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特許7325143スクリュー式脱水機のスクリーンの洗浄方法及びスクリュー式脱水機
<図1>
  • 特許-スクリュー式脱水機のスクリーンの洗浄方法及びスクリュー式脱水機 図1
  • 特許-スクリュー式脱水機のスクリーンの洗浄方法及びスクリュー式脱水機 図2
  • 特許-スクリュー式脱水機のスクリーンの洗浄方法及びスクリュー式脱水機 図3
  • 特許-スクリュー式脱水機のスクリーンの洗浄方法及びスクリュー式脱水機 図4
  • 特許-スクリュー式脱水機のスクリーンの洗浄方法及びスクリュー式脱水機 図5
  • 特許-スクリュー式脱水機のスクリーンの洗浄方法及びスクリュー式脱水機 図6
  • 特許-スクリュー式脱水機のスクリーンの洗浄方法及びスクリュー式脱水機 図7
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-03
(45)【発行日】2023-08-14
(54)【発明の名称】スクリュー式脱水機のスクリーンの洗浄方法及びスクリュー式脱水機
(51)【国際特許分類】
   B01D 29/17 20060101AFI20230804BHJP
   B01D 29/25 20060101ALI20230804BHJP
   B01D 29/37 20060101ALI20230804BHJP
   B01D 29/66 20060101ALI20230804BHJP
【FI】
B01D29/30 501
B01D29/38 510C
B01D29/38 520C
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022165173
(22)【出願日】2022-10-14
【審査請求日】2022-10-26
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】591124927
【氏名又は名称】川口精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092680
【弁理士】
【氏名又は名称】入江 一郎
(72)【発明者】
【氏名】鈴 木 敬 司
(72)【発明者】
【氏名】吉 田 和 弘
【審査官】宮部 裕一
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-058029(JP,A)
【文献】特開2004-090049(JP,A)
【文献】実開昭63-011198(JP,U)
【文献】実開昭61-127893(JP,U)
【文献】実開平05-065494(JP,U)
【文献】特開2017-000911(JP,A)
【文献】特開2003-205390(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 29/00-29/96
C02F 11/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スクリューとスクリーンの間を搬送しながら被脱水物を脱水するスクリュー式脱水機
のスクリーンの洗浄方法であって、
噴射ノズルを複数配置し、環状の周方向の一部が欠損した環状部を有した移動体を前記スクリーンの一方側の端部から他方側の端部、前記スクリーンの他方側の端部から一方側の端部に交互に移動させて、複数の前記噴射ノズルから流体を噴射させて、前記スクリーンの開口部の目詰まりを除去するものであり、
前記スクリーンと対向する前記環状部の内周の略全体に亘って間隔を有して前記噴射
ノズルが複数配置され
接した前記噴射ノズルからの前記スクリーンへの噴射水の隣接部位が重複して噴射されると共に、複数の前記噴射ノズルからの噴射水が前記スクリーンの一周に亘る
ことを特徴とするスクリュー式脱水機のスクリーンの洗浄方法。
【請求項2】
ケーシング内のスクリューとスクリーンの間を搬送しながら被脱水物を脱水するスク
リュー式脱水機であって、
前記スクリーンの外側に位置し、噴射ノズルを複数配置した環状部を有した移動体と、
この移動体を前記スクリーンの長手方向へ移動させる移動手段とを備え、
前記スクリーンと対向する前記環状部の内周の略全体に亘って間隔を有して前記噴射
ノズルが配置され
数の前記噴射ノズルから流体を噴射させて、前記スクリーンの開口部の目詰まり
を除去するものであり、
前記ケーシング内の前記スクリューの入口側に前記被脱水物を供給する前記被脱水物の投入口を有するホッパーが設けられ、
前記ケーシング内に前記移動体を案内する案内棒が設けられ、
前記移動体は複数の環状部を有し、
複数の環状部は、両側に位置する第1、第2の環状部と、前記第1の環状部と前記第2の環状部との間に位置する第3の環状部とを有し、
複数の前記環状部は接続体で接続され、
前記移動手段は、進退するロッドを有し、
このロッドの長手方向は、前記スクリーン及び前記案内棒の長手方向に平行であり、
前記ロッドが前記第1の環状部に接続部材を介して接続され、
前記第1の環状部は、前記第3の環状部より前記ホッパーに近い位置にあり、
隣接した前記噴射ノズルからの前記スクリーンへの噴射水の隣接部位が重複して噴射されると共に、複数の前記噴射ノズルからの噴射水が前記スクリーンの一周に亘る
ことを特徴とするスクリュー式脱水機。
【請求項3】
ケーシング内のスクリューとスクリーンの間を搬送しながら被脱水物を脱水するスク
リュー式脱水機であって、
前記スクリーンの外側に位置し、噴射ノズルを複数配置した環状部を有した移動体と、
この移動体を前記スクリーンの長手方向へ移動させる移動手段とを備え、
前記スクリーンと対向する前記環状部の内周の略全体に亘って間隔を有して前記噴射
ノズルが配置され
数の前記噴射ノズルから流体を噴射させて、前記スクリーンの開口部の目詰まり
を除去するものであり、
前記ケーシング内の前記スクリューの入口側に前記被脱水物を供給する前記被脱水物の投入口を有するホッパーが設けられ、
前記ケーシング内に前記移動体を案内する案内棒が設けられ、
前記移動体は複数の環状部を有し、
複数の環状部は、両側に位置する第1、第2の環状部と、前記第1の環状部と前記第2の環状部との間に位置する第3の環状部とを有し、
複数の前記環状部は接続体で接続され、
前記移動手段は、進退するロッドを有し、
このロッドの長手方向は、前記スクリーン及び前記案内棒の長手方向に平行であり、
前記ロッドが前記第1の環状部に接続部材を介して接続され、
前記第1の環状部は、前記第3の環状部より前記ホッパーに近い位置にある
ことを特徴とするスクリュー式脱水機。
【請求項4】
環状部は、環状の周方向に欠損がなく、連続したもの、又は、環状の周方向の一部が欠損したものである
ことを特徴とする請求項2又は請求項3記載のスクリュー式脱水機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クリュー式脱水機のスクリーンの洗浄方法及びスクリュー式脱水機に係り、特に、スクリーンの外周の略全体に亘ってスクリーンの開口部の目詰まりを除去することができるクリュー式脱水機のスクリーンの洗浄方法及びスクリュー式脱水機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スクリーンの目詰まりを除去する洗浄装置を備えたスクリュー脱水機がある(例えば、特許文献参照)。
このスクリュー脱水機は、ケーシング(5)内のスクリーン(3)の上方に温水ノズル(20)、スクリーン(5)の下方に洗浄ノズル(18)をそれぞれ設けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-243242号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記スクリュー脱水機にあっては、スクリーン(3)の上方及び下方を除く側面には、洗浄ノズル(18)、温水ノズル(20)がなく、スクリーンの目詰まりの除去が不十分であるという問題点が生じた。
【0005】
本発明は、前記問題点を考慮したなされたスクリュー式脱水機のスクリーンの洗浄方法及びスクリュー式脱水機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載のスクリュー式脱水機のスクリーンの洗浄方法は、スクリューとスクリーンの間を搬送しながら被脱水物を脱水するスクリュー式脱水機のスクリーンの洗浄方法であって、噴射ノズルを複数配置し、環状の周方向の一部が欠損した環状部を有した移動体を前記スクリーンの一方側の端部から他方側の端部、前記スクリーンの他方側の端部から一方側の端部に交互に移動させて、複数の前記噴射ノズルから流体を噴射させて、前記スクリーンの開口部の目詰まりを除去するものであり、前記スクリーンと対向する前記環状部の内周の略全体に亘って間隔を有して前記噴射ノズルが複数配置され、隣接した前記噴射ノズルからの前記スクリーンへの噴射水の隣接部位が重複して噴射されると共に、複数の前記噴射ノズルからの噴射水が前記スクリーンの一周に亘るものである。
【0008】
また、請求項2記載のスクリュー式脱水機は、ケーシング内のスクリューとスクリーンの間を搬送しながら被脱水物を脱水するスクリュー式脱水機であって、前記スクリーンの外側に位置し、噴射ノズルを複数配置した環状部を有した移動体と、この移動体を前記スクリーンの長手方向へ移動させる移動手段とを備え、前記スクリーンと対向する前記環状部の内周の略全体に亘って間隔を有して前記噴射ノズルが配置され、複数の前記噴射ノズルから流体を噴射させて、前記スクリーンの開口部の目詰まりを除去するものであり、前記ケーシング内の前記スクリューの入口側に前記被脱水物を供給する前記被脱水物の投入口を有するホッパーが設けられ、前記ケーシング内に前記移動体を案内する案内棒が設けられ、前記移動体は複数の環状部を有し、複数の環状部は、両側に位置する第1、第2の環状部と、前記第1の環状部と前記第2の環状部との間に位置する第3の環状部とを有し、複数の前記環状部は接続体で接続され、前記移動手段は、進退するロッドを有し、このロッドの長手方向は、前記スクリーン及び前記案内棒の長手方向に平行であり、前記ロッドが前記第1の環状部に接続部材を介して接続され、前記第1の環状部は、前記第3の環状部より前記ホッパーに近い位置にあり、隣接した前記噴射ノズルからの前記スクリーンへの噴射水の隣接部位が重複して噴射されると共に、複数の前記噴射ノズルからの噴射水が前記スクリーンの一周に亘るものである。
【0009】
また、請求項3記載のスクリュー式脱水機は、ケーシング内のスクリューとスクリーンの間を搬送しながら被脱水物を脱水するスクリュー式脱水機であって、前記スクリーンの外側に位置し、噴射ノズルを複数配置した環状部を有した移動体と、この移動体を前記スクリーンの長手方向へ移動させる移動手段とを備え、前記スクリーンと対向する前記環状部の内周の略全体に亘って間隔を有して前記噴射ノズルが配置され、複数の前記噴射ノズルから流体を噴射させて、前記スクリーンの開口部の目詰まりを除去するものであり、前記ケーシング内の前記スクリューの入口側に前記被脱水物を供給する前記被脱水物の投入口を有するホッパーが設けられ、前記ケーシング内に前記移動体を案内する案内棒が設けられ、前記移動体は複数の環状部を有し、複数の環状部は、両側に位置する第1、第2の環状部と、前記第1の環状部と前記第2の環状部との間に位置する第3の環状部とを有し、複数の前記環状部は接続体で接続され、前記移動手段は、進退するロッドを有し、このロッドの長手方向は、前記スクリーン及び前記案内棒の長手方向に平行であり、前記ロッドが前記第1の環状部に接続部材を介して接続され、前記第1の環状部は、前記第3の環状部より前記ホッパーに近い位置にある。
また、請求項4記載のスクリュー式脱水機は、請求項2又は請求項3記載のスクリュー式脱水機において、環状部は、環状の周方向に欠損がなく、連続したもの、又は、環状の周方向の一部が欠損したものである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載のスクリュー式脱水機のスクリーンの洗浄方法によれば、スクリーンと対向する環状部の内周の略全体に亘って間隔を有して噴射ノズルが複数配置され、この噴射ノズルを複数配置した環状部を有した移動体を前記スクリーンの一方側の端部から他方側の端部、前記スクリーンの他方側の端部から一方側の端部に交互に移動させて、複数の噴射ノズルから流体を噴射させるため、スクリーンの略全体に亘ってスクリーンの開口部の目詰まりを除去することができる。
【0013】
また、請求項記載のスクリュー式脱水機によれば、スクリーンと対向する環状部の
内周の略全体に亘って間隔を有して噴射ノズルが複数配置され、この噴射ノズルを複数配
置した環状部を有した移動体を前記スクリーンの長手方向へ移動させて、複数の噴射ノズ
ルから流体を噴射させるため、スクリーンの略全体に亘ってスクリーンの開口部の目詰ま
りを除去することができる。
、前記第2の係止部に巻き付けて係止するものである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本発明の一実施例のスクリュー式脱水機の概略的断面図である。
図2図2は、図1の移動手段のロッドが縮んだ状態を示す概略的断面図である。
図3図3は、図2のスクリーンの長手方向を横断する方向に切断して示す概略的断面図である。
図4図4は、図3の洗浄部の概略的断面図である。
図5図5は、図1の移動手段と移動体との関係を示す概略的斜視図である。
図6図6は、図1の環状部の実施品を撮影した写真である。
図7図7は、図6の一部を撮影した写真である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の一実施例のスクリュー式脱水機のスクリーンの洗浄方法及びスクリュー式脱水機を図面(図1乃至図7)を参照して説明する。
【0018】
図1に示すSは、ケーシング1内のスクリュー(図示せず)とスクリーン3の間を搬
送しながら被脱水物(図示しない被脱水物は、例えば、果物、液体を吸収したオムツ等で
ある。)を脱水する周知のスクリュー式脱水機(例えば、特開2004-313823号
公報記載のスクリュー式脱水機である。)である。
【0019】
このスクリュー式脱水機Sは、スクリーン3の外側に位置し、噴射ノズル41を複数配置した環状部40を有した移動体4と、この環状部40を有した移動体4をスクリーン3の長手方向へ移動させる移動手段5とを備えている。図1に示すXは、被脱水物(例えば、果物、液体を吸収したオムツ等)の投入口で、Zは、脱水された被脱水物の排出口である。なお、環状部40は、樹脂、ステンレス等の金属で形成することができる。
【0020】
環状部40を有した移動体4のスクリーン3と対向する内周の略全体に亘って間隔を有して噴射ノズル41が配置されている。本実施例の環状部40は、図3図4図5図6に示すように、環状部40の周方向の一部が欠損している。環状部40の流体の入口は一つで、前記入口で流入した液体は、二方向へ分流するため、スクリーン3の周方向へ流体を効率良く噴射させることができる(図3図4図5図6参照)。
なお、本実施例の環状部40は、環状部40の周方向の一部が欠損しているが、本願発明にあっては、これに限らず、環状部40は、環状部40の周方向に連続したものものでも良い。
複数の噴射ノズル41から流体(例えば、水)を噴射させて、スクリーン3の開口部の目詰まりを除去するものである。
【0021】
従って、上述したスクリュー式脱水機S(スクリュー式脱水機のスクリーンの洗浄方法)によれば、環状部40を有した移動体5のスクリーン3と対向する内周の略全体に亘って間隔を有して噴射ノズル41が配置され、この噴射ノズル41を複数配置した環状部40を有した移動体4をスクリーン3の長手方向に移動[例えば、移動体4をスクリーン3の一方側の端部から他方側の端部(図1から図2の状態)、スクリーン3の他方側の端部から一方側の端部(図2から図1の状態)に交互に移動]させて、複数の噴射ノズル41から流体を噴射させるため、スクリーン3の略全体に亘ってスクリーン3の開口部の目詰まりを除去することができる。
【0022】
なお、移動体4は複数の環状部40(例えば、本実施例では、3個)を有し、複数の環状部40は接続体42で接続され、移動体4は一体的に移動するため、環状部40を有した移動体5が単一のものに比べ、スクリーンの外周面への流体の噴射を迅速に行うことができる。
【0023】
また、移動手段5は、例えば、エアーシリンダー50と、エアーシリンダー50により進退するロッド51を有している。ロッド51の長手方向は、スクリーン3の長手方向に平行となっている。複数の環状部40の内、両側に第1、第2の環状部401、402が位置し、第1の環状部401と第2の環状部402との間に第3の環状部403が位置している。
伸びたロッド51により、第1の環状部401がスクリーン3の一方側の端部に(図1参照)、縮んだロッド51により、第2の環状部402がスクリーン3の他方側の端部に(図2参照)、それぞれ位置し、ロッド51が移動体4に接続(接続部位Y)されている。
なお、42は、第1の環状部401、第2の環状部402、第3の環状部403を接続する接続体、43は、ケーシング1を介してナットNで固定され、移動体4を案内する案内棒で、44は、ベアリングである。
【0024】
従って、伸びたロッド51により、第1の環状部401がスクリーン3の一方側の端部に、縮んだロッド51により、第2の環状部402がスクリーン3の他方側の端部に、それぞれ位置しているため、スクリーン3の略全体に亘ってスクリーン3の開口部の目詰まりを除去することができ、しかも、ロッド51の移動距離を少なくして、スクリーン3の一方側から他方側に効率良く移動させて洗浄させることができる。
【符号の説明】
【0025】
S スクリュー式脱水機
1 ケーシング
2 スクリーン
4 移動体
6 移動手段
40 環状部
41 噴射ノズル
【要約】      (修正有)
【課題】スクリーンの略全体に亘ってスクリーンの開口部の目詰まりを除去することができる、スクリュー式脱水機のスクリーンの洗浄方法及びスクリュー式脱水機を提供する。
【解決手段】スクリュー式脱水機のスクリーンの洗浄方法は、スクリューとスクリーン3の間を搬送しながら被脱水物を脱水するスクリュー式脱水機のスクリーンの洗浄方法であって、噴射ノズル41を複数配置した環状部40を有した移動体を前記スクリーンの一方側の端部から他方側の端部、前記スクリーンの他方側の端部から一方側の端部に交互に移動させて、複数の噴射ノズル41から流体を噴射させて、前記スクリーンの開口部の目詰まりを除去するものであり、前記スクリーンと対向する環状部40の内周の略全体に亘って間隔を有して噴射ノズル41が複数配置され、環状部40は、環状部40の周方向に連続したもの、又は、環状部40の周方向の一部が欠損したものである。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7