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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-03
(45)【発行日】2023-08-14
(54)【発明の名称】ペンニードル器具
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/34 20060101AFI20230804BHJP
   A61M 5/20 20060101ALI20230804BHJP
【FI】
A61M5/34 530
A61M5/20
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2020543013
(86)(22)【出願日】2019-02-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-20
(86)【国際出願番号】 US2019017044
(87)【国際公開番号】W WO2019157176
(87)【国際公開日】2019-08-15
【審査請求日】2022-01-21
(31)【優先権主張番号】62/629,564
(32)【優先日】2018-02-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】522179943
【氏名又は名称】エンベクタ コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヴィクター ポリティス
【審査官】鈴木 洋昭
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-232136(JP,A)
【文献】特表2015-526221(JP,A)
【文献】特表2013-500745(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0257603(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/34
A61M 5/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
側壁、開口近位端、及び遠位端を有するカラーと、
前記カラーの前記遠位端に回転可能に接続されるニードルハブであって、近位端及び遠位端を有し、前記遠位端から伸びる針、及び送達デバイスの隔壁を貫通するように構成された前記近位端に向けて伸びた突起を有するニードルハブと
を含み、前記カラーは前記ニードルハブから独立して回転可能であり、
前記カラーの前記側壁は、送達デバイスに接続するように構成された内部ねじ山を有し、
前記カラーは前記遠位端に開口を有し、前記ニードルハブは前記カラーの開口内で回転可能であり、
前記カラーの前記遠位端は開口を有する末端壁を有し、前記ニードルハブの前記近位端は、前記カラーの前記末端壁を受容する環状凹部を有する、ペンニードル。
【請求項2】
前記ニードルハブは、前記近位端に第1のフランジと、前記第1のフランジから離れた第2のフランジであって前記第1のフランジと第2のフランジの間で前記ニードルハブの前記環状凹部を画定する第2のフランジとを有する、請求項に記載のペンニードル。
【請求項3】
前記ニードルハブの前記近位端は前記送達デバイスの遠位端と一致するように構成される、請求項1に記載のペンニードル。
【請求項4】
前記突起は、前記ニードルハブの前記遠位端で末端壁の内側表面から一体に形成されたスパイクであり、前記ニードルハブの前記内側表面から軸方向に伸びる、請求項1に記載のペンニードル。
【請求項5】
前記突起は、少なくとも1つの傾斜面を有する遠位端を有し、前記突起は前記突起内の管腔と連通する導入用開口を有し、前記針は前記管腔と流体連通する、請求項4に記載のペンニードル。
【請求項6】
前記突起の前記導入用開口は、前記少なくとも1つの傾斜面に形成される、請求項に記載のペンニードル。
【請求項7】
前記ニードルハブは、近位端及び遠位端を有する側壁と、前記遠位端の末端壁を有し、前記針は、前記末端壁の外側表面から伸び、前記突起は前記末端壁の内側表面から前記カラーの前記近位端に向けて伸びる、請求項1に記載のペンニードル。
【請求項8】
側壁、開口近位端、及び遠位端を有するカラーと、
前記カラーの前記遠位端に回転可能に接続されるニードルハブであって、近位端及び遠位端を有し、前記遠位端から伸びる針、及び送達デバイスの隔壁を貫通するように構成された前記近位端に向けて伸びる突起を有するニードルハブと
を含み、前記カラーは前記ニードルハブから独立して回転可能であり、
前記ニードルハブは、前記ニードルハブの前記近位端で外側に伸びるフランジを有する側壁と、前記フランジから離れた少なくとも1つの外側に伸びたタブを有し、前記カラーの前記遠位端は、前記フランジと前記少なくと1つのタブの間に捕らえられ、前記カラーに前記ニードルハブを接続し、前記カラーは前記ニードルハブに対して回転可能である、ペンニードル。
【請求項9】
前記ニードルハブの前記側壁は、前記側壁の回りに、離れて配置された複数の前記タブを含む、請求項に記載のペンニードル。
【請求項10】
ペンニードルであり、
側壁、送達デバイスに接続するように構成された接続部を有する開口近位端、及び中央開口部を有する近位端を有するカラーと、
近位端及び遠位端を有するニードルハブであって、前記ニードルハブの前記近位端は前記カラーの前記遠位端に接続される接続メンバーを有し、前記ニードルハブは前記ペンニードルの長手軸に関して先記カラーから独立して回転可能であるニードルハブと、
前記ニードルハブの前記遠位端の頂面から伸びる針と、
前記針を受容し、前記ニードルハブの前記遠位端の末端壁の内側表面から伸びる管腔を有する突起であって、送達デバイスの隔壁を貫通するように構成され、送達デバイスと前記針の間に流体連通を提供する開口を有する突起と
を含み、
前記ニードルハブは、側壁及び前記ニードルハブの前記遠位端での末端壁を有し、
前記ニードルハブの前記側壁は、前記近位端で外側に伸びる第1のフランジと、前記ニードルハブの前記側壁から外側に伸び、前記第1のフランジから離れて配置される接続メンバーであって、前記中央開口に向けて内側に伸びる前記カラー上のフランジを受ける凹部を形成する接続メンバーとを有する、
ペンニードル。
【請求項11】
前記接続メンバーは第2のフランジである請求項10に記載のペンニードル。
【請求項12】
前記接続メンバーは、前記側壁から外側に突出し、前記第1のフランジから離れて配置された少なくとも1つのタブである、請求項10に記載のペンニードル。
【請求項13】
前記少なくとも1つのタブは可撓性である、請求項12に記載のペンニードル。
【請求項14】
前記接続メンバーは、環状凹部を画定する前記第1のフランジから離れて配置される複数の可撓性タブを含み、前記カラーの前記遠位端は前記中央開口を画定する内側に放射状に伸びるフランジを有し、前記カラーの前記フランジは、前記ニードルハブの前記環状凹部に受容される、請求項10に記載のペンニードル。
【請求項15】
前記複数の可撓性タブは、前記ニードルハブの前記側壁から、前記ペンニードルの長手軸に対して斜めに前記第1のフランジに向けて外側に突出する、請求項14に記載のペンニードル。
【請求項16】
前記複数の可撓性タブは、前記ニードルハブの外周に離れて配置される、請求項15に記載のペンニードル。
【請求項17】
前記突起は、送達デバイスの隔壁を貫通するための先のとがった先端を有する遠位端を有する、請求項10に記載のペンニードル。
【請求項18】
前記先端は、鋭い閉じた端部に収束する複数の傾斜面を有し、前記突起の前記開口が、前記傾斜面の少なくとも1つに形成され、前記鋭い閉じた端部から軸方向に離れている、請求項17に記載のペンニードル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2018年2月12日に出願された米国仮出願番号62/629,564の優先権を主張し、当該出願はその全体を参照により本明細書に取り込む。
【0002】
本出願は、一般に、ペンニードル送達デバイスなどの送達デバイスに接続するためのペンニードルに関する。ペンニードルには、物質を患者に送達するためのカニューレ又は針、及び、送達デバイスの隔壁を貫通するための突起を含む。ペンニードルは、突起が送達デバイスの隔壁を貫通するときに隔壁に対して突起を回転することなく送達デバイスに接続するように構成される。
【背景技術】
【0003】
インスリン及び他の注射可能な医薬品は、一般に、使い捨てペンニードルハブがペンに取り付けられ、薬剤容器にアクセスするのを容易にし、針を通して流体を容器から患者へ放出するのを可能にするドラッグデリバリーペンで送達される。
【0004】
患者へ物質を供給するための種々のペンニードル送達デバイスが当分野で知られている。送達デバイスは、多くの場合、使い捨てニードルハブを使用し、このハブは患者へ挿入するためのハブの患者側末端から伸びたカニューレ又は針を有する。ハブの非患者側末端は、患者へ物質を送達するためのペン送達デバイスに接続される。
【0005】
ニードルハブアセンブリは、幾つかのばらのニードルハブを含有する容器に、しばしばパッケージングされる。ニードルハブは、パッケージから選択され、患者に液体を注入するためのペンニードル送達デバイスに取り付けられ、次いで廃棄のために除去される。ニードルハブのパッケージは、ニードルハブを封入する外側カバー、及びニードルハブを除去できるように、外側カバーから引き剥がされて空洞を開く除去可能なシールを含む。ニードルハブは、送達デバイスにねじ止めされる、ねじ切りされた非患者側末端を有していてもよい。ニードルハブを取り付けた送達デバイスは、次に、外側カバーから除去される。内側ニードルシールドがニードルハブに取り付けられ、デバイスが使用可能な状態になるまでカニューレを覆う。シールドが除去され、患者へ物質を送達するのに使用するカニューレを露出する。使用後、ニードルハブは外側カバーに差し戻され、露出したカニューレを封入する。ペン送達デバイスは、外側カバー内にニードルハブを残して、ニードルハブから分離される。
【0006】
ペンニードルは、多くの場合、ニードルハブの近位、即ち非患者側末端から伸びる針を含む。針は、送達ペンの隔壁を貫通し、薬剤又は他の医薬品にアクセスするように配置される。ペンニードルは、ニードルハブが送達ペンに前進するにつれて針が隔壁を貫通するように、送達ペンの末端にねじ止めされる。典型的には、針は、患者への薬剤の送達を妨げる隔壁に挿入され、隔壁を通る間、曲がることができる細い直径を有する。
【0007】
既存のペンニードルアセンブリは、Marshらの米国特許出願公開第2006/0229562号(特許文献1)及びR. Marchの米国特許出願公開第2007/0149924号(特許文献2)に開示されており、これら両方の全内容は、参照により本出願に取り込まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】米国特許出願公開第2006/0229562号
【文献】米国特許出願公開第2007/0149924号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来のデバイスは目的の用途に適しているが、産業界において、改良されたペンニードルデバイス及び送達デバイスにペンニードルを結合する方法に対する引き続いた必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(発明の概要)
本発明は、一般に、インスリン送達注入に使用されるペンニードルデバイスなどの送達デバイスに接続するためのペンニードルに関する。ペンニードルは、患者に物質を送達するための針又はカニューレを含む。ペンニードルは、送達デバイスに結合するように構成されたねじ切りされたハブを含む。
【0011】
一実施形態のペンニードルは、送達デバイスの隔壁を貫通するための、非患者側の近位端から伸び、患者へ送達される薬剤又は他の物質にアクセスする突起を含む。ペンニードルは、患者の皮膚を貫通し物質を送達するための、遠位端から伸びた針又はカニューレを含む。ペンニードルは、突起が送達デバイスの隔壁を貫通するとき、送達デバイスに対して突起を回転することなく送達デバイスに接続するように構成される。
【0012】
一実施形態では、ペンニードルは、ねじ切りされたカラー及びニードルハブを有し、該カラーは、ニードルハブに対して回転することができる。カラーは、送達デバイスのねじ切りされた末端にねじ止めされ、一方、ニードルハブ及び突起は、回転が固定されたまま残る。ニードルハブは、ねじ止めされたカラーの回転によって軸に沿って移動し、これによって突起が軸に沿って移動し、突起が隔壁及びカラーに対して回転することなく隔壁を貫通する。
【0013】
ニードルハブはカラーに接続され、該カラーはニードルハブから独立して回転することができる。ニードルハブは、ニードルハブ及びカラーを他方に対して回転することができる接続機構を含む。
【0014】
一実施形態では、カラーとニードルハブの間の接続はニードルハブ又はカラーの一方のフランジであり、このフランジはニードルハブ又はカラーの他方の凹部と一致する。カラーは、ニードルハブの環状の凹部に受容される内側に伸びたフランジによって画定される開口末端を有する。
【0015】
別の実施形態では、接続は、環状の凹部を画定するニードルハブから外側に伸びた間隔のあいた2つのフランジであってよい。カラーの上部遠位端は、ニードルハブの環状の凹部に受容され、ニードルハブに対してカラーの回転を可能にする。
【0016】
更なる実施形態では、接続は、ニードルハブ上のフランジと、ニードルハブから外側に突出し、フランジから離れて配置された少なくとも1つのタブである。フランジとタブの間のスペースは、カラーがニードルハブに対して回転できるようにカラーの上部末端を取り込む。
【0017】
ペンニードルの構成は、ペンニードルに、側壁、開口近位端及び遠位端を有するカラーとニードルハブを提供することによって基本的に得ることができる。ニードルハブは、カラーの遠位端に回転可能に接続される。ニードルハブは、近位端及び遠位端を有する。針は、ニードルハブの遠位端から伸び、突起は近位端から伸びる。突起は、ペンニードルが送達デバイスに結合されるときに、送達デバイスの隔壁を貫通するように構成される。カラーはニードルハブ及び突起から独立して回転可能であり、その結果、カラーが回転され、送達デバイスに取り付けられるとき、ニードルハブは、その回転を固定したままにできる。ニードルハブは、カラーの軸方向の移動と共に軸方向に移動することができる。
【0018】
この構成は、カラー及びニードルハブを有するペンニードルハブを提供することによって、更に得ることができる。カラーは、側壁、接続メンバーを有する開口近位端、及び遠位端を有する。ニードルハブは近位端及び遠位端を有する。ニードルハブの近位端はカラーの遠位端に接続される接続メンバーを有し、カラーはニードルハブから独立して回転可能である。針はニードルハブの遠位端から伸び、突起はニードルハブの近位端から伸びる。突起は、ペンニードルが送達デバイスに取り付けられるとき、送達デバイスの隔壁を貫通するように構成される。
【0019】
本発明の構成はまた、ペンニードルをペンニードル送達デバイスに組み立てる方法を提供することによって得られる。この方法は、ペンニードル送達デバイスをペンニードルに挿入することを含み、ペンニードルはねじ切りされたカラーとニードルハブとを含み、該カラーは近位端及び遠位端を有し、該ニードルハブはカラーの遠位端に回転可能に接続される近位端と、遠位端であって該遠位端から伸びた針を有する遠位端とを有する。ニードルハブは、ニードルハブの近位端に向けて伸びた突起を有する。カラーは、ニードルハブを回転することなくペンニードル送達デバイスの隔壁を貫通するようにペンニードル送達デバイスに対して回転可能である。
【0020】
本発明の目的、利点、及び顕著な特徴は、添付の図面と組み合わせて、本発明の例示的な実施形態を開示する以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0021】
本発明の種々の実施形態の上記利益及び他の利点は、以下の、本発明の例示的実施形態の詳細な説明から、及び添付の図面からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、ペンニードル送達デバイスの分解斜視図であり、カニューレを支持するニードルハブ、内側シールド、及び外側カバーを含むペンニードルアセンブリを示す。
図2図2は、図1のペンニードルの断面図である。
図3図3は、一実施形態のペンニードルの斜視図である。
図4図4は、図3のペンニードルの断面斜視図である。
図5図5は、ペンニードルの側断面図であり、送達デバイスに接続されたカラーとニードルハブを示す。
図6図6は、図3のペンニードルのカラーの斜視図である。
図7図7は、図6のカラーの断面斜視図である。
図8図8は、図6のカラーの断面図である。
図9図9は、図3の一実施形態のニードルハブの斜視図である。
図10図10は、ニードルハブの断面斜視図である。
図11図11は、ニードルハブの側断面図である。
図12図12は、ニードルハブの底面斜視図であり、突起を示す。
図13図13は、図12の突起の底面端面図である。
図14図14は、代替実施形態の突起の底面端面図である。
図15図15は、第2の実施形態のペンニードルの斜視図である。
図16図16は、図15のペンニードルの断面斜視図である。
図17図17は、図15のペンニードルの側断面図である。
図18図18は、送達デバイスに接続されたペンニードルを示す断面図である。
図19図19は、カラーの断面図である。
図20図20は、突起を示す断面の上面斜視図である。
図21図21は、図15の実施形態のニードルハブの斜視図である。
図22図22は、ニードルハブの底面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図面の全体を通して、同じ参照番号は同じ部品、コンポーネント、及び構造を示すと理解されたい。
【0024】
(例示的実施形態の詳細な説明)
本発明は、ペンニードル送達デバイスなどの送達デバイスに結合するためのペンニードルを指向する。ペンニードルは、患者へ物質を送達するための針又はカニューレを支持し、ペンニードルが送達デバイスに取り付けられるときに送達デバイスの隔壁を貫通するための突起を含む。ペンニードルは、突起が送達デバイスに対して実質的に回転することなく直線方向に移動し、ペンニードルが送達デバイスに取り付けられるとき送達デバイスの隔壁を貫通するように構成される。
【0025】
本発明の実施形態の基準は添付の図面に例示されており、当該図面では、全体を通して同じ参照番号は同じ要素を示す。本明細書に記載された実施形態は、図面を参照して本発明を例示するが、これに限定されない。
【0026】
本開示は、以下の説明で述べるか、又は図面に示されたコンポーネントの構造及び配置の細部にその適用を制限されないことは、当業者に理解されるであろう。本明細書の実施形態は、種々の形式で、修飾され、実行され、又は実施されることができる。本明細書で使用される表現及び用語は、説明を目的とするものであり、制限と見做されるべきではないことは理解されるであろう。本明細書において、「含む(incouding)」、「含む(comprising)」又は「有する」、及びこれらの変形は、これらの語の後に列記された項目及びそれらの等価物、並びに追加の項目を包含することを意味する。特に制限がなければ、本明細書において、用語「結合された(connected)」、「接続された(coupled)」及び「装着された(mounted)」並びにこれらの変形は、広範囲に使用され、直接的及び間接的な結合、接続及び装着を包含する。加えて、用語「結合された」及び「接続された」並びにこれらの変形は、物理的又は機械的な結合又は接続に限定されない。更に、上、下、底部及び上部などの用語は、相対的であり、描画を補助するために使用され、制限を意図しない。異なる実施形態の構成は、他の実施形態の構成と互いに矛盾しない限り、他の実施形態の構成と組み合わせることができる。
【0027】
図1に示されるように、ペンニードル送達デバイス10は、典型的には、用量ノブ/ボタン、外側スリーブ12、及びキャップを含む。用量ノブ/ボタンは、使用者が注入される医薬品の用量を設定することを可能にする。外側スリーブ12は、医薬品を注入するとき使用者によって握られる。キャップは、シャツのポケット又は他の適切な位置にペンニードルデバイス10を安全に保持し、偶発的な針による損傷からの防御/保護を提供するために使用者によって使用される。
【0028】
標準的なペンニードルデバイスにおいて、投与及び送達機構は外側スリーブ12内に全て見出され、これらは当業者によって理解されるので、本明細書ではより詳細には説明しない。医薬カートリッジは、典型的には、公知の取り付け手段によって標準的なペン注入器ハウジングに取り付けられる。医薬カートリッジ内のプランジャ又はストッパの遠位側への移動は、レシーバーハウジング内に医薬品を押しやる。医薬カートリッジは、隔壁によって密閉され、レシーバー又はハウジング内に配置された、隔壁を貫通するニードルカニューレによって穴あけされる。リザーバーハウジングは、好ましくは、医薬カートリッジにねじ止めされるが、他の取り付け手段も使用可能である。ペンニードル送達デバイスは、産業界で公知の標準的ペン送達デバイスであってよく、従って、ペンニードル送達デバイスは詳細に示さない。図2に示されるペンニードルアセンブリは、カニューレ20を支持するニードルハブ16、外側カバー22、及び内側シールド24を含む。保護シール26は、図2に示されるように、外側カバーの開口端に取り付けられ、ニードルハブ及びカニューレを封入し、清浄及び滅菌状態を維持する。シール26は、外側カバーから容易に剥がせ、使用の間にニードルハブにアクセスできるラベル又は他の閉鎖メンバーでありうる。
【0029】
ペンニードル送達デバイス10は、図1に示されるニードルハブ16に接続され、ニードルハブは、送達デバイス10のねじ切りされた端部14にねじ止めする内部ねじ山を有する結合用の非患者側末端を有する。針20は、患者へ物質を送達するために、ニードルハブ16の患者側末端から伸びる。外側カバーは、ニードルカニューレを覆い、使用の前後で、偶発的な針刺しから患者を保護するために提供されうる。外側カバー22は、使用の間に外側カバーをつかむのを補助するためのリブ23を含む。内側シールド24は、ニードルハブ16の末端から伸びるポストを越えて提供され、カニューレを封入する。使用の間に、ニードルハブ16はペン送達デバイスに結合され、内側シールドは除去される。使用後、外側カバーは、一般に、ニードルハブに戻され、ニードルカニューレを覆う。カバーを有するニードルハブは、次にペンニードル送達デバイスから除去され、廃棄される。
【0030】
図3~13を参照すると、ペンニードル第1の実施形態が示される。示された実施形態のペンニードル30は、カラー32及びニードルハブ34を含む。ニードルハブ34は、カラー32がニードルハブ34に対して長手軸の回りに自由に回転できるように、適切な接続機構によってカラー32に接続される。ニードルハブ34及びカラー32は、典型的には、堅いプラスチック材料で作成される。示された実施形態では、ニードルハブ34及びカラー32は、組み立てられてペンニードル30を形成する別々の要素として作成される。
【0031】
図4及び図6~8に示されるように、カラー32は、図1のペンニードル送達デバイスなどの送達デバイスの末端に結合するように構成される。示された実施形態では、カラー32は、開口近位端38及び遠位端40を形成する側壁36を有する。近位端は、図5に示されるような、送達デバイスと接続するための開口である。側壁36は、送達デバイスと接続するための内部ねじ山42を有する内側表面を有する。図4に示されるような面取りされたエッジ44は、送達デバイスとシールを形成し、カラー32の開口端に送達デバイスを挿入するのを容易にするためにわずかに大きな開口を形成する。
【0032】
側壁36の遠位端40は、末端壁46を含む。示された実施形態では、末端壁46は、カラー32の長手軸に実質的に垂直に伸びる。末端壁46は、図6~8に示されるようにカラー32の遠位端40の開口50を画定する内側エッジ48を有する。
【0033】
ニードルハブ34は、図4に示されるように針52を支持するための形状及び配置を有する。図9~11を参照すると、針は、当分野で公知の、患者へ薬剤又は他の物質を送達するための管腔を有する。針52は、ペンニードルに一般に使用される長さ及び規格を有する。一実施形態では、針は、約3~4mmの長さを有しうるが、長さは、意図した使用及び患者の皮膚に侵入する意図した深さによって選択することができる。ニードルハブ34は、カラー32に結合され、ペンニードル30の長手軸の回りにカラーに対して自由に回転可能である。
【0034】
示された実施形態では、ニードルハブ34は、開いた近位端56及び閉じた遠位端58を有する側壁54によって形成される。示された実施形態では、側壁54は、実質的に円筒状の配置を有するが、他の形状及び寸法を有していてもよい。ニードルハブ34の遠位端58は末端壁60を有し、この末端壁は、ニードルハブの遠位端を閉じ、患者と接触して患者に物質を送達する間の針の侵入の深さを制限するための皮膚接触面を画定する。示された実施形態では、末端壁60は、皮膚接触面を形成する外側環状リング62及び内側ポスト64を有する。凹部領域66が、外側リング62と内側ポスト64の間に形成され、ニードルハブの皮膚接触面の部分を形成する。互いに関連した内側及び外側リングの輪郭及び位置は、針が患者に挿入され、皮膚接触面が使用者による一般的な挿入力によって皮膚に対して押圧されるとき、皮膚の変形を制御する。図10に示されるように、外側リング62、内側リング64及び凹部部分66は、円錐形の凸形状を形成する。
【0035】
末端壁60は、ニードルハブの近位端に向けて伸びる突起70を有する内側表面68を有する。示された実施形態では、突起70は、スパイク又はランセットを形成し、突起70が図4に示されるようにカラーに伸びるようにニードルハブ34の側壁54の長手寸法よりも大きい長さを有する。管腔を画定する軸方向の通路72は、突起70及び末端壁60を通って伸びる。軸方向の通路72は、図4に示されるように針52を受容し、支持し、針52の管腔と突起70の管腔の間の流体の連通を提供する。突起70の円錐形状の部分74は、ニードルハブに針52を結合するための接着剤を受容するために、末端壁64に形成される。明確にする目的で、接着剤は記載されていない。
【0036】
図10を参照すると、突起70は、鋭い又はとがった先端78で終端する実質的に円筒状の本体76を有する。鋭い先端78は、閉じた遠位端を形成し、ペンニードル30が送達デバイスに取り付けられるときに送達デバイスの隔壁106を貫通するように構成される。軸方向の通路72は、先端78と末端壁60の間に伸び、突起70を通して針52への流体連通を提供する。放射状に伸びるリブ80は、図12に示されるように、末端壁60の内側表面上に形成され、突起を安定化し、末端壁60を補強するのを助ける。針52は、軸方向の通路72の遠位端に配置される。このデバイスの実施形態では、突起70は針52とは別の要素であり、針の近位端は軸方向の通路72に挿入され、突起70の管腔と連通する。針は、典型的にはステンレス鋼で作成され、ニードルハブは、典型的にはプラスチック材料で作成される。示された実施形態の突起は、ワンピース型成形ユニットのように、ニードルハブと一体に形成される。他の実施形態では、突起は、適切な取り付け機構によってニードルハブに取り付けられる別のメンバーであってよい。針は、ニードルハブの遠位端への適切な接着により取り付けることができる。
【0037】
突起70の先端78は、送達デバイスから針52への流体連通を確保しながら、隔壁を効果的に貫通する鋭い又はとがった先端を提供するための、種々の形状及び構成を有しうる。図12及び13を参照すると、先端78は、針頭84に収束する傾斜面82によって形成されうる。傾斜面82は、示されるように平坦であり得、凸状の輪郭又は凹状の輪郭を有しうる。示された実施形態では、傾斜面82のそれぞれには、軸方向の通路72と連通する開口86が形成され、針との流体連通を提供する。開口86は、好ましくは、開口が、送達デバイスの隔壁を突起が貫通するのを妨げず、開口が隔壁の中心部をくりぬかないように、針頭84から軸方向に離れている。開口86は、送達デバイスから針へ医薬品の十分な流れを提供する形状及び寸法を有する。示された実施形態では、開口86は、一般に、三角形状を有するが、他の形状も使用できる。示された実施形態では、4つの傾斜面が提供されているが、傾斜面の数は、突起の直径及び長さによって変化しうる。
【0038】
図14に示される代替の実施形態では、突起70の先端78は傾斜面82によって形成され得、全傾斜面より少ない傾斜面に開口86が含まれる。図14に示された実施形態では、2つの開口86が、対向する傾斜面82に提供される。この開口は、傾斜面及び突起の先端に対して配置され、所望の用量及び流速で送達するための送達ペンのリザーバー及び針から患者への物質の効果的な送達を提供する。
【0039】
ニードルハブ34の近位端56には、ニードルハブとカラーの間の回転を可能にしながら、ニードルハブ34をカラー32に結合するための接続部が形成される。図9~12に示された実施形態では、接続部は、ニードルハブ34の側壁54の近位端から外側に放射状に伸びる環状フランジ88によって形成される。フランジ88は、図5に示されるカラー32の内側の寸法と相補的な垂直エッジ90を有し、ニードルハブ34の側壁54は、カラー内の開口50と相補的な寸法を有し、これによってニードルハブ34はカラー内の開口内で回転することができる。フランジ88は、カラー32の末端壁46の底面と相補的な表面を有する、図10に示す上面92を有する。示された実施形態では、上面92は、ニードルハブ34の長手軸から外側に放射状に伸びる実質的に平坦な表面である。図10に示されるフランジ88の底面94はまた、カラー32の送達デバイス10の端部と一致した、実質的に平坦な放射状に伸びる表面を有する。
【0040】
示された実施形態の接続機構は、ニードルハブ34の側壁54から外側に放射状に伸びる第2のフランジ96も含む。第2のフランジ96は、末端壁46の厚みに実質的に対応する距離でフランジ88から離れている。図9及び10に示されるように、フランジ96は、フランジ88の半径方向の寸法よりも短い半径方向の寸法を有する。フランジ96は、面取りされたエッジ100を備えた上面98を有する。面取りされたエッジ100は、カラー32にニードルハブ34を接続するためのスナップ結合によって末端壁46の開口50の内側エッジ上をスライドすることができる。図4に示されるように、ニードルハブ34は、フランジ88とフランジ96の間の凹部102に捕らえられる末端壁46によってカラー32に接続される。カラー32及びハブ34は、ニードルハブがカラー32の開口端内で自由に回転することができるように、互いに結合される。
【0041】
ペンニードル30は、図5に示されるように、送達デバイス10のねじ切りされた端部に結合される。カラー32は、図5に示される矢印104によって指示されるように回転され、送達デバイス10にペンニードルを前進させる。カラー32は、回転して送達デバイスのねじ切りされた端部にカラーをねじ止めする。ニードルハブ34は、実質的にニードルハブ34の回転移動なしに、ニードルハブ34が図5の矢印108に示される直線方向に隔壁106に向けて移動するようにカラー32に対して回転が固定されたままとなりうる。突起70は、送達デバイスの隔壁に対して突起をひねるか又は回転することなく、実質的に直線方向に移動することによって隔壁60を貫通することができる。図5に示されるように、送達デバイスにカラーをねじ止めすることは、突起70が隔壁を貫通し、送達デバイスの内容物にアクセスし、送達デバイスと針52の間の流体連通を提供することを可能にする。一実施形態では、突起70の末端は、突起が隔壁とかみ合う前に、カラーのねじ山が送達デバイスのねじ山と嵌合するように、カラー32の近位端から内側にスペースを持つ。送達デバイス10に対してカラー32を回転すると、ニードルハブ及び突起が隔壁を有する嵌合部に移動される。
【0042】
カラーとニードルハブの間の接続デバイスは、これによってニードルハブがカラーに結合され、カラー及びニードルハブが互いに対して回転できる、任意の適切な構成であればよい。
【0043】
図15~22に示される別の実施形態では、ペンニードル110は、カラー112及びニードルハブ114を含む。カラー112は、図3~14の実施形態と実質的に同じであり、カラー112は、側壁116と末端壁118を含み、該末端壁118は開口120を形成する内側エッジと共に内側に伸びたフランジを形成する。
【0044】
ニードルハブ114は先の実施形態のニードルハブと同様である。図20~22を参照すると、ニードルハブ114は、近位端124及び遠位端126を有する実質的に円筒状の構成を有する側壁122を有する。末端壁128は、先の実施形態のように針52を支持するために遠位端126に形成される。示された実施形態の末端壁128は、内側ポスト及び外側リングを有し、先の実施形態と同様の様式で皮膚接触面を形成する。
【0045】
側壁122の近位端124は、カラー112の内側の寸法と相補的な寸法を有する、外側に伸びたフランジ130を含む。フランジ130は、図18に示されるように、送達デバイスの末端と一致する底面132、及びカラー112の内側に伸びるフランジ118の底面と接触する上面134を有する。ニードルハブ114は、隔壁を貫通する、末端壁128から軸方向に伸びる突起144を含み、この突起は、先の実施形態のように、針52を支持する管腔150を有する。突起144は、先の実施形態と実質的に同じである。
【0046】
示された実施形態において、カラー112とニードルハブ114の間の接続は、少なくとも1つ、典型的には複数のタブ136を含む。タブ136は、側壁122の切り抜き148によって形成される。図16に示されるように、タブ136は、側壁122と一体に形成され、ニードルハブの近位端に向けて側壁から斜めに外側に突出し、タブ136の端とフランジ130の間に環状の凹部を形成する。タブ136は、側壁に結合された第1の端部と、カラー112のフランジ118と接触する自由端138とを有する。タブ136は、実質的に可撓性であり、ニードルハブがカラーの開口を通してニードルハブをスライドさせることによってカラー112に結合され、これによってタブ136がカラー112の末端壁又はフランジ118を経てスライドし、図16に示される位置に外側にスナップすることができる。示された実施形態では、ニードルハブは、4つのタブ136を含むが、タブの数は、カラーに対してニードルハブの回転を阻害することなくカラーにニードルハブを保持するのに応じて、4つを越えても、又は4つより少なくてもよい。
【0047】
図18を参照すると、ペンニードル110は、矢印140の方向に送達デバイスのねじ切りされた端部にカラー112をねじ止めすることによって送達デバイスに結合される。カラー112の回転は、ニードルハブ114から独立しており、ニードルハブは回転することなく直線方向に移動する。ニードルハブ114は、回転することなく軸方向に移動することができ、突起が送達デバイスと針の間の流体連通を形成するように、矢印142によって示される直線方向に隔壁を貫通することができる。
【0048】
上記の実施形態及び利点は、例示であり、本発明の範囲を制限すると理解されるべきではない。本発明の例示的実施形態の記述は、説明を意図しており、本発明の範囲を制限することを意図しない。種々の修飾、改変および変更は、当業者に明らかであり、本発明の範囲内に入ることが意図されている。特に、異なる実施形態の特徴及び特許請求の範囲は、互いに矛盾しない限り互いに組み合わされうることに注意すべきである。従って、全てのかかる修飾は、添付の特許請求の範囲及びこれらの等価物で定義される本発明の範囲に含まれることが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
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図22