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特許7324905混合型埋め込みパッケージ構造及びその作製方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-02
(45)【発行日】2023-08-10
(54)【発明の名称】混合型埋め込みパッケージ構造及びその作製方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/12 20060101AFI20230803BHJP
   H01L 23/02 20060101ALI20230803BHJP
   H01L 23/14 20060101ALI20230803BHJP
   H01L 31/02 20060101ALI20230803BHJP
   H01L 31/12 20060101ALI20230803BHJP
【FI】
H01L23/12 F
H01L23/02 F
H01L23/14 R
H01L31/02 B
H01L31/12 E
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2022098799
(22)【出願日】2022-06-20
(65)【公開番号】P2023025665
(43)【公開日】2023-02-22
【審査請求日】2022-06-20
(31)【優先権主張番号】202110914695.4
(32)【優先日】2021-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520350546
【氏名又は名称】珠海越亜半導体股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHUHAI ACCESS SEMICONDUCTOR CO., LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】陳 先 明
(72)【発明者】
【氏名】馮 磊
(72)【発明者】
【氏名】黄 本 霞
(72)【発明者】
【氏名】洪 業 傑
【審査官】庄司 一隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-103615(JP,A)
【文献】特開2011-109066(JP,A)
【文献】特表2015-531172(JP,A)
【文献】特開2004-120615(JP,A)
【文献】特開2005-252183(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/12
H01L 23/02
H01L 23/14
H01L 31/02
H01L 31/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1絶縁層と、前記第1絶縁層を貫通している導通用銅柱と、前記第1絶縁層に開けられた埋め込みキャビティと、前記導通用銅柱に電気的に接続された第1配線層とを含む基板を作製するステップと、
電子デバイスユニットを仮固定するための支持部材を前記基板の底部に設けるステップと、
前記埋め込みキャビティに対応する前記支持部材の内側に前記電子デバイスユニットを仮固定するステップであって、前記電子デバイスユニットは第1電子デバイスと第2電子デバイスを含み、前記第2電子デバイスは前記第1電子デバイスの裏面に設けられ、かつ前記第1電子デバイスの端子面は前記支持部材に面しており、前記第2電子デバイスの端子面は前記第1電子デバイスと反対するステップと、
前記電子デバイスユニットをパッケージし、前記第1配線層の一部及び第2電子デバイスの端子を露出させて、第2絶縁層を形成するステップと、
前記支持部材を除去するステップと、
前記基板の底部に第2配線層を作製するステップと、
配線して前記第2電子デバイスの端子と前記第1配線層とを接続する、ことを特徴とする混合型埋め込みパッケージ構造の作製方法。
【請求項2】
前記第2配線層の作製終了後、
前記基板の底部及び前記第2配線層の表面の少なくとも一部にソルダーマスクを作製するステップと、
前記第1配線層及び前記第2配線層の表面を処理して表面処理層を形成するステップとをさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載の混合型埋め込みパッケージ構造の作製方法。
【請求項3】
前記基板の上面に保護カバーを施すステップをさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載の混合型埋め込みパッケージ構造の作製方法。
【請求項4】
基板を作製する前記ステップは、具体的には、
下層からコア層、第1金属層、第2金属層、エッチングストップ層及び第1金属シード層をこの順で含む支持プレートを用意するステップと、
前記第1金属シード層の表面に、導通用銅柱用ウィンドウ及び犠牲銅柱用ウィンドウが設けられた第1フォトレジスト層を作製するステップと、
前記導通用銅柱用ウィンドウ及び犠牲銅柱用ウィンドウの位置に導通用銅柱及び犠牲銅柱をそれぞれ作製するステップと、
前記第1フォトレジスト層を除去するステップと、
銅柱を覆うように絶縁層を積層し、絶縁層を薄くして、前記導通用銅柱及び前記犠牲銅柱の端部を露出させて、前記第1絶縁層を形成するステップと、
銅柱を露出させた表面に第2金属シード層を作製するステップと、
前記第2金属シード層の表面にフォトレジスト材料を施して、フォトレジスト材料に露光及び現像を行い、第1配線層パターンを作製して、第2フォトレジスト層を形成するステップと、
配線を電気めっきし、第2フォトレジスト層及び露出させた第2金属シード層を除去し、前記第1配線層を形成するステップと、
前記第1金属層と前記第2金属層を分離するステップと、
前記第2金属層、エッチングストップ層及び第1金属シード層を除去するステップと、
両面にフォトレジスト材料を施して、フォトレジスト材料に露光及び現像を行い、前記第1配線層及び前記導通用銅柱を覆いながら、前記犠牲銅柱を露出させるステップと、
前記犠牲銅柱を除去して、前記埋め込みキャビティを形成するステップとを含む、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の混合型埋め込みパッケージ構造の作製方法。
【請求項5】
前記第1電子デバイスと前記第2電子デバイスは接着材料で接続されている、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の混合型埋め込みパッケージ構造の作製方法。
【請求項6】
前記第2電子デバイスの端子台にセンサがさらに設けられている、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の混合型埋め込みパッケージ構造の作製方法。
【請求項7】
前記電子デバイスユニットをパッケージし、前記第1配線層の一部及び第2電子デバイスの端子を露出させて、第2絶縁層を形成する前記ステップは、具体的には、
絶縁材料を用いて電子デバイスをパッケージし、
絶縁材料を処理して、前記第1配線層の一部、前記第2電子デバイスの端子及び前記センサを露出させて、第2絶縁層を形成する、ことを特徴とする請求項6に記載の混合型埋め込みパッケージ構造の作製方法。
【請求項8】
前記第2絶縁層に使用される絶縁材料は感光性絶縁材料であり、
感光性絶縁材料に露光及び現像処理を行うことによって、前記第1配線層の一部、前記第2電子デバイスの端子及び前記センサを露出させて、第2絶縁層を形成する、ことを特徴とする請求項7に記載の混合型埋め込みパッケージ構造の作製方法。
【請求項9】
前記基板の底部に第2配線層を作製する前記ステップは、具体的には、
前記基板の底面に第3金属シード層を作製し、
貼着又は塗布によって両面にフォトレジスト材料を施し、
フォトレジスト材料に露光及び現像を行い、上面全体を隠蔽し、底面に第2配線層パターンを作製し、第5フォトレジスト層及び第6フォトレジスト層を形成し、
第2配線を電気めっきし、
第5フォトレジスト層及び第6フォトレジスト層を除去し、
金属シード層をエッチングして、露出させた前記第3金属シード層を除去し、第2配線層を形成する、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の混合型埋め込みパッケージ構造の作製方法。
【請求項10】
前記第1絶縁層は純粋な樹脂又は樹脂とガラス繊維を含む有機絶縁材料である、ことを特徴とする請求項4に記載の混合型埋め込みパッケージ構造の作製方法。
【請求項11】
第1絶縁層と、前記第1絶縁層を貫通している導通用銅柱と、前記第1絶縁層に開けられた埋め込みキャビティと、前記導通用銅柱に電気的に接続された第1配線層とを含む基板を作製するステップと、
前記基板の底部に支持部材を設けるステップと、
前記埋め込みキャビティに対応する前記支持部材の内側に、端子面が前記支持部材に面している第1電子デバイスを仮固定するステップと、
前記第1電子デバイスをパッケージし、前記第1配線層の一部及び第1電子デバイスの裏面を露出させて、前記第1電子デバイスの裏面において少なくとも2つのウィンドウを形成している第2絶縁層を形成するステップと、
前記支持部材を除去するステップと、
前記基板の底部に第2配線層を作製するステップと、
前記第1電子デバイスの裏面のうち前記第2絶縁層の前記ウィンドウ箇所に、端子面が前記第1電子デバイスと反対する第2電子デバイスを設けるステップと、
配線して前記第2電子デバイスの端子と前記第1配線層とを接続するステップとを含む、ことを特徴とする混合型埋め込みパッケージ構造の作製方法。
【請求項12】
第1絶縁層と、前記第1絶縁層を貫通している導通用銅柱と、前記第1絶縁層に開けられた埋め込みキャビティと、前記導通用銅柱に電気的に接続された第1配線層とを含む基板と、
前記埋め込みキャビティの内部に設けられ、かつ端子面が基板の底面に面している第1電子デバイスと、
前記第1電子デバイスの裏面に設けられ、かつ端子面が基板の上面に面している第2電子デバイスと、
前記埋め込みキャビティ及び前記基板の上層を覆って埋めるとともに、前記第1配線層の一部及び前記第2電子デバイスの一部又は第1電子デバイスの裏面の一部を露出させる第2絶縁層と、
前記基板の底面に設けられ、前記導通用銅柱と前記第1電子デバイスの端子とを電気的に接続する第2配線層と、
前記第1配線層と前記第2電子デバイスの端子とを電気的に接続するリード線とを含む、ことを特徴とする混合型埋め込みパッケージ構造。
【請求項13】
前記第2電子デバイスは1つ設けられており、前記第2絶縁層は前記埋め込みキャビティ及び前記基板の上層を覆って埋めるとともに、前記第1配線層の一部及び前記第2電子デバイスの端子を露出させる、ことを特徴とする請求項12に記載の混合型埋め込みパッケージ構造。
【請求項14】
前記第2電子デバイスの端子面にセンサがさらに設けられており、前記第2絶縁層によって前記埋め込みキャビティ及び前記基板の上層が覆って埋められるとともに、前記第1配線層の一部及び前記第2電子デバイスの端子と前記センサが露出している、ことを特徴とする請求項13に記載の混合型埋め込みパッケージ構造。
【請求項15】
前記第2電子デバイスは少なくとも2つ設けられており、前記第2絶縁層によって前記埋め込みキャビティ及び前記基板の上層が覆って埋められるとともに、前記第1配線層の一部及び前記第1電子デバイスの裏面の一部が露出し、かつ前記第2絶縁層は第1電子デバイスの裏面において少なくとも2つのウィンドウが形成され、前記第2電子デバイスはそれぞれ、1つのウィンドウに対応して設けられている、ことを特徴とする請求項12に記載の混合型埋め込みパッケージ構造。
【請求項16】
前記第2電子デバイスが少なくとも2つ設けられている場合、前記少なくとも2つの前記第2電子デバイスは、同一の電子素子又は異なる電子素子である、ことを特徴とする請求項15に記載の混合型埋め込みパッケージ構造。
【請求項17】
前記第2電子デバイスは接着材料で前記第1電子デバイスの裏面に設けられている、ことを特徴とする請求項12に記載の混合型埋め込みパッケージ構造。
【請求項18】
少なくとも前記第2配線層の一部を覆うソルダーマスクをさらに含む、ことを特徴とする請求項12に記載の混合型埋め込みパッケージ構造。
【請求項19】
前記基板の上面に設けられた保護カバーをさらに含む、ことを特徴とする請求項12に記載の混合型埋め込みパッケージ構造。
【請求項20】
前記保護カバーは光透過性カバーとされる、ことを特徴とする請求項19に記載の混合型埋め込みパッケージ構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は半導体パッケージの技術分野に関し、特に混合型埋め込みパッケージ構造及びその作製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子技術の発展及び進歩に伴い、電子製品は、小型化、軽量化、薄型化へ発展しており、一方、電子製品の機能への要求はますます高くなり、これにより、電子製品のパッケージ構造は高集積化、小型化しており、このため、電子デバイスなどの素子の埋め込みパッケージが登場し、WBパッケージ(ワイヤボンディングパッケージ)に取り替わる傾向が見えられる。ただし、I/O数が少ない電子デバイスの場合、埋め込みパッケージを行ってから再配線層(RDL:redistribution layer)を行う場合に比べて、WBパッケージの方はコストや加工周期において優位性を有し、また、一部のデバイスの特別の用途のため、埋め込みパッケージによって実現するのが難しく、例えばLED、フォトダイオードなど光源の発光又は受光が関与しているデバイスでは、従来の方式で埋め込みパッケージが行われると、デバイスの発光も受光も影響を受けてしまう。したがって、短時間内では、WBパッケージはまだ主流である。
【0003】
従来技術では、一般的なWBパッケージは、電子デバイスなどの素子を実装によって基板の表面に固定してから、配線を行い、電子デバイスなどの素子を基板に電気的に接続し、最後に射出成形によってパッケージすることである。このような方法では、電子デバイスなどの素子の基板表面への実装及び配線のいずれもパッケージの大型化をもたらし、高密度集積、小型化のニーズに応えられないという欠点がある。
【0004】
従来の電子デバイス埋め込みパッケージ方法では、電子デバイスなどの素子を、キャビティが予め設けられた重合体製枠又はCore材に実装して、封止材料でパッケージした後、再配線層を作製することである。このような方法では、I/O数が少ない電子デバイスの場合、埋め込みパッケージを行ってから再配線層を作製すると、WBパッケージに比べて、コストが高く、加工周期が長く、また、一部のデバイスの特別の用途のため、埋め込みパッケージによって実現するのが難しく、例えばLED、フォトダイオードなど光源の発光又は受光が関与しているデバイスでは、従来の方式で埋め込みパッケージが行われると、デバイスの発光も受光も影響を受けてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願は、関連技術における技術的課題の少なくとも1つをある程度で解決することを目的とする。このため、本願は、埋め込みパッケージとWBパッケージとを組み合わせた混合型埋め込みパッケージによって、パッケージ体の高集積化、小型化を達成させるとともに、特定のデバイスに求められる特別なパッケージニーズに応えることができる混合型埋め込みパッケージ構造及びその作製方法を提案する。以下は本明細書で詳細に説明される主題の概要である。本概要は請求の範囲を限定するものではない。前記技術的解決手段は以下のとおりである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1態様では、本願の実施例は、
第1絶縁層と、前記第1絶縁層を貫通している導通用銅柱と、前記第1絶縁層に開けられた埋め込みキャビティと、前記導通用銅柱に電気的に接続された第1配線層とを含む基板を作製するステップと、
電子デバイスユニットを仮固定するための支持部材を前記基板の底部に設けるステップと、
前記埋め込みキャビティに対応する前記支持部材の内側に前記電子デバイスユニットを仮固定するステップであって、前記電子デバイスユニットは第1電子デバイスと第2電子デバイスを含み、前記第2電子デバイスは前記第1電子デバイスの裏面に設けられ、かつ前記第1電子デバイスの端子面は前記支持部材に面しており、前記第2電子デバイスの端子面は前記第1電子デバイスと反対するステップと、
前記電子デバイスユニットをパッケージし、前記第1配線層の一部及び第2電子デバイスの端子を露出させて、第2絶縁層を形成するステップと、
前記支持部材を除去するステップと、
前記基板の底部に第2配線層を作製するステップと、
配線して前記第2電子デバイスの端子と前記第1配線層とを接続する、ことを特徴とする混合型埋め込みパッケージ構造の作製方法を提供する。
【0007】
本願の第1態様の実施例に係る混合型埋め込みパッケージ構造の作製方法は、少なくとも以下の有益な効果を有する。第一に、本願で提案された混合型埋め込みパッケージ構造の作製方法では、埋め込みパッケージとWBパッケージとを組み合わせ、パッケージされる電子デバイスなどの素子に対して埋め込みパッケージ又はWBパッケージ(ワイヤボンディング)を選択的に行うことによって、生産コストを低下させ、加工周期を短縮させることができる。第二に、センサや感光性デバイス(LED、PDなど)を基板の内部に集積し、またセンサや感光性デバイスを露出させることができ、これにより、センサや感光性デバイスによる信号送信/受信に影響を与えることなく、パッケージ体積を小さくすることができる。第三に、WB対象となる第2電子デバイスを、埋め込まれた第1電子デバイスの裏面に固定し、次に配線してWB第2電子デバイスと基板とを電気的に接続する。
【0008】
好ましくは、本願のいくつかの実施例において、前記基板の底部及び前記第2配線層の表面の少なくとも一部にソルダーマスクを作製し、前記第1配線層及び前記第2配線層の表面を処理して表面処理層を形成する。
【0009】
好ましくは、本願のいくつかの実施例において、前記基板の上面に保護カバーを施すステップをさらに含む。
【0010】
好ましくは、本願のいくつかの実施例において、基板を作製する前記ステップは、具体的には、
下層からコア層、第1金属層、第2金属層、エッチングストップ層及び第1金属シード層をこの順で含む支持プレートを用意するステップと、
前記第1金属シード層の表面に、導通用銅柱用ウィンドウ及び犠牲銅柱用ウィンドウが設けられた第1フォトレジスト層を作製するステップと、
前記導通用銅柱用ウィンドウ及び犠牲銅柱用ウィンドウの位置に導通用銅柱及び犠牲銅柱をそれぞれ作製するステップと、
前記第1フォトレジスト層を除去するステップと、
銅柱を覆うように絶縁層を積層し、絶縁層を薄くして、前記導通用銅柱及び前記犠牲銅柱の端部を露出させて、前記第1絶縁層を形成するステップと、
銅柱を露出させた表面に第2金属シード層を作製するステップと、
前記第2金属シード層の表面にフォトレジスト材料を施して、フォトレジスト材料に露光及び現像を行い、第1配線層パターンを作製して、第2フォトレジスト層を形成するステップと、
配線を電気めっきし、第2フォトレジスト層及び露出させた第2金属シード層を除去し、前記第1配線層を形成するステップと、
前記第1金属層と前記第2金属層を分離するステップと、
前記第2金属層、エッチングストップ層及び第1金属シード層を除去するステップと、
両面にフォトレジスト材料を施して、フォトレジスト材料に露光及び現像を行い、前記第1配線層及び前記導通用銅柱を覆いながら、前記犠牲銅柱を露出させるステップと、
前記犠牲銅柱を除去して、前記埋め込みキャビティを形成するステップとを含む。
【0011】
好ましくは、前記第1電子デバイスと前記第2電子デバイスは接着材料で接続されている。
【0012】
好ましくは、前記第2電子デバイスの端子台にセンサがさらに設けられている。
好ましくは、前記電子デバイスユニットをパッケージし、前記第1配線層の一部及び第2電子デバイスの端子を露出させて、第2絶縁層を形成する前記ステップは、具体的には、
絶縁材料を用いて電子デバイスをパッケージし、
絶縁材料を処理して、前記第1配線層の一部、前記第2電子デバイスの端子及び前記センサを露出させて、第2絶縁層を形成する。
【0013】
好ましくは、前記第2絶縁層に使用される絶縁材料は感光性絶縁材料であり、感光性絶縁材料に露光及び現像処理を行うことによって、前記第1配線層の一部、前記第2電子デバイスの端子及び前記センサを露出させて、第2絶縁層を形成する。
【0014】
好ましくは、前記基板の底部に第2配線層を作製する前記ステップは、具体的には、
前記基板の底面に第3金属シード層を作製し、
貼着又は塗布によって両面にフォトレジスト材料を施し、
フォトレジスト材料に露光及び現像を行い、上面全体を隠蔽し、底面に第2配線層パターンを作製し、第5フォトレジスト層及び第6フォトレジスト層を形成し、
第2配線を電気めっきし、
第5フォトレジスト層及び第6フォトレジスト層を除去し、
金属シード層をエッチングして、露出させた前記第3金属シード層を除去し、第2配線層を形成する。
【0015】
好ましくは、前記第1絶縁層は純粋な樹脂又は樹脂とガラス繊維を含む有機絶縁材料である。
【0016】
第2態様では、本願の実施例は、
第1絶縁層と、前記第1絶縁層を貫通している導通用銅柱と、前記第1絶縁層に開けられた埋め込みキャビティと、前記導通用銅柱に電気的に接続された第1配線層とを含む基板を作製するステップと、
前記基板の底部に支持部材を設けるステップと、
前記埋め込みキャビティに対応する前記支持部材の内側に、端子面が前記支持部材に面している第1電子デバイスを仮固定するステップと、
前記第1電子デバイスをパッケージし、前記第1配線層の一部及び第1電子デバイスの裏面を露出させて、前記第1電子デバイスの裏面において少なくとも2つのウィンドウを形成している第2絶縁層を形成するステップと、
前記支持部材を除去するステップと、
前記基板の底部に第2配線層を作製するステップと、
前記第1電子デバイスの裏面のうち前記第2絶縁層の前記ウィンドウ箇所に、端子面が前記第1電子デバイスと反対する第2電子デバイスを設けるステップと、
配線して前記第2電子デバイスの端子と前記第1配線層とを接続するステップとを含むことを特徴とする混合型埋め込みパッケージ構造の作製方法を提供する。
【0017】
好ましくは、本願のいくつかの実施例において、前記基板の底部及び前記第2配線層の表面の少なくとも一部にソルダーマスクを作製し、前記第1配線層及び前記第2配線層の表面を処理して表面処理層を形成する。
【0018】
好ましくは、本願のいくつかの実施例において、前記基板の上面に保護カバーを施すステップをさらに含む。
【0019】
本願の第2態様の実施例に係る混合型埋め込みパッケージ構造の作製方法は、少なくとも以下の有益な効果を有する。第一に、本願で提案された混合型埋め込みパッケージ構造の作製方法では、埋め込みパッケージとWBパッケージとを組み合わせ、パッケージされる電子デバイスなどの素子に対して埋め込みパッケージ又はWBパッケージ(ワイヤボンディング)を選択的に行うことによって、生産コストを低下させ、加工周期を短縮させることができる。第二に、センサや感光性デバイス(LED、PDなど)を基板の内部に集積し、またセンサや感光性デバイスを露出させることができ、これにより、センサや感光性デバイスによる信号送信/受信に影響を与えることなく、パッケージ体積を小さくすることができる。第三に、WB対象となる第2電子デバイスを、埋め込まれた第1電子デバイスの裏面に固定し、次に配線してWB第2電子デバイスと基板とを電気的に接続する。第四に、WB対象となる第2電子デバイスは必要に応じて複数設けられてもよく、また、各電子素子のタイプは任意に組み合わせられてもよく、同一又は異なるものとすることができ、このため、設計が非常に柔軟である。
【0020】
第3態様では、本願の実施例は、
第1絶縁層と、前記第1絶縁層を貫通している導通用銅柱と、前記第1絶縁層に開けられた埋め込みキャビティと、前記導通用銅柱に電気的に接続された第1配線層とを含む基板と、
前記埋め込みキャビティの内部に設けられ、かつ端子面が基板の底面に面している第1電子デバイスと、
前記第1電子デバイスの裏面に設けられ、かつ端子面が基板の上面に面している第2電子デバイスと、
前記埋め込みキャビティ及び前記基板の上層を覆って埋めるとともに、前記第1配線層の一部及び前記第2電子デバイスの一部又は第1電子デバイスの裏面の一部を露出させる第2絶縁層と、
前記基板の底面に設けられ、前記導通用銅柱と前記第1電子デバイスの端子とを電気的に接続する第2配線層と、
前記第1配線層と前記第2電子デバイスの端子とを電気的に接続するリード線とを含む、ことを特徴とする混合型埋め込みパッケージ構造を提供する。
【0021】
本願の第3態様の実施例に係る混合型埋め込みパッケージ構造は、少なくとも以下の有益な効果を有する。第一に、本願で提案された混合型埋め込みパッケージ構造の作製方法では、埋め込みパッケージとWBパッケージとを組み合わせ、パッケージされる電子デバイスなどの素子に対して埋め込みパッケージ又はWBパッケージ(ワイヤボンディング)を選択的に行うことによって、生産コストを低下させ、加工周期を短縮させることができる。第二に、センサや感光性デバイス(LED、PDなど)を基板の内部に集積し、またセンサや感光性デバイスを露出させることができ、これにより、センサや感光性デバイスによる信号送信/受信に影響を与えることなく、パッケージ体積を小さくすることができる。第三に、WB対象となる第2電子デバイスを、埋め込まれた第1電子デバイスの裏面に固定し、次に配線してWB第2電子デバイスと基板とを電気的に接続する。第四に、WB対象となる第2電子デバイスは必要に応じて複数設けられてもよく、また、各電子素子のタイプは任意に組み合わせられてもよく、同一又は異なるものとすることができ、このため、設計が非常に柔軟である。
【0022】
好ましくは、前記第2電子デバイスは1つ設けられており、前記第2絶縁層は前記埋め込みキャビティ及び前記基板の上層を覆って埋めるとともに、前記第1配線層の一部及び前記第2電子デバイスの端子を露出させる。
【0023】
好ましくは、前記第2電子デバイスの端子面にセンサがさらに設けられており、前記第2絶縁層によって前記埋め込みキャビティ及び前記基板の上層が覆って埋められるとともに、前記第1配線層の一部及び前記第2電子デバイスの端子と前記センサが露出している。
【0024】
好ましくは、前記第2電子デバイスは少なくとも2つ設けられており、前記第2絶縁層によって前記埋め込みキャビティ及び前記基板の上層が覆って埋められるとともに、前記第1配線層の一部及び前記第1電子デバイスの裏面の一部が露出し、かつ前記第2絶縁層は第1電子デバイスの裏面において少なくとも2つのウィンドウが形成され、前記第2電子デバイスはそれぞれ、1つのウィンドウに対応して設けられている。
【0025】
好ましくは、前記第2電子デバイスが少なくとも2つ設けられている場合、前記少なくとも2つの前記第2電子デバイスは、同一の電子素子又は異なる電子素子である。
【0026】
好ましくは、前記第2電子デバイスは接着材料で前記第1電子デバイスの裏面に設けられている。
【0027】
好ましくは、少なくとも前記第2配線層の一部を覆うソルダーマスクをさらに含む。
好ましくは、前記基板の上面に設けられた保護カバーをさらに含む。
【0028】
好ましくは、前記保護カバーは光透過性カバーとされる。
本願の他の特徴及び利点は以下の明細書において説明され、かつ、その一部は明細書から明らかになり、又は本願を実施することにより把握できる。本願の目的及び他の利点は明細書、特許請求の範囲及び図面において特に記載された構造によって実現、取得できる。
【0029】
図面は本願の技術的解決手段をさらに理解するために提供されるものであり、明細書の一部となり、本願の実施例とともに本願の技術的解決手段を解釈し、本願の技術的解決手段を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本願の第1実施例で提供される混合型埋め込みパッケージ構造の作製方法のステップのフローチャートである。
図2】本願の第1実施例で提供されるパッケージ基板の作製方法のステップに対応する断面図である。
図3】本願の第1実施例で提供されるパッケージ基板の作製方法のステップに対応する断面図である。
図4】本願の第1実施例で提供されるパッケージ基板の作製方法のステップに対応する断面図である。
図5】本願の第1実施例で提供されるパッケージ基板の作製方法のステップに対応する断面図である。
図6】本願の第1実施例で提供されるパッケージ基板の作製方法のステップに対応する断面図である。
図7】本願の第1実施例で提供されるパッケージ基板の作製方法のステップに対応する断面図である。
図8】本願の第1実施例で提供されるパッケージ基板の作製方法のステップに対応する断面図である。
図9】本願の第1実施例で提供されるパッケージ基板の作製方法のステップに対応する断面図である。
図10】本願の第1実施例で提供されるパッケージ基板の作製方法のステップに対応する断面図である。
図11】本願の第1実施例で提供されるパッケージ基板の作製方法のステップに対応する断面図である。
図12】本願の第1実施例で提供されるパッケージ基板の作製方法のステップに対応する断面図である。
図13】本願の第1実施例で提供されるパッケージ基板の作製方法のステップに対応する断面図である。
図14】本願の第1実施例で提供されるパッケージ基板の作製方法のステップに対応する断面図である。
図15】本願の第1実施例で提供されるパッケージ基板の作製方法のステップに対応する断面図である。
図16】本願の第1実施例で提供されるパッケージ基板の作製方法のステップに対応する断面図である。
図17】本願の第1実施例で提供されるパッケージ基板の作製方法のステップに対応する断面図である。
図18】本願の第2実施例で提供される混合型埋め込みパッケージ構造の作製方法のステップのフローチャートである。
図19】本願の第2実施例で提供されるパッケージ基板の作製方法のステップに対応する断面図である。
図20】本願の第2実施例で提供されるパッケージ基板の作製方法のステップに対応する断面図である。
図21】本願の第2実施例で提供されるパッケージ基板の作製方法のステップに対応する断面図である。
図22】本願の第2実施例で提供されるパッケージ基板の作製方法のステップに対応する断面図である。
図23】本願の第2実施例で提供されるパッケージ基板の作製方法のステップに対応する断面図である。
図24】本願の第2実施例で提供されるパッケージ基板の作製方法のステップに対応する断面図である。
図25】本願の第2実施例で提供されるパッケージ基板の作製方法のステップに対応する断面図である。
図26】本願の第1実施例で提供されるパッケージ基板の断面図である。
図27】本願の第2実施例で提供されるパッケージ基板の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本願の目的、技術的解決手段及び利点をより明確にするために、以下、図面及び実施例を参照しながら、本願をさらに詳細に説明する。なお、ここで説明する特定の実施例は本願を解釈するために過ぎず、本願を限定するものではなく、このため、技術的には実質的な意義がなく、いずれの構造の修飾、比例関係の変化や大きさの調整も、本願による効果及び達成させる目的に影響しない限り、本願で開示された技術的内容がカバーする範囲に含まれるものとする。
【0032】
本部分は本願の特定の実施例を詳細に説明し、本願の好適な実施例は図面に示されており、図面は、図形を利用して明細書の文字による説明を補助し、本願のそれぞれの技術的特徴及び技術的解決手段全体を視覚的に理解できるようにする役割を果たし、本願の請求の範囲を限定するものとして理解すべきではない。
【0033】
本願の説明において、「若干」は1つ又は複数を意味し、「複数」は2つ以上を意味し、「よりも大きい」、「よりも小さい」、「を超える」などはこれらの前に記載される数を含まないもの、「以上」、「以下」、「以内」などはこれらの前に記載される数を含むものとして理解される。「第1」、「第2」が記載される場合、技術的特徴を区別することにのみ使用され、相対重要性を指示もしくは示唆するか、又は係る技術的特徴の数もしくは係る技術的特徴の順位を暗黙的に示すものとして理解すべきではない。
【0034】
図1に示すように、本願の一実施例で提供される混合型埋め込みパッケージ構造の作製方法は、ステップS100~S900を含む。
【0035】
S100:第1絶縁層502、第1絶縁層502を貫通している導通用銅柱501、第1絶縁層502に開けられた埋め込みキャビティ504、及び導通用銅柱501に電気的に接続された第1配線層503を含む基板500を作製し、具体的には、図2図11に示す。
【0036】
さらに、図2に示すように、下層からコア層101、第1金属層102、第2金属層103、エッチングストップ層104、及び第1金属シード層105をこの順で含む支持プレート100を用意する。いくつかの実施例では、第1金属層102、第2金属層103は金属銅層としてもよく、両方は物理的手段により分離可能に結合される。後で第1金属層102と第2金属層103を分離した後、第2金属層103をエッチングする際には、エッチングストップ層104は基板の配線や銅柱を保護し、必要以上なエッチングを回避し、エッチングストップ層104は金属ニッケルとしてもよい。第1金属シード層105は銅としてもよく、厚さが1~3μmであり、後続の電気めっきにおける導通の基礎となる。
【0037】
さらに、図3に示すように、第1金属シード層105の表面に、導通用銅柱用ウィンドウ202及び犠牲銅柱用ウィンドウ203が設けられた第1フォトレジスト層201を作製する。具体的には、貼着又は塗布によって第1金属シード層105の表面にフォトレジスト材料を施して、フォトレジスト材料に露光及び現像を行い、銅柱パターンを作製し、第1フォトレジスト層201を形成する。第1フォトレジスト層201は導通用銅柱用ウィンドウ202、犠牲銅柱用ウィンドウ203を含み、銅柱は円柱体に限定されるものではなく、立方体、直方体などであってもよい。
【0038】
さらに、図4に示すように、銅柱を電気めっきし、導通用銅柱用ウィンドウ202及び犠牲銅柱用ウィンドウ203の位置に導通用銅柱501及び犠牲銅柱302をそれぞれ作製する。銅柱501及び302の厚さは実際のニーズに応じて決定され、通常、第1フォトレジスト層201の厚さよりも小さくする。
【0039】
さらに、図5に示すように、ストリッピングなどによって、第1フォトレジスト層を除去し、銅柱を覆うように絶縁層を積層する。プラズマエッチング又はスブラビングなどによって絶縁層を薄くし、導通用銅柱501及び犠牲銅柱302の端部を露出させて、第1絶縁層502を形成する。
【0040】
さらに、図6に示すように、銅柱を露出させた表面に第2金属シード層401を作製する。いくつかの実施例では、無電解銅めっき又はイオンスパッタリングは使用されてもよく、第2金属シード層401はCu又はTi+Cuとしてもよい。
【0041】
さらに、図7に示すように、第2金属シード層の表面に、いくつかの実施例では貼着又は塗布によってフォトレジスト材料を施して、フォトレジスト材料に露光及び現像を行い、第1配線層パターンを作製して、第2フォトレジスト層402を形成する。
【0042】
さらに、図8に示すように、実際のニーズに応じて決定されるが、通常、第2フォトレジスト層402の厚さよりも小さい厚さで、配線を電気めっきし、第2フォトレジスト層402及び露出させた第2金属シード層401を除去し、第1配線層503を形成する。いくつかの実施例では、第2フォトレジスト層の除去はストリッピングによって行われてもよく、露出させた第2金属シード層の除去はエッチングによって行われてもよい。
【0043】
さらに、図9に示すように、第1金属層102と第2金属層103を分離し、第2金属層103、エッチングストップ層104及び第1金属シード層105を除去する。いくつかの実施例では、分離された第1金属層の除去は通常エッチング方式によって行われ、エッチングストップ層の除去は通常、特定の薬液、好ましくはニッケルエッチング用薬液を用いたエッチングによって行われ、第1金属シード層の除去は通常エッチングによって行われる。
【0044】
さらに、図10に示すように、貼着又は塗布によって両面にフォトレジスト材料を施して、フォトレジスト材料に露光及び現像を行い、第1配線層及び導通用銅柱501を覆い、犠牲銅柱302を露出させて、第3フォトレジスト層404、第4フォトレジスト層405を形成する。
【0045】
さらに、図11に示すように、犠牲銅柱302を除去して、埋め込みキャビティ504を形成し、導通用銅柱501、第1絶縁層502、第1配線層503及び埋め込みキャビティ504を含む基板500を得る。いくつかの実施例では、犠牲銅柱の除去はエッチングによって行われ、第3フォトレジスト層、第4フォトレジスト層の除去はストリッピングによって行われてもよい。
【0046】
S200:図12に示すように、基板500の底部に、電子デバイスユニットを仮固定するための支持部材505を設ける。いくつかの実施例では、支持部材505として、接着テープが使用されてもよく、接着テープの接着面は電子デバイスの仮固定に有利である。
【0047】
S300:埋め込みキャビティ504に対応する支持部材505の内側に電子デバイスユニットを仮固定する。電子デバイスユニットは第1電子デバイス601と第2電子デバイス602を含む。第2電子デバイス602は第1電子デバイス601の裏面に設けられ、第1電子デバイス601の端子面は支持部材に面しており、第2電子デバイス602の端子面は第1電子デバイス601と反対する。いくつかの実施例では、第1電子デバイス601と第2電子デバイス602は接着材料603で粘着される。電子デバイスを貼り合わせる際には、第1電子デバイス601、接着材料603、第2電子デバイス602をこの順で貼り付けてもよく、第1電子デバイス601-接着材料603-第2電子デバイス602を組み合わせた全体をそのまま貼り付けてもよく、即ち、第1電子デバイス601、接着材料603、及び第2電子デバイス602を予め一定に結合させておき、次に、全体として接着テープ505に貼り付けてもよい。
【0048】
S400:図13に示すように、電子デバイスユニットをパッケージし、第1配線層503の一部及び第2電子デバイスの端子を露出させて、第2絶縁層701を形成する。いくつかの実施例では、感光性絶縁材料でチップをパッケージし、次に感光性絶縁材料に露光及び現像を行い、第1配線層の一部及び第2電子デバイスの端子を露出させて、第2絶縁層701を形成してもよい。もちろん、一般的な非感光絶縁材料で真空ラミネート、積層、塗布によってパッケージし、次に、レーザ、プラズマエッチングなどで絶縁材料を除去してウィンドウを形成してもよい。また、局所射出成形によってパッケージし、ウィンドウを形成して端子の一部を露出させてもよい。
【0049】
S500:図14に示すように、支持部材505を除去する。いくつかの実施例では、支持部材505を除去した後、まず、第2配線層の作製の準備作業として基板500の底面に第3金属シード層702を作製する。第3金属シード層702は、無電解銅めっき又はイオンスパッタリングによって作製されてもよい。第3金属シード層はCu又はTi+Cuとしてもよい。
【0050】
S600:図15図16及び図17に示すように、基板500の底部に第2配線層705、ソルダーマスク706を作製し、このステップは、具体的には、
貼着又は塗布によって、両面にフォトレジスト材料を施し、
フォトレジスト材料に露光及び現像を行い、上面全体を隠蔽し、底面に第2配線層パターンを作製し、第5フォトレジスト層703、第6フォトレジスト層704を形成し、
実際のニーズに応じて決定されるが、通常第6フォトレジスト層の厚さよりも小さい厚さで、第2配線を電気めっきし、
通常ストリッピングによって、第5フォトレジスト層、第6フォトレジスト層を除去し、
金属シード層をエッチングし、露出させた第3金属シード層を除去させ、第2配線層705を形成し、
底面にソルダーマスク706を作製する。ここで、ソルダーマスクは必要に応じて作製される。
【0051】
S700:抗酸化、無電解ニッケル・パラジウム・金めっき、錫めっき、無電解銀めっきなどによって第1配線層503及び第2配線層705の表面を処理して表面処理層707を形成する。表面の処理に際しては、通常、チップ領域のウィンドウ位置を遮蔽する必要がある。
【0052】
S800:図18に示すように、金配線や銅配線などを配線して、第2電子デバイスの端子6021と第1配線層503を接続する。
【0053】
S900:保護カバーを施し、つまり、配線後に、上面に保護カバー708を施す。いくつかの実施例では、保護カバー708は光透過性のガラス材質としてもよく、これにより、第2電子デバイスがセンサを有するか、又はLEDなどの発光デバイスである場合、センサやLEDなどの作動に影響を与えることなくパッケージ体を保護することができる。
【0054】
本願の第1態様の実施例に係る混合型埋め込みパッケージ構造の作製方法では、埋め込みパッケージとWBパッケージを組み合わせ、パッケージされるチップなどの素子に対して埋め込みパッケージ又はWBパッケージ(ワイヤボンディング)を選択的に行う。I/O数が多いチップの場合、WBパッケージは、難度が高く、コストが高いため、埋め込みパッケージを選択することができる。I/O数が少ないチップの場合、埋め込みパッケージは、加工周期が長く、コストが高いため、WBの方式を選択することができる。特殊のデバイスの特殊用途、例えばLED、フォトダイオードなど光源の発光又は受光ができるように設計されたデバイスの場合は、WBの方式を選択してもよく、これにより、デバイスを露出させて光電誘導を可能とする。また、本願の技術的解決手段におけるWBパッケージ構造は、WB対象となるチップなどの電子デバイスを埋め込みチップなどの電子デバイスの裏面に固定してから、配線してWBチップなどの電子デバイスを基板に電気的に接続したものである。このような構造は、従来のようにWBデバイスを基板の表面に実装してから配線する形態に比べて、パッケージの体積を小さくし、パッケージ体の高密度集積、小型化のニーズに応えられる。
【0055】
いくつかの実施例では、第2電子デバイス602の端子台にはセンサ6022がさらに設けられており、電子デバイスユニットをパッケージして処理した後にセンサを露出させることが求められる。
【0056】
いくつかの実施例では、第1絶縁層は純粋な樹脂又は樹脂とガラス繊維を含む有機絶縁材料を使用してもよい。
【0057】
図17に示すように、本願の別の実施例で提供される混合型埋め込みパッケージ構造の作製方法では、最初の2つのステップは第1実施例と同様であり、具体的には、ステップS100b~S1000bを含む。
【0058】
S100b:第1絶縁層502、第1絶縁層502を貫通している導通用銅柱501、第1絶縁層502に開けられた埋め込みキャビティ504、及び導通用銅柱501に電気的に接続された第1配線層503を含む基板500を作製する。
【0059】
S200b:基板500の底部に支持部材505を設ける。
S300b:さらに、図19に示すように、埋め込みキャビティ504に対応する支持部材505の内側に、端子面6011が支持部材に面している第1電子デバイス601を仮固定する。
【0060】
S400b:さらに、図20に示すように、第1電子デバイス601をパッケージし、第1配線層503の一部及び第1電子デバイスの裏面を露出させて、第1電子デバイスの裏面において少なくとも2つのウィンドウを形成している第2絶縁層を形成する。本実施例では、具体的には、感光性絶縁材料でチップをパッケージし、感光性絶縁材料に露光及び現像を行い、第1配線層の一部及び第1電子デバイスの裏面の一部を露出させて、第2絶縁層701を形成する。第2絶縁層は第1電子デバイスの裏面に、それぞれウィンドウ902、ウィンドウ903の2つのウィンドウを形成する。なお、ウィンドウの数は2つに限定されるものではなく、複数であってもよく、実際のニーズに応じて決定され、本実施案では、2つが例示されている。もちろん、一般的な非感光絶縁材料で真空ラミネート、積層、塗布によってパッケージし、次にレーザ、プラズマエッチングなどによって絶縁材料を除去してウィンドウを形成してもよいし、局所射出成形によってパッケージし、ウィンドウを形成して端子の一部を露出させてもよい。
【0061】
S500b:さらに、図21に示すように、支持部材505を除去し、基板の底面に第3金属シード層702を作製する。第3金属シード層702の作製は無電解銅めっき又はイオンスパッタリングを採用してもよい。第3金属シード層はCu又はTi+Cuとしてもよい。
【0062】
S600b:さらに、図22図23及び図24に示すように、基板500の底部に第2配線層705、ソルダーマスク706を作製し、具体的には、
貼着又は塗布によって、両面にフォトレジスト材料を施し、
フォトレジスト材料に露光及び現像を行い、上面全体を隠蔽し、底面に第2配線層パターンを作製し、第5フォトレジスト層703、第6フォトレジスト層704を形成し、
実際のニーズに応じて決定されるが、通常第6フォトレジスト層の厚さよりも小さい厚さで、第2配線を電気めっきし、
通常ストリッピングによって第5フォトレジスト層、第6フォトレジスト層を除去し、
金属シード層をエッチングし、露出させた第3金属シード層を除去し、第2配線層705を形成し、
底面にソルダーマスク706を作製する。
【0063】
S700b:抗酸化、無電解ニッケル・パラジウム・金めっき、錫めっき、無電解銀めっきなどによって第1配線層503及び第2配線層705の表面を処理して表面処理層を形成し、即ち、両面を選択的に表面処理して、表面処理層707を形成する。表面処理に際しては、通常、チップ領域のウィンドウ位置を遮蔽する必要がある。
【0064】
S800b:さらに、図25に示すように、第1電子デバイスの裏面のうち第2絶縁層のウィンドウ箇所に、端子面が第1電子デバイス601と反対する第2電子デバイス602を設ける。具体的には、第1電子デバイスの裏面のうち第2絶縁層のウィンドウごとに、接着材料603を施して、それぞれ第2電子デバイス602を貼り付けることを含む。第2電子デバイス602は、それぞれ、実際の状況に応じて、同一の電子デバイスとしてもよいし、異なる電子デバイスとしてもよく、本実施例では、2つの異なる電子デバイスが設けられ、一方はLEDチップ、他方はフォトダイオードPDであり、2つの異なる第2電子デバイスの裏面は接着材料で第1電子デバイスの裏面に緊密に結合されている。
【0065】
S900b:配線して、第2電子デバイスの端子と第1配線層503を接続する。
S1000b:保護カバー708を施す。
【0066】
図26に示すように、本願の一実施例は、
第1絶縁層502、第1絶縁層502を貫通している導通用銅柱501、第1絶縁層502に開けられた埋め込みキャビティ504、及び導通用銅柱501に電気的に接続された第1配線層503を含む基板と、
埋め込みキャビティ504の内部に設けられ、かつ端子面が基板の底面に面している第1電子デバイス601と、
第1電子デバイス601の裏面に設けられ、かつ端子面が基板の上面に面している第2電子デバイス602と、
埋め込みキャビティ504及び基板の上層を覆って埋めるとともに、第1配線層503の一部及び第2電子デバイス602の一部又は第1電子デバイスの裏面の一部を露出させる第2絶縁層503と、
基板500の底面に設けられ、導通用銅柱501と第1電子デバイス601の端子6011とを電気的に接続する第2配線層705と、
第1配線層503と第2電子デバイス602の端子6021とを電気的に接続するリード線とを含む、混合型埋め込みパッケージ構造を提供する。
【0067】
本願の実施例に係る混合型埋め込みパッケージ構造では、埋め込みパッケージとWBパッケージを組み合わせ、パッケージされる電子デバイスなどの素子に対して埋め込みパッケージ又はWBパッケージ(ワイヤボンディング)を選択的に行い、これにより、生産コストを低下させ、加工周期を短縮させる。センサや感光性デバイス(LED、PDなど)を基板の内部に集積し、しかも、センサや感光性デバイスを露出させることができ、これにより、センサや感光性デバイスによる信号送信/受信に影響を与えることなくパッケージの体積を小さくする。WB対象となる第2電子デバイスを、埋め込まれた第1電子デバイスの裏面に固定し、次に配線してWB第2電子デバイスを基板に電気的に接続する。
【0068】
いくつかの実施例では、第2電子デバイス602は1つ設けられており、第2絶縁層503は、埋め込みキャビティ504及び基板の上層を覆って埋めるとともに、第1配線層503の一部及び第2電子デバイス602の端子を露出させる。
【0069】
いくつかの実施例では、第2電子デバイス602の端子面にセンサがさらに設けられており、第2絶縁層503は埋め込みキャビティ504及び基板の上層を覆って埋めるとともに、第1配線層503の一部、第2電子デバイス602の端子及びセンサを露出させる。
【0070】
いくつかの実施例では、第2金属シード層401及び第3金属シード層702をさらに含み、第2金属シード層401は導通用銅柱501と第1配線層503との間に設けられ、第3金属シード層702は導通用銅柱501と第2配線層705との間に設けられる。
【0071】
いくつかの実施例では、さらに、図27に示すように、第2電子デバイス602は少なくとも2つ設けられており、第2絶縁層503は埋め込みキャビティ504及び基板の上層を覆って埋めるとともに、第1配線層503の一部及び第1電子デバイス601の裏面の一部を露出させ、かつ第2絶縁層503は第1電子デバイス601の裏面において少なくとも2つのウィンドウを形成しており、第2電子デバイス602はそれぞれ、1つのウィンドウに対応して設けられる。WB対象となる第2電子デバイスは必要に応じて複数設けられてもよく、また、各電子素子のタイプは任意に組み合わせられてもよく、同一又は異なるものとすることができ、このため、設計が非常に柔軟である。
【0072】
いくつかの実施例では、第2電子デバイス602が少なくとも2つ設けられている場合、少なくとも2つの第2電子デバイス602は、同一の電子素子であってもよいし、異なる電子素子であってもよい。
【0073】
いくつかの実施例では、第2電子デバイスは接着材料で第1電子デバイス601の裏面に設けられている。
【0074】
いくつかの実施例では、少なくとも第2配線層705の一部を覆うソルダーマスク706をさらに含む。
【0075】
いくつかの実施例では、基板500の上面に設けられパッケージ体を保護する保護カバー708をさらに含む。LED、PDなどの電子デバイスの作動に影響を与えないように、保護カバーは、光透過性カバー、例えばガラス製光透過性カバー、プラスチップ製光透過性カバーなどとしてもよい。
【0076】
以上は本願の好適な実施を詳細に説明するが、本願は上記の実施形態に限定されるものではなく、当業者であれば、本願の主旨を逸脱することなくさまざまな同等変形や置換を行ってもよく、これらの同等変形又は置換は全て本願の請求の範囲により定められる範囲に含まれるものとする。
図1
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