(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-03
(45)【発行日】2023-08-14
(54)【発明の名称】エアロゾル送達デバイスにおけるセグメント化された加熱のための制御構成要素
(51)【国際特許分類】
A24F 40/50 20200101AFI20230804BHJP
A24F 40/46 20200101ALI20230804BHJP
【FI】
A24F40/50
A24F40/46
(21)【出願番号】P 2020563524
(86)(22)【出願日】2019-05-07
(86)【国際出願番号】 IB2019053750
(87)【国際公開番号】W WO2019215620
(87)【国際公開日】2019-11-14
【審査請求日】2022-03-29
(32)【優先日】2018-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516097871
【氏名又は名称】アール・エイ・アイ・ストラテジック・ホールディングス・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サー,ラジェッシュ
【審査官】根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-504127(JP,A)
【文献】特開平01-249366(JP,A)
【文献】特表2014-518096(JP,A)
【文献】特開2000-041654(JP,A)
【文献】特開平06-315366(JP,A)
【文献】特表2014-520542(JP,A)
【文献】特表平07-506008(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
H05B 1/00- 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル送達デバイスであって、
エアロゾル前駆体組成物を保持するように構築されたハウジングと、
エアロゾル前駆体組成物の成分を加熱して、気化させるために別々に電力を供給することが可能な複数の加熱要素を含むセグメント化されたヒータと、
セグメント化されたヒータの複数の加熱要素に結合され、セグメント化されたヒータの複数の加熱要素に、別々に制御可能に電力を供給するように構成された制御構成要素と
を備え、制御構成要素は、
セグメント化されたヒータに結合され、デマルチプレクサまたはラッチされた直列入力並列出力(SIPO)シフトレジスタであり、データ入力と、各々の出力が、セグメント化されたヒータの複数の加熱要素のうちのそれぞれ1つに結合されている複数の出力とを含む論理回路と、
それぞれ第1の値と第2の値を表す高電圧レベルと低電圧レベルとの間で切り替わる波形として論理信号を発生するように構成されたプロセッサとを含み、プロセッサは、論理回路のデータ入力に結合され、少なくとも第1の値を含む論理信号を論理回路のデータ入力に提供し、論理回路に第1の値を、ひいては論理回路の複数の出力のうちの1つ以上の出力で高電圧レベルを提供させて、セグメント化されたヒータの複数の加熱要素のうちの1つ以上の加熱要素のそれぞれに電力を供給してエアロゾル前駆体組成物の成分を加熱して、気化させるように構成され、複数の加熱要素のうちの他の加熱要素は同時に電力が供給されていない、
エアロゾル送達デバイス。
【請求項2】
エアロゾル前駆体組成物が液体、または固体または半固体である、請求項1に記載のエアロゾル送達デバイス。
【請求項3】
複数の加熱要素が、物理的に分離され、互いから離間している複数の導電性プロングである、請求項1に記載のエアロゾル送達デバイス。
【請求項4】
エアロゾル前駆体組成物は固体または半固体であり、複数の導電性プロングは物理的に分離され、固体または半固体に沿って縦方向に離間している、請求項3に記載のエアロゾル送達デバイス。
【請求項5】
論理回路が、データ入力および複数の出力を含み、1つ以上の選択入力をさらに含むデマルチプレクサであり、プロセッサは、1つ以上の選択入力にさらに結合され、1つ以上の選択入力を介してデマルチプレクサの1つ以上の出力を選択して、デマルチプレクサに第1の値を、ひいては1つ以上の出力で高電圧レベルを提供させるように構成されている、請求項1に記載のエアロゾル送達デバイス。
【請求項6】
プロセッサは、1つ以上の出力のうちの1つのみを選択して、デマルチプレクサに第1の値を、ひいては1つ以上の出力のうちの1つのみで高電圧レベルを提供させるように構成されている、請求項5に記載のエアロゾル送達デバイス。
【請求項7】
第1の値および第2の値はそれぞれバイナリ値であり、複数の加熱要素は、シーケンスn=1、2、3、…Nで配置されたN個の加熱要素であり、プロセッサが1つ以上の出力を選択するように構成されていることは、シーケンスn=1、2、3、…Nのバイナリ数2
nを1つ以上の選択入力に提供して、複数の出力のうちの個々の1つをシーケンスで、各々規定された時間間隔で選択するように構成されていることを含む、請求項5に記載のエアロゾル送達デバイス。
【請求項8】
論理回路は、SIPOシフトレジスタであり、論理信号は、各々が第1の値または第2の値を有するデジットを表しており、プロセッサが論理信号を提供するように構成されていることは、データ入力にシリアルにデジットを提供するように構成されていることを含み、ラッチされたSIPOシフトレジスタは応答性であって、ひいては、第1の値を有するデジットの1つ以上を含め、複数の出力で並列に同時にデジットを提供するようにされて、高電圧レベルが1つ以上の出力で提供される、請求項1に記載のエアロゾル送達デバイス。
【請求項9】
ラッチされたSIPOシフトレジスタが応答して並列に同時に提供するデジットは、第1の値を有する1デジットしか含まない、請求項8に記載のエアロゾル送達デバイス。
【請求項10】
デジットは、各々が、それぞれバイナリ値である第1の値または第2の値を有するビットであり、複数の加熱要素は、シーケンスn=1、2、3、…Nで配置されたN個の加熱要素であり、プロセッサがデジットを提供するように構成されていることは、バイナリ数2
nを表すビットを順番に、シーケンスn=1、2、3、…Nで、各々規定された時間間隔で提供するように構成されていることを含む、請求項8に記載のエアロゾル送達デバイス。
【請求項11】
複数の出力に結合され、セグメント化されたヒータの複数の加熱要素のうちの加熱要素への電圧または電流を測定するように構成されたセンサをさらに備える、請求項1に記載のエアロゾル送達デバイス。
【請求項12】
エアロゾル前駆体組成物を保持するように構築されたハウジングと、エアロゾル前駆体組成物の成分を加熱して、気化させるために別々に電力を供給することが可能な複数の加熱要素を含むセグメント化されたヒータとを含むエアロゾル送達デバイスを制御する方法であって、方法は、
第1の値と第2の値をそれぞれ表す高電圧レベルと低電圧レベルとの間で切り替わる波形として論理信号を発生することと、
少なくとも第1の値を含む論理信号を、データ入力と、各出力がセグメント化されたヒータの複数の加熱要素のうちのそれぞれの1つに結合される複数の出力とを含む、デマルチプレクサまたはラッチされた直列入力並列出力(SIPO)シフトレジスタである論理回路のデータ入力に提供することと、
論理回路に第1の値を、ひいては論理回路の複数の出力のうちの1つ以上の出力で高電圧レベルを提供させて、セグメント化されたヒータの複数の加熱要素のうちの1つ以上の加熱要素のそれぞれに電力を供給してエアロゾル前駆体組成物の成分を加熱して、気化させることとを含み、複数の加熱要素のうちの他の加熱要素は同時に電力が供給されていない、エアロゾル送達デバイスを制御する方法。
【請求項13】
それぞれの1つ以上の加熱要素に電力を供給することは、それぞれの1つ以上の加熱要素に電力を供給して、液体、または固体または半固体であるエアロゾル前駆体組成物の成分を加熱して、気化させることを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
それぞれの1つ以上の加熱要素に電力を供給することは、物理的に分離され、互いから離間している複数の導電性プロングである複数の加熱要素のうちのそれぞれの1つ以上の加熱要素に電力を供給することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
それぞれの1つ以上の加熱要素に電力を供給することは、それぞれの1つ以上の加熱要素に電力を供給して、固体または半固体であるエアロゾル前駆体組成物の成分を加熱して、気化させることを含み、複数の導電性プロングは物理的に分離され、固体または半固体に沿って縦方向に離間している、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
論理回路は、データ入力および複数の出力を含み、1つ以上の選択入力をさらに含むデマルチプレクサであり、方法は、1つ以上の選択入力を介してデマルチプレクサの1つ以上の出力を選択して、デマルチプレクサに第1の値を、ひいては1つ以上の出力で高電圧レベルを提供させることをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
1つ以上の出力を選択することは、1つ以上の出力のうちの1つのみを選択して、デマルチプレクサに第1の出力を、ひいては1つ以上の出力のうちの1つのみで高電圧レベルを提供させることを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
第1の値および第2の値はそれぞれバイナリ値であり、複数の加熱要素は、シーケンスn=1、2、3、…Nで配置されたN個の加熱要素であり、1つ以上の出力を選択することは、シーケンスn=1、2、3、…Nのバイナリ数2
nを1つ以上の選択入力に提供して、複数の出力のうちの個々の1つをシーケンスで、各々規定された時間間隔で選択することを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
論理回路は、SIPOシフトレジスタであり、論理信号は、各々が第1の値または第2の値を有するデジットを表し、論理信号を提供することは、データ入力にシリアルにデジットを提供することを含み、ラッチされたSIPOシフトレジスタは応答性であって、ひいては第1の値を有するデジットの1つ以上を含め、複数の出力で並列に同時にデジットを提供するようにされて、高電圧レベルが1つ以上の出力で提供される、請求項12に記載の方法。
【請求項20】
ラッチされたSIPOシフトレジスタが応答して並列に同時に提供するデジットは、第1の値を有する1デジットしか含まない、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
デジットは、各々が、それぞれバイナリ値である第1の値または第2の値を有するビットであり、複数の加熱要素はシーケンスn=1、2、3、…Nで配置されたN個の加熱要素であり、デジットを提供することは、数2
nを表すビットを順番に、シーケンスn=1、2、3、…Nで、各々規定された時間間隔で提供することを含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子タバコおよび非燃焼加熱式(heat-not-burn)タバコなどのエアロゾル送達デバイスに関する。エアロゾル送達デバイスは、タバコから作成された、またはタバコから抽出された、あるいはそれ以外の方法でタバコを組み込むエアロゾル前駆体組成物を加熱して、人間が消費するための吸入可能な物質を形成するように構成されてよい。
【背景技術】
【0002】
使用のためにタバコを燃焼させることに基づく喫煙製品の改良品または代替品として、長年にわたって多くの喫煙物品が提案されてきた。例示的な代替品は、固体燃料または液体燃料を燃焼させてタバコに熱を伝達するか、またはそのような熱源を提供するために化学反応が使用されるデバイスを含む。例は、Worm等に対する米国特許第9,078,473号明細書に説明される喫煙物品を含み、この特許は参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
喫煙物品に対する改良品または代替品のポイントは典型的には、かなりの量の不完全燃焼生成物および熱分解生成物を送達することなく、紙巻きタバコ、葉巻、またはパイプ喫煙と関連する感覚を提供することである。この目的のために、電気エネルギーを利用して揮発性物質を気化させる、または加熱する、あるいはかなりの度合いまでタバコを燃焼させることなく紙巻きタバコ、葉巻またはパイプ喫煙の感覚を提供しようと試みる多数の喫煙製品、香味生成器および薬用吸入器が提案されてきた。例えば、Robinson等に対する米国特許第7,726,320号明細書、Griffith Jr.等に対する米国特許出願公開第2013/0255702号明細書、およびSears等に対する米国特許出願公開第2014/0096781号明細書に説明される背景技術に記載されている様々な代替の喫煙物品、エアロゾル送達デバイスおよび発熱源を見られたく、これらの特許は、参照により本明細書に組み込まれる。また、例えば、Bless等に対する米国特許出願公開第2015/0220232号明細書において商標名および商用提供者によって参照される様々なタイプの喫煙物品、エアロゾル送達デバイス、および電動発熱源も見られたく、この特許は、参照により本明細書に組み込まれる。商標名および商用提供者によって参照される追加のタイプの喫煙物品、エアロゾル送達デバイス、および電動発熱源は、DePiano等に対する米国特許出願公開第2015/0245659号明細書に列挙されており、この特許もまた参照により本明細書に組み込まれる。説明されており、一部の例では市販されている他の代表的な紙巻きタバコまたは喫煙物品は、Gerth等に対する米国特許第4,735,217号明細書、Brooks等に対する米国特許第4,922,901号明細書、4,947,874号明細書、および4,947,875号明細書、Counts等に対する米国特許第5,060,671号明細書、Morgan等に対する米国特許第5,249,586号明細書、Counts等に対する米国特許第5,388,594号明細書、Higgins等に対する米国特許第5,666,977号明細書、Adams等に対する米国特許第6,053,176号明細書、Whiteに対する米国特許第6,164,287号明細書、Vogesに対する米国特許第6,196,218号明細書、Felter等に対する米国特許第6,810,883号明細書、Nicholsに対する米国特許第6,854,461号明細書、Honに対する米国特許第7,832,410号明細書、Kobayashiに対する米国特許第7,513,253号明細書、Robinson等に対する米国特許第7,726,320号明細書、Hamanoに対する米国特許第7,896,006号明細書、Shayanに対する米国特許第6,772,756号明細書、Honに対する米国特許公開第2009/0095311号明細書、Honに対する米国特許公開第2006/0196518号明細書、第2009/0126745号明細書、および第2009/0188490号明細書、Thorens等に対する米国特許公開第2009/0272379号明細書、Monsees等に対する米国特許公開第2009/0260641号明細書および第2009/0260642号明細書、Oglesby等に対する米国特許公開第2008/0149118号明細書および第2010/0024834号明細書、Wangに対する米国特許公開第2010/0307518号明細書、およびHonに対する国際特許出願公開第2010/091593号パンフレットに説明されるものを含み、これらの特許は参照により本明細書に組み込まれる。
【0004】
伝統的なタイプの紙巻きタバコ、葉巻またはパイプの多くの属性に似た代表的な製品が、Philip Morris IncorporatedによるACCORD(R)、InnoVapor LLCによるALPHA(TM)、JOYE 510(TM)およびM4(TM)、White Cloud CigarettesによるCIRRUS(TM)およびFLING(TM)、Fontem Ventures B.V.によるBLU(TM)、EPUFFER(R)International Inc.によるCOHITA(TM)、COLIBRI(TM)、ELITE CLASSIC(TM)、MAGNUM(TM)、PHANTOM(TM)およびSENSE(TM)、Electronic Cigarettes,Inc.によるDUOPRO(TM)、STORM(TM)およびVAPORKING(R)、Egar AustraliaによるEGAR(TM)、JoyetechによるeGo-C(TM)およびeGo-T(TM)、Elusion UK Ltd.によるELUSION(TM)、Eonsmoke LLCによるEONSMOKE(R)、FIN Branding Group,LLCによるFIN(TM)、Green Smoke Inc.米国によるSMOKE(R)、Greenarette LLCによるGREENARETTE(TM)、SMOKE STIK(R)によるHALLIGAN(TM)、HENDU(TM)、JET(TM)、MAXXQ(TM)、PINK(TM)およびPITBULL(TM)、Philip Morris International,Inc.によるHEATBAR(TM)およびIQOS(TM)、Crown7からのHYDRO IMPERIAL(TM)およびLXE(TM)、LOGIC TechnologyによるLOGIC(TM)およびTHE CUBAN(TM)、Luciano Smokes Inc.によるLUCI(R)、Nicotek、LLCによるMETRO(R)、Sottera,Inc.によるNJOY(R)およびONEJOY(TM)、SS Choice LLCによるNO.7(TM)、PremiumEstore LLCによるPREMIUM ELECTRONIC CIGARETTE(TM)、Ruyan America,Inc.によるRAPP E-MYSTICK(TM)、Red Dragon Products,LLCによるRED DRAGON(TM)、Ruyan Group(Holdings)Ltd.によるRUYAN(R)、Smoker Friendly International,LLCによるSF(R)、Smart Smoking Electronic Cigarette Company Ltd.によるGREEN SMART SMOKER(R)、Coastline Products LLCによるSMOKE ASSIST(R)、Smoking Everywhere,IncによるSMOKING EVERYWHERE(R)、VMR Products LLCによるV2CIGS(TM)、VaporNine LLCによるVAPOR NINE(TM)、Vapor 4 Life,Inc.によるVAPOR4LIFE(R)、E-CigaretteDirect,LLCによるVEPPO(TM)、R.J.Reynolds Vapor CompanyによるVUSE(R)、Mistic EcigsによるMistic Menthol製品、CN Creative LtdによるVype製品およびBritish American TobaccoによるGLO(TM)として市販されている。さらに他の電動式エアロゾル送達デバイス、および特に、いわゆる電子タバコとして特徴付けられているそういったデバイスも、COOLER VISIONS(TM)、DIRECT E-CIG(TM)、DRAGONFLY(TM)、EMIST(TM)、EVERSMOKE(TM)、GAMUCCI(R)、HYBRID FLAME(TM)、KNIGHT STICKS(TM)、ROYAL BLUES(TM)、SMOKETIP(R)、SOUTH BEACH SMOKE(TM)などの商標名の下で市販されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許第9,078,473号明細書
【文献】米国特許第7,726,320号明細書
【文献】米国特許出願公開第2013/0255702号明細書
【文献】米国特許出願公開第2014/0096781号明細書
【文献】米国特許出願公開第2015/0220232号明細書
【文献】米国特許出願公開第2015/0245659号明細書
【文献】米国特許第4,735,217号明細書
【文献】米国特許第4,922,901号明細書
【文献】米国特許第4,947,874号明細書
【文献】米国特許第4,947,875号明細書
【文献】米国特許第5,060,671号明細書
【文献】米国特許第5,249,586号明細書
【文献】米国特許第5,388,594号明細書
【文献】米国特許第5,666,977号明細書
【文献】米国特許第6,053,176号明細書
【文献】米国特許第6,164,287号明細書
【文献】米国特許第6,196,218号明細書
【文献】米国特許第6,810,883号明細書
【文献】米国特許第6,854,461号明細書
【文献】米国特許第7,832,410号明細書
【文献】米国特許第7,513,253号明細書
【文献】米国特許第7,726,320号明細書
【文献】米国特許第7,896,006号明細書
【文献】米国特許第6,772,756号明細書
【文献】米国特許出願公開第2009/0095311号明細書
【文献】米国特許出願公開第2006/0196518号明細書
【文献】米国特許出願公開第2009/0126745号明細書
【文献】米国特許出願公開第2009/0188490号明細書
【文献】米国特許出願公開第2009/0272379号明細書
【文献】米国特許出願公開第2009/0260641号明細書
【文献】米国特許出願公開第2009/0260642号明細書
【文献】米国特許出願公開第2008/0149118号明細書
【文献】米国特許出願公開第2010/0024834号明細書
【文献】米国特許出願公開第2010/0307518号明細書
【文献】国際公開第2010/091593号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、デバイスの有用性を拡張し得るような改良された電子機器をエアロゾル送達デバイスに提供することが望ましいだろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、エアロゾルを発生するように構成されたエアロゾル送達デバイスに関し、エアロゾル送達デバイスは、いくつかの実施形態において、電子タバコ、または非燃焼加熱式タバコと呼ばれてもよい。本開示は、限定することなく、以下の例示的な実施形態を含む。
【0008】
例示的な実施形態1:エアロゾル前駆体組成物を保持するように構築されたハウジングを備えるエアロゾル送達デバイスであって;エアロゾル前駆体組成物の成分を加熱して、気化させるために別々に電力を供給することが可能な(powerable)複数の加熱要素を含むセグメント化されたヒータと、セグメント化されたヒータの複数の加熱要素に結合され、セグメント化されたヒータの複数の加熱要素に、別々に制御可能に電力を供給するように構成された制御構成要素とを備え、制御構成要素は、セグメント化されたヒータに結合され、データ入力と、各々の出力が、セグメント化されたヒータの複数の加熱要素のうちのそれぞれ1つに結合されている複数の出力とを含む論理回路と;それぞれ第1の値と第2の値を表す高電圧レベルと低電圧レベルとの間で切り替わる波形として論理信号を発生するように構成されたプロセッサとを含み、プロセッサは、論理回路のデータ入力に結合され、少なくとも第1の値を含む論理信号を論理回路のデータ入力に提供し、論理回路に第1の値を、ひいては論理回路の複数の出力のうちの1つ以上の出力で高電圧レベルを提供させて、セグメント化されたヒータの複数の加熱要素のうちの1つ以上の加熱要素のそれぞれに電力を供給してエアロゾル前駆体組成物の成分を加熱して、気化させるように構成され、複数の加熱要素のうちの他の加熱要素は同時に電力が供給されていない、エアロゾル送達デバイス。
【0009】
例示的な実施形態2:エアロゾル前駆体組成物が、液体または固体または半固体である、任意の前述の例示的な実施形態による、または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組み合わせによるエアロゾル送達デバイス。
【0010】
例示的な実施形態3:複数の加熱要素が、物理的に分離され、互いから離間している複数の導電性プロングである、任意の前述の例示的な実施形態による、または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組み合わせによるエアロゾル送達デバイス。
【0011】
例示的な実施形態4:エアロゾル前駆体組成物が固体または半固体であり、複数の導電性プロングは物理的に分離され、固体または半固体に沿って縦方向に離間している、任意の前述の例示的な実施形態による、または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組み合わせによるエアロゾル送達デバイス。
【0012】
例示的な実施形態5:論理回路が、データ入力および複数の出力を含み、1つ以上の選択入力をさらに含むデマルチプレクサであり、プロセッサは、1つ以上の選択入力にさらに結合され、1つ以上の選択入力を介してデマルチプレクサの1つ以上の出力を選択して、デマルチプレクサに第1の値を、ひいては1つ以上の出力で高電圧レベルを提供させるように構成されている、任意の前述の例示的な実施形態による、または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組み合わせによるエアロゾル送達デバイス。
【0013】
例示的な実施形態6:プロセッサは、1つ以上の出力のうちの1つのみを選択して、デマルチプレクサに第1の値を、ひいては1つ以上の出力のうちの1つのみで高電圧レベルを提供させるように構成されている、任意の前述の例示的な実施形態による、または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組み合わせによるエアロゾル送達デバイス。
【0014】
例示的な実施形態7:第1の値および第2の値はそれぞれバイナリ値であり、複数の加熱要素は、シーケンスn=1、2、3、…Nで配置されたN個の加熱要素であり、プロセッサが1つ以上の出力を選択するように構成されていることは、シーケンスn=1、2、3、…Nのバイナリ数2nを1つ以上の選択入力に提供して、複数の出力のうちの個々の1つをシーケンスで、各々規定された時間間隔で選択するように構成されていることを含む、任意の前述の例示的な実施形態による、または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組み合わせによるエアロゾル送達デバイス。
【0015】
例示的な実施形態8:論理回路は、ラッチされた直列入力並列出力(SIPO)シフトレジスタであり、論理信号は、各々が第1の値または第2の値を有するデジットを表しており、プロセッサが論理信号を提供するように構成されていることは、データ入力にシリアルにデジットを提供するように構成されていることを含み、ラッチされたSIPOシフトレジスタは応答性であって、ひいては、第1の値を有するデジットの1つ以上を含め、複数の出力で並列に同時にデジットを提供するようにされて、高電圧レベルが1つ以上の出力で提供される、任意の前述の例示的な実施形態による、または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組み合わせによるエアロゾル送達デバイス。
【0016】
例示的な実施形態9:ラッチされたSIPOシフトレジスタが応答して並列に同時に提供するデジットは、第1の値を有する1デジットしか含まない、任意の前述の例示的な実施形態による、または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組み合わせによるエアロゾル送達デバイス。
【0017】
例示的な実施形態10:デジットは、各々が、それぞれバイナリ値である第1の値または第2の値を有するビットであり、複数の加熱要素は、シーケンスn=1、2、3、…Nで配置されたN個の加熱要素であり、プロセッサがデジットを提供するように構成されていることは、バイナリ数2nを表すビットを順番に、シーケンスn=1、2、3、…Nで、各々規定された時間間隔で提供するように構成されていることを含む、任意の前述の例示的な実施形態による、または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組み合わせによるエアロゾル送達デバイス。
【0018】
例示的な実施形態11:エアロゾル送達デバイスは、複数の出力に結合され、セグメント化されたヒータの複数の加熱要素のうちの加熱要素への電圧または電流を測定するように構成されたセンサをさらに備える、任意の前述の例示的な実施形態による、または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組み合わせによるエアロゾル送達デバイス。
【0019】
例示的な実施形態12:エアロゾル前駆体組成物を保持するように構築されたハウジングと、エアロゾル前駆体組成物の成分を加熱して、気化させるために別々に電力を供給することが可能な複数の加熱要素を含むセグメント化されたヒータとを含むエアロゾル送達デバイスを制御する方法であって;第1の値と第2の値をそれぞれ表す高電圧レベルと低電圧レベルとの間で切り替わる波形として論理信号を発生することと、少なくとも第1の値を含む論理信号を、データ入力と、各出力がセグメント化されたヒータの複数の加熱要素のうちのそれぞれの1つに結合される複数の出力とを含む論理回路のデータ入力に提供することと;、論理回路に第1の値を、ひいては論理回路の複数の出力のうちの1つ以上の出力で高電圧レベルを提供させ、それによりセグメント化されたヒータの複数の加熱要素のうちの1つ以上の加熱要素のそれぞれに電力を供給してエアロゾル前駆体組成物の成分を加熱して、気化させることをを含み、複数の加熱要素のうちの他の加熱要素は同時に電力が供給されていない、エアロゾル送達デバイスを制御する方法。
【0020】
例示的な実施形態13:それぞれの1つ以上の加熱要素に電力を供給することは、それぞれの1つ以上の加熱要素に電力を供給して、液体、または固体または半固体であるエアロゾル前駆体組成物の成分を加熱して、気化させることを含む、任意の前述の例示的な実施形態による、または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組み合わせによる方法。
【0021】
例示的な実施形態14:それぞれの1つ以上の加熱要素に電力を供給することは、物理的に分離され、互いから離間している複数の導電性プロングである複数の加熱要素のうちのそれぞれの1つ以上の加熱要素に電力を供給することを含む、任意の前述の例示的な実施形態による、または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組み合わせによる方法。
【0022】
例示的な実施形態15:それぞれの1つ以上の加熱要素に電力を供給することは、それぞれの1つ以上の加熱要素に電力を供給して、固体または半固体であるエアロゾル前駆体組成物の成分を加熱して、気化させることを含み、複数の導電性プロングは物理的に分離され、固体または半固体に沿って縦方向に離間している、任意の前述の例示的な実施形態による、または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組み合わせによる方法。
【0023】
例示的な実施形態16:論理回路はデータ入力および複数の出力を含み、1つ以上の選択入力をさらに含むデマルチプレクサであり、方法は、1つ以上の選択入力を介して論理回路の1つ以上の出力を選択し、それにより論理回路に第1の値を、ひいては1つ以上の出力で高電圧レベルを提供させることをさらに含む、任意の前述の例示的な実施形態による、または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組み合わせによる方法。
【0024】
例示的な実施形態17:1つ以上の出力を選択することは、1つ以上の出力のうちの1つのみを選択して、論理回路に第1の出力を、ひいては1つ以上の出力のうちの1つのみで高電圧レベルを提供させることを含む、任意の前述の例示的な実施形態による、または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組み合わせによる方法。
【0025】
例示的な実施形態18:第1の値および第2の値がそれぞれバイナリ値であり、複数の加熱要素が、シーケンスn=1、2、3、…Nで配置されたN個の加熱要素であり、1つ以上の出力を選択することは、シーケンスn=1、2、3、…Nのバイナリ数2nを1つ以上の選択入力に提供して、複数の出力のうちの個々の1つをシーケンスで、各々規定された時間間隔で選択することを含む、任意の前述の例示的な実施形態による、または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組み合わせによる方法。
【0026】
例示的な実施形態19:論理回路は、ラッチされた直列入力並列出力(SIPO)シフトレジスタであり、論理信号は、各々が第1の値または第2の値を有するデジットを表し、論理信号を提供することは、データ入力にシリアルにデジットを提供することを含み、ラッチされたSIPOシフトレジスタは応答性であって、ひいては第1の値を有するデジットの1つ以上を含め、複数の出力で並列に同時にデジットを提供するようにされて、高電圧レベルが1つ以上の出力で提供される、任意の前述の例示的な実施形態による、または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組み合わせによる方法。
【0027】
例示的な実施形態20:ラッチされたSIPOシフトレジスタが応答して並列に同時に提供するデジットは、第1の値を有する1デジットしか含まない、任意の前述の例示的な実施形態による、または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組み合わせによる方法。
【0028】
例示的な実施形態21:デジットは、各々が、それぞれバイナリ値である第1の値または第2の値を有するビットであり、複数の加熱要素はシーケンスn=1、2、3、…Nで配置されたN個の加熱要素であり、デジットを提供することは、数2nを表すビットを順番に、シーケンスn=1、2、3、…Nで、各々規定された時間間隔で提供することを含む、任意の前述の例示的な実施形態による、または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組み合わせによる方法。
【0029】
本開示のこれらのおよび他の特徴、態様および利点は、以下に簡単に説明される添付の図面と共に、以下の詳細な説明を読むことから明らかになるであろう。本開示は、そのような特徴または要素が本明細書で説明される特定の例示的な実施形態において明示的に組み合わされるかどうか、そうでなければ列挙されるかどうかにかかわらず、本開示に記載される2つ、3つ、4つまたはそれ以上の特徴または要素の任意の組み合わせを含む。本開示は、その開示のコンテキストが明らかにそうでないことを指示しない限り、その態様および例示的な実施形態のいずれにおいても、本開示の任意の分離できる特徴または要素が組み合わせ可能であると見なされるように全体的に読まれることが意図されている。
【0030】
したがって、この発明の概要は、本開示のいくつかの態様の基本的な理解を提供するためにいくつかの例示的な実施形態を要約する目的のためだけに提供されていることが理解されよう。したがって、上で説明された例示的な実施形態は単なる例であり、決して本開示の範囲または精神を狭めるように解釈されるべきではないことが理解されよう。他の例示的な実施形態、態様、および利点は、いくつかの説明された例示的な実施形態の原理を例として示す添付の図面と併せて、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0031】
上述の一般的な用語において本開示がこのように説明されきたが、次に添付の図面を参照されたく、これらは必ずしも一定の縮尺で描かれている訳ではない。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】本開示の例示的な実施形態による、互いに結合された制御本体と、エアロゾル源部材とを備えるエアロゾル送達デバイスの斜視図である。
【
図2】本開示の別の例示的な実施形態による、互いから切り離された制御本体と、エアロゾル源部材とを備えるエアロゾル送達デバイスの斜視図である。
【
図3】例示的な実施形態による、
図1および
図2のエアロゾル送達デバイスの正面図である。
【
図4】例示的な実施形態による、
図1および
図2のエアロゾル送達デバイスの断面図である。
【
図5】本開示の様々な例示的な実施形態によるエアロゾル送達デバイスの回路図である。
【
図6】本開示の様々な例示的な実施形態によるエアロゾル送達デバイスの回路図である。
【
図7】本開示の様々な例示的な実施形態によるエアロゾル送達デバイスの回路図である。
【
図8】8ビット値のシーケンスに対する直列入力並列出力(SIPO)シフトレジスタの出力における電圧を示す図である。
【
図9】様々な例示的な実施形態による、エアロゾル前駆体組成物を保持するように構築されたハウジングを含むエアロゾル送達デバイスを制御する方法における様々な動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本開示は、その例示的な実施形態を参照して、以下でより十分に説明される。これらの例示的な実施形態は、本開示が徹底的で完全であり、本開示の範囲を当業者に十分に伝えるように説明される。実際、本開示は多くの異なる形態で具現化されてもよく、本明細書に記載の実施形態に限定されるものと解釈されるべきではなく;むしろ、これらの実施形態は、この開示が適用可能な法的要件を満たすために提供されている。明細書および添付の特許請求の範囲で使用されるように、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その(the)」などは、コンテキストが明らかにそうでないことを指示しない限り、複数の指示対象を含む。また、本明細書では定量的尺度、値、幾何学的関係などを参照することがあるが、そうでないことを明記しない限り、これらの全てではないにしても、これらのいずれか1つ以上は絶対値である場合、または技術的な公差などのために生じ得る許容可能な変動を考慮するための近似値である場合もある。
【0034】
以下に説明されるように、本開示の例示的な実施形態はエアロゾル送達デバイスに関する。本開示によるエアロゾル送達デバイスは、電気エネルギーを使用して材料を加熱して(好ましくは、材料をかなりの度合いまで燃焼させることなく)吸入可能物質を形成し;またそのようなシステムの構成要素は、最も好ましくは手持ち式器具と見なすのに十分にコンパクトである物品の形態を有する。すなわち、好ましいエアロゾル送達デバイスの構成要素の使用は、エアロゾルが主にタバコの燃焼または熱分解の副産物から生じるという意味において煙の発生をもたらすのではなく、むしろこのような好ましいシステムの使用は、その中に組み込まれる特定の成分の揮発または気化から生じる蒸気の発生をもたらす。いくつかの例示的な実施形態では、エアロゾル送達デバイスの構成要素は、電子タバコとして特徴付けられてよく、これらの電子タバコは最も好ましくは、タバコおよび/またはタバコ由来の成分を組み込んでおり、したがってタバコ由来成分をエアロゾル形態で送達する。
【0035】
特定の好ましいエアロゾル送達デバイスのエアロゾル生成品は、その任意の成分の何らかの相当な度合いの燃焼を生じることなく、タバコの点火および燃焼(したがってタバコの煙を吸い込むこと)によって使用される紙巻きタバコ、葉巻またはパイプを喫煙する多くの感覚(例えば、吸入および呼気行為、味または風味の種類、感覚的効果、身体的感覚、利用行為、目に見えるエアロゾルによって提供されるものなどの視覚的合図)を提供し得る。例えば、本開示の例示的な実施形態によるエアロゾル送達デバイスのユーザは、喫煙者が従来のタイプの喫煙物品を使用するのと同じようにその1本を持ち使用することができ、その1本によって発生されたエアロゾルの吸入のためにその1本の一端を吸い、選択された時間間隔で吹かしたりなどができる。
【0036】
このシステムは、本明細書では、いわゆる「電子タバコ」、「タバコ加熱製品」など(一般に電子タバコと呼ばれる)エアロゾル送達デバイスと関連する実施形態に関して概ね説明されているが、機構、構成要素、特徴および方法は多くの異なる形態で具現化されてもよく、様々な物品と関連する可能性があることを理解されたい。例えば、本明細書で提供される説明は、伝統的な喫煙物品(例えば、紙巻きタバコ、葉巻、パイプなど)、非燃焼加熱式紙巻きタバコ、および本明細書で開示される製品のうちのいずれかについての関連する包装の実施形態に関連して採用されてもよい。したがって、本明細書に開示される機構、構成要素、特徴および方法の説明は、単なる例としてエアロゾル送達デバイスと関連する実施形態の点で説明されており、様々な他の製品および方法において具現化され、使用され得ることを理解されたい。
【0037】
本開示のエアロゾル送達デバイスはまた、蒸気発生物品または薬剤送達品として特徴付けられてもよい。したがって、そのような物品またはデバイスは、吸入可能な形態または状態の1つ以上の物質(例えば、香味料および/または医薬活性成分)を提供するように適合させることができる。例えば、吸入可能な物質は実質的に蒸気の形態(すなわち、臨界点より低い温度で気相にある物質)であり得る。あるいは、吸入可能な物質はエアロゾルの形態(すなわち、ガス中の微細な固体粒子または液滴の懸濁)である場合もある。簡単にするために、本明細書で使用される「エアロゾル」という用語は、人間の吸入に適した形態または種類の、目に見えるかどうかにかかわらず、および煙に似ていると見なすことができる形態であるかにもかかわらず、蒸気、ガスおよびエアロゾルを含むことを意味する。
【0038】
使用中、本開示のエアロゾル送達デバイスは、伝統的な種類の喫煙物品(例えば、タバコに点火する、およびタバコを吸入することによって利用される紙巻きタバコ、葉巻またはパイプ)を使用する際に個人が取る多くの物理的アクションを受ける可能性がある。例えば、本開示のエアロゾル送達デバイスのユーザは、その物品を伝統的な種類の喫煙物品と非常によく似た状態で持ち、その物品によって発生されたエアロゾルの吸入のためにその物品の一端を吸い、選択された時間間隔で吹かしたり、吸い込んだりすることなどができる。
【0039】
本開示のエアロゾル送達デバイスは一般に、本体またはシェルと呼ばれる場合もある外側ハウジング内に提供されたいくつかの構成要素を含む。ハウジングの全体の設計は変わり得、エアロゾル送達デバイスの全体のサイズおよび形状を画定し得るハウジングの様式または構成は変わり得る。典型的には、紙巻きタバコまたは葉巻の形状に似た細長い本体を単一の一体成形のハウジングから形成されることができる、または細長いハウジングは2つ以上の分離可能な本体で形成される場合もある。例えば、エアロゾル送達デバイスは、実質的に管状の形状であってよく、したがって、従来の紙巻きタバコまたは葉巻の形状に類似し得る細長い本体を備えることができる。一例では、エアロゾル送達デバイスの全ての構成要素は1つのハウジング内に収容されている。あるいは、エアロゾル送達デバイスは、接合される、および分離可能な2つ以上のハウジングを備える場合もある。例えば、エアロゾル送達デバイスは、一端に、1つ以上の再利用可能な構成要素(例えば再充電可能なバッテリ、ソリッドステートバッテリ(SSB)および/または再充電可能なスーパーキャパシタなどのアキュムレータ、ならびにその物品の作動を制御するための様々な電子機器)を収容するハウジングを備える制御本体を有し、また他端には、そこに取り外し可能に結合可能である使い捨て部分(例えば風味を含有する使い捨てカートリッジ)を収容する外側本体またはシェルを有することができる。単一のハウジングタイプのユニット内または複数品からなる分離可能なハウジングタイプのユニット内の構成要素のより具体的な様式、構成および配置は、本明細書で提供されるさらなる開示に照らして明白であろう。さらに、市販の電子エアロゾル送達デバイスを考慮すると、様々なエアロゾル送達デバイスの設計および構成要素の配置が理解されることができ、例えば、British American TobaccoによるGLO(TM)および Philip Morris International,Inc.によるIQOS(TM)で使用されるなどの紙巻きタバコのパックおよびフォームファクタに概ね近い形状およびサイズを有するデバイスハウジングを含め、代替の非管状ハウジングのフォームファクタも使用され得ることが理解されよう。
【0040】
本開示のエアロゾル送達デバイスは最も好ましくは、電源(すなわち、電力供給源)と、少なくとも1つの制御構成要素(例えば、電源からエアロゾル送達デバイスの他の構成要素への電流の流れを制御するなどによって、発熱ための電力を作動させる、制御する、調整するおよび停止するための手段)と、少なくとも1つの加熱要素(例えば電気抵抗加熱要素または誘導加熱要素、あるいはエアロゾル送達デバイスに実現されたとき、液体エアロゾル前駆体組成物を噴霧するように構成された、「アトマイザ」の一部と一般に呼ばれる構成要素(複数可))と、エアロゾル前駆体組成物(例えば、固体タバコ材料、半固体タバコ材料または液体エアロゾル前駆体組成物)と、エアロゾル吸入のためにエアロゾル送達デバイスを吸い込むことを可能にするマウスエンド領域または先端(例えば、生成されたエアロゾルが、吸い込み時にそこから引き出され得るように、物品内を通るように画定された空気流路)の任意の組み合わせを備える。
【0041】
本開示のエアロゾル送達デバイス内の構成要素の位置合わせは変わり得る。特定の実施形態において、エアロゾル前駆体組成物は、ユーザへのエアロゾル送達を最大にするために、ユーザの口の近くに位置決めされるように構成され得る、エアロゾル送達デバイスの端部近くに置かれてよい。しかしながら、他の構成が排除される訳ではない。一般に、加熱要素は、加熱要素からの熱がエアロゾル前駆体(ならびに、ユーザへの送達のために同様に提供され得る1つ以上の香味料、薬剤など)を揮発させ、ユーザに送達するためのエアロゾルを形成することができるように、エアロゾル前駆体組成物の十分近くに位置決めされてよい。加熱要素がエアロゾル前駆体組成物を加熱するとき、消費者による吸入に適した物理的形態でエアロゾルが形成される、放出される、または生成される。前述の用語は、放出する、放出している、放出する、または放出される、に関する言及は、形成する、または生成する、形成している、または生成している、形成する、または生成する、および形成される、または生成される、を含むように相互に入れ替え可能であることを意味することに留意されたい。具体的には、吸入可能な物質は、蒸気またはエアロゾルあるいはそれらの混合物の形態で放出され、そのような用語はまた、他に特定されない限り、本明細書では入れ替え可能に使用される。
【0042】
上記で指摘したように、エアロゾル送達デバイスは、少なくとも1つの加熱要素の電力供給、制御システムの電力供給、インディケータの電力供給など、様々な機能性をエアロゾル送達デバイスに提供するのに十分な電流の流れを提供するためにバッテリ、SSBまたは他の電源を組み込んでもよい。電源は様々な実施形態を採ることができる。好ましくは、電源は、加熱要素を急速にアクティブ化してエアロゾルの形成を実現し、所望の期間の使用を通してエアロゾル送達デバイスに電力を供給するのに十分な電力を提供することが可能である。電源は、エアロゾル送達デバイスが容易に取り扱われることができるように、エアロゾル送達デバイスの中に都合よく収まるようにサイズが決められることが好ましい。さらに、好ましい電源は、望ましい喫煙経験を損なわないように十分に軽量である。
【0043】
本開示のエアロゾル送達デバイス内の構成要素のより具体的な形態、構成、および配置は、以下に提供されるさらなる開示に照らして明らかであろう。さらに、様々なエアロゾル送達デバイスの構成要素の選択は、市販の電子エアロゾル送達デバイスを考慮すると理解することができる。さらに、エアロゾル送達デバイス内の構成要素の配置もまた、市販の電子エアロゾル送達デバイスを考慮すると理解することができる。
【0044】
以下に説明されるように、本開示は、エアロゾル送達デバイスに関する。エアロゾル送達デバイスは、エアロゾル前駆体組成物(吸入可能物質媒体と呼ばれることもある)を加熱してエアロゾル(吸入可能物質)を発生するように構成されてよい。エアロゾル前駆体組成物は、固体タバコ材料、半固体タバコ材料、および液体エアロゾル前駆体組成物のうちの1つ以上を含んでよい。いくつかの実施形態において、エアロゾル送達デバイスは、流体エアロゾル前駆体組成物(例えば、液体エアロゾル前駆体組成物)を加熱し、そこからエアロゾルを発生するように構成されてもよい。そのようなエアロゾル送達デバイスは、いわゆる電子タバコを含み得る。
【0045】
代表的な種類の液体エアロゾル前駆体組成物および製剤は、Robinson等に対する米国特許第7,726,320号明細書、Chong等に対する米国特許第9,254,002号明細書、およびZheng等に対する米国特許出願公開第2013/0008457号明細書、Lipowicz等に対する米国特許出願公開第2015/0020823号明細書、およびKollerに対する米国特許出願公開第2015/0020830号明細書、ならびにBowen等に対する国際特許出願公開第2014/182736号パンフレット、およびCollett等に対する米国特許第8,881,737号明細書に説明され、そこで特徴付けられており、これらの開示は、参照により本明細書に組み込まれる。使用され得る他のエアロゾル前駆体には、上記で特定されたいくつかの代表的な製品のいずれかに組み込まれるエアロゾル前駆体が含まれる。また、Johnson Creek Enterprises LLCから入手可能な電子タバコ用のいわゆる「スモークジュース」も望ましいものである。発泡性材料の実施形態が、エアロゾル前駆体と共に使用される場合があり、また例として、Hunt等に対する米国特許出願公開第2012/0055494号明細書に説明されており、この特許は、参照により本発明に組み込まれる。さらに、発泡性材料の使用は、例えばNiazi等に対する米国特許第4,639,368号明細書、Wehling等に対する米国特許第5,178,878号明細書、Wehling等に対する米国特許第5,223,264号明細書、Pather等に対する米国特許第6,974,590号明細書、Bergquist等に対する米国特許第7,381,667号明細書、Crawford等に対する米国特許第8,424,541号明細書、Strickland等に対する米国特許第8,627,828号明細書およびSun等に対する米国特許第9,307,787号明細書、ならびにBrinkley等に対する米国特許出願公開第2010/0018539号明細書、およびJohnson等に対する国際特許出願公開第97/06786号パンフレットに説明されており、これらの特許の全ては参照により本明細書に組み込まれる。
【0046】
エアロゾル前駆体を支持するための代表的な種類の基材、リザーバまたは他の構成要素は、Newtonに対する米国特許第8,528,569号明細書、Chapman等に対する米国特許出願公開第2014/0261487号明細書、Davis等に対する米国特許出願公開第2015/0059780号明細書、およびBless等に対する米国特許出願公開第2015/0216232号明細書に説明されており、これらの特許は全て参照により本明細書に組み込まれる。さらに、様々な吸い上げ(wicking)材料、ならびに特定の種類の電子タバコ内のそのような吸い上げ材料の構成および動作は、Sears等に対する米国特許第8,910,640号明細書に記載されており、この特許は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0047】
他の実施形態では、エアロゾル送達デバイスは、固体エアロゾル前駆体組成物(例えば、押し出し成形されたタバコロッド)または半固体エアロゾル前駆体組成物(例えば、グリセリンにより充填されたタバコペースト)を加熱するように構成された非燃焼加熱式デバイスを備える場合もある。エアロゾル前駆体組成物には、タバコ含有ビーズ、タバコ刻み、タバコ片、再構成タバコ材料、またはそれらの組み合わせ、および/または微粉砕タバコ、タバコ抽出物、噴霧乾燥タバコ抽出物、または任意選択の無機材料(炭酸カルシウムなど)、任意選択の香味料、および実質的に固体または成形可能な(例えば、押し出し成形可能な)基材を形成するエアロゾル形成材料と混合された他のタバコ形態の混合物が含まれてよい。固体および半固体のエアロゾル前駆体組成物および製剤の代表的なタイプは、Thomas等に対する米国特許第8,424,538号明細書、Sebastian等に対する米国特許第8,464,726号明細書、Conner等に対する米国特許出願公開第2015/0083150号明細書、Ademe等に対する米国特許出願公開第2015/0157052号明細書、およびNordskog等に対する米国特許出願公開第2017/0000188号明細書に開示されており、これらの特許は全て参照により本明細書に組み込まれる。固体および半固体エアロゾル前駆体の組成および配置のさらに代表的なタイプは、British American TobaccoによるGLO(TM)製品のNEOSTIKS(TM)消費可能エアロゾル源部材および Philip Morris International,Inc.によるIQOS(TM)製品のHEETS(TM)消費可能エアロゾル源部材に見いだされるものを含む。
【0048】
様々な実施形態において、吸入可能な物質は、具体的には、タバコ成分またはタバコ由来材料(すなわち、タバコから直接単離され得るか、または合成的に調製され得るタバコの中に自然の状態で見いだされる材料)であり得る。例えば、エアロゾル前駆体組成物は、不活性基質と組み合わされたタバコ抽出物またはそのごく一部分を含み得る。エアロゾル前駆体組成物は、未燃焼タバコ、または燃焼温度より低い温度に加熱されると吸入可能な物質を放出する未燃焼タバコを含有する組成物をさらに含み得る。いくつかの実施形態において、エアロゾル前駆体組成物は、タバコ凝縮物またはそのごく一部分(すなわち、タバコの燃焼によって発生され、風味、およびことによるとニコチンを残す煙の凝縮成分)を含み得る。
【0049】
本開示において有用なタバコ材料は変わり得、例えば、黄色種タバコ、バーレー種タバコ、オリエンタルタバコまたはメリーランドタバコ、ダークタバコ、黒煙(dark-fired)タバコおよびルスティカタバコ、ならびに他の希少または特殊タバコ、またはそれらのブレンドを含み得る。タバコ材料はまた、いわゆる「ブレンド」形態および加工された形態を含めることもでき、例えば加工タバコ茎(例えば、カットロールまたはカットパフ茎)、容積拡大(volume expanded)タバコ(好ましくはカットフィラーの形態の、例えばドライアイス拡大タバコ(DIET)などの膨化タバコ)、再構成タバコ(例えば、製紙タイプまたはキャストシートタイプのプロセスを使用して製造された再構成タバコ)などである。様々な代表的なタバコタイプ、加工タバコタイプ、およびタバコブレンドのタイプは、Lawson等に対する米国特許第4,836,224号明細書、Perfetti等に対する米国特許第4,924,888号明細書、Brown等に対する米国特許第5,056,537号明細書、Brinkley等に対する米国特許第5,159,942号明細書、Gentryに対する米国特許第5,220,930号明細書、Blakley等に対する米国特許第5,360,023号明細書、Shafer等に対する米国特許第6,701,936号明細書、Li等に対する米国特許第7,011,096号明細書、Li等に対する米国特許第7,017,585号明細書、Lawson等に対する米国特許第7,025,066号明細書、Perfetti等に対する米国特許出願公開第2004/0255965号明細書、Beremanに対する国際特許出願公開第02/37990号パンフレット、およびBombick等のFund.Appl.Toxicol.、39、p.11-17(1997)に記載されており、これらは参照により本明細書に組み込まれる。本開示によるものを含む、喫煙具において有用であり得るさらなる例示的なタバコ組成物は、Robinson等に対する米国特許第7,726,320号明細書に開示されており、この特許は参照により本明細書に組み込まれる。
【0050】
さらに、エアロゾル前駆体組成物は、不活性基質を含み得、不活性基質は、その中に組み込まれた、または他の方法でその上に堆積された、吸入可能な物質またはその前駆体を有する。例えば、熱を加えると、吸入可能な物質が、正圧または負圧の適用を通して本発明の物品から引き出すことができる形態で放出されるように、吸入可能な物質を含む液体が、不活性基質の上に塗布される、または不活性基質に吸収される、または吸着されてもよい。いくつかの態様では、エアロゾル前駆体組成物は、カットフィラー形態の風味豊かな香りのよりタバコのブレンドを含み得る。別の態様において、エアロゾル前駆体組成物は、Pryor等に対する米国特許第4,807,809号明細書、Pryor等に対する米国特許第4,889,143号明細書、およびRakerに対する米国特許第5,025,814号明細書に説明されているような再構成されたタバコ材料を含む場合もあり、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。適切なエアロゾル前駆体組成に関するさらなる情報については、2018年3月9日に出願されたSur等に対する米国特許出願第15/916,834号明細書を見られたく、この特許は参照により本明細書に組み込まれる。
【0051】
加熱されるエアロゾル前駆体組成物のタイプに関係なく、エアロゾル送達デバイスは、エアロゾル前駆体組成物を加熱するように構成された少なくとも1つの加熱要素を含んでよい。いくつかの実施形態において、加熱要素は誘導加熱器である。そのような加熱器はしばしば誘導送信機と、誘導受信機とを備える。誘導送信機は、交流電流がそこを通るように導かれたときに振動磁場(例えば、時間と共に周期的に変わる磁場)を作り出すように構成されたコイルを含んでもよい。誘導受信機は、誘導送信機内に少なくとも部分的に受け入れられてよく、また導電性材料を含んでもよい。誘導送信機を通して交流電流を導くことにより、誘導を介して渦電流が誘導受信機内に生成され得る。誘導受信機を画定する材料の抵抗を通って流れる渦電流が、ジュール加熱によって(つまり、ジュール効果を通して)誘導受信機を加熱してよい。誘導受信機は、アトマイザを画定してもよく、無線で加熱されて、誘導受信機に近接して位置決めされたエアロゾル前駆体組成物からエアロゾルを形成してよい。誘導加熱器付きエアロゾル送達デバイスの様々な実施形態は、Davis等に対する米国特許出願公開第2017/0127722号明細書、Sur等に対する米国特許出願公開第2017/0202266明細書、2016年11月15日に出願されたSur等に対する米国特許出願第15/352,153号明細書、2017年10月31日に出願されたSebastian等に対する米国特許出願第15/799,365号明細書、およびSurに対する米国特許出願第15/836,086号明細書に説明されており、これらの特許は全て、参照により本明細書に組み込まれる。
【0052】
本明細書でより具体的に説明されるものを含む他の実施形態では、加熱要素は、電気抵抗ヒータの場合のような導電性ヒータである。これらのヒータは、電流がそこを通って導かれると熱を発生するように構成されてよい。様々な実施形態において、導電性ヒータは、箔、発泡体、ディスク、渦巻き線、繊維、ワイヤ、フィルム、糸、ストリップ、リボンまたはシリンダの形態などの様々な形態で提供され得る。そのようなヒータはしばしば金属材料を含み、そこを電流を通過させることと関連する電気抵抗の結果として熱を発生するように構成されている。そのような抵抗性ヒータは、エアロゾル前駆体組成物の近くに位置決めされ、エアロゾル前駆体組成物を加熱してエアロゾルを発生することができる。本開示と共に使用可能であり得る様々な導電性基板は、Griffith等に対する上記で引用された米国特許出願公開第2013/0255702号明細書に説明されている。
【0053】
いくつかの実施形態において、エアロゾル送達デバイスは、いわゆる電子タバコの場合には制御本体と、カートリッジとを含んでよい、または非燃焼加熱式デバイスの場合には制御本体と、エアロゾル源部材とを含んでよい。電子タバコまたは非熱燃加熱式デバイスのいずれかの場合、制御本体は再利用可能であってもよいが、カートリッジ/エアロゾル源部材は、限られた回数の使用のために構成される場合もあり、および/または使い捨て可能に構成される場合もある。カートリッジ/エアロゾル源部材は、エアロゾル前駆体組成物を含んでよい。エアロゾル前駆体組成物を加熱するために、加熱要素は、エアロゾル前駆体組成物と接触して、またはこれに近接して、例えば制御本体およびカートリッジを横断するように位置決めされる、またはエアロゾル源部材が位置決めされ得る制御本体の中に位置決めされてもよい。制御本体は、再充電可能または交換可能であり得る電源を含んでもよく、それにより、制御本体は、多数のカートリッジ/エアロゾル源部材と共に再利用されてよい。
【0054】
制御本体はまた、デバイスを手動で制御するための押しボタン、タッチセンシティブな表面などのエアロゾル送達デバイスをアクティブ化するための手段を含んでよい。追加として、または代替として、制御本体は、ユーザがカートリッジ/エアロゾル源部材を吸い込み、それによりエアロゾル送達デバイスをアクティブ化するときを検出するための流量センサを含んでもよい。
【0055】
様々な実施形態において、本開示によるエアロゾル送達デバイスは、これらに限定されないが、実質的に棒状または実質的に管形状または実質的に円筒形状であると定義され得る全体形状を含め、様々な全体形状を有する場合がある。添付の図に示され、添付の図を参照して説明される実施形態において、エアロゾル送達デバイスは、実質的に円形断面を有する;しかしながら、他の断面形状(例えば、楕円形、正方形、三角形など)も本開示によって包含される。物品の物理的形状を説明するそのような文言は、制御本体およびカートリッジ/エアロゾル源部材を含めた、その個々の構成要素にも適用されてよい。他の実施形態では、制御本体は、小さな箱形状など、別の手持ち式の形状を採る場合もある。
【0056】
より具体的な実施形態では、制御本体およびカートリッジ/エアロゾル源部材の一方または両方は、使い捨て可能である、または再利用可能であると呼ばれてもよい。例えば、制御本体は、交換式バッテリまたは再充電可能なバッテリ、SSB、薄膜SSB、再充電可能なスーパーキャパシタなどのような電源を有し得る。電源の一例は、ドイツのTadiran Batteries GmbHによって製造されたTKI-1550再充電可能なリチウムイオン電池である。別の実施形態では、有用な電源は、日本の三洋電機株式会社によって製造されたN50-AAA CADNICAニッケルカドミウム電池であり得る。他の実施形態では、例えば各々1.2ボルトを提供する複数のそのようなバッテリが直列に接続されてもよい。次に、いくつかの例では、電源は、壁の充電器への接続、自動車充電器(すなわち、タバコライターレセプタクル)への接続、およびユニバーサルシリアルバス(USB)ケーブルまたはコネクタ(USB 2.0、3.0、3.1、USB Type-C)を通してなどのコンピュータへの接続、太陽電池(ソーラーセルと呼ばれることもある)またはソーラーセルのソーラーパネルへの接続、あるいは無線周波数(RF)ベース、誘導性などのものなどワイヤレス充電器への接続を含めた、任意のタイプの再充電技術と組み合わされてもよい。さらに、電子タバコの場合のいくつかの実施形態では、カートリッジは、Chang等に対する米国特許第8,910,639号明細書に開示されるように1回使用のカートリッジを含む場合もあり、この特許は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0057】
電源の例は、Peckerar等に対する米国特許第9,484,155号明細書および2015年10月21日に出願された、Sur等に対する米国特許出願公開第2017/0112191号明細書に説明されており、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。流量センサに関して、代表的な電流調整構成要素、およびエアロゾル送達デバイス用の様々なマイクロコントローラ、センサ、およびスイッチを含む他の電流制御構成要素は、Gerth等に対する米国特許第4,735,217号明細書、Brooks等に対する米国特許第4,922,901号明細書、第4,947,874号明細書および第4,947,875号明細書、McCafferty等に対する米国特許第5,372,148号明細書、Fleischhauer等に対する米国特許第6,040,560号明細書、Nguyen等に対する米国特許第7,040,314号明細書、Panに対する米国特許第8,205,622号明細書、Collet等に対する米国特許出願公開第8,881,737号明細書、Ampolini等に対する米国特許第9,423,152号明細書、Fernando等に対する米国特許第9,439,454号明細書およびHenry等に対する米国特許出願第2015/0257445号明細書に説明されており、これらの特許の全ては、参照により本明細書に組み込まれる。
【0058】
上記で示されたように、エアロゾル送達デバイスは、少なくとも1つの制御構成要素を含み得る。適切な制御構成要素は、いくつかの電子コンポーネントを含んでよく、いくつかの例では、プリント回路板(PCB)から形成され得る。いくつかの例では、電子コンポーネントは、1つ以上の例示的な実施形態による、データ処理、アプリケーション実行、または他の処理、制御、または管理サービスを行うように構成された処理回路を含む。処理回路は、少なくとも1つのプロセッサコア、マイクロプロセッサ、コプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または例えばASIC(特定用途向け集積回路)、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)、それらのいくつかの組み合わせなどの1つ以上の集積回路を含む様々な他のコンピューティングデバイスまたは処理デバイスなどの様々な形態で具現化されたプロセッサを含んでもよい。いくつかの例では、処理回路は、プロセッサに結合または統合されたメモリを含むことができ、メモリは、データ、プロセッサによって実行可能なコンピュータプログラム命令、それらのいくつかの組み合わせなどを記憶することができる。
【0059】
いくつかの例では、制御構成要素は、処理回路に結合または統合され得る1つ以上の入力/出力周辺機器を含み得る。より詳細には、制御構成要素は、1つ以上のネットワーク、コンピューティングデバイス、または他の適切に有効化されたデバイスとの無線通信を可能にするための通信インターフェースを含み得る。適切な通信インターフェースの例は、Marion等に対する米国特許出願公開第2016/0261020号明細書に開示されており、その内容は、参照により本明細書に組み込まれる。適切な通信インターフェースの別の例は、Texas Instruments製のCC3200シングルチップワイヤレスマイクロコントローラユニット(MCU)である。エアロゾル送達デバイスが無線で通信するように構成され得る適切な方法の例は、Ampolini等に対する米国特許出願公開第2016/0007651号明細書およびHenry,Jr等に対する米国特許出願公開第2016/0219933号明細書に開示されており、これらの特許の各々は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0060】
さらに別の構成要素が本開示のエアロゾル送達デバイスに利用されることもできる。適切な構成要素の一例は、エアロゾル送達デバイスを使用して照明され得る発光ダイオード(LED)、量子ドットベースのLEDなどのようなインディケータである。適切なLEDコンポーネントの例、ならびにその構成および使用法は、Sprinkel等に対する米国特許第5,154,192号明細書、Newtonに対する米国特許第8,499,766号明細書、Scatterdayに対する米国特許第8,539,959号明細書およびSears等に対する米国特許第9,451,791号明細書に説明されており、これらの特許は全て参照により本明細書に組み込まれる。
【0061】
動作の他のインデックスも本開示によって包含される。例えば、動作の視覚的インディケータには、喫煙体験の進行を示すための光の色の変化または光の強度の変化も含まれる。動作の触覚(ハプティック)インディケータおよび動作の音(音声)インディケータも同様に本開示によって包含される。さらに、そのような動作のインディケータの組み合わせも、単一の喫煙物品で使用するのに適している。別の態様によれば、エアロゾル送達デバイスは、例えば電源の残りの電力量、喫煙体験の進行、熱源をアクティブ化することに対応する表示など、喫煙物品の動作に対応する情報を提供するように構成された、例えばディスプレイなど、1つ以上のインディケータまたはしるし(indicium)を含んでもよい。
【0062】
さらに他の構成要素もまた企図される。例えば、Sprinkel等に対する米国特許第5,154,192号明細書は喫煙物品のインディケータを開示しており;Sprinkel、Jr.に対する米国特許第5,261,424号明細書は、吸い込みをすることと関連するユーザの唇の動作を検出し、次いで加熱デバイスの加熱をトリガするためにデバイスのマウスエンドと関連し得る圧電センサを開示しており;McCafferty等に対する米国特許第5,372,148号明細書は、マウスピースを通る圧力降下に応答して加熱負荷アレイへのエネルギーの流れを制御するための吹かしセンサを開示しており;Harris等に対する米国特許第5,967,148号明細書は、挿入された構成要素の赤外線透過率の不均一性を検出する識別子と、構成要素がレセプタクルに挿入されたときに検出ルーチンを実行するコントローラとを含む喫煙デバイス内のレセプタクルを開示しており;Fleischhauer等に対する米国特許第6,040,560号明細書は、多数の差動フェーズを備えた規定された実行可能な電力サイクルを説明しており;Watkins等に対する米国特許第5,934,289号明細書は、フォトニックオプトロニック部品を開示しており;Counts等に対する米国特許第5,954,979号明細書は、喫煙デバイス全体を通しての吸い込み抵抗を変えるための手段を開示しており;Blake等に対する米国特許第6,803,545号明細書は、喫煙デバイスで使用するための特定のバッテリ構成を開示しており;Griffen等に対する米国特許第7,293,565号明細書は、喫煙デバイスと共に使用するための様々な充電システムを開示しており;Fernando等に対する米国特許第8,402,976号明細書は、充電を容易にし、デバイスのコンピュータ制御を可能にするための喫煙デバイス用のコンピュータインターフェース手段を開示しており;Fernando等に対する米国特許第8,689,804号明細書は、喫煙デバイス用の識別システムを開示しており;Flickによる国際特許出願公開第2010/003480号パンフレットは、エアロゾル生成システム内の吹かしを示す流体流れ感知システムを開示しており;前述の開示の全ては、参照により本明細書に組み込まれる。
【0063】
電子エアロゾル送達物品に関連し、本明細書で使用され得る材料または構成要素を開示するさらなる構成要素の例は、Gerth等に対する米国特許第4,735,217号明細書、Morgan等に対する米国特許第5,249,586号明細書、Higgins等に対する米国特許第5,666,977号明細書、Adams等に対する米国特許第6,053,176号明細書、Whiteに対する米国特許第6,164,287号明細書、Vogesに対する米国特許第6,196,218号明細書、Felter等に対する米国特許第6,810,883号明細書、Nicholsに対する米国特許第6,854,461号明細書、Honに対する米国特許第7,832,410号明細書、Kobayashiに対する米国特許第7,513,253号明細書、Hamanoに対する米国特許第7,896,006号明細書、Shayanに対する米国特許第6,772,756号明細書、Honに対する米国特許第8,156,944号明細書および同第8,375,957号明細書、Thorens等に対する米国特許第8,794,231号明細書、Oglesby等に対する米国特許第8,851,083号明細書、Monsees等に対する米国特許第8,915,254号明細書および同第8,925,555号明細書、DePiano等に対する米国特許第9,220,302号明細書、Honに対する米国特許出願公開第2006/0196518号明細書および同第2009/0188490号明細書、Oglesby等に対する米国特許出願公開第2010/0024834号明細書、Wangに対する米国特許出願公開第2010/0307518号明細書、Honに対する国際特許出願公開第2010/091593号パンフレット、Fooに対する国際特許出願公開第2013/089551号パンフレットを含み、これらの特許のそれぞれは、参照により本明細書に組み込まれる。さらに、Worm等に対する米国特許出願公開第2017/0099877号明細書は、エアロゾル送達デバイスに含まれ得るカプセル、およびエアロゾル送達デバイスのフォブ形状構成を開示しており、この特許は参照により本明細書に組み込まれる。前述の文献によって開示されている様々な材料が多様な実施形態において本デバイスに組み込まれることができ、前述の開示の全ては参照により本明細書に組み込まれる。
【0064】
本開示のエアロゾル送達デバイスに組み込むことができるさらなる他の特徴、制御デバイスまたは構成要素は、Harris等に対する米国特許第5,967,148号明細書、Watkins等に対する米国特許第5,934,289号明細書、Counts等に対する米国特許第5,954,979号明細書、Fleischhauer等に対する米国特許第6,040,560号明細書、Honに対する米国特許第8,365,742号明細書、Fernando等に対する米国特許第8,402,976号明細書、Kataseに対する米国特許出願公開第2005/0016550号明細書、Fernando等に対する米国特許第8,689,804号明細書、Tucker等に対する米国特許出願公開第2013/0192623号明細書、Leven等に対する米国特許第9,427,022号明細書、Kim等に対する米国特許出願公開第2013/0180553号明細書、Sebastian等に対する米国特許出願公開第2014/0000638号明細書、Novak等に対する米国特許出願公開第2014/0261495号明細書、およびDePiano等に対する米国特許第9,220,302号明細書に説明されており、これらの特許の全ては参照により本明細書に組み込まれる。
【0065】
図1、
図2、
図3および
図4は、非燃焼加熱式デバイスの場合の制御本体と、エアロゾル源部材とを含むエアゾロゾル送達デバイスの実施形態を示す。電子タバコの場合の制御本体およびカートリッジを含むエアロゾル送達デバイスの実施形態に関するさらなる詳細については、上記で引用したSur等に対する米国特許出願第15/916,834号明細書ならびに2018年3月9日に出願されたSurに対する米国特許出願第15/916,696号明細書も見られたく、これらの特許もまた参照により本明細書に組み込まれる。
【0066】
より具体的には、
図1は、本開示の例示的な実施形態によるエアロゾル送達デバイス100を示す。エアロゾル送達デバイスは、制御本体102と、エアロゾル源部材104とを含んでよい。様々な実施形態において、エアロゾル源部材と、制御本体は、機能的関係で、恒久的にまたは取り外し可能に整列させることができる。これに関して、
図1は、結合された構成のエアロゾル送達デバイスを示し、一方、
図2は、切り離された構成のエアロゾル送達デバイスを示す。様々な機構がエアロゾル源部材を制御本体に接続することで、ねじ係合、圧入係合、締まり嵌め、滑り嵌め、磁気係合などをもたらすことになり得る。
【0067】
図2に示されるように、本開示の様々な実施形態において、エアロゾル源部材104は、制御本体102に挿入されるように構成された加熱端206と、エアロゾルを作り出すためにユーザが吸い込むマウスエンド208とを備えてよい。様々な実施形態において、加熱端の少なくとも一部は、エアロゾル前駆体組成物210を含み得る。
【0068】
様々な実施形態において、エアロゾル源部材104またはその一部は、オーバーラップ材料212で包まれてもよく、このオーバーラップ材料は、エアロゾル源部材に追加の構造体および/または支持体を提供するのに有用な任意の材料で形成されてよい。様々な実施形態において、オーバーラップ材料は、熱の伝達に抵抗する材料を含むことができ、紙、またはセルロース材料などの他の繊維材料を含み得る。オーバーラップ材料はまた、繊維状材料内に埋め込まれた、またはその中に分散された少なくとも1つのフィラー材料を含み得る。様々な実施形態において、フィラー材料は、非水溶性粒子の形態を有する場合がある。さらに、フィラー材料は無機成分を組み込むことができる。様々な実施形態において、オーバーラップは、下にあるバルク層などの多数の層と、タバコにおける典型的な包装紙などの上にある層とで形成されてもよい。このような材料には、例えば、亜麻、麻、サイザル麻、稲わら、および/またはエスパルトなどの軽量の「くず繊維(rag fiber)」が含まれてよい。オーバーラップはまた、酢酸セルロースのような、従来のタバコのフィルタ要素で典型的に使用される材料を含んでもよい。さらに、エアロゾル源部材のマウスエンド208におけるオーバーラップの過剰な長さは、エアロゾル前駆体組成物210を消費者の口から単に分離するように機能する場合、または以下に説明されるようにフィルタ材料を位置決めするためのスペースを提供するように機能する場合、あるいは物品の吸い込みに影響を与えるため、または吸い込み中、デバイスから出て行く蒸気またはエアロゾルの流動特性に影響を与えるために機能する場合もある。本開示で使用されることができるオーバーラップ材料の構成に関するさらなる議論は、Worm等に対する上記で引用した米国特許第9,078,473号明細書に見いだすことができる。
【0069】
様々な実施形態において、エアロゾル前駆体組成物210とエアロゾル源部材104のマウスエンド208との間に他の構成要素が存在してもよく、この場合、マウスエンドはフィルタ214を含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態において、エアロゾル前駆体組成物とマウスエンドとの間に:空隙;冷却空気用の相変化材料;香味放出媒体;選択的化学吸着が可能なイオン交換繊維;フィルタ媒体としてのエアロゲル粒子;および他の適切な材料のうちの1つまたはその任意の組み合わせが位置決めされてもよい。
【0070】
本開示の様々な実施形態は、エアロゾル前駆体組成物210を加熱するのに導電性ヒータを使用する。導電性ヒータは、エアロゾル源部材、特にエアロゾル源部材104のエアロゾル前駆体組成物と直接接触するか、またはそれに近接する電気抵抗ヒータを備えてよい。電気抵抗ヒータは、制御本体および/またはエアロゾル源部材の中に置かれてよい。いくつかの例では、エアロゾル前駆体組成物は、ヒータとして働くか、またはヒータの機能を促進することができる、エアロゾル前駆体組成物と接触する構造体、あるいはエアロゾル前駆体組成物に埋め込まれた、またはそうでなければその一部である複数のビーズまたは粒子を含む場合もある。
【0071】
図3は、本開示の例示的な実施形態によるエアロゾル送達デバイス100の正面図を示しており、
図4は、
図3のエアロゾル送達デバイスを通る断面図を示している。詳細には、図示の実施形態の制御本体102は、その係合端部に画定された開口部318を含むハウジング316、流量センサ320(例えば、吹かしセンサまたは圧力スイッチ)、制御構成要素322(例えば、処理回路など)、電源324(例えば、再充電可能なバッテリ、SSBおよび/または再充電可能なスーパーキャパシタであり得るバッテリ)、およびインディケータ326(例えば、LED)を含むエンドキャップを備えてよい。
【0072】
一実施形態では、インディケータ326は、1つ以上のLED、量子ドットベースのLEDなどを含むことができる。インディケータは、制御構成要素322と通信しており、例えば、制御本体102に結合されたとき、ユーザがエアロゾル源部材104を吸い込むとき、流量センサ320によって検出されると、照明されてよい。
【0073】
図示の実施形態の制御本体102は、エアロゾル源部材104のエアロゾル前駆体組成物210を加熱するように構成された1つ以上の加熱アセンブリ328(個別にまたは集合的に加熱アセンブリと呼ばれる)を含む。本開示の様々な実施形態の加熱アセンブリは、様々な形態を採ることができる。
図3および
図4に図示される特定の実施形態では、加熱アセンブリは、外筒330と、物理的に分離され互いから離間している複数の導電性プロング(ヒータプロング)などの複数の加熱要素334を含むセグメント化されたヒータ332とを備える。いくつかの例では、複数の導電性プロングの各プロングは、セグメント化されたヒータの複数の加熱要素のうちの1つの加熱要素である。別の例では、複数の加熱要素は、エアロゾル源部材のそれぞれの外面領域に隣接して位置決めされ得る物理的に絶縁された抵抗性加熱要素であり得るか、またはそれらを含む場合もある。さらに別の例では、複数の加熱要素は、エアロゾル源部材のそれぞれの区域内で局所的な/局所化された渦電流を発生することが可能な物理的に絶縁されたコイルであり得るか、またはそれらを含む場合もある。
【0074】
複数の加熱要素334が複数のヒータプロングである例では、これらのヒータプロングは、外筒330の内面に沿って半径方向内側に延在し、それによりエアロゾル前駆体組成物210に沿って縦方向に延在することができる。図示の実施形態において、外筒は、加熱要素(例えば、ヒータプロング)によって生成される熱を外筒の中で維持するように、より具体的には、加熱要素によって生成される熱をエアロゾル前駆体組成物の中で維持するようにステンレス鋼で構築された二重壁の真空管を備える。様々な実施形態において、加熱要素は、限定されないが、銅、アルミニウム、白金、金、銀、鉄、鋼、真ちゅう、青銅、グラファイト、またはそれらの任意の組み合わせを含む、1つ以上の導電性材料から構築され得る。
【0075】
図示されるように、加熱アセンブリ328は、ハウジング316の係合端の近くに延在してよく、エアロゾル前駆体組成物210を含むエアロゾル源部材104の加熱端206の一部を実質的に取り囲むように構成されてよい。そのような方法では、加熱アセンブリは、概ね管状の構成を画定してよい。
図3および
図4に図示されるように、セグメント化されたヒータ332(例えば、複数の加熱要素334)は、外筒330によって囲まれて受け入れチャンバ336を作り出す。そのような方法では、様々な実施形態において、外筒は、限定されないが、絶縁ポリマー(例えば、プラスチックまたはセルロース)、ガラス、ゴム、セラミック、磁器、二重壁の真空構造、またはそれらの任意の組み合わせを含めた非導電性絶縁材料および/または非導電性絶縁構造を含み得る。
【0076】
いくつかの実施形態において、加熱アセンブリ328の1つ以上の部分または1つ以上の構成要素は、エアロゾル前駆体組成物210と組み合わされる、一緒にパッケージ化される、および/または一体化されてもよい(例えば、埋め込まれる)。例えば、いくつかの実施形態において、エアロゾル前駆体組成物は、上で説明されたような材料から形成されてよく、混合された1つ以上の導電性材料を中に含む場合もある。これらの実施形態のいくつかでは、エアロゾル源部材が制御本体102の受け入れチャンバ336に挿入されるとき、接点が電気エネルギー源との電気接続を作るように、接点がエアロゾル前駆体組成物に直接接続されてよい。あるいは、接点は、電気エネルギー源と一体化されていてもよく、エアロゾル源部材104が制御本体の受け入れチャンバに挿入されるとき、接点がエアロゾル前駆体組成物との電気接続を形成するように受け入れチャンバ内に延在する場合もある。エアロゾル前駆体組成物中に導電性材料が存在するため、電気エネルギー源からエアロゾル前駆体組成物に電力を印加することは電流が流れることを可能にし、よって導電性材料から熱を発生する。したがって、いくつかの実施形態において、セグメント化されたヒータ332は、エアロゾル前駆体組成物と一体化されていると説明されてもよい。非限定的な例として、グラファイトまたは他の適切な導電性材料が、エアロゾル前駆体組成物を形成する材料と混合される、中に埋め込まれる、あるいはそうでなければエアロゾル前駆体組成物を形成している材料の上に直接存在する、またはその中に存在することで、媒体と一体化されたセグメント化されたヒータを作製する場合もある。
【0077】
上記で指摘したように、例示される実施形態において、外筒330はまた、エアロゾル源部材がハウジング316に挿入されるとき、エアロゾル源部材104の適切な位置決めを容易にするように機能する場合もある。様々な実施形態において、加熱アセンブリ328の外筒は、ハウジングの内面と係合して、ハウジングに対する加熱アセンブリの位置合わせを提供する場合もある。それにより、加熱アセンブリ間の固定式の結合の結果として、加熱アセンブリの長手方向軸は、ハウジングの長手方向軸に実質的に平行に延在してよい。特に、外筒は、ハウジングの開口部318から受け入れベース338まで延在して、受け入れチャンバ336を作り出してよい。
【0078】
エアロゾル源部材104の加熱端206は、制御本体102に挿入するためにサイズが決められ、成形されている。様々な実施形態において、制御本体の受け入れチャンバ336は、内面および外面を有する壁によって画定されるものとして特徴付けられてよく、内面は、受け入れチャンバの内部容積を画定している。例えば、図示の実施形態では、外筒330は、受け入れチャンバの内部容積を規定する内面を画定する。図示の実施形態では、外筒の内径は、(例えば、滑り嵌めを作り出すために)対応するエアロゾル源部材の外径よりもわずかに大きいか、またはほぼ等しくてよく、その結果、外筒は、エアロゾル源部材を制御本体に対して適切な位置(例えば、横方向の位置)に案内するように構成されている。したがって、エアロゾル源部材の最大外径(またはこの実施形態の特有の断面形状に応じた他の寸法)は、制御本体の受け入れチャンバの開放端の壁の内面での内径(または他の寸法)より小さくなるようなサイズに決められてよい。いくつかの実施形態において、エアロゾル源部材が受け入れチャンバにぴったりと嵌まり、摩擦力が、力を加えることなくエアロゾル源部材が動くのを阻止するように、それぞれの直径の差は十分に小さくてよい。一方で、そのような差は、エアロゾル源部材が、過度の力を必要とせずに受け入れチャンバに滑り入ることを可能にするのに十分なものであってよい。
【0079】
例示される実施形態では、制御本体102は、エアロゾル源部材104が制御本体に挿入されると、セグメント化されたヒータ332(例えば、加熱要素334)が、エアロゾル源部材の加熱端206のエアロゾル前駆体組成物210の少なくとも一部のおおよその半径方向の中心まで内側に延在するように構成されている。そのような方法では、固体または半固体のエアロゾル前駆体組成物と組み合わせて使用されるとき、加熱要素は、エアロゾル前駆体組成物と直接接触し得る。
【0080】
使用中、消費者は、加熱アセンブリ328、特にエアロゾル前駆体組成物210(またはその特定の層)に隣接するセグメント化されたヒータ332の加熱を開始する。吸入可能物質を生成するために、エアロゾル前駆体組成物の加熱が、エアロゾル源部材104内の吸入可能物質を放出する。消費者がエアロゾル源部材のマウスエンド208で吸入すると、空気が、制御本体102の開口部または穴などの空気取り入れ口340を通してエアロゾル源部材の中に引き込まれる。引き寄せられた物質がエアロゾル源部材のマウスエンドを出るときに、引き込まれた空気と放出された吸入可能な物質とを組み合わせたものが消費者によって吸入される。いくつかの実施形態において、加熱を開始するために、消費者は、加熱アセンブリのセグメント化されたヒータがバッテリまたは他のエネルギー源から電気エネルギーを受け取るようにする押しボタンまたは同様の構成要素を手動で作動させることができる。電気エネルギーは、事前定義された時間の間供給されてよい、または手動で制御されてもよい。
【0081】
いくつかの実施形態において、電気エネルギーの流れは、デバイス100での吹かしの合間には実質的に進行しない(ただし、エネルギーの流れは、周囲温度よりも高いベースライン温度-例えばアクティブな加熱温度への急速加熱を容易にする温度を維持するために進行する場合がある)。しかしながら、図示された実施形態では、加熱は、流量センサ320などの1つ以上のセンサの使用を通して消費者の吹かしアクションによって開始される。吹かしが中止されると、加熱が停止する、または低下される。消費者が十分な量(例えば、典型的な喫煙体験と同等となるのに十分な量)の吸入可能物質を放出させるために、十分な回数の吹かしを行ったとき、エアロゾル源部材104は、制御本体102から取り外され、廃棄されてよい。いくつかの実施形態において、容量性感知要素および他のセンサなどのさらなる感知要素が、Phillips等に対する米国特許出願第15/707,461号明細書に考察されるように使用されてもよく、この特許は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0082】
様々な実施形態において、エアロゾル源部材104は、管状形状などの適切なコンフォメーションを形成および維持するのに適しており、エアロゾル前駆体組成物210をその中に保持するのに適した任意の材料で形成されてよい。いくつかの実施形態において、エアロゾル源部材は、単一の壁、または他の実施形態では、多数の壁で形成されてもよく、その構造的完全性を保持するように、例えば、本明細書でさらに論じられるように、少なくとも電気加熱要素によって提供される加熱温度である温度では劣化しない耐熱性である(天然または合成の)材料で形成されてよい。いくつかの実施形態において、耐熱性ポリマーを使用され得るが、他の実施形態では、エアロゾル源部材は、実質的にストロー形状の紙などの紙から形成される場合もある。本明細書でさらに論じられるように、エアロゾル源部材は、その中を通る蒸気の移動を実質的に阻止するように機能する、それと関連する1つ以上の層を有し得る。1つの例示的な実施形態において、アルミニウム箔層が、エアロゾル源部材の1つの表面に積層されてもよい。セラミック材料が使用されてもよい。さらなる実施形態では、エアロゾル前駆体組成物から不必要に熱を遠ざけないようにするために絶縁材料が使用される場合もある。上記の機能を提供するために使用され得る、または上で説明された材料および構成要素の代替として使用され得る構成要素および材料のさらなる例示のタイプは、Crooks等に対する米国特許出願公開第2010/00186757号明細書、Crooks等に対する2010/00186757号明細書、Sebastian等に対する2011/0041861号に記載されるタイプのものであってよく、これらの特許は参照により本明細書に組み込まれる。
【0083】
図示の実施形態では、制御本体102は、セグメント化されたヒータ332に電力を提供することを含めた、エアロゾル送達デバイス100の様々な機能を制御する制御構成要素322を含む。例えば、制御構成要素は、導電性ワイヤ(図示せず)によって電源324に接続される処理回路(これは、本明細書でさらに説明されるように、さらなる構成要素に接続されてもよい)を含み得る。様々な実施形態において、処理回路は、加熱アセンブリ328、特に加熱要素334が、消費者による吸入のために吸入可能な物質を放出するために、電気エネルギーをいつどのように受け取って、エアロゾル前駆体組成物210を加熱するかを制御し得る。いくつかの実施形態において、そのような制御は、上記でより詳細に説明されているように、流量センサ320によってアクティブ化されてもよい。
【0084】
図3および
図4に見られるように、図示の実施形態の加熱アセンブリ328は、外筒330と、外筒330に沿って延在するセグメント化されたヒータ332(例えば、複数の加熱要素334)とを備える。エアロゾル前駆体組成物210が固体または半固体を有する図示の実施形態などのいくつかの実施形態において、複数の加熱要素は、エアロゾル源部材が制御本体102に挿入されるとき、エアロゾル源部材104の加熱端206に収容されるエアロゾル前駆体組成物に貫入するように構成されている。そのような実施形態において、加熱要素を含めた、加熱アセンブリの1つ以上の構成要素は、非粘着性または耐粘着性材料、例えば、特定のアルミニウム、銅、ステンレス鋼、炭素鋼、およびセラミック材料で構築されてよい。他の実施形態では、加熱要素を含めた、加熱アセンブリの構成要素の1つ以上は、例えば、テフロン(R)などのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)コーティングを含む非粘着性コーティング、または耐粘着性のエナメルコーティング、またはGreblon(R)またはThermolon(TM)などのセラミックコーティング、あるいはGreblon(R)、またはThermolon(TM)などのセラミックコーティングなどの他のコーティングを含んでもよい。
【0085】
加えて、図示の実施形態では、外筒330に沿って実質的に均等に分散された多数の加熱要素334が存在するが、他の実施形態では、任意の他の好適な空間構成で、わずか2つを含む、任意の数のヒータプロングが使用される場合もあることに留意されたい。さらに、様々な実施形態において、加熱要素の長さは変わり得る。例えば、いくつかの実施形態において、加熱要素は、小さな突起を備えてよいが、他の実施形態では、加熱要素は、最大約25%、最大約50%、最大約75%、および外筒のほぼ全径までを含め、外筒の直径の任意の部分に延在する場合もある。さらに他の実施形態では、加熱アセンブリ328は他の構成を採る場合もある。上記に提供された議論に従って本開示での使用に適合させることができる他のヒータ構成の例は、Counts等に対する米国特許第5,060,671号明細書、Deevi等に対する米国特許第5,093,894号明細書、Deevi等に対する米国特許第5,224,498号明細書、Sprinkel Jr.等に対する米国特許第5,228,460号明細書、Deevi等に対する米国特許第5,322,075号明細書、Deevi等に対する米国特許第5,353,813号明細書、Deevi等に対する米国特許第5,468,936号明細書、Dasに対する米国特許第5,498,850号明細書、Dasに対する米国特許第5,659,656号明細書、Deevi等に対する米国特許第5,498,855号明細書、Hajaligolに対する米国特許第5,530,225号明細書、Hajaligolに対する米国特許第5,665,262号明細書、Das等に対する米国特許第5,573,692号明細書;およびFleischhauer等に対する米国特許第5,591,368号明細書に見いだされ得、これらの特許は参照により本明細書に組み込まれる。本開示での使用に適合させることができる別のヒータ構成のさらに別の例は、Reevelに対する国際特許出願公開第2017/153467号パンフレットに見いだされ得、この特許は参照により本明細書に組み込まれる。
【0086】
様々な実施形態において、制御本体102は、周囲空気が受け入れチャンバ336の内部に入るのを可能にするために、その中に空気取り入れ口340(例えば、1つ以上の開口部または穴)を含み得る。そのような方法では、いくつかの実施形態において、受け入れベース338が空気取り入れ口を含む場合もある。したがって、いくつかの実施形態において、消費者がエアロゾル源部材104のマウスエンドを吸うとき、制御本体および受け入れベースの空気取り入れ口を通して空気が受け入れチャンバ内に引き込まれ、エアロゾル源部材の中へと進み、消費者による吸入のためにエアロゾル源部材のエアロゾル前駆体組成物210の中を通して引き込まれることができる。いくつかの実施形態において、引き込まれた空気は、吸入可能な物質をオプションのフィルタ214を通して運び、エアロゾル源部材のマウスエンド208の開口部から外に出す。セグメント化されたヒータ332がエアロゾル前駆体組成物の内部に位置決めされた状態で、加熱要素334がアクティブ化されてエアロゾル前駆体組成物を加熱し、エアロゾル源部材を通して吸入可能な物質の放出を引き起こすことができる。
【0087】
エアロゾル送達デバイス、制御本体、およびエアロゾル源部材の他の実施形態は、上記で引用されたSur等に対する米国特許出願第15/916,834号明細書およびSurに対する米国特許出願第15/916,696号明細書に説明されている。
【0088】
上で説明されたように、例示的な実施形態のエアロゾル送達デバイスは、電子タバコまたは非燃焼加熱式デバイスのいずれかのコンテキストで、あるいは両方の機能を含むデバイスの場合でも、回路を含み得る。
図5、
図6および
図7は、本開示の様々な例示的な実施形態によるエアロゾル送達デバイスの回路図である。より具体的には、
図5、
図6、および
図7は、本開示のいくつかの例示的な実施形態による、非燃焼加熱式デバイスのコンテキストで上記に示され、説明されたエアロゾル送達デバイス100の回路図である。回路図は、電子タバコのコンテキストにおけるエアロゾル送達デバイスに等しく適用可能であることを理解されたい。回路図に示されている回路は、本明細書の他の場所で説明されているような追加の構成要素を含めた、様々な例示的な実施形態における追加のまたは代替の構成要素を含み得ることも理解されたい。
【0089】
図5に示されるように、エアロゾル送達デバイス100は、エアロゾル前駆体組成物210の成分を加熱し、それにより気化させるために別々に電力を供給することが可能な(powerable)複数の加熱要素334を含むセグメント化されたヒータ332を含む。エアロゾル送達デバイスはまた、セグメント化されたヒータの複数の加熱要素に結合され、セグメント化されたヒータの複数の加熱要素に別々に制御可能に電力を供給するように構成された制御構成要素322も含む。また示されるように、制御構成要素は、セグメント化されたヒータに結合され、データ入力504と、各出力がセグメント化されたヒータの複数の加熱要素のうちのそれぞれの1つに結合される複数の出力506とを含む論理回路502を含む。
【0090】
制御構成要素322はまた、それぞれ第1の値と第2の値を表す高電圧レベルと低電圧レベルとの間で切り替わる波形として論理信号510を発生するように構成されたプロセッサ508を含む。いくつかの例では、第1の値および第2の値は、それぞれバイナリ1およびバイナリ0などのバイナリ値である。他の例では、値は、8を底とする(8進値)、10を底とする(10進値)、16を底とする(16進値)など、2を底とする以外の基数を有する記数法の値、あるいは2進化10進数(BCD)などの数字の他のコード化であってもよい。プロセッサは、論理回路502のデータ入力504に結合され、少なくとも第1の値を含む論理信号を論理回路502のデータ入力504に提供し、論理回路に第1の値を提供させ、それにより論理回路の複数の出力506のうちの1つ以上の出力で高電圧レベルを提供させるように構成されている。プロセッサはそれにより、エアロゾル前駆体組成物210の成分を加熱し、それにより気化させるために、セグメント化されたヒータ332の複数の加熱要素334のうちのそれぞれ1つ以上の加熱要素に電力を供給するように構成されており、複数の加熱要素のうちの他の加熱要素は同時に電力が供給されていない。
【0091】
いくつかの例では、エアロゾル送達デバイス100は、複数の出力506に結合され、セグメント化されたヒータ332の複数の加熱要素334の加熱要素への電圧または電流を測定するように構成された感知抵抗器などのセンサ512(または1つ以上のセンサ)をさらに含む。このセンサは、電圧または電流のサージによって引き起こされるエアロゾル送達デバイスへの損傷を防ぐためのプロセッサ508の安全機能を可能にすることができ、またデバイスのさらなる開発またはデバッグも可能にし得る。
【0092】
図6は、論理回路502が、データ入力504および複数の出力506を含み、1つ以上の選択入力604をさらに含むデマルチプレクサ602である例を示している。この例では、プロセッサ508は、選択入力(複数可)にさらに結合され、選択入力(複数可)を介してデマルチプレクサの出力(複数可)を選択し、それによりデマルチプレクサに第1の値を提供させ、それにより出力(複数可)で高電圧レベルを提供させるように構成されている。いくつかのさらなる例では、プロセッサは、出力(複数可)の1つのみを選択し、それによりデマルチプレクサに第1の値を提供させ、それにより出力(複数可)のうちの1つのみで高電圧レベルを提供させるように構成されている。いくつかの例では、第1の値および第2の値はそれぞれバイナリ値であり、複数の加熱要素334は、シーケンスn=1、2、3、…Nで配置されたN個の加熱要素である。出力(複数可)を選択するために、次に、プロセッサは、シーケンスn=1、2、3、…Nのバイナリ数2
nを選択入力(複数可)に提供し、それにより複数の出力のうちの個々の1つをシーケンスで、各々規定された時間間隔で選択するように構成されている。
【0093】
図7は、論理回路502が、データ入力504および複数の出力506を含み、さらにラッチ入力704も含む、ラッチされた直列入力並列出力(SIPO)シフトレジスタ702である例を示す。この例では、論理信号510は、それぞれが第1の値または第2の値を有するデジットを表す。論理信号を提供するために、このときプロセッサ508は、データ入力にシリアルにデジットを提供するように構成されてよい。ラッチされたSIPOシフトレジスタは応答性であって、ひいては、第1の値を有するデジットの1つ以上を含め、複数の出力で並列に同時にデジットを提供するようにさせられ、それにより高電圧レベルが出力(複数可)で提供される。いくつかのさらなる例では、ラッチされたSIPOシフトレジスタが応答して並列に同時に提供するデジットは、第1の値を有する1デジットしか含まない。上で説明されたことと同様に、複数の加熱要素がシーケンスn=1、2、3、…Nで配置されたN個の加熱要素であるいくつかの例では、デジットは、それぞれバイナリ値である、各々が第1の値または第2の値を有するビットである。ここで、デジットを提供するために、プロセッサは、バイナリ数2
nを表すビットを、順番に、シーケンスn=1、2、3、…Nで、各々規定された時間間隔で提供するように構成されてよい。
【0094】
論理回路502がSIPOシフトレジスタ702であり、デジットが各々が第1の値(例えば、バイナリ1)または第2の値(例えば、バイナリ0)を有するビットである実施形態をさらに説明するために、セグメント化されたヒータ332が、8つの加熱要素334を含み、SIPOシフトレジスタが、対応する8つの出力506を含む例を検討する。SIPOシフトレジスタは、シフトレジスタへのビットを計時するクロック入力を含み得る。8ビットがシフトレジスタにラッチされ、その後並列に同時に出力されてよい。SIPOシフトレジスタはまた、電源324から直接、または電源からの電圧をそれぞれ降圧または昇圧するように構成された降圧または昇圧変換器を通して5ボルト(V)で供給される電圧入力を含み得る。SIPOシフトレジスタの接地は、プロセッサ508の接地に接続されてよい。
【0095】
プロセッサ508は、並列出力506の値を設定するために8ビット値のシーケンスを提供するように構成されてよい。このシーケンスは、セグメント化されたヒータ332の様々な加熱要素334への供給電圧である。適切なシーケンスの一例は、加熱要素の最初のものに2秒間電力を供給する(他の加熱要素には電力が供給されない)ための高電圧レベル(5V)のバイナリ1、次に加熱要素の2番目のものに2秒間電力を供給する(他の加熱要素には電力が供給されない)ための高電圧レベルのバイナリ1など、加熱要素の最後のものの2秒間の電力供給までである。このシーケンスは、エアロゾル送達デバイス100での吹かしの合間に中断されてよい。したがって、プロセッサは、プロセッサがこのシーケンスを通して段階を進むときにインクリメントまたはデクリメントされるカウントを維持することができ、これは、プロセッサが、単に最初の加熱要素へとリセットする代わりに、吹かしによってこのシーケンスにおける次の加熱要素から開始することを可能にする。プロセッサは、全ての加熱要素を通して段階を進んだ後、最初の加熱要素にリセットすることができる。
図8は、8ビット値の次のシーケンスに関するSIPOシフトレジスタの出力の電圧を示す:
10000000
01000000
00100000
00010000
00001000
00000100
00000010
00000001
【0096】
上で説明されたように、上で説明された回路は、電子タバコまたは非燃焼加熱式デバイスのいずれかのコンテキストで、あるいは両方の機能を含むデバイスの場合でも、エアロゾル送達デバイスに適用可能である。電子タバコのコンテキストでは、エアロゾル送達デバイスは、制御本体およびカートリッジを含み得る。カートリッジは、エアロゾル前駆体組成物(例えば、液体エアロゾル前駆体組成物)を保持するように構成された複数のリザーバを取り囲むハウジング(カートリッジシェルと呼ばれることもある)で形成されることができ、これは、リザーバの様々なものの中で同一の場合、または異なる場合がある。リザーバの各々はまた、セグメント化されたヒータの複数の加熱要素のうちのそれぞれの加熱要素を含む。様々な構成において、この構造はタンクと呼ばれる場合もあり;したがって、「カートリッジ」、「タンク」などの用語は、エアロゾル前駆体組成物のリザーバを取り囲み、セグメント化されたヒータの加熱要素を含むシェルまたは他のハウジングを指すために入れ替え可能に使用されてよい。
【0097】
図9は、種々の例示的な実施形態による、エアロゾル前駆体組成物を保持するように構築されたハウジングを含むエアロゾル送達デバイスを制御する方法900における様々な動作を示すフローチャートであり、セグメント化されたヒータは、エアロゾル前駆体組成物の成分を加熱し、それにより気化させるために別々に電力を供給することが可能な複数の加熱要素を含む。ブロック902に示されるように、方法は、それぞれ第1の値と第2の値を表す高電圧レベルと低電圧レベルとの間で切り替わる波形として論理信号を発生することを含む。方法は、ブロック904に示されるように、少なくとも第1の値を含む論理信号を、データ入力と、各出力がセグメント化されたヒータの複数の加熱要素のうちのそれぞれの1つに結合される複数の出力とを含む論理回路のデータ入力に提供することを含む。方法はまた、論理回路に第1の値を提供させ、それにより論理回路の複数の出力のうちの1つ以上の出力で高電圧レベルを提供させ、それにより複数の加熱要素のうちのそれぞれ1つ以上の加熱要素に電力を供給してアロゾル前駆体組成物の成分を加熱し、それにより気化させ、複数の加熱要素のうちの任意の他の加熱要素は同時に電力が供給されていないことを含む。
【0098】
本開示が関連し、前述の説明および関連する図面に提示された教示の恩恵を受ける当業者には、本開示の多くの修正形態および他の実施形態が思い浮かぶであろう。したがって、本開示は、本明細書に開示された特定の実施形態に限定されるものではないこと、ならびに修正形態および他の実施形態が添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されていることを理解されたい。本明細書では特定の用語が使用されているが、それらは一般的で説明的な意味でのみ使用されており、限定の目的では使用されていない。