と前記第3差込口とが結合される場合に、前記エネルギーモジュールによって前記掃除ロボットに給電する第1機能、及び/又は、前記掃除ロボットによって前記エネルギーモジュールに充電する第2機能を実行し、前記エネルギーモジュールを前記掃除ロボットから引き抜かれ、前記第2差込口と前記第3差込口とが結合される場合に、前記エネルギーモジュールによって前記手持ち式掃除機に給電する。
【0013】
好ましくは、第1差込口は、シールを介して前記掃除ロボットに固定される。
好ましくは、掃除ロボットは、前記掃除ロボット中の前記エネルギーモジュールの電力がプリセット閾値より低い場合に、ベースステーションに回帰充電するように前記掃除ロボットを制御する制御モジュールをさらに備えてもよい。
好ましくは、掃除ロボットは、掃除ロボットの充電過程において、エネルギーモジュールにおける充電量情報及び/又は掃除ロボットの充電量で作業可能な時間情報をユーザ端末に送信する信号送信モジュールをさらに備えてもよい。
【0014】
好ましくは、掃除ロボットは、本体上に設けられてエネルギーモジュールを被覆する、本体に対して独立するカバーをさらに備えてもよい。
好ましくは、カバーは、本体に開閉可能に接続され、カバーと本体とは、係合接続される。
好ましくは、カバーは、本体に固定接続され、カバーと本体とに囲まれるキャビティが形成され、エネルギーモジュールは、キャビティに収容される。
従来技術と比べ、本発明の有益な効果は、同じ払拭部品の異なる領域での使用に起因する領域の間の汚れの相互汚染という欠陥を回避し、異なるタイプの領域の間の汚れが相互に汚染しないように保証し、掃除ロボットの清潔度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
以上に述べた本発明の目的、技術手段、及び有益な効果を、以下の図面によって実現することができる。
【
図1】本発明の一実施例の掃除ロボットシステムの模式図である。
【
図2】本発明の一実施例におけるエネルギーモジュールが取り付けられている掃除ロボットの正面図である。
【
図3】本発明の一実施例における掃除ロボットの機能モジュールの模式図である。
【
図4】本発明の一実施例における床拭きモジュールの側面図である。
【
図5】本発明の一実施例における適用シーンの模式図である。
【
図6】本発明の一実施例におけるエネルギーモジュールが取り付けられていない掃除ロボットの正面図である。
【
図7】本発明の一実施例における手持ち式掃除機及びエネルギーモジュールの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、図面を参照しながら、本発明の詳細及び技術内容を説明するが、添付された図面は参照及び説明を提供するためのものに過ぎず、本発明はこれに制限されない。
【0017】
図1に示すように、本発明の掃除ロボットシステムの模式図である。当該掃除ロボットシステム300は、ベースステーション500と、掃除ロボット100とを備えてもよい。掃除ロボット100は、払拭部品を自動に交換可能な装置であってもよい。それに対応して、掃除ロボット100が回帰充電するベースステーション500は、掃除ロボット100に充電できる以外、掃除ロボット100の払拭部品を交換するために用いられてもよく、充電機能と払拭部品交換機能とを組み合わせて当該掃除ロボットのベースステーションを形成することによって、ユーザの空間を節約することができる。掃除ロボット100がベースステーション500に回帰する必要がある場合に、払拭部品を交換する必要があるか、又は掃除ロボット100に充電する必要があることが検出されると、ベースステーション500に回帰するプログラムを起動させ、掃除ロボット100は、ベースステーション500に回帰して払拭部品の自動交換及び/又は掃除ロボット100の自動充電を完成する。一実施例において、前記払拭部品は、布巾又はスポンジ等を備えてもよい。以下に、例として、布巾を払拭部品の例として説明する。
【0018】
ベースステーション500は、底板507と、支持板506と、上部板505とを備え、上部板505が支持板506を介して底板507に接続される。上部板505上に新布巾槽503、旧布巾槽504及び布巾交換装置(図示せず)が設けられ、布巾交換装置は、升降機構、揺動機構等が用いられてもよく、底板507における新布巾槽503及び旧布巾槽504の投影は、底板507における掃除ロボット100の第2操作位置502及び第1操作位置501に対応する。当然ながら、新布巾槽と旧布巾槽の位置は、固定されたわけではなく、例えば、他の実施例において、新布巾槽503と旧布巾槽504の位置を交換してもよい。掃除ロボット100は、第1操作位置501で古い布巾を取り外し、ベースステーション500の布巾交換装置によって回収し、かつ、ベースステーション500の布巾交換装置によって新しい布巾を解放し、掃除ロボット100は、第2操作位置502で新しい布巾を取り付ける。
【0019】
図2及び
図3に示すように、本実施例の掃除ロボット100は、本体10と、走行機構20と、エネルギーモジュール30と、床拭きモジュール40と、パワーモジュール50と、制御モジュール60とを含み、ナビゲーション機構70をさらに含む。走行機構の走行素子は、掃除ロボット100を移動させるための駆動ホイール21を含むが、当然ながら、走行素子はキャタピラー構造であってもよい。一実施例において、掃除ロボットは、従動ホイール(図示せず)をさらに含む。エネルギーモジュール30は、掃除ロボットに選択的に給電するために用いられ、掃除ロボットは、エネルギーモジュール30に選択的に充電する。
【0020】
パワーモジュール50は、電動機、及び電動機に接続された伝動構造を含んでもよく、伝動機構は、走行機構に接続され、電動機によって伝動機構の作業を駆動し、伝動機構の伝動作用によって走行機構を運動させ、ここで、伝動機構は、ウォームギヤとウォーム機構、ベベルギア機構等であってもよい。パワーモジュール50には、走行機構の運動に駆動力を提供するための電動機と、所定の周波数に振動によって床拭きを実行するように床拭きモジュールを駆動するために駆動力を提供する電動機との二組の電動機が設けられてもよいし、走行機構の運動に駆動力を提供するための一組の電動機のみが設けられてもよいが、当然ながら、一組の電動機の数量が制限されず、例えば一つでも二つでもよい。床拭きモジュール40は、本体上に取り付けられ、作業表面(例えば、床)に対して予定の床拭き作業を実行するために用いられ、床拭きモジュール40に布巾が装着されてもよい。本実施例において、掃除ロボットは、家庭用及び/又は室内サービスロボットであってもよい。
【0021】
ナビゲーション機構は、視覚センサ、超音波センサ、レーダーセンサ、光学センサ(レーザーLDS又は赤外線センサ等)、UWBセンサ、慣性航法システム、衛星測位システム(GPS、北斗等)等の少なくとも一つを含んでもよいがそれに制限されず、掃除ロボットの作業を制御するための環境制御データを提供するとともに、掃除ロボットの作業領域マップを生成するために用いられる。掃除ロボットの作業領域は、1階建ての住宅であってもよく、別荘式の数階建ての住宅であってもよく、それに対応して、生成される作業領域マップは、1階建ての住宅に対応する一枚のマップであってもよく、複数階建ての住宅の階ごとに対する複数枚のマップであってもよい。作業領域が1階建ての住宅である場合に、掃除ロボットは、この一枚のマップに基づいて直接に作業する。作業領域が複数階建ての住宅である場合に、ユーザが掃除ロボットが位置する階に対して対応するマップを選択することによって、掃除ロボットは、このマップに基づいて作業してもよいが、掃除ロボットは、視覚センサ等により、位置する階を識別することによって、それに対応するマップを自主的に選択して作業してもよい。ナビゲーション機構70は、作業領域マップにおいて掃除ロボットの現在の位置をマークするために用いられてもよく、ナビゲーション機構70が掃除ロボットの位置をリアルタイムにマークすることで、掃除ロボットは、マークされた位置に速やかに回帰して作業を続行することができる。例えば、掃除ロボットが回帰充電する場合に、充電前に離れた位置をマークし、充電が完成して回帰する場合に、離れた位置に速やかに到達して作業を続行することができる。
【0022】
本願の他の実施例において、掃除ロボット100は、床掃き・床拭き複合式の掃除装置であってもよく、この場合に、掃除ロボットは、床拭きモジュール以外、床掃きモジュール401をさらに含んでもよく、床掃きモジュールは、床、壁の隅等のほこり等の異物を掃除するためのローラーブラシ、エッジブラシを含んでもよく、エッジブラシにより異物をローラーブラシに相対的に集中して処理し、ほこりを集塵ボックスに収集する。
【0023】
制御モジュールは、例えば、埋込式のデジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor,DSP)、マイクロプロセッサ(Micro Processor Unit,MPU)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit,ASIC)、プログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device,PLD)、システムオンチップ(System on Chip,SOC)、中央処理装置(Central Processing Unit,CPU)又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array,FPGA)等のコントローラであってもよい。
【0024】
コントローラは、プリセットプログラム又は受信した指示に応じて掃除ロボットの作業を制御することができる。具体的には、コントローラは、掃除ロボットの作業領域においてプリセットされた走行経路に従って走行するように走行機構を制御することができ、走行機構によって掃除ロボットを走行させるとともに、床拭きモジュールは、床拭き作業(乾拭き又は湿拭き)を実行し、作業領域内のほこり等のゴミを取り除く。掃除ロボットのプリセット経路の走行が完成し、床拭き作業も完成した場合に、コントローラは、床拭き作業を停止させるように掃除ロボットを制御し、走行機構の走行を制御することによって、走行機構で掃除ロボットを作業領域から離間させることができる。掃除ロボットの走行経路と停止位置は、コントローラに予め設定され、コントローラの制御によって走行機構に実行させてもよい。
【0025】
本願において、掃除ロボットは、布巾を自主的に交換可能な装置であってもよい。それに対応して、掃除ロボットが回帰充電するためのベースステーションは、掃除ロボットに充電できる以外、掃除ロボットの布巾を交換するためのベースとすることもでき、充電機能と布巾交換の機能とを組み合わせて当該掃除ロボットのベースステーションを形成することによって、ユーザの空間を節約することができる。もちろん、掃除ロボットの布巾を交換する位置は、回帰充電する位置と別に単独に設けられてもよく、この場合に、掃除ロボットは、布巾を交換する必要がある場合に、布巾を交換する位置に回帰して布巾を交換することができ、充電する必要がある場合に、充電位置に回帰充電することができる。これについて、本願は、限定しておらず、この場合に、布巾を交換する回帰位置は、固定でない位置点であってもよい。本願の後文において、説明の便宜のため、特に断らない限り、掃除ロボットが回帰して布巾を交換すると説明する場合に、この回帰位置とは、充電と布巾交換の二つの機能を組み合わせたベースステーションであっても、布巾を交換するためのベースステーションであってもよい。それに対応して、掃除ロボットが回帰充電すると説明する場合に、当該回帰位置とは、充電と布巾交換の二つの機能を組み合わせたベースステーションであっても、掃除ロボットに充電するためのベースステーションであってもよい。
【0026】
掃除ロボットは、信号送信モジュール80を含んでもよく、充電機能と布巾交換の機能とを組み合わせて当該掃除ロボットのベースステーションを形成する場合に、当該信号送信モジュール80は、掃除ロボットがベースステーションに回帰して布巾を交換する場合に、布巾交換信号をベースステーションに送信することができ、掃除ロボットがベースステーションに回帰充電する場合に、回帰充電信号をベースステーションに送信することもできる。それに対応して、ベースステーション上にも、掃除ロボットの信号を受信するための信号受信モジュールがある。このように、掃除ロボットが回帰するときに、ベースステーションは、掃除ロボットの回帰目的を予め知り、それに対応する準備作業を予め行うことができ、掃除ロボットが関連信号をベースステーションに送信できなかった場合、床拭き機が回帰充電するときに、ベースステーションによって掃除ロボットがベースステーションの対応位置に到達したことが検出され、布巾を交換する必要があると誤判断し、新しい布巾を落としてしまう等の欠陥を回避することができる。充電機能と布巾交換の機能とが単独に設けられる場合に、当該信号送信モジュール80は、掃除ロボットが布巾交換位置に回帰して布巾を交換する場合に、布巾交換信号を布巾交換位置に送信することができる。それに対応して、布巾交換位置上にも、掃除ロボットの信号を受信するための信号受信モジュールがある。
【0027】
図4に示すように、一実施例において、床拭きモジュール40は、布巾41が取外し可能に取り付けられる床拭き板43をさらに含んでもよく、床拭き板43と布巾41とを一体にしてもよく、面ファスナー又は両面テープ等で接続してもよいが、これについて、本願は限定しない。
【0028】
図4に示すように、一実施例において、掃除ロボットは、布巾41と接続される持ち上げ機構42をさらに含んでもよく、持ち上げ機構は、作業表面に対する床拭きモジュールの高さ位置を、制御モジュールの制御で調整することができる。持ち上げ機構42は、掃除過程全体における床拭きモジュールの持ち上げ又は降下等の動作を制御するために用いられてもよい。それに対応して、持ち上げ機構42は、布巾付きの床拭き板43の持ち上げ又は降下を制御するために用いられてもよい。
【0029】
一実施例において、床拭きモジュールは、前記本体上に取外し可能に取り付けられる。一実施例において、
図4に示すように、掃除ロボットの本体上に突出装置(本願において、押出柱44として示される)が設けられ、床拭きモジュールが前記床拭きモジュールを取り外す位置まで持ち上げられた場合に、突出装置(押出柱44)は、床拭きモジュールと接触し、床拭きモジュールに下向きの作用力を提供して、床拭きモジュールと前記本体とを分離させる。本体と床拭きモジュール40との間は、磁石、機械的係合、又は負圧を形成する等により接続される。制御モジュールが所定の高さまで持ち上げるように持ち上げ機構42を制御する場合に、押出柱44は、床拭きモジュール40と接触して、床拭きモジュール40と本体とを分離させる。
【0030】
作業過程において、作業表面に対する掃除ロボットの床拭きモジュールの高さ位置は、少なくとも、掃除ロボットが床拭き作業を実行する場合の第1位置と、掃除ロボットが走行する又は障害物を越える等の過程における第2位置と、掃除ロボットが布巾を取り外すときの第3位置の少なくとも三つがあり、ここで、第3位置は、第2位置以上であり、第1位置は、第2位置より低く、持ち上げ機構により床拭きモジュールの位置を調節することによって掃除ロボットによる床拭き、障害物越え、布巾の自動交換等のニーズを実現することができる。もちろん、掃除ロボットは、前記三つの高さ状態以外、さらに第1位置より低い新しい布巾を取り付けるための第4位置があってもよい。
【0031】
以下に、一適用シーンを例として、前記位置関係を説明する。掃除ロボットが床拭きの作業状態にある場合に、布巾持ち上げ機構は、第1位置になるように布巾を制御し、このとき、布巾と床との間に所定の圧力があり、布巾は、床と接触し、一定の過負荷がかかり、良好な掃除効果を達成することができる。床拭き過程において掃除ロボットが障害物に遭遇する場合に、持ち上げ機構は、第2位置になるように布巾を制御し、このとき、布巾が自動的に持ち上げられ、第2位置は、作業状態の高さより高くなるが、布巾及び床拭き板の落下を防止するために、布巾を取り外す高さより高くなってはならない。床拭き過程において、掃除ロボットの布巾の交換が必要になり、又は電力がプリセット閾値より低くなって回帰充電する必要がある場合に、持ち上げ機構は、第2位置まで上がるように布巾を制御し、また、掃除ロボットは、ナビゲーション機構により回帰前に位置する位置座標を生成し、この位置座標を作業領域マップにマークしてもよい。
【0032】
布巾を交換する場合に、持ち上げ機構は、第3位置まで上がるように布巾を制御して布巾を取り外し、掃除ロボット上に固定装着された押出柱によって、布巾が取り付けられた床拭き板を、磁気作用に抗って掃除ロボットから落下させ、古い布巾を第1操作位置まで取り外し、当該第1操作位置は、古い布巾の取り外しに用いられることができる。古い布巾の取り外しが完成した後に、掃除ロボットは、新しい布巾を自動に取り付け、掃除ロボットは、第2操作位置で新しい布巾の取り付けを完成することができ、ロボットが対応する位置に移行すると、床拭き板は、新しい布巾を取り付ける高さまで降下すれば、磁気吸着作用により新しい布巾を掃除部材に取り付け、新しい布巾の取り付けを完成することができる。
【0033】
新しい布巾の取り付けが完成した後又は充電し終わった後に、持ち上げ機構は、第2位置まで上がるように布巾を制御し、作業領域マップにマークされた位置に回帰し、当該マークされた位置に到達すると、持ち上げ機構は、布巾を制御して第1位置まで調整し、床拭きを続行する。床拭き過程において、掃除ロボットに床拭きを一時停止させる必要がある場合に、持ち上げ機構は、第2位置まで上がるように布巾を制御する。前記持ち上げ機構によって障害物を越えるために上がるように布巾を制御することで、従来技術において、掃除ロボットの床拭きモジュールは、作業過程において床拭き時の第2位置状態しかなく、障害物を越える高さがほぼ0であるので、掃除可能な範囲が限られるという欠陥を解決する。
【0034】
床拭きモジュールは、床拭きを一時停止させる場合に布巾を第2位置まで持ち上げるように持ち上げ機構を制御してもよく、従来技術において、床拭きモジュールは、床拭き時の第2位置状態しかないので、床が液浸されて損傷するという欠陥を解決する。掃除ロボットは、布巾の交換又は充電が完成した後に、布巾交換前の床拭き位置に回帰して中断位置の床拭きを続行することもできるので、従来技術において、床拭きが実行された領域の重複作業、床拭きが実行されていない領域の抜かりという欠陥を解決し、掃除ロボットの掃除効率を向上させる。かつ、布巾の自動交換を実現することができ、掃除ロボットの自動化程度及びユーザの体験を向上させる。
【0035】
本実施例において、通常、掃除ロボットは、具体的に、布巾の使用時間、布巾の床拭き面積、布巾の汚れ具合又は布巾の損傷具合、及び作業領域の変更等の状況に基づいて、布巾交換を行い、布巾の二次汚染を引き起こすことなく、その利用率を向上させる。
【0036】
本願の一実施例において、掃除ロボットは、計時モジュールを含んでもよく、計時モジュールにより布巾の作業時間を記録し、この作業時間とプリセットされた時間閾値とを比較し、この時間閾値以上である場合に、掃除ロボットは、回帰して布巾を交換するとともに、回帰前の床拭き位置の座標を生成して作業領域マップにマークし、掃除ロボットは、新しい布巾を取り付けた後に、作業領域マップにマークされた位置に回帰して作業を続行する。
【0037】
本願の他の実施例において、掃除ロボットは、作業面積記録モジュールを含んでもよく、作業面積記録モジュールにより布巾の作業面積を記録し、この作業面積とプリセットされた面積閾値とを比較し、この面積閾値以上である場合に、掃除ロボットは、回帰して布巾を交換するとともに、回帰前の床拭き位置の座標を生成して作業領域マップにマークし、掃除ロボットは、新しい布巾を取り付けた後に、作業領域マップにマークされた位置に回帰して作業を続行する。
【0038】
本願の他の実施例において、掃除ロボットは、布巾センサを含んでもよく、布巾センサにより布巾の清潔度を検出し、検出された清潔度がプリセット閾値より低い場合に、制御モジュールは、回帰して布巾を交換するとともに、回帰前の床拭き位置の座標を生成して作業領域マップにマークし、新しい布巾の取り付けを完成した後に、作業領域マップにマークされた位置に回帰して作業を続行するように掃除ロボットを制御する。検出された布巾の清潔度がプリセット閾値以上である場合に、制御モジュールは、床拭き作業を続行するように掃除ロボットを制御する。布巾センサは、掃除ロボット本体の下方に取り付けられてもよく、具体的には、静電容量センサ、電流センサ、レーダーセンサ及び光センサの少なくとも一つを含んでもよいがそれに制限されない。
【0039】
本願の実施例において、掃除ロボットは、作業領域のタイプを検出するための検出モジュール110を含んでもよく、床拭きモジュールが現在の領域の床拭き作業を完成すると、検出モジュールは、次の領域の領域タイプを検出することで次の領域のタイプが現在の領域と同じであるか否かを判断することができる。領域タイプが異なると判断した場合に、制御モジュールは、布巾を交換する必要がある旨をユーザに送信するか、又は布巾を交換するように掃除ロボットを制御することができる。本実施例において、床拭きモジュールが現在の領域の床拭き作業を完成したことは、現在の領域における100%面積の床拭き作業を完成したことに限らず、床拭きモジュールが現在の領域の床拭き作業を基本的に完成した等の場合を含んでもよいことは注意されるべきである。一適用シーンにおいて、掃除ロボットは、現在の領域の95%の面積の床拭き作業を完成すると、検出モジュールによって次の領域の領域タイプを検出してもよく、タイプが異なる場合、コントローラは、布巾を交換する必要があるという通知メッセージをユーザ端末に送信するか、布巾を自動に交換するようにロボットを制御する。
【0040】
本実施例において、掃除ロボットの作業領域には、少なくとも一つの領域タイプが含まれ、ユーザカスタマイズ又はプリセットにより領域を分類してもよい。一実施例において、掃除ロボットによって作業領域マップを生成した後に、ユーザは、ユーザ端末に表示されるマップで各領域を直接に分類して分類結果を記憶させることができる。ユーザは、実際のニーズに応じて、形成された作業領域マップに対して領域を分類してもよく、例えば、領域の実際の機能に応じて、領域をキッチン、トイレ、寝室等の領域に分類してもよい。分類が後、床拭き作業に実行する過程において、異なる領域に対して異なる布巾を使用するか、又は例えば、乾拭き、湿拭き及び洗浄液を使用するか否かといった異なる掃除方式により、床拭きを実行する。
【0041】
他の実施例において、掃除ロボットは、メーカーによってプリセットされた既定の分類方式により、マップの生成過程において直接マップにおける各領域を自動的に分類し、この領域の分類結果をマップにマークして記憶してもよい。例えば、掃除ロボットは、視覚センサ、レーザー又は光学センサ(LDS又はTOFセンサ等を含む)により各領域を検出し、寝具類の物品を検出した場合に、ロボットの特徴データベース中の大量のデータと対照することで、この領域を寝室として分類するようにしてもよい。レンジフード等の物品を検出した場合に、この領域をキッチンとして分類する。分類完成後、床拭き作業を実行する過程において、ロボットは、マップにマークされた領域の分類結果に基づき、異なる領域に対して異なる布巾を使用するか、又は異なる掃除方式(洗浄液を使用するか否か)を使用してもよい。床拭き過程において、ロボットは、異なるタイプの領域に対して異なる布巾を使用し、異なる領域で同じ布巾を使用することに起因して領域の間の汚れが相互に汚染するという欠陥を回避し、異なるタイプの領域の間の汚れが相互に汚染しないように保証し、掃除ロボットの清潔度を向上させることができる。
【0042】
他の実施例において、掃除ロボットによってマップを生成した後に、前記領域を分類することなく、床拭き作業を実行する過程において次の領域の領域タイプを直接検出し、床拭き過程における領域タイプの検出結果に基づいて布巾を交換するか否かを選択してもよい。
【0043】
本願の一実施例において、マップに領域タイプがマークされた場合に、プログラムアルゴリズムによって検出モジュールを実現し、プログラムアルゴリズムにより領域タイプの検出を実現してもよい。具体的には、掃除ロボットは、現在の領域の掃除作業を完成して次の領域に移行する前に、作業領域マップにおける現在の作業領域の領域タイプと次の作業領域の領域タイプとを比較する。両者のタイプが異なると検出された場合に、制御ロボットは、布巾を交換する必要がある旨をユーザに送信するか、又は布巾を交換する。両者のタイプが同じであると検出された場合に、以上の実施例における前記の布巾の清潔度を検出する布巾センサによって布巾をさらに検出してもよく、ここで重複して述べない。
【0044】
本願の一実施例において、この検出モジュールは、視覚センサ又は光学センサであってもよく、マップに領域タイプがマークされた場合でも、又は領域タイプがマークされていない場合でも、視覚センサ又は光学センサで検出された領域の図像を用いて領域タイプを判断することができる。具体的には、掃除ロボットは、現在の領域での掃除作業を完成して次の領域に移行する前に、視覚センサにより次の掃除を必要とする領域が現在の領域のタイプと同じであるか否かを観察し、両者のタイプが異なると検出した場合に、制御ロボットは、布巾を交換する必要がある旨をユーザに送信するか、又は布巾を交換する。
【0045】
本願の他の実施例において、この検出モジュールは、レーダーセンサであってもよく、マップに領域タイプがマークされた場合でも、領域タイプがマークされていない場合でも、レーダーセンサで検出された電磁波変化に基づいて領域タイプを判断することができる。具体的には、掃除ロボットは、現在の領域の掃除作業を完成して次の領域に移行する前に、レーダーセンサにより次の掃除を必要とする領域が現在の領域のタイプと同じであるか否かを観察し、両者のタイプが異なると検出した場合に、制御ロボットは、布巾を交換する必要がある旨をユーザに送信するか、又は布巾を交換する。
【0046】
一実施例において、掃除ロボットは、信号送信モジュール90を含んでもよく、この信号送信モジュール90により布巾を交換する必要がある旨をユーザに送信し、ここで、この情報は、リモート送信情報であってもよく、掃除ロボットからのローカル情報であってもよい。具体的には、リモート情報は、布巾を交換する必要があるというユーザに送信する通知メッセージであってもよく、ユーザは、この通知メッセージを受信すると、自分で布巾を交換してもよく、布巾を自動に交換するように掃除ロボットを指示してもよい。ローカル情報は、掃除ロボットのヒューマンマシンインターフェース情報であってもよく、掃除ロボットの指示ユニットの発光又は発声により送信する情報であってもよく、ユーザは、掃除ロボットから発する光を見ると、又は声を聞くと、自分で布巾を交換してもよく、関連ボタン、例えば、掃除ロボットでの物理ボタン又はヒューマンマシンインターフェースの仮想ボタンをリモートで又は直接に押して布巾を自動に交換するように掃除ロボットを指示してもよい。
【0047】
他の実施例において、制御モジュールは、掃除ロボットの布巾交換を制御し、すなわち、領域タイプが異なると判断した場合に、制御モジュールが、布巾を交換するように掃除ロボットを制御してもよく、この布巾交換位置は、充電と布巾交換の機能とを組み合わせたベースステーションであってもよく、一時的に設定された布巾を交換可能なベースステーションであってもよい。
【0048】
さらに、検出モジュールで検出された領域タイプが同じである場合に、布巾センサにより布巾の清潔度を検出し、検出された清潔度がプリセット閾値より低い場合に、制御モジュールは、現在の位置をマークし、布巾を交換し、布巾交換を完成した後に、マークされた位置に回帰して中断位置の床拭きを続行するように掃除ロボットを制御してもよい。検出された布巾の清潔度がプリセット閾値以上である場合に、制御モジュールは、次の領域で床拭き作業を実行するように掃除ロボットを制御する。
【0049】
本願の一実施例において、領域タイプが異なると判断した場合に、掃除ロボットに床拭きモジュールを持ち上げ状態に維持させたまま、ベースステーションに回帰して布巾を自動に交換するように掃除ロボットを制御してもよい。
【0050】
本願の一実施例において、掃除ロボットが回帰して布巾を交換し、又はベースステーションに回帰充電する場合に、掃除ロボットは、回帰前の位置をマップにマークすることができ、布巾交換が完成し、又は充電後に回帰するときに、このマークされた位置に直接回帰して予め計画された経路に従って床拭き作業を続行することができ、これによって、掃除ロボットの掃除効率を向上させることができる。
【0051】
以下に、具体的な適用シーンにより、本願の実施例の方法を説明する。
図5には、本願が提供するシーンの模式図を示す。本適用シーンにおいて、ベースステーション500は、充電できるだけでなく、布巾を交換できる。ユーザの王さんは、掃除ロボット100によって自分の部屋を掃除する。掃除ロボット100によって生成した王さんの家のマップにおいて、王さんは、各部屋の用途に応じて、部屋を寝室、書斎、バルコニー、リビングルーム、ダイニングルーム、トイレ、キッチンの七つの部分ぶ分類し、ここで、寝室と書斎は、同じの領域タイプに属し、掃除ロボット100は、ベースステーション500から出発して湿拭きを実行し、プリセットされた走行経路に従って、まず寝室に移行して床拭きを実行し、寝室に到達すると、弓字形の経路で床拭き作業を開始する。寝室の床拭き作業が完成すると、掃除ロボット100は、次の床拭き領域、すなわち、書斎のタイプを検出し、前に掃除した寝室のタイプと同じであると認識すると、さらに布巾センサにより布巾の清潔度を検出し、清潔度がプリセット閾値より高くなると認識すると、書斎に移行して床拭き作業を続行する。書斎で掃除する過程において、清潔度がプリセット閾値より低くなったと認識すると、現在の床拭き位置をマークし、床拭きモジュールを第2位置に維持したまま、ベースステーション500に回帰して布巾を交換し、回帰するときに、回帰して布巾を交換する信号をベースステーション500に送信し、布巾交換が完成した後に、書斎にマークされた位置に回帰して中断位置の床拭きを続行し、書斎の床拭きが完成した後に、プリセットされた走行経路に従ってリビングルームに移行して床拭きを実行するように準備し、まずリビングルームの領域タイプが書斎の領域タイプと同じであるか否かを検出し、異なると認識すると、ベースステーション500に回帰して布巾を交換し、布巾交換が完成した後にリビングルームに移行して床拭きを続行する。最終的に、このように全ての部屋の掃除を完成する。
【0052】
自動充電システム、例えば、掃除ロボットの充電システムについては、掃除ロボット内に内蔵電池パックが設けられ、電池パックは、掃除ロボットの内部に固定され、手動で取り外すことができず、電池パックの取り付けと取り外しには工具でネジを取り外す等する必要がある。掃除ロボットは、人間で監視することなく作業タスクを自動に実行し、電気エネルギーが不足すると、ベースステーションに自動に回帰して掃除ロボットのエネルギーモジュールに充電することができる。
【0053】
一方、他の手持ち式掃除機、例えば、手持ち式集塵機、手持ち式洗浄機等については、手持ち式掃除機の電力がなくなると、ユーザは、作業を停止させ、手持ち式掃除機を自宅又は他の充電場所に持ち帰って充電し、充電後に作業を続行するしかないので、作業の適時性及び連続性を保証することができない。したがって、前記問題を解決するために、新しい自動充電システムを設計する必要がある。
【0054】
図6及び
図7に示すように、本願は、掃除ロボット(本願において、例えば、掃除ロボット100等)と、手持ち式掃除機200(例えば、手持ち式集塵機、手持ち式洗浄機)と、少なくとも一つのエネルギーモジュール30とで構成される自動充電システムをさらに提供し、エネルギーモジュール30は、掃除ロボット100又は手持ち式掃除機200に選択的に給電するために用いられ、又は、掃除ロボット100又は手持ち式掃除機200により選択的に充電するために用いられ、すなわち、ユーザは、エネルギーモジュール30によって掃除ロボット100又は手持ち式掃除機200に給電してもよく、掃除ロボット100又は手持ち式掃除機200によってエネルギーモジュール30に充電してもよい。又は、エネルギーモジュール30は、それに適合した充電スタンドにより直接充電してもよい。このエネルギーモジュール30は、複数であってもよく、このように、第1エネルギーモジュールを掃除ロボットに取り付けて床拭き作業を実行する場合に、第2エネルギーモジュールを手持ち式掃除機に取り付けて床掃き作業を実行することができる。他の実施例において、エネルギーモジュール30は、掃除ロボットのみに給電してもよい。掃除ロボット及び手持ち式掃除機は、いずれも同様なエネルギーモジュール30を共用し、1種類の電池のみで全ての掃除問題を実現し、材料及びエネルギーを節約するという目的を達成することができる。
【0055】
掃除ロボット100は、エネルギーモジュールを収容可能な電池接続口が設けられる本体を含み、エネルギーモジュール30は、電池接続口に取外し可能に組み込まれる。取り外し可能とは、エネルギーモジュール30を取り外す場合に、ネジ、ナット等の締結部品を取り外さなくてもエネルギーモジュール30を直接取り外すことができることを指す。本体は、本体10、走行機構20、床拭きモジュール40及び制御モジュール60等を含み、ここで、走行機構20、床拭きモジュール40及び制御モジュール60等は、いずれも本体10に取り付けられる。走行機構は、掃除ロボット100を作業領域内で走行させ、床拭きモジュール40は、床拭き作業を実行する。制御モジュールは、走行機構、床拭きモジュール40、エネルギーモジュール30等と電気的に接続され、掃除ロボット100を移動させるように走行機構を制御し、床拭き作業を実行するように床拭きモジュール40を制御する。
【0056】
本願の一実施例において、掃除ロボットにより外部電気エネルギーをエネルギーモジュール30に蓄積してもよく、すなわち、ユーザは、掃除ロボットによってエネルギーモジュール30に充電してもよい。本願の他の実施例において、エネルギーモジュール30は、一般的な充電器により充電してもよい。すなわち、本願において、掃除ロボットの制御モジュールによってベースステーションに回帰してエネルギーモジュール30に充電するようにロボットを制御する方式と、外接充電器によって直接エネルギーモジュール30に充電する方式という二つの方式によりエネルギーモジュール30に充電することができる。さらに、掃除ロボットは、信号送信モジュールをさらに含んでもよく、この信号送信モジュールは、掃除ロボットが充電する過程において、エネルギーモジュールにおける充電量情報及び/又は掃除ロボットの充電量で作業可能な時間情報をユーザ端末に送信し、ユーザがユーザ端末で各手持ち式掃除機の定格電力を設定した場合に、ユーザ端末に各手持ち式掃除機の充電量で作業可能な時間情報を表示させてもよい。
【0057】
本願の一実施例において、エネルギーモジュール30は、電池パックであってもよく、各電池パックは、少なくとも一つの電池を含んでもよく、複数の電池は、直並列変換により電池電圧を所望の作業電圧に調整する。
【0058】
本願の一実施例において、
図6に示すように、掃除ロボット100には、第1差込口31がさらに設けられ、手持ち式掃除機には、第2差込口が設けられ、エネルギーモジュール30には、第3差込口が設けられ、第1差込口31と第3差込口とが結合される場合に、エネルギーモジュール30から掃除ロボット100に給電することも、掃除ロボット100からエネルギーモジュール30に充電することも可能であり、さらに、エネルギーモジュール30を掃除ロボット100から引き抜き、第3差込口と手持ち式掃除機中の第2差込口とを結合する場合に、エネルギーモジュール30によって手持ち式掃除機に給電することができる。ここで、掃除ロボット100の第1差込口31は、掃除ロボットの防水機能を保証するために、シール、例えば、コロイド、シールリング等により固定されてもよい。
【0059】
図2及び
図6に示すように、自動移動装置100は、本体上に設けられ、エネルギーモジュール30外を被覆するカバー32をさらに含み、カバー32は、主に、防水、防湿、日焼け防止等のために用いられる。他の実施例において、カバー32は、防水、防湿、日曝し防止等のうちの一種のみ又は複数種の機能のために用いられてもよく、例えば、カバー32は、防水のみのために用いられてもよく、エネルギーモジュール30及び電池接続口上の電池パック30、第1差込口31及び第2差込口等が雨水で濡れたことで回路の損傷を引き起こすことを回避する。本発明中のカバー32は、前記本体から独立する。
【0060】
本願において、カバー32は、本体上に設けられ、エネルギーモジュール30外を被覆する。一実施例において、カバー32は、本体に開閉可能に接続され、カバー32及び本体上に直接に相互係合する係合装置が設けられる。直接に相互係合するとは、カバーと本体との間の係合装置がネジ等の締結部品を必要とせず、互いの係合を解除することができることを指す。他の実施例において、カバー32は、本体に固定接続され、カバー32と本体とに囲まれるキャビティが形成され、エネルギーモジュール30は、キャビティに収容される。
【0061】
前記実施例において、エネルギーモジュール30及びカバー32は、実際の状況に応じて本体の異なる位置に設けられてもよく、日照りや雨等の環境の影響を減少するために、本体の下方に設けられることが好ましい。掃除ロボット100の床拭き重心を安定させるために、床拭きモジュール40の後方、二つの駆動ホイール21の中間位置に設けられてもよい。手持ち式掃除機に取り外し可能且つ結合可能なエネルギーモジュールを設けることで、自動充電システムにおける手持ち式掃除機が電気エネルギーを適時に得ることができるという技術的効果を実現する。
【0062】
以上、上記実施例によって、本発明のいくつかの実施形態を具体的かつ詳しく説明したが、本発明特許の範囲がそれに制限されると理解してはならない。当業者にとって、本発明の思想から逸脱しない限り、本発明に変形と改善を加えることができ、これらはすべて本発明の保護範囲に属することは言及されるべきである。したがって、本発明の特許の保護範囲は添付の特許請求の範囲とすべきである。