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特許7324939活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂、硬化性樹脂組成物、および、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-02
(45)【発行日】2023-08-10
(54)【発明の名称】活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂、硬化性樹脂組成物、および、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C08F 290/06 20060101AFI20230803BHJP
   C08G 18/10 20060101ALI20230803BHJP
   C08G 18/48 20060101ALI20230803BHJP
   C08G 18/75 20060101ALI20230803BHJP
   C08G 18/76 20060101ALI20230803BHJP
   C08G 18/67 20060101ALI20230803BHJP
【FI】
C08F290/06
C08G18/10
C08G18/48
C08G18/75
C08G18/76 014
C08G18/67
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022512191
(86)(22)【出願日】2021-03-29
(86)【国際出願番号】 JP2021013216
(87)【国際公開番号】W WO2021200794
(87)【国際公開日】2021-10-07
【審査請求日】2022-08-04
(31)【優先権主張番号】P 2020060857
(32)【優先日】2020-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005887
【氏名又は名称】三井化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103517
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 寛之
(74)【代理人】
【識別番号】100149607
【弁理士】
【氏名又は名称】宇田 新一
(72)【発明者】
【氏名】中原 理紗
(72)【発明者】
【氏名】景岡 正和
(72)【発明者】
【氏名】山崎 聡
(72)【発明者】
【氏名】山田 士朗
【審査官】尾立 信広
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-275470(JP,A)
【文献】特開2006-104296(JP,A)
【文献】特開平9-324135(JP,A)
【文献】特開2018-135479(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G 18/00-18/87
C08F 290/00-290/14
C08F 299/00-299/08
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
イソシアネート基末端プレポリマーと、ヒドロキシ基含有不飽和化合物とを含む樹脂原料の反応生成物を含む活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂であり、
前記イソシアネート基末端プレポリマーは、
キシリレンジイソシアネートおよび/または水添キシリレンジイソシアネートを含むポリイソシアネート成分と、
数平均分子量6000以上12000以下のポリオキシアルキレンポリオールを含むポリオール成分と
を含むプレポリマー原料の反応生成物を含み、
前記活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂の25℃における粘度が、2万mPa・s以上4万mPa・s以下である
ことを特徴とする、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂。
【請求項2】
請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂と、
ラジカル反応性希釈剤と
を含有することを特徴とする、硬化性樹脂組成物。
【請求項3】
前記ラジカル反応性希釈剤が、脂環式エーテル骨格を有する(メタ)アクリレートを含有する
ことを特徴とする、請求項2に記載の硬化性樹脂組成物。
【請求項4】
キシリレンジイソシアネートおよび/または水添キシリレンジイソシアネートを含むポリイソシアネート成分と、数平均分子量6000以上12000以下のポリオキシアルキレンポリオールを含むポリオール成分とを含むプレポリマー原料を反応させ、イソシアネート基末端プレポリマーを得る工程と、
前記イソシアネート基末端プレポリマーを、蒸留により精製する工程と、
精製された前記イソシアネート基末端プレポリマーとヒドロキシ基含有不飽和化合物とを含む樹脂原料を反応させ、25℃における粘度が2万mPa・s以上4万mPa・s以下の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂を得る工程と
を備えることを特徴とする、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂、硬化性樹脂組成物、および、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂に関する。
【背景技術】
【0002】
活性エネルギー線の照射により硬化するポリウレタン樹脂(以下、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂)は、エチレン性不飽和基を含有するポリウレタン樹脂であって、接着剤、コーティング剤、エラストマーなどの各種産業分野において、広範に用いられている。
【0003】
活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂として、より具体的には、2,4-トリレンジイソシアネートと、数平均分子量1000のポリオキシプロピレングリコールとを反応させ、次いで、得られた反応液に、2,4-トリレンジイソシアネートおよび2-ヒドロキシエチルアクリレートとを添加し、さらに反応させて得られるポリウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーが、提案されている。また、得られたポリウレタン(メタ)アクリレートを、ビスフェノールA・エチレンオキシド付加体のジアクリレートなどのエチレン性不飽和化合物と混合して用いることも、提案されている(例えば、特許文献1(合成例1および実施例1)参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平11-315265号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂としては、硬化後の機械強度、耐候性およびヒステリシス特性のさらなる向上が要求されている。
【0006】
さらに、近年では、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂を、3Dプリンターにおける成形樹脂として使用することが検討されている。
【0007】
3Dプリンター用の成形樹脂には、硬化前の粘度が比較的低いことが要求され、また、硬化後の機械強度、耐候性およびヒステリシス特性に優れることが要求される。しかし、上記のポリウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーでは、これらの要求を充分に満足できない場合がある。
【0008】
本発明は、硬化前の粘度が比較的低く、また、硬化後の機械強度、耐候性およびヒステリシス特性に優れる活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂、硬化性樹脂組成物、および、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明[1]は、イソシアネート基末端プレポリマーと、ヒドロキシ基含有不飽和化合物とを含む樹脂原料の反応生成物を含む活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂であり、前記イソシアネート基末端プレポリマーは、キシリレンジイソシアネートおよび/または水添キシリレンジイソシアネートを含むポリイソシアネート成分と、数平均分子量6000以上12000以下のポリオキシアルキレンポリオールを含むポリオール成分とを含むプレポリマー原料の反応生成物を含み、前記活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂の25℃における粘度が、2万mPa・s以上4万mPa・s以下である、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂を含んでいる。
【0010】
本発明[2]は、上記[1]に記載の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂と、ラジカル反応性希釈剤とを含有する、硬化性樹脂組成物を含んでいる。
【0011】
本発明[3]は、前記ラジカル反応性希釈剤が、脂環式エーテル骨格を有する(メタ)アクリレートを含有する、上記[2]に記載の硬化性樹脂組成物を含んでいる。
【0012】
本発明[4]は、キシリレンジイソシアネートおよび/または水添キシリレンジイソシアネートを含むポリイソシアネート成分と、数平均分子量6000以上12000以下のポリオキシアルキレンポリオールを含むポリオール成分とを含むプレポリマー原料を反応させ、イソシアネート基末端プレポリマーを得る工程と、前記イソシアネート基末端プレポリマーを、蒸留により精製する工程と、精製された前記イソシアネート基末端プレポリマーとヒドロキシ基含有不飽和化合物とを含む樹脂原料を反応させ、25℃における粘度が2万mPa・s以上4万mPa・s以下の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂を得る工程とを備える、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂の製造方法を含んでいる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂は、イソシアネート基末端プレポリマーと、ヒドロキシ基含有不飽和化合物との反応生成物を含み、イソシアネート基末端プレポリマーが、キシリレンジイソシアネートおよび/または水添キシリレンジイソシアネートを含むポリイソシアネート成分と、数平均分子量が所定範囲のポリオキシアルキレンポリオールを含むポリオール成分との反応生成物を含み、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂の25℃における粘度が、2万mPa・s以上4万mPa・s以下である。
【0014】
そのため、本発明の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂は、硬化前の粘度が比較的低く、また、硬化後の機械強度、耐候性およびヒステリシス特性に優れる。
【0015】
また、本発明の硬化性樹脂組成物は、上記の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂を含むため、硬化前の粘度が比較的低く、また、硬化後の機械強度、耐候性およびヒステリシス特性に優れる。
【0016】
また、本発明の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂によれば、硬化前の粘度が比較的低く、また、硬化後の機械強度、耐候性およびヒステリシス特性に優れる活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂を、効率よく製造できる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂は、活性エネルギー線(後述)の照射により硬化するポリウレタン樹脂である。
【0018】
活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂は、樹脂原料の反応生成物を含む。
【0019】
樹脂原料は、イソシアネート基末端プレポリマーと、ヒドロキシ基含有不飽和化合物とを含んでいる。
【0020】
イソシアネート基末端プレポリマーは、分子末端に2つ以上の遊離のイソシアネート基を有するポリウレタンプレポリマーであり、プレポリマー原料の反応生成物を含む。
【0021】
プレポリマー原料は、ポリイソシアネート成分と、ポリオール成分とを含んでいる。
【0022】
ポリイソシアネート成分は、必須成分として、キシリレンジイソシアネートおよび/または水添キシリレンジイソシアネートを含んでいる。
【0023】
キシリレンジイソシアネート(XDI)としては、1,2-キシリレンジイソシアネート(o-XDI)、1,3-キシリレンジイソシアネート(m-XDI)、1,4-キシリレンジイソシアネート(p-XDI)が、構造異性体として挙げられる。
【0024】
これらキシリレンジイソシアネートは、単独使用または2種類以上併用することができる。キシリレンジイソシアネートとして、好ましくは、1,3-キシリレンジイソシアネート、1,4-キシリレンジイソシアネート、より好ましくは、1,3-キシリレンジイソシアネートが挙げられる。
【0025】
水添キシリレンジイソシアネート(別名:ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン)(HXDI)としては、1,2-水添キシリレンジイソシアネート(1,2-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,2-HXDI)、1,3-水添キシリレンジイソシアネート(1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,3-HXDI)、1,4-水添キシリレンジイソシアネート(1,4-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4-HXDI)が、構造異性体として挙げられる。
【0026】
これら水添キシリレンジイソシアネートは、単独使用または2種類以上併用することができる。水添キシリレンジイソシアネートとして、好ましくは、1,3-水添キシリレンジイソシアネート、1,4-水添キシリレンジイソシアネート、より好ましくは、1,3-水添キシリレンジイソシアネートが挙げられる。
【0027】
また、キシリレンジイソシアネートおよび/または水添キシリレンジイソシアネートとしては、上記した単量体の他、キシリレンジイソシアネートおよび/または水添キシリレンジイソシアネートの誘導体が含まれる。
【0028】
キシリレンジイソシアネートおよび/または水添キシリレンジイソシアネートの誘導体としては、例えば、キシリレンジイソシアネートおよび/または水添キシリレンジイソシアネートの多量体(例えば、2量体、3量体(例えば、イソシアヌレート変性体、イミノオキサジアジンジオン変性体)、5量体、7量体など)、アロファネート変性体(例えば、キシリレンジイソシアネートおよび/または水添キシリレンジイソシアネートと、公知の1価アルコールおよび/または公知の2価アルコールとの反応より生成するアロファネート変性体など)、ポリオール変性体(例えば、キシリレンジイソシアネートおよび/または水添キシリレンジイソシアネートと公知の3価以上のアルコールとの反応より生成するポリオール変性体(アルコール付加体)など)、ビウレット変性体(例えば、キシリレンジイソシアネートおよび/または水添キシリレンジイソシアネートと、水やアミン類との反応により生成するビウレット変性体など)、ウレア変性体(例えば、キシリレンジイソシアネートおよび/または水添キシリレンジイソシアネートとジアミンとの反応により生成するウレア変性体など)、オキサジアジントリオン変性体(例えば、キシリレンジイソシアネートおよび/または水添キシリレンジイソシアネートと炭酸ガスとの反応により生成するオキサジアジントリオンなど)、カルボジイミド変性体(キシリレンジイソシアネートおよび/または水添キシリレンジイソシアネートの脱炭酸縮合反応により生成するカルボジイミド変性体など)、ウレトジオン変性体、ウレトンイミン変性体などが挙げられる。
【0029】
これら誘導体は、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0030】
キシリレンジイソシアネートおよび/または水添キシリレンジイソシアネートとして、好ましくは、キシリレンジイソシアネートおよび/または水添キシリレンジイソシアネートの単量体が挙げられ、より好ましくは、水添キシリレンジイソシアネートが挙げられ、さらに好ましくは、1,3-水添キシリレンジイソシアネートが挙げられる。
【0031】
また、ポリイソシアネート成分は、任意成分として、その他のポリイソシアネート(キシリレンジイソシアネートおよび水添キシリレンジイソシアネートを除くポリイソシアネート)を含有することができる。
【0032】
その他のポリイソシアネートとしては、例えば、芳香族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート(キシリレンジイソシアネートを除く。)、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート(水添キシリレンジイソシアネートを除く。)などのポリイソシアネートなどが挙げられる。
【0033】
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート(2,4-または2,6-トリレンジイソシアネートもしくはその混合物)(TDI)、フェニレンジイソシアネート(m-、p-フェニレンジイソシアネートもしくはその混合物)、4,4’-ジフェニルジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート(NDI)、ジフェニルメタンジイソシネート(4,4’-、2,4’-または2,2’-ジフェニルメタンジイソシネートもしくはその混合物)(MDI)、4,4’-トルイジンジイソシアネート(TODI)、4,4’-ジフェニルエーテルジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネートなどが挙げられる。
【0034】
芳香脂肪族ポリイソシアネート(キシリレンジイソシアネートを除く。)としては、例えば、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(1,3-または1,4-テトラメチルキシリレンジイソシアネートもしくはその混合物)(TMXDI)、ω,ω’-ジイソシアネート-1,4-ジエチルベンゼンなどの芳香脂肪族ジイソシアネートなどが挙げられる。
【0035】
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、1,2-プロピレンジイソシアネート、ブチレンジイソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、1,2-ブチレンジイソシアネート、2,3-ブチレンジイソシアネート、1,3-ブチレンジイソシアネート)、1,5-ペンタメチレンジイソシアネート(PDI)、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(別名:ヘキサメチレンジイソシアネート)(HDI)、2,4,4-または2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,6-ジイソシアネートメチルカプロエートなどの脂肪族ジイソシアネートなどが挙げられる。
【0036】
脂環族ポリイソシアネート(水添キシリレンジイソシアネートを除く。)としては、例えば、1,3-シクロペンタンジイソシアネート、1,3-シクロペンテンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート(1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、1,3-シクロヘキサンジイソシアネート)、3-イソシアナトメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(別名:イソホロンジイソシアネート)(IPDI)、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(別名:ビス(イソシアナトシクロヘキシル)メタン)(4,4’-、2,4’-または2,2’-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)これらのTrans,Trans-体、Trans,Cis-体、Cis,Cis-体、もしくはその混合物)(H12MDI)、メチルシクロヘキサンジイソシアネート(メチル-2,4-シクロヘキサンジイソシアネート、メチル-2,6-シクロヘキサンジイソシアネート)、ノルボルナンジイソシアネート(各種異性体もしくはその混合物)(NBDI)、などの脂環族ジイソシアネートなどが挙げられる。好ましくは、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)が挙げられる。
【0037】
その他のポリイソシアネートには、上記と同種の誘導体が含まれる。
【0038】
その他のポリイソシアネートは、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0039】
なお、その他のポリイソシアネート(キシリレンジイソシアネートおよび水添キシリレンジイソシアネートを除くポリイソシアネート)が配合される場合、その配合割合は、本発明の優れた効果を損なわない範囲において、適宜選択される。
【0040】
より具体的には、キシリレンジイソシアネートおよび水添キシリレンジイソシアネート(併用される場合にはそれらの総量)の含有割合が、ポリイソシアネート成分の総量に対して、例えば、50質量%以上、好ましくは、60質量%以上、より好ましくは、80質量%以上であり、通常、100質量%以下である。
【0041】
ポリイソシアネート成分は、好ましくは、キシリレンジイソシアネートおよび/または水添キシリレンジイソシアネートからなり、より好ましくは、水添キシリレンジイソシアネートからなる。
【0042】
ポリオール成分は、必須成分として、ポリオキシアルキレンポリオールを含有する。
【0043】
ポリオキシアルキレンポリオールは、例えば、低分子量ポリオールまたは低分子量ポリアミンを開始剤とする、アルキレンオキサイドの付加重合物である。
【0044】
低分子量ポリオールは、ヒドロキシ基を2つ以上有する数平均分子量40以上、300未満の化合物であって、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、1,2-ブチレングリコール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2,2,2-トリメチルペンタンジオール、3,3-ジメチロールヘプタン、アルカン(C7~20)ジオール、1,3-または1,4-シクロヘキサンジメタノールおよびそれらの混合物、1,3-または1,4-シクロヘキサンジオールおよびそれらの混合物、水素化ビスフェノールA、1,4-ジヒドロキシ-2-ブテン、2,6-ジメチル-1-オクテン-3,8-ジオール、ビスフェノールA、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどの2価アルコール、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリイソプロパノールアミンなどの3価アルコール、例えば、テトラメチロールメタン(ペンタエリスリトール)、ジグリセリンなどの4価アルコール、例えば、キシリトールなどの5価アルコール、例えば、ソルビトール、マンニトール、アリトール、イジトール、ダルシトール、アルトリトール、イノシトール、ジペンタエリスリトールなどの6価アルコール、例えば、ペルセイトールなどの7価アルコール、例えば、ショ糖などの8価アルコールなどが挙げられる。
【0045】
低分子量ポリアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、1,3-プロパンジアミン、1,3-または1,4-ブタンジアミン、1,6-ヘキサメチレンジアミン、1,4-シクロヘキサンジアミン、3-アミノメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルアミン(イソホロンジアミン)、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジアミン、2,5(2,6)-ビス(アミノメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ヒドラジン、o、mまたはp-トリレンジアミン(TDA、OTD)などの低分子量ジアミン、例えば、ジエチレントリアミンなどの低分子量トリアミン、例えば、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミンなどのアミノ基を4個以上有する低分子量ポリアミンなどが挙げられる。
【0046】
これら開始剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。開始剤として、好ましくは、低分子量ポリオールが挙げられる。
【0047】
アルキレンオキサイドとしては、例えば、エチレンオキサイド(IUPAC名:オキシラン)、プロピレンオキサイド(1,2-プロピレンオキサイド(IUPAC名:メチルオキシラン))、トリエチレンオキサイド(1,3-プロピレンオキサイド)、ブチレンオキサイド(1,2-ブチレンオキサイド(IUPAC名:エチルオキシラン)、2,3-ブチレンオキサイド(IUPAC名:2,3-ジメチルオキシラン))などが挙げられる。また、これらアルキレンオキサイドは、単独使用または2種類以上併用することができる。また、これらのうち、好ましくは、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドが挙げられ、より好ましくは、プロピレンオキサイドが挙げられる。
【0048】
このようなポリオキシアルキレンポリオールとして、具体的には、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシトリエチレングリコール、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレングリコール(ランダムまたはブロック共重合体)などの平均官能基数2のポリアルキレンオキサイド、例えば、ポリオキシエチレントリオール、ポリオキシプロピレントリオール、ポリオキシトリエチレントリオール、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレントリオール(ランダムまたはブロック共重合体)などの平均官能基数3のポリアルキレンオキサイドなどが挙げられる。
【0049】
これらポリオキシアルキレンポリオールは、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0050】
ポリオキシアルキレンポリオールとして、好ましくは、ポリオキシプロピレンポリオールが挙げられ、より好ましくは、ポリオキシプロピレングリコールが挙げられる。
【0051】
ポリオキシアルキレンポリオールの数平均分子量は、機械強度、耐候性およびヒステリシス特性の観点から、6000以上、好ましくは、7000以上、より好ましくは、8000以上、さらに好ましくは、9000以上、とりわけ好ましくは、10000以上であり、12000以下、好ましくは、11500以下、より好ましくは、11000以下、さらに好ましくは、10500以下である。
【0052】
ポリオキシアルキレンポリオールの平均官能基数は、例えば、1.5以上、好ましくは、2以上であり、例えば、3以下、好ましくは、2.5以下であり、さらに好ましくは、2.0である。
【0053】
また、ポリオキシアルキレンポリオールは、例えば、水酸化物触媒、ホスファゼン触媒、複金属シアン化錯体触媒などを用いて、公知の方法で製造される。ポリオキシアルキレンポリオールは、副反応を抑制する観点から、好ましくは、ホスファゼン触媒、複金属シアン化錯体触媒などの副反応を抑制可能な触媒を用いて製造される。
【0054】
なお、ポリオキシアルキレンポリオールの製造における副反応では、不飽和結合を有するモノオールが生成する。そのため、ポリオキシアルキレンポリオールの不飽和度(単位:meq./g)を算出することによって、副反応の抑制の度合いを評価できる。
【0055】
ポリオキシアルキレンポリオールの不飽和度(単位:meq./g)は、好ましくは、下記式(1)を満たす。
【0056】
不飽和度≦4×10-5×(Mn/f)0.83+0.011
【0057】
なお、上記式(1)において、Mnは、ポリオキシアルキレンポリオールの数平均分子量を示し、fは、ポリオキシアルキレンポリオールの平均官能基数(平均水酸基数)を示す。Mnおよびfは、公知の方法で測定でき、また、例えば、JIS K1557-1(2007)に準拠して測定される水酸基価から算出することもできる(以下同じ)。
【0058】
ポリオキシアルキレンポリオールの不飽和度(単位:meq./g)は、より具体的には、例えば、0.001以上であり、例えば、0.07以下、好ましくは、0.05以下、より好ましくは、0.03以下、さらに好ましくは、0.025以下である。
【0059】
ポリオキシアルキレンポリオールの水酸基価は、例えば、9mgKOH/g以上、好ましくは、10mgKOH/g以上であり、例えば、20mgKOH/g以下、好ましくは、15mgKOH/g以下である。
【0060】
ポリオール成分は、任意成分として、その他の高分子量ポリオール(ポリオキシエチレングリコールを除く高分子量ポリオール)を含むことができる。
【0061】
その他の高分子量ポリオールは、ヒドロキシ基を2つ以上有する数平均分子量300以上、20000以下の化合物であって、例えば、ポリエーテルポリオール(ポリオキシアルキレンポリオールを除く。)、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリウレタンポリオール、エポキシポリオール、植物油ポリオール、ポリオレフィンポリオール、シリコーンポリオール、フッ素ポリオールなどが挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用することができる。その他の高分子量ポリオールとして、好ましくは、ポリエーテルポリオール(ポリオキシアルキレンポリオールを除く。)、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリウレタンポリオールが挙げられる。
【0062】
また、ポリオール成分は、任意成分として、低分子量ポリオールを含有することができる。
【0063】
低分子量ポリオールとしては、上記した低分子量ポリオールが挙げられる。
【0064】
ポリオール成分が低分子量ポリオールを含有する場合、その含有割合は、本発明の優れた効果を損なわない範囲において、適宜設定される。
【0065】
好ましくは、ポリオール成分は、低分子量ポリオールを含有せず、高分子量ポリオールのみを含有する。より好ましくは、ポリオール成分は、ポリオキシアルキレンポリオールのみを含有する。
【0066】
ポリオール成分(総量)の数平均分子量は、例えば、6000以上、好ましくは、7000以上、より好ましくは、8000以上、さらに好ましくは、9000以上、とりわけ好ましくは、10000以上であり、例えば、12000以下、好ましくは、11500以下、より好ましくは、11000以下、さらに好ましくは、10500以下である。
【0067】
また、ポリオール成分(総量)の平均官能基数は、例えば、1.5以上、好ましくは、2以上であり、例えば、3以下、好ましくは、2.5以下であり、さらに好ましくは、2.0である。
【0068】
また、ポリオール成分(総量)の水酸基価は、例えば、9mgKOH/g以上、好ましくは、10mgKOH/g以上であり、例えば、20mgKOH/g以下、好ましくは、15mgKOH/g以下である。
【0069】
イソシアネート基末端プレポリマーは、上記のポリイソシアネート成分および上記のポリオール成分を含むプレポリマー原料を、公知の方法で反応させることにより、得ることができる。
【0070】
より具体的には、この方法では、ポリオール成分のヒドロキシ基に対するポリイソシアネート成分のイソシアネート基の当量比(イソシアネート基/ヒドロキシ基)において、1を超える割合で、プレポリマー原料を配合する。プレポリマー原料中の当量比(イソシアネート基/ヒドロキシ基)は、好ましくは、1.1以上、より好ましくは、3以上、さらに好ましくは、6以上であり、好ましくは、20、より好ましくは、15以下、さらに好ましくは、10以下である。
【0071】
そして、上記のプレポリマー原料を、バルク重合や溶液重合などの公知の重合方法で反応させる。好ましくは、上記のプレポリマー原料を、バルク重合によって反応させる。
【0072】
バルク重合では、例えば、窒素雰囲気下、上記のプレポリマー原料を配合して、反応温度75~85℃で、1~20時間程度反応させる。
【0073】
溶液重合では、例えば、窒素雰囲気下、公知の有機溶媒に、上記のプレポリマー原料を配合して、反応温度20~80℃で、1~20時間程度反応させる。
【0074】
また、上記重合では、必要に応じて、公知のウレタン化触媒を添加することができる。
【0075】
ウレタン化触媒の添加割合は、目的および用途に応じて、適宜設定される。
【0076】
これにより、イソシアネート基末端プレポリマーを得ることができる、また、その結果、イソシアネート基末端プレポリマーと未反応のポリイソシアネート成分とを含む組成物(以下、プレポリマー粗生成物)が得られる。
【0077】
イソシアネート基末端プレポリマーのイソシアネート基の平均官能基数は、例えば、1.5以上、好ましくは、2.0以上であり、また、例えば、3.0以下、好ましくは、2.5以下である。
【0078】
また、プレポリマー粗生成物(イソシアネート基末端プレポリマーおよび未反応のポリイソシアネート成分を含む。)のイソシアネート基濃度は、プレポリマー粗生成物の総量(固形分換算)に対して、例えば、0.3質量%以上、好ましくは、0.5質量%以上、より好ましくは、1.0質量%以上であり、また、例えば、15質量%以下、好ましくは、12質量%以下、より好ましくは、10質量%以下である。
【0079】
また、プレポリマー粗生成物(イソシアネート基末端プレポリマーおよび未反応のポリイソシアネート成分を含む。)は、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂の25℃における粘度を後述の範囲に調整し、ハンドリング性および成形性の向上を図る観点から、好ましくは、蒸留により精製される。
【0080】
なお、プレポリマー粗生成物を精製することなく、例えば、プレポリマー原料中の当量比(イソシアネート基/ヒドロキシ基)を、比較的低く設定することによっても、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂の25℃における粘度を後述の範囲に調整することができる。しかし、このような場合には、ハンドリング性および成形性が充分ではない場合がある。
【0081】
そのため、ハンドリング性および成形性の向上を図る観点から、好ましくは、蒸留によりプレポリマー粗生成物を精製し、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂の25℃における粘度を後述の範囲に調整する。
【0082】
蒸留方法としては、特に制限されないが、例えば、バッチ式蒸留法、連続式蒸留法などが挙げられ、連続式蒸留法としては、例えば、薄膜蒸留法(スミス式薄膜蒸留法)などが挙げられる。蒸留方法として、好ましくは、薄膜蒸留法(スミス式薄膜蒸留法)が挙げられる。
【0083】
薄膜蒸留法が採用される場合、蒸留条件としては、蒸留温度が、例えば、120℃以上、好ましくは、150℃以上であり、例えば、250℃以下、好ましくは、200℃以下である。また、蒸留圧力(絶対圧力)が、例えば、1Pa以上、好ましくは、10Pa以上、より好ましくは、50Pa以上であり、例えば、300Pa以下、好ましくは、200Pa以下、より好ましくは、100Pa以下である。
【0084】
また、イソシアネート基末端プレポリマーのフィード量が、例えば、0.1g/min以上、好ましくは、1.0g/min以上、より、好ましくは、2.0g/min以上であり、例えば、100g/min以下、好ましくは、50g/min以下、より好ましくは、10g/min以下である。
【0085】
これにより、プレポリマー粗生成物から、未反応のポリイソシアネート成分が除去され、イソシアネート基末端プレポリマーの精製物(以下、プレポリマー精製物)が得られる。
【0086】
プレポリマー精製物は、イソシアネート基末端プレポリマーからなるか、または、イソシアネート基末端プレポリマーと、極微量(10000ppm以下)の未反応のポリイソシアネート成分とを含有する。
【0087】
プレポリマー精製物において、イソシアネート基末端プレポリマーの含有割合は、プレポリマー精製物の総量に対して、例えば、99.5質量%以上、好ましくは、99.9質量%以上であり、例えば、100質量%以下である。
【0088】
また、プレポリマー精製物のイソシアネート基濃度は、プレポリマー精製物の総量(固形分換算)に対して、例えば、0.0001質量%以上、好ましくは、0.0005質量%以上であり、また、例えば、0.020質量%以下、好ましくは、0.013質量%以下、より好ましくは、0.010質量%以下である。
【0089】
そして、上記のイソシアネート基末端プレポリマー(好ましくは、プレポリマー精製物)と、ヒドロキシ基含有不飽和化合物との反応により、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂が得られる。
【0090】
ヒドロキシ基含有不飽和化合物は、1つ以上のエチレン性不飽和基、および、1つ以上のヒドロキシ基を併有する化合物である。
【0091】
より具体的には、ヒドロキシ基含有不飽和化合物は、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニルフェニル基、プロペニルエーテル基、アリルエーテル基、ビニルエーテル基などのエチレン性不飽和基含有基を1つ以上と、ヒドロキシ基を1つ以上とを、併有している。
【0092】
なお、(メタ)アクリロイルとは、アクリロイルおよび/またはメタクリロイルを示し、また、同様に、(メタ)アクリルとは、アクリルおよび/またはメタクリルを示し、(メタ)アクリレートとは、アクリレートおよび/またはメタクリレートを示す。
【0093】
エチレン性不飽和基含有基として、好ましくは、(メタ)アクリロイル基が挙げられ、より好ましくは、アクリロイル基が挙げられる。
【0094】
エチレン性不飽和基含有基が(メタ)アクリロイル基である場合、ヒドロキシ基含有不飽和化合物としては、例えば、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0095】
ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、1分子中に、ヒドロキシ基を1つ有し(メタ)アクリロイル基を1つ有するモノヒドロキシルモノ(メタ)アクリレート、例えば、1分子中に、ヒドロキシ基を複数有し、(メタ)アクリロイル基を1つ有するポリヒドロキシルモノ(メタ)アクリレート、例えば、1分子中に、ヒドロキシ基を1つ有し、(メタ)アクリロイル基を複数有するモノヒドロキシルポリ(メタ)アクリレート、例えば、1分子中に、ヒドロキシ基を複数有し、(メタ)アクリロイル基を複数有するポリヒドロキシルポリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0096】
モノヒドロキシルモノ(メタ)アクリレートとしては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、例えば、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイルオキシエチル-2-ヒドロキシエチルフタル酸、2-ヒドロキシアルキル(メタ)アクリロイルフォスフェート、ペンタンジオールモノ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0097】
ポリヒドロキシルモノ(メタ)アクリレートとしては、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0098】
モノヒドロキシルポリ(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-(メタ)アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート(例えば、2-ヒドロキシ-3-アクリロイロキシプロピルメタクリレート(商品名:NKエステル701A、新中村化学製))が挙げられる。
【0099】
ポリヒドロキシルポリ(メタ)アクリレートとしては、例えば、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0100】
また、エチレン性不飽和基含有基がビニルフェニル基である場合、ヒドロキシ基含有不飽和化合物としては、例えば、4-ビニルフェノール、2-ヒドロキシエチル-4-ビニルフェニルエーテル、(2-ヒドロキシプロピル)-4-ビニルフェニルエ-テル、(2,3-ジヒドロキシプロピル)-4-ビニルフェニルエ-テル、4-(2-ヒドロキシエチル)スチレンなどが挙げられる。
【0101】
また、エチレン性不飽和基含有基がプロペニルエ-テル基である場合、ヒドロキシ基含有不飽和化合物としては、例えば、プロペニルアルコ-ル、2-ヒドロキシエチルプロペニルエ-テル、2,3-ジヒドロキシプロピルプロネニルエ-テルなどが挙げられる。
【0102】
また、エチレン性不飽和基含有基がアリルエ-テル基である場合、ヒドロキシ基含有不飽和化合物としては、例えば、アリルアルコ-ル、2-ヒドロキシエチルアリルエ-テル、2-ヒドロキシプロピルアリルアルコ-ルなどが挙げられる。
【0103】
また、エチレン性不飽和基含有基がビニルエ-テル基である場合、ヒドロキシ基含有不飽和化合物としては、例えば、2-ヒドロキシエチルビニルエ-テル、2-ヒドロキシプロピルビニルエ-テルなどが挙げられる。
【0104】
これらヒドロキシ基含有不飽和化合物は、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0105】
ヒドロキシ基含有不飽和化合物として、好ましくは、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレ-ト、より好ましくは、モノヒドロキシルモノ(メタ)アクリレ-ト、モノヒドロキシルポリ(メタ)アクリレート、さらに好ましくは、モノヒドロキシルモノ(メタ)アクリレート、さらに好ましくは、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、とりわけ好ましくは、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0106】
そして、イソシアネート基末端プレポリマー(好ましくは、精製されたイソシアネート基末端プレポリマー)と、ヒドロキシ基含有不飽和化合物との反応では、例えば、不活性ガス雰囲気下、上記のイソシアネート基末端プレポリマーと、ヒドロキシ基含有不飽和化合物とを、所定の当量比となるように配合し、ウレタン化反応させる。
【0107】
ヒドロキシ基含有不飽和化合物中のヒドロキシ基に対する、イソシアネート基末端プレポリマー中のイソシアネート基の当量比(イソシアネート基/ヒドロキシ基)は、例えば、0.7以上、好ましくは、0.9以上であり、例えば、1.5以下、好ましくは、1.2以下である。
【0108】
また、反応条件は、特に制限されないが、反応温度が、例えば、40℃以上、好ましくは、50℃以上、より好ましくは、60℃以上であり、例えば、120℃以下、好ましくは、100℃以下、より好ましくは、80℃以下である。また、反応時間は、例えば、0.5時間以上、好ましくは、1.0時間以上であり、例えば、24時間以下、好ましくは、10時間以下である。
【0109】
また、上記反応では、必要に応じて、公知のウレタン化触媒を添加してもよい。ウレタン化触媒の添加割合は、目的および用途に応じて、適宜設定される。
【0110】
これにより、イソシアネート基末端プレポリマーおよびヒドロキシ基含有不飽和化合物の反応生成物を含む、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂が得られる。
【0111】
より具体的には、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂は、イソシアネート基末端プレポリマーのイソシアネート基と、ヒドロキシ基含有不飽和化合物のヒドロキシ基とがウレタン化反応して得られ、ヒドロキシ基含有不飽和化合物に由来する不飽和結合を有するポリウレタン樹脂である。
【0112】
なお、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂は、必要に応じて、さらに、可塑剤、ブロッキング防止剤、耐熱安定剤、耐活性エネルギー線安定剤(耐光安定剤など)、酸化防止剤、離型剤、触媒、顔料、染料、滑剤、フィラ-、加水分解防止剤などの公知の添加剤を、適宜の割合で含有することができる。これら添加剤の添加量および添加のタイミングは、目的および用途に応じて、適宜設定される。
【0113】
そして、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂の数平均分子量(GPC測定による標準ポリスチレン換算分子量)は、例えば、5000以上、好ましくは、7000以上であり、例えば、12000以下、好ましくは、11000以下である。
【0114】
また、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂の25℃における粘度は、得られる硬化物の引張強度の観点から、2万mPa・s以上、好ましくは、2.2万mPa・s以上、より好ましくは、2.4万mPa・s以上、さらに好ましくは、2.6万mPa・s以上であり、ハンドリング性の観点から、4万mPa・s以下、好ましくは、3.8万mPa・s以下、より好ましくは、3.6万mPa・s以下、さらに好ましくは、3.4万mPa・s以下、とりわけ好ましくは、3.2万mPa・s以下である。
【0115】
粘度が上記範囲であれば、成形時のハンドリング性の向上を図ることができる。
【0116】
なお、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂の粘度は、イソシアネート基末端プレポリマーの精製などによって、調整される。
【0117】
また、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂の25℃における粘度は、E型粘度計により、後述する実施例に準拠して測定される。
【0118】
そして、上記の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂の製造方法によれば、硬化前の粘度が比較的低く、また、硬化後の機械強度、耐候性およびヒステリシス特性に優れる活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂を、効率よく製造できる。
【0119】
すなわち、上記の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂は、イソシアネート基末端プレポリマーと、ヒドロキシ基含有不飽和化合物との反応生成物を含み、イソシアネート基末端プレポリマーが、キシリレンジイソシアネートおよび/または水添キシリレンジイソシアネートを含むポリイソシアネート成分と、数平均分子量が所定範囲のポリオキシアルキレンポリオールを含むポリオール成分との反応生成物を含み、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂の25℃における粘度が、2万mPa・s以上4万mPa・s以下である。
【0120】
そのため、上記の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂は、硬化前の粘度が比較的低く、また、硬化後の機械強度、耐候性およびヒステリシス特性に優れる。
【0121】
このような活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂は、各種産業分野において、用いることができる。より具体的には、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂は、例えば、接着剤、コーティング剤、エラストマー、成形材料などとして用いることができる。活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂は、好ましくは、成形材料として用いられる。
【0122】
また、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂は、成形材料として用いられる場合、好ましくは、ラジカル反応性希釈剤との混合物(硬化性樹脂組成物)として、使用される。このような場合、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂は、単独で流通し、その後、ラジカル反応性希釈剤と混合されてもよく、また、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂とラジカル反応性希釈剤との混合物として、流通してもよい。
【0123】
本発明において、硬化性樹脂組成物は、上記の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂と、ラジカル反応性希釈剤とを含有する。
【0124】
ラジカル反応性希釈剤は、活性エネルギー線(後述)の照射によりラジカル重合する化合物であり、かつ、上記の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂を希釈するための希釈剤である。
【0125】
ラジカル反応性希釈剤としては、例えば、芳香族炭化水素骨格を有する反応性化合物、脂環式炭化水素骨格を有する反応性化合物、鎖状エーテル骨格を有する反応性化合物、脂環式エーテル骨格を有する反応性化合物、アミド骨格を有する反応性化合物、オキシアルキレン骨格を有する反応性化合物、(メタ)アクリロイル基およびビニル基併有化合物、ポリ(メタ)アクリレート、不飽和カルボン酸アリルエステル、上記のヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0126】
芳香族炭化水素骨格を有する反応性化合物としては、例えば、3-フェノキシベンジル(メタ)アクリレートなどの芳香族炭化水素骨格を有する(メタ)アクリレート、例えば、スチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、α-メチルスチレンなどが挙げられる。
【0127】
脂環式炭化水素骨格を有する反応性化合物としては、例えば、イソボルニル(メタ)アクリレート、3,3,5-トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、4-tert-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレートなどの脂環式炭化水素骨格を有する(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0128】
鎖状エーテル骨格を有する反応性化合物としては、例えば、2-エチルヘキシル-ジグルコール(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0129】
脂環式エーテル骨格を有する反応性化合物としては、例えば、環状トリメチロールプロパンホルマール(メタ)アクリレート、(2ーメチル-2-エチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メチル(メタ)アクリレートなどの脂環式エーテル骨格を有する(メタ)アクリレート、例えば、4-(メタ)アクリロイルモルフォリンなどが挙げられる。
【0130】
アミド骨格を有する反応性化合物としては、例えば、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。
【0131】
オキシアルキレン骨格を有する反応性化合物としては、例えば、2-エチルヘキシル-ジグリコール(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0132】
(メタ)アクリロイル基およびビニル基併有化合物としては、例えば、2-(アリルオキシメチル)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸2-ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸3-ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1-メチル-2-ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4-ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸4-ビニロキシシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸5-ビニロキシペンチル、(メタ)アクリル酸6-ビニロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸4-ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸p-ビニロキシメチルフェニルメチル、(メタ)アクリル酸2-(ビニロキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2-(ビニロキシエトキシエトキシエトキシ)エチルなどが挙げられる。
【0133】
ポリオールポリ(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、オリゴエチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどのポリオールジ(メタ)アクリレート、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレートなどのポリオールトリ(メタ)アクリレート、例えば、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0134】
不飽和カルボン酸アリルエステルとしては、例えば、アリル(メタ)アクリレート、ジアリルマレエート、ジアリルフマレート、ジアリルイタコネートなどが挙げられる。
【0135】
これらラジカル反応性希釈剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0136】
ラジカル反応性希釈剤として、機械強度、耐候性およびヒステリシス特性の向上を図る観点から、好ましくは、脂環式エーテル骨格を有する反応性化合物が挙げられ、より好ましくは、脂環式エーテル骨格を有する(メタ)アクリレートが挙げられ、さらに好ましくは、環状トリメチロールプロパンホルマール(メタ)アクリレートおよび(2ーメチル-2-エチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メチル(メタ)アクリレートが挙げられ、とりわけ好ましくは、(2ーメチル-2-エチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0137】
硬化性樹脂組成物において、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂とラジカル反応性希釈剤との配合割合は、特に制限されず、本発明の優れた効果を阻害しない範囲において、目的および用途に応じて、適宜設定される。
【0138】
より具体的には、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂と、ラジカル反応性希釈剤との総量100質量部に対して、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂が、例えば、40質量部以上、好ましくは、45質量部以上であり、例えば、70質量部以下、好ましくは、65質量部以下である。また、ラジカル反応性希釈剤が、例えば、30質量部以上、好ましくは、35質量部以上であり、例えば、60質量部以下、好ましくは、55質量部以下である。
【0139】
また、ラジカル反応性希釈剤として、好ましくは、脂環式エーテル骨格を有する反応性化合物と、(メタ)アクリロイル基およびビニル基併有化合物との併用が挙げられる。これらが併用される場合、脂環式エーテル骨格を有する反応性化合物と、(メタ)アクリロイル基およびビニル基併有化合物との総量100質量部に対して、脂環式エーテル骨格を有する反応性化合物が、例えば、40質量部以上、好ましくは、45質量部以上であり、例えば、99質量部以下、好ましくは、95質量部以下である。また、(メタ)アクリロイル基およびビニル基併有化合物が、例えば、1質量部以上、好ましくは、5質量部以上であり、例えば、60質量部以下、好ましくは、55質量部以下である。
【0140】
なお、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂とラジカル反応性希釈剤との配合方法は、特に制限されず、公知の方法が採用される。これにより、硬化性樹脂組成物が得られる。
【0141】
また、硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、光重合開始剤を含有できる。
【0142】
光重合開始剤としては、公知の光重合開始剤が挙げられ、例えば、ジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、2-ベンジル-2-(ジメチルアミノ)-4’-モルフォリノブチロフェノン、1,2-オクタンジオン1-[4-(フェニルチオ)フェニル]-2-(o-ベンゾイルオキシム)、エタノン-1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-1-(O-アセチルオキシム)、1-ヒドロキシチクロヘキシル-フェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパノンなどが挙げられる。
【0143】
また、光重合開始剤は、市販品として入手可能である。そのような市販品としては、例えば、TPO(商品名、東京化成工業製)、Irgacure819(BAPO、商品名、BASF製)、Irgacure369(Omnirad369、商品名、BASF製)、IrgacureOXE01(商品名、BASF製)、IrgacureOXE02(商品名、BASF製)、IrgacureOXE03(商品名、BASF製)、IrgacureOXE04(商品名、BASF製)、Irgacure184(Omnirad184、商品名、BASF製)、Omnirad1173(Darocur1173、商品名、BASF製)、NCI-831(商品名、ADEKA製)、NCI-930(商品名、ADEKA製)などが挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0144】
なお、光重合開始剤の添加量は、特に制限されず、目的および用途に応じて、適宜設定される。
【0145】
さらに、硬化性樹脂組成物は、光重合開始剤による光重合反応を促進するために、必要に応じて、公知の増感剤などを含有することもできる。
【0146】
増感剤としては、例えば、9,10-ビス(オクタノイルオキシ)アントラセン、9,10-ジブトキシアントラセン、1,4-ジエトキシナフタレンなどが挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0147】
また、増感剤は、市販品としても入手可能である。そのような市販品としては、例えば、アントラキュアーUVS-581(商品名、川崎化成工業製)、アントラキュアーUVS-1331(商品名、川崎化成工業製)、アントラキュアーUVS-2171(商品名、川崎化成工業製)などが挙げられる。
【0148】
加えて、硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、さらには、例えば、可塑剤、ブロッキング防止剤、耐熱安定剤、耐活性エネルギー線安定剤(耐光安定剤など)、離型剤、触媒、顔料、染料、滑剤、フィラ-、加水分解防止剤などの公知の添加剤を、適宜の割合で含有することができる。これら添加剤の添加量および添加のタイミングは、目的および用途に応じて、適宜設定される。
【0149】
酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール化合物(具体的には、イルガノックス1135、イルガノックス245、イルガノックス1076、イルガノックス1726、イルガノックス1520L、いずれもBASF社製、具体的には、ADEKA社製のアデカスタブAO-80)、有機リン化合物(具体的には、JP-302、JP-308、JP-308E、JP-310、JP-312L、JP-333E、JP-318O、JPS-312、JPP-13R、JP-318E、いずれも城北化学社製、具体的には、IRGAFOS38、IRGAFOS P-EPQ、いずれもBASF社製、具体的には、アデカスタブPEP-4C、アデカスタブPEP-8、アデカスタブ1500、アデカスタブ3010、いずれもADEKA社製)、チオエーテル系化合物(具体的には、IRGANOX PS800FL、IRGANOX PS802FL、いずれもBASF社製、具体的には、アデカスタブAO-412S、アデカスタブAO-503、いずれもADEKA社製、具体的には、ヨシトミDLTP、ヨシトミDSTP、ヨシトミDMTP、いずれもAPIコーポレーション社製)、ヒドロキシルアミン系化合物(具体的には、BASF社製のIRGASTAB FS042)などが挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用することができる。なお、酸化防止剤の添加量および添加のタイミングは、目的および用途に応じて、適宜設定される。
【0150】
紫外線吸収剤としては、例えば、2-(5-メチル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2-ヒドロキシ-3,5-ビス(α,α-ジメチルベンジル)フェニル、2-(2´-ヒドロキシ-5´-メチル-フェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2´-ヒドロキシ-3´,5´-ジ-t-ブチル-フェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2´-ヒドロキシ-3´-t-ブチル-5´-メチル-フェニル)-5-クロロ・ベンゾトリアゾール、2-(2´-ヒドロキシ-3´,5´-ジ-t-ブチル-フェニル)-5-クロロ・ベンゾトリアゾール、2-(2´-ヒドロキシ-4´-n-オクトキシ・フェニル)ベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、例えば、2,4-ジヒドロキシ・ベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ・ベンゾフェノン、2,2´-ジヒドロキシ-4-メトキシ・ベンゾフェノン、2,2´-ジヒドロキシ-4,4´-ジメトキシ・ベンゾフェノン、2,2´-ジヒドロキシ-4,4´-ジメトキシ-5-スルフォベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-2´-カルボキシ・ベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-5-スルフォベンゾフェノン・トリヒドレート、2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシ・ベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-オクタデシロキシ・ベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-n-ドデシロキシ・ベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-ベンジロキシベンゾフェノン、2,2´,4,4´-テトラヒドロキシ・ベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-ドデシロキシ-ベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-3-メタクリロキシ)プロポキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系紫外線吸収剤、例えば、2´-エチルヘキシル-2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリレート、エチル-2-シアノ-3-(3´,4´-メチレンジオキシフェニル)-アクリレートなどのシアノアクリレート系紫外線吸収剤などが挙げられる。また、市販品として、例えば、Tinuvin328、TinuvinPS(チバ・ガイギー社製)、SEESORB709(白石カルシウム社製)、Uvinul490(GAF社製)、Permyl B-100(Ferro社製)、Uvinul3035、Uvinul3039、Uvinul3030(BASF製)などが挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用することができる。なお、紫外線吸収剤の添加量および添加のタイミングは、目的および用途に応じて、適宜設定される。
【0151】
蛍光増白剤としては、例えば、7-(ジメチルアミノ)-4-メチルクマリン、2,5-ビス(5-tert-ブチル-2-ベンゾオキサゾリル)チオフェン、4,4´-ビス(2-ベンゾオキサゾリル)スチルベンなどが挙げられる。また、市販品として、例えば、TINOPAL OB」(BASF製)などが挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用することができる。なお、蛍光増白剤の添加量および添加のタイミングは、目的および用途に応じて、適宜設定される。
【0152】
そして、このような硬化性樹脂組成物は、上記の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂を含むため、硬化前の粘度が比較的低く、また、硬化後の機械強度、耐候性およびヒステリシス特性に優れる。
【0153】
そのため、上記の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂および硬化性樹脂組成物は、例えば、接着剤、コーティング剤、エラストマー、成形材料などとして、各種産業分野において、好適に用いられる。とりわけ、上記の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂および硬化性樹脂組成物は、成形材料、より具体的には、3Dプリンターにおける成形材料として、好適に用いられる。
【0154】
硬化性樹脂組成物の成形物(硬化物)を得るには、例えば、硬化性樹脂組成物を所望形状に成形した後、活性エネルギー線を照射し、硬化性樹脂組成物を硬化させる。
【0155】
活性エネルギー線としては、例えば、紫外線、電子線などが挙げられる。活性エネルギー線の照射量(積算光量)は、例えば、10×10-3J/cm以上、好ましくは、15×10-3J/cm以上であり、例えば、6J/cm以下、好ましくは、5J/cm以下である。
【0156】
なお、活性エネルギー線による硬化は、一括硬化であってもよく、分割硬化であってもよい。すなわち、1回の活性エネルギー線の照射により、硬化性樹脂組成物を硬化させてもよく、2回以上の活性エネルギー線の照射により、硬化性樹脂組成物を硬化させてもよい。
【0157】
これにより、硬化性樹脂組成物からなる成形物(硬化物)が得られる。
【0158】
また、活性エネルギー線の照射後、必要により、養生することができる。
【0159】
養生条件としては、特に制限されないが、温度条件が、例えば、10~150℃、好ましくは、10~100℃である。また、湿度条件が、例えば、20~80%、好ましくは、30~70%である。また、養生時間は、例えば、0.5~10日間、好ましくは、1~7日間である。
【0160】
これにより、硬化性樹脂組成物からなる成形物(硬化物)が得られる。
【0161】
得られる成形物(硬化物)は、硬化前の粘度が比較的低い上記の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂を用いて得られるため、生産性に優れており、また、機械強度、耐候性およびヒステリシス特性に優れる。
【実施例
【0162】
次に、本発明を、実施例および比較例に基づいて説明するが、本発明は、下記の実施例によって限定されるものではない。なお、「部」および「%」は、特に言及がない限り、質量基準である。また、以下の記載において用いられる配合割合(含有割合)、物性値、パラメ-タなどの具体的数値は、上記の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合割合(含有割合)、物性値、パラメ-タなど該当記載の上限値(「以下」、「未満」として定義されている数値)または下限値(「以上」、「超過」として定義されている数値)に代替することができる。
【0163】
実施例1~15および比較例1~11
【0164】
(1)イソシアネート基末端プレポリマーの合成
【0165】
表1~表5に記載の処方に従って、イソシアネート基末端プレポリマーを合成した。
【0166】
より具体的には、表1~表5に記載の処方に従って、窒素雰囲気下、ガラス製のセパラブルフラスコに、ポリオール成分を投入し、次いで、ポリイソシアネート成分を、表1~表5に記載の当量比(NCO/OH)となる割合で投入し、その後、80℃に昇温した。
【0167】
その後、ウレタン化触媒としてのスタノクト(エチルヘキサン酸スズ(II)を、混合物に対して10ppmとなる割合で投入し、4時間反応させた。これにより、イソシアネート基末端プレポリマーと、未反応のポリイソシアネート成分とを含む粗生成物を得た。
【0168】
(2)イソシアネート基末端プレポリマーの精製
【0169】
イソシアネート基末端プレポリマーを含む粗生成物をスミス式薄膜蒸留装置にセットし、以下の条件で、イソシアネート基末端プレポリマーと、未反応のポリイソシアネート成分とを分離し、イソシアネート基末端プレポリマーを精製した。
【0170】
温度条件:160~170℃
【0171】
圧力条件:70~100Pa
【0172】
供給流量:3.5-4g/min
【0173】
なお、比較例4では、薄膜蒸留しなかった。
【0174】
(3)活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂の合成
【0175】
表1~表5に記載の処方に従って、大気下(ドライエアー下)、セパラブルフラスコに、精製したイソシアネート基末端プレポリマー(プレポリマー精製物)を投入し、次いで、ヒドロキシ基含有不飽和化合物を、ヒドロキシ基含有不飽和化合物のヒドロキシ基に対するイソシアネート基末端プレポリマーのイソシアネート基の当量比(NCO/OH)が1.0となる割合で投入し、70℃に昇温した。
【0176】
その後、ウレタン化触媒としてのスタノクト(エチルヘキサン酸スズ(II)を、イソシアネート基末端プレポリマーに対して200ppmとなる割合で投入し、イソシアネート基濃度が0.01%以下になるまで、4時間反応させた。
【0177】
これにより、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂を得た。
【0178】
また、得られた活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂の25℃における粘度を、E型粘度計(東機産業社製、TV25形粘度計、ローター角度:1°34’、ローター半径2.4cm)にて測定した。
【0179】
(4)硬化性樹脂組成物の調製
【0180】
表1~表5に記載の処方に従って、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂と、ラジカル反応性希釈剤と、光重合開始剤と、添加剤とを、合計100gとなるように褐色瓶に投入し、60℃で撹拌した。
【0181】
これにより、硬化性樹脂組成物を得た。
【0182】
また、得られた硬化性樹脂組成物の25℃における粘度を、E型粘度計(東機産業社製、TV25形粘度計、ローター角度:1°34’、ローター半径2.4cm)にて測定した。
【0183】
なお、比較例3、比較例4および比較例6の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂は、高粘度であるため、ラジカル反応性希釈剤と混合できず、硬化性樹脂組成物を調製できなかった。
【0184】
(5)硬化性樹脂組成物の硬化
【0185】
表1~表5に記載の方法で、硬化性樹脂組成物を硬化させ、成形物(硬化物)を得た。
【0186】
なお、各方法における硬化条件を、以下に示す。
【0187】
(a)UV
【0188】
ポリプロピレン製の型(100×100×20mm)に硬化性樹脂組成物26gを流し込んだ。そして、窒素雰囲気下、UV照射機(アイテックシステム社製M UVBA-0.3×0.4×0.5UV405-J)にて、硬化性樹脂組成物の一方面にUVを3分照射した。その後、硬化性樹脂組成物の硬化物を型から取り出し、さらに、他方面にUVを3分照射した。
【0189】
(b)高圧水銀灯
【0190】
・ポリプロピレン製の型(100×100×20mm)に硬化性樹脂組成物26gを流し込んだ。そして、高圧水銀灯(へレウス社製高圧水銀灯(カスタム品))にて、硬化性樹脂組成物の一方面のみに、活性エネルギー線を照射した。
【0191】
なお、照度を630mW/cm(照度計(EIT社製UVICURE Plus II(UVA320~390nm)にて測定)とした。また、積算光量が4J/cmになるように照射時間を調整した。
【0192】
(c)3Dプリンター
【0193】
市販の3Dプリンター(Phrozen社製Phrozen shuffle4K)を用いて、硬化性樹脂組成物を活性エネルギー線の照射により硬化(1回目の硬化(プレキュア))させ、膜厚100μmの層を積層させて、100×50×20mmの板を得た。なお、活性エネルギー線の出力は、0.6mW/cm(照度計(日置電機社製3664光パワーメータ(測定波長405nm)にて測定)とし、照射時間は、最初の10層に対して90秒、その後の層に対して40秒とした。
【0194】
その後、得られた板を、さらに、硬化させた。
【0195】
2回目の硬化(ポストキュア)では、高圧水銀灯(へレウス社製高圧水銀灯(カスタム品))にて、上記の板の一方面のみに、活性エネルギー線を照射した。
【0196】
なお、照度を630mW/cm(照度計(EIT社製UVICURE Plus II(UVA320~390nm)にて測定)とした。また、積算光量が4J/cmになるように照射時間を調整した。
【0197】
<評価>
(1)機械物性
【0198】
成形物の引張強度(MPa)および破断伸び(%)を、JIS K-6251(2010)の記載に準拠して測定した。
【0199】
また、成形物の引裂き強度(N/mm)を、JIS K-6252(2007)の記載に準拠して測定した。
【0200】
(2)耐光性(耐候性)
【0201】
成形物を、以下の条件で耐光試験し、試験前後のb値差(Δb値)を色差計(東京電色社製、カラーエースMODEL TC-1)にて測定した。
【0202】
試験機:Atlas社Ci4000
【0203】
放射照度:44W/m
【0204】
波長範囲:300-400nm
【0205】
ブラックパネル温度:57℃
【0206】
降雨条件:なし
【0207】
試験湿度:制御なし
【0208】
フィルター(内/外):ディライトフィルター
【0209】
試験時間:40h
【0210】
(3)ヒステリシス損失
【0211】
成形物のヒステリシス(%)を、JIS K7312(1996)に準拠して測定した。なお、測定条件を以下に示す。
【0212】
温度:23℃
【0213】
速度:0.83mm/s
【0214】
試験片形状:JIS K73121(1996)の3号形
【0215】
つかみ具距離:55mm
【0216】
標線間距離:20mm
【0217】
伸び:100%
【0218】
【表1】
【0219】
【表2】
【0220】
【表3】
【0221】
【表4】
【0222】
【表5】
【0223】
なお、表中の略号の詳細を下記する。
【0224】
1,3-H6XDI:1,3-水添キシリレンジイソシアネート、三井化学製
【0225】
IPDI:イソホロンジイソシアネート、商品名VESTANAT IPDI、Evonik製
【0226】
H12MDI:4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、商品名VESTANAT H12MDI、Evonik製
【0227】
TDI:2,4-トリレンジイソシアネート(80%)および2,6-トリレンジイソシアネート(20%)の混合物、商品名TDI-80、三井化学製
【0228】
ED-37A:ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン共重合体、平均官能基数2、数平均分子量3000、不飽和度0.06meq./g、三井化学SKCポリウレタン製
【0229】
D2000:ポリオキシプロピレンポリオール、平均官能基数2、数平均分子量2000、不飽和度0.03meq./g、三井化学SKCポリウレタン製
【0230】
D3000:ポリオキシプロピレンポリオール、平均官能基数2、数平均分子量3000、不飽和度0.05meq./g、三井化学SKCポリウレタン製
【0231】
DL4000:ポリオキシプロピレンポリオール、平均官能基数2、数平均分子量4000、不飽和度0.01meq./g、三井化学SKCポリウレタン製
【0232】
DL6000:ポリオキシプロピレンポリオール、平均官能基数2、数平均分子量6000、不飽和度0.01meq./g、三井化学SKCポリウレタン製
【0233】
DL10000:ポリオキシプロピレンポリオール、平均官能基数2、数平均分子量10000、不飽和度0.01meq./g、三井化学SKCポリウレタン製
【0234】
DL12000:ポリオキシプロピレンポリオール、平均官能基数2、数平均分子量12000、不飽和度0.02meq./g、三井化学SKCポリウレタン製
【0235】
DL13000:ポリオキシプロピレンポリオール、平均官能基数2、数平均分子量13000、不飽和度0.02meq./g、三井化学SKCポリウレタン製
【0236】
HEA:ヒドロキシエチルアクリレート
【0237】
IBXA:ラジカル反応性希釈剤、イソボルニルアクリレート、脂環式炭化水素骨格を有する反応性化合物、大阪有機化学工業製
【0238】
ビスコート200:ラジカル反応性希釈剤、環状トリメチロールプロパンホルマールアクリレート(別名(5-エチル-1,3-ジオキサン-5-イル)メチルアクリラート)、脂環式エーテル骨格を有する反応性化合物、大阪有機化学工業製
【0239】
AOMA:ラジカル反応性希釈剤、2-(アリルオキシメチル)アクリル酸メチル、(メタ)アクリロイル基およびビニル基併有化合物、日本触媒製
【0240】
FA-513AS:ラジカル反応性希釈剤、ジシクロペンタニルアクリレート、脂環式炭化水素骨格を有する反応性化合物、日立化成製
【0241】
TBCHA:ラジカル反応性希釈剤、4-tert-ブチルシクロヘキシルアクリレート、脂環式炭化水素骨格を有する反応性化合物、KJケミカルズ製
【0242】
DEAA:ラジカル反応性希釈剤、N,N-ジエチルアクリルアミド、アミド骨格を有する反応性化合物、KJケミカルズ製
【0243】
TMPTA:ラジカル反応性希釈剤、トリメチロールプロパントリアクリレート、ポリ(メタ)アクリレート、大阪有機化学工業製
【0244】
TPO:光重合開始剤、ジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フォスフィンオキサイド、東京化成工業社製
【0245】
Irgacure819:光重合開始剤、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、BASF製
【0246】
Irganox245:ヒンダードフェノール系酸化防止剤:エチレンビス(オキシエティレン)ビス-(3-(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-m-トリル)プロピオネート、BASF製
【0247】
実施例17
実施例8において、上記表中のビスコート200に代えて、MEDOL-10(ラジカル反応性希釈剤、(2ーメチル-2-エチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メチルアクリレート、脂環式エーテル骨格を有する反応性化合物、大阪有機化学工業社製)を配合した。その結果、成形物のΔb値が、0.7に向上した。
【0248】
実施例18
実施例1において、上記表中のビスコート200に代えて、AOMAを配合した。また、上記表中のAOMAに代えて、MEDOL-10を配合した。その結果、成形物の破断強度が、9.6MPaに向上した。
【0249】
実施例19
実施例1において、上記表中のビスコート200に代えて、AOMAを配合した。また、上記表中のAOMAに代えて、4HBA(ラジカル反応性希釈剤、4-ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート、大阪有機化学工業社製)を配合した。その結果、成形物の引裂き強度が36N/mmに向上した。
【0250】
実施例20
実施例8において、上記表中のビスコート200に代えて、ACMO-LI(ラジカル反応性希釈剤、アクリロイルモルフォリン、脂環式エーテル骨格を有する反応性化合物、KJケミカルズ社製)
【0251】
なお、上記発明は、本発明の例示の実施形態として提供したが、これは単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。当該技術分野の当業者によって明らかな本発明の変形例は、後記特許請求の範囲に含まれるものである。
【産業上の利用可能性】
【0252】
本発明の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂、硬化性樹脂組成物、および、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂は、例えば、接着剤、コーティング剤、エラストマーおよび成形材料において、好適に用いられる。