(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-03
(45)【発行日】2023-08-14
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
F21S 8/02 20060101AFI20230804BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20230804BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20230804BHJP
F21Y 105/00 20160101ALN20230804BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20230804BHJP
【FI】
F21S8/02 430
F21S8/02 410
F21S2/00 439
F21S2/00 444
F21S2/00 498
F21S2/00 491
F21V23/00 120
F21Y105:00
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2019109065
(22)【出願日】2019-06-11
【審査請求日】2022-03-14
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】今井 敦史
(72)【発明者】
【氏名】森脇 和仁
(72)【発明者】
【氏名】福田 恒
(72)【発明者】
【氏名】雀部 啓太
【審査官】山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-075093(JP,A)
【文献】特開2018-022673(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/02
F21S 2/00
F21V 23/00
F21Y 105/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つの面が開口した箱状の器具本体と、
前記器具本体内に収容される面光源と、
前記面光源から放射される光を前記一つの面に向かって反射する反射面を有して前記器具本体内に収容される反射部材と、
前記面光源を点灯させる電源装置と、
を備え、
前記器具本体は、
前記一つの面と対向する底部と、
前記底部を囲む複数の側部と、
を有し、
前記面光源は、前記複数の側部のうちの一つの側部
のみに沿うように前記器具本体内に収容され、
前記反射部材は、前記反射面を有し、かつ、前記器具本体の前記底部と対向する反射板を有し、
前記反射板は、
前記一つの側部に隣り合い、かつ、前記底部との距離がしきい値未満である第1部位と、前記距離が前記しきい値以上である第2部位とを有し、
前記電源装置の少なくとも一部が、前記反射板の前記第2部位と前記底部に挟まれた空間に配置される、
照明器具。
【請求項2】
前記反射板は、平板状に形成されており、
前記反射部材は、前記底部に対して前記反射板を傾けた状態で前記器具本体内に収容される、
請求項1記載の照明器具。
【請求項3】
前記電源装置は、
長方形状のプリント回路板と、
前記プリント回路板を収容する長尺のケースと、
を有し、
前記反射板は、前記第1部位から前記第2部位に向かって前記底部から離れるように傾斜しており、
前記電源装置は、前記ケースの長手方向を、前記反射板の傾斜方向と交差させるように前記空間に配置される、
請求項2記載の照明器具。
【請求項4】
前記ケースは、前記空間に配置された状態で前記底部に取り付けられる、
請求項3記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、照明器具に関し、より詳細には、器具本体に電源装置が取り付けられた照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来例として特許文献1記載の照明器具を例示する。特許文献1記載の照明器具(以下、従来例という)は、四つの光源ユニット、各光源ユニットに電力を供給する電源装置、器具本体及び反射部材を備える。
【0003】
器具本体は、正方形状の底板と、底板の四つの辺からそれぞれ立ち上がる四つの側板とを有して箱形に形成されている。四つの光源ユニットはそれぞれ、LEDモジュール及び導光板を有する。導光板は、透光性を有する合成樹脂材料によって長尺の矩形板状に形成されている。LEDモジュールから放射される光は、導光板の長手方向に沿った二つの端面のうちの一方の端面から導光板内に入射され、導光板内を導光されて導光板の表面から出射する。これら四つの光源ユニットは、それぞれの導光板を側板と対向させるようにして器具本体に取り付けられる。
【0004】
反射部材は、正方形の板状に形成された反射板、反射板の四辺からそれぞれ一つずつ曲げ起こされた四つの反射側板、二つの引掛具及び取付ばねを有する。二つの引掛具はそれぞれ、ひし形の板状に形成され、反射板の上面において隣り合う二つの角の近くに配置されている。取付ばねは、ねじりコイルばねで構成されている。
【0005】
電源装置は、電力系統から供給される交流電力を直流電力に変換する電力変換回路、電源用の入力端子台、出力端子台などが実装されたプリント配線板を金属製のケースに収納して構成されている。電源装置は、器具本体の底板の下面に取り付けられている。
【0006】
反射部材は、二つの引掛具及び取付ばねにより、器具本体内に収容された状態で器具本体に支持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、従来例のような照明器具では低背化が望まれている。
【0009】
本開示の目的は、低背化を図ることができる照明器具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の一態様に係る照明器具は、一つの面が開口した箱状の器具本体と、前記器具本体内に収容される面光源とを備える。前記照明器具は、前記面光源から放射される光を前記一つの面に向かって反射する反射面を有して前記器具本体内に収容される反射部材と、前記面光源を点灯させる電源装置とを備える。前記器具本体は、前記一つの面と対向する底部と、前記底部を囲む複数の側部とを有する。前記面光源は、前記複数の側部のうちの一つの側部のみに沿うように前記器具本体内に収容される。前記反射部材は、前記反射面を有し、かつ、前記器具本体の前記底部と対向する反射板を有する。前記反射板は、前記一つの側部に隣り合い、かつ、前記底部との距離がしきい値未満である第1部位と、前記距離が前記しきい値以上である第2部位とを有する。前記電源装置の少なくとも一部が、前記反射板の前記第2部位と前記底部に挟まれた空間に配置される。
【発明の効果】
【0011】
本開示の照明器具は、低背化を図ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本開示の実施形態に係る照明器具の斜視図である。
【
図2】
図2は、同上の照明器具の器具本体の斜視図である。
【
図3】
図3は、同上の照明器具の器具本体の下面図である。
【
図4】
図4は、同上の照明器具の反射部材の斜視図である。
【
図5】
図5は、同上の照明器具の反射部材の上面図である。
【
図6】
図6は、同上の照明器具の仮保持状態の斜視図である。
【
図7】
図7は、同上の照明器具の第3側部を省略した前端部分の側面図である。
【
図8】
図8は、同上の照明器具の第3側部を省略した後端部分の側面図である。
【
図9】
図9は、同上の照明器具の前端部分の断面図である。
【
図11】
図11は、同上の照明器具の変形例の器具本体の下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示の実施形態に係る照明器具について、図面を参照して詳細に説明する。ただし、下記の実施形態において説明する各図は模式的な図であり、各構成要素の大きさ及び厚さのそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。なお、以下の実施形態で説明する構成は本開示の一例にすぎない。本開示は、以下の実施形態に限定されず、本開示の効果を奏することができれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0014】
実施形態に係る照明器具1(以下、照明器具1という。)は、システム天井に取り付けられるように構成されている。システム天井とは、単位天井を組み合わせたつり天井で、天井パネルを載せ掛け、照明器具、空調吹き出し口などの設備の取付けが容易にできる機能を有する天井である(日本工業規格 A1445「システム天井構成部材の試験方法」参照)。ただし、本開示の実施形態に係る照明器具はシステム天井用の照明器具に限定されず、システム天井以外の構造の天井に取り付けられる照明器具などであっても構わない。
【0015】
照明器具1は、
図1~
図8に示すように、器具本体2、光源ユニット3、反射部材4、電源装置10、二つの仮保持部材5、二つの固定部材6、取付部材7などを備える。なお、以下の説明においては、特に断りのない限り、
図1において矢印で示す上下、左右、前後の各方向を照明器具1の上下、左右、前後の各方向と規定する。
【0016】
器具本体2は、一つの面(下面)が開口した箱状に形成されている(
図2参照)。器具本体2は、四辺形状に形成されて下面と対向する底部20と、底部20の四つの辺のそれぞれと一つずつつながり、かつ、底部20を囲む四つの側部とを有する。ただし、以下の説明では、底部20の前側の辺につながる側部を第1側部21、底部20の後側の辺につながる側部を第2側部22、底部20の左側の辺につながる側部を第3側部23及び底部20の右側の辺につながる側部を第4側部24とそれぞれ呼ぶ。
【0017】
底部20は、第1底板201、第2底板202、第3底板203及び第4底板204をつなぎ合わせることによって正方形の枠状に形成されている(
図2及び
図3参照)。第1底板201、第2底板202、第3底板203及び第4底板204はそれぞれ、金属板によって同一寸法の長方形状に形成されている。ただし、底部20は正方形に限定されず、長方形などの正方形以外の四辺形であっても構わない。
【0018】
第1側部21、第2側部22、第3側部23及び第4側部24はそれぞれ、長方形状に形成されている。ただし、第1側部21は、金属板が曲げ加工されることによって第1底板201と一体に形成されている。同様に、第2側部22は第2底板202と一体に形成され、第3側部23は第3底板203と一体に形成され、第4側部24は第4底板204と一体に形成されている。なお、第1側部21、第2側部22、第3側部23及び第4側部24はそれぞれ、第1底板201、第2底板202、第3底板203及び第4底板204と別体に形成されても構わない。
【0019】
光源ユニット3は、光源部30と導光板31を有する(
図7参照)。光源部30は、長尺の基板302に複数個のLED(Light Emitting Diode)301が実装されて構成されるLEDモジュール300と、LEDモジュール300を収容するケース32を有する(
図7参照)。導光板31は、アクリル樹脂又はポリカーボネート樹脂などの透光性を有する合成樹脂材料によって長方形の平板状に形成されている。導光板31は、その上端部をケース32内に収容した状態でケース32に保持されている。ケース32内において、LEDモジュール300の複数個のLED301が導光板31の上端面と対向している(
図7参照)。ゆえに、LEDモジュール300から放射される光が導光板31の上端面より導光板31内に入射し、導光板31内を進行しながら導光板31の表面(後面)から後方に向かって出射する。つまり、光源ユニット3は面光源を構成している。
【0020】
光源ユニット3は、第1側部21に沿うように器具本体2内に収容される(
図3及び
図7参照)。具体的には、光源ユニット3のケース32が第1底板201の下面における前端に取り付けられる。そして、導光板31と第1側部21がわずかな隙間を空けて平行に並んでいる(
図7参照)。
【0021】
反射部材4は、反射板40と、四つの側板(第1側板41、第2側板42、第3側板43及び第4側板44)と、天板45とを有する(
図4及び
図5参照)。反射板40は、正方形の平板状に形成されている。なお、反射板40の下面が反射面400となる(
図1参照)。
【0022】
第1側板41は、反射板40の前側の辺から上向きに突出している(
図4参照)。第1側板41は、反射板40とつながっている第1縦片411と、第1縦片411の上端から横方向(前方向)に突出する横片413と、横片413の前端から上向きに突出する第2縦片412とを有する(
図7参照)。つまり、第1側板41は、反射板40から上方に向かって前方へ突出する階段状に形成されている。さらに、第1縦片411の長手方向(左右方向)の両端に、長方形状の貫通孔からなる引掛穴410が一つずつ設けられている(
図9参照)。ただし、引掛穴410の代わりに、長方形状の凹みが第1縦片411に設けられても構わない。
【0023】
第2側板42は、長方形の平板状に形成され、反射板40の後側の辺から上向きに突出している(
図8参照)。第3側板43及び第4側板44はそれぞれ、長尺の台形状に形成され、反射板40の左右両側の辺から上向きに突出している(
図4参照)。
【0024】
天板45は、長方形の平板状に形成されている(
図4参照)。天板45の二つの長辺のうちの一方の長辺が第2側板42の上端とつながっている。天板45の二つの短辺は、第3側板43の後側の上端及び第4側板44の後側の上端とそれぞれ一つずつつながっている(
図4参照)。また、天板45には、二つの引掛部450が設けられている。各引掛部450は、天板45を厚み方向(上下方向)に貫通する逆T字形状の貫通孔の縁によって形成されている(
図5参照)。
【0025】
二つの仮保持部材5はそれぞれ、長方形状の主片50と、主片50の下端につながった引掛片51と、主片50の上端につながった固定片52とを有している(
図2参照)。引掛片51は、主片50に比べて幅広の長方形状に形成され、主片50の下端から斜め上向きに突出している。固定片52は、四辺形状に形成されている。固定片52は、主片50の上端から主片50の厚み方向に沿って引掛片51と反対方向に突出している。
【0026】
二つの仮保持部材5はそれぞれ、器具本体2の第2底板202の下面に取り付けられる(
図2及び
図3参照)。より詳細には、第2底板202の下面において、中央の正方形の開口の後側の左右両端と隣り合う位置に仮保持部材5が一つずつ配置されている(
図3参照)。ただし、各仮保持部材5は、引掛片51を第2側部22に対向させる向きで第2底板202に取り付けられる(
図2参照)。
【0027】
二つの固定部材6はそれぞれ、引掛具60と引掛ばね61を一つずつ有している(
図3及び
図4参照)。二つの引掛具60はそれぞれ、ひし形の板状に形成されている。二つの引掛具60は、反射板40の上面における前端の左右両端に一つずつ配置されている。なお、各引掛具60は、第1側板41と平行するように起立している(
図4及び
図5参照)。
【0028】
二つの引掛ばね61はそれぞれ、ばね性を有する帯状の金属板によってΩ字状に形成されている(
図9参照)。二つの引掛ばね61は、器具本体2の第1底板201の下面における左右両端に一つずつ配置されている(
図3参照)。
【0029】
引掛具60は、引掛ばね61の2本の腕の間に抜き差し可能に挿入され、2本の腕に挟まれるように引掛ばね61に支持される(
図9参照)。
【0030】
取付部材7は、ねじりコイルばねからなる取付ばね70と、ばね取付部材71を有している(
図4参照)。取付ばね70は、コイル部700と、一対の腕部701を有している。なお、一対の腕部701のそれぞれの先端部分が折り曲げられている。取付ばね70は、天板45の長手方向(左右方向)の中央における前端部分に、ばね取付部材71によって取り付けられる(
図4及び
図5参照)。
【0031】
ばね取付部材71は、ばね支持部710、固定部711及び対向部712を有する(
図4及び
図5参照)。ばね支持部710は、逆U字状に形成されている。ばね支持部710は、取付ばね70のコイル部700に挿通される。コイル部700は、ばね支持部710に対して、コイル部700の軸回りに回転可能かつコイル部700の軸方向に移動可能な状態に支持される。固定部711は、四角形の板状に形成され、ばね支持部710の一端(後端)に設けられている。固定部711は、天板45にねじ止めされる。対向部712は、ばね支持部710の他端(前端)部分からばね支持部710の幅方向(左右方向)に沿ってばね支持部710の左右両側に突出している(
図4及び
図5参照)。さらに、対向部712は、上下方向において、ばね支持部710よりも上に突出している(
図4参照)。したがって、対向部712は、取付ばね70の一対の腕部701の根元部分(コイル部700とつながる部分)と前後方向において対向している。
【0032】
取付ばね70の一対の腕部701は、器具本体2の底部20(第2底板202)に設けられたばね引掛部26に引っ掛けられる。ばね引掛部26は、第2底板202の左右方向の中央における前端において、第2底板202を厚み方向(上下方向)に貫通する貫通孔の縁によって形成されている(
図3参照)。なお、前記貫通孔は、上下方向から見て正方形状の角孔と、この角孔の対角方向(左右方向)に沿って突出する長方形状の角孔とを有する。
【0033】
ところで、器具本体2の内底面(底部20の下面)の四隅、すなわち、第1底板201の下面の左右両端及び第2底板202の下面の左右両端に、それぞれスペーサ8が一つずつ取り付けられている(
図2及び
図3参照)。
【0034】
これら四つのスペーサ8はそれぞれ、台形状の対向片80と、対向片80の平行な2辺の一方の辺(第1辺)から突出する第1側片81と、対向片80の平行な2辺の他方の辺(第2辺)から突出する第2側片82とを有している(
図2参照)。各スペーサ8は、第2側片82の先端(上端)から対向片80と反対側に突出する固定片84と、固定片84の先端から第2側片82と平行に突出する第3側片83とを更に有している。ただし、対向片80、第1側片81、第2側片82、第3側片83及び固定片84は、金属板によって一体に形成されることが好ましい。
【0035】
対向片80は、対向片80の厚み方向(上下方向)に貫通する二つのねじ穴800を有している。二つのねじ穴800は、対向片80の第1辺に沿って並ぶように第1辺の長手方向の両端に一つずつ設けられている(
図2及び
図3参照)。
【0036】
各スペーサ8は、第1側片81を第3側部23又は第4側部24に当てた状態で固定片84が第1底板201又は第2底板202にねじ止めされることによって底部20に取り付けられている。なお、スペーサ8の対向片80と器具本体2の内底面の間に空間S1が形成される(
図9参照)。また、第1底板201の両端に取り付けられた二つのスペーサ8の固定片84はそれぞれ、一つの引掛ばね61とともに第1底板201にねじ止めされている。つまり、引掛ばね61の各腕部701は、第2側片82及び第3側片83とたわみ方向(左右方向)に沿って対向している(
図9参照)。
【0037】
器具本体2の底部20(第4底板204)の下面に、電源装置10、信号変換装置12、電源端子台13及び信号端子台14が取り付けられている(
図2及び
図3参照)。
【0038】
電源装置10は、光源ユニット3のLEDモジュール300に直流電流を供給してLEDモジュール300を点灯させる。電源装置10は、プリント回路板104と、プリント回路板104を収容する金属製のケース103とを有する(
図2及び
図3参照)。プリント回路板104は、電力系統から供給される交流電力を直流電力に変換する電力変換回路、電源用コネクタ100、信号用コネクタ101、出力用コネクタ102などがプリント配線板に実装されて構成されている。電源用コネクタ100は、電源端子台13と電線を介して電気的に接続される。信号用コネクタ101は、信号変換装置12と電線を介して電気的に接続される。出力用コネクタ102は、2本の電線11を介して光源ユニット3の光源部30と電気的に接続される。
【0039】
信号変換装置12は、信号端子台14を介して信号線に電気的に接続され、信号線によって伝送される、パルス幅変調(PWM)方式の調光信号を直流の電圧信号に信号変換する。電源装置10の電力変換回路は、信号変換装置12で信号変換された電圧信号の電圧レベル、すなわち、調光信号で指示された調光レベルに応じて、出力(出力電流)を増減するように構成されている。
【0040】
ここで、第4底板204には、二つの電線挿通孔2041、2042が設けられている(
図3参照)。二つの電線挿通孔2041、2042は、第4底板204の長手方向(前後方向)の両端に設けられている。前方の電線挿通孔2041には、電力系統から交流電力が供給される電源線が挿通される。後方の電線挿通孔2042には、信号線が挿通される。ただし、前方の電線挿通孔2041に信号線が挿通され、後方の電線挿通孔2042に電源線が挿通されても構わない。
【0041】
次に、照明器具1の施工手順を説明する。まず、施工作業を行う作業者は、反射部材4を取り外した器具本体2をシステム天井に取り付ける。すなわち、作業者は、第3側部23及び第4側部24の外側面にそれぞれ設けられている引掛金具25(
図2及び
図3参照)を、システム天井を構成する2本のTバーの上部に引っ掛けることにより、器具本体2をシステム天井に取り付ける。
【0042】
続いて、作業者は、第4底板204の一方の電線挿通孔2041から引き込んだ電源線を電源端子台13に電気的に接続し、他方の電線挿通孔2042から引き込んだ信号線を信号端子台14に電気的に接続する。
【0043】
次に、作業者は、器具本体2に反射部材4を取り付ける。まず、作業者は、一対の仮保持部材5のそれぞれの引掛片51を、天板45の引掛部450に引っ掛ける。つまり、反射部材4は、仮保持部材5によって器具本体2に仮保持される。さらに、作業者は、取付ばね70の一対の腕部701のそれぞれの先端部分を、器具本体2の底部20(第2底板202)のばね引掛部26に引っ掛ける(
図6参照)。それから、作業者は、反射部材4を押し上げて器具本体2内(底部20と四つの側部に囲まれた空間)に反射部材4を収容する。すると、取付ばね70の一対の腕部701は、ばね引掛部26を通して第2底板202の上面側に突出しながら外向きに広がり、一対の腕部701のそれぞれの根元部分(コイル部700に近い部分)が、ばね引掛部26に引っ掛かる。さらに、二つの固定部材6のそれぞれの引掛具60が引掛ばね61に引っ掛かる。その結果、反射部材4は、器具本体2内に収容された状態で、取付ばね70と2つの引掛ばね61のばね力によって器具本体2に支持される(
図1参照)。このとき、反射部材4は、四つの側板(第1側板41、第2側板42、第3側板43及び第4側板44)のそれぞれの上端を、四つのスペーサ8にそれぞれ当てることにより、器具本体2に対して上下方向の位置が決まる(
図7及び
図8参照)。上述のようにして、照明器具1の施工作業が完了する。
【0044】
ところで、反射板40は、底部20との距離L1がしきい値未満である第1部位401と、距離L1がしきい値以上である第2部位402とを有する(
図10参照)。しきい値は、例えば、第3側板43及び第4側板44の上下方向の幅(高さ)が半分になる位置(
図10における一点破線X1の位置)における距離L1であることが好ましい。ただし、しきい値は、上記値に限定されない。
【0045】
しかして、反射板40の第1部位401は、
図10における一点破線X1よりも右側(前方)の部位であり、反射板40の第2部位402は、
図10における一点破線X1より左側(後方)の部位である。
【0046】
そして、照明器具1において、電源装置10の少なくとも一部が、反射板40の第2部位402と底部20に挟まれた空間S1(
図10において破線で囲まれた空間)に配置される。つまり、反射板40の第1部位401と第2部位402を比較した場合、第2部位402の方が器具本体2の底部20との距離L1が相対的に大きい。そのため、照明器具1においては、反射板40の第1部位401と底部20に挟まれた空間に比べて、第2部位402と底部20に挟まれた空間S1の方が広く、特に高さ方向(上下方向)に広くなる。ゆえに、照明器具1は、電源装置10の少なくとも一部が空間S1に配置されることにより、反射部材4の第1側板41、第2側板42、第3側板43及び第4側板44の高さ(上下方向の幅)を短くすることが可能になる。その結果、照明器具1の低背化(高さ寸法の小型化)を図ることができる。
【0047】
ここで、反射部材4は、反射板40が平板状に形成され、底部20に対して反射板40を傾けた状態で器具本体2内に収容される(
図10参照)。そのため、照明器具1では、器具本体2の底部20に対する反射板40の傾きに応じて、反射板40と底部20の距離L1を連続的に変化させることができる。
【0048】
次に、実施形態に係る照明器具1の変形例について、
図11-
図12を参照して説明する。ただし、変形例の照明器具1の基本構成は実施形態に係る照明器具1と共通であるので、共通の構成要素には同一の符号を付して適宜図示及び説明を省略する。
【0049】
変形例の照明器具1は、
図11-
図12に示すように、器具本体2の底部20に対する電源装置10の取付位置が異なっている。すなわち、電源装置10は、ケース103の長手方向を第2底板202の長手方向(左右方向)にそろえるようにして、底部20の第2底板202の下面に取り付けられている。なお、変形例の照明器具1では、電源装置10だけでなく、信号変換装置12も第2底板202に取り付けられている。ただし、変形例の照明器具1において、第2底板202に電源装置10を取り付けるに当たって、第2底板202が短手方向(前後方向)に沿って延長されている。そして、電源装置10及び信号変換装置12は、第2底板202の下面において、一対の仮保持部材5及びばね引掛部26の前方に取り付けられている。
【0050】
しかして、変形例の照明器具1は、反射板40の第2部位402と底部20に挟まれた空間S1に電源装置10全体を配置している(
図12参照)。そのため、変形例の照明器具1は、更なる低背化を図ることができる。
【0051】
なお、実施形態及び変形例の照明器具1において、反射板40は必ずしも四角形の平板状に形成されていなくてもよい。例えば、反射板40は、凸曲面形状、凹曲面形状及び角すい面形状などの平板形状以外の形状に形成されてもよい。
【0052】
上述のように第1の態様に係る照明器具(1)は、一つの面(下面)が開口した箱状の器具本体(2)と、器具本体(2)内に収容される面光源(光源ユニット3)とを備える。第1の態様に係る照明器具(1)は、面光源から放射される光を一つの面に向かって反射する反射面(400)を有して器具本体(2)内に収容される反射部材(4)と、面光源を点灯させる電源装置(10)とを備える。器具本体(2)は、一つの面と対向する底部(20)と、底部(20)を囲む複数の側部(第1側部21、第2側部22、第3側部23及び第4側部24)とを有する。面光源は、複数の側部のうちの一つの側部(第1側部21)に沿うように器具本体(2)内に収容される。反射部材(4)は、反射面(400)を有し、かつ、器具本体(2)の底部(20)と対向する反射板(40)を有する。反射板(40)は、底部(20)との距離(L1)がしきい値未満である第1部位(401)と、距離(L1)がしきい値以上である第2部位(402)とを有する。電源装置(10)の少なくとも一部が、反射板(40)の第2部位(402)と底部(20)に挟まれた空間(S1)に配置される。
【0053】
第1の態様に係る照明器具(1)は、電源装置(10)の少なくとも一部が相対的に広い空間(S1)に配置されることにより、低背化を図ることができる。
【0054】
第2の態様に係る照明器具(1)は、第1の態様との組合せにより実現され得る。第2の態様に係る照明器具(1)において、反射板(40)は、平板状に形成されていることが好ましい。反射部材(4)は、底部(20)に対して反射板(40)を傾けた状態で器具本体(2)内に収容されることが好ましい。
【0055】
第2の態様に係る照明器具(1)は、器具本体(2)の底部(20)に対する反射板(40)の傾きに応じて、反射板(40)と底部(20)の距離(L1)を連続的に変化させることができる。
【0056】
第3の態様に係る照明器具(1)は、第2の態様との組合せにより実現され得る。第3の態様に係る照明器具(1)において、電源装置(10)は、長方形状のプリント回路板(104)と、プリント回路板(104)を収容する長尺のケース(103)とを有することが好ましい。反射板(40)は、第1部位(401)から第2部位(402)に向かって底部(20)から離れるように傾斜していることが好ましい。電源装置(10)は、ケース(103)の長手方向を、反射板(40)の傾斜方向と交差させるように空間(S1)に配置されることが好ましい。
【0057】
第3の態様に係る照明器具(1)は、電源装置(10)のより多くの部分が空間(S1)に配置されることによって、更なる低背化を図ることができる。
【0058】
第4の態様に係る照明器具(1)は、第3の態様との組合せにより実現され得る。第4の態様に係る照明器具(1)において、ケース(103)は、空間(S1)に配置された状態で底部(20)に取り付けられることが好ましい。
【0059】
第4の態様に係る照明器具(1)は、ケース(103)が空間(S1)に廃さされた状態で底部(20)に取り付けられることにより、電源装置(10)全体が空間(S1)に配置されることになる。その結果、第4の態様に係る照明器具(1)は、更なる低背化を図ることができる。
【符号の説明】
【0060】
1 照明器具
2 器具本体
3 光源ユニット(面光源)
4 反射部材
10 電源装置
20 底部
21 第1側部(側部)
22 第2側部(側部)
23 第3側部(側部)
24 第4側部(側部)
40 反射板
103 ケース
104 プリント回路板
400 反射面
401 第1部位
402 第2部位
S1 空間
L1 距離