(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-03
(45)【発行日】2023-08-14
(54)【発明の名称】水洗式便器
(51)【国際特許分類】
E03D 11/02 20060101AFI20230804BHJP
【FI】
E03D11/02 Z
(21)【出願番号】P 2019106682
(22)【出願日】2019-06-07
【審査請求日】2022-04-20
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】蔭山 彩音
(72)【発明者】
【氏名】丸山 隆志
(72)【発明者】
【氏名】伊奈 嵩正
【審査官】河内 悠
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-213007(JP,A)
【文献】実開平05-087080(JP,U)
【文献】特開2015-190218(JP,A)
【文献】特開2008-095451(JP,A)
【文献】特開2013-194410(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104047348(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03D 1/00- 7/00
E03D 11/00-13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面から左右の側面に渡って連続する外周面が形成された水洗式便器であって、
前記外周面の一部を形成する外壁部を有する陶器製の便器本体と、
前記外壁部に接合されて前記外周面の一部を形成する陶器製の周壁部材と、
前記便器本体と前記周壁部材とを接合する陶器製の接合部材と、
を備えている水洗式便器。
【請求項2】
前面から左右の側面に渡って連続する外周面が形成された水洗式便器であって、
前記外周面の一部を形成する外壁部を有する陶器製の便器本体と、
前記外壁部に接合されて前記外周面の一部を形成する陶器製の周壁部材と、
を備えて
おり、
前記便器本体は、前記外壁部を有する下側部材と、前記下側部材の上部に接合されて上面を形成する上面部を有する上側部材とを有しており、
前記周壁部材は、前記上側部材及び前記下側部材のそれぞれに接合されている水洗式便器。
【請求項3】
前記周壁部材は、前記外周面の後部側の側面を形成する請求項1から請求項2までのいずれか一項に記載の水洗式便器。
【請求項4】
前記上側部材は、本水洗式便器の上面を形成する平坦面と、前記平坦面の外周縁に連続する断面円弧状の湾曲面とを形成しており、
前記周壁部材は、表面の上端が前記湾曲面の下端に連続する形態で、前記上側部材に接合されている請求項
2に記載の水洗式便器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、水洗式便器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は従来の水洗式便器を開示している。この水洗式便器は、便器本体とカバー部材とを備えている。便器本体及びカバー部材は、前面から左右の側面に渡って連続する水洗式便器の外周面を形成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の水洗式便器の場合、便器本体は陶器製であり、カバー部材は樹脂製である。このため、便器本体とカバー部材の質感に差が生じ、意匠性に影響を及ぼしてしまっていた。
【0005】
本開示は、良好な意匠性を確保することができる水洗式便器を提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本開示の一実施形態に係る水洗式便器は、前面から左右の側面に渡って連続する外周面が形成された水洗式便器であって、この外周面の一部を形成する外壁部を有する陶器製の便器本体と、外壁部に接合されて外周面の一部を形成する陶器製の周壁部材と、を備えている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施形態1に係る水洗式便器を示す側面図である。
【
図2】実施形態1に係る水洗式便器を示す平面図である。
【
図3】実施形態1に係る水洗式便器を示す背面図である。
【
図7】実施形態1に係る周壁部材を示す斜視図である。
【
図8】実施形態1に係る水洗式便器の製造方法を説明するための図であり、上部形成体と下部形成体とを接合する前の状態を示す斜視図である。
【
図9】実施形態1に係る水洗式便器の製造方法を説明するための図であり、周壁部材と便器本体とを接合する前の状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<実施形態1>
以下の説明において、前後方向、左右方向、上下方向とは、着座した状態の使用者から見た前後方向、左右方向、上下方向を夫々示すものとする。例えば、
図1の場合には左右方向が前後方向である。
【0009】
実施形態1に係る水洗式便器1は陶器製の便器である。水洗式便器1は、後方を壁面に固定されて設置される。
図1及び
図2に示すように、水洗式便器1は、外周面1Aが前面から左右の側面に渡って連続して形成されている。
図3に示すように、外周面1Aは、上端から下端に向かって窄む形態で形成されている。
水洗式便器1は、便器本体2と、周壁部材3とを備えている。便器本体2及び周壁部材3はそれぞれ陶器製である。
【0010】
図1~
図6に示すように、便器本体2は、便鉢部10、トラップ部20、上面部30、外壁部40、及び後壁部50、を有している。
便鉢部10は水洗式便器1の内周面を形成する。
図2に示すように、便鉢部10は、上側に開放する鉢面部11と、鉢面部11の下縁部から下方に窪んで形成される溜水部12とを備える。鉢面部11は、中央後方側に向かって低くなるように傾斜して形成されている。鉢面部11には、給水部60から供給される洗浄水が流通する。鉢面部11の上部には上下方向に延びる立面部13が形成されている。溜水部12には洗浄水が封水として貯留される。溜水部12の底部の後方領域には、洗浄水が流入するトラップ部20への流入口12Aが形成されている。
【0011】
トラップ部20は、便鉢部10内に排泄された汚物を排出するための排水路を構成する。トラップ部20は、いわゆるPトラップを形成している。トラップ部20は、その上流端部である溜水部12下端の流入口12Aから、下方に向かったのち上方に傾斜する形態で略U字状に延びるとともに、下流端部が後述する後壁部50の隔壁51を貫通して後方に突出し、排出口20Aを形成している。
【0012】
図1及び
図2に示すように、上面部30は水洗式便器1の上面を形成する。上面部30は、便鉢部10の上端縁部のリム部31と、リム部31の後方に拡がる台座部32とを有する。台座部32には、一対の取付孔32Aと、連通孔32Bとが形成されている。一対の取付孔32Aは、連通孔32Bを挟んで左右に間隔を空けて形成されている。一対の取付孔32Aは、台座部32に載置されて取り付けられる便座装置(図示せず)の機能部を取り付けるための孔である。連通孔32Bはトラップ部20に連通している。連通孔32Bは、通常の使用状態においては、蓋部材(図示せず)によって閉塞されるとともに台座部32に配置される便座装置により覆われて隠ぺいされる。
【0013】
図1及び
図3に示すように、上面部30の上面には平坦面30A及び湾曲面30Bが形成されている。
図5及び
図6に示すように、平坦面30Aは、水洗式便器1の設置状態において上方を向く形態で形成されている。すなわち、平坦面30Aは、前後方向及び左右方向に略平行な平面として形成されている。平坦面30Aは、リム部31の上面及び台座部32の上面の略全体に渡って段差なく形成されている。湾曲面30Bは、平坦面30Aの外周縁に連続する断面円弧状に形成されている。湾曲面30Bは、平坦面30Aの外周縁をいわゆるR面取りしたような形態で、上面部30の上面の前部及び左右側部に形成されている。湾曲面30Bの下端縁は、外周面1Aの上端縁に円滑に連続している。すなわち、湾曲面30Bは、略水平な平坦面30Aと水洗式便器1の外周面1Aとを円滑に接続している。
【0014】
外壁部40は水洗式便器1の外周面1Aの一部を形成する。
図1に示すように、外壁部40は、便鉢部10及びトラップ部20の前方外側及び側方外側を覆う形態で、上面部30の外側縁部から下方に延びて形成されている。外壁部40は、前面41から左右の側面42に渡って連続する曲面で形成されている。
図4及び
図5に示すように、外壁部40には凹部43が形成されている。この凹部43には後述する周壁部材3が嵌め込まれる。凹部43は、外壁部40の左右対象となる側面42の両側の位置に形成されている。凹部43は外壁部40の側面42の後部寄りの位置に形成されている。
【0015】
図1に示すように、本実施形態において、凹部43は、上下方向及び前後方向を四辺とする略矩形状に開口して形成されている。
図4及び
図5に示すように、凹部43の開口縁部には、周壁部材3との接合面43A,43B,43C,43Dが形成されている。接合面43A,43B,43C,43Dは、凹部43の中心方向内側に向かって傾斜して形成されている。これらの接合面43A,43B,43C,43Dのうち、上端部の接合面43Aは上面部30の湾曲面30Bの下面に形成されている。凹部43の前端部、下端部、及び後端部に形成されている接合面43B~43Dは、外壁部40に形成されている。
【0016】
後壁部50は水洗式便器1の後面を形成する。
図3及び
図4に示すように、後壁部50は隔壁51を有して構成されている。隔壁51は、便器本体2の後端よりも僅かに前方寄りの位置に形成されており、便器本体2の後方の空間と凹部43側の空間とを隔てている。後壁部50には、一対の固定孔50A及び一対の作業孔50Bが形成されている。固定孔50Aは、便器本体2を壁面側の固定部材と連結する際のボルト(図示せず)を取り付けるための孔である。固定孔50Aは、外壁部40の左右の側面42の後端42Aの内壁に隣接して設けられている。作業孔50Bは、固定孔50Aにボルトを固定する際に手を差し入れて作業するための孔である。作業孔50Bは、各固定孔50Aの左右方向中央寄りの位置に形成されている。
【0017】
給水部60は、導入流路61と、第1吐水流路62、及び第2吐水流路63を有して構成されている。導入流路61は、後壁部50の左右方向中央上部に開口して形成された導入口61Aから洗浄水を導入する。導入流路61は、下流端において第1吐水流路62及び第2吐水流路63の2つの流路に分岐している。第1吐水流路62は、導入流路61下流端から右方向に分岐し、立面部13を形成する壁面の後面に沿って便鉢部10の前方に向かって延びている。第1吐水流路62の下流端には第1吐水口62Aが形成されている。第1吐水口62Aは、立面部13の前後方向中央部近傍において前方に向かって開口している。第2吐水流路63は、導入流路61下流端から左方向に分岐し、立面部13を形成する壁面の後面に沿って便鉢部10の左方に向かって延びている。第2吐水流路63の下流端には第2吐水口63Aが形成されている。第2吐水口63Aは、立面部13の左側部後方において右方に向かって開口している。給水部60は、これら第1吐水口62A及び第2吐水口63Aから便鉢部10内に洗浄水を吐出する。
【0018】
周壁部材3は水洗式便器1の外周面1Aの一部を形成する。
図1、
図4、及び
図5に示すように、周壁部材3は、便器本体2の外壁部40に形成された凹部43に嵌め込まれる。周壁部材3は、左右一対の凹部43に対応して一対が備えられている。一対の周壁部材3は互いに左右対称な形状をなしている。
【0019】
図7に示すように、周壁部材3は、側面視略矩形状をなすとともに、下端側に向かうにつれて表面3A側から裏面3B側に湾曲する形態の板状に形成されている。周壁部材3の表面3Aは、水洗式便器1の外周面1Aを形成する面である。
図4~
図6に示すように、周壁部材3の表面3Aは、周壁部材3が凹部43に嵌め込まれた際に、上面部30の湾曲面30B及び外壁部40の側面42のそれぞれに円滑に連続した一連の面をなすように形成されている。
【0020】
図1、
図4、及び
図5に示すように、周壁部材3の周縁部には、便器本体2との接合面3C,3D,3E,3Fが形成されている。周壁部材3は、各接合面3C,3D,3E,3Fにおいて、接合部材4を介して便器本体2に接合されている。各接合面3C,3D,3E,3Fは、傾斜して形成されている凹部43側の接合面43A,43B,43C,43Dに対して面接合が可能なように、周壁部材3の裏側に向かって中心方向に傾斜して形成されている。周壁部材3は、表面3Aの上端が湾曲面30Bの下端に連続する形態で接合される。具体的には、
図6に示すように、周壁部材3は、上端部の接合面3Cが凹部43の上端部であって、湾曲面30Bの下端に形成された接合面43Aに接合される。
図4及び
図5に示すように、周壁部材3は、前端部の接合面3D、下端部の接合面3E、及び後端部の接合面3Fが、凹部43の前端部の接合面43B、下端部の接合面43C、及び後端部の接合面43Dにそれぞれ接合される。
【0021】
本実施形態において、上述の接合部材4は、接合用の泥しょうが焼成されてなる陶器製とされている。便器本体2及び一対の周壁部材3は、それぞれ焼成前の成形品の状態において、便器本体2側の接合面43A,43B,43C,43Dと周壁部材3の接合面3C,3D,3E,3Fとの間に接合用の泥しょうを塗布して接合される。
【0022】
次に、本実施形態に係る水洗式便器1の製造方法について説明する。
最初に、便器本体2の製造方法について説明する。便器本体2は、
図8に示すように、上部形成体70及び下部形成体80を接合してなる成形品を焼成することによって得られる。上部形成体70及び下部形成体80は、それぞれ泥しょうを鋳込み成形して形成される。この上部形成体70の焼成体は、上側部材を形成する。下部形成体80の焼成体は、下側部材を形成する。上部形成体70及び下部形成体80は、接合面71,81を各々有している。接合面71,81は、前後方向及び左右方向に略平行な下向き面及び上向き面でそれぞれ形成されている。上部形成体70及び下部形成体80は、それぞれの接合面71,81の間に接合用の泥しょうを塗布して接合される。
【0023】
図8に示すように、上部形成体70は、便器本体2における便鉢部10の上端側の一部、上面部30、外壁部40の後部上端側の一部、後壁部50の上端側の一部、及び給水部60の上端側の一部のそれぞれを形成している。下部形成体80は、便器本体2における便鉢部10、トラップ部20、外壁部40、後壁部50、及び給水部60のうちの上部形成体70により形成される上記部分を除く部分を形成している。上部形成体70及び下部形成体80は、上記各部に形成された接合面71,81において接合されている。すなわち、上部形成体70と下部形成体80とを分割して形成したことで複雑な内部流路等の構成を上下に分割して形成している。
【0024】
本実施形態の場合、接合面71と接合面81との間には、接合用の泥しょうが焼成されてなる陶器製の接合部材4が形成される。すなわち、焼成前の上部形成体70及び下部形成体80は、接合面71,81の間の接合用の泥しょうとともに焼成されることにより、接合部材4によって一体的に接合された便器本体2を形成する。
【0025】
周壁部材3の製造方法は、便器本体2と同様である。すなわち、周壁部材3は、泥しょうを鋳込み成形して形成した成形品103を焼成することによって得られる。本実施形態において、周壁部材3は、成形品103の状態において、成形品の状態の便器本体2に接合される(
図9参照)。
【0026】
すなわち、本実施形態の水洗式便器1の製造方法では、最初に、泥しょうを鋳込み成形して形成した上部形成体70及び下部形成体80を得る。そして、
図8に示すように、上部形成体70及び下部形成体80の各接合面71,81に接合用の泥しょうを塗布して接合する。これにより、焼成前の便器本体2の成形品102を得る。
【0027】
泥しょうを鋳込み成形して形成して得た周壁部材3の成形品103を便器本体2の成形品102に接合する。この時、
図9に示すように、便器本体2の成形品102を、上面及び下面に当て板等を当てた状態で上下反転させておく。これにより、成形品102の上面部30が接地して安定するとともに、外壁部40が下方に向かって末広がりに配置されるため、接合作業が容易になる。
【0028】
便器本体2側の接合面43A,43B,43C,43Dに接合用の泥しょうを塗布する。便器本体2における周壁部材3との接合面43A,43B,43C,43Dのうち、接合面43Aは上部形成体70に形成されており、接合面43B,43C,43Dは下部形成体80に形成されている。そして、これら便器本体2側の各接合面43A,43B,43C,43Dに周壁部材3側の各接合面3C,3D,3E,3Fを合わせて接合する。すなわち、周壁部材3は、上側部材となる上部形成体70、及び下側部材となる下部形成体80のそれぞれに接合される。その後、釉薬を塗布して焼成することによって水洗式便器1が得られる。このようにして得た水洗式便器1は、陶器製の便器本体2と、陶器製の周壁部材3とが陶器製の接合部材4によって一体的に接合され、良好な意匠性が得られる。便器本体2と周壁部材3とを焼成前の成形品102,103の状態で接合したことによって、接合用の泥しょうが焼成されてなる接合部材4によって強固に一体的に接合されているとともに、継ぎ目の目立たない外周面1Aを有する水洗式便器1が得られる。
【0029】
以上のように、実施形態1の水洗式便器1は、前面から左右の側面に渡って連続する外周面1Aが形成された水洗式便器であって、外周面1Aを形成する外壁部40を有する陶器製の便器本体2と、外壁部40に接合されて外周面1Aの一部を形成する陶器製の周壁部材3と、を備えている。
【0030】
このように、水洗式便器1は、陶器で外周面1Aを形成することができる。このため、従来のように外周面の一部が樹脂製である場合と比較して、良好な意匠性を確保することができる。周壁部材3を便器本体2と別々に製造できるので、設計の自由度の向上を図ることができる。
【0031】
実施形態1の水洗式便器1は、便器本体2と周壁部材3とを接合する陶器製の接合部材4を備えている。これにより、外周面1Aの全体が陶器で形成され、意匠性をより良好にすることができる。
【0032】
実施形態1の水洗式便器1は、周壁部材3が外周面1Aの後部側の側面を形成する。これにより、外壁部40との接合部位が外周面1Aの前面に現れる場合と比較して、意匠性をより良好にすることができる。
【0033】
実施形態1の水洗式便器1において、便器本体2は、外壁部40を有する下側部材としての下部形成体80の焼成体と、下側部材の上部に接合されて水洗式便器1の上面を形成する上側部材としての上部形成体70の焼成体とを有している。これにより、水洗式便器1は、上部形成体70の焼成体及び下部形成体80の焼成体で形成された便器本体2と周壁部材3とによって構成される。このため、トラップ部や給水部等の複雑な内部流路を容易に形成することができる。その結果、設計の自由度をより向上させることができる。
【0034】
実施形態1の水洗式便器1において、上側部材としての上部形成体70の焼成体を有する便器本体2は、平坦面30Aと、この平坦面30Aの外周縁に連続する断面円弧状の湾曲面30Bとを形成しており、周壁部材3は、表面3Aの上端が湾曲面30Bの下端に連続する形態で、上部形成体70の焼成体に接合されている。このため、湾曲面30Bと周壁部材3の表面3Aとの接合部位を目立ちにくくすることができ、意匠性をより良好にすることができる。
【0035】
<他の実施形態>
本開示は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されない。
【0036】
(1)上記実施形態とは異なり、便器本体と周壁部材とを焼成後に接合するようにしてもよい。
【0037】
(2)接合部材の材質は特に限定されず、例えば、樹脂系やゴム系の接着剤等を採用してもよい。
【0038】
(3)便器本体を分割して形成する場合、その分割方向や分割数等は特に限定されない。
(4)周壁部材と便器本体との接合部位の位置は特に限定されない。
【符号の説明】
【0039】
1…水洗式便器 1A…外周面 2…便器本体 3…周壁部材 3A…表面 4…接合部材 30…上面部 30A…平坦面 30B…湾曲面 40…外壁部