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特許7324861広告制御装置、広告制御方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-02
(45)【発行日】2023-08-10
(54)【発明の名称】広告制御装置、広告制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0251 20230101AFI20230803BHJP
【FI】
G06Q30/0251
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021558050
(86)(22)【出願日】2019-11-18
(86)【国際出願番号】 JP2019045089
(87)【国際公開番号】W WO2021100089
(87)【国際公開日】2021-05-27
【審査請求日】2021-12-15
(73)【特許権者】
【識別番号】300016765
【氏名又は名称】シャープNECディスプレイソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100134544
【弁理士】
【氏名又は名称】森 隆一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(72)【発明者】
【氏名】内山 晃
【審査官】貝塚 涼
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-068713(JP,A)
【文献】国際公開第02/057973(WO,A1)
【文献】特開平11-134353(JP,A)
【文献】特開2001-023047(JP,A)
【文献】特開2004-054780(JP,A)
【文献】特開2008-243090(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品の価格及び商品分類を示す情報を商品と関連付けて記憶している商品情報記憶部と、
顧客の店舗における購入頻度を示す頻度情報を用いて特定した購入頻度が最も高い商品分類に含まれる商品、又は前記顧客が前記店舗で購入した商品の金額に関する金額情報に含まれる商品の価格の平均単価又は中央値よりも高い価格の商品を前記商品情報記憶部から選択する商品選択手段と、
前記顧客が前記店舗に最後に来店した最終来店日又は当該店舗で最後に商品を購入した最終購入日を示す最終日情報に基づいて、前記最終日情報が示す日が新しくなるにつれて高くなるランクを前記顧客に対して付与し、前記商品選択手段が選択した商品の広告に含まれる情報量に関する条件を、前記ランクが高くなるにつれて前記情報量が多くなるように定める情報量決定手段と、
前記商品選択手段が選択した商品に関する広告であって、前記情報量決定手段が決定した前記条件を満たす広告を表示手段に送信して表示させる送信手段と、
を備える広告制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の広告制御装置において、
商品の発売日を商品と関連付けて記憶している商品情報記憶部をさらに有し、
前記商品選択手段は、前記最終日情報が示す日より後に発売される商品を前記商品情報記憶部から選択する広告制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載の広告制御装置において、
前記商品選択手段は、前記顧客の前記店舗への来店周期を特定するための来店周期情報及び前記最終日情報を用いて前記顧客が次に前記店舗に来店すると予想される来店予想日を特定し、前記最終日情報が示す日より後かつ前記来店予想日前に発売される商品を選択する広告制御装置。
【請求項4】
請求項1に記載の広告制御装置において、
商品の価格を商品と関連付けて記憶している商品情報記憶部をさらに有し、
前記金額情報は、前記顧客が前記店舗で購入した商品の単価の統計値を示しており、
前記商品選択手段は、前記統計値より上の価格の商品を前記商品情報記憶部から選択する広告制御装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の広告制御装置において、
前記表示手段は前記店舗に設けられており、
前記送信手段は、前記店舗において前記顧客が一の商品を購入したときに広告を前記表示手段に表示させ、
前記金額情報には、当該一の商品の購入が反映されており、
前記商品選択手段は、前記金額情報を用いて、広告の対象となる商品を選択する広告制御装置。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の広告制御装置において、
前記情報量決定手段は、前記頻度情報及び前記金額情報の少なくとも一方に基づいて前記顧客に対して前記ランクを付与する広告制御装置。
【請求項7】
コンピュータが、
顧客の店舗における購入頻度を示す頻度情報を用いて特定した購入頻度が最も高い商品分類に含まれる商品、又は前記顧客が前記店舗で購入した商品の金額に関する金額情報に含まれる商品の価格の平均単価又は中央値よりも高い価格の商品を、商品の価格及び商品分類を示す情報を商品と関連付けて記憶している商品情報記憶部から選択し、
前記顧客が前記店舗に最後に来店した最終来店日又は当該店舗で最後に商品を購入した最終購入日を示す最終日情報に基づいて、前記最終日情報が示す日が新しくなるにつれて高くなるランクを前記顧客に対して付与し、前記選択した商品の広告に含まれる情報量に関する条件を、前記ランクが高くなるにつれて前記情報量が多くなるように定め、
前記選択した商品に関する広告であって、前記条件を満たす広告を表示手段に送信して表示させる、広告制御方法。
【請求項8】
コンピュータに、
顧客の店舗における購入頻度を示す頻度情報を用いて特定した購入頻度が最も高い商品分類に含まれる商品、又は前記顧客が前記店舗で購入した商品の金額に関する金額情報に含まれる商品の価格の平均単価又は中央値よりも高い価格の商品を、商品の価格及び商品分類を示す情報を商品と関連付けて記憶している商品情報記憶部から選択する機能と、
前記顧客が前記店舗に最後に来店した最終来店日又は当該店舗で最後に商品を購入した最終購入日を示す最終日情報に基づいて、前記最終日情報が示す日が新しくなるにつれて高くなるランクを前記顧客に対して付与し、前記選択した商品の広告に含まれる情報量に関する条件を、前記ランクが高くなるにつれて前記情報量が多くなるように定める機能と、
前記選択した商品に関する広告であって、前記条件を満たす広告を表示手段に送信して表示させる機能と、
を持たせるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広告制御装置、広告制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
企業が顧客に対して実施する販売戦略の一つに、商品の広告および宣伝活動がある。例えば特許文献1には、顧客のランク別に提供すべきサービスの有無及びその種類を決定することが記載されている。特許文献1において、顧客のランクは、買い上げ総額や来店日数等によって判断されている。
【0003】
また特許文献2には、顧客の情報を参照し、適切なアクションプランを策定することで、企業と顧客の関係性を構築することが記載されている。アクションプランには、顧客が嗜好する商品を推定し、広告および宣伝することが含まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2007-109168号公報
【文献】特開2004-185598号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者は、顧客別に、販促効果の高い広告を選択して提供する方法を検討した。本発明の目的は、顧客別に、販促効果の高い広告を選択して提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、商品の価格及び商品分類を示す情報を商品と関連付けて記憶している商品情報記憶部と、
顧客の店舗における購入頻度を示す頻度情報を用いて特定した購入頻度が最も高い商品分類に含まれる商品、又は前記顧客が前記店舗で購入した商品の金額に関する金額情報に含まれる商品の価格の平均単価又は中央値よりも高い価格の商品を前記商品情報記憶部から選択する商品選択手段と、
前記顧客が前記店舗に最後に来店した最終来店日又は当該店舗で最後に商品を購入した最終購入日を示す最終日情報に基づいて、前記最終日情報が示す日が新しくなるにつれて高くなるランクを前記顧客に対して付与し、ランクを前記顧客に対して付与し、前記ランクに基づいて、前記商品選択手段が選択した商品の広告に含まれる情報量に関する条件を定める情報量決定手段と、
前記商品選択手段が選択した商品に関する広告であって、前記情報量決定手段が決定した前記条件を満たす広告を表示手段に送信して表示させる送信手段と、
を備える広告制御装置が提供される。
【0007】
本発明によれば、コンピュータが、
顧客の店舗における購入頻度を示す頻度情報を用いて特定した購入頻度が最も高い商品分類に含まれる商品、又は前記顧客が前記店舗で購入した商品の金額に関する金額情報に含まれる商品の価格の平均単価又は中央値よりも高い価格の商品を、商品の価格及び商品分類を示す情報を商品と関連付けて記憶している商品情報記憶部から選択し、
前記顧客が前記店舗に最後に来店した最終来店日又は当該店舗で最後に商品を購入した最終購入日を示す最終日情報に基づいて、前記最終日情報が示す日が新しくなるにつれて高くなるランクを前記顧客に対して付与し、ランクを前記顧客に対して付与し、前記選択した商品の広告に含まれる情報量に関する条件を、前記ランクが高くなるにつれて前記情報量が多くなるように定め、
前記選択した商品に関する広告であって、前記条件を満たす広告を表示手段に送信して表示させる、広告制御方法が提供される。
【0008】
本発明によれば、コンピュータに、
顧客の店舗における購入頻度を示す頻度情報を用いて特定した購入頻度が最も高い商品分類に含まれる商品、又は前記顧客が前記店舗で購入した商品の金額に関する金額情報に含まれる商品の価格の平均単価又は中央値よりも高い価格の商品を、商品の価格及び商品分類を示す情報を商品と関連付けて記憶している商品情報記憶部から選択する機能と、
前記顧客が前記店舗に最後に来店した最終来店日又は当該店舗で最後に商品を購入した最終購入日を示す最終日情報に基づいて、前記最終日情報が示す日が新しくなるにつれて高くなるランクを前記顧客に対して付与し、ランクを前記顧客に対して付与し、前記選択した商品の広告に含まれる情報量に関する条件を、前記ランクが高くなるにつれて前記情報量が多くなるように定める機能と、
前記選択した商品に関する広告であって、前記条件を満たす広告を表示手段に送信して表示させる機能と、
を持たせるプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、顧客別に、販促効果の高い広告を選択して提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
上述した目的、およびその他の目的、特徴および利点は、以下に述べる好適な実施の形態、およびそれに付随する以下の図面によってさらに明らかになる。
【0011】
図1】実施形態に係る広告制御装置の使用環境を説明する図である。
図2】広告制御装置の機能構成の一例を示す図である。
図3】商品選択部が行う処理の一例を説明するための図である。
図4】商品選択部が行う処理の一例を説明するための図である。
図5】情報量決定部が行う処理の一例を説明するための図である。
図6】顧客情報記憶部が記憶している情報の一例を示す図である。
図7】商品情報記憶部が記憶している情報の一例を示す図である。
図8】広告情報記憶部が記憶している情報の一例を示す図である。
図9】広告情報記憶部が記憶している広告の一例を説明するための図である。
図10】広告制御装置の要部のハードウエア構成を例示するブロック図である。
図11】広告制御装置が行う処理の一例を示すフローチャートである。
図12図11のステップS40の第1例を示すフローチャートである。
図13図11のステップS40の第2例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0013】
図1は、実施形態に係る広告制御装置10の使用環境を説明する図である。広告制御装置10は、顧客に見せるべき広告を選択し、選択した広告を表示装置20に表示させる。表示装置20は、店舗の中に設置されており、顧客が視認可能になっている。表示装置20の設置位置は、例えば会計装置30の近くである。この場合、購入希望の商品の登録から精算するまでの間又は精算が終わった後に、顧客は表示装置20に表示された広告を見ることができる。ただし表示装置20は、店舗の出入り口、ショーウィンドウの中、および店舗の外側の壁に設置されていてもよい。
【0014】
広告制御装置10は、顧客のこれまでの購入履歴や来店履歴等を用いて、表示装置20に表示させるべき広告を選択する。その際、広告制御装置10は、必要に応じて会計装置30で処理対象となった商品に関する情報、言い換えると顧客がその時にその店舗で購入した商品に関する情報も、広告を選択する際に用いられる。
【0015】
図2は、広告制御装置10の機能構成の一例を示す図である。広告制御装置10は、取得部110、商品選択部120、情報量決定部130、及び送信部140を有している。取得部110は、最終日情報、並びに頻度情報及び金額情報の少なくとも一方を取得する。最終日情報は、顧客が店舗に最後に来店した最終来店日又は当該店舗で最後に商品を購入した最終購入日を示している。最終日情報は、最終来店日及び最終購入日の双方を含んでいてもよい。頻度情報は、顧客の店舗に対する来店頻度及び顧客の店舗における購入頻度の少なくとも一方を示している。金額情報は、顧客が店舗で購入した商品の金額に関する情報である。商品選択部120は、頻度情報及び金額情報の少なくとも一方を用いて、顧客に広告を提示すべき商品を選択する。情報量決定部130は、最終日情報に基づいて、顧客に提示すべき広告に含まれる情報量に関する条件を定める。送信部140は、商品選択部120が選択した商品に関する広告であって、情報量決定部130が決定した条件を満たす広告を表示装置20に送信して表示させる。商品選択部120、情報量決定部130、および送信部140が行う処理の詳細については後述する。
【0016】
広告制御装置10は、顧客情報記憶部210、商品情報記憶部220、および広告情報記憶部230に接続可能である。顧客情報記憶部210は顧客に関する情報を記憶している。商品情報記憶部220は商品に関する情報を記憶している。広告情報記憶部230は、商品毎に、情報量が異なる複数種類の広告を記憶している。そして広告制御装置10の商品選択部120は、商品情報記憶部220を用いて広告を行うべき商品を選択する。送信部140は、広告情報記憶部230から広告を読み出して表示装置20に表示させる。
【0017】
なお、顧客情報記憶部210、商品情報記憶部220、および広告情報記憶部230は広告制御装置10の一部であってもよいし、広告制御装置10の外部にあってもよい。後者の場合、これら記憶部は、例えばストアサーバの一部となっている。そして広告制御装置10は、インターネットを介してこれらの記憶部に接続してもよいし、ローカルネットワークを介してこれらの記憶部に接続してもよい。
【0018】
また、顧客情報記憶部210は、POS(Point of sale system)によって管理されているのが好ましい。また顧客情報記憶部210が広告制御装置10の一部である場合、顧客情報記憶部210はPOSが記憶している情報に連動して更新される。
【0019】
図3及び図4は、商品選択部120が行う処理の一例を説明するための図である。この例において、商品選択部120は、頻度情報を用いて顧客に対して頻度のランクを付与するとともに、金額情報を用いて顧客に対して購入金額のランクを付与する。例えば商品選択部120は、頻度情報が示す購入頻度、例えば所定期間(例えば直近6か月)における累計購入回数が多くなるにつれて、顧客のランクを高くする。また商品選択部120は、購入金額、例えば所定期間(例えば直近6か月)における累計購入金額または商品単価が高くなるにつれて、顧客のランクを高くする。これらの例において、商品選択部120は、商品の分類別にランクを付与してもよい。
【0020】
そして商品選択部120は、これら頻度のランク及び購入金額のランクの少なくとも一方を用いて、商品を選択する。商品選択の具体例については、フローチャートを用いて後述する。
【0021】
図5は、情報量決定部130が行う処理の一例を説明するための図である。この例において、情報量決定部130は、最終日情報(例えば最終購入日)を用いて、顧客に対して最終日に関するランクを付与する。そして情報量決定部130は、最終日情報が示す日が近くなるにつれて、顧客のランクを高くする。そして情報量決定部130は、最終日に関するランクを用いて、広告の情報量に関する条件を設定する。一例として、情報量決定部130は、ランクが高くなるにつれて(すなわち最終日情報が示す日が新しくなるにつれて)、広告の情報量を多くする。
【0022】
図6は、顧客情報記憶部210が記憶している情報の一例を示す図である。本図に示す例において、顧客には、顧客を互いに識別する情報(以下、顧客識別情報と記載)、例えば会員IDが割り振られている。顧客情報記憶部210は、顧客識別情報別にファイルを記憶している。このファイルには、その顧客の購入履歴が記憶されている。購入履歴は、商品を購入した日時、その時に購入した商品を識別する商品識別情報(例えば商品ID)、およびその商品の価格を含んでいる。
【0023】
また顧客情報記憶部210は、顧客識別情報別に、最終日情報、頻度情報、および金額情報を記憶している。これらの情報は、顧客が商品を購入するたびに更新される。また、金額情報は、購入した商品の合計金額及び単価の統計値(例えば平均値、中央値、最高価格など)を含んでいる。ここで顧客情報記憶部210は、最終日情報、頻度情報、および金額情報それぞれに対応するランク(図3~5参照)を記憶していてもよい。ここで顧客情報記憶部210は、最終日情報については、最新の最終日情報と、一つ前の最終日情報を記憶している。そして最終日情報に対応するランクは、一つ前の最終日情報に基づいて設定されている。
【0024】
図7は、商品情報記憶部220が記憶している情報の一例を示す図である。本図に示す例において、商品情報記憶部220は、商品識別情報別に、その商品識別情報が示す商品の発売日(発売前の場合は発売予定日)及び価格を記憶している。なお、商品識別情報は、その商品が属する分類(商品分類)を示す情報も含んでいる。例えば商品が衣料品の場合、商品分類は、トップス、ボトムス、外套などである。
【0025】
図8は、広告情報記憶部230が記憶している情報の一例を示す図である。広告情報記憶部230は、商品識別情報別に、その商品識別情報が示す商品の広告を記憶している。また広告情報記憶部230は、一つの商品識別情報について、情報量が異なる複数の広告を記憶している。そして広告情報記憶部230は、これら複数の広告を、最終日情報に基づいた顧客のランクに紐づけて記憶している。なお、広告情報記憶部230が記憶している広告は動画データであってもよいし、静止画データであってもよい。またこの広告は音声データを有していてもよいし、音声データがなくてもよい。
【0026】
図9は、広告情報記憶部230が記憶している広告の一例を説明するための図である。上記したように、広告情報記憶部230は一つの商品に対して複数の広告を記憶している。これら複数の広告は、情報量が互いに異なっている。ここで、情報量が多いとは、その商品に関する情報が多いことを示している。図9に示す例において、広告情報記憶部230は一つの商品について3種類の広告を記憶している。そして最も情報量が一番低い広告は、その商品の品名、一方向から見た画像、および価格を含んでおり、情報量が2番目に少ない広告は、最も情報量が一番低い広告に、他の方向から見た画像を加えたものになっている。そして最も情報量が多い広告は、情報量が2番目に少ない広告に、その商品の詳細情報を加えたものになっている。
【0027】
上記したように、各広告は、顧客の最終日情報に対応するランクに紐づけられている。一例として、最終日情報が示す日に基づいたランクが低くなるにつれて、広告に含まれる情報量は少なくなる。その理由は、このランクが低い場合、その顧客は企業に対する関心が薄いと思われるため、情報量を絞ったほうが良いと想定されるためである。
【0028】
図10は、広告制御装置10の要部のハードウエア構成を例示するブロック図である。この要部は、バス1010、プロセッサ1020、メモリ1030、ストレージデバイス1040、入出力インタフェース1050、及びネットワークインタフェース1060を有する。
【0029】
バス1010は、プロセッサ1020、メモリ1030、ストレージデバイス1040、入出力インタフェース1050、及びネットワークインタフェース1060が、相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。ただし、プロセッサ1020などを互いに接続する方法は、バス接続に限定されない。
【0030】
プロセッサ1020は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)などで実現されるプロセッサである。
【0031】
メモリ1030は、RAM(Random Access Memory)などで実現される主記憶装置である。
【0032】
ストレージデバイス1040は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、メモリカード、又はROM(Read Only Memory)などで実現される補助記憶装置である。ストレージデバイス1040は広告制御装置10の各機能(例えば取得部110、商品選択部120、情報量決定部130、および送信部140)を実現するプログラムモジュールを記憶している。プロセッサ1020がこれら各プログラムモジュールをメモリ1030上に読み込んで実行することで、そのプログラムモジュールに対応する各機能が実現される。また、ストレージデバイス1040は、必要に応じて各種記憶部(例えば顧客情報記憶部210、商品情報記憶部220、および広告情報記憶部230)としても機能する。
【0033】
入出力インタフェース1050は、広告制御装置10の要部と各種入出力機器とを接続するためのインタフェースである。
【0034】
ネットワークインタフェース1060は、広告制御装置10をネットワーク上の他の装置(例えば表示装置20及び会計装置30)に接続するためのインタフェースである。ただしネットワークインタフェース1060は用いられないことも有る。
【0035】
図11は広告制御装置10が行う処理の一例を示すフローチャートである。本図に示す例において、広告制御装置10は、顧客が商品を購入するときに動作する。
【0036】
まず顧客は、購入する商品を会計装置30に持っていく。会計装置30を操作する人(店員又は顧客)は、商品に取り付けられたタグから、会計装置30に、その商品の商品識別情報(例えば商品ID)を読み込ませる。また、会計装置30は、顧客が所持している端末やカードから、その顧客の顧客識別情報も読み込む(ステップS10)。会計装置30は、読み込んだ情報を用いて精算処理を行う。
【0037】
また会計装置30は、ステップS10で読み込んだ商品識別情報及び顧客識別情報を広告制御装置10に送信する。この際、会計装置30は、広告制御装置10に、購入された商品の詳細情報(例えば価格)及び購入日時を送信する。広告制御装置10の取得部110は、会計装置30から商品識別情報及び顧客識別情報を取得すると、これらの情報を用いて顧客情報記憶部210を更新する。具体的には、取得部110は、今回取得した購入日時、商品識別情報、および価格を、今回取得した顧客識別情報に紐づけて顧客情報記憶部210に記憶させるとともに、最終日情報、頻度情報、および金額情報を更新する(ステップS20)。この際、顧客情報記憶部210は、更新直前の最終日情報も記憶しておく。これにより、広告制御装置10が広告を選択する際には、今回購入した商品の情報も選択基準に反映されることになる。
【0038】
なお、顧客が新規の顧客の場合、すなわち今回取得した顧客識別情報に対応する情報が顧客情報記憶部210に記憶されていない場合、取得部110は、その顧客識別情報に対応するファイルを新たに作成する。
【0039】
そして商品選択部120は、顧客情報記憶部210から、更新前の最終日情報、並びに頻度情報および金額情報の少なくとも一方を読み出す。この際、商品選択部120は、顧客情報記憶部210から、顧客が過去に購入した商品の商品識別情報(すなわち商品の購入履歴)を読み出す。そして商品選択部120は、例えば購入履歴を用いて、顧客に対して広告を提供すべき商品分類を選択する(ステップS30)。
【0040】
一例として商品選択部120は、購入履歴に含まれる商品を用いて、その顧客の好みを分析し、その好みに応じた商品分類を選択する。商品選択部120は、例えば、購入頻度が最も高い商品分類を、その顧客が好んでいる商品分類と特定する。また商品選択部120は、商品分類ごとに購入金額の平均値を算出し、算出した平均値が、他の購入者の平均値の中央値(又はその平均値)よりも高い商品分類を、その顧客が好んでいる商品分類と特定する。ここで商品選択部120は、複数の商品分類を選択することもある。
【0041】
次いで商品選択部120は、選択した商品分類に含まれる商品から、顧客に対して広告を提供すべき商品を選択し、選択した商品の商品識別情報を特定する(ステップS40)。この処理の詳細については後述する。
【0042】
次いで情報量決定部130は、ステップS10で商品選択部120が読みだした最終日情報を用いて、更新前の最終日情報に基づいた顧客のランクを特定する(ステップS50)。この顧客のランクは、情報量に関する条件に相当する。次いで送信部140は、ステップS40で特定された商品識別情報に対応する広告のうち、ステップS50で特定したランクに対応する広告を広告情報記憶部230から読み出す。そして送信部140は、読みだした広告を表示装置20に送信して表示させる。これにより、顧客の購入頻度を上げることができる。
【0043】
これにより、会計装置30で商品の購入を行った顧客は、購入処理をしている途中又はその直後に、表示装置20を介して広告を認識することができる。
【0044】
図12は、図11のステップS40の第1例を示すフローチャートである。まず商品選択部120は、商品情報記憶部220に記憶されている商品のうち、発売日が、図11のステップS20で読み出した最終日情報より後の商品があるか否かを確認する(ステップS400)。ある場合(ステップS400)、商品選択部120は、その商品を選択する(ステップS410)。
【0045】
ここで複数の商品があった場合、これらの商品のうち、図11のステップS30で特定した商品分類に属する商品を優先的に選択するか、または、発売日が新しい(又は古い)商品を優先的に選択する。
【0046】
また商品選択部120は、金額情報を用いて商品を選択してもよい。この場合、商品選択部120は、金額情報に含まれる商品の価格の統計値を用いて商品を選択する。例えば商品選択部120は、平均単価や中央値よりも基準値以上高い価格の商品を選択してもよいし、平均単価から上下で基準値以内にある価格の商品を選択してもよいし、最高金額以下の商品を選択してもよい。ここで商品情報記憶部220が、商品識別情報に、金額に基づいたランク(図4のランクに対応)を紐づけて記憶していることもある。この場合、商品選択部120は、金額情報のランクに対応するランクに紐づけられた商品を選択してもよい。
【0047】
また商品選択部120は、顧客情報記憶部210が記憶している顧客の購入履歴(来店周期情報の一例)を用いて、その顧客のその店舗への来店周期を特定してもよい。この場合、商品選択部120は、来店周期情報及び最終日情報を用いてその顧客が次にその店舗に来店すると予想される来店予想日を特定し、最終日情報が示す日より後かつ前記来店予想日前に発売される商品を選択してもよい。
【0048】
一方、発売日が最終日情報より後の商品がない場合(ステップS400:No)、商品選択部120は、図11のステップS30で特定した商品分類に属する商品を選択する(ステップS420)。
【0049】
図13は、図11のステップS40の第2例を示すフローチャートである。まず商品選択部120は、購入回数が基準以上となる商品分類に、新商品(すなわち最終日情報が示す日より後に発売された商品)があるか否かを判断する(ステップS402)。該当する商品がある場合(ステップS402:Yes)、商品選択部120は、その商品を選択する(ステップS410)。ステップS410の詳細例は、図12を用いて説明した通りである。
【0050】
一方、購入回数が基準以上となる商品分類に新商品がない場合(ステップS402:No)、商品選択部120は、図11のステップS30で特定した商品分類が一つであるか否かを判断する(ステップS412)。複数あった場合(ステップS412:Yes)、商品選択部120は、予め設定したルールに基づいて商品分類を選択し(ステップS416)、選択した商品分類を用いて商品を選択する(ステップS420)。ステップS420の詳細例は、図12を用いて説明した通りである。
【0051】
なお、ステップS416で用いられるルールは、例えば店舗の管理者によって設定される。例えば管理者は、販売を促進したい順に商品分類に優先度を付与してもよい。そして商品選択部120は、この優先度を用いて商品分類を選択する。
【0052】
以上、本実施形態にかかる広告制御装置10は、頻度情報及び金額情報の少なくとも一方を用いて、顧客に広告を提示すべき商品を選択し、かつ、顧客に提示すべき広告に含まれる情報量に関する条件を、最終日情報に基づいて定める。このため、顧客別に、販促効果の高い広告を選択して提供することができる。
【0053】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0054】
また、上述の説明で用いた複数のフローチャートでは、複数の工程(処理)が順番に記載されているが、各実施形態で実行される工程の実行順序は、その記載の順番に制限されない。各実施形態では、図示される工程の順番を内容的に支障のない範囲で変更することができる。また、上述の各実施形態は、内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。
【0055】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下に限られない。
1.顧客の店舗に対する来店頻度及び前記顧客の前記店舗における購入頻度の少なくとも一方を示す頻度情報、並びに前記顧客が前記店舗で購入した商品の金額に関する金額情報の少なくとも一方を用いて、前記顧客に広告を提示すべき商品を選択する商品選択手段と、
前記顧客が前記店舗に最後に来店した最終来店日又は当該店舗で最後に商品を購入した最終購入日を示す最終日情報に基づいて、前記顧客に提示すべき広告に含まれる情報量に関する条件を定める情報量決定手段と、
前記商品選択手段が選択した商品に関する広告であって、前記情報量決定手段が決定した前記条件を満たす広告を表示手段に送信して表示させる送信手段と、
を備える広告制御装置。
2.上記1に記載の広告制御装置において、
前記情報量決定手段は、前記最終日情報が示す日が新しくなるにつれて、前記情報量が多くなるように前記条件を決定する広告制御装置。
3.上記1又は2に記載の広告制御装置において、
前記商品選択手段は、前記最終日情報が示す日より後に発売される商品を選択する広告制御装置。
4.上記3に記載の広告制御装置において、
前記商品選択手段は、前記顧客の前記店舗への来店周期を特定するための来店周期情報及び前記最終日情報を用いて前記顧客が次に前記店舗に来店すると予想される来店予想日を特定し、前記最終日情報が示す日より後かつ前記来店予想日前に発売される商品を選択する広告制御装置。
5.上記1に記載の広告制御装置において、
前記金額情報は、前記顧客が前記店舗で購入した商品の単価の統計値を示しており、
前記商品選択手段は、前記統計値より上の価格の商品を選択する広告制御装置。
6.上記1~5のいずれか一項に記載の広告制御装置において、
前記表示手段は前記店舗に設けられており、
前記送信手段は、前記店舗において前記顧客が一の商品を購入したときに広告を前記表示手段に表示させ、
前記金額情報には、当該一の商品の購入が反映されており、
前記商品選択手段は、前記金額情報を用いて、広告の対象となる商品を選択する広告制御装置。
7.コンピュータが、
顧客の店舗に対する来店頻度及び前記顧客の前記店舗における購入頻度の少なくとも一方を示す頻度情報、並びに前記顧客が前記店舗で購入した商品の金額に関する金額情報の少なくとも一方を用いて、前記顧客に広告を提示すべき商品を選択し、
前記顧客が前記店舗に最後に来店した最終来店日又は当該店舗で最後に商品を購入した最終購入日を示す最終日情報に基づいて、前記顧客に提示すべき広告に含まれる情報量に関する条件を定め、
前記選択した商品に関する広告であって、前記条件を満たす広告を表示手段に送信して表示させる、広告制御方法。
8.上記7に記載の広告制御方法において、
前記コンピュータは、前記最終日情報が示す日が新しくなるにつれて、前記情報量が多くなるように前記条件を決定する広告制御方法。
9.上記7又は8に記載の広告制御方法において、
前記コンピュータは、前記最終日情報が示す日より後に発売される商品を選択する広告制御方法。
10.上記9に記載の広告制御方法において、
前記コンピュータは、前記顧客の前記店舗への来店周期を特定するための来店周期情報及び前記最終日情報を用いて前記顧客が次に前記店舗に来店すると予想される来店予想日を特定し、前記最終日情報が示す日より後かつ前記来店予想日前に発売される商品を選択する広告制御方法。
11.上記7に記載の広告制御方法において、
前記金額情報は、前記顧客が前記店舗で購入した商品の単価の統計値を示しており、
前記コンピュータは、前記統計値より上の価格の商品を選択する広告制御方法。
12.上記7~11のいずれか一項に記載の広告制御方法において、
前記表示手段は前記店舗に設けられており、
前記コンピュータは、前記店舗において前記顧客が一の商品を購入したときに広告を前記表示手段に表示させ、
前記金額情報には、当該一の商品の購入が反映されており、
前記コンピュータは、前記金額情報を用いて、広告の対象となる商品を選択する広告制御方法。
13.コンピュータに、
顧客の店舗に対する来店頻度及び前記顧客の前記店舗における購入頻度の少なくとも一方を示す頻度情報、並びに前記顧客が前記店舗で購入した商品の金額に関する金額情報の少なくとも一方を用いて、前記顧客に広告を提示すべき商品を選択する機能と、
前記顧客が前記店舗に最後に来店した最終来店日又は当該店舗で最後に商品を購入した最終購入日を示す最終日情報に基づいて、前記顧客に提示すべき広告に含まれる情報量に関する条件を定める機能と、
前記選択した商品に関する広告であって、前記条件を満たす広告を表示手段に送信して表示させる機能と、
を持たせるプログラム。
14.上記13に記載のプログラムにおいて、
前記コンピュータに、前記最終日情報が示す日が新しくなるにつれて、前記情報量が多くなるように前記条件を決定させるプログラム。
15.上記13又は14に記載のプログラムにおいて、
前記コンピュータに、前記最終日情報が示す日より後に発売される商品を選択させるプログラム。
16.上記15に記載のプログラムにおいて、
前記コンピュータに、前記顧客の前記店舗への来店周期を特定するための来店周期情報及び前記最終日情報を用いて前記顧客が次に前記店舗に来店すると予想される来店予想日を特定し、前記最終日情報が示す日より後かつ前記来店予想日前に発売される商品を選択させるプログラム。
17.上記13に記載のプログラムにおいて、
前記金額情報は、前記顧客が前記店舗で購入した商品の単価の統計値を示しており、
前記コンピュータに、前記統計値より上の価格の商品を選択させるプログラム。
18.上記13~17のいずれか一項に記載のプログラムにおいて、
前記表示手段は前記店舗に設けられており、
前記コンピュータを、前記店舗において前記顧客が一の商品を購入したときに広告を前記表示手段に表示させるように動作させ、
前記金額情報には、当該一の商品の購入が反映されており、
前記コンピュータに、前記金額情報を用いて、広告の対象となる商品を選択させるプログラム。
【符号の説明】
【0056】
10 広告制御装置
20 表示装置
30 会計装置
110 取得部
120 商品選択部
130 情報量決定部
140 送信部
210 顧客情報記憶部
220 商品情報記憶部
230 広告情報記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13