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特許7325024宅配ボックス、宅配システム、及び宅配方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-03
(45)【発行日】2023-08-14
(54)【発明の名称】宅配ボックス、宅配システム、及び宅配方法
(51)【国際特許分類】
   A47G 29/12 20060101AFI20230804BHJP
   B64F 3/02 20060101ALI20230804BHJP
   B64F 1/36 20170101ALI20230804BHJP
【FI】
A47G29/12 Z
B64F3/02
B64F1/36
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021515821
(86)(22)【出願日】2020-02-17
(86)【国際出願番号】 JP2020006120
(87)【国際公開番号】W WO2020217662
(87)【国際公開日】2020-10-29
【審査請求日】2021-10-14
(31)【優先権主張番号】P 2019086739
(32)【優先日】2019-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上野 喜昭
【審査官】村山 達也
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-515296(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0183528(US,A1)
【文献】特開2008-054424(JP,A)
【文献】米国特許第09387928(US,B1)
【文献】特開2017-071233(JP,A)
【文献】特開2019-034676(JP,A)
【文献】特開2007-18336(JP,A)
【文献】特開2017-144159(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 29/12
B64F 3/02
B64F 1/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面を含み、前記上面に開口部を有するケースと、
前記開口部を開閉する扉と、
前記扉を駆動して前記開口部を閉状態と開状態とのいずれか一方にする扉駆動部と、
前記扉駆動部の動作を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、荷物を搬送する飛行体が前記開口部の周囲の所定の位置に到着したことが検知されると、前記扉駆動部に前記開口部を前記開状態にさせ、前記飛行体が前記開口部を通して前記荷物を前記ケースに投入したことが検知されると、前記扉駆動部に前記開口部を前記閉状態にさせ、
前記ケースの内部の収容スペースが空いているか否かを検知するセンサを更に備え、
前記センサは、前記荷物が前記ケースに投入されたか否かを更に検知し、
前記制御部は、前記上面への前記飛行体の退避要請を示す退避通知信号が入力されると、前記扉駆動部に前記開口部を前記閉状態に維持させる、
宅配ボックス。
【請求項2】
前記飛行体に給電する無線給電装置を更に備え、
前記制御部は、前記飛行体への充電要請を示す信号が入力されると、前記扉駆動部に前記開口部を前記閉状態にさせた状態で、前記無線給電装置から前記飛行体に給電させる、
請求項1に記載の宅配ボックス。
【請求項3】
前記ケースの前記上面は、前記飛行体が着陸するスペースを有し、
前記無線給電装置は、電力を外部に送電する送電部を有し、
前記送電部は、前記ケースの前記上面に設けられている、
請求項2に記載の宅配ボックス。
【請求項4】
前記無線給電装置は、前記送電部を複数有し、
前記ケースの前記上面は、前記開口部の周縁に、前記飛行体が着陸する前記スペースを有し、
前記複数の送電部は、前記開口部の前記周縁に沿った周方向において互いに異なる位置
に配置されている、
請求項3に記載の宅配ボックス。
【請求項5】
外部からの信号を受信する受信部を更に備え、
前記制御部は、前記飛行体が前記所定の位置に到着したことを示す到着通知信号を前記受信部が受信すると、前記扉駆動部に前記開口部を前記開状態にさせる、
請求項1~4のいずれか一項に記載の宅配ボックス。
【請求項6】
前記飛行体が前記所定の位置に到着したか否かを検知する到着検知部を更に備え、
前記制御部は、前記飛行体が前記所定の位置に到着したことを前記到着検知部が検知すると、前記扉駆動部に前記開口部を前記開状態にさせる、
請求項1~4のいずれか一項に記載の宅配ボックス。
【請求項7】
前記到着検知部の検知結果を管理端末に送信する送信部を更に備える、
請求項6に記載の宅配ボックス。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の宅配ボックスと、
前記飛行体と、を備える、
宅配システム。
【請求項9】
管理端末を更に備え、
前記宅配ボックスは、外部からの信号を受信する受信部を更に備え、
前記制御部は、前記飛行体が前記所定の位置に到着したことを示す到着通知信号を前記受信部が受信すると、前記扉駆動部に前記開口部を前記開状態にさせ、
前記飛行体は、
前記飛行体が前記所定の位置に到着したか否かを検知する到着検知部と、
前記到着検知部の検知結果を前記管理端末に送信する送信部と、を備え、
前記管理端末は、前記飛行体が前記所定の位置に到着したことを示す前記検知結果を前記送信部から受信すると、前記受信部に前記到着通知信号を送信する、
請求項8に記載の宅配システム。
【請求項10】
前記宅配ボックスは、外部からの信号を受信する受信部を更に備え、
前記制御部は、前記飛行体が前記所定の位置に到着したことを示す到着通知信号を前記受信部が受信すると、前記扉駆動部に前記開口部を前記開状態にさせ、
前記飛行体は、
前記飛行体が前記所定の位置に到着したか否かを検知する到着検知部と、
前記飛行体が前記所定の位置に到着したことを前記到着検知部が検知すると、前記受信部に前記到着通知信号を送信する送信部と、を備える、
請求項8に記載の宅配システム。
【請求項11】
前記宅配ボックスは、前記受信部が前記到着通知信号を受信すると前記飛行体が前記所定の位置に到着したことを示す信号を管理端末に送信する送信部を更に備える、
請求項10に記載の宅配システム。
【請求項12】
前記宅配ボックスを複数備え、
前記飛行体の退避の要否を判定する判定部と、
前記判定部において前記飛行体の退避を要すると判定された際に前記複数の宅配ボックスの中から前記飛行体の退避先を決定する決定部と、
前記決定部で決定された前記退避先を前記飛行体に通知する第1通知部と、
前記複数の宅配ボックスのうち前記退避先に該当する対象宅配ボックスに、前記退避通知信号を送信する第2通知部と、を備え、
前記飛行体は、前記第1通知部からの前記退避先の通知を受け付ける通信部を備え、
前記対象宅配ボックスに前記退避通知信号が入力されると、前記制御部は、前記扉駆動部に前記開口部を前記閉状態に維持させる、
請求項8~11のいずれか一項に記載の宅配システム。
【請求項13】
上面を含み、前記上面に開口部を有するケースと、
前記開口部を開閉する扉と、
前記扉を駆動して前記開口部を閉状態と開状態とのいずれか一方にする扉駆動部と、
センサと、を備える宅配ボックスに荷物を搬送する宅配方法であって、
前記荷物を搬送する飛行体が前記開口部の周囲の所定の位置に到着したことが検知されると、前記扉駆動部に前記開口部を前記開状態にさせる処理と、
前記飛行体が前記開口部を通して前記荷物を前記ケースに投入したことが検知されると、前記扉駆動部に前記開口部を前記閉状態にさせる処理と、
前記ケースの内部の収容スペースが空いているか否か、及び、前記荷物が前記ケースに投入されたか否かを、前記センサで検知する処理と、
前記上面への前記飛行体の退避要請を示す退避通知信号が前記宅配ボックスに入力されると、前記扉駆動部に前記開口部を前記閉状態に維持させる処理と、を含む、
宅配方法。
【請求項14】
前記宅配ボックスは複数設けられ、
前記飛行体の退避の要否を判定する判定処理と、
前記判定処理において前記飛行体の退避を要すると判定された際に前記複数の宅配ボックスの中から前記飛行体の退避先を決定する決定処理と、
前記複数の宅配ボックスのうち前記退避先に該当する対象宅配ボックスに前記退避通知信号を入力する処理と、を更に含む、
請求項13に記載の宅配方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般に宅配ボックス、宅配システム及び宅配方法に関し、より詳細には、飛行体と共に用いることが可能な宅配ボックス、この宅配ボックスを備える宅配システム及び、飛行体を用いた宅配方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ドローン等の飛行体に荷物を保持させて宅配ボックスまで搬送させるサービスに関連した技術開発が進められている(例えば、特許文献1)。特許文献1に記載の無人航空機(飛行体)は、撮像部と、判定部と、飛行制御部と、を備える。判定部は、撮像部が撮像した画像を解析し、当該画像から所定の認証情報が所定のタイミングで検出された場合に、当該認証情報を提示する提示装置が正当であると判定する。飛行制御部は、判定部が正当であると判定した提示装置に対して、無人航空機の飛行を制御する。
【0003】
しかしながら、特許文献1には、宅配ボックスに荷物を投入するための具体的な構成については記載されていない。
【0004】
仮に、飛行体が宅配ボックスに荷物を投入できるようにするために宅配ボックスの扉を開放したままにしておくと、投入された荷物が盗難に遭う可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2018-43698号公報
【発明の概要】
【0006】
本開示は、防犯性を向上させることができる宅配ボックス、宅配システム及び宅配方法を提供することを目的とする。
【0007】
本開示の一態様に係る宅配ボックスは、上面を含み、前記上面に開口部を有するケースと、前記開口部を開閉する扉と、扉駆動部と、前記扉駆動部の動作を制御する制御部と、を備える。前記扉駆動部は、前記扉を駆動して前記開口部を閉状態と開状態とのいずれか一方にする。前記制御部は、荷物を搬送する飛行体が前記開口部の周囲の所定の位置に到着したことが検知されると、前記扉駆動部に前記開口部を前記開状態にさせ、前記飛行体が前記開口部を通して前記荷物を前記ケースに投入したことが検知されると、前記扉駆動部に前記開口部を前記閉状態にさせる。前記宅配ボックスは、センサを更に備える。前記センサは、前記ケースの内部の収容スペースが空いているか否かを検知する。前記センサは、前記荷物が前記ケースに投入されたか否かを更に検知する。前記制御部は、前記上面への前記飛行体の退避要請を示す退避通知信号が入力されると、前記扉駆動部に前記開口部を前記閉状態に維持させる。
【0008】
本開示の一態様に係る宅配システムは、前記宅配ボックスと、前記飛行体と、を備える。
【0011】
本開示の一態様に係る宅配方法は、宅配ボックスに荷物を搬送する方法である。前記宅配ボックスは、上面を含み、前記上面に開口部を有するケースと、前記開口部を開閉する扉と、扉駆動部と、センサと、を備える。前記扉駆動部は、前記扉を駆動して前記開口部を閉状態と開状態とのいずれか一方にする。前記宅配方法は、前記荷物を搬送する飛行体が前記開口部の周囲の所定の位置に到着したことが検知されると、前記扉駆動部に前記開口部を前記開状態にさせる処理と、前記飛行体が前記開口部を通して前記荷物を前記ケースに投入したことが検知されると、前記扉駆動部に前記開口部を前記閉状態にさせる処理と、を含む。前記宅配方法は、前記ケースの内部の収容スペースが空いているか否か、及び、前記荷物が前記ケースに投入されたか否かを、前記センサで検知する処理を更に含む。前記宅配方法は、前記上面への前記飛行体の退避要請を示す退避通知信号が前記宅配ボックスに入力されると、前記扉駆動部に前記開口部を前記閉状態に維持させる処理を更に含む。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、一実施形態に係る宅配システムのイメージ図である。
図2図2は、同上の宅配システムのブロック図である。
図3図3は、同上の宅配システムの宅配ボックスの斜視図である。
図4図4は、同上の宅配システムの宅配ボックスの側断面図である。
図5図5は、同上の宅配システムの宅配ボックスの正断面図である。
図6図6は、同上の宅配システムの管理端末の動作例を示すフローチャートである。
図7図7は、同上の宅配システムの管理端末の動作例を示すフローチャートである。
図8図8は、同上の宅配システムの宅配ボックスの動作例を示すフローチャートである。
図9図9は、同上の宅配システムの宅配ボックスの動作例を示すフローチャートである。
図10図10は、同上の宅配システムの飛行体の動作例を示すフローチャートである。
図11図11は、同上の宅配システムの飛行体の動作例を示すフローチャートである。
図12図12A図12Dは、同上の宅配システムにおいて飛行体が荷物を宅配ボックスへ投入する動作の流れを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、実施形態に係る宅配ボックス2、飛行体5及び、宅配ボックス2と飛行体5とを備えた宅配システム1について、図面を用いて説明する。ただし、下記の実施形態は、本開示の様々な実施形態の1つに過ぎない。下記の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、下記の実施形態において説明する図1図3図4図5図12A図12Dは、模式的な図であり、図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
【0014】
(1)概要
本実施形態の宅配システム1は、図1図2に示すように、複数(図1では9つ)の宅配ボックス2と、飛行体5と、管理端末7と、を備えている。飛行体5は、無人にて飛行する小型航空機である。本実施形態の飛行体5は、ドローンである。管理端末7は、例えば、パーソナルコンピュータ又はサーバコンピュータ等のコンピュータシステムである。
【0015】
宅配ボックス2、飛行体5及び管理端末7は、電気通信回線(ネットワーク81)を介して互いに通信可能である。
【0016】
管理端末7は、配送センター70に設置されている。管理端末7は、飛行体5の動作を管理する。管理端末7は、例えば、飛行体5の動作内容を指定する指令信号を飛行体5に送信し、これに応じて飛行体5が動作する。このように、飛行体5は、管理端末7による遠隔操作により動作する。また、飛行体5は、飛行体5自身の制御による動作を、遠隔操作による動作と組み合わせて実行する。
【0017】
飛行体5は、配送センター70又はそれ以外の拠点で荷物91を保持し、複数の宅配ボックス2のうち管理端末7により指定された宅配ボックス2へ搬送する。飛行体5は、宅配ボックス2に荷物91を投入した後、配送センター70又はそれ以外の拠点へ移動する。このように、宅配システム1を用いることで、配達員が宅配ボックス2に出向くことなく宅配を行うことができる。本実施形態では、宅配システム1は、飛行体5を複数備えている。1台の管理端末7が複数の飛行体5のうち全ての飛行体5の動作を管理してもよいし、複数台の管理端末7により複数の飛行体5の動作を管理してもよい。以下の実施形態では、特に断りの無い限り、複数の飛行体5のうち任意の1台に着目して説明する。
【0018】
宅配ボックス2は、ケース31と、扉32と、制御部21と、扉駆動部22と、を備えている。ケース31は、開口部310を有している。扉32は、開口部310を開閉可能に構成されている。扉駆動部22は、扉32を駆動して開口部310を閉状態と開状態とのいずれか一方にする。制御部21は、扉駆動部22の動作を制御する。制御部21は、荷物91を搬送する飛行体5が開口部310の周囲の所定の位置に到着(ここでは、着陸)したことが検知されると、扉駆動部22に開口部310を開状態にさせる。制御部21は、飛行体5が開口部310を通して荷物91をケース31に投入したことが検知されると、扉駆動部22に開口部310を閉状態にさせる。
【0019】
本実施形態の宅配ボックス2及び宅配システム1によれば、荷物91をケース31に投入した後にも開口部310を開状態に維持する場合と比較して、防犯性の向上を図ることができる。また、降雨時又は降雪時には、雨又は雪が開口部310からケース31に侵入する可能性を低減させることができる。
【0020】
また、飛行体5は、悪天候等の原因により緊急に着陸を要する場合には、最寄りの宅配ボックス2に着陸する場合がある。この場合は、飛行体5が着陸する宅配ボックス2は、荷物91の搬送先とは異なる宅配ボックス2であることがある。飛行体5が荷物91の搬送先とは異なる宅配ボックス2に着陸する際には、管理端末7から宅配ボックス2に退避通知信号が入力される。宅配ボックス2の制御部21は、退避通知信号が入力されると、扉駆動部22に開口部310を閉状態に維持させる。このように、飛行体5が荷物91の投入を行わない場合に、開口部310を閉状態に維持できるので、宅配ボックス2の防犯性の更なる向上を図ることができる。
【0021】
また、宅配ボックス2は、飛行体5に給電するための無線給電装置23を更に備える。飛行体5は、宅配ボックス2に着陸している際に、無線給電装置23から給電を受けることが可能である。これにより、飛行体5の飛行中に飛行体5の電源が枯渇する可能性を低減できる。また、これにより、飛行体5に搭載する電池56の容量の低減を図ることができ、その結果、電池56の重量の低減を図ることができる。
【0022】
(2)宅配ボックス
宅配ボックス2は、例えば、戸建て住宅、集合住宅、コンビニエンスストア等の店舗、駅、又は、オフィスビル等に設置される。ただし、宅配ボックス2の設置場所はこれらに限定されない。本実施形態では、一例として、宅配ボックス2が集合住宅に設定されていることを想定して説明する。
【0023】
図3図5に示すように、宅配ボックス2のケース31の形状は、直方体状である。ケース31は、内部に収容スペースSP1を有している。ケース31は、上面311と、前面312とを有している。ここで言う「上面」は、宅配ボックス2が設置場所に設置された状態で上となる面を意味する。ここで言う「前面」は、宅配ボックス2が設置場所に設置された状態で鉛直方向に沿う一面であって、利用者が宅配ボックス2から荷物91を取り出す際に利用者が相対する面を意味する。
【0024】
上面311の形状は、正方形状である。上面311は、開口部310を有している。開口部310は、上面311の外周線313に沿って正方形状に形成されている。開口部310は、上面311の外周線313付近の部位を除いた上面311の大部分を占めている。
【0025】
上面311は、飛行体5が着陸するスペースSP2を有する。具体的には、上面311は、開口部310の周縁に、飛行体5が着陸するスペースSP2を有する。すなわち、上面311のうち開口部310を除いた、正方形の枠状のスペースが、着陸用のスペースSP2である。飛行体5の複数のスキッド(脚)64(図1参照)が、開口部310の外側のスペースSP2において上面311に接するようにして、飛行体5が上面311に着陸する。
【0026】
宅配ボックス2は、複数(図3では4つ)の表示部29を更に備えている。4つの表示部29の各々は、上面311に設けられている。各表示部29は、光源を含む。上から見た各表示部29の形状は、三角形状である。各表示部29において、三角形の1つの頂点は、開口部310に対向している。宅配ボックス2が飛行体5の着陸を待ち受けているとき、4つの表示部29は、制御部21の制御により点滅する。飛行体5は、4つの表示部29を認識することにより、4つの表示部29に囲まれたエリアが開口部310であると認識し、その周囲のエリアが着陸用のスペースSP2であると認識する。
【0027】
開口部310は、扉32により開閉される。扉32は、シャッター(鎧戸)である。飛行体5が荷物91を開口部310に投入するときは、開口部310は開状態にされ、それ以外のときは、開口部310は閉状態にされる。開状態は、扉32が開口部310を覆っていない状態である(図12B参照)。閉状態は、扉32が開口部310を覆っている状態である(図12A参照)。開口部310は、扉32が扉駆動部22により巻き取られることで開状態となり、扉32が扉駆動部22により展開されることで閉状態となる。
【0028】
宅配ボックス2は、正面扉33を更に備えている。ケース31の前面312は、開口部3120を有している。正面扉33は、例えば、ヒンジを介してケース31に取り付けられており、開口部3120を開閉可能である。また、宅配ボックス2は、正面扉33を施錠するための施錠装置を更に備えている。飛行体5は、ケース31の上面311の開口部310から荷物91を投入する。一方で、宅配ボックス2の利用者は、正面扉33を開けて、前面312の開口部3120から荷物91を取り出す。
【0029】
宅配ボックス2は、ネット34(網籠)を更に備えている。ネット34は、上端と前側とが開口した箱状に形成され、ケース31の内壁に沿って配置されている。ネット34は、ケース31の内部に吊り下げられている。開口部310から宅配ボックス2に投入される荷物91は、ネット34で受けられる。
【0030】
制御部21(図2参照)は、1以上のプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムにより構成されている。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムを、コンピュータシステムのプロセッサが実行することにより、制御部21の少なくとも一部の機能が実現される。プログラムは、メモリに記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。制御部21は、宅配ボックス2のうち制御部21以外の構成の動作を制御する。
【0031】
扉駆動部22は、例えば、モータを含み、モータの駆動力により扉32を開閉する。扉駆動部22の動作は、制御部21により制御される。
【0032】
図2図5に示すように、宅配ボックス2は、無線給電装置23と、複数(図2では2つ)の光電センサ24(センサ)と、受信部25と、送信部26と、メモリ27と、到着検知部28と、を更に備えている。
【0033】
宅配ボックス2は、例えば、商用電源、分散型電源又は蓄電池等の電源から電力の供給を受けている。無線給電装置23は、電源からの電力により飛行体5に給電する。無線給電装置23は、例えば、電波若しくは赤外線を送波する方式、電磁誘導方式又は磁気共鳴方式により、飛行体5に無線にて給電する。本実施形態では、無線給電装置23の給電方式は電波を送波する方式とする。無線給電装置23は、複数(図3では2つ)の送電部231を有している。2つの送電部231の各々は、電力を外部に送電する。より詳細には、2つの送電部231の各々は、電波の放射面を含む。2つの送電部231は、ケース31の上面311に設けられている。無線給電装置23は、2つの送電部231の各々からマイクロ波等の電波を送波することにより、飛行体5に給電する。なお、無線給電装置23が電磁誘導方式又は磁気共鳴方式により給電する構成の場合は、送電部231は、無線給電を行うためのコイルが配置された部位である。すなわち、コイルで発生する磁界の吹き出し口が、送電部231に相当する。
【0034】
2つの送電部231は、開口部310の周縁に配置されている。2つの送電部231は、開口部310の周縁に沿った周方向において互いに異なる位置に配置されている。より詳細には、2つの送電部231の間には、開口部310が設けられている。更に詳細には、2つの送電部231は、開口部310の周縁において互いに対角となる位置の付近に配置されている。
【0035】
2つの光電センサ24(図5参照)の各々は、投光部241と、受光部242と、を有している。投光部241と受光部242とは、それぞれ投光面及び受光面を収容スペースSP1に露出させる(向ける)形でケース31の内壁に埋め込まれている。より詳細には、投光部241と受光部242とのうち一方は、ケース31のうち右側の内壁に埋め込まれており、投光部241と受光部242とのうち他方は、ケース31のうち左側の内壁に埋め込まれている。本実施形態では、投光部241がケース31のうち左側の内壁に、受光部242がケース31のうち右側の内壁に埋め込まれている。投光部241と受光部242とは、左右方向に向かい合うように配置されている。本実施形態では、宅配ボックス2が設置場所に設置された状態での左右方向は、水平方向に相当する。投光部241は、光を水平方向に照射し、この光を受光部242が受光する。投光部241と受光部242との間に物体が存在すると、投光部241から照射された光が受光部242に到達しないので、受光部242の受光量を閾値と比較することで、投光部241と受光部242との間の物体の有無を検知できる。図5には、投光部241から照射される光の仮想経路R1を図示する。
【0036】
2つの光電センサ24は、上下方向において互いに異なる位置に配置されている。本実施形態では、宅配ボックス2が設置場所に設置された状態での上下方向は、鉛直方向に相当する。
【0037】
2つの光電センサ24はそれぞれ、ケース31の内部の収容スペースSP1が空いているか否かを検知する。すなわち、収容スペースSP1のうち投光部241と受光部242との間の位置に荷物91が存在すると、投光部241から照射された光が荷物91により遮られるので、受光部242は光を受光しない。そのため、受光部242の受光量が閾値を下回ることが、収容スペースSP1が空いていないことの検知に相当する。より詳細には、受光部242の受光量が閾値を下回ることは、少なくとも受光部242よりも下のスペースが空いていないことの検知に相当する。また、受光部242の受光量が閾値以上であることは、収容スペースSP1のうち少なくとも受光部242よりも上のスペースが空いていることの検知に相当する。
【0038】
次の第1条件を満たす場合を想定する。第1条件は、上下方向において互いに異なる位置に配置された2つの光電センサ24のうち、上側に配置された光電センサ24の受光部242の受光量が閾値以上であり、下側に配置された光電センサ24の受光部242の受光量が閾値を下回るという条件である。第1条件を満たす場合は、少なくとも上側の光電センサ24の位置からケース31の上端までのスペースは空いていると考えられる。ただし、第1条件を満たす場合は、少なくともケース31の底面から下側の光電センサ24の位置までに亘って荷物91が存在すると考えられる。すなわち、この場合は、2つの光電センサ24のいずれにおいても受光部242の受光量が閾値以上であるという第2条件を満たす場合よりも、収容スペースSP1の空きスペースの大きさが小さい。
【0039】
また、2つの光電センサ24のいずれにおいても受光部242の受光量が閾値を下回るという第3条件を満たす場合は、第1条件を満たす場合よりも更に空きスペースの大きさが小さい。
【0040】
このように、複数の光電センサ24を用いることで、収容スペースSP1の空きスペースの大きさ(高さ)を多段階(ここでは、3段階)に検知できる。
【0041】
管理端末7から宅配ボックス2に荷物91の受け入れ可否の問い合わせがされると、宅配ボックス2の制御部21は、複数の光電センサ24の出力に基づいて、ケース31の内部の収容スペースSP1が空いているか否かを判定する。ここで、制御部21は、第1条件と第2条件とのうち少なくとも一方が満たされる場合に、荷物91を受け入れ可能と判定してもよいし、第2条件を満たす場合にのみ荷物91を受け入れ可能と判定してもよい。あるいは、制御部21は、管理端末7から荷物91の大きさ(高さ)に関する情報を取得して、複数の光電センサ24により検知された収容スペースSP1の空きスペースの大きさ(高さ)よりも荷物91が小さい場合に、荷物91を受け入れ可能と判定してもよい。
【0042】
また、開口部310が開状態となり、開口部310から荷物91がケース31の内部へ投入されるときに、投光部241から照射された光が荷物91により遮られるので、受光部242は光を受光しない。そのため、受光部242の受光量が閾値以上である状態から閾値を下回った状態となることが、荷物91がケース31に投入されたことの検知に相当する。すなわち、光電センサ24は、荷物91がケース31に投入されたか否かを検知する。制御部21(図2参照)は、荷物91がケース31に投入されたことを光電センサ24が検知すると、扉駆動部22に開口部310を閉状態にさせる。荷物91がケース31に投入されたか否かの検知は、2つの光電センサ24のうち一方のみにより行われてもよいし、両方の光電センサ24により行われてもよい。
【0043】
受信部25(図2参照)は、外部からの信号を受信する。送信部26(図2参照)は、外部に信号を送信する。受信部25及び送信部26は、ネットワーク81(図1参照)に接続するための通信インタフェースと、ネットワーク81を介さずに飛行体5と通信するための通信インタフェースと、により構成されている。受信部25及び送信部26による飛行体5との間の通信方式は、例えば、920MHz帯の特定小電力無線局(免許を要しない無線局)、Wi-Fi(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)等の通信規格に準拠した、電波を媒体とした無線通信である。
【0044】
複数の宅配ボックス2の各々には、個別の識別情報が割り当てられている。メモリ27は、宅配ボックス2の識別情報等を記録している。メモリ27は、制御部21を構成するコンピュータシステムの一部であってもよい。
【0045】
到着検知部28は、例えば、荷重センサ、光電センサ、超音波センサ、近接センサ又はカメラを含む。到着検知部28は、飛行体5が所定の位置に到着したか否かを検知する。本実施形態では、所定の位置は、着陸用のスペースSP2である。また、到着検知部28は、飛行体5が所定の位置から離れたか否かを検知する。本実施形態では、到着検知部28は、飛行体5が着陸用のスペースSP2から離陸したか否かを検知する。
【0046】
より詳細には、本実施形態の到着検知部28は、荷重センサを含む。荷重センサは、着陸した飛行体5から荷重を受け、荷重の大きさを示す検知信号を出力する。荷重センサで検知された荷重の大きさが閾値を超えることが、飛行体5が着陸用のスペースSP2に到着(着陸)したことの検知に相当する。一方で、荷重センサで検知された荷重の大きさが閾値を超えた状態から、閾値以下となることが、飛行体5が着陸用のスペースSP2から離れた(離陸した)ことの検知に相当する。
【0047】
(3)飛行体
図1図2に示すように、飛行体5は、本体部61と、複数(図1では4つ)のプロペラ62と、荷物保持部63と、複数(図1では4つ)のスキッド64と、を備えている。また、飛行体5は、制御部51と、動力部52と、GPS(Global Positioning System)センサ53と、カメラ54と、到着検知部55と、電池56と、電池残量検知部57と、受信部58と、送信部59と、メモリ60と、受電部68と、を備えている。
【0048】
制御部51は、1以上のプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムにより構成されている。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムを、コンピュータシステムのプロセッサが実行することにより、制御部51の少なくとも一部の機能が実現される。プログラムは、メモリに記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。制御部51は、飛行体5のうち制御部51以外の構成の動作を制御する。
【0049】
動力部52は、例えば、複数のプロペラ62にそれぞれ対応する複数のモータを含み、複数のモータの駆動力により複数のプロペラ62を個別に回転させる。動力部52の動作は、制御部51により制御される。つまり、制御部51は、動力部52を制御して、複数のプロペラ62の各々の回転を制御する。これにより、制御部51は、飛行体5を全方位に移動させることが可能である。
【0050】
荷物保持部63は、2つのアーム631を含む。荷物保持部63は、2つのアーム631により荷物91を挟むことで、荷物91を保持する。また、荷物保持部63は、制御部51の制御に応じて、荷物91の保持を解除して、荷物91を宅配ボックス2のケース31に投入する(図12C参照)。
【0051】
複数のスキッド64は、飛行体5が着陸した際に、本体部61を支持する。宅配ボックス2の上面311に設けられた着陸用のスペースSP2(図3参照)に飛行体5が着陸する際には、複数のスキッド64が上面311に載せ置かれる。
【0052】
GPSセンサ53は、飛行体5の現在位置を検知する。カメラ54は、飛行体5の周囲を撮影する。飛行体5が配送センター70から宅配ボックス2の付近まで飛行する際には、飛行体5の位置を特定するために、主としてGPSセンサ53により取得された飛行体5の位置情報が用いられる。飛行体5が宅配ボックス2の付近に到達し、着陸用のスペースSP2に着陸する際には、飛行体5の位置を特定するために、主としてカメラ54により取得された画像情報が用いられる。なお、飛行体5は、飛行動作を制御するために、ジャイロセンサ、加速度センサ及び電子コンパス等を更に備えている。
【0053】
到着検知部55は、例えば、荷重センサ、光電センサ、超音波センサ、近接センサ又はカメラを含む。到着検知部55は、飛行体5が所定の位置に到着したか否かを検知する。本実施形態では、所定の位置は、着陸用のスペースSP2である。また、到着検知部55は、飛行体5が所定の位置から離れたか否かを検知する。本実施形態では、到着検知部55は、飛行体5が離陸したか否かを検知する。
【0054】
より詳細には、本実施形態の到着検知部55は、荷重センサを含む。荷重センサは、飛行体5のスキッド64に取り付けられている。飛行体5の着陸時に、スキッド64が宅配ボックス2の上面311に載ることで、荷重センサに荷重が加えられる。荷重センサは、荷重センサに加えられた荷重の大きさを示す検知信号を出力する。荷重センサで検知された荷重の大きさが閾値を超えることが、飛行体5が着陸用のスペースSP2に到着(着陸)したことの検知に相当する。一方で、荷重センサで検知された荷重の大きさが閾値を超えた状態から、閾値以下となることが、飛行体5が着陸用のスペースSP2から離れた(離陸した)ことの検知に相当する。
【0055】
電池56は、2次電池である。電池56としては、例えば、リチウムイオン電池等が用いられる。電池56は、飛行体5の制御部51、動力部52、GPSセンサ53等の電気回路及び電子部品を動作させるための電力を供給する。
【0056】
電池残量検知部57は、電池56の残存容量を検知する。電池残量検知部57は、例えば、電池56の電圧に基づいて、残存容量を検知する。
【0057】
受信部58は、外部からの信号を受信する。送信部59は、外部に信号を送信する。受信部58及び送信部59は、ネットワーク81(図1参照)に接続するための通信インタフェースと、ネットワーク81を介さずに宅配ボックス2の受信部25及び送信部26と通信するための通信インタフェースと、により構成されている。受信部58及び送信部59による宅配ボックス2との間の通信方式は、例えば、920MHz帯の特定小電力無線局(免許を要しない無線局)、Wi-Fi(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)等の通信規格に準拠した、電波を媒体とした無線通信である。
【0058】
受信部58は、管理端末7の後述の送信部75(第1通知部)からの退避先の通知を受け付ける通信部として機能する。退避先の通知とは、飛行体5が退避を要する場合に、飛行体5の退避先となる宅配ボックス2を指定する通知である。
【0059】
複数の飛行体5の各々には、個別の識別情報が割り当てられている。メモリ60は、飛行体5の識別情報等を記録している。メモリ60は、制御部51を構成するコンピュータシステムの一部であってもよい。
【0060】
受電部68は、宅配ボックス2の無線給電装置23から受電する。受電部68は、例えば、電波若しくは赤外線を受波する方式、電磁誘導方式又は磁気共鳴方式により、無線給電装置23から受電する。本実施形態では、無線給電装置23から受電部68への給電方式は電波を受波する方式とする。すなわち、受電部68は、無線給電装置23から受電するためのアンテナを有している。なお、受電部68が電磁誘導方式又は磁気共鳴方式により受電する構成の場合は、受電部68は、受電用のコイルを有する。
【0061】
(4)管理端末
管理端末7は、制御部71と、入力部72と、出力部73と、受信部74と、送信部75と、メモリ76と、を備えている。
【0062】
制御部71は、1以上のプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムにより構成されている。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムを、コンピュータシステムのプロセッサが実行することにより、制御部71の少なくとも一部の機能が実現される。プログラムは、メモリに記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0063】
制御部71は、管理端末7のうち制御部71以外の構成の動作を制御する。制御部71は、判定部711と、決定部712と、を含む。
【0064】
判定部711は、飛行体5の退避の要否を判定する。すなわち、悪天候等の場合に、飛行体5の飛行状態が不安定になることを未然に防止するために、管理端末7は、飛行体5に退避指示信号を送信して、飛行体5を最寄りの宅配ボックス2に着陸させる。判定部711は、天気情報及び風速情報等を取得して、これらに基づいて、飛行体5の退避の要否を判定する。
【0065】
決定部712は、判定部711において飛行体5の退避を要すると判定された際に複数の宅配ボックス2の中から飛行体5の退避先を決定する。具体的には、決定部712は、複数の宅配ボックス2の中で、別の飛行体5が退避していない宅配ボックス2の存否を確認し、その中で飛行体5からの移動距離が最も短くなる宅配ボックス2を、退避先に決定する。
【0066】
入力部72は、人が管理端末7を操作するための入力インタフェースである。入力部72は、例えば、キーボード及びマウスを含む。
【0067】
出力部73は、管理端末7で処理された情報を出力するための出力インタフェースである。出力部73は、例えば、ディスプレイを含む。
【0068】
受信部74は、外部からの信号を受信する。送信部75は、外部に信号を送信する。受信部74及び送信部75は、ネットワーク81(図1参照)に接続するための通信インタフェースにより構成されている。
【0069】
送信部75は、決定部712で決定された飛行体5の退避先を飛行体5に通知する第1通知部として機能する。また、送信部75は、複数の宅配ボックス2のうち退避先に該当する対象宅配ボックスに、退避通知信号を送信する第2通知部として機能する。
【0070】
メモリ76は、複数の宅配ボックス2及び複数の飛行体5の各々の識別情報を記録している。図1では、複数(図1では3つ)の施設F1~F3に、宅配ボックス2が3つずつ設置されている。施設F1~F3の各々は、例えば、集合住宅である。メモリ76は、複数の宅配ボックス2の各々が設置された施設F1~F3の位置情報(例えば、住所情報及び座標)等を更に記録している。メモリ76は、複数の施設F1~F3の各々の位置情報と、各施設F1~F3に設置された複数の宅配ボックス2の識別情報とを紐付けて記録している。メモリ76は、制御部71を構成するコンピュータシステムの一部であってもよい。
【0071】
(5)動作例
(5.1)基本動作
管理端末7は、複数の施設F1~F3の中から、荷物91の搬送先の施設F1~F3へ飛行体5に荷物91を搬送させる。ここでは、荷物91の搬送先は、施設F1であるとする。この場合、施設F1に設置された3つの宅配ボックス2のうち任意の1つに荷物91が搬送されればよい。
【0072】
以下、宅配システム1の動作例を、図6図11図12A図12Dを参照して説明する。なお、以下の説明において、管理端末7と飛行体5とが通信する、と言う場合は、管理端末7の受信部74及び送信部75と、飛行体5の受信部58及び送信部59とが通信することを意味する。また、以下の説明において、管理端末7と宅配ボックス2とが通信する、と言う場合は、管理端末7の受信部74及び送信部75と、宅配ボックス2の受信部25及び送信部26とが通信することを意味する。また、以下の説明において、飛行体5と宅配ボックス2とが通信する、と言う場合は、飛行体5の受信部58及び送信部59と、宅配ボックス2の受信部25及び送信部26とが通信することを意味する。
【0073】
また、以下では、飛行体5が荷物91を受け取って宅配ボックス2へと出発する地点と、飛行体5が荷物91を宅配ボックス2に搬送し終えてから移動する先とは、いずれも配送センター70であるとする。
【0074】
まず、配送センター70に設置された管理端末7には、入力部72への操作により荷物91の搬送先を示す情報が入力される(ステップA1:YES)。ここでは、荷物91の搬送先が施設F1であるという情報が入力されるとする。管理端末7は、宅配ボックス2と通信して、荷物91の受け入れ可否を問い合わせる(ステップA2)。管理端末7から宅配ボックス2に問い合わせが有ると(ステップB1:YES)、宅配ボックス2の制御部21は、複数の光電センサ24の出力に基づいて、ケース31の内部の収容スペースSP1が空いているか否かを判定する(ステップB2)。収容スペースSP1が空いていない場合は(ステップB2:NO)、宅配ボックス2は、管理端末7と通信して、荷物91の受け入れができないという通知を行う(ステップB3)。収容スペースSP1が空いている場合は(ステップB2:YES)、宅配ボックス2は、管理端末7と通信して、荷物91の受け入れができるという通知を行う(ステップB4)。また、この場合は宅配ボックス2は、自身の識別情報を管理端末7に通知する。管理端末7は、荷物91を受け入れ可能という通知を受け取るか、施設F1に設置された複数の宅配ボックス2の全てに対する問い合わせが完了するまで、施設F1に設置された複数の宅配ボックス2に順に荷物91の受け入れ可否を問い合わせる。
【0075】
管理端末7は、施設F1に設置された複数の宅配ボックス2のいずれにおいても、荷物91の受け入れが不可能であるという通知を受け取ると(ステップA3:NO)、施設F1の複数の宅配ボックス2の所有者又は利用者(例えば、施設F1(集合住宅)の住人)の携帯端末に、メールを送信する(ステップA4)。このメールは、宅配ボックス2に収容された荷物91を取り出すように依頼するためのメールである。メールの送信先のメールアドレス及びメールの文面は、管理端末7のメモリ76に予め記録されている。メールの文章の一例は、「ボックスが満杯で、荷物を送れません。速やかに荷物を取り出してください。」という文章である。その後、管理端末7は、荷物91の受け入れが可能であるという通知を待ち受ける。
【0076】
一方で、管理端末7は、施設F1に設置された複数の宅配ボックス2のうちいずれかにおいて、荷物91の受け入れが可能であるという通知を受け取ると(ステップA3:YES)、荷物91の受け入れ先の宅配ボックス2に、発送連絡を行う(ステップA5)。宅配ボックス2は、発送連絡を受け取ると(ステップB5:YES)、4つの表示部29を点滅させる(ステップB6)。配送センター70の職員は、飛行体5の電源を入れて(ステップC1:YES)、飛行体5の荷物保持部63に荷物91を保持させて、荷物91の搬送先の情報(例えば、座標)を飛行体5に入力する(ステップC2:YES)。荷物91の搬送先の情報を飛行体5に入力する作業は、例えば、職員が管理端末7に当該情報を入力し、管理端末7から飛行体5に当該情報が送信されることでなされる。
【0077】
その後、職員は、飛行体5を飛行させる。すなわち、飛行体5が荷物91の搬送を開始する(ステップC3)。
【0078】
飛行体5は、GPSセンサ53により自機の位置を確認しながら飛行する。飛行体5は、配送センター70からの出発後、管理端末7との通信を継続的に行う。飛行体5は、飛行中に、管理端末7から退避指示信号が入力されたか否かを判定し続ける(ステップC4)。退避指示信号が入力された場合の宅配システム1の動作については、後述する。ここでは、飛行体5が目標(搬送先)の施設F1の複数の宅配ボックス2の付近に到着したとする(ステップC5:YES)。
【0079】
飛行体5は、カメラ54により周囲を撮影する。制御部51は、カメラ54で撮影された画像を解析することにより、施設F1に設置された複数の宅配ボックス2の中から荷物91の受け入れ先の宅配ボックス2を特定する。例えば、宅配ボックス2には、個別の文字又は記号が付されており、制御部51は、カメラ54で撮影された画像から上記の文字又は記号を読み取ることにより、荷物91の受け入れ先の宅配ボックス2を特定する。
【0080】
また、制御部51は、カメラ54で撮影された画像を解析することにより、カメラ54に4つの表示部29が写っているか否かを判定する。カメラ54に4つの表示部29が写っている場合、制御部51は、4つの表示部29に囲まれたエリアが開口部310であるという判定結果を導出し、その周囲のエリアが着陸用のスペースSP2であるという判定結果を導出する。飛行体5は、複数のスキッド64がスペースSP2に配置され、宅配ボックス2のケース31の上面311に載せ置かれるように、上面311への着陸を試みる(ステップC6)。
【0081】
飛行体5の到着検知部55と宅配ボックス2の到着検知部28とのうち少なくとも一方は、飛行体5がスペースSP2に到着した否かを検知する。すなわち、到着検知部55、到着検知部28のうち少なくとも一方は、飛行体5が上面311に着陸した否かを検知する。ここでは、飛行体5の到着検知部55のみが、飛行体5が上面311に着陸した否かを検知するとして説明する(ステップC7)。
【0082】
飛行体5は、到着検知部55により着陸を検知すると(ステップC7:YES)、管理端末7と通信して着陸完了を通知する(ステップC8)。言い換えると、飛行体5の送信部59は、宅配ボックス2の開口部310の周囲の所定の位置(スペースSP2)に到着(ここでは、着陸)したことを示す検知結果を、管理端末7に送信する。これにより、管理端末7には、複数の宅配ボックス2の各々に飛行体5が着陸しているか否かの情報が集約される。
【0083】
管理端末7は、飛行体5から着陸完了を通知されると(ステップA6:YES)、宅配ボックス2の受信部25に到着通知信号を送信する(ステップA7)。到着通知信号は、飛行体5が宅配ボックス2の開口部310の周囲の所定の位置(スペースSP2)に到着(ここでは、着陸)したことを示す信号である。
【0084】
宅配ボックス2の制御部21は、到着通知信号を受信部25が受信すると(ステップB7:YES)、扉駆動部22に扉32を開放させることで、開口部310を開状態にさせる(ステップB8)。すなわち、飛行体5が宅配ボックス2に着陸した状態で、開口部310は、図12Aに示す閉状態から、図12Bに示す開状態となる。扉駆動部22が開口部310を開状態にした後、宅配ボックス2は、管理端末7と通信して、開口部310を開状態にしたことを通知する(ステップB9)。
【0085】
管理端末7は、宅配ボックス2からの通知を受けると(ステップA8:YES)、飛行体5と通信して、荷物91を宅配ボックス2のケース31に投入するように指示する(ステップA9)。
【0086】
飛行体5は、管理端末7からの指示を受けると(ステップC9:YES)、荷物保持部63による荷物91の保持を解除して、宅配ボックス2の開口部310を通して、荷物91をケース31に投入する(ステップC10、図12C参照)。
【0087】
宅配ボックス2の複数の光電センサ24は、荷物91がケース31に投入されたことを検知する(ステップB10:YES)。すると、制御部21は、扉駆動部22に扉32を閉じさせることで、開口部310を閉状態にさせる(ステップB11、図12D参照)。
【0088】
飛行体5が依然として宅配ボックス2のケース31に着陸した状態で、飛行体5の電池残量検知部57で検出された電池56の残存容量が閾値以下の場合は(ステップC11:YES)、飛行体5は、管理端末7と通信し、管理端末7に対し充電要請を行う(ステップC12)。
【0089】
管理端末7は、飛行体5からの充電要請を受けると(ステップA10:YES)、宅配ボックス2と通信し、宅配ボックス2に対し充電要請を行う(ステップA11)。
【0090】
宅配ボックス2は、管理端末7からの充電要請を受けると(ステップB12:YES)、無線給電装置23により、飛行体5の受電部68を介して、電池56に対する無線給電を行う(ステップB13)。
【0091】
飛行体5への給電中には、宅配ボックス2の開口部310の閉状態が維持される。すなわち、宅配ボックス2の制御部21は、飛行体5への充電要請を示す信号が入力されると、扉駆動部22に開口部310を閉状態にさせた状態で、無線給電装置23から飛行体5に給電させる。
【0092】
飛行体5の電池残量検知部57で検知された電池56の残存容量が閾値以上となると(例えば、電池56が満充電状態となると)(ステップC13:YES)、飛行体5は、管理端末7と通信し、充電完了通知を行う(ステップC14)。
【0093】
管理端末7は、充電完了通知を受け取ると(ステップA12:YES)、宅配ボックス2に充電完了通知を行う(ステップA13)。
【0094】
宅配ボックス2が管理端末7からの充電完了通知を受けると(ステップB14:YES)、無線給電装置23は、飛行体5への給電を終了する(ステップB15)。
【0095】
管理端末7は、充電完了通知(ステップA13)をした後、後述する退避指示を飛行体5に発していない場合には(ステップA14:NO)、飛行体5と通信して、飛行体5に離陸指示を出す(ステップA15)。また、飛行体5は、電池56の残存容量が閾値以上であり充電を要しない場合(ステップC11:NO)は、充電要請を行わない旨を管理端末7に通知する。管理端末7は、この通知を受け取った後(ステップA10:NO)、後述する退避指示を飛行体5に発していない場合には(ステップA14:NO)、飛行体5と通信して、飛行体5に離陸指示を出す(ステップA15)。
【0096】
飛行体5は、管理端末7からの離陸指示を受けると(ステップC15:YES)、離陸動作を始める(ステップC16)。飛行体5が離陸したことを到着検知部55が検知すると(ステップC17:YES)、飛行体5は管理端末7と通信して、管理端末7に離陸通知を行う(ステップC18)。飛行体5が配送センター70に到着すると(ステップC19:YES)、飛行体5は動作を終了する。
【0097】
管理端末7は、飛行体5からの離陸通知を受けると(ステップA16:YES)、宅配ボックス2に離陸通知を行う(ステップA17)。
【0098】
宅配ボックス2は、管理端末7からの離陸通知を受けると(ステップB16:YES)、動作を終了する。また、宅配ボックス2は、管理端末7からの充電要請が無かった場合にも(ステップB12:NO)、管理端末7からの離陸通知を受けると(ステップB16:YES)、動作を終了する。
【0099】
以上により、飛行体5により荷物91を宅配ボックス2へ搬送する作業と、搬送を終えた飛行体5が配送センター70に帰還する作業とが終了する。
【0100】
(5.2)退避動作
飛行体5のGPSセンサ53は、飛行体5の位置情報を検知している。管理端末7は、荷物91を搬送している途中又は荷物91の搬送を終えて配送センター70に帰還する途中の飛行体5の位置情報を、飛行体5から取得している。管理端末7は、飛行体5の現在位置において、天候の悪化等が予想される場合には、飛行体5への退避指示を行う。退避指示を行うか否かは、管理端末7が自動で判断してもよいし、管理端末7で取得された情報等に基づいて人が判断してもよい。ここでは、人が退避指示を行うことを判断し、管理端末7の入力部72に、退避指示を実行させるための退避入力を行うとする(ステップA18:YES)。図6では、荷物91の搬送先を示す情報が入力されない場合(ステップA1:No)に退避入力の有無が判定されるとして記載した。ただし、管理端末7は、ステップA1、A18を常に実行しており、退避入力の有無を常に監視している。つまり、配送センター70の職員は、任意の時点に退避入力を行うことができる。
【0101】
退避入力が行われると、管理端末7は、飛行体5の現在位置の最寄りの宅配ボックス2を検索する。管理端末7は、この宅配ボックス2に他の飛行体5が退避していないことを確認すると、この宅配ボックス2を、退避先に決定する。管理端末7は、退避先の宅配ボックス2へ退避するように飛行体5に退避指示を行い(ステップA19)、さらに、退避先の宅配ボックス2の所有者の携帯端末にメールを送信する(ステップA20)。このメールは、飛行体5が宅配ボックス2に退避することを通知するメールである。メールの送信先のメールアドレス及びメールの文面は、管理端末7のメモリ76に予め記録されている。メールの文章の一例は、「貴方への荷物搬送ではありません。天候等による緊急避難です」という文章である。さらに、管理端末7は、退避先の宅配ボックス2に退避要請を行う(ステップA21)。すなわち、管理端末7は、飛行体5の退避要請を示す退避通知信号を退避先の宅配ボックス2に送信する。
【0102】
飛行体5は、退避指示を受けると(ステップC4:YES)、退避指示により管理端末7から指定された、退避先の宅配ボックス2へ移動する。すなわち、飛行体5は、退避先の宅配ボックス2を、飛行体5の新たな行先に設定する(ステップC20)。飛行体5は、退避先の付近に到着すると(ステップC5)、荷物91の搬送先の宅配ボックス2に着陸する際と同様にして、宅配ボックス2の着陸用のスペースSP2に着陸する。飛行体5が管理端末7と通信して着陸完了を通知するので(ステップC8)、管理端末7には、複数の宅配ボックス2の各々に飛行体5が退避しているか否かの情報が集約される。
【0103】
ここで、退避先の宅配ボックス2が荷物91の搬送先ではない場合は、管理端末7は飛行体5に投入指示を行わないので(ステップC9:NO)、飛行体5は、荷物91を投入することなく待機する。すなわち、管理端末7から飛行体5に退避指示がなされている場合は(ステップC21:YES)、飛行体5は、荷物91を投入する作業(ステップC10参照)を実行しない。また、この場合は、管理端末7から退避先の宅配ボックス2に発送連絡(ステップA5、B5参照)が行われていないので、宅配ボックス2は開口部310を閉状態に維持する。より詳細には、宅配ボックス2の制御部21は、飛行体5の退避要請を示す退避通知信号が入力されると、扉駆動部22に開口部310を閉状態に維持させる。つまり、制御部21は、退避通知信号が入力された場合には、飛行体5が宅配ボックス2の開口部310の周囲の所定の位置(スペースSP2)に到着(ここでは、着陸)したことが検知されても、扉駆動部22に開口部310を閉状態に維持させる。飛行体5の着陸の検知は、例えば、飛行体5の到着検知部55によりなされ、検知結果が宅配ボックス2に送信される。
【0104】
管理端末7が退避指示を解除し、飛行体5に離陸指示をすると(ステップA15、ステップC15:YES)、飛行体5は離陸して、荷物91の搬送先へ向かう。
【0105】
なお、飛行体5は、退避先の宅配ボックス2に着陸してから離陸するまでの間の任意の時点において、宅配ボックス2からの給電を受けることが可能である。すなわち、宅配ボックス2の制御部21は、飛行体5の着陸を示す着陸連絡を管理端末7から受け(ステップB17:YES)、かつ、充電要請を受けると(ステップB12:YES)、無線給電装置23から飛行体5の受電部68に給電させる(ステップB13)。このときも、宅配ボックス2の開口部310は閉状態に維持される。
【0106】
(変形例1)
以下、変形例1に係る宅配システム1について説明する。実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0107】
上述した実施形態では、飛行体5の到着検知部55が飛行体5の着陸を検知する。これに対して、本変形例1では、宅配ボックス2の到着検知部28が飛行体5の着陸を検知する。
【0108】
宅配ボックス2の制御部21は、飛行体5が宅配ボックス2の開口部310の周囲の所定の位置(スペースSP2)に到着(ここでは、着陸)したことを到着検知部28が検知すると、扉駆動部22に開口部310を開状態にさせる。さらに、宅配ボックス2の送信部26は、到着検知部28の検知結果を管理端末7に送信する。
【0109】
実施形態と同様に、本変形例1によっても、飛行体5の着陸を検知して、これに応じて開口部310を開状態にできる。また、本変形例1でも、到着検知部28の検知結果が管理端末7に送信されるので、複数の宅配ボックス2の各々に飛行体5が着陸しているか否かの情報を管理端末7に集約することができる。
【0110】
(変形例2)
以下、変形例2に係る宅配システム1について説明する。実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0111】
本変形例2の宅配システム1では、宅配ボックス2に飛行体5が着陸したことを飛行体5の到着検知部55が検知した場合に、飛行体5は、到着検知部55の検知結果を、管理端末7を経由せずに宅配ボックス2に送信する。すなわち、飛行体5が所定の位置(スペースSP2)に到着(ここでは、着陸)したことを到着検知部55が検知すると、飛行体5の送信部59は、宅配ボックス2の受信部25に到着通知信号を送信する。到着通知信号は、飛行体5が宅配ボックス2の開口部310の周囲の所定の位置(スペースSP2)に到着(ここでは、着陸)したことを示す信号である。さらに、宅配ボックス2の送信部26は、受信部25が到着通知信号を受信すると、飛行体5が所定の位置(スペースSP2)に到着(ここでは、着陸)したことを示す信号を管理端末7に送信する。宅配ボックス2の送信部26から管理端末7に送信される信号は、到着通知信号と同じ信号であってもよいし、異なる信号であってもよい。
【0112】
なお、飛行体5が所定の位置に到着したことを示す信号は、飛行体5から管理端末7に送信されてもよい。
【0113】
実施形態と同様に、本変形例2によっても、飛行体5の着陸を検知して、これに応じて開口部310を開状態にできる。また、本変形例2でも、到着検知部28の検知結果が管理端末7に送信されるので、複数の宅配ボックス2の各々に飛行体5が着陸しているか否かの情報を管理端末7に集約することができる。
【0114】
(その他の変形例)
以下、実施形態のその他の変形例を列挙する。以下の変形例は、適宜組み合わせて実現されてもよい。また、以下の変形例は、変形例1又は2と適宜組み合わせて実現されてもよい。
【0115】
管理端末7又は飛行体5は、宅配システム1の外部の構成要素であってもよい。
【0116】
宅配システム1において、飛行体5の到着検知部55と、宅配ボックス2の到着検知部28とのうち少なくとも一方が、飛行体5の着陸を検知すればよい。そのため、到着検知部55、28のうち一方を省略してもよい。
【0117】
また、飛行体5又は宅配ボックス2は、到着検知部55と到着検知部28との両方が飛行体5の着陸を検知した場合に、飛行体5が到着したと判定してもよい。これにより、誤検知を抑制できる。
【0118】
無線給電装置23の送電部231の個数は、2つに限定されず、1つ又は3つ以上であってもよい。また、3つ以上の送電部231は、開口部310の周縁に沿って等間隔に並んでいてもよい。
【0119】
光電センサ24の投光部241と受光部242とは、ケース31の内壁に取り付けられていてもよい。また、光電センサ24に代えて、超音波センサ又は近接スイッチ等を用いてもよい。
【0120】
扉32は、開き戸又は引き戸であってもよい。また、扉32は、宅配ボックス2のユーザが荷物91を取り出すために開かれる扉を兼ねていてもよい。
【0121】
宅配ボックス2の上面311は、水平面に対して傾斜した傾斜面であってもよい。
【0122】
実施形態の到着検知部28又は55は、飛行体5が所定の位置に到着したか否かを検知し、所定の位置は、着陸用のスペースSP2である。ここで、所定の位置は、例えば、開口部310の上方の空中であってもよい。所定の位置が空中である場合に、飛行体5は、着陸用のスペースSP2に着陸してから荷物91をケース31に投入してもよいし、空中に留まった状態で荷物91をケース31に投入してもよい。また、所定の位置は、例えば、宅配ボックス2の付近の空中であって、飛行体5の通過点であってもよい。
【0123】
1つの施設に設置された複数の宅配ボックス2は、一部の構成を共有していてもよい。例えば、複数の宅配ボックス2が受信部25及び送信部26を共有していてもよい。
【0124】
表示部29が発光することは必須ではなく、表示部29は、例えば、印刷された記号等であってもよい。表示部29は、ケース31の上面311に直接印刷されていてもよいし、表示部29としての記号が印刷されたシールが上面311に貼られていてもよい。
【0125】
飛行体5が充電を要するか否かの判定は、飛行体5ではなく管理端末7又は宅配ボックス2により実行されてもよい。すなわち、飛行体5の電池残量検知部57で検知された電池残量の情報が、管理端末7又は宅配ボックス2に送信され、これに応じて管理端末7又は宅配ボックス2は、充電の要否を判定してもよい。
【0126】
管理端末7の判定部711と決定部712とは、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。また、飛行体5が判定部711及び決定部712のうち少なくとも一方を備えていてもよい。
【0127】
宅配ボックス2の無線給電装置23が飛行体5に給電した場合に、管理端末7は、宅配ボックス2の電気料金を負担する者に、給電量に応じたポイントを付与してもよい。ポイントは、お金、物品又はサービスと交換可能である。
【0128】
宅配システム1と同様の機能は、宅配方法、(コンピュータ)プログラム、又はプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化されてもよい。
【0129】
一態様に係る宅配方法は、宅配ボックス2に荷物91を搬送する方法である。宅配ボックス2は、開口部310を有するケース31と、開口部310を開閉する扉32と、扉駆動部22と、を備える。扉駆動部22は、扉32を駆動して開口部310を閉状態と開状態とのいずれか一方にする。宅配方法は、荷物91を搬送する飛行体5が開口部310の周囲の所定の位置(スペースSP2)に到着したことが検知されると、扉駆動部22に開口部310を開状態にさせる処理と、飛行体5が開口部310を通して荷物91をケース31に投入したことが検知されると、扉駆動部22に開口部310を閉状態にさせる処理と、を含む。
【0130】
別の一態様に係る宅配方法は、上記の宅配方法において、宅配ボックス2は複数設けられる。宅配方法は、飛行体5の退避の要否を判定する判定処理と、判定処理において飛行体5の退避を要すると判定された際に複数の宅配ボックス2の中から飛行体5の退避先を決定する決定処理と、複数の宅配ボックス2のうち退避先に該当する対象宅配ボックスの扉駆動部22に開口部310を閉状態に維持させる処理と、を更に含む。
【0131】
本開示における宅配システム1は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における宅配システム1としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
【0132】
また、宅配システム1の管理端末7又は宅配ボックス2における複数の機能が、1つの筐体内に集約されていることは管理端末7又は宅配ボックス2に必須の構成ではなく、管理端末7又は宅配ボックス2の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。さらに、管理端末7又は宅配ボックス2の少なくとも一部の機能、例えば、管理端末7の制御部71の一部の機能がクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
【0133】
(まとめ)
以上説明した実施形態等から、以下の態様が開示されている。
【0134】
第1の態様に係る宅配ボックス2は、開口部310を有するケース31と、開口部310を開閉する扉32と、扉駆動部22と、扉駆動部22の動作を制御する制御部21と、を備える。扉駆動部22は、扉32を駆動して開口部310を閉状態と開状態とのいずれか一方にする。制御部21は、荷物91を搬送する飛行体5が開口部310の周囲の所定の位置(スペースSP2)に到着したことが検知されると、扉駆動部22に開口部310を開状態にさせ、飛行体5が開口部310を通して荷物91をケース31に投入したことが検知されると、扉駆動部22に開口部310を閉状態にさせる。
【0135】
上記の構成によれば、荷物91をケース31に投入した後にも開口部310を開状態に維持する場合と比較して、防犯性の向上を図ることができる。
【0136】
また、第2の態様に係る宅配ボックス2は、第1の態様において、無線給電装置23を更に備える。無線給電装置23は、飛行体5に給電する。制御部21は、飛行体5への充電要請を示す信号が入力されると、扉駆動部22に開口部310を閉状態にさせた状態で、無線給電装置23から飛行体5に給電させる。
【0137】
上記の構成によれば、飛行体5を充電できるので、飛行体5の飛行中に飛行体5の電源が枯渇する可能性を低減できる。また、飛行体5の充電時に開口部310は閉状態なので、開口部310が開状態となる場合と比較して、防犯性の向上を図ることができる。
【0138】
また、第3の態様に係る宅配ボックス2では、第2の態様において、ケース31は、開口部310が形成された上面311を含む。ケース31の上面311は、飛行体5が着陸するスペースSP2を有する。無線給電装置23は、電力を外部に送電する送電部231を有する。送電部231は、ケース31の上面311に設けられている。
【0139】
上記の構成によれば、開口部310と送電部231とがいずれもケース31の上面311に設けられているので、飛行体5は、ケース31の上面311に着陸することで、荷物91をケース31に投入することと、飛行体5を充電することとの両方を行える。
【0140】
また、第4の態様に係る宅配ボックス2では、第3の態様において、無線給電装置23は、送電部231を複数有する。ケース31の上面311は、開口部310の周縁に、飛行体5が着陸するスペースSP2を有する。複数の送電部231は、開口部310の周縁に沿った周方向において互いに異なる位置に配置されている。
【0141】
上記の構成によれば、飛行体5の向きによらずに飛行体5を充電しやすい。
【0142】
また、第5の態様に係る宅配ボックス2では、第1~4の態様のいずれか1つにおいて、制御部21は、飛行体5の退避要請を示す退避通知信号が入力されると、扉駆動部22に開口部310を閉状態に維持させる。
【0143】
上記の構成によれば、飛行体5が退避を目的として所定の位置(スペースSP2)に到着し、荷物91の投入を行わない場合に、開口部310を閉状態に維持できるので、防犯性の更なる向上を図ることができる。
【0144】
また、第6の態様に係る宅配ボックス2は、第1~5の態様のいずれか1つにおいて、センサ(光電センサ24)を更に備える。センサは、ケース31の内部の収容スペースSP1が空いているか否かを検知する。
【0145】
上記の構成によれば、収容スペースSP1に空きが無いという検知結果がセンサ(光電センサ24)から出力された場合に、荷物91を取り出す等の対応を取ることが可能となる。
【0146】
また、第7の態様に係る宅配ボックス2では、第6の態様において、センサ(光電センサ24)は、荷物91がケース31に投入されたか否かを更に検知する。
【0147】
上記の構成によれば、荷物91の投入を検知するセンサと、収容スペースSP1が空いているか否かを検知するセンサとを兼用できる。
【0148】
また、第8の態様に係る宅配ボックス2は、第1~7の態様のいずれか1つにおいて、外部からの信号を受信する受信部25を更に備える。制御部21は、飛行体5が所定の位置(スペースSP2)に到着したことを示す到着通知信号を受信部25が受信すると、扉駆動部22に開口部310を開状態にさせる。
【0149】
上記の構成によれば、宅配ボックス2は、飛行体5が所定の位置(スペースSP2)に到着したか否かを検知する到着検知部28を備えていなくてもよいので、宅配ボックス2のコストの低減を図ることができる。
【0150】
また、第9の態様に係る宅配ボックス2は、第1~7の態様のいずれか1つにおいて、到着検知部28を更に備える。到着検知部28は、飛行体5が所定の位置(スペースSP2)に到着したか否かを検知する。制御部21は、飛行体5が所定の位置に到着したことを到着検知部28が検知すると、扉駆動部22に開口部310を開状態にさせる。
【0151】
上記の構成によれば、宅配ボックス2は、飛行体5が所定の位置(スペースSP2)に到着したか否かの情報を外部との通信により取得する必要がないので、宅配ボックス2の通信量の低減を図ることができる。
【0152】
また、第10の態様に係る宅配ボックス2は、第9の態様において、送信部26を更に備える。送信部26は、到着検知部28の検知結果を管理端末7に送信する。
【0153】
上記の構成によれば、管理端末7において飛行体5の状況を管理できる。
【0154】
第1の態様以外の構成については、宅配ボックス2に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【0155】
また、第11の態様に係る宅配システム1は、第1~10の態様のいずれか1つにおいて、宅配ボックス2と、飛行体5と、を備える。
【0156】
上記の構成によれば、荷物91をケース31に投入した後にも開口部310を開状態に維持する場合と比較して、防犯性の向上を図ることができる。
【0157】
また、第12の態様に係る宅配システム1は、第11の態様において、管理端末7を更に備える。宅配ボックス2は、外部からの信号を受信する受信部25を更に備える。制御部21は、飛行体5が所定の位置(スペースSP2)に到着したことを示す到着通知信号を受信部25が受信すると、扉駆動部22に開口部310を開状態にさせる。飛行体5は、到着検知部55と、送信部59と、を備える。到着検知部55は、飛行体5が所定の位置に到着したか否かを検知する。送信部59は、到着検知部55の検知結果を管理端末7に送信する。管理端末7は、飛行体5が所定の位置(スペースSP2)に到着したことを示す検知結果を送信部59から受信すると、受信部25に到着通知信号を送信する。
【0158】
上記の構成によれば、飛行体5が所定の位置(スペースSP2)に到着したことを示す検知結果を管理端末7が受信するので、管理端末7において飛行体5の状況を管理できる。
【0159】
また、第13の態様に係る宅配システム1では、第11の態様において、宅配ボックス2は、外部からの信号を受信する受信部25を更に備える。制御部21は、飛行体5が所定の位置(スペースSP2)に到着したことを示す到着通知信号を受信部25が受信すると、扉駆動部22に開口部310を開状態にさせる。飛行体5は、到着検知部55と、送信部59と、を備える。到着検知部55は、飛行体5が所定の位置(スペースSP2)に到着したか否かを検知する。送信部59は、飛行体5が所定の位置に到着したことを到着検知部55が検知すると、受信部25に到着通知信号を送信する。
【0160】
上記の構成によれば、飛行体5から管理端末7を経由せずに宅配ボックス2へ到着検知信号が送信されるので、到着検知信号が宅配ボックス2で受信されるまでの所要時間を短縮できる。
【0161】
また、第14の態様に係る宅配システム1では、第13の態様において、宅配ボックス2は、送信部26を更に備える。送信部26は、受信部25が到着通知信号を受信すると飛行体5が所定の位置(スペースSP2)に到着したことを示す信号を管理端末7に送信する。
【0162】
上記の構成によれば、管理端末7において飛行体5の状況を管理できる。
【0163】
また、第15の態様に係る宅配システム1は、第11~14の態様のいずれか1つにおいて、宅配ボックス2を複数備える。宅配システム1は、判定部711と、決定部712と、第1通知部(送信部75)と、第2通知部(送信部75)と、を備える。判定部711は、飛行体5の退避の要否を判定する。決定部712は、判定部711において飛行体5の退避を要すると判定された際に複数の宅配ボックス2の中から飛行体5の退避先を決定する。第1通知部は、決定部712で決定された退避先を飛行体5に通知する。第2通知部は、複数の宅配ボックス2のうち退避先に該当する対象宅配ボックスに、退避通知信号を送信する。飛行体5は、通信部(受信部58)を備える。通信部は、第1通知部からの退避先の通知を受け付ける。対象宅配ボックスに退避通知信号が入力されると、制御部21は、扉駆動部22に開口部310を閉状態に維持させる。
【0164】
上記の構成によれば、飛行体5が退避を目的として所定の位置(スペースSP2)に到着し、荷物91の投入を行わない場合に、開口部310を閉状態に維持できるので、防犯性の更なる向上を図ることができる。また、複数の宅配ボックス2の中から退避先を決定できる。
【0165】
第11の態様以外の構成については、宅配システム1に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【0166】
また、第16の態様に係る飛行体5は、第15の態様に係る宅配システム1に用いられる。
【0167】
上記の構成によれば、飛行体5を退避させることができる。
【0168】
また、第17の態様に係る飛行体5は、第1~10の態様のいずれか1つに係る宅配ボックス2と共に用いられる。宅配ボックス2は、無線給電装置23を備える。無線給電装置23は、飛行体5に給電する。飛行体5は、受電部68を備える。受電部68は、無線給電装置23から受電する。
【0169】
上記の構成によれば、飛行体5を充電できるので、飛行体5の飛行中に飛行体5の電源が枯渇する可能性を低減できる。
【0170】
また、第18の態様に係る宅配方法は、宅配ボックス2に荷物91を搬送する方法である。宅配ボックス2は、開口部310を有するケース31と、開口部310を開閉する扉32と、扉駆動部22と、を備える。扉駆動部22は、扉32を駆動して開口部310を閉状態と開状態とのいずれか一方にする。宅配方法は、荷物91を搬送する飛行体5が開口部310の周囲の所定の位置(スペースSP2)に到着したことが検知されると、扉駆動部22に開口部310を開状態にさせる処理と、飛行体5が開口部310を通して荷物91をケース31に投入したことが検知されると、扉駆動部22に開口部310を閉状態にさせる処理と、を含む。
【0171】
上記の構成によれば、荷物91をケース31に投入した後にも開口部310を開状態に維持する場合と比較して、防犯性の向上を図ることができる。
【0172】
また、第19の態様に係る宅配方法は、第18の態様において、宅配ボックス2は複数設けられる。宅配方法は、飛行体5の退避の要否を判定する判定処理と、判定処理において飛行体5の退避を要すると判定された際に複数の宅配ボックス2の中から飛行体5の退避先を決定する決定処理と、複数の宅配ボックス2のうち退避先に該当する対象宅配ボックスの扉駆動部22に開口部310を閉状態に維持させる処理と、を更に含む。
【0173】
上記の構成によれば、飛行体5が退避を目的として所定の位置(スペースSP2)に到着し、荷物91の投入を行わない場合に、開口部310を閉状態に維持できるので、防犯性の更なる向上を図ることができる。また、複数の宅配ボックス2の中から退避先を決定できる。
【0174】
上記態様に限らず、実施形態に係る宅配システム1の種々の構成(変形例を含む)は、宅配方法にて具現化可能である。
【符号の説明】
【0175】
1 宅配システム
2 宅配ボックス
21 制御部
22 扉駆動部
23 無線給電装置
231 送電部
24 光電センサ(センサ)
25 受信部
26 送信部
28 到着検知部
31 ケース
310 開口部
311 上面
32 扉
5 飛行体
55 到着検知部
58 受信部(通信部)
59 送信部
68 受電部
7 管理端末
711 判定部
712 決定部
75 送信部(第1通知部、第2通知部)
91 荷物
SP1 収容スペース
SP2 スペース(所定の位置)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12