(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-03
(45)【発行日】2023-08-14
(54)【発明の名称】モータユニット及び電動自転車
(51)【国際特許分類】
B62M 6/60 20100101AFI20230804BHJP
【FI】
B62M6/60
(21)【出願番号】P 2019055530
(22)【出願日】2019-03-22
【審査請求日】2022-01-17
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川上 将史
(72)【発明者】
【氏名】奥田 健斗
【審査官】福田 信成
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/184826(WO,A1)
【文献】特開平09-058564(JP,A)
【文献】特開2007-176221(JP,A)
【文献】特開平09-002368(JP,A)
【文献】特開2009-208710(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62M 6/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースと、
前記ケース内に収容されるモータと、
軸線方向に前記ケースを貫通して前記軸線回りに回転可能に配置される出力体と、
前記軸線方向に前記ケースを貫通して前記軸線回りに
人力により回転可能に配置される入力軸と、
前記出力体に取り付けられ、前記モータの回転力を受けて前記出力体に
前記モータの回転力を伝達する出力歯車と、
を備え、
前記出力体は、前記入力軸の回転力と前記モータの回転力を受けて回転し、
前記出力歯車は
、歯部が樹脂により形成され
、
前記出力体の外面に取り付けられる前記出力歯車の内面は金属で形成されている
モータユニット。
【請求項2】
伝達回転軸を更に備え、
前記伝達回転軸は、前記モータの回転軸と噛み合って回転する第1伝達歯車と、前記出力歯車と噛み合って前記出力歯車に回転力を伝達する第2伝達歯車と、を有する
請求項1に記載のモータユニット。
【請求項3】
前記入力軸の回転数と前記出力体の回転数が一致する
請求項1又は2に記載のモータユニット。
【請求項4】
前記ケースは、前記入力軸を含む回転軸ユニットを回転可能に支持する軸受を有し、
前記出力体の径方向において前記軸受の位置と前記出力歯車の位置とが重なる
請求項3に記載のモータユニット。
【請求項5】
前記出力歯車は、
前記出力体の外面に取り付けられる前記出力歯車の内面を含む基部と、前記基部の外周面に取り付けられる前記歯部と、を有し、
前記基部は、アルミニウム以外の金属を50%超含有する
請求項1~4のいずれか一項に記載のモータユニット。
【請求項6】
前記出力歯車の外径は、125mm以下である
請求項1~5のいずれか一項に記載のモータユニット。
【請求項7】
前記歯部は、はす歯である
請求項1~6のいずれか一項に記載のモータユニット。
【請求項8】
前記出力歯車の外径は、98mm以下である
請求項1~7のいずれか一項に記載のモータユニット。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載のモータユニットを備える
電動自転車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、モータユニット及び電動自転車に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、モータ駆動ユニットを搭載した電動アシスト自転車が知られている(例えば特許文献1参照)。特許文献1が開示するモータ駆動ユニットは、ユニットケースと、モータと、スプロケットに嵌め込まれる連動体と、減速用歯車と、を備えている。減速用歯車の減速用歯車小径支持軸部に取り付けられた減速用小径歯車部が、連動体に一体形成された大径歯車部と噛み合って、モータの回転トルクを連動体の大径歯車部に伝達する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、上述したような電動アシスト自転車においては、減速用歯車が有する減速用小径歯車部と、連動体が有する大径歯車部とは、通常はともに金属で形成されていた。このため、減速用小径歯車部と大径歯車部とが噛み合って、歯打ち音が発生しやすい、という問題があった。
【0005】
本開示は上記従来の問題点に鑑み、出力歯車の噛み合いにより歯打ち音が発生しにくいモータユニット及び電動自転車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、一形態のモータユニットは、ケースと、モータと、出力体と、入力軸と、出力歯車と、を備える。前記モータは、前記ケース内に収容される。前記出力体は、軸線方向に前記ケースを貫通して前記軸線回りに回転可能に配置される。前記入力軸は、前記軸線方向に前記ケースを貫通して前記軸線回りに回転可能に配置される。前記出力歯車は、前記出力体に取り付けられ、前記モータの回転力を受けて前記出力体に前記回転力を伝達する。前記出力歯車は、少なくとも歯部が樹脂により形成されている。
【0007】
上記課題を解決するために、一形態の電動自転車は、前記モータユニットを備えている。
【発明の効果】
【0008】
本開示の上記一形態に係るモータユニット及び電動自転車にあっては、出力歯車の噛み合いにより歯打ち音が発生しにくい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、第一実施形態に係る電動自転車の側面図である。
【
図2】
図2は、同上の電動自転車のフレーム及びモータユニットの断面図である。
【
図3】
図3は、同上のモータユニットの入力軸、モータの回転軸及び減速機構の伝達回転軸の軸線を通る面で切断した断面図である。
【
図4】
図4は、同上のモータユニットの出力歯車の一部を拡大した斜視図である。
【
図5】
図5は、第二実施形態に係るモータユニットの入力軸、モータの回転軸及び減速機構の伝達回転軸の軸線を通る面で切断した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示は、モータユニット及び二輪車に関し、更に詳しくは、ケースと、モータと、出力体と、出力歯車を備えるモータユニット及びこのモータユニットを備えた電動アシスト自転車、電動バイク等の電動自転車に関する。
【0011】
以下、本開示のモータユニット及び電動自転車の第一実施形態について、
図1~
図4に基づいて説明する。
【0012】
図1に示すように、電動自転車1は、フレーム10と、車輪11と、モータユニット3と、を備える。なお、電動自転車1については、設計上、進行方向が決まっている。以下の説明において、進行方向を前方とするとともにその反対方向を後方とする。また、左方及び右方については、前方を向いた状態での左方及び右方とする。
【0013】
フレーム10は、電動自転車1を運転する者(以下、運転者とする)を支持する。フレーム10及び運転者の荷重は、車輪11を構成する前輪111及び後輪112を介して地面に支持される。
【0014】
フレーム10は、ヘッドパイプ101、上パイプ102、下パイプ103、立パイプ104、シートステー105、チェーンステー106及びブラケット2を有する。フレーム10は、アルミニウム、ステンレス鋼等の金属により形成されるが、非金属を一部に含んでもよい。また、フレーム10全体が非金属により形成されてもよく、フレーム10の材質は特に限定されない。
【0015】
図2に示すように、ヘッドパイプ101は、概ね上下方向に開口する筒状部材である。なお、ここでいう概ね上下方向とは、鉛直方向と30度程度以下の角度をなす方向を意味するものとする。
図1に示すように、ヘッドパイプ101には、ハンドルポスト12が上下に貫通するように挿入される。ハンドルポスト12は、ヘッドパイプ101に対して軸線方向回りに回転可能に挿入される。ハンドルポスト12の下端部には、フロントフォーク121が形成される。フロントフォーク121には、前輪111が回転可能に取り付けられる。ハンドルポスト12の上端部には、ハンドルバー122が固定される。ハンドルバー122には、電動の入切等を行うための手元操作部と、後輪112が有する変速機構による速度変更を行うための変速操作部と、が設けられる。
【0016】
図2に示すように、上パイプ102は、ヘッドパイプ101より概ね後方に延びる筒状部材である。上パイプ102は、必ずしも直線状でなくてもよい。なお、ここでいう概ね後方とは、後方と40度程度以下の角度をなす方向を意味するものとする。上パイプ102の前端部は、ヘッドパイプ101の後方側の側壁に、溶接等により固定される。上パイプ102の後端部は、立パイプ104に固定される。
【0017】
立パイプ104は、概ね上下方向に開口する筒状部材である。立パイプ104の上端部近傍の前方側の側壁に、上パイプ102の後端部が溶接等により固定される。立パイプ104の上端部の開口には、
図1に示すように、サドル13より下方に延びる軸が挿入される。この軸が立パイプ104に固定されることにより、サドル13が立パイプ104に固定される。立パイプ104の下端部には、ブラケット2が固定される。
【0018】
図2に示すように、下パイプ103は、ヘッドパイプ101より概ね後方の斜め下方に延びる筒状部材である。上パイプ102は、必ずしも直線状でなくてもよい。なお、ここでいう概ね後方の斜め下方とは、後方よりも下側であって、かつ、ヘッドパイプ101が延びる方向よりも下側に傾いた方向を意味するものとする。下パイプ103の前端部は、ヘッドパイプ101の後方側の側壁のうち、上パイプ102が固定される部分よりも下側の部分に、溶接等により固定される。下パイプ103の後端部には、ブラケット2が固定される。ブラケット2は、フレーム10の一部であり、モータユニット3を支持する。
【0019】
ブラケット2の下側にモータユニット3が固定され、モータユニット3はブラケット2に支持される。ブラケット2の内面とモータユニット3の外面との間に、配線空間20が形成される。
【0020】
ブラケット2の前端部には、下パイプ103の後端部が、嵌合(焼嵌めを含む)、締結又は溶接等により固定される。第一実施形態では、ブラケット2の前端部に上下に貫通する貫通孔25が形成され、貫通孔25の周囲の部分から筒部251が突出している。この筒部251に、下パイプ103の後端部が被せられて嵌合されている。
【0021】
ブラケット2の前後方向における中間部には、立パイプ104の下端部が、嵌合(焼嵌めを含む)、締結又は溶接等により固定される。第一実施形態では、ブラケット2の中間部に上下に貫通する貫通孔26が形成され、貫通孔26の周囲の部分から筒部261が突出している。この筒部261に、立パイプ104の下端部が被せられて嵌合されている。
【0022】
ブラケット2の後端部には、チェーンステー106の前端部が、嵌合(焼嵌めを含む)、締結又は溶接等により固定される。チェーンステー106は、ブラケット2より概ね後方に延びる二本の中空又は中実の部材である。第一実施形態では、ブラケット2の後端部に筒状をしたチェーンステー106の前端部が溶接により固定されている。また、ブラケット2のチェーンステー106の内部空間に対応する位置に、上下に貫通する貫通孔27が形成されている。
【0023】
図1に示すように、上パイプ102の後端部に、シートステー105の前端部が、嵌合(焼嵌めを含む)、締結又は溶接等により固定される。シートステー105は、立パイプ104の上端部近傍より概ね後方に延びる二本の中空又は中実の部材である。第一実施形態では、筒状をしたシートステー105の前端部が溶接等により固定されている。シートステー105の後端部はチェーンステー106の後端部に固定されており、この部分に後輪112が回転可能に取り付けられる。
【0024】
また、
図2に示すように、ブラケット2及び下パイプ103は、モータユニット3に電力を供給するためのバッテリ15(
図1参照)が装着されるバッテリ装着部16を有する。バッテリ装着部16は、ブラケット2に形成される下支持部161と、下パイプ103に形成される上支持部162と、を有する。下支持部161は、バッテリ15の下端部が脱落しにくいように装着されて、バッテリ15を支持する。また、下支持部161は、バッテリ15の下端部に形成される給電用又は信号用の複数のバッテリ端子と電気的にそれぞれ接続される複数の端子を有する。複数の端子には、それぞれ配線163の一端が電気的に接続される。
【0025】
上支持部162は、バッテリ15の上端部が装着されて、バッテリ15が脱落しないようにバッテリ15をロックするロック装置を有する。
【0026】
また、下パイプ103及び配線空間20内には、変速操作部と変速機構とをつなぐ変速ワイヤ17やブレーキワイヤが通される。
【0027】
以下、モータユニット3について
図3に基づいて説明する。モータユニット3は、ケース4と、モータ5と、出力体8と、出力歯車9と、を備える。第一実施形態では更に、モータユニット3は、入力軸6と、入力体7と、減速機構31と、を備える。
【0028】
ケース4は、モータユニット3の外殻を構成する。ケース4は、内部に形成される収容空間に、減速機構31等の機器を収容する。ケース4は、主にアルミニウム、ステンレス鋼等の金属により形成されるが、非金属が用いられてもよく、ケース4の材質は特に限定されない。
【0029】
ケース4は、左側に位置する第1分割体41と、右側に位置する第2分割体42と、に分割されている。第1分割体41と第2分割体42とが組み合わされて、ケース4が構成される。なお、ケース4については、後で更に詳しく説明する。
【0030】
第1分割体41では、内部の収容空間が右方に開放される。また、第1分割体41は、モータカップ57を有する。モータカップ57は、短手方向の一方の側に突出して内部にモータ5を収容する。モータカップ57は、第1分割体41の一部に取り付けられる。モータカップ57は、ボルトよりなる締結部材571により第1分割体41と固定される。
【0031】
第2分割体42は、内部の収容空間が左方に開放される。第1分割体41と第2分割体42とは、それぞれの収容空間が連続するように左右から合わせられて、ボルトよりなる締結部材により互いに固定される。第1分割体41と第2分割体42とが互いに固定されて、ケース4が構成される。なお、ケース4の大きさ、形状及び厚み等は、特に限定されない。また、ケース4の内部に形成される収容空間は、密閉されてもよいし、密閉されなくてもよい。
【0032】
モータ5は、ケース4に取り付けられる。更に詳しくは、モータ5は、主に第1分割体41に取り付けられるモータカップ57内に収容される。モータ5は、ケース4内に収容される。モータ5は、回転軸51と、回転軸51と一体に回転するロータ52と、ステータ53と、を有する。ロータ52、ステータ53と回転軸51の一部が、モータカップ57内に位置する。回転軸51は、軸線方向が左右方向を向くように、回転可能に収容される。回転軸51は、ステータ53から一方(第一実施形態では右方)に突出しており、突出した部分の外面に減速機構31と噛み合う歯部54が形成されている。回転軸51の右端部は、第2分割体42に配置された回転軸支持軸受551に支持される。回転軸51の左端部は、ステータ53より特に突出しておらず、モータカップ57に配置された回転軸支持軸受552に支持される。
【0033】
入力軸6は、軸線600方向(第一実施形態では左右方向)にケース4を貫通して、入力軸6の軸線600回りに回転可能に配置される。入力軸6は、入力軸体60と、入力体7と、を有する。入力軸体60は、第一実施形態では中実部材により構成されているが、中空部材により構成されてもよい。
【0034】
ケース4は、入力軸体60を回転可能に支持する第1軸受45を、軸線600方向の一端側(第一実施形態では左端側)に有する。第1分割体41には、入力軸体60が通る入力軸孔411が形成されており、この入力軸孔411に、第1軸受45が配置されている。第一実施形態では、第1軸受45は、ボールベアリングにより構成される。なお、第1軸受45としては、ころ軸受等の他の様々な軸受も利用可能であり、ボールベアリングに限定されない。
【0035】
また、ケース4は、出力体8を回転可能に支持する第2軸受46を軸線600方向の他端側(第一実施形態では右端側)に有する。第2分割体42には、入力軸体60が通る入力軸孔421が形成されており、この入力軸孔421に、第2軸受46が配置されている。第一実施形態では、入力軸体60は出力体8を介して間接的に第2軸受46に支持される。第一実施形態では、第2軸受46は、ボールベアリングにより構成される。なお、第2軸受46としては、ころ軸受等の他の様々な軸受も利用可能であり、ボールベアリングに限定されない。
【0036】
入力軸体60の端部には、
図1に示すように、クランクアーム18の一端側が固定される。クランクアーム18の他端側には、ペダル181が回転可能に取り付けられる。電動自転車1の運転者は、ペダル181を漕ぐことにより、入力軸体60に人力の回転力を伝えることができる。
【0037】
図3に示すように、入力体7は、入力軸体60の外周面に沿って配置され、入力軸体60と一体に回転する。入力体7は、筒状をした部材で、その軸線600方向が左右方向を向き、入力軸体60と同芯状に配置される。入力体7の左右方向の長さは、入力軸体60の左右方向の長さよりも短い。入力体7と入力軸体60は、軸線600方向の一部に、軸線600回りに相対的に回転不能となるように互いに嵌合する嵌合部711、61を有する。第一実施形態では、入力体7(更に詳しくは後述する第1入力体71)の左端部とこの部分に対応する入力軸体60に、スプライン部又はセレーション部等からなる嵌合部711、61が形成されている。嵌合部711、61は、雄ねじおよび雌ねじによって嵌合する構成であっても良い。
【0038】
更に第一実施形態では、入力体7は、第1入力体71と、第2入力体72とに分割されている。第1入力体71は、入力軸体60に連結される。第1入力体71は、左右方向において入力軸体60の一部に位置し、第1分割体41内に収容される。第1入力体71の左端部に、入力軸体60と嵌合する嵌合部711が形成される。第1入力体71の左端部の嵌合部711よりも右の部分においては、入力軸体60との間に隙間70が形成されている。これにより、筒状をした第1入力体71の内部へ入力軸体60を挿入しやすくなっている。
【0039】
第2入力体72は、軸線600方向において第1入力体71と異なる位置(第一実施形態では第1入力体71の右方)に位置して第1入力体71に連結され、出力体8に回転力を伝達する。ただし、第2入力体72は、第1入力体71と、左右方向において一部が同じ位置に位置してもよい。第一実施形態では、第1入力体71の右端部の径方向の外側に第2入力体72の左端部が位置しており、径方向に重なっている。第1入力体71と第2入力体72とは、軸線600回りに相対的に回転不能となるように互いに嵌合する嵌合部712、721を有する。第一実施形態では、第1入力体71の右端部と第2入力体72の左端部とに、スプライン部又はセレーション部等からなる嵌合部712、721が形成されている。なお、本開示において「径方向に重なる」とは、各対象物の少なくとも一部が径方向に観て重なる状態をいう。
【0040】
出力体8は、入力軸体60の外周面に沿って軸線600回りに回転可能に配置され、軸線600方向にケースを貫通している。出力体8は、入力体7から回転力を受ける。出力体8は、概ね筒状をした部材で、その軸線600方向が左右方向を向き、入力軸体60と同芯状に配置される。出力体8の左右方向の長さは、入力軸体60の左右方向の長さよりも短い。出力体8の右端部は、第2分割体42に形成された入力軸孔421を通ってケース4外に突出している。出力体8は、第2分割体42に配置された第2軸受46に支持されている。出力体8は、入力軸体60及び入力体7とともに回転軸ユニット30を構成する。回転軸ユニット30は、第1軸受45及び第2軸受46を介して、ケース4に支持される。
【0041】
出力体8のケース4外に突出した部分には、前側のスプロケット191がロックリング195により固定される。前側のスプロケット191は、出力体8と一体に回転する。また、
図1に示すように、後輪112のハブに後側のスプロケット192が固定される。前側のスプロケット191と後側のスプロケット192との間に、チェーン193が掛け回される。
【0042】
図3に示すように、第一実施形態では、入力体7と出力体8との間に、ワンウェイクラッチ32が配置される。ワンウェイクラッチ32は、入力体7に、電動自転車1を進行方向に加速させる方向(以下、加速方向とする)の回転力がかかる場合にこの回転力を出力体8に伝達し、加速方向と反対方向の回転力がかかる場合にはこの回転力を出力体8に伝達しない。また、ワンウェイクラッチ32は、後述する減速機構31を介して出力体8に、加速方向の回転力がかかる場合にこの回転力を入力体7に伝達しない。第一実施形態では、ワンウェイクラッチ32は、ラチェットを有し、グリースが供給される。なお、ワンウェイクラッチ32は、様々なものが適宜利用可能であり、限定されない。例えば、ローラー型ワンウェイクラッチやスプラグ式ワンウェイクラッチを用いてもよい。
【0043】
更に第一実施形態では、軸線600方向における一部の範囲において、第2入力体72と出力体8とが重なっている。この重なっている第2入力体72と出力体8との間にワンウェイクラッチ32を有する。
【0044】
第2軸受46は、軸線600方向の一部の範囲において、ワンウェイクラッチ32と入力軸体60の径方向に重なっている。第一実施形態では、第2軸受46は、ワンウェイクラッチ32の外側に位置している。
【0045】
出力体8には、出力歯車9が取り付けられる。出力歯車9は、出力体8の一部となって出力体8と一体に回転し、モータ5の回転力を受けて、出力体8に回転力を伝達する。第一実施形態では、減速機構31を介してモータ5の回転力を出力歯車9が受けて、出力体8に回転力が伝達される。出力歯車9は、外周面に、減速機構31の歯部91を有する。出力歯車9については後述する。
【0046】
減速機構31は、ケース4内に収容され、モータ5の回転を減速して出力体8に伝達する。減速機構31は、第1伝達歯車311と、第2伝達歯車312と、を有する。第1伝達歯車311の外径は、第2伝達歯車312の外径よりも大きい。第1伝達歯車311の歯数は、第2伝達歯車312の歯数よりも多い。第2伝達歯車312は、鋼材をはじめとする金属により形成される。
【0047】
第1伝達歯車311は、モータ5の回転軸51と噛み合って、回転軸51から受ける回転力によって回転する。第一実施形態では、第1伝達歯車311は、筒状をした部材により構成され、外周面にモータ5の回転軸51に形成された歯部54と噛み合う歯部313が形成されている。第1伝達歯車311は、減速機構31が有する伝達回転軸310の外周面に沿って配置される。第一実施形態では、第1伝達歯車311は、モータ5の回転軸51から直接回転力を受ける構成としたが、間に歯車を介しても良い。伝達回転軸310は、鋼材をはじめとする金属により形成される。
【0048】
伝達回転軸310は、軸線方向が左右方向を向くように、回転可能にケース4に収容される。伝達回転軸310は、モータ5の回転軸51よりも後方に位置し、左右方向においては、回転軸51のステータ53から右方に突出している部分と略同じ位置に配置される。なお、伝達回転軸310は、モータ5の回転軸51よりも前方に位置してもよい。伝達回転軸310の右端部は、第2分割体42に配置された伝達回転軸支持軸受3141に支持される。伝達回転軸310の左端部は、第1分割体41に配置された伝達回転軸支持軸受3142に支持される。
【0049】
第1伝達歯車311は、ワンウェイクラッチ315を介して伝達回転軸310に連結される。ワンウェイクラッチ315は、第1伝達歯車311に、加速方向の回転力がかかる場合にこの回転力を伝達回転軸310に伝達し、加速方向と反対方向の回転力がかかる場合にはこの回転力を伝達回転軸310に伝達しない。また、伝達回転軸310に、加速方向の回転力がかかる場合にこの回転力を第1伝達歯車311に伝達しない。
【0050】
伝達回転軸310のワンウェイクラッチ315が固定された部分の右側に、第2伝達歯車312が伝達回転軸310と一体に回転するように固定される。第2伝達歯車312は、出力歯車9の歯部91と噛み合って、伝達回転軸310を介して第1伝達歯車311から受ける回転力を、出力歯車9が有する歯部91に伝達する。第2伝達歯車312は、外周面に、出力歯車9が有する歯部91に噛み合う歯部316を有する。
【0051】
運転者が、電動自転車1のペダル181を漕ぐことにより、入力軸体60に、加速方向の回転力がかかる。入力軸体60が回転すると、第1入力体71及び第2入力体72は、入力軸体60と一体に回転する。第2入力体72の加速方向の回転力は、ワンウェイクラッチ32を介して出力体8に加速方向の回転力がかかり、出力体8及び前側のスプロケット191は加速方向に回転する。前側のスプロケット191が加速方向に回転すると、チェーン193を介して後側のスプロケット192に加速方向の回転力がかかり、後側のスプロケット192及び後輪112が加速方向に回転する。これにより、電動自転車1は進行方向に進行する。
【0052】
また、電動自転車1が人力で進行方向に進行中に、モータ5からの回転力を補助力として出力体8に加えることができる。以下に詳しく説明する。モータ5の回転軸51が加速方向に回転すると、モータ5の回転軸51と噛み合う第1伝達歯車311が加速方向に回転する。第1伝達歯車311の加速方向の回転力は、ワンウェイクラッチ315を介して伝達回転軸310及び伝達回転軸310に固定される第2伝達歯車312に伝達され、第2伝達歯車312は加速方向に回転する。第2伝達歯車312の加速方向の回転力は、第2伝達歯車312と噛み合う出力歯車9に伝達される。すなわち、出力体8は、入力体7からの人力の回転力と、モータ5からの回転力とが合わさる合力体として機能する。第一実施形態におけるモータユニット3は、いわゆる一軸式のモータユニット3である。
【0053】
また、電動自転車1が人力で進行方向に進行中に、モータ5を駆動させない場合について説明する。この場合、出力体8が加速方向に回転しているため、出力歯車9と噛み合う第2伝達歯車312及び伝達回転軸310は加速方向に回転するが、伝達回転軸310の加速方向の回転力は、ワンウェイクラッチ315により第1伝達歯車311に伝達しない。これにより、モータ5を駆動させない場合に、回転軸51及びロータ52が回転するのが阻止される。
【0054】
電動自転車1にあっては、入力軸体60にかかっているトルク及び入力軸体60の単位時間当たりの回転数に応じて、モータ5からの回転力が制御される。入力軸体60にかかっているトルクは、トルク検出部33により検出される。トルク検出部33は、回転軸ユニット30の外周面に沿う、軸線600方向の一部の範囲に配置される。
【0055】
第一実施形態では、第1入力体71の外周面に、磁気異方性が付与された磁歪発生部331が形成されている。また、第1入力体71の外周面の磁歪発生部331が設けられた部分から若干の間隔をあけて、コイル332が配置されている。これらの磁歪発生部331及びコイル332により、トルク検出部33としての磁歪式のトルクセンサが構成されている。このような磁歪式のトルクセンサとしては、様々なものが適宜利用可能である。また、トルク検出部33は、磁歪式のトルクセンサに限定されない。
【0056】
トルク検出部33は、軸線600方向において、第1伝達歯車311、第2伝達歯車312、ワンウェイクラッチ32及び第2軸受46よりも左側に配置されている。
【0057】
入力軸体60の単位時間当たりの回転数は、回転検出部34により検出される。回転検出部34は、回転軸ユニット30の外周面に沿う、軸線600方向の一部の範囲に配置される。
【0058】
第一実施形態では、入力体7の外周面側であって、トルク検出部33のコイル332の右側に、周方向に一定間隔で歯部及び歯部の間に形成される通光部を有する回転体341が、入力体7と一体に回転するように固定されている。更に、回転体341の歯部を左右から挟むように光センサ342が配置される。光センサ342は、歯部の左側に配置される出光部と、歯部の右側に配置される受光部と、を有するが、出光部及び受光部の位置関係は限定されない。このような回転体341及び光センサ342を有する回転検出部34としては、様々なものが適宜利用可能である。また、回転検出部34は、回転体341及び光センサ342を有するものに限定されない。
【0059】
回転検出部34は、軸線600方向において、第1伝達歯車311と同じ位置に位置し、第2伝達歯車312、ワンウェイクラッチ32及び第2軸受46よりも左側に配置されている。なお、本開示において、「軸線600方向において、同じ位置に位置する」とは、軸線600方向と直交する方向にみて、少なくとも一部が重なる状態をいう。
【0060】
モータユニット3は、ケース4内に、モータ5を制御する制御部を有する制御基板35が配置される。制御部は、例えばマイクロコンピュータを有し、ROM(Read Only Memory)等の記憶部に記憶されたプログラムを実行することで、各要素の動作を制御する。このような制御部は、様々なものが適宜利用可能であり、詳細な説明は省略する。制御部は、トルク検出部33により検出されたトルク及び回転検出部34により検出された回転数に基いて、モータ5からの回転力を制御する。
【0061】
出力歯車9は、出力体8が内部に嵌め込まれて取り付けられる。出力歯車9の内面と出力体8の外面は、スプライン結合等により連結されるが、特に限定されない。出力歯車9は、少なくとも歯部91が樹脂により形成されている。第一実施形態では、出力歯車9の全体が樹脂により形成されている。これに対して、歯部91と噛み合う第2伝達歯車312及び伝達回転軸310は、金属により形成されている。
【0062】
出力歯車9の歯部91が樹脂により形成されることにより、歯部91と噛み合う相手(第一実施形態では第2伝達歯車312)が金属であっても、金属同士の衝突は発生せず、出力歯車9の歯部91の噛み合いによる歯打ち音が発生しにくい。これにより、静粛なモータユニット3を構成しやすい。
【0063】
また、第一実施形態では、モータ5の回転軸51が回転していない場合、入力軸6の回転数と出力体8の回転数が一致する。換言すると、入力軸6と出力体8との間には、入力軸6の回転力を出力体8に伝達するための歯車が介在していない。このため、歯車が介在する場合に発生しやすい歯打ち音が発生せず、より一層、静粛なモータユニット3を構成しやすい。
【0064】
また、第一実施形態では、モータ5の回転力が、第1伝達歯車311及び第2伝達歯車312を介するいわゆる二段減速により、出力体8に伝達されるため、大きな減速を達成しやすい。
【0065】
また、第一実施形態では、出力体8の径方向において、第2軸受46の位置と出力歯車9の歯部91の位置とが一部重なっている。このように、軸線600方向において第2軸受46の位置と歯部91の位置とをオーバーラップさせることにより、モータユニット3の軸線600方向の長さを短くしやすい。
【0066】
また、第一実施形態では、
図4に示すように、出力歯車9は、歯部91がはす歯であるはす歯歯車となっている。これにより、歯部91における噛み合い率が向上し、より一層、静粛なモータユニット3を構成しやすい。なお、歯部91は平歯であってもよい。
【0067】
また、第一実施形態では、出力歯車9の外径D(出力歯車9の回転中心軸から歯部91の先端までの長さの二倍)は、125mm以下である。これにより、モータユニット3及び二輪車(電動自転車1)の小型化を図ることができる。特に、後輪112の中心から入力軸体60の軸線600までのいわゆるリア-センター間の距離を短くできて、二輪車(電動自転車1)の取り回しをしやすくなる。
【0068】
更に、出力歯車9の外径Dが、98mm以下であることがより好ましい。これにより、モータユニット3及び二輪車(電動自転車1)のより一層の小型化を図ることができ、二輪車(電動自転車1)の取り回しをより一層しやすくなる。
【0069】
また、出力歯車9の外径Dは50mm以上75mm未満であれば、よりモータユニット3をよりコンパクト化することができる。さらに歯部91をねじり角θ(幅W方向に対するはす歯の長手方向がなす角)が25°以下のはす歯とするか、または平歯とすることで、歯車91の姿勢安定性に向上させることができる。また歯部91の幅W方向(軸線600方向と一致)の長さは、10mm以上35mm以下とすれば、よりモータユニット3をよりコンパクト化することができる。なおこの際、出力体8の出力トルクは20Nm以上50Nm未満であることが好ましい。
【0070】
また、出力歯車9の外径Dが75mm以上130mm以下であれば、出力体8の出力トルクを容易に調整・増大化させることができる。さらに歯部91のはす歯のねじり角θ(幅W方向に対するはす歯の長手方向がなす角)が10°以上25°以下とすることで、歯部91の耐久性を向上させ、また静音化させることができる。また歯部91の幅W方向(軸線600方向と一致)の長さは、19mm以上35mm以下とすれば、より出力体8の出力トルクを容易に調整及び増大化させることができる。なおこの際、出力体8の出力トルクは50Nm以上であることが好ましい。
【0071】
また、第一実施形態では、
図3に示すように、ロータ52の軸線方向(軸線600方向と同じ)における長さ521が、ステータ53の軸線方向における長さ531よりも短い。これにより、ロータ52のマグネットの軸線方向における長さを短くしやすく、コストを抑えやすい。
【0072】
また、ステータ53の長さ531を変更せずロータ52の長さ521のみを変更して、モータ5の出力を変更することができる。
【0073】
次に、第二実施形態のモータユニット3について、
図5に基いて説明する。なお、第二実施形態のモータユニット3は、第一実施形態のモータユニット3と大部分において同じである。以下、主に第二実施形態と異なる部分について説明する。
【0074】
図3に示す第一実施形態では、入力体7と出力体8との間に、ワンウェイクラッチ32が配置されていた。これに対して、第二実施形態においては、ワンウェイクラッチ32は配置されず、入力体7及び出力体8は、入力体7と出力体8とが一体的に回転するように連結する連結部を有する点で異なる。
【0075】
入力体7の外周面に、周方向に並設される凹凸からなるスプライン部73が形成される。同様に、出力体8の内周面に、周方向に並設され、スプライン部73と噛み合う凹凸からなるスプライン部82が形成される。スプライン部73及びスプライン部82により、連結部が構成される。
【0076】
このような連結部が入力体7及び出力体8に形成されることにより、入力体7と出力体8とを一体的に回転させやすくなる。特に、いわゆるコースターブレーキを採用する場合、このような連結部は有効に機能する。
【0077】
なお、連結部としては、スプライン部73及びスプライン部82に限定されず、例えば、入力体7及び出力体8の外表面にキー溝が形成され、キー溝にキーが嵌め込まれるものであってもよい。
【0078】
次に、第一実施形態及び第二実施形態の変形例について説明する。
【0079】
モータ5の回転力は、第1伝達歯車311及び第2伝達歯車312を介さずに、出力体8に伝達されてもよい。
【0080】
出力歯車9は、はす歯歯車でなく、平歯車であってもよい。
【0081】
出力歯車9の外径D、幅W、はす歯歯車の場合のねじり角は特に限定されない。
【0082】
第一実施形態及び第二実施形態では、出力歯車9の全体が樹脂により形成されていた。これに対し、歯部91のみが樹脂により形成されてもよい。出力歯車9は、基部と、基部の外周面に取り付けられる歯部91と、を有する。基部は、アルミニウム以外の金属を50%超含有する。アルミニウム以外の金属としては、鉄、SUSが好ましいが、特に限定されない。また、基部は、鉄、SUS等のアルミニウム以外の金属を50%超含有する金属の焼結合金であってもよい。
【0083】
アルミニウムは熱膨張が大きいため、鉄、SUS等のアルミニウム以外の金属を用いることにより、熱膨張を抑えることができる。また、鉄、SUS等の金属は体積あたりの強度がアルミニウムよりも大きいため、同じ強度でモータユニット3のコンパクト化を図りやすい。
【0084】
以上、述べた第一実施形態及び第二実施形態およびその変形例から明らかなように、第1の態様のモータユニット3は、ケース4と、モータ5と、出力体8と、入力軸6と、出力歯車9と、を備える。モータ5は、ケース4内に収容される。出力体8は、軸線方向(軸線600方向と同じ)にケース4を貫通して軸線回りに回転可能に配置される。入力軸6は、軸線600方向にケース4を貫通して軸線600回りに回転可能に配置される。出力歯車9は、出力体8に取り付けられ、モータ5の回転力を受けて出力体8に回転力を伝達する。出力歯車9は、少なくとも歯部91が樹脂により形成されている。
【0085】
第1の態様によれば、出力歯車9の歯部91が樹脂により形成されることにより、歯部91と噛み合う相手が金属であっても、金属同士の衝突は発生せず、出力歯車9の歯部91の噛み合いによる歯打ち音が発生しにくい。これにより、静粛なモータユニット3を構成しやすい。
【0086】
第2の態様のモータユニット3は、第1の態様との組み合わせにより実現され得る。第2の態様では、モータユニット3は、伝達回転軸310を更に備える。伝達回転軸310は、モータ5の回転軸51と噛み合って回転する第1伝達歯車311と、出力歯車9と噛み合って出力歯車9に回転力を伝達する第2伝達歯車312と、を有する。
【0087】
第2の態様によれば、いわゆる二段減速により、出力体8に伝達されるため、大きな減速を達成しやすい。
【0088】
第3の態様のモータユニット3は、第1又は第2の態様との組み合わせにより実現され得る。第3の態様では、入力軸6の回転数と出力体8の回転数が一致する。
【0089】
第3の態様によれば、歯車が介在する場合に発生しやすい歯打ち音が発生せず、より一層、静粛なモータユニット3を構成しやすい。
【0090】
第4の態様のモータユニット3は、第3の態様との組み合わせにより実現され得る。第4の態様では、ケース4は、入力軸6を含む回転軸ユニット30を回転可能に支持する軸受(第2軸受46)を有する。出力体8の径方向において軸受(第2軸受46)の位置と出力歯車9の位置とが重なる。
【0091】
第4の態様によれば、出力体8の径方向において第2軸受46の位置と歯部91の位置とをオーバーラップさせることにより、モータユニット3の軸線600方向の長さを短くしやすい。
【0092】
第5の態様のモータユニット3は、第1~第4のいずれかの態様との組み合わせにより実現され得る。第5の態様では、出力歯車9は、基部と、基部の外周面に取り付けられる歯部91と、を有する。基部は、アルミニウム以外の金属を50%超含有する。
【0093】
第5の態様によれば、出力歯車9の熱膨張を抑えやすく、また、モータユニット3のコンパクト化を図りやすい。
【0094】
第6の態様のモータユニット3は、第1~第5のいずれかの態様との組み合わせにより実現され得る。第6の態様では、出力歯車9の外径は、125mm以下である。
【0095】
第6の態様によれば、モータユニット3の小型化を図ることができる。
【0096】
第7の態様のモータユニット3は、第1~第6のいずれかの態様との組み合わせにより実現され得る。第7の態様では、歯部91は、はす歯である。
【0097】
第7の態様によれば、歯部91における噛み合い率が向上し、より一層、静粛なモータユニット3を構成しやすい。
【0098】
第8の態様のモータユニット3は、第1~第7のいずれかの態様との組み合わせにより実現され得る。第8の態様では、出力歯車9の外径は、98mm以下である。
【0099】
第8の態様によれば、モータユニット3の小型化を図ることができる。
【0100】
第9の態様の電動自転車1は、第1~第8のいずれかの態様との組み合わせにより実現される。第9の態様の電動自転車1は、第1~第8のいずれかのモータユニット3を備えている。
【0101】
第9の態様によれば、静粛なモータユニット3を搭載した電動自転車1としやすい。
【符号の説明】
【0102】
1 電動自転車
3 モータユニット
30 回転軸ユニット
310 伝達回転軸
311 第1伝達歯車
312 第2伝達歯車
4 ケース
46 第2軸受
5 モータ
51 回転軸
6 入力軸
600 軸線
8 出力体
9 出力歯車
91 歯部