(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-03
(45)【発行日】2023-08-14
(54)【発明の名称】LED照明装置及びLED照明器具
(51)【国際特許分類】
F21V 17/00 20060101AFI20230804BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20230804BHJP
F21V 3/02 20060101ALI20230804BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20230804BHJP
【FI】
F21V17/00 155
F21S2/00 230
F21V3/02 400
F21V3/02 500
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2021108643
(22)【出願日】2021-06-30
【審査請求日】2022-10-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】中村 恭平
(72)【発明者】
【氏名】高島 淳
(72)【発明者】
【氏名】三枝 浩和
(72)【発明者】
【氏名】丸山 和則
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0279156(US,A1)
【文献】特開2016-207589(JP,A)
【文献】特開2012-084504(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0327240(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 17/00
F21S 2/00
F21V 3/02
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺状の基板と、
前記基板の長手方向に沿って前記基板の一方の面に配置された複数のLEDと、
前記複数のLEDを覆うように前記基板の前記一方の面と対向して配置された長尺状の透光カバーと、
前記透光カバーの長手方向の一方の端部側に設けられたエンドキャップと、を備え、
前記エンドキャップは、板状の主部と、前記透光カバーに直接又は間接的に接続される接続部とを有し、
前記主部は、当該主部の厚み方向の面として外側面と内側面とを有し、かつ、前記外側面及び前記内側面がともに前記主部の他の部位よりも内側に位置する内側部位を有し、
前記透光カバーは、前記複数のLEDを覆う本体部を有し、
前記主部は、前記基板の長手方向
である第1方向と前記基板の短手方向
である第2方向とのいずれにも直交する
第3方向では、前記LED側部分が前記本体部側部分よりも内側に位置するように全体的に傾斜して
おり、
前記外側面は、前記第2方向及び前記第3方向のいずれにも湾曲するパラボラ形状である、
LED照明装置。
【請求項2】
前記主部は、前記内側部位として、前記外側面及び前記内側面がともに前記透光カバーの一方の端部又は前記エンドキャップの端面よりも内側に位置する部位を有する、
請求項1に記載のLED照明装置。
【請求項3】
前記外側面は、前記透光カバーの長手方向に平行な断面における包絡線の少なくとも一部が湾曲している、
請求項1又は2に記載のLED照明装置。
【請求項4】
前記外側面は、内側に凹むように全体として凹状に湾曲している、
請求項2又は3に記載のLED照明装置。
【請求項5】
前記外側面は、外側に凸となるように全体として凸状に湾曲している、
請求項3に記載のLED照明装置。
【請求項6】
長尺状の基板と、
前記基板の長手方向に沿って前記基板の一方の面に配置された複数のLEDと、
前記複数のLEDを覆うように前記基板の前記一方の面と対向して配置された長尺状の透光カバーと、
前記透光カバーの長手方向の一方の端部側に設けられたエンドキャップと、を備え、
前記エンドキャップは、板状の主部と、前記透光カバーに直接又は間接的に接続される接続部とを有し、
前記主部は、当該主部の厚み方向の面として外側面と内側面とを有し、かつ、前記外側面及び前記内側面がともに前記主部の他の部位よりも内側に位置する内側部位を有し、
前記外側面は、前記透光カバーの長手方向に平行な断面における包絡線の少なくとも一部が湾曲しており、
前記基板の長手方向を第1方向とし、前記基板の短手方向を第2方向とし、前記第1方向と前記第2方向のいずれにも直交する方向を第3方向とすると、
前記外側面は
、前記第2方向及び前記第3方向のいずれにも湾曲するパラボラ形状でありかつ、外側に凸となるように全体として凸状に湾曲している、
LED照明装置。
【請求項7】
前記外側面の全てが、前記透光カバーの一方の端部よりも内側に位置している、
請求項5又は6に記載のLED照明装置。
【請求項8】
前記内側面は、前記透光カバーの長手方向に平行な断面における包絡線の少なくとも一部が湾曲している、
請求項1~7のいずれか1項に記載のLED照明装置。
【請求項9】
前記内側面は、内側に凹むように全体として凹状に湾曲している、
請求項8に記載のLED照明装置。
【請求項10】
前記内側面は、外側に凸となるように全体として凸状に湾曲している、
請求項8に記載のLED照明装置。
【請求項11】
長尺状の基板と、
前記基板の長手方向に沿って前記基板の一方の面に配置された複数のLEDと、
前記複数のLEDを覆うように前記基板の前記一方の面と対向して配置された長尺状の透光カバーと、
前記透光カバーの長手方向の一方の端部側に設けられたエンドキャップと、を備え、
前記エンドキャップは、板状の主部と、前記透光カバーに直接又は間接的に接続される接続部とを有し、
前記主部は、当該主部の厚み方向の面として外側面と内側面とを有し、かつ、前記外側面及び前記内側面がともに前記主部の他の部位よりも内側に位置する内側部位を有し、
前記内側面は、前記透光カバーの長手方向に平行な断面における包絡線の少なくとも一部が湾曲しており、
前記基板の長手方向を第1方向とし、前記基板の短手方向を第2方向とし、前記第1方向と前記第2方向のいずれにも直交する方向を第3方向とすると、
前記内側面は、
前記第2方向及び前記第3方向のいずれにも湾曲するパラボラ形状でありかつ、外側に凸となるように全体として凸状に湾曲している、
LED照明装置。
【請求項12】
前記主部は、前記接続部付近の部位が他の部位よりも内側に位置する形状である、
請求項1、5~7、10、11のいずれか1項に記載のLED照明装置。
【請求項13】
前記主部の全部又は一部は、透光性を有する、
請求項1~12のいずれか1項に記載のLED照明装置。
【請求項14】
前記透光カバーは、拡散カバーである、
請求項1~13のいずれか1項に記載のLED照明装置。
【請求項15】
前記主部は、前記外側面及び前記内側面のうちの少なくとも一方に前記LEDの光の向きを偏向するプリズムを有する、
請求項1~14のいずれか1項に記載のLED照明装置。
【請求項16】
前記透光カバーの長手方向の一方の端部に設けられた前記エンドキャップは、第1エンドキャップであり、
さらに、前記透光カバーの長手方向の他方の端部に設けられた第2エンドキャップを備え、
前記第2エンドキャップの形状は、前記第1エンドキャップの形状と同じである、
請求項1~15のいずれか1項に記載のLED照明装置。
【請求項17】
前記第1エンドキャップと前記第2エンドキャップとは、前記LED照明装置の長手方向において、逆向きの関係で配置されている、
請求項16に記載のLED照明装置。
【請求項18】
さらに、前記基板と前記透光カバーとを支持する長尺状の支持部材を備える、
請求項1~17のいずれか1項に記載のLED照明装置。
【請求項19】
請求項1~18のいずれか1項に記載のLED照明装置と、
前記LED照明装置を保持する器具本体と、を備える、
LED照明器具。
【請求項20】
前記LED照明装置は、着脱自在に前記器具本体に取り付けられている、
請求項19に記載のLED照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED照明装置及びLED照明装置を備えるLED照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
LED(Light Emitting Diode)を用いたLED照明器具が知られている。従来、天井に設置されるLED照明器具として、ライトバーと呼ばれる長尺状のLED照明装置と、LED照明装置が着脱可能に取り付けられる凹部を有する長尺状の器具本体とを備える照明器具が知られている(特許文献1)。
【0003】
この種のLED照明装置は、長尺状の基板と、基板に実装された複数のLEDと、複数のLEDを覆う長尺状の拡散カバーと、基板を支持するとともに拡散カバーが取り付けられる支持部材と、拡散カバーの長手方向の両端に取り付けられた一対のエンドキャップとを備える。一対のエンドキャップは、略板状部材であり、拡散カバーの両端部を覆うように拡散カバーに接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【0005】
従来のLED照明装置の構成では、天井等にLED照明器具を設置する際に、LED照明装置を器具本体に簡単に取り付けることができないという課題がある。また、LED照明器具が器具本体に着脱可能に取り付けられている場合、器具本体に対するLED照明装置の着脱が容易ではない。つまり、LED照明装置を照明器具に取り付けたり、器具本体からLED照明装置を取り外したりすることが難しい。
【0006】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、器具本体に対する着脱を容易に行うことができるLED照明装置及びLED照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係るLED照明装置の一態様は、長尺状の基板と、前記基板の長手方向に沿って前記基板の一方の面に配置された複数のLEDと、前記複数のLEDを覆うように前記基板の前記一方の面と対向して配置された長尺状の透光カバーと、前記透光カバーの長手方向の一方の端部側に設けられたエンドキャップと、を備え、前記エンドキャップは、板状の主部と、前記透光カバーに直接又は間接的に接続される接続部とを有し、前記主部は、当該主部の厚み方向の面として外側面と内側面とを有し、かつ、前記外側面及び前記内側面がともに前記主部の他の部位よりも内側に位置する内側部位を有する。
【0008】
また、本発明に係るLED照明器具の一態様は、上記のLED照明装置と、前記LED照明装置を保持する器具本体と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
器具本体に対するLED照明装置の着脱を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施の形態に係るLED照明器具の斜視図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係るLED照明器具の分解斜視図である。
【
図3】
図3は、実施の形態に係るLED照明器具を長手方向から見たときの側面図である。
【
図4】
図4は、実施の形態に係るLED照明器具の断面図である。
【
図5】
図5は、実施の形態に係るLED照明装置を拡散カバー側から見たときの斜視図である。
【
図6】
図6は、実施の形態に係るLED照明装置を裏側から見たときの斜視図である。
【
図7】
図7は、実施の形態に係るLED照明装置の断面斜視図である。
【
図8】
図8は、実施の形態に係るLED照明器具の平面図である。
【
図9】
図9は、実施の形態に係るLED照明器具の側面図である。
【
図10】
図10は、実施の形態に係るLED照明器具の断面図である。
【
図11】
図11は、実施の形態に係るLED照明器具の長手方向の端部の拡大断面図である。
【
図12】
図12は、実施の形態に係るLED照明器具に用いられるエンドキャップの構成を示す図である。
【
図13】
図13は、天井に設置された実施の形態に係るLED照明器具が点灯している状態を示す断面図である。
【
図14】
図14は、実施の形態に係るLED照明器具において、器具本体からLED照明装置を取り外すときの様子を示す図である。
【
図15】
図15は、変形例1に係るエンドキャップの構成を示す図である。
【
図16】
図16は、変形例2に係るエンドキャップの構成を示す図である。
【
図17】
図17は、変形例2に係るLED照明器具の構成を示す図である。
【
図18】
図18は、変形例3に係るエンドキャップの構成を示す図である。
【
図19】
図19は、変形例3に係るLED照明器具の構成を示す図である。
【
図20】
図20は、変形例4に係るLED照明器具の構成を示す図である。
【
図21】
図21は、変形例5に係るLED照明器具の構成を示す図である。
【
図22】
図22は、変形例5に係るLED照明器具の他の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、並びに、工程及び工程の順序等は、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0012】
なお、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。また、各図において、X軸、Y軸及びZ軸は、三次元直交座標系の三軸を表しており、本実施の形態では、Z軸方向を鉛直方向とし、Z軸に垂直な方向(XY平面に平行な方向)を水平方向としている。X軸及びY軸は、互いに直交し、かつ、いずれもZ軸に直交する軸である。なお、本明細書において、「上」及び「下」という用語は、必ずしも、絶対的な空間認識における上方向(鉛直上方)及び下方向(鉛直下方)を指すものではない。
【0013】
(実施の形態)
まず、実施の形態に係るLED照明器具1の構成について、
図1~
図4を用いて説明する。
図1は、実施の形態に係るLED照明器具1の斜視図である。
図2は、同LED照明器具1の分解斜視図である。
図3は、同LED照明器具1を長手方向から見たときの側面図である。
図4は、同LED照明器具1の断面図である。
図4は、LED照明器具1の短手方向と平行な平面で切断したときの断面を示している。
【0014】
本実施の形態に係るLED照明器具1は、
図1~
図4に示すように、器具本体2と、器具本体2に取り付けられるLED照明装置3とを備える。
【0015】
器具本体2は、LED照明装置3を保持している。器具本体2は、建物における所定の箇所に設置される。本実施の形態におけるLED照明器具1は、天井直付け型の照明器具である。したがって、器具本体2は、ボルト等を用いて室内の天井に取り付けられる。
【0016】
本実施の形態において、器具本体2は、板金製であり、金属板に曲げ加工等を施すことにより、Y軸方向に長尺且つ扁平な箱形状に形成されている。
図2に示すように、器具本体2には、矩形状の開口面を有する凹部2aが設けられている。凹部2aは、器具本体2の長手方向に沿って長尺状に設けられている。凹部2aは、LED照明装置3を収納するための収納部であり、器具本体2の略全長に亘って設けられている。また、
図2~
図4に示すように、器具本体2の幅方向における凹部2aの両側には、凹部2aの開口端縁から延出し且つ外側に行くほど上側(天井側)に傾斜する傾斜面2bがそれぞれ設けられている。
【0017】
LED照明装置3は、LEDを光源として用いた光源ユニットである。LED照明装置3は、器具本体2の凹部2aに着脱自在に取り付けられている。例えば、LED照明装置3を器具本体2の凹部2aに取り付けたり、器具本体2の凹部2aに取り付けられたLED照明装置3を凹部2aから取り外したりすることができる。LED照明装置3と器具本体2とは、LED照明装置3に設けられた板バネ等の取付金具を器具本体2に係止させることで固定することができる。
【0018】
図4に示すように、LED照明装置3は、器具本体2に収納された電源装置4から供給される電力によって発光する。電源装置4は、LED照明装置3に電力を供給するものであり、例えばLED照明装置3の背面側に配置されている。具体的には、電源装置4は、器具本体2の凹部2aに配置される。本実施の形態において、電源装置4は、LED照明装置3に取り付けられており、LED照明装置3と一体になっている。なお、電源装置4は、LED照明装置3と一体ではなく、LED照明装置3と分離して器具本体2に配置されていてもよい。
【0019】
電源装置4は、LED照明装置3を発光させるための電力を生成する電源回路によって構成されている。例えば、電源装置4は、複数の電子部品が実装されたプリント回路基板と、プリント回路基板を収納する回路ケースとを有する。電源装置4は、例えば、商用電源等の外部電源からの交流電力を、整流、平滑及び降圧等して所定レベルの直流電力に変換し、当該直流電力をLED照明装置3に供給する。
【0020】
次に、
図1~
図4を参照しつつ、
図5~
図7を用いて、LED照明装置3の詳細な構造について説明する。
図5は、実施の形態に係るLED照明装置3を拡散カバー30側から見たときの斜視図であり、
図6は、同LED照明装置3を裏側から見たときの斜視図である。
図7は、同LED照明装置3の断面斜視図である。
【0021】
図2、
図5及び
図6に示すように、LED照明装置3は、ライトバーと呼ばれる長尺状のライン光源である。LED照明装置3は、例えば白色光等の所定の色の光を発光する。
【0022】
図4及び
図7に示すように、LED照明装置3は、基板10と、基板10に配置された複数のLED20と、複数のLED20を覆う長尺状の拡散カバー30と、基板10を支持する支持部材40と、エンドキャップ50とを備える。
【0023】
基板10は、LED20を実装するための実装基板である。本実施の形態において、基板10は、支持部材40の長手方向(Y軸方向)に長尺状をなす略矩形状に形成されている。基板10の厚みは、例えば1.0mmである。基板10は、支持部材40の長手方向の全長と略同等の長さでもよいが、支持部材40の長手方向に沿って複数枚並べられていてもよい。
【0024】
基板10は、一方の面である第1面10aと、第1面10aに背向する他方の面である第2面10bとを有する。基板10の第1面10aは、LED20が実装される面であるオモテ面である。一方、基板10の第2面10bは、支持部材40に対面するウラ面である。本実施の形態において、基板10の第2面10bと支持部材40とは接触している。
【0025】
基板10は、例えば金属配線が所定のパターンで形成されたプリント配線基板(プリント基板)である。なお、基板10の表面には、配線を保護するとともに絶縁耐圧を確保するために、配線を覆うように絶縁性樹脂材料からなるレジストが形成されていてもよい。基板10は、LED20が実装される第1面10aのみに配線が形成された片面配線基板であってもよいし、第1面10a及び第2面10bの各々に配線が形成された両面配線基板であってもよい。
【0026】
基板10を構成する基材としては、絶縁性樹脂材料からなる樹脂基板、アルミナ等のセラミック材料の焼結体からなるセラミック基板、アルミニウムまたは銅等の金属材料からなる金属基材の表面に絶縁被膜を施すことで得られるメタルベース基板等が用いられる。
【0027】
基板10が樹脂基板によって構成されている場合、樹脂基板としては、例えば、ガラス繊維とエポキシ樹脂とからなるガラスエポキシ基板(CEM-3、FR-4等)、クラフト紙等とフェノール樹脂とによって構成された紙フェノール基材(FR-1、FR-2)、紙とエポキシ樹脂とによって構成された紙エポキシ基材(FR-3)、又は、ポリイミド等からなるポリイミド基板等を用いることができる。また、基板10が、リジッド基板であってもよいし、フィルム状のフレキシブル基板であってもよい。
【0028】
図7に示すように、基板10の第1面10aには、複数のLED20が実装されている。本実施の形態において、複数のLED20は、基板10の長手方向(Y軸方向)に沿って直線状に一列に且つ所定の間隔を置いて実装されている。具体的には、複数のLED20は、拡散カバー30及び支持部材40の長手方向の略全長にわたって実装されている。したがって、複数のLED20のうち先頭及び最後尾のLED20は、エンドキャップ50の近傍に位置している。なお、複数のLED20は、基板10の長手方向に沿って、一列ではなく、複数列で実装されていてもよい。
【0029】
LED20は、発光素子の一例である。本実施の形態において、複数のLED20の各々は、個々にパッケージ化されたSMD構造のLED素子(LED光源)である。この場合、各LED20は、樹脂製又はセラミック製の白色の容器(パッケージ)と、容器内に配置されたLEDチップ(ベアチップ)と、LEDチップを封止する封止部材とを備える。本実施の形態において、LED20は、白色光を放出する白色LED素子である。この場合、例えば、LEDチップとしては、通電されると青色光を発する青色LEDチップが用いられ、容器に充填される封止部材としては、YAG等の黄色蛍光体が含有されたシリコーン樹脂(蛍光体含有樹脂)が用いられる。
【0030】
複数のLED20は、拡散カバー30で覆われている。拡散カバー30は、透光性を有する透光カバーの一例であり、LED20から出射する光を透過する。本実施の形態において、拡散カバー30は、透光性を有するだけではなく、拡散性を有する。したがって、拡散カバー30に入射したLED20の光は、拡散カバー30で拡散(散乱)しながら拡散カバー30を透過する。
【0031】
図4及び
図7に示すように、拡散カバー30は、複数のLED20を覆うように基板10の第1面10aと対向して配置されている。拡散カバー30は、基板10の全体を覆っている。本実施の形態では、
図5及び
図6に示すように、拡散カバー30は、基板10が配置された支持部材40の全体を覆っている。したがって、拡散カバー30は、基板10と同様に、Y軸方向に長尺状に形成されている。
【0032】
拡散カバー30は、支持部材40に取り付けられる。拡散カバー30と支持部材40とによって筒体が構成されており、基板10と基板10に実装された複数のLED20とは、この筒体内に収納されている。
【0033】
拡散カバー30は、Y軸方向に長尺状をなす樋状の本体部31と、本体部31の短手方向(X軸方向)における両端部の各々に設けられた一対の延出部32とを有する。本体部31は、例えば扁平状のセミシリンドリカル形状である。したがって、本体部31は、Y軸方向に延在する長尺矩形状の開口端面を有する。また、X軸方向に沿って切断したときの本体部31の断面形状は、円弧状に湾曲した湾曲形状である。一対の延出部32の各々の内面には凹部が形成されており、この凹部に支持部材40の一対の取付部42が取り付けられることで、拡散カバー30は支持部材40に固定される。
【0034】
拡散カバー30は、アクリルやポリカーボネート等の透光性樹脂材料又はガラス材料等の透光性を有する材料で構成されている。本実施の形態において、拡散カバー30は、透光性樹脂材料によって構成されている。この場合、拡散カバー30は、光拡散材が内部に分散された乳白色のカバー部材とすることができる。このような拡散カバー30は、光拡散材を混合した透光性樹脂材料を所定形状に樹脂成型することによって作製することができる。光拡散材としては、シリカ粒子等の光反射性微粒子を用いることができる。
【0035】
なお、拡散カバー30としては、内部に光拡散材を分散させるのではなく、透明カバーの表面(内面又は外面)に光拡散材等を含む乳白色の光拡散膜を形成することによって構成されていてもよい。また、拡散カバー30は、光拡散材を用いるのではなく、拡散加工を施すことによって光拡散性を有するように構成されていてもよい。例えば、拡散カバー30は、シボ加工等の表面処理を施すことによって透明カバーの表面に微小凹凸を形成したり、透明カバーの表面にドットパターンを印刷したりすることによって光拡散性を有するように構成されていてもよい。なお、拡散カバー30は、拡散加工する場合であっても、光拡散性を高めるために、さらに光拡散材を含有させてもよい。
【0036】
支持部材40は、基板10を支持する長尺状のベース部材である。支持部材40には、基板10が載置される。支持部材40に基板10を載置して基板10を支持部材40に固定することで、基板10は支持部材40に支持される。本実施の形態において、支持部材40は、基板10だけではなく、拡散カバー30も支持している。拡散カバー30は、支持部材40に固定されている。
【0037】
一例として、支持部材40は、板金製のフレームである。支持部材40は、例えばSPCC(Steel Plate Cold Commercial;冷間圧延鋼板)製の板金(金属板)にロール成形加工又はプレス加工等を施すことにより所定の形状に形成されている。本実施の形態において、支持部材40は、X軸方向に沿って切断したときの断面形状が略M字形状となるように形成されている。また、支持部材40は、基板10及び器具本体2と同様に、Y軸方向に長尺状に形成されている。支持部材40を構成する金属板の厚みは、例えば、0.2mm~2mmであり、本実施の形態では0.5mmである。
【0038】
図4及び
図7に示すように、支持部材40は、基板10を載置するための本体部41と、支持部材40を拡散カバー30に取り付けるための一対の取付部42とを有する。本体部41及び一対の取付部42は、Y軸方向に延在している。
【0039】
本体部41には、幅方向(X軸方向)に一対をなす段差部41aが長手方向に沿って形成されている。また、一対の段差部41aによって本体部41には凹部41bが形成されている。一対の段差部41a及び凹部41bは、本体部41の長手方向の全長にわたって形成されている。凹部41bには、基板10が載置される。なお、本体部41には、板金製の支持部材40の一部を切り起こすことによって形成された爪部が形成されており、本体部41の凹部41bに載置された基板10は、この爪部に係止されることで本体部41に固定される。なお、本体部41には、基板10の配線と電源装置4とを電気的に接続するための電線が挿通される貫通孔が設けられている。
【0040】
一対の取付部42は、支持部材40の側面部を構成している。一対の取付部42の各々は、本体部41の短手方向(X軸方向)における両端部からZ軸方向に延設されている。一対の取付部42の各々には、拡散カバー30の延出部32が取り付けられる。これにより、拡散カバー30が支持部材40に固定される。例えば、拡散カバー30の延出部32を支持部材40の取付部42にスナップインにより係止させることで、拡散カバー30を支持部材40に嵌め合わせて固定することができる。
【0041】
拡散カバー30と支持部材40とが固定されることで長尺状の筒体が構成される。拡散カバー30と支持部材40とで構成される筒体の長手方向の両端部にエンドキャップ50が取り付けられている。
【0042】
ここで、エンドキャップ50の詳細な構成について、
図1~
図7を参照しつつ、
図8~
図12を用いて説明する。
図8は、実施の形態に係るLED照明器具1の平面図である。
図9は、同LED照明器具1の側面図である。
図10は、同LED照明器具1の断面図である。
図10は、LED照明器具1の長手方向と平行な平面で切断したときの断面を示している。
図11は、同LED照明器具1の長手方向の端部の拡大断面図である。
図12は、同LED照明器具1に用いられるエンドキャップ50の構成を示す図である。なお、
図12において、(a)は、エンドキャップ50を外側面51a側から見たときの斜視図であり、(b)は、エンドキャップ50を内側面51b側から見たときの斜視図であり、(c)は、エンドキャップ50を支持部材40側端面から見たときの側面図であり、(d)は、エンドキャップ50を半分に切断したときの断面斜視図である。
【0043】
図5及び
図6に示すように、LED照明装置3の長手方向における両端部の各々には、エンドキャップ50が設けられている。具体的には、エンドキャップ50は、拡散カバー30の長手方向の両端部の各々に設けられている。つまり、エンドキャップ50は、拡散カバー30の端部に設けられたカバーエンドである。
【0044】
図8~
図11に示すように、拡散カバー30の長手方向の一方の端部側に設けられたエンドキャップ50は、第1エンドキャップ50aである。具体的には、第1エンドキャップ50aは、拡散カバー30の長手方向の一方の端部に直接又は間接的に接続されている。
【0045】
また、拡散カバー30の長手方向の他方の端部側に設けられたエンドキャップ50は、第2エンドキャップ50bである。具体的には、第2エンドキャップ50bは、拡散カバー30の長手方向の他方の端部に直接又は間接的に接続されている。
【0046】
本実施の形態において、第1エンドキャップ50aと第2エンドキャップ50bとは、同じ部品である。つまり、第2エンドキャップ50bの形状は、第1エンドキャップ50aの形状と同じである。これにより、コストを削減することができる。
【0047】
なお、第1エンドキャップ50aと第2エンドキャップ50bとは、LED照明装置3の長手方向(Y軸方向)において、逆向きの関係で配置されている。具体的には、同一部品である第1エンドキャップ50aと第2エンドキャップ50bとは、LED照明装置3の長手方向において線対称の位置関係となるように配置されている。
【0048】
エンドキャップ50は、拡散カバー30と支持部材40とで構成される筒体の内部に埃や虫等が入ることを抑制するための部品である。エンドキャップ50は、拡散カバー30と支持部材40とで構成される筒体の端部を封鎖するように設けられている。つまり、エンドキャップ50は、拡散カバー30と支持部材40とで構成される筒体の端部の開口に蓋をするように筒体に取り付けられており、筒体の開口端部を閉塞している。なお、エンドキャップ50は、拡散カバー30と支持部材40とで構成される筒体の開口端部を完全に閉塞せずに、エンドキャップ50と支持部材40との間に多少の隙間が空いていてもよい。
【0049】
図10~
図12に示すように、エンドキャップ50は、板状の主部51と、拡散カバー30に直接又は間接的に接続される接続部52とを有する。
【0050】
主部51は、エンドキャップ50の本体部を構成しており、主として、拡散カバー30と支持部材40とで構成される筒体の開口端部に蓋をする機能を有する。
【0051】
本実施の形態において、板状の主部51の全部又は一部は、透光性を有する。このように、主部51が透光性を有することで、LED20からの光を透過させることができる。つまり、LED20で出射した光は、主部51を透過してエンドキャップ50の外部に出射する。
【0052】
具体的には、エンドキャップ50は、全体が透光性を有している。したがって、主部51の全体と接続部52の全体とが透光性を有する。このように主部51の全体が透光性を有するので、LED20で出射した光は、主部51の全体から主部51の外側に出射する。
【0053】
透光性を有するエンドキャップ50は、透明であってもよいし、拡散性を有していてもよい。透光性及び拡散性を有するエンドキャップ50を用いることで、エンドキャップ50に入射したLED20の光は、エンドキャップ50で拡散(散乱)しながらエンドキャップ50を透過する。
【0054】
エンドキャップ50は、アクリルやポリカーボネート等の透光性樹脂材料又はガラス材料等の透光性を有する材料で構成されている。本実施の形態において、エンドキャップ50は、透光性樹脂材料によって構成されている。この場合、エンドキャップ50は、光拡散材が内部に分散された拡散部材とすることができる。このようなエンドキャップ50は、光拡散材を混合した透光性樹脂材料を所定形状に樹脂成型することによって作製することができる。光拡散材としては、シリカ粒子等の光反射性微粒子を用いることができる。
【0055】
なお、透光性及び拡散性を有するエンドキャップ50としては、内部に光拡散材を分散させるのではなく、透明なエンドキャップの表面(内面又は外面)に光拡散材等を含む乳白色の光拡散膜を形成することによって構成されていてもよい。また、エンドキャップ50は、光拡散材を用いるのではなく、拡散加工を施すことによって光拡散性を有するように構成されていてもよい。例えば、エンドキャップ50は、シボ加工等の表面処理を施すことによって透明なエンドキャップの表面に微小凹凸を形成したり、透明なエンドキャップの表面にドットパターンを印刷したりすることによって光拡散性を有するように構成されていてもよい。なお、エンドキャップ50は、拡散加工する場合であっても、光拡散性を高めるために、さらに光拡散材を含有させてもよい。
【0056】
エンドキャップ50は、拡散カバー30と同じ材料によって構成されていてもよいし、拡散カバー30と異なる材料によって構成されていてもよい。
【0057】
また、主部51は、透光性を有していなくてもよい。この場合、エンドキャップ50の全体が透光性を有していなくてもよい。例えば、非透光性のエンドキャップ50としては、遮光性(光吸収性)又は光反射性を有するものが例示される。この場合、エンドキャップ50は、例えば、白色、黒色又は有色の樹脂材料によって構成される。また、エンドキャップ50は、透光性を有する部分と非透光性とを有する部分とを有していてもよい。
【0058】
主部51の正面視形状は、例えば、全体として扁平状の蒲鉾形状である。したがって、
図11に示すように、主部51のZ軸方向における一方側の外形は、拡散カバー30の形状に沿うように円弧状に湾曲した湾曲形状になっている。
【0059】
板状の主部51の厚さは、一定である。一例として、主部51の厚さは、1mm~10mmであるが、これに限らない。なお、主部51の厚さは、主部51の全領域で一定としたが、これに限らない。
【0060】
図10に示すように、主部51は、当該主部51の厚み方向の面として外側面51aと内側面51bとを有する。エンドキャップ50において、内側面51bは、LED20側の端面であり、外側面51aは、LED20側とは反対側の端面である。外側面51a及び内側面51bは、平坦面である。
【0061】
上記のように、本実施の形態では、主部51の全体が透光性を有するので、LED20から出射して主部51に入射する光は主部51の全体を透過する。したがって、主部51の内側面51bは、LED20の光が入射する光入射面となり、主部51の外側面51aは、LED20の光が外部に出射する光出射面となる。つまり、LED20の光が主部51を透過することで、主部51の外側面51aは疑似発光面となる。
【0062】
また、
図10に示すように、主部51は、外側面51a及び内側面51bがともに主部51の他の部位よりも内側に位置する部位(内側部位)を有する。すなわち、主部51では、内側部位の外側面51aが内側部位とは異なる部位である他の部位の外側面51aよりも内側に位置しており、かつ、内側部位の内側面51bが他の部位の外側面51aよりも内側に位置している。
【0063】
本実施の形態において、主部51は、内側部位として、外側面51a及び内側面51bがともに拡散カバー30の一方の端部よりも内側(LED20側)に位置する部位を有する。つまり、主部51は、外側面51a及び内側面51bがともに拡散カバー30の一方の端部よりもLED20側に後退した部位を有する。さらに、本実施の形態では、主部51の内側部位は、外側面51a及び内側面51bがともにエンドキャップ50の端面よりも内側に位置している。
図10において、一点鎖線は、拡散カバー30の一方の端部(第1エンドキャップ50aが取り付けられた側の端部)を示している。
【0064】
なお、第1エンドキャップ50aと第2エンドキャップ50bとは逆向きの関係で配置されているので、第1エンドキャップ50a及び第2エンドキャップ50bについては、いずれも、主部51における外側面51a及び内側面51bが拡散カバー30の端部よりも内側に位置する部位を有する。
【0065】
図10~
図12に示すように、主部51の外側面51aは、拡散カバー30の長手方向(Y軸方向)に平行な断面における包絡線の少なくとも一部が湾曲している。同様に、主部51の内側面51bは、拡散カバー30の長手方向に平行な断面における包絡線の少なくとも一部が湾曲している。本実施の形態において、主部51における外側面51a及び内側面51bの各々は、内側に凹むように全体として凹状に湾曲している。一例として、主部51における外側面51aは、パラボラ形状である。
【0066】
また、本実施の形態において、主部51は、Z軸方向である高さ方向では上側部分が下側部分よりも内側に後退するように全体的に傾斜し、かつ、X軸方向である幅方向では中央部分が周辺部分よりも内側に後退するように、全体的に湾曲した形状になっている。
【0067】
図12の(d)に示すように、主部51は、高さ方向(Z軸方向)に沿って湾曲している。また、主部51におけるZ軸方向の上端部の端縁は、幅方向(X軸方向)に沿って湾曲している。つまり、主部51における外側面51a及び内側面51bは、Z軸方向にもX軸方向にも湾曲しており、外側面51a及び内側面51bが湾曲面になっている。主部51の外側面51aの曲率半径は、例えば、100mm~500mmであるが、これに限らない。
【0068】
また、
図10及び
図12に示すように、主部51は、上側部分が下側部分よりも内側に後退した内側部位になっているが、本実施の形態では、主部51の上側の中央部の端縁が、拡散カバー30の長手方向の端面から最も後退している。主部51の上側の中央部の端縁において、拡散カバー30の長手方向の端面からの後退量(窪み量)は、例えば1mm~10mmである。本実施の形態において、この後退量は、3mmである。
【0069】
接続部52は、主部51の内側面51bに立設するように形成されている。接続部52は、主部51の外周部のうちの湾曲部分に形成されている。つまり、接続部52は、拡散カバー30の本体部31に対応する部分に形成されている。
【0070】
本実施の形態において、接続部52は、拡散カバー30に直接接続されている。具体的には、接続部52は、拡散カバー30の本体部31と嵌合しており、拡散カバー30の本体部31に接触している。なお、接続部52と拡散カバー30とは、間接的に接続されていてもよい。例えば、接続部52を囲むようにリング状のパッキンを配置する等して、接続部52と拡散カバー30とを間接的に接続してもよい。また、パッキンを用いる場合、主部51の内側面51bの外周端部と拡散カバー30の本体部31の端面との間に挿入してもよい。
【0071】
なお、エンドキャップ50が有する接続部は、板状の主部51の一部であってもよい。つまり、主部51の内側面51bにおける拡散カバー30との接続部分が接続部であってもよい。この場合、エンドキャップ50は、本実施の形態のように、立設する接続部52を有していなくてもよいし、別途有していてもよい。
【0072】
このように構成されるエンドキャップ50は、拡散カバー30との間に隙間が生じないように設けられている。具体的には、エンドキャップ50は、接続部52が拡散カバー30の内面に接するようにして拡散カバー30の開口端部に嵌め込まれている。これにより、エンドキャップ50の主部51の外周端縁と拡散カバー30の外周面とが連続した面となる。なお、エンドキャップ50と拡散カバー30とは、接着剤により固着されていてもよい。
【0073】
次に、本実施の形態に係るLED照明器具1及びLED照明装置3の効果について、
図13及び
図14を用いて説明する。
図13は、天井100に設置された実施の形態に係るLED照明器具1が点灯している状態を示す断面図である。
図14は、実施の形態に係るLED照明器具1において、器具本体2からLED照明装置3を取り外すときの様子を示す図である。
【0074】
図13に示すように、本実施の形態におけるLED照明器具1では、エンドキャップ50の主部51が透光性を有しているので、LED20から出射した光はエンドキャップ50を透過する。具体的には、LED20から出射してエンドキャップ50の主部51の内側面51bに入射する光は、主部51を透過して主部51の外側面51aからエンドキャップ50の外部に出射する。
【0075】
このとき、本実施の形態におけるLED照明装置3では、エンドキャップ50の主部51における外側面51a及び内側面51bがともに拡散カバー30の一方の端部よりも内側に位置する部位を有している。これにより、LED20から出射してエンドキャップ50を透過する光の配光が制御される。したがって、LED照明装置3(拡散カバー30)の長手方向の端部周辺を所望の明かりの雰囲気にすることができる。例えば、LED20からの光を拡散カバー30だけではなくエンドキャップ50にも当てることで、天井面への拡散光を増やすことができるので、明るさ感を向上させることができる。
【0076】
この場合、本実施の形態では、主部51の外側面51a及び内側面51bが、拡散カバー30の長手方向に平行な断面における包絡線の少なくとも一部が湾曲している。具体的には、主部51の外側面51a及び内側面51bは、内側に凹むように全体として凹状に湾曲する湾曲面になっている。これにより、外側面51a及び内側面51bの湾曲の形状に応じて、エンドキャップ50を透過する光の配光が制御される。例えば、主部51における外側面51a及び内側面51bの曲率半径を変えることで、エンドキャップ50を透過する光の配光を制御することができる。例えば、天井面への拡散光を増やすように配光を制御することで、明るさ感を一層向上させることができる。
【0077】
さらに、LED20から出射する光がエンドキャップ50を透過することで、LED照明器具1又はLED照明装置3を長手方向に複数隣接して並べたときに、隣り合う2つのLED照明装置3の連結部分における非発光領域を無くすことができる。これにより、LED照明器具1又はLED照明装置3を長手方向に複数隣接して並べたときに、並べられた複数のLED照明装置3における明暗差(照度ムラ)及び色ムラを緩和することができる。
【0078】
また、本実施の形態におけるLED照明器具1では、LED照明装置3は、器具本体2に対して着脱自在である。したがって、
図14の(a)に示すように、器具本体2にLED照明装置3が保持されている場合、
図14の(b)に示すように、LED照明装置3を器具本体2からZ軸方向に分離することで取り外すことができる。この場合、ユーザは、LED照明装置3の長手方向の両端(つまりエンドキャップ50)を手で押さえてLED照明装置3を両手で挟むようにしてLED照明装置3を器具本体2から取り外す。
【0079】
このとき、本実施の形態におけるLED照明装置3では、エンドキャップ50の主部51は、外側面51a同士及び内側面51b同士がともに主部51の他の部位よりも内側に位置する部位(内側部位)を有する。具体的には、主部51は、その内側部位として、外側面51a及び内側面51bがともに拡散カバー30の一方の端部及びエンドキャップ50の端面よりも内側に位置する部位を有する。
【0080】
この構成により、エンドキャップ50の主部51の一部(内側部位)は、他の部位よりも内側に位置するので、エンドキャップ50の主部51に指が引っ掛かりやすくなる。これにより、エンドキャップ50を指で保持する保持力が向上する。したがって、器具本体2からLED照明装置3を容易に取り外すことができる。
【0081】
本実施の形態において、主部51の外側面51aが内側に凹むように全体として凹状に湾曲する湾曲面になっている。これにより、ユーザは、主部51の外側面51a(湾曲面)に沿わせるように指でエンドキャップ50を押さえることで、拡散カバー30の長手方向の端面よりも内側に指の一部が入ることになる。このため、エンドキャップ50を指で保持する保持力を効果的に向上させることができるので、LED照明装置3を一層容易に取り外すことができる。
【0082】
また、主部51の外側面51aの全てが、拡散カバー30の端部よりも内側に位置しているとよい。これにより、エンドキャップ50における指の引っ掛かり部分が大きくなるので、LED照明装置3を一層容易に取り外すことができる。
【0083】
なお、主部51の上側の中央部の端縁における拡散カバー30の長手方向の端面からの後退量が少なくとも1mmあれば、垂直平板である従来のエンドキャップに比べて、エンドキャップ50を指で保持する保持力を向上させることができる。
【0084】
また、このような構成のエンドキャップ50を用いることで、器具本体2からLED照明装置3を容易に取り外すことができるだけではなく、LED照明装置3を器具本体2に容易に取り付けることもできる。
【0085】
このように、本実施の形態におけるLED照明器具1では、エンドキャップ50の主部51における外側面51a及び内側面51bがともに拡散カバー30の一方の端部よりも内側に位置する部位を有しているので、エンドキャップ50から外部に出射する光の配光を制御できるだけではなく、LED照明装置3を容易に着脱させることができる。
【0086】
以上説明したように、本実施の形態に係るLED照明器具1及びLED照明装置3は、長尺状の基板10と、基板10の長手方向に沿って配置された複数のLED20と、複数のLED20を覆う長尺状の拡散カバー30と、拡散カバー30の長手方向の一方の端部側に設けられたエンドキャップ50と、を備えており、エンドキャップ50は、板状の主部51を有し、主部51は、外側面51a同士及び内側面51b同士がともに主部51の他の部位よりも内側に位置する部位(内側部位)を有する。本実施の形態では、主部51は、その内側部位として、外側面51a及び内側面51bがともに拡散カバー30の一方の端部又はエンドキャップ50の端面よりも内側に位置する部位を有する。
【0087】
この構成により、器具本体2に対するLED照明装置3の着脱を容易に行うことができる。
【0088】
しかも、本実施の形態におけるLED照明装置3では、主部51の全部又は一部が透光性を有する。
【0089】
この構成により、LED20の光がエンドキャップ50の主部51を透過して外部に出射する。これにより、LED照明装置3の長手方向の端部周辺を所望の明かりの雰囲気にすることができるとともに、器具本体2に対するLED照明装置3の着脱を容易に行うことができる。
【0090】
特に、本実施の形態におけるLED照明装置3では、エンドキャップ50の主部51における外側面51a及び内側面51bが、拡散カバー30の長手方向に平行な断面における包絡線の少なくとも一部が湾曲している。具体的には、主部51の外側面51a及び内側面51bは、内側に凹むように全体として凹状に湾曲する湾曲面になっている。
【0091】
これにより、天井面等への拡散光を増やすように配光を制御することで、明るさ感を向上させることができる。また、エンドキャップ50の主部51における外側面51aが凹状の湾曲面になっていることで、LED照明装置3の意匠性を向上させることもできる。
【0092】
(変形例1)
次に、変形例1について、
図15を用いて説明する。
図15は、変形例1に係るエンドキャップ50Aの構成を示す図である。
【0093】
上記実施の形態におけるエンドキャップ50では、主部51における外側面51aがパラボラ形状になっていて、主部51の外側面51aが高さ方向(Z軸方向)及び幅方向(X軸方向)にも湾曲していた。
【0094】
これに対して、本変形例におけるエンドキャップ50Aでは、
図15に示すように、主部51における外側面51aが円錐断面状になっていて、主部51の外側面51aが高さ方向(Z軸方向)では傾斜し、幅方向(X軸方向)では湾曲していている。
【0095】
本変形例におけるエンドキャップ50Aにおいても、上記実施の形態と同様に、主部51における外側面51a及び内側面51bがともに拡散カバー30の端部よりも内側に位置する部位を有する。したがって、上記実施の形態と同様の効果を奏する。
【0096】
(変形例2)
次に、変形例2について、
図16及び
図17を用いて説明する。
図16は、変形例2に係るエンドキャップ50Bの構成を示す図である。
図17は、変形例2に係るLED照明器具1Bの構成を示す図である。
【0097】
本変形例に係るLED照明器具1B及びLED照明装置3Bは、上記実施の形態に係るLED照明器具1及びLED照明装置3において、エンドキャップ50を、
図16に示される形状のエンドキャップ50Bに変更した構成になっている。
【0098】
図16に示されるエンドキャップ50Bは、上記実施の形態におけるエンドキャップ50と同様に、主部51が全体的に湾曲する形状になっていて主部51の外側面51aが内側に凹むように全体として凹状に湾曲している。
【0099】
また、上記実施の形態におけるエンドキャップ50では、主部51における外側面51a及び内側面51bが平坦面であったが、本変形例におけるエンドキャップ50Bでは、主部51における外側面51a及び内側面51bが階段状に形成された段差面になっている。このように、本変形例におけるエンドキャップ50Bでは、主部51が複数の段差を有するように形成されている。
【0100】
そして、
図16に示されるエンドキャップ50Bにおいても、
図17に示すように、主部51における外側面51a及び内側面51bがともに拡散カバー30の端部よりも内側に位置する部位を有するようになっている。したがって、
図17に示されるLED照明器具1B及びLED照明装置3Bは、上記実施の形態と同様の効果を奏する。
【0101】
さらに、本変形例におけるエンドキャップ50Bでは、主部51の外側面51aが段差面になっているので、LED照明装置3Bの長手方向の端部周辺の明かりの雰囲気に特徴を持たせることができるとともに、エンドキャップ50Bにさらに指が引っ掛かりやすくなるのでLED照明装置3Bの着脱をさらに容易に行うことができる。
【0102】
(変形例3)
次に、変形例3について、
図18及び
図19を用いて説明する。
図18は、変形例3に係るエンドキャップ50Cの構成を示す図である。
図19は、変形例3に係るLED照明器具1Cの構成を示す図である。
【0103】
本変形例に係るLED照明器具1C及びLED照明装置3Cは、上記実施の形態に係るLED照明器具1及びLED照明装置3において、エンドキャップ50を、
図18に示される形状のエンドキャップ50Cに変更した構成になっている。
【0104】
図18に示されるエンドキャップ50Cは、上記実施の形態におけるエンドキャップ50と同様に、主部51が湾曲する部分を有しているが、上記実施の形態におけるエンドキャップ50とは異なり、主部51が外側に向かって凸となるように湾曲する部分を有する。
【0105】
具体的には、上記実施の形態におけるエンドキャップ50では、主部51の外側面51a及び51bが内側に凸となるように全体として凸状に湾曲していたが、本変形例におけるエンドキャップ50Cでは、主部51の外側面51a及び内側面51bが外側に凸となるように全体として凸状に湾曲している。一例として、エンドキャップ50Cの主部51は、パラボラ形状である。
【0106】
さらに、本変形例におけるエンドキャップ50Cは、主部51の外側面51aの周辺部にフランジ部53を有しており、主部51における接続部52付近の部位が他の部位よりも内側に位置する形状になっている。なお、主部51の外側面51aの全てが拡散カバー30の端部よりも内側に位置しているとよい。つまり、主部51の外側面51aは、拡散カバー30の端面からはみ出していないようになっているとよい。本変形例において、主部51の外側面51aの全ては、フランジ部53の先端よりも内側に位置している。
【0107】
そして、
図18に示されるエンドキャップ50Cにおいても、
図19に示すように、主部51における外側面51a及び内側面51bがともに拡散カバー30の端部よりも内側に位置する部位を有するようになっている。したがって、
図19に示されるLED照明器具1C及びLED照明装置3Cは、上記実施の形態と同様の効果を奏する。
【0108】
さらに、本変形例におけるエンドキャップ50Cでは、主部51の外側面51a及び内側面51bが外側に凸となるように全体として凸状に湾曲している。これにより、本変形例におけるLED照明装置3Cでは、LED20から出射してエンドキャップ50Cを透過する光を、上記実施の形態におけるLED照明装置3とは異なる配光にすることができる。
【0109】
しかも、本変形例におけるエンドキャップ50Cは、主部51の外側面51aの周辺部にフランジ部53を有しているので、上記実施の形態1と比べて、エンドキャップ50Cに指が引っ掛かりやすくなる。これにより、LED照明装置3Cの着脱をさらに容易に行うことができる。
【0110】
(変形例4)
次に、変形例4について、
図20を用いて説明する。
図20は、変形例4に係るLED照明器具1Dの構成を示す図である。
【0111】
図10に示すように、上記実施の形態におけるLED照明器具1及びLED照明装置3では、エンドキャップ50の主部51の一部分のみが拡散カバー30の端部よりも内側に位置していたが、
図20に示すように、本変形例におけるLED照明器具1D及びLED照明装置LED3Dでは、エンドキャップ50Dの主部51の全てが、拡散カバー30の端部よりも内側に位置している。本変形例においても、主部51の全体が湾曲しており、主部51の外側面51aは、湾曲面になっている。
【0112】
なお、それ以外の構成については、本変形例におけるLED照明器具1D及びLED照明装置3Dは、上記実施の形態におけるLED照明器具1及びLED照明装置3と同じである。
【0113】
したがって、本変形例に係るLED照明器具1D及びLED照明装置3Dについても、上記実施の形態におけるLED照明器具1及びLED照明装置3と同様の効果を奏する。
【0114】
(変形例5)
次に、変形例5について、
図21を用いて説明する。
図21は、変形例5に係るLED照明器具1Eの構成を示す図である。
【0115】
図10に示すように、上記実施の形態におけるLED照明器具1及びLED照明装置3では、エンドキャップ50の主部51は、外側面51a及び内側面51bがともに拡散カバー30の端部よりも内側に位置する部位を有していたが、本変形例におけるLED照明器具1D及びLED照明装置LED3Dでは、エンドキャップ50Eの主部51は、外側面51a及び内側面51bがともに拡散カバー30の端部よりも内側に位置する部位を有していない。
【0116】
本変形例におけるLED照明器具1D及びLED照明装置LED3Dでは、上記実施の形態におけるLED照明器具1及びLED照明装置3と同様に、エンドキャップ50Eの主部51Eは、外側面51a及び内側面51bがともにエンドキャップ50Eの端面よりも内側に位置する部位を有する。
【0117】
つまり、本変形例におけるLED照明器具1D及びLED照明装置LED3Dでは、外側面51a同士及び内側面51b同士がともに主部51の他の部位よりも内側に位置する内側部位として、外側面51a及び内側面51bがともにエンドキャップ50Eの端面よりも内側に位置する部位を有する。本変形例においても、主部51の全体が湾曲しており、主部51の外側面51aは、湾曲面になっている。
【0118】
なお、それ以外の構成については、本変形例におけるLED照明器具1E及びLED照明装置3Eは、上記実施の形態におけるLED照明器具1及びLED照明装置3と同じである。
【0119】
したがって、本変形例に係るLED照明器具1E及びLED照明装置3Eについても、上記実施の形態におけるLED照明器具1及びLED照明装置3と同様の効果を奏する。
【0120】
なお、
図22に示されるLED照明器具1F及びLED照明装置3Fのように、エンドキャップ50Fの主部51の湾曲度合いが、エンドキャップ50Eの主部51の湾曲度合いよりも緩くなっていてもよい。つまり、
図22に示されるエンドキャップ50Fの主部51の曲率が、
図21に示されるエンドキャップ50Eの主部51の曲率よりも小さくなっていて、エンドキャップ50Fの主部51における内側部位の後退量が僅かなものであってもよい。
【0121】
(その他の変形例)
以上、本発明に係るLED照明器具及びLED照明装置について、実施の形態及び変形例に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施の形態及び変形例に限定されるものではない。
【0122】
例えば、上記実施の形態において、エンドキャップ50の主部51は、外側面51a及び内側面51bのうちの少なくとも一方にLED20の光の向きを偏向するプリズムを有していてもよい。これにより、LED20から出射してエンドキャップ50を透過する光が所望の配光となるように容易に制御することができる。
【0123】
また、上記実施の形態において、第1エンドキャップ50a及び第2エンドキャップ50bは、逆向きに配置したが、これに限らない。つまり、第1エンドキャップ50a及び第2エンドキャップ50bは、同じ向きに配置してもよい。
【0124】
また、上記実施の形態において、第1エンドキャップ50a及び第2エンドキャップ50bは、同じ形状のものを用いたが、これに限らない。例えば、上記実施の形態、変形例1~3のエンドキャップを適宜組みあわせて、第1エンドキャップ50aと第2エンドキャップ50bとで異なる形状のエンドキャップを用いてもよい。
【0125】
また、上記実施の形態では、LED20としてLEDチップがパッケージに実装されたSMDタイプのLED素子を用いており、基板10とLED20とからなる発光モジュールがSMDタイプのLEDモジュールであったが、これに限らない。例えば、基板10とLED20とからなる発光モジュールは、COB(Chip On Board)タイプのLEDモジュールであってもよい。この場合、LED20として、LEDチップ(ベアチップ)そのものを用いて、基板10に複数のLED20(LEDチップ)を直線状に配列し、封止部材(例えば蛍光体含有樹脂)によって複数のLED20を一括又は個別に封止すればよい。
【0126】
また、上記実施の形態では、拡散性及び透光性を有する拡散カバー30を用いたが、これに限らない。例えば、拡散カバー30に代えて、拡散性及び透光性のうち透光性のみを有する透光カバーを用いてもよい。この場合、透光カバーとして、向こう側が透けて見えるくらいに透過率が高い透明カバーを用いてもよい。
【0127】
その他、上記各実施の形態に対して当業者が思い付く各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0128】
1、1B、1C、1D、1E、1F LED照明器具
2 器具本体
3、3B、3C、3D、3E、3F LED照明装置
10 基板
20 LED
30 拡散カバー
40 支持部材
50、50A、50B、50C、50D、50E、50F エンドキャップ
50a 第1エンドキャップ
50b 第2エンドキャップ
51 主部
51a 外側面
51b 内側面
52 接続部