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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-03
(45)【発行日】2023-08-14
(54)【発明の名称】蓄電モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/213 20210101AFI20230804BHJP
   H01M 50/291 20210101ALI20230804BHJP
   H01M 50/296 20210101ALI20230804BHJP
   H01G 11/82 20130101ALI20230804BHJP
【FI】
H01M50/213
H01M50/291
H01M50/296
H01G11/82
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020510976
(86)(22)【出願日】2019-03-26
(86)【国際出願番号】 JP2019013046
(87)【国際公開番号】W WO2019189280
(87)【国際公開日】2019-10-03
【審査請求日】2022-02-01
(31)【優先権主張番号】P 2018060040
(32)【優先日】2018-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2018069678
(32)【優先日】2018-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111383
【弁理士】
【氏名又は名称】芝野 正雅
(74)【代理人】
【識別番号】100170922
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 誠
(72)【発明者】
【氏名】田代 佑一
(72)【発明者】
【氏名】小林 利崇
(72)【発明者】
【氏名】其田 右司
(72)【発明者】
【氏名】清水 俊明
(72)【発明者】
【氏名】中路 正宏
【審査官】儀同 孝信
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-045691(JP,A)
【文献】国際公開第2017/130260(WO,A1)
【文献】特開2012-074535(JP,A)
【文献】特開2016-143466(JP,A)
【文献】特開平06-140023(JP,A)
【文献】特開2010-287568(JP,A)
【文献】特開2005-353547(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20
H01G 11/82
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状の蓄電デバイスと、
前記蓄電デバイスが保持されるホルダと、を備え、
前記ホルダは、前記蓄電デバイスが収納される収納部を含み、
前記収納部は、前記蓄電デバイスの周面が対向する円弧状の第1の壁面と、前記第1の壁面の両端に繋がり、前記収納部の開口端へと延びる直線状の第2の壁面と、を含み、
さらに、前記収納部において、前記蓄電デバイスの周面と前記第2の壁面との間に充填され、前記蓄電デバイスの周面および前記第2の壁面と接着した接着剤を備える、蓄電モジュールにおいて、
前記蓄電デバイスから取り出された電力を外部に出力するための外部出力端子と、
前記外部出力端子が装着される端子装着部と、
前記端子装着部における前記外部出力端子が装着される装着領域に設けられ、ナットが圧入される凹部と、をさらに備え、
前記凹部は、第1の内壁面と、当該第1の内壁面に対向する第2の内壁面と、前記第1の内壁面および前記第2の内壁面に交差する第3の内壁面と、当該第3の内壁面に対向する第4の内壁面と、前記第1の内壁面と前記第3の内壁面との間に形成される第1の角と、前記第2の内壁面と前記第4の内壁面との間に形成される第2の角と、前記第1の内壁面と前記第4の内壁面との間に形成される第3の角と、前記第2の内壁面と前記第3の内壁面との間に形成される第4の角と、を有し、
前記各内壁面には、前記凹部に圧入された前記ナットの周面に接触し、前記ナットを前記凹部内に保持する保持力を生じさせるリブが形成され、
前記第1の内壁面および前記第3の内壁面には、前記第3の角と前記第4の角とを結ぶ方向における前記保持力よりも前記第1の角と前記第2の角とを結ぶ方向における前記保持力が大きくなるように前記リブが形成される、
ことを特徴とする蓄電モジュール。
【請求項2】
請求項に記載の蓄電モジュールにおいて、
前記装着領域には、前記第3の角と前記第4の角とを結ぶ仮想直線に対して前記第1の角から遠くなる前記凹部の周囲領域に、前記外部出力端子を前記端子装着部に固定するための固定部が設けられている、
ことを特徴とする蓄電モジュール。
【請求項3】
請求項またはに記載の蓄電モジュールにおいて、
前記リブは、前記ナットの圧入方向に延びる、
ことを特徴とする蓄電モジュール。
【請求項4】
請求項ないしの何れか一項に記載の蓄電モジュールにおいて、
前記第1の内壁面、前記第2の内壁面、前記第3の内壁面および前記第4の内壁面は、前記ナットの圧入方向に平行である、
ことを特徴とする蓄電モジュール。
【請求項5】
請求項ないしの何れか一項に記載の蓄電モジュールにおいて、
前記端子装着部は、端部に角部を有し、
前記凹部は、前記第1の内壁面と前記第3の内壁面とが前記角部側に位置するように前記角部に寄せられる、
ことを特徴とする蓄電モジュール。
【請求項6】
請求項ないしの何れか一項に記載の蓄電モジュールにおいて、
前記凹部には、前記各内壁面に一つずつ、前記リブが形成され、
前記第1の内壁面には、前記第3の角よりも前記第1の角に近い位置に前記リブとして第1のリブが形成され、
前記第3の内壁面には、前記第4の角よりも前記第1の角に近い位置に前記リブとして第2のリブが形成される、
ことを特徴とする蓄電モジュール。
【請求項7】
請求項に記載の蓄電モジュールにおいて、
前記第2の内壁面には、前記第4の角よりも前記第2の角に近い位置に前記リブとして第3のリブが形成され、
前記第4の内壁面には、前記第3の角よりも前記第2の角に近い位置に前記リブとして第4のリブが形成される、
ことを特徴とする蓄電モジュール。
【請求項8】
請求項ないしの何れか一項に記載の蓄電モジュールにおいて、
前記リブは、前記各内壁面における前記凹部の開口側の端よりも下がった位置から形成される、
ことを特徴とする蓄電モジュール。
【請求項9】
請求項に記載の蓄電モジュールにおいて、
前記固定部は、前記第2の内壁面と直交する方向に設けられる第1の固定部と、前記第4の内壁面と直交する方向に設けられる第2の固定部とを含む、
ことを特徴とする蓄電モジュール。
【請求項10】
円筒状の蓄電デバイスと、
前記蓄電デバイスが保持されるホルダと、を備え、
前記ホルダは、前記蓄電デバイスが収納される収納部を含み、
前記収納部は、前記蓄電デバイスの周面が対向する円弧状の第1の壁面と、前記第1の壁面の両端に繋がり、前記収納部の開口端へと延びる直線状の第2の壁面と、を含み、
さらに、前記収納部において、前記蓄電デバイスの周面と前記第2の壁面との間に充填され、前記蓄電デバイスの周面および前記第2の壁面と接着した接着剤を備える、蓄電モジュールにおいて、
前記蓄電デバイスから取り出された電力を外部に出力するための外部出力端子と、
前記外部出力端子が装着される端子装着部と、
前記端子装着部における前記外部出力端子が装着される装着領域に設けられ、ナットが圧入される凹部と、をさらに備え、
前記凹部は、内周壁面を有し、
前記内周壁面には、前記凹部に圧入された前記ナットの周面に接触し、前記ナットを前記凹部内に保持する保持力を生じさせる複数のリブが形成され、
前記複数のリブは、前記ナットを前記凹部内に保持する保持力が前記ナットの部分によって異なるように配置されている、
ことを特徴とする蓄電モジュール。
【請求項11】
円筒状の蓄電デバイスと、
前記蓄電デバイスが保持されるホルダと、を備え、
前記ホルダは、前記蓄電デバイスが収納される収納部を含み、
前記収納部は、前記蓄電デバイスの周面が対向する円弧状の第1の壁面と、前記第1の壁面の両端に繋がり、前記収納部の開口端へと延びる直線状の第2の壁面と、を含み、
さらに、前記収納部において、前記蓄電デバイスの周面と前記第2の壁面との間に充填され、前記蓄電デバイスの周面および前記第2の壁面と接着した接着剤を備える、蓄電モジュールにおいて、
前記蓄電デバイスから取り出された電力を外部に出力するための外部出力端子と、
前記外部出力端子が装着される端子装着部と、
前記端子装着部における前記外部出力端子が装着される装着領域に設けられ、ナットが圧入される凹部と、をさらに備え、
前記凹部は、第1の内壁面と、当該第1の内壁面に対向する第2の内壁面と、前記第1の内壁面および前記第2の内壁面に交差する第3の内壁面と、当該第3の内壁面に対向する第4の内壁面と、前記第1の内壁面と前記第3の内壁面との間に形成される第1の角と、前記第2の内壁面と前記第4の内壁面との間に形成される第2の角と、前記第1の内壁面と前記第4の内壁面との間に形成される第3の角と、前記第2の内壁面と前記第3の内壁面との間に形成される第4の角と、を有し、
前記各内壁面には、前記凹部に圧入された前記ナットの周面に接触するリブが形成され、
前記第1の内壁面には、前記第3の角よりも前記第1の角に近い位置に、前記リブとして第1のリブが形成されており、
前記第3の内壁面には、前記第4の角よりも前記第1の角に近い位置に、前記リブとして第2のリブが形成されており、
前記第2の内壁面には、前記第4の角よりも前記第2の角に近い位置に、前記リブとして第3のリブが形成されており、
前記第4の内壁面には、前記第3の角よりも前記第2の角に近い位置に、前記リブとして第4のリブが形成されている、
ことを特徴とする蓄電モジュール。
【請求項12】
請求項11に記載の蓄電モジュールにおいて、
前記装着領域には、前記第3の角と前記第4の角とを結ぶ仮想直線に対して前記第1の角から遠くなる前記凹部の周囲領域に、前記外部出力端子を前記端子装着部に固定するための固定部が設けられている、
ことを特徴とする蓄電モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の蓄電装置により構成される蓄電ユニットであって、複数の蓄電装置を収容する収容室と、収容室の開口端から延出した固定爪と、収容室の底に形成された固定爪とを有するホルダを備え、開口端の固定爪と底の固定爪とで蓄電装置の周面を挟むようにすることで、複数の蓄電装置がホルダに保持されるようにした蓄電ユニットが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2016/110886号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記蓄電ユニットでは、ホルダは、収容室の開口端を有する面側の剛性が低くなりやすく、収容室が開口する方向と平行な方向に蓄電ユニットが振動、特に、共振したときに、この方向にホルダが変形しやすい。
【0005】
かかる課題に鑑み、本発明は、収納部が開口する側のホルダの剛性が高められることにより、収納部が開口する方向と平行な方向にホルダが変形しにくい蓄電モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1ないし第3の態様は、円筒状の蓄電デバイスと、前記蓄電デバイスが保持されるホルダと、を備え、前記ホルダは、前記蓄電デバイスが収納される収納部を含み、前記収納部は、前記蓄電デバイスの周面が対向する円弧状の第1の壁面と、前記第1の壁面の両端に繋がり、前記収納部の開口端へと延びる直線状の第2の壁面と、を含み、さらに、前記収納部において、前記蓄電デバイスの周面と前記第2の壁面との間に充填され、前記蓄電デバイスの周面および前記第2の壁面と接着した接着剤を備える蓄電モジュールに関する
第1の態様に係る蓄電モジュールは、前記蓄電デバイスから取り出された電力を外部に出力するための外部出力端子と、前記外部出力端子が装着される端子装着部と、前記端子装着部における前記外部出力端子が装着される装着領域に設けられ、ナットが圧入される凹部と、をさらに備える。前記凹部は、第1の内壁面と、当該第1の内壁面に対向する第2の内壁面と、前記第1の内壁面および前記第2の内壁面に交差する第3の内壁面と、当該第3の内壁面に対向する第4の内壁面と、前記第1の内壁面と前記第3の内壁面との間に形成される第1の角と、前記第2の内壁面と前記第4の内壁面との間に形成される第2の角と、前記第1の内壁面と前記第4の内壁面との間に形成される第3の角と、前記第2の内壁面と前記第3の内壁面との間に形成される第4の角と、を有する。前記各内壁面には、前記凹部に圧入された前記ナットの周面に接触し、前記ナットを前記凹部内に保持する保持力を生じさせるリブが形成される。前記第1の内壁面および前記第3の内壁面には、前記第3の角と前記第4の角とを結ぶ方向における前記保持力よりも前記第1の角と前記第2の角とを結ぶ方向における前記保持力が大きくなるように前記リブが形成される。
第2の態様に係る蓄電モジュールは、前記蓄電デバイスから取り出された電力を外部に出力するための外部出力端子と、前記外部出力端子が装着される端子装着部と、前記端子装着部における前記外部出力端子が装着される装着領域に設けられ、ナットが圧入される凹部と、をさらに備える。前記凹部は、内周壁面を有し、前記内周壁面には、前記凹部に圧入された前記ナットの周面に接触し、前記ナットを前記凹部内に保持する保持力を生じさせる複数のリブが形成される。前記複数のリブは、前記ナットを前記凹部内に保持する保持力が前記ナットの部分によって異なるように配置されている。
第3の態様に係る蓄電モジュールは、前記蓄電デバイスから取り出された電力を外部に出力するための外部出力端子と、前記外部出力端子が装着される端子装着部と、前記端子装着部における前記外部出力端子が装着される装着領域に設けられ、ナットが圧入される凹部と、をさらに備える。前記凹部は、第1の内壁面と、当該第1の内壁面に対向する第2の内壁面と、前記第1の内壁面および前記第2の内壁面に交差する第3の内壁面と、当該第3の内壁面に対向する第4の内壁面と、前記第1の内壁面と前記第3の内壁面との間に形成される第1の角と、前記第2の内壁面と前記第4の内壁面との間に形成される第2の角と、前記第1の内壁面と前記第4の内壁面との間に形成される第3の角と、前記第2の内壁面と前記第3の内壁面との間に形成される第4の角と、を有する。前記各内壁面には、前記凹部に圧入された前記ナットの周面に接触するリブが形成される。前記第1の内壁面には、前記第3の角よりも前記第1の角に近い位置に、前記リブとして第1のリブが形成されており、前記第3の内壁面には、前記第4の角よりも前記第1の角に近い位置に、前記リブとして第2のリブが形成されており、前記第2の内壁面には、前記第4の角よりも前記第2の角に近い位置に、前記リブとして第3のリブが形成されており、前記第4の内壁面には、前記第3の角よりも前記第2の角に近い位置に、前記リブとして第4のリブが形成されている。
【0007】
なお、請求の範囲において、「充填」との用語は、接着剤が蓄電デバイスの周面と第2の壁面とに跨って存在するものを含む広い意味として解釈され得る。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、収納部が開口する側のホルダの剛性が高められることにより、収納部が開口する方向と平行な方向にホルダが変形しにくい蓄電モジュールを提供できる。
【0009】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下に示す実施の形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施の形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施の形態に係る、蓄電モジュールの斜視図である。
図2図2は、実施の形態に係る、端子カバーが外された状態の蓄電モジュールの斜視図である。
図3図3は、実施の形態に係る、端子カバーがない状態の蓄電モジュールの分解斜視図である。
図4図4は、実施の形態に係る、4つの蓄電デバイスを、図3におけるデバイスホルダ側から見た図である。
図5図5(a)は、実施の形態に係る、デバイスホルダの正面図であり、図5(b)は、図5(a)のA-A´断面図である。
図6図6は、実施の形態に係る、端子ホルダ、第1外部出力端子、第2外部出力端子および中継接続端子の分解斜視図である。
図7図7は、実施の形態に係る、裏返された状態の端子ホルダの斜視図である。
図8図8(a)は、実施の形態に係る、蓄電デバイスが装着され、弾性接着剤が充填されたデバイスホルダの正面図であり、図8(b)は、図8(a)のB-B´断面図である。
図9図9(a)および(b)は、弾性接着剤の充填によるデバイスホルダの補強が行われていない蓄電モジュールに振動が加えられたときの様子を示す図である。
図10図10(a)は、変更例1係る、蓄電デバイスが装着され、弾性接着剤が充填されたデバイスホルダの正面図であり、図10(b)は、変更例1係る、蓄電デバイスが装着され、弾性接着剤が充填されたデバイスホルダの断面図である。
図11図11は、変更例2に係る、端子ホルダ、第1外部出力端子、第2外部出力端子および中継接続端子の分解斜視図である。
図12図12は、変更例2に係る、中央部分が省略された端子ホルダの平面図である。
図13図13(a)は、変更例2に係る、図12のA-A´線で切断した端子ホルダの断面図であり、図13(b)は、変更例2に係る、図12のA-A´線で切断した、第1凹部内にナットの下部が挿入された状態の端子ホルダの断面図であり、図13(c)は、変更例2に係る、図12のA-A´線で切断した、第1凹部内にナットが埋め込まれた状態の端子ホルダの断面図である。
【0011】
ただし、図面はもっぱら説明のためのものであって、この発明の範囲を限定するものではない。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本実施の形態に係る蓄電モジュール1について図面を参照して説明する。便宜上、各図には、適宜、前後、左右および上下の方向が付記されている。なお、図示の方向は、あくまで蓄電モジュール1の相対的な方向を示すものであり、絶対的な方向を示すものではない。
【0013】
本実施の形態において、正極リード端子140および負極リード端子150が、請求の範囲に記載の「リード端子」に対応する。また、デバイスホルダ200が、請求の範囲に記載の「ホルダ」に対応する。さらに、半円弧面212が、請求の範囲に記載の「第1の壁面」に対応する。さらに、直線面213が、請求の範囲に記載の「第2の壁面」に対応する。さらに、弾性接着剤250が、請求の範囲に記載の「接着剤」に対応する。さらに、回路基板300が、請求の範囲に記載の「接続部材」に対応する。
【0014】
ただし、上記記載は、あくまで、請求の範囲の構成と実施形態の構成とを対応付けることを目的とするものであって、上記対応付けによって請求の範囲に記載の発明が実施形態の構成に何ら限定されるものではない。
【0015】
図1は、本実施の形態に係る、蓄電モジュール1の斜視図である。図2は、本実施の形態に係る、端子カバー800が外された状態の蓄電モジュール1の斜視図である。図3は、本実施の形態に係る、端子カバー800がない状態の蓄電モジュール1の分解斜視図である。図4は、本実施の形態に係る、4つの蓄電デバイス100を、図3におけるデバイスホルダ200側から見た図である。図5(a)は、本実施の形態に係る、デバイスホルダ200の正面図であり、図5(b)は、図5(a)のA-A´断面図である。図6は、本実施の形態に係る、端子ホルダ400、第1外部出力端子500、第2外部出力端子600および中継接続端子700の分解斜視図である。図7は、本実施の形態に係る、裏返された状態の端子ホルダ400の斜視図である。
【0016】
蓄電モジュール1は、4つの円筒型の蓄電デバイス100と、デバイスホルダ200と、回路基板300と、端子ホルダ400と、第1外部出力端子500と、第2外部出力端子600と、3つの中継接続端子700と、端子カバー800と、を備える。また、蓄電モジュール1は、回路基板300の固定に用いられるネジ910と、端子ホルダ400の固定に用いられるネジ920と、第1外部出力端子500、第2外部出力端子600および3つの中継接続端子700の固定に用いられる5つのネジ930と、端子カバー800の固定に用いられる3つのネジ940と、第1外部出力端子500および第2外部出力端子600に外部端子(図示せず)を接続する際に用いられるボルト950と、を備える。ネジ940は、3つのうち2つが、端子ホルダ400、第1外部出力端子500および第2外部出力端子600を固定するためのネジでもある。
【0017】
蓄電デバイス100としては、例えば、正極の活物質がコバルト酸リチウムなどのリチウム遷移金属酸化物であり、負極の活物質が炭素材料であるリチウムイオン二次電池を挙げることができる。なお、蓄電デバイス100は、非水電解質二次電池には限定されず、非水電解質二次電池以外の二次電池であってもよく、また、一次電池であってもよい。
【0018】
蓄電デバイス100は、リチウムイオンキャパシタ等のキャパシタであってもよい。また、蓄電デバイス100の正極の活物質として導電性高分子を用いたのもであってもよい。導電性高分子としては、ポリアニリン、ポリピロールまたはポリチオフェンおよびこれらの誘導体等が挙げられ、複数種の導電性高分子を用いてもよい。
【0019】
各蓄電デバイス100は、細長い有底円筒状の金属製、たとえば、アルミニウム製の容器110と、容器110内に収納されたデバイス素子120と、容器110の開口を封止する封口体130と、封口体130から外部に引き出される正極リード端子140および負極リード端子150と、を含む。また、各蓄電デバイス100は、図示しない非水系電解液を含む。
【0020】
デバイス素子120は、正極と負極とを、それらの間にセパレータを介在させて巻回することにより形成される。デバイス素子120は、上記のような巻回型でなく、積層型とすることもできる。
【0021】
封口体130は、たとえば、ゴム成分を含む弾性材料により形成され、容器110内に充填された非水電解液が漏れないように容器110の開口を塞ぐ。正極リード端子140はデバイス素子120の正極と電気的に接続され、負極リード端子150はデバイス素子120の負極と電気的に接続される。正極リード端子140および負極リード端子150を通じて、蓄電デバイス100から外部に電力が引き出される。
【0022】
容器110の開口端部には、封口体130を固定するために、絞り加工が施される。これにより、容器110の周面には、封口体130の外周の部分が内側に絞られた絞り部111が形成される。なお、容器110の周面は、蓄電デバイス100の周面ということになる。また、蓄電デバイス100が保護テープ170で覆われる場合は、保護テープ170も蓄電デバイス100の周面ということになる。
【0023】
各蓄電デバイス100には、デバイスホルダ200に装着される前に、両面粘着テープ160が貼り付けられる。両面粘着テープ160は、所定サイズの長方形状を有し、図4に示すように、蓄電デバイス100の周面において、デバイスホルダ200に対向する半面側であって絞り部111よりも下方の位置に貼り付けられる。両面粘着テープ160は、たとえば、アクリル系の粘着剤がシート状に形成された構成を有し、セロハン、ポリプロピレン、アクリル、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂フィルムや不織布などの基材を含まない。両面粘着テープ160の厚みは、たとえば、50μm~200μm程度が好ましい。
【0024】
各蓄電デバイス100の周面は、デバイスホルダ200に対向しない半面側が、上端から下端に亘って保護テープ170により覆われる。保護テープ170は、紙等、絶縁性を有する材料で形成される。保護テープ170は、容器100が電極を引き出すための機能を有する場合に有用である。すなわち、蓄電デバイス100の周面のデバイスホルダ200から露出する部分が、保護テープ170で覆われることにより、露出部分に直接、金属製の部材が触れるようなことが防止され、たとえば、異なる蓄電デバイス100同士の間でショート等が生じてしまうことが防止される。
【0025】
デバイスホルダ200は、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂などの樹脂材料により形成される。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などが挙げられる。熱硬化性樹脂としては、エポキシ化合物、フェノール樹脂、ユリア樹脂、ポリイミド、ポリウレタン、ジアリルフタレート、不飽和ポリエステルなどが挙げられる。また、樹脂材料に加えて、フィラー、軟化剤などを含んでいてもよい。フィラーとしては、例えば、絶縁性の粒子および/または繊維などが好ましい。フィラーを構成する絶縁性材料としては、たとえば、シリカ、アルミナなどの絶縁性の化合物(酸化物など)、ガラス、鉱物材料(タルク、マイカ、クレーなど)などの無機質材料が挙げられる。デバイスホルダ200は、これらのフィラーを一種含んでもよく、二種以上組み合わせて含んでもよい。デバイスホルダ200中のフィラーの含有量は、例えば、10~90質量%である。また、デバイスホルダ200に耐熱性を高めるために添加剤を加えてもよい。樹脂材料として硬化性樹脂を用いる場合は、硬化剤、重合開始剤、触媒などが、硬化性樹脂の種類に応じて適宜添加されてもよい。
【0026】
デバイスホルダ200は、4つの蓄電デバイス100を左右方向に並んだ状態で保持するため、左右方向に連続する4つの収納部210を備える。各収納部210は、正面側から蓄電デバイス100のほぼ全体が収納できるように、両端が開放した断面U字の細長い筒状に形成される。各収納部210の内面211は、半円弧状の面212(以下、「半円弧面212」と称する)と、半円弧面212の両端から開口端へと延びる直線状の面213(以下、「直線面213」と称する)とを含む。半円弧面212の径の設定には、蓄電デバイス100の外径と、両面粘着テープ160の厚みとが考慮される。たとえば、半円弧面212の径は、蓄電デバイス100の外径よりも両面粘着テープ160の厚みだけ大きくされる。
【0027】
各収納部210の内面211は、収納部210の上端部に存在する第1領域211aと、第1領域211a以外の領域である第2領域211bとを含む。第1領域211aと第2領域211bとの間には、第1領域211aでの収納部210の収納空間S1が第2領域211bでの収納部210の収納空間S2より広くなるように段差214が形成される。
【0028】
各収納部210には、その下部に一対の爪部215が設けられる。各爪部215は、左右両側の直線面213の部分にそれぞれ形成され、半円弧面212と同じ曲率を有するように湾曲し、収納部210の内側に張り出す。隣り合う2つの収納部210では、上部および下部の一対の爪部215の位置が、上下方向にずらされている。これにより、デバイスホルダ200は、隣り合う収納部210の側面部分を共有するような形状にできるので、デバイスホルダ200の左右方向のサイズを小さくできる。
【0029】
各収納部210には、その底面に、各収納部210を補強するためのU字状のリブ216が形成される。図5(a)の一点鎖線に示すように、収納部210に蓄電デバイス100が収納された状態において、蓄電デバイス100の底面とリブ216との間には隙間Cが設けられる。これにより、経年劣化により蓄電デバイス100の内部でガスが発生して内圧が高まり、蓄電デバイス100の底面が下方に膨らむようなことが生じても、膨らんだ蓄電デバイス100の底面とリブ216とが接触しにくく、リブ216に破損等が生じにくい。また、5つの収納部210の裏側、即ち、デバイスホルダ200の後面には、上下方向に延びる複数のリブ217aと左右方向に延びる複数のリブ217bとからなる格子状のリブ群217が形成される。リブ群217により、デバイスホルダ200の後面側が補強される。
【0030】
デバイスホルダ200には、4つの収納部210の上方に、回路基板300および端子ホルダ400が取り付けられるほぼ長方形状の取付板220が、4つの収納部210と一体に設けられる。取付板220には、左前側の角部、右前側の角部および中央の後部に、端子ホルダ400を取り付けるための取付ボス221が形成される。各取付ボス221は、周囲に突出する4つのリブを有する円筒の形状に形成される。また、取付板220には、左右の取付ボス221の後方に、端子ホルダ400の第1凹部440および第2凹部450の裏側部分440a、450aが載置される載置部222が設けられる。載置部222には、中央部に円形の凹部222aが形成され、左右両端部に前後方向に延びるリブ222bが形成される。さらに、取付板220には、各収納部210の上方位置にそれぞれ開口部223が形成される。開口部223は、前方から蓄電デバイス100の正極リード端子140および負極リード端子150が挿入できるように、その前側が開放されている。さらに、取付板220には、中央後部の取付ボス221の左方と右方とに、回路基板300を取り付けるための取付孔224が形成される。さらに、取付板220には、左側の載置部222の右隣に端子カバー800を取り付けるための取付ボス225が形成される。取付ボス225は、周囲に突出する2つのリブを有する円筒の形状に形成される。
【0031】
デバイスホルダ200の右側面および左側面には、それぞれ、2つの蓄電モジュール1を左右方向に連結する際に用いられる第1連結部230および第2連結部240が設けられる。第1連結部230および第2連結部240は、上側に位置する上爪部231、241と、下側に位置する下爪部232、242とを含む。上爪部231、241は、下方へと延び、その先端部に、デバイスホルダ200の側面側に突出する突条231a、241aを有する。下爪部232、242は、上方へと延び、その先端部に、デバイスホルダ200の側面側に突出する突条232a、242aを有する。第1連結部230と第2連結部240とが隣り合うように2つの蓄電モジュール1が並べられ、第1連結部230と第2連結部240とが図示しない連結板によって連結される。これにより、2つの蓄電モジュール1が連結される。2つ以上の蓄電モジュール1が連結されることにより、蓄電ユニットが構成される。
【0032】
回路基板300は、左右方向(蓄電デバイス100の配列方向)に長い形状を有する。回路基板300には、各蓄電デバイス100の正極リード端子140および負極リード端子150が通されるとともに電気的に接続される一対のスルーホール301が形成される。スルーホール301には、内側に金属のメッキがなされる。また、回路基板300には、コネクタ302の他、各蓄電デバイス100の電圧を検出する電圧検出回路および電圧検出回路が検出した電圧に応じて各蓄電デバイス100の電圧を揃えるバランス回路を含む電子回路部(図示せず)が配置される。一対のスルーホール301は、導電パターン(図示せず)により電子回路部に繋がる。さらに、回路基板300には、ネジ910が通される2つの挿通孔303が形成される。
【0033】
端子ホルダ400は、第1外部出力端子500、第2外部出力端子600および3つの中継接続端子700を保持する。端子ホルダ400は、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂などデバイスホルダ200と同様な樹脂材料により形成される。端子ホルダ400は、上下方向に薄く左右方向(蓄電デバイス100の配列方向)に長いほぼ直方体の形状に形成され、左端部および右端部に、それぞれ前後の角部を有する。
【0034】
端子ホルダ400には、第1外部出力端子500、第2外部出力端子600および中継接続端子700の装着面である表面(上面)に、第1端子取付部410と、第2端子取付部420と、3つの第3端子取付部430とが形成される。第1端子取付部410は、第1外部出力端子500の装着領域であり、端子ホルダ400の右端部に形成され、第1外部出力端子500の形状に対応する形状を有し、端子ホルダ400の表面よりも第1外部出力端子500の厚み分だけ凹む。第2端子取付部420は、第2外部出力端子600の装着領域であり、端子ホルダ400の左端部に形成され、第2外部出力端子600の形状に対応する形状を有し、端子ホルダ400の表面よりも第2外部出力端子600の厚み分だけ凹む。3つの第3端子取付部430は、第1端子取付部410と第2端子取付部420との間に、左右方向に並ぶように形成され、長方形状を有し、端子ホルダ400の表面よりも中継接続端子700の厚み分だけ凹む。
【0035】
第1端子取付部410には、端子ホルダ400の右端部の後側の角部に寄せられるようにして、四角形の第1凹部440が形成される。また、第2端子取付部420には、端子ホルダ400の左端部の後側の角部に寄せられるようにして、四角形の第2凹部450が形成される。第1凹部440および第2凹部450の底面には、円形の開口部449、459が設けられる。金属製の四角形のナット460が、これら第1凹部440および第2凹部450に埋め込まれる。ナット460には、その中央部にボルト孔461が形成される。
【0036】
第1端子取付部410には、第1外部出力端子500を端子ホルダ400に固定するための第1挿通孔411および第1取付孔412が形成される。第1挿通孔411には、右側の取付ボス221に止められるネジ940が通される。第1取付孔412には、ネジ930が止められる。同様に、第2端子取付部420には、第2外部出力端子600を端子ホルダ400に固定するための第2挿通孔421および第2取付孔422が形成される。第2挿通孔421には、左側の取付ボス221に止められるネジ940が通される。第2取付孔422には、ネジ930が止められる。
【0037】
3つの第3端子取付部430には、中継接続端子700を端子ホルダ400に固定するための第3取付孔431が形成される。第1端子取付部410の第1取付孔412は、右側の第3端子取付部430の第3取付孔431と、左右方向において同じ位置に形成され、第2端子取付部420の第2取付孔422は、左側の第3端子取付部430の第3取付孔431と、左右方向において同じ位置に形成される。また、3つの第3端子取付部430には、一対のリブ432が形成される。一対のリブ432は、右側と左側の第3端子取付部430においては後部に設けられ、中央の第3端子取付部430においては前部に設けられる。
【0038】
さらに、端子ホルダ400には、中央の第3端子取付部430の後方の位置に、端子ホルダ400をデバイスホルダ200に固定するための第3挿通孔470が形成される。第3挿通孔470には、中央の取付ボス221に止められるネジ920が通される。なお、第1端子取付部410の第1挿通孔411および第2端子取付部420の第2挿通孔421は、第3挿通孔470と同じく、端子ホルダ400をデバイスホルダ200に固定するためのものでもある。
【0039】
さらに、端子ホルダ400には、第1端子取付部410、第2端子取付部420および第3端子取付部430における2つの端子取付部間に、各蓄電デバイス100の正極リード端子140および負極リード端子150が通される一対の端子挿通孔480が形成される。
【0040】
端子ホルダ400の裏面には、第1挿通孔411、第2挿通孔421および第3挿通孔470の位置に、取付ボス221に対応する形状に凹むボス収容部490が形成される。また、第1凹部440の裏側部分440aおよび第2凹部450の裏側部分450aが他の部分よりも下方に突出する。
【0041】
第1外部出力端子500、第2外部出力端子600および3つの中継接続端子700は、導電性の金属板、たとえば、銅板を所定形状に切り抜き、折り曲げることにより形成される。第1外部出力端子500および第2外部出力端子600は、4つの蓄電デバイス100から取り出された電力を外部に出力するための端子である。第1外部出力端子500および第2外部出力端子600には、電力の供給対象となる外部機器に用意された外部端子(図示せず)が接続される。本実施の形態では、第1外部出力端子500が正極側の出力端子とされ、第2外部出力端子600が負極側の出力端子とされる。3つの中継接続端子700は、第1外部出力端子500と第2外部出力端子600の間で、4つの蓄電デバイス100を直列に接続する。
【0042】
第1外部出力端子500は、外部接続端子部510と、リード端子接続部520と、第1固定部530と、第2固定部540とを含む。外部接続端子部510は、ほぼ正方形状に形成され、ボルト950が通される挿通孔511を有する。リード端子接続部520は、外部接続端子部510の前側に設けられる。リード端子接続部520は、外部接続端子部510に対して略垂直に立ち上がるように形成され、蓄電デバイス100から正極リード端子140および負極リード端子150が延び出す延出方向に沿って延びる。リード端子接続部520の接続面521には、その中央部が外部接続端子部510側に膨らむことにより突起部522が形成される。第1固定部530は、外部接続端子部510におけるリード端子接続部520の右側部分から前方に延び、その先端部にネジ940が通される挿通孔531を有する。第2固定部540は、外部接続端子部510から左方に延び、その先端部にネジ930が通される挿通孔541を有する。
【0043】
第2外部出力端子600は、第1外部出力端子500を左右方向に反転させた形状を有し、外部接続端子部610と、リード端子接続部620と、第1固定部630と、第2固定部640とを含む。外部接続端子部610には、ボルト950が通される挿通孔611が形成される。リード端子接続部620には、接続面621に突起部622が形成される。第1固定部630は、その先端部にネジ940が通される挿通孔631を有し、第2固定部640は、その先端部にネジ930が通される挿通孔641を有する。
【0044】
各中継接続端子700は、端子本体部710と、2つのリード端子接続部720とを含む。端子本体部710の中央部には、その前後方向の幅を拡げることにより、挿通孔712を有する固定部711が形成される。リード端子接続部720は、端子本体部710の左右方向における両端部であって前後方向における一端縁に、端子本体部710に対して略垂直に立ち上がるように形成され、正極リード端子140および負極リード端子150の延出方向に沿って延びる。リード端子接続部720の接続面721には、その中央部が端子本体部710と反対側に膨らむことにより突起部722が形成される。
【0045】
端子ホルダ400において、第1外部出力端子500が、第1凹部440にナット460が埋め込まれた後の第1端子取付部410に、ネジ930によって固定される。この際、第1外部出力端子500は、凹んだ第1端子取付部410内に収容される。そして、ネジ930が、第2固定部540の挿通孔541に通されて第1取付孔412に止められる。第1端子取付部410は、第1外部出力端子500の形状に模られており、第1端子取付部410に嵌り込んだ第1外部出力端子500は、前後左右方向、即ち端子ホルダ400の表面に沿う方向への動きが規制され、ネジ930を締め付ける際やネジ930が緩んだ際に前後左右方向に動きにくい。第1外部出力端子500が第1端子取付部410に固定された状態において、第1外部出力端子500が上方からナット460を覆い、外部接続端子部510の挿通孔511がナット460のボルト孔461に整合する。
【0046】
同様に、第2外部出力端子600が、第2凹部450にナット460が埋め込まれた後の第2端子取付部420に、ネジ930によって固定される。この際、第2外部出力端子600は、凹んだ第2端子取付部420内に収容される。そして、ネジ930が、第2固定部640の挿通孔641に通されて第2取付孔422に止められる。第2端子取付部420は、第2外部出力端子600の形状に模られており、第2端子取付部420に嵌り込んだ第2外部出力端子600は、前後左右方向への動きが規制され、ネジ930を締め付ける際やネジ930が緩んだ際に前後左右方向に動きにくい。第2外部出力端子600が第2端子取付部420に固定された状態において、第2外部出力端子600が上方からナット460を覆い、外部接続端子部610の挿通孔611がナット460のボルト孔461に整合する。
【0047】
同様に、各中継接続端子700が、ネジ930によって各第3端子取付部430に固定される。この際、中継接続端子700は、凹んだ第3端子取付部430内に収容される。そして、ネジ930が、固定部711の挿通孔712に通されて第3取付孔431に止められる。第3端子取付部430はほぼ長方形状を有し、その前後および左右の寸法が、それぞれ、中継接続端子700の端子本体部710の前後および左右の最大寸法とほぼ等しくされている。よって、第3端子取付部430に嵌り込んだ中継接続端子700は、前後左右方向への動きが規制され、ネジ930を締め付ける際やネジ930が緩んだ際に前後左右方向に動きにくい。第2外部出力端子600が第2端子取付部420に固定された状態において、なお、中央の中継接続端子700は、左右の中継接続端子700とは前後方向に反対向きに固定される。中継接続端子700が第3端子取付部430に固定された状態において、中継接続端子700における端子本体部710の固定部711とリード端子接続部720との間に一対のリブ432が挟まる状態となる。これにより、中継接続端子700の前後左右の動きを一層規制することができ、製造の際に中継接続端子700が取り付けやすくなり、取付方向の間違いも無くなる。
【0048】
第1外部出力端子500、第2外部出力端子600および中継接続端子700が端子ホルダ400に取り付けられると、これら第1外部出力端子500、第2外部出力端子600および中継接続端子700の各リード端子接続部520、620、720が、一対の端子挿通孔480の近傍に位置する状態となる。
【0049】
なお、第1外部出力端子500および第2外部出力端子600は、それら厚みが、中継接続端子700の厚みよりも大きく、たとえば、約2倍の厚さとされる。これにより、第1外部出力端子500および第2外部出力端子600は、その強度が高くなるため、ボルト950を用いて、第1外部出力端子500および第2外部出力端子600に、それぞれに対応する外部端子を締め付け固定したとき、第1外部出力端子500および第2外部出力端子600に破損等が生じにくくなる。
【0050】
端子カバー800は、端子ホルダ400および回路基板300を上方から覆うカバー本体810と、カバー本体810の前縁から垂下し、端子ホルダ400および回路基板300を前方から覆う前面板820とを含む。カバー本体810は、右端部の後部が第1外部出力端子500の外部接続端子部510を覆わないように内側に凹み、左端部の後部が第2外部出力端子600の外部接続端子部610を覆わないように内側に凹み、前端部の中央部が回路基板300のコネクタ302を覆わないように内側に凹む。前面板820は、コネクタ302に対応する部分には形成されない。
【0051】
カバー本体810には、左右両端部の前部に、挿通孔831を有する取付タブ830が設けられ、後端部の左端に、挿通孔841を有する取付ボス840が設けられる。また、カバー本体810の上面には、右端の位置に第1外部出力端子500の極性を表すプラスマーク851が形成され、左端の位置に第2外部出力端子600の極性を表すマイナスマーク852が形成される。
【0052】
蓄電モジュール1を組み立てる際には、まず、4つの蓄電デバイス100が、デバイスホルダ200に装着される。この際、デバイスホルダ200に装着された蓄電デバイス100から引き出された正極リード端子140および負極リード端子150と、デバイスホルダ200に装着された回路基板300の一対のスルーホール301およびデバイスホルダ200に装着された端子ホルダ400の一対の端子挿通孔480との位置が合うように、各蓄電デバイス100の周方向の角度が調整される。
【0053】
各蓄電デバイス100の周面に貼り付けられた両面粘着テープ160は、各蓄電デバイス100の角度が調整された状態で、デバイスホルダ200の各収納部210の正面を向く。各蓄電デバイス100が、対応する収納部210に収納されると、蓄電デバイス100の周面が収納部210の半円弧面212に近接対向し、その周面に貼られた両面粘着テープ160が半円弧面212に密着する。これにより、収納部210の半円弧面212、即ち内面211と蓄電デバイス100の周面とが両面粘着テープ160によって接合(接着)される。
【0054】
ここで、蓄電デバイス100の周面、即ち、容器110の周面では、絞り加工によって絞り部111が形成されるときに、絞り部111の上下の周辺部分が歪み、当該周辺部分が容器110の周面の他の部分よりも僅かに膨らむ状態となる。蓄電デバイス100が収納部210に収納された状態では、絞り部111とその周辺部分に第1領域211aが対面するが、第1領域211aによる収納空間S1が、第2領域211bによる収納空間S2よりも広いため、絞り部111とその周辺部分が収納空間S1内に収まる。これにより、第2領域211bの内面211に対して蓄電デバイス100の周面が傾くことを抑制でき、蓄電デバイス100の周面と収納部210の内面211との間で両面粘着テープ160をしっかりと密着させることができる。
【0055】
さらに、蓄電デバイス100は、収納部210の内面211と接合された周面部分と反対側の周面部分が一対の爪部215によって支えられるので、収納部210から離脱する方向への蓄電デバイス100の動きが止められる。なお、蓄電デバイス100が収納部210に収納される際、一対の爪部215は、蓄電デバイス100の周面で前方から押さえ付けられると弾性変形し外側に拡がる。これにより、蓄電デバイス100を、一対の爪部215を通過させて収納部210に収納させることができる。
【0056】
蓄電デバイス100が装着されると、弾性接着剤250の充填によるデバイスホルダ200の補強が行われる。
【0057】
図8(a)は、本実施の形態に係る、蓄電デバイス100が装着され、弾性接着剤250が充填されたデバイスホルダ200の正面図であり、図8(b)は、図8(a)のB-B´断面図である。
【0058】
図8(a)および(b)に示すように、デバイスホルダ200の各収納部210では、蓄電デバイス100における軸方向の中央よりも上端部側の周面と各直線面213との間の隙間に弾性接着剤250が充填される。具体的には、弾性接着剤250は、蓄電デバイス100の上端部を含む所定の長さ範囲に充填される。蓄電デバイス100の上端部は、正極リード端子140および負極リード端子150が設けられた端部である。一方で、弾性接着剤250は、蓄電デバイス100における軸方向の中央よりも下端部側の周面と各直線面213との間の隙間には充填されない。蓄電デバイス100の下端部は、正極リード端子140および負極リード端子150が設けられていない端部である。また、弾性接着剤250は各収納部210の前端の位置まで充填され、蓄電デバイス100の両側の弾性接着剤250同士は繋がらずに、両側の弾性接着剤250の間から蓄電デバイス100の周面の一部が露出した状態となる。
【0059】
弾性接着剤250は、たとえば、エポキシ・変性シリコーン樹脂系弾性接着剤である。充填された弾性接着剤250は、常温において、蓄電デバイス100の周面および直線面213と接着した状態で硬化する。そして、硬化した弾性接着剤250は、弾性を有する。たとえば、硬化後の弾性接着剤250のヤング率は、0.02程度となる。
【0060】
このように、蓄電デバイス100の周面とその両側の直線面213とが弾性接着剤250で連結されることにより、正極リード端子140および負極リード端子150が設けられた蓄電デバイス100の上端部側において、剛性の高い蓄電デバイス100を利用した各収納部210の開口端側の補強が行われる。これにより、蓄電デバイス100の上端部側において、前後方向、即ち各収納部210が開口する方向のデバイスホルダ200の剛性が高められる。また、蓄電モジュール1、即ちデバイスホルダ200に何らかの衝撃が加わった場合、弾性接着剤250が有する弾性によって、その衝撃が吸収される。これにより、蓄電デバイス100の周面および収納部210の直線面213から弾性接着剤250が剥離しにくく、蓄電デバイス100の周面、直線面213および弾性接着剤250の三者の連結が壊れにくい。
【0061】
デバイスホルダ200の補強が完了すると、次に、デバイスホルダ200の取付板220に、ネジ910によって回路基板300が固定される。このとき、ネジ910は、回路基板300の挿通孔303に通されて取付孔224に止められる。各蓄電デバイス100の正極リード端子140および負極リード端子150は、対応する一対のスルーホール301に通され、半田付けによって一対のスルーホール301に電気的に接続される。これにより、正極リード端子140および負極リード端子150が回路基板300の電子回路部と電気的に接続される。なお、取付板220に載置された回路基板300は、その左右両端部の後部が載置部222の内側のリブ222bとほぼ接する状態となる。即ち、回路基板300は、左右方向においてリブ222bで挟まれた状態となる。これにより、ネジ910で回路基板300を取付板220へ締め付け固定した際に、その締付トルクで回路基板300が回転して取付板220上で傾いてしまう、というようなことが生じにくい。
【0062】
次に、第1外部出力端子500、第2外部出力端子600および3つの中継接続端子700が装着された端子ホルダ400が、デバイスホルダ200の取付板220に、ネジ920によって固定される。このとき、取付ボス221が端子ホルダ400の裏側のボス収容部490に収容され、第1凹部440の裏側部分440aおよび第2凹部450の裏側部分450aが載置部222に載置されてリブ222bに両側から挟まれる。これにより、端子ホルダ400が前後左右方向に位置決めされた状態となる。また、第1凹部440の開口部449および第2凹部450の開口部459が載置部222の凹部222aと整合する。ネジ920が、端子ホルダ400の第3挿通孔470に通されて取付ボス221に止められる。なお、右側と左側の取付ボス221には未だネジ940が止められない。
【0063】
各蓄電デバイス100の正極リード端子140および負極リード端子150は、対応する一対の端子挿通孔480に通され、それらの先端部が、端子ホルダ400の表面(上面)から上方に延び出す。第1外部出力端子500、第2外部出力端子600および中継接続端子700における各リード端子接続部520、620、720の接続面521、621、721は、対応する正極リード端子140および負極リード端子150の先端部の延出方向に沿っており、このため、それら接続面521、621、721の突起部522、622、722が、対応する正極リード端子140および負極リード端子150の先端部に近接する状態となる。
【0064】
このようにして、図2に示すように、蓄電モジュール1が、端子ホルダ400および回路基板300が端子カバー800で覆われる前の状態まで組み立てられる。その後、プロジェクション溶接により、正極リード端子140および負極リード端子150が、対応するリード端子接続部520、620、720に接続固定される。なお、正極リード端子140および負極リード端子150とリード端子接続部520、620、720とがプロジェクション溶接以外の溶接により接続固定されてもよく、溶接以外の接合方法により接続固定されてもよい。
【0065】
最後に、端子ホルダ400および回路基板300が端子カバー800で覆われる。ネジ940が、端子カバー800の右側の取付タブ830の挿通孔831と、第1外部出力端子500の第1固定部530の挿通孔531と、端子ホルダ400の第1挿通孔411との三者に通された後、取付板220の右端の取付ボス221に止められる。同様に、ネジ940が、端子カバー800の左側の取付タブ830の挿通孔831と、第2外部出力端子600の第1固定部630の挿通孔631と、端子ホルダ400の第2挿通孔421との三者に通された後、取付板220の左端の取付ボス221に止められる。これにより、端子カバー800が端子ホルダ400に固定される。また、端子ホルダ400の左右の両端部が取付板220に固定される。さらに、第1外部出力端子500および第2外部出力端子600が、ネジ930に加えて、ネジ920によっても端子ホルダ400に固定される。なお、端子カバー800は、ネジ940が取付ボス840の挿通孔841を通されて取付ボス225に止められることによって、取付板220にも固定される。
【0066】
このようにして、図1に示すように、蓄電モジュール1が完成する。第1外部出力端子500の外部接続端子部510、第2外部出力端子600の外部接続端子部610および回路基板300のコネクタ302は、端子カバー800によって覆われず、外部に露出する。外部機器からの正極側の外部端子が、外部接続端子部510にボルト950によって接続され、外部機器からの負極側の外部端子が外部接続端子部610にボルト950によって接続される。このとき、第1外部出力端子500側のボルト950は、外部端子の挿通孔と外部接続端子部510の挿通孔511を通されて右側のナット460に締結され、第2外部出力端子600側のボルト950は、外部端子の挿通孔と外部接続端子部610の挿通孔611を通されて左側のナット460に締結される。このように、ボルト950とナット460で共締めすることにより、外部出力端子500、600と外部端子とを強固に接続することができる。なお、ボルト950をナット460に締め付けたとき、ボルト950の先端がナット460から下方へ突き出し得る。この場合、ボルト950の先端は、第1凹部440の開口部449または第2凹部450の開口部459を通され、載置部222の凹部222aに収容される。これにより、ボルト950の先端が端子ホルダ400に接触して端子ホルダ400が破損することを防止できる。
【0067】
図9(a)および(b)は、弾性接着剤250の充填によるデバイスホルダ200の補強が行われていない蓄電モジュール1に振動が加えられたときの様子を示す図である。図9(a)は、蓄電モジュール1の底面図であり、図9(b)は、端子ホルダ400等、回路基板300よりも上部の構成部が省略された蓄電モジュール1の上部正面図である。
【0068】
蓄電モジュール1では、デバイスホルダ200は、収納部210の開口端を有する面側の剛性が低くなりやすい。このため、収納部210が開口する方向と平行な方向、即ち前後方向におけるデバイスホルダ200の剛性は、その他の方向(上下方向、左右方向)の剛性に比べて低くなりやすい。よって、前後方向の振動が蓄電モジュール1に加えられたとき、特に、この振動の周波数により蓄電モジュール1が共振したときに、図9(a)のように、前後方向にデバイスホルダ200が変形しやすくなる。
【0069】
蓄電モジュール1では、回路基板300は、その厚み方向が上下方向となるように、デバイスホルダ200に結合されている。よって、回路基板300は、ある程度の幅を有する前後方向に剛性が高く、その厚み方向である上下方向の剛性が低くなりやすい。このため、前後方向にデバイスホルダ200が変形したとき、図9(b)のように、回路基板300は上下方向に変形しやすくなる。蓄電デバイス100の正極リード端子140および負極リード端子150は、回路基板300に接続されているため、このようにデバイスホルダ200と回路基板300とが変形すると、正極リード端子140および負極リード端子150に応力が掛かりやすくなる。特に、デバイスホルダ200と回路基板300とが、異なる方向に変形するような場合は、正極リード端子140および負極リード端子150に大きな応力が掛かりやすくなる。応力は、正極リード端子140および負極リード端子150の根元に集中しやすく、これにより、正極リード端子140および負極リード端子150に亀裂、破断等が生じる虞がある。
【0070】
本実施の形態では、蓄電デバイス100の周面とその両側の直線面213とが弾性接着剤250で連結されることにより、正極リード端子140および負極リード端子150が設けられた蓄電デバイス100の上端部側において、前後方向、即ち各収納部210が開口する方向のデバイスホルダ200の剛性が高められている。このため、蓄電デバイス100の上端部側において、蓄電モジュール1が前後方向に振動したときのデバイスホルダ200の変形を抑制することができる。これにより、正極リード端子140および負極リード端子150に応力が掛かりにくくなるので、これらリード端子140、150に亀裂、破断等が生じにくくなる。
【0071】
<実施の形態の効果>
以上、本実施の形態によれば、以下の効果を奏することができる。
【0072】
デバイスホルダ200の各収納部210において、蓄電デバイス100の周面と収納部210の各直線面213との間の隙間に弾性接着剤250が充填され、蓄電デバイス100の周面と各直線面213とが硬化した弾性接着剤250により連結される構成とされているので、各収納部210が開口するために剛性が低くなりやすい前面側のデバイスホルダ200の剛性を高めることができ、蓄電モジュール1が前後方向に振動したときのデバイスホルダ200の変形を抑制することができる。
【0073】
また、蓄電モジュール1は、蓄電デバイス100の正極リード端子140および負極リード端子150がデバイスホルダ200に結合された回路基板300に接続される構成とされているのに対し、弾性接着剤250が、蓄電デバイス100における軸方向の中央よりも上端部側の周面と各直線面213との間の隙間に充填される構成とされている。これにより、蓄電デバイス100の上端部側において、デバイスホルダ200の剛性を高めることができ、蓄電モジュール1が前後方向に振動したときのデバイスホルダ200の変形を抑制することができるので、蓄電デバイス100の上端部に設けられた正極リード端子140および負極リード端子150に応力が掛かりにくくなり、これらリード端子140、150に亀裂、破断等が生じにくくなる。
【0074】
特に、回路基板300は、その厚み方向が上下方向となるようにデバイスホルダ200と結合されており、デバイスホルダ200とは異なる方向に変形しやすいため、正極リード端子140および負極リード端子150に大きな応力が掛かりやすく、これらリード端子140、150に亀裂、破断等がより生じやすい。本実施の形態では、このような構成において、デバイスホルダ200の変形を抑制でき、正極リード端子140および負極リード端子150の亀裂、破断等を生じにくくすることができる。
【0075】
さらに、蓄電デバイス100における軸方向の中央よりも下端部側の周面と各直線面213との間の隙間には弾性接着剤250が充填されない構成とされているので、弾性接着剤250の使用量を少なくすることができる。これにより、蓄電デバイス100が保持されたデバイスホルダ200全体の重量の増加、延いては蓄電モジュール1の重量の増加を抑制でき、蓄電モジュール1が振動した際に蓄電モジュール1が固定された外部装置に掛かる負荷の増加を抑制できる。また、材料コストの増加を抑制できる。
【0076】
さらに、弾性接着剤250が硬化した状態で弾性を有するため、蓄電モジュール1、即ちデバイスホルダ200に何らかの衝撃が加わった場合に、その衝撃を弾性接着剤250が吸収でき、蓄電デバイス100の周面および収納部210の直線面213から弾性接着剤250が剥離しにくくなる。これにより、蓄電デバイス100の周面、直線面213および弾性接着剤250の三者の連結が壊れにくくなり、デバイスホルダ200の剛性の維持が図れる。
【0077】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、また、本発明の適用例も、上記実施の形態の他に、種々の変更が可能である。
【0078】
<変更例1>
上記実施の形態では、蓄電デバイス100における軸方向の中央よりも上端部側の周面と各直線面213との間の隙間に弾性接着剤250が充填され、蓄電デバイス100における軸方向の中央よりも下端部側の周面と各直線面213との間の隙間には弾性接着剤250が充填されない構成が採られた。しかしながら、図10(a)に示すように、蓄電デバイス100における軸方向の中央よりも上端部側の周面と各直線面213との間の隙間に弾性接着剤250が充填されるとともに、蓄電デバイス100における軸方向の中央よりも下端部側の周面と各直線面213との間の隙間にも弾性接着剤250が充填される構成が採られてもよい。具体的には、弾性接着剤250は、蓄電デバイス100の下端部を含む所定の長さ範囲に充填される。
【0079】
このような構成とされた場合、蓄電デバイス100の下端部側においても、デバイスホルダ200の剛性を高めることができ、デバイスホルダ200の全体的な剛性が高まる。
【0080】
また、上記実施の形態では、蓄電デバイス100の両側の弾性接着剤250同士は繋がらずに、両側の弾性接着剤250の間から蓄電デバイス100の周面の一部が露出した状態となるように、デバイスホルダ200への弾性接着剤250の充填が行われた。しかしながら、図10(b)に示すように、両側の直線面213が蓄電デバイス100の周面よりも前方に延びるように各収納部210が構成されるとともに、蓄電デバイス100の両側の弾性接着剤250同士が繋がるように、即ち蓄電デバイス100の周面の半面全体が左右方向において弾性接着剤250に覆われるように、デバイスホルダ200への弾性接着剤250の充填が行われるような構成が採られてもよい。
【0081】
このような構成とされた場合、蓄電デバイス100の周面および収納部210の直線面213に対する弾性接着剤250の接着面積が増加して、蓄電デバイス100の周面および直線面213から弾性接着剤250が剥離しにくくなるとともに、蓄電デバイス100の周面、直線面213および弾性接着剤250の三者の連結力が強くなり、デバイスホルダ200の剛性がより高まる。
【0082】
しかしながら、図10(a)の構成および図10(b)の構成とされた場合、上記実施の形態に比べて弾性接着剤250の使用量が増加する。よって、これらの構成は、弾性接着剤250の使用量を増加させてでもデバイスホルダ200の剛性の一層の強化が必要であるような場合に採用されることが望ましい。
【0083】
なお、図10(a)のデバイスホルダ200の上側と下側の双方に弾性接着剤250が充填される構成において、図10(b)に示すような弾性接着剤250の充填が行われてもよい。
【0084】
<変更例2>
図11は、変更例2に係る、端子ホルダ400、第1外部出力端子500、第2外部出力端子600および中継接続端子700の分解斜視図である。図12は、変更例2に係る、中央部分が省略された端子ホルダ400の平面図である。図13(a)は、変更例2に係る、図12のA-A´線で切断した端子ホルダ400の断面図であり、図13(b)は、変更例2に係る、図12のA-A´線で切断した、第1凹部440内にナット460の下部が挿入された状態の端子ホルダ400の断面図であり、図13(c)は、変更例2に係る、図12のA-A´線で切断した、第1凹部440内にナット460が埋め込まれた状態の端子ホルダ400の断面図である。なお、図13(b)および(c)では、端子ホルダ400のみが断面で示されている。
【0085】
本変更例において、端子ホルダ400が、請求の範囲に記載の「端子装着部」に対応する。また、第1端子取付部410および第2端子取付部420が、請求の範囲に記載の「装着領域」に対応する。さらに、第1挿通孔411および第2挿通孔421が、請求の範囲に記載の「固定部」および「第1の固定部」に対応し、第1取付孔412および第2取付孔422が、請求の範囲に記載の「固定部」および「第2の固定部」に対応する。さらに、第1凹部440および第2凹部450が、請求の範囲に記載の「凹部」に対応する。さらに、第1内側壁面442a、452aが、請求の範囲に記載の「第1の内壁面」に対応し、第2内側壁面442b、452bが、請求の範囲に記載の「第2の内壁面」に対応し、第3内側壁面442c、452cが、請求の範囲に記載の「第3の内壁面」に対応し、第4内側壁面442d、452dが、請求の範囲に記載の「第4の内壁面」に対応する。さらに、第1角部443a、453aが、請求の範囲に記載の「第1の角」に対応し、第2角部443b、453bが、請求の範囲に記載の「第2の角」に対応し、第3角部443c、453cが、請求の範囲に記載の「第3の角」に対応し、第4角部443d、453dが、請求の範囲に記載の「第4の角」に対応する。さらに、第1圧入リブ444、454が、請求の範囲に記載の「リブ」および「第1のリブ」に対応し、第2圧入リブ445、455が、請求の範囲に記載の「リブ」および「第2のリブ」に対応し、第3圧入リブ446、456が、請求の範囲に記載の「リブ」および「第3のリブ」に対応し、第4圧入リブ447、457が、請求の範囲に記載の「リブ」および「第4のリブ」に対応する。さらに、第1外部出力端子500および第2外部出力端子600が、請求の範囲に記載の「外部出力端子」に対応する。
【0086】
端子ホルダ400において、第1端子取付部410には、端子ホルダ400の右端部の後側の角部400aに寄せられるようにして、第1凹部440が形成される。また、第2端子取付部420には、端子ホルダ400の左端部の後側の角部400bに寄せられるようにして、第2凹部450が形成される。ナット460が、これら第1凹部440および第2凹部450に埋め込まれる。
【0087】
第1凹部440および第2凹部450は、ほぼ正方形の内底壁面441、451と、内底壁面441、451の各辺から立ち上がる内周壁面442、452、とを含む。内周壁面442、452は、第1凹部440および第2凹部450へのナット460の圧入方向(上下方向)に平行な壁面であり、第1内側壁面442a、452aと、第2内側壁面442b、452bと、第3内側壁面442c、452cと、第4内側壁面442d、452dとにより構成される。第2内側壁面442b、452bは第1内側壁面442a、452aに対向する。第3内側壁面442c、452cは第1内側壁面442a、452aおよび第2内側壁面442b、452bに直交する。第4内側壁面442d、452dは第3内側壁面442c、452cに対向する。第1内側壁面442a、452aと第3内側壁面442c、452cとの間に第1角部443a、453aが形成され、第2内側壁面442b、452bと第4内側壁面442d、452dとの間に第2角部443b、453bが形成され、第1内側壁面442a、452aと第4内側壁面442d、452dとの間に第3角部443c、453cが形成され、第2内側壁面442b、452bと第3内側壁面442c、452cとの間に第4角部443d、453dが形成される。第1凹部440において、第1内側壁面442aと第3内側壁面442cとが端子ホルダ400の右端部の後方の角部400a側に位置し、第2凹部450において、第1内側壁面452aと第3内側壁面452cとが端子ホルダ400の左端部の後方の角部400b側に位置する。
【0088】
第1内側壁面442a、452aには、第3角部443c、453cよりも第1角部443a、453aに近い位置に、圧入方向(上下方向)に延びる第1圧入リブ444、454が形成される。また、第3内側壁面442c、452cには、第4角部443d、453dよりも第1角部443a、453aに近い位置に、圧入方向(上下方向)に延びる第2圧入リブ445、455が形成される。第1角部443a、453aから第1圧入リブ444、454までの距離と第1角部443a、453aから第2圧入リブ445、455までの距離はほぼ等しくされる。
【0089】
同様に、第2内側壁面442b、452bには、第4角部443d、453dよりも第2角部443b、453bに近い位置に、圧入方向(上下方向)に延びる第3圧入リブ446、456が形成される。また、第4内側壁面442d、452dには、第3角部443c、453cよりも第2角部443b、453bに近い位置に、圧入方向(上下方向)に延びる第4圧入リブ447、457が形成される。第2角部443b、453bから第3圧入リブ446、456までの距離と第2角部443b、453bから第4圧入リブ447、457までの距離はほぼ等しくされる。
【0090】
各圧入リブ444~447、454~457は、各内側壁面442a~442d、452a~452d(内周壁面442、452)における各凹部440、450の開口側の端、即ち上端よりも下がった位置から内底壁面441、451に向かって形成される(図13(a)参照)。各圧入リブ444~447、454~457の上端部には、各凹部440、450の内側に向かって下る傾斜面448、458が形成される。
【0091】
第1凹部440よび第2凹部450は、内周壁面442、452よりも上方の開口縁が外側に拡がるようにテーパ形状となっている。また、第1凹部440および第2凹部450には、内底壁面441、451の中央部に、円形の開口部449、459が形成される。開口部449、459の直径は、デバイスホルダ200の載置部222に形成された凹部222aの直径とほぼ等しくされる。
【0092】
第1凹部440内に、ナット460が上方から圧入される。このとき、図13(b)に示すように、まず、ナット460の下部が第1凹部440内に挿入される。ナット460の下面の縁部分が各圧入リブ444~447の傾斜面448に案内され、ナット460の中心と第1凹部440の中心とが合わされる。次に、ナット460が下方に押し込まれ、4つの圧入リブ444~447の内側の領域に圧入される。ナット460は、各圧入リブ444~447を外側に押しつぶしながら下方へ移動し、内底壁面441に到達する。こうして、図13(c)に示すように、ナット460が第1凹部440内に埋め込まれる。ナット460の周面が、第1角部443aに近い位置において第1圧入リブ444および第2圧入リブ445と接触し、第2角部443bに近い位置において第3圧入リブ446および第4圧入リブ447と接触する。ナット460の周面は、4つの圧入リブ444~447によって内側に押され、これにより、ナット460と第1凹部440との間において、ナット460の圧入方向と垂直な方向に、ナット460を第1凹部440内に保持する保持力が生じる。この保持力は、第3角部443c側および第4角部443d側よりも第1角部443a側および第2角部443b側に偏ったものとなる。即ち、第3角部443cと第4角部443dとを結ぶ方向の(仮想直線L1の方向)の保持力よりも、第1角部443aと第2角部443bとを結ぶ方向の保持力が大きくなる。
【0093】
同様にして、第2凹部450内に、ナット460が上方から圧入され、埋め込まれる。ナット460の周面が、第1角部453aに近い位置において第1圧入リブ454および第2圧入リブ455と接触し、第2角部453bに近い位置において第3圧入リブ456および第4圧入リブ457と接触する。ナット460の周面は、4つの圧入リブ454~457によって内側に押され、これにより、ナット460と第2凹部450との間において、ナット460の圧入方向と垂直な方向に、ナット460を第2凹部450内に保持する保持力が生じる。この保持力は、第3角部453c側および第4角部453d側よりも第1角部453a側および第2角部453b側に偏ったものとなる。即ち、第3角部453cと第4角部453dとを結ぶ方向の(仮想直線L2の方向)の保持力よりも、第1角部453aと第2角部453bとを結ぶ方向の保持力が大きくなる。
【0094】
第1端子取付部410には、第1凹部440の第3角部443cと第4角部443dとを結ぶ仮想直線L1に対して第1角部443aから遠くなる第1凹部440の周囲領域に、第1挿通孔411および第1取付孔412が形成される。第1挿通孔411は、第1凹部440の第2内側壁面442bと直交する方向(前方向)に設けられ、第1取付孔412は、第1凹部440の第4内側壁面442dと直交する方向(左方向)に設けられる。
【0095】
同様に、第2端子取付部420には、第2凹部450の第3角部453cと第4角部453dとを結ぶ仮想直線L2に対して第1角部453aから遠くなる第2凹部450の周囲領域に、第2挿通孔421および第2取付孔422が形成される。第2挿通孔421は、第2凹部450の第2内側壁面452bと直交する方向(前方向)に設けられ、第2取付孔422は、第2凹部450の第4内側壁面452dと直交する方向(右方向)に設けられる。
【0096】
端子ホルダ400において、第1凹部440に埋め込まれたナット460は、第1外部出力端子500に覆われ、第1外部出力端子500で上方から押さえられた状態となる。また、第2凹部450に埋め込まれたナット460は、第2外部出力端子600に覆われ、第2外部出力端子600で上方から押さえられた状態となる。
【0097】
第1外部出力端子500は、第3角部443cと第4角部443dとを結ぶ仮想直線L1に対して第1角部443aから遠くなる第1凹部440の周囲領域に形成された第1挿通孔411と第1取付孔412の位置においてネジ940、930で固定されている。このため、固定部分から遠い第1角部443a側では、第1外部出力端子500によりナット460が押さえられる力が、他の角部443b、443c、443d側に比べて弱くなる。しかしながら、本変更例では、ナット460を第1凹部440内に保持する保持力が、第3角部443c側および第4角部443d側に比べて第1角部443a側で強く生じている。このため、蓄電モジュール1に振動等が発生しても、第1外部出力端子500で押さえられにくい第1角部443a側において、ナット460が第1凹部440内から浮き上がりにくくなる。
【0098】
第2凹部450に埋め込まれたナット460においても同様であり、蓄電モジュール1に振動等が発生しても、第2外部出力端子600で押さえられにくい第1角部453a側において、ナット460が第2凹部450内から浮き上がりにくくなる。
【0099】
<変更例2の効果>
以上、本変更例によれば、第1凹部440(第2凹部450)の内周壁面442(452)に、ナット460の圧入方向に延び、第1凹部440(第2凹部450)に圧入されたナット460の周面に接触し、ナット460を第1凹部440(第2凹部450)内に保持する保持力を生じさせる第1圧入リブ444(454)、第2圧入リブ445(455)、第3圧入リブ446(456)および第4圧入リブ447(457)が形成され、これら圧入リブ444~447(454~457)が、ナット460への保持力がナット460の部分によって異なるように、具体的には、第1端子取付部410(第2端子取付部420)に装着された第1外部出力端子500(第2外部出力端子600)により押さえられる力が小さいナット460の部分に生じる保持力が大きくなるような位置関係に配置される。即ち、本変更例によれば、第1端子取付部410(第2端子取付部420)における、第3角部443c(453c)および第4角部443d(453d)を結ぶ仮想直線L1(L2)に対して第1角部443a(453a)から遠くなる第1凹部440(第2凹部450)の周囲領域に、第1外部出力端子500(第2外部出力端子600)を端子ホルダ400に固定するための第1挿通孔411(第2挿通孔421)および第1取付孔412(第2取付孔422)が設けられるのに対し、第1内側壁面442a(452a)および第3内側壁面442c(452c)に、第3角部443c(453c)と第4角部443d(453d)とを結ぶ方向における保持力よりも第1角部443a(453a)と第2角部443b(453b)とを結ぶ方向における保持力が大きくなるように第1圧入リブ444(454)および第2圧入リブ445(455)が形成される。より具体的には、第1内側壁面442a(452a)には、第3角部443c(453c)よりも第1角部443a(453a)に近い位置に第1圧入リブ444(454)のみが形成され、第3内側壁面442c(452c)には、第4角部443d(453d)よりも第1角部443a(453a)に近い位置に第2圧入リブ445(455)のみが形成される。
【0100】
これにより、蓄電モジュール1に振動等が発生しても、第1外部出力端子500(第2外部出力端子600)で押さえられにくいナット460の部分、即ち、第1角部443a(453a)側の部分において、ナット460が第1凹部440(第2凹部450)内から浮き上がりにくくなる。しかも、保持力が大きくなるほどナット460の圧入に大きな力が必要となるが、第1外部出力端子500(第2外部出力端子600)で押さえられやすいナット460の部分、即ち、第3角部443c(453c)側および第4角部443d(453d)側の部分では、必要以上に保持力が大きくならない。よって、全体として、ナット460を第1凹部440(第2凹部450)内に圧入しづらくなりにくい。
【0101】
また、本変更例によれば、第1凹部440(第2凹部450)は、第1内側壁面442a(452a)と第3内側壁面442c(452c)とが端子ホルダ400の角部400a(400b)側に位置するように角部400a(400b)に寄せられることで、端子ホルダ400に、他の部品、即ち、3つの中継接続端子700を配置しやすくなる。そして、本変更例によれば、第1凹部440(第2凹部450)をこのように配置することで、第1端子取付部410(第2端子取付部420)において、第3角部443c(453c)および第4角部443d(453d)を結ぶ仮想直線L1(L2)に対して第1角部443a(453a)から遠くなる第1凹部440(第2凹部450)の周囲領域に、第1挿通孔411および第1取付孔412が設けられる構成となっても、ナット460の第1凹部440(第2凹部450)内からの浮き上がりを懸念せずに済みやすい。
【0102】
さらに、本変更例によれば、第1内側壁面442a(452a)および第3内側壁面442c(452c)では、第1角部443a(453a)側に片寄るように、第1圧入リブ444(454)および第2圧入リブ445(455)が形成されているのに対し、第2内側壁面442b(452b)および第4内側壁面442d(452d)では、第2角部443b(453b)側に片寄るように、第3圧入リブ446(456)および第4圧入リブ447(457)が形成されている。これにより、第1凹部440(第2凹部450)へのナット460の圧入に必要な力のバランスが、第1角部443a(453a)側と第2角部443b(453b)側とで保たれるようになるので、ナット460が第1凹部440(第2凹部450)内に傾いて圧入されにくくなる。
【0103】
さらに、本変更例によれば、各圧入リブ444~447(454~457)が、各内側壁面442a~442d(452a~452d)における第1凹部440(第2凹部450)の開口側の端、即ち上端よりも下がった位置から形成されている。これにより、圧入が行われる前に、ナット460の下部を第1凹部440(第2凹部450)内に収容することで、ナット460の位置決めを行うことができるので、ナット460を第1凹部440(第2凹部450)内に圧入しやすくなる。
【0104】
さらに、本変更例によれば、第1端子取付部410(第2端子取付部420)には、第2内側壁面442b(452b)と直交する方向に第1挿通孔411(421)が設けられているとともに、第4内側壁面442d(452d)と直交する方向に第1取付孔412(422)が設けられており、これらの位置で第1外部出力端子500(第2外部出力端子600)が端子ホルダ400に固定されている。これにより、第1凹部440(第2凹部450)の第3角部443c(453c)側および第4角部443d(453d)側において、ナット460をしっかりと押さえることができる。
【0105】
<その他の変更例>
上記実施の形態では、デバイスホルダ200の各収納部210に充填される接着剤として、硬化した状態で弾性を有する弾性接着剤250が用いられた。しかしながら、これに限らず、硬化した状態で弾性を有しない接着剤が用いられてもよい。
【0106】
また、上記実施の形態では、回路基板300は、その厚み方向が、上下方向となるようにデバイスホルダ200と結合される。しかしながら、回路基板300は、その厚み方向が前後方向となるようにデバイスホルダ200と結合されてもよい。たとえば、回路基板300は、蓄電デバイス100の正極リード端子140および負極リード端子150が接続される領域がデバイスホルダ200の上方にはみ出すように、デバイスホルダ200の後面に取り付けられてもよい。
【0107】
さらに、上記実施の形態では、蓄電モジュール1に4つの蓄電デバイス100が用いられたが、これに限られることなく、その他の個数の蓄電デバイス100が蓄電モジュール1に用いられてもよい。また、蓄電モジュール1は、これら複数個の蓄電デバイス100が、直列接続されるのではなく、並列接続される構成であってもよい。
【0108】
さらに、上記実施の形態では、第1外部出力端子500が正極側の出力端子とされ、第2外部出力端子600が負極側の出力端子とされた。しかしながら、これとは反対に、第1外部出力端子500が負極側の出力端子とされ、第2外部出力端子600が正極側の出力端子とされてもよい。この場合、蓄電デバイス100は、正極リード端子140および負極リード端子150が上記実施の形態と反対となる向きで、デバイスホルダ200に保持される。
【0109】
さらに、上記実施の形態では、端子ホルダ400は、デバイスホルダ200と別体に設けられ、ネジ920、940によりデバイスホルダ200に固定され、デバイスホルダ200と一体化された。しかしながら、デバイスホルダ200と端子ホルダ400とは、一体形成により一体化されていてもよい。
【0110】
さらに、上記変更例2では、第1内側壁面442a(452a)には、第3角部443c(453c)よりも第1角部443a(453a)に近い位置に第1圧入リブ444(454)のみが形成されており、第3内側壁面442c(452c)には、第4角部443d(453d)よりも第1角部443a(453a)に近い位置に第2圧入リブ445(455)のみが形成されている。しかしながら、第1内側壁面442a(452a)および第3内側壁面442c(452c)に、第3角部443c(453c)と第4角部443d(453d)とを結ぶ方向における保持力よりも第1角部443a(453a)と第2角部443b(453b)とを結ぶ方向における保持力が大きくなるように第1圧入リブ444(454)および第2圧入リブ445(455)が形成される構成が採られるのであれば、たとえば、第1内側壁面442a(452a)において、第1角部443a(453a)に寄った位置に2本の第1圧入リブ444(454)形成され、第3角部443c(453c)に寄った位置に、1本の圧入リブが形成される構成が採られてもよく、第3内側壁面442c(452c)において、第1角部443a(453a)に寄った位置に2本の第2圧入リブ445(455)形成され、第4角部443d(453d)に寄った位置に、1本の圧入リブが形成される構成が採られてもよい。この場合、第2内側壁面442b(452b)において、第2角部443b(453b)に寄った位置に2本の第3圧入リブ446(456)形成され、第4角部443d(453d)に寄った位置に、1本の圧入リブが形成される構成が採られるとよく、第4内側壁面442d(452d)において、第2角部443b(453b)に寄った位置に2本の第4圧入リブ447(457)形成され、第3角部443c(453c)に寄った位置に、1本の圧入リブが形成される構成が採られるとよい。
【0111】
また、上記変更例2では、第1端子取付部410(第2端子取付部420)に第1挿通孔411(第2挿通孔421)と第1取付孔412(第2取付孔422)の2つの固定用の孔が設けられている。しかしながら、第1端子取付部410(第2端子取付部420)に、1つの固定用の孔が設けられる構成が採られてもよい。この場合、たとえば、第1角部443a(453a)と第2角部443b(453b)とを結ぶ線の近辺に1つの固定用の孔が設けられるとよい。
【0112】
さらに、上記変更例2では、第1挿通孔411(第2挿通孔421)とネジ940、第1取付孔412(第2取付孔422)とネジ930による固定方法により第1外部出力端子500(第2外部出力端子600)が端子ホルダ400に固定されている。しかしながら、第1外部出力端子500(第2外部出力端子600)を端子ホルダ400に固定する方法として他の固定方法が用いられてもよい。
【0113】
さらに、上記変更例2では、第1凹部440および第2凹部450が、それぞれ、端子ホルダ400の右端の角部400aおよび左端の角部400bに寄せられている。しかしながら、第1凹部440および第2凹部450が、端子ホルダ400の角部に寄せらない構成が採られてもよい。
【0114】
この他、本発明の実施の形態は、請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
【0115】
なお、上記実施の形態の説明において「上方」「下方」等の方向を示す用語は、構成部材の相対的な位置関係にのみ依存する相対的な方向を示すものであり、鉛直方向、水平方向等の絶対的な方向を示すものではない。
【産業上の利用可能性】
【0116】
本発明は、各種電子機器、電気機器、産業機器、車両の電装等に使用される蓄電モジュールに有用である。
【符号の説明】
【0117】
1 蓄電モジュール
100 蓄電デバイス
140 正極リード端子(リード端子)
150 負極リード端子(リード端子)
200 デバイスホルダ(ホルダ)
210 収納部
212 半円弧面(第1の壁面)
213 直線面(第2の壁面)
250 弾性接着剤(接着剤)
300 回路基板(接続部材)
400 端子ホルダ(端子装着部)
400a 角部
400b 角部
410 第1端子取付部(装着領域)
411 第1挿通孔(固定部、第1の固定部)
412 第1取付孔(固定部、第2の固定部)
420 第2端子取付部(装着領域)
421 第2挿通孔(固定部、第1の固定部)
422 第2取付孔(固定部、第2の固定部)
440 第1凹部(凹部)
442 内周壁面
442a 第1内側壁面(第1の内壁面)
442b 第2内側壁面(第2の内壁面)
442c 第3内側壁面(第3の内壁面)
442d 第4内側壁面(第4の内壁面)
443a 第1角部(第1の角)
443b 第2角部(第2の角)
443c 第3角部(第3の角)
443d 第4角部(第4の角)
444 第1圧入リブ(リブ、第1のリブ)
445 第2圧入リブ(リブ、第2のリブ)
446 第3圧入リブ(リブ、第3のリブ)
447 第4圧入リブ(リブ、第4のリブ)
450 第2凹部(凹部)
452 内周壁面
452a 第1内側壁面(第1の内壁面)
452b 第2内側壁面(第2の内壁面)
452c 第3内側壁面(第3の内壁面)
452d 第4内側壁面(第4の内壁面)
453a 第1角部(第1の角)
453b 第2角部(第2の角)
453c 第3角部(第3の角)
453d 第4角部(第4の角)
454 第1圧入リブ(リブ、第1のリブ)
455 第2圧入リブ(リブ、第2のリブ)
456 第3圧入リブ(リブ、第3のリブ)
457 第4圧入リブ(リブ、第4のリブ)
460 ナット
500 第1外部出力端子(外部出力端子)
600 第2外部出力端子(外部出力端子)
L1 仮想直線
L2 仮想直線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13