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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-03
(45)【発行日】2023-08-14
(54)【発明の名称】管理システム及び管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/16 20120101AFI20230804BHJP
【FI】
G06Q50/16 300
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019029915
(22)【出願日】2019-02-21
(65)【公開番号】P2020135569
(43)【公開日】2020-08-31
【審査請求日】2021-12-20
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村上 昌史
(72)【発明者】
【氏名】天野 昌幸
(72)【発明者】
【氏名】十河 知也
(72)【発明者】
【氏名】三舩 達雄
(72)【発明者】
【氏名】豊澄 幸太郎
【審査官】小山 和俊
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-147014(JP,A)
【文献】特開2015-032571(JP,A)
【文献】特開2018-125116(JP,A)
【文献】特開2012-207878(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
H05B 37/02
E05B 49/00
F24F 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々に1つ以上の機器が存在し、前記1つ以上の機器に対する制御が各々で異なる複数のゾーンを管理する管理システムであって、
前記複数のゾーンのそれぞれについて、当該ゾーンに存在するユーザの数を算出するユーザ数算出部と、
前記複数のゾーンのそれぞれについて、当該ゾーンに存在するユーザの数に基づいて単位人数を算出する単位人数算出部と、
前記複数のゾーンのそれぞれについて、当該ゾーンの前記単位人数と他のゾーンの前記単位人数とに基づいて、当該ゾーンと前記他のゾーンとでの利用状況を比較する比較部と、
前記複数のゾーンのうち前記比較部による比較対象であった第1ゾーンと第2ゾーンにおいて、前記比較部による比較結果が前記第1ゾーンの前記単位人数が前記第2ゾーンの前記単位人数より少ないとする場合に、前記第1ゾーンに含まれる制御領域に存在する機器に対する制御の内容を、前記第2ゾーンに存在する1つ以上の機器に対する制御の内容と同一となるように変更する変更部と、を備え、
前記変更部は、更に、制御を変更した前記制御領域が前記第2ゾーンに含まれるように、前記第1ゾーン及び前記第2ゾーンの範囲を変更する、
管理システム。
【請求項2】
前記複数のゾーンのそれぞれについて、当該ゾーンの位置を表すゾーン位置情報を記憶する記憶部を、更に備え、
前記比較部は、前記複数のゾーンのそれぞれの前記ゾーン位置情報を用いて、前記複数のゾーンのうち互いに隣り合う2つのゾーンにおける前記利用状況を比較する、
請求項1に記載の管理システム。
【請求項3】
前記変更部は、
互いに隣り合う前記2つのゾーンを前記第1ゾーン及び前記第2ゾーンとし、前記第1ゾーンに含まれる前記制御領域に存在する機器の制御を、前記第2ゾーンに存在する1つ以上の機器の制御と同一となるように変更した場合、前記第1ゾーンに含まれる前記制御領域が前記第2ゾーンに含まれるように、前記第1ゾーン及び前記2ゾーンのそれぞれに対応する前記ゾーン位置情報を更新することで、前記第1ゾーン及び前記第2ゾーンの範囲を変更する
請求項2に記載の管理システム。
【請求項4】
前記比較部は、前記複数のゾーンのうち比較対象となる2つのゾーンにおいて、少なくとも一方のゾーンの前記単位人数が所定値以上である場合に、前記2つのゾーンにおける前記利用状況を比較する、
請求項1~3のいずれか一項に記載の管理システム。
【請求項5】
前記複数のゾーンのそれぞれにおいて、当該ゾーンでのユーザが所持し、かつマイクロホン及び加速度センサを有するタグから前記ユーザの音声データと前記加速度センサの検知結果であるセンサ結果とを取得するデータ取得部と、
前記複数のゾーンのそれぞれにおいて、当該ゾーンに対する前記データ取得部が取得した前記センサ結果及び前記音声データを基に当該ゾーンの利用に関する利用情報を取得する利用情報取得部と、を更に備え、
前記利用情報取得部は、
前記複数のゾーンのそれぞれにおいて、当該ゾーンに対する前記音声データを基に当該ゾーンに存在する前記ユーザごとに会話が行われている会話時間と、当該ゾーンに対する前記センサ結果を基に前記センサ結果が所定の範囲内に含まれる時間を計測することで当該ゾーンに存在する前記ユーザごとに作業に対して集中している集中時間と、を取得し、
前記複数のゾーンのそれぞれにおいて、当該ゾーンに存在する前記ユーザごとの前記会話時間の総和を会話用総和時間として算出し、当該ゾーンに存在する前記ユーザごとの前記集中時間の総和を集中用総和時間として算出し、
前記会話用総和時間が前記集中用総和時間よりも長い場合には、対応するゾーンを会話するためのゾーンとして利用されていることを表す情報を利用情報として取得し、
前記集中用総和時間が前記会話用総和時間よりも長い場合には、対応するゾーンを集中するためのゾーンとして利用されていることを表す情報を利用情報として取得し、
前記比較部は、前記単位人数及び前記利用情報を用いて前記利用状況を比較する、
請求項1~4のいずれか一項に記載の管理システム。
【請求項6】
前記複数のゾーンのそれぞれについて、当該ゾーンでの収容人数が予め定められており、
前記比較部は、前記複数のゾーンでの収容人数の合計人数に対して所定の割合である人数に到達した時刻よりも所定時間前に前記ユーザ数算出部が算出した前記ユーザの数に基づいて、前記利用状況を比較する、
請求項1~5のいずれか一項に記載の管理システム。
【請求項7】
前記ユーザ数算出部は、
前記ユーザが存在する位置を検知する位置情報システムから前記複数のゾーンのそれぞれで検知された前記ユーザに係る検知位置情報に基づいて、前記複数のゾーンのそれぞれについて、当該ゾーンに存在する前記ユーザの数を算出する、
請求項1~6のいずれか一項に記載の管理システム。
【請求項8】
前記複数のゾーンについて、ゾーンごとに制御される前記機器は、照明機器であり、
前記ゾーンごとに、前記照明機器の照度が異なる、
請求項1~7のいずれか一項に記載の管理システム。
【請求項9】
各々に1つ以上の機器が存在し、各々で前記1つ以上の機器に対する制御が異なる複数のゾーンを管理する管理システムで用いられる管理方法であって、
複数のゾーンのそれぞれについて、当該ゾーンに存在するユーザの数を算出するユーザ数算出ステップと、
前記複数のゾーンのそれぞれについて、当該ゾーンに存在するユーザの数に基づいて単位人数を算出する単位人数算出ステップと、
前記複数のゾーンのそれぞれについて、当該ゾーンの前記単位人数と他のゾーンの前記単位人数とに基づいて、当該ゾーンと前記他のゾーンとの利用状況を比較する比較ステップと、
前記複数のゾーンのうち前記比較ステップによる比較対象であった第1ゾーンと第2ゾーンにおいて、前記比較ステップによる比較結果が前記第1ゾーンの前記単位人数が前記第2ゾーンの前記単位人数より少ないとする場合に、前記第1ゾーンに含まれる制御領域に存在する機器の制御を、前記第2ゾーンに存在する1つ以上の機器の制御と同一となるように変更する変更ステップと、を含み、
前記変更ステップでは、更に、制御を変更した前記制御領域が前記第2ゾーンに含まれるように、前記第1ゾーン及び前記第2ゾーンの範囲を変更する、
管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に管理システム及び管理方法に関し、より詳細には各々に1つ以上の機器が存在し、当該1つ以上の機器に対する制御が各々で異なる複数のゾーンを管理する管理システム及び管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、有人エリアの人員が単数か複数かにより無人エリアの照明器具の出力を調整することで、より作業性或いは居住性に貢献できる照明システムが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1の照明システムでは、各エリアの照明手段の出力が、有人エリアから、その周囲の第1の無人エリア、さらにその外側の第2の無人エリアへの順序で減少するように設計され、対応する有人エリア内での人数が単数である場合よりも複数である場合の方が第1の無人エリア内の照明手段の出力が大きくなるように設計されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2010-147014号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
また、1つ以上の機器が存在し、当該1つ以上の機器に対する制御が各々で異なる複数のゾーンごとに機器を管理するシステム(管理システム)も存在する。
【0006】
管理システムにおいて、複数のゾーンのそれぞれについて当該ゾーンの利用状況に応じて当該ゾーンの範囲を変更することが望まれている。複数のゾーンのそれぞれに人が存在しているので、管理システムに特許文献1を適用した場合にはゾーンごとに有人エリアと無人エリアとで照明器具の出力変えることはできるが、ゾーンの変更はできない。
【0007】
本開示は上記課題に鑑みてなされ、複数のゾーンのそれぞれについて当該ゾーンの利用状況に応じて当該ゾーンの範囲を変更することができる管理システム及び管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様に係る管理システムは、各々に1つ以上の機器が存在し、前記1つ以上の機器に対する制御が各々で異なる複数のゾーンを管理する。前記管理システムは、ユーザ数算出部と、単位人数算出部と、比較部と、変更部と、を備える。前記ユーザ数算出部は、前記複数のゾーンのそれぞれについて、当該ゾーンに存在するユーザの数を算出する。前記単位人数算出部は、前記複数のゾーンのそれぞれについて、当該ゾーンに存在するユーザの数に基づいて単位人数を算出する。前記比較部は、前記複数のゾーンのそれぞれについて、当該ゾーンの前記単位人数と他のゾーンの前記単位人数とに基づいて、当該ゾーンと前記他のゾーンとでの利用状況を比較する。前記変更部は、前記複数のゾーンのうち前記比較部による比較対象であった第1ゾーンと第2ゾーンにおいて、前記比較部による比較結果が前記第1ゾーンの前記単位人数が前記第2ゾーンの前記単位人数より少ないとする場合に、前記第1ゾーンに含まれる制御領域に存在する機器に対する制御の内容を、前記第2ゾーンに存在する1つ以上の機器に対する制御の内容と同一となるように変更する。前記変更部は、更に、制御を変更した前記制御領域が前記第2ゾーンに含まれるように、前記第1ゾーン及び前記第2ゾーンの範囲を変更する。
【0009】
本開示の一態様に係る管理方法は、各々に1つ以上の機器が存在し、前記1つ以上の機器に対する制御が各々で異なる複数のゾーンを管理する管理システムで用いられる。前記管理方法は、ユーザ数算出ステップと、単位人数算出ステップと、比較ステップと、変更ステップと、を含む。前記ユーザ数算出ステップは、複数のゾーンのそれぞれについて、当該ゾーンに存在するユーザの数を算出する。前記単位人数算出ステップは、前記複数のゾーンのそれぞれについて、当該ゾーンに存在するユーザの数に基づいて単位人数を算出する。前記比較ステップは、前記複数のゾーンのそれぞれについて、当該ゾーンの前記単位人数と他のゾーンの前記単位人数とに基づいて、当該ゾーンと前記他のゾーンとの利用状況を比較する。前記変更ステップは、前記複数のゾーンのうち前記比較ステップによる比較対象であった第1ゾーンと第2ゾーンにおいて、前記比較ステップによる比較結果が前記第1ゾーンの前記単位人数が前記第2ゾーンの前記単位人数より少ないとする場合に、前記第1ゾーンに含まれる制御領域に存在する機器の制御を、前記第2ゾーンに存在する1つ以上の機器の制御と同一となるように変更する。前記変更ステップでは、更に、制御を変更した前記制御領域が前記第2ゾーンに含まれるように、前記第1ゾーン及び前記第2ゾーンの範囲を変更する。
【発明の効果】
【0010】
本開示によると、複数のゾーンのそれぞれについて当該ゾーンの利用状況に応じて当該ゾーンの範囲を変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本開示の実施形態1に係るゾーン管理装置の構成を説明する図である。
図2図2は、同上のゾーン管理装置を備える機器制御システムの構成を説明する図である。
図3図3は、同上の機器制御システムが備える位置情報システムが検知したエリアごとのユーザの数の変化を説明する図である。
図4図4は、同上のゾーン管理装置の動作を説明する図である。
図5図5は、同上のゾーン管理装置によりゾーンが変更された具体例を説明する図である。
図6図6は、本開示の実施形態2に係るゾーン管理装置の構成を説明する図である。
図7図7は、同上のゾーン管理装置の動作を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に説明する実施形態及び変形例は、本開示の一例に過ぎず、本開示は、実施形態及び変形例に限定されない。以下の実施形態及び変形例以外であっても、本開示に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0013】
(実施形態1)
以下、本実施形態に係る管理システム1及び機器制御システム2について、図1図5を用いて説明する。
【0014】
(1)概要
本実施形態に係る機器制御システム2は、図2に示すように、管理システム1としてのゾーン管理装置10と、位置情報システム3と、制御装置20と、複数の照明機器50と、を備える。
【0015】
位置情報システム3は、図2に示すように、複数のスキャナ30と、複数のタグ40と、を備える。
【0016】
複数のスキャナ30は、施設に設けられたフロアF1に備えられる。フロアF1は、複数のゾーン(ここでは、3つのゾーンR1、R2、R3)に分割されている。さらに、各ゾーンは、少なくとも1つの制御領域(ここでは、3つの領域)を有している。本実施形態では、ゾーンR1は3つの制御領域R11、R12,R13を、ゾーンR2は3つの制御領域R21、R22,R23を、ゾーンR3は3つの制御領域R31、R32,R33を、それぞれ有している。各制御領域は、1つ以上の検知領域を有している。例えば、制御領域R11は、3つの検知領域D11、D12,D13を有している。制御領域R21は、3つの検知領域D21、D22,D23を有している。制御領域R31は、3つの検知領域D31、D32,D33を有している。各検知領域にスキャナ30が設けられている。つまり、検知領域がスキャナの検知範囲となる。ここで、施設は、オフィスビル又は事務所である。また、ゾーンR1は、リラックスしたいユーザが利用するためのゾーンである。ゾーンR3は、作業等において集中力を高めたいユーザが利用するためのゾーンである。ゾーンR2は、上記以外のユーザが利用するためのゾーンである。以下、ゾーンR1をリラックスゾーン、ゾーンR2をバッファゾーン、ゾーンR3を集中ゾーンという場合もある。
【0017】
ゾーンR1~R3のそれぞれには、1つ以上の照明機器50が設けられている。具体的には、ゾーンR1~R3のそれぞれについて、当該ゾーンに含まれる検知領域ごとに1つ以上の照明機器50(図示例では、1つの照明機器)が設けられている。
【0018】
複数のタグ40のそれぞれは、スキャナ30と通信可能である。タグ40は、ユーザに所持される。ユーザが検知領域内に進入すると、当該検知領域に設けられたスキャナ30と通信を行う。スキャナ30は、タグ40から情報(例えば、タグ40の識別子)を受信すると、自機の識別子を含む情報であってユーザを検知したことを表す検知位置情報を、ゾーン管理装置10に送信する。
【0019】
ゾーン管理装置10は、複数の照明機器50を、制御領域ごとに制御するための制御情報を記憶している。
【0020】
ゾーン管理装置10は、位置情報システム3から得られた検知位置情報を基に、ゾーンR1~R3のうち2つのゾーン(第1ゾーン、第2ゾーン)の利用状況を比較する。ゾーン管理装置10は、比較結果に基づいて、第1ゾーンに含まれる複数の制御領域のうち1つの制御領域に存在する照明機器50の制御情報を、第2ゾーンに存在する1つ以上の照明機器の制御情報と同一となるように変更する。さらに、ゾーン管理装置10は、制御を変更した制御領域が第2ゾーンに含まれるように、第1ゾーン及び第2ゾーンの範囲を変更する。
【0021】
(2)構成
(2-1)ゾーン管理装置
ゾーン管理装置10は、図1に示すように、記憶部11、入力部12、通信部13及び制御部14を備える。
【0022】
ゾーン管理装置10は、例えばプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを有している。そして、プロセッサがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが制御部14として機能する。プロセッサが実行するプログラムは、ここではコンピュータシステムのメモリに予め記録されているが、メモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて提供されてもよい。
【0023】
記憶部11は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、又はEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等から選択されるデバイスで構成される。
【0024】
記憶部11は、ゾーンR1~R3にそれぞれ対応する複数のゾーン情報を記憶している。ゾーン情報は、対応するゾーンについてフロアF1での位置に係るゾーン位置情報、対応するゾーンに含まれる1つ以上の制御領域のそれぞれの当該ゾーンでの位置に係る領域位置情報、及び対応するゾーンでの収容人数を表す収容情報を含む。ここで、収容情報は、例えば、対応するゾーンに設けられた椅子の数である。ゾーン情報は、さらに、対応するゾーンに含まれるスキャナ30のそれぞれについて当該スキャナ30の位置、言い換えると当該スキャナ30の検知範囲に係るスキャナ位置情報と当該スキャナの識別子との組を含む。
【0025】
記憶部11は、さらに、複数の制御領域R11~R13,R21~R23,R21~R23にそれぞれ対応する複数の制御情報を記憶している。制御情報は、対応する制御領域に係る情報、例えば対応する制御領域に対する領域位置情報と、制御対象となる照明機器、つまり対応する制御領域に設けられた照明機器の識別子と、を含む。制御情報は、さらに、制御内容を含む。ここで、制御内容は、例えば、制御対象である照明機器の照度、照明色等を含む。
【0026】
複数の制御領域のうち、集中ゾーンにおける制御領域の制御情報に含まれる制御内容である照度は、例えば700~1000luxで設定される。複数の制御領域のうち、リラックスゾーンにおける制御領域の制御情報に含まれる制御内容である照度は、例えば200~400luxで設定される。バッファゾーンにおける制御領域の制御情報に含まれる制御内容である照度は、例えば400~700luxで設定される。なお、これらの数値は一例であり、これらの数値に限定する趣旨ではない。
【0027】
入力部12は、ゾーン管理装置10の操作者の操作により、ゾーン設定、照明機器の制御に係る情報の入力を受け付ける。例えば、入力部12は、ゾーンの初期設定時において、複数のゾーンにそれぞれ対応する複数のゾーン情報の入力を受け付ける。入力部12は、さらに、照明機器50の初期設定時において、複数の制御領域R11~R13,R21~R23,R21~R23にそれぞれ対応する複数の制御情報の入力を受け付ける。なお、複数のゾーン情報及び複数の制御情報の受け付けは、操作者の入力に限らない。例えば、入力部12は、通信により複数のゾーン情報及び複数の制御情報を受け付けてもよい。また、入力部12は、ゾーン情報の一部を、通信により受け付けてもよい。例えば入力部12は、スキャナ30の識別子を、当該スキャナ30から通信により受け取ってもよい。同様に入力部12は、制御情報の一部を、通信により受け付けてもよい。例えば入力部12は、照明機器50の識別子を、当該照明機器50から通信により受け取ってもよい。
【0028】
通信部13は、各スキャナ30及び制御装置20と通信を行うための通信インタフェースを有している。
【0029】
制御部14は、図1に示すように、初期情報取得部100、検知位置情報取得部101、ユーザ数算出部102、単位人数算出部103、比較部104、変更部105及び出力処理部106を有する。
【0030】
初期情報取得部100は、入力部12が受け付けた複数のゾーン情報及び複数の制御情報を取得する。初期情報取得部100は、取得した複数のゾーン情報及び複数の制御情報を、記憶部11に記憶する。
【0031】
検知位置情報取得部101は、複数のスキャナ30のそれぞれについて、当該スキャナ30が人を検知した場合には当該スキャナ30の検知結果である検知位置情報を、通信部13を介して取得する。
【0032】
ユーザ数算出部102は、人を検知したスキャナ30が送信した検知位置情報を基に、ゾーンR1~R3のそれぞれについて、当該ゾーンに存在するユーザの人数を、定期的に算出する。ユーザ数算出部102は、検知位置情報に含まれるスキャナ30の識別子を基に、当該スキャナ30が設けられたゾーンを特定する。例えば、ユーザ数算出部102は、検知位置情報に含まれるスキャナ30の識別子に対応するスキャナ位置情報を含むゾーン情報を特定する。ユーザ数算出部102は、特定したゾーンごとに、当該ゾーンに属するスキャナ30が送信した検知位置情報の合計数を算出し、当該合計値を当該ゾーンに属するユーザ数とする。
【0033】
単位人数算出部103は、ゾーンR1~R3のそれぞれについて、当該ゾーンに存在するユーザ数に基づいて単位人数を算出する。単位人数算出部103は、ゾーンR1~R3のそれぞれに対応するゾーン情報から当該ゾーンの収容情報を取得する。単位人数算出部103は、ゾーンR1~R3のそれぞれについて、当該ゾーンに存在するユーザ数を、当該ゾーンの収容情報で表される収容人数で除算して、単位人数を算出する。収容人数は、例えば座席数である。
【0034】
比較部104は、ゾーンR1~R3のそれぞれについて、当該ゾーンのユーザの数と他のゾーンのユーザの数とに基づいて、当該ゾーンと他のゾーンとでの利用状況を比較する。比較部104は、ゾーンR1~R3のそれぞれについて、当該ゾーンの単位人数と他のゾーンの単位人数とを比較することで、当該ゾーンと他のゾーンとでの利用状況を比較する。具体的には、比較部104は、ゾーンR1~R3のそれぞれのゾーン位置情報に基づいて、隣り合う2つのゾーンについて利用状況を比較する。例えば、比較部104は、ゾーンR1の単位人数とゾーンR2の単位人数との比較、ゾーンR2の単位人数とゾーンR3の単位人数との比較のそれぞれを行う。
【0035】
比較部104は、ゾーンR1~R3のそれぞれでの収容情報で表される収容人数の合計人数(フロアF1での収容人数)に対して所定の割合である人数に到達した時刻よりも所定時間前にユーザ数算出部102が算出したユーザの数に基づいて比較を行うことが好ましい。例えば、フロアF1がオフィスビルでの1つのフロアであるとする。この場合、始業時刻(例えば、9時)まえにユーザがフロアF1にやって来る。そして、ゾーンR1~R3のうち所望するゾーンで作業を開始する。このとき、人気のあるゾーンは、早い時間帯に埋まってしまい、始業時刻の直前に来たユーザは所望するゾーンで作業ができないことが考えられる。図3は、ゾーンR1~R3のユーザ数の推移を表す。線L1と線L2との差分がゾーンR3でのユーザ数の推移を表し、線L2と線L3との差分がゾーンR2でのユーザ数の推移を表し、線L3がゾーンR1でのユーザ数の推移を表す。例えば、フロアF1の収容人数が100人とすると、8時30分の時点で約6割のユーザ数(60人)が確認される(図3参照)。この場合、人気のあるゾーン(例えばゾーンR2)では収容人数を超え、ゾーンR2を所望する一部のユーザは他のゾーン(例えばゾーンR1)に流れている可能性がある。そのため、この時点での単位人数を利用すると、ユーザの希望が反映されていない可能性があり、より正確な利用状況を判断できない可能性がある。
【0036】
そこで、比較部104は、フロアF1での収容人数に対して所定の割合(例えば、6割)である人数に到達した時刻よりも所定時間前(例えば15分前)にユーザ数算出部102が算出したユーザ数に基づいて比較を行う。これにより、ゾーンR1~R3のそれぞれの利用状況は、ゾーンR1~R3のそれぞれで検知されたユーザの希望が反映されている可能性が高い。そのため、利用状況の判断をより精度よく行うことができる。
【0037】
変更部105は、比較部104による比較結果に応じて、比較対象である2つのゾーンのうち一方のゾーンに含まれる1つの制御領域に存在する照明機器50の制御を、他方のゾーンに存在する1つ以上の照明機器50の制御と同一となるように変更する。
【0038】
例えば、変更部105は、制御の変更が必要であるか否かを判断する。具体的には、変更部105は、所定期間(例えば、1週間)において、比較対象である2つのゾーンの単位人数の差分が所定値以上となる回数が所定回数以上であるか否かを判断する。変更部105は、つまり所定期間において、比較対象である2つのゾーンの単位人数の差分が所定値以上となる回数が所定回数以上であると判断する場合、制御の変更が必要であると判断する。
【0039】
変更部105は、制御の変更が必要であると判断する場合に、比較対象である2つのゾーンのうち一方のゾーン(単位人数が少ないゾーン)に含まれる1つの制御領域に存在する照明機器50の制御を、他方のゾーン(単位人数が多いゾーン)に存在する1つ以上の照明機器50の制御と同一となるように変更する。例えば、変更部105は、上記一方のゾーンに対応するゾーン情報に含まれる1つ以上の制御領域にそれぞれ対応する1つ以上の領域位置情報を用いて、1つ以上の制御領域のうち上記他方のゾーンと隣り合う制御領域を特定する。変更部105は、特定した制御領域に対応する制御情報を記憶部11から取得する。変更部105は、取得した制御情報に含まれる制御内容を、上記他方のゾーンに含まれる制御領域に対応する制御情報に含まれる制御内容となるように変更する。
【0040】
さらに、変更部105は、制御の変更を行った場合、比較対象である2つのゾーンのそれぞれに対するゾーン位置情報を更新する。例えば、変更部105は、比較対象である2つのゾーンのうち一方のゾーン(単位人数が少ないゾーン)に含まれる1つの制御領域に存在する照明機器50の制御を、他方のゾーン(単位人数が多いゾーン)に存在する1つ以上の照明機器50の制御と同一となるように変更した場合を考える。この場合、変更部105は、制御内容を変更した制御情報に対応する制御領域が他方のゾーンに属するように、当該他方のゾーンのゾーン情報に当該制御領域の制御位置情報を含める。変更部105は、当該制御領域が当該他方のゾーンに含めるように、当該他方のゾーンに対するゾーン位置情報を変更する。さらに、変更部105は、制御内容を変更した制御情報に対応する制御領域が一方のゾーンに属さないように、当該一方のゾーンのゾーン情報から当該制御領域の制御位置情報を削除する。変更部105は、当該制御領域が当該一方のゾーンに含めないように、当該一方のゾーンに対するゾーン位置情報を変更する。つまり、変更部105は、一方のゾーンの制御領域に存在するすべて照明機器50の制御を、他方のゾーンに存在する1つ以上の照明機器50の制御と同一となるように変更した場合、当該制御領域が他方のゾーンに含まれ、一方のゾーンには含まれないように、2つのゾーンのそれぞれに対応する前記ゾーン位置情報を更新する。
【0041】
出力処理部106は、複数の制御領域R11~R13,R21~R23,R21~R23にそれぞれ対応する複数の制御情報を、制御装置20に通信部13を介して出力する。出力処理部106は、制御装置20からの要求に応じて、複数の制御情報を送信してもよい。または、出力処理部106は、変更部105が複数の制御情報のうち少なくとも1つの制御情報に対して変更を行った場合には、制御装置20からの要求の有無にかかわらず複数の制御情報を送信してもよい。
【0042】
(2-2)制御装置
制御装置20は、例えばプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを有している。そして、プロセッサがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが制御装置20として機能する。プロセッサが実行するプログラムは、ここではコンピュータシステムのメモリに予め記録されているが、メモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて提供されてもよい。
【0043】
制御装置20は、複数の制御領域R11~R13,R21~R23,R21~R23にそれぞれ対応する複数の制御情報を、ゾーン管理装置10から受け取る。
【0044】
制御装置20は、制御領域ごとに、当該制御領域に備えられた1つ以上のすべての照明機器50を、ゾーン管理装置10から受け取った複数の制御情報のうち当該制御領域に対応する制御情報の制御内容に基づいて制御する。
【0045】
(3)動作
ゾーン管理装置10の動作について、図4を用いて説明する。
【0046】
検知位置情報取得部101は、複数のスキャナ30のうち人を検知したスキャナ30から検知位置情報を取得する(ステップS1)。
【0047】
ユーザ数算出部102は、人を検知したスキャナ30が送信した検知位置情報を基に、ゾーンR1~R3のそれぞれについて、当該ゾーンに存在するユーザの人数を算出する(ステップS2)。具体的には、ゾーンごとに、当該ゾーンに属するスキャナ30が送信した検知位置情報の合計数を算出し、当該合計値を当該ゾーンに属するユーザ数とする。
【0048】
単位人数算出部103は、ゾーンR1~R3のそれぞれについて、当該ゾーンに存在するユーザ数に基づいて単位人数を算出する(ステップS3)。具体的には、単位人数算出部103は、ゾーンR1~R3のそれぞれについて、当該ゾーンに存在するユーザ数を、当該ゾーンの収容情報で表される収容人数で除算して、単位人数を算出する。
【0049】
比較部104は、ゾーンR1~R3のそれぞれについて、当該ゾーンのユーザの数と他のゾーンのユーザの数とに基づいて、当該ゾーンと他のゾーンとでの利用状況を比較する(ステップS4)。具体的には、比較部104は、ゾーンR1~R3のそれぞれのゾーン位置情報に基づいて、隣り合う2つのゾーンについて、それぞれの単位人数を比較することで、当該2つのゾーンでの利用状況を比較する。
【0050】
変更部105は、制御の変更が必要であるか否かを判断する(ステップS5)。具体的には、変更部105は、所定期間において、比較対象である2つのゾーンの単位人数の差分が所定値以上となる回数が所定回数以上であるか否かを判断する。
【0051】
制御の変更が必要であると判断する場合(ステップS5における「Yes」)、変更部105は、変更処理を実行する(ステップS6)。具体的には、変更部105は、比較対象である2つのゾーンのうち単位人数が少ないゾーンに含まれる1つの制御領域に存在する照明機器50の制御を、単位人数が多いゾーンに存在する1つ以上の照明機器50の制御と同一となるように変更する。さらに、変更部105は、制御が変更された照明機器50を含む制御領域が、単位人数が多いゾーンに含まれ、単位人数が少ないゾーンに含まれないように、比較対象である2つのゾーンのそれぞれのゾーン位置情報を変更する。
【0052】
制御の変更が必要でないと判断する場合(ステップS5における「No」)、処理は終了する。
【0053】
(4)具体例
ここでは、ゾーンの変更について、具体例を用いて説明する。
【0054】
フロアF1において、図2に示すように、3つのゾーンR1~R3が設定されていることを前提とする。
【0055】
この場合、比較部104は、ゾーンR1の単位人数とゾーンR2の単位人数との比較、及びゾーンR2の単位人数とゾーンR3の単位人数との比較を行う。
【0056】
変更部105は、比較結果に基づいて、比較対象である2つのゾーンのうち一方のゾーン(単位人数が少ないゾーン)の1つの制御領域において、照明機器50の制御の変更が必要であるか否かを判断する。例えば、変更部105は、比較対象である2つのゾーンR2,R3のうち単位人数が少ないゾーンR3の1つの制御領域において照明機器50の制御の変更が必要であると判断する。
【0057】
この場合、変更部105は、ゾーンR3に含まれる制御領域R31~R33のうちゾーンR2と隣り合う制御領域R31に対応する制御情報に含まれる制御内容を、ゾーンR2に含まれる制御領域R21~R23のそれぞれに対応する制御情報に含まれる制御内容と同一となるように変更する。
【0058】
さらに、変更部105は、制御内容が変更された制御情報に対応する制御領域R31がゾーンR2に含まれ、ゾーンR3には含まれないように、ゾーンR2及びゾーンR3のそれぞれのゾーン位置情報を変更する。
【0059】
変更部105による変更処理により、図5に示すように、バッファゾーンが図2に示すゾーンR2からゾーンR2aに変更され、バッファゾーンの範囲が広がる。一方、変更部105による変更処理により、図5に示すように、集中ゾーンが図2に示すゾーンR3からゾーンR3aに変更され、集中ゾーンの範囲が狭くなる。
【0060】
(5)利点
以上説明したように、実施形態1の管理システム1としてのゾーン管理装置10は、各々に1つ以上の照明機器50が存在し、当該1つ以上の照明機器50に対する制御が各々で異なる複数のゾーン(ここでは、3つのゾーンR1~R3)を管理する。管理システム1は、ユーザ数算出部102と、比較部104と、変更部105と、を備える。ユーザ数算出部102は、複数のゾーンのそれぞれについて、当該ゾーンに存在するユーザの数を算出する。比較部104は、複数のゾーンのそれぞれについて、当該ゾーンのユーザの数と他のゾーンのユーザの数とに基づいて、当該ゾーンと他のゾーンとでの利用状況を比較する。変更部105は、複数のゾーンのうち比較部104による比較対象であった第1ゾーンと第2ゾーンにおいて、比較部104による比較結果に応じて、第1ゾーンに含まれる制御領域に存在する照明機器50に対する制御の内容を、変更する。具体的には、変更部105は、当該制御領域に存在する照明機器50に対する制御の内容を、第2ゾーンに存在する1つ以上の照明機器50に対する制御の内容と同一となるように変更する。
【0061】
この構成によると、管理システム1は、第1ゾーンと第2ゾーンとの利用状況の比較結果に応じて、第1ゾーンに含まれる制御領域に存在する照明機器50の制御の内容を、第2ゾーンに存在する1つ以上の照明機器50の制御の内容と同一となるように変更する。管理システム1は、1つ以上の照明機器50に対する制御が各々で異なる複数のゾーンを管理するので、制御の内容が変更された制御領域を、第2ゾーンに含まれる領域として管理することができる。つまり、管理システム1は、複数のゾーンのそれぞれについて当該ゾーンの利用状況に応じて当該ゾーンの範囲を変更することができる。
【0062】
また、実施形態1では、管理システム1の比較部104は、複数のゾーンのうち互いに隣り合う2つのゾーンでの利用状況を比較する。
【0063】
この構成によると、管理システム1は、比較部104の比較結果に応じてゾーンの範囲を変更する場合であっても、2つのゾーンは隣り合っているので、管理対象となるゾーンの連続性を保つことができる。その結果、ゾーン間の環境の違い(照度の違い)による違和感を緩和させることができる。
【0064】
さらに、管理システム1は、比較対象である2つのゾーンについて、一方のゾーンに含まれる制御領域に存在する照明機器50の制御の内容を、他方のゾーンに存在する1つ以上の照明機器50の制御の内容と同一となるように変更した場合、当該制御領域が他方のゾーンに含まれるように、2つのゾーンのそれぞれに対応するゾーン位置情報を更新する。
【0065】
この構成によると、制御の内容が変更された状態に応じてゾーンの範囲を動的に変更することができる。
【0066】
管理システム1は、複数のゾーンのそれぞれについて、当該ゾーンに存在するユーザの数に基づいて単位人数を算出する単位人数算出部103を、更に備える。具体的には、単位人数算出部103は、ゾーンの存在するユーザ数を当該ゾーンの収容人数(例えば、座席数)で除算する。そのため、単位人数算出部103は、1つの座席当たりの人数を算出することができる。つまり、単位人数算出部103は、複数のゾーンについて、統一された単位当たりの人数を算出する。したがって、比較部104は、より精度よく利用状況の比較を行うことができる。
【0067】
(6)変形例
(6-1)変形例1
実施形態1では、機器制御システム2は、タグ40とスキャナ30との通信により人を検知する位置情報システム3を備える構成としたが、この構成に限定されない。
【0068】
人を検知するシステムは、他のシステムであってもよい。例えば、人を検知するシステムは、ゾーンごと、又は制御領域ごとに、上方から撮像した画像データに含まれる人を検知するシステムであってもよい。
【0069】
(6-2)変形例2
実施形態1では、管理システム1(ゾーン管理装置10)は、複数のゾーンのうち隣り合うゾーン間の利用状況を比較する構成としたが、この構成に限定されない。
【0070】
管理システム1は、複数のゾーンのうち隣り合っていないゾーン間の利用状況を比較、例えばゾーンR1とゾーンR3とのそれぞれの利用状況を比較してもよい。
【0071】
(6-3)変形例3
実施形態1では、変更部105は、所定期間(例えば、1週間)において、比較対象である2つのゾーンの単位人数の差分が所定値以上となる回数が所定回数以上である場合に、照明機器50の設定内容を変更する構成とした。しかしながら、この構成に限定されない。
【0072】
変更部105は、直近の比較結果のみを用いて、照明機器50の設定内容を変更するゾーンの変更を行ってもよい。例えば、フロアF1がオフィスビルでの1つのフロアである場合、変更部105は、終業時刻後(例えば、当日の20時)において、直近の比較結果(例えば、当日における比較結果)を用いて照明機器50の設定内容を変更するか否かを判断する。変更部105は、比較対象である2つのゾーンの単位人数の差分が所定値以上であることを表しているときに、照明機器50の設定内容を変更する。
【0073】
(6-4)変形例4
実施形態1では、比較部104は、単位人数算出部103が各ゾーンについて単位人数を算出すると、常に利用状況の比較を行う構成としたが、この構成に限定されない。
【0074】
比較部104は、比較対象である2つのゾーンのうち少なくとも一方のゾーンの単位人数が所定値以上である場合に、2つのゾーンにおける利用状況を比較してもよい。
【0075】
(実施形態2)
以下、実施形態2に係る管理システム1としてのゾーン管理装置10Aについて、図6図7を用いて説明する。実施形態2ではゾーン管理装置10Aが、単位人数の比較に加えて各ゾーンで会話が行われる時間及びユーザが集中している時間に基づいたゾーンの状況を比較する点が実施形態1と異なる。以下、実施形態1と異なる点を中心に説明する。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を適宜省略する。
【0076】
実施形態2では、複数のタグ40は、スキャナ30との通信機能に加えて、マイクロホン及び加速度センサを有している。タグ40は、マイクロホンで取得したユーザの音声に係る音声データを、当該ユーザが存在する検知領域に設けられたスキャナ30を介してゾーン管理装置10Aに送信する。さらに、タグ40は、加速度センサが検知した当該タグ40の傾き結果(検知結果)を、当該ユーザが存在する検知領域に設けられたスキャナ30を介してゾーン管理装置10Aに送信する。
【0077】
ゾーン管理装置10Aは、図6に示すように、記憶部11、入力部12、通信部13及び制御部14aを備える。
【0078】
ゾーン管理装置10Aは、例えばプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを有している。そして、プロセッサがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが制御部14aとして機能する。プロセッサが実行するプログラムは、ここではコンピュータシステムのメモリに予め記録されているが、メモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて提供されてもよい。
【0079】
記憶部11は、さらに、複数のタグ40のそれぞれが送信した音声データ、及び加速度センサの検知結果を時系列に、タグ40ごとに記憶する。
【0080】
記憶部11は、さらに、ゾーンごとに、会話に対する重み付け値(会話用重み付け値)と、集中度に対する重み付け値(集中用重み付け値)とを記憶している。
【0081】
制御部14aは、初期情報取得部100、検知位置情報取得部101、ユーザ数算出部102、単位人数算出部103、比較部104a、変更部105a、出力処理部106及び利用情報取得部107を有する。
【0082】
検知位置情報取得部101は、さらに、タグ40からスキャナ30を介して、当該タグ40を所持するユーザの音声データと、当該タグが有する加速度センサの検知結果(センサ結果、集中関連データ)と、を取得する。検知位置情報取得部101が音声データとセンサ結果とを取得する機能が、本開示のデータ取得部に相当する。
【0083】
利用情報取得部107は、複数のゾーンのそれぞれにおいて、当該ゾーンに対する検知位置情報取得部101が取得した音声データとセンサ結果とを基に当該ゾーンの利用に関する利用情報を取得する。
【0084】
具体的には、利用情報取得部107は、複数のゾーンのそれぞれにおいて、当該ゾーンに対する音声データを基に、当該ゾーンに存在するユーザごとに会話が行われている時間(会話時間)を取得する。例えば、利用情報取得部107は、音声データを基に発話されている時間を計測することで、会話時間を取得する。利用情報取得部107は、複数のゾーンのそれぞれにおいて、当該ゾーンに対するセンサ結果を基に、当該ゾーンに存在するユーザごとに集中している時間(集中時間)を取得する。例えば、利用情報取得部107は、センサ結果を基にセンサ結果が所定の範囲内に含まれる時間を計測することで、会話時間を取得する。
【0085】
利用情報取得部107は、複数のゾーンのそれぞれにおいて、当該ゾーンに存在するユーザごとの会話時間に当該ゾーンに対応する会話用重み付け値を乗算する。利用情報取得部107は、複数のゾーンのそれぞれにおいて、当該ゾーンの会話時間の合計値(会話用総和時間)を算出する。利用情報取得部107は、複数のゾーンのそれぞれにおいて、当該ゾーンに存在するユーザごとの集中時間に当該ゾーンに対応する集中用重み付け値を乗算する。利用情報取得部107は、複数のゾーンのそれぞれにおいて、当該ゾーンの集中時間の合計値(集中用総和時間)を算出する。
【0086】
利用情報取得部107は、複数のゾーンのそれぞれにおいて、当該ゾーンに対する利用情報を取得する。例えば、利用情報取得部107は、複数のゾーンのそれぞれにおいて、当該ゾーンに対する会話用総和時間と集中用総和時間とを比較する。利用情報取得部107は、当該ゾーンに対する会話用総和時間が集中用総和時間よりも長い場合には、当該ゾーンは会話するためのゾーンとして利用されていることを表す情報を、利用情報として取得する。利用情報取得部107は、当該ゾーンに対する集中用総和時間が会話用総和時間よりも長い場合には、当該ゾーンは集中するためのゾーンとして利用されていることを表す情報を、利用情報として取得する。
【0087】
比較部104aは、ゾーンR1~R3のそれぞれのゾーン位置情報に基づいて、隣り合う2つのゾーンについて利用状況を比較する。具体的には、比較部104aは、隣り合う2つのゾーンについて、単位人数の比較に加えて、利用情報の比較を行う。ここで、比較部104aは、実施形態1の比較部104と同様に、ゾーンR1~R3のそれぞれでの収容情報で表される収容人数の合計人数に対して所定の割合である人数に到達した時刻よりも所定時間前にユーザ数算出部102が算出したユーザの数に基づいて比較を行うことが好ましい。
【0088】
変更部105aは、比較部104aによる比較結果に応じて、比較対象である2つのゾーンのうち一方のゾーンに含まれる1つの制御領域に存在する照明機器50の制御を、他方のゾーンに存在する1つ以上の照明機器50の制御と同一となるように変更する。具体的には、変更部105aは、隣り合う2つのゾーンのうち一方のゾーンの単位人数が他方の単位人数よりも少なく、かつ互いのゾーンの利用情報の内容が同一である場合には、制御の変更を行う。例えば、変更部105aは、実施形態1の変更部105と同様に、比較対象である2つのゾーンのうち単位人数が少ないゾーンに含まれる1つの制御領域に存在する照明機器50の制御を、単位人数が多いゾーンに存在する1つ以上の照明機器50の制御と同一となるように変更する。ここで、制御の変更対象となる制御領域は、実施形態1と同様に、単位人数が多いゾーンと隣り合う領域である。
【0089】
さらに、変更部105aは、制御の変更を行った場合、実施形態1と同様に、比較対象である2つのゾーンのそれぞれに対するゾーン位置情報を更新する。
【0090】
次に、実施形態2におけるゾーン管理装置10Aの動作について、図7を用いて説明する。
【0091】
検知位置情報取得部101は、複数のスキャナ30のうち人を検知したスキャナ30から検知位置情報を取得する(ステップS11)。
【0092】
ユーザ数算出部102は、人を検知したスキャナ30が送信した検知位置情報を基に、ゾーンR1~R3のそれぞれについて、当該ゾーンに存在するユーザの人数を算出する(ステップS12)。
【0093】
単位人数算出部103は、ゾーンR1~R3のそれぞれについて、当該ゾーンに存在するユーザ数に基づいて単位人数を算出する(ステップS13)。
【0094】
利用情報取得部107は、ゾーンR1~R3のそれぞれについて、当該ゾーンに対する利用情報を取得する(ステップS14)。具体的には、利用情報取得部107は、複数のゾーンのそれぞれにおいて、当該ゾーンに存在するユーザごとの会話時間、及び集中時間を取得する。利用情報取得部107は、複数のゾーンのそれぞれにおいて、当該ゾーンの会話用総和時間、及び集中用総和時間を算出する。利用情報取得部107は、複数のゾーンのそれぞれにおいて、当該ゾーンに対する会話用総和時間と集中用総和時間とを比較し、比較結果に応じた利用情報を取得する。
【0095】
比較部104aは、ゾーンR1~R3のそれぞれについて、当該ゾーンのユーザの数と他のゾーンのユーザの数とに基づいた比較、及び当該ゾーンと他のゾーンとの利用情報の比較を行う(ステップS15)。具体的には、比較部104aは、ゾーンR1~R3のうち隣り合う2つのゾーンについて、それぞれの単位人数の比較及び利用情報の比較を行う。
【0096】
変更部105aは、制御の変更が必要であるか否かを判断する(ステップS16)。変更部105aは、隣り合う2つのゾーンのうち一方のゾーンの単位人数が他方の単位人数よりも少なく、かつ互いのゾーンの利用情報の内容が同一である場合には、制御の変更が必要であると判断する。具体的には、変更部105aは、所定期間において、比較対象である2つのゾーンの単位人数の差分が所定値以上となる回数が所定回数以上であり、かつ互いのゾーンの利用情報の内容が同一となる回数も所定回数以上である場合に、制御の変更が必要であると判断する。
【0097】
制御の変更が必要であると判断する場合(ステップS16における「Yes」)、変更部105は、変更処理を実行する(ステップS17)。実施形態2の変更処理は、実施形態1の変更処理と同一であるので、ここでの説明は省略する。
【0098】
制御の変更が必要でないと判断する場合(ステップS16における「No」)、処理は終了する。
【0099】
以下、実施形態2における変形例について列記する。
【0100】
実施形態2では、実施形態1と同様に、人の検知をタグ40とスキャナ30との通信により行う構成としたが、この構成に限定されない。ゾーンごと、又は制御領域ごとに、上方から撮像した画像データに含まれる人を検知してもよい。この場合、スキャナ30及びタグ40は、ゾーン管理装置10Aがユーザの音声データ及び加速度センサの検知結果を取得するために用いられる。
【0101】
実施形態2のゾーン管理装置10Aは、複数のゾーンのうち隣り合うゾーン間の利用状況を比較する構成としたが、この構成に限定されない。ゾーン管理装置10Aは、複数のゾーンのうち隣り合っていないゾーン間の利用状況を比較、例えばゾーンR1とゾーンR3とのそれぞれの利用状況を比較してもよい。
【0102】
実施形態2では、変更部105aは、所定期間(例えば、1週間)において、比較対象である2つのゾーンの単位人数の差分が所定値以上となる回数が所定回数以上であり、当該2つのゾーンの利用情報が同一である回数も所定回数以上である場合に、照明機器50の設定内容を変更する構成とした。しかしながら、この構成に限定されない。変更部105aは、直近の比較結果のみを用いて、照明機器50の設定内容を変更するゾーンの変更を行ってもよい。例えば、フロアF1がオフィスビルでの1つのフロアである場合、変更部105aは、終業時刻後(例えば、当日の20時)において、直近の比較結果(例えば、当日における比較結果)を用いて照明機器50の設定内容を変更するか否かを判断する。変更部105は、比較対象である2つのゾーンの単位人数の差分が所定値以上であり、かつ当該2つのゾーンの利用情報が同一である場合に、照明機器50の設定内容を変更する。
【0103】
実施形態2では、実施形態1と同様に、比較対象である2つのゾーンのうち少なくとも一方のゾーンの単位人数が所定値以上である場合に、2つのゾーンにおける利用状況を比較してもよい。
【0104】
実施形態2において、利用情報取得部107は、会話時間及び集中時間の双方に重み付けを行ったが、会話時間及び集中時間のうち一方のみに重み付けを行ってもよい。または、利用情報取得部107は、会話時間及び集中時間の双方に対して重み付けを行わなくてもよい。
【0105】
以上説明したように、実施形態2の管理システム1としてのゾーン管理装置10Aは、実施形態1のゾーン管理装置10と同様に、複数のゾーンのうち比較対象であった第1ゾーンと第2ゾーンにおいて、利用状況の比較結果に応じて、第1ゾーンに含まれる制御領域に存在する照明機器50に対する制御の内容を、第2ゾーンに存在する1つ以上の照明機器50に対する制御の内容と同一となるように変更する。
【0106】
この構成によると、実施形態2の管理システム1は、実施形態1の管理システム1と同様に、複数のゾーンのそれぞれについて当該ゾーンの利用状況に応じて当該ゾーンの範囲を変更することができる。
【0107】
また、実施形態2の管理システム1(の比較部104a)は、複数のゾーンのうち互いに隣り合う2つのゾーンでの利用状況を比較する。この構成によると、実施形態2の管理システム1は、利用状況の比較結果に応じてゾーンの範囲を変更する場合であっても、2つのゾーンは隣り合っているので、管理対象となるゾーンの連続性を保つことができる。したがって、ゾーン間の環境の違い(照度の違い)による違和感を緩和させることができる。
【0108】
さらに、実施形態2の管理システム1は、実施形態1と同様に、比較対象である2つのゾーンについて、一方のゾーンに含まれる制御領域に存在する照明機器50の制御の内容を、他方のゾーンに存在する1つ以上の照明機器50の制御の内容と同一となるように変更した場合、当該制御領域が他方のゾーンに含まれるように、2つのゾーンのそれぞれに対応するゾーン位置情報を更新する。これにより、実施形態2においても、制御の内容が変更された状態に応じてゾーンの範囲を動的に変更することができる。
【0109】
実施形態2の管理システム1は、会話時間及び集中時間に対して重み付けを行って、比較を行う。これにより、実施形態2の管理システム1は、利用状況の比較をより精度よく行うことができる。
【0110】
(その他の変形例)
以下に、変形例について列記する。なお、以下に説明する変形例は、上記各実施形態と適宜組み合わせて適用可能である。
【0111】
実施形態1では、単位人数を用いてゾーン間の利用状況を比較する構成とした。実施形態2では、重み付けされた単位人数を用いてゾーン間の利用状況を比較する構成とした。しかしながら、これらの構成に限定されない。ユーザ数算出部102が算出したユーザ数そのもので、ゾーン間の利用状況を比較してもよい。または、ユーザ数算出部102が算出したユーザ数に対して重み付けを行い、重み付け後のユーザ数を用いて、ゾーン間の利用状況を比較してもよい。
【0112】
実施形態1,2では、照明機器50を制御対象の機器として説明した。しかしながら、制御対象の機器は、照明機器50に限定されない。制御対象の機器は、他の機器であってもよい。例えば、制御対象の機器は、空調機器であってもよい。この場合、リラックスゾーンに設けられた空調機器の設定温度を25度とし、集中ゾーンに設けられた空調機器の設定温度を22度とし、バッファゾーンに設けられた空調機器の設定温度を24度とする。
【0113】
上記各実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上記実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、管理システム1(ゾーン管理装置10)と同様の機能は、管理方法、コンピュータプログラム、又はプログラムを記録した記録媒体等で具現化されてもよい。一態様に係る管理方法は、各々に1つ以上の機器が存在し、各々で前記1つ以上の機器に対する制御が異なる複数のゾーンを管理する管理システムで用いられる。管理方法は、ユーザ数算出ステップと、比較ステップと、変更ステップと、を含む。ユーザ数算出ステップは、複数のゾーンのそれぞれについて、当該ゾーンに存在するユーザの数を算出する。比較ステップは、複数のゾーンのそれぞれについて、当該ゾーンのユーザの数と他のゾーンのユーザの数とに基づいて、当該ゾーンと他のゾーンとの利用状況を比較する。変更ステップは、複数のゾーンのうち比較ステップによる比較対象であった第1ゾーンと第2ゾーンにおいて、比較ステップによる比較結果に基づいて、第1ゾーンに含まれる制御領域に存在する機器の制御を、第2ゾーンに存在する1つ以上の機器の制御と同一となるように変更する。一態様に係るプログラムは、コンピュータシステムを、上述した管理方法として機能させるためのプログラムである。
【0114】
本開示における管理システム1(ゾーン管理装置10,10A)又は管理方法の実行主体は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを有する。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における管理システム1(ゾーン管理装置10,10A)又は管理方法の実行主体としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されていてもよいが、電気通信回線を通じて提供されてもよい。また、プログラムは、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1又は複数の電子回路で構成される。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。
【0115】
コンピュータシステムである管理システム1は、1又は複数のコンピュータで構成されるシステムであってもよい。例えば、管理システム1の少なくとも一部の機能は、クラウド(クラウドコンピューティング)によって実現されてもよい。
【0116】
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様の管理システム(1)は、各々に1つ以上の機器(例えば照明機器50)が存在し、1つ以上の機器に対する制御が各々で異なる複数のゾーン(例えばゾーンR1~R3)を管理する。管理システム(1)は、ユーザ数算出部(102)と、比較部(104,104a)と、変更部(105,105a)と、を備える。ユーザ数算出部(102)は、複数のゾーンのそれぞれについて、当該ゾーンに存在するユーザの数を算出する。比較部(104,104a)は、複数のゾーンのそれぞれについて、当該ゾーンのユーザの数と他のゾーンのユーザの数とに基づいて、当該ゾーンと他のゾーンとでの利用状況を比較する。変更部(105,105a)は、複数のゾーンのうち比較部(104,104a)による比較対象であった第1ゾーンと第2ゾーンにおいて、比較部(104,104a)による比較結果に応じて、第1ゾーンに含まれる制御領域に存在する機器に対する制御の内容を、第2ゾーンに存在する1つ以上の機器に対する制御の内容と同一となるように変更する。
【0117】
この構成によると、管理システム(1)は、第1ゾーンと第2ゾーンとの利用状況の比較結果に応じて、第1ゾーンに含まれる制御領域に存在する機器の制御の内容を、第2ゾーンに存在する1つ以上の機器の制御の内容と同一となるように変更する。管理システム(1)は、1つ以上の機器に対する制御が各々で異なる複数のゾーンを管理するので、制御の内容が変更された制御領域を、第2ゾーンに含まれる領域として管理することができる。つまり、管理システム(1)は、複数のゾーンのそれぞれについて当該ゾーンの利用状況に応じて当該ゾーンの範囲を変更することができる。
【0118】
第2の態様の管理システム(1)は、第1の態様において、複数のゾーンのそれぞれについて、当該ゾーンの位置を表すゾーン位置情報を記憶する記憶部(11)を、更に備える。比較部(104,104a)は、複数のゾーンのそれぞれのゾーン位置情報を用いて、複数のゾーンのうち互いに隣り合う2つのゾーンにおける利用状況を比較する。
【0119】
この構成によると、管理システム(1)は、比較部(104,104a)の比較結果に応じてゾーンの範囲を変更する場合であっても、2つのゾーンは隣り合っているので、管理対象となるゾーンの連続性を保つことができる。
【0120】
第3の態様の管理システム(1)では、第2の態様において、変更部(105,105a)は、互いに隣り合う2つのゾーンを第1ゾーン及び第2ゾーンとし、第1ゾーンに含まれる制御領域に存在する機器の制御を、第2ゾーンに存在する1つ以上の機器の制御と同一となるように変更した場合、第1ゾーンに含まれる制御領域が第2ゾーンに含まれるように、第1ゾーン及び2ゾーンのそれぞれに対応するゾーン位置情報を更新する。
【0121】
この構成によると、ゾーンの範囲を動的に変更することができる。
【0122】
第4の態様の管理システム(1)は、第1~第3のいずれかの態様において、単位人数算出部(103)を、更に備える。単位人数算出部(103)は、複数のゾーンのそれぞれについて、当該ゾーンに存在するユーザの数に基づいて単位人数を算出する。比較部(104,104a)は、複数のゾーンのそれぞれについて、当該ゾーンでの単位人数と他のゾーンの単位人数とを比較することで、利用状況を比較する。
【0123】
この構成によると、単位人数算出部(103)は、複数のゾーンについて、統一された単位当たりの人数を算出する。したがって、比較部(104,104a)は、より精度よく利用状況の比較を行うことができる。
【0124】
第5の態様の管理システム(1)では、第4の態様において、比較部(104,104a)は、複数のゾーンのうち比較対象となる2つのゾーンにおいて、少なくとも一方のゾーンの単位人数が所定値以上である場合に、2つのゾーンにおける前記利用状況を比較する。
【0125】
この構成によると、単位数が所定値より小さい場合には管理するゾーンの範囲の変更を行わないことで、微小な変化による制御の感度を弱めることができる。その結果、ロバストな運用が可能となる。
【0126】
第6の態様の管理システム(1)は、第4又は第5の態様において、データ取得部(例えば検知位置情報取得部101)と、利用情報取得部(107)と、を更に備える。データ取得部は、複数のゾーンのそれぞれにおいて、当該ゾーンでのユーザの集中度に係る集中関連データ及びユーザの音声データを取得する。利用情報取得部(107)は、複数のゾーンのそれぞれにおいて、当該ゾーンに対するデータ取得部が取得した集中関連データ及び音声データを基に当該ゾーンの利用に関する利用情報を取得する。比較部(104a)は、単位人数及び利用情報を用いて利用状況を比較する。
【0127】
この構成によると、集中度及び音声データに基づいてゾーンを変更することができる。
【0128】
第7の態様の管理システム(1)では、第1~第6のいずれかの態様において、複数のゾーンのそれぞれについて、当該ゾーンでの収容人数が予め定められている。比較部(104)は、複数のゾーンでの収容人数の合計人数に対して所定の割合である人数に到達した時刻よりも所定時間前にユーザ数算出部(102)が算出したユーザの数に基づいて、利用状況を比較する。
【0129】
この構成によると、利用状況の判断をより精度よく行うことができる。例えば、人気のあるゾーンは、早い時間帯に埋まってしまい、所定時刻の直前に来たユーザは所望するゾーンで作業ができないことが考えられる。例えば、複数のゾーンでの収容人数の合計人数が100人とすると、所定時刻前のある時点で約6割のユーザ数が確認される。この場合、人気のあるゾーンでは収容人数を超え、当該ゾーンを所望する一部のユーザは他のゾーンに存在する可能性がある。そのため、この時点での単位人数を利用すると、ユーザの希望が反映されていない可能性があり、より正確な利用状況を判断できない可能性がある。そこで、比較部(104,104a)は、複数のゾーンでの収容人数の合計人数に対して所定の割合である人数に到達した時刻よりも所定時間前にユーザ数算出部(102)が算出したユーザ数に基づいて比較を行う。これにより、複数のゾーンのそれぞれの利用状況は、各ゾーンで検知されたユーザの希望が反映されている可能性が高い。そのため、利用状況の判断をより精度よく行うことができる。
【0130】
第8の態様の管理システム(1)では、第1~第7のいずれかの態様において、ユーザ数算出部(102)は、ユーザが存在する位置を検知する位置情報システム(3)から複数のゾーンのそれぞれで検知されたユーザに係る検知位置情報に基づいて、複数のゾーンのそれぞれについて、当該ゾーンに存在するユーザの数を算出する。
【0131】
この構成によると、位置情報システム(3)を用いることで、ユーザが複数のゾーンのうちどのゾーンに存在するかをより正確に特定することができる。その結果、ゾーンごとに、より正確なユーザ数を算出することができる。
【0132】
第9の態様の管理システム(1)では、第1~第8のいずれかの態様において、複数のゾーンについて、ゾーンごとに制御される機器は、照明機器(50)である。ゾーンごとに、照明機器(50)の照度が異なる。
【0133】
この構成によると、ゾーンごとに照明機器(50)の照度を制御することができる。
【0134】
第10の態様の管理方法は、各々に1つ以上の機器(例えば照明機器50)が存在し、1つ以上の機器に対する制御が各々で異なる複数のゾーン(例えばゾーンR1~R3)を管理する管理システム(1)で用いられる。管理方法は、ユーザ数算出ステップと、比較ステップと、変更ステップと、を含む。ユーザ数算出ステップは、複数のゾーンのそれぞれについて、当該ゾーンに存在するユーザの数を算出する。比較ステップは、複数のゾーンのそれぞれについて、当該ゾーンのユーザの数と他のゾーンのユーザの数とに基づいて、当該ゾーンと他のゾーンとの利用状況を比較する。変更ステップは、複数のゾーンのうち比較ステップによる比較対象であった第1ゾーンと第2ゾーンにおいて、比較ステップによる比較結果に基づいて、第1ゾーンに含まれる制御領域に存在する機器の制御を、第2ゾーンに存在する1つ以上の機器の制御と同一となるように変更する。
【0135】
この管理方法によると、複数のゾーンのそれぞれについて当該ゾーンの利用状況に応じて当該ゾーンの範囲を変更することができる。
【符号の説明】
【0136】
1 管理システム
10 ゾーン管理装置
11 記憶部
50 照明機器(機器)
101 検知位置情報取得部(データ取得部)
102 ユーザ数算出部
103 単位人数算出部
104,104a 比較部
105,105a 変更部
107 利用情報取得部
R1~R3,R2a,R3a ゾーン
R11~R13,R21~R23,R31~R33 制御領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7